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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年2月23日 (木)

「アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発」

1
異能の心理学者の人間ドラマ映画

ピーター・サースガードとウィノナ・ライダーが、夫婦役で魅せる

http://www.next-eichmann.com

2月25日のサタデーから、アット エンタテインメントの配給によりまして、新宿シネマカリテやらで、全国順グリのロードショー。

関西では、3月11日から、シネ・リーブル梅田やらで上映。

本作は、2015年製作の、アメリカ映画98分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2014 Experimenter Productions, LLC. All rights reserved.

4
学者・教授・博士・科学者・発明者らが、主演となった映画は、

何やら映画的には、異能で奇矯な、カルティックな怪作が、多いように思いますが、

そんな作品の、カルトだけに括らずに、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①博士の異常な愛情(1963年製作・イギリス映画)②ビューティフル・マインド(2001年・アメリカ)③ジキル博士とハイド氏(1932年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ミューズ・アカデミー(弊ブログ分析済み)③フラバー(1997年・アメリカ)

●サイコな人間ドラマ性を、初めて示したベスト③、

博士の核への愛を、ブラックに示したベスト①など、

この種の映画は、博士がマトモじゃないところを示す作品に、評価の高い作品が、多いように思われます。

5

一方で、発明者たちが変なものを発明して、ドラマを面白くするようなカルト③なども、

映画的娯楽面で、機能しているところもあります。

さて、そんな中において、本作やベスト②のように、実話系のドラマもあり、

また教授人間ドラマを、ユニークな視点で描き込まれた、本作やカルト②があります。

3
本作は、特殊な「服従実験」で、人間心理を探る、実在の実験と実験者を描いています。

「アイヒマン・ショー」(ブログ分析済み)や、「ハンナ・アーレント」(分析済み)などで描かれた、

ユダヤ人を虐待した、ナチスの幹部が、なぜそんな行為に走ったのか。

それを、1960年代に、一般人に仮託して実験し、

その心理を分析するのが、本作で描かれる実験の実態です。

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その後の評価を見るにつけ、賛否両論かしましい実験だったのですが、

その実態が、おそらくリアルにそのままに、描かれているかと思います。

そんな実験を考案した、スタンレー・ミルグラム教授役に、ピーター・サースガードのアニキが扮しました。

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彼が出演した映画は、いくつか見ています。

そして、思うに、彼の持ち味は、無表情なクールで、分析するように、セリフを紡ぐところでしょうか。

いやはや、この非情とも言えなくはない、冷静沈着ぶりは、ウウーンとうなるような、演技ぶりでありましょう。

象徴的なゾウをバックにした、ナレーション・シーンや、

いろんな野外実験での様子など、説得力はあんましないけど、

思わず引き込まれるカットが、いくつかありました。

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そして、彼と出会ってすぐに恋に落ちて、結婚するウィノナ・ライダーのネーさんの、

怪演ぶりにも、異能インパクトがあります。

久々に見た彼女ですが、彼女にまつわる、いろんな悪い噂に見合うような演技なのです。

そこは開き直ったのか、それとも…なのですが、それでも、ボクは彼女の演技ぶりに、ココロ魅かれました。

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1960年代頃まで使われた、映像をバックした、夫妻の車内ツーショット・シーンなど、

時代感を示すシークエンスも、妙味がありました。

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この実話が、テレビドラマ化されたシークエンスもまた、雰囲気は1960年代でした。

11
ミルグラム博士は、1984年に51歳で心臓病で、逝去するのですが、

映画化もされた、ジョージ・オーウェルのSF小説「1984」になぞらえられるのも、妙に一興でした。

9
異能の心理学者の人間ドラマとして、注目すべき作品でしょう。

また、1960~1970年代の映画的タッチもあって、ボク的には、渋くココロにきた作品でした。

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