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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年1月25日 (水)

イギリス映画「未来を花束にして」

1
イギリスの女性参政権運動の実話映画

女性監督による、ヒロイン映画の会心作

http://www.mirai-hanataba.com

1月27日のフライデーから、ロングライドの配給により、

TOHOシネマズ シャンテ、角川シネマ新宿、大阪ステーションシティシネマ、T・ジョイ京都などで、全国ロードショー。

本作は、2015年製作の、イギリス映画1時間46分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

4
ⓒPathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.

女性たちが地位の向上を求めて、団結して運動する。

過激な行動もし、また、男たちの暴力に対して訴える。

こういう映画はこれまでに、ケッコー出てきました。

そこで、そんな映画で洋画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・本作以外は、全てアメリカ映画)を、思いつくままに披露してみますと…。

●ベスト⇒①ノーマ・レイ(1979年製作)②ジュリア(1977年)③告発の行方(1988年)

●カルト⇒①本作②ジャンヌ・ダーク(1948年)③スタンドアップ(2005年)

2
●ヒロインと女運動家との、ひっそりした友情を描いた、ベスト②などは別にして、

アメリカ映画の女性運動ものは、派手でかつ、力強いドラマティックな演出が、施されていますが、

本作のイギリス映画は、あくまでシックな作りで、女性の弱々しきを最後まで、カンジさせる作りになっています。

そこに、泣きがあるのかどうかは別にして、

ボクはまず、キャリー・マリガンを、ヒロインに据えたことが、本作のシックなトーンを、決定づけたように思います。

3
「17歳の肖像」(2009年・イギリス・弊ブログ分析済み)や「わたしを離さないで」(2010年・イギリス・ブログ分析済み)で見せた、

嗚呼!かわいそうやんな、弱々しい演技性が、本作でも反映されています。

確かに、ヒロインが働く洗濯工場の工場主や、警察とのやり取りで、激しい口調を見せるものの、

夫から別れを言い出され、息子とも会えず、そして、病気にもなって、やっぱり弱者な演技を見せつけはりまして、

ボクにアーアと、ため息をつかせます。

なるほど、彼女の持ち味は、実はココにあります。

こおゆう弱弱演技で、胸をつかせる女優は、ハリウッドにはあんましいないのでは…。

5
彼女と共に、女性参政権運動にのめり込む、ヘレナ・ボナム=カーター。

ファンタジー映画などで、キャラクター付けされたとこのある、ヘレナ・ネーさんやけど、

今回はデビュー時の、シリアス演技に回帰。いい意味で、裏切られます。

そして、チョイ出演やけど、トランプ大統領に抗議した、ハリウッドの最高女優、メリル・ストリープの、たたずまいと風格。たまりません。

6
女性監督サラ・ガヴロンによる、ヒロイン映画。

女性監督による女性映画なので、女性のキモチに則した、派手やない静かな流れで、物語は紡がれます。

確かに、ショーウインドーを割る破壊活動や、抗議集会で警察に弾圧されたり、ダービー競馬アクションもありますが、

トータル的には、静謐な作りです。

7
映画的照明を入れない、1912年当時のイギリスのクリーニング工場の時代感。

手持ちカメラと近接撮影、さらにカット割りの多さで、グラグラ感を出しつつも、

ピアノや弦楽オーケストラなどの、サントラは控えめで、見終わって、音楽は鳴っていたかなあ~と思わせるくらい、ドラマに集中させる作りなんです。

葬送シーンから、ラストでモノクロの実写になり、静かに映画は、エンドマークを迎えます。

ボクは男やけど、女性映画ゆうたら、こおゆうのんが、たぶんベストなんやろなと思いました。

ベスト①の女の激しさと真逆の、女の弱々しさとその哀切を見た映画でした。

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