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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年1月の記事

2017年1月31日 (火)

1月に見た年間ベストテン級映画

アメリカ映画2本・日本映画2本・韓国映画2本の計6本をチョイス

◆アメリカ映画

●素晴らしきかな、人生(デヴィッド・フランケル監督/ウィル・スミス主演/2月25日公開)

http://wwws.warnerbros.co.jp/subarashiki-movie/

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●雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(ジャン=マルク・ヴァレ監督/ジェイク・ギレンホール主演/大阪3月11日公開)

http://www.ame-hare-movie.jp

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◆日本映画

●彼らが本気で編むときは、(荻上直子監督/生田斗真主演・桐谷健太出演/2月25日公開)

http://www.kareamu.com

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●愚行録(妻夫木聡・満島ひかり出演・2月18日全国公開)

http://gukoroku.jp

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◆韓国映画

●The NET 網に囚われた男(キム・ギドク監督/リュ・スンボム主演/大阪は2月25日公開)

http://www.thenet-ami.com

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●アシュラ(チョン・ウソン、ファン・ジョンミン共演/3月4日公開)

http://www.asura-themovie.jp

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●全ての作品は後日、詳細に分析いたしますが、

ひと言コメントなノリで、各作品のキモ・ポイントを、申し述べますと…。

まずは、アメリカ映画。

愛する人を亡くした失意から、立ち直る姿を、ポジティブなノリで描いた

「素晴らしきかな、人生」と「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」。

次に、日本映画。

「キッチン」(1989年製作・日本映画)以来続く、共同生活映画の、新たな地平を築いた「彼らが本気で編むときは、」。

「怒り」(2016年・日本・弊ブログ分析済み)などの、群像劇ミステリーの、

時制を巧みに織り込んだ、イヤミス(イヤな読後感あるミステリー小説)原作な快作「愚行録」。

そして、韓国映画です。

脱北映画へのアイロニーが込められた、キム・ギドク監督の会心の1作「The NET」。

過激な韓国暗黒映画の、究極型を示した「アシュラ」。

いやはや、年間マイ・ベストテン映画を、たぶんこの6作から、何作か選ぶかと思います。

みなさん、各作品の公開日には、劇場で会いましょう。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

フランス映画「ショコラ~君がいて、僕がいる~」

1
相棒映画の泣きの、実話ドラマ映画だ

チャップリンの孫と、「最強のふたり」オマール・シー

http://www.chocolat-movie.jp/

2月4日のサタデーから、東北新社の配給により、テアトル梅田、なんばパークスシネマやらで、全国順グリのロードショー。

本作は、2015年製作の、フランス映画119分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⓒ2016 Goumont/Mandarin Cinema/Korokoro/M6 Films

相棒・男の友情映画のヒット作「最強のふたり」(2011年製作・フランス映画・弊ブログ分析済み)の、

主演オマール・シーの最新作とゆうだけで、

おっと、今回の友情のキズナは、どないなもんなんかいなと、期待に胸が膨らむわけですが、

いやはや、とんでもないサプライズが、用意されとりました。

3
オマール・シーのお相手役は、何とチャーリー・チャップリンのお孫さん、ジェームス・ティエレ。

チャップリンといえば、いろんな映画を撮り、いろんな役を演じ続けてきましたが、

こおゆう友情ものとゆうのは、ありませんでした。

それを、お孫さんが、やっちゃったとゆう意外性。

4
でもしか、役柄としては、祖父とシンクロするような、コメディアン的な役ではあるんやけど、

ただ、祖父の監督・主演「ライムライト」(1952年・アメリカ・モノクロ)のように、

コミカルに関わらず、芸を見せる裏側の在り様を、稠密に魅せる内容になっとります。

5
しかも、映画創生記の時代の、黒人と白人のコンビによる、コミカル・ショーとゆうことで、

祖父以前の時代を、ほとんどシリアス調の演技で、通したところにも、ココロをそそられましたやろか。

6
当時、黒人は迫害される時代ではありましたが、

そんなオマール・シー演じる黒人が、ツッコミ役の相方チャップリンの孫と、漫才的に道化師・ボケ役をやってブレイクし、

パリでメッチャ有名になり、女遊びをして、やりたい放題をして、

やがて、アヘン飲んだり、不法滞在の罪なんかで捕まり、ムショへ入れられてしもて…。

7
そんなこんなで、チャーリー孫より、オマール・シーの方が、メッチャな放蕩・波乱な生き方なんやけど、

それを常に冷静に見つめ、見守る姿勢を続ける、チャーリー孫とゆう関係性が、

実に静かに、胸に食い込むように、描かれてまいるのです。

8
男の友情ものでも、「最強のふたり」には、ハッピーがありましたが、こちらには…泣きがあります。

ベタベタな友情ものでもないし、アメリカン・ニューシネマな衝動的でもない。

相方との友情ものではあるんやけど、付かず離れずのクール。

でもしか、しみじみと泣けてまう、シブミな泣きのある映画です。

9
2人のショーの日々の、ダイジェスト・シーンなどが、映画リズムを作り、

そして、ラスト・シークエンスの、再会の感動へとつなげてゆきます。

そこへたどり着くまでの、2人の確執部の描写も、詳細に描かれ、

派手なドラマティックとゆうよりは、より静かな感動的を構築しています。

10
相棒・友情映画の、一つの形態とキズナがあります。

フランス映画で言えば、囚人仲間の、友情もの名作「自由を我等に」(1931年)のタッチに、近いものがありました。

こちらは、実話をベースにしているだけに、感動もフィクション映画的作りを超えて、深みがあるかと思います。

映画に感動を求める方には、間違いなく、ピッタリの作品でしょう。

2017年1月27日 (金)

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

1
ティム・バートン監督の究極のファンタジー

タイムスリップ系SF映画の新次元へ

http://www.foxmovies-jp.com/staypeculiar/

2月3日のフライデーから、20世紀フォックス映画の配給によりまして、全国各地イッセーのロードショー。

本作は、2016年製作の、アメリカ映画2時間7分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2016 Twentieth Century Fox

かつても披露しましたが、変格ファンタジー映画の巨匠、ティム・バートン監督作品の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①シザーハンズ(1990年製作・アメリカ映画・以下の引用映画は、指定以外は、全てアメリカ映画)

②エド・ウッド(1994年)③ビッグ・フィッシュ(2003年)

●カルト→①本作②チャーリーとチョコレート工場(2005年)③マーズ・アタック!(1996年)

●ファンタジーやSF映画には、ピンからキリまであります。

本格シリアス・モードから、変格ユニークなものまででしょうか。

中でも、バートン監督作品には、新味あふれる、オリジナリティーなものが多い。

そのスタイルを分析してみますと…。

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ベスト①カルト②で示した、ジョニー・デップが演じた、異能なキャラクターの面白さ。

現実と非現実を往来した、親子のキズナ映画のベスト③。

また、現実の話でも、描かれる監督の作品を、ユニークなファンタジー性で、示したベスト②。

でもって、SF映画でも、カルト③のように、当時大ヒットした「インデペンデンス・デイ」(1996年)への、パロディー的に展開したりと、

常に斬新かつユニークな、ファンタジック映画を、披露し続けてきました。

3
そして、本作。

バートン監督の、21世紀のヒット作「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年・弊ブログ分析済み)は、

監督初期の作品「ビートルジュース」(1988年)のように、

2世界のシンクロナイズを、追求した作品でした。

その流れから、本作では、監督としては、初めてとも言うべき、タイム・スリップ系の2界に、挑んだ作品です。

1943年戦時の、イギリスの島にいる、ミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)と、彼女が面倒を見る、異能のコドモたちの、

1日がリフレインされる日々と、

2016年現代の世界との、シンクロナイズが展開するとゆう、

トンデモ破天荒、かつウルトラチックな仕上がりになっております。

4
現代から、主人公(エイサ・バターフィールド)が、ミス・ペレグリンの、1日が繰り返される世界へ、タイムスリップいたします。

そして、その世界のコドモたちらと、キズナに包まれた交流をしていきます。

さらに、そこにいてる女の子(エラ・パーネル)と、ラブ・ストーリーにまで展開し、

さらにさらに、現代へとスリップし、ハットトリックな、クライマックスの、一大アクション対決へ。

まさに、バートン監督の、変格ファンタジーの、総決算とゆうような、作りになっているのです。

いやはや、それにしても、好感度ある演技陣に、魅了されました。

エヴァ・グリーン、メッチャええわ~。

大ベテランのイギリスの役者、テレンス・スタンプ、ジュディ・デンチの、熟成の演技節。

さらに、悪役に扮した、「アベンジャーズ」のサミュエル・L・ジャクソン。

加えて、ラストロールで流れる、フィメール・メロディアス・バラードなど、「タイタニック」(1997年)の、セリーヌ・ディオンの主題歌並みに感動的。

今昔を束ねるアクション映画、とゆう意味でも、「アサシン・クリード」(3月3日公開・後日分析します)などへ、通じる映画です。

とゆうことで、家族一同で楽しめる、ファンタジー映画の会心作でした。

2017年1月26日 (木)

「ドクター・ストレンジ」

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「アベンジャーズ」シリーズのスピンオフ映画

「インセプション」チックな、VFX使いがスゴイ

http://Marvel-japan.jp/Dr-strange

1月27日のフライデーから、ディズニーの配給によりまして、3D&2D同時公開で、全国各地イッセーのロードショー。

本作は、2016年製作の、アメリカ映画115分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2016 Marvel. All Rights Reserved.

何はともあれ、VFX、エフェクト、CGなど、

トンデモ特撮ぶりの、新たな次元に、驚かされた作品でした。

街そのものを歪ませ、その中で対決させるとゆう作りは、

例えば、「インセプション」(2010年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)などでも、使われていましたが、

本作はそのさらに向こうへと、進化したものです。

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ボク的には、約5シークエンスで驚かされました。

①冒頭で披露される、街を歪ませ、ビルの横壁での対決。

床をはずし続けて、何とも言えない、スリリングかつハットトリックで、スピードフルな、アクション対決シーンです。

②そのロング・バージョン。

クライマックスの1つだと言えましょう。

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③病院内での、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の、亡霊風透明対決。

こおゆう対決は、過去の映画にもあったかもしれませんが、その流れや展開、設定に、異彩と新味をカンジました。

④魔術師役の、ティルダ・スゥイントンが、ドクター・ストレンジに、異世界を見せるシーン。

前へ前へと進む、色彩豊かな、異次元空間のさまよい。

「2001年宇宙の旅」(1968年・アメリカ)の、クライマックス・シーンを、ボクは思い出しました。

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⑤香港でのクライマックス・シーン。

ドクター・ストレンジが、マントを使って、元へ戻せる能力を駆使して、元へ戻していく、時間逆行のハットトリック。

そんな逆行の中で、バーサスが展開するとゆう、時空間対決の新たな造形。

「インセプション」でもあったけど、こちらは、時間軸の狭間とゆう点を強調した、詳細でリアルな作りになっています。

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さてはて、イントロでは、主人公の天才外科医ぶりを示して、

その直後、車を思いっきり飛ばして、事故って大ケガを負うシーンがあります。

奇跡的に生き残った主人公ですが、手が思うようにいかずに、手術ができないことを知ります。

でもしか、「ロボコップ」(1987年・アメリカ)的に復帰しようと、

必死のパッチのリハビリを、やり続けるのですが、うまくいかず、

彼女(レイチェル・マクアダムス)に当たって、仲違いしてしまいます。

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1人になってしまった主人公。

同じくリハビリしてた同僚が、元通りになったことを知った主人公は、

その方法論を聞いて、ネパールの魔術師のとこへ。

ヒーロー、ドクター・ストレンジへの道を、歩んでゆくのでありました。

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主人公役の、ベネディクト・カンバーバッチと言えば、

祖国イギリスでは、高視聴率テレビドラマの、主演に扮して、国民的俳優になっている方です。

なるほど、本作を見ても、その逆境をハネ返すような、粘り込みと執念の演技は、

日本でも国民的好感を、呼ぶような演技性でしょう。

「アベンジャーズ」シリーズの、スピンオフとは申せ、

スピンオフから、大化けシリーズになるような、ヒロイズム的魅力に満ちた快作でした。

「トッド・ソロンズの子犬物語」

1
犬を狂言回しにした、シニカルな人間連鎖ドラマ

ダックスフンドの、数奇な犬生の半生

http://www.koinu-story.jp

1月28日のサタデーから、ファントム・フィルムの配給により、シネ・リーブル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、アメリカ映画88分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015WHIFFLE BALLER,LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、人間じゃないモノを、狂言回しにして紡ぐ、シニカルな人間連鎖の、群像劇ドラマです。

そんなドラマの、マイ・ベスト・スリー(順位通り)を、申し述べますと…。

12
①運命の饗宴(1943年製作・アメリカ映画・モノクロ)②本作③レッド・バイオリン(1998年・カナダ&イタリア合作)

●いろんな人の頭を巡る帽子を、狂言回しにした①は、この種の映画の、嚆矢的作品でしょう。

いろんな人へと持ち主が変わる、バイオリンを回した③。

そして、本作は、飼い主が変わる、ダックスフンド犬を回しています。

3
この種の映画で重要なのは、犬を媒介に、いろんな人のヒューマン・ドラマを、紡ぐとこにあります。

でもって、狂言回しとなったモノに、ブラック・ユーモアチックに、着地させた点において、

実に渋い、唯一無二なものになっています。

2
画像上から2枚目から、ストーリー的に合わせて、ほぼ順番に並べてみました。

見ていただいたら、分かるかと思いますが、説明いたしますと…。

11
ダックス犬を飼った家族のコドモが、犬小屋に閉じ込められたダックスを、

親がいない時に、勝手に出して、一緒に遊びまくるのですが、

その犬が、フンを部屋やらに、思いっきりしたことによって、オトン・オカン(ジュリー・デルピー)の反感を呼び、

遂には、犬病院に連れていって、処置されることと相なります。

5
でもしか、犬をかわいそうに思った、病院のアシスタント(グレタ・ガーウィグ)が、犬を自分のものにします。

で、彼氏(キーラン・カルキン)と、犬を連れて、車でロードムービーして、彼氏の障害者の兄夫婦のとこへ行き、

犬を兄夫婦に譲って、彼女は彼氏と旅立ちます。

6
でもって、カントリーをバックに、ダックスが歩く、インターバルがあって、

その後、映画学校の講師(ダニー・デヴィート)、要介護のおばあちゃん(エレン・バースティン)と、飼い主が変わります。

8
そんなこんなと、ストーリーを見てきましたが、そんな中で、役者陣の凄さぶりに、アッとな驚きがありました。

7
渋いベテラン役者陣ですが、共に映画監督もやったことがある、

ジュリー・デルピーの、アンニュイなオカン役に、ダニー・デヴィートの、嘆きの講師役。

でもって、アカデミー主演女優賞女優、エレン・バースティンの、熟成の演技。たまりませんでした。

10
そして、若手の中では、グレタ・ガーウィグの、好感度の高いイイ人役。

「マギーズ・プラン」(弊ブログ1月20日付けで分析)でも、彼女の演技性に言及していますので、ご覧ください。

9
女性の子守唄的呟きのスローや、カントリー・ナンバー「ウィンナードッグ」など、

作品性に合わせた、歌ものサントラにも、ココロ魅かれました。

13
トッド・ソロンズ監督の、まさに真骨頂。

「ハピネス」(1998年・アメリカ)なんぞを、DVDでチェック、予復習して、本作を楽しみましょう。

2017年1月25日 (水)

「スノーデン」⇒オリバー・ストーン監督作品

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CIA職員の機密暴露の、実話を描いた、社会派映画の問題作

「ボーン」シリーズの現実版か

http://www.snowden-movie.jp

1月27日のフライデーから、ショウゲートの配給により、全国ロードショー。

本作は、2016年製作の、アメリカ・ドイツ・フランス合作の135分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2016 SACHA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、実話をベースにした、社会派映画の巨匠、オリバー・ストーン監督の最新作です。

かつても披露しましたが、ストーン監督の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・以降の引用は、全てアメリカ映画)。

今回は実話を基にした作品の、バージョンでやってみましょう。

●ベスト⇒①JFK(1991年製作)②サルバドル 遥かなる日々(1986年)③ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年)

●カルト⇒①本作②ワールド・トレード・センター(2006年)③ブッシュ(2008年)

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●監督作品で顕著なのは、ベスト①カルト③のUSA大統領絡み、

稀代の殺人鬼ベスト③などの、パーソナルな人間性に迫るもの、

ベスト②カルト②のように、テロや内紛・戦争絡みのものなど、

ある種の方程式のような、パターン化があったように思います。

でもしか、本作は重大事件を取りあげたとはいえ、また、機密漏えいする主人公の、人間性に迫る作りとはいえ、

CIA関連の謎に迫った点が、これまでの作品とは、事を異にしているように思いました。

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CIAもの映画といえば、アクション・バリバリの「ミッション:インポッシブル」シリーズ(第1弾は1996年)だったり、

「ボーン」シリーズ(第1弾は2002年)だったりを思い出しますが、

本作はアクションよりはサスペンス、「ボーン」のように、裏切り行為をポイントにしてますが、

「ボーン」のハデハデとは違って、あくまで密かに事が進行する、シズシズの慎重路線でいってはりましょうか。

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21世紀ならではの、流れと展開・構成は、「ソーシャル・ネットワーク」(2010年・弊ブログ分析済み)などに通じ、

また、内部告発・機密漏えいものとしては、静かに緊張感を増した「インサイダー」(1999年)などへも、通じてまいります。

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CIAの機密を漏えいする主人公役には、ジョセフ・ゴードン=レヴィット。

激演技には向かない、クールな演技ぶりは、「ボーン」のマット・デイモンとは、まさに真逆の演技と言えましょう。

「インセプション」(2010年・ブログ分析済み)で見せたアクションも、どこかベタやなく、クールで飄然としてたんやないやろか。

写真下に映るルービック・キューブを、使ったトリックなんかも、シンプル・イズ・クーリッシュ。お見事でした。

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そんなCIA員の周囲にいてる、リス・エヴァンス、トム・ウィルキンソン、ニコラス・ケイジらが、

奇怪かつ濃いキャラで、何やらはみ出しもんっぽいのんが、異彩を放ち、主人公のクールとの、対比効果はくっきり。

そして、唯一の味方となる、主人公のヨメ役、シャイリン・ウッドリーの、好感あるシャッキリ感。

「ダイバージェント」(2014年~2016年・ブログ分析済み)や「きっと、星のせいじゃない」(2014年・ブログ分析済み)でも見せた、しっかりしてまっせ感が、エエカンジです。

8
シンセの打ち込み系の、無機的サントラから始まり、

でもしか、最後の方では、ピアノや弦楽オーケストラの、アコースティックなサントラへと、

いつの間にか変わる流れも、本作の作品性に合っていました。

とゆうことで、知的でサスペンスフルな「ジェイソン・ボーン」として、見られるような快作映画です。

イギリス映画「未来を花束にして」

1
イギリスの女性参政権運動の実話映画

女性監督による、ヒロイン映画の会心作

http://www.mirai-hanataba.com

1月27日のフライデーから、ロングライドの配給により、

TOHOシネマズ シャンテ、角川シネマ新宿、大阪ステーションシティシネマ、T・ジョイ京都などで、全国ロードショー。

本作は、2015年製作の、イギリス映画1時間46分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒPathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.

女性たちが地位の向上を求めて、団結して運動する。

過激な行動もし、また、男たちの暴力に対して訴える。

こういう映画はこれまでに、ケッコー出てきました。

そこで、そんな映画で洋画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・本作以外は、全てアメリカ映画)を、思いつくままに披露してみますと…。

●ベスト⇒①ノーマ・レイ(1979年製作)②ジュリア(1977年)③告発の行方(1988年)

●カルト⇒①本作②ジャンヌ・ダーク(1948年)③スタンドアップ(2005年)

2
●ヒロインと女運動家との、ひっそりした友情を描いた、ベスト②などは別にして、

アメリカ映画の女性運動ものは、派手でかつ、力強いドラマティックな演出が、施されていますが、

本作のイギリス映画は、あくまでシックな作りで、女性の弱々しきを最後まで、カンジさせる作りになっています。

そこに、泣きがあるのかどうかは別にして、

ボクはまず、キャリー・マリガンを、ヒロインに据えたことが、本作のシックなトーンを、決定づけたように思います。

3
「17歳の肖像」(2009年・イギリス・弊ブログ分析済み)や「わたしを離さないで」(2010年・イギリス・ブログ分析済み)で見せた、

嗚呼!かわいそうやんな、弱々しい演技性が、本作でも反映されています。

確かに、ヒロインが働く洗濯工場の工場主や、警察とのやり取りで、激しい口調を見せるものの、

夫から別れを言い出され、息子とも会えず、そして、病気にもなって、やっぱり弱者な演技を見せつけはりまして、

ボクにアーアと、ため息をつかせます。

なるほど、彼女の持ち味は、実はココにあります。

こおゆう弱弱演技で、胸をつかせる女優は、ハリウッドにはあんましいないのでは…。

5
彼女と共に、女性参政権運動にのめり込む、ヘレナ・ボナム=カーター。

ファンタジー映画などで、キャラクター付けされたとこのある、ヘレナ・ネーさんやけど、

今回はデビュー時の、シリアス演技に回帰。いい意味で、裏切られます。

そして、チョイ出演やけど、トランプ大統領に抗議した、ハリウッドの最高女優、メリル・ストリープの、たたずまいと風格。たまりません。

6
女性監督サラ・ガヴロンによる、ヒロイン映画。

女性監督による女性映画なので、女性のキモチに則した、派手やない静かな流れで、物語は紡がれます。

確かに、ショーウインドーを割る破壊活動や、抗議集会で警察に弾圧されたり、ダービー競馬アクションもありますが、

トータル的には、静謐な作りです。

7
映画的照明を入れない、1912年当時のイギリスのクリーニング工場の時代感。

手持ちカメラと近接撮影、さらにカット割りの多さで、グラグラ感を出しつつも、

ピアノや弦楽オーケストラなどの、サントラは控えめで、見終わって、音楽は鳴っていたかなあ~と思わせるくらい、ドラマに集中させる作りなんです。

葬送シーンから、ラストでモノクロの実写になり、静かに映画は、エンドマークを迎えます。

ボクは男やけど、女性映画ゆうたら、こおゆうのんが、たぶんベストなんやろなと思いました。

ベスト①の女の激しさと真逆の、女の弱々しさとその哀切を見た映画でした。

2017年1月24日 (火)

「マグニフィセント・セブン」

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アメリカン西部劇は今?

黒澤明アクションは今?

http://www.Magnificent7.jp

1月27日のフライデーから、ソニー・ピクチャーズの配給により、全国ロードショー。

本作は、2016年製作の、アメリカ映画2時間13分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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日本が世界に誇る、黒澤明監督の、「荒野の七人」(1960年製作・アメリカ映画)に続く、

「七人の侍」(1954年)の2度目の、ハリウッド・リメイク作品です。

とゆうことで、黒澤作品のリメイク作品、原案作品、もしくは黒澤作品に影響を、大いに受けた作品の、

マイ・ベスト&カルト作品(各順不同)を、披露してみますと…。

●ベスト⇒①スター・ウォーズ(1977年・アメリカ・以降の引用は指定以外は、黒澤作品以外は、全てアメリカ映画)②荒野の用心棒(1964年・イタリア&西ドイツ&スペイン)③暴走機関車(1985年)

●カルト⇒①本作②荒野の七人③アンストッパブル(2011年)

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●ハリウッドでの黒澤明シンドロームは、

1970年代に、スピルバーグ、コッポラ、ルーカス監督らの、トリビュートを始めとして、今もなお、綿々と続いています。

シリーズ第1弾のベスト①は、リメイクではないですが、

黒澤明「隠し砦の三悪人」(1958年)の設定を、応用し活かした点で、今もなお伝説です。

「用心棒」(1961年)のリメイクのベスト②。

ハリウッド監督で、日本の評論家受けの最も高い、クリント・イーストウッドの、俳優としての出世作。

黒澤明原案のベスト③は、カルト③のリメイクも作ったし、

「スピード」(1994年)などへも、影響を与えた作品。

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そして、クロサワの最高傑作と言われる「七人の侍」の、第1弾リメイクのカルト②と、2度目の本作。

黒澤アクションが、アメリカの伝統劇映画・西部劇ウエスタンに、メッチャ似合うことを、大いに提示した作品ですが、

本作は、技術向上した21世紀の、映画的アクションを施して、

カルト②がおとなし過ぎるやん、と思えるくらいの、過激な作品になっております。

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でもしか、西部劇と言えば、今はハリウッドでは、あんまし手を出さない、ジャンルになっていますが、

本作は、そんなことをすっかり忘れさせてくれる、トンデモ・ハードな銃撃アクションになっています。

モチ「七人の侍」は、銃撃戦ではなく、騎馬戦、剣戟が主でしたが、

剣が銃になると、さらに迫力・臨場感を増すことが、明白とゆうことが、よおく分かります。

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圧制に対する住民の反抗、そのサポートをする七人とゆう構図の中で、

黒澤ヒロイズムが、カルト③で主演もした、デンゼル・ワシントンをメインに、バクハツしてまいります。

黒人、メキシコ人、韓国人(イ・ビョンホン)など、「七人の侍」の多彩なキャラを、得意ワザだけでなく披露。

異彩を放っていますし、何はともあれ、

ライマックスのアクションは、ドトウの銃撃戦の連続で、スクリーンに釘付けとなることでしょう。

黒澤アクションは、ハリウッドでも今も健在や~、

それを改めて思い知らされた、アクション大作でした。

2017年1月23日 (月)

「皆さま、ごきげんよう」

1
シニア映画の、ニュー・スタイル映画とは?

突飛なエピソードにも、和みがある爽快作

http://www.bitters.co.jp/gokigenyou/

1月14日~テアトル梅田、1月28日~シネ・リーブル神戸、2月4日~京都シネマなど、ビターズ・エンドの配給により、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、フランス・ジョージア合作の121分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒPastorale Productions - Studio 99

グルジア(現ジョージア)出身の監督、オタール・イオセリアーニ監督の、独特な映画作家性を示した会心作です。

その作家性を、分析してみましょう。

本作は、チャップリン映画的に、ピアノの軽快なサントラから始まります。

そして、セリフなしのサイレント映画的タッチを、ベースに展開していくのは、

明らかにサイレント映画への、現代的こだわりを示しています。

3
かつては1950年代に、フランスのジャック・タチ監督などが、

サイレントあるいは、パントマイムをポイントに、ユニークな主人公の造形に成功し、

役者の動作が、いかに映画に重要であるかを示しました。

でもって、本作も、その作家性を、如実に受け継いではります。

7
さらに、群像劇的とゆうか、多彩なエピソードを盛り込んで、

2人の老人のつながりへと、帰結していく展開は、この監督ならではオリジナリティーです。

群像劇の巨匠、ロバート・アルトマン監督ほど説明的でなく、

また、多彩なエピソードを、一つに集約するタイプの、オムニバス映画のようなタッチとは違い、

主人公たちの周辺で起こる、いろんなイザコザを含めて、主人公たちとのつながりを、無視して描き、

また、ブラック・ユーモアある、過去のギロチンや戦争のエピソードを、無造作に盛り込んだりと、

ざっくばらんアラカルトな作りが、何とも味のあるもんになっとりますねん。

4
おそらく、とゆうか、基本はシニア映画です。

2人の老人の、現在のパリでの行動ぶり。

過去の恋愛のことや、2人の、ベタな友情ものとは違う、今のあっさり淡泊な付き合いぶり。

とにかく、渋い。

5
老人ものシニア映画にありがちな、孤独映画でもなく、

ひょうひょうとした、あっけらかんとした作りが、

ある種の癒やしさえ、カンジさせる作りになってるんでおますよ。

8
ボクはイオセリアーニ監督の全作を、見ているわけではありませんが、

エピソードを流れるように紡いで、妙味を覚えた「素敵な歌と舟はゆく」(1999年製作・フランス&スイス&イタリア合作)や、

サラリーマンの、無断欠勤の月曜日の、ブラリ旅を描いた「月曜日に乾杯!」(2002年・フランス&イタリア)など、

そのほんわかゆったりな作家性に、ホワ~ンと癒やされたように思います。

6
本作もまた、上記2作と同様に、ホワ~ンがあります。

シニア映画でも珍しい、ユトリとスロー・ライフ感を、カンジさせる本作。

心地いい快作でした。

2017年1月22日 (日)

「恋妻家宮本」⇒日曜邦画劇場

1
阿部寛と天海祐希の、コメディ系夫婦映画

家族一同で見に行ける、良質の仕上がり

http://www.koisaika.jp

1月28日の土曜日から、東宝の配給で、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2

ⓒ2017「恋妻家宮本」製作委員会

本作は、阿部寛・天海祐希による、コミカル系の夫妻映画です。

でもしか、教師役の阿部寛の、生徒との関わりでの、泣ける人情エピソードもあり、

多彩な角度から、夫婦のキズナの、なんたるかを捉えています。

5
シリアス系とは違う、コミカル系の夫妻映画といえば、

「夫婦善哉」(1955年・モノクロ)などが筆頭にありますが、

本作は、ある種現代の「夫婦善哉」と言ってもいい、仕上がりになりました。

9
コドモが大人になって結婚して家を出て、夫妻は何年ぶりかで2人になり、

ヨメ天海祐希は、ダンナ阿部寛に迫り、これからは名前で、呼び合おうよと言います(写真上から3枚目)。

3
でもしか、阿部寛は、自宅の書棚にある、ハードカバーの志賀直哉作の「暗夜行路」を、読み返そうかとして、

そこに挟まれた、ヨメ天海が自分の欄だけ書いた、離婚届けを発見します(写真上から4枚目)。

ヨメには何も問わず、阿部はヨメの真意は何かに、悩み続けるのです。

「家族はつらいよ」(2016年・弊ブログ分析済み)にもあった設定ですが、

コレが本作のネタの、一つになっとります。とゆうか、メイン・ネタかな。

6
ファミレスをポイントにした、夫妻の過去回想シーン(上から11枚目)もあり、

ソフト・フォーカスな柔和なタッチが、ほんわか優しいですわ。

7
「旅の重さ」(1972年)で使われた、吉田拓郎の名曲「今日までそして明日から」が、

劇中の重要なとこで使われたり、ラストではファミレスで、登場人物全員で歌ったりしていますが、

夫妻の世代的には、1970年代はどうかとは思いましたが、ボク的には、グッときた選曲やったです。

13
教師ドラマとしての、阿部寛もメッチャ良かった。

「青い鳥」(2008年)などでは、生徒をクールに見る、吃音の渋い教師役やったけど、

今作では、もっともっと生徒たちに寄り添い、

熱血とはチョイ遠いけど、ここぞとゆう時には、ググッとキメてくれてます。

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阿部寛は、教師もやった夏目漱石に、心酔してはりまして、

漱石が教師になって、言った3つのこと、「考えよ」「語れ」「行なえ」を生徒に教えます。

それが、生徒とのキズナの中でも、披露されますので、注目あれ!

4
ほんでもって、阿部寛は、料理教室にも通ってはりまして、

一緒に調理する、菅野美穂や相武紗希とも関わります。

菅野美穂とは、ダブル不倫に(!?)。

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何やら阿部寛の方が、目立っているようですが、

ヨメ天海サイドも、決して負けてませんで。

なぜ離婚届けを書いていたのかなど、ミステリアスなとこもあるがゆえに、伏せるとこもあったのでしょうが、

クライマックスとなる、恋妻駅での夫妻のやり取りは、本作の大いなる見どころとなっています。

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松竹系のコミカル家族ドラマ、例えば「男はつらいよ」シリーズと比較しても、

決して遜色のない、日本映画独特の、娯楽家族夫妻映画になっています。

家族みんなで見に行って、楽しめる映画です。

2017年1月20日 (金)

「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」

1
超変形三角関係ドラマの、泥沼ならぬサプライズ

多彩なサントラをバックに展開

http://www.MAGGIESPLAN.JP

1月21日のサタデーから、松竹の配給で、全国ロードショー。

本作は、2015年製作の、アメリカ映画99分。

2
ⓒ2015 Lily Harding Pictures, LLC All Rights Reserved.

ⓒJon Pack, Hall Monitor Inc.

不倫映画なんかを含めて、三角関係の恋愛映画とくれば、これまでに数多くの、タイトル数が出ております。

そんな中でも、本作はリアリティーを逸脱した、かなり異例の内容。

いわゆる、女は略奪婚が成功したにも関わらず、数年後トンデモどんでん返しを、やってまうとゆうお話でありんす。

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恋愛が長続きしないため、精子バンク・人工授精で、コドモを儲けて、シングル・マザーになろうとするヒロイン(グレタ・ガーウィグ)。

そんな時に、ポストモダンな文化人類学者(イーサン・ホーク)と出会う。

彼は女大学教授(ジュリアン・ムーア)と結婚し、コドモが2人もいたけど、不倫の果てに離婚し、グレタと結婚します。

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フツーの不倫映画は、この三角関係で、泥沼が展開したり、

元サヤやったり、離婚・再婚やったりがあって、決着するんやけど、

本作は、そんな決着より3年後を、メイン・ソースで描いています。

グレタとイーサンの間には、娘ができていまして、

ほんで、ジュリアンの方に、コドモ2人がいるんやけど、

仕事の忙しいジュリアンに代わって、グレタは自分の娘だけやなく、2人のコドモの面倒も、見てるってな状況です。

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しかも、後妻グレタと前妻ジュリアンは仲が良く、イロイロやっているうちに、

グレタはジュリアンに、イーサンを返そうと画策し、ジュリアンと計画を練って、何と実行に移すのであります。

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トンデモあり得ない展開です。

このグレタの行動心理を、リアリティーをもって描写するには、

かなり難易度の高い演出ぶりが、必要になってくるでしょう。

でもしか、グレタはひょうひょうとしたカンジで、マイペースでヒロインを演じてはります。

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ボクが彼女を初めて見たのは、「フランシス・ハ」(2012年・アメリカ・弊ブログ分析済み)でしたが、

その時のあっけらかんな明朗系イメージが、気難しい演技になるだろうなとゆう予想の本作でも、なぜか後退してはいませんでした。

見ていて、憎めないのほほんなとこが、彼女の持ち味でしょうか。

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いつもは、厳しくシリアスな演技で魅せる、イーサン・ホークやジュリアン・ムーアが、

グレタに合わせてかどうかは分かりませんが、丸まった演技ぶりでいってはります。

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そして、サントラも充実。

シーンに合わせて、ビッグバンド・ジャズ、ファンキー・サウンド、ギター・サウンド、弦楽オーケストラなどと、多彩に流し、

さらに、歌ものも充実。

中でも、サントラというより、劇中で流れたり歌われたりする、ブルース・スプリングスティーンの、ノリノリの「ダンシング・イン・ザ・ダーク」は、印象的です。

何はともあれ、本作は、変形三角関係恋愛ものであると同時に、変形アメリカン家族映画にも、なっている映画でした。

2017年1月18日 (水)

「ザ・コンサルタント」

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スーパーマンか、スパイダーマンか

2つの顔を持つ男の、劇的アクション映画だ

http://www.consultant-movie.jp

1月21日のサタデーから、ワーナー・ブラザース映画の配給により、全国ロードショー。

本作は、2016年製作のアメリカ映画128分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

アクションとは無縁の、職業を持ちながら、別の顔として、必殺のアクションを披露する、ヒロイズム映画です。

この種のタイプの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①スーパーマン(1978年製作・アメリカ映画)②スパイダーマン(2002年・アメリカ)③エアフォース・ワン(1997年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②蘇える金狼(1979年・日本)③ジキル博士とハイド氏(1932年・アメリカ・モノクロ)

●アメコミ原作のスーパー・ヒーローもの、ベスト①②は、この種の映画の、雛形的作品でありましょう。

大統領がアクションする、ベスト③などと共に、段差あるヒーロー映画の傑作印。

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でもしか、トンデモ・サプライズな作品は、カルトの方で取り上げました。

松田優作が演じたカルト②や、

2つの顔を持つ男の、いわゆる古典的な作品カルト③。

そして、本作は、コンサルタントの職業に就きながら、

スポンサー筋との対決・応戦をして、遂には銃撃戦・格闘戦を見せるとゆう、新種のタイプ。

未だかつてない、弁護士なんかが、2つの顔を持つくらいの、サプライズがありました。

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さらに、主人公のキャラクター付けとして、幼い頃に自閉症を患い、

でもって、今、アクションする、コンサルタントになってるとゆう、

さらなるサプライズ・キャラ付けを、やっているんです。

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主人公役には、ベン・アフレック。

アメコミものでも、アカデミー賞作品賞ゲット作品でも、この2つの顔を、多彩に披露するハリウッド男優です。

そして、主人公と関わることになる、助演女優には、アナ・ケンドリックが、キャスティングされました。

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弱々しさをベースに、何やら守ってあげたいやんとゆう、キャラがメッチャ似合う、アナ・ケンドリックのネーさん。

加えて、主人公の謎を追う女分析刑事役の、シンシア・アダイ=ロビンソンネーさんの、カッコヨサ。

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シンシア・ネーさんの、上司役のJ.K.シモンズ、

主人公にムショで裏会社の、金の流れを教える、ジェフリー・タンバー、

本作の、大いなるキー・ポイントな、社長さん役を演じる、ジョン・リスゴーなど、

名バイ・プレーヤーを演じ続けてきた、ベテラン俳優の、渋い熟成の演技にグッときました。

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そんな中、本作の面白さは、あくまで、ベン・アフレックの、ダーク・ヒーローぶりでしょう。

窓にまで分析を書き記して、一夜で不正を明かす、事務的ヒロイズムがあったり、

CIAまがいの、スパイ的ミッション的アクションを、平然とこなしたりと、いやはや、メッチャたまりまへんがな。

ハリウッドのヒロイズム映画に、新たな地平を築いた、傑作映画です。

「太陽の下で-真実の北朝鮮-」

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1人の少女が、洗脳されてゆく過程を捉えた

社会派ドキュメンタリーの、画期的な1本

http://www.taiyouno-shitade.com

1月21日の土曜日から、ハークの配給により、シネマート新宿、シネマート心斎橋などで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、チェコ&ロシア&ドイツ&ラトビア&北朝鮮合作の110分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

北朝鮮の謎めきや実情を捉えた、社会派ドキュメンタリー。

北朝鮮絡みのドキュと言えば、

昨年も「将軍様、あなたのために映画を撮ります」(2016年製作・イギリス映画・弊ブログ分析済み)とゆう、

北朝鮮に拉致された、韓国映画監督と韓国女優のお話だったり、

ドラマ映画では「かぞくのくに」(2012年・日本・ブログ分析済み)が有名な、在日女性監督ヤン・ヨンヒの、

「愛しきソナ」(2011年・日本・ブログ分析済み)とか、「ディア・ピョンヤン」(2005年・日本)とかがありました。

本作は、少女を捉えている点において、表面上は「愛しきソナ」のタッチを、思い出しますが、

でもしか実は、「愛しきソナ」とは、真逆とも言える作りになっているのです。

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さてはて、北朝鮮がもちろん自国の実態を、撮るなんてことはありません。

上記の引用作品は、イギリスや日本の映画ですし、北朝鮮も出資してるけど、本作もロシア映画です。

ただ、本作は北朝鮮ロケを敢行し、上からの圧力によるヤラセを含めて、

現在の北朝鮮の家族の様子を、おそらく初めて捉えた作品でしょう。

そして、少女が体制側から洗脳されてゆくあらましを、

微細に取り上げた、画期的な作品になっています。

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3人家族の少女をモチーフに、いきなり学校での、洗脳教育現場が映されます。

同族支配者キムの素晴らしさ、アメリカ・日本への敵対的情報など、それをすり込むのが、メインの教育ぶり。

家族ドキュながら、全てが演出されてまして、そのメイキングぶりも映されています。

いやはや、驚きものの衝撃のドキュです。

少女は8歳で「朝鮮少年団」に入団し、さらなる洗脳教育がなされてゆきます。

そして、いろんな堅苦しいイベントで、支配者キムがいない中、キムへの忠誠が、強いられてゆきます。

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でもしか、少女は、過酷な歌や踊りの特訓続きに、思わず泣き、

反抗的な言葉は吐かずとも、無表情のほか、いろんな表情が、それを代弁しています。

そおゆう実態を、整然とそのまま撮られた本作。

北朝鮮ドキュものとかを超えて、社会派ドキュの傑作になりました。

映画館へ、心して見に行ってください。

2017年1月17日 (火)

「ちょき」⇒和歌山ロケ日本映画

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優しくて穏やかなラブ・ストーリーや

吉沢悠と増田璃子が、癒やしを醸し出す

http://www.choki-movie.com

1月21日の土曜日から、SDPの配給で、シネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、元町映画館などで、全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2016「ちょき」フィルムパートナーズ

盲目の人が出てきはって、感動的な話へと、導いてくれはるような映画。

本作もまた、そんな映画でおます。

洋画では、チャップリンの「街の灯」(1931年製作・アメリカ映画)や、

オードリー・ヘプバーン主演の、「暗くなるまで待って」(1967年・アメリカ)などの名作がありますが、

ほな、日本映画ではどないなもんやろか。

ちゅうことで、邦画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露してみますと…。

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●ベスト⇒①はなれ瞽女(ごぜ)おりん(1977年)②武士の一分(2006年)③座頭市物語(1962年)

●カルト⇒①本作②星に願いを(2002年)③ふみ子の海(2007年)

●「暗くなるまで待って」みたいに、盲人がアクションやサスペンスするタイプの、ベスト②③は、

目が見えないだけに、独特なアクションが造形できるんやけど、

でもしか、やっぱ、恋や愛をキーワードにした映画こそ、

「街の灯」を引き合いに出すまでもなく、この種の映画の王道・感動作やと申せましょう。

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本作の主演は、地方映画の雄・吉沢悠(ひさし)。

東宝配給やったカルト②では、竹内結子と、盲人役でラブ・ストーリーを演じて感動的やった。

少女の盲人カルト③など、チャン・イーモウ監督の「至福のとき」(2002年・中国)みたいに、かわいそうやんを披露する場合も、あるにはあるけど、

でも、盲人と見えてる人のラブには、「街の灯」以来、

感動的かつ、ドラマティックなものがあるようどす。

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そして、最近弊ブログ分析作品では、「トマトのしずく」(2016年)など、地方ロケ映画に出続けてはる、吉沢悠のアニキが主人公役。

北海道ロケのカルト②、和歌山ロケの本作。

盲人役ではないけども、今作でも好感ある恋愛映画の、恋する主役を演じはりました。

お相手の方が、盲人キャラどして、本作が映画初主演となる、増田璃子(りこ)ちゃんがやらはりました。

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盲人らしい弱々しさで、観客の同情を引く演技もあるけども、決してそれオンリーやありまへん。

そのあたりは、映画を見ていただいたら、分かるかとは思うけど、

「至福のとき」のヒロインとの違いは明白。

恋するときめきが、スクリーンから切なく伝わってくる、仕上げなんでおますよ。

胸に染み入る、彼女の演技です。

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ロングショット撮影を含めて、意識的な奥行きのあるカットとゆうのは、

映画作家性を出す意味においては、ある種教科書的やけども、

アップやクローズアップとのバランス感、長回し撮影やギター・サントラの流し方など、

ここぞとゆう時の使い方に、映画的撮り方の、妙味と粋をカンジましたで。

神社へ階段を上がって2人が向かう、2分くらいの長回しカットや、

ネオンと顔のアップを、短カットで編集したオートバイ・シーンなどが、印象的やったな。

激白なベスト①と真逆の、癒やしの作りが、しっとりきた作品でした。

韓国映画「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」

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ユニークなコンゲーム・ノリの、韓国時代劇だ

コミカル・メインに、胸にくるシリアス・シーンも

http://www.kimseondal.jp

1月20日の金曜日から、CJ Entertainment Japanの配給により、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ新宿やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の韓国映画121分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2016CJ E&M Corporation, All Rights Reserved

17世紀のお話です。

中国の清が朝鮮を制圧し、中国の敵国・明との戦争に、朝鮮人たちを、

盾代わりに使ったとゆう話は、実話ながら、あんまし知られていません。

そんな盾代わり戦争で、死体のふりをして、何とか生き残った、朝鮮の若者たちが、チームを組んで、

清の言いなりになる朝鮮政府に対し、トンデモ・コンゲームを、仕掛ける映画がコレです。

2
詐欺師たちが活躍する、こおゆう映画の醍醐味は、弱者が強者を欺く、そのお手並み具合であります。

相棒コンビで仕掛けた「スティング」(1973年製作・アメリカ映画)が、この種の映画の、マイ・ナンバーワンなのですが、

緊張とスリルの中においても、コミカルなテイストを忘れない点で、本作は「スティング」のセンスを、継承しています。

4
しかし、シリアスなとこも、決して忘れてはいません。

仲間の1人が、主人公の身代わりになって、決死の行動に出たり、

清に売られようとする女(ソ・イェジ)と、主人公との恋など、

その真逆の、スカッとする騙しシーンとの、対比効果も強烈で、ドラマを盛り立てています。

また、韓国の時代劇映画では、本作には活劇シーンや、逃亡シーンや、パニック・アクションもあるけど、

コンゲーム的映画は稀少です。

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「オーシャンズ11」(2001年・アメリカ)のような金塊奪取や、

タバコ・ドロボー作戦などが描かれ、

クライマックスでは、砂金の出る大河を巡っての、騙しの丁々発止。

コンはコンでも、多彩なコンで魅せてくれるのです。

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さらに、チーム・ワークぶり。

仲間たちのキズナも、コミカル・モードだったり、感動的モードだったりで、描かれています。

「朝鮮魔術師」(2015年・韓国・弊ブログ分析済み)でもカッコ良かった、

イケメン俳優ユ・スンホが、今作も甘くて優しくて、敵に対しても、フレキシブルな応戦を見せる役柄。

しかし、本作が映画デビューとなる、音楽グループ「EXO」のシウミンとのキズナにおける、

激烈なシーンなど、弦楽オーケストラをバックに、鮮烈な印象を残しています。

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戦友でもある、ユ・スンホとコ・チャンソクとの、面白おかしいコンビネーションと相棒ぶり、

コ・チャンソクと女優ラ・ミランの、ユニークなカップルぶりなど、

コミカルなキズナぶりも、楽しめる仕上がり。

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サントラ使いについて。

弦楽オーケストラは、劇的シーンに使われていますが、

アクション・シーンでは、ロック・バンド・サウンドなど、攻撃的なノリノリでいってます。

アップテンポなダンサブルや、ファンキー・サウンドなども、随所で流れます。

そして、ラストのオチには、思わずニンマリ。

シリーズ化も可能な、作りと終わり方でした。

2017年1月13日 (金)

「新宿スワンⅡ」⇒金曜邦画劇場

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綾野剛が浅野忠信とガチ対決や

広瀬アリスちゃんとの、ラブ・ストーリーもあるか(!?)

http://www.ss-2.jp

1月21日の土曜日から、ソニー・ピクチャーズの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、2017年製作の、日本映画133分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2017「新宿スワンⅡ」製作委員会

東京・新宿界隈の、夜の繁華と遊興、それを取り仕切る者たちの、対抗戦ぶりを捉えた、作品のシリーズ第2弾です。

とゆうことで、夜の繁華街(特に新宿)にまつわる、男にとってウレシーな日本映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、手前勝手に思いつくままに、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①眠らない街 新宿鮫(1993年製作)②キャバレー日記(1982年)③不夜城(1998年)

●カルト⇒①本作シリーズ(第1弾は2015年・弊ブログ分析済み)②東京難民(2014年・弊ブログ分析済み)③華魁(おいらん)(1983年・弊ブログ分析済み)

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●新宿歌舞伎町にまつわる、2派の対決構図の映画となれば、本作とベスト③が、双璧をなすでありましょう。

新宿ものでは、刑事対悪人の構図で繰り広げる、ハードボイルド映画のベスト①が、

映画評論家的なボク的には、なんといっても、イチバンなのですが、

ヤラシー映画を求めたい方には、この種の映画では、

ピンクサロンのベスト②や、ホストクラブのカルト②、郭のカルト③などが、見どころ豊富だと思います。

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シリーズ第1弾では、綾野剛と対抗する、山田孝之が殺されるとゆう展開の、新宿舞台ものでしたが、

今作第2弾では、新宿以外に営業を広げんと、横浜へと出っ張るとゆう流れで、物語は展開してゆきます。

横浜でハバを利かせてるんは、浅野忠信です。

とゆうことは、最終的には、綾野剛バーサス浅野忠信とゆう展開な、クライマックスにはなるのですが…。

でもしか、その山場の見せ方が、従来の1対1対決ものとは、かなりと違っております。

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とゆうのは、殺伐とした男同士の利権争いとは、

対極とも言える、ホステス・キャバクラ女子たちの、華麗なるコンテストがありまして、

なんとクライマックスでは、その2シーンがカットバックされるとゆう、

かつてないスタイル演出ぶりが、披露されるのです。

コンテストの華は、広瀬すずチャンのネーさん、広瀬アリスちゃんが魅せてくれます。

いやはや、そのダンシングぶりの、アイドルチックなカレンさ。

対して、綾野と浅野の、必死のパッチの、凄まじい格闘ぶり。

この格闘は、黒澤明監督の「酔いどれ天使」(1948年)みたいに、様式化されてません。

とことん生々しくて、カッコも様式もクソもない、無我夢中の、メチャクチャ必死なバトルぶり。

ウーン…、このあたりのセンスに、本作の園子温監督の、イキとオリジナルをカンジました。

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脇役陣も強烈。

伊勢谷友介、豊原巧補、村上淳ら、レギュラー陣の、クール・ガイぶり。

ゲスト陣の、椎名桔平、要潤らの、役人らしきクールぶり。

対して、ゲストの笹野高史の、クソ人間臭い刑事役やら、

山田優の、「極道の妻たち」(1986年~1998年・全10作)な、岩下志麻に迫る、毅然としたたたずまいなどに、魅せられました。

作品性に合わせて、挿入歌のUVERworld「エミュー」や、ラストロールで流れる、MAN WITH A MISSIONの「Dead End in Tokyo」など、

攻撃的なハードなロック・サウンドが、映画の高揚感に寄与しています。

いずれにしても、ハードかつブチギレの映画です。

ドッカーンなノリで、見に行ってください。

「Tomorrow パーマネントライフを探して」

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メラニー・ロランが監督した、ライフ・ドキュメンタリー

世界各国を駆け巡って、理想の未来生活を希求

http://www.cetera.co.jp/tomorrow

1月14日のサタデーから、セテラ・インターナショナルの配給により、シネ・リーブル梅田やらで、全国順繰りのロードショー。

本作は、2015年製作の、フランス映画120分。

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ⓒMOVEMOVIE - FRANCE 2 CINEMA - MELY PRODUCTIONS

フランスの最高の映画賞、2016年のセザール賞で、ベストドキュメンタリー賞をゲットした、

人類の未来の生活を希求する、ライフ・ドキュメンタリーです。

いやはや、見ていて、フランス女優メラニー・ロランのネーさんの、

未来生活への奥深いこだわりが、見事に具現化した作品です。

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アメリカとイギリスをメインに、

未来のナチュラル・ライフの在り方を探りに、世界各国を駆け巡りました。

祖国フランスはモチ、インド、デンマーク、アイスランド、フィンランドなど、

東洋、ラテンアメリカ、アフリカ、オーストラリアなどへは、行かへんかったけど、

説得力あふれる未来生活の在り方を、希求できたと思います。

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さて、ここで、こおゆう理想のライフを希求した、自然の中のライフ・ドキュの、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を、披露いたしますと…。

①本作②ふたりの桃源郷(2016年・日本映画・弊ブログ分析済み)

③ニッポン村 古屋敷村(1982年・日本)④1000年刻みの日時計 牧野村物語(1987年・日本)

⑤スーパーサイズ・ミー(2004年・アメリカ)

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●ボクが見たのでは、この種の映画では、日本映画に特筆すべき作品があり、

小川伸介監督の、日本の村の生活ぶりを採り上げた③④が、強烈至極なのですが、

昨日も引用した②もまた、自然と共に生きる生活の、雛形を示しています。

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そういうタッチの映画を、洋画ドキュで探してみても、そうそうないんであります。

洋画としては、稀少価値の高い作品とゆうことになりますが、

食生活の在り方を追求した⑤など、スリリングかつサスペンスフルに、展開するドキュもありますが、

本作はやはり、正攻法の未来生活を、とことん探し求めた点において、

この種のドキュの、21世紀現在の、最高傑作になったのではないでしょうか。

7
メラニー・ロランの分析的解説ナレーションと、

ジャズ・シンガー、フレドリカ・スタールの、ナチュラルなアコースティック・ナンバーの数々が合わさり、

真摯な分析と、そのシビアさを緩和する、歌ものサントラとゆう形で対比されて、

本作を、人々のココロに深く、刻印するような映画になっています。

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ドキュらしい、関係者へのインタビューの数々。

さらに、多彩な空のタイトな描写を取り入れた、自然描写の数々。

また、5章に分けた、分かりやすい撮り方なども、良かったです。

本作と同じく、フィンランドの教育の在り方も捉えた、

マイケル・ムーア監督の「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」(2015年・アメリカ・弊ブログ分析済み)を、超えた作品でした。

2017年1月12日 (木)

綾瀬はるか主演「本能寺ホテル」

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現代ヒロイン劇と戦国時代劇の、翔(ト)ンデル・シンクロナイズ

かつてないタイムスリップ系ドラマだ!

http://www.honnoji-hotel.com

1月14日の土曜日から、東宝の配給で、全国ロードショー。

本作は、2017年製作の日本映画

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ

現代から戦国時代へ、タイムスリップする映画。

ああ、なんか、よく見たな~なんて、思ってはるそこのあなた、

いやはや、本作はスリップしやはる人が、前代未聞どすえ。

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自衛隊がスリップの「戦国自衛隊」(1979年・2005年製作)、

クレヨンしんちゃんがスリップの「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」(2002年)、

現代の若者がスリップして、織田信長になってまう「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」(2016年・弊ブログ分析済み)、

豊臣秀吉の末裔が、現代にいてはるとゆう「プリンセス・トヨトミ」(2012年・ブログ分析済み)……、

そのほか、イロイロどす。

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でもしか、本作みたいな、失業中OLで、彼氏と結婚間近なんてゆう女子(綾瀬はるか)が、

本能寺ホテルなんてホテルに、泊まってしもたことで、

エレベーターを回路に、戦国時代へ、「本能寺の変」が起こる前日へ、

本能寺にタイムスリップする、ナンチュードラマは、

まあ、応用変型編とはいえ、人を食ったとゆうか、トンデモトンデル内容でありんす。

現代ヒロインが、戦国時代に遡る映画は、かつてありません。

4
しかも、ヒロインの、恋や仕事や人生に対する悩みが、

戦国時代の織田信長との、束の間の出会いと別れで解消し、

前向きに生きることになるとゆう、ポジティブ・ドラマにも、なっているのが面白い。

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さて、織田信長役は、堤真一のアニキです。

綾瀬はるかネーさんとは、「プリンセス・トヨトミ」では上司と部下、

「海街ダイアリー」(2015年・ブログ分析済み)では、不倫する医者と看護士とゆうように、

名(迷!?)コンビで、魅せてくれてはります。

でもって、本作では、荒唐無稽な設定ながら、シリアスな関係性を紡ぎます。

決して“迷”ではありませんどすえ~。

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織田信長に恋する、現代ヒロインの図は、本作の大いなるオリジナル・ポイントであり、キモでもあります。

なぜ、彼女は信長に、恋をしてしまったのか。

その理由が、実は、本作のイチバンの、ネタとなるところなのであります。

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タイムスリップ系のドラマには、歴史的ヒット中のアニメ「君の名は。」(2016年・ブログ分析済み)などでもあるように、

過去改ざんが、歴史を変えずに、どう行われるのか、あるいは行われなかったのかが、重要になります。

「君の名は。」とは違って、こちらは、歴史を変える改ざんになります。

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つまり、綾瀬はるかは、タイムスリップし、織田信長に、

「本能寺の変」が、確定した歴史的事実であることを伝えるのです。

信長も、彼女が21世紀から来た女性であると、認識しています。

事実を伝えられた時、さてはて、信長は一体、どうするのか。

メッチャな見どころが、ココにあります。

3
ストーリー的な流れのことを申しますと、写真上から3枚目から、イチバン下の写真まで、順番に並べております。

写真を見て、どんなストーリーなのか、想像してみてください。

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上と下の、本能寺が燃えてる2枚のカット。

緊張続きのドラマの行方を、メッチャにメッチャ暗示しています。

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そして、京都ロケーション映画としての、粋も見られた作品でした。

デート・ムービーとして、おすすめしたい作品です。

「人生フルーツ」⇒暮らしのドキュメンタリー

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東海テレビ製作の、ドキュメンタリー映画第10弾

自然との共生を、目指した暮らしとは?

http://www.life-is-fruity.com

1月14日の土曜日から、東海テレビ放送の配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ東海テレビ放送

日々の暮らしと共に紡がれる、夫婦のドキュメンタリー映画と言えば、

2016年のキネマ旬報の、文化映画ベストテンのナンバーワンになった、

「ふたりの桃源郷」(弊ブログ分析済み・山口放送製作)など、最近はイロイロ傑作が、出てきております。

そして、本作もまた、衣食住の暮らしと、夫婦の生活ぶりを、詳細に捉えた映画です。

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本作は「ふたりの桃源郷」のような、戦後史を俯瞰するような作りではありませんが、

夫(津端修一)は、1960年代の高度成長時代の、ニュータウン建設ブームの中で、建築家としてバリバリ働いていて、

その当時のこだわりが、今の暮らしにつながっているとゆう、流れになっています。

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自然との共生を目指した、建築と暮らしを志向。

でもしか、会社の了承が得られず、団地が建て並ぶだけの、ニュータウンになってしまった。

ほなら、個人的に実践してみようと、妻の協力のもと、

雑木林に囲まれる中で、フルーツ(サクランボ・ミカン・イチゴなど)の栽培などを、コツコツとやり続けます。

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都会の田舎暮らしのような、日本の理想に満ちた風の、夫婦の暮らしぶりが、淡々と映されてゆきます。

見ていてすごく和みを感じました。

ニュータウンを描いたドキュもありましたが、本作は、それとは真逆の、人間らしい生活ぶりが感じられます。

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夫婦映画としても、「ふたりの桃源郷」ほど、ベタでドラマティックではないにしても、

静かに寄り添う2人とゆうイメージが、似合うカンジでした。

目立たずに夫を支える妻とゆう、日本古来の妻のイメージもまた、心地よかった。

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何はともあれ、夫と長年連れ添っている妻である、樹木希林のナレーションが、

説得力に加えて、柔和なイントネーションを、付加しています。

さらに、モノクロ映像に乗るシンセサイザー、

日々の生活描写に乗る、ピアノやバイオリンも、

癒やしの効果は目立たずに、ココロにしっとりきます。

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さてはて、地方のテレビ局から、ドキュメンタリーの快作が、次々に作られています。

中でも、東海テレビは、多彩な素材を、その素材に合わせて、フレキシブルに分かりやすく撮り上げて、

NHKのドキュ並みに、いやそれ以上に、ドキュとしてのエンタ性を追求しているようです。

みんなで楽しめるドキュ映画。

そんな映画があっても、エエヤンと、ボクは思います。

2017年1月11日 (水)

「トマトのしずく」⇒小西真奈美主演

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父娘のキズナを描いた感動作

夫妻映画の快作ドラマでもあります

http://www.tomato-shizuku.net

1月14日の土曜日から、アークエンタテインメントの配給によりまして、渋谷シネパレスほか、全国順次のロードショー。

本作は、2012年製作の、日本映画91分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2012 ファミリーツリー

父娘のキズナ、

さらに、夫婦のキズナを描いた、家族ドラマの会心作です。

松竹系の家族ドラマ映画とは、ひと味違うタッチが、味わえる作品でした。

それはおそらく、キャスティングの妙でも、あるでしょうか。

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ガンコおやじ役が、途轍もなく似合う石橋蓮司はん。

「のんちゃんのり弁」(2010年製作)の、妻役・母役が忘れがたい、小西真奈美ネーさんの、娘役・妻役の、好感度あふれる、明るい演技性。

「ちょき」(2016年・弊ブログ後日分析)などの、地方映画で、好感ある存在感を示す、吉沢悠(ひさし)のアニキ。

この3人のアンサンブル演技が、独特な映画空間を、作り出してゆく傑作です。

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でもって、過去の映像をカットバックさせながら、

父娘の確執ぶりが何なのかを、見せてゆきます。

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「20年かかったよ、言葉にしなくちゃ伝わらない」の、

決めゼリフも、グッとくる仕上がり。

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ストーリー的には、写真2枚目から、イチバン下まで、順番に採り上げています。

そやから、ストーリーは写真に沿って、想像してみて下さい。

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イチバン下の写真が、ラストシーンです。

このハッピー・エンディングは、本作が良質印の、家族ドラマであることを示しています。

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ピアノなどの、心優しいサントラ使いも、心地よかった。

個人的には、1990年代前半に、女・尾崎豊のノリで、シンガー・ソングライターとして活躍していた、

橘いずみ(榊英雄監督と結婚しはったので、現在のアーティスト名は、榊いずみ)ネーさんの、復活ぶりです。

ラストロールで流れる「Maria」は、

癒やしのスロー・ナンバーで、しっとり和みの中で、映画を見終えることができました。

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そして、榊監督の、これまでの映画作家性を封印し、

「男はつらいよ」以上に、分かりやすくてエンタな作品に、仕立て上げた力量ぶり。

アップの使い方も、印象に残りました。

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何はともあれ、榊流家族ドラマの、アットホームな鑑賞後感と、余韻のさわやかな素晴らしさ。

家族一同で、見に行ける作品でした。

「台湾新電影(ニューシネマ)時代」

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台湾映画の系譜を、捉えたドキュメンタリー

エドワード・ヤンや、ホウ・シャオシェン監督らの心意気だ

http://taiwan-kyosho2016.com/

1月7日の土曜日から、第七藝術劇場、1月28日から京都みなみ会館、2月4日から元町映画館で、全国順繰りのロードショー。

本作は、2014年製作の、台湾映画109分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

台湾映画、特に1980年代頃から輩出された、台湾ニューシネマの波を、

台湾映画史の中で捉えた、映画ドキュメンタリーの会心作です。

さてはて、ここで、台湾映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露させてもらいます。

ちなみに、ホウ・シャオシェン監督の、最高傑作と目される「悲情城市」(1989年製作)と、

エドワード・ヤン監督の、同じく最高傑作「クーリンチェ少年殺人事件」(1991年)は、残念ながら見れてません。

●ベスト⇒①恋恋風塵(1987年・弊ブログ分析済み)②冬冬の夏休み(1984年・ブログ分析済み)③戯夢人生(1993年)

●カルト⇒①恐怖分子(1986年・ブログ分析済み)②Hole(1998年)③本作

●大方の作品は、本作で分析されています。

ホウ・シャオシェンのベスト①②③、

カルトの方では、エドワード・ヤンのカルト①、ツァイ・ミンリャン監督のカルト②を、採り上げました。

彼らの作品について、本作では念入りに分析されています。

眠気を誘う、スローでゆったりとした、撮り方をした映画であるとか、

エドワード・ヤンの「ヤンヤン/夏の想い出」(2000年)以外は、

あんまし売れなかったとゆう、台湾映画分析を、カンヌ国際映画祭の主催者たちが、やったりとゆう展開です。

昨日、弊ブログで、ちょっと採り上げた、スー・チー主演の、ホウ・シャオシェン作品「ミレニアム・マンボ」(2001年)などにも、言及しています。

さらに、日本人監督の、台湾映画への分析談話も、採り上げられました。

是枝裕和監督や、黒沢清監督の談話です。

とゆうことで、台湾映画を見たことのない方にこそ、

その入門編として、打ってつけの作品です。

2017年1月10日 (火)

「ロスト・レジェンド 失われた棺の謎」

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スー・チー熟成の、トンデルアクション

アンジェラ・ベイビーも、キリリとカワユイ

http://asian-selection-movie.com/

1月7日の土曜日から、ツインの配給で、シネマート新宿、シネマート心斎橋などで、全国順次の上映中。

本作は、2015年製作の中国映画125分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 Wanda Media Co.,Ltd

スー・チー、チェン・クン、ホァン・ポーの紅一点3人組が、

洞窟内から地下世界へと入り込み、盗掘ミッションをこなしてゆくアクション映画。

男2人の間には、過去にアンジェラ・ベイビーを、死なせてしまったトラウマがあり、

それがCG含むアクションの合い間に、時おり顔をのぞかせる。

でもって、最終的には奥深い洞窟の地下世界から、どのようにして地上へ脱出するのかが、

大いなる見どころとなる映画です。

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男2人女1人の映画と言えば、三角関係ドラマを含めて、多数のタイトル数があるし、アクション映画でも同じです。

但し、本作は、恋絡みがない、稀少なタイプやろか。

その意味では、ボク的には、スー・チーのアクションに、焦点を絞って見てみた映画でした。

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さてはて、ここで、スー・チー姉さんの、アクション映画マイ・ベスト・スリー(順位通り・全てDVD化されてます)を言いますと…。

①黒衣の刺客(2015年・台湾&日本)②本作③クローサー(2002年・香港&アメリカ)

●①の静謐なるアクションのシブミはスゴイし、

対する、ハリウッド映画的にも分かりやすい、ストレート・アクトな③も、大衆的なアクションでありました。

そして、本作は、その2界を、バランス良く取りつつも、チーム・プレーに徹した、好感度あるアクションを披露します。

7
かつて中国では、盗掘のプロだった3人ですが、1988年を現代にした3人は、ニューヨークにいてはりました。

ほんで、ホァン・ポーが、高額ギャラに魅かれて、中国の墓探しの依頼を引き受け、

そのあとさきを心配した2人が、現地へと追ってくる展開。

そして、依頼主グループと共に、3人は洞窟の中、その地下へと降りてゆき、

多彩なアクションをば、披露するんでありんす。

8
暗ブルーを基調とした、洞窟内のダークな戦いシーンが、メインかと思えば、

グリーン、赤、ピンクなどと、CGを駆使したアクト場面が、ダーク感と対比するような格好で、繰り広げられるんですわ。

そのあたりは、ハリウッド映画並みの、タッチとテンションがあるかと思います。

4
さらに、1969年の過去シーンでは、セピアを基調に展開。

吸血バッタから、ゾンビ的日本兵まで、CG使いの巧みによる、パニック・シーンの連続で、魅せてくれはります。

アンジェラ・ベイビー姉さんが、いつもながらのアイドルチックでエエわ~。

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でもって、ファンキーなノリノリから、勇壮なオーケストラ・サウンドまで、自在に駆使されるサントラにも、グッときた。

ラストロールでは、歌もの三連発や。

8ビート・ロック、ポルカ・ポップなど、ノリノリのイケイケで、映画を見終えられましたがな。

とゆうことで、ボク的には、スー・チー、アンジェラ・ベイビーに、すっかり魅せられてもうた、アクション映画でありました。

「ドラゴン×マッハ!」

1
カンフーとムエタイの、シンクロで悪を倒す!

香港格闘アクションの、究極のカタチがココに!

http://asian-selection-movie.com/

1月7日のサタデーから、ツインの配給でシネマート新宿、シネマート心斎橋やらで上映中。

本作は、2015年製作の、香港・中国合作の120分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 SUN ENTERTAINMENT CULTURE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

みなさん、香港のアクション映画を、見られたことはあるでしょうか。

銃撃戦などの刑事アクションは、ハリウッド映画始め、世界各国にありますが、

やはり、製作会社ショウ・ブラザーズなどを創始とする、カンフー・アクションこそ、

香港アクションのキモがある、オリジナル・バトル映画だと言えましょう。

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もちろん、本作から初めて、香港バトル・アクト映画に入ってもいいのですが、

予習・復習どちらでも構いません。

ブルース・リー主演「燃えよドラゴン」(1973年製作)と、ジャッキー・チェン主演「プロジェクトA」(1984年)。

さらに、本作は実は、シリーズものの第2弾でして、その第1弾「SPL/狼よ静かに死ね」(2005年)も見てみてください。

どれもDVD化されています。

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正統派のカンフー・アクションは、イロイロ進化してきたのですが、どうしても、カンフーだけだと限界があります。

そこで、世界各国の多彩な格闘技を取り入れて、カンフー、プラス・スタイルが、イロイロ輩出されることとなりました。

そんな1本の本作ですが、

どうせやるならハンパじゃなくて、テッテー的に!を主眼に、ドカーンとバクハツさせたのが、本作であります。

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カンフー・アクションは、潜入捜査官役がバレて、タイの刑務所に入れられてしまう、香港刑事役のウー・ジンが魅せますが、

本格派ブルース・リーや、時にコミカルなジャッキー・チェンとは違い、

スピード感はありますが、どこか苦肉をにじませたような、応戦的アクトを見せます。

これはパターン化した、ストレート・アクトへの、アンチ・アクトだと言えましょう。

4
そして、新機軸のアクト・バトルは、タイのムエタイです。

DVD化もされている「マッハ!」(2003年・タイ)で、そのカンフー並みにスピードフルなワザを披露した、トニー・ジャーが、

ムショの看守役ながら、遺憾なくこのアクションを披露してくれます。

5
この2人のアクションが、臓器売買ビジネスをやってるルイス・クーとの間で、もの凄まじく展開するクライマックスは、

ボクが見た香港バトル映画の中でも、過去最大級の仕上がりになっていると見ました。

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また、アクション一辺倒の映画ではありません。

臓器移植が必要なトニー・ジャーの娘と、その骨髄ドナーとなるウー・ジンとの、出会いのシーンをポイントに、感動のキズナ物語もあるんです。

娘が見るオオカミの夢シーンなど、映画的に象徴的なとこも盛り込まれて、メッチャ渋いと思いました。

今、スッキリさわやかになれる、アクション映画を見に行くなら、

ハリウッド映画よりも、ボクはこちらを、おススメいたします。

2017年1月 6日 (金)

「うさぎ追いし 山極勝三郎物語」⇒遠藤憲一主演

1
日本初のノーベル賞候補になった男の物語

世界初の人工癌を作った、サクセス・ストーリーだ

http://www.usagioishi.jp

1月7日の土曜日から、新日本映画の配給により、テアトル梅田やらで、全国順繰りのロードショー。

本作は、2016年製作の、日本映画111分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2016「うさぎ追いし-山極勝三郎物語-」製作委員会

実在の偉人を描く日本映画です。

そういう映画はこれまでに、多数作られてきました。

でもしか、本作は一般的には、あまり知られていない方を、取り上げています。

山極勝三郎さん。みなさん、聞いたことありませんよね。

しかし、彼は世界で初めて、人工的に癌細胞を作った方でして、

日本人としては初めて、ノーベル賞候補になった方だと言われています。

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さてはて、ここで本作のように、明治・大正をバックにした偉人伝の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに披露いたしますと…。

●ベスト⇒①わが愛の譜 滝廉太郎物語(1993年製作)②明治天皇と日露大戦争(1957年)③福沢諭吉(1991年)

●カルト⇒①本作②遠き落日(1992年)③竹久夢二物語(1975年)

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●音楽家のベスト①と、画家のカルト③の芸術家もの、

天皇のベスト②、ベスト③などの誰もが知る偉人伝、

医者・野口英世を描いたカルト②など、

本作以外は、ほとんどが大手の映画会社が、製作した映画ですが、

でもしか、それらの作品に見られた、家族みんなで見られる娯楽感が、本作にもあります。

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特にカルト②の大河感と、本作は似通っていると言えましょうか。

主人公(遠藤憲一)と妻(水野真紀)、友人(豊原功補)、助手(岡部尚)とゆう、人と人のキズナを、しっかり描いている点も同じです。

さらに、癌細胞を作る過程も、試行錯誤を含めて、詳細に描かれて、リアル感を増しています。

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信州・上田藩の2人(遠藤憲一・豊原功補)が上京。

明治維新・廃藩置県後の時代に上京して、共に東京帝国大学に入ります。

さらに、エンケンは医者の元へ行って、その助手にもなります。

エンケンは、医者の娘と結婚し、町医者をやりながら、

病理学を極めたいと思い、やがて、癌研究にのめり込んでゆくのです。

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バイ・プレーヤーで鳴らすエンケンの主演作は、さほど多くはないのですが、

ハチキレまくったエキセントな「木屋町DARUMA」(2015年)とは真逆の、

誠実真摯で学究に熱血な役柄を好演した。

久々に映画で見た、水野真紀のおっとり温和な妻役、

エンケンと友情節を奏でる豊原功補、

当時のビンボー助手ぶりを、見事に披露する岡部尚、

チョイ役ながら、カルト③で主演した北大路欣也や、高橋惠子の存在感も見逃せません。

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東大の三四郎池や、主人公の故郷、信州・上田ロケもありますし、

ピアノ・バイオリンなどの、オーソドックスなサントラ使いから、

タイトルにもあるフレーズ“うさぎ追いし”な「ふるさと」、

ウグイスのさえずるシーンなど、日本らしい風景・情緒が、まんべんなく仕込まれています。

そして、ラストロールでは、ポップやポップスなどの3曲が流れて、余韻を深めてまいります。

とゆうことで、日本映画の良心がココにあると、ボクは思います。

「疾風スプリンター」

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本格的競輪ロードレースの、スポ根映画だ

レース・シーンをメインにした、ビビッドな仕上がり

http://shippu-sprinter.espace-sarou.com

1月7日のサタデーから、エスパース・サロウの配給により、新宿武蔵野館、なんばパークスシネマなどで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、香港・中国合作の125分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 Emperour Film Production Limited All Rights Reserved

団体スポーツもの映画は、これまでにいっぱい出てきました。

そんな中で、速さを競う競走をポイントにした映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)を選んでみました。

①本作②クール・ランニング(1993年製作・アメリカ映画)③風が強く吹いている(2009年・日本)

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●団体水泳や③の駅伝などの、リレーもの、

何かに乗っての団体ものなどに、この種のスポーツは分かれるかと思いますが、

ボブスレーの②や、ボートの「がんばっていきまっしょい」(1998年・日本)などとは違って、

カー・レースほどの、スピード感はないにしても、

本作の自転車の団体ロードレースは、かなりの危険度を伴うものです。

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その危険度に見合った、スリルとアクションと臨場感で、ハラドキで魅せてくれるのが、本作です。

何はともあれ、レース・シーンを、メイン・フィーチャーしているのが素晴らしく、

それこそスポ根映画の、キモでもありましょう。

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街中のレースから、クライマックスとなる、中国の砂漠での消耗レースまで、目が離せません。

俯瞰とアップとスローを駆使して、ビビッドかつスリリングに見せてゆきます。

1番にゴールを駆け抜ける仲間のために、犠牲的精神で、相手のエースを潰しにかかったり、

逃げて相手を攪乱したりと、いろんな駆け引きもまた、面白い作りになっています。

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ウサギとカメの話や、「明日に向って撃て!」(1969年・アメリカ)でも印象的だった、お遊び的自転車パフォーマンスなど、

レースの緊張感を、緩和するエピソードもあり、

それがまたレースの激しさを、際立たせています。

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エディ・ポンとワン・ルオダンとのラブ・ストーリー部、

エディ・ポンとチェ・シウォンの友情部など、

人間ドラマ的なとこも、注目あれ、です。

8
さてはて、本作の監督は、ダンテ・ラムです。

常に最上級のアクションを造形することに、心血を注ぐ監督でしょうか。

「ビースト・ストーカー/証人」(2008年)のカー・アクトしかり、

「激戦 ハート・オブ・ファイト」(2013年・弊ブログ分析済み)のバトル・アクトしかりです。

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そして、本作では、たぐいまれなる、競輪アクション・シーンを造形。

数少ない自転車ロードレース映画でも、

「疑惑のチャンピオン」(2015年・イギリス&フランス・ブログ分析済み)を超えて、

最高の仕上がりに、なったと思います。

7
スキッとさわやかな、爽快感も味わえる本作を、

みなさん、ぜひ映画館へ、見に行ってください。

2017年1月 5日 (木)

「僕らのごはんは明日(あした)で待ってる」

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中島裕翔と新木優子の、感涙のラブ・ストーリー

変なタイトルにも、意味がある!?

http://bokugoha.com

1月7日の土曜日から、アスミック・エースの配給で、全国ロードショー。

本作は、2017年製作の日本映画110分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017「僕らのごはんは明日で待ってる」製作委員会

いわゆる、カップル(夫妻含む)のどちらかが、何やら謎めいている日本映画とゆうのは、

邦画の1ジャンルと思えるくらい、多数あります。

そんな映画のマイ・ベスト&カルト・スリーなどを、かつて披露いたしましたが、

最近はそんな系列の映画も、少しヒネって見せるようなところがあるようです。

でもって、本作は、2人のラブ・ストーリーとゆう体裁を、本編の半ば以上を、費やすとゆう作りになっています。

しかも、かなり念入りにやってくるので、見る側はこの2人の愛の行方は一体、どうなるのとゆう、ヤキモキ感が募るのです。

主人公(中島裕翔)の、高校・大学・社会人へと進む中において、彼女(新木優子=写真)との関係性を描いていくのですが、

そのどこにも怪しい影はなく、2人のツーショットなシーンを、長回し撮影にしたりして、2人のラブに集中します。

また、主要登場人物が少ないがゆえに、より2人の愛の行方に、ココロを傾注できるようになっています。

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高校時代。彼女からのコクリに、曖昧な返事をしてしまった主人公。

でもしか、高校時代は、友達感覚で付き合います。

主人公が大学に進むと急転、2人は一気に恋人関係にまで進みますが、

ある日、突然彼女から、サラリと別れを切り出され…。

フラレた理由が納得できない主人公は、別の女とも付き合うけど、

やはり彼女のことが忘れられず、再び彼女の元へ。

何やら、どこにでもよくあるような、ラブ・ストーリーのように見えますが、

本編のギリギリまで、彼女の別れた本当の理由を、隠しきる展開には、ドラマツルギーの醍醐味が、あったかと思います。

そして、その謎が解けてからは、涙あり、前向きありの、ラブ・ストーリーへと進捗していくのです。

つまり、本作は、その種の映画のスタイルを、ガラリと変えた1本だと言えましょう。

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主人公役の中島裕翔ですが、映画初出演した「ピンクとグレー」(2016年製作・弊ブログ分析済み)の、悩み深き役柄とは違い、

たそがれ系ではあるけれど、のほほんなイケメンぶりで、本作を温かく柔らかなものにしています。

一方、ヒロイン役の新木優子は、「泣き虫ピエロの結婚式」(2016年・ブログ分析済み)で、ヒロイン・志田未来の友達役を明るく演じ、この種の映画の演じ方を心得ています。

しかも、今回はピン・ポイントとなる主役で、喜怒哀楽を正攻法で演じました。

共に好感ある演技で分かりやすく、大衆に訴求する映画になっています。

弦楽オーケストラ・サントラを、キモとなるシーンで使い、

ラストロールでは、ケツメイシの、キャッチーなポップ・ナンバー「僕らのために…」が流れます。

とゆうことで、最後の最後まで、目が離せない映画です。

2017年1月 4日 (水)

「人魚姫」⇒チャウ・シンチー監督最新作

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アジア歴代興行収入ナンバーワン⇒約591億円だ

人魚姫映画に、アンチを込めたラブ・ストーリーの快作

http://asian-selection-movie.com/

1月7日のサタデーから、ツインの配給で、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の、中国・香港合作の94分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Copyrightⓒ2016 The Star Overseas Limited

チャウ・シンチー監督の最新作は、なんと監督の過去最大ヒット作となった。

2016年の全世界興収で9位、アジアでは歴代最高ヒットとなった、約591億円。

「君の名は。」の倍以上です。

みなさん、チャウ・シンチー監督をご存知でしょうか。

ここで、かつても披露しましたが、監督作品のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を披露して、監督の作品性を見てみましょう。

ちなみに、本作を除き、全てDVD化されています。

●ベスト⇒①少林サッカー(2001年製作)②本作③食神(1996年)

●カルト⇒①カンフーハッスル(2004年)②西遊記~はじまりのはじまり~(2013年・弊ブログ分析済み)③ミラクル7(2008年)

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●いわゆる、コメディではあるのですが、モチ、フツーのコメディじゃない。

日本でもブレイクした、少林拳法とサッカーを、ミキシングしたベスト①。

食対決映画の、嚆矢とも言えるベスト③。

ありえねーカンフー対決を、造形したカルト①。

過去に作られた「西遊記」映画の中でも、最もユニークな仕上げになったカルト②。

コミック&アニメの「ドラゴン・ボール」に、影響を受けながらも、ミラクル・ボールを香港流儀で魅せたカルト③。

換骨奪胎(原作をベースに、オリジナルなものに転換すること)あり、

また、アンチでパロりながらも、最後は心地いいラストへと着地する。

そして本作は、そんなチャウ・シンチー節が全て詰まった、総決算とも言える作品となりました。

そんな作品が、歴史的な大ヒットになるなんて、映画監督冥利に尽きるでしょう。

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さてはて、今回のパロディ対象は、人魚姫映画です。

「リトル・マーメイド」(1989年)などの、美しき人魚譚やら、

魚の擬人化ものでも、コミカルでいく「ファインディング・ニモ」(2003年)、「ファインディング・ドリー」(2016年・弊ブログ分析済み)とかの、ディズニーもの、

スタジオジブリなら「崖の上のポニョ」(2008年)とか。

アニメ以外の実写ものでは、「スプラッシュ」(1984年・アメリカ)なんかがありますが、

それらの人魚映画とは、大いに違って、アンチとパロディ・コメディを感じさせつつ、現代の環境汚染問題にも食い入って、最後はハッピー・エンドへと着地。

本作では、ラブ・ストーリー的ハッピーです。

マリン・リゾート開発で、行き場を失った人魚たち。

その開発を指揮する実業家(ダン・チャオ)を、抹殺すべく、

女人魚(リン・ユン)が人に化けて、さまざまな暗殺方法を実行するけど、全て失敗に終わってしまいます。

逆に実業家は、彼女の癒やし系キャラに、すっかりハマッてしまって、彼女に恋してしまうのです。

人魚たちと人間との対決の中に、「ロミオとジュリエット」的を裏ワザ的に配して、最後にはハッピーを迎える、ラブ・ストーリーに回帰。

紛うことなきのシンチー節ですが、メッチャな好感と爽快感を、覚える点においても、

本作はベスト①と双璧をなす、シンチー監督の最高傑作でしょう。

2017年1月 3日 (火)

スペイン映画「ミューズ・アカデミー」

1
不倫映画の、新たな試みとは?

文学と恋愛の、講義映画のように思わせて…

http://mermaidfilms.co.jp/muse/

1月7日のサタデーから、コピアポア・フィルムの配給により、東京写真美術館ホールほかで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、スペイン映画92分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒP.C. GUERIN & ORFEO FILMS

バルセロナ大学の教授の、文学講義を描いた学問映画のノリを、大いに装った、トンデモ不倫映画です。

詩を始めとした、文学の名作に登場する、恋するヒロインたちを、教授は大マジに分析するのですが、

女生徒たちとの意見や、質疑のやり取りをメインにして、

一方通行な講義ではなく、シンポジウムなノリで展開します。

8
ボクにしてみれば、無論、文学講義を映画で見ても、どない仕様もありません。

ところが、講義後に、より疑問を抱いた女生徒たちと教授が、車中などで対話してるシーンが頻出します。

3
一方で、教授と教授の妻との、自宅での対話が映され、日常会話とはとても思われない、学問的会話が行われます。

さらに、学生同士の喫茶店などでの対話も、大学生らしい学問的会話に終始するのです。

4
一体、ドラマはどこにあるのか。

見ていくにつれ、ボクは焦燥感を募らせました。

このまま、文学におけるミューズ論や、その行動心理、それに対する登場人物たちの感想などを、

つらつらとだらだらと、撮り続けていくのだろうかと、不安になりました。

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でもしか、それらは、最後まで見れば、あくまで表層的なものだと分かります。

裏では一体、何が進行しているのか。

それを徐々に臭わせてゆきます。

文学は恋愛感情を高めるとか、愛と欲望の方法論などの言葉が出てきて、

理性的かつ学問的なところが、ゆっくり崩れてゆきます。

7
窓を通して、いろんな2人の対話を、映すシーンが頻出します。

窓に映る外の様子なども捉えて、何やら観客に不安感を植え付けるようですが、

でもしか、ここぞとゆう時に、窓を通さずに映すシーンには、ハッとさせられる会話があったりします。

しかも、アップが多いので、ハッと度はさらに高くなります。

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そして、教授とナポリ旅行へ行った女生徒の、赤裸々なシーンが突如出現し、僕らをあっと驚かせます。

その後に続く、妻の教授を問い詰めるシーン。

さらに、窓を通して映される、女生徒と教授の妻の対峙シーン(写真上から2枚目)で、

一気にドラマは、急旋回いたします。

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スペインのホセ・ルイス・ゲリン監督の最新作です。

「シルビアのいる街で」(2007年製作・スペイン映画・弊ブログ分析済み)のストレート感とは違う、

主人公・教授のキモチを、最後の最後まで隠した上での、不倫映画です。

5
正攻法には描かない不倫映画としては、「花様年華」(2000年・香港)なんかを思い出しましたが、

こちらは、もっともっと本筋を、裏返しての描き方。

何はともあれ、心して見て頂きたい作品です。

2017年1月 2日 (月)

韓国映画「愛を歌う花」⇒ハン・ヒョジュ主演最新作

1
「ビューティー・インサイド」の、男女コンビが再共演

歌手をポイントにした、音楽ヒューマン・ドラマ映画だ

http://www.aiuta-movie.com

1月7日のサタデーから、クロックワークスの配給により、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の韓国映画120分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

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今年の一発目は、韓国映画です。

テレビの韓流ドラマによくあるような、ラブコメでもラブでも、だいぶと前の時代劇でもない、

新しいタイプの韓国映画が、ここにあります。

音楽映画です。しかし、フツーの音楽ものではありません。

2
アメリカなどでは、実話系を含め、音楽ドラマ・ムービーが、多数存在しますが、韓国ではどうでしょうか。

そんなにないタイトル数から、無謀にも、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。
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●ベスト⇒①風の丘を越えて 西便制<ソピョンジェ>(1993年製作)②本作③怪しい彼女(2014年)

●カルト⇒①花、香る歌(2015年)②春香伝(2000年)③カンナさん大成功です(2007年)

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●韓国の伝統音楽パンソリを、主人公・ヒロインたちが奏するベスト①カルト①②が、

それまでのいわゆる韓国音楽映画の、定番だったのですが、

ところがどっこい、21世紀型韓国映画の熟成と共に、

今風のポップ・ミュージックを、バックにしたラブコメ、ベスト③カルト③が出てまいりました。

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そして、本作は、伝統ものが現代ポップへと流れゆく中の、その過渡期の韓国歌謡を捉えた、

これまでの韓国音楽映画にはなかった、領域へと踏み込みました。

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さらに、朝鮮が日本に支配されていた、1940年代をバックにした作品なんです。

日本支配下の作品としては、昨年公開の「暗殺」(弊ブログ分析済み)なんぞを思い出しますが、

「暗殺」の日本への抵抗感とは違って、

本作は、日本の抑圧に、弱々しいアーティストたちが、死んで消えてゆくとゆう、悲愁に満ちた仕上がりになっています。

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韓流テレビドラマ「トンイ」で、有名になったハン・ヒョジュが、

昨年公開のラブ・ストーリー「ビューティー・インサイド」(弊ブログ分析済み)に続く、映画主演作の本作は、

歌手になれるか、なれないかの中で、作曲者の彼(ユ・ヨンソク)と、彼が歌手として見染めた、チョン・ウヒとの三角関係が、

嫉妬と憎悪と、やるせない想いの混成で、展開いたします。

ユ・ヨンソクとは、「ビューティー・インサイド」でも、恋人同士として共演していました。

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ハン・ヒョジュのアップが多いけど、彼女の変わりゆく心理の綾が、顔の表情によって、変幻に変わるとこを示しています。

セピア色の照明の、時代感を示す使い方など、グッときました。

5
さらに、映画の構成も、1991年の現代から、1940年代の過去を振り返るとゆう、カンジになっているのですが、

ラストの方では再び、現代に戻るスタイルなので、

「タイタニック」(1997年・アメリカ映画)なんかの構成ぶりと、似通っていると言えるでしょう。

9
音楽映画としての、見どころも豊富でした。

スロー・ナンバー「朝鮮の心」、都都逸(どどいつ)を取り入れた「春のお嬢さん」、

チョン・ウヒが歌唱表現力を駆使して、見事に歌い切る歌謡曲など、

まさに当時の時代の、朝鮮流行歌の雰囲気を、百パーセント伝えています。

とゆうことで、韓国映画の新しいタッチを見たい方に、うってつけの作品だと思います。

2017年1月 1日 (日)

2016年キネマ旬報年間ベストテンを予想する

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします

発表間近に再録!

2016年12月1日に予想した分を、再び掲載いたします

●洋画

〇レヴェナント:蘇えりし者

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〇山河ノスタルジア

Photo_6
〇ズートピア

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〇ハドソン川の奇跡

〇ヘイトフルエイト

〇ルーム

〇ディーパンの闘い

〇アイヒマン・ショー

〇灼熱

〇ダゲレオタイプの女

次点:〇スポットライト

●日本映画

〇淵に立つ

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〇この世界の片隅に

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〇リップヴァンウィンクルの花嫁

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〇オーバー・フェンス

〇団地

〇怒り

〇君の名は。

〇永い言い訳

〇海よりもまだ深く

〇湯をわかすほどの熱い愛

次点:〇家族はつらいよ

●12月16日公開の「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」などを除き、

マスコミ試写的には、ほぼ今年公開の映画の、試写が終わった段階です。

マイ年間ベストテンは別にして、キネマ旬報の2016年の年間ベストテンを、手前勝手に予想いたします。

写真付きはベストワン候補でして、以下は順不同のベストテンです。

毎年、自らのベストとは関係なく、1980年あたりから、キネ旬的なベストテンを予想しているのですが、

これまで、10本の作品が、選択した通りだったとゆうのは、過去に3回ほどあったのですが、

全て日本映画のベストテンでした。

今年は洋画を当てたい。

でもしか、関西試写のない、巨匠監督らの映画もあり、予断を許しません。

でも、今年はチョイ自信あり!です。

新聞発表もありますので、2017年1月上旬の、キネ旬ベストテン発表に注目してください。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

1月10日正午にネットで発表されました。

●その結果⇒邦画・洋画20本中、10本しか当たりませんでした。

ああ、ちょっと、映画評論家的嗜好の、差があるようでした。

しかし、「君の名は。」や「レヴェナント」が入らずとゆうのは、ちょっとおかしいのではないか。

残念です。

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