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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年12月14日 (水)

「ヒトラーの忘れもの」

1
戦後処理映画の、緊張感あふれる1作

「ハート・ロッカー」に通じる、ギリギリの人間ドラマだ

http://www.hitler-wasuremono.jp

12月17日のサタデーから、キノフィルムズの配給により、シネスイッチ銀座などで全国順次のロードショー。関西では、12月31日から、テアトル梅田やらで上映。

本作は、2015年製作の、デンマーク・ドイツ合作101分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⓒ2015 NORDISK FILM PRODUCTIONS A/S & AMUSUMENT PARK FILM GMBH & ZDF

ナチズム・ヒトラーもの映画と言えば、

映画の1ジャンルかと思うくらい、多数のタイトルが映画化されています。

しかし、本作は、ヒトラー生存中のものではなく、

第二次世界大戦のドイツ敗戦後の、戦後処理が描かれた映画です。

10
その意味では、戦争は終わったので、戦争アクションのない、映画のように思われがちですが、

でもしか、本作は緊張と波乱に満ちた、群像劇ドラマとなっています。

戦中にナチが、浜辺に仕込んだとゆう、地雷220万発を、敗残ドイツ兵たちが、命がけで、取り除くとゆう、

デンマークでの実話が、本作の基になりました。

3
地雷撤去の実演に始まり、負け組なだけに、食糧配給もほとんどない中で、

いつ果てるとも知れぬ、地雷撤去作業に、14人が挑んでゆくのです。

そんな中で、撤去に失敗し、次々に若き兵士たちが、爆死してゆきます。

なんとも言えない、緊張感に満ちた、サバイバル・ドラマが、展開してゆくのであります。

4
その指揮を執るのは、デンマーク軍の軍曹(ローラン・ムラ)。

当初は、鬼のように、ドイツ軍の彼らを支配し、しごくのであるけども、

やがて、彼らと交流し、ゆっくりキズナらしきものが生まれていきます。

この軍曹役の俳優、メッチャ好感ある役柄でした。

ボクは「愛と青春の旅だち」(1982年製作・アメリカ映画)の、鬼教官役を思い出しました。

9
そして、地雷撤去する若者たちの、危険に満ちた任務。

爆発して手をフッ飛ばされ、やがて死んでゆく若者や、

少女が地雷場に入ったのを、取り除く任務で死んでいったりとか、

さまざまな死のドラマが、行く手に待っています。

7
その緊張のドラマの数々が、本作の大きな見どころなのですが、

それだけじゃなく、緊張の中で、人と人のキズナを見せるところも、さりげなく感動を呼び込みます。

その最たるところは、ラスト・シークエンスでしょうか。

8
ギター・サントラの哀愁感、

何カットもある、海辺のロングショットの、映画的構図のキレなど、

映画的に印象深さを魅せるシーンも、多数盛り込まれています。

6
地雷撤去する、アフガン派兵の米兵士を描き、アカデミー作品賞をゲットした

「ハート・ロッカー」(2009年・アメリカ・弊ブログ分析済み)に通じる、スリルとハラドキのある映画でした。

5
ヒトラーものにまだ、こんな素材があったんだ。

そんな驚きもあった問題作です。

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