無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 「ヒトラーの忘れもの」 | トップページ | 「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」 »

2016年12月16日 (金)

韓国映画「フィッシュマンの涙」

1
ブラック・ユーモアと、ペーソスあふれる怪作品

これぞ韓国版「エレファント・マン」か!

http://www.fishman-movie.jp

12月17日の土曜日から、シンカの配給により、シネマート新宿、シネマート心斎橋、シネ・リーブル梅田、ヒューマントラストシネマ渋谷などで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の韓国映画92分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

3
ⓒ2015 CJE&M WOO SANG FILM

姿を見て、まがうことなきの変な、キャラクターを出して、

そのキャラを狂言回しに、もしくはメイン・キャラとして、展開してゆくドラマ映画とゆうのは、

映画トーンや感情の喜怒哀楽の、いろんなパターンで、これまでにケッコー出てきておます。

アニメ、怪獣もの、怪奇ホラーなどは、ある種パターン化してるけど、

それがフツーのドラマの中に、突然変異のように出てくると、違和感がまず、先走りすることでおましょう。

2
違和感ありまくりの、カブリモノの魚人間。

非道な実験により作られたけど、一時は有名になったけど、

逃げて野放しになり、ほんで、元恋人のとこで身をひそめとったけど、ジャーナリストの目のつけるところとなり…。

こうしてこうすればこうなるとゆう、パターン化されたドラマが多いけど、

本作もまた、魚人間にされてしもた人間が、どないな風に生きてゆくんかを、

マニュアル化されたようなカタチで、展開してゆくように見えがちな映画です。

9
そこにアイロニーや諧謔を見出すことも、当然でき得るんやけども、

本作のポイントは、そこにあるようでいて、そこにないようでした。

かぶりもののチャッチーさとか、

彼の周辺にいてる人たちの、自然やない挙動とか、見ていて乗りにくさを、あえてのように強調してるとこなど、

ボクはウーンとウウムな、唸りや呻きが続きました。

5
つまりは、結局、本作に、やられたっちゅうことになるんやろか。

裏返しでは、騙されたとゆうことに、なるんかもしれへんけど、

ドラえもんやらのアニメを見たところで、違和感はないけど、本作の実写映画では違和感がある。

そのへんのとこを、あえてのように強調しつつも、強引に泣きのドラマへと変換させてゆく。

見事とは言わない。けど、これは魔術です。

4
「エレファント・マン」(1980年製作・アメリカ&イギリス)のようなダークで悲愁な感覚。本作にもあります。

「オペラ座の怪人」のような、少なくとも肯定的な、前向きなキモチ。本作にもあります。

ただ、そのダーク感や前向きが、少しく違っとります。

明るくはないけど、ダークすぎず、後ろ向きにしても、少しは前向きな、二律背反にして反比例な感覚が、

本作を異質で独特な、怪作品にしています。

7
最後には確かに、驚きサプライズが、しんみりとあります。

「グエムル 漢江の怪物」(2006年・韓国)へのアンチ、もしくはシンクロもあります。

ゴジラやフランケンシュタインやらが、人間の業や人間が作ったものとするならば、

グエムルも本作の魚人間も同じです。

6
ゴジラ・グエムルが、人間がやってしもた核実験や環境汚染によって、誕生したとするならば、

本作のフィッシュマンやフランケンは、人間の意図的な実験によって作られたもの。

人と対決することが多いけど、人間が作りしそれらが、人間と向かい合う時、何が生まれるのか。

8
本作は傑作「グエムル」と、対をなす作品だと、ボクは評定いたします。

「グエムル」の攻撃性は、まろやかに柔和になり、

ほんでもって、「グエムル」以上にハートフル。

ラストシーンも魅せてくれます。

チャッチーさとゆうか、低予算を逆手に取って、感動作へとすり替える、トリッキーな作品でした。

« 「ヒトラーの忘れもの」 | トップページ | 「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1308338/68858985

この記事へのトラックバック一覧です: 韓国映画「フィッシュマンの涙」:

« 「ヒトラーの忘れもの」 | トップページ | 「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」 »