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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年12月の記事

2016年12月30日 (金)

日本映画マイ年間ベストテン

ミステリー映画に、魅せられ続けて…

「君の名は。」も、SFミステリーの革新的傑作だ

①怒り(妻夫木聡・渡辺謙・宮崎あおい出演/李相日監督)

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②淵に立つ(浅野忠信主演/深田晃司監督)

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③この世界の片隅に(声優:のん)

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④君の名は。(新海誠監督)

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⑤オーバー・フェンス(オダギリジョー・蒼井優主演/山下敦弘監督)

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⑥いしぶみ(綾瀬はるか出演/是枝裕和監督)

⑦エヴェレスト(阿部寛・岡田准一主演/平山秀幸監督)

⑧ディストクション・ベイビーズ(柳樂優弥主演)

⑨湯をわかすほどの熱い愛(宮沢りえ主演)

⑩だれかの木琴(常盤貴子主演/東陽一監督)

次点:永い言い訳(本木雅弘主演/西川美和監督)

●映画の出来を判断する評論家的視点は、持ち続けたいとは思っているのですが、

全く個人的な嗜好としては、何やらボクはミステリー映画に、魅せられる習性があります。

極楽エンタやラブ・ストーリーや、ヒューマン・ドラマなどにも、モチ感動的で映画的な傑作はあるのですが、

今年はミステリー度の高さを、重視して選びました。

ちなみに、ヒットした「64(ロクヨン)」は、原作が余りにも凄すぎて、つい選から漏らしてしまいました。

③⑤⑥⑨は、ミステリー・タッチはほとんどありませんが、

蒼井優⑤宮沢りえ⑨の、素晴らしい演技に魅せられたり、

大ヒットした④は別にして、アニメの歴史的傑作だと確信した③、

広島原爆ドキュのこれまた歴史的作品⑥は、

映画評論家としては、個人のベストとはいえ、とても外すことはできませんでした。

さてはて、ミステリーの新味に魅せられた点について言いますと…。

オムニバスな群像劇調で、一体犯人は誰なのかに食い入った①は、

そのスタイルといい、伏線の張り方といい、ミステリー映画のお手本的な傑作でした。

謎めいた男とその行方を、ガクガク震えながら見た②。

過去の大事件をいかに回避し、そして、生き残った愛する人と、主人公はどう再会するのか、前代未聞のテーマを、

ハラドキの連続で魅せた④は、アニメながら、

SFミステリーの最上級とも言える、ハットトリックがありました。

クライマーの謎に迫る⑦、

逃亡劇調ながら、ピカレスクな主人公の行動心理に迫る⑧、

片や、人妻ヒロインの行動心理の、謎を追求する⑩など、

登場人物の謎を追う映画も良かったです。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年12月29日 (木)

外国映画マイ年間ベストテン

ヒロイズム映画こそ、この時代に必要なのだぁ~

上位4作はリアリティーある、ヒーロー映画の傑作

①レヴェナント:蘇えりし者(レオナルド・ディカプリオ主演/アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督/アメリカ)

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②ディーパンの闘い(カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞/フランス)

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③ハドソン川の奇跡(トム・ハンクス主演/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)

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④スポットライト 世紀のスクープ(アカデミー賞作品賞受賞/アメリカ)

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⑤父を探して(アニメ/ブラジル)

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⑥ヘイトフル・エイト(クエンティン・タランティーノ監督/アメリカ)

⑦11ミニッツ(イエジー・スコリモフスキー監督/ポーランド)

⑧暗殺(チョン・ジヒョン主演/韓国)

⑨灼熱(クロアチア)

⑩ジュリエッタ(ペドロ・アルモドヴァル監督/スペイン)

次点:ヒトラーの忘れもの(デンマーク・ドイツ合作)

●洋画の興行収入が、今年も今イチピリッとしませんでした。

特に、ハリウッド映画の凋落は、目を覆うものがあった。

数年前から、アニメとシリーズもの以外、売れなくなってきていますし、アカデミー賞ゲット作品が今一つふるわない。

けども、ボクは、そういう状況とは関係なしに、往年のハリウッド映画にあった、勧善懲悪なヒロイズム映画の精神を持った映画に、惹きつけられました。

ヒーローが登場するようなシリーズものではなく、むしろリアリティーのある、現実的なヒーローものに魅せられました。

また、ヒーローのいない今だからこそ、そういう映画に感情移入して、ハマッてしまうのかもしれません。

①は、レオナルド・ディカプリオの、サバイバルと執念に恐れ入りました。

それは「タイタニック」(1997年・アメリカ)を超える激越演技でした。

しかも、実話がベースになっているとは恐れ入った。

③④も実話です。

③はトム・ハンクス、④は悪を駆逐せんとする、記者たちの群像ヒロイズム。共にグッときました。

そして、ヨーロッパ映画では、疑似家族を守る戦いをする、主人公の②にまず酔い、

八ットトリッキーな群像劇⑦、ヒロイン映画の熟成を示す⑩など、多彩に魅せてくれました。

タランティーノらしさを示す、西部劇調の犯人探しなミステリー⑥、

チョン・ジヒョンの男まさりのアクションが、バクハツする⑧なども、印象深い仕上がりです。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年12月28日 (水)

「MERU メルー」⇒アメリカン・ドキュメンタリー

1
山岳ドキュメンタリーの最新作

臨場感あふれるロック・クライミング・シーン

http://www.meru-movie.jp

12月31日の大みそかサタデーから、ピクチャーズデプトの配給によりまして、

新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマなどで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作のアメリカ映画91分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⓒ2015 Meru Films LLC All Rights Reserved.

ヒマラヤ登山を描いた、ドキュメンタリー映画。

21世紀になって、ケッコー出てくるようになりましたが、

かつても披露しました、山岳ドキュのベスト・カルトに、

山岳ドラマ映画も入れた上で、マイ・スリー(各順不同)を申し上げますと…。

5
●ベスト⇒①エヴェレスト征服(1953年製作・イギリス映画)②八甲田山(1977年・日本)③エヴェレスト(2016年・日本・弊ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作②ヒマラヤ(2015年・韓国・ブログ分析済み)③山(2011年・日本・ブログ分析済み)

●ドラマものでは、ベスト②③カルト②③のように、なぜか遭難ものが、ドラマティックではありますが、

ドキュは何と言っても、登頂成功ものがほとんどです。

つまり、登頂のプロセスを描くことで、緊張感とドラマティークを作っていくのです。

7
ベスト①がエヴェレスト初登頂を描いた、歴史的なドキュなのですが、

実はそれが出て以来、エヴェレストものドキュは、長らく出てきませんでした。

つまり、カメラマンも一緒に同行して、登頂しないことには撮れないものだからでしょうか。

でもしか、2010年代に入ると、そういうドキュがいくつか出てきました。

そんな中でも本作は、細部の描写が事細かに描かれて、登山ハウツーものとしても、機能する作品になっています。

3
3人のクライマーたちが、ヒマラヤのメルー中央峰にある、難攻不落の岸壁に挑むのですが、最初の挑戦は失敗に終わります。

崖に吊るテントへ、なだれが襲ってくる様子。

その翔(ト)ンデモ・シーンなど、この種の映画に映える、パニック・リアル描写がスゴイです。

でもしか、岩壁に名前があり、「トランプの家」なんてのがあり、

あの大統領を思い出したりして、ニンマリできるとこもあります。

4
そして、3年後に再度3人がチャレンジします。

1度失敗して、リベンジを期して再び、絶壁に挑むとゆう流れは、

実話なドキュとはいえ、ある種パターン化してるようにも見えますが、

実はそういう失敗も描いたドキュは、ドラマ映画ならまだしも、あんましないのであります。

その意味では、新味があると申せましょう。

6
さてはて、言うまでもなく、クライマックスは、詳密に見せるロック・クライミング。

その手に汗握るハラドキのシーンが、大きな見どころです。

フォーク・ギターなサントラに乗って、進むシーンもスリリングで、魅せてくれますよ。

2016年12月27日 (火)

カルト映画年間マイ・ベスト5⇒ジャンル別ベスト第3弾

ヤラシーエロス映画の、新次元を繰り出す映画から、

スター映画・アイドル映画まで選択

①華魂 幻影(日本映画)

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②背徳の王宮(韓国)

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③すれ違いのダイアリーズ(タイ)

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④黒崎くんの言いなりになんてならない(日本)

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⑤シークレット・アイズ(アメリカ)

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●これまでのヤラシー映画には、日活ロマンポルノを始め、ある種定番となるところがありました。

大方が歓喜のセックス・シーンを、メインにしていましたが、

いわゆる、バイオレンスな強姦をポイントに、映画愛に無理矢理とのように回帰する①や、

アウトローな王への、勧善懲悪ものに回帰する②など、

ヤラシーの向こうに、カタルシスや浄化できるところがある映画に、奇妙にもハマりました。

でもって、大ヒットした「君の名は。」に先行して、そのセンスを取り入れたタイ映画③。

最近のコミック原作にありがちな、男が女を支配する学園日本映画に、アンチを加えた④。

アンチ・アイドル映画のノリもあります。

そして、ジュリア・ロバーツとニコール・キッドマンとゆう、かつての(今も!?)ハリウッド・スター女優の初共演なのに、インディーズなノリでいった⑤。

ベストに入れてもおかしくない③⑤なのですが、

共に何やら妙にミスマッチな鑑賞後感覚があって、マイ・カルト作品にしてしまいました。

ベストとカルトの区分については、人によって違うと思いますので、ご了承くだされ。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

韓国映画年間マイ・ベスト5⇒ジャンル別ベスト第2弾

韓国映画を代表する傑作に出演経験者、

チョン・ジヒョンやソン・ガンホの、新作主演作が素晴らしい!

①暗殺

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②弁護人

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③ビューティー・インサイド

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④殺されたミンジュ

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⑤花、香る歌

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●順位通りです。

韓国映画にはなぜか逆風が吹いて、ピーク時に比べて売れなくなっていますが、

相変わらず大量の作品が、日本に上陸しています。

売れなくなったのは、パターン化しているところが、あるのかもしれませんが、

でもしか、よく見ると、韓流ドラマ的なラブやラブコメは少なくなり、

そして何らかの、新しいスパイスを振り掛けています。

韓国映画で、日本で今年最も売れた③は、究極の設定でのラブ・ストーリーで、度胆を抜きました。

サスペンスものでも、オーソドックスに見える裁判もの②でも、ソン・ガンホ演じる弁護士のヒューマニズムに回帰したり、

復讐殺人に新たな新味を加えた、異端の巨匠キム・ギドク監督作品④などに魅せられました。

加えて、ヒロインの活躍ぶり。

数多い時代ものでも、女性歌手にクローズアップした⑤、

チョン・ジヒョンのヒロイン・アクションに、グッときた①など、

男として、胸ときめいた作品が良かったです。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年12月26日 (月)

アニメ映画年間マイ・ベスト5⇒ジャンル別ベスト第1弾

2016年年間洋画・邦画マイ・ベストテンの前に

ジャンル別ベスト・ファイブを披露いたします

第1弾はアニメ映画(順位通り)

①この世界の片隅に

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②父を探して

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③君の名は。

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④ソング・オブ・ザ・シー 海のうた

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⑤レッドタートル ある島の物語

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●一部の邦画のシリーズもの、ディズニーの「ズートピア」は未見です。

そんな中でも、アニメの新鮮味が今年は、だいぶ味わえました。

スタジオジブリの、海外への影響力が凄くよく分かった⑤。

北欧アニメの④、ブラジル・アニメの②など、ジブリに影響を受けた、意外な国からの海外作品。

そんな中で、ジブリの影響がありながらも、ジャパニメーションのオリジナルな方向性を示した①と③は、

大ヒットしたとかに関わらず、映画史に刻印される、歴史的な傑作になったと思います。

今も全国の映画館で上映中ですので、未見の方は、ぜひ見に行って、その凄さをご確認ください。

また、弊ブログの映画評も、ご覧いただければ幸いです。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年12月23日 (金)

「こころに剣士を」

1
先生と生徒のキズナは、普遍的テーマだ

その最新版スポーツものが本作だ

http://www.kokoronikenshi.jp

12月24日のクリスマス・イブから、東北新社の配給によりまして、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、フィンランド・エストニア・ドイツ合作の、本編99分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⓒ2015 MAKING MOVIES / KICK FILM GmbH / ALLFILM

体育の先生と小学生のコドモたちが、フェンシングを通して交流してゆくとゆう、

これまでに多数出てきた、先生と生徒のキズナを、描いた映画です。

ある種マニュアル通りだとか、既視感とか、パターン化しすぎなんて感想が、

いかにも頻出しそうな映画ですが、ボクはそんなところは、ほとんど気になりませんでした。

3
よくある話ながらも、実は、実話がベースになっています。

第二次世界大戦後の、1950年代初めのソ連領のエストニアが舞台。

まず、この背景そのものが稀です。

主人公の体育教師が、田舎の小学校に赴任します。

戦中にドイツ軍ナチだった教師は、秘密警察から追われています。

そこで、教師には、田舎の教師になって、身をひそめるとゆう意図がありました。

4
さて、いざ生徒に体育を教える段になって、体育用具のほとんどが、軍に寄贈されてない状態。

そこで、元フェンシング選手だった主人公は、フェンシングを生徒に教えようとします。

フェンシング・スポ根ものなんて、まあ、珍しいでしょうな。

しかも、小学生やもん。

それに、イのイチバンに、フェンシングをやろうとするのんが、かわいい少女やもん。

実話とはいえ、いろんなとこでサプライズがあります。

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追われてるとゆう逼迫のドラマよりは、主人公は現地で、ラブ・ストーリーまで展開します。

そして、生徒からのアクションで、ソ連のレニングラードで開催される、フェンシングの全国大会に、参加することになりますが、

それは秘密警察に、主人公が捕捉される、格好の場になってしまうのですが…。

5
でもしか、サスペンスやハラドキが、不思議なくらいにない。

フェンシングの対決シーンも、主人公が逮捕されるシーンも、ドラマティックな演出が、いくらでもできるにも関わらず、

あえてそれをハズしてはるんです。これは間違いなく意図的です。

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なぜか。ボクは考えました。

スポ根ドラマと逮捕劇とゆう水と油を、どう融和させるのか。

でもしか、その難しさを追求しても仕方がない。

あえて避けて、スルスルと流れるように捉え、そして、数年後のラストシーンへといく。

本作はあくまで、先生と生徒のキズナ映画なのです。

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それを思い出させてくれるラストシーン。

戦争のトラウマとかは、一気に解消されます。

そのお約束通りとか、ご都合主義とか、不満を覚える方もいるかもしれません。

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しかし、素直に流れに乗って見れば、泣ける仕上がりだと思います。

ボク的には、純粋無垢な少女子役に、魅せられてもうて、

メッチャエエやんな映画でした。

2016年12月22日 (木)

「オアシス:スーパーソニック」⇒音楽ドキュメンタリー

1
ビートルズを継承した、オアシスの活動ぶりを描く

兄弟のキズナへと、着地する作品だ

http://oasis-supersonic.jp

12月24日の土曜日から、KADOKAWAの配給によりまして、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹などで上映。

本作は、2016年製作の、イギリス映画122分。

文=映画・音楽分析評論家・宮城正樹

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ⓒJll Furmanovlsy

音楽ドキュメンタリーのジャンルの中でも、特定のアーティストに、スペシャライズした作品です。

ライブ・ドキュの多い中で、ミュージシャンの生き方を捉えたもの。

ドキュ以外にドラマ映画も含めて、その種の映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・クラシック・ジャンルは除く)を、思いつくままに、披露いたしますと…。

10
●ベスト⇒①Ray(2004年製作・アメリカ映画)②インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2015年・アメリカ・弊ブログ分析済み)③ウディ・ガスリーわが心のふるさと(1976年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ボブ・ディランの頭のなか(2003年・アメリカ)③レット・イット・ビー(1970年・イギリス)

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●ドラマ映画をベストに、カルト②はドラマ映画ですが、カルトはドキュを採り上げました。

レイ・チャールズのベスト①、ボブ・ディランより前にデビューしながら、名声を得なかったデイヴ・ヴァン・ロンクを描くベスト②、フォーク歌手のルーツなベスト③。

片やカルトでは、ボブ・ディランの②、ビートルズの③。

そして、2009年に解散したけど、採り上げた中では、最も新しいアーティストとなる、オアシスの本作。

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イギリスの音楽系譜を見る意味においては、

オアシスは、ビートルズとローリング・ストーンズを、バランス良く取り込んだバンドでした。

ビートルズチックなメロディアスなバラードあり、また、ライヴでは、ローリング・ストーンズばりの、ワイルド感を出す演出ぶり。

そのあたりが、本作を見れば、よおーく分かるようになっています。

4
クソ音楽などと、クソを連発しながら、しかし、音楽に対しては、誠実真摯であろうとする、バンド姿勢に、まず好感を覚えました。

ライヴ活動もポイントです。

クライマックスの、2日間で25万人を動員した、ネブワースの野外コンサートまで、

彼らの軌跡が、過去の回想的に描かれてまいります。

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また、追っかけの凄かった、1994年の日本ツアーの模様など、随所随所にエポック・メイクなエピソードを、挿入しています。

日本のフジロック・フェスティバルでの、ライヴ模様を捉えた、ドキュ映画も公開されますが、

ある意味で本作は、その作品と対をなす作品だと、言えるかもしれません。

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そして、バンドの中核をなす、ノエルとピーターのギャラガー兄弟の、生い立ちから、父母とのエピソード。

で、現在まで、2人のイロイロが捉えられます。

家族的な確執ぶりから、母と兄弟のキズナぶりなど、ココロにくる逸話がありました。

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取材では大口を叩き、売れている時には、鼻高々な状況を捉え、

きれい事だけでは済まない、バンドの不愉快なところも映されます。

オアシスとゆうバンドを、多角的に描き、1ロック・バンドの、普遍的なスタンスを捉えた作品です。

そこから見えるのは、ロック・スターの光と影。

単なるPR映画とは違う、そんな雰囲気が素敵な映画でした。

2016年12月21日 (水)

「ストーンウォール」⇒ローランド・エメリッヒ監督の新作

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ハリウッド大作映画の監督が、ホントに撮りたかった1作

レズ・ゲイ映画の実話に基づいた作品だ

http://www.stonewall.website

12月24日のサタデーから、アット・エンタテインメントの配給によりまして、新宿シネマカリテやらで、全国順次のロードショー。

関西やったら、12月31日から、シネ・リーブル梅田で順次上映だす。

本作は、2015年製作の、アメリカ映画本編129分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 STONEWALL USA PRODUCTIONS. LLC

かつては日本でも、「レズ・ゲイ映画祭」が開催されていましたが、さてはて、本作は実話に基づいたゲイ映画です。

さて、ここで、かつても披露いたしましたが、改めて、

レズ・ゲイ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、手前勝手に披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①真夜中のパーティー(1970年製作・アメリカ映画)②アデル、ブルーは熱い色(2014年・フランス・弊ブログ分析済み)③ミルク(2011年・アメリカ・ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作②ハッシュ!(2001年・日本)③ブエノスアイレス(1997年・香港&日本)

●濃厚なセックス・シーンがある、ベスト②カルト③。

ゲイの間に、フツーの女が入ることで、ゲイ映画の新境地を開拓したカルト②。

そして、ゲイ映画の嚆矢にして、群像劇となったベスト①。

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そんな中で、ゲイが疎まれていた時代を背景にして、実話をベースにした、ベスト③と本作は、

ゲイの人権問題にまで食い入った、強烈至極な作品です。

一部、実際の話とは、違うところありとのことで、突つかれるようなとこがあるようですが、

実話をベースとはいえ、あくまでフィクションとしての、ドラマ映画なので、ボク的には全く気になりませんでした。

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「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」(2016年・アメリカ)、「インデペンデンス・デイ」(1996年・アメリカ)など、

これまでハリウッド大作を、ずーっと撮り続けてきた、ローランド・エメリッヒ監督が、

初めて自身が撮りたかった作品に、アプローチしたのが、本作なのです。

監督自身がゲイであるところも、本作へのめり込み具合が分かります。

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1968年に、ゲイの巣食う街と言われた、NYのグリニッジ・ビレッジで、ゲイたちの暴動が起こりました。

本作は、その暴動までの過程を、事細かに描いてまいります。

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グリニッジ・ビレッジと聞いて、ボクは大学生の時に見た「グリニッチ・ビレッジの青春」(1976年・アメリカ)を、思わず思い出しましたが、

本作はその映画と、ポジとネガの関係に、あるように思いました。

真っ当な青春劇となった「グリニッチ・ビレッジの青春」に対し、

本作は、虐げられたゲイの青春劇にして、ゲイたちのラブ・ストーリーでもあります。

違和感はあるかもしれませんが、これが当時の現実なのです。

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「オズの魔法使」(1939年・アメリカ・ブログ分析済み)主演ジュディ・ガーランドへの、オマージュやら、

過去の名作との、シンクロナイズもありつつ、

ダサイ・スロー・ナンバーだと、登場人物たちに言わせる、メロディアス・バラード、プロコム・ハルムの「青い影」を始め、

当時のヒット作を、ドラマの中に溶け込ませる、サントラ使いなどが、絶妙無比でした。

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そして、冒頭からモノクロ・カットで映される、暴動シーン。

ラストも、モノクロへと戻ります。

クライマックスはモチ、この暴動シーンなのですが、

むしろ暴動後の、主人公の行動ぶりなどに、印象的かつ感動的がありました。

とゆうことで、ゲイ映画の歴史に残る傑作です。

2016年12月20日 (火)

「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」

3

実写とアニメを、右往左往するシリーズ第3弾だ

武井咲・山崎賢人・斎藤工らが実写で登場!

http://www.eiga-yokai.jp

12月17日の土曜日から、東宝の配給で全国公開中。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒLEVEL-5/映画「妖怪ウォッチ」プロジェクト 2016

2日間の集計ながら、

何と1日早めに公開された「スター・ウォーズ」の新作よりも売れて、興収第1位になった、

「妖怪ウォッチ」シリーズの第3弾だ。

4
しかも、アニメだけでなく実写部を、本編の半分ばかしも取り上げて、

従来のアニメ・シリーズとは、大いに違うところを強調。

アニメと実写を、カットバックするとゆうか、

登場人物たち自身が戸惑っているので、

右往左往するといった形式の、ユニークな仕上げになった。

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同じ登場キャラたちを、1本の映画で、実写とアニメで魅せるとゆうこのスタイルは、

おそらく、映画史上初めての試みではないでしょうか。

その意味でも、本作を見る価値は、ファミリー映画の枠を超えて、大いにあるということになるでしょうか。

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お馴染みのキャラクターたちが、アニメと実写を行き来します。

そのチェンジ具合には、謎めいた空飛ぶクジラが関係しているのでは?の流れで、

やがてそこに、バレエ・ダンサーの少女の恨み節が、関わってくるとゆう、ミステリアスかつスリリングな展開。

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クライマックスとなる、妖怪ウォッチ・オールスターズとクジラマンの、

色鮮やかで、カラフルなバーサス・シーンは、本作の大きな見どころとなっています。

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さて、実写部では、エンマ大王役で山崎賢人クンが、大王の相棒・ぬらりひょん役には、斎藤工のアニキが登場。

ちょっと吹き出しそうになるけど、大マジにマンガ・キャラを怪演しています。

さらに、女優では、バレエの先生役で武井咲ちゃん。

アイドルらしい、癒やしの優しい演技が、コドモたちの好感を呼ぶことでしょう。

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ヨーデル、ヨーデルの、あのナンバーも流れますし、加えて、しっとりの女性ポップスもあり、

また、冒頭からミュージカルチックな展開もありで、

ドラマ部以外での“おもてなし”もあるので、本編の終始にわたり飽きさせません。

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お正月に家族みんなで、見に行く映画としては、最適の作品でありましょう。

コドモ世代も大人世代も、楽しめて満足できます。

さて、ファミリー向けアニメとしての、私的ジャッジでは、

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」と並ぶ、ベスト・スリーでしょうか。

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本作を始め、全てテレビアニメでも見られますが、映画版はどれも本作のように、劇場版らしい工夫がなされています。

中でも、本作は特筆ものでしょう。

ファミリー・アニメと特撮ものを、合成したとも言える本作。

正月3が日は、第1弾、2弾を、DVDでお家でみんなで見て、

そして第3弾は、劇場へ見に行ってみようぜ!

2016年12月16日 (金)

韓国映画「フィッシュマンの涙」

1
ブラック・ユーモアと、ペーソスあふれる怪作品

これぞ韓国版「エレファント・マン」か!

http://www.fishman-movie.jp

12月17日の土曜日から、シンカの配給により、シネマート新宿、シネマート心斎橋、シネ・リーブル梅田、ヒューマントラストシネマ渋谷などで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の韓国映画92分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2015 CJE&M WOO SANG FILM

姿を見て、まがうことなきの変な、キャラクターを出して、

そのキャラを狂言回しに、もしくはメイン・キャラとして、展開してゆくドラマ映画とゆうのは、

映画トーンや感情の喜怒哀楽の、いろんなパターンで、これまでにケッコー出てきておます。

アニメ、怪獣もの、怪奇ホラーなどは、ある種パターン化してるけど、

それがフツーのドラマの中に、突然変異のように出てくると、違和感がまず、先走りすることでおましょう。

2
違和感ありまくりの、カブリモノの魚人間。

非道な実験により作られたけど、一時は有名になったけど、

逃げて野放しになり、ほんで、元恋人のとこで身をひそめとったけど、ジャーナリストの目のつけるところとなり…。

こうしてこうすればこうなるとゆう、パターン化されたドラマが多いけど、

本作もまた、魚人間にされてしもた人間が、どないな風に生きてゆくんかを、

マニュアル化されたようなカタチで、展開してゆくように見えがちな映画です。

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そこにアイロニーや諧謔を見出すことも、当然でき得るんやけども、

本作のポイントは、そこにあるようでいて、そこにないようでした。

かぶりもののチャッチーさとか、

彼の周辺にいてる人たちの、自然やない挙動とか、見ていて乗りにくさを、あえてのように強調してるとこなど、

ボクはウーンとウウムな、唸りや呻きが続きました。

5
つまりは、結局、本作に、やられたっちゅうことになるんやろか。

裏返しでは、騙されたとゆうことに、なるんかもしれへんけど、

ドラえもんやらのアニメを見たところで、違和感はないけど、本作の実写映画では違和感がある。

そのへんのとこを、あえてのように強調しつつも、強引に泣きのドラマへと変換させてゆく。

見事とは言わない。けど、これは魔術です。

4
「エレファント・マン」(1980年製作・アメリカ&イギリス)のようなダークで悲愁な感覚。本作にもあります。

「オペラ座の怪人」のような、少なくとも肯定的な、前向きなキモチ。本作にもあります。

ただ、そのダーク感や前向きが、少しく違っとります。

明るくはないけど、ダークすぎず、後ろ向きにしても、少しは前向きな、二律背反にして反比例な感覚が、

本作を異質で独特な、怪作品にしています。

7
最後には確かに、驚きサプライズが、しんみりとあります。

「グエムル 漢江の怪物」(2006年・韓国)へのアンチ、もしくはシンクロもあります。

ゴジラやフランケンシュタインやらが、人間の業や人間が作ったものとするならば、

グエムルも本作の魚人間も同じです。

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ゴジラ・グエムルが、人間がやってしもた核実験や環境汚染によって、誕生したとするならば、

本作のフィッシュマンやフランケンは、人間の意図的な実験によって作られたもの。

人と対決することが多いけど、人間が作りしそれらが、人間と向かい合う時、何が生まれるのか。

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本作は傑作「グエムル」と、対をなす作品だと、ボクは評定いたします。

「グエムル」の攻撃性は、まろやかに柔和になり、

ほんでもって、「グエムル」以上にハートフル。

ラストシーンも魅せてくれます。

チャッチーさとゆうか、低予算を逆手に取って、感動作へとすり替える、トリッキーな作品でした。

2016年12月14日 (水)

「ヒトラーの忘れもの」

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戦後処理映画の、緊張感あふれる1作

「ハート・ロッカー」に通じる、ギリギリの人間ドラマだ

http://www.hitler-wasuremono.jp

12月17日のサタデーから、キノフィルムズの配給により、シネスイッチ銀座などで全国順次のロードショー。関西では、12月31日から、テアトル梅田やらで上映。

本作は、2015年製作の、デンマーク・ドイツ合作101分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 NORDISK FILM PRODUCTIONS A/S & AMUSUMENT PARK FILM GMBH & ZDF

ナチズム・ヒトラーもの映画と言えば、

映画の1ジャンルかと思うくらい、多数のタイトルが映画化されています。

しかし、本作は、ヒトラー生存中のものではなく、

第二次世界大戦のドイツ敗戦後の、戦後処理が描かれた映画です。

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その意味では、戦争は終わったので、戦争アクションのない、映画のように思われがちですが、

でもしか、本作は緊張と波乱に満ちた、群像劇ドラマとなっています。

戦中にナチが、浜辺に仕込んだとゆう、地雷220万発を、敗残ドイツ兵たちが、命がけで、取り除くとゆう、

デンマークでの実話が、本作の基になりました。

3
地雷撤去の実演に始まり、負け組なだけに、食糧配給もほとんどない中で、

いつ果てるとも知れぬ、地雷撤去作業に、14人が挑んでゆくのです。

そんな中で、撤去に失敗し、次々に若き兵士たちが、爆死してゆきます。

なんとも言えない、緊張感に満ちた、サバイバル・ドラマが、展開してゆくのであります。

4
その指揮を執るのは、デンマーク軍の軍曹(ローラン・ムラ)。

当初は、鬼のように、ドイツ軍の彼らを支配し、しごくのであるけども、

やがて、彼らと交流し、ゆっくりキズナらしきものが生まれていきます。

この軍曹役の俳優、メッチャ好感ある役柄でした。

ボクは「愛と青春の旅だち」(1982年製作・アメリカ映画)の、鬼教官役を思い出しました。

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そして、地雷撤去する若者たちの、危険に満ちた任務。

爆発して手をフッ飛ばされ、やがて死んでゆく若者や、

少女が地雷場に入ったのを、取り除く任務で死んでいったりとか、

さまざまな死のドラマが、行く手に待っています。

7
その緊張のドラマの数々が、本作の大きな見どころなのですが、

それだけじゃなく、緊張の中で、人と人のキズナを見せるところも、さりげなく感動を呼び込みます。

その最たるところは、ラスト・シークエンスでしょうか。

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ギター・サントラの哀愁感、

何カットもある、海辺のロングショットの、映画的構図のキレなど、

映画的に印象深さを魅せるシーンも、多数盛り込まれています。

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地雷撤去する、アフガン派兵の米兵士を描き、アカデミー作品賞をゲットした

「ハート・ロッカー」(2009年・アメリカ・弊ブログ分析済み)に通じる、スリルとハラドキのある映画でした。

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ヒトラーものにまだ、こんな素材があったんだ。

そんな驚きもあった問題作です。

2016年12月13日 (火)

クロアチア映画「灼熱」

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ラブ・ストーリーの新次元を示す傑作

2人の男女役者による3話オムニバス

http://www.magichour.co.jp/syakunetsu

12月17日の土曜日から、マジックアワーの配給により、第七藝術劇場やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、クロアチア・スロベニア・セルビア合作映画123分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒKinorama, Gustav film, SEE Film Pro

民族紛争などを背景にした、ラブ・ストーリーとゆうのは、

ベースラインとしては、敵対するグループの、2人の愛とゆうのが、

「ロミオとジュリエット」(第1弾映画化は1936年製作・アメリカ映画)以来、定着しております。

そして、1990年代の旧ユーゴスラビアでの、バルカン民族紛争も、これまでに多彩なドラマが、作られてまいりましたが、

中でも本作は、紛争よりもラブ・ストーリーに集中し、愛の普遍性を追求した映画です。

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戦争やら紛争やらでの愛の物語は、これまでにもモノゴッツー出てまいりましたが、

本作の新しさは、1991年・2001年・2011年の、10年単位の年代ごとに3話オムニバスで、展開すること。

さらに、その3話に出る、恋する主演男優・主演女優の3人が、

全て別人物なのに、同じ男優・女優によって、演じられている点でしょうか。

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同じ俳優による、20年にわたる大河ドラマ的ラブの方が、大衆的受けとしては、分かりやすくていいのかもしれませんが、

こおゆうタイプも、オムニバスものとしてとらえたほうが、分かりやすいのかもしれません。

それぞれの時代に、敵対する側の2人が、どう愛を紡いでゆくのか。3パターンが披露されます。

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エミール・クストリッツァ作品「ライフ・イズ・ミラクル」(2004年・フランス&セルビア)などで、描かれたテーマではあるのですが、

本作は、マジック・イマジネーションを多用し軽快な作りだった「ライフ・イズ・ミラクル」よりも、

シリアスかつ痛切に胸にクル、悲愁ある作りになっています。

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まあ、重たいと言えば重たいし、悲恋もあるので、楽しいラブ・ストーリー展開は、期待はできないにしても、

ココロに粘りつくように残る、恋愛感情があります。

ロングショットと鏡を使った、濃厚なセックス・シーンや、

ディスコティークに踊っての、パーティー・シーンの「甘い生活」(1960年・イタリア&フランス)的な気だるい感。

近接撮影とロングショットを、モンタージュする緊張感描写、

ここぞとゆう時の、2人のツーショット・アップカットなど、

映画作家的にも、目を瞠るシーンが多かったです。

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ヨーロピアンなフィメール・スロー・ポップスで、映画テンポを作るかと思えば、

サントラを使わずに、余韻あるラストシーンを作ったりと、

多様な作りのモンタージュぶりが、この映画を印象深いものにしているところでありましょう。

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クロアチア映画というのは、ボクとしては、

紛争の悲劇を描いた「サラエボの花」(2007年・クロアチア&ボスニア&オーストリア&ドイツ)くらいしか見ていないのですが、

どちらも、ココロに深いサムシングを残す映画です。

重みと深みあるラブ・ストーリーとして、みなさんにおすすめしたい傑作。

2016年12月11日 (日)

寺島しのぶ主演「秋の理由」

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渋い大人の三角関係が、ストイックに静かに描かれる

寺島しのぶ・伊藤洋三郎・佐野和宏の、シックなアンサンブル演技

http://akinoriyuu.com

12月17日の土曜日から、渋谷プロダクションの配給によりまして、第七藝術劇場、元町映画館、京都みなみ会館やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の日本映画88分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016「秋の理由」製作委員会

男2人女1人の三角関係映画というのは、邦画・洋画に関わらず、これまでにモノゴッツーなタイトル数があります。

洋画なら、フランソワ・トリュフォー監督の「突然炎のごとく」(1961年製作・フランス映画)や、

アラン・ドロン主演の「冒険者たち」(1967年・フランス)、「ソフィーの選択」(1982年・アメリカ)などの名作を、

ボクは思い出すのではあるけども…。

モチ、日本映画にもいっぱいあります。

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但し本作は、夫婦と男の関係性。

細かく言うと、喋れない筆談作家男(佐野和宏)と、そのヨメ(寺島しのぶ)、

作家の担当編集者(伊藤洋三郎)の、三角なんだけど、

実は、ドラマ映えするほどの、とげとげとしてはいず、ゆったりひっそりとしたもの。

実は、描きたいのは、そんなとこにはないんであります。

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佐野和宏は喋れないだけに、伝達方法やらで奇怪な行動を取ったりしますし、自殺しようとしたりもする。

寺島しのぶも、佐野と夫婦ゲンカをやります。

けども、そんなに激しいとこも、エキセントリックなとこもない。

男優2人に関わってくる、ミク役の趣里も、小悪魔的とは違う方向性の演技。

ここにあるドラマは、秋らしき黄昏と、それに抗しようとする微かな想い、

そして、ゆっくり訪れる、前向きなキモチでしょうか。

何はともあれ、全員の演技がシックで渋い。

時に癒やしさえも、カンジさせてくれます。

自然体でありながらも、秋らしさに溶け込んでゆくようなカンジでしょうか。

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今の東京の美しき風景を、映し出しているのにも癒やされました。

定番の秋の紅葉だけじゃない。

花々や樹木。いわし雲、ヒコーキ雲などの、空の様子もタイトに映されます。

でもって、各役者のナレーションにも注目。

寺島しのぶの伊藤洋三郎に対して、あっさりとした拒絶の言葉「私も面会謝絶です。どうぞお元気で、さようなら」とか、

伊藤の「まだ途中だ。何も終わっていない」とか、

ドラマティックの領界を、超えたところにあるセリフやらが、妙にココロにくる映画でしたし、

また、ロングショットや長回し撮影や俯瞰撮影やギター・サントラも、映画的に心得た使い方でした。

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作家が新たな作品へと、一歩踏み出す作品という意味では、

先に分析した「函館珈琲」や「苦役列車」(2010年・弊ブログ分析済み)などに加え、

洋画では、作家が過去を振り返り、最後の一文を書くラストで終わる「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)や、

作家を目指す青年の、旅立ちの作品でもあった「アメリカン・グラフィティ」(1973年・アメリカ)までも、ボクは思い出してしまいました。

いずれにしても、本作にあるのは、黄昏と熟成、そして人生の再出発です。

渋い大人の映画とゆうのは、ありきたりな言葉のように思われがちですが、

本作にはシブミを超えた何か、サムシングがあったように思います。

そんなシブミを、映画を通して、感じてもらいたい作品です。

2016年12月 9日 (金)

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」⇒週末日本映画劇場

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「君の名は。」へも通じる、シチュエーション・ラブ・ストーリー

福士蒼汰クンと、小松菜奈ちゃんが魅せてくれます

http://www.bokuasu-movie.com

12月17日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⓒ2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

本作は、出会いと別れまでの、恋愛映画のスタイルを、

トンデモ・ハットトリックな、シチュエーションで採り上げた、ラブ・ストーリーです。

そして、2人の京都の大学生時代をクローズアップし、京都ロケで描いた作品。

さて、ここで、大学生時代を、メインに描いた日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①ヒポクラテスたち(1980年製作)②青春の蹉跌(1974年)③何者(2016年・弊ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作②鴨川ホルモー(2008年)③若大将シリーズ(1961年~1968年・大学時代分は全12本)

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●小中高大映画の中で、全世界的に、高校ものが最も多いのですが、大学生ものもあなどれません。

本作と同じく、京都ロケものでは、ベスト①カルト②があります。

東京ものでは、「東京大学物語」(2006年)を始め、青春真っ只中の、前向き系カルト③と、その真逆の「負」の青春を描く、ベスト②③があります。

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でもって、本作は京都ロケではあるのですが、従来の京都ロケ映画とは違う、SFタッチなところがありまして、

VFXを駆使した大学生同士の争いを、SFチックに描いたカルト②と、通じるかもしれません。

ただ、本作は、カルト②とは違い、あくまでラブ・ストーリーをベースにしています。

そして、個人的には、京都で学生時代を過ごしたボクとしては、

いかにも哀愁と郷愁をもって、見ることができた映画でありました。

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で、見出しにも書きましたが、時代の現象とトレンドと化した「君の名は。」とも、シンクロナイズする映画なのです。

そのポイントは、タイムスリップ系映画の応用である点。

そして、ミラクルな出会いの、ラブ・ストーリーである点などでしょうか。

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世界は2つのパラレル・ワールドがあり、時代順に生きていく世界がある一方で、

老人から幼児へと、逆行する世界があるらしい。

この逆行人生観は、例えばブラッド・ピット主演の「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(2008年・アメリカ)などで、披露されましたが、

本作はさらに一歩踏み込んで、2界の男女のラブに集中しました。

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加えて、そのミステリアスな作りの斬新さです。

本作のタイトルが出るまでは、なんと25分もかかり、1時間後には、設定のネタバレがあります。

ネタバレしてるのに、それからまだ本編は1時間もある。

一体、この1時間で、何をどう見せるのか。

実は、この1時間こそ、ミステリアス・ラブの、真骨頂なのであります。

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その意味では、ミステリーと泣けるラブの、2方向性で魅せる映画だと言えましょうか。

演技陣についてはどうか。

福士蒼汰クンと小松菜奈ちゃん。

福士蒼汰クンの同級生役に東出昌大。

アイドル映画と言えば、映画評価としては、マイナス・イメージが、かつてはあったようですが、

本作はそんなこととは関係なしに、2人のラブに浸れる作りになっています。

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アイドル映画の、今や名匠と言ってもいい、三木孝浩監督作品。

本作で、さらなる高みに到達しました。

陽光の部屋への取り込み方や、過去と未来のカットバック手法など、

映画作家性あるシーンにも、注目してください。

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主題歌は、ブレイク中のback numberの「ハッピーエンド」。

ラストに流れますが、その往年のニューミュージックな聴きごたえに、ボク的にはグッときました。

とゆうことで、もしかして、「君の名は。」に迫る(!?)かもしれない、ヒットが期待できるかもな~な作品です。

2016年12月 8日 (木)

「モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ」

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「君の名は。」に、刺激を受けた作品だ

過去に何があったのかを探る、巡礼のロードムービー

http://anime-movie.monster-strike.com/

12月10日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析評論家 宮城正樹

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ⓒmixi, Inc. All rights reserved.

大ヒット中の「君の名は。」(弊ブログ分析済み)を筆頭に、

今年は多彩なアニメの新次元が、披露されたかと思います。

そんな年のシメとして、本作アニメ映画が、クリスマス・お正月映画として、公開されます。

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本作は、従来の映画オリジナルや、テレビアニメやコミック原作の、ジャパニメーションではありません。

スマホアプリの原作が、YouTube連続アニメを経て、劇場版として公開されるとゆう、アニメ映画史上初の、プロセスを経ての映画化なのです。

そして、ミクシィ初の映画化作品でもあります。

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冒頭から、いきなりのアクション・シーンが披露されて、意外性ある作り。

それも、アクション・キャラクターを、登場人物が、コントロールするとゆうタッチなので、フツーではありません。

キャラ、設定、ストーリーのダイジェストはないのですが、

そこはそれ、タダで見られるYouTubeで、チェックしてみてください。

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往年のテレビアニメにあった薄色配色に加え、

ピンクなどのボカシのカットがあり、

ヒーロー・アニメの原点に、回帰するような、温故知新な作りがあるかと思えば、

「君の名は。」をかなりと意識した作りなど、

往年とコンテンポラリー(現代性)を、バランス良くまとめたカンジになっています。

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「君の名は。」とシンクロしてみますと…。

登場人物たちが、島根の寺へ行くとゆう、ロードムービー部があるのですが、

アニメの「聖地巡礼」は、それまでにもあったのですが、

「君の名は。」でブレイクした「聖地巡礼」の地方スポットが、意識的に仕込まれています。

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さらに、過去を探るとゆう「君の名は。」スタイルが、濃厚になっています。

男3人女2人が、小学校時代の過去にさかのぼって、その時の謎を追うとゆう、ストーリー的流れなのですが、

個人的には、日本アニメの嚆矢にあった、ロボット・アニメへのオマージュが、カンジられて、グッときました。

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さてはて、声優陣は、北大路欣也以外は、プロフェッショナルな声優をキャスティングしました。

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お馴染みの山寺宏一、水樹奈々、坂本真綾などの声優ぶりに酔いました。

声優のプロな仕事ぶりこそ、こおゆうアニメを映えさせるということが、あらためて分かりました。

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加えて、サントラ使いにも注目あれ。

16ビートロック、ピアノとバイオリン、ギターなどのインスト。

ロード途上で、5人みんなが歌う、ハーモニカとギターによる、ブルーハーツの名曲とか。

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そして、ラストで流れる、ナオト・インティライミのキャッチーなポップ・ナンバー「夢のありか」(12月7日発売)。

見事に余韻深いラストを、飾ってくれます。

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ジャパニメーションの、新たな可能性を示した本作。

「君の名は。」を見た方々は、次は本作を見に行ってください。

2016年12月 7日 (水)

イギリス映画「ミス・シェパードをお手本に」

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ポジティブなシニア・ヒロイン映画の会心作

年の離れた2人のキズナにも注目したい

http://www.missshepard.net

12月10日のサタデーから、ハークの配給により、シネスイッチ銀座やらで全国順繰りのロードショー。

本作は、2015年製作のイギリス映画104分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 Van Productions Limited, British Broadcasting Corporation and TriStar Pictures,Inc. All Rights Reserved.

シニア映画の面白さが詰まった作品で、

ホームレス婆やと、その息子くらいの年齢の劇作家が、静かな中で静かに、ココロのキズナを結ぶ、渋~い感動映画です。

さて、かつても披露しましたが、シニア映画の外国映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、申し述べますと…。

●ベスト⇒①老人と海(1958年製作・アメリカ映画)②八月の鯨(1987年・アメリカ)③ベニスに死す(1971年・イタリア)

●カルト⇒①本作②ストレイト・ストーリー(1999年・アメリカ)③ハリーとトント(1974年・アメリカ)

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●シニア映画は老人もの、老女もの、老夫婦・老姉妹・老兄弟ものなどがありますが、

老女単独ものは、意外と少ないように思いました。

そして、ポジティブとネガティブの2パターンに、きっかり分かれる作品が多く見られます。

孤独を追求するベスト③やカルト③も、映画として渋いのですが、

やっぱり老人になっても、パワフルで明るい映画の方が、勇気や元気がもらえます。

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老人の執念を描いた、クラシック映画のベスト①、

人生の黄昏を迎えても、どこまでも前向きな老姉妹を描くベスト②、

老兄弟の感動の再会を描くカルト②。

そして、本作は、ホームレス老女のペーソスとユーモアあふれる生き方を描く、

老女ヒロイン映画の、雛形のような作品になっています。

しかも、息子のような劇作家との、何とも言えない年の離れたキズナが、同時進行で描かれます。

年の離れた者同士のキズナとしては、

男同士だった「イル・ポスティーノ」(1995年・イタリア)や「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年・イタリア&フランス)のような、感触のある映画です。

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また、最後の最後に示される、センチメンタリズムなど、泣きの感動もある映画でした。

1970年代のイギリスで実際にあった話に、ほぼ基づいた話なのですが、

老女と交流する主人公に、分身を作って、主観・客観の2面性を設定し、

老女ヒロインと、ある程度の距離を置くといった、映画的仕掛けが、後半のドラマティックにつながってまいります。

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老女役には、マギー・スミスが務めました。

アカデミー賞の女優賞もゲットしてはる、イギリスの御大女優であります。

しかも、今回は老獪にして、気品とおとぼけも示し、しかも何やら奇矯な怪演技ぶりでして、

おそらく、彼女にしかできない、唯一無二の演技なのではないでしょうか。

彼女と同年齢の、アメリカのシャーリー・マクレーンの、アメリカチックな、ほんわかオバン演技とは違う、

ある種複雑系の演技に、ウーンとしびれます。

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ユーモアもあり人情味もあり感動もある、このユニークな実話仕様のドラマの、

サントラもまた、ドラマティックな使い方をしています。

冒頭とラストロールで、セピアなモノクロでピアノ協奏曲を流すのですが、

これがヒロインの謎を、解くシーンになっています。

若きヒロインが、見事なピアノ・プレイを魅せます。

聞き惚れました。

そして、全ての謎が明かされた時に、ヒロインの素晴らしさに、観客である我々が、目覚めるといった作りなのです。

イギリス映画界の底力を、強く感じた傑作でした。

2016年12月 6日 (火)

「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」

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「ノーマ、世界を変える料理」に続く第2弾

食材選びからハラドキで魅せる、料理作りのノウハウだ

http://www.nomatokyo.ayapro.ne.jp/

12月10日のサタデーから、彩プロの配給により、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は2016年製作の、オランダ映画92分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 BlazHoffski/Dahl TV. All Rights Reserved.

食ドキュメンタリーや食ドラマ映画は、ケッコーありますが、

食材選びから、食を作るまでの過程を、緻密に描く映画とゆうのは、さほどありません。

料理対決映画にしても、その人間性にクローズアップしたものが多い。

けども、本作はドキュにしても、食作りの在り方やノウハウを、惜しみなく披露した映画です。

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世界一に何度か認定された、デンマークのレストラン「ノーマ」が、

2015年に東京の日本橋に、期間限定で出店することになった。

その過程を、事細かに描いた映画です。

ノーマを描いた映画といえば、

今年、日本公開されたドキュ「ノーマ、世界を変える料理」(弊ブログ分析済み)がありましたが、

それはノーマがなぜ世界一になったのかを、社長の言動を中心に分析したものでした。

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でもって、本作はその第2弾とゆうカンジで展開しますので、

本作を見る前には、第1弾は何らかの形で、見ておいた方がエエかもしれません。

ただ、ノーマそのものは、いろんな媒体で知ることができますので、

第1弾を見るのは、あくまで予備知識を得るためでしょうか。

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世界一のレストランが、東京進出するために、どのようなことをやったのか、

そのノウハウを見せるのんが、本作の最大の見どころでしょう。

ノーマ的食材選びの手法を、日本に応用するところは特注です。

自然に求めたオリジナル素材が、日本ではどうなるのか。

オーナー自らが、自然と食材を求めて、日本を旅するシークエンスは、

「完璧な未熟さ」と謙遜するけども、食材探しのハラドキを見せるシーンとして、印象的でした。

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そして、スタッフたちへのホンネなインタビューや、ナレーションに加えて、

日本式のノーマにするための作戦が、着々と進行していき、スリリングな流れが作られていきます。

一つ前に弊ブログで紹介した「海賊とよばれた男」にも通じる、オーナーの執念が、垣間見える映画です。

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サウンドトラックも、ミッド・ロックからシンセ・ポップなスロー・ナンバーなど、

歌ものを中心に、軽快に展開していきます。

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でもって、スッポン料理やカツオなどから、蟻、キウイ、キノコ、木の葉まで、

その異能な食材探しぶりには、驚きを隠せませんでした。

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食ドキュは、どちらかといえば、ボクには苦手なジャンルなのですが、

でもしか、本作は、かつてない細やかさで勉強にもなり、また楽しめました。

社会派系の問題を追求する、食ドキュとは真逆の、

ストレートに食作りに、アプローチした本作は、この種のドキュの一つの在り方を、示していると思います。

ボク的には、食ドキュ映画としては、「二郎は鮨の夢を見る」(2011年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)と、

同じくらいのインパクトが、あった映画でした。

2016年12月 3日 (土)

岡田准一主演「海賊とよばれた男」⇒週末日本映画劇場

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社長・経営者映画の、豪快な伝記映画だ!

主演・岡田准一と、山崎貴監督と、作家・百田尚樹の、

「永遠の0」に続く、2度目のコラボレート

http://www.kaizoku-movie.jp

12月10日の土曜日から、東宝の配給で全国ロードショー。

本作は2016年製作の、日本映画2時間25分です。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2016「海賊とよばれた男」製作委員会

ⓒ百田尚樹/講談社

偉人伝の映画化とゆうのは、これまでに多数のタイトル数があります。

そんな中で、本作は、実在の社長・経営者を描いた映画です。

その種の映画の、マイ歴代ナンバーワンは、新聞王ハーストを描いた、ミステリアスなヒューマン映画「市民ケーン」(1941年製作・アメリカ映画)なのですが、

本作を裏読みすれば、「市民ケーン」的タッチが、部分部分で、見られたように思います。

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でもしか、日本映画の偉人映画やらに伝統的な、

大河ドラマ性、人情ドラマ性、家族ドラマ性(本作では社長と社員たちのキズナ)は、濃厚な作りなので、

お正月映画として、家族一同で見に行く映画としては、最適なものになっています。

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「市民ケーン」のように、主人公の過去を、モザイク状に描いて、波乱とミステリー度合いを、高めてゆくような作りではないけども、

本作は、ストレートに描かれた、社長・会社映画ではあるのですが…、

過去を振り返るに、今からではなく、1945年の戦中・敗戦直後から、

その時60歳だった主人公(岡田准一)が、創業時の九州時代を振り返ります。

そして、敗戦直後に戻ってからは、時代順に描かれてゆきます。

構成に、少し変化を加えているのです。

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そんな中で、その時その時の、危機的状況を、どう乗り越えていったのかが、描かれてまいります。

随所にあるそんなシーンで、アクションあるシーンがあったり、ミステリー的なとこもあったりと、大いにハラドキをクリエイトしています。

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演技陣について。

社長・店主役を演じた岡田准一。

豪放磊落な演技ぶりは、目を見張ります。

そして、「市民ケーン」にもあった、愛する人の隠されたエピソード部。

一度は結婚したけど、結局別れることになってしまう、綾瀬はるかネーさんの謎は、

本編の最後の最後に明かされます。

綾瀬はるかネーさんが、夫につくす系に徹した、かつての日本女性の演技性を、見事に体現。

社長をサポートする脇役陣にも、多彩な役者陣が揃いました。

4
VFXを壮大に駆使する、山崎貴監督作品です。

特にイントロの、東京大空襲シーンでは、いきなりのメッチャな臨場感で、

本作へ、期待をもって入っていけました。

フル・オーケストラを壮大に流し続ける、サントラ使いなども、

ハリウッド映画に通じるとこもありで、豪快果敢な映画にふさわしく思いました。

いずれにしても、日本映画らしい大作。

何はともあれ、みんなで映画館へ、レッツラゴーです。

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