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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年11月24日 (木)

「五日物語-3つの王国と3人の女-」

1
ブラック・テイストの、グロテスク・ファンタジー

世界初のおとぎ話は、トンデモホラーな怪奇もの

http://www.itsuka-monogatari.jp

11月25日のフライデーから、東北新社の配給によりまして、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショー。

本作は、2015年製作の、イタリア・フランス合作映画で、本編133分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⓒ2015 ARCHIMEDE S.R.L.-LE PACTE SAS

17世紀初頭に発表された、イタリア発の世界初のおとぎ話を、映画化した作品です。

世界最古のおとぎ話と聞けば、さぞやコドモ向けの、良質な作品かと思いきや、

いやはや、コドモには語れないし、とても見せられない、トンデモナイ内容になっとります。

人間のエゴイズムが、グロテスクなスタイルで、むき出しになった問題作品です。

10
物語は3話オムニバスなんやけど、設定において変なとこが頻出する、変てこな物語ばかり。

3話は順番に描かれずに、交互に描かれ、しかもシンクロナイズするのは、ラストシーンだけで、

それぞれの話の、グロテスクにして奇怪さが、クローズアップされる作りになっとります。

それぞれの話を、①②③で見ていきますと…。

5
①妊娠できない女王(サルマ・ハエック)が、モンスターの心臓を食えば、懐妊できるとゆう預言者の話を信用し、

王(ジョン・C・ライリー)に、鉄兜・鎧で武装さして(写真上から3枚目)、その水中モンスターに戦いを挑みます。

ほんで、共に戦って力尽き、王は死にます。

そして、モンスターの心臓を食べた(写真4枚目)女王は、男の子を妊娠。

その子が大人になって以降の、話も展開します。

グロテスクな食べるシーンは、ある意味ショッキングでした。

7
②酒池肉林を繰り返す王(ヴァンサン・カッセル・写真5枚目)やけど、

ある日、美声に魅せられて、ある姉妹の家の扉を叩きます。

で、真夜中に、その姉とベッドインするんやけど、その姉妹は醜い老女でありました。

朝起きて、老女を見て、王はビックラコン。窓から老女をホカします。

3
でもしか、その姉・老女は、女妖精のおかげで、若く美しく変身(写真6・7枚目)。

ほんで、皮肉にも、同じ王に見染められて結婚へ。

姉の変身ぶりに、触発された妹・老女が、どうすれば変身できるのかを、姉に聞き、

そのグロテスク極まりない方法を、無謀にも実行に移します。

カッセルの嫌らしい男のエゴ、片や、女のむき出しの、エゴイスティックな欲望。

ゾッとするような、ホラーイズム的奇怪さでおました。

8
③王女以上に、秘密裡に飼ってる、ノミ・モンスターを、愛玩する王(トビー・ジョーンズ)。

そんなノミが死んでもうて失意の中、王女の婿さん探しに、トンデモナイ方法を考案。

それを実行に移して、王女のお相手は、鬼になってまいました。

そんな鬼に王女はムリヤリ、鬼の棲み家に、連れられてゆきます(写真8枚目)。

4
巨大なノミの造形やらのグロテスク。

2人の仲は、「美女と野獣」(1946年製作・フランス映画)のような、ロマンテックな展開があるのかと、期待なんかしとりますと、ドッカーンと裏切られます。

さてはて、イタリアではほとんど、ロケのされなかったところを、マッテオ・ガローネ監督は、あえて選んで撮ってはります。

その意味では、今までにないような背景で、変型時代ものファンタジーを描こうとした、監督の熱意が伝わってまいりました。

9
本作は、マッテオ監督と同じくイタリア発の、巨匠監督ピエル・パオロ・パゾリーニの、

グロテスクな名作群に通じる、仕上げぶりを見せてはります。

とゆうことで、グロテスク・ファンタジーなる世界の、トンデモ妙味をお楽しみください。

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