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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年10月25日 (火)

「THE GIFT ザ・ギフト」⇒アメリカン・サスペンス

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ヒッチコック遺伝子が、濃厚に示された快作

不安感をあおり続けて…そして…

http://www.movie-thegift.com

10月28日のフライデーから、ロングライドとバップの配給によりまして、TOHOシネマズ 新宿ほかで、全国ロードショー。

本作は、2015年製作のアメリカ映画108分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⓒ2015 STX Productions, LLC and Blumhouse Productions, LLC. All Rights Reserved.

サスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督作品に、影響を受けた作品は、

これまでに、モノゴッツー輩出されてきました。

そんな中でも本作は、家族・夫妻の中に、他人が入ってくることで、

徐々に不気味なサスペンスが増してゆき、遂にはエライことに、なってしまうとゆう映画です。

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この種のタイプは、日本映画では、サスペンスよりは、家族映画的に、家族の問題に帰納する場合が多いのですが、

洋画では、特にアメリカ映画では、サスペンス的あるいは、ミステリー的に、謎めき度の高い作品へと、なってゆくケースが多いように思います。

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パッと思いつくところでは、謎めいた隣人と対決の構図へと向かう「隣人は静かに笑う」(1998年製作・アメリカ映画)、

ストレートに応戦が展開する「不法侵入」(1992年・アメリカ)などがありました。

日本でも最近では、「クリーピー」(2016年・弊ブログ分析済み)などの、怪しき隣人のミステリー映画があります。

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そんな中で、本作は、夫妻と夫妻の間に、入ってくる男との関係性を、

最後近くまで明かさずに、引っ張っていくタイプの映画でして、

男の影に脅える妻とゆうあたりは、ヒッチコックの「断崖」(1941年・アメリカ)や「レベッカ」(1940年・アメリカ)などの、

不安に満ちた、ヒロイン・サスペンスのフレイバーを、濃厚にカンジました。

緊張感ある間の使い方や、不安感をあおるカメラ・ワークなども、ヒッチコック映画的妙味があります。

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都心から郊外に引っ越してきた夫妻(ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール)が、近所のスーパーで買い物をしてる時に、

夫の高校時代の友人(ジョエル・エドガートン=監督兼出演)と出会います。

「うちに(遊びに)来いよ」と、気軽に夫が言って、訪ねてきた友人と夫妻の食卓シーンへと移行し、

酒を飲んで、饒舌になっていく友人の姿が描かれる。このあたりまではフツーでした。

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でもしか、その後、その友人が、夫が仕事でいない間に、妻1人しかいない自宅へ、しょっちゅう訪ねてきて、

おまけに訪ねるたびに、プレゼントを持ってきます。

このあたりまでも、フツーのような展開だったのですが、

お返しの意味で、友人が自宅に夫妻を招待するあたりから、少しグラグラとなり、

そして、そのグラグラは、夫と友人の高校時代の逸話が明らかになると、一気にグラグラ度合いが、急上昇してまいります。

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静かな展開から、徐々にサスペンス度合いを増し、遂には、トンデモナイところへと、向かうスタイルは、ヒッチコック直系の映画作りです。

但し、結末は、ヒッチコック節とは、大いに違っています。

そのあたりが、本作のオリジンなところかも。

イヤミス(嫌な終わり方のミステリー)を、地でいくようなところは、

“ドッカーンなんてね”な、復讐ミステリーとなった「告白」(2010年・日本・弊ブログ分析済み)と、リンクするようなところがありました。

皮肉なラストが効いた、イヤミス・サスペンスの会心作です。

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