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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年10月21日 (金)

「ダゲレオタイプの女」⇒黒沢清監督作品

1
芸術性ある、幻影のラブ・ストーリーだ

黒沢清監督「岸辺の旅」と、対をなす仕上げぶり

http://www.bitters.co.jp/dagereo

10月22日のサタデーから、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸やらで、全国順次のロードショー。

東京では10月15日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテやらで上映中。

本作は、2016年製作の、フランス&ベルギー&日本合作の本編131分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
ⓒFILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BALTHAZAR-FRAKAS PRODUCTIONS LFDLPA Japan Film Partners-ARTE France Cinema-2016

日本人監督が、海外資本をメインに、撮り上げた映画の1本です。

タイトル数も、そんなに多くない中において、そんな映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順位通り・監督名を付記)を、披露してみますと…。

3
●ベスト⇒①デルス・ウザーラ(1975年製作・ソ連映画・黒澤明)②トラ・トラ・トラ!(1970年・アメリカ/リチャード・フライシャー&舛田利雄&深作欣二)③本作

●カルト⇒①マックス、モン・アムール(1986年・フランス・大島渚)②ザ・リング2(2005年・アメリカ・中田秀夫)③THE JUON/呪怨」(2004年・アメリカ・清水崇)

4
●海外で監督するというのは、日本の映画監督の1つの夢でもあります。

特にハリウッド映画からの、オファーなんて、夢のまた夢。

ところが、世界のクロサワ(黒澤明)には、ソ連からのベスト①のほかに、ハリウッドからベスト②でも、お声がかかった。

も、ベスト②では、イロイロあって、監督の自殺未遂にまで、発展する事態になったけど、舛田&深作が、見事にカヴァーした。

9
ただ、ハリウッドからの依頼というのは、モチ、エンターテイメントとして、当たり前のように売れるべくの依頼であり、

クロサワなんかは別にして、決して作家性に惚れ込んでの依頼じゃありません。

ハリウッド・リメイク作では、元ネタを撮った監督を、そのまま起用した感があるカルト②③。

共にJホラーであるのが、当時は、少し気にはなりましたが…。

6
自らの映画作家性を、遺憾なく発揮できるような作品を、海外作品で披露できた点において、

ボクはカルト①と本作は、ある意味では、双璧をなすような仕上げぶりだったと思います。

ただ、大島渚監督カルト①の場合は、かなりヤケクソなとこがあったようにも思え、

監督の本来の作品性を、大いに逸脱した、ある種の冒険作でもありました。

でも、そういう破天荒な逸脱作もOKだと、ボクは思う。

5
対して、こちらの黒沢清のフレンチ映画は、理路整然とし、カンヌ国際映画祭で賞をもらった、前々作「岸辺の旅」(2015年・弊ブログ分析済み)と対をなすような、作品性を示しています。

いわゆる、幻影のラブ・ストーリーのノリでしょうか。

そこへ、父の写真のモデルとゆうか、身体そのものを焼き付ける写真撮影法のため、

長時間にわたり拘束される「ダゲレオタイプ」のモデルをやってる、ヒロイン娘が登場。

その撮影法のために、ヒロインは謎めいているように見えるけど、植物へのこだわりがあり、トゥールーズ植物園へも採用される予定でした。

しかし…とゆうストーリー展開です。

7
古っぽい撮影法をやりながら、死んだ妻の幻影を見て、酒浸りの日々が続く父。

そこへ、カメラ助手として入ってくる主人公がいて、父娘とのシンクロナイズが織り込まれ、

さらに、再開発計画で、家と土地を売るかどうかの、現実的な問題も絡んでくる。でもしか…。

時に、ヒッチコック・サスペンス的な、展開も見せつつも、あくまで、幻影の恋愛へと向かう流れこそが、黒沢清節なのでしょう。

8
とゆうことで、黒沢清が、フランスの役者を使って、思いっきり自らの作家性を、自由奔放に打ち出した作品です。

日本の監督が、海外作品でここまで、自らのアート作品性とゆうか、映画作家性を表現したのは、初めてではないでしょうか。

その意味でも、本作は、エポックメイクな、画期的な作品になったと思います。

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