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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年10月24日 (月)

「人間の値打ち」⇒トリッキーなミステリー映画

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久々のイタリア映画エンターテインメント

ミステリー群像劇の快作だ

http://www.neuchi-movie.com

10月29日のサタデーから、シンカの配給により、テアトル梅田、T・ジョイ京都などで、全国順次のロードショー。

本作は、2013年製作のイタリア映画109分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
ⓒ2013 Indiana Production Company Srl / Manny Films

イタリア映画の群像劇というのは、イタリアン・ネオリアリズム(ネオ・レアリスモ)の頃から、ずーっと続いております。

ロベルト・ロッセリーニ監督による戦争映画「無防備都市」(1945年製作)や、「戦火のかなた」(1946年)などは、今に残る名作です。

ところが、最近はイタリア映画が、特別上映のイタリア映画祭などを除いて、

日本ではあまり単館系でも、上映されない実情があります。

4
なぜかと言えば、いわば営業面的に、採算が取れないゆえにがあります。

でもしか、本作のように、メッチャオモロイ群像劇、

しかもミステリー・タッチで、トリッキーな作品となれば、話は違うとは思うのですが…。

この種のタイプでは、最近では、「イレブン・ミニッツ」(弊ブログ分析済み)があり、

また、ハリウッド映画では、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」(1994年・アメリカ)などと、シンクロナイズするでしょうか。

2
1話完結のオムニバスではなく、3人の視点による、4章に分かれたお話です。

ひき逃げ事件で人が死に、一体誰がひき逃げしたのかが、同じ時間軸のシーンを、視点違いでリフレインさせ、

交錯させた上で、最後には、アッと言わせる決着があります。

構成の妙といい、各演技者の、観客をかく乱するような演技ぶりといい、

ミステリー的騙しのテクニックの巧妙さに、うなるしかない仕上げになっています。

6
そして、各演技者が逼迫していく、プロセスの巧みのワザにこそ、本作の見どころがあると思いました。

特に、ヴァレニア・ブルーニ・テデスキが、最もミステリアスにして、

高揚と抑制のバランスも素晴らしい、演技を披露しています。

3
ヌードも披露する、マティルデ・ジョリも、騙しに貢献する重要な役柄。

ストーリーについては、上記公式ホームページを、参照にしていただきたい。

描かれる事件は、大した事件ではないんだけど、それを多視点で複雑化していく手法というのは、

例えば、宮部みゆき原作・大林信彦監督の「理由」(2004年・日本)にもつながるものです。

5
ある意味、イタリア映画では珍しい、トリッキーな作品かもしれません。

イタリア映画を見たことのない人にこそ、衝撃を与える作品ではないかな。

ということで、劇場へ足を運んで、ご確認ください。

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