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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年10月21日 (金)

韓国映画の今3⇒「奇跡のピアノ」

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泣かせるために作られたような、泣けるドキュメンタリーだ

盲人の少女ピアニストの、涙なしには語れない物語が展開する

http://www.cinemart.co.jp

10月22日の土曜日から、ツインの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋などで、全国順グリのロードショー。

本作は2015年製作の韓国映画80分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2015 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

韓国映画でもドキュメンタリー映画が、もちろん作られています。

ボクは数本しか見ていないのですが、その全てが、感動の映画か、泣ける映画でした。

お涙ちょうだい映画なんて言ったら、語弊があるかもしれませんが、

韓国映画には泣ける映画が、パブリック(一般的)・イメージとして、多いように思われがちですが、

そういうタイプのドラマ映画を見ても、ボクはさほど涙腺は潤みませんでした。

ころがどっこい、本作のドキュメンタリーには、素直に泣けました。

チョチョギレに近かった。これまでにボクが見た、韓国映画ではなかった体験でした。

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なぜなんだろう。

そこんところを追求したいとこもあるけども、実はツッコミたくない気持ちもあり、

見てみたら単純な話じゃないかと、言われればそれまでだし…ではある。

泣けるドキュの、マイ・ベストなんかも、披露したいとこだけども、

実はドキュというのは、そもそもシリアス系が多く、

ヒューマン・ドキュでも、ドラマ映画のように、ドラマティックに描き込むことは少なく、

泣けるとこは実は、あんまりないように思うんです。

そして、この事実をそのまま綴るという、ドキュの運命があるにしても、そのままがそのまま、泣かせる流れになり、

ああ、かわいそうだの、ココロの呟きになり、そして泣いてしまう。

全くお涙ちょうだい映画の、セオリー通りじゃないか。

しかし、小細工が一切ない。意図的でもない。全くもって、そのままなんだ。

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生まれつき眼球のない少女(イェウン)。

目がそもそもないから、手術もできない。

そんな女の子を引き取った、養父と養母。

養母は障害者施設を運営し、養父は車椅子生活。

そんな中で、盲目の少女は3歳からピアノを弾き、5歳でショパンの難曲を弾きこなすのです。

このミラクルから、彼女の夢が動き出す。

けども、目が見えないだけに、才能を向上させるには紆余曲折があり、

それが、ドキュとしてのドラマツルギーを作っていきます。

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耳が聞こえなかったベートーベン、目が見えなかったレイ・チャールズやスティーヴィー・ワンダーら。

障害者の音楽家のドラマ映画は、いくつか作られてきましたが、

生活や暮らしぶりに寄り添った描き方は、本作ほどにはありませんでした。

かわいそうな盲目の人の、ドラマもありましたが、本作ほどには泣けなかった。

圧巻だったのは、先生と二人でプレイした「白雪姫と七人の小人たち」のスリリング&サスペンス。

彼女のオリジナル・ナンバーも、サントラとしても流されて、胸にきます。

パク・ユチョンのあったかーいナレーションぶりも、静かに感動を呼びました。

映画で泣きたい人こそ、見に行きたい作品です。

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