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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2016年7月の記事

2016年7月30日 (土)

7月の年間マイ・ベストテン候補映画

日本映画4本を選択しました

●「君の名は。」(声優:神木隆之介・上白石萌音・長澤まさみ/監督:新海誠/8月26日公開)

http://kiminona.com/

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(c)2016「君の名は。」製作委員会

●「怒り」(渡辺謙・宮崎あおい・妻夫木聡・広瀬すず・森山未來・松山ケンイチ・綾野剛ら出演/監督:李相日/9月17日公開)

http://www.ikari-movie.com

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●「だれかの木琴」(常盤貴子・池松壮亮主演/東陽一監督/9月10日公開)

http://www.darekanomokkin.com

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●「いしぶみ」(綾瀬はるか出演/是枝裕和監督/東京公開中・大阪8月6日公開)

http://www.ishibumi.jp

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★全ては後日分析いたします。

外国映画もそれなりに、いいのがありましたが、

ベストテン級とゆうよりは、ベスト20級のカンジで、チョイはずしてしまいましたけども、

7月は日本映画の傑作を、ケッコー見ることと相なりました。

特に、「君の名は。」は、ベストワン級の仕上げだと見ました。

ジャパニメーションでも、ラブ・ストーリーの傑作は、そうそうないと思うけど、本作はそれが、チョー劇的に作られた画期的な1作。

松竹のかつての名作を、思い出させるタイトル付けも、監督の自信のほどを感じました。

「怒り」もベストワン級の候補でしょうか。

オールスター・キャストをもくろんだらしいけど、それに合わせて、各人の演技が、各人のキャリア最高に近い、あるいは最高の演技を示しています。

その演技と共に、逃亡犯は誰かとゆうミステリーに、ハラドキになれる作品。

「だれかの木琴」もミステリー・スパイスが、振り掛けられております。

共にクールな常盤貴子と池松壮亮の、距離を置いたやり取りの妙に、シブミがありました。

そして、是枝裕和監督が、キャリア初期の、ドキュメンタリー映画に回帰した「いしぶみ」。

今年のドラマ映画の新作「海よりもまだ深く」(弊ブログ分析済み)以上に泣けるし、仕上げも上だと、ボク的にはジャッジしたい作品になっています。

とゆうことで、後日の分析をお楽しみください。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年7月29日 (金)

「秘密 THE TOP SECRET」⇒週末日本映画劇場

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コミック原作SF的設定の、トンデモなミステリー映画

生田斗真・岡田将生らが、恐るべき真犯人に挑む

http://www.HIMITSU-MOVIE.JP

8月6日の土曜日から、松竹の配給で、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

被害者の脳から、過去の記憶を映像化して、真犯人を突き止めるとゆう、トンデモナイ捜査法によるミステリーだす。

ちゅうことで、人の頭の中に入って、トンデモ・ドラマを展開する映画、あるいは人の記憶にまつわる映画の、タイトル数はそないないけども、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、手前勝手に披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①トータル・リコール(1990年製作・アメリカ映画)②エターナル・サンシャイン(2004年・アメリカ)③本作

●カルト⇒①脳内ニューヨーク(2011年・アメリカ)②ザ・セル(2000年・アメリカ)③ペイチェック/消された記憶(2003年・アメリカ)

●岡田将生の頭に、電子線がメッチャ配線されとる、カルト③思い出す、写真3枚目のシーンなどが、本作に応用されとります。

見るのは「ペイチェック」とは違い、自らの記憶ではなく、被害者やら死んだ人の記憶だす。

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そうゆう脳内革命や記憶操作を、いかに映画に応用するのか。

主人公の記憶喪失を生かした、壮大なSFアクションのベスト①。

ラブ・ストーリーに応用したベスト②。

カルト①②は、他人の脳内に入って、その人物の謎を、突き止めようとゆうスタイル。

そして、本作は、犯人の脳内に入る、カルト②もあるけども、

殺人事件の謎を、脳内操作で追うとゆう、かつてない刑事ミステリー映画となりました。

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小説原作のミステリー映画が、これまでは主流でおましたが、本作はコミック原作どす。

今年は、「僕だけがいない街」(2016年・弊ブログ分析済み)など、コミック原作のミステリーが、出ておりますし、

リアリティー重視の小説とは違い、タイムスリップや、現実的にはないSF的設定によって、

斬新なミステリーを、クリエイトしてはるんだす。

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しかも、ミステリー的にも、新しいタイプのサイコパスを創出しました。

しかも、それを演じるは、新人女優の、織田梨沙ちゃん。

かわいいけど、アイドルなんて、とても呼べへん、エキセントリックな演技ぶりどす。

主演の刑事役・生田斗真や岡田将生を、とことん苦しめ上げる、

その不快感演技ぶりは、背筋も凍りつくようなモンがありました。

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でもしか、生田斗真の冷静沈着ぶり、岡田将生の誠実さ、監察医役・栗山千明の好感、激熱刑事役の大森南朋らが、

カッコイイ刑事ドラマの、在り方を維持しはります。

とはいえ悪役の、クールイズムな吉川晃司や、織田梨沙らの、嫌悪度はかなり高く、

正義対悪とゆう構図でドラマは展開し、メッチャドラマ映えする仕上がりになっとります。

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死んだ犬の記憶を映す映像や、生田斗真と死んだ同僚役・松坂桃李との、「未来は美しい」とゆう会話など、

猟奇的なおぞましい事件の中でも、感動的なエピソードが挿入されておます。

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さてはて、ボカシも加えた記憶再生映像の、ドラマティックな使い方にも魅せられました。

現在と過去をカットバックさせる、オーソドックスな見せ方とは、ビミョーに違うスリリングがありました。

本作を監督した、「るろうに剣心」(2014年・ブログ分析済み)の大友啓史監督は、もともと刑事ドラマ作りの得意な方どす。

しかも、かなりひねったものが多いやろ。本作は、そんな彼の刑事ドラマ映画の、最高傑作になったと思います。

2016年7月28日 (木)

「ロング・トレイル!」⇒ロバート・レッドフォード主演

1
老人・相棒版ロードムービーの、ユニークな快作

レッドフォードのシブミが、ココロにクル!

http://www.long-trail.com

8月13日のサタデーから、ツインの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、全国順グリのロードショー。

本作は、2015年製作の、アメリカ映画104分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2015 BIG WALK PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

男2人をメインにした、ロードムービーちゅうたら、これまでにモノゴッツーありました。

さて、1960年代後半から、1970年代初めにかけて、作られたアメリカン・ニューシネマは、

そんなロードムービーをば、確立させたと、ボクは勝手に思うとります。

珍道中ものなコメディなんぞが、主流やったロードムービーの流れを、

映画史的に見れば、画期的に変えたムーブメントだす。

ちゅうことで、そんなアメリカン・ニューシネマな、男たちロードムービーと、

本作がもし当時に、発表されていたなら、を想定したならばの場合において、

男2人ロードムービーの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、自由気ままに、披露してみますと…。

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●ベスト⇒①明日に向って撃て!(1969年製作・以下の引用は指定以外は、全てアメリカ映画)②イージーライダー(1969年)③スケアクロウ(1973年)

●カルト⇒①本作②バニシング・ポイント(1971年)③さらば冬のかもめ(1973年)

●モチ、アメリカン・ニューシネマ発表当時は、ロードムービーにしても、若者たちが主流でおました。せいぜい中年くらいまで。

でもしか、本作は、当時にはなかった、老人・シニア世代の2人のロードムービーちゅうことで、異彩を放ってはります。

モチ、当時に発表されとれば、トンデモな傑作になっていたはずでおましょう。

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ベスト①で、メッチャカッコよかった、ロバート・レッドフォードが、

「泳げねえんだ」なんかの、弱音を吐くことなく、果敢にロードに、命懸けでチャレンジした本作。

もうそれだけでも、ボク的には、傑作にせなあかんな、とゆう作りやったです。

若き頃のベスト①が、21世紀の今に蘇えったような、既視感もありました。

相棒は、死んでしもたポール・ニューマンやなく、

クセのある名脇役の、映画史上ベストテンに入るに違いない、ニック・ノルティとゆうのんも、メッチャよかったどす。

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後期高齢者のレッドフォードが、3,500キロメートルにわたる自然道「アパラチアン・トレイル」を、

突然のように、踏破しようと思いつかはります。

けども、ヨメ(エマ・トンプソン)は反対。でもしか、2人でならと許可しはります。

ほんで、昔いがみ合った悪友の、ニック・ノルティと共に、踏破を目指す、ちゅうことになりました。

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ほんでもって、道中でイロイロあるエピソードが、ロードムービーとしての面白さを示し、

その後は一体、どないなるんかとゆう、ハラハラドキドキを作ってまいります。

崖下の狭い平地に、2人が落ちてしもた時、さてはて、どないなるんやろか。サプライズもある作品どす。

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さて、監督した名作もあり、主演作品でも、傑作揃いのレッドフォードはん。

そんな彼の、ベスト作品では示せない、ユニークなとこを示したカルト作品の、マイ・スリーを言いますと…。

①本作②候補者ビル・マッケイ(1972年)③幸福の条件(1993年)。

異様な不倫もの③、主張なき政治家・候補者役②、

そして、本作の、自らの俳優キャリアを、総括するような熱血演技。

ファンにしてみれば、ココロ震わす作品でもありました。

2016年7月27日 (水)

「ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆」⇒韓国映画最新版

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山岳映画の新たな地平を、築いた映画どす

遭難救助映画の、さらにその向こうを描いた映画

http://www.himalayas-movie.jp

7月30日の土曜日から、CJ Entertainment Japanの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、韓国映画124分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1(C)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

本作は、韓国映画らしい、ベタな泣ける系を維持しながらも、

山岳映画の新たな視点を加えた、感動大作となりました。

さてはて、ここで、山岳映画の、

手前勝手なマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①八甲田山(1977年製作・日本映画)②エヴェレスト(2016年・日本・弊ブログ分析済み)③本作

●カルト⇒①エベレスト征服(1953年・イギリス)②山(1955年・アメリカ)③剱岳 点の記(2009年・日本)

●山岳登頂ドキュメンタリーの、嚆矢(こうし=ルーツ)カルト①。

山岳ドラマに人間ドラマを、付加したカルト②。

本作を除いたそれ以外は、日本映画の大作となりました。

軍事訓練の遭難系ベスト①、

山岳登山のノウハウを、描いたカルト③、

エヴェレスト山岳ものの、鬼気迫る1作ベスト②。

そして、本作。

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登頂までの艱難辛苦を描く、山岳登頂ものや、遭難系などが、山岳ものとしては映えるけど、

本作はそんな遭難系の、さらにその向こうを捉えた、感動の1作になっとります。

この種の山岳ものに多い、実話系のドラマ映画やけど、

遭難して死んでもうた仲間たちの死体を、捜索しにゆくとゆう、スタイルの映画でおます。

遭難者を助けにゆくとゆう映画が、主流な中で、

遭難者の死体を探すとゆう視点は、これまでにはないものでおましょう。

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エヴェレスト登頂を目指して、韓国パーティーが訓練を繰り返し、ほんで、いざチャレンジ。

でもしか、遭難に遭って難しい。

しかも、助けに行った者も、ミイラ取りがミイラで、遭難し行方を絶ってまう。

各国パーティーに協力を求めても、余りの厳しい天候に無理。

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そうして、死体は見つからず、生き残った者たちが、祖国に帰ってくる。

でもしか、見つからない仲間の死体を探しに、パーティーが再び結集。

命懸けのエヴェレスト登山を、やるっちゅうドラマでおます。

いやはや、泣けました。

死体を探し得たあとにクル、ベタベタな泣き。

韓国映画の真骨頂でおます。

7
さてはて、主演の隊長役、ファン・ジョンミンの熱血演技が、ものすごかったどす。

ちゅうことで、ここで、ファン・ジョンミンの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・全て韓国映画)をば、披露いたします。

●ベスト⇒①本作②国際市場で逢いましょう(2014年・ブログ分析済み)③ユア・マイ・サンシャイン(2005年)

●カルト⇒①傷だらけのふたり(2014年・ブログ分析済み)②新しき世界(2013年・ブログ分析済み)③甘い人生(2005年)

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●カルトはワイルドな演技性を、ベストは硬軟両様を緻密に、演技分けする作品を選びました。

恋愛映画にふさわしい、甘やかなソフィースケイトされた、演技で魅せるベスト③。

家族ドラマの大河系を、さまざまな顔を見せながら、演じ抜いたベスト②。

でもって、本作は、ストレートな熱血ぶりを、遺憾なく発揮した、彼の最高傑作とも言える作品だす。

熱血、そして、そこから生まれくる感動。

本作は、そんな映画の、お手本的作品でおましたえ~。

2016年7月26日 (火)

「下衆の愛 LOWLIFE LOVE」⇒日本映画劇場

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日本のインディーズ映画業界のお話だす

ありきたりの映画愛を超えた、トンデモな映画愛どす

http://www.gesunoai.com

7月30日の土曜日から、第七藝術劇場、京都みなみ会館、元町映画館やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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(C)Third Window Films

映画業界を描く映画、映画メイキング映画とくれば、これまでに多数の映画が作られてまいりました。

それらはハリウッド映画業界が、ポイントになっとるのんが、大がいでおましたが、

ハリウッド業界をハズした映画では、「映画に愛をこめて アメリカの夜」(1973年製作・フランス&イタリア合作)や

「フェリーニの8 1/2」(1963年・イタリア)などの、ヨーロッパの名作があるものの、

ならば例えば、製作資金難などを描く、インディーズ系の映画製作業界映画となれば、どないやろか。

4
映画製作そのものの実情を、描く映画となれば、

むしろボク的には、そんなんを描くよりは、もっと映画そのもののドラマ性・芸術性を、追求してほしいとは思うし、

一般の方々も、おそらくおんなじキモチでおましょう。

でもしか、そうとはいえ、本作は、インディーズ映画の、しがらみや嫌味や、お下劣さなんぞを描き抜いて、キモさ丸出しちゅうカンジなんやけど、

いやはや、これがケッコーハマる、仕上がりになっとりまんねん。

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日本映画で振り返りますれば、どないやろか。

ほな、ここで、手前勝手・思いつくままに、映画業界邦画・映画メイキング邦画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をばゆうてみますと…。

●ベスト⇒①キネマの天地(1986年)②蒲田行進曲(1982年)③三文役者(2000年)

●カルト⇒①本作②地獄でなぜ悪い(2013年・弊ブログ分析済み)③暗くなるまで待てない!(1975年)

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●日本でも、大手の映画会社のメイキングもの、ベスト①②が、確かに評価が高いし、

また、実在した映画人間(名脇役・殿山泰司)の話・ベスト③などもあります。

一方で、八ミリ小僧たちの、メイキングものカルト②③なんぞもありまして、

製作資金難に見舞われる、弱小映画製作会社の実情を、描く映画とゆうのは、

自らの汚点や嫌なとこを、さらすとゆう意味などで、タブーとされとるのか、さほどありまへん。

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でもしか、本作は、誇張もあるんやろけど、かなりと汚れや醜さみたいなもんを、さらけ出すように描いてはります。

映画監督が売れない女優とやってもうたり、自ら売り出すために、有名監督と寝るマクラ営業とかはザラ。

ヒロイン役の岡野真也が、特にそんなイヤな役を、涼しくクールに演じてはります。

また、「無駄なセックスはしない主義なの」と言う、内田慈(ちか)の、曲者チックな妖艶なヤラシサさなど、ウーンとうならせます。

3
主人公の監督役・渋川清彦の、こだわりある演技性。

「俺たちは、映画とゆうクソみたいな女に、ハマッたようなもん」と話す、有名監督役の古舘寛治やら、

「今どこも金出さねえからよ、映画は闘争だよ」と話す、プロデューサー役「でんでん」など、

映画に取りつかれた人たちの、セリフや挙動が、時おりグッとくる、仕上げにもなっとりますで。

ゾンビものを監督しようとしてる、木下ほうかの、コメディ・リリーフ的起用もオモロイわ。

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そんな中でも、これまでにない冷静な脚本家役をやった、忍成修吾の好感度が、

ボク的には一番よかったやろか。

衝撃のラストシーンのあとに流れる、男のブルース・ロックの、カッコヨサもよかった。

単に、映画愛を描くんやありまへん。

泥にまみれた映画愛。それでも俺たちは…とゆうところが、素晴らしい作品です。

2016年7月25日 (月)

「好きにならずにいられない」⇒アイスランド映画どす

1
男の献身的な、イチズな愛を描く快作どす

「仕立て屋の恋」とは違って、想いは届くんやろか!?

http://www.magichour.co.jp/fusi

7月23日の土曜日から、マジックアワーの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、8月6日から神戸・元町映画館やらで、全国順グリのロードショー。

本作は、2014年製作の、アイスランド・デンマーク合作による、本編94分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
アイスランドを舞台にした、オカンと2人で住む、43歳独身男のお話どす。

中年独身男のお話は、これまでに多数ありました。

けども、本作のイメージは、カッコイイとかヒーローとかとはほど遠い、太っちょで不器用、ナイーブな男の話だす。

いわゆる、アイスランドのイメージとかではなく、どこにでも転がっとる、ありふれた話。地味な話のように見えます。

3
たまに職場の者からいじめられるけど、空港の荷物係をやり、

エジプトの戦争のミニチュアに凝り、外に出てはラジコンカーで遊び、近くに越してきた女の子の相手をしたりと、

特に大したこともない毎日。

おいおい、おっさんのフツーの生活を、淡々と描くんかいなと思たら、

オカンの勧めで行ったダンススクールで、出会いがありまんねん。

8
描かれる基本ラインは、実はラブ・ストーリーなんどす。

不器用な男がワケありの女と出会い、デートを重ねて恋に落ちる。

ゆうならば、そんなラブもありふれてる、ちゅうたらありふれとるんやけど、

えてして女側からの視点で、恋の行方を追ったり、ラブそのものに焦点を当てた、映画が多い中で(特にハリウッド映画)、

本作は男視点で、最後までゆかはります。

4
男の献身的な、イチズな愛とでも呼ぶべきもんが、描かれとるんだす。

彼女の謎めきのポイントが、定番的ではあるんやけど、

主人公の黙々とした献身ぶりが、じわじわと胸にクルような、そんな映画になっとります。

6
男のイチズな愛を描く映画は、ケッコーあるけど、

映画そのものは、激愛調ではなく、静かなタッチで描かれるんで、

テイスト的には、「仕立て屋の恋」(1989年製作・フランス映画)のような、滋味深いもんがあるラブになっとりました。

でもしか、本作は「仕立て屋の恋」とは、大きく違う結末になっとります。

5
ニルヴァーナのカート・コバーンの死を、嘆く主人公なだけに、ヘビメタ・グランジなどのハードロック好き。

でもしか、彼女のソフトな音楽に合わせてゆき、

また、彼女の代役で、本職の有給休暇を利用して、彼女の仕事に行ったりと、意外なとこにまで発展。

そして、彼女との絡みは、後半に向かうにつれ、深刻度合いをば増してゆきよります。

9
静かな展開から、やがてドラマティックへとゆう展開は、モチ、ドラマ映えするもんどすが、本作の場合は、少し違っとるように見えました。

トーンは、あくまで最後まで静かなんどす。

けども、登場人物の心理を想像させる、間合いの入れ方や、淡々とした行動ぶりを映したりして、

フツーのラブ・ストーリーとは、一線を画した作りなんでおます。

男側から描いた、ラブ・ストーリーの渋い快作。デートムービーとしても、おすすめしたい作品どした。

2016年7月22日 (金)

「ミモザの島に消えた母」⇒フランス・ミステリー映画

1
オカンの死の謎を探る、ミステリー映画

最後に明かされる、兄妹が探った、驚きの真相とは?

http://www.mimosa-movie.com

7月23日の土曜日から、ファントム・フィルムの配給によりまして、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作のフランス映画101分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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(C)2015 LES FILMS DU KIOSQUE FRANCE 2 CINEMA TFI DROTTS AUDIOVISUELS UGC IMAGES

フランス映画のミステリー・サスペンスといえば、

往年のフィルム・ノワールの時代から、綿々と作られ続けてまいりました。

そんなフランス・ミステリーの、歴代マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、手前勝手に披露いたしますと…。

●ベスト⇒①死刑台のエレベーター(1957年製作)

②太陽がいっぱい(1960年)

③暗黒街のふたり(1973年)

●カルト⇒①本作

②8人の女たち(2002年)

③ニキータ(1990年)

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●フランスがルーツとなる、「フィルム・ノワール」な犯罪映画からは、

アラン・ドロン&ジャン・ギャバンの、シリーズものの最後となった、ベスト③を選択。

ルイ・マル監督によるベスト①や、ルネ・クレマン監督のベスト②は、映画史的にもエポック・メイキングな名作。

カルトは、1990年代から今までのところから、チョイスしました。

ヒロイン・アクション・サスペンスの、フレンチの先駆けとなった③、かつてないミュージカル・ミステリーな②。

8
ほんでもって、本作は、調査探索捜査系のミステリーどす。

刑事が探るのんは多いけど、本作みたいに捜査のプロやない、素人な兄妹が探ってゆくパターンは、

オカンにまつわる、個人的な問題とはいえ、

日本では2時間ドラマとかで、フツーのように披露されとるけど、フランス映画的には珍しい設定やないやろか。

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兄妹が幼い頃に、オカンが謎の死を遂げます。

それから30年の時が経ち、大の大人になった2人が、オカンの死の謎を追って、

オカンが海で溺死した、フランスの避暑地、「ミモザの島」と呼ばれる、ノアールムーティエ島へ行くんだす。

但し、映画の冒頭にも描かれるんやけど、2人が車で現地へ行く時に、交通事故に遭います。

このあたりが、調査の不穏さを、示してはりますねん。

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コドモ時代の回想シーンを織り交ぜつつ、当時のいろんな人たちに、イロイロ話を聞いてゆくんだす。

当時、オカンの遺体を調べた遺体安置所の、現在の勤務女と、兄貴は恋愛関係になったり、

1984年当時のオバンの葬式の件とか、オカンに不倫相手がいたんやないかとか、

イロンな疑惑が次々に発覚してまいります。

5
刑事ミステリーのフランス映画「クリムゾン・リバー」(2000年)にも出はった、兄役ローラン・ラフィットのアニキ。

セラピーに通いつつも、オカンの謎を探ってゆく執念ぶりは、ドラマ映えしとったし、

ヒロイン役妹役の、メラニー・ロランのネーさんは、ミステリー的に複雑な演技性な修羅場を、

何度もくぐってはりますんで、そんなのお手のものなカンジで、演技してはります。

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メロディックなピアノ、バイオリンの速弾きなど、シーンに合わせたサントラ使いに加え、

ピアノ・スロー・ナンバーやバラードなど、歌もの使いも、妙を得ておました。

ネタ的には、家族ミステリー的なとこもあり、

オカンの秘密が明かされる、サプライズやどんでん返しに、オオッとくる作品だす。

みんなで劇場へ見に行って、みんなで驚いてみましょうや。

2016年7月21日 (木)

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」

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映画人の実話映画の、今年の最高傑作

赤狩り問題を描いた映画の、傑作にもなった

http://www.trumbo-movie.jp

7月22日の金曜日から、東北新社の配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国順次のロードショー。

本作は2015年製作の、アメリカ映画124分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2015 Trumbo Productions, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ハリウッド映画業界の、赤狩り旋風に遭って、ムショにも入れられてしもた名脚本家、

ダルトン・トランボの人生を描いた、人間ドラマ映画の傑作どす。

とゆうことで、ここで、男優・女優を除いた、映画人の実話映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①グッドモーニング・バビロン!(1987年製作・イタリア&フランス&アメリカ合作)

②真実の瞬間<とき>(1991年・アメリカ)

③ある映画監督の生涯 溝口健二の記録(1975年・日本)

●カルト⇒①本作

②カポーティ(2005年・アメリカ)

③アビエイター(2004年・アメリカ)

7
●撮影所セットの建築を、手がけた兄弟建築家のベスト①、映画監督のベスト③、プロデューサーのカルト③、作家・脚本家のカルト②や本作。

役者やなく、スタッフたちの実話映画は、かなりとありますが、

中でもドラマティック、かつ明暗・陰影に富んだ映画人生、とゆう意味においては、ボク的には本作が一番でおました。

赤狩り問題を描いた作品では、これまでの最高傑作やと、思とったベスト②にも迫るちゅうか、

その事後の描き込みでは、本作の方が、メッチャスゴイと思います。

3_2
オードリー・ヘプバーンの代名詞的作品「ローマの休日」(1953年・アメリカ)の脚本家やけど、

赤狩りでムショ入りしたために、長い間、別人のオリジナルと思われとったんでおます。

出獄後も、ハリウッド映画業界から、別名義での執筆を条件に、次々に依頼が舞い込んでまいります。

ほんで、家族の協力のもと、内密の執筆生活が、続くとゆう展開どす。

9_2
映画業界の裏話の面白さも、モチありますが、

むしろ家族映画的な作りの、新しいカタチに目がいったりしました。

6_2
実在の人物を演じるのんが、アカデミー賞の演技賞を始め、21世紀になって以降も、トレンドで評価の高い演技になっとりますが、

トランボを演じたブライアン・クランストンは、なり切り型のイメージよりも、

自らのいつもの姿の自然体で、演じているように見えました。

妻役ダイアン・レインや、娘役エル・ファニング、ゴシップ・コラムニスト役のヘレン・ミレンらも、自分のスタイルで演じてはるようどした。

5_3
これまでは、大ヒットした「オースティン・パワーズ」(1997年・アメリカ)など、コメディ・タッチの映画を中心に、撮ってきはったジェイ・ローチ監督やけど、

本作で遂に、その映画作家性を、遺憾なく発揮しはったんやないやろか。

最後まで緊張感があり、ヒューマン・ドラマの、シリアスな演出ぶりが持続いたします。

8_2
ラスト・シークエンスの、トランボの、ある賞の受賞コメントは、本編最長の長ゼリフだす。

そして、最も感動的なシーンになっとりますんで、お楽しみくだされませ。

2016年7月20日 (水)

「ふたりの桃源郷」⇒山口放送が初めて撮った映画どす

戦後史とリンクする、夫婦ドキュメンタリーの快作

究極の夫婦映画で示される、究極の愛のカタチ

1_3http://kry.co.jp/movie/tougenkyou/

東京・山口県では公開中。関西では、7月23日の土曜日から、大阪・第七藝術劇場やらで、順次のロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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夫妻映画ドキュメンタリーとゆうのは、さほど多くはありませんが、

ドラマ映画となると、実はメッチャ多うござります。

その意味では、ドキュ的には稀少な映画になるんやけど、これがドラマ映画以上に、ディープにして濃く、

しかも家族映画としての体裁も入った上に、

戦後の日本の家族史を、俯瞰するようなドキュになっとったんで、ビックラこきました。

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1組のフツーの夫婦を、日本の戦後史の流れと共に、展開しはります。

太平洋戦争から帰ってきた夫やけど、故郷・大阪が焼け野原になっとりました。

その後、山口・岩国の山を買って、夫妻で移り住み、自給自足的生活を始めはります。

ほんで、1960年代の高度成長時代の一時期に、大阪に戻りタクシー・ドライバーになって、3人の娘を育て上げはりまんねん。

でもしか、娘たちが嫁いだり独立した、夫65歳の時に、夫妻共々、ヤマに戻らはります。1979年のことだす。

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それからの25年間にわたる、夫婦2人の自給自足のヤマ生活が、ベタに描かれてまいります。

究極の意味での、夫婦の愛のカタチが、ここで描かれておます。

詳細に描かれる生活ぶりの中にも、夫婦の愛が垣間見えますし、

さらに、街に住む娘たち家族たちとのキズナぶりも、定番的かもしれへんけど、キチンととらえられておました。

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夫の死がまずくる、2人の死が、ドキュなのに、かなりとドラマティックに、さりげなく感動的に描かれとるんが、良かったどす。

ともすると、ドラマであれドキュであれ、ベタベタな作りをしたり、泣ける系を強調したりしがちどすが、

本作には、それがないにも関わらず、泣ける仕上がりになっとります。

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さてはて、2人の生活ぶりは、あたりきなサバイバル映画以上に、リアリティーがあり、ビビッドに胸にきました。

どないして生き延びたのか、そのあたりが、説得力ある日々の描写によって、紡がれてまいります。

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いやはや、スゴイとしか言い様がありまへん。

夫が死んでからも、娘家族に連れられてヤマに来た、アルツハイマーがチョイ入った妻・オバンが、夫の名を連呼するシーン(写真上から8枚目)や、

“うさぎ追いし~”な「ふるさと」や、“菜の花畑”を詠みこんだ「おぼろ月夜」などの、童謡を歌うシーンなど、

ドキュなのにドラマチックを、感じさせるシーンの多さにも、目がいきましたえ。

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さらにゆうと、空撮による冒頭や、ラストシーンのヤマ風景に加え、美しい日本の四季の、ヤマ風景の映し方に、ココロ癒やされました。

地方のテレビ局が製作する映画ドキュは、最近富みに出てきておますが、

本作は、山口放送が初めて作った映画どす。

その地方のイロを出しつつも、普遍性ある話へと持っていく作りは、本作でも健在。

普遍性ある夫婦の映画、そして家族の映画どした。

2016年7月19日 (火)

「ファインディング・ドリー」⇒大ヒット中の続編どす

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ディズニーの勢いを示す、傑作アニメ・エンターテインメント

「ファインディング・ニモ」以上にオモロイで~

http://Disney.jp/Dory

7月16日より全国ロードショー中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2016 DISNEY/PIXER

生き物擬人化アニメの、宝庫にして聖地のディズニー。

ピクサーとの共作で、そのノリがより活性化、オリジナル化してまいりました。

単なる魚なんて、もはや描きまへんで。

その擬人化ぶりは、より稠密なキャラになってきとります。

さてはて、大ヒット中、先頃テレビでオンエアされた「ファインディング・ニモ」(2003年製作・アメリカ映画)の続編だす。

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前作のマットーな主人公ニモに対し、脇役やった、健忘症のメス魚ドリーに、クローズアップした本作。

ヒロインのユニークなキャラが、面白いストーリーを作り出した一因でおましょうか。

オトンオカンと、はぐれてもうたドリー。すぐに記憶をなくすドリーやけど、両親との記憶は忘れてへんねん。

ほんで、ニモとニモのオトン・マーリンのサポートのもと、両親を探す旅に出るとゆう冒頭部。

ありきたりのようでいて、ありきたりやないこの導入部から、物語の中に引きこまれました。

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フツーの親探しの映画やないんだす。

ドリーの記憶は、シガニー・ウィーヴァー(実在の女優)がやってる、海洋生物研究所へとたどり着き、ほんで、その所内でも、波乱に満ちた展開が待っとります。

心配したニモ父子も駆けつけて、単なる親探しが、波乱万丈のドラマへと、繰り広げられてまいるのでおます。

ニモ編、ドリー編と分かれた、このストーリー的流れも、サスペンス度を増しておます。

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さらに、ドリーをサポートする、タコ・キャラのハンクなどがいて、よりドラマティックな作りになっとるんだす。

いやはや、面白い。タコのハンクも、荒っぽくて、いわくつきなとこがあって、妙に魅かれました。

また、今回は前作と違って、バイプレーヤーとなる、ドリー親子の好感度は、前作以上に高いもんになっとります。

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色使いの妙。水中の色使いも、ブルー系やない作りやし、再会シーンのダークな作りも巧妙どした。

でもしか、総じて明るい色使いで、見ばえよく進行してゆきます。

宮崎駿的明るさとシンクロしとるようで、そこらがドラマの前向き度合いを高めまっせ。

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そして、クライマックスや。

カー・アクション・シーン後の、海への墜落シーンのスロー・モーションで流れる、ルイ・アームストロングのスロー・ナンバー「ワンダフル・ワールド」のドラマティック。

さらに、最後に流れる、カヴァー曲「アンフォゲッタブル」の癒やしのスローなど、

ドラマに合わせたコクのある歌が、胸にグッときました。

サントラのオーケストラ・スコアも、充実しとります。

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「ファインディング・ニモ」に魅せられた方は、絶対に劇場へ見に行くべき作品でおましょう。

ボク的ジャッジでは、本作は前作以上に、起伏のある、ハラドキのドラマになっとりまして、

映画的総合力でも、上やと思いました。

「HIGH&LOW THE MOVIE」⇒日本映画劇場

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EXILEグループが作った、トンデモケンカ映画

殴り合いの乱闘が、思いっきり展開しまっせー

http://high-low.jp

7月16日から、松竹の配給で、全国公開中。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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(C)「HIGH&LOW」製作委員会

「EXILE」、「三代目 J Soul Brothers」やら「E-girls」やら、

「EXILE」グループ・ファミリーが総出演の、EXILE HIRO企画・プロデュースによる映画でおます。

音楽業界陣が、映画に打って出た作品は、これまでにそれなりにござります。

ミュージシャンが、自ら監督して製作したり、グループ総ぐるみでやってみたり…。

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でもしか、単純な音楽映画にはしませんどした。

EXILEのイメージは、ダンスやからちゅうて、ここでミュージカルなんか撮ったら、どないなことになっとったやろか。

いや、それなりにオモロイもんにはなったやろけど、インパクトは、それほどではなかったやろかと思います。

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やったのは、「仁義なき戦い」(1973年製作)路線の抗争映画にして、銃撃戦なきケンカ映画でおます。

殴り合いのケンカ、そして、バイク暴走族たち。警察の介入なし。

やりたい放題の無法地帯が現出し、最後にはグループの数名が、対決するとゆう構図になっとります。

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さてはて、EXILEグループのファンやなく、先入観なしに見た場合、この映画はどないな風に映るんやろか。

「けんかえれじい」(1966年)の熱血や、「狂い咲きサンダーロード」(1980年)の破滅、「バトル・ロワイアル」(2000年)の荒唐無稽などと比較すると、

何やら方向性なき、ただのグループ同士の、ケンカのように見えます。

また、学生時代のケンカのような、破天荒ぶりはあるかもしれまへんけども、

このノリに乗れるかどうかが、本作のポイント・評価の分かれどころでおましょうか。

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映画出演はお手のもののAKIRA、青柳翔、先頃テレビオンエアされた「ホットロード」(2014年・弊ブログ分析済み)に出てた登坂広臣など、

俳優慣れしてはる人たちを軸に、グループ以外では、演技派・井浦新をポイント・ゲッターにして、

ヤクザのボス役の中村達也、チョイ役で、小泉今日子、YOUらを使って、それなりに映画としての体裁を、整えようとしはります。

井浦新以外は、元なり現なりのミュージシャンでおます。

むしろそれらは、本作に対し、マイナスに機能しとったかもしれまへん。

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さてはて、殴り合いのオンパレードこそが、この映画の華のようにボクは見ました。

EXILE的ダンスが、ケンカ・アクションに派生するとここそが、見どころなんやないやろか。

さらに、ミュージシャン・ダンサーとしてのパフォーマーが、冷酷非情なアクションやらを見せるとこに、驚きや意外性のある作品どす。

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各メンバーの個人的な、ファン向けには作られとりません。

そのあたりは、AKB48などのドキュメンタリーとは、大いに作りを異にしてはります。

いずれにしても、映画へのグループの熱意を示した作品どす。そのあたりの熱気にあおられて、見たい1作でおました。

2016年7月15日 (金)

「暗殺」⇒韓国アクション映画大作

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スナイパー役チョン・ジヒョン、隊長役イ・ジョンジェ、暗殺者役ハ・ジョンウ

アクション演技のアンサンブルに、ココロ震える快作

http://www.ansatsu.info

7月16日の土曜日から、ハークの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショー。

本作は、2015年製作の韓国映画139分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2015 SHOWBOX AND CAPER FILM ALL RIGHTS RESERVED.

日清戦争での日本の勝利以来、日本に支配されていた朝鮮国が、

第二次世界大戦の戦時下において、韓国独立軍などのスパイ活動と、日本への抵抗ぶりやらを、アクショナブルに示した作品。

日本側がいわゆる、悪としてとらえられ、中国を舞台に、

日本の支配者側の暗殺を狙う、正義の韓国側とゆうスタイルで、物語は進行します。

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韓国ドラマの日本でのブレイクは、誰もが知る恋愛ドラマ「冬のソナタ」どすが、

韓国映画となると、南北朝鮮の摩擦を描いた「シュリ」(1999年製作・韓国映画)が、ブレイク・ポイントどした。

つまり、社会派系の問題作が、韓国ドラマのラブ・ストーリーとは違って、韓国映画のキーになっておったんでおます。

でもって、「シュリ」以降、南北朝鮮問題ものを始めとして、社会派ドラマの問題作が、次々に出てまいりました。

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日本と韓国との関係性においては、本作はおそらく初めてとも言える、容赦なきシビアさで、描いた映画やと思います。

日本人を悪として描いた映画は、これまでにもあったかと思います。

けども、本作は「戦場のメリークリスマス」(1983年・イギリス&日本)ほどの、ヒューマニズムはなくとも、

韓国人同士での間においてのケジメやらで、ググッと震えるとこがありました。

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支配者側の日本の司令官と、そいつにヘイコラしとる韓国人を暗殺すべく、

イ・ジョンジェが、3人の暗殺者(チョン・ジヒョンら)を、囚われの身を解放して雇わはります。

一方、殺し屋ハ・ジョンウら2人が、暗殺団3人を殺すとゆう依頼を、とあるとこから受けます。

でもしか、やがてこの3人と2人が共闘して、共通の日本の敵に挑むとゆう、ストーリー的流れでおます。

ほんで、最終的には、彼らをハメようとした者・いわゆる裏切り者を、懲罰するとゆう展開どす。

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暗殺者3人のリーダーとなる、チョン・ジヒョンのネーさんが、ナンチューても、メッチャカッコよかったどすえ~。

妹との1人2役も、難なくこなし、

ほんで、銃撃戦アクションのインパクトの凄味。

緻密で正確な銃撃を見せるかと思えば、マシンガンをブッぱなし続けて応戦。

遂には、死んだ妹の代わりに、花嫁姿にまでなって、トンデモ銃撃戦へと突入。

いやはや、ボク的彼女の最高傑作「猟奇的な彼女」(2001年・韓国)で見せた、ディープ・インパクトは、

ラブ・ストーリーとアクションの違いはあるとはいえ、本作にも通じておました。

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韓国映画俳優の、今やバリバリの、ハ・ジョンウとイ・ジョンジェの演技派ぶりも、注目に値いたします。

とにかく、共に渋くてうまい。チョン・ジヒョンとの、演技的絡み具合を含め、絶妙な演技ぶりどした。

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3人の暗殺団の、一番下の結成の記念写真は、「アンタッチャブル」(1987年・アメリカ)の4人の、セピア写真とかぶって見えました。

間違いなく、泣けます。

ちゅうことで、ボク的個人的には、チョン・ジヒョンのネーさんの演技に、ドップリ魅せられてもうた作品でおました。

2016年7月14日 (木)

「パレス・ダウン」⇒実話ベースのサバイバル映画

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ハリウッド映画的フランス映画の、サスペンス・エンターテインメント

ヒロイン1人の、サバイバル映画の会心作

http://www.vap.co.jp/palace-down

7月16日から8月19日まで、バップの配給によりまして、新宿シネマカリテで、全国順次のロードショー。

本作は2015年製作のフランス映画91分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2015-EX NIHILO-ARTEMIS PRODUCTIONS-FRANCE 3 CINEMA

サバイバル映画は、「チャップリンの黄金狂時代」(1925年製作・アメリカ映画)以来、

ドラマティックに、映画映えするテーマの1つでおましょう。

群像サバイバルもオモロいけど、1人サバイバル(1人対決も含む)も、

ハラハラドッキリ、サスペンス感ある緊張感あるドラマになります。

そんな1人サバイバルの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①抵抗(1956年・フランス)②ダイ・ハード(1988年・アメリカ)③老人と海(1958年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ウィークエンド/デッドエンド・ホリデイ(1976年・カナダ)③エイリアン(1979年・アメリカ)

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●思いつくままやし、この種のサバイバル映画は、モノゴッツーなタイトル数があるんで、

みなさんだけの個人的な贔屓(ひいき)の映画が、必ずやあるかとは思います。

でもしか、ボク的なわがまま節やけど、ゆうてみますと、

ただベスト②は、トンデモ人口膾炙(かいしゃ)した作品だけに、そんなあたりきなんをと、思われそうやけど、

でも、1人抵抗ものとしては、この作品以外にはないとゆうてもエエ、大傑作どす。

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脱獄囚主人公の1人動作を、徹底的にとらえたベスト①、

老人の執念を描くベスト③など、

ベストは老いも若きもな、男のサバイバルを採りあげましたけども、カルトは女性編だす。

オードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」(1967年・アメリカ)も凄いけど、今回はカルト作品としては外しとります。

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傑作「ゼロ・グラビティ」(2013年・アメリカ・ブログ分析済み)も、最初は2人やったけど、

エイリアンと対決するカルト③は、団体サバイバルで、最後に女が1人残ったとゆうタイプなんで、1人サバイバルとは申せませんが、

1人ガンバ系が目立つんで、ボクは入れてまいました。

ほんで、強姦目当てに迫りくる男どもと、1人応戦・排除するカルト②。

そして、実話テロでインドのホテルに、閉じ込められたヒロインが、

脱出を果たすまでを、詳細にビビッドに描く本作でおます。

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ヒロイン・ステイシー・マーティンちゃんの、テロリストたちからのサバイバル逃亡劇だす。

1度もテロリストとは会わずに、脱出するとゆうそのお手並みは、見てもらってこその、お見事さでおます。

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爆発の火事やら、犯人たちが間近に来たりと、緊張・サスペンスは、てんこ盛りではあるけども、

総じて静かな展開で、物語は進行してまいります。

静かな演出ぶりが、ベスト①と同様に、緊張感をいや増す作りになっとるんだす。

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アドリブっぽいピアノ・ソロ、速弾きのバイオリン、ギターの弾き語りなど、

シーンに合わせてのサントラ使いも、渋くも見事なフックになっとりました。

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映画館で上映されとったとゆう、「二十四時間の情事」(1959年・日本&フランス)の引用なども、映画的シブミを増しております。

ボク的には、「暗くなるまで待って」に迫る、1人サバイバル映画の快作やったです。

2016年7月13日 (水)

「疑惑のチャンピオン」⇒スポーツ選手実話ドラマ2

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ツール・ド・フランス7連覇の、ランス・アームストロングの実話

ドーピング問題を描いた問題作どす

http://www.movie-champion.com

7月2日の土曜日から、全国順次のロードショー。

本作は2015年製作の、イギリス映画103分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2015 STUDIOCANAL S.A. ALL RIGHTS RESERVED.

スポーツ選手の、実話映画分析の第2弾どす。

さて、ここで、スポ根もしくは、選手人間ドラマ実話もの、あるいはドキュメンタリーの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに披露いたしますと…。

●ベスト⇒①炎のランナー(1981年製作・イギリス映画)②東京オリンピック(1965年・日本)③甦る熱球(1949年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②打撃王(1942年・アメリカ)③ALI アリ(2001年・アメリカ)

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●実話なだけに、スポーツ選手のストレートな、スポーツ・ドラマが多いんやけど、

オリンピック関連でゆうたら、アカデミー作品賞をゲットした、ランナー2人の人間ドラマのベスト①、

ほんで、五輪ドキュの最高傑作、市川崑監督によるベスト②などが、映画ファンの間では、傑作印になっとります。

また、野球映画の宝庫、アメリカからは、ピッチャーのベスト③、バッターのカルト②を採り上げ、

さらに、先頃逝去した、歴史に残るボクサー、モハメッド・アリを描いたカルト③も、エカッたかと思います。

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但し、本作のような、選手の「光と影」に焦点を当てたような映画は、

どちらかといえば、実話ものよりも、フィクションなドラマ映画に、映えやすいものでおます。

ところがどっこい、本作は実話ものとして、堂々と描き込んではります。

モチ、取材を繰り返した上での作り込みなんで、まるでドキュと見まがうほどの、リアリティーある詳細な作りになっとります。

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競輪選手のスポ根ドラマとゆうのは、フィクションなドラマ映画においても、稀少なものどす。

いわゆる、バクチとしての競輪選手を描いた映画もありますが、

フランスのサイクルロードレースの「ツール・ド・フランス」が、本作のメイン・ポイントとなるとこでおます。

スペインのロードレースを描いた、アニメ映画「アンダルシアの夏」(2003年・日本)などもありましたが、

本作は、その実態を捉えた、かつてない選手権作品になったんやないやろか。

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問題はドーピングだす。

誰にも分からない、そのトンデモナイ不正ぶりが、事細かに描かれとるんだす。

それは本作を見てもろたら分かるんやけど、ドーピングがバレないそのシステムには、いずれにしても、ビックラこきました。

ベン・フォスターが、そんな光と影を、緻密に演技してはります。

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監督は、イギリスのスティーヴン・フリアーズ。

みなはんは、よう知らんと思うけど、彼のマイ・ベスト・スリー(順位通り)を、勝手に言いますと…。

①ヒーロー/靴をなくした天使(1992年・アメリカ)②マイ・ビューティフル・ランドレット(1985年・イギリス)③本作

●ヘレン・ミレンを、オスカー主演女優賞に導いた「クィーン」(2006年・イギリス)なんかも傑作やけど、

ダスティン・ホフマン主演の①、ダニエル・デイ=ルイス主演の②など、

主演男優の演出ぶりに、コクとキレを魅せはる監督はんどす。

本作もまた、ベン・フォスターの演技が、渋く光る快作品でおました。

「ペレ 伝説の誕生」⇒スポーツ選手実話ドラマ1

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実在のスポーツ選手ドラマ映画の1本どす

スター選手ドラマ映画の、映画的作りとは何なのやろか?

http://pele.asmik-ace.co.jp/

7月8日から、アスミック・エースの配給により、全国上映中。

本作は、2016年製作のアメリカ映画107分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2015 Dico Films LLC

実在のスポーツ選手を描いた映画は、ドキュメンタリー、ドラマ映画に関わらず、これまでにモノゴッツーなタイトル数があります。

そんな中で、最も人気なのが、「サクセス・ストーリーな、ある種の定番的映画」①があり、

一方では、「選手の光と影に焦点を当てた、選手の人間の謎に迫るヒューマン映画」②もあります。

そんな①と②を、連続分析いたします。

どちらが映画的に映えるのかは、モチ、見る人によって違うけども、

本作は①に当たり、ペレのサクセス・ドラマを、ストレートに描く映画になっとります。

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アメリカ映画で多いのは、本作のサッカーよりも、野球映画の実話ものどすが、

ルー・ゲーリックを捉えた「打撃王」(1942年製作・アメリカ映画)など、実話娯楽映画の粋を、何作も描いてはります。

さらに、五輪オリンピックものに加え、いろんなジャンルの実話スポーツ・ドラマが、みなさんもイロイロ見てはるやろうけど、いっぱいありますねん。

でもしか、サッカーは意外と少なく、スポーツ人気よりは、映画作品としては、なぜかイマイチなカンジになっとります。

けども、本作のような実話サクセスものは、予想外のブレイクをもたらすやもしれまへん。

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1950年くらいから、ブラジルがワールドカップで優勝を果たす、1958年までくらいの話でおます。

その優勝のために、ペレの存在がいかに大きかったか、

ほんで、そんなペレがどう、メイン・ストリームに這い上がってきたのか、

そのあたりが、濃密に描かれた映画が本作でおます。

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貧しい家庭・環境で育ったペレが、両親や妹、スラムの少年たちのキズナを通して、

選手として、人間として、どう成長し、サクセスしていくのかが、

サクセス・ストーリーの教科書的に紡がれてゆくのですが、

コレがストレートな作りながら、なかなか魅せてくれはります。

マンゴーを使った、父子の練習シーンを始め、

ブラジル古来の格闘技を使った、オリジナルかつ流麗な、スピーディーなサッカー戦法の見ごたえに、オオッと目が点になりました。

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なぜブラジルが勝ったのか。

そのあたりが、実に分かりやすく描かれておます。

ブラジルっぽい、リオのカーニバル的なお祭りナンバーに加え、今どきのダンス・ナンバーも取り揃えたサントラなどで、カッコヨク感動的に描かれておます。

実際のペレのナレーションもあり、リアリティーもビビッドなライブ感もあって、説得力を増しておます。

サッカー・ファンやないボクも、それなりに酔えました。

けども、ペレのPR映画になり過ぎてはいないだろうか。そんな懸念を持ったこともあります。

でもしか、偉人映画の在り方として、これ以上の描き方はできないでありましょう。

現実の話なんで、よしとするかしないかは、人によって違うやろな。ボクは感動できました。

みなさんは、いかがでしょうか。意見を聞かせてくだされませ。

2016年7月12日 (火)

「海すずめ」⇒愛媛県ロケ映画の会心作

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愛媛県ロケによる、ヒロイン映画ぞなもし

「がんばっていきまっしょい」に迫る元気印

http://www.umisuzume.com

アークエンタテインメントの配給によりまして、有楽町スバル座やらで上映中。

関西では、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸ほかで上映中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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(C)2016「海すずめ」製作委員会

日本の地方ロケーション映画は、今や当たり前のように作られ続けておます。

「がんばっていきまっしょい」(1998年製作)あたりから、地方ロケ映画が徐々に、活性化していったと思われがちどすが、

1950年代の日本映画黄金期を始め、地方ロケ映画は、これまでに多数作られ続けてきておます。

48都道府県別に、マイ・ベスト&カルト・スリーを、披露できるくらいの、タイトル数に及んでおります。

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とゆうことで、ここで、愛媛県ロケ映画の、マイ・ベスト&カルト(各順不同)を披露してみますと…。

●ベスト⇒①がんばっていきまっしょい②旅の重さ(1972年)③本作

●カルト⇒①書道ガールズ!!わたしたちの甲子園(2010年・弊ブログ分析済み)②船を降りたら彼女の島(2002年)③坊ちゃん(1977年)

●ボク的には、愛媛ロケ映画ちゅうたら、何度も映画化されとる、夏目漱石原作のカルト③よりも、

田中麗奈主演のベスト①の印象が、メッチャ強くて、ヒロイン映画をメインに、採りあげてしまいました。

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高橋洋子主演のベスト②、桜庭ななみと現・朝ドラ主演の高畑充希共演のカルト①、木村佳乃主演のカルト②など、前向きヒロインな作品が多うおます。

ほんで、愛媛県宇和島市舞台の、本作の主演ヒロインは、武田梨奈ちゃん。

アクション映画の元気系や、「木屋町DARUMA」(2015年・ブログ分析済み)のピリリ系が、強烈な彼女やけど、

本作では、あくまでポジティブ・ヒロインの喜怒哀楽を、自然体で演技して、好感深い印象を残してくれはりました。

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自転車に乗って本を、借りる人のお手元に届ける図書館員とゆう、本作のために、特殊設定された役柄どす。

日本各地の図書館には、まずないキャラなんやけど、

地方ではコレが、ケッコーあるんやないかなと思わせる、人情節的な作りが、本作のミソでおましょうか。

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本を届ける梨奈ちゃんと、本を借りる、大ベテラン女優の吉行和子とのエピソードこそが、本作の大いなるネタ・ポイントであります。

そして、由緒あるノウハウ本を、探す過程のサスペンスな中で、人々の絆が紡がれてゆくとこなどが、グッときます。

久々に見た宮本真希ネーさんの、サプライズ感ある演技も、この種の地方映画には重要なとこどすえ。

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地元の祭りとかイベントなどの魅力を伝える、観光映画的なノリもあるにはあるけども、

梨奈ちゃんを始めとした、演技陣の熱意ある演技ぶりに魅了されます。

「男はつらいよ」な、日本のプログラム・ピクチャーに見られた人情節が、濃厚に反映されとる地方映画でおます。

その意味では、家族一同で劇場へ見に行ける、ファミリー・ムービーやとも言えましょうか。

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ラストロールで流れる主題歌は、「トイレの神様」で一世風靡した、植村花菜ネーさんの「ただいま。」どす。

ヒロイン武田梨奈ちゃんのキモチを表現した、このフォーク・ナンバーは、映画のシメには絶妙どした。

ちゅうことで、愛媛ロケ「がんばっていきまっしょい」と対をなす、元気印な前向きになれる映画です。

2016年7月 8日 (金)

「森山中教習所」⇒週末日本映画劇場

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ベタやない、男の友情映画の、クールなユルリ感

疑似家族映画の、新鮮味としても見られる映画どす

http://www.moriyama-movie.com

7月9日の土曜日から、ファントム・フィルムの配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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(C)2016 真造圭伍・小学館/「森山中教習所」製作委員会

男の友情映画なんちゅうたら、メッチャなタイトル数があるんやけど、

以前もやりましたが、ここで、邦画に限定して、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに、披露さしてもらいますと…。

●ベスト⇒①帰らざる日々(1978年製作)②ロックよ、静かに流れよ(1988年)③僕らはみんな生きている(1993年)

●カルト⇒①本作②セトウツミ(2016年・弊ブログ分析済み)③ピンポン(2002年)

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●男の友情映画は、女の友情映画と、さほど変わらず、ベタもあれば軽妙もあるんやけど、

ベストはベタで哀愁感・逼迫感のあるもんを、カルトでは軽妙洒脱なんを選択いたしました。

あんまし押しつけがましくない友情ものは、総じてお涙頂戴ものとは一線を画し、飄々とした作りでおますが、

本作はそういう作品の、代表型とも言える作品だす。

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「ちはやふる」(2016年・弊ブログ分析済み)などの青春映画で、好感を見せてはる大学生役・野村周平が、

ヤクザになった高校の同級生(賀来賢人)と共に、

個人経営の教習所「森山中教習所」に通い、最終的に免許を取るまでの話なんやけど、

教習所の家族たちとの交流が、自らの家族以上に、キズナを結んでゆくとゆう流れ。

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野村周平の、バツイチ子持ちの教官・麻生久美子への片思いなども含め、

麻生の家族との交流で、疑似家族映画的な面白さも、楽しめる逸品どす。

疑似家族の組み合わせはイロイロあるし、そういう映画もそれなりにあるけど、

ボク的には、キズナ部が軽妙やった「キッチン」(1989年)のような、映画性がありました。

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岸井ゆきのチャンと、主人公役・野村周平のやり取りが、ドラマ的に、狂言回し的設定になっとります。

とゆうか、作品のテーマにも迫る、エピソードやと言えましょうか。

冒頭を始め、ラストの方のネタ部でも、ドラマのポイント・ゲットを握っとりました。

7
過去シーンの意図的な薄色シーンなど、全体的に薄色配色で物語は展開。

消極的でノホホンな野村周平、クールな賀来賢人の、当たり障りはないけども、ジミヘンな仲。

でもしか、ジミでも静かに描かれる、2人のキズナぶりは、

本作の最大の余韻残しの、あとからジワジワ胸にクルところだす。

6
ヤクザ映画部は、かなりのバイオレンスもあり、

賀来賢人の夢想シーンなどでは、ブルドーザーを使ったトンデモ・アクション・シーンもあります。

また、彼が暴れるとこも。

けども、あくまで、静謐な2人の友情関係性が、ゆるりと展開しよるんだす。

ラストシーンの渋みも含め、新たな友情映画のカタチを、紡いだようでもありま。

9
ラストロールで流れる、星野源のニューミュージックなポップ・ナンバーなど、

ドラマの側面にある、ポップ&クール感が、絶妙に反映されとります。

疑似家族・男の友情ものに、抽象的にゆうと、アンチな亀裂ぶりみたいなんを、見せる映画どして、

それでいて、間違いなくココロに、何かを残す傑作でおます。

見て、感じてくだされませ。

2016年7月 7日 (木)

「フラワーショウ!」⇒ヒロイン映画2

1
人と自然は一体とゆう、ガーデニング・ドラマ映画の快作

ヒロインの自然へのキモチが、ココロ高揚させる作品だす

http://www.flowershow.jp

7月2日の土曜日から、クロックワークスの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、全国順次のロードショー。

本作は、2014年製作のアイルランド映画100分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
(C)2014 Crow's Nest Productions

今どきのヒロイン映画分析の第2弾どす。

昨日の古典的なヒロイン・ドラマ映画「ブルックリン」と違い、

こちらは実話系にして、前向きな21世紀的ヒロイン映画を撮り上げました。

でもしか、時代の違いはあるとはいえ、共にアイルランド出身のヒロイン・ドラマでおます。

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共にラブ・ストーリーもあり、けども、ヒロインの生き方には、微妙な差異のある映画どす。

さてはて、実話系ヒロイン映画といえば、そらモノゴッツーなタイトル数がござります。

ただ、セレブやら偉人は別にして、あまり知られていないヒロインの話の方が、予備知識なしに見られて、ボク的には興味深いもんがあります。

4

また、本作はヒロイン映画として、最も映えるサクセス・ストーリーになっとります。

但し、シンデレラ・ストーリー的なものではなく、あくまで自らの才能によって、道を切り開いていく、前向きかつ、すがすがしいものになっとります。

ディズニーやスタジオジブリ、もしくは朝ドラヒロインにも近い、このスタイルやキャラ付けは、

ボクたちやワタシたちに、ありきたりかもしれへんけど、ストレートに見れば、勇気や元気がもらえます。

5

ヒロイン・ナレーションにもありますが、“人と自然は一体”。

その通りで、自然風景をバックにした、ロングショットの数々が、映画的カットであると共に、絵画的構図やら癒やしやらを、ボクたちにもたらしてくれます。

自然風景の美しさは、特筆もんやと言えましょうか。

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女性好みなシチュエーション、あるいはデート・ムービーとしての、ラブ・ストーリー的展開も、キチッと用意されとります。

チャールズ皇太子も参加する、ガーデニング世界大会に、ヒロインも参加するんやけど、

どうしても優秀なる男の、園芸デザイナーの協力が必要となりまんねん。

そんな彼を、ヒロインはエチオピアまで追って、熱意を伝え、ほんで、ラブへと発展してゆく流れどす。

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ほんでもって、彼のサポートを得て、ヒロインが、コンテスト対象のガーデニングを構築するまでを、タイムリミット系で展開してまいります。

日にちから時間刻みへと進んでも、カタチになってゆかないもどかしのドラマ性はあるけども、

でもしか、なんでかスイスイな、トントン拍子なとこがあります。

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実話やからとゆうワケやないけれど、あくまで分かりやすさを、旨にしてるカンジなんで、

ゴタゴタしたとことか、逼迫系のサスペンスとかやなく、ヒロインのポジティブをテーマにした作品だす。

「ちはやふる」(2016年製作・日本映画・弊ブログ分析済み)の広瀬すずと比べても、

勝るとも劣らない元気印を魅せる、エマ・グリーンウェルには魅了されました。

6

美談続きやけども、こおゆう話こそ、みんなの共感を呼びます。

ほんで、見ていてキモチがエエし、後味もさわやか。

7

弦楽オーケストラ・サウンド、バンド・サウンド、ギターのフォーキー・スローや、アコースティック・ギターの爽快感まで、

シーンに合わせたサントラ使いにも、映画の妙があります。

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何はともあれ、理屈抜きに、前向きなキモチがもらえる快作。

「アメリ」(2001年・フランス)のような、心地よさがある作品どした。

2016年7月 6日 (水)

「ブルックリン」⇒ヒロイン映画1

1
シアーシャ・ローナンちゃん主演のヒロイン映画

アイルランドからニューヨークへの“上京物語”だす

http://www.Brooklyn-Movie.jp

7月1日のサタデーから、20世紀フォックス映画の配給によりまして、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ梅田やらで、全国上映中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2

(C)2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

本作の次に分析する、実話系「フラワーショウ!」とは違う、ドラマ・フィクション系のヒロイン映画だす。

1952年を背景に、アイルランドの田舎から、大都会ニューヨークへ、親元を離れて、いわゆる“上京物語”する、

オーソドックスで地味なヒロイン映画ながら、ヒロインの心理に寄り添って、静かに魅せる作品でおます。

3

ヒロイン役は、NY生まれでアイルランド在住の、シアーシャ・ローナンちゃん。

本作のヒロイン役に、ピッタリコンの役柄でおますが、「つぐない」(2007年製作・イギリス映画)で見せた、

無表情でクールな血の気のなさや、消極的な姿勢は、本作でも受け継がれておます。

4

NYのブルックリンに住み、デパートに勤め、ホームシックに悩みつつも、会計士のスクールに通い、また、イタリア系移民の彼氏もできます。

まさにオーソなストーリー展開やけど、でもしか、大好きなネーさんが死んでもうて、

アイルへ一時帰国するあたりから、ドラマは静かな波乱を呼んでまいります。

5

故郷に帰って思いがけず、恋の三角関係になってまうんやけど、このあたりのヒロインの心理は、ある意味ビミョーで不可解なとこがござります。

そのあたりの心理を、シアーシャちゃんがどう演技するのか。本作の大いなる見どころでおましょう。

一歩間違えれば、エライことになってまう、危険なラブ・ストーリー展開でおます。

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他の演技陣では、ヒロインの寮の大家おばさんのユニーク感、

ヒロインをサポートする誠実な神父役で、アカデミー賞助演男優俳優、ジム・ブロードベントの渋みも、印象的な映画どした。

9

ヒロインが彼氏と見に行く映画が、ミュージカル「雨に唄えば」(1952年)だったり、

アイルを舞台にした「静かなる男」(1952年)の、セリフも引用されて、当時のハリウッド映画の売れ線が、さりげなく仕込まれておます。

また、アイルからNYへ移住する映画としては、家族ものなんぞを思い出すかもしれまへんが、ヒロインものは希少でおましょうか。

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NY在住のアイル出身の老人たち移民を、ヒロインたちがもてなすシーンで、歌われるアイルのアカペラの哀愁感を始め、

音楽使いにも妙味があります。

弦楽オーケストラやピアノを配したサントラ使い、ラストロールで流れるフィメール・ポップスなど、余韻を深めはります。

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NYの街をタイトルにした映画は、メッチャありますが、

なんで「ブルックリン」なのかも、説得力ある作りになっとります。

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前半はオーソなヒロイン映画ながらも、後半では、ラブ・ストーリー的なところで、ハッとさせるとこがあったりして、

オーソはオーソも、一筋縄やないとこが見え隠れしておます。

静かな中にも、衝撃がチクッとココロに走る、そんなヒロイン映画だす。

2016年7月 5日 (火)

「さとにきたらええやん」⇒大阪ドキュメンタリーや~

大阪発の映画やで~、ココで取り上げな、どないすんねん

大阪の日本一の優しさが、詰まった映画やねん

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http://www.sato-eeyan.com

ノンデライコの配給で、第七藝術劇場では上映中。

7月23日の土曜日からは、神戸アートビレッジセンターで、その後京都シネマやらで、順次のロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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(C)2016 さとにきたらええやん製作委員会

東京やったら、東京・山谷のドヤ街みたいなとこやけど、大阪のあいりん地区・釜ヶ崎を、描いたドキュメンタリーだす。

共に吹きだまりのイメージはあるけども、山谷との違いは、人々の人情節が、メッチャ濃厚な街やっちゅうところ。

貧しい人たちが集う街。でもしか、互いの人情節は、日本一、いや、世界一やもしれまへん。

そういうとこを、3人のコドモ・青年・少女を通して、描いた作品だす。

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コドモたちをメインに描いた、貧しい底辺の人たちのドラマは、常にボクたちを感動させ、泣かせ、

時に、オレもキバル(頑張る)で~、ちゅうキモチにさせてもらえたりします。

本作はドラマやないけど、そんなキモチになれる、格好の作品となりました。

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あくまでアンダー20歳の、コドモ少年少女たちが主役だす。

孤児院とかのキズナなんぞを、ポイントにした映画やったら、

みなはんも思い出す映画は、イロイロあるかと思いますけども、彼らは孤児やありまへんねん。

でも、親の事情やらイロイロあって、本作の「こどもの里」みたいな、コドモたちが集い遊び生活するような場が、必要となるんだす。

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こおゆう孤児院やなく、学校でもない場とゆうのは、日本や世界を見ても、おそらく類例を見ないでおましょう。

ほな、あいりん地区・釜ヶ崎って、一体、どんな街やねんって、

疑問を抱かれる方も多いでしょうが、そのあたりはあくまで、描写によって描かれてまいります。

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みなはんは、情報として、ある程度知ってはるとこも、あるでおましょう。

ただ、大阪のこの地域・街については、正直な話、大阪在住のボク的・個人的にも、あんましとゆうか、

電車で素通りしたりはあるけど、ほとんど行ったことのない街なんでおます。スンマヘン。

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なのに、描かれとるとこを見るに、大阪らしい人情節が、全編にみなぎっとる作品やと、ボクは思いました。

えてして、こおゆう映画は、学校を経営するオーナーが、大いなるポイントになったりするけど、本作はあくまで控えめ。

前ふり的に、サラリと描かれる程度で、モチ女オーナーがビョーキで倒れた時とか、それなりにドラマティックなとこもあるんやけど、

主役は、3人の「アンダー20」だす。

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老人ホームの職員に受かった、高校生マユミちゃん。

「こどもの里」のお手伝いをしてるシーンが多いけど、オカンとのシビアな関係とかはあるけど、

淡々と自然体で生きる姿には、そこはかとなく胸にきよります。

8
5歳のマサキ君。チャリンコに初めて乗れる姿が、最後にとらえられるけど、彼もオカンとの関係性やらに、目がいきますし、

ある理由でオトンと会えない青年の話もまた、説明されずに、描写によって紡がれとりまして、

とことん描写でカンジさせる、珍しいドキュになっとります。

9
アベノハルカスや通天閣の遠景などで、今の状況を示してはるし、あいりん地区の今を、ビビッドに伝えるシーンは、ある意味でドラマ的でもありました。

ライブでも披露する、「SHINGO★西成」の、ジャパニーズ・ヒップホップは、本作のメイン・テーマも示す、グッド主題歌どすえ。

「ココロとフトコロが寒い時こそ、胸を張れ」などのライムが、元気印をココロに、刻んでくれはります。

チャールズ・チャップリン映画以来、古典的なテーマかもしれへんけど、

貧しくとも前向きに生きることの素晴らしさが、しみじみと伝わってくる映画どした。

2016年7月 2日 (土)

6月の年間マイ・ベストテン級候補映画

●日本映画

★「秘密 THE TOP SECRET」(8月6日全国公開/生田斗真・岡田将生共演/大友啓史監督)

http://www.HIMITSU-MOVIE.JP

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★「LOWLIFE LOVE 下衆(げす)の愛」(7月30日公開/渋川清彦・岡野真也・でんでん・古舘寛治・木下ほうか・内田慈・忍成修吾ら出演/内田英治監督)

http://www.gesunoai.com

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●外国映画

★「ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆」(7月30日公開/ファン・ジョンミン主演/韓国映画)

http://www.himalayas-movie.jp

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★「イレブン・ミニッツ」(8月20日全国順次公開/イエジー・スコリモフスキ監督/ポーランド&アイルランド合作)

http://mermaidfilms.co.jp/11minutes

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●全4作は、後日分析いたします。

なんといっても、6月の最高傑作は、群像劇「イレブン・ミニッツ」でした。

ポーランドの監督イエジー・スコリモフスキ監督の新作。

いかにもユーロな監督が繰り出すような、アート系映画ではありません。

逃亡系のアクション映画「エッセンシャル・キリング」(2010年製作・ポーランド映画・幣ブログ分析済み)でも見せた、映画的娯楽性をいかに、新視点で魅せられるのか。

そのあたりが、オムニバス的群像劇で反映された傑作。

後日、じっくり分析いたします。

韓国映画「ヒマラヤ」は、これまでの山岳登頂映画とは、大いに違っています。

それでいて、泣ける感動がある、韓国映画的泣きが、ココロにクル1作。

評価の厳しい映画評論家筋的には、ベストテン級ではないにしても、みなさんのベストテン級には、十分な作品だと思います。僕も泣きました。

さて、日本映画はどうか。

松竹配給のメジャー系「秘密」、低予算のインディーズ映画「下衆の愛」の2本。

ミステリー映画の新境地を示した「秘密」、

ありふれた映画愛が、どうちゃらという映画ではなく、映画業界の悲愁・泥臭さをにじませた「下衆の愛」。

一時的かどうかは、今後の映画鑑賞ゴコロの推移を、見ないことには分からないけども、見たあと、共にココロの琴線にきた作品です。

「森山中教習所」(7月9日公開)なども良かった。

とゆうことで、後日の分析をお楽しみください。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年7月 1日 (金)

「セトウツミ」⇒週末日本映画劇場

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池松壮亮と菅田将暉の2人が、ヒマ潰しに喋り合うだけの映画やなんて…

今どきのコミック原作映画でも、メッチャ異色な作品やで~

http://www.setoutsumi.com

7月2日の土曜日から、ブロードメディア・スタジオの配給により、新宿ピカデリー、テアトル梅田やらで、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013/(C)2016映画「セトウツミ」製作委員会

青春ガンバロウとか、ケンカや部活で青春とか、学園ラブ・ストーリーとか、

いわゆる定番系の、ストレートな青春映画とは違う、

変形青春日本映画ちゅうもんが、ケッコーあるんやないかなと、ボクは思います。

本作もそんな1作どすが、変形青春ものの、マイ・ベスト&カルト・スリー邦画(各順不同)を、

思いつくままに、披露さしてもらいますと…。

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●ベスト⇒①台風クラブ(1984年製作)②パッチギ!(2004年)③桐島、部活やめるってよ(2011年・弊ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作②青春の蹉跌(1974年)③高校大パニック(1978年)

●スポコン、ラブ・ストーリー、ケンカ・抵抗運動などが、上記の作品にはほとんどありまへん。

ベスト②は、確かにケンカ、片思いなラブはあるけども、

いずれも変形の中でも、新鮮味を加えてはる作品ばかりでおます。

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台風で揺れる生徒の群像劇ベスト①、

部活の群像劇は群像劇でも、桐島は最後まで出ないベスト③。

韓国校と日本校の生徒の、摩擦も描くベスト②。

カルトでは、学園パニック・ムービーの、ルーツ邦画とも言えるカルト③。

アドリブのやり取りで、青春のけだるさを表現したカルト②。

そして、本作では、漫才ではありまへん、

なんと2人の高校生が、ヒマ潰し的に喋り合う映画なんでおますよ。

6
ウツミ役の池松壮亮(いけまつ・そうすけ)と、セト役菅田将暉(すだ・まさき)の2人が、

とある場所、運河沿いの岸辺の階段で、ダベリ合うとゆうのんが、本作の、いわゆる、キモ・シーンなんでおます。

セトとウツミで「セトウツミ」のタイトルも、そのままやんかやけど、

そんな2人芝居ながら、回想シーンや、いろんな人との絡みもあるんで、

2人のツーショットは頻出するものの、あまり舞台劇的な作りは感じられまへん。

9
75分とゆう短めの映画ながら、8話ほどにエピソードが分かれておまして、

2人のセリフのやり取りの妙が、見どころであるんやけど、

ストーリー的流れの中で登場する、ラスト・エピソードでキメ台詞を聞かせる、中条あやみチャンとか、

映画監督の鈴木卓爾とか、ピエロ役・宇野祥平らが、名バイ・プレーヤーぶりを見せてはります。

7
大阪府堺市ロケが、メインになっとります。

大阪ロケでも異色な場所どして、モチ原作のコミックも堺が、舞台やったからやろけど、メッチャ新鮮。

でもしか、堺ロケやと言われなかったら、分からないような、東京近郊にもいくらでもありそうな、ロケーションでおます。

それでも、堺ロケをやらはった。主演の2人共に関西弁を喋ってるし、とにかく、原作に忠実であったわけどす。

8
大森立嗣監督の、こだわりがあったんでおましょう。

タンゴやバンドネオンを使った、サントラ使いにも、ボクはグッときました。

4
大森監督としては、「まほろ駅前多田便利軒」(2011年・ブログ分析済み)「まほろ駅前狂騒曲」(2014年・ブログ分析済み)と続いた、東京・相棒映画の、

高校生・大阪版の相棒映画やと言えましょうか。

ユニークかつ楽しい映画でおました。

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