無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 2015年12月 | トップページ | 2016年2月 »

2016年1月の記事

2016年1月31日 (日)

1月に見た年間マイ・ベストテン候補作

●日本映画

★「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」(岡田准一・阿部寛主演/3月12日公開・弊ブログ後日分析)

http://everest-movie.jp

Photo

●外国映画

★「ヘイトフル・エイト」(クエンティン・タランティーノ監督/2月27日公開・後日分析)

http://gaga.ne.jp/hateful8

Photo_2
★「スティーブ・ジョブズ」(ダニー・ボイル監督/2月12日公開・後日分析)

http://www.stevejobsmovie.jp

Photo_3
★「ブラック・スキャンダル」(ジョニー・デップ主演/公開中・1月28日付けで分析)

http://www.black-scandal.jp

1
★「ディーパンの闘い」(フランス映画/2月12日公開・後日分析)

http://www.dheepan-movie.com

Photo_4
★「最愛の子」(中国・香港合作/公開中・来週分析)

http://www.bitters.co.jp/saiainoko

1_2
■既に分析してしもた、ジョニデ主演「ブラック・スキャンダル」以外は、全て後日分析いたします。

アメリカ映画では、日本時間2月29日発表のアカデミー賞の、部門賞にノミネートされとる作品もありますが、

チラシに「アカデミー賞最有力」や「大本命」とかの、お馴染みのコピーがあるけども、メインどころでは、ノミニーを外した作品ばかりどして、

しかも、既にアカデミー作品賞をゲットした、ダニー・ボイルを含む監督たちの、熟成の1本でおます。

アカデミー賞とは関係なく、日々、アメリカ映画の傑作は作られ続けております。

さてはて、アメリカ映画以外では、昨年のカンヌ国際映画祭の最高賞を、ゲットしはった「ディーパンの闘い」がものすごかったわ。

静かな展開の中にも、かつてなく緊張感ある、疑似家族映画。

さらに、中国からの「最愛の子」は、ボクの好きな監督、ピーター・チャンの作品。

こちらも、誘拐を絡めた、サスペンスある、疑似家族系のドラマ映画。

さて、最後に日本映画は、平山秀幸監督の「エヴェレスト 神々の山嶺」。

エヴェレストにロケした、山岳登攀映画の壮大な作品。

日本にも、「八甲田山」(1977年製作)など、山岳遭難系の大作名画はあるけども、

それらに匹敵、あるいは、ひょっとして凌駕するようなパワーが、スクリーンから漲り出ておますよ。

詳細分析は後日にて。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2016年1月30日 (土)

「猫なんかよんでもこない。」⇒週末日本映画劇場②

7_2

猫映画の究極型を示した快作

ネコと人の交流を、ディープに描いたかつてない逸品

http://www.nekoyon-movie.com/

1月30日の土曜日から、東京テアトルの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1_2
Ⓒ2015「猫なんかよんでもこない。」製作委員会

犬・猫とゆうたら、日本に限らず、国民の2大ペットになっとりますが、

そんな中で、かつて弊ブログで、犬映画・猫映画の、各マイ・ベスト&カルト邦画をば、披露いたしました。

本作も登場するんで、改めて猫映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を披露します。

前回とランキングがビミョーに違ったり、前回に入れてへんかった作品も入っとるけども、そこは思いつくままの気まま節なんで、ご容赦くだされませ。

6_2
●ベスト⇒①グーグーだって猫である(2007年製作)②吾輩は猫である(1975年)③猫の恩返し(2002年)

●カルト⇒①本作②公園通りの猫たち(1989年)③先生と迷い猫(2015年)

●フジテレビが製作した大ヒット猫映画「子猫物語」(1986年)は、ドキュ・タッチなので、今回は外しました。

猫の擬人化映画などは、洋画ではアニメを含めケッコーあるけど、

邦画では、夏目漱石原作・市川崑監督のベスト②や、スタジオジブリのアニメ・ベスト③などの、傑作があります。

5_2
でもしか、犬映画でもそうやけど、ボク的には、ありきたりの猫と人との交流を描くんやなく、猫を通して…、

つまり、猫をフィルターにして、人間を描くとゆうのは、かなりとハードルの高いもんやと思います。

しかも、わがまま気まぐれな猫だけに、犬映画より、さらにハードルが高くなるっちゅう次第でおます。

そんな中で、ベスト①、カルトにしたけど本作、カルト③などは、そこんとこにチャレンジした作品なんどすえ。

ちなみに、カルト②は、人と猫の交流もんでおます。

2_2
さてはて、今やトレンドになってる、コミック原作映画やけど、その表面上の意味では、本作はベスト①と同等になるでおましょう。

猫を通して漫画家役・小泉今日子の、人柄を出したベスト①に対し、

本作も漫画家の話やけど、猫たちを飼う漫画家志望の主人公(風間俊介)のドラマどす。

3_2
ほんで、そんな猫たちとの交流を通して漫画を描き、それがデビュー作となるとゆう、いわゆる、実話の漫画メイキングものにもなっとりまして、

映画的に映えるかどうかは別にして、ベスト①とは一味違う作りになっとります。

漫画家メイキングものの傑作「バクマン」(2015年・ブログ分析済み)ほどではないにしても、

日常性の自然主義タッチに、徹した点においては、漫画家を描くものとしては、かつてないものやないやろかと。

4_2
主人公の周辺にいてはる人たちも、ほのぼのな快演技ぶりどした。

同居してた漫画家の兄貴(つるの剛士=写真上から5枚目)が、猫を拾ってきて、主人公の弟はんに、面倒を見させはるんやけど、そのノホホンな演技ぶりしかり。

大家はん役の市川実和子(写真7枚目)ネーさんの、ユルユルの猫飼い指導、

そして、保育園の給食係のバイトの先輩役・松岡茉優(写真6枚目)ちゃんが、クールに猫飼いノウハウを語るとこなども、

主人公と猫のドラマに、フレキシブルなとこを付加してはります。

「ロッキー」(1976年・アメリカ)的なマーチチックなサントラやら、

ラストロールで流れる、SCANDALのギャルバン・ポップロックやらも、楽しい仕上がりどした。

2016年1月29日 (金)

「残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋」⇒週末日本映画劇場①

1
竹内結子ネーさんと橋本愛ちゃんが、ホラーな謎に挑む

Jホラー「リング」や、部屋ミステリー「理由」に、通じるところとは?

http://www.zang-e.jp

1月30日の土曜日から、松竹の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会

これまでに何度もゆうてきましたが、日本のホラー映画は、人の呪いが基本になっとります。

アメリカ映画的にオーソドックスな、“悪魔”とゆう概念は、キーワードにはあまりありません。

日本のホラー映画は、1950年代の怪談ものから始まり、1998年の「リング」のヒットで、Jホラーとしての呼称が、一般化・定着いたしました。

3
さて、この流れを作品性で解説しますと、

死んだ、あるいは殺された人の、殺した人、あるいは恨む特定の人間への、ウラメシヤー節で、

幽霊・怨霊になって、その人間に絡んでくるタイプが、根本的には怪談ものの源でおました。

ところが、「リング」では、それが一変します。

13
「リング」のヒロイン・貞子とゆう個人の恨みは、ビデオを媒介にして、不特定多数の人間に、向けられるんでおます。

本来なら、貞子を殺した人間に向けるべき呪いが、実は誰でもエエねんになったとこに、

「リング」の新しき、オリジナルなオトロシサが、あったんやないかと、ボクは思とります。

4
そして、「リング」以降のJホラーは、無差別的怨み節が、主流になったようなとこがござります。

家に入った者は、全員エライ目に遭う、館ホラー「呪怨」(2002年)しかり、ほんで、本作もしかりなんどす。

5
さらに、細かく言いますと、家・部屋にまつわるもんが、出てきておます。

館ホラーはアメリカ映画にもありますが、

日本では、怖くはなかったけど、大林宣彦監督の「HOUSE ハウス」(1977年)あたりから作られてきまして、

ほんで、「リング」以降は、部屋に秘密がある「仄暗い水の底から」(2001年)などが出ましたし、

ホラーやないけど、マンション・ミステリー「理由」(2004年)なんぞが生まれました。

10
部屋の秘密、部屋にまつわる呪い、あるいはその場所への怨念を、ベースにしたんが、本作でおます。

しかも、その怨み節は、特定の人に向けられずに、そこに住む人へも。

8
ホラーチックな投書を、ホラー小説にする女流作家・竹内結子ネーさんのとこに、1人部屋にいてると、変な音がするとゆう、橋本愛ちゃんから手紙がきます。

ほんで、この2人が、そのマンション・その部屋の過去を、調べてゆくとゆう、ミステリー的探索系で、物語は展開してまいります。

9
その場所に住んだ人たちの因縁話が、徐々に明らかになってゆく過程は、

ホラーとゆうよりは、ミステリー的興趣に満ちておます。

その意味では、ホラー的怖さよりは、謎解きの面白さの方に、比重があるやもしれまへん。

7
何せ今やミステリー映画の、売れっ子監督とゆうてもエエ、中村義洋監督が、メガフォンを執ってはるだけに、ミステリー密度はかなり高うおます。

12
中村監督とは「チーム・バチスタの栄光」(2008年)や「ゴールデンスランバー」(2010年・弊ブログ分析済み)やらで、ユルユル系の演技を見せてはったけど、

竹内結子ネーさん、今作では、不安げな橋本愛ちゃんを、引っ張る役なんで、モチ、シリアス系の演技ぶりで、いってはります。

11
女優2人がメインやけど、男優陣では、ホームズ的探偵ぶりを見せる佐々木蔵之介、

終始冷静沈着な、竹内結子の夫役の滝藤賢一、

クールな心霊マニアぶりを見せる、坂口健太郎らも、快演技を披露しはります。

6
ちゅうことで、ホラー・ミステリーの娯楽作どす。

怖がりたいとゆうよりも、極上のミステリーを見るようなキモチで、映画館へと足を運んでくだされませ。

2016年1月28日 (木)

「ブラック・スキャンダル」⇒ジョニー・デップ主演最新作

1
ジョニデ初のトンデモ悪役ぶりに、身も凍る作品やがな

「ゴッドファーザー」組を超えた、非情性に大注目!

http://www.black-scandal.jp

1月30日のサタデーから、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、全国ロードショー。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

4
Ⓒ2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC, CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND PATPAC - DUNE ENTERTAINMENT LLC

アメリカのギャング映画に限定して、悪役度の高い役者の、マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)を、披露してみますと…。

①本作の主演ジョニー・デップ

②「ゴッドファーザー」(1972年製作)の主演マーロン・ブランド

③「アンタッチャブル」(1987年)の助演ロバート・デ・ニーロ

④「スカーフェイス」(1983年)の主演アル・パチーノ

⑤「ミラーズ・クロッシング」(1990年)の助演ジョン・タトゥーロ

2
●デ・ニーロやアル・パチーノは「ゴッドファーザー」シリーズ出演組どして、

この種のギャングの、ボス的アウトロー演技は、お手のものでおます。

しかし、冷酷無比な非情性演技度を見てみたら、本作のジョニデの演技は、

ボクが見た範囲のギャング映画では、かつてなくお情け無用度合いが高かったどす。

その非情さは、ネチネチした問い詰めセリフを始め、

迷いなく銃撃するアクションぶり、女も容赦なく殺す、裏切り者殺しに反映されておます。

7
ジョニデに幼い頃に助けてもろたFBI刑事(ジョエル・エドガートン)は、彼を情報屋として使い、彼の組織と敵対するボストンのギャング団を、摘発しようとしはります。

ほんで、ジョニデの犯罪を、糊塗する方向で、事実が判明するまで、ずーっとやっていかはりまんねん。

ほんでもって、映画は、1995年に逮捕された、ジョニデ組織の構成員への、聴取シーンから始まります。

5
そして、1995年を現代として、1975年、1981年、1985年と、年代順に、プレイバックしてゆくとゆう構成でおます。

しかも、ギャング同士の抗争シーンは、ほとんど見せずに、

ジョニデのセリフや挙動を中心に、そのエゲツナサを見せてゆくとゆうスタイルなんどす。

ジョニデ初とも言うべき、極悪人役なんで、ジョニデのヒロイズムに、魅了され続けてきた方には、心にグサリとくるもんが、あるやもしれまへん。

6
でもしか、演技派たらんとするジョニデの姿勢が、色濃く示された作品だす。

ジョニデの弟役で、議員役のベネディクト・カンバーバッチらの演技も、ある意味で、ジョニデの演技を光らせるための、大人しい演技になっとりますやろか。

ほんで、秘密の相棒たる、悪のFBI刑事も、ジョニデの凄みに、たじたじのシーンがあります。

ちゅうことで、ジョニデの悪役ぶりに、驚きたい作品。

3
ジョニデのための映画に見えますが、そのどこまでも徹底した悪辣ぶりには、

ヒーロー映画の真逆ものとしての、アウトロー映画の系譜として見ても、画期的な作品やったと思います。

さらにゆうと、「デリンジャー」(1973年)のリブート「パブリック・エネミーズ」(2009年)も、ジョニデは悪は悪やったけど、それでも、ヒロイズムやヒューマニズムはありました。

でも、本作には、全くそれがありまへんねん。

今までのイメージを180度転換させ、ジョニデ・ファンを、不愉快にさせるとゆう意味においても、また、その危険を冒して演技した点においても、

ボクは本作を、ジョニデの最高傑作に推したいどす。

2016年1月27日 (水)

「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」

1
アイドル・ドキュメンタリー日本映画の、最高傑作になったかも

その競争力学の凄みと哀愁に、目を見張る1本になっとります

http://www.2015-nmb48.jp

1月29日のフライデーから、東宝映像事業部の配給により、全国ロードショー。

本作は、秋元康はんの企画、船橋淳監督・NMB48出演による、2016年製作の、本編121分の作品でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

13
Ⓒ2016「DOCUMENTARY of NMB48」製作委員会

アイドルが主演するドラマ映画は、多々あるけども、

フィクションやない、アイドル・ドキュメンタリーとなれば、実は映画の世紀・20世紀には、ほとんどなかったんでおます。

洋画では、ビートルズをアイドルと見るならば、その種の映画はありましたけども、邦画においては、全くと言ってエエほど、なかったんやないやろか。

2_2
21世紀に、日本でAKB48が大ブレイクして以降、この種のアイドル・ドキュが、AKB48グループをメインに、次々に出てくるようなことになってまいりました。

男性アイドルのジャニーズ・グループでは、そんなんはありまへん。

それはモチ、映画監督・製作もやらはった秋元康はんが、グループのTOPにいるだけに、

映画への愛と共に、プロデュースしてはる、アイドル・グループたちのドキュ映画をば、作ろうと考えはったんでおましょうか。

6_2
「おにゃんこクラブ」を出すには、もはや隔世の感があるけども、秋元康のプロデュース力のスゴサは、AKB48によって、ピークをば迎えとるんは、誰もが知っとるし、

下り目もないんで、ピーク状態のままで、いつまでこの繁栄は続くんやろか、なんて思たり…。

9
さてはて、それはともかく、東京・秋葉原のAKB48がブレイクし、

ほんで、名古屋・栄のSKE48、福岡のHKT48、ほんで、大阪・なんばの、本作の主役NMB48と、次々にオンナ・アイドル・グループが登場。

この4グループを対象に、毎年、ファン参加型の総選挙が行われ、ニュースになっとるんは、

彼女たちを知らない人たちも、耳にしてはることでおましょう。

ソロへのファン投票の、ランク付けをしたもんどす。

4_2
昨年の総選挙では、NMB48は、センターの山本彩(さやか・写真上から1・2・13枚目)が5位になったものの、

グループ総合としては、4グループ中、最下位どした。

けども、これまで発表したシングル10枚の9枚は、オリコン週間ランキングでナンバーワン。

最下位といえども、メッチャ売れておます。

3_2
そんなNMB48の実態を描いたんが、本作でおます。

フツーのアイドル・ドキュとして見ていくと、いくつかのポイントで、覆されます。

冒頭。ニーチェに心酔する、哲学志向のアイドルの登場から、サプライズある始まり方。

5_2
しかも、中之島や道頓堀をゆく遊覧船の甲板で、アイドル(写真6枚目)が、ニーチェの哲学文を読みながら、

アイドルの生き方と、照合してゆくようなシーンが、アイドルたちの競争ぶりと、カットバックしてゆく作りどして、それが意図的に施されておます。

いやはや、メッチャ鮮烈だす。

アイドルに物申すみたいなシーンは、ほかにもあるんで、注目しといてくだされ。

12
負け組をかなりと、クローズアップした作りもまた、哀愁感を増しとりましたで。

一期生なのに正式メンバーに、1度もなったことがない沖田彩華(写真5枚目)のエピソードは、本作の大いなるキモでおましょうか。

7_2
また、オカンや弟を楽にし、一家の大黒柱になりたいとゆう矢倉楓子(ふうこ)の、ハングリー精神など、

家族との話も、織り込みつつの流れは、アイドル映画としては、異色やったやろか。

11
AKB48始め、グループ・ファミリーのドキュ映画は、イロイロ出とるけど、

NMB48を描いた本作が、イチバン映画映えする作りになっとりました。

8
監督は船橋淳(あつし)。

福島の東日本大震災の、その後を描いた「フタバから遠く離れて」(2012年・弊ブログ分析済み)のインパクト、

同じく震災後遺症を描いた、三浦貴大主演「桜並木の満開の下に」(2013年・ブログ分析済み)など、

時代を衝く映画を、撮ってはります。

10
でもって、本作は音楽界で、今や一大勢力となっとる、アイドルへと肉迫した作品。

1970年代に名づけられた、偶像=アイドルの今を、

シビアにも問うような傑作になったと、ボクは思います。

2016年1月26日 (火)

「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬」⇒フランス映画の今②

1_2
フランス映画とくれば、ヌーヴェル・ヴァーグや

登場人物たちがナレートしていく、実験的ラブ・ストーリー

http://www.menilmoutant-movie.com

1月23日のサタデーから、東風の配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⒸENVIE DE TEMPETE PRODUCTIONS 2013

ラブ・ストーリーなんてゆうたら、みなさんもよう分かってはると思うけど、モノゴッツーなタイトル数があります。

フランスの恋愛映画の、マイ・ベスト&カルトなんぞも、弊ブログでやりましたけども、

正統系の恋愛映画もあるにはあるけど、それとは違い、屈折型・正統系でも実験的な作品などが、多数出てきとります。

その因は、1950年後半から1960年代前半の、フランスのヌーヴェル・ヴァーグにあり!やろか。

ヌーヴェル・ヴァーグ以前・以後も、ハリウッドにも負けない、うっとりの恋愛映画はケッコーありました。

「シェルブールの雨傘」(1964年製作・フランス映画)などは、今に残る傑作です。

3
けども、ビミョーな恋愛心理を描きつつも、ストレートな恋愛映画に背を向けた作品は、

映画の出来・不出来は別にして、今やフランス映画の、隠し味映画とも言えるのではないやろかと、勝手に分析いたします。

本作はそんな1作でおましょうか。

ヌーヴェル・ヴァーグ的には、男2人女1人紅一点の、同志的友情映画「突然炎のごとく」(1961年・フランス)やらに、

大いなる影響を、受けてはるかと思います。

4
「男と女」(1966年・フランス)が出会い、でもしか、2人はすぐに恋には落ちまへん。

「アメリ」(2001年・フランス)とゆう名前が、嫌いだと言う女。

彼女と主人公の男は、彼女が男たちに襲われてるとこで再会し、その後、愛を深めてゆかはります。

一方で、主人公には、無二の親友がいてはりまして、親友との交遊部や恋愛も、ハラドキがある展開が待っとります。

ラブ・ストーリー「男と女」も、ヒロイン映画「アメリ」も、フランス映画史だけやなく、世界の映画史に残る傑作やと言えるけど、

本作もまた、名作たりうるファクターやポイントを、兼ね備えております。

6
2人はよく映画館へ、行かはりまんねん。

ロベール・ブレッソン監督作「白夜」(1971年・フランス&イタリア)やら、アダム・サンドラー主演の日本未公開作なんぞが、セリフに出てきよります。

名作映画へのオマージュも、イロイロ出てまいります。

ほんで、映画的斬新さは、主人公・ヒロイン・主人公の友達の、カメラ目線を主とした、ナレーションを交互にタイトに繰り出しつつ、

彼らの心情を、説明を廃した描写で、描いたとこにあるやろか。さらに、3人だけやなく、別の人のナレートもありま。

5
各人のエピソードが、章立て字幕で披露されてゆくけど、半ばあたりから、字幕の章立てが逆になってゆきます。

つまり、物語の核が、ヒロインの言動をポイントにして、後半から、逆流してゆくんだす。

幽体離脱シーンなども、違和感を超えて、ユニークなエピソードになっとります。

7
ピアノとギターやらでの、爽快なサントラ・リズム。

ラストロールでは、ピアノ・バラード・男女デュエットでウットリ。

アップ・シーンの多さと、語りとシーンの、オーバーラップ的臨場感。

紆余曲折もあり、前衛的ながらも、ストレートに愛を伝えたい想いは、十二分にこちら(観客側)に伝わってきましたで。

ちゅうことで、フレンチ・ラブ・ストーリーの傑作です。

2016年1月25日 (月)

「愛しき人生のつくりかた」⇒フランス映画の今①

1
現代のフランスの家族ドラマ映画は、どないなカンジなんやろか?

本作は、オバンと孫息子の、キズナへと向かう作品

http://www.itoshikijinsei.com

1月30日の土曜日から、アルバトロス・フィルムの配給によりまして、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。東京では、上映中だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2013 Nolita cinema - TF1 Droits Audiovisuels - UGC images - Les films du Monsieur - Exodus - Nolita invest

日本はもちろん、世界各国では、家族映画が多数輩出されとります。

お国柄によって、家族映画の在り方も、ビミョーに違うとこはありますが、普遍的には、そない違いはありまへん。

フランス映画でも、おんなじでおます。

本作では、老人と孫(オバンことグランド・マザーと孫息子)のキズナを核に、孫のラブ・ストーリーやら、家族のキズナが、描かれてまいります。

3
オジン・オバンとマゴたちの映画てゆうたら、イロイロあります。

ただ、老人と幼いコドモたちの関係で、展開するような作品が多く、

本作のように、老人と大人になった孫との関係図は、さほどありまへん。

しかも、シニア映画としての前向き系と、孫のラブ・ストーリーを、同時に描くとなりますれば、さらに稀少度は増しますやろか。

4
でもしか、メインは、家族映画的なとこもあるんやけど、シニア・ヒロイン映画に、フォーカスするような作りになっとります。

オジンの葬式から始まり、オバンの葬式で終わる構成になっとるんも、そのあたりを繊細なカンジで、示しておますやろか。

オバン役は、みなさんのほとんどが、知らんかもしれへんけど、フランスの国民的歌手の、アニー・コルディはんどす。

8
「雨の訪問者」(1970年製作・フランス映画)での、探偵役チャールズ・ブロンソンとのやり取りも、ボクの記憶にあるけども、

あれからも何十年も経て、丸みも円熟もあるけども、フツーのオバン役を、自然体で演じる姿勢には、

何に出ていたかは、全く別にして、親近感と好感を覚えよりました。

7
ほんで、本作の監督はんのジャン=ポール・ルーヴはんも、ホテル経営者役で出てはりまして、

主人公・孫役(マチュー・スピノジ)を、夜勤のバイトで雇わはるんやけど、そのあたりのとこなんか、

本作監督&主演の演出・演技と、カブルようなとこがあって、妙にココロをそそられました。

さらに、孫のオトン役のミシェル・ブランはん。

「仕立て屋の恋」(1989年・フランス)の控えめ演技が、目に焼き付いておますけども、本作では、もっともっと地味。

地味なとこが妙に似合うような、役者はんでもあります。

5
オバンの故郷のノルマンディーと、パリ・モンマルトルの下町の描写の対比。

でもしか、どちらも、ほのぼのなカンジなんで、対比効果よりも、作品に温かみを、ズーッと付加してはるやろか。

また、孫がオバンを車で、探しに行くシーンで流れる、スローなスタンダード・ポップス・ナンバー「残されし恋には」の妙味や。

6
フランソワ・トリュフォー監督の「夜霧の恋人たち」(1968年・フランス)でも、カッコヨク使われとりましたが、本作はその名作を意識してはったようどす。

そんな名曲を含めて、ピアノ・ギター・チェロ・バイオリン・バンジョーやらを配した、サントラ使いも爽快なカンジがしましたで。

いずれにいたしましても、普遍性ある3世代家族ドラマ映画どして、見たあと、キモチ安らぐ快作でおますよ。

2016年1月24日 (日)

「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」⇒日曜邦画劇場

Photo
フジテレビ月9初の、時代劇の映画版どすえ~

タイムスリップ系時代劇の、面白さが満載やねん

http://www.nobunaga-concerto-movie.com/

1月23日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ石井あゆみ/小学館 

Ⓒ2016 フジテレビジョン 小学館 東宝 FNS27社

タイムスリップ系の時代劇どす。

タイムスリップ系の映画は、邦画・洋画問わず古今東西、これまでに多彩に作られてまいりました。

そんな中で、時代劇に限定すると、現代人が過去へタイムスリップし、しかも、その人物・主人公が、実在の人物になってしまうとゆうスタイルは、かつてないものでおます。

2
さらに、邦画でゆうたら、

「戦国自衛隊」やアニメ「クレヨンしんちゃん」「犬夜叉」などで、現代から過去へとゆう時代劇は、展開しとりますけども、

本作のように、歴史改ざんをせずに、

織田信長の戦国時代劇を、荒唐無稽・破天荒に展開させるドラマ映画も、またほとんどないとゆうても、エエかもしれまへん。

8
タイムスリップして、織田信長の影武者やなく、当時として、ホンマの織田信長と思われる人物に、なってしもた現代人(小栗旬)。

でもしか、ホンマモンの信長(小栗旬1人2役)は、どないしてたんかとゆうと、その手下と誰もが知ってる、明智光秀ミッチーにならはりますねん。

ほな、ホンマモンの明智は、どうなったんか。ウーン…、そないなると、明智光秀はホンマモンの織田信長だったとゆう、トンデモない設定になるやろか。

ほんで、信長の奥方(柴咲コウ)との間で、現代人仮想信長との、夫婦映画的ラブ・ストーリーが展開し…とゆう展開どす。

3
そこへ、羽柴秀吉(山田孝之)が当然のごとく、絡んでまいります。

そんな秀吉の人物像も、明智と同じく、定説とは全く違う、真逆のような設定にしてはります。

そして、日本史の教科書にも出てくる、2つの決戦「本能寺の変」、「山崎の合戦」こと「山崎の天王山決戦」が、

これまでの通説とは、全く違った形・様相で描かれるんどす。

そのあたりを明かすと、ネタバレになるんで、書きまへんけども、

ホンマ、トンデモない設定・タッチで作られとりますねん。

それでいて、なんぼ途中経過がハチャメチャでも、結果的には、過去改ざんになっていないとゆう、

奇跡に近い、おいおい、そんなバカ・アホな…ちゅう、ミラクルな作りなんでおますよ。

4
フジテレビ月9初の、時代劇の劇場版どす。

ほんで、今や旬となっとるコミック原作や。

コミック原作の時代劇とゆうのにも、少しく論述したいところやけど、

本作とシンクロナイズする作品として、過去改ざん系をせずに、破天荒に展開した時代劇「あずみ」シリーズ(2003年・2005年)を挙げときます。本作と比べて見てくだされ。

5
さてはて、天王山決戦のあとの、現代に戻っての妙味にも、ユニークなエピソードが待っておます。

時を経たラブ・ストーリーのサプライズは、ケッコーあるけど、そんな中でも、特注とすべき内容を持っておました。

6
ちゅうことで、本作は時代劇の定番を、覆したような逸品なんでおます。

コミカルになりがちなドラマを、ギリギリのところで、

シリアスな時代劇調をキープしたとこも、画期的やったかと思います。

7
ラストロールで流れる、Mr.Chirdrenミスチルによる、主題歌「足音 ~Be Strong」の、

熱血入り熱唱ぶりも、本作をメッチャ熱いもんにしとりました。

2016年1月22日 (金)

アメリカ映画「エージェント・ウルトラ」

1_2
スパイ映画の新次元で魅せる娯楽作

新世代のハリウッド・スターが共演

http://agent-ultra.jp

1月23日のサタデーから、KADOKAWAの配給によりまして、新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマやらで、ロードショー。

本作は、2015年製作のアメリカ映画96分。「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2_2

ⒸAlan Markfield/Ⓒ2015 American Ultra, LLC. All Rights Reserved.

スパイ映画となると、人口に膾炙した映画では、「007」やら「ミッション・インポッシブル」やら「ボーン」やらの、各シリーズもんがござります。

本作もスパイものやけど、スパイが大々的に活躍するような映画とは、少しく違っておます。

その変型なカラクリぶりは、徐々に明らかになってゆきよりますが、

いずれにしても、スパイ映画の醍醐味となる、アクション・シーンは、メッチャ満載どして、しかも、フツーのアクションとは、大いに違っておます。

3_2
凶器・武器を持たない、ヤワなダメダメ男な主人公が、次々に相手を倒してゆくとゆう、ミラクル・アクションが、披露されてまいります。

さて、そんな主人公役に、「ソーシャル・ネットワーク」(2010年製作・アメリカ映画)などの、内籠もり系のインテリ系が似合う、ジェシー・アイゼンバーグ君が、ヤッてはります。

無表情でクールなアップが多く、トンデモ・アクションで魅せる、アクトぶりとのミスマッチが、妙にたまりまへん。

7_2
そして、彼の恋のお相手役には、クリステン・スチュワートのネーさん。

「トワイライト」シリーズで一時、ハリウッド女優の年間最高額ギャラを、獲得しはった彼女やけど、今は作品を選べる立場にあります。

ほんで、今作では、今まで見せたことのない、格闘バトル含め、激アクションをば披露しはりました。

「アクトレス」(2014年・フランス・弊ブログ分析済み)では演技派ぶりを、

で、本作ではアクションも、メッチャやりまっせ~ちゅう、幅の広さを見せつけはりまんねん。

4_2
本作は、ジェシーとクリステンの、バカップルのラブ・ストーリーみたいなカンジで始まるんやけど、

CIAのシーンが出てきてから、どうやら、CIAがジェシーを抹殺しようとするみたいやなと、なってまいりまして、

ほんで、コンビニ店員のジェシーが、2人組に突然のように襲われます。

けども、カップ麺の熱湯と、ナイフチックに使うスプーンだけで、一瞬にして撃退。

彼のミラクルぶりは、ココから始まります。

5_2
フライパンに弾丸を当てて、はね返らせて相手を撃ち抜くシーンなど、

「マトリックス」(1999年・アメリカ)みたいに、スローモーションで展開するアクトもあるんやけど、

フライパンに当たった時点で、弾のスピードは緩むんやないやろかとか、

イロんなツッコミも入れられて楽しい、アクション・シーンの連続に、目が点になること受け合いや。

クライマックスとなるコンビニ、ホームセンターでの対決シーンなんか、

これまでになかった、狭いエリアでのアクションぶり、その作りに唸らされますで~。

6_2
CIAから麻薬やらを打たれて尋問され、記憶喪失になった人間が、

CIA局員を監視員にして、地方都市に隔離されるとゆう実話(「MKウルトラ」とゆうCIAの手法)が、本作の根幹にあります。

記憶シーンのフラッシュバックや、本人のナレーションやらで、そのあたりが伏線的に描かれとります。

その実態は、その被害に遭った者として、かつてはメル・ギブソン主演の「陰謀のセオリー」(1997年・アメリカ)やら、「ボーン」シリーズでも、描かれとったけど、

そんな被害者が、CIAの正式のスパイになるっちゅうような展開の映画は、初めてなんやないやろか。

そのプロセスを、アクション映画として描き抜いた本作。

ラストでは、そのミッションぶりが、アニメでも披露されまっせ。

ちゅうことで、MKなんちゃらは、横に置いといて、理屈抜きに楽しんでもらいたい逸品どした。

2016年1月21日 (木)

「MEMORIES メモリーズ 追憶の剣(つるぎ)」⇒韓国映画の今②

Photo_2
韓国時代劇の最新型を、提示する傑作

韓国四天王と、演技派女優と、アイドルたちの競演

http://www.memories-movie.com

1月23日のサタデーから、クロックワークスの配給で全国ロードショー。

本作は、2015年製作の韓国映画120分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2015 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

これまでに何度もゆうてきましたが、ラブ・ストーリーだけが、韓国・韓流やありまへん。

韓国ドラマや韓国映画の時代劇は、今や韓国内では、大きな潮流を築いておます。

ちゅうことで、韓国時代劇映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、ゆうてみますと…。

●ベスト⇒①本作②王の男(2005年製作)③スキャンダル(2003年)

●カルト⇒①王になった男(2012年・弊ブログ分析済み)②パイレーツ(2013年・分析済み)③群盗(2014年・分析済み)

2
●テレビドラマとカブる映画作品も、ケッコーある時代劇やけど、主に映画オリジナルを、メインに採り上げました。

また、第二次世界大戦やらの20世紀ものも、時代劇のイメージとは違うんで、外しとります。

さてはて、本作は、パク・フンシク監督が11年間も温めてきた、剣にまつわるアクション映画でおます。

それだけに、ワイヤー・アクションはモチ、練り込まれたアクション・シーンが、いっぱい盛り込まれておるんだす。

7
ベスト②③は、男たちの恋愛②、不倫系③とゆうように、時代劇的アクション・シーンは稀薄やけど、

本作やカルト②③は、アクション・シーンが満載。

特に、本作は時代劇にふさわしい、剣戟シーンがメインにあります。

韓国四天王の1人イ・ビョンホン主演作品どして、

同じく主演したカルト②の、王らしい大人しいぶりと比べて、激熱アクションをふんだんに披露してはります。

3
本作のキー・ワードは、復讐どす。

復讐映画多々あれど、韓国映画に限定して、マイ・ベスト・スリーをゆうと、

順不同で本作が1位、2位は「オールド・ボーイ」(2003年)、3位は「復讐者に憐れみを」(2002年)。

2位と3位は、復讐映画の名手、パク・チャヌク監督によるもので、現代もの。

韓国映画で、本作のような時代劇の復讐ものは、日本映画の仇討ちものほど、大量にはなく、珍しおすやろか。

8
親の仇を娘が、討とうとするとゆう、スタイルなんやけど、

実は、そこはストレートやなく、ネタバレせんように言うと、「オールド・ボーイ」的な屈曲型でおまして、唖然とさせるもんどす。

4
娘のオカン役で演技派のチョン・ドヨンが、イ・ビョンホンに対し、復讐すべきとこがあり、その復讐を娘が代理で、やったろかっちゅう構図でおます。

娘役のキム・ゴウンちゃん。

「グリーン・デスティニー」(2000年・アメリカ&中国合作)のチャン・ツィイーを思い出させるような、チャキチャキにして、元気はつらつな、スピードフルなアクションぶりで、魅せてくれはります。

5
また、チョン・ドヨンも初のアクションを、ひなげしの丘やらで披露。

しかも、盲目の設定での剣戟アクトでおまして、いやはや、「座頭市」並みの、見えてるんとちゃうのん、ちゅうような微細なアクトを見せはりまんねん。

2PMのイ・ジュノの、目立たないサポート・アクトぶりも良かったどす。

6
復讐の因となった過去シーンが、カットバック的やないけども、脱色映像を含めて、タイトに繰り出されます。

それらも含めて、悲劇のクライマックスへと、盛り上げてゆかはります。

シェークスピア悲劇の影響も垣間見える、復讐時代劇の傑作でした。

2016年1月20日 (水)

「ビューティー・インサイド」⇒韓国映画の今①

Photo
韓国ラブ・ストーリー映画の、進化・新次元を示す快作

ハン・ヒョジュのネーさんが、好感を呼ぶ逸品

http://gaga.ne.jp/beautyinside

1月22日のフライデーから、ギャガ・プラスの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は2015年製作の、韓国映画127分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2015 NEXT ENTERTAINMENT WORLD. All Rights Reserved.

韓国のラブ・ストーリーと聞いて、みなはんの思い出されるもんてゆうたら、どないですか。

韓流ドラマ「冬のソナタ」や、日本で最も売れた韓国映画「私の頭の中の消しゴム」(2004年製作)などから、

韓国ものは泣けるラブ・ストーリー、加えて記憶喪失や、アルツハイマーやらの病系を、ポイントにしたりしてるんが、多いんとちゃうやろかと、思てはるかもしれまへん。

6
また、ラブコメなんぞも、テレビでも映画でも大量に作られておまして、韓国の恋愛ドラマや映画が、もはやパターン化してるんやないかと思われがちどす。

でもしか、時おり、おっと、これはちょっと違うんやないのん、ちゅうもんが出てまいっとります。

ほんでもって、本作は、カフカの小説「変身」型を、ヒントにしたように思われるんやけど、設定ラブ・ストーリーの究極タイプで、魅せてくれはりますねん。

2
毎日、老若男女問わずの姿に、変身する男。ナンチューのがいとる設定どして、

しかも、かつて変身した人間になることはなく、生きた日数の数だけの人間に、なるとゆうことでおます。

何で毎日変わるんかは、説得力ある形では説明されへんので、このあたりに、少し戸惑いがあるやもしれまへんが、

この大胆果敢さが、ある意味では、挑戦的でもあるやろか。

4
そんな人間と、ハン・ヒョジュのネーさんの恋が描かれます。

日替わり人間は出番は少しやけど、ハン・ヒョジュはズーッと出てはるんで、彼女のための映画のようにも見えます。

けども、相手方はイケメンの時もあるけど、老人・不細工・コドモに女と、イロイロあって、

多様な関わり具合が、戸惑いもあるやろけど、大いなる見どころやとゆうてもエエかも。

上野樹里ネーさんも、そんな1人として、チョイ出演してはります。

7_3
主人公がイケメンの時に、ハン・ヒョジュと知り合い、24時間タイムリミットな恋に落ち…。

ほんで、真相を知った時、彼女は一体どないするんか。

実は、そこからが、本作がより面白くなるとこでおまして、最後まで真相をヒロインに、隠しとくようなタイプの映画ではありまへん。

5
いわゆる、これまでにも多数出てきた、ハンデある恋愛やろか。

韓国映画なら、健常者と身障者との恋「オアシス」(2002年)なんぞがありましたが、「オアシス」の重さに比して、こちらは軽快で明るいわ。

まあ、本作も韓国映画に多い病系の、変種・空想科学型やとゆうたら、そうかもしれへんけど、それでも、韓国映画の新型をば、示しているとゆうても、エエかと思います。

それは多分、泣きもなく、ラブコメ的コミカルにも流れず、変型やのに、正統派ラブ・ストーリーへと、着地していく醍醐味あたりからくるんやろか。

3
とにかく、明るいトーンで統一された、爽快な作品。モノクロ・シーンや、脱色シーンさえも、妙に心地いい。

ラストロール前に流れる、エレクトロ・ポップの快感。そして、ラストロールと共に、さりげなく明かされるサプライズ。

最後の最後まで、ブレのない快作でおました。

2016年1月19日 (火)

フランス映画の傑作「あの頃エッフェル塔の下で」

1
気紛れフレンチ・ラブ・ストーリーの、久々の傑作が登場

アルノー・デプレシャン監督の最高傑作かも

http://www.cetera.co.jp/eiffel

1月16日からテアトル梅田で上映中。その後、1月30日から京都シネマ、2月6日から神戸アートビレッジセンターやらで、全国順次の上映だす。

配給は、セテラ・インターナショナルはんどす。

本作は、2015年製作のフランス映画123分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2_2
ⒸJEAN-CLAUDE LOTHER - WHY NOT PRODUCTIONS

古今東西ラブ・ストーリーは、映画の一大ジャンルを築く、名作の宝庫でおます。

でもしか、各国で作られる恋愛映画には、ビミョーに違うとこがござります。

ザックリ言いますと、映画の中にいるみたいな、ウットリのハリウッド映画(但し名作には、2人が結ばれるような映画は、あんましありまへん)、

男女のビミョーな機微を描く、アジア映画やユーロ映画、

失恋もの・泣ける純愛ものもあるんやけど、ストレートな恋愛成就ものが、意外と多い日本映画など…。

6_2
ほんでもって、本作はフランス映画でおます。

そこで、フレンチ・ラブ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思いつくままに披露してみますと…。

風の吹くまま気ままの、思いつくままなんで、もっとエエのんがあれば、教えてくだされ。

●ベスト⇒①天井桟敷の人々(1944年製作)②アメリ(2001年)③男と女(1966年)

●カルト⇒①本作②突然炎のごとく(1961年)③アデル、ブルーは熱い色(2013年・弊ブログ分析済み)

5_2
●アメリカとは違い、フランスの恋愛映画には、気紛れ複雑なキモチを反映した作品が、総じて多いように思いました。

ハリウッドの名作と対抗できるような、ストレート系をベストにもってきたけど、

カルトは変型ラブがポイントだす。

男2人女1人の三角関係を、同志的に描いたカルト②、

女同士の恋愛を、コンテンポラリーに描いたカルト③。

3_2

そして、本作は、まことしやかな恋愛を装いつつ、お互いに浮気したりしての、異色の展開が繰り広げられます。

しかも、現代から過去を振り返る前半部では、主人公(大人の時は、マチュー・アマルリック)の青春時代が、

尋問的に問い詰められる中で、スパイ・サスペンス的な展開で描かれて、

えーっ、コレがどう恋愛的な絡みと、リンクするんやろかと、ハラドキで見とりました。

7_2
ある人物のソ連からの、自由世界への亡命に、自分の名前を貸した主人公。

そのサスペンスなドラマと、彼女との気紛れ・波乱に満ちた恋愛経過が、ミスマッチな感覚で、描かれ続けてゆくんやけど、

実は、最後のサプライズで、ああ、そういうことやったんやと、納得できるようになっとります。

青春回顧ラブ・ストーリーとして、

そういうとこやら、2人の浮気部を含め、いろんなとこで、おいおい、そんな…ちゅうようなとこが多々あります。

8_2
実は、そういうとこにこそ、本作ラブ・ストーリーの面白いとこがありまんねん。

ヌード・シーンも平然とやってまう、ルー・ロワ=ルコリネちゃんの、シレーッとした、意図しない自然体。

「勝手にしやがれ」(1959年・フランス)の、ジーン・セバーグやらと、カブッてきよりました。

4_3
アルノー・デプレシャン監督の最新作だす。

昨年は、アメリカを舞台にした、友情映画の快作「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」(弊ブログ分析済み)が年頭に公開され、

ほんで続いて年末に、東京を皮切りに本作が公開されました。

友情映画と恋愛映画とゆう、どちらかとゆうたら、真逆なテーマをやってもうたワケだす。

ほんでもって、どっちもオモロイ。けども、ボク的には、本作の方が上やと見ました。

「そして僕は恋をする」(1996年・フランス)を抜いて、監督の最高傑作やと思います。

ちゅうことで、映画の中にいるみたいは、叶わへんかもしれへんけども、恋愛映画のシブミが、ケッコー味わえる作品でおました。

2016年1月18日 (月)

ハリウッド・エンタ「白鯨との闘い」

2
海洋サバイバル映画の、一大エンターテインメントや~

傑作「白鯨」の、ベースになった実話映画

http://www.hakugeimovie.jp

1月16日のサタデーから、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、2D・3D同時公開の、全国ロードショー中どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Photo
Ⓒ2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND PATPAC DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

弊ブログの年末の、マイ月間ベストに選んだ1本だす。

その時にも言いましたが、今アカデミー賞では、部門賞を入れても、全くノミネートされへんかった作品。

実は、そういう作品にこそ、ハリウッド・エンタの、ハリウッド・エンタらしさがあります。

3
同じワーナー作品でも、アカデミーでは、年末のマイ年間ベストテンにも入れた「マッドマックス 怒りのデスロード」(2015年製作・以下の引用は全てアメリカ映画・弊ブログ分析済み)が、

作品賞を含め大量ノミニー。そちらも、ハリウッド・エンタの凄みを示した傑作やけど、

でもしか、本作もまた、「マッドマックス」に負けず劣らずの作品やと、ボクは見ました。

たぶん、アカデミー会員たちに、ついつい見落とされてしもたようなとこが、あったんやないやろか。

9
アカデミーでは、「ビューティフル・マインド」(2001年)で作品賞・監督賞をゲットしてはる、ロン・ハワード監督の新作だす。

監督はもともと、ハリウッド・エンタを代表する監督はん。

彼の娯楽作品の、マイ・ベスト・スリーは、火災救出映画「タワーリング・インフェルノ」(1974年)へ、オマージュを捧げた「バックドラフト」(1991年)、

ベストセラー原作のサスペンス「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)、ほんで本作でおます。

4
中でも、本作は、海洋サバイバル・海洋パニック・海洋航海ロードムービーやらの、全てがブレンドされた、一大エンタになっとります。

「ジョーズ」(1975年)の怖さもあるし、「タイタニック」(1997年)のハラドキの、サバイバルもありま。

ほんでもって、その作りや構成が、従来のその種の作品とは、一線を画しておます。

7
映画化されたアメリカの文学小説。例えば、「老人と海」とか「白鯨」などの、海の生き物との対決。

本作は「白鯨」のベースになった、実話の映画化なんどす。

「白鯨」を書いた作家メルヴィルが、実話で生き残った者に取材するとゆう、

「白鯨」のメイキング過程を、カットバックの芯にして、その過去のエピソードが、壮大に描かれるんでおますよ。

5
そやから、「白鯨」(1956年)の単なる、リメイクやリブートではなく、本編で作者もゆうとるけど、

取材したものを、そのまま小説にはしないとゆう通り、洗練された作りの小説「白鯨」とは違い、

全てがさらけ出されるんで、そらもー、モノゴッツーなワイルドなエンタになっとるんどすえ。

小説メイキング仕様ちゅうんも、珍しおますしな。

6
さてはて、クジラとの対決シーン。

確かにメインにはあるけども、それ以上に、群像劇的にも、サバイバルぶりが、モノゴッツー凄いわ。

一時孤島への漂着もあるし、イカダにまでなってしもても、生き残ろうとする執念ぶりに、目が点になってまいました。

8
「不屈の男 アンブロークン」(弊ブログ後日分析)とも通じる作品。

いずれにしても、ハリウッド・エンタの豪快なチカラ・ワザを、示した作品だす。

公開中なんで、今すぐに、映画館へ、レッツラ・ゴーでおます。

2016年1月17日 (日)

「の・ようなもの のようなもの」⇒日曜邦画劇場

Photo_2
コメディアン松山ケンイチ&コメディエンヌ北川景子の共演

人情あるノホホンと、チャキチャキがシンクロ

http://www.no-younamono.jp

1月16日の土曜日から、松竹の配給で、全国ロードショー中だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2Ⓒ2016「の・ようなもの のようなもの」製作委員会

森田芳光監督の「の・ようなもの」(1981年)の、時を経た、2014年舞台の続編ものでおます。

ところが、前作の日活ロマンポルノの、マトモ調プログラム・ピクチャー的は、完全封鎖され、松竹系の人情喜劇へと転換されておます。

前作の秋吉久美子のような、セクシー・シンボルがいない。けども、その代わりは、DAIGOと結婚した北川景子ネーさん、ちゅうことになるんやろか。

2_2
いやはや、でもしか、秋吉はんは、見習い落語家(伊藤克信)が通う、ソープ嬢役やったけど、北川景子は師匠(尾藤イサオ)の娘はん。

そんな消息不明中の伊藤克信を、記念公演に出させるべく、師匠が弟子の松山ケンイチに、伊藤の行方を探させるとゆう前半。

ほんで、見つけてからの後半。ちゅうストーリー展開になってまいります。

3_2
落語映画、東京ロケ映画などの、かつてない新味をば、入れつつの展開どす。

東京ロケでも谷中ロケは珍しいし、落語ものとしても、落語披露をクライマックスに、もってゆくんはアタリキやけど、

その流れやプロセスは、落語ものを除いても、異質かつオリジンあるもんになっとります。

4_2
弟子役の松山ケンイチの、ノホホンな、どうでもエエ節と、出しゃばり癖チャキチャキの北川景子。

さらに、メインとなる伊藤克信との掛け合いなど、かつての日本映画の喜劇的プログラム・ピクチャー節が、そこはかとなく薫っておます。

5_2
酒飲みシーンの多さ、ロングショットの多さ、前作に出てた人たちの元気ぶり、

ピアノをメインに、ほのぼのなオーケストラを使ったサントラなど、細部のこまやかな作りにも、注目してもらいたいポインツやろか。

7_2
シリーズ化されても、決しておかしくない作品でおます。

プログラム・ピクチャーは今や、アニメが主流になっとるけど、

松竹系の「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」ナンチューたら、

モノゴッツー・娯楽的ハードルの、高いシリーズもんやけど、

それらの名作に劣らずに、撮り続ける要素が、本作にはあります。

6_2

例えば、毎回違った落語をポイントにして、

松山ケンイチと、北川景子との愛、落語の大御所・ふるつわものとの関係、ほんで、さらなる新キャラを登場させて、物語をいつまでも回転させることは、大いに可能だす。

2パターンでカットバック的に披露される、クライマックスの落語シーンが、かなりと際立っていただけに、

ぜひともシリーズ化を期待したいと、願いたい快作どした。

2016年1月15日 (金)

韓国映画「殺されたミンジュ」

Photo

復讐映画の集団系を描いた韓国映画

キム・ギドク監督のバイオレンス映画の極北

http://www.u-picc.com/one-on-one/

1月16日の土曜日から、ヒューマントラストシネマ有楽町やらで、1月23日からシネ・リーブル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は「R-18」指定の映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2014 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

復讐映画と言えば、これまでに多数出てきとります。

かつても、マイ・ベスト・カルトをやったけど、

シリーズ化もされた「狼よ、さらば」(1974年製作・アメリカ映画)などの、今に残る快作もあるし、

「キル・ビル」(2003年・アメリカ)なんぞのヒット作・傑作もあります。

そして、韓国映画に限定しますれば、ある意味では、復讐映画の宝庫でもあります。

復讐とリベンジ(スポーツや格闘技など、殺しに関わらないものも多いかも)。

同じ意味やけど、復讐と表記する方が、残虐度は高いやろか。

2
そこで、韓国映画に限定しての、復讐映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を、披露しますと…。

①本作②オールド・ボーイ(2003年)③サマリア(2004年)④復讐者に憐れみを(2002年)⑤悪魔は誰だ(2013年)

3
●殺された家族への復讐とゆうのが、復讐映画では最も多いポイントでおます。

中でも、我が息子・娘はんを殺された、オトン・オカンの執念は、妻・夫を殺されたタイプの復讐ものより、多いかも。

但し、どちらの場合も、韓国映画の場合は、かなりエグイ。

そのエグサゆえに、R指定になっとるんやけど、本作はその復讐が、7人組になっとるだけに、ヤル・ヤラレ度のエグサが、イロイロあるんやけど…。

4
上からの命令で、何人かの軍人たちが、街で1人の娘を殺すとゆうシーンから、本作は始まります。

ほんで、場面は転換し、娘を殺した男の1人へと転換。

かなりとゴーマンな男の姿勢に、見ていて気分不快になりがちやけど、

彼が拉致され、お仕置きグループの7人に、えらい拷問を受けはりまして…。

5
ほんでもって、次々に、いろんな人たちが、兵士や警察にコスプレした、謎の7人組に拉致され、拷問されていかはりまんねん。

ヤラレル彼らは犯罪を犯した者、

ほんで、拷問する者たちは、少しでも復讐の因が、ある者たちどす。

6
やがて、復讐側やけど、こんな残虐ぶりには耐えられへんと、1人、2人、3人と抜けて、4人くらいになり、

それで、犯罪者たちのナンバーワン・ツーを、殺してゆこうとしはります。

7
一方で、復讐側にヤラレル側から、最初にヤラれた男が、イロイロ復讐側を牽制・警戒し、

その実態を把握し、ボスを特定して、そのボスと向かい合わはりまんねん。

8
キム・ギドク監督の新作。

監督てゆうたら、インディーズかもしれへんけど、オトンが娘の復讐をする③で、ベルリンで監督賞やらをゲットし、

韓国の監督では、世界三大映画祭(カンヌ・ベルリン・ベネチア)で、最も賞を受賞してはる監督はんでおます。

9
渋いバイオレンス・アクションてゆうたら、どう渋いねんて、ツッコまれそうやけど、

監督的には、チームで悪に向かうちゅう、初のバイオレンス・アクション。

でもしか、その復讐組の正義が、悪に反転する時。

そのビミョーなところを、捉えてはる映画でおます。

勧善懲悪を、ある意味で裏返した怪作。

監督らしい変形ひねくりぶりが、大いに発揮された作品どして、じっくりと対峙して見てもらいたい1本でおました。

2016年1月13日 (水)

イギリス&フランス&ベルギー合作「フランス組曲」

1
英語とドイツ語による、フランス映画でおます

ナチもの映画で、「ロミオ&ジュリエット」的ラブ・ストーリーやなんて…

http://www.francekumikyoku.com

1月8日のフライデーから、ロングライドの配給で、TOHOシネマズ シャンテ、大阪ステーションシティシネマやらで、ロードショー中でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2014 SUITE DISTRIBUTION LIMITED

ナチもの映画ナンチューたら、映画の1ジャンルとゆうてもエエくらい、モノゴッツーなタイトル数がござります。

しかも、そんなナチものも、細かく見てみると、いくつかの枝分かれしたもんがあります。

戦争映画、ヒトラーもの、収容所もの、逃亡もの、ほんで、ラブ・ストーリーやら。

3
でもって、本作は、ナチ兵士と、ナチ支配下のフランス娘との、時代に鑑みて抑制的に描かれる、ラブ・ストーリーでおます。

いわば、立場の違う者同士の、恋愛とゆう意味では、シェークスピアの「ロミオ&ジュリエット」なんぞが、想起されるんやけど、

「ロミ・ジュリ」みたいに、本格的ラブ・ドラマ・スタイルやなく、キスから始まる激愛シーンもあるけども、

本作は、ホンマに2人は、愛し合っていたんかいなっちゅう、控えめな作りになっとります。

4
物語としては、シンプル。

要するに、ナチがフランスを支配した。

フランスの個人の邸宅に、ナチ兵士が寝泊まりするとことして、入ってきて、ほんで、その家族の娘と、恋に陥るとゆうスタイル。

フランス映画のナチものは、収容所ものもあるけども、こおゆう恋愛ものは、ナチものでもあんましなくて、貴重やし、しかも、ハラドキで見られるやもしれまへん。

5
ヒロイン役の、ミシェル・ウィリアムズのネーさん。

マリリン・モンロー役の、ハデさとは真逆の、しっとり控えめの抑制された演技を披露。

ほんで、彼女のオカン役の、クリスティン・スコット・トーマス。いやはや、いつもながらに思うけど、この人の攻撃的な演技は、強烈。

「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年・アメリカ)で示した、往年のハリウッド恋愛映画の王道演技を、涼しい顔でやらはるかと思いきや、

こおゆう演技も、かなりとディープな、インパクトがござります。

6
ほんで、兵士役は、イケメン男優、ベルギーのマティアス・スーナールツ。

兵士になる前は、ピアノ弾きでおまして、ヒロインの家で、映画のタイトルにもなっとる「フランス組曲」とゆう、オリジナル・ナンバーを披露しやはるとこなんか、

「戦場のピアニスト」(2002年・ポーランド&フランス)なんぞと、カブルとこもありまんねん。

7
田園への爆撃シーンなど、戦争映画的アクション。

2人のラブ・ストーリーの行方も含め、スリリングかつサスペンスあるシーンの造形ぶりなど、

ソツのない作りが、娯楽映画としても、充分に機能しとる作品やったです。

8
アウシュヴィッツで殺されてもうた、女流作家イレーヌ・ネミロフスキーの小説が原作。

でもしか、その未完の作品は、実は60年もの間、埋もれておりました。

遺族は、残された小説が、そんなに貴重なものとは思えず、読まずに封印してはったんどす。

それが、公になって、アラマ・スゴイわとなり、映画化へ。

10
バイオリンによるスリリングなモノクロの冒頭部と、ラストロールでは、原作者の手書きの原稿が静かに披露され、

その静と動の対照ぶりもまた、印象に残りました。

ナチもの映画の新機軸。

間違いなく、傑作です。

2016年1月11日 (月)

フランス映画「ヴィオレット-ある作家の肖像-」

1
女流作家実話映画の、歴代最高傑作

女流エロ文学の嚆矢の、人間性に迫るヒューマン映画

http://www.moviola.jp/violette

1月9日のサタデーから、ムヴィオラの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリの上映中だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⒸTS PRODUCTIONS - 2013

主に実話が多いんやけど、作家・小説家の、ヒューマニズム映画どす。

そんな映画で、女流に限定しての、マイ・ベスト・スリーをば言いますと…。

①本作②サルトルとボヴォワール 哲学と愛(2006年製作・フランス映画)③サガン-悲しみよ こんにちは-(2008年・フランス)

3
●女流作家の映画ちゅうのは、ボクチンはあんまし見とりまへん。

日本映画やったら、樋口一葉とか、清少納言などの映画もありましたけども、

選んだんは、全てがフランスの女流作家もんになってしまいました。

ほかにも、マルグリット・デュラスの実話ものも、印象的どしたが、それもフランスでおます。

4
③は日本でもベストセラーとなった、サガンの実話もの。

②は①でも、重要人物として出てきはる、ボヴォワールのお話で、哲学者サルトルとの愛を綴った作品。

一方、ボヴォワールは、レズビアン的なとこもあり、

彼女が発掘した、本作の女流作家ヴィオレットとのエピソードは、②の裏話としても見られます。

5
性を描いた女流作家として、本作のヒロイン・ヴィオレットは、ボヴォワール「第二の性」以上に、スゴイのんを、次々に発表してはりました。

そこんとこを、ボヴォワールとの繋がりで披露しはるのは、ある意味では、挑戦的な作りになっとります。

2人のレズっぽいキズナは、本作の大いなる見どころやと申せましょうか。

6
さてはて、作家映画の実話もので、小説を創り出すメイキングものとしては、本作はかつてない、ディテールの細やかさに目が行きました。

ヒロイン・ヴィオレットは、野外にキャンプを張って、小説を書いてゆくとこなんか、いやはや、スゴイわ。

彼女のナレーションにも意味深がありま。

ほんでもって、そんなヒロイン役のエマニュエル・ドゥヴォスのネーさんの、ヌードも披露する演技派ぶりにも、注目だす。

7
ヒロインが数奇なカンジで、作家として有名になってゆくとこは、サクセスとまではいかへんかもしれへんけど、ヒロイン映画としてのヒューマン映画として、渋い仕上げになっとりました。

「戦艦ポチョムキン」(1925年・ソ連)なんかが出てくるモノクロ・シーン。

当時の時代に見合った、シックな色使いなど、映画的な作りを意識した作りは、メッチャな好感やったです。

ちゅうことで、映画ファンに遡求する傑作。

2016年1月10日 (日)

「シーズンズ 2万年の地球旅行」

1
ネイチャー動物ドキュの、地球史的系譜を辿る、かつてない1本

鶴瓶と木村文乃の、交互ナレーションもオモロイわ~

http://gaga.ne.jp/seasons/

1月15日のフライデーから、ギャガの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2015 Galatee Films - Pathe Production - France 2 CinEma - Pandora Film - Invest Image 3 - Phone - Alpes Cinema - Winds - Pierre et Vacances

洋画のネイチャー動物・生き物ドキュの、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、まずは披露いたしますと…。

①本作②WATARIDORI(2001年製作・フランス映画・以下は全てフランス映画どす)③ミクロコスモス(1996年)④オーシャンズ(2009年)⑤沈黙の世界(1956年)

●イギリスのテレビ局BBCも、この種のドキュを作ってはるけど、

圧倒的にフランス映画に、軍配が上がると、ボクは思います。

3
しかも、カンヌ国際映画祭で最高賞をゲットした⑤以外は、全てジャック・ペラン監督による作品だす。

ペランはんは、映画史に残る名作「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年・イタリア&フランス)で、重要人物を演じた、俳優としての顔もあるんやけど、

ネイチャー生き物ドキュの、今や権威的存在であります。

昆虫の世界③、渡り鳥の世界②、⑤へのオマージュもある、クジラなど海の生き物を採り上げた④など、

まさに自由自在、多彩に幅広く採り上げはるんだす。

4
そして、本作は、監督のドキュの集大成とも言える、大傑作になっとります。

氷河期から1~2万年の、ベクトルと系譜で、動物と森の関係を捉えた、壮大な作品でおます。

モチ、そんな昔の風景が、今あるハズはないんやけど、CGなのか、

それとも、それらしい風景を求めて、世界中を探しまくったんかは、分からへんけど、

いずれにしても、不思議快感、違和感のない、スムーズな作りになっとるんどすえ。

5
氷河期、森、そして、動物たちとの共生。

やがて、人間の伐採やら戦争が入り、田園と山になっていく過程、何度も巡る四季やらが、説得力ある丁寧な描写で、描かれてまいります。

モチ、森の動物たちの弱肉強食のドラマが、イロイロ展開しよりまっせ。

馬とオオカミ、鹿、山猫、キツネ、イノシシ、鳥や昆虫まで、まさに、集大成のノリだす。

6
さてはて、日本版ナレーションは、関西弁の笑福亭鶴瓶はんと、標準語の木村文乃ネーさんが、交互に担当。

鶴瓶はんのユーモア節と、文乃ネーさんの穏やかトーンが、絶妙にブレンドされておました。

そして、ここぞとゆう時に繰り出される、オーケストラ・サントラが、壮大な物語を盛り上げていかはります。

7
動物ドキュは、ディズニー・アニメと同じく、ファミリー映画やとも、ボクは思とります。

そやから、本作は、ファミリーみんなで見に行って、当然楽しめる作品でおましょう。

コドモさんも、ナレーションの解説が分からずとも、動物たちの動きだけで、メッチャ楽しめるハズ。

ちゅうことで、動物ドキュの、傑作・娯楽作でおました。

2016年1月 8日 (金)

「人生の約束」⇒金曜日本映画劇場

1
竹野内豊主演の、ヒロイズム映画の快作

富山県ロケ映画の、21世紀の最高傑作

http://www.jinsei-no-yakusoku.jp

1月9日の土曜日から、東宝の配給で全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2_2
Ⓒ2016「人生の約束」製作委員会

地方ロケーション映画については、今年も「いしゃ先生」(1月4日付け)のとこやらで書いとりますが、

今や日本映画の、一大ジャンルになっとると、ゆうてもエエかもしれまへん。

四季折々の日本の風景を始め、

各地の物産・イベント・お祭りをポイントにしたり、観光誘致・町おこしを入れたりしてるけど、それはあくまでサブ・ポイントどして、

人間のキズナやヒューマニズムに、着地する感動作はいっぱいありまして、本作もそんな1作になっとります。

3_2
富山県ロケ映画どす。

富山ロケちゅうたら、かつては、名作「黒部の太陽」(1968年製作)やら、戦中の疎開時代の「少年時代」(1990年)やらがありましたが、

地方の現代を描く点において、21世紀になっても、続々と登場しとります。

共に夫妻映画の「死にゆく妻との旅路」(2010年・弊ブログ分析済み)、「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」(2011年・分析済み)、

学園青春ラブ・ストーリー「アオハライド」(2014年・分析済み)など、ジャンルも多彩。

ほんで、本作は、友情をポイントにしたキズナを含む、竹野内豊主演の、ヒューマン映画となっておます。

4_2
かつて共同経営者だった男の訃報を聞き、竹野内豊は秘書の優香と共に、東京から富山県新湊へ、専属タクシーで向かいます。

けども、現地では、江口洋介やらの苦言に、遭ったりしはります。

でもしか、死んだ男が人生最後にやりたかったことを知り、自らがそれをやろうとしはります。

11
そこへ、経営する会社の危機的状況が入って、自らの進退が問われたり、

富山の地元の人たちとの、確執ややり取りがあったりして、とゆうストーリー進行具合でおます。

富山新湊の祭りの行方と、東京の経営する会社の進退問題が、奇妙にもミスマッチなカンジがあるけども、

このあたりをば、剛腕とも言える演出・脚本展開で、つなげていかはります。注目してくだされませ。

6_2
竹野内豊と江口洋介の柔と剛の演技合戦。

キズナとつながりを、いみじくも口にする、西田敏行はんのシブミ。

竹野内豊と、死んだ男の遺児・娘はん(高橋ひかる)とのやり取り。

刑事役のビートたけし、お祭り関係で西田敏行と敵対関係の柄本明はん、誠実な役の優香や松坂桃季など、

演技陣も、多彩な顔ぶれだす。

7
みこし担ぎのお祭りシーンは、本作のハイライト・シーンでおます。

例えば、「眉山」(2007年)やらとは違い、

主人公が祭りを、ストレートに体現するパターンどして、熱気具合をゆうたら、圧倒的に上どすえ。

10
テレビドラマの巨匠、石橋冠はん79歳の、初の映画監督作品や。

「池中玄太」や「新宿鮫」や松本清張原作ものなんかは、ボクもテレビで見ましたが、

それらのドラマで感じたヒューマニズムが、初の映画監督作品の中で、開花したようなカンジを持ちました。

9
もっと早く映画を撮ってほしかったと思いますが、まだまだこれからも作れるハズなんで、

次作にも期待したいと思える、人間ドラマ映画どした。

2016年1月 7日 (木)

「ブリッジ・オブ・スパイ」⇒スピルバーグの新作

1_2
スティーヴン・スピルバーグと、トム・ハンクスと、ジョエル&イーサンのコーエン兄弟のコラボレート

スパイ映画の裏ストーリーを見せる、人間ドラマ映画

http://www.foxmovies-jp.com/bridgeofspy/

1月8日のフライデーから、20世紀フォックス映画の配給によりまして、全国ロードショー。

本作は2015年製作のアメリカ映画142分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

3
Ⓒ2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

スパイ映画ちゅうたら、「007」や「ミッション・インポッシブル」や「ボーン」シリーズみたいに、

みなはんは、アクションバリバリのもんをば、想像しやはるでおましょう。

ところがどっこい、本作はアクションものやなく、実話をベースにした、渋~いスパイもんでおます。

スパイの人間性に迫るだけやなく、スパイの弁護をする主人公がいて、彼のヒューマニズム映画にもなっとります。

主演はトム・ハンクスはん。

ほんでもって、監督はんはスピルバーグや。

スピルバーグ&ハンクスの作品では、映画史に残る戦争映画「プライベート・ライアン」(1998年製作・アメリカ映画)やらがあります。

2
ほんで、昔から言われとるけども、

スピルバーグは、アカデミー賞狙いなマジな作品と、エンタに徹した娯楽作を描き分けるちゅう、二面性をば持ってはります。

ある意味で、二重人格なサイコな監督や。

ほんで、本作はどっちに入るねんちゅうたら、モチ、マジな方だす。

しかも、アカデミーで作品賞も監督賞も脚本賞ももろてはる、ジョエル・コーエン、イーサン・コーエンの兄弟が、脚本を担当しはりましたんで、

スピルバーグ的ヒューマニズムと、コーエンの変形ヒューマニズムが、絶妙にブレンディーされた作品となりました。

6
1957年から1962年までの、米ソ東西冷戦時代のお話でおます。

アメリカにいとるソ連のスパイを、逮捕するまでが、まずは詳細に描かれます。

ほんで、アメリカ当局に捕まり、スパイを弁護する弁護士として、トム・ハンクスが起用されましてな、

でもしか、ソ連のスパイを弁護するとは何ぞやと、ハンクスはアメリカ国民から嫌われ、

時に自宅に、嫌がらせまでありましてな、それでも、弁護し続けはりまんねん。

一方で、ソ連の空撮をしとったアメリカの若者が、ソ連から撃墜されてもうて、向こうの手に落ちてしもた。

ほんで、この2人の交換を画すべく、政府の密命を帯びてでんな、ハンクスはんが密かに、ベルリンへ出動でおま。

4
アクション・シーンは、空撮する飛行機の撃墜シーンなどがあるけども、

あくまで、物語に合わせて、密かに潜行するように、トム・ハンクスと東ドイツ、ソ連のやり取りが行われてまいります。

まあ、ゆうてみたら、アメリカの奴隷問題を取り上げた「アミスタッド」(1997年・アメリカ)の、東西冷戦問題バージョンでおましょうか。

黒人奴隷とスパイとの間に、各キズナを、ほんのり結ぶ弁護士役とゆう設定は、一緒だす。

でもしか、「アミスタッド」はアカデミー賞では惨敗した。

5
そやから本作は、アカデミー賞ではどうやろか、ちゅう懸念がありま。

マジ映画なスピルバーグもんでも、獲る・獲れへんの格差が、ケッコーあったりしよります。

でもしか、抑制の効いた、トム・ハンクスのヒューマニズムぶりや、スパイの徹底したクールぶりなど、ハデハデやない静かな演出ぶりには、

本作に、ある種の品格をもたらしておます。

ボク的には、スパイ映画の人間ドラマとして、ツボにきた渋~い映画やったです。

2016年1月 6日 (水)

「クリムゾン・ピーク」⇒ゴシック・ミステリー

1
ヒッチコック「レベッカ」に通じる、館ミステリーどす

「パンズ・ラビリンス」以上に、怪し度が増した作り

http://www.CRIMSONPEAK.JP

1月8日のフライデーから、東宝東和の配給により、全国ロードショー。

本作は2015年製作のアメリカ映画119分。「R15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

3

ⒸUniversal Pictures.

本作は強烈な、ゴシック・ホラーチックなミステリー映画どす。

本作の監督、ギレルモ・デル・トロはんが、ゴシック・ロマンスなんてゆうてはりますが、ロマンスやなんて、とんでもありまへん。

確かに最初は、ロマンスの香りはあるんやけど、

ヒロイン(ミア・ワシコウスカ)が嫁入りして、屋敷に入ってからは、館ホラー的に、怖くなってきよります。

ほんで、スリルとサスペンスが加わって、ヒッチコック監督ばりのスゴサが、後半に用意されておるんだす。

2
ヒッチの「レベッカ」(1940年製作・アメリカ映画)や「サイコ」(1960年)やらの、恐ろしさある作品だす。

「レベッカ」の家政婦的な役は、本作では、ジェスカ・チャスティン演じる、ダンナ(トム・ヒドルストン)のおネーはん。

また、「サイコ」的には、二重人格的に姉弟共に、機能してはります。

ホラー的な怖さはあるけど、でもしか、本作の本質は、犯罪映画でおましょうか。

そやから、スリルとサスペンスに似合う、作品にもなっとるんだす。

4
姉と弟がメッチャ怪しい。

特に、姉役のジェスカ・ネーさんは、演技派ぶりらしく、ミステリーに見合った妖しの怪しの、絶妙の演技ぶりで魅せてくれはります。

また、ヒロインとの1対1対決シーンの、アクション演技も、堂に入ったものでおました。

刃物とスコップ持っての対決なんか、あんましないもんやろな。

片や、「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年・アメリカ)やらで、ヒロイン・アクションのキレを見せた、ミア・ワシコウスカちゃんもまた、

演技派ぶりを示す作品にも出てはるけど、本作では、サスペンス映画にピッタリの、災難に遭うヒロインの、必死のパッチ節を披露しやるねん。

例えば、オードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」(1967年・アメリカ)の、演技なんかにも、大げさかもしれへんけど、通じるもんがあるかもな。

ほんで、ダンナ役のトム・ヒドルストンの、血の気のないクールな演技にも注目どすえ。

5
セピア・トーンや薄グリーン、赤い粘土で覆われた大地など、色使いも、ゴシックものに、ピッタリな作りになっとります。

さてはて、ギレルモ・デル・トロ監督てゆうたら、異能な幻想世界を、CG・VFX・セット・メーキャップやらを駆使して、クリエイトしはるけど、

でもしか、本作は、かつてない現実的なリアル感をば、出してはります。

6
監督のマイ最高傑作「パンズ・ラビリンス」(2006年・スペイン&メキシコ&アメリカ)も、怪しい作品やったけど、

本作では、「パンズ…」の幻想・空想部を排し、ホラー・サスペンス・ミステリアス度を、グーンと増した作りでおます。

映画的仕上がりとしては、「パンズ…」の方が上かもしれへんけど、

ハラドキのある娯楽作品としては、こちらの方が、かなりと上でおましょう。

期待ドキドキを胸に、みんなで見に行ってくだされませ。

2016年1月 5日 (火)

「ヘリオス 赤い諜報戦」

1_2
核・放射能を巡る、スリリング&アクショナブルな争奪アクションどす

アジアン・スターたちが、多数集結したで~

http://www.helios.ayapro.ne.jp/

1月9日のサタデーから、東京・有楽町スバル座、新宿武蔵野館やらで、全国順グリのロードショー。

関西では、1月30日からシネ・リーブル梅田やらで上映だす。

本作は、2015年製作の中国映画118分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2_2

Ⓒ2015 Media Asia Film International Limited,Wanda Media Co.,Limited,Sun Entertainment Culture Limited,Sll-Metropole Organisation Limited All Rights Reserved.

香港・中国(最近は合作が多し)映画で、歴代アクション映画のマイ・ベスト&カルト・スリーは、かつて弊ブログで披露してしもうとりますが、

ここでは、21世紀製作作品に限定して、改めて、思い付くままにゆうてみますと…。

ベスト&カルト各順不同だす。

ちなみに、アクションの少ない刑事ものも入れました。

また、他国資本の入った映画も選択しとります。

但し、お家芸のストレートなカンフーものは、巧拙多様にあるんで、誠に勝手ながら外しとります。

3_2
●ベスト⇒①HERO(2002年製作・中国)②少林サッカー(2001年・香港)③インファナル・アフェア(2002年・香港)

●カルト⇒①本作②レッドクリフ(2008年・2009年・中国&香港&台湾&日本)③ドラゴン・ブレイド(後日分析します)

5_2
●ジェット・リーとトニー・レオンが、共演したベスト①や、日本でも大ヒットしたカルト②など、

中国の逸話や古典を、ベースにした娯楽時代劇が、カンフー的格闘ものとは違い、新たなる映画娯楽ジャンルをば、築いてはりますけども、

むしろカンフーをサッカーに、応用したベスト②に加え、

ハリウッドでリメイクされて、アカデミー賞作品賞をゲットした、その元ネタ刑事ものベスト③や、

ジャッキー・チェン主演最新作のカルト③、

ほんで本作など、ハリウッド・アクション的アクションなど、ハリウッド大作に、負けない作品がチョビチョビ登場しておます。

7
韓国・香港・マカオ・日本へと、アジアを広がる舞台設定やけど、

特に本作は、韓国俳優をキャスティングする、最近の中国・香港映画トレンドの、最たるところを示した作品となりました。

韓国からは、韓国テレビドラマ「トンイ」の王役で、韓国の国民的俳優にならはった、チ・ジニが、

アクション演技には似合わずとも、背広姿で敵からの攻撃に、必死のパッチで応戦しはります。

9
K-POP音楽グループ「SUPER JUNIOR」のチェ・シウォンは、

若手だけに、銃撃戦から、バイクとカーのチェイス・シーンまで、果敢にアクションしはりまんねんで。

8
主演級となる刑事役のニック・チョンも、激烈アクションを披露。

韓国の核兵器を盗んで、テロを起こさんとする組織「ヘリオス」の、チャン・チェンや、

女優ジャニス・マンとの対決シーンは、見どころの一つだす。

6_2
特に、スリムな殺人兵器な美女ジャニス・ネーさんに、ニック・チョンが、格闘で恥ずかしくも、やられてまうとこなんか、オオーッてきましたで。

このジャニス・マンは、最後までトコトンクールにアクションに徹してはりまして、個人的にメッチャ魅了されました。

4_2
韓国の核がヘリオスに盗まれ、それが香港で使われそうなんで、韓国のチ・ジニらが香港へ行き、刑事らの香港側と協力して、一度は核を奪回するものの…。

いずれにしても、スリリングでハラドキな展開が、終始持続しとりまして、最後まで目が離せまへんねん。

10
ほんで、ラストシークエンスは、何と京都ロケでおます。

出町柳行き電車の中で、披露される話には、ウーンとうなり…。

シリーズ化されそうな終わり方でおます。

何人かの登場人物は死ぬけど、でもしか、ジャニス・マンのネーさん始め、悪の奴らはピンピンしとります。

ちゅうことで、次は悪は、一掃されるんやろか、それとも…、お楽しみにしといておくんなまし。

2016年1月 4日 (月)

「いしゃ先生」⇒ヒューマン・ヒロイン日本映画

1
平山あやネーさん演じはる、女医者の実話映画どす

日本の美しき風景ある、山形ロケーション映画

http://ishasensei.com

1月9日の土曜日から、キャンターの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2015「いしゃ先生」製作委員会

有名な偉人伝とまではいかへんけども、

あまり知られざる日本の、実在した人たちの、ヒューマニズム・ドラマ映画ちゅうたら、ケッコーあります。

最近でゆうたら、ヒット中の「杉原千畝」(2015年製作・弊ブログ分析済み)とかやけど、

本作は、海外ロケをメインにした「杉原」とは違い、日本の地方ロケ映画でおます。

地方ロケ映画は、これまでにもモノゴッツーあったけど、

21世紀になって、地方ロケのフィルム・コミッションの充実により、今まで以上に活性化し、現在に到っておます。

ほんでもって、本作のロケ地は、山形県どす。

3
山形ロケ映画では、時代劇や、アカデミー賞外国語映画賞ゲットの「おくりびと」(2009年)やらが有名やけど、

本作のように、日本らしく四季折々を捉えた上での、ヒューマン映画は、そないありまへん。

しかも、実話のヒロイン映画でおます。

ヒロインの女医、志田周子(しだ・ちかこ)役には、ボク的には久々に見た、平山あやネーさんが扮してはります。

朝ドラのヒロインと比べても、好感度の高い、優しい穏和な演技ぶりは、決してヒケをとってはりまへんで。

6
時代はまずは、昭和10年から。あやネーが、故郷の無医村の診療所の、医者になる設定どして、島の診療所ものみたいに、

いろんな患者さんとの関わりとキズナが、群像劇タッチで展開してまいります。

また、島もののように、志を胸にした医者ヒーローが、やってきたで~ちゅうような、ノリやありまへん。

村長のオトンに頼まれて、仕方なく東京から故郷・山形へ帰ってきはったちゅう設定でんねん。しかも、3年間限定。

4
ところがどっこい、診療所を開いたけど、病院へ行くことに慣れてへんし、ビンボーでもある村人たちは、病気になっても一向に来はりまへん。

しばらく開店休業な状態が続いとったけど、やがて、あやネーは一軒一軒営業に、無料診療に出はります。

そして…とゆう、ハードルを設けて、それをどうクリアーし、人を診療して、キズナを結んでゆくのか。

実話とはいえ、実直ストレートな作りどして、あやネーの誠実な演技と共に、ハラドキで見られるようになっとるし、最後には感動がありま。

また、オトン役の榎木孝明はん、校長先生役の長谷川初範はんも、誠実な演技ぶり。

いい人ばかりが出過ぎてる嫌いは、あるかもしれへんけど、人情節的日本映画には、欠かせない演出でおます。

5
そして、山形各地の美しき日本の自然が、点綴されとります。

雪景色以外に、丘や緑ある風景、三日月が輝く夜空など、ロングショットを含めて、イロイロあります。

山形ロケで、本作と時代背景が似てる「おしん」(2014年)と、比べて見るんも、オツなもんやもしれまへんな。

2016年1月 3日 (日)

「ピンクとグレー」⇒お正月日本映画劇場

3
青春映画仕様から始まる、芸能界ミステリー映画

前半と後半で位相を変える作りは、メッチャハット・トリッキー

http://pinktogray.com/

1月9日の土曜日から、アスミック・エースの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2016「ピンクとグレー」製作委員会

ジャニーズの「NEWS」の加藤シゲアキが、書いた小説を原作に、同じくジャニーズの Hey! Say! JUMP

の中島裕翔(ゆうと)を主演にして、

「GO」(2001年製作)や「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)の行定勲監督が、

映画作家性トリッキーを発揮して、撮り上げた作品でおます。

純愛泣ける系の「セカチュウ」とは対をなす、心の暗黒やるせなさ系の「ピングレ」といったカンジどして、

行定監督の例えば、「今度は愛妻家」(2010年・弊ブログ分析済み)のような、ハットトリック設定が、

本作では、ミステリー的どんでん返し的インパクトで、最後まで魅せてくれはるようになっておました。

1
前半と後半をガラリと、変えた作りの映画なんやけど、そういう映画はケッコーあります。

例えば、ミステリー映画でゆうと、昨年公開の「イニシエーション・ラブ」(2015年・分析済み)とかがあるけども、

視点を変えたり、夢・幻想・空想と現実など、イロイロあります。

本作の場合、前半をカラー(タイトルの意味から見ると、ピンクの風船が、象徴的に使われておます)で、

後半をモノクロで、とゆう構成は、ある意味では表層的やけども、

ネタバレせんように慎重にゆうと、前半はフィクションで、後半は現実とゆうスタイル。

実話に即して描かれていたフィクションを、興味深く見続けていたら、

見始めて62分後に、ドカーンと覆されてしもて、現実のシビアな作品世界へと、なだれ込んでまいるのだす。

2
このグレーな世界では、フィクションと現実のギャップや、主人公のアイデンティティーの、モロさや喪失が、

見ていてもヒリヒリするくらいに、痛い作りになっとります。

さてはて、簡単にストーリーを言いますと、竹馬の友でもある、男2人女1人の3人(中島裕翔・菅田将暉=すだまさき・夏帆)が、大人になって東京で再会。

男2人は芸能事務所に入ったけど、中島の方が売れっ子になってしもて、2人の仲に、やがて亀裂が入ります。

それから5年後。夏帆と同棲してる菅田クンは、ヨリを戻しかけた中島に会いに行ったら、中島は何と首つり自殺をしてました。

映画は、この遺体発見シーンから、衝撃的に始まりま。

3人の青春友情物語、のように見えた前半の展開が、ここで急転回を見せるんだす。

4
菅田や夏帆の2面性(二重人格とはビミョーに違う)演技の、段差の驚き、

亡霊・中島の幻覚として登場する柳楽優弥、

攻撃的な「友だちのパパが好き」(2015年・分析済み)とは違った、おとなしい系の演技で魅せる、岸井ゆきのチャンなど、

演技陣の硬軟ソフト&ハードな絡み具合が、ドラマをよりスリリングに、回転させてまいります。

さらに、キモなとこでは、長回し撮影が、意図的に使われとります。

前半・後半のギャップを示すと共に、表裏・2面性あるドラマとして、緻密な効果があったやろかと思います。

いずれにしてもでんな、早くも2016年の、マイ・ベストテン級日本映画の登場でおました。

2016年1月 2日 (土)

「魔界戦記 雪の精と闇のクリスタル」

1
「アナと雪の女王」チックなヒロインと、

「スパイダーマン」的アメコミチックな主人公が、

恋に落ちたら…

「2016年 冬の香港中国エンターテイメント映画まつり」として、

1月2日のサタデーから、ツインの配給によりまして、東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショーでおます。

本作は、2015年製作の、中国・香港・アメリカ合作118分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2015 Desen International Media(Beijing)Co. Ltd, Desen International Media Group Co. Ltd

中国のファンタジーてゆうたら、みなはん、どんなんを想像されますやろか。

ファンタジーやないけど、「三国志」「水滸伝」「金瓶梅」なんぞの、中華古典の時代劇的スパイスも残しつつ、

本作は思い切って、ハリウッド的なとこをば、CG含めて大胆に取り込みはって、進化したとは申しませんが、中国・香港映画のイメージを、変えるようなもんにはなっとります。

5
天界・人間界・魔界とゆう、3界に分かれた設定ちゅうたら、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作(2001年~2003年製作・アメリカ映画)やらを思い出すけども、

本作もまた、「ロード…」のスタッフが、関わってはりまんねん。

さらに、物語を左右する布石とゆうか、ポイントとして、「魔晶石」(ましょうせき)とゆう、魔界の石が関わってくるとこもまた、「ロード…」を思い出してまいまんねん。

3
魔界から魔晶石を盗んだ、人間界の主人公(チェン・クン)が、

天界の仙人の指導の元、スパイダーマンみたいな、アメコミチックなキャラに変身しよります。

ほんで、重要な石を奪い返すべく、セクシーな踊り子たちに化けた妖魔たちが、魔界から人間界へとやってきはります。

そんな1人の美しき雪の妖魔(リー・ビンビン)は、主人公がかつて愛した、女の容姿をしておりました。ちゅうか、ホンマにかつて愛した妖魔やったんどす。

2
ちゅうことで、この2人が姿を変えて、アメコミチックなバトルを、したりするシーンがあるんやけど、

基本は2人は愛し合うちゅう方向性で、物語は転回してまいります。

リー・ビンビンのネーさん。メッチャな美人で、雪のフェアリーやから、「アナと雪の女王」(2014年・アメリカ)のヒロインと、ついオーバーラップさせてしもたり…。

そんなワケやから、つまり、「アナ雪」と「スパイダーマン」の恋、あるいは、美女と野獣(チェン・クンはイケメンやけど)チックでもありまんねん。

4
さてはて、「シックス・センス」(1999年・アメリカ)のブルース・ウィリス的てゆうたら、分かると思うけど、

そんな設定のチェン・クンと、ビンビンとの、逃避行を含む愛の行方は、本作の大いなる見どころどす。

ほんで、モチ、2人と人間界を揺るがす首謀者との、対決シーンのクライマックス。

個人的には、ヴィッキー・チャオの初監督作「So Young 過ぎ去りし青春に捧ぐ」(2013年・中国)に主演した、主人公の妹役ヤン・ズーシャンの、変わらぬチャキチャキぶりが、良かったどす。

6
CG始め、オレンジ、薄ブルーの色使いも巧みやったし、サントラ使いも同様だす。

胡弓を取り入れた、中国的弦楽オーケストラ・サントラに加え、

ラストロールでは、香港ポップス調の、男女ラブ・バラード・デュエットもあって、爽快どした。

2016年1月 1日 (金)

「タイガー・マウンテン 雪原の死闘」

2_4
ツイ・ハーク監督のハリウッド級アクション作品やー

300人対30人の「十三人の刺客」的対決がスゴイでー

みなはん、今年も弊ブログをよろしゅうお願いしま。

さてはて、本作は「2016冬の香港中国エンターテイメントまつり」として、1月2日のお正月の土曜日から、ツインの配給によりまして、

東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は2014年製作の中国映画142分だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

Ⓒ2014 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

ツイ・ハーク監督の最新作どす。

ちゅうことで、正月早々やけど、監督のベスト&カルト・スリー(各順不同)をば言いますと…。

●ベスト⇒①本作②セブンソード(2005年製作・中国&香港合作)③ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明(1991年・香港)

●カルト⇒①ノックオフ(1998年・アメリカ)②ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪(2013年・中国&香港・弊ブログ分析済み)③ツイン・ドラゴン(1992年・香港・弊ブログ分析済み)

4
●シリーズ化もされた、香港武闘アクションのベスト③、ジャッキー・チェンとのコラボのカルト③や、ハリウッド映画として、ジャン・クロード・ヴァン・ダムのバトルものカルト①など、

20世紀のツイ・ハーク監督は、カンフー的バトルものが多かったと思うけど、

21世紀になってからは、ハリウッドでの経験もあってか、幅広くて、ほんで豪快なアクション、スペクタクル作品を、ケッコー作ってはります。

3
ハリウッドにも影響を与えた黒澤明の「七人の侍」(1954年・日本)に、オマージュしたようなベスト②、

モンスター・パニックから絶壁アクション、ワイヤー・アクトまで、何でもありのカルト②。

ほんでもって、本作は内乱戦闘ものどして、銃撃戦をメインに、戦いが繰り広げられます。

5
しかも、監督には珍しく、現代2015年から、1946年の過去の内乱を、プレイバックするっちゅう構成を、採ってはります。

但し、現代と過去を、カットバック的に描くんやなく、

過去を振り返ってる現代の若者が、過去の人物とどう関わってくるんかは、最後の最後まで、分からんようになっとります。

8
悪の組織バーサス正義のチームとゆう、いわば勧善懲悪の構図を打ち出しながら、正義には、かなりのハンデを背負わさせはりますねん。

寒村が悪の匪賊に襲われ、正義の味方たちが出動や。

けども、悪の奴らは、難攻不落とも言える、山の高いとこをアジトにしとる上に、300人もいとる奴らに対して、こちらはたったの30人どす。

そやから、こっちから攻めたら、イチコロでんねん。

麓の村を攻めてくるんを、待つしかないんやけど、

でもしか、隊長(ケニー・リン/写真上から1枚目)は、悪の組織にスパイ(チャン・ハンユー/写真2枚目)を潜入させはります。

ほんで、敵の動向をうかがおか、っちゅうことでおます。

7
トンデモないトラとの対決アクションとか、スキー・アクションとか、ユニークなとこを加えつつ、

クライマックスの大人数対少人数の、「十三人の刺客」(1963年・2010年・日本)的応戦へと、もっていかはります。

銃撃戦、戦車迎撃、爆発シーンなど、少人数でどない勝っていくかが、分かりやすく、ほんで、ハラドキで撮られてまいります。

6
そして、現代に戻り…。

2つの結末が披露されて、面白さが倍化いたしますで。

「ダイ・ハード」(1988年)や「クリフハンガー」(1993年)などの、名作・大ヒットのハリウッド作品を、思い出させるシーンが散りばめられとります。

どこがどの作品からやろか、とは考えずに、アクションの流れに身を任せて、ご覧くだされませ。

« 2015年12月 | トップページ | 2016年2月 »