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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2015年10月の記事

2015年10月31日 (土)

10月に見た、マイ年間ベストテン候補作品

★洋画

●「コードネーム U.N.C.L.E.(アンクル)」(11月14日公開/アメリカ映画/ガイ・リッチー監督/弊ブログ後日分析)

http://www.codename-uncle.jp

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●「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)」(11月21日公開/ハンガリー映画/カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ/後日分析)

http://www.whitegod.net

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★日本映画

●「さようなら」(11月21日公開/深田晃司監督/後日分析)

http://sayonara-movie.com

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●「流れ星が消えないうちに」(11月21日公開/波瑠主演/後日分析)

http://www.nagareboshi-movie.com

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★洋画・邦画各2作ずつどす。

洋画から言いますと、ガイ・リッチー監督の、マイ最高傑作となった「コードネーム…」。

「007」のイギリスの監督として、スパイ映画の進化型を示すべく、作り上げた快作。

「007」や「ミッション:インポッシブル」のルーツ作「スパイ大作戦」が生まれた、1960年代の東西冷戦時代を背景にしながら、

何とアメリカとソ連のスパイが手を組んで、生き残りナチスらの原爆テロ阻止に挑むとゆう、トンデモ破天荒なストーリー。

もっと詳しく書きたいとこやけど、詳細は後日に、ドカーンとやりま。

続きましては、ハンガリーからの「ホワイト・ゴッド…」。

犬たちの人への反乱を描いた、パニック・ムービーだす。

人間に虐待される犬サイドは、ディズニー映画とは違い、喋らずのサイレントで。

いちおうは、少女ヒロインと、その愛犬の絆映画ではあるんやけど、これまでにない犬映画をば構築してはります。

さて、邦画に目を向けますと…。

アンドロイドを初めて舞台で、演技させた演劇原作の「さようなら」。

原発爆発が続出し、日本を脱出する人たちが多い近未来で、アンドロイドと人間の関係を描いた作品。

アンドロイドとの絆は、あり得るのかにまで踏み込んだ、ある種実験的な作品ながら、妙にココロにクル、仕上げぶりどした。

最後に、「流れ星が消えないうちに」。

今、朝ドラに主演してやる、波瑠ネーさんが主演。

静かでスローな展開で進むお話は、基本は普遍的なラブ・ストーリーでおます。

但し、一つだけ愛の在り方に、新味を加えてはります。

その新味に、ボクは魅かれました。

ちゅうことで、全作は後日、楽しく分析いたします。

(文=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2015年10月30日 (金)

イギリス映画「海賊じいちゃんの贈りもの」

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コドモたち3人流に、勝手に「おくりびと」するお話

その愛ある弔いぶりが、何とも言えへん映画どす

http://kaizokujiichan.espace-sarou.com

10月31日のサタデーから、エスパース・サロウの配給によりまして、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2014年製作のイギリス映画95分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸORIGIN PICTURES(OUR HOLIDAY)LIMITED / BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2014

スコットランドの美しき風景の数々。思わずウットリや。

スコッチを背景にした映画の系譜でも、その美しさは最高級のもんやろか。

ほんで、家族映画としての系譜でも、オジンの75歳の誕生日を祝うために、5人家族がロンドンからスコッチへ行き、みんなで交流。

よくあるパターンと思いつつも…でもしか…でおます。

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それらは全て表層的、うわべだけのもんであるんが、徐々に分かってまいります。

オジンと孫たち3人の交流、キズナやて。ホンマ、これまでに腐るほど、映画で描かれとりますが、

本作のオリジナリティーは、そこやありまへん。

確かに、キズナに関わるかもしれへんけど、その設定の新しさに、思わず唸ってまうんだす。

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スコッチの海へ、オジンとコドモたち3人で行き、オジンが突然死してしもた。

そこで、3人はどないしたか。

フツーなら、オトンオカンらのとこへ、オジンの死を知らせるもんやけど、

確かにそうしようとしたんやけど、オジンの言葉を信じて、実は3人だけで、海葬をやってまうんだす。

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3人だけの葬送シークエンスは、目を瞠り緊張感をもって見られます。

ほんでもって、大人たちにオジンの死を知らせた、その後の展開も、インパクト大どした。

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悪女・悪ヨメ役の「ゴーン・ガール」(2014年・アメリカ)で、アカデミー賞主演女優賞にノミニーされた、ロザムンド・パイクが、

今作でもヨメ役やけども、3人のオカン役でもあり、また、ダンナ(デヴィッド・テナント)とは別居中の状況だす。

ほんで、ダンナ側のオジンのとこへ行くわけやけど、「ゴーン・ガール」的に、夫妻のドラマへとはなりまへん。

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むしろ、コドモたちの演技の方が、メッチャ生き生き冴えとります。

ロザムンドのネーさんは、主演やけども、どっちかとゆうたら、コドモたちのサポート・脇に、控えてはるような演技なんでおます。

いや、むしろそういう演技の方が難しいやろとは、ボクは思います。

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オジン役のベテラン、ビリー・コノリーも渋いけど、

あくまでコドモたちの妙演技を、引き出すような役柄でおましょうか。

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子役の3人。姉(エミリア・ジョーンズ)・弟(ボビー・スモールブリッジ)・一番下の妹(ハリエット・ターンブル)。

子役映画は多々あれど、3人アンサンブルはあんましないし、

大人たちとの絡みの中での演技なんで、そのあたりを3人共、巧妙に演じてはりました。

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個人的には、撮影当時5歳やった末の妹はんが、メッチャかわいくて、魅力的どした。

世のオトンオカンたちはきっと、こんな娘がほしいわー、なんて魅了されるハズやと思うわ。

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ちゅうことで、コドモたちの愛ある「おくりびと」(2009年・日本)ぶりに、驚いてくだされ。

2015年10月29日 (木)

中国映画「僕たちの家(うち)に帰ろう」

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コドモ兄弟の、家までのロードムービーだす

素朴でシンプルなスタイルが、静かな感動を呼ぶ作り

http://www.magichour.co.jp/uchi/

10月31日の土曜日から、マジックアワーの配給によりまして、第七藝術劇場やらで、全国順次のロードショー。以降、11月28日から、神戸・元町映画館などで上映だす。

本作は、2014年製作の中国映画103分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 LAUREL FILMS COMPANY LIMITED

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主に純粋無垢・朴訥で素朴な人たちが、ロードムービーする映画とゆうのは、

事件が次々に起こったり、せわしないハデハデなロードや、逃亡・追跡劇やらとは違い、

癒やし・和み・安らぎを、ボクらにもたらしてくれはります。

そんな映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)なんぞを、思いつくままに、手前勝手に、披露してみよりますと…。

●ベスト⇒①ハリーとトント(1974年製作・アメリカ映画)②山の郵便配達(1999年・中国)③ペーパー・ムーン(1973年・アメリカ・モノクロ)

●カルト⇒①本作②ストレイト・ストーリー(1999年・アメリカ))③風の丘を越えて 西便制(1993年・韓国)

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●老人と猫のベスト①、サギ師の男と少女のベスト③、

兄の生死を確認するために、老人弟が兄の元へと向かうカルト②、

「旅芸人の記録」(1975年・ギリシャ)もエエけど、旅芸人一家の、旅を描いたカルト③。

多彩なロードやけども、見ていて全てが和みを感じさせ、また、人のキズナや想いが胸にきます。

ほんでもって、素朴な和み系としては、中国映画から、ベスト②と本作をば、ピックアップいたしました。

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本作は、これまで映画では、ほとんど取り上げられへんかった、

モンゴルと隣接する、中国北西部のシルクロードの「河西回廊」(かせいかいろう)を舞台に、

遊牧民のオトンオカンを探して、幼い兄弟がラクダに乗って、ロードするお話だす。

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両親が遊牧民なんで、兄はオジンのとこに、弟は学校の寮に住んでたんやけど、

夏休みになっても、オトンは迎えに来ず、さらに、オジンが死んでもうたんで、

2人は、両親が戻っているに違いない故郷を目指して、旅立たはります。

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空と大地、荒地、砂漠、そして大自然や遺跡の描写が、ロングショットを中心に、パノラマ的に、次々に展開してまいります。

そのシルクロードな壮観ぶりに加え、2人には、いろんなことが起こります。

ラクダに逃げられて、そのあとを追い、意外な発見があったり、長回しによる、ラクダが死んでゆくのを看取る、少年の泣きシーンなどは感動的。

ラマ教の僧侶の慈愛、兄弟の交流…モチ、オトンとの再会シーンは、一番感動あるシーンどすえ~。

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ほんで、中国の伝統弦楽器・胡弓、女コーラス入りの曲、打ち込みのシンセ、ピアノ、笛など、伝統的と現代的をバランスよく取り入れた、サントラ使いにも注目だす。

鈴の音・風の音などの効果音の使い方も、うまかったわー。

ちゅうことで、癒やしのロードムービーとして、ココロに残る逸品どした。

2015年10月28日 (水)

大ヒット中!「トランスポーター イグニション」

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主役ヒーローを変えた、シリーズ最新作・第4弾

カーチェイスから銃撃戦まで、シリーズ最高の盛り上がりぶりやねん

http://www.TP-MOVIE.COM

10月24日から、アスミック・エースの配給で、全国ロードショー中。

本作は、2015年製作の、中国との合作によるフランス映画96分だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 EUROPACORP-TF1 FILMS PRODUCTION

「トランスポーター」(2002年製作・フランス&アメリカ合作)、

「トランスポーター2」(2005年・フランス)、「トランスポーター3 アンリミテッド」(2008年・フランス)に続き、

7年ぶりとなりました、シリーズ第4弾どす。

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前3作の主演ジェイソン・ステイサムから、今回から若手のエド・スクレインに選手交代し、

カー・アクトだけやなく、いろんなアクションを披露。

アクション度は、過去最高級のものになっとるかと思います。

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さてはて、21世紀になって、登場したシリーズものとしては、

本作シリーズは、アメリカ・ハリウッドの「ワイルド・スピード」シリーズ(第1弾は2001年)と、双璧を成すやもしれまへん。

共に、カーアクションが、ポイントにもなっとるしな。

但し、「ワイルド・スピード」に対し、本作の製作・公開タームは長めでおます。

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でもしか、それだけに、練り上げられたアクションやストーリーが展開するので、

仕上がり具合やエンタ度は、本作の方が、やや高めやないかなと思います。

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ハリウッド・アクション映画に負けない映画を作ろうと、

フランスのリュック・ベッソンはんが作らはった、映画製作会社「ヨーロッパ・コープ」の作品どす。

かつてはフランス映画にも、ノワール映画を始め、日本で全国拡大公開できるような映画があったんやけど、

おそらく、この会社の作品が、それを復活させはった、と言えるでおましょうか。

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さてはて、本作の依頼人は、写真にあるようなブロンド美女の、ワケありの3人。

しかも、主人公は、単に運び屋の域を超えて、彼女たちの銀行強盗・復讐戦やらに、

大いに加担するっちゅうような、展開になってまいります。

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ほんで、主人公のオトンが、フランスのイギリス領事館に勤めてはった、定年を迎えたスパイとゆう設定どして、

このオトンも、彼女たちと絡んででんな、3人と父子のコンビネーションによる、

悪への絶妙な報復アクションが、繰り広げられる、っちゅう仕組みなんどすえ~。

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警察とのカー・アクション、カー・チェイス、銃撃アクションからトンデモヒコーキ・アクションまで、

畳み掛けるように、アクション・シーンが続きよります。

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「007」へのオマージュ・シーンなどに加え、

俯瞰・空撮の多さで、地上戦だけやない、立体感ある映画スケールを構築。

シリーズ4作では、ハリウッド映画と最も互角に渡り合えるような、そんな作品になったんやないやろか。

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キャッチーなアップ・ロック・ナンバー、エレクトリックなミディアムなど、歌ものサントラも、ハリウッド映画並みに、充実しておまして、

多彩なアクション・シーンを含めて、ノリノリで見られるようになっとります。

ちゅうことで、公開中なんで、今すぐお近くの映画館へ、レッツラゴーでおますよ。

2015年10月27日 (火)

クラシック・インド映画「チャルラータ」「ビッグ・シティ」

1
サタジット・レイ監督の、ヒロイン映画の傑作2作

つつましきヒロインの魅力が満載

http://www.season-ray.com

10月30日までテアトル梅田で上映中。11月30日~12月11日に京都みなみ会館。その後、神戸・元町映画館やらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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インドのサタジット・レイ監督を、みんな、知っとるかー。

ウーン…、アーン…かもしれへんけども、間違いなくインド映画における、巨匠監督でおます。

この監督の作品は、インド映画を超えて、普遍性ある傑作・名作になっておます。

ほんでもって、今回デジタル・リマスターで、リバイバルされるんは、共にモノクロで、

①「チャルラータ」(1964年製作・インド映画・119分・写真上から1~4枚目)と、

②「ビッグ・シティ」(1963年・インド・131分・写真上から5~7枚目)だす。

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インドの大河ドラマ「大地のうた」(1955年)、「大河のうた」(1956年)、「大樹のうた」(1959年)の3部作が、

映画史的に有名なレイ監督どして、全部DVD化されとるんで、見てもろたら分かるやろけど、

本作2作のノリとは、そないに違いはありまへん。

大河は大河やけど、どれも人間を描くとゆう、ポイントは変わっとりまへんねん。

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さてはて、①②共に、ヒロイン映画作品どす。

主演は、マドビ・ムカージーのネーさんでおます。

写真に映ってはる女優はんやけど、まあ、あんまし知らんやろけど、今から振り返りますれば、

つつましき演技ちゅうもんを、素のままのように、演じてはる方どして、

両作共に、最後の最後まで、抑制された演技を貫いてはります。

このつましさは、監督の演出力によるところもあるやろけど、ハリウッド映画には、決していないタイプでおましょう。

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彼女は①②共に、人妻役なんやけど、

①では兄弟との三角関係を、

②では外に出て、保険勧誘員として、バリバリ働く人妻役を演じてはります。

インド・ミュージカルの、ルーツ的なとこも見える①は、レイ監督の映画作家性を、遺憾なく発揮した1作。

クローズアップ多用の、女優の美を見せる系シーンや、オーバーラップの効果的な使い方など、ハッとくるシーンが、ケッコーあります。

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個人的には、②の方が好みだす。

女性上位の、働く女性像を打ち出した作りは、先見性ある作りの1作とも言えますし、

ヒロインの演技性も、あくまでつつましさがポイントで、最後まで好感がありました。

さらに、夫婦映画、ラブ・ストーリーとしての、ハッピーな着地具合は、

ハリウッド映画の影響を見つつも、心地良いとこへと、ボクらを連れて行ってくれはります。

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さてはて、モノクロ映画は、今の若い人たちには、好まれないなんてゆわれとりますが、

この2作は白黒やけど、そのあたりは気にならない作りちゅうか、ヒロインに寄り添って見れば、

全世界的に人口に膾炙した、モノクロ「ローマの休日」(1953年・アメリカ)らと比べても、

そんなに遜色のない感触を、得られるやもしれまへん。

オーソドックスでつつましいヒロイン像が、今だからこそ、胸に染みる仕上げの映画やと思います。

モチ普遍性もあるやも…。

ちゅうことで、じっくり鑑賞してみたい、2作品でおました。

2015年10月26日 (月)

伊藤淳史主演「ボクは坊さん。」⇒月曜邦画劇場

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現代的お坊さんドラマの、人情節映画どす

「おくりびと」や「お葬式」に、どこまで迫れたか…ちゅうよりも

http://www.bosan.jp

10月24日から、ファントム・フィルムズの配給により、大阪ステーションシティシネマやらで、ロードショー中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 映画「ボクは坊さん。」製作委員会

日本映画のお坊さんドラマちゅうたら、実在の坊さんもの、

例えば、良寛とか親鸞とかの、実話ベース映画が、思い出されますけども、

本作はあくまで現代の、しかも基本は実話ドラマだす。

一方で、振り返れば、お坊さん生活を活写する「ファンシィダンス」(1989年)とか、ユニークな映画がありました。

「おくりびと」(2009年)の本木雅弘が、主演してはったんも印象深い映画どしたが、本作もそれとシンクロするやもしれまへん。

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さらに、冠婚葬祭に関わるとゆう点で、葬の「おくりびと」や「お葬式」(1984年)なんかとのシンクロをば、見出そうかいやと思われがちやけど、

本作では葬よりも、珍しい婚も描いてはります。

寺社で結婚式を挙げるとゆうのは、日本古来よりあるもんどして、そこんとこが捉えられておるんだす。

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高野山大学で学んだ主人公の、伊藤淳史のアニキが、実家の四国八十八ケ所の、霊場である寺を継がはりまして、

ほんで、いろんな人情噺を、展開しはるちゅう話なんやけど、

これがやはり、良寛和尚さんの時代とは違い、より現代的に進行します。

「男はつらいよ」寅さんほどの、はみ出し具合はないけども、静かにゆるりと、みんなと交流してゆかはります。

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好感ある山本美月や、溝端淳平のヒロイック、ほんで大学の同窓の濱田岳との、フツーの大学同窓らしいやり取りなど、

身近に感じられる関わり具合に、人情ドラマらしさを、垣間見せはります。

説教調、説明ゼリフなんかも頻出するけども、

あくまで現代の坊さん人間ドラマを、何としても構築するとゆう、意気込みある快作品やったと思います。

6
「おくりびと」や「お葬式」のような、これまでに描かれへんかったとこを、映画的にグイグイくるとゆうよりは、

本作は主人公の控えめな、人情ドラマに合わせて、あくまで退きの姿勢でドラマ作りをしてはるようどす。

伊藤淳史流の退き的脇の、シブミが見える演技性。派手やないけど、じわりと胸にきよります。

8
愛媛・今治ロケとゆう、地方ロケ映画の特質も、十分に活かされておました。

モチ、高野山ロケもあります。

森や高台からの、街のロングショットのタイトな挿入など、映画的にフックな撮影シーンが、映画を盛り立てますで。

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ピアノ・チェロやらに加え、「吉田山田」のニューミュージックな、ギター・ポップスなども、軽快かつ、ゆったりした癒やしを、運んでまいります。

現代の若者お坊さんを、主人公にして、押しつけがましくなく、さりげなく人情節を披露するドラマとして、

本作はかつての邦画の、人情喜劇なプログラム・ピクチャー的とも、言える作品でおました。

ちゅうことで、家族みんなで見に行ける、そんな快作になっとります。

2015年10月24日 (土)

「ギャラクシー街道」⇒土曜ワイド邦画劇場

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三谷幸喜監督が、思いっきり遊んでみはった、ナンセンス・コメディや~

香取慎吾・綾瀬はるか夫妻経営の、宇宙のハンバーガー・ショップで、ハチャメチャな群像劇が展開しまんねん

http://www.galaxy-kaido.com

10月24日の土曜日から、東宝の配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015 フジテレビ 東宝

SF映画にしてコメディ映画ちゅうのは、ハリウッド映画やらでも、それなりにあるけども、

でもしか、ここまでナンセンス・コメディの究極型にして、ほんでもって、群像劇で示したんは、おそらくかつてないでありましょう。

とにかく、どの逸話エピソードに対しても、何じゃソラーっちゅう、ツッコミが入れられるもんな。楽しいやん。

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黄金の銃を持つ男や、オースティン・パワーズもドッキリやねん。

三谷幸喜監督が、自由自在に思いっきり遊んでみた、ちゅうノリで、この群像劇は展開してまいります。

宇宙が舞台とはいえ、地球と宇宙をつなぐギャラクシー街道沿いにある、ハンバーガー・ショップが舞台なんやけど、

今や客も疎らで、閑古鳥が鳴いとるちゅう設定どす。

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この店を経営してはるんが、香取慎吾と綾瀬はるかの夫妻どして、共にマジで真摯にやってはるんやけど、

いわゆるクル客が、ニッチもサッチもなヘンテコなキャラたちが、揃うとるちゅうボリューム内容でおます。

加えて、マンガチック・コミカルな、宇宙人キャラクターの造形ぶりどす。

「メン・イン・ブラック」(1997年製作・アメリカ映画)よりも、人間臭いキャラが、続々と登場してまいります。

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人間として登場する、香取の元カノらしい、頭クス玉飾り付けの優香、

綾瀬に言い寄り、コドモを産むことになってまう、トンデモ遠藤憲一、

ウルトラマン的正義の、味方に変身しよる小栗旬、

CGアニメでイヌと小鳥を幻視する段田安則、

売春コーディネーターの山本耕史、

トンデモ・うつ病コメディエンヌぶりの大竹しのぶ、

頭だけ電子映像で、登場の西田敏行…そのほかいっぱいの、バラエティーな出演陣。

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モチ実在しない、ワケ分からん宇宙人たちを造形してみせた、監督のハチャハチャ空想ぶりにも驚いたけど、

いろんなエピソードで展開する、ネタギレの向こうをゆくような、ジョークの数々に、笑うとゆうよりは、ハット!な驚きがある映画どしたやろか。

7
いわば、ナンセンス・コメディに、なってしもたかもしれへんけど、

そのナンセンスには、よーく見てみると、ウーン、そうクルかとゆう、面白さが必ずありまんねん。

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ラストシーン前では、冒頭から出てはる、TMレボリューションこと西川貴教のアニキが、歌って踊って弾けはりますし、

ギター・アコーディオン・ピアノなんぞを駆使しもって、ユニークなサントラ使いをしてはんのにも、目がいきました。

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三谷監督的には、緻密に計算したコメディ「ラヂオの時間」(1997年)とは、対極に位置する作品やもしれへんけど、大衆受けするとゆう意味では、大ヒットする可能性は、メッチャ高いと思います。

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SF映画ながら、SF映画やない映画。

「THE有頂天ホテル」(2006年)のホテルが、バーガー・ショップに変わったノリの群像劇。

いろんな意味で解釈しもって、見れる映画やけど、

そういう分析を抜いて、観客みんなで、出演陣と共に、ワイワイガヤガヤのノリで楽しめる、1本になっておますで~。

2015年10月23日 (金)

「ディアーディアー」⇒週末日本映画劇場

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三兄弟妹が、それぞれ手前勝手なドラマを展開しはります

地方都市ロケらしさが映える、群馬県足利市の地方ロケ映画どす

http://www.deardeer-movie.com

10月24日の土曜日から、オフィス桐生の配給によりまして、テアトル新宿やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2015オフィス桐生

オトンが死にかけちゅうことで、3人の兄弟・妹が故郷に集まって、

オトンを見とり、ほんで葬式をし、ほんで、その後はどないなるねんちゅう、いわゆる家族ドラマってヤツでおます。

ところがどっこい、この映画は、フツーの家族ドラマの定番をば、見ていくうちに、チビチビじわりじわりと外してまいります。

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家族ドラマちゅうたら、やっぱり家族のキズナを描く映画が、圧倒的に多いやんか。

でも、家族崩壊のドラマでも、あと味は悪いけど、それなりに存在しておます。

でもしか、本作は、確かに家族崩壊やけど、アタリキにはキズナは、描かれとりまへんどして、

3人それぞれバラバラな生き方が、前向きでも後ろ向きでも見れるように、描かれとる映画でおます。

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いわゆる、中途半端な結末のある映画どして、観客にその感想をゆだねるような、タイプの映画でおましょうか。

駆け落ちした妹(中村ゆり)は、夫との仲がうまくいかず、酒浸りの日々。

冒頭で実家へ帰るバスで、下の兄(斉藤陽一郎)と再会しはります。この兄は、精神病で入院中。

ほんで、今1人の長男(桐生コウジ)は、オトンのあとを継いで、借金まみれの工場を経営してはります。

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いかにもなこの、地方都市のうらぶれた設定は、

昨年公開の「ドライブイン蒲生」(2014年製作・弊ブログ分析済み)やら、

今年公開の「群青色の、とおり道」(ブログ分析済み)やらでも、見せてくれてはりましたが、

わびしさ度合いにおいては、本作が一番やったし、哀愁度も深かったどす。

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群馬県足利市ロケ映画どして、関東圏地方ロケ映画でも、うらぶれワビサビ具合は、近年まれにみるもんやったと思いますで。

役者陣も、そのうらぶれに見合った演技を披露。

元カレと酒の勢いで、やってまう中村ゆりの倦怠演技に加え、

斉藤陽一郎も桐生コウジも、悩ましき苦悩の演技をば、見せはります。

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いつも通りの、染谷将太のぶっきらボー演技に加え、菊池凜子の、菊池凜子と分からへん、チョイ役にも注目どすやろか。

ギター、乱れトランペット、カッコエ~Jポップの歌ものなど、サントラもシーンに合わせた、キチンとした作りどした。

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トータルとしては、薄色配色で映画は進行してまいります。

地方ロケ映画で、こおゆうネガな哀愁入り映画では珍しく、この色合いは、ジワッと胸にきよります。

明るい配色の映画が、幅をきかしている現代においては、特長的に目立つ点でおました。

スローの使い方も巧み。

ちゅうことで、ココロに残るとこが、必ずあるハズの映画やと思います。

2015年10月22日 (木)

「アクトレス 女たちの舞台」

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フランス女優ジュリエット・ビノシェのネーさんの傑作

久々に見た女優ヒロイン映画の快作品

http://www.actress-movie.com

10月24日のサタデーから、トランスフォーマーの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショーだす。

本作は、2014年製作の、フランス・スイス・ドイツ合作の124分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR

フランス女優ジュリエット・ビノシェのネーさんを、みなはん、知っとりまっかー。

かつてもやりましたが、そんな彼女の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①本作②トリコロール/青の愛(1993年製作・フランス映画)③ポンヌフの恋人(1991年・フランス)

●カルト⇒①イングリッシュ・ペイシェント(1996年・アメリカ)②存在の耐えられない軽さ(1988年・アメリカ)③ショコラ(2000年・アメリカ)

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●今回は、ヒットしたアメリカ映画をカルトに、フランス製作分を含む、ユーロ映画をベストにもってきましたえ。

アメリカものとユーロものでは、ビミョーに演技を、変えてはるとこなんかが見えて、その演技性に魅せられます。

アメリカはどちらかとゆうたら、癒やし系の演技でいってはります。

アカデミー作品賞と、彼女自身も助演女優賞を、ゲットしはったカルト①。優しいナース役が、今も目に焼きついとりま。

テロ・革命の非常時に冷静沈着さを示したカルト②、ジョニー・デップと共演した、穏やかなるカルト③。

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片や、マイ・ベストでは、複雑な演技性を示す作品を、選んどります。

ラブ・ストーリーの、ビミョーな演技ベスト③、彼女の複雑系を、キャリア史上最も示したベスト②。

ほんで、本作では、女優ヒロイン映画として、女優の複雑系演技を、見せてくれてはります。

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女優映画ちゅうのは、かつてはハリウッド映画の、シブミを示すもんどした。

引退女優の狂気を描いた、ビリー・ワイルダー監督の「サンセット大通り」(1950年・アメリカ)とか、アカデミー賞最多受賞作品「イヴの総て」(1950年・アメリカ)とか。

今までにも、いろんな女優ヒロイン映画は、出てきとりますが、最近はご無沙汰やったと思います。

ほんで、ボク的には、久々に見た女優映画どして、女優としての在り方を捉えた、正攻法にしてストレートな快作どした。

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しかも、女優たちの、豪華な共演ちゅう側面もござります。

しかもしかも、ベテラン・ビノシェネーさんと、ハリウッドの若手女優たちの共演でおます。

ビノシェネーさんのマネジャー役の、クリステン・スチュワートちゅうたら、

「トワイライト」シリーズ(2008年~2012年・弊ブログ分析済み)で、年間ハリウッド女優最高額ギャラに、到達しはった女優はん。

ほんでもって、本作では、「トワイライト」とは違う、シャープでキレるマネジャー役を、タイトに演じはり、彼女の最高傑作とも言える演技になっとります。

8
加えて、ハリウッドで台頭中の若手女優、クロエ・グレース・モレッツの起用どす。

ミュータント映画で頭角を示し、ほんで、大女優ビノシェネーさんと、共演するちゅう役柄を、涼しいカンジで演じはりました。

シビアと柔軟が交錯する、2人の演技シーンは、本作の見どころの一つでおましょう。

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オリヴィエ・アサイヤス監督の新作だす。

ビノシェネーとは、「夏時間の庭」(2008年・フランス)に続く本作。

ビノシェネーの持ち味を、遺憾なく演出しはりました。

そして、彼女の21世紀の最高傑作と言える作品を、創り上げはったんどす。

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グリーンなどの映画的照明の使い方やら、自然風景を始め、キレるロングショットの頻出やら、いつになく映画的な撮り方を心掛けてはりましたえ。

ちゅうことで、久々の女優映画の傑作にして、マイ年間ベストテンに入る作品でおました。

2015年10月21日 (水)

「ヴィジット」⇒スリラー映画最新傑作

1
現代のヒッチコック、M・ナイト・シャマラン監督の野心作

ワン・ポイント・ネタを、シンプル・イズ・ベストにスリラー化

http://www.thevisit.jp

10月23日のフライデーから、東宝東和の配給によりまして、全国ロードショー。

本作は2015年製作のアメリカ映画94分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸUniversal Pictures.

サスペンス映画の巨匠ちゅうたら、イギリス出身アルフレッド・ヒッチコック監督はんが、まずイの一番に挙がってまいります。

でもしか、本作の、インド出身M・ナイト・シャマラン監督てゆうたら、サスペンスよりも、スリラーに傾斜してはります。

ほな、スリラー映画とサスペンス映画の、違いとは何やねん、どすけども、ザックリ言いますと…。

サスペンスはミステリー的謎よりも、謎を開陳した上で(明らかにしない場合もあり)、ハラドキに展開させる手法。

でもしか、スリラー(スリルから派生した言葉とも)は、謎を隠したままに、ホラーチックなスパイスも入れつつ、

ハラドキにスリリングに物語を展開させ、最後にアッと驚かせる手法やろか。

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微妙な差があるけども、いずれにしても、サプライズ度合いは、スリラーの方が上やろかと思います。

さてはて、そんな作品を撮り続けるシャマラン監督の、マイ・ベスト・スリー(順位通り)をば、言いますと…。

①シックス・センス(1999年製作)②本作③サイン(2002年)

●SF映画との融合、しかも室内劇仕様とゆう荒ワザを見せた③やら、パニック・ムービーをスリラー化した「ハプニング」(2008年)やらも、それなりに凄かったけど、

映画史に残る傑作①の、インパクトが強烈過ぎて、それ以降の作品が、みなはんにしてみたら、今一つ物足りないもんが、あったかもしれまへん。

2
けども、本作はちょっと違いまっせー。

ハリウッド資本の大作が続いとったけど、低予算ながら、ソリッドにシンプルなスリラーを目指した本作は、

①には及ばないかもしれへんけど、ハットトリックな感触は、①にも勝るとも劣らない作りに、なったんやないやろか。

シングルマザーのオカンと、2人のコドモたち姉弟。

そんな幼い姉弟が、オカンの父母、すなわちオジン・オバンのとこへ、何泊何日かの宿泊に行かはります。

さらに、オカンは19歳の時に、実家から家出したまま、現在に到っとる設定どす。

なんでオカンは家出したのか、なんで祖父母が孫たちを、泊まりにくるようにオカンにゆうたのか、そのあたりは不明のまま。

ただ、オカンの家出の理由を、最後の方まで明かさず、ほんで、それがメインの謎を、ミスリードするポイントにもなっとりますんで、ご注意のほどを!

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さてはて、姉弟がハンディカム・カメラで、この祖父母と、自分たち孫たちの出会いとつながりを、撮ろうちゅうスタイルで、スリラーは進行してまいります。

手持ちカメラのグラグラ感、斜めカット、長回し撮影、近接撮影のスッタモンダ感など、ドキュ・ドラマ的、素人チックな手作り感覚が、チョイ見にくいな~なんて思わせつつも、

徐々に恐るべき真相へと、もっていく流れは、極上のスリラー・ドラマ方程式でもありました。

ボク的には、「悪魔のような女」(1955年・フランス・モノクロ)のハラハラドッキリにも、通じる作品やったでおますよ。

サントラは基本的にはないけども、映画内で姉弟が撮る映画としては、ラストに映画とは、トンデモミスマッチな、フィメール・スタンダード・ナンバーが、流れてきよりまっせ。

このあたりのセンスも、なんやしらん、メッチャうまかったわ~。

ちゅうことで、スリラー映画の、最新傑作でおました。

2015年10月20日 (火)

「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」

1
映画監督ドキュメンタリーの逸品どす

作品作り、その作家性へと、フォーカスした作り

http://bitters.co.jp/altman

10月17日の土曜日から、ビターズ・エンドの配給で、テアトル梅田、京都シネマやらで、順グリのロードショー中どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 sphinxproductions

故ロバート・アルトマン監督のドキュメンタリーどす。

映画監督ドキュはこれまでに、いっぱい作られとりますが、

その監督の作品を見ずしては、どないもこないも、そんなドキュは見られへんでおましょうや。

ちゅうことで、監督のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①マッシュ(1970年製作・以下の引用は指定以外は、全てアメリカ映画)②ザ・プレイヤー(1992年)③ゴスフォード・パーク(2001年)

●カルト⇒①ロング・グッドバイ(1973年)②ポパイ(1980年)③今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006年)

3
●群像劇映画の代名詞監督と、言われた監督やけど、

個人的にはボクは、その本格ミステリー・ドラマのセンスに魅せられとりました。

群像劇としては、「ナッシュビル」(1975年)「ショート・カッツ」(1993年)やらもエエけど、

でもしか、それらの作品においても、ミステリー色は、あったやろかと思います。

確かに、カンヌで最高賞をゲットした、戦争風刺ものベスト①が、監督の最高傑作やと思うけど、

また、アメリカンな西部劇や、製作費を大量投下したとゆう意味での、ハリウッド大作カルト②など、

アメリカン監督らしさも、それなりに出してはりますが…。

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ミステリー的なとこについて言いますと…。

犯人側から描く倒叙ミステリーの粋・ベスト②、犯人当てミステリーにして、しかも、オリジナルによるベスト③、

原作ものでは、ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの、最高傑作「長いお別れ」に挑んだカルト①など、

この作品性は、サスペンスとミステリーは、対を成すとすれば、

サスペンスのヒッチコックに対する、ミステリーのアルトマンちゅうくらいの作品性を、ボクは見とりました。

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さてはて、本作を見る前にはモチ、上記の作品を見てもらいたいわけどして、

また、本作は監督の生前のインタビューを絡めながら、彼の作品性に肉迫し、監督の映画史における位置づけを検証する、ゴリゴリの映画ファン向けの内容なんで、

いわばコレだけを見ると、ヤッパどないもこないもやろか。

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監督のいろんなエピソードが描かれもしとるんで、それにハッとくるためにも、作品鑑賞は必須でおます。

デビッド・リーン監督の「逢びき」(1945年・イギリス)の、何でもない女優に魅かれた理由を、監督の未亡人が語るとことか、

ブルース・ウィリスの監督を評するコメントとか、アカデミー賞名誉賞を受賞した時の監督のスピーチとか、

印象深いシーンが続きます。

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でもしか、繰り返しますけども、ボク的にはミステリーの巨匠。

ベスト②③は、甲乙付けがたい傑作。

ボク的なおすすめでゆうと、本作を見る前には、ぜひともこの2作をば、レンタルでもエエから、鑑賞してみておくんなまし。

ほんで、本作を見てみると、より謎めき度を高めて、ミステリーチックに見れるやもしれまへん。

ちゅうことで、キネマ旬報で1位になった「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」(1975年・日本)並みに、

映画監督ドキュとしては、近年まれにみる傑作やと思います。

2015年10月19日 (月)

ドイツ映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

1
まだこんなネタがあった、ナチスもの映画の新しどころ

「ヒトラー最期の12日間」の監督が描く問題作や~

http://13minutes.gaga.ne.jp/

10月16日の金曜日から、ギャガはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条やらで、全国順グリのロードショー中でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2015 LUCKY BIRD PICTURES GMBH, DELPHIMEDIEN GMBH, PHILIPP FILM PRODUCTION GMBH & CO. KG

ナチスもの映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーやらを、かつて披露しましたけども、本作もまた、その種の映画でおます。

今年も、この種の映画は出てまいっとります。

但し、今年公開の「顔のないヒトラーたち」(弊ブログ分析済み)やら、

評価の高かった「ハンナ・アーレント」(2012年製作・ドイツ映画・ブログ分析済み)やらとは違い、

戦後のナチの実態と追及を描くんやなく、

あくまで本作は、戦争時の実話エピソードが、話のベースになっておます。

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しかも、その話はこれだけナチもの映画が、出ている中において、初めて披露される逸話なんでおますよ。

ヒトラーが演説中に、その会場で爆弾を仕込み、爆死させようとしたけど、タイトル通り13分の誤算があって、ヒトラーは死にまへんどした。

ほんで、犯人の主人公はパクられたけど、犯人の裏には、敵対国はいてへんのに、

その真実を何としても知りたいための、ヒトラーの真意により、すぐには処刑されず、数年間、ずーっと尋問され続けはりまんねん。

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「ヒトラー~最期の12日間~」(2004年・ドイツ)で、ヒトラーそのものの最期をこと細かに描かはった、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督が、

ヒトラー存命期の暗殺未遂エピソードを、今度は犯人・主人公側から、詳細に描かはったんでおます。

その意図は、おそらく、ヒトラー時代の隠されてへんけど、余り知られていない話を描くことで、

あの悪魔の時代を、執念深く描きたいちゅう意図が感じられて、

その執念ゆえに、ある意味で鳥肌立つような作りになっとります。

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主人公への拷問シーンと、主人公の過去の不倫ラブ・ストーリーの追想シーンが、カットバック的に束ねられます。

ほんで、主人公がヒトラーを、暗殺しようとした動機が、徐々に明らかになってゆきよります。

今昔のカットバック、ロングショットの頻出など、映画的にはオーソドックスな作りながら、1人の人間ドラマへと昇華してまいります。

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モチ実話がベースになっとりまして、ナチスもの映画には、まだまだいろんな切り口や、新味があるんやなーと、感心いたしました。

また、かつてはアメリカ映画などで、作られたナチものが、ドイツからいろいろ出てきている点にも、注目すべきやろかと思います。

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すぐ上の写真のように、聴取する2人と犯人1人とゆう、室内劇的仕様でありつつも、

真相がゆっくりじわじわと、明らかになってゆくスタイルは、ミステリー映画的ハラドキもありましたどすえ。

思わぬとこに目を付けはったなー、ちゅう驚きもある作品どした。

2015年10月18日 (日)

「アデライン、100年目の恋」

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100年以上生きてんのに、29歳のままのヒロイン映画どす

アメリカン・ラブ・ストーリーの新次元

http://www.adaline100.jp

10月17日のサタデーから、松竹の配給によりまして、全国順次のロードショー。

本作は2015年製作のアメリカ映画113分どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC. KIMMEL DISTRIBUTIONS, LLC AND LIONS GATE FILMS INC. All Rights Reserved

ハリウッド・ヒロイン映画にして、ラブ・ストーリーの、ニュー・スタイルを作った作品どす。

29歳の時に事故に遭い、その時に年齢が止まる状況(そのとこは理由が説明されとりま)がありましてな、

以降29歳のままで、何年も生き長らえるようなことに、なってしもたヒロインの物語でおます。

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永遠に生きるちゅうのは、吸血鬼もの映画にあったし、

コドモのままで、ずーっと生きるような設定ものとか、年齢が老人からコドモへと、さかのぼる設定もんとか、

年齢の変形系をポイントにした映画は、変格型の映画かもしれへんけど、ケッコー映画的に映えるもんがござりました。

3
ほんで、本作はラブ・ストーリーで、それをやってみはった作品でおます。

ヒロイン(ブレイク・ライヴリー)は29歳のままなんで、10年ごとに、みんなに気取られないために、名前と住まいと仕事を、変えていかはります。

その間、29歳までに生まれた娘(エレン・バースティン/ダンナはヒロインが29歳になるまでに他界)とのやり取りが、唯一のもんでおました。

今では、オバンとマゴのような、年の差関係になってはりまんねんで。珍妙やけど、オモロイわ~。

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そんな時に、ヒロインはイケメンと、恋に落ちてしまうんどした。

しかも、そのイケメン(ミキール・ハースマン)のオトン(ハリソン・フォード)とは、ヒロインは、過去に愛し合った経緯がござります。

このへんは偶然かもしれへんけど、大いなる驚きと共に、2人の恋の行方を、ハラドキにするとこがあります。

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ヒロイン造形の新しさに加え、従来のハリウッドのストレートなラブ・ストーリーとは、ひと味違うような仕上げになっとります。

普遍的なラブ・ストーリー好きには、少々違和感があるやもしれまへんけども、

こおゆう変形ラブも、オツなもんやろかと思いますで。

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ヒロイン役のブレイク・ライヴリーのネーさんは、みなはん、あんまし知らはらへんやろけど、

ライアン・レイノルズと結婚しはって、コドモを産んだあとの、復帰作が本作でおます。

ボクもブレイク・ネーのことは、よう知らんねんけど、ヒロインとして、好感ある演技を見せてはります。

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久々にスクリーンで見た、ハリソン・フォードの渋い演技に加え、ヒロインの年老いた娘役をやらはった、エレン・バースティンやらにも、グッときました。

この2人の演技が、あってこそ映える、そんなラブ・ストーリーやったどす。

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真相が、何人かに知らされたあとにも、サプライズが待っとります。

新次元の恋愛映画やゆうても、つい凝りすぎて変な映画になったりするけど、本作はそおゆうとこは、全くありまへん。

また、往年のハリウッド恋愛映画と比べても、決して遜色のない仕上がり具合どして、

むしろよく見た、フツーの恋愛ものやないだけに、ココロに残る度合いは、高(たこ)うおますやろかと思います。

いずれにしても、楽しめる恋愛映画でおますよ。

2015年10月17日 (土)

「サバイバー」

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ミラ・ジョヴォヴィッチVSピアース・ブロスナン

1対1対決のハリウッド映画の系譜に、新たな1本が誕生や

http://survivor-movie.jp

10月17日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

本作は、2015年製作の、アメリカ・イギリス合作97分どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2_2Ⓒ2015 SURVIVOR PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、2人のガチ対決が、モノゴッツーな見どころとなる、ハリウッド映画どす。

1対1対決は、いろんなパターンがありますが、そんな中で、ハリウッド映画に限定して、

そんな映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、独断と偏見・手前勝手に、披露さしてもらいますと…。

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●ベスト⇒①イヤー・オブ・ザ・ドラゴン(1985年)②ロッキー(1976年)③真昼の決闘(1952年)

●カルト⇒①本作②ジャッカル(1997年)③デビル(1997年)

●1対1対決を、クライマックスにもってくるような、ハリウッド映画はいっぱいあるやろし、ボクも思いつくままのアレなんで、

そらモノゴッツー外しとる作品は、多いかと思いますが、そのあたりは、何とぞご容赦くだされませ。

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刑事&犯人対決ベスト①、ボクシング対決ベスト②、西部劇としての対決ベスト③。

いずれも、アメリカン・ヒロイズムやったりが、ベースになっとります。

カルトでは、ブルース・ウィリス対リチャード・ギアの、カルト②、ハリソン・フォード対ブラッド・ピットのカルト③など、

華やかなスター対決映画とゆう、側面があるんやけど、本作もまた、それに近いもんがござります。

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今までにもそれなりに、あったやろかと思いますが、

本作は、女優と男優の、1対1対決ゆうスタイルどして、テッテー的に対決スタイルを採ってはります。

女VS男ものアクションでは、これほど、とことんちゅうのは、そないありまへんやろか。

女優の主演は、ミラ・ジョヴォヴィッチのネーさん。

アクション女優としては、ボク的には、シガニー・ウィーヴァーと、比肩する女優はんどす。

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ちゅうことで、ここで、ミラ・ネーさんの、マイ・ベスト&カルト・アクション映画スリー(各順不同)をば、言いますと…。

●ベスト⇒①フィフス・エレメント(1997年・アメリカ&フランス)②バイオハザード・シリーズ(2002年~2012年・現状5作)③ジャンヌ・ダルク(1999年・アメリカ&フランス)

●カルト⇒①本作②三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(2011年・アメリカ・弊ブログ分析済み)③ウルトラヴァイオレット(2006年・アメリカ)

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●ミラ・ジョヴォのネーさんの、アクションは総じて、SF系ベスト①②とか、

時代劇アクトの、ベスト③カルト②とかが、あったんやけど、

現代劇的なアクションとしては、カルト③とかもあるけども、本作が最も、本格的なもんでおましょうか。

しかも、対する敵役は、「007」で一世風靡しはった、ピアース・ブロスナンはんやねん。

ほんで、この2人の間で、究極の銃撃・躱(かわ)しの、攻撃・迎撃・応戦アクションが、これでもかーちゅうくらい、続いていきよります。

このとことんなアクションぶりこそ、本作最大の見どころやし、最初から最後まで目が離せまへんで。

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イギリス・ロケを主体にしとりますが、最後のクライマックス対決は、NYロケどす。

おそらく、男優・女優対決アクションの、かつてない究極型を、示してはるかと思います。

ハリウッド映画以外の、各国の映画と比べても、こういうタイプは、稀少どすやろか。

ボク的には、ハリソン君主演の「逃亡者」(1993年)の女版として、すこぶる楽しめた快作エンタどしたえ。

2015年10月16日 (金)

「ダイバージェントNEO」

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ヒロイン・アクションの、地上のSFシリーズ第2弾どす

「メイズ・ランナー」や「進撃の巨人」やらと、シンクロナイズや

http://www.divergent.jp

10月16日のフライデーから、KADOKAWAの配給によりまして、全国ロードショーだす。

本作は、2015年製作のアメリカ映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸTM & Ⓒ2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

宇宙が背景に出ない、地上のSF映画は、いろんなカタチで進化してきました。

そんな中で、エイリアンや円盤やらとは関係なく、未来の世界像、

そして、その造形ぶりや支配体制に、もの申すみたいな、若者たちの抵抗グループが存在し、実際に支配者グループと、対決してゆくとゆう、パターンのSFでおます。

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今年出た作品としては、「メイズ・ランナー」シリーズ(1は弊ブログ分析済み・2は後日分析)やら

「進撃の巨人」(2015年製作・日本映画)やらと、本作はシンクロする作品でおましょうか。

抵抗する方法論と実践スタイルは、さまざまやけど、

本作はダイバージェント(異端者)と、烙印を押された若者たちが、逃亡者まがいに逃げながら、一方で、支配者側と対決してゆくとゆう、カンジでおます。

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さてはて、本作の未来図は、5種くらいの人類に分かれていて、

ケイト・ウィンスレットのネーさんが、支配権を握ってはるグループが、ダイバージェントたちと、対決するっちゅうタイプの映画やけど、

ケイト・ネーの初悪役ぶりは、悪役になり切れへんような、エキセントなき演技ぶり。このクールな悪役ぶりは、秀逸どした。

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ケイト・ネーと対抗する、ナオミ・ワッツのネーさんも、熟成の演技ぶりどす。

ほんで、ハリウッドの次世代の、若手アクター・アクトレスが、最後の最後まで、活躍する映画でおました。

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人類の未来へのヒントが隠された、パンドラの函めいたもんがあり、

この函を開けられるんは、ダイバージェントたちしかいなかった。

そこで、ヒロイン(シャイリーン・ウッドリーちゃん)に、目を付けたケイト・ネーは、

彼女を拉致し、函を開けるための、さまざまな幻覚チックな実験映像が、取り入れられておます。

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第1弾を見ていなくても、通じる話やありまへん。

第1弾の映像がモノクロ絡みで、披露されとりますが、

そやから、本作鑑賞前には、本作の第1弾(分析済み)を、レンタルDVDやらで、いちおう見ておく必要が、あるやもしれまへん。

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カメラは俯瞰・移動撮影やらで、スピードフルな展開で魅せてくれはりますし、

サントラ歌もの部も、ラスト・ロールで、女のロッカ・バラードから、男のピアノ・スロー、重たいバンド・サウンドまでが披露されて…。

撮影・音楽などもモチ、見どころになっとります。

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ほんで、メインどころの見どころは、ケイト・ネーのグループに、拉致されたヒロインの、5つにわたる実験シークエンスでおます。

既に死んでるオカンを、助けようとする仮想チックな世界での、空中アクションやったり、

彼氏がヒロインを助けにくるシーンが、実験的映像の、さらなる実験映像やったり…。

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けども、最終的には、主人公がヒロインを助けて、なおかつケイト・ネーやらと、対決しはりますんで、ヒロイズム映画としての側面もありましょう。

でもしか、メイン・ポイントはあくまで、ヒロイン・アクション映画でおます。

実験シーンでは、いろんな迷彩シーンが繰り広げられとります。

ある意味、「マトリックス」(1999年・アメリカ)的な仮想世界観もありで

ヒジョーに見ごたえありのシーンが、頻出しとります。

シリーズ化されて、次なる新作も、ぜひ見てみたいような作品どした。

2015年10月15日 (木)

「ジョン・ウィック」⇒キアヌ・リーブスの新アクション

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仮想世界「マトリックス」アクションや、現実的な「スピード」アクションとは違い

現実的な世界の仮想世界で、新アクションを魅せる

http://JOHNWICK.JP

10月16日のフライデーから、ポニーキャニオンの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショー。

本作は、2014年製作の101分アメリカ映画どして、「R-15+」指定映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Motion Picture Artwork Ⓒ2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. ⒸDavid Lee

まずは、キアヌ・リーブスのアニキの、マイ・ベスト・ファイブ・アクション映画(順不同)を披露します。

①マトリックス(1999年製作・以下の引用は全てアメリカ映画)②スピード(1994年)③チェーン・リアクション(1996年)④ハートブルー(1991年)⑤本作

1
●キアヌ・アクションは、仮想世界のバーチャル・アクション①と、現実世界のノンストップ・バス制御アクト②が、双璧やと、一般には思われとります。

一方、逃亡者アクト③や刑事アクト④も、現実的な世界で展開するもんでおます。

でもしか、本作はこれまでと違います。

NYの現実的な世界の中で、非現実的な抗争が展開するもんどして、キアヌの役柄は元暗殺者どす。暗殺者役は初めてと違うやろか。

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その暗殺者キャラやけど、メッチャユニークなんどす。

ヨメとの結婚で、暗殺稼業を引退。でもしか、ヨメが死んでしもて、その形見として、ヨメからビーグル犬を贈られた。

その犬をいつも一緒にいて、メッチャかわいがってたんやけど、ある夜、ロシアン・マフィアに自宅を襲撃されてもうて、車を奪われ、愛犬を殺されてまいます。

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ほんで、車の奪還よりも、犬の復讐に燃えて、とことん犬を殺したボスの息子を、狙い続けはるんどす。

復讐の理由が、復讐アクトの古典「狼よさらば」(1974年)みたいに、家族が殺されたとか、そんなんやありまへんねん。

でも、犬がヨメの化身とするなら、ヨメの復讐ちゅうことにもなりますが、

いずれにしても、復讐劇の動機付けとしては、新しいやろかと。

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かつてキアヌを使ったことがある、ロシアン・マフィアのボスは、彼がいかに恐ろしい奴かを知っとったんで、

息子を守るために、キアヌを殺してくれるよう、何人かの暗殺者たちに依頼しはりまんねん。

ちゅうことで、息子を追うキアヌ、キアヌを狙う暗殺者たちやらの、丁々発止の銃撃戦やらが、派手にブチかまされよります。

4
今作のキアヌ・アクションやけど、ガン・アクションと、接近戦では、細かいカンフー・アクトを見せるんで、ガンとカンフーで、ガン・フー・アクションなどと称されとります。

確かに、見てると、ちょっとフツーの銃撃アクトと、違うで~なとこが、散見できるやろかと思います。

6
マフィアたちや暗殺者たちを向こうに回して、たった1人で立ち向かうキアヌの、ミラクルな活躍ぶりには、最後まで目を点にして見られることでおましょう。

また、ディナーの予約が、廃棄物(死体)処理ビジネスの隠語やったり、ホテルマンとキアヌのつながり、女暗殺者との対決、

ほんで、ウィレム・デフォーとの、暗殺者同士のキズナなど、メインどころとは違う、フックな見どころも、テンコ盛りになっとります。

7
監督はアクション・スタント・コーディネーターのチャド・スタエルスキなだけに、本気印・真剣バリバリの、アクション・シーンが、次々にやってまいります。

ハリウッドのアクション映画好きには、メッチャたまらへん仕上がりになっとりまっせ~。

2015年10月14日 (水)

誘拐ミステリー「白い沈黙」

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現在と過去が交錯する、女児誘拐ミステリー

コドモ虐待問題を衝く、衝撃の1作や~

http://www.shiroi-chinmoku.com

10月16日のフライデーから、キノフィルムズの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

本作は、2014年製作のカナダ映画112分どす。

ⒸQueen of the Night Films Inc.

誘拐・拉致ミステリーの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を言いますと…。

●ベスト⇒①天国と地獄(1963年製作・日本映画)②ファーゴ(1996年・アメリカ)③チェンジリング(2009年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②身代金(1996年・アメリカ)③大誘拐(1991年・日本)

●誘拐ミステリーには、偽装誘拐のベスト②も含めて、身代金ちゅうのが、元来はポイントになっとりましたが、

本作やクリント・イーストウッド監督のベスト③などのように、

身代金の要求がない、失踪なのか拉致誘拐なのか、分からないのんは、より謎めき度合いを高めよります。

この2作は、21世紀以降に出てきたもんで、失踪・捜査期間の長さと共に、誘拐ものの、新しいタイプやと言えましょうや。

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8年前に、オトン(ライアン・レイノルズ)が、フィギュアスケート練習を終えた9歳の娘を、Kトラで迎えに行き、

家路の途中でダイナーに寄り、オトンだけがパイを買いに行って戻る間に、娘が蒸発してまいました。

誘拐しか考えられなかったんやけど、刑事たち(女刑事役ロザリオ・ドーソンら)は、オトンを疑い、

また、オカンもオトンを非難して、夫婦の間に亀裂が生じよります。

そして、8年後の現在、オカンと別れて暮らすオトンは、娘捜索を続け、さらに、刑事が新たな手掛かりを見つけて、

ほんでもって、事件が8年ぶりに、動き出すとゆう展開でおます。

3
現在と8年前、4年前が、カットバックとゆうより、モザイク状に網羅されて、

単純そうな事件が、複雑性を帯びるような、構成を採ってはります。

また、現在の17歳の娘の様子や犯人側も、随時挿入されとりましてな、

刑事の捜査・オトンの探索・オカンの様子などと束ねられて、ミステリー的興趣が、徐々に高まってまいります。

監督のアトム・エゴヤンといえば、一番に思い出される代表作「スウィート ヒアアフター」(1997年・カナダ)も、ミステリー色があったけど、本作はまさに本格ミステリーどす。

しかも、単なる拉致やなく、ネット動画配信やコドモ虐待などの、現代的問題が、採り上げられておるんだす。

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カナダのナイアガラ・ロケとゆう特異性もあり、雪景色を中心とした、荒涼とした風景をバックに、

ロングショットを始め、登場人物たちが演技するところも、独特の雰囲気があるし、

最後の方では、女刑事が犯人側に、拉致されてまうとゆう、意外な展開もあって、目が離せまへん。

伏線もお見事どして、特に、オトンと娘の会話にある、トリック(細工)とギミック(小細工)の違いなどは、うまいなーと思いましたで。

ちゅうことで、現代的誘拐ミステリー映画として、秀逸な仕上げぶりどした。

2015年10月13日 (火)

香港・中国アクション「カンフー・ジャングル」

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カンフー映画のコンテンポラリーを追究した快作

新造形を示す、スタントなしの格闘シーン

http://kung-fu-jungle.gaga.ne.jp

10月10日から、ギャガ・プラスの配給によりまして、公開中どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Emperor Film Production Company Limited Sun Entertainment Culture Limited All Rights Reserved

カンフー映画てゆうたら、ブルース・リーやジャッキー・チェンらの香港映画が大ヒットし、一時代を築きました。

けども、ほな、現代はどないやねんとなると、今も中国・香港で作られとるし、日本にも上陸しとるけども、あんまし話題にはなっとりまへん。

でもしか、これはあくまで食わず嫌いの、傾向があってのもんやないやろか。

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いっぺんレンタルDVDでもエエから、入門編として、往年のブリース・リー映画やらを、見てみてくだされ。ハリウッド・アクション映画並みに、ハマルはずどす。

そのうえで、本作を見てみると、往年の香港製カンフー映画が、コンテンポラリー(現代的)に進化したとこが、顕著に見られるはずでおます。

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カンフーゆうたら、現代的アクションとしては、多少違和感があるやもしれまへん。

現代劇として展開する場合は、どおしても、鳴り物入りやったり、ミスマッチやったり、作られた感覚があったりします。

でもしか、本作は、そこんとこをきっちり考課した上で、物語を紡がはりました。

カンフーのチャンピオンたちに挑んで、彼らを殺してゆく人物像を造形し、異彩を放つ仕上げなんどす。

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そんなヤツいてへんやろーな、ツッコミはあるやもしれまへん。

その動機付けも、確かに一般には、分かりやすいものやないかもしれまへん。

でもしか、かつてのハリウッド・アクションよりは、リアル感はあります。

設定としては、犯人の正体を知った、カンフーで殺人を犯して服役中の主人公が、捜査当局に協力を申し出て、一時釈放されて、犯人の行方を追うっちゅう流れどす。

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服役囚がシャバに出て、活躍する映画ちゅうのは、ハリウッド映画にもありましたが、

本作はより本格的どして、後半には、トンデモ凄まじき格闘アクションが展開いたします。

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そのカンフー・アクションの見せ方も、従来の1対1対決のセオリーを、ある種攪乱するようなタッチでやってはります。

例えば「燃えよドラゴン」(1973年製作・アメリカ&香港合作)の闘いにおける、鏡の使い方が、本作では、もっと自然体にして波乱系に進化。

見てもろたら分かるんやけど、いわゆる、設定系ではなく、そのまま系なんでおます。

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そやから、こんなところで対決するやなんて…ちゅう驚きと共に、

クライマックスのバトル・アクションは、かつての香港映画のカンフー・アクト・シーンでは、なかったようなサプライズに満ちとります。

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ドニー・イェンが主演どす。

今年は彼の主演映画を、本作を含めて、3本見させてもらいましたが、本作が最もカンフー・アクターぶりをば、発揮した作品やと言えましょう。

彼の過去の作品を、ひも解いてもろて見てもろたら、分かるやろと思うけど、

本作では、伝統的なカンフー映画スタイルとは違う視点から、アクション演技をしてはるんがありありやねん。

香港カンフー映画のオマージュ・シーンも、ふんだんに取り込みつつも、新時代のカンフー映画を作り上げた傑作どす。

2015年10月11日 (日)

「図書館戦争 THE LAST MISSION」⇒日曜邦画劇場

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岡田准一・榮倉奈々・福士蒼太・栗山千明らが活躍する、シリーズ第2弾完結編

図書館側と政府検閲部隊との、大激戦が展開

http://toshokan-sensou-movie.com

10月10日の土曜日から、東宝の配給によりまして、全国各地イッセーのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 Library Wars-LM Movie Project

さてはて、「焚書坑儒」とゆうコトバを、みなはん、知ってはるやろか。

禁止書物を燃やしてまうんでおます。そんなんをテーマにした映画として、思い出すんは、

ボク的には、フランソワ・トリュフォー監督のSF映画「華氏451」(1966年製作・イギリス&フランス合作)どす。

本を燃やす側の男が、愛読書を隠し持つ女に、恋をするとゆうカンジの映画でおましたが、

女流作家・有川浩の本作の原作小説は、きっとその映画が意識にあったはずやと思います。

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図書館、本屋さんなどに対し、書物を規制するのが、まず政府・国家である点。

ほんで、禁止図書は廃棄・焼却されよります。

ただ、本作のオリジンは、それに抵抗する組織を作り、彼ら彼女らを、正義の味方的位置付けにしたこと。

さらに、仲間内での、ナイーブなラブ・ストーリーを、サブ・ポイントで描いたところでおましょうか。

「華氏451」では、政府側の一方的な弾圧どしたが、

本作は、本を守ろうとする部隊と、政府の検閲軍との凄まじい、戦争まがいの対決が繰り広げられてまいります。

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冒頭から、いきなり、禁止図書を図書館へ運ぶ際の、攻防戦が展開しま。

ほんで、クライマックスでは、茨城図書館での一大決戦があります。

本を展示会へ届ける、命懸けのミッション・アクション・シーンなど、

本を巡るアクション展開シーンは、かつてない新境地の、新鮮なアクションやろかと思います。

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図書を燃やした疑いを掛けられ、査問委員会にかけられてもうた、榮倉奈々ちゃん。

でも、上司の憧れの岡田准一のアニキに助けられて…。

ほんで、裏には、福士蒼太クンのアニキ役の、松坂桃李がおったちゅう流れ。

松坂アニの狙い通りに、茨城での応戦・防御戦へと、つながっていきよります。

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はっきり言って、表現の自由の観点からも、こういう図書を規制する未来図は、あんまし考えられへんと思うねんけど、

そこへ至る経過説明も、必要やったかもしれまへん。

でも、本を巡っての、戦争映画とゆう図式は、フツーの発想では考えられへんだけに、斬新やとも取れます。

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アクション部もエエんやけど、ラブ・ストーリー部もシャイでええねん。

監督は佐藤信介。

「GANTZ」(2011年)もエエけど、個人的には、監督デビュー作の「LOVE SONG」(2001年)が、出来はともかく、スキどした。

「LOVE SONG」の、伊藤英明と仲間由紀恵のナイーブ・ラブは、本作では、モチ岡田准一と榮倉奈々の間で発生します。

さらに、福士蒼太&栗山千明、田中圭&土屋太鳳もありまっせ。

ちゅうことで、アクションとラブ・ストーリーに、魅了されてくだされ。

2015年10月10日 (土)

「先生と迷い猫」⇒土曜ワイド邦画劇場

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名優イッセー尾形が、熟成の演技で魅せる!

多彩なバイ・プレーヤーたちと絡む、妙演技ぶりに魅せられて

http://www.sensei-neko.com

10月10日の土曜日から、クロックワークスの配給によりまして、梅田ブルク7ほかでロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015「先生と迷い猫」製作委員会

本作は猫をフィルターにして、人間を描く映画どす。

こうした映画は、洋画にはまずありまへん。

そんな邦画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば言いますと…。

①本作②グーグーだって猫である(2007年製作)③まあだだよ(1993年)④吾輩は猫である(1975年)⑤公園通りの猫たち(1989年)

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●小泉今日子の②、野良猫好きオッサンの⑤など、いろんなパターンがありますけども、

本作は、黒澤明監督の遺作③や市川崑監督の④と同様に、先生を描いておます。

但し、③は先生の、一部エピソードとして、描かれとりましたが、本作はそれを、全編にわたって展開しはります。

それだけに、メインは猫やなく、定年退職後の校長先生を描く、人間ドラマ映画になっとるんだす。

つまり、老人映画としての粋も、見え隠れする映画なんどすえ。

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猫好きの死んだ女房を、思い出すよってに、猫嫌いの先生が、

よく家に来てた猫が来なくなって、ついつい気になってしもて、

ご近所のみんなのとこを聞き回り、探すとゆう、シンプルな話なんやけど、

人を描くだけに、先生のその真意やキモチが、ネタになっとる映画だす。

そのビミョーな心理や感情を、イッセー尾形はんが、

「太陽」(2005年・ロシア&イタリア&フランス&スイス合作)の昭和天皇役で魅せた、

あの無表情チックでありながら、感情の機微を見せるとゆう、独特の演技性をば披露しはります。

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ほんで、多彩なバイ・プレーヤーたちとのやり取りや。

まずは、染谷将太。先生が趣味で撮った写真について、チョイズレの会話を見せ、

さらに、近所のピエール瀧、北乃きい、岸本加世子、嶋田久作らと絡み合いま。

1分くらいの長回し撮影やら、間合いの巧みな会話、ツーショットなどが繰り返され、

ほんでもって、みんなで猫探しをしていかはりまんねん。

果たして猫は、見つかるのかっちゅうよりも、見どころは、ヤッパ猫を巡る各人の話に、面白さがありますで。

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そして、観光地的ノリとは違う、伊豆ロケの日常性、ウクレレなども使った癒やしのサントラなど、

地方ロケ映画でも、作品性に合わせた、作りになっとるかと思います。

ほんでもって、ラストで明かされる、自然光で明るく撮られた、和みのエピソードは、ホッとするところでおましょう。

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監督は深川栄洋(よしひろ)のアニキ。

堀北真希、蒼井優、新垣結衣、嵐の櫻井翔など、ボク的には、アイドル映画のイメージある監督やったけど、

出世作「60歳のラブレター」(2009年)に次ぐ、本作のシニア映画で、しっとりの癒やし映画もいけることを、しっかりと証明してくれはりました。

でもって、本作は、彼のマイ最高傑作となった作品でおます。

2015年10月 9日 (金)

イギリス映画「ヴェルサイユの宮廷庭師」

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ケイト・ウインスレットのネーさんの、円熟演技の1本や~

17世紀フランス・ルイ14世時代の、歴史ものどす

http://www.versailles-niwashi.jp

10月10日のサタデーから、KADOKAWAはんの配給によりまして、角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、テアトル梅田、MOVIV京都やらで、全国順次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸBRITISH BROADCASTING CORPORATION, LITTLE CHAOS LIMITED. 2014.

イギリスの女優はん、ケイト・ウインスレットのネーさんを、みんな、知っとるか~? 

いきなりやけど、ケイトネーの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、ゆうてみますと…。

●ベスト⇒①愛を読むひと(2008年製作・アメリカ映画)②いつか晴れた日に(1995年・アメリカ)③本作

●カルト⇒①タイタニック(1997年・アメリカ)②ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年・アメリカ)③レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで(2008年・アメリカ)

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●彼女はイギリス女優やけど、ヴィヴィアン・リー、オードリー・ヘプバーン、エリザベス・テイラーなど、

往年のハリウッド女優の、気品とゴージャスを持ち合わせてはる、女優はんやと思います。

そんな上質の品位で、魅せる作品をベストに、

ハリウッドで有名監督と渡り合った、アクショナブルな映画をば、カルトにいたしました。

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ケイトネーのブレイク作は、モチ、カルト①でおますが、

イギリス出身のハリウッド女優として、往年の大女優たちの作品と、勝るとも劣らない、キリリな品格を示して、人々の記憶に、永く残る作品となりました。

そんな中で、ベストでは、そんな彼女の、本質・エッセンスを示す、傑作を並べてみました。

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本作は、17世紀ルイ14世時代の、歴史ものでおます。

ヴェルサイユ宮殿の庭園に、歴史的芸術的な庭を造るべく、女造園デザイナーとして、知性と気品に満ちた演技ぶりを、示さはりました。

宮廷造園家の師匠との面接を経て、片田舎の女造園家が、宮廷造園のデザイナーとして採用されはります。

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ほんで、監督兼のルイ14世役の、アラン・リックマンはんとの間で、花や植物についての、庭師同士的な会話やらが、展開しよります。

造園のメイキング・シーンはモチ、本作一番の見どころやと思いますが、

サブ的に展開する、こうしたシーンが、見どころをフック的に支えておます。

また、死んだ娘はんとの過去を、幻視したりする、ケイトネーの心理描写シーンなども、物語に絶妙なフックを加えてはりました。

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バイオリン、ピアノ、ギター、弦楽オーケストラなど、シーンに合わせたフレキシブルなサントラ使いにも、妙味がござります。

さてはて、本作はケイトネーのために、作られたような映画やけど、その期待に十二分に、彼女は応えはりました。

彼女の演技が忘れられない。そんな映画になっとります。

2015年10月 8日 (木)

「マイ・インターン」⇒良質のNY舞台ハリウッド映画

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アン・ハサウェイとロバート・デ・ニーロの、意外性ある初共演

年の離れた者同士の、友情映画な1本どす

http://www.myintern.jp

10月10日のサタデーから、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国各地イッセーのロードショーやねん。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 WARNER BROS ENTERTAINMENT INCAND RATPAC - DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

本作は、年の離れた2人の友情節を、描いた映画でおます。

その種の映画で、ボク的に思い出すんは、年寄りと若者郵便屋の「イル・ポスティーノ」(1995年製作・イタリア映画)やったり、

少年と老撮影技師の「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年・イタリア&フランス)やったり、

アル・パチーノとクリス・オドネルの「セント・オブ・ウーマン」(1992年・アメリカ)やったり…。

それらは全て、老若男どしたが、本作は男と女、珍しい老若男女の絆どす。

ラブものがどうしても多くなる、年上女と年下男の設定やなく、年上男と年下女の友情関係性を、果敢にも描いてはりまんねん。

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NYにある、バカ売れECの、ファッション・サイトの若社長役に、アン・ハサウェイのネーさん。

そんな急成長の会社に雇われる、後期高齢者社員役に、ロバート・デ・ニーロはん。

この若社長と老人部下との間に、恋やなく友情が芽ばえて、発展するっちゅう映画でおま。

デ・ニーロ的には、NYを舞台にした、過去の主演作品と、シンクロナイズするとこがござりました。

女社長を送る運転手も、やってまうとこなんかは、「タクシードライバー」(1976年・アメリカ)やし、

一方で「プラダを着た悪魔」(2007年・アメリカ)で、アン・ハサウェイと共演した、メリル・ストリープとの「恋におちて」(1984年・アメリカ)や、

「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977年・アメリカ)などを、思い出させる、恋の駆け引きや物語もありまんねんで。

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映画の引用も多々。

アン・ハサウェイちゃんからの指令による、コミカルなミッションでは、「オーシャンズ11」(2001年・アメリカ)に例えたり、

酔っ払ってのアンちゃんの、デ・ニーロを前にしての、「ジャック・ニコルソンや、ハリソン・フォード級は、今はいない」のセリフの珍味、

アンちゃんとデ・ニーロがホテルで一緒に見るのが、ジーン・ケリー主演の、モノクロ・ミュージカルやったりと、

いろんなとこで、お遊び的に出てきよります。

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監督は、女性監督のナンシー・マイヤーズ。

「恋愛適齢期」(2003年・アメリカ)や「ホリデイ」(2007年・アメリカ)など、ラブコメとゆうよりは、より上質の捻った恋愛ものを、描いてきた監督はんだけに、

本作もまたコメもあるけど、キチンとした説得力ある、人間ドラマであり、人と人のキズナをば、感動的に描いてはります。

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でもって、アンちゃんの最先端のハイセンスと、古き良きなデ・ニーロのやり方が、ミスマッチながらも、

2人の絆を徐々に深めてゆくテイストとして、随所に描かれてまいりまして、

やがては、夫婦愛の再生にまで、ドラマ的に発展してまいります。

このあたりのストーリー展開は、本作最大の見どころでおましょうか。

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ほんでもって、ナンチューても友情節。

「ディア・ハンター」(1978年・アメリカ)みたいな、命懸けのデ・ニーロ友情節とは違って、渋くてまろやかなスタイルで、友情を紡ぎます。

2人で一緒に体操をやるラストシーン。和みある余韻をもって、映画館をあとにできる映画どす。

家族、恋人と共に、また1人でも、心地よい気分の味わえる映画ですえ。

2015年10月 7日 (水)

イタリア映画「カプチーノはお熱いうちに」

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サプライズある、ラブ・ストーリーの快作

何でこの2人が結婚したんや? は最後まで分かりまへん

http://www.zaziefilms.com/cappuccino/

10月3日のサタデーから、ザジフィルムズの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで上映中。シネ・リーブル神戸やらでは、10月24日から上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 All rights reserved R&C Produzioni Srl - Faros Film

いやはや、サプライズあるラブ・ストーリーだす。

さて、そんな恋愛映画の、思いつくままに、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、やってみましょか。

●ベスト⇒①ローマの休日(1953年製作・アメリカ映画)②街の灯(1931年・アメリカ)③卒業(1967年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②花様年華(2000年・香港)③猟奇的な彼女(2001年・韓国)

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●ラブ・ストーリーに、ミステリーな「どんでん返し」や、サプライズを加える映画とゆうのは、総じて恋する2人の間の秘密が、ポイントになっとります。

ほんで、それが観客には分かっとるけど、登場人物の恋のお相手には、分からへんタイプをベストに、観客には分からへんタイプを、カルトにしました。

ベストはアメリカ映画、カルトはアメリカ以外の映画になってまいましたが、

観客に分かりやすさをば、モットーとするアメリカ映画らしさが、出たやもしれまへん。

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カルトは、観客に謎やサプライズを、ドキッと与える点において、観客の満足度は、メッチャ高いやろかと思います。

謎は最後まで、明かされないカルト②、最後にサプライズをもってきたカルト③。

ほんで、本作は2人の間柄を、大きなミステリーにして、ラブ・ストーリーの、一大ポイントなるものを、謎にした点において、

ほかに選んだ5作以上に、恋愛映画らしい謎を、メインにした作品やと言えましょう。

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冒頭シーンから、男女2人のいがみ合いが撮られ、ほんで、その後のシーンでも、2人は嫌い合う関係としてしか見られまへん。

ところがどっこい、突然ドラマが13年後に転じると、2人は結婚して、コドモ2人までいとることに、なっとりまんねん。

おいおい、あんだけいがみ合っとった2人が、何で結婚しとんねんと、驚きがありま。

つまり、2人が恋をし、結婚へと至ったプロセスを、大いなる謎に仕込んだ、作品なんでおますよ。

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その意味では、前半と後半のギャップが、デッカイ作品どすえ。

後半で、ヒロインが乳がんに罹って入院する、いわゆる不治の病系の、泣けるラブ部を、唐突に入れ込んで、

2人の馴れ初めの謎を、ボカしたりするミスリードなとこは、ワザトラなとこがあったけど、

サプライズ度を、大きくする点では、効果的やったかも。

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サントラ使いもジョウズどした。

冒頭のローアングルの、雨の日の移動撮影では、しっとりのアコースティック・ギター。

ここぞとゆう時には、弦楽オーケストラ。ピアノでのブルージー、13年後の転調部では、ディスコ・サウンド、

ほんで、ラストロールでは、泥臭いロック・バンド・ナンバーが流れて、シーンに合わせて巧妙に、サントラが流れとります。

そして、過去と現在がすれ違い、タネ明かしされるシークエンスは、メッチャ強烈だす。

公開中なんで、既に見た人もモチいるやろけど、これまでにない、トリッキーな恋愛映画を、きっと見た思いやったハズどす。

昨日分析した「パパが遺した物語」と、甲乙付けがたい、ラブ・ストーリー新次元でおました。

2015年10月 6日 (火)

「パパが遺した物語」⇒新機軸のアメリカン恋愛映画

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父娘のキズナを入れた、新しいラブ・ストーリー

父ラッセル・クロウ&娘アマンダ・セイフライドが、共演なきW主演や

http://papa.gaga.ne.jp

10月3日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、公開中どす。

本作は、2015年製作のアメリカ&イタリア合作映画116分だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 FATHERS & DAUGHTERS NEVADA, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

黒人のオトンと幼い息子の絆を、モロに描いた「幸せのちから」(2006年製作・アメリカ映画)が、

日本でもヒットした、イタリアのガブリエレ・ムッチーノ監督の新作でおます。

ほんで、本作でもオトンと、今度は娘はんの絆をば描いてはります。けども…。

3_2
今作は、オトン・娘はんの過去のキズナが、現代の娘はんのラブ・ストーリーと、

ビミョーに、シンクロナイズしてゆく作りでおまして、

父子の絆映画と恋愛映画が、かつてなく絶妙に、ミキシングされた映画になっとります。

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最初は、幼い娘はんとオトンの話だけで、まとめようとしはったそうやけど、

オトンの死後の現代の、大人になった娘はんの現状と恋愛物語を付加する、ちゅうか、

オトンの話と、娘はんの話を同等に描くことで、オトンに影響を受けたヒロインの、

今のラブ・ストーリーの行方を描く、そんな映画になったんでおます。

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往年から今まで続く、ロマンティックでストレートな、ハリウッド的恋愛映画の方程式とは、

オトンとの絡みを入れることで、大いに違ったテイストの恋愛映画になりましたがな。

ほんでもって、1989年のオトンと娘の話。そして、現代の娘はんの話。

この2つをカットバックさせることで、より映画的なドラマティックをば、生み出す結果となりましたんえ。

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小説家のオトン役はラッセル・クロウで、大人になった娘役はアマンダ・セイフライドちゃん。

オトンは娘の幼い頃に、死んでもうたんで、ラッセルとアマンダの、同時代設定での共演はありまへん。

でも、この今昔時代のW主演効果は、かなりとココロに響くとこがありましてな、

従来のフツーのラブ・ストーリーが、全く違った様相を呈し、

ほんで、親子の絆・現代の男女の愛が、融合調和するとゆう、奇跡に近い物語を、クリエイトしはったんでおますよ。

8
本作は既に公開中なんで、今すぐ見に行ってもろて、ご確認とゆうか、感動してもらいたいと思うけど、

見たあとのカンジは、映画の中にいるみたいな、往年のハリウッド映画の感覚ではあるけども、

いやはや、ちょっと違うで~、みたいなんを、覚えはるかと思います。

7
つまりは、そこなんでおます。

サブ的なとこやけど、オカンが殺されてから、喋らなくなってもうた黒人少女と、ソーシャル・ワーカーのアマンダちゃんの絆なども、

この映画の流れの中では、しみじみとくるエピソードでおました。

9
妻の死後、精神を患う、実在の作家らしきを演じたラッセル・クロウは、

統合失調症のノーベル賞受賞者を演じた「ビューティフル・マインド」(2001年・アメリカ)並みの妙演やし、

酒席で出会った男たちと、ついつい寝てまうアマンダちゃんも、

その複雑な心理を、目ヂカラを中心に感情表現しはりました。

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個人的なことをゆうと、久々に見た、クロウの出版エージェント役ジェーン・フォンダはん。渋いわ。

久々に聴いた、マイケル・ボルトンの、メロディアス・ピアノ・バラード・ナンバー。最後にグッときたがな。

そんな個人的なとこは別にしても、本作はマイベストもそうやけど、

一般的にも、今年のベストテン級洋画の1本に、なったんやないかなと思います。

2015年10月 5日 (月)

「バクマン。」⇒月曜邦画劇場

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コミック原作映画の多い中で、遂に真打ち登場や!

マンガ・メイキング映画なんて、かつてありまへんで

http://www.bakuman-movie.com

10月3日の土曜日から、東宝配給で全国ロードショー中。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015 映画「バクマン。」製作委員会

コミック原作の日本映画が、今や全盛を迎えておます。

そんな中で、本作は、コミック原作はコミック原作でも、コミック業界に取材し、

しかもかつてなかった、コミック・メイキングをば、打ち出した作品でおます。

3
この種のメイキングものは、映画にするなら、映画製作ものが圧倒的に多かったんやけど、

また、マンガ以外のメイキングものも、それなりに輩出されとったけど、

マンガ作りとゆうのんは、漫画家の実話やらはあれど、また、洋画にもそんな例はなく、

おそらく映画史上初の試みの、作品やと言えるんやないやろか。

5
そのメイキングの描写も、日本の漫画業界のシビアさも反映され、

また、日本でナンバーワンの漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」を出版する、実在の出版社(集英社)編集部に、緻密に取材し、実にリアリスティックな作りになっとります。

15
どのエンタ作品にも、通じるセリフやと思うけど、編集長役のリリー・フランキーが言う「マンガは面白いかどうかだ」とか、

持ち込みのマンガを、数秒で出来を見る、編集者役の山田孝之とか、

さらに編集会議など、メッチャリアルで、コミック原作とは、とても思われへん、仕上げなんどすえ。

4
そして、漫画家たちの作品作りの苦闘ぶりを、スポ根映画のノリで展開しやはります。

佐藤健&神木隆之介の、作画・ストーリーの漫画家コンビと、染谷将太の、CGで贈るバトル・シーンなどに加え、

みんなが一緒になって、1つの作品を作ってゆくシークエンスなど、

マンガを部屋で、シコシコ書いてる漫画家イメージを、変えるような動的なシーンも、多数とらえられておます。

6
そんなシビアな業界メイキングぶりに対し、

本来ならコミック映えするような、学園ラブ・ストーリー部も、

サブ・ストーリー的にとらえられとって、オオッと目を瞠らせてくれはりまんねん。

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それは佐藤健と、声優志望役の小松菜奈ちゃんの、恋愛部でおます。

お互いに両想いなんやけど、佐藤健の書いた漫画原作のアニメで、ヒロインの声を、菜奈ちゃんがやって、とゆう夢を追いかけはります。

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アタリキでストレートな学園ラブの多い中で、

本作とか「俺物語!!」(10月31日公開・弊ブログ後日分析)とかは、新次元を示してはると言えましょうや。

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本作の大根仁監督とくれば、映画デビュー作の「モテキ」(2012年・分析済み)を思い出すけども、

「モテキ」のミュージカルであれ、「恋の渦」(2013年・分析済み)の、室内劇的青春群像劇であれ、

必ずこれまでの邦画にはないような作りを、意図的にやってはる、先鋭的な監督はんどす。

本作もまた、コミック・メイキングの青春映画。

そして、主人公たちの熱気ぶり。グイグイと、胸にきよりまっせ。

ラストロールで流れる、「サカナクション」の、ギターやシンセを生かした、キャッチーなダンサブル・ロックも、ポジティブな余韻を深めますで。

2015年10月 4日 (日)

「木屋町DARUMA」⇒日曜邦画劇場

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主演・遠藤憲一アニキの、キャリア史上最高の傑作や~

京都を舞台にしたヤクザ映画の、21世紀的新次元とは?

http://www.kiyamachi-daruma.com

10月3日の土曜日から、東京・渋谷シネパレス、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順グリのロードショーや~。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「木屋町DARUMA」製作委員会

まずゆうときたいのは、本作はタイトル通り、京都ロケ映画なんやけど、

高瀬川沿いの木屋町ロケとゆうのんは、実は森鴎外原作映画「高瀬川」(1930年製作・日活製作)以来なんでおます。

京都に撮影所がある東映、松竹始め、大手の映画会社でも、なかなか許可を得られず、ロケのできへんかったスポットどす。

それがダメモトで、スーっと行ってみたらでんな、すんなり許可を得られ、

ほんで、本作の重要シーンでは、何カ所かにわたり、木屋町が撮られておるんどすえ。

もうそれだけでも、画期的な作品やと思いまっせ、ホンマ。アラマ・ポテチン(ビックリ)やがな。

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でもしか、作品内容の壮絶具合も含めて、演技陣もモノゴッツーすごかったわ。

主演は、エンケンこと遠藤憲一のアニキやねん。

両手両足が、ヤクザ抗争のケジメで、斬られてもうて、今やダルマな、芋虫状態なんでおますよ。

なのに、借金の取り立てを始め、現役バリバリで、やってはりまんねんで。いやはやスゴイわ。

エンケンの介護をする三浦誠己も、やるせなさをば、微妙に演じる渋い役柄。

木下ほうか、木村祐一らの、いかにもなナニワ節演技。

寺島進の、あんまし見せへん脆弱演技。

さらに、最後には「死ね、死ね」と、2人をナイフで刺し殺す、武田梨奈ちゃん。

「進撃の巨人」(2015年・弊ブログ分析済み)なんかよりも、よっぽど凄かったで~。

梨奈ちゃんの、これぞインディーズ節・真骨頂だす。

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加えて、1980年代の映画的アイドル、烏丸せつ子ネーさんが、寺島進アニのアネさん役で登場やねん。

地味になったけど、枯れたワビサビな、エエ味わいがありますえ~。

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京都を舞台にした、ヤクザ映画ちゅうか、ヤクザ映画もどきやけど、このアングラな感覚は、日本映画の日本映画的ケレン味を、見せてはりまんねんで。

高倉健・菅原文太的な、いわゆる日本の伝統的な、ヤクザ映画的エッセンスを取り込みつつ、ヤクザ的やるせなさや相棒節、ほんで、何とも言えへんシブミが出とりま。

ウ~ン、チョイたまらんようになってきよったがな。嗚呼(ああ)!、涙ホロリやがな~、ポロポロリやがな~。

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アコースティック・ギターを主軸にした、シンプルなサントラ使い、遠藤憲一エンケンの、過去シーンでのモノクロ使い。

映画作家的に、計算されたシーンが、ケッコーありま。本作の監督は、榊(さかき)英雄監督だす。

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俳優やゆうても、脇役で出演してはるだけに、おのが俳優監督としての自作では、役柄とはだいぶと違う、新鮮味にしてドッキリな作品をば、撮ってはりまんねん。

弊ブログでも、100万以上のアクセスがあった、監督作「捨てがたき人々」(2014年・弊ブログ分析済み)。

ヤラシー&エグイ度はそれ以上に、素晴らしくて泥臭くて、渋々シブイな作品になったんが、本作でおまっせ~。

ちゅうことで、みなはん、遠藤憲一アニキの、今年の主演男優賞級の演技に、魅せられてくだされませ~。

2015年10月 2日 (金)

ドイツ映画「顔のないヒトラーたち」

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「ハンナ・アーレント」に続く、ナチス告発映画どす

ヒロイズムある検事役主人公が、メッチャ魅力的な仕上がり

http://www.kaononai.com

10月3日のサタデーから、アットエンタテインメントの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は2014年製作の、ドイツ映画117分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Claussen + Wobke + Putz Filmproduktion GmbH / naked eye filmproduktion GmbH & Co. KG

ナチス関連の映画とゆうのは、3パターンに分けられよるかと思います。

戦争映画や収容所映画、ヒトラー関連、

ほんで、本作のような、戦後何年も経ってからの、元ナチを糾弾する映画でおます。

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元ナチ追及系映画の、順不同のマイ・ベスト・スリーをば、言いますと…。

①本作②オデッサ・ファイル(1974年製作・イギリス映画)③ハンナ・アーレント(弊ブログ分析済み)

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●②や③は、元ナチ幹部を追いかけるノリの映画どして、国家的にドイツが、ナチズムを裁くちゅうノリやなかったけど、

本作は、1人のヒラの検事(アレクサンダー・フェーリング)が、終戦13年後のドイツ・ハンブルクを舞台に、

今でもフツーのように仕事しとる、ナチの残党やら、収容所での残虐行為やらを、弾劾せんと、必死のパッチで、やってゆかはる姿を捉えてはります。

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この種の司法の捜査・調査ものでは、裁判ものも含め、弁護士や検事の弁舌強烈なとこも、大いなる見どころなんやけど、

本作は、「JFK」(1991年・アメリカ)のケビン・コスナーを、思い出させるような、主人公検事が、渋くカッコヨク決まっておりました。

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彼をサポートする脇役陣も、イキイキ。

主人公を事務的に、サポートするおばちゃん、主人公に加担する検事総長、

主人公と共に調査に走る新聞記者、彼と共に、最後は糾弾へと向かうライバル検事。

みんな、愛しくて、好感度あふれる演技ぶりどした。

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大げさかもしれへんけど、大傑作「ニュールンベルグ裁判」(1961年・アメリカ)と比較しても、

決して遜色のない、仕上がりぶりやと思いましたで。

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コーラス・ナンバーを流しての、証人聴取のダイジェスト・シーンやら、犯罪者を次々に逮捕する、ダイジェスト・シーンなどが、

ドラマをよりスリリングかつ、サスペンスフルにしとります。

セリフで語られる残虐行為も、セリフによって見せる、臨場感がありました。

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さらに、主人公のラブ・ストーリーとしての、ドラマも展開しとりまして、

ベッド・シーンで女がゆう「人生ってステキね」など、ココロにキュンとくるセリフやら、

「生まれつきのヒーローはいないんだ」ちゅう、主人公のエエかっこしいなセリフなど、

ココロに残るセリフも、満載やねんで。

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1958年当時の雰囲気があるクラシックな香り。

絶妙な間(ま)の使い方。

往年のハリウッド・クラシック映画にも負けない、オーケストラ・サントラの使い方。

「ハンナ・アーレント」を、バージョン・アップしたような作りに、酔わされましたがな。

これもケビン・コスナー主演やったけど、「アンタッチャブル」(1987年・アメリカ)と比べてみたいくらい、

ヒロイズム映画としても、極上の映画やったです。

2015年10月 1日 (木)

「ドローン・オブ・ウォー」⇒イーサン・ホーク主演戦争映画

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戦争映画が、室内劇のゲーム感覚で捉えられたで!

戦場に行かない戦争映画やなんて、そんなのあり?

http://www.drone-of-war.com

10月1日の木曜日から、ブロードメディア・スタジオの配給によりまして、TOHOシネマズ六本木、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

本作は「R-15+」指定映画で、2014年製作のアメリカ映画104分どす。

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Ⓒ2014 CLEAR SKIES NEVADA,LLC ALL RIGHTS RESERVED

ドローンが今年、話題になりましたけども、

本作は、アメリカ軍が、そのドローンを戦争に、利用しとるとこをば描いた映画でおます。

室内のコンピやらで、遠隔操作して、ドローンに搭載の爆撃物を放つちゅうスタイル。

指1本の操作で相手をやっつけてまう、どちらかといえば、ソフトゲーム的感覚が、

確かに現代的やもしれんけど、映画的臨場感はそないありまへん。

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液晶画面に映される爆撃シーンが、ワンパターンのように繰り返されます。

果たして、そんなんの連続描写で、戦争映画と言えるんかなどと、不満の声も聞こえてきそうやけど、

でもしか、見てると、なるほど、コレが現代の戦争映画として、新味なんかもしれへんな~、なんて思たりして…。

爆撃の炎がメインなんで、総じてオレンジからセピアまでの画像が、何度も繰り返されまんねん。

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でも、攻撃するかどないかは、上からの命令やけども、室内にいてるみんなそれぞれの心理も、当然描かれてまいります。

コンピから指1本の撃つ役主演は、イーサン・ホークのアニキ。

そのアシスト的役に、ゾーイ・クラヴィッツちゃん。

2人は、サラリーマン・OL的に、家から戦場へ通勤してはるちゅうカンジどして、

同僚同士での愚痴やら、酒を飲んでのやり取りなどが、兵士とはとても思われへんリーマン的ノリで、なされてまいります。

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それが結局、戦場へ行って戦うとゆう、命懸けやスリリングやハラドキがないために、

イーサンやらは不満を覚えてでんな、遂にはドッカーンと、破裂するようなことに、相なってまうんやけど…。

イーサン・ホークが、そんなこんなで、徐々にトチ狂ってゆく兵士役を、絶妙のクール演技で演じてはります。

戦場へ行った「アメリカン・スナイパー」(弊ブログ分析済み)の、主人公のキモチと相関するようなとこが、あるやろかと思います。

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ヨメとのキズナがあるにも関わらず、戦場へ行けない苛立ち、それゆえに破滅的・攻撃的になってゆく、主人公の造形は、

幾多の戦争映画の狂気をば、思い出させるノリでおました。

本来はアイドル的ノリであるはずの、ゾーイ・クラヴィッツちゃんの、毅然とした凛々しさにも、魅せられよりました。

室内劇戦争映画のもどかしさ、一方でそのゲーム感覚性に見合った、2人の演技ぶりでおました。

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アメリカン・ポピュラー・ミュージックの、現代の売れ線、ハードロックやヒップホップやらを、自在に流すサントラ使いも絶妙どした。

監督はアンドリュー・ニコル。

イーサン・ホーク主演やったSF映画「ガタカ」(1997年製作・アメリカ映画)、「TIME/タイム」(2011年・アメリカ・弊ブログ分析済み)など、

今までのジャンル映画に必ず、異質・異種とも取れるニュアンスをば、加えて撮らはる監督はんどして、

今回は戦争映画へのアプローチどした。

映画の仕上がり具合は別にして、その冒険精神は、グーンと胸に伝わってくる映画やったと思います。

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