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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2015年9月の記事

2015年9月30日 (水)

9月に見たマイ年間ベストテン級候補映画

●邦画

★岸辺の旅(10月1日公開・浅野忠信&深津絵里共演・弊ブログ分析済み)

http://kishibenotabi.com

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★恋人たち(11月14日公開・橋口亮輔監督・後日分析)

http://www.koibitotachi.com

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★木屋町DARUMA(10月3日公開・遠藤憲一主演・後日分析)

http://www.kiyamachi-daruma.com

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●洋画

★アクトレス~女たちの舞台~(10月24日公開/ジュリエット・ビノシェ&クリステン・スチュワート&クロエ・グレース・モレッツ共演/フランス・スイス・ドイツ合作映画/後日分析)

http://www.actress-movie.com

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★パパが遺した物語(10月3日公開/ラッセル・クロウ&アマンダ・セイフライド共演/アメリカ・イタリア合作映画/後日分析)

http://papa.gaga.ne.jp

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★チャンス商会~初恋を探して~(公開中/カン・ジェギュ監督/韓国映画/ブログ分析済み)

http://www.jangsumart.jp

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●まずは邦画。映画全体としての完成度が、メッチャ高い「岸辺の旅」。

今年の監督賞ものの作家性をば、示さはった「恋人たち」。

遠藤憲一が主演男優賞級の、演技で魅せる「木屋町DARUMA」。

マイを除いても、全てベストテン級の仕上がりでおましょう。

次に洋画どすが、映画女優をポイントにした、ヒロイン映画「アクトレス」は、実話ものやないフィクションで、久々に見た女優人間ドラマ映画どした。

ジュリエット・ビノシェが、貫録の演技で魅せてくれはります。

時代背景の違う、オトン編と娘はん編をカットバックさせ、親子のキズナを媒介にして、アメリカン・ラブ・ストーリーの新しさを打ち出した「パパが遺した物語」は、

往年のハリウッド恋愛映画を、進化させたような仕上げ。グッときました。

今年の韓国映画では、「私の少女」「国際市場で逢いましょう」(共に弊ブログ分析済み)と並ぶ出来の「チャンス商会」。

全てCJエンターテインメントの配給作品どすが、韓国最大の映画会社の底力をば、見せつけてくれてはります。

ブログ未分析分は、後日じっくりヤラしてもらいまっせ。

「アメリカンドリーマー 理想の代償」

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1981年NYを舞台に、経営者夫妻のドラマが静かに展開

チョー名作「市民ケーン」まで、思い出させるような傑作

http://american-dreamer.gaga.ne.jp

10月1日の木曜日から、ギャガはんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 PM/IN Finance. LLC.

今年の洋画のマイ・ベストテン級に、8月末の月間ベスト作品で、選んだ1作でおます。

1981年度のNYが舞台とゆう、今からゆうと、30年以上も前の話どして、

ボクが同志社大学に通とった時の話どす。

1980年代とゆうのを、かなりと意識しとるとゆうか、1970年代とは違うんや~ちゅうとこを、映像的にも、ストーリー的にも、捉えた映画でおました。

でも、そこんとこは、1970~80年代の映画体験をした者にしか、通じへんとこかもしらんけど、

でもしか、今はDVDがあるし、レンタルやらで充分に、確認してもらえよります。

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1970年代のNY舞台映画とは、映像・内容的に違うとこを、

2015年の現代から、俯瞰するタッチで、採り上げられとりまして、そこが滋味でシブミがござりました。

NYを舞台にした「フレンチ・コネクション」(1971年製作)「真夜中のカーボーイ」(1969年)「タクシードライバー」(1976年)なんかの、

退廃的映像とは、ビミョーに違うとこを、クリエイトしようとしはりました。

まずもって、ここがスゴイとこどすやろか。

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室内撮影では、映画的照明を排した、ほの暗いダークな作り。

戸外では、自然光による撮影を主にし、1970年代映画とは違うとこを、意図的に出してはります。

その違いがどこにあるかは、作品を見比べてもらうしかないけども、

ボク的には、さりげないとは思うけど、何とも言えないシブミをば、覚えたんは事実でありま。

ほんで、石油を強奪したトラックと、主人公のカーとの、カーチェイス。その後の電車内での追跡。

「フレンチ・コネクション」のタッチの、いわゆる進化型の、追逃劇が見られます。

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話は、アメリカの経営者の話どして、夫妻で会社をやってはります。

その内容は、輸入された灯油・石油を、トラックで運搬して、スポンサーのとこに届けるとゆう、単純な仕事なんやけど、

輸送中に、襲われてトラックを、石油を、奪われてまうことがありまんねん。

そおゆう時に、運転手が拳銃を持っとったら、追い払えるんやけど、主人公・社長は、それを許さはりまへん。

ヤクザやギャングやない。

あくまで、マットーな仕事やし、会社なんやとゆうことらしい。けども…とゆうんが、本作のポイントとなるとこやろか。

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主人公役は「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(2013年・弊ブログ分析済み)で、迷いや喜怒哀楽を、コク深く静かに演じた、

オスカー・アイザックのアニキ。

演技派の彼のヨメ役の、ジェシカ・チャスティンのネーさんとは、大学の同級生で、恋人やなくて盟友。

ジェシカ・ネーのプッシュがあったとはいえ、夫妻映画としても、2人共に異彩を放つ、夫婦演技ぶりどして、

こおゆう感覚は、今までのアメリカ映画にはない、夫婦関係ぶりやったと思います。

そのあたりは、じっくりと見ていただきたい。

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経営者ドラマとして、大げさかもしれんけど、

映画史に残る名作「市民ケーン」(1941年)の感覚を、少しくボクは覚えよりました。

マーヴィン・ゲイのニュー・ソウルを流して、主人公が走る「ロッキー」(1976年)のように、ノレル冒頭。

ラストロールでは、アフロ入りのR&Bを流したりと、絶妙なサントラ使いにも、注目したいところでおます。

ちゅうことで、イロイロあるけども、アメリカン・ヒロイズム映画、人間ドラマの粋をば、魅せる傑作やと思います。

2015年9月29日 (火)

「お!バカんす家族」⇒これぞハリウッドのおバカ映画

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家族ロードムービー・コメディの、おバカっタレな怪作品や~

ワザトラのように繰り出される、トラブルの連続攻撃や~

http://www.ovacancekazoku.jp

9月26日から、ワーナー・ブラザース映画の配給で、新宿バルト9、梅田ブルク7やらで、全国公開中や~。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND PATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

本作は、家族ロードムービー・コメディ「ホリデーロード4000キロ」(1983年製作・アメリカ映画)の、リメイクやちゅうんどすけども、ボクはその映画を見ておまへん。

でもしか、このトンデモ・ワザトラなトラブル続きの、家族ロードムービーは、

1990年代末頃に出た「ビーン」(1997年)「オースティン・パワーズ」(1997年)などの、イギリス発オバカ映画のタッチが、濃厚に出た作品になっとります。

最近のアメリカ映画では、「ハングオーバー」(2010年)などのノリやろか。

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家族ロードムービーで、コミカル・モード入りてゆうたら、ボクは「リトル・マイ・サンシャイン」(2007年・アメリカ)なんかを思い出すんやけど、

本作はマトモな人情系やったり、セオリーチックな家族ドラマ性をば、いっさい排除してでんな、

思いっきしオバカ・モードを、とことん貫いてはりまんねん。

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バカバカしさ、リアル感なしのアホさ加減が、日本人には理解しがたいアメリカン・ジョーク共々、披露されてまいります。

ボク的には、身を退くっちゅうよりも、ヤッパ、なんじゃコラーなとこが多くて、

いわばあまりにもアホらしくて、見てられへんがな~っちゅうとこが、はっきりゆうて多かった。

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けども、そのアホバカどころが、ついついクセになってまう仕上がりどして、

家族一同みんなで、そんなんないやろ、そんなバカなやら、おいおい、ガヤガヤと、ツッコミ入れつつ、

騒がしくお祭り気分で見れるような、そんな映画やと思います。

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静かに見るべき映画館で、騒いで見るんは、御法度かもしれへんけど、

でも、この作品に限っては、それを許してもらうんが、ベスト鑑賞法やないかな。

それが許されないなら、ビデオで見るしかないことになってまうけど、

でも、ワイワイガヤガヤの映画館があっても、別にエエやんちゅう映画でおます。

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家族一同で、バカンスに有名なテーマパークへ、クルマで行こうやんちゅう、メッチャシンプルなロードやねん。

ところがどっこい、そのロードで、ワザとのようにトラブルを、いくつも設定してでんな、

テーマパークには、なかなかたどり着けへんちゅう作りでおます。

オカンが卒業した高校へ行って、バカ・コンテストにオカンが出たり、トンデモカーチェイスがあったり、

さらには、温泉へ寄り道して、エライことになったりと、もうどうにもこうにも、メチャメチャでおます。

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サントラにしてもそうやったわ。

歌ものサントラもあんねんけど、名曲バラード「ウィズアウト・ユー」や、「炎のランナー」やらの、おいおいな、ミスマッチな使い方など、

もう何でもやってやーとゆう、開き直り鑑賞にまでなってまう、そんなハチャハチャぶりどした。

ウーン、今年最高のオバカで、カルティックな作品。

上映中なんで、今すぐ見に行って、オバカ気分を、ドカーンと味わってみようで~。

「ピエロがお前を嘲笑う」⇒火曜サスペンス映画劇場

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ハリウッド・リメイクが決まった、集団犯罪映画の傑作

「ユージュアル・サスペクツ」に肉迫する、どんでん返し映画や~

http://www.pierrot-movie.com

9月26日サタデーから、ファントム・フィルムの配給によりまして、梅田ブルク7、T・ジョイ京都やらで、上映中。

本作は、2014年製作のドイツ映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸWiedemann & Berg Film GmbH & Co.KG. SevenPictures Film GmbH 2014; Deulsche Columbia Pictures Filmproduktion GmbH

ドイツ映画から、こおゆうハットトリッキーな犯罪・ミステリー・サスペンス映画が出てきたんは、実に久しぶりやないかと思います。

確かに、21世紀になってから、アカデミー賞外国語映画賞をゲットした、スパイ映画タッチの「善き人のためのソナタ」(2006年)とかが、ありましたけども、

映画的には凄かったけど、ミステリー映画的には、緻密には練られておまへん作りどした。

3
ドイツといえば、戦前は「カリガリ博士」(2019年)など、この種のミス・サスの、原点的作品とも言える1作をば、提示しはった国でおます。

その種のドイツ映画の、系譜をたどりたいとこやけど、残念ながら、ボクの見てる範囲では、めぼしい作品はありまへんどした。

いわば、これほどトリッキーで挑発的な1本は、ドイツ映画としては、珍しいんやないかと思えるんどす。

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ゆうてみたら、ドイツ映画に関わらず、

「ユージュアル・サスペクツ」(1995年・アメリカ)やらのように、サスペンス・ミステリーの、王道的名作の系列に入る、1本やと言えるやろか。

そのあたりの騙しや、どんでん返しやらを意識してか、かなりと観客を刺激する、挑戦的な作品になっとります。

4人のハッカー集団が、銀行強盗的大金奪取な作戦をやるんやけど、

「オーシャンズ11」(2001年・アメリカ)やらとは違い、あくまでネットの室内引きこもり系で、やってまうわけでおます。

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でもしか、その種の犯罪者が、先行しておりましてな、ずーっと捕まらずに、犯罪を続けておりまして、後発の彼らを刺激しはります。

そして、2派の対決的様相を呈した時に、刑事側の捜査が、佳境を迎えるちゅうカンジどすやろか。

刑事側からの捜査のメスに、彼らはどう対応するのか。ココが大きな見どころでおますし、ネタになっとります。

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解離性同一性障害(多重人格)、統合失調症(精神分裂病)などの精神病が、ポイントになっとるんやけど、でもしか、刑事は…。

ほんでもって、観客のあなたも、決して(!?)騙されへんやろかと思うんやけど、さてはて、どないですやろか。

解離性障害ちゅうのは、多重人格の人格同士でのやり取りはなく、1人の人格しか、表には出ないとゆうことになっとるんやけど…。

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さてはて、本作は、ハリウッド映画でのリメイクが決定しておます。なるほど。わかりやすいなと思いま。

ハリウッドは、犯罪・ミス・サス映画へのアプローチが、ことに際立っとるちゅうところ。

ネタギレがかしましかった20世紀末を越え、今、ハリウッドが何を求めているのかが、本作を見れば、よーく分かるようになっとりまんねん。

ハットトリッキーな作り。どんでん返し。ほんで、さらなるサプライズ。

容疑者と刑事の対峙が、重要シーンやった「ユージュアル・サスペクツ」と同じく、本作もそこがポイントどす。

けども、そのあとの展開が、微妙に違いよります。

そのあたりを比較してみれば、オモロイやろかと思いまっせ。

2015年9月27日 (日)

今年のマイ・ナンバーワン候補日本映画「岸辺の旅」⇒日曜邦画劇場

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浅野忠信と深津絵里が共演した、夫婦映画の傑作

夫の死を辿る、感動のロードムービー・スタイル

http://kishibenotabi.com

10月1日の木曜日から、ショウゲートの配給によりまして、テアトル梅田、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸やらで、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015「岸辺の旅」製作委員会/COMME DES CINEMAS

日本の夫婦映画ナンチューたら、ソラモー、ケッコーなタイトル数があります。

しかも、邦画では、家族映画に次いで、名作の宝庫ジャンルにもなっとるんだす。

ただ、共に生きてる夫婦映画やなくて、本作は、いわゆる、夫妻のどっちかが、死んでしもたバージョンでおまして、

今年公開された「フーフー日記」(弊ブログ分析済み)に合わせて、その種の特殊夫婦映画の、マイ・ベストなんかをやりましたけども、

でもしか、本作はそんな日本映画の、最高傑作になったんやないやろか。

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洋画でゆうと、夫が生き返ったワケやない「ゴースト ニューヨークの幻」(1990年製作・アメリカ映画)なんかは、オモロかったと思うけど、

死んでもうて、ほんで生き返ったとゆうパターンは、今や定番的やけど、

問題はその生き返りを、どう映画的に表現するのかでおます。

「いま、会いにゆきます」(2004年)みたいに、泣ける映画的に、大衆的に分かりやすく撮るんか、

「居酒屋ゆうれい」(1994年)みたいに、幽霊のノリで出さして、コミカル・モードでゆくんか。

でもしか、本作は、それらの映画とは違い、カンヌ国際映画祭で、「ある視点部門」とはいえ、本作の黒沢清監督が、監督賞をもろただけに、

より芸術的に、よりシュールに、それでいて、分かりやすう仕上げになっとります。

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さてはて、話としては、3年間失踪しとったダンナ(浅野忠信)が、突然ヨメ(深津絵里)のとこに戻ってきて、

オレはとっくに死んでんねんけど、この3年間に、お世話になったイロンなとこへ、一緒に行ってくれへんかと、ヨメに持ちかけはって、

2人のロードムービーが始まります。

1人が死んどる設定での、夫妻のロードムービーちゅうのんは、かつてありまへん。

また、なぜ夫が失踪したのかも、言及されとらず、謎めいたままのロードどして、

そこが何やら奥ゆかしさみたいなもんをば、醸してはりまんねん。

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まずは静岡あたりの、新聞販売店の主人(小松政夫)のとこへ。

ダンナはここに住み込んで、世話になったそうやけど、ヨメが家出してしもて、小松はんは既に死んではんねんけど、ここで、小松はんと夫妻の、交流がなされます。

新聞店の簡易ベッドの寂寥、ほんで、深津ネーさんだけが、最後に見る新聞舗の荒廃ぶり。

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その次の行く先は、死んでへん、食堂やってる夫妻のとこへ。

深津ネーがこの地で、住みたいっちゅうほど、エエ感じの地方の町どしたが、ここでも、死者との遭遇があります。

さらに、次はバスに乗って、バス内の浅野と深津ネーの長回し撮影を前触れに、

ダンナが浮気しとったらしい蒼井優と、深津ネーのエピソードが挿入されま。

その緊張に満ちた、シークエンスのあとは、ダンナが農家の人たちに、アインシュタインや宇宙の講義を、やっていたとゆう、ド田舎の農村へ。

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深津ネーが、死者とつながる滝のシーンで、死んだ父と会ったりするっちゅう、摩訶不思議ワールドなシーンが、次々にやってまいります。

夫妻の心理や絆を、多彩な人との関わりの中から、ひも解くように紡いでゆくこのスタイルには、ウーンと唸れる圧巻がござりました。

2人の別れの海辺のラスト・シーンも、余韻深く、忘れがたかったわ~。

今のところやけども、本作は今年の日本映画の、マイ・ナンバーワンでおます。

2015年9月26日 (土)

「螺旋銀河」(らせんぎんが)⇒土曜ワイド邦画劇場

1
2人の女のコンビ・プレーを描く、さわやかな作品

新人女性監督が、女性の視点で描いた、2人の女性の関係性とは?

http://www.littlemore.co.jp/rasenginga/

9月26日の土曜日から、リトルモアとヨアケの配給で、東京・ユーロスペースやらで、全国順グリのロードショーだす。

関西は、10月31日から、シネ・リーブル梅田やらで上映だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

女性同士の友情・キズナ・一緒に何かをやろかいなー、っちゅうような映画は、これまでに、イロイロ出てまいっとります。

ボク的には、この種の映画では、洋画では、ジェーン・フォンダとヴァネッサ・レッドグレイヴの「ジュリア」(1977年製作・アメリカ映画)、

オードリー・ヘプバーンとシャーリー・マクレーンの「噂の二人」(1961年・アメリカ)が、双璧の仕上がりどす。

さてはて、日本映画に目を向けてみますると、どないやろか。

2
2人に限定しない、女たちのチーム・プレイものでゆうたら、

「がんばっていきまっしょい」(1998年)「櫻の園」(1990年)「スウィングガールズ」(2004年)など、

ケッコー傑作があるんやけど、女2人でゆうたら、どないやろか。

20世紀では、ボク的には、余り目立った作品はなかったんやけど、なぜか21世紀になると、女2人もんの快作が、ケッコー出てきとりまんねん。

中島美嘉と宮崎あおいの「NANA」(2005年)やら、深田恭子と土屋アンナの「下妻物語」(2004年)やら。

ほんで、今年も、「でーれーガールズ」(弊ブログ分析済み)やら、本作が出てきとるんだす。

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シナリオ学校に通うOLヒロイン(石坂友里)が、10分枠のラジオドラマに採用されよるんやけど、なぜか、共同執筆者がいとることが条件になります。

このあたりはチョイ、強引なとこやとは思うけど、石坂友里ちゃんは、同じ会社で働く、澁谷麻美ちゃんに目を付けはって、

取りあえず、あたしの脚本に、適当に迎合してよ、なんてカンジで誘い、ほんで、麻美ちゃんは、それに応じはりまして…。

そんな麻美ちゃんが、ヒロインにいろいろ口出ししはり、2人の間は、ギスギスしてまいります。

けども、ドラマの出来は、逆に良くなってゆくとゆう展開どす。

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取りあえず…ナンチューとこから始まった、2人の共同作業が、素晴らしいラジオドラマへと、完成するところは、本作一番の感動ポイントでおましょうか。

でもしか、それまでのプロセスも、また重要でおます。

2人のツーショットを、何度も駆使しながら、2人がゆっくりと、作品作りの中で、ココロを通じ合わせていくところこそ、本作最大のキモやろかと思います。

さてはて、本作は、若き女性監督・草野なつか監督作品どす。

女性らしい視点やなんてゆうたら、ありふれとるかもしれへんけど、

2人の女優の微妙な絡みは、確かに男性監督には、決して出せないような、演出力やったんやないやろか。

その意味では、「NANA」や「下妻物語」などと比べても、決して遜色のない、仕上がりぶりやと思います。

2015年9月25日 (金)

フランス映画「バードピープル」

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人生嫌になった主人公と、トリになるドリーミーなヒロインの邂逅

現実的な話を、ファンタジー視点で俯瞰した快作

http://www.birdpeople-suzume.com

9月26日のサタデーから、エタンチェの配給によりまして、ユーロスペース、新宿シネマカリテやらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸArchipel 35 - France 2 Cinema - Titre et Structure Production

冒頭。パリの通勤電車内を、群像劇的に見せはるんやけど、基本ラインは、男と女の物語でおます。

但し、恋愛映画やありまへん。

ホテルのメイドとして働く、女子大生ヒロイン。

突然、人生が嫌になり、仕事も辞め、ヨメとも別れる、ホテルの宿泊客の主人公。

この2人の話が、組み合わさりながら、淡々と静かに、ドラマが進行してまいるのだす。

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泊まっている客が外出してる間に、その部屋に入って整理するヒロイン。

そやから、主人公の客とヒロインは、カチ会うことがないとゆう設定でおます。

そんな1つの部屋に、入り込んだ小鳥にいざなわれ、屋上へ出ていったヒロインが、

突然のように、小鳥になって空を飛びまんねん。

アラマ・ポテチン(ビックリ)。

主人公の現実的な人生の煩悩シーン、一方で、ファンタスティックな鳥になって、ヒロインが空を飛ぶシークエンス。

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この2つの相反する話が、同居することで、不思議・快感な映画になっとります。

何もかもをホカス主人公の、ドッキリ・暗さ。

でもしか、そうすることで、主人公はある意味で自由になりま。イキイキしてきはりま。

片や、ヒロインは鳥になって、自由なキモチを満喫しはります。

爽快な俯瞰映像の連続に、ココロがフワーッとなってきよります。

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ピアノ・ソロから始まる、オーケストラ・サントラをメインに、空を飛ぶシーンでは、ギター・ポップスを流して盛り立てます。

デヴィッド・ボウイの名曲の使い方も、巧みのワザどした。

ほんで、ラスト30分の、その鳥の行動のイロイロが、ドラマを面白くする流れは、

これまでの映画では、あんましないような展開やと、言えるやろか。

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さてはて、監督は女性監督のパスカル・フェランはん。

「レディ・チャタレー」(2006年製作・フランス映画)やらを、ボクは見とりますが、文芸的ヒロイン・ドラマでも、決して原作そのままやない、新味を加えてはります。

そやから、本作でも、小鳥になるヒロインちゅう造形も、異色ではあるんやけど、斬新な設定やと思いました。

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新しい人生を前向きに歩み出す主人公と、

自由を体感し、小鳥から人間に戻ったヒロインが、

人として初めて出会うシーン。

これこそが、本作のキモ・シーンでおましょうか。

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「天国から帰ってきたチャンピオン」(1978年・アメリカ)などのように、どこかで会ったかもしれないけど、覚えていない。

けども…とゆうカンジなんやけど、ベタな感動を意図するよりも、さりげない風に設定してるとこにこそ、滋味がありました。

今までのフランス映画には、なかったタイプの、ユニークな映画やけど、

マジカルなファンタジー性に、妙に魅せられてまう映画やったです。

2015年9月24日 (木)

韓国映画「チャンス商会~初恋を探して~」

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「シュリ」の監督が描く、ハットトリッキーな恋愛映画

「猟奇的な彼女」並みに、どんでん返しがキレとります

http://www.jangsumart.jp

9月25日のフライデーから、CJ Entertainment Japanの配給により、TOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ梅田やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

いやはや、ヤラレましたがな。

こんなことバラしても、エエんかどうか分からへんねんけど、本作はトンデモ騙しの、老人ラブ・ストーリーでおます。

しかも、騙されたちゅうよりも、その騙し部が、大いなる感動につながっとるんも、

フツーのミステリー映画とは、違うとこでおます。

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韓国映画的ドラマツルギーやテイストが、随所に仕込まれとります。

日本で最大ヒットの韓国映画「私の頭の中の消しゴム」(2004年製作)を始め、

ラブ・ストーリーの、サプライズ的作りとしては、「猟奇的な彼女」(2001年)など。

さらに、コメディ・リリーフな、女たちのバーサス・シーンがあったり、韓流ポップスを軽快に流す、ダイジェスト・シークエンスやら、

本編の結末近くまで、ラブコメ・人情喜劇タッチが、持続したり…。

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そして、本作の一番のキモとなるのは…。

こんなことゆうても、エエかどないか、分からへんけど、思い切って言いよりますと、

家族ドラマとしての、かつてない新しい打ち出し方でおます。

そのための伏線は、メッチャあります。

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ほんで、冒頭でセピア・トーンで披露される、高校生らしき男女の淡いシーン。

初恋が、本作のサブ・タイトルに付けられとるんで、この2人の初恋の今を、描く映画なんかなーと思うんやけど、

この2人が一体、今の誰に該当するんかは、まあ、ある程度は、予想が付くかもしれへんけど、

結末近くのサプライズによって、この冒頭シーンがなるほどなと、意味を持ってきよります。

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韓国の地方都市が舞台。

スーパーマーケットに勤める、1人暮らしの主人公・老人(パク・クニョン)は、隣家に住む老女(ユン・ヨジョン)と知り合い、

徐々に恋愛モードへと、発展してまいります。

スーパーの社長(チョ・ジヌン)は、そんな老人に、街の再開発同意書に印鑑を押すように、しょっちゅう迫らはりますが、

老人は、とことん拒否してはります。

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ほかの登場人物は、孫娘がいてる老女の娘(ハン・ジミン)、社長の娘(ムン・ガヨン)と、彼女と付きあっとる彼氏(K-POPグループEXOのチャンヨル)やけど、

寅さん的人情ドラマのように、展開しながらも、これらの人間関係の正体が、分かる結末部まで見ると、

本来なら緊張して見ないと、いけないドラマやったんやと気づかされます。

そやから、リピートして見るのが、エエかもしれまへん。

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さてはて、本作は、カン・ジェギュ監督の新作どす。

韓国映画の日本での最初のヒットと言われる、南北問題入りの「シュリ」(1999年)。

その後、朝鮮戦争時の兄弟を描いた「ブラザーフッド」(2004年)。

最近は、第二次大戦を描いた「マイウェイ 12,000キロの真実」(2011年・弊ブログ分析済み)。

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緊張状況下や、戦時下を描く映画で、有名やけど、

本作はそれらの一連の作品とは、作風を異にしてるように見えます。

でも、映画的仕掛けとゆう点では、本作は、アクション・サスペンスと同じく、トリッキーな家族映画とゆう点において、

同じようなテイストを、持っとるんやないかなと思います。

ちゅうことで、驚きと感動が一つになった、映画的傑作どす。

2015年9月23日 (水)

「GONIN サーガ」⇒水曜邦画劇場

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19年ぶりの第3弾として、見ごたえある1本

息子たち3人の復讐・強奪作戦が、荒々しく展開

http://gonin-saga.jp

9月26日の土曜日から、KADOKAWAとポニーキャニオンの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸やらで、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015『GONIN サーガ』製作委員会

「GONIN」(1995年製作)、「GONIN2」(1996年)に続く、19年ぶりの続編どす。

そもそも「2」では、何人かのキャラが死に、ある程度の決着を見た上での、完結編でおました。

生き残った者たちだけの絡みや、過去の話を掘り下げて、続編を作ることはできるやろけど、結局のとこ、長い間温められておました。

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そして、死んだ者たちの息子たちが、エエ大人になって、オトンの死や事件の詳細を調べ、

ほんで、リベンジも込めて、暴力団に反旗を翻すとゆう、次世代スタイルの、バイオレンス・アクションをば、クリエイトしたんが本作でおます。

19年とゆうインターバルの理由を、次世代の反抗とゆう形で、軽くクリアーしはりました。

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さてはて、何10年ぶりかとゆうシリーズもんは、今年はいくつか作られて、公開されとります。

「マッド・マックス」「ジュラシック・ワールド」など、ヒットをかましておますし、

また、仕上がり具合も上々どす。でもって、本作はどないか。

いやはや、これが第3弾にして、最高傑作となったと、ボクは断言いたします。

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先述しました通り、前作で死んでもうたオトンらの、息子たち次世代が、協力して強奪・復讐をする、スリリングなメイン部だけやありまへん。

前作で生き残った連中(殺人請負人役の竹中直人・ヤクザ側の安藤政信・サプライズある根津甚八&佐藤浩市)らが、若手の役者たちに絡んでくるとゆう展開で、

さらにスリリング度と、バイオレンス・アクション度が、増しておるんだす。

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さて、ひと口にヤクザ映画やゆうても、「仁義なき戦い」「極道の妻たち」「アウトレイジ」など、

ヤクザ同士の抗争から、物語が派生してゆくようなスタイルやなく、

本作は、あくまでカタギ・グループ対暴力団の構図でおます。

そんなカタギたちが、どないしてヤクザらを、てんてこ舞いにするんかが、トンデモ痛快なんでおますよ。

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前作でオトン(鶴見辰吾)が殺され、さらに今作では、オカン(井上晴美)もやられてまう東出昌大。

同じくオトンが殺されて、今は組でボディガードをやっとる桐谷健太。

この2人は幼なじみな間柄。

前作の事件で、殉職した警官の息子役で、オトンと同じく警官になっとる柄本佑。

さらに、そこに、ヤクザの安藤政信が、経営する芸能事務所の、元アイドル歌手の土屋アンナが、

彼らの仲間になって、強奪に加担しはります。

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4人による、ヤクザ組織が裏にいる闇金襲撃計画は、ストレートな襲撃のように見えて、周到なものでおました。

でもしか、組織から雇われた竹中直人が、このカラクリを見破っていきよります。

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でもって、4人を襲う竹中の、狂気に満ちた執念ぶりは、本作の見どころの一つになっとります。

ほんで、ナンチューても、クライマックスのパーティー会場での、凄まじき銃撃戦は、ドラスティックな「仁義なき戦い」のアクションを、ある意味で超えたかもしれへん壮絶さどす。

さらに、結末は、かつての映画では、決してなかったとこへと、着地しはりまんねんで。

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作りとしては、作品性に合わせて、映画的照明を排したダークな造形ぶり。

雨の日の多さも、似合っとりました。

ちなきなおみや森田童子の暗い歌も、妙にココロにきよりましたで。

ちゅうことで、今年のマイ・ベストテン級の、日本映画でおます。

2015年9月22日 (火)

ドイツ映画「ぼくらの家路」

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2人の幼い兄弟の物語

今どきのコドモたちサバイバル映画のスタイル

http://bokuranoieji.com

9月19日から、ショウゲートの配給で、ヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸やらで、全国順グリの上映中。T・ジョイ京都やらは、9月26日から上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸPORT-AU-PRINCE Film & Kultur Produktion GmbH

現代のコドモたちの現実を描いた、ドイツ映画の問題作。

家庭内虐待はありまへん。

オトコを求めてさすらう、シングルオカンと、幼い男のコドモ2人。

さりげなく、小細工なしのタッチで、描かれた作品どす。

オカンの養育ぶり生活ぶりから、ドイツの法律により、長男が養護学校送りとなり、

オカンは次男コドモと、2人だけで生活しはることとなりました。

でもしか、夏休みに学校から長男コドモが、実家のマンションに帰ってきはります。

でも、学校に迎えにもけえへんかったオカンは、部屋の鍵を持ったまま、どっかへ行方をくらましてはりまして、

オカンの友人のとこに、預けられとった弟と共に、兄弟2人は街を、さまようちゅう事態と相なりま。

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コドモたちのサバイバル映画とゆうのは、昔からケッコーあります。

特に、戦時下のサバイバルもんちゅうのんは、その逼迫度合いやスリリングの高さで、名作がいくつかあるけど、

でも、現代的設定でゆうたら、本作は、いかにもな現代をば、体現しとるように思いました。

コドモたちが島に漂流して、サバイバルしていく「蠅の王」(1990年製作・イギリス映画)やらは、フィクションとしての寓話的な作りやったけど、

本作は、この種のサバイバルものでは、ボク的にはナンバーワンやと思う、是枝裕和監督の「誰も知らない」(2004年・日本)と同じく、

現実に起こり得るような話を、描いてはります。

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でもしか、「誰も知らない」と比べると、本作は、結果的には三日間の、限定ちゅうこともあってか、逼迫感や緊張感は持続しよりまへん。

ああ、かわいそうやなー度合いは、さほど高くありまへんのどす。

けども、こういう状況は、いろんなとこでよくあるやろなーっちゅうカンジなんで、

幼いコドモを持つ親たちには、かなりと感情移入できる作りに、なっとるかと思います。

コドモたちも殺される、無差別殺人が次々に起こっとる現代に、フツーっぽく見えながらも、一石を投じるような作品にも、なっとるんやないやろか。

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オカンが男とセックスしてるとこへ行って、「腹減った」とゆう長男・息子。

それに応じるオカン。男は唖然。そんな冒頭のシーンから、

このシングルオカンの家庭が、どんな状況かを、驚きの中で示したあと、長男の養護学校での描写が入ります。

学校での生活描写やけど、養護学校とはいえ、ここでも、いじめ・いじめられの描写が、当たり前のように入っておます。

ほんでもって、夏休みの兄弟のさすらいや。

オカンのケータイに電話しても、留守録応答。

オカンの元愛人のとこへ行って働いて、食わしてもろたりと、3日間の間には、それなりにイロイロなことがあります。

でも、警察はともかくも、住まいのマンションの管理人に、なんで相談しに行けへんのやろ、っちゅう疑問もありました。

それでも、最後まで引き付けよります。

2人がオカンと再会して、そして最後に、サプライズがあって…。

戦時ほど深刻でなさそうな状況にも関わらず、このサバイバル・ドラマは、しょっちゅう起こり得るかもしれない設定において、侮れない現代的問題を、提起してはる作品でおました。

2015年9月20日 (日)

「恋人まで1%」⇒NYラブ・ストーリーの快作

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メッチャ多いNY舞台の、アメリカン恋愛映画の1本どす

ザック・エフロンと、イモージェン・プーツのラブがメインや

http://www.koibitomade.com

9月19日の土曜日から、アット エンタテインメントの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ渋谷やらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 AWOD Productions, LLC. All Rights Reserved

アメリカ映画の、NYラブ・ストーリー映画といえば、ラブコメを始め、今や大量に出回っておます。

いつもやったら、ここで、NYラブ映画のマイ・ベストや、カルトをやりたいとこやけど、

どないあっても、ウディ・アレン監督作品とか、ラブコメとかに偏ってまいそうなんで、やめときま。

さてはて、本作はNYラブでも、ラブコメとゆうよりは、もっとストレートなラブどして、でもしか、メッチャなシリアス系でもなく、

今のOL層をメインに、仕事帰りにちょっと見てみよか、っちゅうような軽いノリで、いける映画やと思います。

モチ、デートムービーとしても、OKどすえ。

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次世代スターとして、3人のアクターと、1人のアクトレスが出てはります。

主演はザック・エフロンと、イモージェン・プーツやけど、共にラブ・ストーリーに、ふさわしい演技ぶり。

まずは、印象的なとこは、最初の出会いで、ザックから娼婦と思われてしもたイモージェンとザックが、どう関係を矯正してゆくんかどすやろか。

一部の映画評論家筋では、今年の洋画のナンバーワンと言われている、アンチ音楽映画「セッション」(弊ブログ分析済み)に主演してやった、マイルズ・テラーも出てま。

「セッション」ほどは、エキセントやなかったけど、ナイスガイをソフトリーに快演。

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3人の男がつるんで、クラブへ繰り出し、女たちをナンパするっちゅう、オーソドックスなスタイルで、物語は始まりま。

ほんで、ザックがナンパしたイモージェンと、彼女の部屋へ行き…。

下見に行った家で鍵を盗んで去り、その後、彼女との逢引きに利用したりと、2人のラブ・シーンが、特異な設定で作られたりしとります。

このあたりが、このNYラブの新鮮味、ちゅうことになるやろか。

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しかも、彼女のオトンオカンのいるパーティーに、ザックはペニス付きのズボンを着てきたり、また、それがオトンの好感を呼び…。

イモージェンのピアノ弾きシーン、3人の男たちの、タイトなダイジェスト・シーン、

ミディアム・ロックを流したりする、スピーディーな展開など、今どきのNYラブを、意識した作りでおます。

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さてはて、本作には「NYは夢を現実にできる街」とゆうセリフがあります。

トム・クルーズ主演「カクテル」(1988年製作・アメリカ映画)やとか、

マイケル・J・フォックス主演「摩天楼はバラ色に」(1987年・アメリカ)やらの、前向きモードが一貫しておます。

「真夜中のカーボーイ」(1969年)や「タクシードライバー」(1976年)など、負のイメージのNYものに、名作は多いけど、

ラブコメや、ハッピー・ラブ・ストーリーも、お忘れなきよう。

2015年9月19日 (土)

「アントマン」⇒「アベンジャーズ」番外編

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ミニ・サイズになった、人間ヒーローが大活躍

マーベル・コミックとディズニーのコラボレート

http://marvel-japan.jp/antman

9月19日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンの配給で、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 MARVEL

「アベンジャーズ」シリーズの番外編どす。

1.5センチになった主人公オトンが、かわいい娘のためにヒーローになろうと、奮闘努力するとゆうお話やねん。

ミニ人間の活躍といえば、体内を探検する「ミクロの決死圏」(1966年製作・アメリカ)とか、

コドモたちの冒険「ミクロキッズ」(1989年・アメリカ)とかがありましたけども、

本格的な映画ヒーローとしての登場は、おそらく本作が初めてでおましょう。

しかも、マイケル・ダグラスはんの依頼に、盗みのプロとして、ミニ人間になって、奪われたデータを壊すとゆうミッション。

アベンジャーズに頼んだらと、主人公は断るも、アベンジャーズに頼むほどでもない、ある意味で個人的な依頼らしいわ。

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でも、ミニ主人公が、アベンジャーズの一員との、バーサスもあり、ラストのエピソードも含めて、「アベンジャーズ」シリーズとのシンクロは顕著。

ほんでもって、まずは、ミニになった人間のリアル感描写がビビッドだす。

浴槽の洪水パニック、ディスコ、そうじ機など、次々にパニクりシーンが、連続するシークエンスには、ハッとさせられま。

ほんで、いろんなアリたちと協調して、空中を飛び、排水管を潜り抜け、ミッションをこなしてゆくとこなんか、ハットトリッキーでもありましたえ。

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「タイタニック」(1997年・アメリカ)からヒントを得て、主人公が金庫の鉄を冷凍して開けるとことか、

主人公の見てる映画が、「素晴らしき哉、人生!」(1946年・アメリカ)だったりとか、時おり映画ファンを、くすぐるところがあるんは妙味ありや。

そして、クライマックスの娘を前にしての、モンスターになった敵と主人公の対決や。

「機関車トーマス」が走る部屋での、一大決戦は、史上稀に見る、狭い部屋内アクションやろか。

小さくなり続けて、消えてゆく世界に入った主人公が、どう現世に復活するのかも、大いなるネタ部どす。

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ほんでもって、全米テレビドラマ「LOST」でブレイクしはった、マイケル・ダグラスの娘役、エヴァンジェリン・リリーの魅力が光っておます。

さらに、彼女と主人公のチームワークぶりも、見どころになっとります。

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ヒーロー誕生のエピソードとして、本作の主人公「アントマン」の場合は、アメリカン・コミック・ヒーローとしては、かつてない事情によるもの。

モチ、それはある意味では、ディズニーらしい理由とも言えま。

そういうとこも含めて、楽しめるエンタ作品どした。

モチモチ、「アベンジャーズ」フリークも当然、見逃せない作品になっとります。

2015年9月18日 (金)

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 後篇」

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シリーズ化への伏線がラストで披露される

主人公だけやなく、巨人になれる兵士はほかにもいた!

http://www.shingeki-seyo.com

9月19日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 Ⓒ諌山創/講談社

前篇を見逃した人のために、モチ、ダイジェスト・シーンが用意されておます。

ほんで、前篇のクライマックスで、巨人になって巨人と戦い、また、フツーの人間に戻った、主人公・三浦春馬。

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後篇では、主人公が敵側の巨人かどうかを裁く、公開処刑のシーンから始まります。

そこへ、巨人が現れて、春馬クンを連れ去りまんねん。

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その後、とあるビルの白い部屋で、春馬を巨人から助けたとゆう長谷川博己が春馬に、

これまでの経緯を、天井に映される映像を含めて説明しはります。

ほんで、2人で協力して、巨人たちと対決しようやんと、提案しはりまんねん。

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一方、石原さとみをリーダーとする、水原希子、本郷奏多(かなた)、三浦貴大、桜庭ななみらの、

巨人防御のミッションも、同時進行で遂行中でおまして、

ほんでもって、この2派が出会った時、ドラマは大きく動き出しよります。

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そんな中で、前篇の過去シーンは、いくつもモンタージュされて映されますが、

春馬のオトン役の草彅剛の、過去のエピソードやらが、意味深に映されて、謎めき度合いをば深めよります。

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ほんで、2派の思惑の違いやら、壁を壊すかどうかの攻防やら、

遂には、2人の巨人対決シーンへと発展。

つまり、春馬以外にも、巨人になれる人間がおりましてな、

春馬を含めて、都合3人おるっちゅうネタになっとります。

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ラストシーン。

壁の向こうの、夕景の海辺の都市を、壁の上から見る、春馬と希子の、爽快なシーン。

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でもしか、ラストロール後に提示される、ワンカットは、

シリーズ化されるんを、暗示しとりました。

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サントラは、オーケストラ・サウンドが主体。

ハリウッド映画もそうやけど、アクション・シーンには、こおゆうサウンドが、実に似合っとります。

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でもしか、アメリカン・オールディーズな、フィメール・スロー・ナンバーが春馬と長谷川が聴くシーンとか、

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また、ラストロールでは、「SEKAI NO OWARI」の、終末的スロー・ナンバー「SOS」が流れたりと、

本作の作品性に、見事に合ったナンバーが使われておます。

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終末的映画の傑作「博士の異常な愛情」(1963年製作・イギリス映画)やら、

「渚にて」(1959年・アメリカ)やらのセンスも、

感じさせる作品やったと思います。

2015年9月17日 (木)

桐谷美玲主演「ヒロイン失格」⇒木曜邦画劇場

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桐谷美玲ネーさんの自己最高の、コメディエンヌ演技だす

コミック原作らしい、三角関係ラブな作りとは?

http://www.heroine-shikkaku.jp

9月19日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2015映画「ヒロイン失格」製作委員会 Ⓒ幸田もも子/集英社

コミック原作の実写日本映画は、21世紀になると、ますます盛んに作られるようになっておます。

中でも、ジャンル的には、ラブ・ストーリーが多いように思われま。

しかも、学園ものラブ・ストーリーが、次々に映画化されておます。

ボク的には、最近のおすすめは、シリアス系で通した「アオハライド」(2014年製作・弊ブログ分析済み)やけど、

本作もクライマックスとシメでは、シリアス・モードのラブになっとります。

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でもしか、コミック原作らしいハチャハチャぶりやら、ヒロインが1人で浮きまくってるようなとこは、

バカバカしいけども、今どきのノリがあって、トンデルコメディとして面白かったどす。

ヒロインを巡って三角関係になる、2人の男子生徒(山崎賢人・坂口健太郎)が、マジ演技なのに対して、

大仰なコメディエンヌぶりをば、披露しやるヒロイン役は、桐谷美玲のネーさんでおます。

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冒頭から、美玲ネーさんのココロのナレーションが、マシンガン・トークチックに披露されてまいります。

生徒たちを、ヒロイン、準ヒロイン、脇役に分けて話し、ほんで自分をヒロインにもってくる設定トークぶりや、

しょっちゅう繰り出される、ワメキの演技など、オバカラブコメを、わざとらしく自ら演出してゆくとこなんか、

退くとこもあるんやけど、その強引さに思わず魅かれたり…。

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本命を巡っての、六角精児的な我妻三輪子と、美玲ネーの駆け引きやったり、

キス・シーンや、女からのコクリ・シーンなど、

いかにもコミック原作らしい、マンガチックなノリのシーンが結構あったやろか。

夢想シーンや、夏休みのジョギングやダンスの、ダイジェスト・シーンなども、そうどした。

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けども、花火シーン、「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)を思い出させる夕景シーン、

時おりのスローモーションなども、キレとりまして、映画的シーンも満載どした。

「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)をパロッた「助けてください」と叫ぶシーンなどにも、ニンマリや。

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ほんで、ナンチューても、美玲ネーの、恋ゲット作戦のトンデモなさは、マンガチックにオリジナリティーがあって、

笑いながらも一部、度肝を抜かれたとこも、ありましたんえ~。

ほんでもって、ラストロールでは、西野カナちゃんの、ミディアム・ポップス「トリセツ」が流れてきよります。

この映画の美玲ネーさんのキャラに、ピッタリ似合った曲どして、さわやかな後味がありまっせ。

2015年9月16日 (水)

本田望結主演「ポプラの秋」⇒水曜邦画劇場

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子役・本田望結(みゆ)チャン主演の、コドモ・ヒロイン映画

飛騨高山の美しき風景にも、魅せられて…

http://www.popura-aki.com

9月19日の土曜日から、アスミック・エースとシナジーの共同配給によりまして、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマやらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015『ポプラの秋』製作委員会

コドモ・ヒロイン映画ちゅうのは、これまでに、洋画・邦画共に、多数作られてまいりました。

そこで、思いつくままに、少女ヒロイン映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、記してみますと…。

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●ベスト⇒①ペーパー・ムーン(1973年製作・アメリカ映画)②禁じられた遊び(1952年・フランス)③千と千尋の神隠し(2001年・日本)

●カルト⇒①本作②うさぎドロップ(2011年・日本)③家なき子(1994年・日本)

●ベストは、名作的作品を、カルトは邦画の、その種の映画から、ひねり出してみました。

子役少女ヒロインものは、ベスト②やカルト③や「おしん」など、貧しさや戦下でかわいそうとか、

ダコタ・ファニング主演の「アイ・アム・サム」(2001年・アメリカ)など、親子のキズナでいってみる作品とかが、かつては、大きなポイントになっとったかと思うけど、

テイタム・オニール主演のベスト①あたりから、もっと能動的で前向きな子役ヒロインが、登場してきよったかと思います。

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そして、アニメやけども、ベスト③などの、ポジティブ少女ものの代表作が、世界的に有名になりました。

ほんで、実写的にも、前向きをキーワードに、特に邦画を中心に、盛んに出てくるようになったように思います。

芦田愛菜ちゃん主演のカルト②、ほんで、本田望結ちゃん主演のカルト①の本作。

少女の前向きポジティブなココロに、大人も癒やされる作品になっておます。

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オトンが死んでもうて、オカン(大塚寧々)と娘・望結ちゃんが、東京から飛騨高山へふらりと行って、

ポプラの木の立つポプラ荘に、移り住んでまうちゅうイントロ。

オカンの気紛れと失意に付き合いながらも、その場その場で自分の立ち位置を、しっかり持って生きる望結ちゃんの姿には、ガンバレと声を掛けたくなる作りだす。

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ポプラ荘の大家のオバン、中村玉緒はんと、望結ちゃんの交流部が、本作の大いなる見どころだす。

望結ちゃんが書いた、死んだオトンへの手紙を、死んだら届けるちゅう玉緒はん。

それにつられて、オトンへの素直な気持ちを、綴り続ける望結ちゃん。

このあたりの、コドモ向けの良質の嘘のシーンこそ、本作のキモやろか。

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でもしか、そんなんはモチ、嘘なんやけど、

その玉緒はんが死んだことを知った、望結ちゃんが大人になった役・村川絵梨ネーさんが、玉緒はんの葬式に出席しはります。

カットバック的な作りやないけども、過去から現代へ、現代から過去へとゆう、くっきり分けた作りも、分かりやすく、

ほんで、最後の感動へとつなぐ作りになっとりました。

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さてはて、個人的には、飛騨高山ロケーションが、メッチャ美しかったわ~。

街の全景・夕景を始め、日本映画の地方映画には必須やと思う、癒やしの自然風景描写が、しっかり押さえられとりました。

少年もの邦画の傑作「少年時代」(1990年・日本)の、少女版とも見える快作どす。

2015年9月15日 (火)

「フリーダ・カーロの遺品」⇒邦画ドキュメンタリー

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フリーダ・カーロの遺品から、一体、何が見えてくるんやろか

その向こうにあるものに、浸れる作品

http://www.legacy-frida.info/

シネ・リーブル梅田やらで全国順次ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒノンデライコ 2015

映画的芸術学校の出身者(小谷忠典・こたにただすけ)が、撮った映画ちゅうたら、イメージ的にはどうなんやろか。

撮影所システムの、助監督採用募集がない今、映画を撮りたいとゆう、そおゆう若者が、その種の専門学校へ行き、夢をかなえようとする。

今や、これが本流になっとります。

でもって、本作はドキュメンタリーや。

低予算映画としては、俳優のギャラがないだけに、ドキュは撮りやすいジャンルやけど、

本作には、有名写真家の石内都が、主演級で登場し、

しかも、有名人のフリーダ・カーロをば、採り上げたとゆう作品だす。

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石内都的には、自身の作品をメインに、採り上げてもろた「ひろしま」(2013年製作・弊ブログ分析済み)などのドキュがあるし、

また、フリーダ・カーロ的には、ドラマ映画「フリーダ」(2002年・アメリカ映画)、「フリーダ・カーロ」(1984年・メキシコ)などがあるしで、

ちゅうことで、先行作品のプレッシャーがあった上での、本作の登場でおます。

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フリーダの数々の遺品を、石内都が写真で撮り、パリの作品展で発表するとゆう、そのシンプルな過程を、描いてるんやけど、

そのまま描いてしもたら、そうですか、そんなことがありましたんかで、終わってまうんやけど、

本作では、サブ的なとこでの描写が、ある種ドラマティックでもあって、魅せられました。

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舞台となる、メキシコの風景描写。

「死者の日」と称してのお祭りシーン、花を刺しゅうしてゆく職人、遺跡などへ行く観光シーン、長回し撮影のシーンなど、イロイロ束ねてはります。

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石内都はんが、フリーダの遺品を撮るシーンが、しつこいくらいに出てまいります。

しかも、背後からのカットが多い。

石内はんの顔を見せないような、石内はんの後ろから、カメラを撮ってるようなとこは、

カメラ・スタンスもあるやろけど、少し気になりましたやろか。

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でもしか、「人生万歳」と書かれた、スイカの絵とか、フリーダの作品や、かつての姿なども、モチ付加して、

フリーダの今と、後世への影響をぶりやらを、癒やし系で描くとこがあって、

和みある映像空間を、クリエイトしてはったかと思います。

ギター、ハープ、ピアノ以外に、メキシコの民族楽器も、駆使したサントラ作りにも、特異なノリがあったやろか。

フツーのセレブ・ドキュとは、違うタッチの本作は、

ドキュ3作目となる小谷監督の、過去最高にポピュラリズムを示した快作どした。

2015年9月14日 (月)

「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」⇒ダスティン・ホフマン主演最新作

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少年合唱団映画の良質作品どす

ダスティン・ホフマン主演最新作は渋いわ~

http://boysoprano.asmik-ace.co.jp/

9月11日から、アスミック・エースの配給で、全国公開中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 BOYCHOIR MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

全くもって、私的なことですんまへん。

1970年代の、ボクが学生時代のことでおます。

背の低い小柄なハリウッド俳優で、ダスティン・ホフマンとアル・パチーノがおまして、活躍してはりました。

当時、ボクは大学生やったんやけど、ボクが恋してた片想いの彼女が、パチーノよりホフマンの大ファンやった。

それにつられたワケやないけども、ボクはホフマンのファンになってしもた。

でも、彼女と出会う以前も、演技派ホフマン、スター系パチーノとゆう括りをば、勝手にしとりました。

彼女との恋愛は、叶わなかったんやけど、でも、パチーノよりホフマンを、ズーッと追いかけとりました。

彼女の幻影を追ってたのは、ちょっとだけで、ホフマンの演技に、スッポリドップリ魅了され続けとりました。

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ほんでもって、21世紀以降2人は、20世紀に全てを出し尽くしたかのように、いろんな作品に出てたけど、

20世紀の代表傑作を超えるもんには、そうそう出てはりまへなんだ。

けども、2015年のここにきて、奇しくも2人は、音楽映画に出てきはりました。

パチーノは「Dearダニー 君へのうた」(9月7日で弊ブログ分析済み)に、ホフマンは本作に。

音楽映画での主演は、共に初かと思いきや、

ホフマンは、モノクロで、実在のミュージシャンを描いた映画「レニー・ブルース」(1974年製作・アメリカ映画)に出てはりまして、自ら歌も歌ってはりました。

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でもしか、今作では、ホフマンはんは、歌は披露しはりまへん。少年合唱団の指導者役どす。

「Dearダニー」のパチーノが、ビートルズへのオマージュが、含蓄されとるのに対し、

ホフマンは、クラシック系の少年合唱団。

でも、共に、塾・熟成の演技としては、甲乙など付けられない演技ぶりどした。

前向きなパチーノ、どっしり落ち着いたホフマン。

無論、ドラマティック的には、パチーノの方が映えとるかと思うけど、

ホフマンの渋演技ぶりも、見比べてもろたら分かるやろかと思うけど、感動系のドラマティックに映えとります。

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ホフマンのセリフには、見たあとあと効いてくるようなとこがあり、

少年とのやり取りに対し、説教調とは少し違う、フツーらしく見えながらの、熟成が見え隠れしとりました。

21世紀に出た、ホフマン主演作品としては、ベスト・スリーに入る演技ぶりでおましょうか。

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キャシー・ベイツやデブラ・ウィンガーの名女優たちも、彼女たちにしかできないような、演技ぶりでおました。

クライマックスのコンサート・シーン、そしてラストロールでは、少年たちのコーラス入りの、壮大なピアノ・バラード・ナンバーが流れます。

家族ドラマ的にも、ハッピー・エンドなラストと共に、さわやかな感動に、包まれる作品でおました。

2015年9月11日 (金)

ハリウッド映画「ピクセル IN 3D」

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80年代ゲーセン・ゲーム・キャラが、地球侵略にやってくる!

ノリは「ゴーストバスターズ」な、コメディSFや~

http://PIXEL-MOVIE.JP

9月12日のサタデーから、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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スティーヴン・スピルバーグ監督に、エンタ映画の才能を見出された、クリス・コロンバス監督の最新作どす。

従来のハリウッド・エンタには、ちょっとなかったようなタイプの作品をば、次々に発表してはります。

そんなクリス監督の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①ホーム・アローン(1990年製作・以下の引用は全てアメリカ映画)②ハリー・ポッターと賢者の石(2001年)③ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002年)

●カルト⇒①本作②アンドリューNDR114(1999年)③グッドナイト・ムーン(1998年)

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●監督の基本にあるんは、家族映画もしくは、チーム・アクション系と、隊員たちの絆ゆうのんが、あるようやな。

シリーズ化されたベスト①、歴史的大ヒット・シリーズの、最初の2作を監督したベスト②③など、

やはりベースにあるんは、家族とチーム系やったと思います。

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その意味では、唯一のシリアスな家族ドラマのカルト③は、

監督の映画作家性を、見事に感動的に表現してはりました。

また、スター映画を撮る、っちゅう側面もあります。

故ロビン・ウィリアムズ主演のカルト②、ジュリア・ロバーツ主演のカルト③などでおます。

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でもって、本作では、日本ではそれほどやないけど、アメリカでは、

国民的コメディ・スターとなってはる、アダム・サンドラーのアニキが主演だす。

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ほんで、本作は、人類の敵をば、アダム・サンドラーをリーダーにして、

ミシェル・モナハンのネーさんやらを含めた、4人チームで、蹴散らすとゆう映画でおます。

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ほんでもって、敵造形の破天荒ぶりは、ハリウッド映画史上、かつてないもんどす。

1980年代の、ゲーセン・ゲームのキャラクターたちが、侵略モンスターとなって、

宇宙から地球へと、送り込まれるとゆう設定どす。

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1982年に、NASAが、未知の地球外文明へ向けて、地球の数々のカルチャー映像を、宇宙へと打ち上げはりまして、

その中に、ゲーセン・ゲームがありましてな、

ほんで、そのゲーム・キャラを模倣して、宇宙人が侵略キャラを作り上げて、地球へと放ったとゆうことでおます。

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パックマンから、ドンキーコングまでが、地球で大暴れしよります。

そして、4人チームが、奴らを撃退すべく、必死のパッチで戦わはりまんねん。

こんなトンデモ設定は、ハリウッド方程式を逸脱しておまっせ。

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1980年代カルチャーが、ふんだんに引用されておます。

当時の「007」、マドンナ、ダリル・ホール&ジョン・オーツ。

ハードロックのチープトリック、スパンダー・バレエのグッド・バラード「トゥルー」、カラオケで流れる、ミッドテンポの「ルール・ザ・ワールド」やら、

歌ものサントラも、存分に楽しめました。

ボク的には、「ゴーストバスターズ」(1984年)を思い出させるような、メッチャ娯楽な快作でおました。

2015年9月10日 (木)

「黒衣の刺客」⇒カンヌ国際映画祭監督賞ゲット

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スー・チーのネーさんと妻夫木クンの、共演で贈る女暗殺者映画どす

台湾のホウ・シャオシェン監督の、21世紀の最高傑作や

http://www.kokui-movie.com

9月12日のサタデーから、松竹メディア事業部の配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 光點影業股イ分有限公司 銀都機構有限公司 中影國際股イ分有限公司

いきなりやけど、歴代暗殺者映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば、言いますと…。

①本作②ニキータ(1990年製作・フランス映画)③ジャッカルの日(1973年・アメリカ・弊ブログ分析済み)

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●時代劇にして女暗殺者映画をば、

まずは、台湾のホウ・シャオシェン監督が撮ったとゆうとこに、

アラマ・ポテチン(ビックリ)がありました。

女暗殺者ものの、ルーツ作とも言える、ベスト②の激しさをキープしつつも、

本作は、男暗殺者のベスト③の静謐さを、スロー・モーションやモノクロを駆使しはって、

何とも言えない映画的世界を、クリエイトしてはります。

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ホウ監督てゆうたら、アート系で渋きラブ・ストーリーちゅうのんが、今までのイメージやったと思うけど、

本作みたいな、時代劇もそうやけど、アクション系の映画ちゅうのは、ほとんど撮ってはりまへん。

それでいながら、この種の映画の、オーソドックス・スタイルを踏襲しつつも、

先鋭かつ、シャープなアート的映像に、メッチャ魅せられよりました。

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暗殺者役主演は、久々に見たけど、

アクション映画でもハットトリッキーを、演じてきはった、スー・チーのネーさんどす。

そのスタイルは、チャン・ツィイーが演った「グリーン・デスティニー」(2000年・アメリカ&中国)の、スリリングでスピードフルなハードさに対し、

とことんスローでスタイリッシュ。その静かなアクションぶりには、癒やし的効果もあるくらいどした。

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ほんで、森中のアクション・シーンで、突然のように出てくる、妻夫木聡アニキや。

スー・チーへの献身的なとこなど、あくまで抑えた演技をば、貫いてはりました。

ほんで、日本版へのディレクターズ・カット版として、妻夫木の妻役・忽那汐里ちゃんとの、

なれ初めシーンやらが、ゆったりと披露されとります。

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これまでの監督作品と同様、ゆったりした、長回し撮影シーンも、多投されておます。

特に、印象的やったんは、簾(すだれ)を入れたり入れなかったりの中での、王(チャン・チェン)と妻とのやり取り。

暗殺の標的やった王と、スー・チーとの、山谷でのロングショットで、捉えられるツー・ショット。

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モチ、妻夫木がスー・チーを送る、ラスト・シークエンスの妙味。

堪えられない長回しに、ウットリとなりました。

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セピアなカット、美しき風景描写やら、目に優しいショットの時おりの挿入にも、ホッとしよるし、

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風やらの効果音、太鼓サントラの使い方やら、

激しい映画のハズが、しっとり系の映画へと向かう流れは、ホウ監督にしか、出せへんワザやと思います。

ちゅうことで、モチ、今年の洋画の、マイ・ベストテン級の映画でおました。

2015年9月 9日 (水)

「私たちのハァハァ」⇒水曜邦画劇場

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初々しい女子高生4人の、波乱のロードムービー

女子高生ドラマ映画の、21世紀の最高傑作

http://www.haa-haa.jp

9月12日の土曜日から、SPOTTED PRODUCTIONSの配給によりまして、テアトル新宿やらで、全国順次のロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2015「私たちのハァハァ」製作委員会

女子高生たちのドラマ映画ちゅうたら、ボク的には、最近はご無沙汰どした。

ちゅうことで、女子高生主役の日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を申し述べますると…。

●ベスト⇒①がんばっていきまっしょい(1998年製作)②スウィングガールズ(2004年)③女の園(1954年)③櫻の園(1990年)

●カルト⇒①本作②書道ガールズ 私たちの甲子園(2010年・弊ブログ分析済み)③でーれーガールズ(2015年・ブログ分析済み)③セーラー服と機関銃(1981年)

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●元来、女子高生映画となりますれば、女子高を舞台にした、群像劇タッチのベスト③の2作や、カルト③「でーれーガールズ」やらが、まず定番的イメージとしてあります。

そして、何かの目標に向かってひた走る、女子高生たちの熱意を描いた、ベスト①②カルト②などに加え、

アイドル映画的なカルト③「セーラー服と機関銃」など、

ある種とゆうたらアレやけど、ああ、なるほど、そんな映画やね、っちゅうとこがあったかと思います。

でもしか、本作は違う。そおゆうイメージを、覆すようなとこがありました。

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そもそも女子高生たちの、ひと夏のロードムービーとゆうスタイルが、かつての映画では、ほとんどありまへん。

しかも、21世紀の現代を舞台に、4人の女子高生が、北九州の片田舎から上京するのんを、電車・金銭を使わずに、いかに行くかを描いてはりまして、

時代劇を含めてかつてあった、上京ロードムービーのスタイルをば、踏襲してはる作りに、アラマ・ポテチン(ビックリ)やったで。

さらに、何ゆえにの、目的性でゆうたら、クリープハイプのコンサートを見に行くためやなんて、おいおい、やん。

必死のパッチの、女子高生たちには悪いけど、ロードの目的でゆうたら、かつてない単純かつ簡易なもん。

でも、そいつを大マジで、撮ってみるっちゅうとこに、この映画の凄みと、魅力を感じましたがな。

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邦画ロードムービーの、マイ最高傑作「家族」(1970年・山田洋次監督作)並みに、波乱に満ちたロードでおます。

最初は自転車に乗って、ほんで野宿から、お次はヒッチハイク。

広島のKトラ、雨の日の池松壮亮(そうすけ)アニキの登場。

ほんで、神戸から大阪へ。

何と電車代を稼ぐために、大阪のフーゾクで、働いたりしはりまんねん。

遂には、SNSで4人が土下座して、みんなに頼むねん。

おいおいな、ハラハラの展開が、メッチャ楽しいロードだす。

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個人的には、YUI的キャラの井上苑子(そのこ)の、ギターの弾き語りに酔いました。

ほんで、東京に着いてからも、波乱に満ちたドラマは、続いてまいります。

んで最後に、みんな東京でセーラー服やねんって、ツッコミ入れたくなる、ラスト・シークエンスまで、目が離せまへんで。

ちゅうことで、女子高生ドラマの傑作でおました。

2015年9月 8日 (火)

老境のエロス「赤い玉、」⇒ヤラシー邦画最新作

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高齢男の底なしの、セックス願望を描く!

ピンク・ポルノ邦画の、映画的粋で魅せる、年間ベストテン級の傑作

http://akaitama.com/

9月12日の土曜日から、渋谷プロダクションの配給によりまして、東京・テアトル新宿やらで、全国順グリのロードショーだす。

関西やったら、9月26日から、大阪・第七藝術劇場、京都シネマやらで上映。

本作は「R-18+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ「赤い玉、」製作委員会

日本映画の、ピンク・ポルノ・エロス映画には、傑作が目白押しだす。

そんな中で、21世紀に発表された、邦画エロティック映画の、マイ・ベスト・スリー(順位通り)をば言いますと…。

①本作②ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う(2010年製作)③恋の扉(2011年)

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●全て、一言でヤラシー映画では済まされへん、人間を描いた映画でおます。

ほんで、本作は、老境を迎えた映画監督の、エロスへのあくなき追求と、執着を描いた作品どす。

その作品性には、邦画ピンク・ポルノ傑作の系譜に、堂々と並ぶだけやなく、

文豪・谷崎潤一郎が晩年に描いた、老境エロスの傑作と、勝るとも劣らない、仕上げぶりなんどすえ~。

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監督は、日本映画ファンには、高橋バンメイと呼ばれる、高橋伴明(ともあき)。

1970年代に、ピンク映画を50数本も監督し、1980年代に、一般映画「TATOO<刺青>あり」(1982年)を監督。

以降、多彩な人間ドラマ映画を、発表し続けてきはりましたが、

でもしか、彼の原点とも言えるポルノチック映画を、時おり撮ってはりまして、

本作は、鈴木砂羽を丸裸にした「愛の新世界」(1994年)以来の、その種の作品でおます。

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主演は奥田瑛二はんどす。

インディーズ系を中心に、映画評論家受けの高い作品に、出続けてきはった、監督もやってはるけど、日本映画史に残る男優はん。

今をときめく安藤サクラの、オトンとゆうとこを、全く覚えさせない、現役バリバリの役者はん。

そんな奥田が、エロスに執着する老映画監督を、渋く演じはります。

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映画監督の奥田はんには、ヨメ(高橋惠子=監督のヨメはん)がいてんねんけど、

映画実習で京都の大学へ、講義に行ってるうちに、愛人をこさえはって、

その愛人(不二子)と、ヤッテはるところから、映画は始まります。

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ほんで、学生に実習で、ポルノチック映画を撮らせる一方で、

とある女子高生(村上由規乃ちゃん)をストークし、彼女とヤルシーンをば、夢想したりしはります。

愛人と毎日のように、メッチャヤッテんのに、それでもヤッパ、若いピチピチがええんやろな。

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由規乃ちゃんが、網タイツをはいて踊るシーンなど、欲情をそそらせるシーンが、奥田視点で何度も出てまいります。

そして、妄想シーンから、現実的シーンへ。

老境エロスの人間ドラマを超えて、

性欲とは何か、その本質とは?  ちゅうとこまで、カンジさせる作りが、素晴らしいわ。

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一方で、映画作りの実際を見せるシーンも、映画メイキング映画としての、見どころがありま。

特に、ミュージカル「雨に唄えば」(1952年・アメリカ)を、意識したシーン撮影部は、オモロかったどす。

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京都ロケらしい、桜吹雪シーンなどの、日本の四季折々の自然描写も、キチンと撮ってはります。

また、目立ってはいてへんけど、パーカッションとトランペット、エレキ・ギターとマンドリンとバイオリンなど、シーンに合わせたサントラ使いに、妙味があります。

ちゅうことで、21世紀最高の、邦画ピンク・ポルノ・ヒューマン映画どした。

イタリア映画「夏をゆく人々」

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少年・少女のアート系映画に、新たな1本が登場

モニカ・ベルッチのネーさんも、出演やでー

http://www.natsu-yuku.jp

ハークの配給によりまして、岩波ホール、テアトル梅田やらで上映中。10月3日からシネ・リーブル神戸、9月の京都シネマやらで、順次のロードショーだす。

本作は、2014年製作の、イタリア・スイス・ドイツ合作による、イタリア映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 tempesta srl / AMKA Films Pro ductions / Pola Pandra GmbH / ZDF / PSI Radiotelevisione svizzera SRG SSR idee Suisse

ポスターにも書いてあるけど、本作はカンヌ国際映画祭の、2等賞に当たる「グランプリ」をゲットしはりました。

女性監督アリーチェ・ロルヴァケルの、長編映画第2弾どす。

いかにも、女性監督が撮りそうな、少女ヒロインのアート系映画のように見えますが、

オトン・オカン・娘はんたち4人の6人とゆう、家族の中の少女の、前向きな姿勢を、軸にして描いてはります。

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ともすると、少女視点だけをメインにし、人口に膾炙した作品でゆうと、

「千と千尋の神隠し」(2001年製作・日本映画)みたいな、少女ものが主流となるけども、

本作は、少女と関わる家族たち、そして、周辺環境(イタリア・トスカーナあたり・エトルリア文化があるところ)を、

ロングショットをメインに、捉えられておます。

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こういう群像描写的状況だと、ヒロイン少女のキモチが、ストレートには見えにくいもんやけど、本作ではそないなとこはありまへん。

その一役を買ってはるのが、エトルリア文化を紹介する、テレビ番組の司会者役の、モニカ・ベルッチのネーさんやろか。

主演しはった、バフマン・ゴバディ監督の、ベストテン級作品「サイの季節」(弊ブログ分析済み)が今年公開されましたが、

「007」の大作にも出はるけど、ミニ・シアター系のアート作品にも、積極的に出てはります。

ホンマ映画を愛してはる、女優はんなんやなーと、つくづく思いま。

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そんなモニカ・ネーさんと少女のやり取りが、本作の1つのキモにもなっとります。

さらに、少女の家族と居候の、少年との関係性など、少年・少女ものの、ある種の定番を設定しながらも、

意外性あるところへと着地させたりと、なかなかのワザでおました。

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そして、メインはあくまで、田舎の家族の物語どす。

ほんで、そんな中で少女が、稼業の養蜂(ハチミツ作り)を手伝いながら、コンテスト系のテレビに、出演しようとしたりしはります。

オーディションで選ばれた、少女ヒロイン役のマリア・アレクサンドラ・ルングちゃんやけど、

無色透明にして自然体そのものの演技に、目立たないけども好感があります。

事件性のあった「ミツバチのささやき」(1973年・スペイン)とか、戦争を背景にした「パンズ・ラビリンス」(2008年・スペイン)などとは違うけど、

地味ながらも、見たあとじっくりくるとこは、同じテイストやと言えましょう。

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サントラは基本的には、本編では流れまへん。

動的なダイナミズムよりも、静的なリズムを大事にして作られた作品でおます。

けども、サプライズある、家族一同のラスト・シークエンスに、ウーンときたあとのラストロールでは、

フィメール・イタリアン・ポップロックが、軽快に流れてまいります。

ある意味で、本作の結末とは、ミスマッチなとこもあるけども、それもまた、監督の意図に、入っとったかと思います。

謎めきのラストにふさわしい、映画的流れどした。

2015年9月 7日 (月)

「Dearダニー 君へのうた」⇒アル・パチーノ主演最新作

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同世代ジョン・レノンとアル・パチーノの、奇跡のコラボレート

ミュージシャン・ドラマにして、アメリカン家族映画の傑作

http://www.deardanny.jp

9月26日の土曜日から、KADOKAWAの配給によりまして、シネ・リーブル神戸やらで、順次ロードショーだす。シネ・リーブル梅田やら、MOVIX京都やらでは、上映中。

本作は、2015年製作のアメリカ映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 Danny Collins Productions LLC.

アル・パチーノが、出来上がった自分の主演映画を見て、初めて泣いたとゆう作品や。

ちゅうことで、ここで、パチーノ作品の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①ゴッドファーザー(1972年製作・以下の引用映画は全てアメリカ映画)②狼たちの午後(1975年)③ヒート(1995年)

●カルト⇒①本作②フェイク(1997年)③スケアクロウ(1973年)

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●ベストでは、時としてハイテンションなエキセントリック役を、

カルトでは、弱々しい、あるいは、角の取れた丸みある役をば、選んでみよりました。

さてはて、本作のロック・ミュージシャン役ちゅうのんは、キャリア史上初めてでありまして、

しかも、家族ドラマちゅうのんも、パチーノには似合わない作品性でおます。

そんな中で、その難しどころを、飄々と演じ抜かはりました。

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ほんでもって、ジョン・レノンに励まされた、新人ミュージシャンの実話を、ベースにした作品なんどす。

しかも、励まされた1970年代当時やなく、現在も老いて現役で活躍する、そのソロ・シンガーの話として、映画は紡がれてまいります。

でもって、ジョンの曲がいっぱい流れます。

何と、ジョン・レノン財団から本作に対し、ジョンの曲をサントラとして、流すことが許可されておます。かつてない異例のことどす。

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その理由を分析するに、設定における、ジョンの影響力が反映されとることが、まず挙げられるやろうけど、

ボクとしては、ジョンと同世代に当たるパチーノが、主人公を演るっちゅうとこが、隠れた要因やったんやないやろか。

なんせ1970年代には、ジョンがソロで大活躍し、一方、パチーノもベスト①を始め、ハリウッドの売れっ子どした。

そんな2人の最初で最後のコラボレート(モチ、この話の続編が作られれば、そうやないけども…)が、

パチーノの集大成演技的に、披露されるんでおますよ。堪えられへんわー。

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いわゆるレコード・セールス的には一発屋やけど、毎年ソールドアウトのツアーをこなしてきはった、中高年のベテラン・ソロ・ミュージシャンのパチーノが、

かつてジョンが自分を励まそうとした、手紙の存在を知らされて、人生を変えようと思い立たはります。

ほんで、かつて自分のグルービーとやってしもて、できてしもた息子一家のとこへ、初めて行こうと決意し、実行しはりまんねん。

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モチ、息子とは初対面。そのヨメはんや孫娘も当然、初めて会わはりまんねん。

モチ、そんなん息子は拒否するわな。

それでも、パチーノは必死のパッチで、息子家族に誠意を見せんと、奮闘努力しはりまんねん。

ああ、このあたりの演技ぶりは、かつてのパチーノには考えられない、フレキシブルな演技どした。

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マネージャー役のクリストファー・プラマーとの、渋き友情ぶりは、カルト③の今を想起させるし、

息子との関わりは、カルト②やら、「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」(1992年)なんぞを、

また、ホテルの支配人アネット・ベニングとのやりとりやらは、「シー・オブ・ラブ」(1989年)や「恋のためらい フランキーとジョニー」(1991年)やらの、

パチーノ恋愛映画の、ナイーブさを超越。

パチーノ的には、初のラブコメチックな演技性で魅せてくれはります。

そして、パチーノが、主人公の持ち歌として披露する2曲や。

パチーノが劇中で歌うやなんて、かつてなかったことやけど、

ノリノリのアップ・ナンバーと、ピアノ・メロディアス・スローとゆう、両極端な歌を披露しはります。

とにかく、アラマ・ポテチン(ビックリ)。

ちゅうことで、これまでになかったパチーノ演技が、存分に開陳された、サプライズある快作でもありました。

2015年9月 6日 (日)

「クーデター」⇒オーウェン・ウィルソン主演

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暴動国からの、4人家族の決死の脱出劇

逃亡のハチャメチャぶりが、大いなる見どころやで~

http://www.coup-movie.com

9月5日の土曜日から、クロックワークスの配給によりまして、全国順次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 Coup Pictures, LLC. All rights reserved.

アメリカン・アクション映画にふさわしい、ツッコミどころ満載の映画どす。

ベトナムと国境を接してる、とある国へ、オトン役オーウェン・ウィルソン一家が、アメリカから引っ越してきはります。

水道事業を握る大企業に、勤めてはるオトンが、この国へ異動させられたんどす。

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ところがどっこい、ホテルに到着した途端に、この企業にまつわるビジネスに対する、国民的大暴動が起こりまんねん。

彼らの敵はアメリカどす。そやから、アメリカ人はどいつもこいつも、殺したろかと襲ってきはるんでおます。

おいおい、一体、どおゆうことやねん? 

最初の方から、アタマん中にハテナ・マークが、チカチカしよりまんねん。

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インフラでアメリカの企業が、貧国に水投資し、それが大衆暴動に、つながっとるちゅうんやけど、

国の水道事業を一企業が牛耳り、それで水道の値段が上がったくらいで、大衆みんなが、暴れるたりするもんやろか。

暴動の理由が不明で、説得力がありまへん。

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さてはて、次々に、アメリカ人が殺されてゆくんどすが、

アメリカの衛星が、たとえノーマークの国でも、衛星監視の方向を移動させて見れば、

「ビッグゲーム」(弊ブログ分析済み)でもあったように、その国で何が起こっているんかは、分かるはずでおまして、

アジアの貧国なら、米軍が沖縄か近くから、2~3時間くらいで、来るはずなんやけど…。

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それにでんな、その貧国のアメリカ大使館が爆破されとりまして、大使館員全員死亡やねん。

それが、全くアメリカ側に、分からない状況とゆうのんは、まず100パーセント考えられまへん。

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それでも映画は、幼いコドモ2人を連れた、オトンとオカンが、その国から脱出せんと、

幾多の難関と攻撃を乗り越えてでんな、逃げはるんどすえ。

そのハチャメチャな逃亡ぶりは、「ダイ・ハード」(1988年製作・アメリカ映画)のミラクルも、かくやっちゅうくらい、ハットラ・トリッキーがありました。

もうこないなったら、怖いもんは、なーんもありまへんで。

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ホテルのビルの屋上から、銃撃で攻撃してくる敵から、4人家族が逃げるのに、

隣のビルの屋上へ、まずオカンが飛んでいき、ほんで、オトンが娘2人を投げて、それをオカンが受け止めてっちゅう、

トンデモない原始的方法が、例えば披露されよりま。おいおい…。

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イギリスのスパイ役で、「007」に出てはった、ピアース・ブロスナンはんが、4人家族の逃亡を助けるんやけど、

彼の活躍ぶりもまた、ミラクル・ワールドでおます。

ブロスナンはんは、後日分析予定の「サバイバー」(10月17日公開)では、悪役に扮して、「バイオ・ハザード」のミラ・ジョヴォヴィッチと対決しはります。

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そんなブロスナンはんに対し、オーウェン・ウィルソンはんは、もとより丸腰なんで、何の力もワザもありまへん。

それでも、家族4人は逃げ切るんだっせ。

一体どないして? 

そんなバナナな~な、ミラクルぶりをば、お楽しみくだされませ~。

2015年9月 4日 (金)

ミステリー映画「天使が消えた街」

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ダニエル・ブリュールと、ケイト・ベッキンセイルが、事件の真相を追う

マイケル・ウィンターボトム監督の、新作はミステリーやー

http://www.angel-kieta.com

9月5日の土曜日から、ブロードメディア・スタジオの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショーだす。

本作は「R-15+」指定映画どして、2014年製作のイギリス・イタリア・スペイン合作映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸANGEL FACE FILMS LIMITED/BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2014

本作は、イギリスの巨匠マイケル・ウィンターボトム監督の新作だす。

ちゅうことで、ここで、監督のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①本作②マイティ・ハート/愛と絆(2007年製作・アメリカ映画)③イタリアは呼んでいる(2014年・弊ブログ分析済み)

●カルト⇒①イン・ディス・ワールド(2002年・イギリス)②ウェルカム・トゥ・サラエボ(1997年・イギリス)③アイ・ウォント・ユー(1998年・イギリス)

●ベルリン国際映画祭の最高賞を受賞しはった、ロードムービーのカルト①や、

戦争映画カルト②など、ドキュ・タッチで映画映えする作品や、

ヒッチコック監督的ラブ・サスペンスのカルト③など、

カルトでは映画作家性をば、発揮しはった作品を選んでみました。

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対して、ベストは…。

監督のエンタ作品には、傑作はないと言われとるかどうかは知らんけど、

“映画は娯楽である“を、ポイントにしはったと思われる作品を、マイ・ベストとしました。

いやはや、ハリウッド大作と比べると、慎み深い作りかもしれへんけど、いずれにしても、監督の娯楽作には、滋味なる味わいがござります。

ハリウッド大手との仕事で、アンジェリーナ・ジョリーを主演にしながら、舞台はパキスタンやったベスト②。

グルメ映画ロードムービーで、セリフでの映画の引用が、映画史上過去最多やったと、目されるベスト③。

そして、本作は、ミステリーやサスペンス・モード入り映画は、チョコチョコ作ってはったやろけど、これぞ監督初の本格ミステリーやと思うし、

しかも、映画メイキング映画的仕様も盛り込んだ、映画的にもかつてない作りの、作品になっとりまんねん。

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さてはて、本作は、イタリアのトスカーナで、実際に起こった殺人事件を、ベースにしてはります。

エリザベスと言う女子大生が、男女2人の学生によって、殺されたとゆうものどして、

捕まった2人の裁判の行方を見つつ、事件を映画化しようと、ダニエル・ブリュールのアニキが、

そのノンフィクションを出版した、ローマ在住のジャーナリスト役の、ケイト・ベッキンセイルと会って話をし、映画会社の関係者とも、会議をしてゆかはります。

犯罪スリラーでいってほしいとゆう、映画会社側の声を聞きつつも、主人公は事件の中身を検証していくうちに、

この映画は、恐怖や死の映画ではなく、愛の映画にすべきだと、思うようにならはりまんねん。

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主人公がケイトとベッド・インしたり、

出会ったイタリアのティーン・エイジャーの、女との関わりなども、映されてまいります。

名作はみんなラブ・ストーリーだとゆう女、「エンゼル・ハート」(1987年・アメリカ)みたいな、心臓を食べる幻想シーン、「アメリ」(2001年・フランス)を見ながら、セックスした話など、

監督の前作「イタリアは呼んでいる」に続き、映画のセリフでの引用が、相変わらず続いておます。

でもしか、メインとなるとこは、主人公ブリュールの映画作りでの、いろんな葛藤部でおましょう。

シナリオライターを描いた、コーエン兄弟の「バートン・フィンク」(1991年・アメリカ)にも似た、テイストがありました。

その悩み深きを演じたダニエル・ブリュール、久々に見たケイト・ベッキンセイル共々、

ミステリー映画にふさわしい、快演・好演やったと思います。

2015年9月 3日 (木)

フランスの音楽映画「エデン」

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フランス1990年代の、音楽業界シーンを描いた快作

音楽にドボ漬けになった、主人公の波乱のドラマどす

http://www.eden-movie.jp

9月5日の土曜日から、ミモザフィルムズの配給によりまして、東京・新宿シネマカリテ、大阪ステーションシティシネマやらで、全国順次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 CG CINEMA - FRANCE 2 CINEMA - BLUE FILM PROD - YUNDAL FILMS

いきなりやけど、

フランスの音楽映画・ミュージカルの、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば言いますと…。

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①本作②シェルブールの雨傘(1964年製作)③マイ・ウェイ(2011年・弊ブログ分析済み)④8人の女たち(2002年)⑤自由を我等に(1931年・モノクロ)

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●アメリカン・ミュージカルへの、対抗意識を示した②④などに対し、

本作は実在のミュージシャンの、実話ベースのドラマどす。

アメリカ映画でも、ミュージカルと同じくらい、モノゴッツー多い、この種のタイプやけど、

なぜかフランスでは、そないありまへんどした。

1970年代をメインにした③に対し、本作は1990年代へとフォーカス。

レイヴでガレージなるDJ音楽が、花開いたパリを舞台に、

一世風靡した実在のユニット、ダフト・パンクに、チョコチョコ出てもらいつつ、

主人公ユニットの、音楽業界・私生活のどちらにおいても、波乱に満ちたドラマをば、紡がはります。

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監督は女優のミア・ハンセン=ラヴどす。

ヒロイン・ドラマの傑作「グッバイ・ファーストラブ」(2010年・弊ブログ分析済み)に続く本作では、

彼女のアニキの、音楽へのアプローチとゆう実話をば、ベースにしはりました。

そこには、妹として、アニキへの深き愛が、カンジられる仕上がりどす。

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第1章「パラダイス・ガレージ」、第2章「ロスト・イン・ミュージック」とゆう2部構成。

1では、アニキが音楽業界で、成功してゆく過程を描写。

一方で、女性遍歴も同時に、描いてゆかはります。

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ほんで、2では、音楽ビジネスで借金まみれになり、身をやつしていくアニキ・主人公の姿が、描かれてまいります。

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ミュージシャン・ドラマとして、本作は、

アメリカ映画のレイ・チャールズを描いた「Ray」(2004年)や、

グレン・ミラーの「グレン・ミラー物語」(1954年)やらと同じくらいの、波乱に満ちたドラマティックがありました。

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そんな中で、いろんな音楽が、サントラも含め、多彩に披露されてゆくとこにも、本作の音楽映画としての、キモがありま。

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ディスコやハウス・ミュージックを、ルーツとしたレイヴ、ガレージのDJサウンドを始め、

陽気で明るい、フルート&パーカッションのインストゥルメンタル、

レゲエ、サルサ、スタイル・カウンシルのオシャレな歌、ダフト・パンクのカッコイイ・ナンバー、

ノリノリのダンス・ミュージックまで、楽しめました。

特に、ダイジェスト・シーンで、タイトに流されてゆくシークエンスは、映画的リズムを、構築してはったと思います。

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1992年から2013年の20年間にわたる、ミア・ハンセンのアニキ・主人公の大河ドラマ。

「Ray」とも決して、勝るとも劣らない傑作です。

2015年9月 2日 (水)

「ピース オブ ケイク」⇒コミック原作邦画②

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綾野剛と多部未華子共演の、ラブコメチック・ストーリー

「その時、風が吹いた」のセリフがキモ

http://pieceofcake-movie.jp

9月5日の土曜日から、ショウゲートの配給により、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会

コミック原作のラブ・ストーリーは、

今や日本映画のメイン・ストリームに、なっとるとゆうても、エエかもしれまへん。

ちゅうことで、その種の映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたしますと…。

4
①本作②翔んだカップル(1980年製作)③愛と誠(1974年)④ホットロード(2014年・弊ブログ分析済み)⑤ストロボ・エッジ(2014年)

●女性からの片想いから、恋愛成就してゆくタイプの作品。

元よりカップルとして、成立するようなラブ・ストーリーの多い中で、いかにもありそうでいて、なさそな作品どした。

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多部未華子ネーさんと、綾野剛アニキの、波瀾万丈のラブ・ストーリーでおます。

多部未華子ネーが、メッチャかわいいねん。

彼女のいてはる綾野剛から、略奪するラブなんやけど、略奪・略奪せずに、

未華子ネーのリズムに合わせた、のほほんなカンジが、好感あるドラマ性をば、キープしはります。

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綾野剛の、硬軟両用フレキシブルな演技性も、また妙味がありました。

未華子ネーとの、イロイロなラブ・シーンこそが、本作のキモでもあります。

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映画的こだわりのシーンも、いっぱいありまんねん。

隣家同士の綾野剛と多部ネーとの、深まるキズナ描写の妙味。

笑う綾野剛のフレキシブルに対し、多部ちゃんもフレキシブルやけど、

その自然体のケレンは、彼女にしか出せない味わいどした。

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三角関係入りの、2人のラブ・ストーリーとして、波乱に満ちた展開は、目が離せまへんどしたえ。

2人のキズナを深めようとする、熱海でのシークエンスで、どんでん返しがあり、

ほんで、さらなるどんでん返しを、最後に見せるとゆう流れは秀逸。

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2人の出会いシーン。

未華子ネーが、「その時、風が吹いた」とゆう、運命の出会いは、

最後の最後まで、キメゼリフになっとりま。

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さてはて、ボクの個人的には、一番オモロかったとこは、映画タイトルのしりとりを、2人がやるシークエンス。

「仁義なき戦い」(1973年)の綾野剛に対し、

「一条さゆり 濡れた欲情」(1972年)と繋げる、未華子ネーには、ハットトリックな驚きがありました。

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さてはて、田口トモロヲ監督の第3弾にして、最高傑作や。

ラブ・ストーリーのサスペンスフルなハラドキが、最後まで持続する作品。

そおゆう映画は、そうそうありまへんで。

今年の邦画の、マイ・ベストテン級の傑作どす。

ぜひ、今週末には、

彼女や彼氏と、デートムービーとして、見にいってみましょうや。

2015年9月 1日 (火)

「映画 みんな!エスパーだよ!」⇒コミック原作邦画①

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超能力エスパーたちが、エロエロになる時…

「ハレンチ学園」を超えた、エロエロ・コメディおバカな快作

http://esper-movie.gaga.ne.jp

9月4日の金曜日から、ギャガの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ若松公徳/講談社Ⓒ2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会

園子温監督の、今年公開の第4弾どす。

1監督が1年に、4作も監督するのは、かつての日本映画の撮影所システムの、黄金時代は別にして、そうそうありまへんねん。

ほんでもって、園監督は、かつての黄金時代の、作劇術をば彷彿させるような、バラエティーな4作をば、作ってきはりました。

まずはもって、ココがスゴイしエライ。

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3作を振り返りますと…。

ヤクザ任侠映画タッチの「新宿スワン」(弊ブログ分析済み)、

怪獣映画と音楽映画をミキシングした、トンデモ・コメディ「ラブ&ピース」(分析済み)、

ホラー映画の新次元「リアル鬼ごっこ」(分析済み)。

全てにおいて、かつての邦画のプログラム・ピクチャー、あるいは、2作以上のシリーズされた作品へと、

大胆にも挑戦状を叩きつけるような、爽快かつ豪快なエンタ作品になっとりました。

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ほんでもって、本作どす。

学園もの入り、SFチックコメディ。しかも、エロ入りだす。

ボク的には、「ハレンチ学園」シリーズ(1970年~1971年製作・全4作)が、

本作の意識下にあったと、勝手に想像するんやけど、但し、原作はコミックでおます。さらに、テレビドラマ化を経ての劇場版。

「ハレンチ学園」もコミック原作やっただけに、妙に被って見えてしもたんは、でもしか、ボクの幻視やもしれまへん。

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でも、オナニーがポイントになって、それをやってた人が、みんなを守る、エスパーになるやなんて、

トンデモ・ハレンチな設定は、正義の味方映画へのアイロニーの、何ものでもありまへん。

そして、とことんおバカな、コメディ・ノリでいってまうとこなんか、

かつての日本映画の喜劇プログラムへの、徹底的なるオマージュにも見えました。

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しかも、地方ロケ映画どす。

愛知県豊橋市とゆう、地方都市限定ロケ映画。

この種の映画では、まずあり得ない設営の、地方ロケ映画どした。

観光映画的なノリは最初の方で、ザックリやった上で、ハチャメチャな善悪映画が展開しよります。

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園監督、今年4作目にして、そのハードさに、遂に頭がおかしくなったか、

キレてしもたかっちゅう、そんなとこが見え隠れしとんのが、メッチャオモロイねん。

映画的に、どうのこうのやありまへん。

観客を楽しませる映画作りのために、どうすればエエんか、1作ごとに考えて作った結果の、今年の4作目なんどすえ、たぶん。

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映画的な仕上がりは別にして、理屈抜きにオモロイ作品どした。

正義の味方として、エスパーたちが横並びで歩く、かつてのテレビの刑事ドラマ「Gメン75」を、思い出させるカットなど、

思わず前のめりに、見てまうシーンどした。

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染谷将太が胎内にいる頃に、妊婦同士の声のやり取りで出会った、運命の女の子を探すんやけど、

そういう夢想シーンが、何度もリフレインされてまいります。

それと、善悪のドラマがかぶさり、ラブ・コメ、サスペンス・コメの、コメディチックな融合ぶりに、

そないくるかーと、唸れまっせー。

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池田エライザ、真野恵里菜らのアイドルチックやら、

高橋メアリージュンや、神楽坂恵やらのセクシーやら、

お楽しみどころは、老若男女を問わずいっぱいありま。

ボク的には、チョー久々、岡村靖幸の、ファンキーにして、やらしそうで、すがるような歌い方の、主題歌「ラブメッセージ」に、グッときました。

映画共々、快作にして怪作な、唯一無二の作品どした。

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