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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2015年8月の記事

2015年8月31日 (月)

マイ年間ベストテン候補映画⇒8月に見た映画からセレクション

毎月月末or月初に、発表しとりまっせー

8月は日本映画1本・アメリカ映画1本・台湾映画1本・フランス映画1本・スウェーデン映画1本の、計5本だす

★邦画

●GONINサーガ(9月26日公開・弊ブログ後日分析)

http://www.gonin-saga.jp

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★洋画

●黒衣の刺客(9月12日公開・台湾映画・後日分析)

http://www.kokui-movie.com

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●アメリカン・ドリーマー 理想の代償(10月1日公開・アメリカ映画・後日分析)

http://american-dreamer.gaga.ne.jp

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●バードピープル(9月26日公開・フランス映画・後日分析)

http://www.birdpeople-suzume.com

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●さよなら、人類(公開中・スウェーデン映画・弊ブログ8月14日付けで分析)

http://www.bitters.co.jp/jinrui/

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●日本映画の「GONINサーガ」は、シリーズ的には第3弾となるんやけど、

「仁義なき戦い」シリーズ(第1弾は1973年製作)的な、ドラスティックな映像感覚が素晴らしく、

コテコテ・ゴタゴタしたカンジといい、ダークな映像作りといい、目を点にして見れるヤクザ映画どした。

対して、洋画は総じて、静かな展開の映画が多く、じっくりと鑑賞できよりましたで。

ホウ・シャオシェン監督が、お久しぶりなスー・チーを主演に、妻夫木聡を助演に撮り上げた、女暗殺者時代劇映画「黒衣の刺客」は、

日本の“くのいち”ものや、欧米の女暗殺者ものには出せなかった、静謐な展開がスリリングどして、

「ジャッカルの日」(1973年・アメリカ映画)なんぞの名作をば、思い出させてくれはりました。

NYの経営者ドラマとなった「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」は、「フレンチ・コネクション」(1971年・アメリカ)なんかを思い出す、チェイス・シーンもあるんやけど、

徹底的に静かな展開で、ドラマが進んでまいります。

あくまで、映画の中身でハラドキを、感じさせようとする映画どして、

一方で「市民ケーン」(1941年・アメリカ)のように、経営者の人間ドラマとしても、波乱のある意外性あるドラマ映画どした。

ユーロからは、フランスから「バードピープル」。

人間が鳥になる映画なんやけど、そのファンタジカルながらも、現実的な作りは、実験的やけど魅了されたし、

また、「さよなら、人類」は、静かな絵画的カットの連続で、今年のアート映画では、マイ・ナンバーワンの傑作どした。

ちゅうことで、未分析の映画は後日、弊ブログにて詳述いたします。

(映画分析評論家・宮城正樹)

2015年8月30日 (日)

「アンフェア the end」⇒日曜邦画劇場

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ミステリー映画として、最高潮の謎めき度合いを示す最終作

女刑事・篠原涼子の粋を示す、大傑作やで~

http://www.unfair-the-end.jp

9月5日の土曜日から、東宝の配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015 関西テレビ放送/フジテレビジョン/ジャパン・ミュージックエンターテインメント/東宝/共同テレビジョン

刑事ドラマの劇場版は、「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年製作)以降、活性化してまいりました。

それらは、「踊る大捜査線」もそうやけど、刑事コンビものがオーソドックスで、タイトル数も多うおます。

でもしか、21世紀になると、本作のような女刑事ものや、鑑識課員、ネット犯罪課員ものなどが出てきとります。

さて、女刑事ドラマの、日本のルーツとなりますれば、

映画のルーツではないやろうけど、アカデミー作品賞作「羊たちの沈黙」(1991年・アメリカ)が輩出されて以降、

その影響もあって作られたと思う、「沙粧妙子(さしょうたえこ)-最後の事件-」(1995年・フジテレビジョン)が、連続ドラマとしては、最初やったんやないやろか。

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そして、本作は、ミステリー的にもキャラクター的にも、練り上げられていた「沙粧妙子」のテイストを、受け継いだ作品になっとります。

また、「沙粧妙子」や、本作のあとに出た「ストロベリー・ナイト」(2011年)もそうやったけど、

ヒロインの女刑事に、トラウマや復讐などの、キャラ付けや目的設定をした作品になっとります。

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刑事のオトンを殺した犯人を突き止めるために、刑事になった雪平夏見刑事。

劇場版は、本作で3作目にして完結編どすが、2作目で彼女が、警察・司法の不正の証拠文書入りUSBを、手に入れたらしいのは、分かっておます。

そやから、そいつを奪回すべく、警察・検察側が、モチ雪平を巻き込む形で事件を起こし、

雪平を逃げさせて、その行方を追うちゅうカンジで、ミステリー・ドラマは展開いたします。

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東京地検特捜部の、検事と元検事総長の親子が殺害される事件が発生し、

その犯人にされてもうた永山絢斗と、永山から聴取の指名を受けた、雪平・篠原涼子が、

共に真相究明のために、一緒に「逃亡者」になります。

ほんで、警察と検察が、2人を追うとゆう流れ。

分かりやすい構図に見えますが、伏線がバチバチに複雑に、張り巡らされておます。

そやから、一瞬も目が離せまへんねん。

強烈などんでん返しにも、驚いてくだされ。

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さてはて、篠原涼子の代名詞になった、この雪平刑事役。

シリアスかつ、正統系スタイルの女刑事役。

沙粧妙子役の浅野温子の、役柄を作り込んだエキセントリックやなく、「ストロベリー・ナイト」の竹内結子とも、ビミョーに違う正義派。

でもしか共に、個人的な理由を基盤にしつつも、悪と対抗する正義の味方節は、同じリズムやもしれまへん。

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佐藤浩市、加藤雅也、阿部サダヲ、寺島進やら、シリーズのこれまでの出演陣に加え、

シリーズの最後に登場する、AKIRAや永山絢斗など、雪平刑事の敵か味方か分からない、クセ者キャラクターのフレキシブル、かつ怪しい演技にも注目でおます。

雪平のオトンを、殺したのは誰やねん。

ほんで、司法の不正は、暴露されるのか。

最後の最後まで、目の離せない、傑作ミステリーどす。

2015年8月28日 (金)

「セシウムと少女」⇒週末日本映画劇場

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ニュー・ヒロイン白波瀬海来が、「時をかける少女」並みに、

時空を超えて大活躍する、SF映画なんどすえ~

http://cesium-to-shyoujyo.com

8月29日の土曜日から、大阪のシネ・ヌーヴォXで、9月14日からは京都みなみ会館やらで上映だす。東京は9月18日まで、ユジク阿佐ヶ谷で上映中。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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東日本大震災以降、放射能汚染を描いたドラマ映画やドキュが、かなりと出てまいりました。

ほんで、本作もそんな1本なんやけど、実はストレートには描かれておまへん。

17歳のヒロイン(白波瀬海来=しらはせ・かいら)が、7人の神様と共に、時空を超えて、九官鳥を探すとゆうSF設定が、

いつの間にやら、東京の放射能汚染の、実態を探るロードへと、変換してゆくとゆう、変型スタイルなんどす。

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但し、冒頭では、男のナレーション入りで、ヒロインが東日本大震災以降変わったことが、ダイジェスト的に映されます。

ほんで、3年後、ヒロインのひと夏の冒険が、活写されるちゅう次第どす。

しかも、手書きアニメ・シーンを多用し、破天荒なドラマの流れとも相まって、深刻なはずの物語が、コミカルにのほほんに、展開してまいるのだす。

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さてはて、ヒロインは、ヒロインのオバンの、飼っていた九官鳥を探して、

遂には、オバンの青春時代、1940年~1942年の東京・阿佐ヶ谷へと、タイムスリップしやはります。

九官鳥の名が、オバンの好きな北原白秋から取って、ハクシどして、当時の阿佐ヶ谷には、その白秋がいとりました。

でもって、ヒロインは若いオバンと出会い、一緒にフロに入ったり、浅草見物をしたり、

「チョッキンナ」から始まる北原白秋の詩を、歌って踊って、ミュージカルしたりしやはるんどすえ。

2人の交流ぶりに加え、ヒロインが北原白秋と出会うシーンなども、時空超えSFの面白いところだす。

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一方、放射能探索部どすが、酒を飲んでの原発についての論議を皮切りに、

汚染度合いを探りに、玉川上水、奥多摩などを巡り、夢の島、映画にもなった第五福竜丸の展示館へ。

ほんで、遂には、全部見てくると、ヒロインは福島へ行かはります。

このヒロインの、白波瀬海来ちゃんやけど、メッチャ自然体。

大ベテランの川津祐介はんや山谷初男はんと、フツーのようにやり合います。

ほんで、サントラはシーンに合わせて、ジャジーやったり雅楽やったり。

で、ラストロールでは、元「たま」の知久寿焼が、「さよなら人類」みたいな、おとぼけフォークでシメはります。

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「時をかける少女」(第1弾は1983年製作)的センスと、

放射能問題を盛り込んだ「生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」(1983年)的センスが、複合したような作りどして、

また、本作の監督・才谷遼はんが、岡本喜八監督に師事していたそうやから、キハッツアン的ユーモア・センスも入っとりまっせ。

ちゅうわけで、少女ヒロイン・ドラマの快作。

「しあわせへのまわり道」

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NYラブ・ストーリーになるとこが、かなりと違います

ベン・キングズレーとパトリシア・クラークソンの友情物語

http://www.shiawase-mawarimichi.com

8月28日のフライデーから、ロングライドの配給で、TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、大阪ステーションシティシネマやらで、全国順グリのロードショーだす。

本作は、2014年製作のアメリカ映画90分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015, BPG Releasing, LLC. All Rights Reserved.

日本では、ヒロイン・ドラマ「死ぬまでにしたい10のこと」(2002年製作・スペイン&カナダ合作)などで有名な、

スペイン出身の女性監督、イサベル・コイシェ監督の、NYを舞台にした新作。

彼女の作品の魅力は、女性の視点から捉えられた、ヒロイン・ドラマであるところやろか。

そやから、男監督が描くヒロインものとは違って、心理も行動も、微細でリアリティーがありまんねん。

でもって、本作では、ヒロイン役パトリシア・クラークソンはんが、

タクシーの運転手役のベン・キングズレーはんとの間で、

車の運転の教官と生徒という立場から始まり、恋やなく、友情のキズナを結ぶとゆうお話。

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男女の友情ものとゆうのは、ドラマ作りの中でも最もハードルの高いもんでおます。

ともすると、無理矢理こじつけるような設定で、描かれたりもするんやけど、本作はモノゴッツー自然なカンジで綴られてまいります。

しかも、2人のそれぞれの、生活模様や家族ドラマ・恋愛ドラマも描かれとりまして、

さらに、その2つのドラマが共鳴するようにして、友情ものへと昇華するちゅう、難易度の高いドラマ作りにも関わらず、

実に分かりやすくて、普遍性のあるドラマになっとります。

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さてはて、ヒロイン役のクラークソンはんちゅうたら、

かつては「アンタッチャブル」(1987年・アメリカ)で、ケビン・コスナーの美しきヨメはん役をやってはったけど、

モチ当時の美しさはなくとも、好感あるヒロインぶりを演じてはります。

夫と別れて落ち込む、売れっ子書評家のクラークソンはんが、娘のとこへ車でゆくために、運転を覚えようとしはります。

このあたりの、夫との別れを克服して、前向きにやってゆこうとする心意気は、間違いなく、みんなの好感を呼び込みます。

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ほんで、お相手役のキングズレーはん。

「ガンジー」(1982年・イギリス&インド)のガンジー役で、アカデミー賞の主演男優賞を、ゲットしはった彼やけど、

そんなガンジー役にも見まがうほどの、強気ながら献身的な役柄。

自身の結婚へと到る、ラブ・ストーリー部でも渋みがあり、ほんで、こちらも、好感ある演技ぶりをば、見せてくれてはります。

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さてはて、個人的には、評論家は必要か、ちゅうラジオ番組がありましてな、

書評家のヒロインも、出演してはったんやけど、その結論がどないなったんかが、示されておまへん。

映画評論家も出てたんで、その結論はどないなったんか、モノゴッツー気になりました。

サントラ担当は、ビートルズの故ジョージ・ハリスンの息子はんの、ダーニ・ハリスンのアニキや。

インド・ロケ・シーンでは、タブラなどの民族楽器を入れて、シブミを披露。

なかなかのセンスがありました。

ちゅうことで、NYものでも稀少な、男女の友情もの映画でおました。

2015年8月27日 (木)

「わたしに会うまでの1600キロ」⇒アメリカン・ロードムービー

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リース・ウィザースプーンの、ヒロイン映画の傑作

共に実話系ロードムービー「奇跡の2000マイル」との違いとは?

http://www.1600kilo.jp

8月28日のサタデーから、20世紀フォックス映画の配給によりまして、全国ロードショー。

関西やったら、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ西宮OSやらで上映だす。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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難所を女性が踏破するとゆう、実話ベースのドラマが、今年は本作を含めて、2本公開されました。

ミア・ワシコウスカがラクダや犬と共に、オーストラリアの砂漠地帯を踏破した①「奇跡の2000マイル」(弊ブログ分析済み)。

一方、②本作は、女(リース・ウィザースプーン)1人で、

アメリカ西海岸の自然歩道を、踏破したお話どす。

1
ロードの難易度においては、①の方が上やろけど、主にストレートにロードを映した①に対し、

②はロードと、ヒロインの過去をカットバックさせて、

なおかつサントラやらで、作品性に合わせた作りを、意図的に仕込んだとこがありました。

また、ロードに出る動機付けとしても、②の方が①よりも、ドラマティック。

甲乙付けがたい仕上がりも、映画的作りとしては、僅かに本作②が上でおましょうか。

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リースのロードは、この種の映画では、お約束のように、波乱続きどす。

岩山の谷間に、登山靴の片方を落としてしもて、もう一足も叫んで、ホカしてまう冒頭のシーンから、おいおいなヤバイ感じ。

細かい食生活のリアリティーも描かれて、細部の描写が緻密な上での過酷なロード。

そのあたりも、大ざっぱやった、かつてのサバイバル・ロードムービーとの違いを、見せてゆかはります。

2
ロードムービーとして、道々のエピソードもイロイロあるけど、

本作のポイントは、ヒロインの過去のイロイロを、フラッシュ・カットを前触れに、

徐々に明らかにしてゆく作りの、妙味でおましょう。

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オカン(ローラ・ダーンはん)とのやり取り。

オカンが病死したあとの、ヒロインの乱れた生活。離婚した夫とのやり取りやら、

ヒロインがなぜ、踏破に挑もうとしたんかが、映画的に明らかになってゆく流れは、秀逸どした。

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歌がドラマティックを紡ぐ映画としても、本作は印象的どした。

サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでゆく」の、歌うまでのとこのイントロが、数度出てまいります。

ラテンアメリカの民謡に、ポール・サイモンが新たに歌詞を付けて、カヴァーした名曲やけど、

その歌詞が、ヒロインのナレーションで、何度も出てきます。

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カタツムリより小鳥に、釘よりハンマーに、道より森になりたいとゆう、歌詞内容は、

ヒロインが前向きになってゆく道行に、絶妙かつ詩的なアクセントを加えてゆくんだす。

そして、歌はラストロールを含め、2度流れます。

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1度目は、ヒロインの自堕落な過去が、回想される中で流れてきます。

ヒロインが踏破を目指した過去を、ドラスティックに披露されて、圧巻の映画的流れを、ボクは感得いたしました。

ヒロインが道々で出会ったコドモが、「赤い河のテーマ」を歌ったりと、

西部劇などへのオマージュも、さりげなく入っておます。

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オカンとのキズナ、ほんで、いろんな悲しみを超えて、終着の場所「神の橋」に、たどり着いたヒロインの姿は、

理屈っぽいヒロイン・ナレーションが、少し気にはなったけど、もちろん感動的どしたえ。

ちゅうことで、ロードムービーの、お手本的作品でおました。

2015年8月26日 (水)

「世界で一番いとしい君へ」⇒ソン・ヘギョ主演韓国映画

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病気の子がいてる、3人家族のドラマどす

オトン・オカンのラブ・ストーリーを、息子が紡ぐユニーク

http://www.itoshiikimi-movie.info

8月29日の土曜日から、ツインの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 ZIP CINEMA All Rights Reserved.

ソン・ヘギョのネーさんて、みんな、知っとるかー。やなく、そんなん、知っとるわな~。

テレビドラマでブレイクし、一時、世界から、韓国女優人気ナンバーワンと、目されてた彼女。

実は、その頃、映画専門のボクチンは、ソン・ヘギョて、なんぼのもんやねんて思とりました。

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顔を見て、そんなに美人やろか~と思い、中国のコン・リーっぽいけど、コン・リーより若いだけやん。

それに、演技派コン・リーとは、とても比較できへんやん。

いわゆる、フツーの演技やん。

ほんでもって、本作では、どないなんか。

ヤッパ、フツーのように見えよるやん。

彼女の魅力は一体、どこにあるんか。

彼女の出たドラマは、全く未見の上で、考えてみました。

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前向き・さわやか・病気のコドモとの、自然体の接し方、

カン・ドンウォンとの、学園ラブコメっぽい出会いと付き合い、重みよりも軽みを、ベースにした自然体。

「僕の、世界の中心は、君だ。」(2005年製作・韓国映画)の、オリジナル長澤まさみ以上のさわやかさ。

「グランド・マスター」(2013年・香港&中国・弊ブログ分析済み)は、表層的な演技に終わったけど、

みんなの好感は、決して崩さない演技ぶり。

いずれにしても、緻密な演技よりも、どちらかとゆうたらストレートに、キモチを出す演技で、

見ているみんなの好感度の高い演技ぶりなんどす。

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「ファン・ジニ 映画版」(2007年・韓国)は、韓国時代劇のヒロイン像の、雛形を示した点においては、確かに彼女の代表作やけども、

でもしか、本作は、出演作は少ないけども、映画における彼女の、最高傑作になったんやないやろか。

現代劇で、どのような演技を見せてくれるんかを考えると、フツーの自然体こそ、こういう家族ドラマには、うってつけだす。

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韓国の家族映画ちゅうたら、韓国映画が大量に、日本に流入してきた21世紀以降も、イロイロと傑作がありました。

本作は、年を経るにつれて老いてゆく、早老症の男の子を持つ夫婦の、3人家族の話だす。

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韓国映画でゆうと、3人家族は「大統領の理髪師」(2004年)、

コドモが難に遭う「グエムル 漢江の怪物」(2006年)、コドモが襲われた「ソウォン」(2012年・ブログ分析済み)など、イロイロあるけども、

ドモがビョーキで、その子を見守っていく夫妻の構図とゆうのは、韓国映画では、あんまし見ないスタイルどす。

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ほんで、ビョーキの息子が、オトンとオカンのラブ・ストーリーをば、小説として紡いでゆくとゆうとこも、家族ドラマでは、かつてない設定でおましょう。

高校時代に、毒舌姫やった、オカンのソン・ヘギョ、テコンドーの空蹴り王子と言われた、オトンのカン・ドンウォン。

17歳の2人の出会いが、イエロー・トーンの中で、冒頭に披露されよります。

そして、コドモとの絡みシーンへと、つないでゆく流れ。

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オトンとオカンの励ましシーンもあるけども、息子が前向きに生きようとする、ダイジェスト・シーンや、

オトン・オカンとの、何気な触れ合いなどに、感動の芽がちらついておます。

でもって、さわやかなテレビ出演の、ラストシーン。

悲劇のドラマが反転する瞬間、家族ドラマの粋をば、ボクらは見ることになります。

何はともあれ、家族ドラマ映画の王道でおます。

泣きよりも、前向きな感動に、浸ってもらいたい1作どす。

2015年8月25日 (火)

ドイツ映画「あの日のように抱きしめて」

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終戦直後ドラマの、不穏なヒロイン・ドラマ

ナチ収容所関連映画の、かつてないミステリー・タッチを披露

http://www.anohi-movie.com/

8月29日の土曜日から、アルバトロス・フィルムの配給で、テアトル梅田、京都シネマやらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸSCHRAMM FILM / BR / WDR / ARTE 2014

第二次世界大戦の、ドイツ敗戦直後から始まる、ヒロイン・ドラマだす。

ナチスのユダヤ人収容所から、生還したヒロインやけど、

一緒にドイツに戻った、彼女の親友以外は、誰もそれを信じないとゆう展開で、お話が進行してまいります。

つまり、ナチ収容所から生還した人間など、あり得ないとゆうとこが、本作の裏ポイントどす。

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ナチ収容所もの映画ちゅうたら、「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年製作・イタリア映画)みたいに、現場での現状を映すもんが、ほとんどなんやけど、

そこから生還したヒロインは、本人やのに、夫がまず、ヒロインと再会しても、妻とは認めまへん。

ちゅうか、記憶喪失に罹ったみたいに、赤の他人のように接しはるんどす。

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このあたり、見ていてかなりと、違和感があったんやけど、

ゆうならば、夫が記憶喪失になって帰ってきた「かくも長き不在」(1960年・フランス)の、逆バージョンとでも言えるんやないやろか。

ほんで、そういう変形系の敗戦後ドラマが、原作小説はあるものの、ドイツから出てきたとゆうとこに、説得力がありました。

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収容所で顔に大ケガを受けたヒロインだが、彼女を支える友人と共に、ドイツに帰ってきた。

ほんで、顔を治さはります。

そして、とあるクラブでダンナと再会。

でもしか、ダンナはヨメとは認めまへんねん。

ヨメに似てる人間やと思わはりまんねん。

また、ヒロイン・ヨメも、なんでか積極的に、ヨメやねんとは、主張しはりまへん。

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ウーン…。

で、ダンナは、ホントのヨメに、親戚縁者に対して、ヨメが生きていたように仕込み、遺産を取り、

それを2人で山分けしようや、なんてゆう提案をしはるんどす。

ウーン…。

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ポイントやとゆうた、収容所からの生還。

これはドイツの人にとっては、ミラクルだったんやろか。

そうでなければ、この犯罪とは思われない犯罪は、成立しよりまへん。

夫へと傾くヒロインを嘆いて、面倒を見てきた友人が自殺します。

このへんも、少し疑問に思たけど、終戦直後の人間心理は、かなりと複雑や、ゆうことなんでおましょう。

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そんな流れどすから、クライマックスの騙しのシーンが、騙しのシーンらしく見えてきよりません。

違和感の違和感。

実は、そこにこそ、このドラマの新味があるんやないかと、ボクは思います。

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ベースとピアノ、弦楽オーケストラなど、オーソドックスなサントラ使いの中で、

ドイツのスタンダード・ポップスや、ネタにも関わる、ジャズ・スタンダード「スピーク・ロウ」など、

シックかつクールな流し方や歌い方に、シブミがありました。

ちゅうことで、本作はドイツ映画でなければ、できなかった内容を持つ作品やったと思います。

2015年8月24日 (月)

「群青色の、とおり道」⇒佐々部清監督の新作

1
桐山漣アニキと杉野希妃ネーさんの、ラブ・ストーリー

地方ロケ映画・音楽映画・家族映画の粋も入った作品

http://www.gunjyoiro.jp

8月29日の土曜日から、クリーク・アンド・リバー社の配給により、シネ・ヌーヴォやらでロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ「群青色の、とおり道」製作委員会、太田市

21世紀デビュー組の、佐々部清監督の新作だす。

東映作品の監督から、その後マイナー系作品をも、積極的に監督し、地方ロケ映画や東京映画の、斬新性を追究。

ボク的には、21世紀の日本映画監督の、3本指に入る監督はんどす。

そんな監督、知らんわ~ちゅう方へも含めて、マイ佐々部監督のベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①夕凪の街 桜の国(2007年製作)②カーテンコール(2005年)③チルソクの夏(2003年)

●カルト⇒①本作②半落ち(2004年)③東京難民(2014年)

●本作を除き、全てレンタルDVD化されとりますんで、ぜひチェックしてみておくんなまし。

選択の基準としては、ベストは感動作を、カルトはエンタの新味どころをば、付加した作品をチョイスいたしました。

山口県ロケ3部作のベスト②③、戦後トラウマ映画にして、家族ドラマの傑作ベスト①など、モロに泣かしたろかいちゅう映画やなく、

自然と泣ける映画に、なっとるとこにでんな、ボクは佐々部監督の凄みを感じます。

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実はカルトに選んだ作品にしても、そのあたりは通底しとります。

ちゅうか、佐々部監督作品全ての基本には、感動的ドラマとゆうんが、柱であり礎(いしずえ)になっとります。

来年公開の「64(ロクヨン)」の映画化も楽しみな、ミステリー作家・横山秀夫原作のカルト②。

テレビの二時間ドラマには出せない、映画的熱気ある刑事と容疑者のドラマどした。

東京をタイトルに冠した、東京ロケ・ドラマでも、21世紀の最新型を示したカルト③。

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ほんでもって、本作は、太田市の出資を受けながらも、決して観光色とか、地方の時代やらを打ち出すんやなく、

音楽映画・家族映画・恋愛映画やらのフレイバーを、映画的に盛り込んだ、

フツーの地方ロケ映画をば、超えた傑作になっとります。

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親の反対を蹴って、ミュージシャンを目指し、家出同然に上京した主人公が、オトンの病をきっかけに、何と10年ぶりに故郷・群馬県・太田市に帰郷。

東京とはそない離れてへんやんの印象やけど、それでも、10年も帰らなかったとこに、一つのミソがあるんやろな。

静岡県に30年も帰らんかった、常盤貴子の「向日葵の丘」(2015年・弊ブログ分析済み)ともシンクロ。

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また、都会からの帰郷ものとして、マイ・ナンバーワンの「帰らざる日々」(1978年・故郷は長野)も、同様のスタイル。

但し、「向日葵」や「帰らざる日々」との違いは、帰ってからの描写が、メイン・ソースになっとる点でおます。

そやから、過去を振り返るカットバックやらは、控えめな作りでおます。

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むしろ、東京から故郷・太田市に帰った若者のドラマが、

家族ドラマ、ラブ・ストーリー、そして音楽ドラマちゅうカンジで、展開してゆくドラマどして、

それぞれのとこで、オリジナル・ポイントのある映画どした。

8
主演は桐山漣。「仮面ライダーW」での主演以外に、「東京PRウーマン」(2015年・弊ブログ分析済み)でのイケメン役などがありますが、

本作では過去最大に人間臭い、ミュージシャン志望役。

彼が作った曲が、大きな作品テーマになっとりまして、高校時代に最後まで作られなかったその曲を巡り、

今は教師となってはる、元高校の同級生役の杉野希妃との間で、ラブが展開しよります。

3
クライマックスの、ギターの弾き語りで披露される、主人公の歌披露シーンは、本作最大の見せ場となっとります。

オトンとの確執を含んだ、家族ドラマ性や、杉野希妃とのラブ以上に、ドラマティックがあるこの音楽映画性こそ、本作のキモやと思いました。

ちゅうことで、帰省青春映画の最新快作どした。

2015年8月23日 (日)

大島優子主演「ロマンス」⇒日曜邦画劇場

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大島優子のAKB48卒業後、初の主演映画どす

アイドル映画ノリも入った、箱根ロードムービー

http://www.movie-romance.com

8月29日の土曜日から、東京テアトルの配給で、シネ・リーブル梅田やら、京都シネマやらで上映だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015東映ビデオ

元AKB48のセンター、大島優子ゆうたら、そら、どない見ても、立派な正統派アイドルでおます。

そんなアイドルが主演して、映画を撮るゆうたら、かつていっぱいあった、女アイドル映画のノリを、

みなはんは、やっぱりなーっちゅうカンジで、思い出さはるかもしれまへん。

但し、そのノリは確かにありま。けども、角川アイドル映画や、歌手アイドル映画のノリとは、ビミョーに違っておます。

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大島優子は10代やなく、20代。

しかも、先に卒業してはる前田敦子やらが、年間ベストテン級の映画で、幾作品も主演してやる。

となると、フツーのようなアイドル映画には、どないあってもできしまへんわな。

ヤッパ、朝ドラみたいに、全国民の好感あるヒロイン・ドラマ性が、アイドル性を上回るような映画を、見せたいとこでおましょう。

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ほな、そのためには、どないすんねんやけど、

邦画大手のとこから製作したら、そら、なんぼでもそれに見合った作品は作れたやろうけど、

本作は、どちらかとゆうたら、マイナー系。

しかも、女性監督タナダユキとの、コラボレートでおます。

タナダユキてゆうたら、蒼井優との「百万円と苦虫女」(2008年製作)など、ヒロイン・ドラマの名手、とゆうてもエエ女性監督だす。

でもって、大島優子はタナダ監督作をば、選ばはりました。

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タナダユキのオリジナル脚本どす。

大島優子のために、練られた作品。

ヒロインのキャラクター設定が、まずポイントとなります。

電車のロマンスカーのアテンダント売り子で、母との確執があるようなヒロイン。

母を探して、ロードムービーするような流れ。

そういうカンジで、ストーリーは組み立てられてまいりました。

モチ、好感あるヒロイン・ドラマである点が重要だす。

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ほんでもって、新宿・箱根を往復する、ロマンスカー小田急電鉄との、タイアップが実現しました。

彼氏(窪田正孝)のいる大島優子の、部屋シーンから始まり、大島のナレーション入りで、彼女の仕事ぶりが、披露されるイントロ部。

スムーズに彼女の生活世界に入り、ほんで、映画プロデューサー役の大倉孝二とのやり取りから、

2人で大島優子のオカンを探す、箱根のミニ・ロードへと進んでまいります。

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コドモの頃のオカンとの、エピソードがタイトに挿入され、オカンが箱根で、自殺するんやないかとゆう恐れの中、

2人が探すんやけど、箱根の観光映画的ノリやら、

映画プロデューサーの映画業界内の事情を入れたり、

「マイ・フェア・レディ」(1964年・アメリカ映画)や、「E.T.」(1982年・アメリカ)などの、パロリ・シーンなど、

あんまし逼迫・緊張せえへんとこも、この種の映画のお楽しみなんやろかな。

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大涌谷やらが問題化する前の、箱根ロケでおます。

そういう視点で見ると、何やらウーンと考えるとこもありましたやろか。

2人が泊まる箱根の、ラブ・ホテルでのシークエンスが、本作のクライマックスなんやろけど、

ベッド・シーンやキス・シーン以外に、

少しぎこちないように見受けられた、5分くらいの長回し撮影シーンなど、

大島優子の大倉孝二との絡みどころが、しっくりしてないとこがあったけど、

でもそれも妙に、許せるようなとこがありました。

ちゅうことで、大島優子ファンには、間違いなくたまらない作品でおました。

2015年8月21日 (金)

「ルンタ」⇒社会派ドキュにして人間ドキュ

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池谷薫監督流儀の、人間ドラマ・ドキュメンタリーのキモとは?

日本映画ドキュの、年間ベストテン級の仕上がり

http://lung-ta.net

8月22日の土曜日から、蓮ユニバースの配給で、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸRen Universe 2015

社会派ドキュと人間ドキュの境目ちゅうたら、実はビミョーなとこなんやけど、

社会的抵抗運動や活動をする人間を、描いた映画やったら、この2ジャンルは、合体することとなるんやないかな。

その種の邦画ドキュの、マイ・ベストワンな1作は、「ゆきゆきて、神軍」(1987年製作)なんやけど、

本作で主人公として登場しはる中原一博はんは、「ゆきゆきて…」の主人公より、エキセントリックやないけども、

冷静かつ沈着な挙動で、みんなに静かに訴えてきはります。

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本作の監督は、池谷薫はん。

太平洋戦争で生き残ったけど、日本に帰らなかった兵士のドキュ「蟻の兵隊」(2005年)やら、

東日本大震災に取材し、そこであくまで生きてゆこうとする、老人の姿を捉えた「先祖になる」(2012年・弊ブログ分析済み)など、

やはり、社会派ドキュと人間ドキュを融合した作りに、映画作家性を感じさせてくれはる、監督はんでおます。

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ほんでもって、本作は、海外の社会問題へとフォーカス。

中国の支配に、焼身自殺で抗議する、チベットの人々。そんなチベットの人々を、支援するんが、中原一博はんでおます。

池谷監督はそんな中原の姿をば、捉えてゆかはります。

中原はんの、焼身現場巡りと、いろんな犠牲者関係者へのインタビューが、メイン・ソースで描かれてまいります。

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高台で紙を散らして叫び、ラストでは突然の奇声を発しながら、

実に誠実に、チベットの人々と話をかわして、何とかしたいと願う想いが、ボクたちのココロに、じわじわときよりまんねん。

主人公・中原はんのトークや述懐も、シブミありや。

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ドキュメンタリー的撮り方は、モチ万全でおますよ。

ラストロールで呪文的な音楽が流れるけども、サウンドトラックなしに展開。

サントラ代を始末してはるんやなく、抑圧されたこの状況においては、軽快な、あるいは重たい音は、不用意には流せず、

それよりも、自然な効果音の方が見合っとります。

タイトルの「ルンタ」は「風の馬」とゆう意味やけど、それに合わせるように、風の効果音が、次々に流れてまいります。

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さらに、いろんな曇り空、虹、さわやかな青空まで、多彩な空を映したりの、チベットの自然シーンの美しさ。

ロングショットで示す、人々と自然の絵画的構図の多さ。

映画的シーンの多彩さに、ドキュながらも、映画芸術としての粋なとこでも、魅せてくれはります。

ちゅうことで、ダライ・ラマ(写真上から5枚目)を描いた映画やら、ブラッド・ピット主演の「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(1997年・アメリカ映画)やら、

チベットを舞台にしたドラマ映画と同じく、注目してもらいたい1作どす。

イタリア映画「ただひとりの父親」

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かなりと珍しい、シングル・ファーザー・ドラマやねん

オトンと赤ん坊の爽快なキズナ映画どす

http://www.vivaitalia.link/

8月22日のサタデーから、パンドラはんの配給によりまして、特集上映「Viva! Italy vol.2」の1本として、テアトル梅田やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は、2008年製作のイタリア映画93分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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本邦初登場の、イタリアのルカ・ルチーニ監督作品どす。

女のコドモを産んで、大量失血死で死んでしもた妻。主人公の夫は、1人でベイビーを育てようと、奮闘するお話。

でもしか、その奮闘ぶりを見せるんやなく、あくまで2人のキズナが、静かに展開するタッチでおます。

こおゆうシングル・ファーザーのドラマは、ボクはあんまし見たことがありまへん。

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例えば、チャップリンの「キッド」(1921年製作・アメリカ映画)みたいに、捨てられたベイビーを、男が育てるちゅう映画なんぞがありますし、

妻が家出して、夫と息子の生活話となった「クレイマー、クレイマー」(1979年・アメリカ)なんかを見たけれど、

本作はいきなり2人の生活ぶりを、フツーのように示した上で、2人で暮らすようになってしもた経緯を、徐々に明らかにしてゆく作りどす。

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さらに、主人公は近所の若い女性と知り合い、やがて子守りをしてもらうような間柄になっていきます。

この女性とのラブ・ストーリー部を縦糸に、主人公の妻との過去のシーンを横糸にして、

主人公の前向きな生き方が、正攻法で描かれてまいります。

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同僚たちが娘を見てくれたり、先の女性との関わりなど、何やら朗らかなモードで、物語は進行するんやけど、

妻との確執部が次第に明らかにつれ、物語に緊張度合いが増してまいります。

けども、その逼迫性はさほど強くなく、最後の最後まで、グッド・ファーザーのノリでいって、さわやかな鑑賞後感さえありました。

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クローズアップの多用など、分かりやすい作りでいこうとしてはるとこも、好感を覚えました。

また、歌ものナンバーを多数流す、アメリカ映画のノリを採用し、

バラード、スロー・ナンバーを中心に、英米の曲を5曲ばかり、シーンに合わせて流してはります。

要所要所で、コンテンポラリー(現代的)な作りをば、施してはるんでおますよ。

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ボクの鑑賞後感は、かつてあんましなかった、シングル・ファーザーの人間ドラマで、

ラブ・ストーリー部もあるけども、あくまでオトンとベイビーに、フォーカスした作りで、しみじみな感動ある映画どした。

オトンからの一方的やけども、2人のキズナには、時にグッとクルとこもあるし、

オトンのナレーションで、海辺の2人を映すシーンなど、ココロに残りましたえ。

2015年8月20日 (木)

「フェデリコという不思議な存在」⇒マイ年間ベストテン級作品

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ドキュ・ドラマ的手法で描かれる、フェリーニ監督へのオマージュ作

フェリーニの盟友が、映画愛を込めて、映画化した大傑作

http://www.vivaitalia.link/federico.html

8月22日の土曜日から、パンドラの配給により、イタリア映画の特集上映「Viva! Italy vol.2」の3本の1本として、テアトル梅田やらで、全国順次の上映だす。

本作は、2013年製作のイタリア映画で、本編93分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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本作は、フェデリコ・フェリーニ監督作品を、幾つか見ずしては、見られない作品どす。

ちゅうことで、本作を見る前には、フェリーニ作品を、ツタヤやらでDVDを借りて見ておくべきだす。

少なくとも「道」(1954年製作・イタリア映画)は、見とくべきやろな。

どちらかと言えば、本作はゴリゴリの映画ファン向けに、作られた作品でおましょうか。

けども、ボク的には、映画上級編の映画やけども、マイ年間ベストテン級の仕上がりでおました。

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フェリーニの盟友、エットレ・スコーラ監督が、フェリーニへの友情とオマージュを捧げ、

さらに、2人の友情へと着地する、感動のドラマ映画どす。

但し、その手法においては、モチ実話ベースなだけに、ドキュ・ドラマ的手法を採用。

冒頭から、1939年の若きフェリーニの姿を、モノクロで描写しはります。

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雑誌編集者から、舞台のコント作家を経て、映画監督になったフェリーニを、スコーラ監督は、絶妙に撮ってゆかはります。

スコーラ監督も、フェリーニの後輩として雑誌に関わり、フェリーニとの、ディープなつながりとキズナぶりが、事細かに描かれてまいります。

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中でも、タクシーの中で披露される、2人のエピソードは、絶品中の絶品。

モノクロからカラーに移行し、娼婦と同乗した2人が、娼婦との会話の中で、フェリーニが作品のヒントを得たとこ。

さらに、同乗した、ホームレス的絵描きとの逸話。

第七芸術の映画は、建築・音楽・絵画・彫刻・詩・舞踊に次ぐものちゅうとこも、知的にオモロイし、

絵描きとの関わりでもモチ、作品が生み出されたとこも、印象的どした。

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さらに、スコーラ監督自身と思われる男が、ナレーションではなく、語り部として映画に出て、

フェリーニのイチイチの挙動を、解説するちゅう作りで、いってはりまんねん。

「人生はお祭りだ」ナンチューセリフやら、構成やらを含め、

フェリーニを描くには、どないあるべきか、とことん緻密に斬新に、作られとる映画やと思いました。

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マジックアワーな海辺で、ディレクター・チェアーに座るフェリーニ監督が、「道」をば演出してはるシーンが、冒頭と、固定撮影のラストで披露されとります。

中盤では、次々にフラッシュ的に、「道」のポイントやった、アコーディオンのサントラを流しての、ダイジェスト・シークエンスなど、

フェリーニの作術方法なんかも、惜しみなく披露されておます。

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ビリー・ワイルダー監督や、アルフレッド・ヒッチコック監督並みにスゴイ、フェリーニの作品性へのフォーカス。

そして、フェリーニとスコーラ監督を、結ぶキー・ポイントで重要な、俳優マルチェロ・マストロヤンニの分析描写やら、

単なるフェリーニの生涯を描く映画やない、いろんなフレイバーに、イチイチ唸るような、そんな作りの映画でおました。

ちゅうことで、映画初心者たちも含めて、ぜひ映画体験してもらいたい1作どす。

2015年8月19日 (水)

イタリア映画「夫婦の危機」

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映画メイキング映画と家族映画のドッキング

芸術性の高い「フェリーニの8 1/2」の、大衆向け娯楽版

http://www.vivaitalia.link/

イタリア映画の特集上映「Viva! Itaiy vol.2」の1作として、8月22日のサタデーから、パンドラの配給によりまして、テアトル梅田で、全国順次ロードショー。

本作は2006年製作のイタリア映画、本編112分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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特集上映なんで、果たしてイロイロある洋画の、年間ベストテンに入るかどうかは、別にしても、本作はマイ・洋画ベストテン級に入る1作どした。

「息子の部屋」(2001年製作・イタリア映画)で、カンヌ国際映画祭の最高賞の、

パルムドールをゲットしはった、ナンニ・モレッティ監督の作品どす。

でもしか、ピーンと張りつめるとこもあった「息子の部屋」に対して、

本作は実に分かりやすい、大衆普及版ちゅうような仕上げになっとりました。

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映画界を描く映画チューたら、これまでに、モノゴッツーなタイトル数があるんやけど、

本作もそういうタイプではあるんやけども、いくつかの点で新味を加えた作品でありました。

まず、妻が主演し、夫が監督した、ヒロイン・アクション映画が映されよります。

今どきのヒロイン・アクト映画以上に、サプライズある作りに、まずは、魅せられてまいます。

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でもしか、そのあとは、監督と結婚し女優を引退、

2人の息子をもうけたけど、今や、夫・監督と別居し、別れるか別れないかで、静かに揉めとる状況でおまして、

そんな中で、監督の製作会社は、大作コロンブス映画を、撮るか撮るまいかやら、イロイロ悩んではりまして…。

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でもしか、コブツキの女が持ち込んだ脚本が、映画化となり、その女が自ら監督して、映画を撮ることになりますが、

それはタブーとなる、実話系の政治映画でおました。

世の中はコメディを欲しているとか、でも、社会派に帰るべきやとか、主演男優の降板とか、

映画製作でのスッタモンダが、イロイロあってオモロいんやで~。

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さてはて、いろんな映画は、セリフで思いきし出てきよりまんねん。

そのほとんどが、ハリウッド大作が多い中においてでんな、

主人公のコドモたちが、テレビかDVDで見とる「千と千尋の神隠し」(2001年・日本)の映像など、オッとクルとこもありま。

映画監督の生活や世界を描いた映画は、アメリカ映画にもあるんやけども、

「アメリカの夜」(1973年・フランス&イタリア)「8 1/2」(1963年・イタリア)なんかのように、

欧州、特にフランス、本作のイタリアなどに、目を瞠る作品が、多いんやないかと、ボクは思とります。

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いずれにしても、映画メイキングと監督家族のドラマを、ドッキングさせたナンチュー映画は、

映画メイキングものが多いけど、本作が映画史上、初めてなんやないやろか。

また、映画製作の裏事情やら、夫妻映画としてのビミョーな作りやら、細部の作り込みが、ハンパやありまへん。

監督の妄想なカンジの「8 1/2」とは違い、妄想やない現実感があって、胸にこたえました。

特集上映では、ほかに2本の作品がありますが、明日以降に、分析するつもりだす。

3本共に傑作なんやけど、マイ・ランクについてゆうたら、本作が最高傑作となるやろか。

でもしか、あとの2本も、映画ファンに、訴求する作品でおますんで、チェック怠りなきよう願います。

2015年8月18日 (火)

「ナイトクローラー」⇒「パパラッチ」より命懸けやで~

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名作「ネットワーク」並みに、カンジ悪~い人が続々登場やがな

いい人ばかり出とる映画への、コイツはアイロニーに満ちた、怪しの作品やで~

http://nightcrawler.gaga.ne.jp

8月22日のサタデーから、ギャガの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸やらで、ロードショーだす。

本作は2014年製作のアメリカ映画、本編118分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

スクープをものして、高額のギャラを得る。

この商売は新聞・雑誌やら、ほんで、テレビ局などの、マスコミで公然と行われておます。

でもって、本作は、テレビ局の報道部門や。

警察の無線を傍受して、いち早く現場へ駆けつけて、現場の映像を撮って取材までやってまう。

そういう外部スクープマンたちの姿をば、捉えたんが本作でおます。

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同時に、そういうエゲツナイ映像を、高額で買うテレビ局の実態も描かれます。

作の場合は、主に女ディレクター役のレネ・ルッソはんの、

主人公役のジェイク・ギレンホールとの、やり取りの中で、そのヤラシー実態が描かれよります。

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さてはて、テレビ局を描いた映画で、好感のある映画ちゅうたら、ボク的には「ブロードキャスト・ニュース」(1987年製作・アメリカ映画)くらいしか思いつかへんねんけど、

むしろ逆に視聴率のために、エグイことをやってまう、例えば「ネットワーク」(1976年・アメリカ)なんかが、衝撃的過ぎて、今も胸を抉ってきよります。

そして、本作の作品性は「ネットワーク」(以下①と表記)に、近いもんがありました。

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①も本作も、見ていてカンジの悪い人たちが次々に出てきて、おいおいってカンジやけど、

むしろいい人ばかりしか、出てけえへん映画よりも、リアリティーがあって、

生々しさ・臨場感共々、戦慄・悪寒を覚えてでんな、

ほんで長く胸に刻まれるような、作品となるハズどす。

ある意味では、ホラー映画なんかより、よっぽど恐ろしい鑑賞後感を、はらんどるやもしれまへんな。

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①の主演女優フェイ・ダナウェイ的は、レネ・ルッソはんやろか。

ダナウェイは、上司のウィリアム・ホールデンと寝るけど、ルッソはんはギレンホールとは、あくまでビジネスライクな駆け引きに終始しはります。

でもしか、その駆け引き会話の、気分の悪さちゅうたら…。

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このところよくある相棒映画への、アイロニーもありまんねん。

ギレンホールが助手として雇った、相棒との間で、カネと欲に満ちた、ギラギラな気分の悪さがありましてな、それがまた、気分の悪い決着をば見せはりまんねんで。

①の悲劇のヒーローは、①でアカデミー主演男優賞ももろたけど、直後に急逝したピーター・フィンチやろけど、

本作のお気の毒は、主人公の相棒役リズ・アーメッドやろか。

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さてはて、メイン・ポイントどす。

ギレンホールが警察より早く現場に来て、惨状を撮影し、おまけに逃走する犯人までも目撃。

この彼にとっておいしいとこが、クライマックスへとつながってきよります。

カーチェイスが展開するんやけど、

共に刑事と犯人のチェイスやった、NYの「フレンチ・コネクション」(1971年・アメリカ)や、サンフランシスコの「ブリット」(1968年・アメリカ)などとは違い、

スクープ側を加えた3者の、絶妙な絡み合いをば示さはります。

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LAが舞台やけど、今までにあんまし撮られていない、LAロケを敢行してはりまして、

そういうとこも、作品にはモチ、カーチェイスの新鮮味に貢献しとります。

爽快なカー・アクションやないけども、主人公の意図や狙いも含め、心にグサリとクルやろと思います。

2015年8月17日 (月)

「クーキー」⇒チェコの人形アニメーション

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テディベアが、持ち主少年のとこへ帰る、ロードムービーや~

パペットたちが織りなす、森のアクション・ファンタジー

http://www.kooky-movie.com

8月22日の土曜日から、アンプラグドの配給により、新宿武蔵野館やらで、全国順次のロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2010ⒸBiograf Jan Sverak, Phoenix Film investments, Cesla televise a RWE.

ジャパニメーションにはない、チェコの人形アニメの傑作。

クレイ・アニメの、イギリスのアードマン・アニメーションに匹敵する、イキイキワクワクの仕上げぶりどす。

今年本邦上陸した、アードマンの「ひつじのショーン」(2014年製作・イギリス映画・弊ブログ分析済み)と比べても、

大衆受けする要素といい、ダイナミックな仕上げといい、甲乙付けがたい出来でおます。

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しかも、「トイ・ストーリー」(1995年・アメリカ)と同じく、ロードムービー・スタイルで、

単なるロードな道行ではなく、追っ手との追いつ追われつが、アクショナブルに展開するとゆうスタイルやねん。

ほんで、ピンクのテディベア主人公クーキーと、森の精霊的人形キャラ(森の村長)との、かつてないコンビによるロードでおます。

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チェコと言えば、人形劇の宝庫。

ほんで、本作はファンタジーにしてアドベンチャー。

持ち主の少年のとこに、クーキーがどないして帰ることができるんか、ちゅうシンプル・イズ・ベストな作りで、コドモはんにも充分分かる作り。

とゆうか、コドモはんこそ、分かって泣ける作りかも。

そやから、コドモはんの夏休みの終わりに、家族一同で見に行くには、打ってつけだす。

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しかも、本作は、アカデミー賞の外国語映画賞を、

老人と少年のキズナを、感動的に描いた傑作「コーリャ 愛のプラハ」(1996年・チェコ&イギリス&フランス合作)でもらわはった、

チェコの監督ヤン・スヴェラークの最新作なんどす。

「コーリャ」はDVDになっとりますんで、本作鑑賞前に見れば、クーキー&村長の関係性が、「コーリャ」の2人にカブルかもしれまへん。

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さてはて、シンプルと申しましたが、ストーリーはメッチャ分かりやすいねん。

少年のオカンが、古くなった人形クーキーを、ほかさはりました。

ゴミ捨て場から、クーキーは逃げて森の中へ。

そこで、村長に助けられたクーキーは、少年のとこへ戻りたいとなり、

村長とクルマに乗って、少年の住む町を、目指すとゆう流れ。

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村長の座を狙うヤツに加え、ゴミ捨て場から逃げたヤツを取り締まる警備員らが、

クーキーや村長を狙って、丁々発止のアクションをば、繰り広げはります。

また、か弱き小鳥たちを助けるとこもあり、フツーのロードやありまへん。

カー・アクション、雪原のカー・チェイス、麦畑の中の逃走、一時捕まっての拷問シーン、松ボックリ爆弾の破裂やら。

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ほんで、少年のカットが時おり挿入され、少年の想像も入った、アクション・シーンも束ねられてまいります。

さてはて、クーキーは果たして、少年の元に戻れるのんか。

ラストの方では、現実の世界との狭間を見せる、思わず唸りたくなるシーンがあるんで、お楽しみに。

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いずれにしても、少年とオモチャのキズナへと、帰着するその作りは、コドモゴコロをくすぐるだけやなく、

ファンタジー性も含めて、広く老若男女の胸に、クルもんでおましょう。

その良質の作りは、今年の洋画のマイ・ベストテン級どしたえ。

2015年8月15日 (土)

学園ホラー「死霊高校」⇒アメリカン・ホラーの怪作

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撮影カメラ視点映像主体で、進化する学園ホラーどす

ホラー的オーソドックスな展開の中で、示される結末とは?

http://www.shiryoukoukou.jp

8月22日のサタデーから、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

学園ものホラーちゅうたら、シリーズになったもんも含めて、相当数のタイトル数があります。

邦画にも当然あるけど、ここでは、洋画に限定して、

かつても披露したかもしれへんけど、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思いつくままに披露してみますと…。

●ベスト⇒①キャリー(1976年製作・アメリカ映画)②サスペリア(1977年・イタリア)③エルム街の悪夢(1984年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ファイナル・デスティネーション(2000年・アメリカ)③スクリーム(1996年・アメリカ)

●実は、本作を除き、全てが第2弾以上の、シリーズ化がなされた作品どす。

また、ベスト①③は、21世紀以降にリメイクもされておます。

本作を含めて、ベスト①を除いた全てが、死霊・悪霊・生霊などの霊が、ポイントゲッターとなった作品なんやけど…。

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かつても書いたんやけど、人の怨みが基になった、日本の怪談、Jホラーに対し、

アメリカン・ホラーは、「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年・アメリカ)や「エクソシスト」(1973年・アメリカ)など、悪魔が人に取り憑く作品がメインどした。

でもしか、今や悪魔では、もはやパターン化してしまい、やはり多岐にわたる複雑系の、人の怨み節こそが、ホラー映画を牽引すべきとこでおましょうか。

本作もまた、人の怨み節にフォーカスしてはります。

そして、撮り方を、ビビッドかつ臨場感を高めるべく、あるいは、怖がらせ度合いを増すべく、いろんな工夫がなされとるんどすえ。

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POV(主観映像)。つまり、撮影カメラマン視点映像をメインにして、

しかも、登場人物たちの誰かに、カメラを撮影させる設定どして、

手持ちカメラの揺れる、グラグラ映像の連続で、波乱に満ちておます。

ほんで、ホラー映画としてのオーソドックスな、効果音でビビらせるショッカーとか、

近接映像のゴタゴタ映像の多投などで、視線も胸もグラグラどして、

ダークさはもちろん、怪しの赤照明の使い方やら、

とにかく、何が何でも、みんなを怖がらせようやん、っちゅう作りに徹してはるのに、感心いたしましたやろか。

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邦画でも「POV」(2013年・日本)とゆう映画があり、本作と比べて、POVに徹頭徹尾徹した作りに驚きましたが、

本作は「POV」よりは、フレキシブルではあります。

また、ホラー方程式に則ると、復讐すべき相手に復讐せずに、

霊が死んでしまうことになった、演劇の再演に、出演する人間たちを、殺してゆくちゅうとこに、少し首をひねったけども、

演劇への復讐と捉えれば、これもOKやろか。

論理性あるミステリー映画的に見てしまうと、いくつものなんでやねん?があるとは思うけど、

ビビらせてなんぼのホラーとしては、一級品の仕上がりになっとると、ボクはジャッジいたします。

2015年8月14日 (金)

「さよなら、人類」⇒ヴェネチア最高賞受賞作

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アート映画・芸術映画を、意図的に創出した作品

タイムスリップ系の、ワケの分からんさが、クセになってまう

http://www.bitters.co.jp/jinrui/

8月22日の土曜日から、ビターズ・エンドの配給で、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、全国順繰りのロードショー。

東京では、YEBISU GARDEN CINEMAやらで上映中。

本作は2014年製作の、スウェーデン&ノルウェー&フランス&ドイツ合作映画で、本編100分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸRoy Andersson Filmproduktion AB

世界3大映画祭の、2014年第71回ヴェネチア国際映画祭(ほかはカンヌとベルリン)で、

最高賞の金獅子賞を、ゲットしはった作品どす。

3大映画祭としては、最も古いヴェネチアの、歴代最高賞作品の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば言いますと…。

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●ベスト⇒①禁じられた遊び(1952年製作・フランス映画)②羅生門(1950年・日本)③HANA-BI(1997年・日本)

●カルト⇒①本作②悲情城市(1989年・台湾)③去年マリエンバートで(1960年・フランス)

●日本映画はこれまでに、ヴェネチアで3度受賞しとりまして、その2作をベストに選びましたが、

基本的には、分かりやすい作品をベストに、アート系作品をカルトに、選んだんやけど、本作は中でも最高に、難解なアート映画になりました。

ベルリンやカンヌでも、確かにアート映画は、部門賞を含めて多数受賞しとりますが、

本作ほどワケ分からん映画は、そないありまへん。

名作のカルト③の迷宮具合をも、超えるやろかと、ボクは思いました。

3
吸血鬼の牙、笑い袋などの珍品を売る、営業マンの2人が、時空を超えて、いろんな場に現れるっちゅう話が、ベースにあるんやけど、

イムスリップ系でも、モチ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年・アメリカ)みたいには、簡明やありまへん。

いわゆる、意図的にアート映画を志向した映画どして、

何が何やらワケ分からへんやんを、楽しんでみよかっちゅうような映画になっとりまんねん。

ホンマ、たまりまへんわ。

4
アップはなし。ロングショット、遠近感あるカットと、固定の長回し撮影の連続。

映画芸術的撮り方を、ズーッとキープしもって、

絵にも描けないやなく、言葉にもできないお話が、無造作に、関連性も薄めに、展開してまいります。

8
まずは、3つの死が描かれよります。

ワインを開けようとして死んだ男とか、ビールと食べ物を頼んだ人が死んだりと、突然死が3パターン描かれま。

ほんで、その後、ダンス教室のステップ・シーン、1943年へ遡って、みんなで酔っ払って酒場で歌を歌い、

さらに遡って、バーに陛下が、馬と共に来てトイレへ行き…少将が「当然だが」を、繰り返す1人言やら。

メインどころの話は、セールスマン2人の話なんやけど、相棒映画的に深堀りされることもなく、淡々と飄々と話は進みます。

5
人や犬を入れて、ドラム缶仕様の建物に火を付けて、燃え上がるシーンとか、

ハッとさせよるけど、どおゆうこっちゃねんと思わすシーンの連チャンどす。

シンセ、チェロ、バイオリン、ハープなどを、不条理ドラマに合うように駆使。

ドラムレスなロック・ナンバーから、クリスマスなコーラスへと転じる、ラストのハットトリッキーまで、

とことん分からんぞーで魅せつつも、

謎めいた映画芸術性でいく作りは、あっぱれやとゆうてもええかもしれまへん。

映画史に残る「アンダルシアの犬」(1928年・フランス)にも比肩する、アート映画の大怪作どす。

2015年8月13日 (木)

「筑波海軍航空隊」

1特攻隊青年たちの想いを描く、戦後70年ドキュメンタリー

「永遠の0」「ホタル」などと連関する、特攻検証映画どす

http://www.cine.co.jp/tsukuba_tokko

8月15日の土曜日から、パルコの配給で、テアトル梅田やらで全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

3
Ⓒ2015 プロジェクト茨城

特攻隊を描いた映画は、空軍だけやなく、海軍の魚雷などもあり、

玉砕映画としてのやるせなさが、何やらもの悲しくなってきよります。

そんな特攻映画で、本作のような、国策映画は別にして、ドキュメンタリーとゆうのは珍しおます。

特攻に行ったけど、戻ってきて今も生きてはる人へのインタビューと、

当時の写真や、映像などを束ねてゆく、ドキュらしい手法やけど、

ポイントとしては、10代の若い人たちばかりの、筑波海軍航空隊に焦点を絞ってはります。

「学園から大空へ」とゆう文句も、皮肉に満ちとりまして…。

7
若き人たちの特攻を描いた、キムタク主演の「君を忘れない」(1995年製作)。

今から振り返るスタイルで描かれた、岡田准一主演「永遠の0」(2013年・弊ブログ分析済み)、高倉健主演「ホタル」(2001年)など、

それらの作品を、DVD鑑賞の予習として、本作を見れば、よりビビッドにグラッと、あるいはググッときて、

特攻する人間の気持ちが、胸にクルやもしれまへん。

4
つまりは、死にゆく話。死を前提とした話。今でゆうたら自爆テロでおましょうか。

死を覚悟して特攻する。その気持ちについて、本作はイロイロ解明せんと、話を聞いてゆかはります。

しかし、若いみんなは、それが当たり前、お国のためやと、特攻前にしても、誇らしげにして泰然自若。

プライドを持って、死んでいった若者たちに、ボクは唖然とするしかありまへんどした。

6
ドラスティックな特攻者の日記、プロの野球選手や田舎の教師の想い、特攻前に本人のいない結婚式の挙行など、

サプライズ的シーンを、チビチビ入れながら、じわりじわりと特攻について語られてまいります。

2
特に、生き残った人たちへのインタビューこそ、次代に伝えるべくなものやろうけど、

その話を裏付けすべきな、資料や写真も、過不足なく撮ってはります。

特攻に行って死んだ人たちの、鹿児島の記念館などは、「ホタル」やらにも出てきたけど、

本作はドキュなだけに、もっと地味な出し方やけども、あとあとジワッときよります。

5
ナレーションは、原日出子ネーさん。

かつてNHKの朝ドラにも、主演しはったことがある、好感あふれる方でおまして、

そのソフトにしてやんわりな声調は、定番的かもしれんけど、癒やしをば、もたらしてくれはります。

ピアノやバイオリンの優しいサントラ、桜風景の鮮やかさなど、戦後70年の今、慰霊するような作りに徹してはるように、ボクは見ました。

映画的な出来として、どうちゃらは別にして、本作のような映画は今後も、ずーっと作られてゆくべきやろと、強く思いました。

2015年8月12日 (水)

「ビッグゲーム 大統領と少年ハンター」

1
「アベンジャーズ」のサミュエル・L・ジャクソンが、アメリカ大統領役

アメリカ以外の国が作った、ハリウッド的アクション映画どす

http://www.biggame-movie.jp

8月15日のサタデーから、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

本作は、2014年製作の、フィンランド・イギリス・ドイツ合作の本編91分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

4
Ⓒ2014 Subzero Film Entertainment, Altitude Film Entertainment, Egoil Tossell Film

アメリカの大統領が主演して、サバイバルチック・サスペンスフルに展開する映画ちゅうのんは、

これまでは、アメリカ映画・ハリウッド映画以外の国の映画としては、皆無やったんやないやろか。

そんな中で遂に、そういう映画が、何とフィンランドから現れましたがな。アラマ・ポテチン(ビックリ)や。

フィンランド人監督の、ヤルマリ・ヘランダーちゅうたら、弊ブログでは、

監督デビュー作「レア・エクスポーツ ~囚われのサンタクロース~」(2010年製作・フィンランド映画)を分析しとりますが、

本作やその作品も含めて、ハリウッド映画へのオマージュ的作りが、印象的な作品でおました。

「レア・エクスポーツ」はホラー映画や、ファンタジーやサスペンス映画へ。

ほんで、本作は、「ダイ・ハード」シリーズ(第1弾は1988年・アメリカ)的なとこへと、オマージュやろか。

5
確かにハリウッドほどには、製作資金的にはかなりと少ないやろうけど、そういったとこは、全くカンジさせへん作りになっとりました。

大統領が受難に遭いながらも、犯人と対決してゆくとゆう作りは、

ハリソン・フォード主演の「エアフォース・ワン」(1997年・アメリカ)やらが、監督の意識にあったかと思いますが、

本作の妙味は、大統領1人が犯人たちと向かうのやなく、狩猟家の後継ぎとなる、コドモと協力し合って、

犯人たちと対決するとゆう構図の、オモロサでおます。

2
また、大統領ものちゅうたら、ハリウッドでは、ニクソンやらJFKやらの実話系のドラマが、高評価を得ておますけども、

大統領自らが、サバイバル・アクションする映画ちゅうのんは、ハリウッド映画でも、そないないんやないやろか。

ほんで、大統領役には、「アベンジャーズ」シリーズ(第1弾は2012年・アメリカ)の指令塔役の、サミュエル・L・ジャクソンはん。

大統領役は初めてやろうけど、いつものような尊大さもなく、

みんなの好感を呼ぶような、力的には弱いけど、でも、必死のパッチで、サバイバルしてゆく姿に、

「ダイハード3」(1995年・アメリカ)とカブる、サバイバル映画の粋をば、魅せてくれてはります。

3
大統領専用機のエアフォース・ワンが、フィンランドの上空で、

テロリストたちに抱き込まれた、側近の1人の裏切りで、大爆破。

その前に、脱出専用機で、フィンランドの雪山へ降りた大統領やったけど、

雪山には、大統領を捕捉・拉致せんとする、テロリストたちが待ち構えとります。

一方で、狩猟修行中のコドモがいて、大統領を助けて、テロリストたちの手から逃れようとしはります。

逃亡劇アクションが、ハリウッド的アクションの連続で、最後の最後まで、波乱に満ちたハラドキの展開で、魅せてくれはりまんねん。

フィンランドの美しき自然風景をバックにした、このハリウッド的アクション映画は、実に爽快どした。

山岳アクションの大ヒット作「クリフハンガー」(1993年・アメリカ)とも、シンクロする快作どすえ~。

2015年8月11日 (火)

韓国映画「レッドカーペット」⇒楽しい映画メイキング映画

1_2
ラブ・ストーリー入りの、映画業界映画やねん

ポルノ映画、インディーズ映画への愛ある映画どすえ

http://www.redcarpet.jp

8月15日の土曜日から、コムストック・グループの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 Noori Pictures, All Rights Reserved

映画業界映画とゆうのは、実話ベース系も含めると、これまでに、モノゴッツーなタイトル数があります。

その嚆矢は何かとゆうたら、ハリウッドのミュージカル「雨に唄えば」(1952年製作・アメリカ映画)と、ちゃうかなと思うんやけど、戦前にもあったかもしれまへん。

ほんで、「映画に愛をこめて アメリカの夜」(1973年・フランス&イタリア)がボクとしては、映画メイキング映画の最高作なんやけど、

その種の映画は、時代時代により、発展して進化を遂げてまいりました。

5
さてはて、韓国映画界ではどないやろか。

メイキングの過程を、ドタバタ調で描いたり、

「映画は映画だ」(2007年)のように、映画の話と現実がシンクロしたり、多彩なカタチで展開。

ほんで、本作は、「ブギーナイツ」(1997年・アメリカ)のように、ポルノ映画業界を描きながらも、

R指定なヤラシー・シリアス・モードやなく、あくまでコミカル・モード。

しかも、映画監督と女優のラブ・ストーリーとゆう、まさに王道ストレートな、映画業界恋愛映画を描いてはります。

2
ポルノ映画専門の監督が、撮りたい映画を撮りたいと、インディーズ系のアート映画ノリで、撮ろうとする、ある意味で、映画監督ドラマ的な展開を見せながら、

女優としての在り方から、映画愛へと向かう流れなど、さわやか、あるいはキレイ過ぎるきらいも、あるかもしれへんけど、

でもしか、映画的出来よりも、前向きな好感ある作りぶりに、ホッとできる映画やったです。

6
監督と女優が、賃貸部屋のWブッキングで、一緒に住む羽目になってまう、ラブコメ的設定から、

その監督主人公のとこへ、女優がポルノ映画とは知らずに、オーディションにきてもうて…。

でも、彼女はその後、マトモな映画にバッテキされて、主人公との格差が出て、2人のキズナは破局へと向かい…。

でもしか、最後には、どんでん返しがある、っちゅう流れどす。

4
ポルノ映画監督役のユン・ゲサン、女優役のコ・ジュニちゃん、撮影スタッフ役の2PMのチャンソンなど、好感度ある演技ぶりで魅せてくれはります。

ちゅうか、あんましワルらしい者も出ず、逆境シーンもディープには描かれず、

トーンとしては、最後までスムーズに、進むようなとこがあるやも分かりまへん。

けど、定番的な作りながらも、分かりやすくてさわやかな後味があって、

エエ感じで、劇場をあとにできる映画やと思います。

3
ヒロインがソン・ヘギョに似てるとか、主人公のパク・チャヌク監督への敬意を始め、

「アジョシ」(2010年・韓国・弊ブログ分析済み)「市民ケーン」(1941年・アメリカ)、ゴダール監督など、

映画へのオマージュあるセリフの、タイトな引用にも、ボク的にはニンマリやったかな。

ポルノを始め、時代劇、インディーズ映画など、いろんな映画のメイキング・シーン。

弦楽サントラをメインに、ラストロールでは、極上のバラードが流されて、感動ある映画のサントラ使いを駆使。

映画メイキング映画としては、「キネマの天地」(1986年・日本)のような、後味のエエ心地よさどした。

2015年8月 9日 (日)

「at Home アットホーム」⇒日曜邦画劇場

1
竹野内豊と松雪泰子が、疑似オトン・オカンになるんやてぇ~!!

疑似ながら、家族映画の粋とキズナと、感動ある快作なんやで~

http://athome-movie.com

8月22日の土曜日から、ファントム・フィルムとKATSU-doの配給によりまして、有楽町スバル座、新宿バルト9、梅田ブルク7、T・ジョイ京都やらで、ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ映画「at Home」製作委員会

日本の家族映画やなんて、そらモー、めまいがするくらい、モノゴッツーあります。

でもしか、血のつながらない者たちが、疑似家族となり、フツーの家族ドラマを超えた、感動を紡ぐ映画ちゅうたら、マーそうそうありまへんで。

共同生活もの・チームものなど、疑似家族は確かにイロイロあるし、

宮部みゆき原作の、ミステリー映画「理由」(2004年製作)など、負のイメージが際立つ作品もあるんやけど、本作はそんな負が全く感じられない作品どした。

不思議やと言えば、不思議としか言えまへんねんけども…。

2
疑似オトン役は、竹野内豊のアニキ。

虐待されとる男の子を、密かに引き取ったりする泥棒主人公。

彼はいかにも、ラブ・ストーリーやヒロイズムある映画に似合いそうやけど、今回はそういう甘やかさや厳しさとは違った、もっとずっと人間臭い演技で魅せてくれてはります。

ラストシーンの感動にも、映えるヒューマニズム。胸にきまっせ。

片や、疑似オカン役は、松雪泰子のネーさん。

夫に虐待されて、自殺までしようとした彼女やけど、同じく自殺しようとしてた少女(黒島結菜=ゆいな)と出会い、夫と離れて一緒に住んで、仕事は結婚サギ師をやってはりました。

3
そんな3人竹野内組と、2人松雪組がネットやらで出会って、一緒に住むことになりましてな、ここに、疑似とは申せ、5人家族が誕生することに相なるんでおます。

「フラガール」(2007年)やらで示さはった、攻撃的演技とは真逆の、松雪泰子の弱々しき演技性は、ある意味、サプライズ感を覚える人もいるかも。

また、疑似家族にこだわりがあった「ストレイヤーズ・クロニクル」(2015年・弊ブログ分析済み)にも、出演してた黒島結菜ちゃんの、アイドルチックにも注目や。

4
疑似家族もんやのに、家族映画として感動あるとこはモチ、

各人の離れた家族との関係性が、ほとんどないとゆうとこも、不思議かもしれへんけど、

設定としては珍しくて、ボク的には妙に魅かれたけども、引っ掛かる人は引っ掛かるやもしれまへん。

でも、現代なら、こおゆうことは、当たり前のようにあるんかもしれまへん。

コドモ・少年・少女たちの造形ぶりも、かつても今もある家庭問題の背景もあって、リアリティーありと見ました。

5
モノクロに近いくらい、脱色された過去シーンなど、

後半部は、5人がどうして、1つの家族になったのかのプロセスが、事細かに描かれてまいりますが、

偶発的なとこもあるものの、5人の関係、ほんでキズナを描く点においては、本作にとっては、最大の見どころになっとるかと思います。

弦楽オーケストラが壮大に流れくる、ラストロールとラストの感動へとつながる、こうした細かい描写は、この映画にとっては、大変重要でおましょうか。

この流れに乗って見れば、最後は間違いなく泣ける作品。

竹野内豊と共に、泣いてみるんもオツなもんやろか。

ちゅうことで、これまでにない新鮮味ある、家族映画の快作どす。

2015年8月 7日 (金)

「東京PRウーマン」⇒山本美月主演映画

Pr1
山本美月のための、ヒロイン映画どす

彼女をバックアップするは、山本裕典・桐山漣ら、イケメンたちや

http://www.bs-tbs.co.jp/tokyoprwoman

8月22日の土曜日から、BS-TBSの製作・配給によりまして、シネ・リーブル池袋、品川プリンスシネマ、テアトル梅田やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Pr3
Ⓒ2015「東京PRウーマン」製作委員会

テレビのトレンディー・ドラマちゅうたら、1980年代後半から、1990年代をピークに、2000年代前半くらいまで、テレビドラマの高視聴率の、一大メイン・ソースどした。

そのほとんどが、ラブ・ストーリーやったんやけど、刑事ドラマやヒロイン・ドラマにも傑作があり、一部は映画化もされて大ヒットしておます。

ほんでもって、本作は、ヒロイン・ドラマのパターンは、どないやねんっちゅう映画になっておます。

Pr2
ヒロイン映画のサクセス系なんやけど、タイプは社会人・OLパターン。

アメリカ映画でゆうたら、ボク的には「ワーキング・ガール」(1988年製作)が、その種の最高作品やと思うねんけど、

でもしか、日本にも、OLヒロイン映画はケッコーあるんやけど、

どちらかとゆうたら、犯罪に関わるヒロインとか、コミカル・モードとか、ラブ・ストーリー・モードとかで、描かれることが多うございます。

でも、本作は、そのどのパターンにも入りまへん。

Pr9
ヒロイン山本美月は、恋する男(桐山漣)のために、銀行員からPR会社に、とらばーゆ転職しはります。

そやから、本作は面接シーンが、冒頭にあります。

面接官の社長・袴田吉彦と、現場のバリバリ山本裕典が審査。

山本は反対やったけど、社長がピンときた。

美月ちゃんのココロのナレーションや、過去の追想シーンも織り交ぜつつ、

採用された彼女は、次々に斬新なPRを考案して成功。PR業界に誕生した、新しい女神とまでゆわれまんねん。

Pr8
実在のPR会社「ベクトル」が、背景になっとります。

実在の会社がそのまま出てくる映画としては、

ボクは「誘拐報道」(1982年)の、読売新聞なんかを思い出しました。

Pr4
順調な美月ちゃんやけど、やっぱり落とし穴はありま。

実在の有名人・LiLiCoとのトラブルでは、表記の間違いで、キャンセルになりそうやったけど、上司・山本裕典の土下座でも収まらず…。

カンジ悪い演技に見えるにも関わらず、LiLiCoの本気な演技には、ボクは感心いたしました。

Pr6
もちろん、それらは美月ちゃんを、引き立たせるための効果をば、当然持っておます。

「仮面ライダー」や最新作「群青色の、とおり道」(弊ブログで後日分析)で、好感度ある演技を見せてはる桐山漣も、彼女のために、奉仕的演技を見せはります。

彼女に対し、批判的・攻撃的な山本裕典も、最後には…やしな…。

Pr10
さてはて、ボク的には、山本美月の魅力は、ベースは大人しくて無色透明やけど、

積水ハウスCMみたいな、お上品さがあるかと思たら、

「女子ーズ」(2014年・ブログ分析済み)みたいな、エキセントリックがあったりで、

いろんな方向性・カメレオン性があります。

本作の優等生的演技も悪くないけども、

次はトンデモ・バクレツ系か、おバカバカバカ・コメ演技やらが、見てみたいわ~。

2015年8月 6日 (木)

「沖縄 うりずんの雨」⇒戦後70年ものドキュメンタリー

1
アメリカ人監督が描く、日本の戦後70年ドキュや

沖縄問題を俯瞰する、かつてない作品どすえ~

http://okinawa-urizun.com/

8月8日の土曜日から、シグロの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場で、全国順繰りのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2015 Siglo

今週は3作連続で、“戦後70年”もの映画を分析いたしました。

でもって、本作は、今年の日本のドキュメンタリー映画で、マイ・ナンバーワン候補な1作でおます。

戦争にまつわる沖縄のドラマ映画も入れて、沖縄問題映画の、歴代マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)をば言いますと…。

①ひめゆりの塔(1953年製作・モノクロ)②本作③モトシンカカランヌー(1969年・モノクロ)④標的の村(2013年)⑤ひめゆりの塔(1982年)

3
●今井正監督による①、セルフ・リメイク版⑤のように、太平洋戦争での沖縄の悲劇を描いた映画は、

“ひめゆりの塔”に集約され、また、日本映画史に残る作品になっとりますが、

ドキュメンタリーでも、①に負けへんくらいの傑作が、輩出されておます。

日本への沖縄返還前の問題を捉えた③、最新問題の、辺野古への米軍移転問題を捉えた④。

古今の問題をば、時に泥臭く骨太に、時にシャープに捉えた快作がありまんねんけど、

本作は、それらの問題を俯瞰し、沖縄問題の全てを描いた、かつてない作品になっとります。

4
しかも、本作は、日本の監督やなく、アメリカの監督、ジャン・ユンカーマンはんが描いてはりまんねん。

アメリカのドラマ映画では、沖縄問題やら原爆やらは、ほとんどタブーになっとりまして、これまでは本格的には描かれとりまへん。

そういう意味からも、本作は画期的な1作やと申せましょう。

5
ほんでもって、2時間28分にわたる大作どす。

4部構成で時代順に、沖縄問題を掘り下げてゆかはります。

ナンチューても①で描かれた沖縄戦の、今も生きる関係者へのインタビューや、

初出しと言える、アメリカ側のモノクロ映像、集団自決の実態などが、衝撃的に語られてまいります。

1972年の、映画の世界みたいな群集劇、沖縄慰安婦問題やら、米軍の少女拉致・強姦・殺害事件など。

特に、強姦・殺害した元兵士へのインタビューなど、スクープ級の映像も、多々あります。

6
そして、現代の辺野古移設問題へも、食い入ってはります。

モノクロのスタンダード・カットの挿入、朝焼け・夕景・わだかまる雲・燃えただれる雲などの自然描写、

戦没者への哀悼シーン、小室等はんの、ピアノ・ギターをポイントにした穏やかなサントラほか、随所にハッとさせてくれはるシーンが満載どした。

ちゅうことで、沖縄問題の集大成とも言える本作を見て、戦後70年について考えてみるも、良しでおましょう。

2015年8月 5日 (水)

ドイツ映画「ふたつの名前を持つ少年」

1
原題「ラン・ボーイ・ラン」のように、少年はとことん逃げまくりまっせー

戦争1人サバイバル「戦場のピアニスト」の少年版や

http://www.futatsunonamae.com

8月15日の終戦記念日から、東北新社の配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町やら、大阪・テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2013年製作の、ドイツ・フランス合作による、本編108分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2Ⓒ2013 Bittersuess Pictures

オトンも殺され、1人ぼっちになったユダヤ人の少年が、ナチスからの追及から逃れて、戦後まで生き延びたとゆう、実話戦争サバイバル映画でおます。

第二次世界大戦もので、少年・少女ものとなりますれば、ボク的には、泣かせる「禁じられた遊び」(1952年製作・フランス映画)が、イチバンヤーなんやけど、

本作の少年逃亡ものは、泣かすとこはそんなにはないんやけど、少年がピリリとしてキリリとしとって、緊張感が持続しとりました。

4
また、逃げて生き延びてゆくとゆう点では、モチ「戦場のピアニスト」(2002年・ポーランド&フランス)の少年版。

でもしか、「戦場のピアニスト」以上に、おいおい、危ないがな、ああ、遂につかまってもうて、ヤラれてまうんかいな…ああ! エライコッチャデ度が高かった映画でおました。

また、少年がシンボライズされた傑作・名作「ブリキの太鼓」(1978年・西ドイツ&ポーランド&フランス)の、現実的具体化版のノリどして、

最後までハラドキで、見られる映画でおました。

5
ユダヤ少年がポーランドで、ユダヤ人やないと生き抜いた2年間が映されとります。

逃亡当初は森で、逃げたコドモたちと一緒に生きてたんやけど、みんなナチにつかまってしまい、

主人公少年は1人になって、風雪・枯葉舞う中で生き延び、ほんで、パルチザンを夫に持つ主婦に助けられます。

その主婦から、ポーランド人になるための手ほどきを受け、そして、主婦の家を出て、ナチの追及にしょっちゅう遭いながらも、たった1人で生きてゆくんでおます。

3
農作業を手伝うとゆうことで、いろんな農家を、少年が転々としてゆく過程が、描かれてまいります。

農作業で、片手を失う大ケガをしたり、「禁じられた遊び」の逆パターンで、少女と出会い、

少女の家族と住み込みの仕事をしたりと、波瀾万丈のエピソードが、次々にやってまいります。

7
原題の「ラン・ボーイ・ラン」は、ドイツ映画の単館系ヒット作「ラン・ローラ・ラン」(1998年・ドイツ)をば、意識してはります。

確かに、「ラン・ローラ・ラン」のタイムリミット系の逼迫感が、濃厚に本作にも反映しておました。

少年がナチにつかまりながらも、隙を衝いて逃げて、逃げて、逃げ延びてゆくシークエンスなんぞは、本作の大いなる見どころでおます。

6
ロングショットで捉えられた四季シーンの美しさ、弦楽オーケストラをメインにした、サントラ作りの壮大さ、父子のキズナを示すシーンの感動系など、

感動ドラマのポイントちゅうたら、過不足なく押さえられておました。

そやからとゆうて、マニュアル通りにはなってへんとこが、本作の新味と言えるやろか。

実話原作なだけに、新味も実話がベースでおます。

けども、実話に驚き、少年の数奇な運命に、終始緊張感をもって魅せられた快作どした。

2015年8月 4日 (火)

「この国の空」⇒終戦70周年記念の日本映画

1
戦時下の不倫を、静かに描かはります

ありきたりな戦後70年映画とは、違う作品や~

http://kuni-sora.com

8月8日の土曜日から、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015「この国の空」製作委員会

終戦70周年とかを標榜しながらも、これは、どない見ても反戦映画とは、ビミョーに違うやろな。

邦画の反戦・戦時下映画は、多々あれども、戦時下の不倫を捉えた邦画ちゅうのは、そないありまへん。

でもしか、戦時下の食料事情など、生活面の厳しさも、緻密に入れた上での不倫ものどす。

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W不倫の「失楽園」(1997年製作)を始め、不倫もの邦画はモノゴッツーありますが、

戦時下の不倫では、ダンナが出征してる間に、ヨメが不倫してまうっちゅうパターンが多いけど、本作は違います。

コドモやヨメらが田舎に疎開しとって、ダンナ(長谷川博己)だけが仕事の関係上、東京にいとる設定。

ほんで、隣家のオカン(工藤夕貴)とオバはん(富田靖子)と、3人で暮らす娘はん(二階堂ふみ)と、ヤッテまうちゅうカンジどす。

4
戦時下の抑圧された流れもあるけど、2人の不倫は、ある意味で、誰かの非難もなく、あっさりと自然な展開でいってまいまんねん。

芥川賞作家・高井有一の原作小説を基に、男女の愛欲をギラギラ・モードで描く、脚本家・荒井晴彦の監督第2弾なだけに、

やはり、戦時下の愛の欲望ちゅうもんを、どこまで描き切れるもんやろかにチャレンジした。そんな作品に見えましたで。

5
1945年3月の東京大空襲の数カ月後から、8月15日終戦前日の雨の夜までを描くんやけど、

広島・長崎の原爆投下やらは、セリフではチョイ出てくるものの…、

疎開でコドモたちがいなくなった東京を舞台に、室内劇を中心に、

男女の不倫愛と心理が描かれてまいります。

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今や日本映画界の若手女優演技派の、ナンバーワンと目される二階堂ふみチャンが、その複雑な演技を、抑制された演技で事細かに披露。

同じく難しい演技やと思うけど、コメディアンなとこや、「進撃の巨人」の尊大な演技とは違う、男の屈折した心理をば、長谷川博己のアニキが表現。

一概に不倫映画とは思われない、男女の機微をば、共に魅せてくれてはります。

6
サントラも掛かるけど、長回しも含めて静謐で、じっくり見ときたいシークエンスが、頻出しよりまっせ。

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ほんでもって、バイ・プレーヤーにも、注目しておくんなまし~な映画どす。

ふみチャンのオカン役の工藤夕貴。「戦争と青春」(1991年)以来の、戦時下映画への出演。

「戦争と青春」は「永遠の0」(2013年・弊ブログ分析済み)と同じく、現代から戦時下を、検証するタイプの映画やったけど、本作では、現代やなく戦時下で登場。

でもしか、老けた感じはなく、また、ふみチャンと川べりで話し合う、ツーショットの長回しなども、印象深いシーンになっとりました。

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横浜の空爆から逃れて、母子家族のとこへきた、富田靖子の、不安と強気を混合した演技も、うまいな~。

7
モチ、全体を見渡すと、ふみチャンが際立って見えとったやろか。

裸身シーンもあるし、作品性に関わる重大なナレーションもありやし、ほんで…。

ちゅうことで、「失楽園」とはまた違った意味で、不倫映画の問題作になったと思います。

2015年8月 3日 (月)

「ジュラシック・ワールド」⇒シリーズ第4弾

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人間が作り上げた、恐るべき知能ある獰猛(どうもう)恐竜が誕生や

モンスター・パニック映画の、究極系を提示

http://JurassicWorld.jp

8月5日の水曜日から、東宝東和の配給で、3D・2D、字幕版・日本語吹替版(本編2時間5分)の同時公開にて、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸChuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

恐竜といえども、モンスターっちゅうよりは動物。でもしか、本作はモンスター・パニックとしても、究極にして最恐の仕上げぶり。

ちゅうことで、洋画のモンスター&動物パニック・ムービーの、マイ・ベスト&カルト・スリー+ワン(各順不同・シリーズものは何作目かを特定)をば、披露いたしますと…。

1
●ベスト⇒①ジュラシック・パーク(1993年製作・アメリカ映画・シリーズ第1弾)②ジョーズ(1975年・アメリカ・第1弾)③キング・コング(2005年)

○+ワン⇒鳥(1963年・アメリカ)

●カルト⇒①本作(第4弾)②グエムル 漢江の怪物(2006年・韓国)③ライフ・オブ・パイ(2011年・アメリカ)

○+ワン⇒キング・コング(1933年・アメリカ)

2
●この種の映画は「キング・コング」(1933年版)あたりが、ルーツになると思うけど、映画的な出来よりは、ヤッパ、どんだけ怖いんかが、重要なんやないやろか。

ベストに入れたヒッチコック監督の「鳥」、カルトの魚怪獣②、トラの③など、ホラー以上にビビル・シーンの多さに、オーマイゴッドなんやけど、

でもしか、スピルバーグはベスト①②で、完璧なくらい怖がらせる度100パーセントを、ストレートに見してくれはりました。ヤッパ、スゴイわ。

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恐竜映画についてゆうたら、本作シリーズ第1弾のあとに、ディズニーの「ダイナソー」(2000年・アメリカ)とかが出たけども、スンマセンけど、ほとんど怖くなかったで~。

まあ、動物を大切にしはる、ディズニーやからゆうても、ヤッパ、ボクたちは、メッチャかシッチャか、怖がりたいやん。

3
ほんでもって、本シリーズの第4弾やがな。

スピルバーグはんは、第2弾までは監督もしてはったけど、第3弾・本作の第4弾は、製作側に回り、監督はんは別の方。

でもしか、怖い度はずーっと高い位置で、キープされとりまして、むしろ本作は過去最大に、恐ろしい映画になったかもしれまへんねん。

9
さてはて、モンスターを作り上げるっちゅうのんは、悪いことをしようかどないかとかがあったけど、

本作の場合は、テーマパークでみんなに人気になるようなヤツをば、こさえようかいなとゆうことで、怪物作りのスタンスが、これまでとは全く違っておます。

人間がDNA操作で、怪物を作るとゆうのは、古典では「フランケンシュタイン」とかはあったけど、

本作シリーズはかつてなく本格的どして、作られたそいつがメッチャな暴れん坊やったとゆうんが、本作のメイン・ソースでおます。

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頭脳が働くタイプで、監視カメラを避けて擬態もできる、その新種の巨大REXが、テーマパークで暴れまくり、

また、そいつのおかげで、自由になった怪鳥たちが、「鳥」のように人々を襲いまくり、トンデモナイ・クライマックスの、パニック・シークエンスが作られてまいります。

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動物キャラを際立たせるためか、有名な俳優・女優はんはあんまし出てこないんやけど、

でも、クリス・プラットのヒロイズムやワイルド感や、ブライス・ダラス・ハワード(ロン・ハワード監督の娘はん)の知的ワイルド性なんぞは、

「インディ・ジョーンズ」シリーズの、ハリソン・フォードやら、「ロマンシング・ストーン」(1984年・アメリカ)のキャスリン・ターナーなんかを、ビビッドに思い出させてくれはりました。

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コドモたちの夏休みの、島での冒険とゆうスタイルも、夏休み公開に合わせてか、メイン・ソースの1つとして作られておまして、

大人たちとコドモたちの共同で、恐竜たちと対決するとゆう構図は、定番的ながらも、最後までハラドキで見せてくれてはります。

シリーズ中最もリアリティーある本作で、最も納涼あるひと夏を、お楽しみくだされませ。

2015年8月 1日 (土)

年間マイ・ベストテン候補映画⇒7月に見た映画からチョイス

★邦画

●ピース オブ ケイク(綾野剛・多部未華子主演/9月5日公開・弊ブログ後日分析)

http://pieceofcake-movie.jp

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●先生と迷い猫(イッセー尾形主演/10月10日公開・後日分析)

http://sensei-neko.com

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★洋画

●わたしに会うまでの1600キロ(リース・ウィザースプーン主演/8月28日公開・後日分析)

http://1600kilo.jp

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●ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス主演/10月16日公開・後日分析)

http://JOHNWICK.JP

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●全て後日分析いたしますが、ポイントだけゆうときますと…。

「ピース オブ ケイク」は、ヒロインからコクるラブコメ・ストーリーの、ありがちなようでいて、そうでないトリッキーな作りと面白さを満喫。

桐谷美玲主演の「ヒロイン失格」(9月19日公開/後日分析)も、その種のタイプやったけども…。

「先生と迷い猫」は、猫をフィルターにして、人間を描く映画の最新快作。

洋画に目を向けますと、「わたしに会うまでの1600キロ」は、過去の追想とカットバックさせた、ヒロイン・ロードムービー。

ある曲の使い方が、メッチャ絶妙どして、そのあたりは後日詳述いたします。

同じく実話系の「奇跡の2000マイル」(ブログ分析済み)ともシンクロするけど、甲乙付けがたしも、映画的作りの妙としては、「わたしに…」の方が僅かに上やろか。

「ジョン・ウィック」は、「マトリックス」とはまた違った、キアヌ・リーブス・アクションが見られる作品。

リアリティーを排し、映画的フィクションな世界で、思いっきりやってくれはって、メッチャ爽快な作品。「ミッション・インポッシブル」よりオモロイかも。

そのほかでは、既に分析した「人生スイッチ」。

さらに、東京では既に公開されておます、イタリア映画の「夫婦の危機」「フェデリコという不思議な存在」(共に関西は8月22日公開・共に後日分析)などが、マニアックかもしれへんけど、魅了されました。

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