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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2015年4月の記事

2015年4月30日 (木)

4月に見た、年間マイ・ベストテン候補映画どす

★邦画

●「龍三と七人の子分たち」(公開中・弊ブログ分析済み)

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●「海街ダイアリー」(6月13日公開・後日分析予定)

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●「百日紅~Miss HOKUSAI~」(5月9日公開・ブログ分析済み)

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★洋画

●「真夜中のゆりかご」(5月15日より全国順次・後日分析予定)

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●「ルック・オブ・サイレンス」(初夏より全国順次・後日分析予定)

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●国際市場で逢いましょう(5月16日公開・弊ブログ5月2日分析)

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●そのほかでは、邦画では、「トイレのピエタ」(6月6日公開・後日分析)、「イニシエーション・ラブ」(5月23日公開・分析済み)。

洋画では、「イタリアは呼んでいる」(公開中・分析済み)、「ブラックハット」(5月8日公開・分析済み)などが、気になりましたやろか。

各作品は、弊ブログでできるだけ、細かく分析いたしますが、

今月は北野武監督の「龍三と七人の子分たち」の、ハチキレぶりに酔い、

是枝裕和監督の、女性映画にして家族映画「海街ダイアリー」の、すがすがしさに胸キュンどした。

洋画は、ミステリー色を入れた、家族映画のデンマーク映画「真夜中のゆりかご」、

ユーロ製作やけど、インドネシアを舞台にした、社会派ドキュメンタリー「ルック・オブ・サイレンス」、

そして、韓国映画の今のところ、マイ・ナンバーワンの「国際市場で逢いましょう」に感動しました。

(文=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2015年4月29日 (水)

アメリカ映画「ラン・オールナイト」

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21世紀に活性化した、リーアム・ニーソンはんアクション映画の最新作

シンプル・イズ・ベストな銃撃戦が展開する

http://www.run-allnight.jp

5月16日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画の配給で、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

リーアム・ニーソンはん。みんな、知っとるかー。

ハリウッドのアクション映画スターの系譜てゆうたら、

そら、メインはモチ、シュワちゃんやスタローンやブルース・ウィリスやら、大ヒット人気スターの流れを、なぞるようなカタチになってまうねんけど、

でもしか、渋~い人たちが時おり、豪快にやってくれはって、みなはんの注目を浴びたりしはります。

そこででんな、リーアムはんの場合や。

世界三大映画祭で主演男優賞をゲットして、演技派のイメージが強いのにも関わらず、

年老いてアクション演技へと、シフトしてゆくっちゅうのんは、ボクの記憶では、映画史上かつてない俳優はんどす。

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アイルランド出身1952年生まれの、今年64歳のニーソンはん。

「スター・ウォーズ エピソード1」(1999年製作・アメリカ映画)あたりから、アクションへとのめり込み、

ほんで「96時間」(2008年・アメリカ)の主演でブレイク。

年を経てのアクション俳優。こおゆう俳優は、ハリウッドではかつていてへんタイプやと思います。

しかも、グループ形態やなく、1人孤独に、激アクションしてまうっちゅうスタイルどす。

「96時間」では、拉致された娘を救うための、メリハリとスピード感の効いた、アクションやったけど、今回は、息子家族を救うために、息子と共に、逃げて戦うとゆうスタイル。

年を経るにつれ、そのアクトの在り方も、複雑系を帯びていってはります。

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何はともあれ、とにもかくにも、オモロイ。

若手の俳優が主人公でヤル場合より、アクション演出にも、人生の重みみたいなものもカンジられて、ボクにはグッときたりします。

NYを裏で支配する闇稼業のボス(エド・ハリス)の息子の犯罪を、まのあたりにしたリーソンの息子を、消そうとするボス息子を、銃殺してもうたリーソン・オトン。

エド・ハリスはんとリーソンはんとは、ヤクザ界の上司と部下の関係。2人に加え、事件を追う警察との三つ巴の逃亡・迎撃戦が、展開してまいります。

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カーチェイスから、銃撃戦まで。

特に、銃撃戦はクライマックスを含めて、練り込まれたタッチで映されとります。

高層マンション内、パブ内、貨物操車場やら林へと続く銃撃戦。

それらは、善悪の対決構図に加え、家族を守るちゅう万人受けする、オーソドックスやけど、ココロにくるタッチで紡がれてまいります。

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「96時間」と同様に、時間制限してはる設定も、ハラドキを生むんやけど、無論そうした設定は、これまでの映画に多数ありました。

本作のオリジンは、どこにあるんかてゆうたら、NYで展開する逃亡劇のとこやろか。

どないなカンジで逃げるのか。そこにモチ、ハラドキもあるし、かつてのハリウッド的ご都合主義もなく、説得力あるカタチで描かれてゆきま。

俯瞰撮影での場面転換やら、新味を追究するような映し方にも好感がありました。

思わず、オジンやけど、リーアム・ニーソンはんに魅了される快作。

過去のDVDも、ぜひチェックしてみてくだされ。

2015年4月28日 (火)

「スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!(う~)」

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ゆるキャラTVアニメシリーズを、ハリウッドが映画化

海底の世界とは思えない、トンデモ・ストーリーが展開

http://www.spongebobmovie.jp

5月16日のサタデーから、パラマウント ピクチャーズ ジャパンの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸMMXIV Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.

全米テレビアニメの、映画化作品でおます。

テレビアニメの映画化は、日本はもちろん、いっぱいござります。

でもしか、実写を含めてとなりますと、かなりと限定されよりますわな。

そんな中で本作は、ボク的には、スピルバーグが製作した「ロジャー・ラビット」(1988年製作・アメリカ映画)やらのセンスを、大幅に更新した快作やったです。

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アニメと実写を重ねる場合、どちらに比重を掛けるかによって、面白さが変わってまいります。

でもって、本作は、実写部よりもアニメ。実写部はむしろ付け足し的なとこがあり、アニメ・オンリーなんやけど、

実写として対決する相手が、アントニオ・バンデラスはんなんで、映画は、より実写アクションのタッチが入れられておます。

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冒頭はバンデラスはんの、実写部から始まりまんねん。

バンデラスはんがカモメたちに、海底の世界を記した物語を、語るっちゅうところから。

ほんで、海底に生きる、主人公、スポンジ擬人化の、スポンジ・ボブをメインに、トンデモないけど、みんなにもメッチャ、分かりやすい話が展開しまんねん。

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海底のバーガー屋の、カニを使った食い物に、まつわる話どす。

人気のカニバーガーを、そのレシピを巡り、2派のバーガー屋が、争奪戦をヤルっちゅうノリなんやけど、

敵・味方入り乱れてのこの闘争は、タイムスリップ系も取り入れて、そんなバカなな方向へ。

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そして、遂には、カニバーガーのレシピを盗んだ、地上の敵に対し、海底の対立する2派が協力して、グループを組んで地上に上がり、

ほんで、敵(バンデラスはん)と、真っ向勝負のアクション対決をば、挑まはります。

クライマックスの地上戦は、本作一番のハイライトやと申せましょう。

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海を舞台にしたアニメor実写ものには、ディズニーもの「リトル・マーメイド」(1989年・アメリカ)など、多々あるけども、

本作みたいに、オリジナル・キャラクターが、変なキャラたちも入れて、敵に対して、

小細工なしの、真っ向勝負を挑むとこらあたりが、見どころであり、肝となるシーンやろかと思います。

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コドモ向けやもしれまへん。けども、ボクとしては、「ファインディング・ニモ」(2003年・アメリカ)とかのディズニーか、

ピクサーかの、濃密なんやけど、ソフトな匂いに当てられてしもて、本作をば、ディズニーと錯覚するほどでした。

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時代の趨勢かもしれへんけど、ヒップホップ系のノリノリ・ナンバーが、主導権を握り…。

ほんで、ディズニー映画とは違って、バラードやない、ノリノリのアップテンポのナンバーは、

センチメンタリズムなき楽しさを、とことん示さはりまんねん。

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この種の映画のお約束通りに、役者(声優)たちも通常パターンやないけど、そのキレも大たいは、エンタの娯楽作としてOKどした。

いずれにしても、従来のアメリカン・アニメのように、キャラクターたちがやり過ぎてるとこも、あるかもしれへんけども、そこが妙に自由奔放で、ええ具合なんかもしれまへん。

「ポケットモンスター」「ドラえもん」やらと変わらへん、お気楽な「スポンジ・ボブ」の世界へ、どうぞだす。

2015年4月27日 (月)

アメリカンSFスリラー「シグナル」

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エイリアンものの現在形を、意欲的に示す快作や

実験病棟の、クールな造形に慄然としたり…

http://www.signal-movie.jp

5月15日のフライデーから、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Sigunal Film Groupe LLC All Rights Reserved

エイリアンもんとゆうのんは、「エイリアン」(1979年製作・アメリカ映画)以来、モノゴッツー出てきとるんやけど、

21世紀以降は、エイリアンそのものをむき出しにするよりは、人間に取り憑いたカンジで、姿を曝すまで、長めに引っ張って描いたり、

変型なカタチでやってみたりと、イロイロ工夫が凝らされておます。

地上に巣食っとる、エイリアンも入れますと、新作シリーズも製作中の「エイリアン」の、

後世の作品への衝撃・影響度は、かなりのもんがあるんやないやろかと思います。

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本作はこの種の映画でもでんな、21世紀的には、インターネット関連から始まりま。

ハッカーの居場所を、特定した主人公は、相棒と、大学進学で引っ越す彼女と共に、車でロードムービーしはりながら、ハッカーのとこへ寄っていこうとしはります。

このイントロは、かつてのアメリカン・ニューシネマなセンスが、あったとは思うんやけど、

問題の場所へ行って、3人共に、トンデモない目に遭わはりまんねん。

ほんで、3人は意識をなくし、拉致されてもうて、気づいた時には、何や知らん、クールで殺風景な実験病棟に、入れられとりまんねん。

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車の前へ前への、臨場感あるカット、フラッシュ・カットやスロー・モーションの多投、移動撮影に加え、キレるロングショットと、目のアップを含む、アップ・カットのバランス感。

それらが不穏に満ちた感じで、チビチビ入れられとって、緊張感がズーッと持続してゆくんでおます。

ほんで、病棟シーンに入ってからの、何がどないなっとるやら、分からへんカンジな流れへ。

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前半と中盤・後半の作りが、ググッと変換しとります。

フラッシュ・カットに、黒場シーンの多投で、怪しい感・緊張感をば、徐々に募らせてゆかんとする、そんな作品でおますやろか。

ローレンス・フィッシュバーンはんも、最後の最後まで、怪し度高くて、どないな役なんか、分からへんようなカンジどすねん。

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ほんで、主人公とヒロイン男女2人が、病棟から逃亡してからが、本作の迷彩的クライマックスへと、突入いたします。

エイリアン絡みとなるネタやけど、今までにない、新しいとことちゃうのん?  なとこが、示されてまいりまんねん。

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エイリアン系の新味を出した傑作「第9地区」(2009年・アメリカ&南アフリカ&カナダ)に近い、新しどころはあります。

けども、ワケ分からん系のポイントとしては、そないな作品は、ケッコー21世紀にも、それなりに出ておるんでおます。

ワケ分からん系で、デヴィッド・リンチ監督やスタンリー・キューブリック監督と、何やらシンクロナイズされとるらしい、ウィリアム・ユーバンク監督。

さて、含みを持たせた、ラストのサプライズはどないやろか。

賛否両論あるやもしれんけど、取りあえずは、ヒット・エンタの合格ラインでおましょうか。

みなさんも、劇場でご確認し、採点ジャッジしてみてくだされ。

2015年4月26日 (日)

「イニシエーション・ラブ」⇒恋愛ミステリーの怪作・日曜邦画劇場

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映像化不能記述ミステリーの、トンデモハットトリッキーな映画化作品

ラストの強烈どんでん返しまで、目が離せない作りどすえ

http://www.ilovetakkun.com

皐月5月23日の土曜日から、東宝の配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画・ミステリー分析評論家 宮城正樹

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Ⓒ2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会

さてはて、本作は、記述の中にミステリーや騙しがある、推理小説が原作どす。

活字と映像の表現の違いもあって、こおゆう記述ミステリーは、映像化不能と言われてまいりました。

ボクが書いた、「日経エンタテインメント!」(2001年9月号)の「夏休みに読みたいミステリー100選」で、映像化不能の推理小説についても論じましたが、

プレイバックすると、そこで選んだ10作は、

①「ミステリ・オペラ」(山田正紀・著)②「虹の谷の五月」(船戸与一)③「白夜行」(東野圭吾)④「魍魎の函」(京極夏彦)⑤「沈黙の教室」(折原一)

⑥「私という名の変奏曲」(連城三紀彦)⑦「猫の舌に釘をうて」(都筑道夫)⑧「ドグラ・マグラ」(夢野久作)⑨「夜の記憶」(トマス・H・クック)⑩「歯と爪」(ビル・S・バリンジャー)どした。

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でもしか、当時でも映画化されとった⑧、さらに21世紀になって以降、③④が映画化されとります。

ほんで、当時より以降に発表された分の、記述ミステリーでは、

本作原作の「イニシエーション・ラブ」(乾くるみ・著やけど、女流やなく男流どす)と、

「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午)と、「消失グラデーション」(長沢樹)が、マイ・ベスト・スリーでおます。

本作は、甘やかなラブ・ストーリーに、記述ミステリーを持ち込むちゅうのんは、かなりと大胆果敢な作品どす。

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しかも、メイン・ネタ部は、シンプル・イズ・ベストで、誰にでも分かりやすいもの。

ボクが原作を読んだ時、恥ずかしながら、実はこのカラクリが、イマイチ分かりまへんどした。

それは文字によって、伝えられてるがゆえやろか。さらに、登場人物たちの名前も、ゼェーンブ覚えておかんと、このサプライズには酔えまへん。

でもしか、これが映像化されると、メッチャ分かりやすくなりましたがな。

ゆえに、ラスト5分の衝撃は、モノゴッツー強烈どした。原作を読んでいても、十二分に驚きがありま。

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アナログ・レコードやカセットチックに、A面とB面に分けた作り。

前田敦子アッチーと、松田翔太アニキの恋愛映画どす。

松田翔太アニは、B面から登場するんやけど、

A面で出てはるアッチーの彼氏・タックンは、メタボも気になる太っちょやったんやけど、マラソンやらでダイエットして、

松田翔太としてのタックンに、変身したとゆう流れでおます。

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いやはや、恋愛ベタのタックンと、合コンで出会ったアッチーとの、A面の恋愛は、凄くナイーブ純情系の仕上げ。

対して、Bサイドの、スリムなイケメンになったタックンとの、東京と静岡に離れた、遠距離恋愛編は、

妊娠なんかもあって、大人な恋愛になっとります。また、そのあたりも、大きな伏線になっとるっちゅう仕掛け。

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ほんでもって、松田翔太タックンは、会社の同僚の木村文乃ネーさんと、文乃ネーからのアプローチで、やがては恋に落ちて…。

フタマタ恋愛やけど、でもしか、ケジメはキチンと付けはりまんねんけども…。

本作のアッチーのような女は、今もいるやろけど、1980年代には確かに、ケッコーいたように思いま。

ボクもそんな子と、付き合った経験もあったんで、かなりと身近なカンジで、本作を見られました。

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ちゅうことで、1980年代フレーバーが満載。

本作の堤幸彦監督にしても、当時を原体験してはるわけで、当時のいろんな小道具やアイテムを、メッチャ網羅してはりますし、

サントラも1970~1980年代の歌謡曲を、思いっきし流さはりまんねん。

ボク的には、当時のユーロ・ダンス・カヴァー「SHOW ME」(森川由加里・歌)やら、作品の伏線にも関わる、ニューミュージック「ルビーの指環」(寺尾聰・歌)やらの使い方に、グッときました。

2015年4月25日 (土)

「駆込み女と駆出し男」⇒戸田恵梨香・大泉洋共演⇒週末日本映画劇場2

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殺陣のない時代劇日本映画の、21世紀の傑作

「幕末太陽傳」「赤ひげ」らの、名作に迫る仕上げぶり

http://kakekomi-movie.jp/

5月16日の土曜日から、松竹の配給で全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会

時代劇多々あれど、時代劇イメージとしては、殺陣のある剣戟がメインではあるんやけど、

実は、殺伐とした剣戟のない、時代劇も多々ありまして、

そんなシリアス・コミカル・人情劇やらの時代劇邦画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①幕末太陽傳(1957年製作・弊ブログ分析済み)②赤ひげ(1965年)③心中天網島(1969年)

●カルト⇒①本作②蜩の記(2014年・分析済み)③清須会議(2013年・分析済み)

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●選ぶのんも一両日を要した、メッチャスゴイ作品の多かった、20世紀作品をベストにし、

カルトでは、20世紀の名作群に敬意を表しながらも、これまでにないオリジナリティーを追求した、21世紀作品をばチョイスいたしました。

ラブがポイントになる、心中ものベスト③やら、室内劇をメインにして、コミカル風刺系ベスト①や、ヒューマニズムなベスト②など、現代劇で描いても充分いける作品。

カルトも、そのスタイルはあるんやけど、いずれも新種どす。

剣戟なき戦国時代ものカルト③を始め、武士道のヒューマン映画を、家族ドラマとして展開したカルト②、

そして、離婚・再婚劇を初めて、時代劇に取り込んだ本作でおます。

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井上ひさしの小説「東慶寺花だより」が原作どして、

井上ひさし原作映画の中でも、ナンバーワンとも言える仕上げに、なっとるやろと、ボクは確信いたします。

江戸時代の、大名含む武士階級の離婚ちゅうのは、ケッコーあったらしいんやけど、これまではほとんど、取り上げられとりまへんどした。

それを妻・愛人側から描き、駆け込み寺チックに女が、寺に逃げ込んで、ほんで、女をサポートする、駆出し男なる者が登場。

スムーズに離婚へと導く、この男の存在は、今でゆうたら、離婚訴訟の弁護士やろか。ほんで、何やらカッコよろしおま。

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そんな男を演じるのは、大泉洋のアニキや。

しかも、大泉の持ち味でもあるトークが、メッチャ、クローズアップ。

長ゼリフはモチ、トーク・マジックの妙に酔えまんで。

ほんで、洋アニにボディガードされる、戸田恵梨香のネーさん。

愛人やけど別れたくて駆け込む、満島ひかりネーと一緒の、寺への駆け込み。

恵梨香ネーてゆうたら、大たいやねー、ツッパリ系の演技が、映えてやんねんけど、本作ではさらに、チョチョギレやねん。

現代劇の「エイプリル・フールズ」(弊ブログ分析済み)に続き、攻撃的な役柄にシビレま。

対して、かわいそうやんな、満島ひかりネーの演技は、恵梨香ネーと対比されとるやも。

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脇役とゆうか、名バイ・プレーヤーとして、いつもながらに渋くてあったかい樹木希林、

今回はちょっと大人しめやけど、取りあえずはいつもながらに、怪しきハイテンション演技の堤真一、

ほんで、久々に見た山崎努はん。「南総里見八犬伝」を書いた、戯作者・滝沢馬琴役どして、恵梨香ネーとは親戚ちゅう設定。

ほんでほんで、滝沢馬琴に憧れる、作家志望の大泉洋アニを絡めた、ハッピー・ラスト・シークエンスには、ほっこりいたしましたで~。

加えて、監督の試み。

本作の原田眞人監督自身も、出演しはった「ラスト・サムライ」(2003年・アメリカ)で、少しだけロケ撮影された寺社を、メインに持ってきはって、ググッときよったし、

そしてでんな、恵梨香ネーが、最後に魅せる剣戟の演出ぶりや~。ウーン、キテもうたわ~。

2015年4月24日 (金)

浮世エンタなアニメ「百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~」⇒週末日本映画劇場1

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日本が世界に誇るべき、時代ものヒロイン・ジャパニメーションの大傑作

声優ヒロインは杏のネーさんが、しっかりしたヒロイン像を演じ…

http://www.surusuberi-movie.com

5月9日の土曜日から、東京テアトルの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、京都・TOHOシネマズ二条やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014-2015杉浦日向子・MS. HS/「百日紅」製作委員会

「千と千尋の神隠し」(2001年製作)や「魔女の宅急便」(1989年)などの、少女ものを除いた、ヒロイン・ジャパニメーションの、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、まず手前勝手に披露いたしますと…。

●ベスト⇒①もののけ姫(1997年)②風の谷のナウシカ(1984年)③本作

●カルト⇒①白蛇伝(1958年)②千年女優(2001年)③本作

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●マイ・ベスト&カルトの、どちらにも入る本作は、ヒロイン・ジャパニメーションの、時代ものにおけるピークを示す作品どす。

日本らしさが満開どして、世界に誇る日本アニメでも、かつてない傑作で、アカデミー賞や世界の映画祭で、きっと熱い視線を浴びる作品やろなと思います。

宮崎駿作品のベスト①②は、どちらかと言えば、SFチックなタッチで、想像力を奔放に駆使して作れるんやけど、

本作は江戸時代とゆう、時代考証込みで、ある種リアリティーが重要な作品。

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でもしか、「河童のクゥと夏休み」(2007年)で、アニマル・生き物アニメの新境地をば、開拓した原恵一監督は、

緻密に時代考証を施して、本作を撮り上げはりました。

杉浦日向子の連作短編マンガ「百日紅」が原作なんやけど、

葛飾北斎の娘・お栄(葛飾応為)を、ポジティブ日本女性の、雛形のように描いた手腕は、特筆もんでおます。

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実写を含め、北斎と同じ時代を描いた作品でも、

順不同で、「北斎漫画」(1981年)「写楽」(1994年)と並んで、マイ・ベスト・スリーどす。

とにかく、毅然として凛としたヒロイン像は、本作の一大ポイント。

オトンの北斎と、浮世絵創作絡みでイロイロあったり、

ほんで、ナンチューても、生まれついての盲目の、かわいそうな妹との、涙なくしては見れない、キズナ部でおます。

北斎の連作傑作「富獄百景」の、あの津波な浮世絵も、ヒロインと妹の絡みの中で出てまいります。

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ヒロインの声は、杏のネーさん。キリッとしっかりした声で表現。

オトンの北斎のぶっきら節は、松重豊のアニキ。

ほんで、妹の声は、新人の清水詩音ちゃんが、担当しはりました。

か細けき詩音ちゃんの声は、ホンマ、思わずああーってカンジ。

妹の生死の行方に、走ってゆくヒロイン。そして、最後には、星空へ向けて…。

アニメ映画では「火垂るの墓」(1988年)以来、久々にボクは泣きました。

見終わっての余韻も、深(ふこ)うおます。

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雑種の子犬の使い方も、ディズニー・アニメ並みに巧みやったし、

美しき当時の江戸風景も、癒やしのシーンとして、挿入されとりま。

百日紅の花を始め、夕景・朝焼けの濃いセピア、鰯雲、水色の空、雪シーンなど、日本らしい四季描写は、本作の隠し味とも言える、見どころやねん。

ほんでもって、サントラ部。

バンド・サウンドから、アコースティック・ギター、バイオリン、ピアノまで、シーンに合わせて多彩。

ラストロールでは、椎名林檎ネーさんの、叫びのポップロック「最果てが見たい」が、流れま。

哀愁のラストと、元気づけなこのナンバーの融合は、本作をさらに感動的なものに、しとると思いました。

2015年4月23日 (木)

「ホーンズ 容疑者と告白の角」⇒ダニエル・ラドクリフ主演

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ファンタジー色と本格ミステリー色が、緊密に合体

真犯人は一体誰やねん?

http://Horns-movie.jp

5月9日のサタデーから、ショウゲートの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ京都やらで、全国順次のロードショーだす。

本作は、2013年製作のアメリカ・カナダ合作映画で、「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 The Horns Project, Inc. All Rights Reserved.

「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフ君の最新主演作。

「ハリー・ポッター」のファンが、こぞって見に行けば、メガ特大・大ヒットは確実なんやけど、ウーン…と、ボクは唸ってしまいました。

ラドクリフ君が大人になって、「ハリー・ポッター」なファンタジー性が、大人になったようなイメージで見られる作品なんやけど、

でもしか、この汚れ具合などは、イメを抜かずには、すんなりとは入れまへんし、ファンは違和感に、ウーンとなるやろな。

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けども、本作は犯人探しのミステリーとして、メッチャオモロイ作品になっとります。

映画の原作は、ホラー作家の巨匠スティーブン・キングの息子はん、ジョー・ヒルの小説「ホーンズ  角」(小学館文庫)でおます。

オトンの作風と違うとこは、ラブ・ストーリーな展開やったり、

鬼みたいに、主人公に角が頭に、2本はえるナンチュー、異様な設定を取り込みつつも、

本格謎解きミステリーとしての色合いが、強いとこやろか。

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特に、犯人探しに到るミステリー部は、大いなる見どころやねん。

恋人殺しの犯人として、世間から特定されとるラドクリフ君が、その圧力をハネのけて、調査し続け、

ほんでもって、真犯人を突き止めるっちゅう、「逃亡者」(1993年製作・アメリカ映画)みたいな流れなんやけど、

角がはえたことによって、聴取するみんなのホンネが、聞けるちゅう設定を施してるのにも関わらず、真犯人はなかなか特定されまへん。

「サトラレ」(2001年・日本)のような設定なのに、犯人当てを難しくしてはるこの作りこそ、ミステリー色の、最大の迷彩部やろか。

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見ていくにつれ、ボク的には、ラドクリフ君のハリポタ・イメは消えていったけど、みなはんは、どないなもんやろか。

ヘビと友達になり、ヘビを操ったり、天使的に羽根付きになったりするとこなんかは、ファンタジーよりは、グロテスクなカンジがしたけど、

ハリポタ・ファンには、OKでスムーズなんやろか。

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殺人のプロセスが、明らかになってゆくところは、真犯人は誰かと共に、ドキドキワクワクで見られました。

陽の当たる木の上の部屋での、アップを中心にしたセックス・シーンや、ラドクリフ君のアニキに、ドラッグを吸わせての、ピンボケ・カットなど、

ミステリアス周辺の描写は、映画的にもミステリー的にも、巧みな伏線描写になっとります。

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重要シーンで流れる、デヴィッド・ボウイのグラム・ロックなど、歌ものサントラ使いも、シーンに合わせて巧みどした。

アクション・シーンもあるけど、特に、火だるまアクション、炎上シーンなど、炎アクションに注目だす。

ほんで、コドモ時代がポイントになる、キング原作の「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)的真相や真犯人像には、

ああ、なるほど、やっぱキング遺伝子なんやと、思わせてくれはりましたがな。

ラドクリフ君と、キング遺伝子のコラボレート。

フツーのホラーやミステリーでないとこらは、そのあたりに理由がありそうや。

とにかく、ハッとしてグー、驚きがある作品どした。

2015年4月22日 (水)

ハリウッド映画「ブラックハット」⇒マイケル・マン監督の新作

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原発も爆破してまう、ネット犯罪の究極型を示す、チョー・コンテンポラリーな作品

それでいて、銃撃戦などのアクション・シーンが、強烈やで~

http://www.BLACKHAT-MOVIE.JP

5月8日のフライデーから、東宝東和の配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 Universal Pictures

マイケル・マン監督の、緻密な取材に基づいた、コンテンポラリー(現代的)な、アクション映画の登場だす。

ボク的には本作は、監督のマイ・ベスト・スリーに、入る傑作やと思います。

その3本とは、順位通りで、①ヒート(1995年製作・以下の引用は、指定以外はアメリカ映画)②本作③ALI アリ(2001年)どす。

ちゅうことで、本作は21世紀の監督の、最高傑作やとジャッジいたしました。

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クライマックスに持ってきはる、1対1対決アクションが、監督の大いなる持ち味やと思うんやけど、本作ではモチ、そこんとこも反映されとるし、

また、21世紀にも、ジョニー・デップやトム・クルーズらの、スター・アクション映画も監督し、披露してはるんやけど、

本作は、ハリウッド映画の次代の若手スターと、中国・香港の男優・女優を起用して、ハッと驚かせてくれはります。

同じアジアの、日本の男女優を起用した「ラスト・サムライ」(2003年)や、「バベル」(2006年)のようなセンスも感じさせま。

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そして、起用された彼ら・彼女らがメッチャ魅力的に、演技してやるねん。

「アベンジャーズ」シリーズ(第1弾は2012年)のマイティ・ソー役が、当たり役となってやる、若手のクリス・ヘムズワース君(ポスター写真)が主人公。

ネット犯罪の罪でムショに入ってたけど、犯罪の捜査のために、スペシャリストが必要とのことで、

「48時間」(1982年)や「ザ・ロック」(1996年)みたいに、一時的にムショを出て、シャバで活躍しはります。

それでいて、アウトロー感はあんましなしで、アメリカン・ヒロイズムを体現しはります。いやー、ええ感じやわー。

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ほんで、男としては、メッチャ魅力を感じたんは、主人公と恋をしもって、一緒に捜査してゆかはるヒロイン、中国女優のタン・ウェイのネーさん(写真上から4枚目)どす。

アン・リー監督の「ラスト、コーション」(2007年・香港&中国)では、濡れ場にヤラシーく対応の女スパイ役。

最新作の「黄金時代」(2014年・中国・弊ブログ3月30日付けで分析)では、悩ましき女流作家を演じて、モーたまりまへんな状態やったんやけど、

本作では、ベッド・シーンもあるけど、アクション・シーンにも対応。

無表情をベースに、喜怒哀楽を稠密に示す演技ぶりは、同じ中国女優でも、コン・リーを超えたとも思えるスゴサどした。

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タン・ウェイの兄役のワン・リーホン(写真上から6枚目)や、女刑事役のヴィオラ・デイヴィスのネーさんも、好感ある演技ぶり。

ハッカー犯罪グループに、2人共、不幸な目に遭うんやけど、

それがまた、主人公とヒロインによる、クライマックスの復讐戦・一大決戦が、とてつもなくハラハラドキドキで、見られるようになっとるんだす。

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ネットの操作だけで、香港の原発を爆破する冒頭で、前へ前への原発内部に入り込んでゆく、映像の斬新さに、ドラマの中へとのめり込めます。

ほんで、ネット犯罪捜査なら、室内劇的になるんかと思いきや、練り込まれた銃撃戦シーンが、ここぞとゆう時に出てまいります。

しかも、シンセ打楽器の単調さが、ハラドキとスリリングを、徐々に高めてゆくんどすえ。

犯人を特定するまでの、ミステリー的展開も胸ワクワクどした。

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ネットやコンピを使った作品。

例えば、「ウォー・ゲーム」(1983年)や「ザ・インターネット」(1995年)や「ペリカン文書」(1993年)など、20世紀の作品を、遥かに凌駕した本作。

絶対、映画館へ、見に行くべき作品です。

2015年4月21日 (火)

イギリス映画「イタリアは呼んでいる」

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イギリスの名匠、マイケル・ウィンターボトム監督のロードムービー

グルメ映画を装いつつ映画と音楽の、多用な引用ぶりがスゴイわ~

http://www.crest-inter.co.jp/Italy

5月1日のフライデーから、クレストインターナショナルの配給によりまして、Bunkamuraル・シネマやらで、全国順次のロードショーだす。

関西やったら、5月9日からテアトル梅田、5月23日から京都シネマやらで上映。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸTrip Films Ltd 2014

グルメ取材のイタリア旅行の、男2人相棒的ロードムービーなんやけど、

このロードに託して、マイケル・ウィンターボトム監督は、かつての自身の作品にはない、映画や音楽への引用(オマージュやトリビュートとはチョイ思われまへん)を、思いきしやってきはりました。

しかも、とことんやったろかい、ちゅうカンジがありま。

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ボトム監督ゆうたら、いわゆる社会派ばりの映画やったり、

時にラブ・ストーリー、ハリウッド映画でもアンジェリーナ・ジョリーを主演に撮ってはるし、あんまし、遊びはしやはらへん監督なんやけど、

本作では、メッチャ弾けてはります。

映画の引用を散りばめた映画としては、かつてないくらい遊んではるように見えまんねん。誠に勝手ながら、引用は多過ぎて、製作年・製作国は省きます。

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映画でゆうたら、「ミニミニ大作戦」「ダークナイト・ライジング」「海底5万マイル」「甘い生活」「ゴッドファーザー」「マッドマックス」「スタートレック」「イタリア旅行」「マンマ・ミーア!」「ナイト・ミュージアム」「悪魔をやっつけろ」「鳥」「ノッティング・ヒルの恋人」「ローマの休日」など、

それこそ、バラバラのバラエティー。

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俳優のモノマネ編では、アル・パチーノやヒュー・グラントやら。

引用では、グレタ・ガルボ、アンソニー・ホプキンス、ジュード・ロウ、クリスチャン・ベール、ロバート・デ・ニーロ、ケネス・ブラナー、トム・クルーズ、イングリッド・バーグマン、クリント・イーストウッド、ブリジッド・バルドー、ロジャー・ムーア、ダニエル・クレイグ…。

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でもって、音楽では、イタリア・オペラだけやなく、ステレオ・フォニックス、トム・ジョーンズ、アラニス・モリセット、アヴリル・ラヴィーン、ブルース・スプリングスティーン、ワムとジョージ・マイケル、モリッシー、マイケル・ジャクソン、マイケル・ブーブレ、オアシス、ブラー、

ビートルズの「ロング・アンド・ワインディングロード」の生まれたところへと言及したりと、もうトンデモやりまくりのカンジなんどすえ。

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全くもって、やり過ぎの感は濃厚で、過ぎざるは及ばざるがごとしの言葉もあるけど、

グルメ・ロードムービー映画に、妙にそれらの薀蓄やらシャレが、見事に合っておるんでおます。

このあたりは、ボトム監督の隠れた才能やもしれまへんな。

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ポンペイ、ナポリやらと、イタリア各地を2人でグルメ取材。

男2人が向かい合って食し、分析し合い、2人の会話を食作りとカットバックさせたりと、

グルメ映画の新味もついでに(!?)出さんとするとこにも、奇妙な味わいがありましたんどすえ。

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ジュリア・ロバーツが主演した「食べて、祈って、恋して」(2012年製作・アメリカ映画)の、何やら男相棒2人バージョンに見えたりしよりますが、

イメージは2人が男なだけに、女たちとのクルージングを始め、何やら「甘い生活」(1960年・イタリア&フランス)の2人バージョンにも、見えてきよったりしました。

ボトム監督の映画的遊びコゴロが、とんでもなく満開になった快作。

映画ファンには、こたえられない作品やけど、一般大衆にも、分かりやすい作品になっとると思いまっせー。

2015年4月20日 (月)

群像ドキュメンタリー「アラヤシキの住人たち」

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徒歩でしか行けない田舎の、共同生活ドキュメンタリー

四季の風景描写やらに、癒やしがもらえる快作

http://arayashiki-movie.jp

5月1日の金曜日から、ポレポレ東中野にて全国順グリのロードショー。

関西やったら、5月23日から、第七藝術劇場やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒポレポレタイムス社

共同生活ドキュメンタリーの邦画ちゅうのんは、地方の村やらの共同生活を入れてみると、それなりにあります。

マイ・ベスト・スリーは、①1000年刻みの日時計・牧野村物語(1987年製作)②ニッポン国古屋敷村(1982年)③本作

●小川伸介監督が撮った①②は、その村で数年にわたり、腰を据えての作品どして、ハンパやありまへん。

でもしか、本作も当然ながら、密着型どす。でもって、本作は村よりも、グループを描くノリのドキュでおます。

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実在のグループを、リアリスティックに群像劇的に、捉えたドキュ映画としては、障害児たちの施設を描いた「ねむの木の詩」(1976年)などが、ボクの記憶にあるんやけど、

この種の映画は、ありそでなさそな、ドキュ・スタイルかもしれまへん。

長野県のド田舎の、過疎村の映画どす。

長野ロケのドラマ映画では、「阿弥陀堂だより」(2002年)など、美しき日本の自然を映した映画が、ボク的には印象的なんやけど、本作でもそのあたりはおんなじでおました。

ほんで、本作の撮影場所は、カンヌ国際映画祭で最高賞をゲットした、今村昌平監督「楢山節考」(1983年)のロケ地と、おんなじなんでおます。

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群像人間ものとしてよりも、ここで、何が行われているかが、事細かに撮られてゆくんで、あくまで、この共同体を描く点に、焦点が絞られておます。

冒頭は、ヤギを連れて1時間以上を掛けた、徒歩での村への帰途ロードが映されます。

素人チックなナレーションなども、ドラマ的企みを抜いたドキュ性に、なるほどなと寄与してはります。

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生活リズムとして、食卓での対話や話し合い、朝のラジオ体操のシーン、木のドラを叩くシーン、犬など、リフレインで描かれてゆきよります。

ヤギの出産とか、メンバーの結婚式とか、冬の雪への対処とか、あくまで静かに進行してまいります。

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いかにも写真家(本橋成一監督)が、撮りそうなカンジの映画ではあるんやけど、

それでも、星々の空の夜景、雲がわだかまる空シーン、ゲリラ豪雨なシーンやら、自然描写のイロイロにも、魅せられる映画でおました。

1人だけの自給自足の田舎生活を描いた、ドラマ映画「リトル・フォレスト」(2014年・2015年・弊ブログ分析済み)とも、シンクロナイズする作品どす。

2015年4月19日 (日)

有村架純主演「ビリギャル」⇒日曜邦画劇場

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「もしドラ」並みに、ハウツー・スリリングある快作

有村架純(ありむら・かすみ)ちゃんの、アイドル映画性のピーク作品やも

http://www.birigal-movie.jp

ゴールデンウイーク5月1日の金曜日から、東宝の配給で全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015 映画「ビリギャル」製作委員会

偏差値サイテーのクズが、1年間で、一流大学に合格するまでを追った、受験のハウツーものが原作。

そんな彼女の家族ドラマ部や、講師のセンセーとのつながりを描きつつもでんな、

本作は、有村架純ちゃんの、アイドル・ヒロイン映画性が、メッチャ満開・際立っとる作品でおます。

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本作と同じく、高校学園ものやけど、ラブ・ストーリーやった「ストロボ・エッジ」(弊ブログ3月14日付けで分析)とは、

また違ったアイドル性を、演技してやるねん。

「ストロボ…」は、純情・純愛一直線。

ほんで、本作では、夢へ向けてのド根性一直線。

まさに、本作は有村架純、カスミッチーのための、映画になっとります。

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とにかく、ほぼ全編にわたり、彼女の魅力が満載。

ほんで、彼女をサポートする演技陣も、ヒロインとしての彼女の魅力を、伝えようとする演技に徹してはるんどす。

彼女のオカン役の吉田羊のネーさんは、娘とのツーショットによる述懐を始め、エエとこ取りのサポートぶり。

モチ、彼女を大学合格へと導く、塾の講師役、伊藤淳史アニキは、イチバンヤーのサポートぶりでおましょうか。

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家族ドラマ部も当然、描かれてまいります。

プロ野球選手にしようと、息子に肩入れするオトン役・田中哲司は、娘たちはオカン・ヨメに任せてはりまして、全く興味なしちゅう状態どしたが、

娘のガンバリに、やがて変わってまいります。

また、高校教師役の安田顕アニの、イケズ教師役ぶりも、

架純ちゃんをいじめないでーちゅうとこへと、観客の心理が流れる因子になっとります。

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オトンとヒロインの確執やら、ヒロインがくじけそうになるとことかはあるけども、

いい話、いい人たちを、理屈なしにメインに配してゆく作りは、映画評論家的には、少し物足りないかもしれへんけども、

みなはんには好感を覚えられて、分かりやすいかと思います。

ちゅうか、そおゆう前向きポジティブな映画が、今や売れる時代になっとりまんねん。

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みなはん、きっと、映画から元気をもらいたいちゅうとこがあるし、

そんなキモチを裏切らない快作に、本作はなっとります。

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ハウツーもの原作としては、「もしドラ」(2013年)的なタッチもあったけど、

ただ、高校野球と受験と、違いはあるとはいえ、高校ものに変わりはなく、似ているとこもありま。

けども、やっぱ、チーム集団系やなく、ヒロイン・ドラマとしてのとこが、かなりクローズアップされとりました。

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名古屋ロケの雰囲気は稀薄やけど、そこんとこはあんまし意識して作られとらへんカンジで、

でもしか、地方ロケ映画の快作であるんは、間違いありまへん。名古屋弁もモチ、喋られとります。

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ラストロールで流れる、サンボマスターの熱唱ロック「可能性」。

本編では、Sakuちゃんの、癒やしのフィメール・ナンバー「START ME UP」も流れて、

細部のサポートも、しっかりしておました。

2015年4月18日 (土)

「神話の国の子どもたち」⇒週末日本映画劇場

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コドモたちだけによる、古代劇ミュージカルやなんて、今までにないで~

宮崎県ロケーションによる、胸キュンのおとぎ話どす

http://shinwakids.com/

5月より、ピーズ・インターナショナルの配給によりまして、東京を皮切りに、全国順次のロードショー。ロケ地の宮崎県では、3月に先行ロードショーしてはります。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015「神話の国の子どもたち」製作委員会

オーディションを経て、86人のコドモたちが、おとぎ話的古代の話を、ミュージカル・タッチで描くとゆう、かつてないトンデモない冒険作品。

コドモたちだけで描かれた映画は、稀少でおます。

最近では、ハイティーンをメインにした、サバイバル映画「メイズ・ランナー」(5月22日公開・アメリカ映画・後日分析予定)とか、

コドモたちだけの、孤島でのサバイバルを描いた「蠅の王」(1990年・イギリス)などがあります。

大人も出てくる映画もあって、コドモだけっちゅうのは、かなりと難しい設定なんやろか。

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本作はその難しさをクリアーし、大人がコドモに変えられてしもたとゆう「コドモ刑事」(2012年・日本)のような設定で、

おとぎ話「浦島太郎」をベースにし、海幸彦・山幸彦の兄弟やったり、竜宮城など、おとぎ話にふさわしい、キーワードを網羅しもって、

ミュージカル・ストーリーへと、心地よく走ってゆく、爽快な作品。

古代設定やのに、現代的なヒップホップやダンス・ナンバーが、流れる中でのパフォーマンスなど、

当時にない音楽を、採用している点において、「ムーラン・ルージュ」(2001年・アメリカ)チックな感触もカンジられます。

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この「浦島太郎」やら海彦・山彦やらの物語は、宮崎県が舞台やったとのことで、宮崎ロケを敢行しはりました。

地方ロケ映画は多々あれど、いわば素材とテーマが、宮崎にフォーカスした地方映画でおます。

その地方でなければあかんで~ちゅう、こおゆうタイプの中では、名産や地方の特質を、入れ込むことが多いけど、おとぎ話やら神話ちゅうのは、珍しいんどすわ。

その意味では、滋賀県の琵琶湖にロケした、不思議快感な「幻の湖」(1982年・日本)のタッチが、あったかもしれまへん。

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86人のコドモたちが、みんなイキイキ。

メインの人間関係図は、上のイラストやけど、井上稀翔クン、楡木直也クンの兄弟役や、

高橋聖奈ちゃんや、戸高花暖ちゃんらの女の子が、キチッとピリッと、セリフを喋り演技をしはります。

今どきの子役演技では、かなりとレベルが高うおます。

でもって、ダンスティークなミュージカル・シーンの連続どす。

今どきのヒップホップ、ポップロックや、ダンス・ミュージック以外に、

スロー・ナンバー、シンセ・ポップ、エキゾチックなダンス・ナンバーなど、多彩に展開しよります。

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カーテンコールまで入れた、クライマックスの、コドモたちが歌い踊るシークエンスは、本作のハイライトでおます。

最後の最後まで、キャッチーなポップロックが披露されて、ミュージカル映画やちゅうとこが強調されとります。

映画的配色として、薄色を中心に、陽光のイエロー、グリーン系統、夜のダーク・ブルーなども、ミュージカルにふさわしい、色使いに見えてまいります。

シェークスピアの「ロミオ&ジュリエット」に、トリビュートした「ウエスト・サイド物語」(1961年・アメリカ)とは申しませんが、

本作は「古事記」や、日本のおとぎ話をベースに、ユニークなコドモ・ミュージカル映画をば、作り上げはりました。

とにかく、理屈抜きに、楽しめる映画になっておます。

2015年4月17日 (金)

コン・ゲーム映画「フォーカス」

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久々のハリウッドのコン・ゲーム映画の快作

ウィル・スミスのキャリア史上でもベストに入るで

http://www.focusmovie.jp

MAY5月1日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

騙し・サギを描くコン・ゲーム映画どすが、犯罪映画の範疇の中でも、過去にはそんなに、多くないように思うんやけど、

取りあえず、そんなコン・ゲーム・ノリ犯罪映画の、マイ・ベスト・スリーを、思いつくままやけど、順位通りに申しますと…。

①スティング(1973年製作・アメリカ映画)②オーシャンズ11(2001年・アメリカ)③本作

●①は悪役をカモル映画で、善悪をくっきり描く、映画映えしやすい素材。

②は、金塊奪取の集団犯罪映画。こおゆうタイプは、これまでの映画にはいっぱいありました。

でもしか、カモリをビジネスにするっちゅう映画の本作は、カモリが悪なだけに、アウトロー映画を見るのも、映画の醍醐味やけど、

なぜかこれまでには、そないなかった素材やと思うんどす。

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富豪が集うイベントなどに合わせて、ウィル・スミスをカモリ・リーダーに、集団で富豪たちから、ガッポリカモルちゅう話なんやけど、

そのカモリ具合が、かなりと念の入ったもんどして、

カモられる者への無意識的心理にも食い入るんで、ウ~ン、確実性はないんとちゃうのん、ちゅうとこもあるんやけど、

でもしか面白い。

構成は、前半がニューオリンズ編、後半がブエノスアイレス編なんやけど、

この前半のクライマックスで、スーパーボウルにまつわる、その心理的カモリが披露されます。

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そして、後半では、ブエノスアイレスでのF1カーレース。

こちらでは、優勝できるカー・エンジンにまつわる、カモリなんやけど、

シンプルながら、人間関係部において、凝った仕掛けを施してはります。

カモリ稼業映画としては、異例やと思うけど、その計画・実行部だけやなく、ラブ・ストーリーやら、ハットトリックな親子の話とかに、見ごたえとサプライズがある作品になっとります。

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ウィル・スミスと、スリなんかチマチマやってるヒロイン、マーゴット・ロビーとの、騙し騙されなユニークな会話から、本作はスタートしま。

このマーゴットのネーさんが、メッチャセクシーやねん。

ハリウッドのセクシー女優の系譜に、入りそうな逸材やと思いますで。

サスペンス映画に似合う、謎めいた女とゆうよりは、

セクシーは抜いて、ストレートな直情系やけど、こおゆう犯罪コンゲーム映画には、分かりやすくて重宝されるキャラでおましょうか。

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さてはて、ウィル・スミス主演映画としては、本作はマイ・ベスト・スリーに入ります。

モハメド・アリに扮したボクシング映画「ALI アリ」(2001年・アメリカ)、

親子のキズナを描いた「幸せのちから」(2006年・アメリカ)。

本作では、ラブ・ストーリーと犯罪映画、さらに親子のキズナまでも、取り込んだ快作。

単なるコンゲームには、終わらないとこがありま。そやから、最後の最後まで、目が離せない作りになっとります。

そのほかでは、歌ものサントラがメインどして、ボク的には、デヴィッド・ボウイのグラム・ロックに、胸キュンやったやろか。

また、サプライズにも関係するけど、拳銃で撃たれても、急所を外した撃ち方があるっちゅうとこらが、ホーって感心しました。

ちゅうことで、久々に見た、コンゲーム映画の快作どした。

2015年4月16日 (木)

韓国映画「私の少女」

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韓国映画今年の、マイ最高傑作どす

共に演技派のペ・ドゥナと、キム・セロンのキズナを描く

http://www.watashinosyoujyo.com

5月1日のフライデーから、ユーロスペース、新宿武蔵野館やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 MovieCOLLAGE and PINEHOUSE FILM, ALL RIGHTS RESERVED

親に徹底的に虐待される、少女役キム・セロンちゃんと、

否応ことなしに、セロンちゃんに肩入れする、田舎の女警察所長役ペ・ドゥナのネーさんの、キズナを描く映画どす。

さてはて、ここで、大人と他人の少女(少年バージョンは別途披露いたします)との、絡みを描く洋画の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順位通り)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①ペーパー・ムーン(1973年製作・アメリカ映画・モノクロ)②レオン(1994年・アメリカ)③本作

●カルト⇒①アジョシ(2010年・韓国)②ロリータ(1962年・イギリス・モノクロ)③地下鉄のザジ(1960年・フランス)

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●大人と少女の交流系では、モチ、実際の親子(ライアン&テイタムのオニール親子)が共演したベスト①は、外せへんけど、

暗殺者とコドモ設定も、斬新やったベスト②、

ほんでもって、本作は、いかにもありそでなさそな設定やけど、

女二人の逃走を描いた「テルマ&ルイーズ」(1991年・アメリカ)のタッチもあって、メッチャステキな仕上げぶりどした。

ちなみに、カルトやけど、チョイニュアンスの違う映画をば、セレクトしよりました。

女の子の、ノホホンを描いた快作③、ロリータ的交遊のルーツ作②、

ほんで、ベスト②のスタイルで描いた、本作のキム・セロンちゃんが、主演しはった①でおます。

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セロンちゃんてゆうたら、韓国映画最高の演技派・子役やとボクは思うとりまして、本作でも、翳りある少女役を、説得力ある演技で披露。

さらに、共演者の、女優では韓国随一の演技派、ペ・ドゥナのネーさんとの絡みで、共に渋くグレードアップした演技で、魅了してくれはりました。

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テーマは親によるコドモ虐待とゆう、今日的なところ。

キャラ付けとストーリーについて申しますと…。

レズ性癖がバレてしもて、ソウル警察から田舎の警察署長へと、左遷されてもうたペ・ドゥナのネーさん。

マッコリを飲まなければ、眠れないちゅうキャラ付けも、渋うおます。

そこで、オトンとオバンに虐待されてる、少女セロンちゃんと出会い、彼女をかくまうような方向で、自分の家に同居させはります。

オバンを事故に見せかけて殺し、残るはオトンの襲撃を、どうかわすかになるセロンちゃん。

ペ・ドゥナとセロンちゃんの、2人の共闘ぶりは、どのような結末へと向かうんやろか。

後半は、ハラハラドッキリの展開が、待ち受けておます。

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アップとロングショットのバランス感、ギターなどを配した、登場人物に合わせたサントラ使い。

ラストでは、ギターの弾き語りによる、癒やしのフィメール・スロー・ナンバーを流して、感動の余韻もカンペキ。

今年の韓国映画の今のところ、最高傑作どす。

でもしか、後日、「国際市場で逢いましょう」を見て、本作より上やと見ました。後日、分析紹介いたします。

2015年4月15日 (水)

韓国時代劇アクション映画「群盗」

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韓国の西部劇的アクションの会心作

剣戟アクトから弓矢アクトまで、終始目が離せない仕上げ

http://www.kundo.net

4月25日の土曜日から、ツインの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND MOONLIGHT FILM ALL RIGHTS RESERVED.

韓国の時代劇アクションの快作品どす。

西部劇的アクションに加え、1対1対決では、日本映画の殺陣(たて)入り剣戟アクションも、取り込んだ作品。

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ここで、時代劇だけやない、韓国アクション映画の、順不同でマイ・ベスト・ファイブを申しますと…。

①本作②シュリ(1999年)③グッド・バッド・ウィアード(2009年)④チェイサー(2007年)⑤グエムル 漢江の怪物(2006年)

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●戦争アクション映画もあるんやけど、そちらにも傑作はありま。

現代劇的な②④の活劇もあるし、怪物アクト⑤も斬新。

でもしか、時代劇的アクションでは、アメリカン西部劇、マカロニ・ウエスタン、さらに日本の剣戟時代劇に、影響を受けたもんが、やはり多うござります。

第二次大戦・太平洋戦争前を捉えた③などは、時代劇と呼ぶにはビミョーなとこやけど、

韓国時代劇のアクションものには、最近では「イ・サン」(2013年・弊ブログ分析済み)など、重厚な見ごたえある作品が増えてきました。

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支配側と反逆側のバーサスとゆう構図は、よくあるし、1対1対決を、クライマックスにもってくるんも、ようあるけども、

ボク的には、本作は、その種の映画の韓国映画の、ベスト・スリーに入るくらい、気合いが入っとる作品やと、ジャッジしましたえ。

パッと思いつくとこでは、チャン・ドンゴン対イ・ジョンジェの「タイフーン」(2005年)やったり、キム・ユンソク対本作主演のハ・ジョンウの④やったり…。ほんで、本作やろか。

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時代劇アクションには、群像アクションが多いんやけど、本作は、群像アクト部の作りも、ハンパやなく進行し、

ほんでもって、下流の人間(ハ・ジョンウ)と上流人間(カン・ドンウォン)の対決を、途中で1回対決さしといて、

で、最後にドドドーンとやらせるっちゅう、ドラマティックな展開でお贈りしてはります。

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しかも、その2人の生き方も、それぞれ過不足なく、分かりやすく描かれた上での、1対1対決シークエンスでおます。

フツーなら、敵同士の2人が対決になるところが、過去の重みやしがらみを、抱えた上での対決どすんで、単なるアクション以上のドラマティックが、発生しよるんでおます。

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ねずみ小僧たちみたいな、庶民の味方みたいな、盗賊連中の群像アクションも小気味よく、

ボス役のベテランのイ・ギョンヨンのシブミや、

弓矢の名手の盗賊紅一点のユン・ジヘのネーさんやら、

テレビドラマの韓流時代劇には絶対ない、泥臭い中での、渋くて巧みのワザ的演技などに、魅せられ続けまんねんで。

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物語るをポイントにした、女性のナレーションが、効果的に使われ、物語の中へと、いつの間にやら、埋没しとるような作りでおます。

そやから、クライマックスは、トンデモハラハラドッキリでんねん。かつての西部劇の名作にも似た、見ごたえがありました。

マカロニ・ウエスタンな哀愁のギターを、メインにしたスリリングなサントラ使いにも、グッときまっせー。

2015年4月14日 (火)

「シンデレラ」⇒モチ、ディズニー映画どす

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あの有名アニメの名作が、2度目の実写映画化どす

フランス童話が原作の、シンデレラ・ストーリーのルーツ的作品

http://Disney.jp/CINDERELLA

4月25日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

動物ものはディズニー・オリジナルが多いけど、ヒロインものと言えば、

大ヒット作「アナと雪の女王」(2014年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)や、ピクサーとのコラボレート作品以前の、ディズニー映画のベース・ポインツの一つには、童話原作がありました。

グリム童話からの「白雪姫」しかり「塔の上のラプンツェル」しかり。

ほんで、フランスの17世紀に実在した、シャルル・ペローやら。本作の「シンデレラ」を始め、「美女と野獣」「眠れる森の美女」などが、ペローの原作でおます。

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さてはて、元々の意味(シン=灰、デレラ=かぶり)もそうやし「死んでれら」ナンチュージョークもあるように、シンデレラには侮辱的な意味がありま。

でもしか、物語の内容からは、もちろんやけど、より大衆的に“シンデレラ・ストーリー”が広まったんは、

ディズニー・アニメ「シンデレラ」(1950年・アメリカ)からどした。

その後、1976年にイギリスで実写映画化されとりまして、本作はボクの見とる限りでは、2度目の実写映画化やと思うんですが…。

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みんながよーく知ってはる、そんなシンデレラのお話やけど、

シェークスピア原作の映画化監督作品の多い、俳優でもあるケネス・ブラナーはんが監督しはりました。

シェークスピアと同じく、いわば人口膾炙したブランドものどす。

オーソドックスな今さらそんな…のような定番作品を、どう新鮮に見せてゆくんか、興味津々でボクは、試写に臨みました。

日本語吹替え版で見たせいもあったのか、最初の方は、お馴染みのストーリーが、ナレーションに乗って、お約束通りになぞらえて、進行していくようどしたが、

王子とシンデレラの、森中の出会いあたりから、ドラマに引き込まれてまいました。

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その魅了ポイントに貢献してると、ボクがジャッジしたんは、約3ポインツでおます。

シンデレラ役リリー・ジェームズちゃんの、決して泣かない、本格派アイドル的魅力。

昨年「ブルージャスミン」(2014年・アメリカ)の汚れ役で、アカデミー女優賞をゲットしはった、ケイト・ブランシェットはんの、シンデレラへのいたぶり具合。

そのテンションが、ヒートアップしてゆくにつれ、いじめ・いじめられドラマの、もどかし具合が、アップしてゆきよります。

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ヘレナ・ボナム=カーターのネーはんが、シンデレラを変える、魔法使い役やらはるんやけど、

そこをメインに造形される、VFX・CG使いやらが、事前に分かっとるんやけど、魅せられますで。

特に、零時の鐘で、逃走するカボチャ馬車やらが、元の姿へと戻っていくシークエンスは、かなりとリキが入っておました。

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シンデレラと王子の再会を、最後の最後まで引っ張って見せていく演出ぶりにも、ハラドキと、もどかしい感じがあって、良かったどすえ~。

日本語吹替え版は、ミュージカル演劇「ピーターパン」などの主演がある、高畑充希ちゃん。

王子役も同じくミュージカルで、のどの披露は万全やった、城田優のアニキ。

共に、違和感のない、滑らかな声優ぶり。ほんで、ラストロールで流れる2人の、ミュージカル映えする、デュエット・バラード。

ちゅうことで、シンデレラ・ストーリーの、ルーツ作にふさわしい、普遍的なファンタジー・ヒロイン映画どす。

2015年4月13日 (月)

「あの日の声を探して」⇒戦火のコドモたちを描く作品

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戦火のコドモ映画と、兵士造形映画がミスマッチ的に混合

かつてない戦争映画を作り上げた!

http://ano-koe.gaga.ne.jp

4月24日のフライデーから、ギャガの配給によりまして、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条やらで、全国順次のロードショーだす。

本作は2014年製作の、フランス・グルジア合作映画、本編135分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸLa Petite Reine / La Classe Americaine / Roger Arpajou

「アーティスト」(2012年製作・フランス映画・弊ブログ分析済み)で、アカデミー賞作品賞をゲットしはった、フランスの監督、ミシェル・アザナヴィシウス。

クラシックなモノクロ・サイレント映画とゆう、映画映えしやすい素材へと、アプローチしはった前作に続き、

今度は、長年温めてはったらしい、こちらも映画映えする戦争映画にチャレンジや。

しかも、製作費を大量投下するタイプの、ハリウッド映画的戦争映画やなく、

戦火のコドモたちを、ポイントに製作した、反戦映画でおます。

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ちゅうことで、ここでコドモたち絡みの戦時下映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくままに披露してみますと…。

●ベスト⇒①禁じられた遊び(1952年・フランス)②ライフ・イズ・ビューティフル(1998年・イタリア)③火垂るの墓(1988年・日本)

●カルト⇒①本作②亀も空を飛ぶ(2004年・イラク&イラン)③ブリキの太鼓(1978年・西ドイツ&ポーランド&フランス)

●従来の名作と呼ばれる、戦争映画の背景は、ほとんどが太平洋戦争含む、第二次世界大戦でありまして、コドモたち絡みにしましても同様でおます。

ベストの全てとカルトの③がそうやけど、カルトでは、できるだけ新しい視点で、捉えたものを選びました。

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カルト③もナチスの大河系ノリの内容を、大人にならない少年の、狂言回しで描いたもの。

ごく最近の戦争を描いたものでは、イラク戦下のカルト②、

ほんで、あんまし有名やない、本作のロシアの一方的な、弱いチェチェンへの、1999年の対テロ報復戦。

しかも、戦時下のコドモの、さまよいを描くだけやなく、若者が狂気をまとった、殺人兵士になってゆくプロセスを、

カットバック的に、対比させて描くとゆう、新鮮味な手法・構成を採ってはります。

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哀愁のアコースティック・ギター・サントラの調べなど、ベスト①のような、フランスの巨匠ルネ・クレマン監督作品が、

おそらく監督の視野の中には、あったやろかと思いますが、第二次大戦より、現代的な戦争。

加えて、よく取り上げられるアメリカ絡みよりも、ロシアの方へと注目しはったんは、

大衆受け狙いよりも、より戦争の本質へと肉迫できる、キレを宿してはるかと思います。

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ロシアこと旧ソ連の戦争映画の名作も、参考にしはったでおましょうが、

コドモたちの戸惑いやトラウマ描写は、アンドレイ・タルコフスキー監督のデビュー作「僕の村は戦場だった」(1962年・ソ連)などを、

軍隊内のいじめやらを描く、兵士の狂気部は、スタンリー・キューブリック監督「フルメタル・ジャケット」(1987年・アメリカ)などの影響が、かなりと濃厚に見られます。

人殺しが快感となるところの狂気は、鳥肌が立つくらいどす。

さらに、少年サイドでも、ベトナム戦争映画「ディア・ハンター」(1978年・アメリカ)のサントラを、聴いているとこが映されたりしよります。

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家族全員を殺されたと思った少年が、赤ん坊の弟を負ぶって逃げるちゅう冒頭。

その弟をとある家の前に捨てて、自分1人で逃走。少年はショックで声を失ってました。

やがて、EU人権委員会のベレニス・ベジョのネーさんと出会い、一緒に家に住ませてもらいます。

恋する女優役の「アーティスト」とは違い、ベレニス・ネーさんは、芯のしっかりした人間性を演技し、国連での訴えでも、従来の演説めいたとこやない、微妙なとこを見せてくれはります。

また、赤十字の職員、アネット・ベニングはんの、じわりと落ち着いたベテラン演技も、心に残ります。

少年が声を取り戻し、ダンスをし、そして、ハラドキのポイントとなっとる、生きていた姉との再会など、前向きな感動が、

兵士の狂気と対比され、くっきりとした陰陽が描かれまんねん。

第二次大戦下の、失語症の少年を描いた「山河遥かなり」(1948年・フランス&アメリカ・モノクロ)が、本作の視野にあったそうやけど、

それ以上に、生々しくてリアリティーある作品でおます。

ちゅうことで、戦争アクション、パニックとは全く違う、登場人物の心理の中に分け入った、戦争映画の傑作です。

2015年4月12日 (日)

「寄生獣 完結編」⇒日曜邦画劇場

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寄生エイリアンと人類が対決する、東宝特撮映画どす

染谷将太クンと橋本愛ちゃんの、ラブ・ストーリー部がポイント

http://www.kiseiju.com

4月25日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015 映画「寄生獣」製作委員会

前作「寄生獣」(弊ブログ分析済み)に続く後編どして、ほんで、これで取りあえず完結編でおます。

日本の特撮映画としては、「ゴジラ」シリーズ(第1弾は1954年製作)を始めとした、東宝映画の特撮ものが多々ありますが、

その種の系譜の現在形をば、示すような作りでおます。

また、ハリウッドの特撮ものとの、シンクロナイズもイロイロあって、21世紀的にボリューム・アップしておます。

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ちなみに、ここで東宝特撮映画だけやなく、日本の特撮ものの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、手前勝手に披露いたしますと…。

●ベスト⇒①日本沈没(1973年)②ゴジラ③明治天皇と日露大戦争(1957年)

●カルト⇒①本作②ノストラダムスの大予言(1974年)③永遠の0(2013年)

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●今どきの特撮ものてゆうたら、最新鋭のVFXやらCGやらがあって、技術的にはモチ、かつてと比べたら、今の方が格段に上なんやけど、

パニック映画ベスト①カルト②、戦争映画のベスト③カルト③など、その特撮部がどう人間ドラマと、食い入ってくるんかが、映画的にはポイントになるとは思いますが、

本作は、人間ドラマ部と特撮対決部が、ある種不思議な調和を示す、快作になっとります。

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なんでやろかちゅう、そこんとこを、少し分析してみますと…。

VFX的には「エイリアン」(1979年・アメリカ)みたいな造形なんやけど、

でも、寄生獣モンスターでもある、深津絵里のネーさんが追いつめられた時に、「私たちは弱い生き物。いじめないで」とゆわはります。

弱いエイリアンやらモンスターちゅう造形ぶりは、「第9地区」(2010年・アメリカ・弊ブログ分析済み)など、革新的な映画もあり、その影響やろか。

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従来のモンスターに見られる怖さやらが、ゆるりになっとります。

確かに、浅野忠信はんが、最強の寄生獣役をやらはるし、強さを思いっきし見せはるし、

染谷将太クンや、手に寄生したミギー(声は阿部サダヲのアニキ)との1対1対決など、特撮を駆使して、スリリングに展開しはります。

AプランやBプラン、そして、放射能の取り込み。ハットトリックなとこがケッコーあるんで、お楽しみやねん。

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でもしか、特撮ヒーローものとしてのとこはモチ、ラブ・ストーリー部、友情部が、違和感をカンジさせずに、キチンと観客の胸に迫るような作りで、映画設計してはるとこに、ボクは驚きました。

この種の特撮設営で、ラブはあるけども、友情までは、どないやろかちゅうとこが、あったからどす。

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ラブ・ストーリー部は、言うまでもなく、染谷クンと橋本愛ちゃんのとこで生じとります。

けども、母性本能を示す深津絵里ネーや、浅野忠信はんのとこでも、エグイ・シーン多けれど、グッと胸にくるシーンがありますで。

そして、ミギーと染谷クンの別れと、橋本愛ちゃんにまつわるその後の展開ぶりは、本作の最もキモとなるとこでおます。

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とにかく、感動があります。

カメラがゆったり上昇する、ラストシーンなど、ググッと胸にきたし、

その後のラストロールで流れる、BUMP OF CHICKENのキャッチーなバラード「コロニー」にも酔いました。

怪物映画専門やないけども、現代の円谷英二チックな造形を作ったんは、

「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)で、昭和をクリエイトしはった山崎貴監督。

ちゅうことで、ラブ・ストーリー、ヒューマン映画としての、モンスター映画の在り方を、さりげなく追求しはった傑作です。

2015年4月11日 (土)

「名探偵コナン 業火の向日葵」⇒週末日本映画劇場

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コナン・シリーズは難易度の高い、絵画アート・ミステリーへ

パニック・ムービー部も、より進化して…

http://www.conan-movie.jp

4月18日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 青山剛昌/「名探偵コナン」製作委員会

コナン・ミステリー初の、絵画系アート・ミステリーとなりました。

ゴッホの「ひまわり」にまつわるミステリーどして、「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年製作・アメリカ映画)と比べたら、どうかとは思うけど、

正統系ミステリー部は、しっかりしとりまして、また、従来のパニック・ムービー部も、充実しておます。

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一方で、怪盗ルパンものやら、江戸川乱歩ものやら、古典的ミステリーのスパイスも、十二分に取り込まれておます。

しかも、アート・ミステリーや。

ゴッホの7連作「ひまわり」にまつわる話どして、そんな「ひまわり」展覧会を、史上初で日本で開催するちゅうのんを、ポイントにしてはります。

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そんな歴史的な展覧会のために、主催者側は、新たに日本に美術館を作らはりまんねん。

美術館ドキュ以上に、モチ、ハットトリックな作りや。

でもしか、リアリティーある美術館の造形ぶりは、緻密かつ説得力がありました。

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絵画を保護するセキュリティー部を始め、セキュリティー万全のとこが示されるんやけど、

モチ、それらには穴もあり、ほんで、「ひまわり」にまつわる丁々発止が、2派にわたり展開してまいります。

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ゴッホの「ひまわり」については、メッチャ調べてはりまして、リアリティーは万全。

そして、「ひまわり」奪還・保持をポイントに、コナンと怪盗キッドとの間で、トリッキーかつスリリングな対決ぶりが、披露されてまいります。

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さらに「ひまわり」を守る側として、“七人の侍”ならぬ、学芸員たちをメインにした7人が配置され、物語はより複雑化してまいります。

7人たちも過不足なく描かれ、群像劇的なとこもキチンとしておます。

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本格ミステリー映画としての骨格以外に、航空機バクハツやら、クライマックスの脱出アクションなど、パニック・アクション部も充実の仕上げどす。

特に、ラスト20分は、スクリーンにクギ付けやろかな。

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さてはて、榮倉奈々のネーさんが、キモを握る学芸員の声を担当しはりました。

犯人を特定してゆく推理部の中で、目立たへんけども、異彩を放ってはります。

犯人像のサプライズなど、最後まで目が離せまへんしな。

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逼迫のクライマックスは、これまでのシリーズの中で、マイ・ベスト・スリーに入る、緊張感あるシーンでおました。

コナンとキッド、そして、コナンを愛するアノ娘との関係性の、スリリングやらも、大いなる見どころやろか。

この関係ドラマは、今後も引き継がれてゆくでおましょう。

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ほんでもって、ラストロールでは、ポルノグラフィティのマイナー系のキャッチーな、ラテン・ノリのポップ・ナンバーが披露されます。

ますます渋くなってゆく、コナンの活躍ぶりに、メッチャ合っとるナンバーでおました。

常に、斬新な本格ミステリーで、魅せてくれはるコナン・シリーズ。

次なる一手も楽しみになってくる、最新作やで~。

2015年4月10日 (金)

韓国映画「海にかかる霧」

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サバイバル映画の、新たなカタチを示したケッサク

実話をベースに、スリリングな話が展開

http://www.umikiri-movie.com

4月17日のフライデーから、ツインはんの配給によりまして、TOHOシネマズ新宿にて先行ロードショー。

その後、4月24日から、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショーだす。

本作は、2014年製作の韓国映画、本編111分でおます。

Ⓒ2014 NEXT ENTERTAINMENT WORLD Inc. & HAEMOO Co., Ltd. All Rights Reserved.

サバイバル映画ちゅうのんは、そのものがジャンル映画とゆうくらい、これまでに、モノゴッツー出てまいっとります。

ほんで、ここで、思いつくままの気ままやけど、サバイバル映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露してみますと…。

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●ベスト⇒①タイタニック(1997年製作・アメリカ映画)②エイリアン(1979年・アメリカ)③七人の侍(1954年・日本)

●カルト⇒①本作②レザボア・ドッグス(1991年・アメリカ)③バトル・ロワイアル(2000年・日本)

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●1人、2人と死んでゆく、正統系のサバイバル映画をベストに、

ほんで、カルトでは、そこに少し変形フレイバーをば、取り込んだ作品を選択いたしました。

船の沈没、エイリアンとの対決、侍の対決ぶりなど、ベスト①②③は、生き残った人たちに、映画的感動があるもんでおます。

ところがどっこい、カルトはニュアンスが、かなり違(ちご)とります。

全員死亡も辞さないくらいの、設定系の③やら、逃亡系の②など、

最後の最後まで、あと味の悪さを引きずるような作りでおます。

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そして本作は、実話をベースにしながら、不法移民たちとその手助けをする人たちが、サバイバルの同次元にあり、

ほんで、生き残りを懸けることもないのに、流れの中で、そうゆう次第になってゆくところを、サスペンスフルかつスリリングに、紡いでいかはるんどす。

2派の生き残りを描く点では、対立する2派よりも、ユニークで面白いわ。

そして、そおゆうサバイバル映画は珍しおます。

いわば、カルト②に、例えば、航空機不時着の「生きてこそ」(1993年・アメリカ)のタッチを、調合したような作り。

韓国映画でゆうたら、ベスト②に影響を受けた「第七鉱区」(2010年・韓国・弊ブログ分析済み)などとは違い、

オリジナルなとこを、示さんとする気迫に満ちておます。

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モンスターと家族のサバイバルとなった「グエムル 漢江の怪物」(2006年・韓国)のインパクトが、人間たちのサバイバルに転化したような、凄みを感じよりました。

しかも、ベスト①と同じく、海上舞台のサバイバル。

不法移民・手助けする漁民をベースに、海上警察や保安庁とのハラハラドキドキ。

1人の女移民をかばう主人公と、冷酷無比に実務を、果たしていこうとする船長。

ちゅうことで、最終対決は、主人公対船長でおます。

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主人公役は、元「東方神起」のパク・ユチョンのアニキ。

船長役には、エキセントかつヤケクソ演技が、メッチャ印象的なキム・ユンソクはん。

「チェイサー」(2008年・韓国)以降、バクレツ演技は目立っとりまして、本作もまた、ピークの出来とはゆわへんけども、気分の悪くなるような悪役ぶりは、全くもって健在どした。

対して、パク・ユチョンは、穏やかとガムシャラの、二律背反を披露しはります。

「バトル・ロワイアル」にも似た、結末部やけど、サプライズ・エンディングにも、ハッとくる演技ぶりでおました。

ちゅうことで、新味ある、韓国サバイバル映画の会心作どす。

2015年4月 9日 (木)

「アルプス 天空の交響曲<シンフォニー>」

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アルプスを見せる、ネイチャー・ドキュメンタリー

山ものドキュに多い、登山ものとは違った作り

http://www.alps-tenkuu.com

4月17日のサタデーから、アルバトロス・フィルムの配給によりまして、東京・シネスイッチ銀座やらで全国順次のロードショー。関西やったら、4月25日からテアトル梅田、その後、5月以降、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで上映どす。

本作は2013年製作の、ドイツ映画93分でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸVIDICOM 2013

自然や風景、動物たちを描く、ネイチャー・ドキュメンタリーは、これまでにいっぱい出てきとりますが、

思いつくままの気ままに、ボクのマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露してみますと…。

●ベスト⇒①沈黙の世界(1956年製作・フランス映画)②WATARIDORI(2001年・フランス)③ミクロコスモス(1996年・フランス)

●カルト⇒①本作②世界残酷物語(1962年・イタリア)③ネイチャー(2014年・アメリカ)

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●全国ネットな公開のカルト③とか、「アース」(2009年・アメリカ)とか、いわゆる、家族一同で見に行ける、ファミリー・ムービーなノリは、ネイチャー・ドキュのヒット・ポイントだす。

ほんでもって、本作は、その種の動物ドキュにありがちな、カルト②のような弱肉強食部シーンはなし。

鳥のベスト②、昆虫のベスト③など、同じ監督によるもんやけど、メッチャ渋い。

けども、本作は動物は牛くらいで、アルプスの風景を本格的に捉えた、初の作品どす。

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また、海ものに対する、山ものネイチャーとなりますれば、

カンヌ映画祭で最高賞をゲットした、海ものドキュの最高傑作ベスト①に対しては、本作はスッキリした作りになっとるけど、

でもしか、やはり、コドモにも安心して、見せられるドキュになっとるんは、おんなじでおます。

一方、大人たちも、俯瞰シーンを含めて、総体的に爽快感を味わえる映画どす。

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自然ドキュを今、作るんやったら、自然破壊なんかの社会性を盛り込んだりしはるけど、本作は、その種はほとんどありまへん。

あくまで、今の自然を映すとゆうとこに、焦点を当ててるとこなんか、むしろ逆に新鮮味ありやろか。

観光案内的・マニュアル的なとこも、ないとは言いまへんけども、それらのシーンさえも、爽快感を伴っておます。

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さらに、登山ものの多い、山ものドキュやけど、自然風景をメインにしたこおゆう作品は、稀でおます。

興行的に商業的にどうかは別にして、憩える癒やしの映画どす。

自然破壊がどうちゃらの、社会的理屈は抜き。ゆったり、ままの自然に浸りたい作品でおます。

モンブランやらの山の映し方、ロングショットの多用など、ドラマ映画では味わえないとこが、次々に頻出。

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小林聡美のネーさんが、ナレーションを担当しはりました。

小細工なしに、フツーに冷静にナレートしてはります。

トンデモ・ドッキリ映像やら、対してハッとくる和みの映像に、この冷静沈着ぶりは貴重どす。

アウトドア・スポーツ・シーンも、ロングショットな俯瞰撮影で見せはるけども、全ては自然風景シーンの一部になっとります。

とにかく、災害のない、自然風景の映画的カットの連続なんで、ゆったりと心地よく見られる映画でおます。

コドモ連れの家族一同で見に行っても、エエとゆうよりも、ぜひ見にいくべき作品かも。

ちゅうことで、ディズニー映画の良質アニメと同じくらいの、満足度ある快作品になっとりまっせー。

2015年4月 8日 (水)

「デュラン・デュラン:アンステージド」⇒音楽ライブ・ドキュメンタリー

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デヴィッド・リンチ監督が描く、ライブ映画の新しいカタチ

デュラン・デュランて、みんな、知っとるかー

http://www.duranduran.jp

4月17日のフライデーから、ツインの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Magrius Entertainment, LLC. All Rights Reserved

音楽ドキュは、ライブ・ドキュが花形でおます。

「ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間」(1970年製作・アメリカ映画)などの、歴史的ロック・イベント・コンサート映画から、

特定ジャンル音楽の熱気を伝える「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999年・ドイツ&アメリカ&フランス&キューバ)まで、

ポイントはコンサートの熱さを、伝えるとゆうとこがありました。

ほんで、特定ミュージシャンに限定した場合も、同様どす。

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また、そのほとんどが、特定アーティストの音楽魂を、伝えるような作りでおました。

ザ・バンド、ローリングストーンズ、アバなど。

そやから、本作も基本は、イギリスのデュラン・デュランとゆうバンドの、アメリカでのコンサート模様を伝えるっちゅう映画どす。

でもしか、これまでのその種の映画との違いは、映画的芸術性を、そこはかとなく渋く、入れてはるとこなんどすえ。

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監督はデヴィッド・リンチはん。

音楽ムービーの監督は、おそらく初めてやろけど、映画作家的な作為を、思いきし注入してはります。

モノクロをベースに、実験的映像をオーバーラップさせるちゅう、ワケの分からへん、シュールな映像の混濁は、

まさに、デヴィッド・リンチ監督ならではの、飄々としたマイペースな仕掛けや。

バーベキュー、ヒコーキの落下、人形のダンス、クギ打ち、ヘリコプター、高速道のドライバー視点映像など、ライブ・シーンにカットバックさせたりしはります。

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デュラン・デュランとリンチ監督のコラボとゆうより、でもしか、ライブをどう映画的に見せるかに、こだわりある作品でもありま。

こおゆうライブ映画は、ボクの鑑賞体験では、かつてなかったもんどす。

監督は、アーティストを魅せるよりも、自らの映画性に粘着し、一方で、ミュージシャンたちは、いつも通りの熱気あふれるコンサートをば、展開してゆかはります。

映画と音楽のコラボとゆう意味において、本作はお互いのジャンルが主張し合う、画期的な快作になったかと思います。

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さてはて、みなはん、本作でメインで撮られてはる、デュラン・デュランて知ってはりますやろか。

1980年代前半に、イギリス・ニューウェイブとして、アメリカで大ヒットしたバンドたちのひと組どして、当時の日本でもそれなりに、レコードが売れました。

ボクの個人的には当時、ブリティッシュ・ニューウェイヴなら、メロディアスなカルチャークラブの方がエカッたけど、デュラン・デュランも、モチ聴いておました。

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今回映画で聴いてみて、今も昔も変わらない、カッコイイ曲を演ってるんやな~と、改めて認識いたしました。

今も日産のクルマのCMで、使われてる曲も良かったけど、

ボクは、ビルボードNo.1となった「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」に魅かれ、また、この曲が彼らの曲のベーシングになっとるんやなと思いました。

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モノクロのオオカミを映した、リンチ監督の撮った映像と共に、ボーカルのサイモン・ル・ボンが、キャッチーなミディアム・アップ・ナンバーを熱唱いたします。

さらに、スロー・ナンバーや8ビートロックまで披露し、MCを絡め、また多彩なゲスト・アーティストのパフォーマンスも織り込みつつ、ライブはノリノリで展開してゆきよりまんねん。

実験映像と熱血ライブ。

ミスマッチにも思えるとこにこそ、新鮮味がある、音楽ドキュメンタリーどした。

2015年4月 7日 (火)

「マジック・イン・ムーンライト」⇒ウディ・アレン監督の新作

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現実派マジシャン男と、占い師・霊媒師女のラブ・ストーリー

イギリス俳優コリン・ファースと、アメリカ女優エマ・ストーンの共演

http://www.magicmoonlight.jp

4月11日のサタデーから、ロングライドはんの配給によりまして、東京・新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、Bunkamuraル・シネマやら、

大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸やらで、全国ロードショーだす。

本作は、2014年製作、アメリカ・イギリス合作による本編98分の映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

ウディ・アレン監督の新作。

NY舞台映画から出て、ヨーロッパものへと転換した、シリーズの最新作どす。

アレン監督作品なだけに、多彩な括りで多様に分析できるんやけど、

今回は、監督と初のタッグとなった女優はんの、マイ・ベスト&カルト作品(各順不同)を選んでみました。

但し、かつての常連女優はんやった、ダイアン・キートンとミア・ファローは外しとります。

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●ベスト⇒①ブロードウェイと銃弾(1994年製作/ダイアン・ウィースト)②ブルージャスミン(2013年/ケイト・ブランシェット)③誘惑のアフロディーテ(1995年/ミラ・ソルヴィーノ)

●カルト⇒①本作(エマ・ストーン)②世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年/ジュリア・ロバーツ)③マッチポイント(2005年/スカーレット・ヨハンソン)

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●ウディ・アレン監督のスゴサは、ベスト①②③のように、起用した女優を、アカデミー賞の女優賞へと導く、演出力の才能であります。

一方においては、娯楽エンタとしても、カルト①②③のように、観客へのもてなしを、②のジュリア・ロバーツを除き、

ミステリー的スパイス入りでの、ラブ・ストーリーで、魅せてくれはります。

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本作で起用されたんは、エマ・ストーンちゃん。

今年のアカデミー賞作品賞ゲットの「バードマン」(弊ブログ分析済み)しかり、「ヘルプ」(分析済み)しかり、

硬軟両用を兼ね備えた、柔軟性ある演技ぶりに、グッと魅せられます。

ともすると、優等生的やんかちゅう嫌いも、あるにはあるんやけど、

でもしか、本作では、最後はハッピー・ラブになるとは申せ、より演技性を示せる、謎めいた占い師役に扮しはりました。

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コリン・ファース演じる、現実派のマジシャン男との間での恋を、名優コリンに負けず劣らずの、クセ者演技を示さはりまんねん。

1928年の南フランスの、プロビデンスが舞台どす。

アレン監督的には、少しく過去を舞台にした映画になっとるけど、

マジシャンと霊媒師・占い師の恋となれば、背景的には、現代ではあり得ないんで、ベストな舞台選択やったかと思います。

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地元のNYものから、21世紀になってヨーロッパ舞台ものへと、進出しはったアレン監督の、本作は娯楽ラブ・ストーリーの一つのピークを、成す作品となりました。

時代観を表すための、フィルターなんかは入れずに、あくまで自然光での撮影にこだわらはったり、

南仏の自然風景を始めとしたロングショット、2人の関係性を示す、時おりの長回し撮影など、冴えておます。

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ジャズ・インストゥルメンタルを始め、ポピュラーな歌ものも流し、今までのアレン節サントラ使いも健在どした。

饒舌で文句タラタラのコリン・ファースなど、喋りたおしの主人公とゆう造形ぶりも、アレン節でおましょうか。

また、監督のミステリーチック・ラブロマンとしても、コメディ寄りに走らずに魅せてくれはりました。

とゆうことで、アレン監督のファンには手堅い作品。

でも、万人向けのポピュラリティーある、会心作どしたえ~。

2015年4月 6日 (月)

「龍三と七人の子分たち」⇒北野武監督最新作

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シリアス「アウトレイジ」シリーズより、トンデル・コメディへパシリやで~

ハチャメチャ・トンデモ元気なシニア映画やけど、活力もたらす今年の、マイ・ナンバーワン邦画や~

http://www.ryuzo7.jp

4月25日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画とオフィス北野の配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015「龍三と七人の子分たち」製作委員会

北野武監督の、待望の新作どす。

監督のマイ・芸術度ベストと、エンタ度ベストの各スリー(各順位通り)をば、披露さしてもらいますと…。

●芸術⇒①HANA-BI(1997年製作)②ソナチネ(1993年)③あの夏、いちばん静かな海。(1991年)

●エンタ⇒①本作②アウトレイジ・シリーズ(2011年・2012年)③座頭市(2003年)

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●はっきり言います。本作は、北野武監督のエンターテイメント映画の、最高傑作となったと確信いたします。

監督が第七芸術としての映画芸術に、少しくこだわりがあったんは、21世紀で打ち止めやったんやないやろか。

デビュー作の「その男、凶暴につき」(1989年)も、バイオレンス・アクション部にさえ、内省的な暗みがあったかと思います。

この内省的とゆうのんは、映画芸術度描きでは、ユーロ映画などでは、従来から重宝されとるとこだす。

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ほんでもって、21世紀になってとは、はっきり申しませんが、爆裂アクションなエンタ系映画を、次々に作ってきはりました。

そのポイントは、監督が影響を受けたと思われる、黒澤明監督の「七人の侍」(1954年)であったり、深作欣二監督の「仁義なき戦い」(1973年)でありま。

ほんで、本作は、そこんとこが、如実に示された作品になっとります。

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全くもって、ハチャメチャ・メチャクチャな映画なんやけど、これぞ監督がホンマのホンマに、撮りたかった映画なんやないやろか。

シリアス系の「アウトレイジ」もエエんやけど、本作は、シリアスやなくメッチャ笑える、監督の漫才系・バラエティ系の一面が、大きく出た快作やと思います。

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しかも、ヤクザ映画のシニア版を意図してはって、「仁義なき戦い」などの、シニア版とも取れる仕上がりどす。

ところがどっこい、本作には、悲しいとかセンチとかはいっさいなく、とことん最後まで明るいモードで進行。そして、トンデモ・アクションが、たまらへん仕上げなんどすえ。

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オレオレ詐欺に遭った、とゆうても、被害総額は大したことないんやけど、

元ヤクザの親分の藤竜也はんが、かつての七人の舎弟を呼び寄せて、ハメたサギ・グループに報復をしようかーっちゅう映画なんやけど、

コレがイロイロあって、紆余曲折のハチャハチャぶりになりましてな、

街宣カーでの抗議行動から、競馬まで、破天荒な展開ぶりがオモロすぎやねん。

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クラブのチー・ママ役、萬田久子とのいきさつやら、藤竜也はん、初のコメディアン役ながら、マジ・コメディぶりを、最初から最後まで貫いてはります。

さらに子分たちの剽軽(ひょうきん)アクションぶり。

近藤正臣はんなんか、やはり老いて初のコメディアン役。

いやはや、メッチャ面白いし笑えますで。

監督の演出ぶりもあるんかは分からへんけど、後半のほとんどのアクション・シーンが、笑いの渦でいっぱいになるハズやわ。

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仲間の中尾彬が1人相撲で、敵にヤラれてしもて、藤竜也ら7人は、中尾はんの死体を連れて、ストレートな殴り込みを掛けはります。

ハチャハチャな銃撃戦。ほんで、追逃劇となる、バスと乗用車のカーチェイス。

ハリウッド級のアクション・シーンも現出する、このシークエンスは、本作のトンデモのキモになっとるやろか。

「アウトレイジ」以上に売れるハズやと、ボクは思います。

2015年4月 5日 (日)

「白河夜船【しらかわよふね】」⇒日曜邦画劇場

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久々に見た、“よしもとばなな”の原作映画

安藤サクラ主演で、渋~いヒロイン映画になったで~

http://www.shirakawayofune.com

http://www.oaff.jp

4月25日の土曜日から、コピアポア・フィルムはんの配給によりまして、東京・テアトル新宿やらで、全国順グリのロードショーだす。

本作は、「第10回大阪アジアン映画祭」(3月6日~3月15日)で、オープニング作品となった作品。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 よしもとばなな/『白河夜船』製作委員会

純文学作家・よしもとばななネーさんって、みんな、知っとるかー。

映画化された作品でゆうたら、森田芳光監督「キッチン」(1989年製作)、市川準監督「つぐみ」(1990年)など、

当時も今も異彩を放つ、ヒロイン映画の傑作の原作者。

共にDVD化されとるんで、レンタル・ビデオやらでチェックしてみておくんなまし。

ほんでもって、久々のばななネーさんの原作映画は、邦画界で今や絶好調の、安藤サクラのネーさんが主演で、お届けなんどすえ。

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さてはて、安藤サクラ・ネーさんの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①0.5ミリ(2014年)②かぞくのくに(2010年)③本作

●カルト⇒①百円の恋(2014年)②ケンタとジュンとカヨちゃんの国(2010年)③愛と誠(2010年)

●主に、いかにも演技力を示せるような、エキセントリックな演技を、カルトに持ってきましたが、

でもしか、正攻法によるヒロイン映画は、サクラ・ネーさんの持ち味をば、渋く渋ーく、魅せてくれはります。

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介護士役のベスト①、本作で共演した井浦新の妹役の②、ほんで、本作はフリーター・ヒロイン映画。

ブラブラフラフラしてるヒロイン映画は、大昔からいっぱいありますが、

本作みたいに、無意識の層にまで入り込んだ、心理的ヒロイン映画は、そないありまへん。

自殺者の心理を、とことん哲学的に描いた、ルイ・マル監督の「鬼火」(1963年・フランス・モノクロ)の、オンナ版みたいなとこがありま。

でも、どこまでもネガティブやった「鬼火」とは違って、本作は時々ネガを入れながらも、総体的には前向きやねん。

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ストーリー的には、シンプル・イズ・ベスト。

ヒロインは井浦新と、不倫をしてはる設定どして、彼との関係性を、ヒロインのココロの呟き・ナレーションを入れつつ、モノゴッツーストレートに展開しよります。

井浦新以外では、添い寝の仕事をし、やがて衝動的に自殺してもうた、友人役・谷村美月ネーさんとの絡みが、ポイントになっとるんやけど、

本作のオリジンは、無意識とゆう眠りの中にある、心理状況を追求しはったとこにあります。

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フロイトやらユングやらは、そこんとこを心理学的に、究明せんとヤラはったけども…、本作は物語の中で、それをば応用しはったようなとこがありま。

「白河夜船」の四字熟語タイトルにも象徴されとるけど、ヒロインは、しょっちゅう寝てはります。

一方、井浦新の奥さんも、事故で植物人間状態で、眠りの中にいてはります。

眠りの層ちゅうもんがあるならば、その層の浅さ・深さを、起きている現実的な視線から、見ようとしはります。

夢をエンターテイメント化した「インセプション」(2010年・アメリカ映画)とは違い、眠りの深層心理を追求せんとした作品どす。

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眠りをテーマにしてはるだけに、つまりは、見ていて眠たくなるような仕掛けも、実は施してはるんどす。

セックス・シーンもあるけど、ベッド・シーンの会話を聞かせる、3分・4分の長回し撮影など、

あくまで、セックスで寝るとゆうよりも、眠りの向こうにあるもんを、捉えようとするような作りに、なっとるかと思います。

また、「眠る男」(1996年)みたいに、夢シーンなどを、いっさい出さない作りでもあります。そのあたりも、これまでの無意識内映画の、範疇を逸脱しとります。

ピアノ・ソロが流される、ラスト・シークエンスの都会の花火シーンも、華やかながら、眠りの中とは?が、反映してるシーンに見えました。

ラブ・ストーリーを、眠りとゆうユニークな視点から、捉えてみた作品どす。

実験的やけど、その実験性に浸ってみたい、そんな作品やと思います。

2015年4月 4日 (土)

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

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本年度アカデミー賞作品賞ゲットの、人間ドラマ映画の傑作

元ヒーロー俳優が、ブロードウェイで復活し、ホンマのヒーローになってゆくやなんて…奇跡の物語やがな

http://Birdman-Movie.jp

4月10日のフライデーから、20世紀フォックス映画の配給で、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014 Twentieth Century Fox

俳優がイロイロの難関を超えて、復活する映画ちゅうのんは、

モチ、アカデミー会員たちの、胸につまされたり感動したり、自己投影できるとこでありまして、今年のアカデミー作品賞をゲットしたんは、納得のゆくとこでおます。

いわゆる、映画業界内映画(本作のようにブロードウェイ系もありま)ゆうのんは、会員たちだけやなく、ボクら一般人にも、なるほどなーっちゅうとこがあります。

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映画業界内を描く映画や、映画メイキング映画には、メッチャ名作・傑作があるんやけど、

本作は、かつてヒーロー映画で国民的人気を得た男優はんが、ブロードウェイで復活するとゆうお話。

役者系をポイントにした映画だけと違うけど、それらの映画はほとんどが実話系どして、

ハリウッド・スキャンダルの実態も辞さない、大胆にして奔放な作品は、あんましありまへんどした。

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キャスティング系を含めた、順不同の俳優系マイ・ベスト・スリーは、まず①本作。

ほんで、②「イヴの総て」(1950年製作・アメリカ映画)、③「ザ・プレイヤー」(1992年・アメリカ)あたりやろか。

起用されるかされないかに、焦点を当てた②③とは違い、演技者としての、濃厚なとこと心理をも、描いた点においては、本作はかつてない深みを示さはります。

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アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の、「バベル」(2006年・アメリカ)やらで示した、同時間三次元の群像劇や、

「21グラム」(2003年・アメリカ)で示した、三角関係図を、時間軸をバラバラにして、繋ぎ合わせるハットトリッキーやったり、

映画作家性にこだわりまくる映画作りが、今どきスゴイねん。

ちゅうことで、本作のディープインパクトは、長回し撮影にまずは、ありました。

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これまでのワンカット長回しの、世界最長映画はアレクサンドル・ソクーロフ監督の「エルミタージュ幻想」(2002年・ロシア&ドイツ&日本・96分)やと思うねんけど、

本作は、夜から朝への時間短縮カットがあるにしても、1時間40分近い長回しどして、しかも、移動撮影を自在に駆使し、長回しとは何ぞやを挑戦的・挑発的に示してゆかはります。

ボクは圧倒されました。こおゆう映画作家性を、意図的に示す監督は、最近ではほとんどいなかったからどす。

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「バットマン」(1989年・1992年・アメリカ)をやらはったことがある、マイケル・キートンはんが主演だす。

キートンはんの最高傑作演技なんは、もちろんなんやけど、一筋縄ではゆかない演技で魅せる、エドワード・ノートンとの演技対決が、本作最初の、肝となるシーンどすやろか。

共に譲らない・譲れない演技ぶりに、映画の中へとググッと、のめり込めるとこがありました。

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キートンはんの娘役エマ・ストーンやら、ナオミ・ワッツらの柔軟な演技もOK。

ほんでもって、マイケル・キートンが、かつてのヒーロー映画「バードマン」の主人公として、空飛ぶシーンやらの幻想シーンのところ。

ラストの爽快なハッピー・エンドへとつながる、主人公の多彩なシーンは、メッチャ重要どす。

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アメコミものヒーロー映画の今を、ブロードウェイの演劇で見せ、メイキングなどを、アイロニカルに見せてゆくんやけど、表層的には、そやからどないやねんかもしれまへん。

けども、ヒーロー映画のさわやかさが、最終的にはほんのりとあり、また、ついでにやけど、父娘のキズナとかもやんわりあって、うーん、渋いわ~。

アカデミー作品賞としては、久々に見た芸術ノリ映画やったけど、モチ分かりやすいし、感動のツボもキチッと押さえてはります。

ちゅうことで、作品賞にふさわしい傑作どした。

2015年4月 3日 (金)

「セッション」⇒今アカデミー3部門ゲット

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狂気の演技に、狂おしく魅せられて…

先生と生徒の、スパルタ映画のチョー怪作

http://session.gaga.ne.jp

4月17日のフライデーから、ギャガはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらで全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 WHIPLASH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

今年のアカデミー賞で、音楽教師役J・K・シモンズが助演男優賞。ほかに、編集賞と録音賞をゲットした作品どす。

ナンチューても、指導者演技としては、映画史に残りそうな狂気の演技。

狂気演技はイロンナ映画で、見せられとりますが、取りあえず教授・教師系の、マイ・ベスト・スリーを申しますと…。

①本作②家族ゲーム(1983年製作・日本映画)③奇跡の人(1962年・アメリカ)

●マジで感動的な実話からの指導者③と、フラチでエエ加減な家庭教師の②と、真逆の教師役の中で、

本作は②③にはない、狂気じみた凄まじき演技どす。

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軍隊の教官が出はった「フルメタル・ジャケット」(1987年・アメリカ)「愛と青春の旅だち」(1982年・アメリカ)「アメリカン・スナイパー」(弊ブログ分析済み)なんかの、

軍隊のスパルタ系にも酷似した、トンデモ演技でおまして、しかも、教師と生徒の関係性を、その種の学園ものや、「ロッキー」(1976年・アメリカ)やらの感動系を、一切抜きにして、

ヤラレてヤッテの、非情ぶりで描かはったんが、本作なんでおます。

教師と生徒のキズナなんて、手垢のついた素材を、完璧に逸脱した作りに、ボクは唖然呆然自失となりましたがな。

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音楽大学の教授と生徒たち。ジャンルはジャズ。

誰でもやれるロックやなんて…とゆうように、ジャズをロックより上等の音楽やと、思てはるセンセーどして、向かい合う生徒はジャズ・ドラマー。

「早い、遅い」の教示を含め、3人のドラミングの速さを強制したり、血まみれの特訓シーンなど、

これまでの音楽映画にはなかった、凄まじきバイオレントなところを、惜しげもなく、大胆に披露しはります。

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この種の音楽映画では、ラブ・ストーリー的なとこも、従来は重要やったけど、本作では、かなり気分の悪いとこが披露されます。

練習のために、彼女とは会えない。だから別れるやなんて、映画映えしない理由。

主人公がオトンと一緒に見に行く映画が、「男の争い」(1955年・フランス)やなんてとこも、本作とリンクするけど、決してロマンティックやありまへん。

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いやはや、本作は、ストレートにゆうと、アクション映画やないけど、教師と生徒の、仁義なき対決ぶりをば、描いてはるんどすえ。

しかも、エゲツナサ感やら、気分の悪さ感も、存分にある映画なんどす。

その対決から、一体、どないな結末と鑑賞後感・あと味があるんか。

はっきりとは言いまへんけども、あと味の悪さもありつつも、不思議なカンジで、映画館を出られると思いま。

もういっぺん見てみたいちゅう、リピート感もあるやもしれまへん。

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狂気の演技とゆうか、鬼気迫る演技は、映画史においては、これまでにいっぱいござります。

狂気演技の歴代マイ・ベストテンとかも、やってもエエんやけど、狂気を見せるためのポイントとして、音楽とゆうのんは、珍しいと思いますわ。

「アマデウス」(1984年・アメリカ)のサリエリ役で、アカデミー賞主演男優賞をゲットした、F・マーリー・エイブラハムはんと甲乙付けがたい、シモンズはんの演技。

対して、渾身のドラミングを見せる、マイルズ・テラーの狂おしき演技ぶり。

演技対決ともなる、2人の怪しい熱血演技に、ハマッて見て、ほんで、ちょっと狂ってみたい映画でありました。

2015年4月 2日 (木)

ポーランド映画「パプーシャの黒い瞳」

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実在のジプシー女吟遊詩人を、描いたポーランド映画

モノクロイズムなこだわりの作家性に、うなるしかありまへん

http://www.moviola.jp/papusza/

4月4日のサタデーから、岩波ホールにて全国順次のロードショー。

関西やったら、4月18日から第七藝術劇場、4月25日から京都シネマ、5月16日から神戸アートビレッジセンターやらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸARGOMEDIA SP. zo.o. TVp S.A. CANAL + Studio Filmowe KADR 2013

実在の過去のアーティストを描く映画、ちゅうたらメッチャあるねんけど、本作は作家・詩人系で、みんながほとんど知らへん系の方を描いてはります。

文字の要らないジプシーから出た女性詩人。でもしか、そんなヒロインの映画部よりも、ヒロインの周辺に生きる人たちの群像劇的タッチで、映画は進行してまいります。

実在の女流作家を描いた「黄金時代」(3月30日付けで分析)とは違い、大河系のノリながらも、1910年から1971年までの時代を、

時代・時間軸順やなく、イロイロな時代を、行き来するような作りをしてはります。

そおゆう変形構成ぶりは、映画作家ぶりを示すには絶好のタッチ。

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今どきモノクロで描くちゅうのも、映画作家的には、こだわりある作りやと申せましょうか。

ポーランド映画としては、今年のアカデミー賞外国語映画賞に輝いた「イーダ」(弊ブログ分析済み)に続く、モノクロ描写。

さらに、映画史では、初のジプシーの実態を、事細かに描いた映画やないやろか。

「ガッジョ・ディーロ」(1997年・フランス&ルーマニア合作)などでは、ジプシーの歌って踊ってな日常観を描いてたけど、こちらはもっとジプシー魂を、描き込んでみせはります。

「ずっと死ぬまで旅をする」とか、「家より森があればいい」とか、ジプシーの生活観ちゅうのんが、リアリスティックに撮られてゆくんどす。

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前半は、そんなジプシーたちの生き方が描かれ、後半では、実在のジプシー女流詩人の、生き方をクローズアップさせる作りになっとります。

ジプシー本来のロードして生きるスタイルとしては、名作「旅芸人の記録」(1975年・ギリシャ)などの、淡々としてシブミあるとこがあるし、

「ウディ・ガスリー わが心のふるさと」(1976年・アメリカ)的な、しっとり癒やされるとこもあるねん。

特に、ヒロインの生き方へとフォーカスする後半部は、控えめヒロイン・ドラマの渋味に、ホワーンと魅せられました。

編集者やジプシーやない男との関係性など、派手なヒロイン映画が横行する今だからこそ、新鮮味ありどした。雨降る中の、ツーショットなども印象的。

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モノクロやけど、思わず美しい!とうなってしまう、映画的構図のロングショットの数々に魅せられ、

余韻を意図した、フェイドアウト後の黒場シーンの多用やら、

ジプシー・ダンス・サウンドとオーケストラ・サウンドの調和に加え、ギター、バイオリン、アコーディオンなども入れて、サントラ部も充実しておます。

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21世紀になってからも、チョクチョク出てくるモノクロ映画やけど、

意図的に仕掛けるタイプの英米映画に対して、ユーロ映画には、より自然体系のモノクロイズムが、あるように思います。

描かれる時代にも、関わるんかもしれへんけど、モノクロで描くことに対して、決して違和感がありまへん。

また、カラーで描かれたら、フツーっぽくなるところが、モノクロで描けばより深みが増し、芸術度も高くなるとこもありま。

そんな好見本な1作どした。

ちゅうことで、「イマジン」(3月27日付けで分析)に続く、今年のマイ・ベストテン級な、ポーランド映画でおます。

2015年4月 1日 (水)

イギリス映画「パレードへようこそ」

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普遍的な人と人のキズナの、感動的な物語

炭坑関係者とレズ・ゲイたちが、異種交流していく爽快さ

http://www.cetera.co.jp/pride

4月4日の土曜日から、セテラ・インターナショナルの配給によりまして、東京・シネスイッチ銀座やらで上映。

ほんで、関西では、4月25日からシネ・リーブル梅田、5月2日から京都シネマやらで、全国順次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸPATHE PRODUCTIONS LIMITED. BRITISH BROADCASTING CORPORATION AND THE BRITISH FILM INSTITUTE 2014 ALL RIGHTS RESERVED.

ユニークなイギリス映画、ユニークなレズ・ゲイ映画の登場だす。

イギリス映画的には、失業男たちのヌード「フル・モンティ」(1997年製作・イギリス映画)。

レズ・ゲイとしても、暗みはなく、「プリシラ」(1994年・オーストラリア)的な明るさでいった作品。

しかも、実話どす。

1984年から1985年にかけての話で、今からゆうたら過去の話なんやけど、炭坑閉鎖への抗議ストライキに、レズ・ゲイたちが賛同し、共に政府に対して、対決してゆくとゆう映画。

炭坑労働者と、レズ・ゲイのミスマッチが、普遍的な人間たちのキズナへと昇華してゆく、いわゆる感動的な映画でおます。

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実際にあった話なんで、どおゆうことなん?と思うけど、そのあたりは、何や知らん、取って付けたようなとこもあるかもしれへんけど、

いずれにしても、実話なんで、映画としても、どない描くべきかに悩まはったやろけど、でもしか、おそらくそのままを出す正攻法で、ゆかはったかと思います。

でもしか、2組の提携とキズナぶりは、ミスマッチを感じさせはりまへん。

人と人のキズナには、立場・身分などは、一切関係なし。

そおゆうとこが、凄く胸に染み入るところになっとります。

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描き方は、群像劇スタイルどす。

打倒サッチャー首相を掲げた、レズ・ゲイ混成チームが、ストをしてるウェールズの炭坑関係者たちを支援しはります。

ほんで、この支援をベースに、2組の交流が展開してまいります。

反発する人もいてるけど、2派の水と油な交流ぶりこそが、本作のキモとなるところだす。

いくつもの好感あるシーンが続出します。

ともすると、映画的な感動のためにやっとるんかと、斜に構えて思う人もいてはるかもしれへんけど、

素直に流れに乗って見てみてくだされ。

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サントラ・劇中歌が、2派の交流を大いに促進してまいります。

“ローリロリ、ハレルヤー”の労働歌、

同時代のヒット曲、例えば、フィル・コリンズが、シュープリームスのヒット曲をカヴァーした「恋はあせらず」やら、

ゲイのボーイ・ジョージ率いるカルチャー・クラブの「カーマ・カメレオン」、

少し年を経ての、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」など、

交流のポイントにもなる、ディスコでのディスコティークなノリノリ・ナンバーなどが、

軽快にドラマ・リズムを作ってまいります。

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トランペット、ピアノなどのインストや交響曲的な音使いにも注目どす。

ウェールズの田園風景も、俯瞰・ロングショットを含めて、グッと胸にくるし、群像劇のキモを握る、各演技陣には、いろんな人たちに、注目の連続どす。

若手たちの演技にも当然、はつらつカッコヨサがあるけども、

ビル・ナイはんや、イメルダ・スタウントンはんなど、シブシブシブ~く魅せる、名バイ・プレーヤーたちに、ググググググッと魅せられましたがな。

目立たへんけども、そのあたりにもぜひとも、目を凝らして見てほしい作品どす。

ボク的ジャッジでは、「フル・モンティ」に勝るとも劣らない傑作に、なったと思います。

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