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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2015年2月の記事

2015年2月28日 (土)

今年のマイ・ベストテン⇒2月下旬での暫定ベストだす

現時点での洋画・邦画のマイ・ベスト

●洋画

①アメリカン・スナイパー(公開中・弊ブログ分析済み)

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②バードマン(4月10日公開・後日分析)

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③薄氷の殺人(公開済み・ブログ分析済み)

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●日本映画

①チョコリエッタ(公開済み・分析済み)

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②味園ユニバース(公開中・分析済み)

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③でーれーガールズ(公開中・分析済み)

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●洋画の以下

④妻への家路(3月6日公開・後日分析)⑤スペシャルID(公開中・分析済み)⑥博士と彼女のセオリー(3月13日公開・後日分析)⑦愛して飲んで歌って(公開中・分析済み)⑧激戦ハート・オブ・ファイト(公開済み・分析済み)⑨シン・シティ2(公開済み・分析済み)⑩ジミーとジョルジュ(公開済み・分析済み)

●邦画の以下

④ジヌよさらば(4月4日公開・後日分析)⑤ワンダフル・ワールドエンド(公開済み・分析済み)⑥さよなら歌舞伎町(公開済み・分析済み)⑦振り子(2月28日公開・分析済み)⑧くちびるに歌を(2月28日公開・分析済み)⑨サムライフ(公開中・分析済み)⑩スキマスキ(公開中・分析済み)

●1月末時点のベストと比べてみまするに、洋画①②が突出。邦画はおんなじのまま、っちゅう結果でおました。

アカデミー作品賞で対決し、洋画②が作品賞に輝いたけど、でもしか、クリント・イーストウッド監督の仁義なき戦争映画①は、戦争映画として出色の仕上がり。歴代戦争映画のベストテンにも入る傑作どした。

ちゅうことで、3月末にまた、暫定マイ・ベストテンをば、披露さしてもらいま。

「迷宮カフェ」⇒週末日本映画劇場

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久々の関めぐみネーさんが、満を持して、好感度高き演技を披露

市川由衣ネーさんやらも、献身的な演技で熱く!

http://www.meikyu-cafe.com/

3月7日の土曜日から、KADOKAWAはんの配給によりまして、角川シネマ新宿やらで、全国漸次のロードショー。

関西やったら、3月14日から、テアトル梅田やらで上映だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015/ワンワークス

カフェを舞台にした、群像劇ミステリー映画どす。

群像劇としては、「オリエント急行殺人事件」(1974年製作・イギリス映画)みたいなタッチがあり、

邦画的には、「配達されない三通の手紙」(1979年)みたいな、感触ある映画どした。

謎めきのポイントは、カフェ店主でヒロイン役の、関めぐみのネーさんどす。

1
関めぐみネー、久々となる作品やけど、

映画デビュー作の学園もの「恋は五・七・五!」(2005年)以来、ズーッと好感度ある役柄を演じ続けてまいりました。

ほんで、本作は、彼女の最高傑作にして、最高に好感度ある映画となりましたがな。

6
かつて友情を結んだ、女の子の死に触発されて、骨髄バンク移植者を密かに求める、宿泊できるカフェをば始めはります。

ほんで、いろんな人たちがカフェにやってきはります。

「海を感じる時」(2014年・日本・弊ブログ分析済み)で、大胆ヌードを披露しやった市川由衣ネーは、今作では、イチズな愛演技を見せはります。

3
そんな謎めいたカフェを、ジャーナリストとして調査すべくの雑誌記者(大迫一平アニキ)が、そのカフェにやってきて、潜入取材をやらはります。

この記者とカフェに集う人々、ほんで、関ネーとの間で、スリルある展開が、ゆるやかに進行して…。

7
群馬の山中にあるカフェで、客が次々に消えてゆく、っちゅう、イントロの謎が、

アレアレちゅう間に、人情ドラマへと転回してゆく鮮やかさは、本作一番の見どころやろかと思います。

10
ネタ部についてやけど、「半落ち」(2003年・日本)と同様、ポイントは骨髄移植でおます。

でもしか、かつてあった骨髄移植ものとは、群像劇タッチであるがゆえに、大いに切り口を異にしておます。

8
やはり、ナンチューても、関めぐみネーの、ミステリアス度以上に、

自然体的演技の爽快さが、さわやかなラストシーンまで、本作の核になっとるんだす。

5
骨髄移植する角田信朗アニキ、カフェに逃げてきた犯罪者役の藤原薫クンなど、

みんな、善良ないい人やんっちゅうとこも、エエ感じどした。

4
端的にゆうと、友情と贖罪と罪滅ぼしの物語やけど、それをミステリー的を外装としながらも、

実はストレートに描いてるように見えるとここそ、本作のオリジナリティーあるとこ、なんやないかなと思うんだす。

2
サントラにも注目どす。

アコーディオン、低い太いベース、ピアノを要所要所で流して、ほんで、ラストロールで、ギター・ポップなスロー・ナンバーが…。

最後の最後まで、さわやかさに徹し、実にあと味のエエ、ミステリー映画でおました。

2015年2月27日 (金)

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」

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食ドラマ・ヒューマン映画の、かつてない大傑作

料理ドラマがホンマに、人間ドラマとして昇華した作品だす

http://www.chef-movie.jp

2月28日のサタデーから、ソニー・ピクチャーズの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、2014年製作のアメリカ映画で、本編1時間55分だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ボクはあんまし、対決含む料理映画とか、シェフ映画、レストランとかの映画が、好きくないんやけど…、

でもしか、本作にはメッチャ魅了されましたがな。

どちらかとゆうたら、アメリカ映画に伝統的な、ハッピー・エンド着地志向の、プロセス描写とか、

亀裂ある家族部を、さりげなく回避し、オトンと息子や、上司と部下の男たちの、キズナ部を描いてみたりと、

ワザトラマンなとこがありながらも、アメリカ映画の心地よい良心を、メッチャカンジさせてくれはる傑作どす。

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さてはて、みなはん、料理映画関連のドラマ映画・ドキュの中ででんな、こりゃースゴイでーちゅうような映画を、

これまでに、見はったことはありますやろか。

未見の作品の中には、あったんかもしれへんけど、ボクはそれがなかったんどす。

映画が描く、第1ポイントの人間ドラマの中で、料理・レシピの巧みさも、描き込んだ映画とゆうのんは、高等ワザなんやないかなと思います。

その難しさにチャレンジした映画を、ボクの記憶をば、たどってみよりますと…。

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海外での食堂経営の「かもめ食堂」(2005年製作・日本映画)、ラーメン作りの「タンポポ」(1985年・日本)など、思い出せるのは日本映画ばかりで、

洋画のその種の映画は、ハリウッドでもリメイクされた「マーサの幸せレシピ」(2001年・ドイツ)にしても、コミカル部が先走り、人間ドラマ部が希薄どした。

いやはや、そないなると、本作はひょっとして、料理ヒューマン映画の、マイ最高傑作になったやもしれまへん。

もし、もっとスゴイのんがあるでー、っちゅう方は、いつでもメールやらでゆうてきてくだされ。

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三ツ星・四ツ星ナンチューのんが、21世紀になってイロイロ出てきとるけど、

料理の良し悪しよりも、モチ、映画的に重要なんは、人間ドラマ部であり、キズナ部でおます。

名レストランのシェフの主人公が、名料理ブロガーの反抗や、SNSの拡散を買ってしもて、レストランを辞めて、

ほんで、流しの屋台・フードトラックを、やるっちゅうこととなり…。

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監督・主演は「アイアンマン」(2008年・アメリカ)の監督をやらはった、ジョン・ファヴローのアニキ。

「アイアンマン」での人脈から、主人公の愛人役スカーレット・ヨハンソンや、主人公の妻の前夫役ロバート・ダウニーJr.やらが出てはります。

でもしか、ついでの出演みたいなとこは、一切なく、それぞれ、印象的な演技を披露しはりました。

主人公に付いていくジョン・レグイザモ、離婚した元ヨメ役の、ソフィア・ベルガラやらの、好感度ある演技、

さらに、オーナー役のベテランの、ダスティン・ホフマンの嫌味なとこなど、主人公を巡る人々の演技陣も、好演技ぶりや。

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サントラ使いも、アメリカン映画の伝統に即してはりましたえ。

冒頭からのラテン・ナンバー、ヨハンソンとの絡みでレゲエ、メロウなスロー・ナンバーから、タイトなダンス・ミュージックまで、それこそ多彩に流してくれはります。

アメリカン・ニューシネマチックな、ロードムービー部も含めて、最後の最後まで楽しめる映画どした。

ちゅうことで、ボクの料理人間ドラマ映画の、最高傑作です。

2015年2月26日 (木)

ジョン・キューザック主演「ドライブ・ハード」⇒オーストラリア舞台のカナダ映画

1
映画映えする、逃亡のロードムービーや~

バディ・ムービーの新味を加えたアクション快作や~

http://www.drive-hard.net

2月28日のサタデーから、アークエンタテインメントはんの配給によりまして、東京・有楽町スバル座、池袋シネマ・ロサやらで、全国順繰りのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2013 ODYSSEY FILM STUDIOS AUSTRALIA PTY LTD.

カーチェイス。車で逃走劇な、ロードムービー仕様。

偶然出会ってしもて、相棒になってしもた設定。

銀行襲撃。2人を追う警察や悪者たち。

テレビやらのマスメディアで、2人のことが報道される形式。

相棒たる主人公(トーマス・ジェーンのアニキ)の家族。一匹狼たるジョン・キューザックのアニキ。

いろんな意味で、浮き上がりシンクロナイズする映画は…、多々ありま。

そんな中で、ボクとしては、アメリカン・ニューシネマとシンクロして、本作を分析してみます。

7
銀行襲撃ちゅうのんは、「俺たちに明日はない」(1967年製作)のメイン犯罪で、「明日に向って撃て!」(1969年)やらでも、描かれとるんやけど、

本作では、キューザック・アニが1人で、一方的に銀行襲撃して、ほんで、何が何やら分からへん、トーマス・アニに、ムスタングを運転さして、逃亡をば諮りまんねん。

否応ことなしに、キューザックはんの相棒にさせられ、無理矢理逃亡を手助けするハメになり、ほんで、トーマスはんは、キューザックの人質にしとこか、ってなりまんねん。

3
逃亡ムービーやロードムービー系では、バイクの「イージー☆ライダー」(1969年)を始め、

徒歩の「スケアクロウ」(1973年)、護送の歩き「さらば冬のかもめ」(1973年)なんぞがありますが、

ここではカー・チェイスも入った、カー・ロードだす。

その意味では、カー・アクション入りの「バニシング・ポイント」(1971年)、

スピルバーグ監督作品では、最もアメリカン・ニューシネマらしい「続・激突!カージャック」(1974年)、

「俺たちに明日はない」と同じく、集団で逃走の「ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー」(1974年)なんぞの、影響がありまっしゃろか。

4
ほんでもって、ロックをメインにした、歌ものサントラが流れよります。

アメリカン・ニューシネマで、歌ものが映えたんは、「卒業」(1967年)を始め、「イージーライダー」もそうどした。

また、相棒とゆうか、男の友情ものでは、「真夜中のカーボーイ」(1969年)、「スケアクロウ」、

同じ共演(ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード)による「明日に向って撃て!」「スティング」(1973年・弊ブログ分析済み)なんぞがあるけども、

むしろ2人が最初は、対立してるちゅう意味では、白人刑事と黒人刑事の、相克と友情を描いた「夜の大捜査線」(1967年)などを、思い出させてくれはります。

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カーチェイス・シーンはモチ、見どころやけど、テレビ報道や、警察以外に2人を追う者の存在など、この種の映画のドラマティークを作る要素は、多々散りばめてはります。

シンプルな逃亡劇もおもろいけど、こうしたほかのとこでの、ドラマ的含みや膨らみは、パターン化を避ける意味でも重要だす。

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逃亡ロードの途中にある、暴走族や、90歳のオババやらとの丁々発止もまた、お楽しみなんどすえ。

あんましアクション映画映えの、イメージがない、ジョン・キューザックやけども、本作では「コン・エアー」(1997年)に近い、娯楽性あるアクションが目に付きました。

ほんで、オーストラリアが舞台の、カナダ映画だす。

ちゅうことで、アメリカ映画だけではできない、ロードムービーの、新たな形が紡がれておますよ。

2015年2月25日 (水)

「アナベル 死霊館の人形」⇒アメリカン・ホラー映画

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オーソドックスな、悪魔系でゆくホラー映画どす

「チャイルド・プレイ」シリーズ以上に、怖い仕上がりやで~

http://www.annabellemovie.jp

2月28日から、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

悪魔が、人や人形やらの物に取り憑き、主に怖がる女・怖がらせる女とゆうスタイルを取り、

ほんでもって、悪魔祓いの活躍があるとゆう、「エクソシスト」(1973年製作)以来、

定番的となった、オーソドックスな、アメリカン・ホラーでおます。

アメリカン・ホラーのいいとこも、悪いとこも、またカルトなとこも、十二分に取り込んだ本作。

そのあたりを、アメリカン・ホラーの、手前勝手な、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)から、分析してみまひょか。

1
●ベスト⇒①エクソシスト②ローズマリーの赤ちゃん(1968年)③キャリー(1976年)③シャイニング(1980年)

●カルト⇒①チャイルド・プレイ(1988年)②ザ・リング(2002年)③家(1976年)③エルム街の悪夢(1984年)

●スリーならぬフォーになってまいましたが、アメリカン・ホラーの系譜的には、スプラッター・ホラーを除いて、ほぼ全てを、網羅できたと思いま。

さてはて、本作とのシンクロどすが…。

4

家に悪魔や悪霊が取り憑く、館ホラーなカルト③「家」のように思わせておいて、実は…とゆう展開。

モチ、悪魔が人形を通してやけど、人に取り憑くとゆうベース・ラインは、ベスト①③「シャイニング」に見られよります。

して、人形に悪魔の取り憑いたところの者が、カタチになる点においては、カルト①並びに、そのシリーズに顕著でおます。 

その一方において、人の怨み節とゆうのも、悪魔に仮託して描かれる、ちゅうとこもありまんねん。

日本の怪談やホラーやらに、伝統的な人の怨みは、邦画「リング」(1978年)の、ハリウッド・リメイクとなったカルト②や、 

アメリカン・ホラーでは珍しい、人の怨みがベースの、カルト③「エルム街の悪夢」などと、シンクロナイズ。

3

人形であれ人であれ、怖がらせる悪魔の外形が、主に女であるちゅうとこは、本作でも同様だす。

ベスト③「キャリー」との関連は当然やけど、さらに、本作のヒロインが妊娠している設定とゆうのは、ベスト②とほぼ完璧なほどに、シンクロいたします。

悪魔の子を産むとゆうベスト②や、「オーメン」(1976年)とは違うとこや、

人の魂を奪うとゆうスタイルは、本作のオリジンなとこやもしれまへん。

2
また、時代背景は21世紀の今やなく、モノクロの地上波テレビなどから、おそらく、1950年代末から、1960年代あたりのアメリカが舞台になっとるようどして、

そのあたりは、ホラー的には、ベストな設定環境になるやろかと思います。

ただ、もっと現代的なホラーイズムを見たい方には、どないやろかと懸念するものの、

むしろ理屈抜きの怖さに、浸りたい方には、本作がベストやないやろか。

移動撮影を駆使した1分くらいの、恐怖を増すための長回しやら、

タイトに繰り出される、ショッカーこと、ビクッとさせる効果音とか、思わず悲鳴を上げそうなシーンが、テンコ盛りどす。

「エクソシスト」世代も、「リング」世代も、10代のホラー知らずのおぼこき世代も、

きっと背筋を凍らせ、ビビらせる作品やと、確信いたしまっせ。

2015年2月24日 (火)

韓国映画「君に泳げ!」⇒青春スポ根映画の爽快作品

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冬季五輪スキージャンプ「国家代表!?」に続く、五輪ものスポ根韓国映画

韓国映画初の水泳映画の、さわやかさが満開どす

http://www.nbcuni.co.jp/movie/sp/oyoge/

2月28日の土曜日から、NBCユニバーサル・エンターテイメントの配給によりまして、東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーだす。

本作は、2013年製作の、本編118分の韓国映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ<NO BREAHTING> SPC All Rights Reserved

韓国の青春映画、しかもスポーツもんで、みなはんのココロに、ピンとクル映画なんてあるやろか。

韓国の高校・大学青春ものの、マイ・ベスト・スリーやけど、でもしか、本作は入りまっせ。

ほかの2作は、スポーツもんやないけど、クォン・サンウ主演「マルチュク青春通り」(2004年)や、ソン・イェジン主演「ラブストーリー」(2003年)どす。

確かに、青春もんは、韓国でもそれなりにありま。けども、スポ根入りとなれば、稀少でおます。

1
韓国のスポ根映画てゆうたら、プロレス、空手などの格闘技から、マラソン、アジア大会含む、五輪ものまで、ケッコーあることはありま。

日本を舞台にした卓球の「ハナ~奇跡の46日間~」(2012年・以下の引用映画は、指定以外は韓国映画どす・弊ブログ分析済み)、

五輪ハンドボールの「私たちの生涯最高の瞬間」(2008年)、

冬季五輪スキー・ジャンプの「国家代表!?」(2009年・ブログ分析済み)など、

さわやかな感動ある映画が多いどす。

ほんで、五輪水泳の本作も、そんな1作となりました。

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女の友情「ハナ」に対し、男の友情。

韓国スポ根性ものにはあまりない、男女の三角関係恋愛も。

そんなドラマに、3人の売り出し中の、フレッシュな韓国俳優・女優が登場し、演技アンサンブルをば、奏ではりましたがな。

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イ・ジョンソクと、ソ・イングクの各アニキの、水泳対決をする男性陣2人。

ほんでもって、女性アイドル、K-POPグループ「少女時代」の、クォン・ユリちゃんが、2人の間に入ってきはります。

ユリちゃんは、ギター弾き歌姫の設定どして、歌を歌ってのダイジェスト・シーンやら、

スポ根ムービー色に加え、音楽ムービー色も入るとゆう、今どきの若者向けに、考えられた作りになっとります。

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イ・ジョンソク君てゆうたら、「ハナ」にも出てたし、

ヒコーキ・アクションの「リターン・トゥ・ベース」(2012年・ブログ分析済み)やらで、

ケッコーカッコイイ役で出てはりまして、今が旬やろかと思います。

3
対して、ジョンソク君のライバル役の、ソ・イングク君。

歌手としても、活躍してはりまして、クォン・ユリちゃんの、女性アイドル性と対を成す、

K-POP男性アイドルとしてのとこも、しっかりと見せてもらえまんねん。

サントラとしても、流れよりますし。

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2人の男と1人の女の子の、ラブの掛け合いは、あっさりさわやかモードどして、でもって、サントラも、それに合わせた作りやろか。

バンド・サウンド、アップ・テンポな、モータウン的歌もの、ラテン・ノリ、さらに、ドラマティックなオーケストラ・サウンドまで、多彩にカッコヨク展開してまいります。

5
でもしか、水泳スポーツものとしての、水泳対決含む、アクション・シーンは、

かつての水泳映画にはなかった、練習シーンのダイジェスト・シーンも含めて、ビビッドに描かれとりましたえ~。

4
オリンピックものとしては、オーソドックスなストレート系かもしれへんけど、

アカデミー賞作品賞をゲットした「炎のランナー」(1981年・イギリス)を引き合いに出すのも、大げさかもしれんけど、

客観的やった「炎のランナー」対して、本作はもっと感情的に、登場人物の心理や、ドラマの中に入っておます。

そやから、アブノーマルな感じやけど、一般庶民的には、グッとくる、ポピュラーな作りになっとるんどす。

友達と見に行くもよし、家族一同でもOK。

グッとフランクに、北島選手の競泳を、見に行くようなカンジで、見ておくんなまし。

2015年2月23日 (月)

「バードマン」がオスカー作品賞!

第87回アカデミー賞の作品賞は、「バードマン」に決定!

「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、マイケル・キートン主演、エドワード・ノートン、エマ・ストーン助演、4月10日公開、20世紀フォックス映画配給●弊ブログでは、後日分析いたします)

http://Birdman-Movie.jp

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今年のアカデミー作品賞は、「バードマン」に決定いたしました。監督賞含む4冠ゲットだす。

ボクは2月21日付けで、「アメリカン・スナイパー」を本命にしたんやけど、ハズレておます。

日本では、点滅映像が問題になった「バベル」(2006年製作・アメリカ映画、ブラッド・ピット、役所広司、菊地凜子出演)で有名な、イニャリトゥ監督。

「バベル」も作品賞にノミネートされとったけど、敗退いたしました。

ほんでもって、本作でリベンジだす。

ノミネート8作品の中では、「第七芸術」としての映画の、芸術度が最も高かった作品でおます。

過去の作品賞受賞作と比べても、「第七芸術」度は、ナンバーワンやもしれまへん。

ちゅうことで、4月10日の公開日をば、お待ちくだされませ。

BL「お江戸のキャンディー」⇒月曜日本映画劇場

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広田レオナのネーさんの、映画監督作品第2弾やで~

桃井かおりネーのナレーションで、男たちの愛が展開

http://www.loveplace.jp/edocan/

2月28日の土曜日から、アイエス・フィールドとアルゴ・ピクチャーズの配給によりまして、東京・池袋シネマ・ロサやらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014 ジュ・デテストゥ・レ・コンコンブル/Love Place

女性監督がこのところ、日本映画界で活躍してはりまして、その仕上がりもよろしおます。

ほんで、女優はんも、監督やらはることもありまんねん。

最近やったら、杉野希妃ネーさん(単独インタビューは、昨年11月17日付けで)が、快作を撮ってはりま。

ほんで、本作では、広田レオナのネーさんが、メガフォンをば執らはりました。

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レオナ・ネーちゅうたら、ああ、テレビのバラエティーに出てる、あいつか、なんて思たりするやろけど、

実は、その才能の底力ぶりは、バラエティーを超えたとこに、モチありま。

バレリストとして、その芸道・芸能キャリアを始め、腰を痛めてリタイア。けども、その後、映画女優として、再スタートをば切らはりました。

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女優作品での、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば、言いよりますと…。

①夢二(1991年製作)②間宮兄弟(2006年)③だいじょうぶマイフレンド(1983年)

●主演作より、助演作が多いレオナ・ネーやけど、主演した女優デビュー作③は、アイドル映画としてのノリが、絶好調どして、

ボクは未だに、レオナ・ネーちゅうたら、村上龍監督のベスト③の、イメージに囚われておます。

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でもしか、フツーのアイドルやありまへなんだ。

1970年代の、桃井かおりや秋吉久美子やらの、大人チック・映画アイドルの系譜を、継承してはるように、ボクは思うとりました。

ほんでもって、2000年には、自ら主演して「DRUG GARDEN」で、映画監督デビューをしはりました。

ドラッグ中毒の若者を描く、迷彩的サイケな作品性に、胸騒ぎさせてくれはりました。

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ほんでもって、14年ぶりの監督作第2弾となる本作。

レオナ・ネーの趣味が横溢した、とんでもBL(ボーイズラブ)映画となりましたがな。

冒頭から男の花魁道中をヤル、白鳥太夫に扮する、真山明大クンを始め、魅力的なBL映えする、若手の役者をキャスティング。

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一方では、同じく監督もやらはった、桃井かおりネーのナレーションなど、

ベテラン陣を要所要所で、配置しはる作りを施してはりまんねん。

クラシックに合わせて踊ったり、自由ホンポーに遊んでる風の、吹越満のアニキ。

男社会の大将役として、異能ぶりを発揮。

また、竹中直人アニの、勝手気ままな演技ぶりにも、注目されたしやねん。

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ボク的には、はっきりゆうて、気色悪い映画やったけど、

色使いやサントラ使いやらで、映画的な作りがありましてな、一筋縄ではいかへん作りを、してはることは、確かどした。

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映画的照明も随所に入れてるけど、

自然を含めた緑シーンや、ブルー・トーン、さらに、赤い人工的な照明入りシーンなど、多彩に見せてゆかはります。

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和楽器、クラシック、ロックなど、多様に織り込んでみせたサントラ部は、特に印象深かったどす。

いちおう時代劇なんやけど、「ムーラン・ルージュ」(2001年・アメリカ映画)と同じく、時代考証無視系のサントラ使いどす。

ディスコ・シーンで、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」を掛けたり、

ハードロック・バンドサウンド、16ビートロックまで、ホンマ、ノンジャンル系でのサントラ流し。

ボクとしては、「桜蘭高校ホストクラブ」(2012年・弊ブログ分析済み)と対を成す、カルティックな快作どしたえ。

2015年2月22日 (日)

夫婦映画の傑作「振り子」⇒日曜邦画劇場

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中村獅童アニキと小西真奈美ネーさんの夫妻映画どす

夫婦の在り方を紡いだ、誠実な作りが好感を呼ぶ

http://www.furiko.jp

2月28日の土曜日から、よしもとクリエイティブ・エージェンシーはんの配給によりまして、東京・角川新宿シネマ、池袋シネマ・ロサ、大阪・TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014『振り子』製作委員会

日本映画の夫婦映画てゆうたら、そら、かなりのタイトル数がござりまっせ。

ちなみに、20世紀のマイ・ベスト・スリー(順不同)をば、言いますと、

①夫婦善哉(1955年製作)②名もなく貧しく美しく(1961年)③大阪物語(1999年)。

ほんで、21世紀のベスト・スリー(順不同)は、どないやろか。

①本作②ぐるりのこと。(2007年)③明日の記憶(2006年)

●夫婦のどちらかが、病気系やトラウマ系の夫婦映画は、21世紀になっても、ケッコー出とります。

大阪舞台系の20世紀①③のように、夫婦の在り様を、自然体系で捉えた映画も、しみじみとエエし、

でも、ドラマティック・ポイントとしての、ビョーキ設定も、感動のドラマへと、もっていく手法としては欠かせまへん。

1
でもって、本作もまた、そのセオリーに即した映画なんやけど、

でもしか、1976年から2001年にわたる、いわゆる大河ドラマ仕様でおまして、

20世紀ベスト②や「喜びも悲しみも幾年月」(1957年)みたいに、前半は夫妻のキズナぶりが、好感あるカタチで描かれとりまして、

ほんで、後半ではビョーキ系が、遂に出てしもて、ドラマティック度が増してまいります。

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ボクは、前半の昭和映画ノリに、まずは魅せられました。

中村獅童(大人)・石田卓也(高校時代)が演る大介の、後見人みたいな役の武田鉄矢はん。

本作では、1976年からズーッと出てはるんやけど、「幸福の黄色いハンカチ」(1976年)のイメージと、ダブって見えたり、

若い2人がデートで見る映画が「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977年・アメリカ映画)やったり、

さらに、研ナオコはんの出演やら、1970年代部の懐かしさ。

ほんで、そのノリのままに、夫妻の映画へと、個人的にはノメり込んでゆけよりました。

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夫役は中村獅童のアニキで、妻役は小西真奈美ネーさん。

「いま、会いにゆきます」(2004年)で、夫役は既に体験済みの獅童はんやけど、

本作ではさらに、より自然体に回帰してはります。わざとらしさがありまへん。

片や、小西ネーさんは、マイ彼女の最高傑作「のんちゃんのり弁」(2009年)の攻撃的を封印し、

夫の浮気にも動じない、献身的な妻役を披露。

脳梗塞で、半ば植物人間的になってからも、ビミョーな喜怒哀楽を表現しはって、ボクは思わず泣きましたがな。

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日本映画的人情節も、ふんだんに取り込まれた映画どした。

夫婦の仲を象徴する、振り子の柱時計のタイトな挿入。

色使い、特にいくつかある、夕景シーン。

写真上から4枚目の、川べりの土手通りのシークエンスは、かなりと印象に残りましたわ。

サントラ使い的には、弦楽オーケストラ、しっとりのピアノ、ラストロールのフィメール・バラードなど、

こちらもドラマと共に、ココロに何かを残してくれはります。

ラストの方では、ダブル・サプライズがあるんで、ご期待あれ。

ちゅうことで、最後までさわやかで、鑑賞後感も心地よい、夫婦映画の快作どした。

2015年2月21日 (土)

第87回アカデミー賞作品賞⇒直前マイ予想でおます

今年のアカデミー賞は、日本時間2月23日月曜に発表です。

●作品賞ノミネート作品一覧

 ①「アメリカン・スナイパー」(クリント・イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパー主演、2月21日公開・弊ブログ分析済み)

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②「6才のボクが、大人になるまで。」(リチャード・リンクレイター監督、イーサン・ホーク&パトリシア・アークエット出演、昨年公開・ブログ分析済み)

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③「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、マイケル・キートン主演、エドワード・ノートン、エマ・ストーン助演、4月10日公開、ブログ後日分析)

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④「グランド・ブタペスト・ホテル」(ウェス・アンダーソン監督、昨年公開済み、ブログ分析済み)

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⑤「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(モルテン・ティルドム監督、3月13日公開、後日分析)

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⑥「Selma(原題)」(キューバ・グッティング・Jr.出演、今年公開予定、後日分析)

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⑦「博士と彼女のセオリー」(ジェームズ・マーシュ監督、エディ・レッドメイン&フェリシティ・ジョーンズ主演、3月13日公開、後日分析)

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⑧「セッション」(デイミアン・チャゼル監督、J.K.シモンズ出演、4月17日公開、後日分析)

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●過去の作品賞受賞作品と、シンクロナイズするような作品が並んでおます。

渡辺謙さんやらを含めた、スタッフ・男女優の関係者オンリーの、アカデミー会員はんらは、一体今年は何を選ぶんか、かなりとビミョーでおます。

各ノミネート作品の、過去の作品賞との、シンクロをば言いますと…。

戦争映画①は、「西部戦線異状なし」(1930年製作)から、「ハートロッカー」(2010年)まで、戦後のトラウマ系も含めてシンクロ。

受賞度も高い、家族映画は②どす。

ウディ・アレン監督「ブロードウェイと銃弾」(1994年・ノミネートも落選)などの、演劇のメイキング映画で、1時間40分にわたる、世界最長のワンカット長回しも入った③。作家性としては、③が最も芸術度が高いやろか。

「グランド・ホテル」(1932年)の応用型④。

第二次大戦の戦場描写やない、逸話・裏話もの⑤は、かつては苦戦の傾向にあり、受賞は難しいか。

⑥だけ未見どす。

⑥が獲ったら仕様がないけど、黒人差別・運動ものは、昨年「それでも夜は明ける」(2013年・弊ブログ分析済み)で獲ってるだけに、今年もやったら、おいおいそんな…と思うんやけど…どないなるやらはわかりまへん。

実話の夫婦映画の⑦。

夫が統合失調症やったけど、ノーベル賞をもろた実話「ビューティフル・マインド」(2001年)と比較考察し、その夫婦の在り方を問えるような、傑作になっとるんやけど、イギリス製作なだけに、受賞はどないやろか…。

音楽人間ドラマ映画として、かつてない攻撃的かつ刺激的な作りを示した⑧。

サンダンス映画祭では、グランプリと観客賞をW受賞しはりました。

でも、こおゆう低予算映画は、アメリカン・ニューシネマでも、大手の映画会社が入っていない限りは、苦戦してはりました。

ちゅうことで、ボクの予想は、分析の項でも書いたんやけど、部門賞はここ数年の傾向から、バラけるやろけど、

結論は、クリント・イーストウッド監督の①が、監督の3度目の作品賞ゲットになると見ます。

でもしか、②は強敵どす。

月曜日の結果を待ちましょう。

続報・結果は、2月23日にお知らせいたします。

2015年2月20日 (金)

「愛して飲んで歌って」⇒アラン・レネ監督の遺作

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晩年は芸術性よりも、分かりやすさへとシフトしたアラン・レネ節

一切出ない主人公ジョルジュは、まさにレネ監督ご自身や

http://www.crest-inter.co.jp/aishite

2月21日のサタデーから、クレストインターナショナルはんの配給によりまして、テアトル梅田やらで、全国順グリのロードショーだす。

東京では、岩波ホールで2月14日より上映中。

本作は2014年製作、本編108分のフランス映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

本作は、フランスの巨匠アラン・レネ監督の遺作なんやけど、みなはん、彼を知ってはりますかー。

1950年代末に出た、フランソファ・トリュフォー監督やジャン・リュック・ゴダール監督(彼の最新作は3Dで、この1月に日本公開されました)が牽引した「ヌーベル・ヴァーグ」派とも取れる監督なんやけど、

でもしか、トリュフォーやゴダール作品とは違う、かなり難解な芸術度の高い作品をば、当初は作ってはりました。

でも、それらの作品は、第七芸術としての映画の在り方を、見事に貫いた、映画史に残る傑作どす。

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ちゅうことで、ここで、レネ監督の芸術映画、分かりやすいエンタ映画の、各マイ・ベスト・スリー(各順位通り)をば、選んでみますと…。

●芸術映画ベスト⇒①去年マリエンバートで(1961年)②二十四時間の情事(1959年)③プロビデンス(1977年)

●エンタ映画ベスト⇒①本作②恋するシャンソン(1997年)③風にそよぐ草(2009年)

●ボクのレネ監督作品鑑賞体験の最初は、芸術ベスト①どした。

過去と現在が交錯し、何が何やらさっぱり分からない映画で、なんじゃこらーと、頭を抱えてまいました。

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レネ監督の映画なんか、2度と見るかと、ボクは思ったんやけど、3本立ての2番館で、芸術②③を見てまいました。

でもしか、②③はまだ、分りやすかっただけやなく、ラブ・ストーリーの新味②、孤独映画の滋味③と示されて、グッと魅了されてもうたんどすえ。

1978年の「アメリカの伯父さん」あたりからは、分かりやすい家族ドラマを作らはって、

ミュージカルのエンタ・ベスト②や、パロディっぽい恋愛映画のエンタ③など、

見ていて、ワクワクウキウキできるような映画を、作り続けてきはりました。

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そして、本作は、レネ監督の、エンタと芸術をミキシングしたような、総決算的な群像劇となりましたがな。

3組の夫婦の話なんやけど、彼らと知り合いの、俳優ジョルジュが、死期が迫っとることを知らされて、

かつてジョルジュと付き合ってた、各夫婦のヨメはんが、ジョルジュと最後の日々を、一緒に過ごそうと、

夫の了解のもと、島へのバカンスへ行ってみよかーっちゅうお話どして、

各夫婦の想いや混乱ぶりが、カットバックにて披露されま。

ほんで、本来やったら、主人公たるべきのジョルジュは、何と一切その姿を見せまへんねん。

こおゆう作術は、最近なら、日本映画の「桐島、部活やめるってよ。」(2012年)なんぞで使われとりました。

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風景のワンカットと、前へ前へのロード映像に加え、穏やかなサウンドを流して、地図のデザイン・カットを、タイトに入れて、物語が展開しま。

このカットの挿入こそ、芸術度ポイントの1番点やろか。

ツーショット会話の1~2分の長回し、「去年マリエンバートで」的カットもある、時おりのキレるロングショット、

ブルーバックならぬ、網目の壁を背景にした、登場人物たちの述懐、

演劇公演のメイキング的なノリやら、多彩に、レネ節作家性で魅せはりまんねん。

ほんでサントラ。

ラストロールで流れる、映画タイトルにもなった、大仰そうなポップスのインパクトは凄かったわ。

ちゅうことで、遺作にして、自身のエンタの最高傑作を、クリエイトしはりましたんえ~。

2015年2月19日 (木)

「みんなの学校」⇒学校ドキュメンタリーの日本映画

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関西テレビが製作した、大阪住吉区の小学校の物語

「みんなで作っていく」学校とは?

http://www.minna-movie.com

2月21日の土曜日から、東風(トンプウ)はんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで、3月7日の土曜日から、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ関西テレビ放送

「みんなが作っていく学校」やなんて、今どき、どないなイメージがあるやろか。

しかも、義務教育の小学校で、しかも公立やで。

21世紀の教師と生徒の学校ドラマの、マイ・ベスト邦画については、「くちびるに歌を」(2月15日付け)のとこで披露したんやけど、

本作はドキュメンタリーでおます。

でもしか、拝見しますと、ドラマ映画並みには、派手やないけども、泣かせるエピソードが、随所に描かれとる作品どした。

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ともすると、それが100パーセントの実話なんやけど、そんなことがホンマにあるんやろか、ヤラセとちゃうんか、っちゅうような疑いも出てくるやろか。

このドキュを信じるか、信じないかで、大きく評価の分かれるような、そんな作品やとボクは見ました。

ボクは、ホンマかいなの方どした。

毒はほとんどなく、摩擦、拮抗部が、すんなり解決してゆくなんて、ないんとちゃうのんとか、

男子生徒だけなんやけど、問題児の描き方やら、もっと悩み深き負の部分も描いても…なんて思たんやけど…。

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先生と生徒だけやなく、地域の人々の支援によって、学校が成り立っとるとゆうんやけど、

そういう美談なとこは、女校長先生の口からしか発せられず、校外の人たちの談話は、親以外は少のうおます。

ホンマの現実が描かれとるんかいなと、つい思たりもするんやけど、でも、本作の大空小学校ドキュは最後まで、致命的な汚れや負の部分を見せはりまへん。

ある意味、今の時代の学校とは、こうあるべきやとゆうようなとこが見えてしまって、文部科学省推薦映画になったとしても、

映画としての深みや作家性は、どないやねんと思てしもたりして…。

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不登校の生徒や、身体障害者の生徒が描かれるんやけど、彼らの心理の深みや、家庭の事情などは全く描かれず、

また、女生徒については、避けるように全く描かれてへんかったりと、少しく不備が見え隠れしとります。

問題生徒と向き合う校長先生の言葉だけが、妙に光ってるようなイメージもないとは言えまへん。

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さてはて、この前分析した、フランスの高等学校ドキュメンタリー「バベルの学校」(1月27日付け)は、生徒たちの主張がメインになっとりましたが、

本作は校長が前面に出てはります。

でも、本作を、校長の主張を描く映画としてみたら、上から目線にはなるけども、納得できる仕上げにはなっとります。

運動会や卒業式など、感動的なとこで、校長の好感度高いセンスが、かなりと発揮されとりますし。

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大阪住吉区の公立小学校「大空小学校」を、地元のテレビ局、関西テレビ略して関テレがテレビで撮り、ほんで、ドキュ映画にもなった本作。

障害者の学校や、問題あるスクールを描くことが多い、学校ドキュの中で、ストレートに小学校を捉えた潔さは、今ならではこそ映える、素材なんやろかなと思います。

問題解消の、その秘訣や手法は、うまく描かれとるんで、世の親たちも目を凝らして見てみなはれ。

いじめのない学校らしいけど、いじめがなくなるにはどうすべきかちゅう、そのあたりのとこが見えてこないのが、少し不満に思たけど、

いずれにしても、良質の学校ドキュではありました。

2015年2月18日 (水)

「千年の一滴 だし しょうゆ」⇒日本・フランス合作ドキュメンタリー

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だし・しょうゆの素をたどる、和食・味付けドキュメンタリー

まさにこれぞ、究極の食ドキュの在り方やで~

http://www.asia-documentary.com/dashi_shoyu/

如月(きさらぎ)2月21日の土曜日から、プロダクション・エイシアはんの配給によりまして、第七藝術劇場やらで、全国漸次のロードショーだす。

本作は、第1章「だし」50分、第2章「しょうゆ」50分に分かれた、2部構成のドキュメンタリーどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒプロダクション・エイシア/NHK

2013年に「和食」は、ユネスコの無形文化財に認定されて、話題を呼んだんやけど、

ほなら、そんな和食をテーマにした、映画を撮ろうとしたらでんな、ドラマであれドキュであれ、

和食にはこんなんがありまっせー、ほんで、こんなんを作るのに日々、料理人は活躍してまっせー、みたいなんが作られるやろうかと思うんやけど、

いやはや、この映画は、そんな想定とはエライ違いよりました。

オバマ大統領&安倍首相が会食した店を、舞台にした「二郎は鮨の夢を見る」(2012年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)みたいな、スシ職人の人間ドキュやありまへんねん。

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和食の調味・味付けの素を、細かくたどったドキュどして、

それらに関わる人々の、いちおうのドラマでもあるんやけど、社会的に問題のある食を、たどったりする食材や主食にまつわる話は、ケッコーあるんやけど、

こおゆう調味を探ってゆく、ドキュやドラマっちゅうのんは、ボクは初めて拝見させてもらいました。

映画は人間を描くんが、ボクは1つのポイントやと思うんやけど、

でもしか、本作では、調味の素材に関わる人々の、生活やドラマ部も、群像劇的にきちんと描かれておますんで、人間ドキュとしてのとこも、しっかりしておます。

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さてはて、その調味の素やけど、第1章「だし」と、第2章「しょうゆ」に分かれた、2部作仕様どす。

ナレーションは、「だし」では、女優・木村多江のネーさんが、優しゅうて柔か~い口調で、

「しょうゆ」では、奥貫薫ネーさんも同様どして、

セリフも素晴らしいので、映像とセリフが合致して、説得力を含め、見事に融合調和しておます。

ナレーションがいかに、ドキュにとって大事なところかも、改めて認識するような次第どしたえ。

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「だし」では、「だし」の素、昆布、かつお節、しいたけの3つが細かく分析されてまいります。

でも、いかにも学究的なノリやなく、あくまでそれらを生産する人々の、暮らしや風土を中心に展開していきまんので、ややこしいのんは、なーんもありまへんねん。

北海道や宮崎県のおばあちゃんなど、日本の林業・漁業・農業の人間の雛形的で、妙に愛着が湧きよりま。

また、日本の四季の美しき風景も捉えられて、うっとりやったり、癒やしをもらえたりしまっせ。

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「しょうゆ」編では、職人ドキュのノリで、しょうゆの作り方、プロセスが描かれてまいります。

こちらは、京都の職人はんらが、登場しはりまんねん。

薄口しょうゆ、濃い口しょうゆ、さけ、みりんと、和食の4つの味付けと、それらをミキシングする手法があるんやけど、

ここでは、そのベースとなる、しょうゆが主役どして、そのノウハウが、事細かに描かれてゆくんだす。

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時おり、サーモスタットな映像や、ミクロ部分のマイクロ撮影など、特撮を駆使してはります。

人々へのインタビューもあるけど、この詳細なしょうゆ作りの中で、だしやしょうゆが、まるで生き生きとした生き物のように、輝いてまいるんどすえ。

その不思議・快感を、みなはん、ぜひとも映画館にて、ご体感してくだされまし。

2015年2月17日 (火)

「ナッツジョブ サーリー&バディのピーナッツ大作戦!」

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ディズニーとは少々テイストが違う、動物アニメ・ムービーどす

「アナ雪」「ベイマックス」以上に弾ける、元気系のアニメだす

http://www.nutjob.jp/

2月21日のサタデーから、インターフィルムはんの配給によりまして、イオンシネマやらで、日本語吹替え版にて、全国ロードショーでおます。

本作は、2014年製作の、アメリカ・カナダ・韓国の合作映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸREDROVER CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

動物アニメやゆうて思い出すんは、定番過ぎるんやけど、なんちゅうても、まずは、ディズニー・アニメでおましょう。

でもしか、ディズニーは、動物の世界の弱肉強食やとか、食うて生き残るための、サバイバルものちゅうのんは、あんましピンとくるもんがおまへん。

ディズニーみたいに、動物たちを擬人化して、ヒューマニズムを掲げるタイプのアニメとは、本作は一線を画しておます。

それでいて、コドモたちを始めとして、勇気や元気をくれるテイストは、全くもって変わりまへんねん。

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そして、本作は動物同士の対抗や絡みやなく、人間対リス・グループの攻防戦がメインどして、

リスたちが、人が持つ彼らの生きる糧となるピーナッツを、奪取せんとする、作戦行動が展開しよります。

リス社会で、少なくなった食料ナッツ探しの、任務を背負ったグループが結成され、行動に移ったんやけど、

チームワークを乱す個人行動で、奪取作戦に失敗し、仲間からドロップアウトした主人公サーリーは、

失意の中で出会った、ネズミのバディと生活し、ほんで、ミッションを続ける、雌リスのアンディと再会して…。

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リスの世界だけでは、話は展開しまへん。

主人公の相棒のネズミ、ヒトに付いてるイヌのサポートなどを得て、

森のコミュニティをポイントに、ギャングが経営する大型ナッツ店からの、ナッツ奪取作戦が、スリリングに展開してまいります。

サーカスする昆虫のディズニー&ピクサーの「バグズ・ライフ」(1998年製作・アメリカ映画)やら、生き残ろうとする動物たちを描いた、氷河期の「アイス・エイジ」(2002年・アメリカ)やらのセンスがあるし、

おとなしいネズミや、メスイヌ・キャラの好感もありーので、ヒロイズムあるリス・キャラは、ユニークで好感度も、かなりと高いと思いま。

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サントラ使いも、ディズニーに勝るとも劣らない、仕上げぶりどす。

ディズニーは作品性に関わらず、壮大なバラードをば主題歌に起用することが、多々なんやけど、

本作はあくまで、リスたちの攻撃的・前向きな内容なだけに、安直なスローにはせず、タイトでワイルド感ある、ヒップ・ホップをメインにしてはります。

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でもしか、弦楽オーケストラを始め、ブラス・バンド、ドラムの打楽器サウンド、軽いシンセ・ポップなど、多彩なインストで、作品を盛り立ててゆかはります。

さらにでんな、日本語吹替え版での上映なだけに、幼いコドモはんでも、メッチャ分かりやすい仕上げなんで、

家族一同で、見に行くアニメとしては、はっきりゆうて、今年一番の、最適な作品になっとりますで。

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「生きることは分かち合うこと」「誰だってヒーローになれる」、などのセリフから、明らかなんやけど、

ディズニーに負けない動物ヒロイズム、ひいては全世代に敷衍できる、分かりやすいヒーロー像が構築されておます。

全米で大ヒットし、シリーズ化されてもおかしゅうない本作は、

ここしばらくは目が離せへん、胸騒ぎな1本でおました。

2015年2月16日 (月)

「スペシャルID~特殊身分~」⇒香港アクションのハリウッド級を示す快作

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「インファナル・アフェア」とは、アクション・シーンの爆裂度合いが違う、潜入捜査官もの

クライマックスのカーチェイス、1対1格闘対決など、メッチャなハラドキに満ちて…

http://www.specialid.ayapro.ne.jp

2月21日のサタデーから、彩プロはんの配給によりまして、東京・新宿武蔵野館やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、2月28日から、シネ・リーブル梅田やらで公開どす。

本作は、2013年製作の、中国・香港合作映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Beijing Starlit Film and TV Culture Ltd. co.

香港映画のアクション映画、バトル映画ちゅーたら、1960年代のショウ・ブラザーズ製作作品の時代から、

ハリウッドまで震撼させた「燃えよドラゴン」(1973年製作・アメリカ&香港合作)などの、ブルース・リー・アクション。

そして、その後も、ジャッキー・チェン、ジェット・リー、チョウ・ユンファらが、

恒常的に、バトル・アクションを始め、刑事アクションものまで、命懸けで演技してきはりました。

ほんでもって、唐突にやけど、刑事アクション系香港映画における、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露しよりますと…。

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①本作②インファナル・アフェア(2002年・以下の引用は指定以外は、全て香港映画)③ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年)④インファナル・アフェア/無間序曲(2003年)⑤男たちの挽歌(1986年)

●アクショナブルな香港刑事ものとしては、ジャッキー・チェン主演の③が、本格的な作りとしては、香港刑事アクト映画の嚆矢やろか。

ほんで、続いて、刑事だけやなく、ヤクザやらチンピラやらも相棒としつつ、香港黒社会へ挑む、香港ノワールの嚆矢と呼ぶべき⑤。

ジョニー・トー監督作品などに、大いなる影響を与えはりました。

そして、潜入捜査ものの新味を打ち出し、マーティン・スコセッシ監督により、ハリウッドでリメイクされて、アカデミー賞作品賞までゲットした④。

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ほんでもって、本作は、潜入捜査もんやけど、これまでの香港刑事アクションの、集大成的な作りになっとりまんねん。

そのアクションを担う主人公役は、ドニー・イェンのアニキどす。

冒頭の、香港のヤクザたちへの、潜入捜査ぶりでの、生身の格闘アクションを始め、

中国側警察と香港警察の、共同捜査における、潜入ぶりでも、潜入捜査での嘘の、兄弟分アンディ・オンとの間で、丁々発止な格闘が展開しよります。

ほんで、中国側にいてはる、スリム・ビューティーな、女刑事ジン・ティエンちゃん。

このティエンちゃんの、トンデモ無謀なアクトぶりには、目が点になりま。

いくつもある、ドニー・イェンとのやり取りは、本作の大きな見どころにもなっとります。

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そしてそして、銃撃戦を経て、クライマックスの凄まじき決戦へ。

ティエンちゃんが、スルスルと、バスの屋根から、犯人の車の屋根へ行き、車内に入り込んで、犯人をやっつけようとするシーンは、ハラドキのピークを示し、

さらに、カーチェイス・バトルまで打ち出して、ハリウッド映画に勝るとも劣らない、シークエンスをば創出してはります。

で、最後は、ドニー・イェンとアンディ・オンの、1対1のガチ対決や。

「燃えよドラゴン」や「男たちの挽歌」を思い出させる、この対決シーンは、香港映画史に残ってもおかしゅうない、バトル・シーンでおました。

過去のセピア・フィルター入りのシーンなど、渋みがあるし、

加えて、ラストロールで披露される、グッとくる男のバラード・ポップスなど、細部のとこでも魅せはります。

ちゅうことで、香港アクション映画の、現代の粋を見せる傑作でおます。

2015年2月15日 (日)

新垣結衣主演「くちびるに歌を」⇒日曜邦画劇場

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クールで不機嫌に生徒を導く、新垣結衣ガッキー先生の、最高傑作やで~

長崎ロケ映画としても、過去最高の傑作になったか…

http://www.kuchibiru.jp

フェブラリー2月28日のサタデーから、アスミック・エースの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015『くちびるに歌を』製作委員会

Ⓒ2011中田永一/小学館

本作は、教師と生徒たちのキズナを描く、学園ものでおます。

この種の映画は、邦画・洋画を問わず、多数出回っておます。

そんな中で、21世紀に限定して、日本映画の、教師と生徒たちの関係性を描いた、

マイ・ベスト・ファイブ(順不同・先生役アクター&アクトレス・学校の種別)を、思い付くままに言いますと…。

①本作(2015年製作・新垣結衣・中学校)

②告白(2010年・松たか子・中学校・弊ブログ分析済み)

③機関車先生(2004年・坂口憲二・小学校)

④ブタがいた教室(2008年・妻夫木聡・小学校)

⑤青い鳥(2008年・阿部寛・中学校)

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●あんまし高校もんを選んでへんねんけど、過去を見ますれば結構、ラブ・ストーリーやら、生徒たちの関係ドラマやらを含めて、圧倒的に高校もんが多いんやけど、

中学は意外に少なく、ベスト②や「バトル・ロワイアル」(2000年)などの、血なまぐさいもんやら、いじめにまつわる復讐劇とも、取れんこともない⑤などが、傑作としてありましてな、

タカラヅカみたいに、清く正しく美しく、やってみよかーちゅうのんが、あんましありゃしまへん。

でもしか、そんな中でも、本作は中学もんでも、教師と生徒のヒロイズム描写が際立った傑作となりました。

21世紀の「二十四の瞳」(1954年・ブログ分析済み)とゆう、宣伝コピーもあるんやけど、

時代背景も当然違うし、21世紀の今を捉えて、少しく違った、女教師と生徒たちの関係を描かはりました。

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友人・木村文乃の妊娠・産休に、その一時代理教師として、東京から長崎・五島列島の中学校へ、元ピアニストの新垣結衣ネーさんが、赴任してきはります。

ガッキーはピアニスト時代に、彼氏との間で、トラウマがありましてな、生徒たちをマトモに教えられるような、心理状況にはありまへんねん。

それやのに、なんでやって来たんやとなるんやけど、そのあたりは、徐々に明らかになってゆきよります。

生徒と接するガッキーのクールさは、「がんばっていきまっしょい」(1998年)の、生徒役・田中麗奈と接する、コーチ役・中嶋朋子のイメージやらとカブるんやけど、

でもしか、生徒の方からのホンネの告白で、心を開いてゆくシーンは、感動的なもんになっとります。

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長崎の自然風景を見せるだけやない、映画的ロングショットの頻出。

サントラは、ピアノを弾けなくなったガッキーが、弾けるようになるまでは、控えめな使い方でいってはりまして、意図的に作品性に合わせたもんどす。

アンジェラ・アキの、ピアノ弾き語りメロディアス・ナンバー「手紙~拝啓 十五の君へ~」の主題歌起用は、

桜庭ななみ主演の、高知ロケ高校学園もの「書道ガールズ」(2010年・ブログ分析済み)に続いて、2度目となりますが、

本作では、生徒たちがコンクールで、その歌を合唱するので、本作での使い方の方が、より説得力を持たせておます。

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さてはて、ラストの生徒と先生の別れのシーンは、この種の映画の定番かもしれへんけども、

でもしか、ガッキーの最後に見せる笑顔には、グーンと癒やされますし、ウーンと胸にきまっせ。

長崎ロケ映画としては、「捨てがたき人々」(2014年・ブログ分析済み)とは、真逆の美しき仕上げ。

たぶん、コレが本当の長崎・五島列島なんでおましょう。

今どきのアイドル映画の、巨匠となった、三木孝浩監督の手腕にも、よるところは大きいかも。

「二十四の瞳」には及ばずとも、そのキズナ美しき仕上げは、

「二十四の瞳」魂を、受け継いだ作品やと言えましょう。

2015年2月14日 (土)

「クレヴァニ、愛のトンネル」⇒週末日本映画劇場

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アイドル映画の、新味を見せる作品

少女を撮るのが巧みな、今関あきよし監督の新作

http://www.is-field.com/klevani

2月21日の土曜日から、アイエス・フィールドとアルゴ・ピクチャーズの配給によりまして、新宿K's cinemaやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「クレヴァニ、愛のトンネル」製作委員会

スタデイしまするに、本作の今関あきよし監督といえば、

女子高校生くらいの少女をヒロインに、アイドル映画チックに描くのんをば、得意にしてはります。

富田靖子の「アイコ16歳」(1983年製作)、持田真樹の「すももももも」(1995年)、佐藤藍子の「タイム・リープ」(1997年)、大河内奈々子の「ルーズ・ソックス」(1997年)、

初代「モーニング娘。」たちを主演にした「モーニング刑事。 抱いてHOLD ON ME!」(1998年)など、

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彼が撮った映画のほとんどが、少女アイドルチック映画なんでおます。

そして、本作は、久々に撮った、チェルノブイリの悲劇を描いた「カリーナの林檎」(2011年)に続く、業界復帰の第2弾でおます。

「カリーナ」に続き、海外ロケを敢行。ウクライナ・ロケへ。

社会性のある「カリーナ」も、少女を描くことはやめてはりまへんどしたが、

本作ではあからさまに、少女(未来穂香=みき・ほのか)を、崇高なる偶像性ある、アイドルとゆう視点で描いてはります。

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しかも、教師と教え子の恋愛でおまして、禁断の恋愛のはずが、そのへんはスムーズにスルーしながら、話は進行してまいります。

でも、ドライブへ行って、事故って彼女が死亡。

ほんでもって、彼女の魂と再会するために、主人公の教師は、伝説のウクライナにある、愛のトンネルへと向かいまして…。

ほんで…どないなるねんっちゅう映画どす。

5
非常に分かりやすうて、シンプルな作りの映画どして、

それでいて今関監督の、少女アイドル映画への、こだわりぶりや執念が、ネチッこく感じられる映画になっとりまんねん。

今関監督自身を、本作に投影してはるんでおましょうか、

映画内で教師主人公が、恋する女生徒を、八ミリで撮るとゆう設定をば施してはります。

4
映画の中で、映画を撮ってるタイプの映画は、映画メイキング映画が多いんやけど、

こおゆう私的なカンジのタイプは、ともすると、プライベートまがいな、1人よがりなもんになりがちなんやけど、

その撮影部を、本編に組み込むことで、主人公のヒロインへの想いが、観客に、感情移入できやすくなっていくとこがあります。

6
ほんで、本作はそのあたりをば、うまく調整してはるかと思いました。

唐突にモノクロ・シーンを挿入しはって、意表を突かせたり、

緑のトンネルを始めとした、グリーンな自然描写・夏の薄ブルーな空・都会の夕景など、

風景描写も、美的シーンに徹してはります。

2
シーンに見合ったサントラ使いも、好調どした。

時にフル・オーケストラなサントラを流し、蝉の声と弦楽オーケストラの融合、

ピアノを掛けて、死んだヒロインを思いながら、主人公がウクライナを歩く、ダイジェスト・シーン、

ラストロールで流れる、哀愁の女スロー・ポップスなど、

2人のラブ・ストーリー・ファンタジーを盛り立てます。

2人の再会シーンの感動。その余韻。

「ゴースト ニューヨークの幻」(1990年・アメリカ映画)とまでは、ゆかへんかもしれへんけど、

シチュエーション・ラブ・ストーリーとして、妙味ある作品どしたえ。

2015年2月13日 (金)

「きっと、星のせいじゃない。」⇒今のところ、泣ける映画度今年のナンバーワン

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病気の者同士のラブ・ストーリーが、前向きに描かれて…

最後に、ポジティブな感動に包まれる快作

http://www.kitto-hoshi.jp

2月20日のフライデーから、20世紀フォックス映画の配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーだす。

本作は、2014年製作の、2時間6分のアメリカ映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

表題にも書きました通りどして、今のところ、ボクチンのやけど、今年一番の泣ける映画の登場でおます。

ビョーキしてるカップルの映画ちゅうたら、そらモーいっぱいあるし、泣きどころも定番化しとるんやけど、

本作も確かに、そのパターンを踏襲してんねんけど、泣きのポイントが、今までのんと大いにちゅうか、ビミョーに違っとります。

死んだ者への泣きやありまへん。

ヒロインが前向きに、生きていこうとするところの、感動の泣きであります。

主人公よりも、ヒロインに感情移入して、本作を見ると、

泣きだけやなく、これからも頑張るゾーっちゅう、キモチになれるんやな、コレが。

1
ヒロインは、セブンティーンにして末期ガン。

ガン治療の副作用で、肺もおかしゅうて、酸素ボンベが手離せまへん。

嗚呼、かわいそうやんなんやけど、本人はいたって冷静。

見るこちらも、ハラドキはありまへん。

当然、不登校で友達もいてへん。

けども、医者のススメで、ガン患者の寄り合いに行って、片足なしの元骨肉種患者やった、ステキな男の子と出会わはります。

メッチャ明るくて、センスあるジョークもゆう彼に、彼女は次第に魅かれ、

ほんで、彼女の好きな小説家を、彼がサポートして、アメリカから作家の住むオランダまで、一緒にヒコーキに乗って、会いにゆくっちゅうことになり…。

3
ビョーキの者同士のラブ・ストーリーてゆうたら、いかにもしみじみジメジメなとこで、それで泣きを誘うようなとこがあるんやけど、

本作はラストシーンまで、そおゆうとこが、ほとんどないんでおますよ。

コレは、ビョーキ者映画では、これまでにないカンジで、ボクは見たあとにやけど、驚いた次第でおます。

特に新機軸として、生前に、弔辞のやりとりをするとこなんか、まずないし、

ほんで、実際には、どうやったんかっちゅうとこもあり、ほんで、さらに、サプライズをば用意する仕上げでおます。

4
忘れられても、誰かは忘れていないとか、

愛する2人だけに通じる「OK」の言葉のやり取りとか、

2人の会話シーンには、常に前向きなものがあり、ホンマにこの2人、いつきてもおかしゅうない死と、隣り合わせなんかいなと思たりします。

ヒロイン役は、シャイリーン・ウッドリーちゃん。

そのお相手役は、アンセル・エルゴート君。

みなはんの大がいの人は、知らんやろけど、とにかく、共に好感度ある、感動の演技ぶりをば、自然体で見せてくれはります。

2
作家役ウィレム・デフォーはん、シャイリーンちゃんのオカン役の、ローラ・ダーンはんなど、

ベテラン陣が、2人の演技を強力サポートしてはりまして、

フツーの脇役を超えた、深き印象を残してくれます。

オランダの「アンネの日記記念館」での、エピソードを始めとした、2人のデート部などは、ついハラハラしつつも、さわやかに見れるとこは、良かったでおます。

ギター弾き語りのアコースティック・ナンバーから、エレクトロなポップ・ダンス・ナンバーまで、歌ものサントラの充実ぶりにも注目どす。

そして、ヒロインが夜空の星々を、草原に寝転がって見る、冒頭とつながるラストシーン。

涙はここで出るハズです。ちゅうことで、泣いてくだされませ。

2015年2月12日 (木)

「おみおくりの作法」⇒イギリス・イタリア合作映画

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「おくりびと」の事務員ライン・バージョン版どす

ラストシーンの感動は、特筆もんでおます

http://www.bitters.co.jp/omiokuri

ビターズ・エンドはんの配給によりまして、東京では、シネスイッチ銀座やらで上映中どす。ほんで、全国順グリのロードショー。

関西やったら、2月21日から、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸExponential(Still Life)Limited 2012

お葬式、葬祭にまつわる映画どす。

ちゅうことで、ここで、唐突やけど、お葬式・弔い関連映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、思いつくままに、披露させてもらいま。

①おくりびと(2009年製作・日本映画)②お葬式(1984年・日本)③本作④ガルシアの首(1974年・アメリカ)⑤帰らざる日々(1978年・日本)

●なんやメッチャ変なカンジになってしもたけど、

弔い行事をメインに据えた映画は、そないには多くなく、

葬式シーンのある映画は、モノゴッツーある中での⑤や、

こだわりある自己弔い的な④やらが、

選択肢の中に入ってきよるんやけど、

基本は、死者を送る人のキモチが、どう描かれているかが、ポイントやと、ボクチンは思います。

1
その意味では、アカデミー賞外国語映画賞をゲットしはった、みなはんもご存知の①は、

この種の映画の雛形で、バイブル的作品やもしれまへん。

冠婚葬祭が日常的に定着した、日本映画を3本も入れてしもたんやけど、

そんな葬式の、ハウツーを含めた全てを描いた②などは、やはり世界のどこを見渡しても、そうそうござりまへん。

ほんでもって、本作のイギリス映画は、

ゆき倒れ・孤独死・無縁仏的に死んだ人を、あったかく葬うべく活動する、ロンドンの民生係の主人公を捉えた、人間ドラマ映画でおます。

3
葬式の執りおこなわれていない人の、親戚・知人をたどって、何とかマトモにあの世へ、死者を送りたいと、無表情で仕事に没入してはる主人公。

この主人公の献身ぶりは、地味やけど、滋味深くて、見ていて肩入れしたくなってきよります。

演じるは、日本では無名やけど、名バイ・プレーヤーとして、

スピルバーグやマーティン・スコセッシ監督らとやってきはった、イギリスの円熟男優、エディ・マーサンはん。

4
フィンランドのアキ・カリウマスキ監督作品なんぞに出てくるような、無表情・寡黙な登場人物像キャラながらも、

庶民派・人情派をいくとゆうか、能弁な寅さんとは真逆の、静謐で寡黙なたたずまいを披露しはり、何とも言えない渋演技ぶりでおました。

仕事の遅さで、上から解雇通知を受けた彼は、それでも最後の仕事をば、淡々とこなさはります。

旅もするこの仕事ぶりが、本作のメイン・ソースやと言えましょうか。

5
死者を知る人と会い続け、そして、死者の成人した娘と会い、さらなるドラマティック度が増してゆきます。

それでも、最後まで静かな仕上げで、コクと深みある作りに、余韻はいつまでも…ちゅう映画どした。

2
作品性に合わせた、徹底した薄色配色。

遠近感ある室内の、パン・フォーカスなカットや、海辺のロングショットなどの映画的シーン。

哀愁感あるピアノ、ギター、ハープなどのサントラ使いなど、細部の作りも、

今年の洋画のベストテン級作品に、ふさわしいもんになっとります。

「おくりびと」に、勝るとも劣らない傑作です。

2015年2月11日 (水)

「アメリカン・スナイパー」⇒今のところ、今年のマイ・ナンバーワン洋画

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クリント・イーストウッド監督の、仁義なき戦争映画の傑作

今年のアカデミー賞作品賞ゲットも、期待できる作品どす

http://www.americansniper.jp

フェブラリー2月21日のサタデーから、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED, WARNER BROS ENTERTAINMENT INC, AND RATPAC DUNE ENTERTAINMENT LLC

老いてますます盛んに、映画史に残る傑作をば、次々に披露してはる、巨匠クリント・イーストウッド監督。

監督のスゴサは、ジャンルを問わず、名作映画の歴史を踏まえながら、

新しどころを打ち出し、さらなる高みを、目指してはるとこどすやろか。

前作「ジャージー・ボーイズ」(2014年・以下の引用は、指定以外は、全てアメリカ映画・弊ブログ分析済み)では、

音楽人間ドラマと、ハリウッド・ミュージカルを踏まえて、しかも、新領域へと踏み出す、意欲あふれる傑作どした。

ほんでもって、本作では、戦争映画どす。

5
監督の撮った戦争映画では、

共に日米の太平洋戦争を描いた「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」(共に2006年)とゆう、傑作を輩出してはりますが、

本作では、最新のイラク戦争を素材に、21世紀の今における、戦争映画の何たるかを、ディープ・インパクトに、採り上げはった作品となりました。

かつての戦争映画の傑作の、いろんなツボを押さえつつ、今の時代の戦争映画とは何かを追求し、かつてない戦争映画の大傑作となっておます。

3
例えば、本作と同じくイラク戦の兵士の、トラウマを描いた映画では、

アカデミー作品賞をゲットした「ハート・ロッカー」(2010年)なんぞがあるけども、

それよりさらに深みある、主人公の心理の奥底へと、入ってはります。

また、スナイパー映画としても、

戦争でのスナイパー対決を描いた「スターリングラード」(2001年・アメリカ&ドイツ&イギリス&アイルランド)なんぞがありますが、

対決に焦点を当てるんやなく、あくまで仲間を殺されたリベンジ・スナイプとゆうところで、

ヒューマニズムの高い作品になっとります。

1
軍の特訓シーンでは、「愛と青春の旅だち」(1982年)やら「フルメタル・ジャケット」(1987年)やらの感覚もあり、

ほんで、ベトナム戦の名作「ディア・ハンター」(1978年)「帰郷」(1978年)、「地獄の黙示録」(1979年)、「プラトーン」(1986年)などのとこからも、視野に入れてはったかと思われます。

ちゅうことで、ここで、21世紀のハリウッドの戦争映画の、マイ・ベスト・ファイブを言いますと…。

①本作②父親たちの星条旗③硫黄島からの手紙④ハート・ロッカー⑤戦火の馬(2013年)

…ちゅうことで、監督の作品が、大半を占める結果でおます。

4
軍事訓練から、4回にわたるイラク派遣の描写と、主人公がヨメと出会い、2子を儲けた、その夫婦部・家族部の描写を、

ほぼカットバックするようなカタチで、ストーリーは展開してまいります。

この種の戦争映画で、戦争(戦場)と平和(家庭)を、交互に描いた映画は稀でおます。

それだけに、新鮮味ある描写に加えて、クライマックスの戦いに向けた高揚ぶりには、恐るべし緊張感に満ちておましたえ。

2
ビンラディンのNo.2の、御用達スナイパーと、主人公の対決は、本作一番のハイライトでおましょう。

スロー・モーションを使いながらも、その対決の微細な作りには、身内が震えるようなとこがありました。

クライマックスの一大決戦では、砂嵐の中での対決をクリエイトし、

スピルバーグの「プライベート・ライアン」(1998年)の冒頭部の、臨場感に勝るとも劣らない、シークエンスをば創出してはります。

戦場から帰ってからの、主人公ブラッドリー・クーパーのアニキの、トラウマ描写も冴えとりました。

実話がベースなだけに、リアリティーはバチバチ。

鎮魂歌的な、トランペットをメインにした、ラストロールのサントラも余韻を深めよります。

西部劇、サスペンス、ボクシング映画、ヒロイン映画、ヒロイズム映画、戦争映画、ミュージカルなど、まさに多彩に作り続けてきたイーストウッド監督。

本作もマイ・ナンバーワンはモチ、今年の洋画ベストワン候補やと思います。

ちゅうことで、みなはん、映画史に残るに間違いなしの傑作をば、ぜひとも劇場へと、見に行っておくんなまし。

2015年2月10日 (火)

「でーれーガールズ」⇒今年の日本映画のベストテン級作品

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女の友情を描いた、岡山ロケ映画の傑作

山口百恵ナンバーを流して、ドラマティックにお届けやねん

http://www.deereegirls-movie.jp

2月14日のバレンタインデイから、メ~テレはんの配給によりまして、イオンシネマ岡山やらで、岡山先行ロードショーだす。

ほんで、2月21日の土曜日から、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田やら、全国のイオンシネマ系列のシネコンにて、全国ロードショーや。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015 原田マハ/祥伝社/「でーれーガールズ」製作委員会

女の友情映画ゆうたら、洋画では、ボクは「ジュリア」(1977年製作・アメリカ映画)なんかを、思い出すんやけど、

日本映画やったら、どないなもんやろか。

ちゅうことで、ここで、思いつくまま気ままに、女友情もの邦画の、21世紀のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露してみま。

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①本作②下妻物語(2004年)③花とアリス(2004年)④NANA(2005年)⑤リンダ リンダ リンダ(2005年)

●②や④は違うけど、でもやっぱし学生時代をポイントにした友情ものとゆうんは、この種の日本映画の定番やろか。

学生時代の友は、生涯の友になるっちゅう、言い古された言葉もありまんので。

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ほんで、本作は、1980年の女子高時代だけを描くんやなく、21世紀の現代との、カットバックにて描かはります。

過去と現在を、カットバックする手法とゆうのは、映画映えしやすい作りや構成どして、

選んだ5本のうちでは、本作だけがその手法を使っとるけど、実はドラマティックの、キーになるポイントでもありま。

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なんでかとゆうと、当時の謎や逸話を、現代から振り返るちゅう意味で、やっぱドラマ・ポイントのハラドキを構築するからでおましょうか。

そして、本作はそのものズバリの、2人の友情の破局の素を辿ることを、大きなネタにした作品どす。

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役者陣に目を向けてみまするに、先生役で、根岸季衣(としえ)はんが出てはります。ケッコー出番は多いどす。

ボク的には、男の友情日本映画の、最高傑作やと思とる「帰らざる日々」(1978年)が、助演やけど、ボクの彼女の、最高傑作でおます。

本作と同じく友情もの。さらに、カットバックを駆使したドラマティックなど、「帰らざる日々」とメッチャ・シンクロするとこありで、その点でも、本作に肩入れしたくなりました。

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高校時代の2人は、優希美青ちゃん(写真上から6枚目)と足立梨花ちゃん(写真7枚目)が演じてはります。

無名に近い2人やけど、2人共に「ホリプロタレントスカウトキャラバン」のグランプリ受賞者どす。

つまり、深田恭子や堀北真希やらと、おんなじスタート地点に立ってはる逸材。

この2人は本作で、2人のアイドル映画かと思うくらい、メッチャ魅力的に描かれておます。

そのあたりは、映画館で見てご確認くだされ。

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ほんでもって、大人になった2人は、元ヅカジェンヌの2人、白羽ゆりネーさん(写真3枚目の左)と、安蘭けいネーさん(写真3枚目の右)が演じはりました。

大人になったら、美青ちゃん・ゆりネーは売れっ子漫画家に、梨花ちゃん・けいネーは、母校の教師になってはります。

ほんで、女子高の創立記念に合わせて、同窓会をやろうっちゅうことで、ドラマの現在形が進行しよります。

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美青ちゃんの架空の彼氏をポイントに、梨花ちゃんも彼氏を好きになり、

彼氏を巡って、当時の2人の親近・友情が増すんやけど、

一方で、それが架空=嘘であるだけに、それが判明した時には…。

とゆう流れで、過去の物語は進行してまいります。

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でもしか、大人になった今、再会した2人。

当時のわだかまりは、今やいずこやったんやけど…。

過去の逸話を紡ぎながら、今を描く手法の映画でも、

本作はやはり「帰らざる日々」に、勝るとも劣らない感動を表現しはります。

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音楽の使い方も、その感動に、アリスを使った「帰らざる日々」と同じく、大いに貢献してはりました。

本作は、山口百恵ナンバーどす。

冒頭部の「ロックンロール・ウィドゥ」のノリ。

ほんでナンチューても、ドラマティック・スロー・ナンバー「さよならの向こう側」の、ここぞとゆう時の、忘れがたい流し方。

ボクは思わず、泣いてまいましたがな。

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さてはて、岡山ロケ映画どすが、登場人物たちがよく口にする、

岡山言葉の「でーれー」については、どおゆう意味なんか、解説はありまへん。

でも、モチ、見ていたら分かりま。

ちゅうことで、でーれーエエ映画でおました。

2015年2月 9日 (月)

森川葵ちゃん主演「おんなのこきらい」

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自ら「かわいい」を、標榜するタイプの女アイドル映画

アイドル映画への、アイロニーに満ちた作品どす

http://www.onnanokokirai.com

2月14日のバレンタインデーから、SPOTTED PRODUCTIONSの配給によりまして、東京・新宿シネマカリテやらで、全国漸次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Gold Fish Films / MOOSIC LAB

本作は、ヒロインがアイドル映画チックを標榜しながらも、

映画作家的には、アイドル映画へのアイロニーやアンチをば、込めてはるような作品だす。

こおゆう変形アイドル女優映画は、カルティックな雰囲気モリモリなんやけど、

そんな日本映画のマイ・カルト・ファイブ(順不同・対象女優)をば、21世紀作品から、思いつくままに披露してみますと…。

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①本作②海月姫(2014年製作・能年玲奈・弊ブログ分析済み)③笑う大天使<ミカエル>(2005年・上野樹里)④日々ロック(2014年・二階堂ふみ・分析済み)⑤間宮兄弟(2006年・沢尻エリカ)

●大たいにおいて、アンチ・アイドルやから、やはりコメディ・モードで展開するもんが、主流やろかと思います。

2
でも、本作は、音楽界のアイドルを描いた④、ほのぼの系を通した⑤など、マジ・モードがきっちり入っとります。

いわゆる、リアリズムなところやろか。

でもって、本作の対象女優は、今年で20歳になる、森川葵ちゃんでおます。

3
彼女の映画演技は、今のところ、今年のマイ・ナンバーワン邦画の「チョコリエッタ」(1月11日付けで分析)で、その繊細な快演技ぶりをば、見させてもろとるんやけど、

本作では、アイドルチックなだけに、全く別人が演技しとるんかと、錯覚するような、真逆の演技ぶりどした。

モノゴッツーかわいくはあります。でもしか、アンチ・スパイスが入っとるだけに、好感度はそない高くはありまへん。

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葵ちゃん、「かわいいだけで、女は生きていけるのです」と、ナレーションで言い切るんやから、

むしろボクにしてみたら、生意気やんかと反発して、この女の堕ちてゆくとこを、見てみたいなんて思うんやけど、

でもしか、本作はそのような映画にも見えないこともありまへんねん。

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そのキーを握るんは、木口健太(写真上から6、8枚目)との関わりでおます。

2人の絡みシーンでは、長回しも多く、じっくり見せようっちゅう、監督の意図があります。

監督は女性監督やけど、まだ20代の若さの、加藤綾佳のネーさんどす。

こおゆうアイドル映画を、女性監督が撮るんは珍しく、

女性視点によるものだけに、より説得力あるアイロニカル度も、増してまいるんどす。

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ミディアム・ショットな、1分から2分くらいを手始めに、5分近い長回し撮影まで、しつこいくらいに見せてゆかはります。

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さらに、葵ちゃん、いろんな女性陣との、ツーショットのやり取りもあります。

彼氏のいるバーの女店員や、会社の先輩とのやり取り。

どちらにおいても、葵ちゃんの好感度が増すどころか、むしろ、何やねん、ムカツクでー、この女! なカンジが募りまんねん。

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けども、最終的には、ヒロイン映画としてのケジメや決着部は、ちゃんとしてはるんで、

アンチ・アイドル性はあるにしても、嫌な女やなーという印象は、薄まりますやろか。

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ほんでもって、歌ものサントラは、紅一点3人組の「ふぇのたす」が担当しはりました。

テクノチック・ナンバーから、ダイジェスト・シーンで、カッコヨク流れる、ポップ・ナンバーまで、シーンを弾ませはります。

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アンチが入っとることは入っとるけど、でもしか、ヤッパ、森川葵ちゃんに魅了される映画どした。

「チョコリエッタ」と共に、彼女の魅力をお楽しみくだされ。

2015年2月 8日 (日)

榮倉奈々&豊川悦司共演ラブ・ストーリー「娚(おとこ)の一生」⇒日曜邦画劇場

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女子大生の枯れ専・トヨエツの、渋ヤラシさに共感やがな

榮倉奈々ネーさんとのラブ・ストーリー

http://otokonoissyou-movie.jp

2月14日のバレンタインデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマやらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 西炯子・小学館/「娚の一生」製作委員会

さてはて、本作主演のトヨエツこと豊川悦司が、女優と恋愛的に絡んだ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・絡んだ女優)をば披露いたします。

●ベスト⇒①一枚のハガキ(2011年製作・大竹しのぶ)②Love Letter(1995年・中山美穂)③命(2002年・江角マキコ)

●カルト⇒①本作②やわらかい生活(2005年・寺島しのぶ)③今度は愛妻家(2010年・薬師丸ひろ子)

●20代の若手女優との恋愛ものは、本作はベスト②以来やないやろか。

夫妻もののベスト①カルト③、不摂生でビョーキになるベスト③、エロぶりを示すカルト②。

けども、トヨエツの恋愛は、どちらかとゆうたら、こっちからは、飢えたようには、ガツガツ積極的にはいかはりまへん。

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ほんでもって、エエ年のおっさんになっても、本作でもそうなんやけど、

ベスト②のミポリンとのキズナみたいに、みなはんが見て、好感度あるエエ男をばやらはりまんねん。

映画評論とは何の関係もないねんけど、映画内のトヨエツの、女落としの作法や極意の、男がマネるべきベスト・スリーを、本作を例に言いよりますと…。

①どこまでも飄々とした、マイ自然体で、彼女ターゲットと接する。

②でもしか、彼女を愛しているところを、愛とゆう言葉抜きで、チビチビ彼女に聞かせていく。

③彼女と行を共にする時は、常に誠実な大人ぶりでいく。

●ちゅうことでいけば、写真上から3枚目みたいに、彼女の同意の元、足フェチから、セックスへと進展。

本編の最後には、素晴らしき結末が、待っとるような次第なんどすえ。

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トヨエツのお相手の女優は、榮倉奈々のネーさん。

演技派ぶりを示した「アントキノイノチ」(2011年・弊ブログ分析済み)など、ボク的にも胸にくる作品が、ケッコーあるけど、

でも、ヤッパ彼女は、ラブ・ストーリーに映えま。

それも、何らかのハードルや、もどかしさがあったりとかに、何や知らん、メッチャ似合ってはりまんねん。

東京から実家に帰ってきて、家を継ぐとゆう、よくあるパターンの中で、ビジターとしてのトヨエツが、勝手に入り込んできて、ほんで、2人のイロイロが始まります。

トヨエツは押し、奈々ネーは退きとゆう中で、ラブの掛け合いが展開しよります。

特に、親戚のコドモが数日間、2人と生活することによって、2人の関係が、キズナが深まるとこなんぞは、これも定番っぽいけど、よろしおました。

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ラスト30分で登場しはる、三角関係に関わる向井理アニキや、

奈々ネーの友達役・安藤サクラのネーさんなど、

ゲストの役者も豪華どして、2人の愛のドラマを、暗に陽に、盛り上げてくれはります。

バイオリン・チェロの弦楽、ギターとハーモニカなどの、ドラマに溶け込んだサントラ使いに加え、

ラストロールでは、JUJUのネーさんの、ミディアム・ポップ・ナンバー「Hold me, Hold you」が流れます。

2人のラブ・ストーリーに見合った、ベスト・ソングでおました。

快い余韻に浸りもって、劇場をあとにできることでしょう。

大人のデートムービーとしても、おすすめどすえ。

2015年2月 7日 (土)

橋本愛ちゃん主演「リトル・フォレスト 冬/春」⇒週末日本映画劇場

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アイドル映画にして「田舎暮らし」のフード映画

「リトル・フォレスト 夏/秋」に続く後編

http://www.littleforest-movie.jp

2月14日の土曜日・バレンタインデイから、松竹株式会社メディア事業部の配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ「リトル・フォレスト」製作委員会

昨年公開された、本作の前編「リトル・フォレスト 夏/秋」(Blu-ray&DVD発売中・レンタル中・弊ブログ分析済み)やけど、

岩手県・奥州市ロケで、田舎の自給自足のフード映画として、女性層をターゲットにしとったのに、

なんでか10代の男の子が、大挙して映画館にやってきたと言いま。

それもそのはず、なんせ橋本愛ちゃん主演やもん。

21世紀の第2世代の女優の、アイドル系として、メイン・キーを握る女優の1人なだけに、アイドル映画として見られるのは、必然でおましょう。

1
そんな橋本愛ちゃん主演・出演の、順不同でマイ・ベスト・スリーをば言いますと…。

①リトル・フォレスト前後編②告白(2010年製作・ブログ分析済み)③桐島、部活やめるってよ(2012年・ブログ分析済み)

●②③は助演やけど、低血圧系のクールさが目立っておました。

けども、血の通った人間らしい、あったか味を示す演技は、本作や「ワンダフルワールドエンド」(2015年・昨年12月13日付けで分析)などで、演技しはりました。

朝ドラの「あまちゃん」で共演した、能年玲奈ちゃんの、お気楽ぶりとまではいかへんけども、

ある意味で、大人しいとゆうクールさに、プラス前向きな知性が絡み合い、オリジンを示す独特な感覚どすやろか。

3
そんな彼女と、前編と同じく助演として演技しはるのは、昨日分析した「サムライフ」の主演・三浦貴大のアニキと、

同じく「サムライフ」助演の松岡茉優ちゃん。

ワケもなく実家に帰ってきて、オカンが家出してもうて、1人田畑を耕すヒロイン愛ちゃんと、共に交流するんやけど、

共に愛ちゃんに、鋭いツッコミを入れる演技もやってはりまして、

イロンナ料理を見せる作りからして、いかにも単調な話になるところを、ドラマ部なとこを担ってはるんで、

2人の演技はヒロイン・ドラマに、印象深いアクセントをば加えてはるんどすえ。

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フード・ドラマ映画は、三ツ星・四ツ星を目指したり、料理対決もの、いい料理を作るまでの、根性ものとかが圧倒的どして、

本作のように、田舎の自給自足的な創作料理を、事細かに多彩に、見せてゆくような映画ちゅうのんは、ドキュメンタリー・タッチやけど、

でもしか、フード・ドキュでも、本作ほどの細やかな描写は、ボクが見た範囲ではありまへん。

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クリスマス・ケーキ、お好み焼き的なもの、山菜や柿を使った意外性ある料理など、

まさに、これまでに映画で、採り上げられたことのない料理が、次から次へと出てまいります。

さらに、日本の四季の自然風景の美しさ。

本作では冬と春。

灰色の雲がわだかまり、セピアやピンクも入った夕景シーン、青空と黒雲で2分割の空、森の風景、雪景色など、ハッとくるシーンが多いんで注目どす。

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そして、サントラ。

前編でも2曲披露しはった、YUIがリード・ボーカルの、4人組バンド「FLOWER FLOWER」が、今回も冬版として、ストリングス入りの癒やしのスロー・ナンバー、

春版では、明るいポップ・ナンバーを披露し、ポジティブへといくヒロイン・アイドル・ドラマをば、心地よくシメてくれてはります。

ちゅうことで、さわやかな気分になれる、爽快な作品どした。

2015年2月 6日 (金)

三浦貴大主演「サムライフ」⇒週末日本映画劇場

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実話をベースにした、チームワークによる、学校作りの快作

オトン&オカン百恵・友和を超えた、三浦貴大ヒロイズムが、胸にクル仕上がり

http://www.bitters.co.jp/samulife/

2月7日の土曜日から、ビターズ・エンドはんの配給によりまして、TOHOシネマズ上田ほか、メイン・ロケ地の長野先行公開。

ほんで、2月28日のサタデーから、ヒューマントラストシネマ渋谷やら、新宿武蔵野館やらで、全国順繰りのロードショーでおまして、

関西やったら、3月21日から、テアトル梅田やらで上映だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2015「サムライフ」製作委員会

このところ、メッチャいろんな映画に出てやる、三浦貴大(たかひろ)のアニキの主演映画や。

ゆうまでもなく、三浦友和&山口百恵が、オトン・オカンのサラブレッド。

二世役者の系譜やベストなんかも、そのうちヤッテみたいけど、最近では、貴大のアニキが、エライ目立ってはります。

ある種、台本通りにマジに誠実に、やってはるように見えるけど、

本作は、はっきりゆうけど、彼のマイ最高傑作となりました。

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とにかく、彼の演技は、誠実の二文字を、地でいってはります。

百恵・友和も、共演作では、国民の好感度の高い演技ぶりで、魅せてはりましたけども、

そんな遺伝子が、彼の魂の中に、如実に引き継がれておます。

明日、分析する「リトル・フォレスト/冬・春編」でも、ヒロイン・橋本愛チャンを好サポートする、助演ぶりをば見せはります。

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自らの学校を作ろうっちゅう彼を、取り巻くサポーター・スタッフたちの、好演技にも目がいきよりました。

全員、主人公の教え子なんやけど、「リトル・フォレスト」でも、貴広アニ・橋本愛チャンと共演した、メンバー紅一点となる、松岡茉優チャン。

バーをやって、学校作りの資金稼ぎを、しようとする貴大に、イの一番に、サポートを名乗り出る元生徒・加治将樹や、

資金稼ぎ目的の、自主出版の本を売ってゆく、元生徒の営業マンたちなど、

先生・貴大についてゆく生徒たちの、演技や描写も、ググッとドラマに、のめり込める素因になっとります。

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実話やけど、でもしか、実話に映えるエエ話を、捉えてはりますが、但し、感動的な実話ラインとは、少々異にしてるやも。

例えば、タイに学校を創設しようとした、大学生たちの話「僕たちは世界を変えることはできない」(2011年製作)に、近い作品性があったんやけど、

でも、その着地点のビミョーな違いにおいて、本作はもっと前向きで、もっと元気がもらえる、作品になっとるかと思います。

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27歳で教師を辞めて、「サムライ」と「ライフ」を掛けた、自らの理想の学校「サムライフ」を作らんと、

三浦貴大アニの挑戦ぶりが、何はともあれ、人情節も取り込んで、メッチャ好感ある面白さを、引き出してはります。

家庭の事情で、学校へ通えないコドモたちを、サポートする貴大アニ。

「友達になろう」「ここから始まる」を、キー・セリフにやってゆく貴大アニには、グッと魅了されま。

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クライマックスはモチ、開校シーンやけど、それまでのところで、5人のメンバーたちの、イロイロが描かれてまいります。

特に、貴大の知らないとこで、4人の元生徒メンバーたちが、イロイロやるシーンが、あとあとココロに、ジワリと染みることになっとります。

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本編では、数秒しか映されへんねんけど、鉄橋の前で5人が並ぶカット(写真1枚目のポスター)は、本作一番の、エエカッコシーに似合う、カッコエエ・シーンやないやろかな。

さてはて、ドラマや映画のプロデューサーとして、イロイロ作ってきはった、森谷雄アニキの映画初監督作品どす。

映画作品としては、「しあわせのパン」(2012年・弊ブログ分析済み)など、手がけた多彩なプロデュース作品を超えて、森谷アニの最高傑作になっとると思います。

2015年2月 5日 (木)

「ラブストーリーズ エリナーの愛情」⇒男女別視点の恋愛映画・女編

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同じラブ・ストーリーを、女サイドから描いた映画

男サイド「ラブストーリーズ コナーの涙」との2部作で、恋愛映画の新機軸を示す!

http://www.bitters.co.jp/lovestories

2月14日の聖なるバレンタイン・デイから、ビターズ・エンドとパルコの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、テアトル梅田、シネマート心斎橋やらで、全国順繰りのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 THE DISAPPEARANCE OF ELEANOR RIGBY, LLC. All rights reserved.

昨日分析いたしました「ラブストーリーズ コナーの涙」の、ヒロイン・サイド視点からの映画どす。

でもしか、2人の恋愛部として、シンクロするシーンは、幾つかあるものの、

あくまで、ラブ・ストーリーよりは、ヒロイン映画、ヒロインの家族映画としての描き方が、クライマックスを除いて、メインになっとります。

でもって、2作品としては、「コナーの涙」を見てから、本作を見た方が、エエ感じで分かりやすうおます。

なんでかとゆうと、恋愛映画的には「コナーの涙」の意味深なラスト・シーンの謎が、本作で最後に明かされるからどす。

また、「コナー…」で描かれた、ヒロインの謎めいた行動が、本作で全て、判明することになっとりまんねん。

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ほんで、2作を見てでんな、ラブ・ストーリーとしてよりも、男のドラマ、女のドラマのそれぞれが、浮き上がるような作りになっとるんどす。

さらに、別居することになったこの2人は、夫婦どして、

2人の仲に亀裂をきたした原因が、主人公編でも伏線はあったけど、ヒロイン編の本作で明らかになりよります。

そして、ヒロイン映画としての本作は、フツーに作れば、そない大したことはないやもしれへんけど、

男・夫ドラマとの対比で紡がれて、ヒロイン・ドラマのより新しい可能性へと踏み出してはりまんねん。

さらに、夫婦映画としての新次元も、見せてくれはります。

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ヒロイン役は、演技派のジェシカ・チャスティンのネーさん。

「ヘルプ~心がつなぐストーリー」(2012年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)では、家事ができない柔な女を演じ、

「ゼロ・ダーク・サーティ」(2013年)では、ビンラディンを追いつめる、男勝りの女兵士役をキリリと演じ、

ほんでもって、本作では、その2作とは違う、オンナゴコロの複雑なとこをば、緻密に披露しはります。

いきなり、橋から川への飛び込み自殺の、長回しからスタート。

この自殺エピソードは、「コナー…」では、微妙にボカされとりました。

そやから、いきなりのショッキングでおます。

ほんで、自殺未遂に終わったんやけど、夫のとこには戻らず、実家の家族の元へと、帰らはりまんねん。

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何が原因で自殺したんかは、徐々に分かるんやけど、

その間に、妹役ジェス・ワイクスラー、オトン役のウィリアム・ハートはん、オカン役のイザベル・ユペールはん、大学教授役のヴィオラ・デイビスらと、やり取りをしはりましてな、印象的な演技的対峙が続きよります。

「ヘルプ」で主従関係を演じはったヴィオラ・デイビスとは、傷ついたヒロインのココロを癒やす、心地よいセリフのやり取りの数々に、じんわりと心に染みますし、

好感度の高い妹ジェスとの長回し撮影やら、フランスの超絶演技派イザベル・ユペールとの関わり。

加えて、ラスト近くで披露される、オトンとの過去のエピソード。

夫コナー(ジェームズ・マカヴォイ)とのやり取り以上に、家族ドラマとしての側面が、描かれてまいります。

モチ、クライマックスは夫とのシーンやけど、

でもしか、ボク的には、ヒロイン映画として、出色の仕上げぶりでおました。

名作「結婚しない女」(1978年)にも、匹敵する快作。

2015年2月 4日 (水)

アメリカン恋愛映画「ラブストーリーズ コナーの涙」⇒男女別視点の恋愛映画・男編

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同じラブ・ストーリーを、男サイドから描いた映画

女サイドとの2部作で、恋愛映画の新機軸を示す!

http://www.bitters.co.jp/lovestories

2月14日の聖なるバレンタイン・デイから、ビターズ・エンドとパルコの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、テアトル梅田、シネマート心斎橋やらで、全国順繰りのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 THE DISAPPEARANCE OF ELEANOR RIGBY, LLC. All rights reserved.

アメリカ映画(インディペンデントやない、主にハリウッド映画)のラブ・ストーリーゆうたら、

元来は、映画の中にいるみたいな、ウットリなれる恋愛映画やと思われがちどす。

いつ頃から、そんな風にゆわれたんか、よう分からへんねんけど、

往年のハリウッドのラブ・ストーリーの、今に残る名作は、「風と共に去りぬ」(1939年製作・以下の引用は指定以外は、全てアメリカ映画)や「カサブランカ」(1942年)「慕情」(1955年)など、

決して安易なハッピー・エンドには、堕さないものが多うござります。

アメリカの恋愛映画は、世界各国の恋愛映画と比べても、実は、時代を先取りするような先鋭的な傑作や、カルトな傑作が多いんでおます。

ほんでもって、本作も、今まで多数輩出された恋愛映画を覆す、実験性に満ちた快作でおます。

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アメリカ映画に限らずに、実験的恋愛映画の洋画の、思いつくままに、マイ・ベスト・ファイブをば言いまするに…。

①本作の2作②卒業(1967年)③花様年華(2000年・香港)④男と女(1966年・フランス)⑤オアシス(2002年・韓国)

●ボクの大好きな、アメリカン・ニューシネマからは、略奪恋愛の嚆矢②、

不倫恋愛の曖昧さを渋く示した③、障害者との恋愛の究極型⑤。

そして、本作は、男女恋愛の緻密さを示した④を、男側からの視点の本作と、明日分析する、女側からの視点で描いた作品で、

より細密に、男コゴロ・女ゴコロを示した作品となりましたがな。

こんな風に、2パターンで表現した映画は、恋愛映画史上初のことやないかと思います。

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本作は、ジェームズ・マカヴォイ扮する、男側・主人公視点から、描かれとります。

恋愛の女側・お相手役は、ジェシカ・チャスティンのネーさん(明日分析の「ラブストーリーズ エリナーの愛情」で、彼女の演技性を分析いたします)。

2人の恋愛部においては、明日の作品とシンクロナイズするとこは、多々あるんやけど、本作はあくまで、主人公の人間ドラマにフォーカスしてはります。

明日の分は、ヒロイン映画仕様でおます。

男女2視点の違いも、両作を見較べはったら、一目瞭然なんやけど、男視点の本作は、男の生き方を描いてきた多数の作品と、シンクロするような仕上げで、見せてくれはりました。

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さてはて、本作は、ニューヨーク・ラブ・ストーリーだす。

でもしか、モノゴッツーあるNYラブ・ドラマでも、2方向性からの描き方ゆえか、異彩を放つと共に、斬新な仕上げぶりをば示さはります。

オトンが経営する大型レストランとは違い、主人公はこじんまりとしたバー経営をやってはったんやけど、畳まざるを得ないことになってもうて、悩み深き哀愁感あるシーンが続きまんねん。

オトンと、歩きもって相談する、移動撮影による長回しやら、別居してる妻・ヒロインをストーカーして、再会するシークエンスの長回しなど、ここぞとゆうポイント部で、長回しを駆使してはります。

店の人たちとのキズナ部など、彼女との関わりやないとこで、しみじみとした感動がありました。

2010年代の話ながら、「グリニッチ・ビレッジの青春」(1976年)のような感覚ある、1970年代的薄色配色の妙とかにも、渋みあり!でおましたえ。

明日分析の女視点版と、比較してもエエねんけども、

本作は単体作品としても、男ドラマの快作になっとります。

 

2015年2月 3日 (火)

「クリミナル・アフェア 魔警」⇒香港刑事アクション

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統合失調症の刑事(ダニエル・ウー)と、カルト集団の雄ニック・チョンの対決

実話ベースながら、ミステリアスでスリリングな展開

2月14日のサタデーから、フリーマン・オフィスの配給によりまして、シネマート六本木やらで、全国漸次のロードショー。

本作は、2014年製作の、中国&香港合作映画で「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Emperor Film Production Company Limited

リンゴ・ラム監督の作品だす。

「激戦 ハート・オブ・ファイト」(1月17日付けで分析)のところで、ラム監督のマイ・ベスト・ファイブをば披露しましたが、

本作はモチ、ベストに入る仕上がりぶりどす。

そこでも、書いたんやけど、男優ニック・チョンとの出会いが、ラム監督の作品性を、プラス方向へと向けたんやと思います。

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刑事映画なんやけど、主人公のダニエル・ウー刑事は、統合失調症(精神分裂病)に、罹っとるちゅう設定どす。

探偵・刑事側に、トラウマ・病気・急所がある映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を言いよりますと…。

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①エンゼル・ハート(1987年製作・アメリカ映画)②メメント(2000年・アメリカ)③燃えつきた地図(1968年・日本)④ローマに散る(1976年・イタリア)⑤本作

●①~③は、私立探偵もの。④⑤は刑事もんどす。

どれがどれやらとは言いまへんが、記憶喪失やらがケッコー多いんやけど、本作みたいな、ビョーキはまあ、ほとんど描かれとりまへん。

汚れ刑事ものも、ケッコー多いけど、こんな刑事役は、ボク的には初めてやろか。

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大病院詰めの警官役で、犯人役ニック・チョンの血液輸血に、協力したことで、捜査側から非難されます。

ほんで、汚名をそそごうと、思たんかどうやろか、

統合失調症と認定されながらも、犯人逮捕へと、1人で推理し、1人で立ち向かわはりまんねん。

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エキセントリックなんは、どっちかとゆうたら、ニック・チョンなんやけど、

ダニエル・ウーは、ビミョーで複雑な2面性を、おどおど・じとじと・クールやらの演技性を組み込んで、絶妙に演じはりました。

彼の演技に即して、本作を見てゆくと、ハットトリッキーやサプライズが、グーンと胸にこたえる作りになっとるんどす。

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色使いも巧妙や。

グリーン・トーン、過去のレッド、イエロー・グリーン、火のオレンジや、水のブルーやらセピアやら。

赤青の、照明使いの妙味。

派手めを意識した配色使いに、本作の迷彩ぶりをカンジました。

主人公の火へのトラウマ描写も、本作のミステリアスを増すシーンでおます。

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そして、サントラ使いどす。

スリリングなバイオリン・サントラに加え、時おりのピアノ。

ある種のキズナ部では、ピアノが映えとりました。

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基本ラインは、ダニエル・ウー刑事対悪役ニック・チョンちゅう、シンプルな構図どして、

ジャンルとしては、刑事アクションものになるやろか。

でもしか、これまでの香港刑事映画のセオリーには、ハマらない快作でおました。

「インファナル・アフェア」(2002年・香港)に近い、インパクトもあるやもしれまへん。

持ち味は、あくまでミステリアス度の高さやろか。

主人公の造形ぶりに、オリジナリティーがありました。

「エンゼルハート」のミッキー・ロークや、「メメント」のガイ・ピアースに、勝るとも劣らない、

ニック・チョンの怪演技に、注目してみてくだされ。

2015年2月 2日 (月)

「ミュータント・タートルズ」⇒前作3部作シリーズがバージョンアップ

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平面戦より、上下降下アクションが、モノゴッツーなことになっとります

「バットマン」「スーパーマン」やらの、空中戦なき、アメコミ原作映画どす

http://www.TURTLES-MOVIE.JP

2月7日のサタデーから、パラマウント ピクチャーズ ジャパンの配給により、3D&2D、字幕版・日本語吹替え版同時公開で、全国各地イッセーのロードショーでおます。

本作は、本編1時間41分の、2014年製作のアメリカ映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

1984年に誕生した、アメコミが原作どす。

「バットマン」(第1弾は1989年・以降の引用映画は指定以外は、全てアメリカ映画)や

「スーパーマン」(第1弾は1978年)の変身系とは違う、泥臭いカメ系のヒーロー像。

さらに、そこに、日本的アイテムの、忍者な剣戟を加えて、ユニークな集団、正義の味方チームを、編成しはりました。

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ほんで、コノ原作は、「ミュータント・タートルズ」シリーズ3部作(1989年・1991年・1993年)として、映画化され、ヒットしておます。

で、そんな映画を、バージョン・ドハデ・アップな、リメイク・リブート映画として、21世紀の現代に蘇らさせはりました。

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さてはて、本作には、マイケル・ベイはんが、製作で関わってはります。

マイケル・ベイちゅうたら、監督作品としては、日本の玩具をモデルにした「トランスフォーマー」シリーズ(2007年・2009年・2011年)や、

相棒映画「バッドボーイズ」(1995年)、脱獄作戦「ザ・ロック」(1996年)、SF映画大作「アルマゲドン」(1998年)、戦争映画「パールハーバー」(2001年)など、

映画評論家受けは良くないねんけど、観客の受けは絶好調で、日本ではそれほどではないにしても、全世界的に大ヒットをば、カマシ続けてはりまして、

今やスピルバーグに続く、ヒットメイカーになっとりまんねん。

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ベイはんには、「トランスフォーマー」の大ヒットで、日本への想いが強いんでおましょう。

忍者をヒントにした本作に、多大な思い入れがあったハズでおます。

ほんでもって、本作は、前作シリーズを遥かに凌駕する、アクション・シーンの数々を作り、ハリウッド・アクションの真髄で、魅せてくれはりまんねん。

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カメ・キャラなだけに、空は飛べまへん。

平面戦での格闘・剣戟が、最初の方では、メイン・バトルになっとったけど、

後半の、クライマックス前・クライマックスの、上から下への上下戦となると、モノゴッツーなトンデモ感アクションをば、発揮しはりましたんえ~。

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雪山から、なだれ落ちるトラックと、それを追う敵側の、上から下へのトンデモ・チェイス戦は、本作のハイライト・シーンやとゆうても、エエかもしれまへん。

スキー・チェイスやら、007シリーズやらではあったけど、こうゆうタイプは、ボクは今まで見たことありまへんな。

「インディ・ジョーンズ  魔宮の伝説」(1984年)で、少し見た記憶はあるけど、本作は、10分以上にわたるアクションやしな。

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そして、クライマックスの、超高層ビルの屋上でのアクション。

「キングコング」(1933年)以来、高層ビル・アクトは、いくつも作られてきとります。

でもしか、タイムリミットな阻止戦と、鉄塔が崩れてからの、対抗アクトのスリリング。

勝っても、みんながしがみつく鉄塔は、落ちてゆきよります。

そのトンデモ・スリリングは、本作のイチバンヤーの、見どころやもしれまへん。

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カメ・キャラ4人組に、彼らを率いるネズミ・キャラ、ほんで、彼らを幼い頃に、救ったヒロイン。

そんなヒロイン役に、「トランスフォーマー」のミーガン・フォックスのネーさんが、好感度高い演技で魅せはります。

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パッと見で、スリム・ビューティー。

ほんで、ベタなアクション・アクションしてへん、スマートなカンジ。

こおゆうアクション映画には、似合ってへんかもしれへんけど、

メッチャ魅力的で、さわやかすぎる異彩を放ってはります。

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脇役陣も、久々に見た、ウーピー・ゴールドバーグのネーさんの、

昔も今も変わらない、我が道をゆくような、ガンコ演技やらにも、グーどしたえ。

日本語吹替え版では、泉ピン子ネーが、ピッタリやん。

ヒロインのミーガンは、ベッキーのネーさん。

ボクは日本語吹替え版の3Dで、拝見させてもろたけど、ファミリーで見に行く映画の、王道映画やと思いました。

ぜひとも、家族一同で劇場へ、足を運んでおくんなまし。

2015年2月 1日 (日)

音楽映画「味園ユニバース」⇒日曜邦画劇場

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関ジャニ8の渋谷(しぶたに)すばると、二階堂ふみが共演した、大阪ロケーション映画

山下敦弘監督が「リンダ リンダ リンダ」に続いて描く、音楽映画の傑作どす

http://misono.gaga.ne.jp

フェブラリー2月14日の、サタデー・バレンタイン・デイから、ギャガはんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015「味園ユニバース」製作委員会

さてはて、いきなりやけど、日本映画のロック・ポップをポイントにした、音楽映画のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたします。

①本作②ロックよ、静かに流れよ(1988年製作)③NANA(2005年)④リンダ リンダ リンダ(2005年)⑤ラストソング(1994年)

●元来、音楽映画は、音楽愛に満ちた映画が本道でありまして、

ラブ・ストーリーやらへと着地する邦画は、少のうおます。

まあ、アメリカ映画では、そないなことはありまへんけども。

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音楽映画としてのメイン・ソースは、ベスト・ファイブの全てに共通しとるけど、

サブ・テーマ(でもしか、時にメイン・テーマにもなりま)として、男女の恋愛映画を抜いた作品揃い。

男の友情もの②。ラブ部もあるけど、ポイントは女の友情やった③。

ガールズバンドの、チームワークぶりを示す④、ほんで、男の友情を、コンサート・ツアーを通じて披露する⑤。

でもって、本作はハードルの高い、男女の友情映画になっとります。

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主人公役は、記憶喪失になってもうた、関ジャニ8の渋谷すばる君。

歌うことだけは、忘れてへんキャラクター。

片や、ヒロインは、レコーディング・スタジオを、家業として引き継いだ、二階堂ふみチャン。

2人のやり取りのいくつもが、大いなる見どころとなっとります。

沖縄出身のふみチャンが、見事な関西弁を操るとこなんか、メッチャグッときましたがな。

すばる君はネイティブやから、うまくて当然なんやけど…。

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音楽映画としての醍醐味も、モチ、味あわせてくれはります。

すばる君の、ロック的バリバリの熱血歌唱に加え、感動的なバラード、

グループ「赤犬」たちの、フュージョン・クロスオーバー的なプレイぶり、ライブハウス「味園ユニバース」で、時に魅せる歌謡曲的スパイス。

「あの頃は…」から始まる、熱血ソウルな和田アキ子の「古い日記」、

カラオケでの、スピッツの快曲「チェリー」、

松田聖子の「赤いスイートピー」まで、グッとクル、ナンバーばかりどす。

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さてはて、本作は大阪ロケ映画でおます。

本作の山下敦弘監督は、「大阪芸術大学」出身の大阪のネイティブ。

その大阪映画な心意気は、数多くある大阪ロケ映画の中でも、史上ベストテンに入ってもおかしゅうない、熱気ぶりどした。

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記憶喪失系ドラマは、これまでは逼迫系が多かったけど、本作の場合は、ナニワ人情チックに進行。

すばる君、ふみチャン共に、オトンの死を、あっさり乗り越えてまいます。このあたりは、大阪人らしさやろか。

山下監督はモチ、そんなところは当たり前だ~なカンジで、飄々と演出してはります。

ほんでもって、本作のマイ・ベストワン・シークエンスをば言いますと、

すばる君・ふみチャンの、縁側に座ってのツーショットで、スイカを食べもって、種を庭に飛ばすシーンの、長回し撮影部どす。

2人の関係性を、さりげなく示したこのシーンこそ、本作のキモ・シーンやったかと思います。

ちゅうことで、いずれにしても、男女の友情を描いた傑作でおました。

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