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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2014年12月 8日 (月)

ポーランド映画「幸せのありか」⇒本年度洋画マイ・ベストテン級の仕上がり

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久々にボクが見た、ポーランド映画の傑作でおます

タブーとも言える、重度の障害者を描いた映画どす

http://www.alcine-terran.com/shiawase/

12月13日のサタデーから、アルシネテランはんの配給によりまして、東京・岩波ホールやらで、全国順繰りのロードショー。

関西やったら、2015年1月3日から、シネ・リーブル梅田やらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸTrmway Sp.z.o.o Instytucja Filmowa “Silesia Film”, TVP S.A, Monternia. PL 2013

ポーランド映画てゆうたら、まずボク的には、アンジェイ・ワイダ監督作品を思い出すんやけど、

新作を発表し続けはる、巨匠ワイダ監督作品を除いて、

21世紀のポーランド映画には、どないな傑作があったやろかと思うと、ついウーンと、うなってまいまんねん。

まあ、あんまし、日本に上陸せえへんこともあるんやけど、「大阪ヨーロッパ映画祭」でユーロの新作を見て、それなりにオモロイ作品も、見つけられたんやけども…。

今年は、モノクロ映画「イーダ」(弊ブログ分析済み)に続き、本作をば拝見させて頂きました。

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さてはて、本作は、新しいポーランド映画とゆうより、映画史における新しさを、取り込んだ映画になっとりました。

ビョーキの人、障害者の人やらを描く映画は、それこそ映画史においては、モノゴッツーのタイトル数がありますやろか。

けども、重度の障害者を、主人公に据えるとゆうのんは、たとえ実話であっても、ほとんどありまへん。

本作の脳性マヒの知的障害者の場合は、ボクが見た範囲では、女優ムン・ソリが障害者役をやった、ラブ・ストーリー「オアシス」(2002年製作・韓国映画)くらいどすやろか。

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今年も障害者の映画には、「チョコレート・ドーナツ」(弊ブログ分析済み)などの、傑作が公開されとります。

感動や泣きを見せるための、わざとらしい演出ぶりで、見せてゆく作品もまま、あります。

けども、本作はあくまで、ナレーションを含め、障害者・主人公視点を貫き、かわいそうやとかを、極力抑制した上で、

主人公の行動や心理をば、ストレートに伝える作品になっとります。

「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年・フランス)や「ジョニーは戦場へ行った」(1971年・アメリカ)みたいに、元気だった過去を、追想カットバックすることもありまへん。

こおゆう直球の重度障害者映画は、かつてなかったとゆうてもええかもしれまへん。

また、障害者を、アカデミー賞作品賞作「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994年・アメリカ)的な、前向きノリで描いた意味においても、

本作は画期的にして斬新な、映画史に残ってもおかしくない、傑作やと言えましょうか。

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プロローグとエピローグを除いて、7章に分かれて、本作は紡がれてまいります。

1987年から2010年までどすが、それぞれのとこで、感動の逸話を、主人公視点で、さりげなく描かれよりまんねん。

オトン・オカンとの交流や、オトンの死。

白黒正方形のテレビで映される、ポーランド政界の状況やらの、時代性も織り込みつつ、

ナンチューても、メインにココロにくるんは、ボランティア女史とのラブ・ストーリー部どす。

ココが大いなる見どころに、なっとるやもしれまへん。

そして、その後の主人公の、オカンに泣きながら、感情を伝えようとするシーンやらに、ググッと泣きのポイントがあります。

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恋愛部やないけども、自分は植物人間じゃないと、関係者に伝えるシーンも、グッと胸にきましたがな。

車椅子以外は、床を這うシーンが多いんやけど、そのロー・アングルを始め、

カット切りを、最初の方では入れてはるけど、基本ラインは1~3分の長回し撮影を多投し、主人公の動きや心理を、じっくりと見せてゆかはりまんねん。

口笛とピアノとバイオリン…。特に、口笛サントラ使いが、独特やったです。

映画ファンが見る、お正月映画として、打ってつけの傑作どす。

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