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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2014年12月の記事

2014年12月31日 (水)

2014年韓国映画ベストテン⇒日本公開分どす

2014年はボクチン的には、韓国映画の豊作の洋画状況どした

サスペンス・アクション・ミステリーに加え、人間ドラマ映画もコミカルからシリアスまで、多数登場

選=映画分析評論家・宮城正樹

①悪魔は誰だ

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②ソウォン/願い

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③新しき世界

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④テロ、ライブ

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⑤王の涙-イ・サンの決断-

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⑥チング 永遠の絆

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⑦泣く男

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⑧レッド・ファミリー

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⑨怪しい彼女

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⑩観相師

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次点:⑪俳優は俳優だ

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●一般大衆的には、韓流テレビドラマ「冬のソナタ」の、2000年代初期の日本でのヒット以来、

韓国映画が日本でも恒常的に何本も、公開されるとゆう状況になったかと思います。

当初は、「冬ソナ」っぽいラブ・ストーリーや、テレビっぽい低予算のラブコメが、映画でも作られて、次々に日本に流入しとりましたけども、

アレより10年以上を経た今や、それもすっかり沈静化。

今年、ボクが選んだ10本には、ラブ・ストーリーは1本もありまへん。

でもしか、これまで、日本で売れた韓国映画は、1位の「私の頭の中の消しゴム」(2004年)、2位の「四月の雪」(2005年)と、ラブ・ストーリーがワンツー・フィニッシュとゆうことに、未だになっとります

ほんで、その後、日本では、韓国映画の全国拡大系ロードショーは、そないありまへんどした。

でもしか、本国韓国では、いっぱい映画が作られ公開され、日本未公開、あるいは単館系でひっそり公開、ストレート・ビデオ化な作品が、大多数を占めておました。

ところがどっこい、それまでにも上陸しとったんやけど、なんでか2014年は、ボク的には、傑作の韓国映画が目立っとりました。

単館系は相変わらずやけど、これまでの韓国映画にはない、気迫の込もった映画にして、斬新さが目に付いたんどす。

それぞれの作品については事細かに、弊ブログで分析しとりますけども、①②については、洋画のマイ・ベストテンにも入れました。

ミステリー・アクション・時代劇・現代抗争劇やらにおいて、手に汗握るオモロイもんを、作ってはるだけやなく、

ラブものにおいても、⑨などの変形ヒロインもの、重みある南北問題のスパイ系も、⑧のように家族ドラマな変形で見せたり…。

従来の韓国映画や韓流ドラマの、パブリック・イメージを覆す快作が多かったように思います。

2015年も、単館系ながら、弊ブログ紹介済みのギャンブル映画「タチャ」(1月23日全国順次公開)や、

水泳スポ根青春映画「君に泳げ!」(2月28日全国順次公開)などが、待機中。

共に、今までの韓国映画には、なかったところが味わえる快作どす。

とゆうことで、2015年も、韓国映画に注目しときましょう。

2014年12月30日 (火)

2014年ドキュ・ベストテン

洋画・邦画を併せたドキュメンタリー映画の、マイ・ベストテンどす

先鋭的斬新なドキュの在り方が、進行形でおます

選者=映画分析評論家・宮城正樹

①リヴァイアサン

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②ネイチャー

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③ローマ環状線

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④大いなる沈黙へ

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⑤イラク チグリスに浮かぶ平和

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⑥収容病棟

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⑦革命の子どもたち

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⑧アクト・オブ・キリング

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⑨物語る私たち

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⑩ジプシーフラメンコ

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次点:⑪ROOM237

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●全て弊ブログで分析しとりますんで、各作品の詳細は、弊ブログでご覧ください。

さて、ひと口にドキュメンタリー映画ちゅうても、実に多彩な切り口と描き方があります。

関係者へのインタビュー、現状を撮り続け、組み合わせてナレーション入りで、モンタージュ(編集)すれば、とゆう使い古された手法を、どうオリジナリティーなものにするのか。

そんなとこを、ボクは大真面目にドキュに見ようとするんやけど、そういうなんを大いに外してくれはる映画が、時おりありまんねん。

ジャンル的にマイ・ベストを見てみますと、ネイチャー・ドキュの①②、群像ドキュの③④⑥、

いわば古くから言われとる、社会派の問題ドキュに入る⑤⑦⑧、

ほんで、セレブのプライベート・タッチ⑨や、故セレブの作品性や人間性を描く⑪。

そして、音楽ドキュ・ダンス・ドキュになる⑩。

日本製のドキュは⑤だけで、あとは洋画ドキュどす。

ハリウッド大手の、ユニバーサル製作となった②こそ、大手の映画会社が作る、ネイチャー・ドキュのスタイルを踏襲しつつも、未だかつて見たことがないとこに、食い入るとゆうのは、挑戦的・意欲的どした。

固定カメラを中心に実験的な手法の①は、ネイチャー・ドキュの在り方やあたりきなセオリーを、覆すところがすごうおます。

①と②は、はっきりゆうて、真逆の仕上げやけど、どちらも未知の世界に踏み込むとこでは、同じスタンスやろか。

群像劇的には、ドキュとして初めて、ヴェネチアの最高賞・金獅子賞に輝いた③、

閉鎖的環境における、ドキュの新味を、長尺描写で打ち出した④⑥に、渋みの中にも驚きがありました。

そして、社会派においても、従来の描き方より、進化したとこを見せてくれはりました。

イラク戦における、報道記者と一家族のキズナ⑤、

革命家の子供たちに焦点を当てた⑦、

弾圧側に演技させる離れワザを見せる⑧など、

これまでの社会派のドキュ手法とは違う、ソースと切り口で魅せる逸品。

⑨⑩⑪にも、これまでのドキュにはない新味があるんで、ぜひチェックしてみておくんなまし。

2014年12月29日 (月)

2014年日本映画ベストテン

若き女性監督の、素晴らしき作品が多かった、2014年邦画界

そんな中で、21世紀の第1世代の、安藤サクラ、妻夫木聡、石井裕也監督が、快作を連発や~

選者=映画分析研究所 所長 宮城正樹

①そこのみにて光輝く(東京テアトル配給・呉美保監督・綾野剛、池脇千鶴主演)

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②0.5ミリ(彩プロ配給・安藤桃子監督・安藤サクラ主演)

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③バンクーバーの朝日(東宝配給・石井裕也監督・妻夫木聡主演)

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④百円の恋(SPOTTED PRODUCTIONS配給・武正晴監督・安藤サクラ主演)

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⑤小さいおうち(松竹配給・山田洋次監督・松たか子、黒木華主演)

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⑥東京難民(ファントム・フィルム配給・佐々部清監督・中村蒼、大塚千弘主演)

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⑦滝を見にいく(松竹ブロードキャスティング配給・沖田修一監督)

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⑧ぼくたちの家族(ファントム・フィルム配給・石井裕也監督・妻夫木聡主演)

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⑨ドライブイン蒲生(コピアポア・フィルム配給・たむらまさき監督・染谷将太、黒川芽以主演)

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⑩サッドティー(SPOTTED PRODUCTIONS配給・今泉力哉監督)

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次点⑪ぼんとリンちゃん(フルモテルモ配給・小林啓一監督・佐倉絵麻主演)

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●女性監督の作品に、ほんで、家族ドラマやら、群像劇やらにオモロイもんがあったやろかな。

アニメやジャニーズ男子主演映画がそれなりに売れたけど、でもしか、ボク的には、21世紀の第1世代女優・男優・監督たちの、活躍ぶりに魅了されました。

第2世代(染谷将太・池松壮亮・福井蒼汰・二階堂ふみ・能年玲奈・橋本愛ら)の主演作品も、それなりに良かったんやけど、ヤッパ、第1世代は健在やがな。

21世紀初期にもてはやされた、宮崎あおい・上野樹里・蒼井優らと、同世代の安藤サクラのネーさん。

遅れてきた21世紀の第1世代として、ここ数年、演技開眼ドッカーンやねん。

こりゃまったー、スゴイ演技ぶりをば見せてはります。

退きの②押しの④といった、作品に合わせたバランス感も鮮烈どして、いろんな賞で彼女を主演女優賞に選ばへんのは、どこか映画の見方が間違とったり、狂ったりしとるんとちゃうやろか。

でも、「紙の月」(2014年・弊ブログ分析済み)の宮沢りえネーさんも、サクラネーさんには及ばないけども、エエ演技やったと思いまっせ。

妻夫木聡のアニキ、ほんで、若き石井裕也監督も、野球映画③と家族映画⑧で、魅せてくれはりました。

ベルリン国際映画祭で、黒木華の女優賞ゲットも良かったけど、あくまでそれまでの松竹系家族ドラマを、逸脱してみせた⑤、

姉弟メインながら、家族映画の新味を打ち出した⑨、

群像劇のユニークさを、フワーンと出した⑩、

素人おばちゃん群像劇の面白さ⑦、

東日本大震災後の東京難民を、主人公にした群像劇⑥、

今どきの女の子を描いた⑪など、

これまでの邦画の殻を、打ち破るような映画も、ケッコー出てまいりました。

さてはて、①から③くらいまでは、僅差やったやろか。

でもしか、日本映画らしい、ラブ・ストーリーとしての仕上がり具合は、①は圧巻の出来やったかと思います。

来年のアメリカのアカデミー賞の、外国語映画賞の日本代表作品に選ばれとります。

ぜひとも、ノミネートされてほしい作品どすし、ノミニーされても、全然おかしゅうない作品でおます。

「おくりびと」(2008年)に続いて、ゲットしようで~。

ちゅうことで、全作、弊ブログで分析しとりますんで、気になる映画があったら、ぜひ見てみてくだされ。

2014年12月28日 (日)

2014年洋画ベストテン

世界各国の傑作が、いっぱい上陸した2014年

ベストテン選ぶのんに、メッチャ悩みましたがな~

ほんでもって、以下、結果

モチ、全作弊ブログ分析済み

選者=映画分析研究所 所長 宮城正樹

①悪魔は誰だ(アルバトロス・フィルム&ミッドシップ配給・韓国映画・チョン・グンソプ監督、オム・ジョンファ、キム・サンギョン主演)

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②チョコレート・ドーナツ(ビターズ・エンド配給・アメリカ映画・トラヴィス・ファイン監督、アラン・カミング主演)

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③アデル・ブルーは、熱い色(コムストック・グループ配給・フランス映画・アブデラティフ・ケシシュ監督、アデル・エグザルコプロフ、レア・セドゥ主演)

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④ジャージー・ボーイズ(ワーナー・ブラザース映画配給・アメリカ映画・クリント・イーストウッド監督)

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⑤幸せのありか(アルシネテラン配給・ポーランド映画)

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⑥グレート・ビューティー(トランスフォーマー配給・イタリア映画)

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⑦フランシス・ハ(エスパース・サロウ配給・アメリカ映画・ノア・バームバック監督、グレタ・ガーウィグ主演)

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⑧GF・BF(太秦配給・台湾映画・ヤン・ヤーチェ監督、グイ・ルンメイ主演)

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⑨ソウォン/願い(アット・エンタテインメント配給・韓国映画・イ・ジュンイク監督、ソル・ギョング主演)

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⑩ゴーン・ガール(20世紀フォックス映画配給・アメリカ映画・デヴィッド・フィンチャー監督、ベン・アフレック主演)

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次点⑪ニューヨークの巴里夫(パリジャン)(彩プロ配給・フランス&アメリカ&ベルギー合作・セドリック・クラピッシュ監督、ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ出演)

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●アメリカ映画以上に、アジアから、ユーロから、そらメッチャカッコエかったり、メッチャハラドキやったりの映画が、こぞって上陸いたしました。

特に、久しぶりに、元気やった韓国映画の強烈さが、ボク的には目立ったやろか。

ベスト①は、ミステリー・サスペンス映画として、究極の仕上げぶりを示してはりました。

⑩位も誘拐サスペンスとして凄かったけど、①はそれを上回るサプライズをば、構築してはりましたで。

韓国映画は、事件系入りの家族ドラマ⑨も、採り上げたけど、そのほかにもいっぱい傑作があったとこは、付け加えておきたいと思います。後日、韓国映画ベストテンもやりまっせ。

アジアでは、中国・台湾・香港・インドにも傑作があったんやけど、女1人男2人の青春友情ものとして、出色の仕上げを見せた⑧を、選択いたしました。

ユーロでは、カンヌの最高賞をゲットした③、

そのシリアス度とは真逆のフランクさで、男女の友達同士のキズナを示した⑪など、フランス映画は今年も、ボク的には目立っておましたやろか。

フェデリコ・フェリーニ監督「甘い生活」(1960年・フランス&イタリア)にオマージュした⑥や、障害者を主人公にした⑤など、ユーロ映画は時に先鋭的・挑戦的な作品が多かったけど、

でもしか、アメリカも、インディペンデント系が、中心になるけども、黙ってはりまへんどしたえ。

イーストウッドの④は大手作品やけど、ヒロイン映画の新機軸をモノクロで打ち出した⑦。

そして、1970年代を舞台に、当時の時代色を映しながら、ダウン症の少年とゲイの主人公たちの、

ある意味アメリカン・ニューシネマ的とも取れる、男のキズナが、感動的に描かれて、決して傑作とは言えへんかもしれんけど、ボクはこの作品に、大泣きいたしました。

キネ旬やらの読者ベストテンでは、ほぼ間違いなく1位になるんやないやろか。

今でも、映画館でやってるとこもあるハズなんで、ぜひとも劇場体験してみてくだされ。

ちゅうことで、明日は日本映画年間マイ・ベストテンをば、ヤラかします。

2014年12月27日 (土)

アメリカ映画「美しき獣」⇒かつてないバンパイア夫婦映画

1
ジョン・カサベテス監督の娘はんの、ザン・カサベテスのネーさんの監督デビュー作や~

1970年代的な作りが、グッとくるヒロイン映画どす

2015年1月10日のサタデーから、アット・エンタテインメントはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷やらにて、全国順繰りのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 BY HOUSES OF THE HOLY, LLC ALL RIGHTS RESERVED

いろんな映画監督はんの息子や娘はんが、遺伝子云々はどないか分からへんけども、イロイロ映画監督してはります。

そういうのんの、マイ・ベストとかカルトとかも、いずれやらせてもらいますが、

本作は、ヒロイン・アクション「グロリア」(1980年製作・アメリカ映画)が代表作となってはる、ジョン・カサベテスはん。

その娘はんのザン・カサベテスのネーサンが、映画を撮らはりました。

やはり、女性監督らしゅう、ヒロイン映画としての、エンタ作品を作ってきはりましたで。

モチ、オトンも、ヒロイン映画において、粋を魅せてきはった監督はんでおましたが…。

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でもしか、ヒロイン映画はヒロイン映画でも、本作は吸血鬼バンパイア・ヒロインもの。

バンパイア映画の権威、ニール・ジョーダンは、ヒロイン吸血鬼映画「ビザンチウム」(2012年・弊ブログで分析済み)でも、粋を見せはったけど、

その母娘系とは違い、本作は夫婦ものバンパイア映画をば、作ってきはりました。

夫婦ものバンパイア映画は、おそらく映画史上初ものどすやろか。

しかも、夫妻に、ヒロインの妹も関わってきはって、緊張感あるスリリングをもって、ドラマが展開する仕様になっとります。

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色使い、サントラ使いが、映画的妙味を付加しはります。

ブルー・トーン、ハープやキーボードなんぞを駆使した、1970年代的サントラ使い、ダンサブルなディスコ・シーン、トリプル・プレイを含む、セックス・シーンの映画的ヤラシさなど、

オールド映画への、さりげないオマージュも入れた、渋い仕上がりに、ボクはウウッときました。

5
ホラー映画のいろんな要素が、仕込まれとります。

血を欲しがるバンパイア的なとこを、曖昧に抑制し、吸血鬼映画らしきところもまた、控えめにしながらも、

夫婦・姉妹のドラマへと持っていくあたりに、本作の見どころやポイントがあるやろか。

吸血鬼映画の、新味を打ち出した本作。

ある意味で、覆されるハズでおまっせ。

妹と姉ヒロインの対比を、示すラストシーンなど、斬新な映像感覚がそこかしこに。

吸血鬼ホラー映画の、新解釈エンタでおました。

2014年12月26日 (金)

イギリス映画「トラッシュ! この街が輝く日まで」

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アメリカ・イギリス以外を舞台にした、イギリス映画どす

往年のハリウッド映画では、定番やった外国舞台もん

http://www.trashmovie.jp

2015年1月9日のフライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
ⒸUniversal Pictures

アメリカを舞台にしてへん、アメリカ映画(本作の場合は、イギリスを舞台にしてへんイギリス映画)ちゅうのんは、往年のハリウッド映画やらでは、定番としてありました。

但し、その舞台が、どこかっちゅうとこもあります。

「ローマの休日」(1953年製作・アメリカ映画)のイタリア、「巴里のアメリカ人」(1951年・アメリカ)のフランス・パリのユーロなどから、

「ラスト・サムライ」(2003年・アメリカ)の日本まで、イロイロあったけど、

本作のブラジルは、ボクが見たアメリカ&イギリスの英語圏映画では、初もの舞台でおました。

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しかも、本作は、ハリウッドに対抗すべく、イギリスの俊英監督や脚本家やらが、総力を挙げてこしらえ上げてきはったんどすえ~。

ちゅうことで、イギリス映画界の底力をば示す、傑作になっとります。

ヒロインもの「めぐりあう時間たち」(2002年・アメリカ)や、少年もの「リトル・ダンサー」(2000年・イギリス)などに、実力を発揮しはるスティーヴン・ダルドリー監督。

ほんで、コメディから群像劇まで、映画映えする素材を、脚本化してきはった、リチャード・カーティスはん。

3
イギリス映画界の今の力量が、ある意味で結集、遺憾なく発揮された作品でおます。

ほんでもって、本作は少年たち映画の、スリリングな1作になっとります。

「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)が、ロードムービー的に少年の冒険ものやったのに対し、

本作は冒険は冒険でも、ミステリー的サスペンス的に、ハラドキの展開で描かれてまいります。

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3人の少年が拾ったサイフから、そのサイフのナゾを探ってゆくスタイルは、極上のミステリー・スパイスを、カンジさせよります。

リオの上層部まで迫ってゆく、サプライズを含め、少年たちが国家的問題へと、肉迫してゆくところなんぞ、メッチャな波乱も秘めた快作どした。

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少年たちをサポートしはる、演技陣を見てみまひょか。

親のいてへん、そんな少年たちを面倒みてはる、神父役のマーティン・シーン。

戦争映画「地獄の黙示録」(1979年・アメリカ)よりは、当然丸うなってはるけど、でもしか、本作では過去最大の丸さやろか。癒やし度も高い好演技。

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ほんで、ルーニー・マーラのネーさんも、「ドラゴン・タトゥーの女」(2011年・アメリカ・弊ブログ分析済み)で見せた押しの演技やない、しっとりの穏和な演技ぶりやねん。

クールなアイドル性も見えて、独特どした。少年たちの活躍ぶりを、マーティン・シーン共々、見守らはります。

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サントラはヒップホップをメインにして、キャッチーなポップロックも掛けてはります。ケッコー、歌ものが充実しとるやろか。

さてはて、スティーヴン・ダルドリー監督は、ボクはデビュー以来、ずーっと注目してまいりましたが、

本作もまた、アカデミー賞で期待できるような、作品になっとるかと思います。

アメリカ以外を舞台にした映画の、アカデミー作品賞受賞はケッコーありまんので、本作も楽しみはあるやろな。

ちゅうことで、注目しといてくだされませ。

2014年12月25日 (木)

キリスト映画「サン・オブ・ゴッド」⇒アメリカ映画特選3

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人間キリストを描いた、ヒューマン・ドラマ映画

リアリズムあふれるシーンの連続に、驚きあふれる問題作

http://www.sonofgod.jp

2015年1月10日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、東京・新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマやらで、ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 LightWorkers Media Inc. and Hearst Productions Inc, All Rights Reserved.

突然ですんまへん。

イエス・キリスト(チョイ出演も含む)を描いた映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば披露いたします。

●ベスト⇒①本作②ベン・ハー(1959年製作・アメリカ映画)③ジーザス・クライスト・スーパースター(1973年・アメリカ)

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●キリストはんの、十字架磔刑死刑を描いた映画は、俳優のメル・ギブソンやらが描いた作品など、それなりに存在しとります。

でもしか、本作みたいに、人間・キリストを詳細に描き込んだ映画は、かつてなかったんやないやろか。

キリストを姿を見せずにチョイ出して、アクション映画をクリエイトした②、

ミュージカルで描いた③など、娯楽作品の中のキリストもエエんやけど、

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こういうヒューマン・ドラマとして、キリストを描かれると、メッチャココロにきよります。

キリストは神やありまへん。フツーの人間だす。ただ、布教的なとこで、チョイミラクルなとこをば、示さはっただけどす。

ほんで、誰よりも人を愛する精神が、強うおました。本作の前半では、そういう博愛精神が、濃厚に描かれてまいります。

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フツーやったら、正義の味方たるヒロイズム映画の、快作になるとこやけど、

みなはんも知ってはる通り、キリストは当時の政府筋から、犯罪者と認定され、捕まり、磔刑に処されます。

また、キリストに心酔し、一番弟子になるペテロや、国王に密通して裏切るユダ、女弟子のマグダラのマリア、さらにキリストのオカンのマリアなども、

人間臭いタッチで、うーん、なるほどな~なカンジで、演出されとります。

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何はともあれ、みなはん、ようご存知の、キリストの磔刑シーンが、大いなるクライマックスになっとります。

その前後のシーンの、リアリズムあふれる稠密なシーンこそ、本作の持ち味でおましょうか。

磔刑には、オカンのマリアや、弟子のペテロやマグダラのマリアが、立ち会っていたところとか、

キリスト・サポーターの、一切いないところで、死刑か無罪かを、住民の声で決めたりしたとか、

磔刑までへ向かうロード描写とか、緻密に事細かに描かれておます。

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さてはて、キリスト役主演の、ポルトガル出身のディオゴ・モルガドの、イケメンぶりが、アメリカでは、チョー話題になったそうどす。

前半のミラクルぶり、捕まってからの後半のヨゴレぶり。

その対比演技も含めて、悲劇のヒーローぶりが、確かに女性のココロを、メッチャくすぐるやろな。

でも、ボクチン的には、彼の演技幅の広さに、魅了されよりました。

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降誕する再生シーンは、さりげなく描かれとりまして、

むしろ、再生40日後に、使徒の12人が、布教のために世界へ旅立っていくシーンの方が、感動的やったやろか。

クローズアップ・シーンが、往年のハリウッド映画並みに駆使されるけど、

この旅立ちシーンもそうやけど、時おりの、キレあるロングショットも、目が離せまへん。

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サントラは、ハンス・ジマーの、フル・オーケストラ・サウンド。

ラストロールでは、壮大なスロー・ナンバーが流れたりと、ハリウッド映画らしさが、打ち出されておます。

とにもかくにも、キリストの人間ドラマ映画の、最高傑作やとボクは思います。

2014年12月24日 (水)

超スペクタクル&パニック「エクソダス 神と王」⇒アメリカ映画特選2

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旧約聖書の、あのモーゼの話「十戒」が、トンデモ・バージョン・アップしよったメガ大作や~

リドリー・スコット監督の、ハリウッド大作への執念が見える、大スペクタクルな超大作や~

http://www.foxmovies-jp.com/exodus/

2015年1月30日のフライデーから、20世紀フォックスの配給で、3D/2Dの同時全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 Twentieth Century Fox

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クリスマス・イヴとクリスマスに、聖書系とイエス・キリストの話をば、2日連続で分析いたします。

さてはて、聖書原作映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーを、まずは披露いたします。

●ベスト⇒①本作②十戒(1956年製作・アメリカ映画)③十誡(1923年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ノア(2014年・アメリカ・弊ブログ分析済み)③天地創造(1966年・アメリカ)

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●本作はマイ・ベストでも、マイ・カルトでもナンバーワンになれる、聖書系原作映画の、最高傑作になったんやないやろか。

その種の映画で、ボクが一番に思い出すんは、チャールトン・ヘストンが主演したベスト②であり、ベスト③どす。

どちらも、セシル・B・デミル監督作品どして、どちらも、旧約聖書のモーゼのエピソードを採り上げた、オリジナル、セルフ・リメイクな作品でおます。

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聖書原作系のハリウッド映画となれば、スペクタクルがメイン・ソースやと言えましょうや。

ほんで、そんなスペクタクルや、古代の大活劇もんやらで、映画らしい売れ線を追求した、エンタの巨匠デミル監督に対し、

21世紀的進化次元で、リドリー・スコット監督が、ベスト②③をリメイク・リブートしはったんが、本作でおます。

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ベスト③より、モチ、デミル監督が、セリフ・リメイクしたベスト②の方が、スペクタクル度は、バージョン・アップしとるんやけど、

それより50年余りの年月を経て、本作の登場と相なりました。

エピソード部が、あたりきのそのままのように、描かれたベスト②とは違い、本作は、モーゼの奇跡の前段階を、詳細に緻密に描かれておるんどす。

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いきなりの騎馬戦アクションから始まり、主人公モーゼ(クリスチャン・ベール)だけに見える、コドモの姿をした神の、お告げで繰り出される、パニック・ムービー部の連続。

アラマ・ポテチン(驚き)が続いた後は、主人公たちの種族の大移動と、それを追う王軍の追逃劇のスリリング。

ほんでもって、クライマックスでは、モーゼの海を開く奇跡が…。

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でもしか、その奇跡部は、ベスト②とは違い、奇跡やなく、あくまで自然な流れと現象により、リアリスティックに発生したようなカンジで、描かれておます。

ここが本作の、特注すべきとこでおましょうか。

3Dで見ると、モチ、ビビッドに迫ってまいります。

イナゴ・バッタ襲来などのパニック部などから、山を走って次々に馬軍車が、崖から落ちていったり、

海が大津波になって、押し寄せるシーンなど、ダイナミズムあふれるスペクタクル・シーンの連続に、目が点になり続けまっせ~。

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「十戒」のリメイクについては、リドリー・スコット監督は、弟の故トニー・スコットと、長年温めてきはった企画どした。

そやから、ラストロール前に、トニー・スコットに捧げるの字幕が出ます。

それは、2人で作り上げ、オリジナル「十戒」を超えた仕上げを、自信を持って示すとこでもありました。

ボク的にも久々に見た、ハリウッド映画らしい大作どした。

ラブ・ストーリー部や、フル・オーケストラによるサントラも、ハリウッド大作にふさわしき仕様。

映画館でこそ味わえる、大快作なんどすえ~。

2014年12月23日 (火)

「シンシティ 復讐の女神」⇒アメリカ映画特選1

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大ヒット・アメコミ映画の続編が、遂に登場や~

復讐をキーワードに、映画史上、過去最高にキレてるリベンジ劇が展開

http://SINCITY.GAGA.NE.JP

2015年1月10日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、3D・2D同時公開で、大阪やったら、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマやらで、全国ロードショーだす。

本作は「R-15+」指定映画になっとります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Maddaties Limited. All Rights Reserved.

あのアメコミ原作の、ハードボイルド・アクション「シン・シティ」(2005年製作・アメリカ映画)より10年。

遂に、その続編が登場してきよりまっせー。

DVD化されても、ロングセラー・ヒット。十二分にみなはんのハートに行きわたった上での、この続編や。

前作以上に、興奮できる1本となりましたがな。

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ロケなしのスタジオ内での、グリーン・バックを背景にしたり、全編モノクロ。

ほんでモノクロに、黒澤明監督「天国と地獄」(1963年・日本)が嚆矢となる、一部色付きを加えたり、ある人物(ジュリア・ガーナー)をオールカラーにしたりと、

前作で魅せたオリジナル様式はそのままに、犯罪の横行する架空の町シン・シティを舞台に、

今回は、男っぽいハードボイルドより、魔性の女や復讐女など、女たちのトンデモ・ドラマ性に、特化した仕上げどす。

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モチ、男のドラマもあるんやけど、シン・シティを牛耳る悪のボスに挑む、孤独のギャンブラー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)っちゅうノリで、

このドラマらしい、翳りある人間たちのやるせなさは、主人公・ヒロインに関わらず、一貫しとります。

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前作の3話に続き、本作では4話にわたり展開するんやけど、

前作の話の続編やったり、新たに書き下ろされた話やったり、イロイロやけど、

前作でも異彩を放っとりました、場末の安酒場のストリップ・バーが、ドラマ・トーンを握る、狂言回し的ポイント舞台でおます。

さらに、シン・シティの外にある、娼婦たちの巣食う町オールド・タウンが、これまた異彩を放つとこになっとりま。

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まずは、メーキャップを施して醜くなった、ミッキー・ロークの暴れん坊の、不良グループへの、トンデモお仕置きぶりが披露されます。

でもって、このミッキー・アニキは、そのほかの話でも、助太刀やらでやって来はって、悪をブチのめさはりまんねん。

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復讐・報復劇が、それぞれの話の根幹にありま。

リベンジ映画は、これまでにイロイロあったけどでんな、ここまで、映画史上キレまくっとっんのは、稀やろか。

そのキレ方は、ある種ミラクルやと、言えるやもしれまへん。

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長めに撮らはったメインの話(写真上から6~9枚目)は、魔性の女エヴァ・グリーンが、私立探偵役ジョシュ・ブローリンに、報復される話でおます。

エヴァ・グリーンのネーさんの、悪女演技やけど、

「白いドレスの女」(1981年・アメリカ)のキャスリン・ターナーの怪しさ、

「冷たい月を抱く女」(1993年・アメリカ)の、ニコール・キッドマンの突然激情系、

ほんで、「氷の微笑」(1992年・アメリカ)のシャロン・ストーンの、男をたぶらかすヤラシー度なんぞが、

ミキシングされた、ホンマメッチャな悪女ぶりで魅せてくれはりまっせ。

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部屋のブラインド内での、モノクロ影における、セックス・シーンなんか、妖しい度満点満願どした。

加えて、オールド・タウンの娼婦女軍団たちに、剣やナイフや銃や爆発物でヤラレるシーンも、ドハデにやってくれはります。

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さてはて、ストリップ・バーのストリッパー役は、前作でお馴染みの、ジェシカ・アルバのネーさんや。

前作で殺されてしもた、ブルース・ウィリス刑事の復讐のため、町のボスに挑まはります。

このエピソード(写真上から2~5枚目)は、本作のクライマックスとなります。

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報復前の準備段階のシークエンスでは、ジェシカ・ネーさんのヤラシー・ストリップ・ダンス・シーンが披露されたり、

死んだブルース・ウィリスの亡霊と話し合ったり、銃撃の練習シーン、酒浸りのシーンなど、複雑な復讐女ゴコロを演じはります。

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女ヒロイン・アクションものとしても、そのキャラの造形ぶりは異色どして、オリジナリティー度は高うおますで。

レディー・ガガのチョイ出演など、ほかにもお楽しみはイロイロおます。

ちゅうことで、前作以上にキレまくった、会心作になっとりまっせー。

2014年12月22日 (月)

亀梨和也&深田恭子共演「ジョーカー・ゲーム」

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日本産スパイ映画の、スリリングな会心作

洋画の名作へインスパイアーしつつも、オリジナルなとこも描出

http://www.jokergame-movie.com

2005年1月31日のサタデーから、東宝の配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2015「ジョーカー・ゲーム」製作委員会

いきなりやけど、日本のスパイ映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同・忍者・隠密ものは外しとります)をば、披露いたしますと…。

①本作②スパイ・ゾルゲ(2003年)③陸軍中野学校シリーズ(1966年~1968年・全5作)

●何と全てが、太平洋戦争前後の時代背景を基に、諜報=スパイ活動を描いた映画でおます。

例えば、21世紀の現代を舞台にした、スパイ映画としては、東西冷戦緩和以降、衛星などの監視システムの充実ぶりなどで、なかなか作りにくくなっとります。

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過去の戦争時を背景にすると、どないしても、時代考証部やらを含めて、イロイロツッコミが入ったりします。

②③は、実際にあった事件や学校をベースに、お話をクリエイトしてはりましたが、本作は、あくまでフィクション。

それでも本作は、戦争時の時代性と、フィクションとしてのエンタ性を絡み合わせた作品になっとります。

そして、洋画のスパイ映画をメインに、オマージュ的シーンを入れながらも、自らの映画のオリジナル・シーンも、時おり入れつつ、

時代考証に縛られへん、自由奔放な映画的スパイ映画をば、構築しはりましたえ。

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細工やスパイ用具的なとこで「007」、追逃走アクションなとこでの「ボーン」シリーズ、アクション的なとこでの「ミッションイン・ポッシブル」シリーズ、

ビルの屋上アクション的には、「ダイ・ハード」(1988年・アメリカ)や「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(1984年・アメリカ)、

深田恭子フカキョン演じる、女スパイの造形においては、

「マタ・ハリ」(1931年・アメリカ)「間諜X27」(1931年・アメリカ)はモチ、「冷たい月を抱く女」(1993年・アメリカ)なんかの悪女映画なんぞも、参考にしてはるんやないやろか。

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また、「バトル・ロワイアル」(2000年)など、21世紀になってから出てきた、ゲーム系サバイバル映画のノリもあって、

従来のスパイ映画に、新たなテイストやスパイスを振りかけはります。

ほんで、演技陣やけど、このところ、こういう妖し怪しの演技が、専売特許的になっとるフカキョン。メッチャエエわ~。

ピンク照明の拷問シーン(写真一番上)なんか、胸騒ぎどしたえ。

そんなフカキョンを放っておけない、主人公のスパイ役・亀梨和也アニキの演技ぶりも、「ルパン三世」(2014年・弊ブログ分析済み)の主人公とヒロインの関係性なんかを、つい思い出したりしましたやろか。

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さて、本作は柳広司の、同名ミステリー小説が原作どす。

ミステリー評論家筋から高い評価を得た作品どすんで、さてはて、映画はどないやねんと、注目の集まる作品やろかと思います。

原作はシリーズ化されとるんで、映画も当然、そうなるやろか。

本作はモチ原作では味わえない、映画的アクションやシーン作りに、徹してはります。

アクション・シーンでは、スリリングを出すためのカット割りで魅せはります。

クライマックスの逃亡劇の緻密さには、目が点になりましたえ。そして、あの大バクハツや。

前作「日々ロック」(2014年・分析済み)など、音楽映画で才気を発揮してきた入江悠監督の、まさに新境地。

胸騒ぎの起こる、野心的かつ意欲的なスパイ映画どした。

2014年12月21日 (日)

中谷美紀主演「繕い裁つ人」⇒日曜邦画劇場

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神戸ロケーション映画で贈る、静かなるヒロイン映画

女性監督らしい繊細な女性らしさにうっとりなれてまう

http://tsukuroi.gaga.ne.jp

2015年1月31日の土曜日から、ギャガの配給によりまして、大阪やったら、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会

本作は、昨日分析した「劇場版 神戸在住」と同じく神戸ロケ映画どす。

ほんで、昨日披露した神戸ロケ映画の、マイ・ベストにも入れました。

今、神戸ロケをするんやったら、どないあっても、阪神大震災を一切抜きにしては、撮れへんでおましょう。

ほんで、確かに、本作も大震災の後遺症的なとこも、描かれはしとります。

でもしか、神戸ゆうたら、いつまでも大震災やなく、もっと前向きなドラマが見たいな~。

そんな風にボクは思たりもしとったさかい、本作はそんな想いや願いに、ピッタリな作品でおました。

しかも、コミック原作者の池辺葵ネーさんは、神戸出身・在住やし、三島有紀子監督も、大阪出身やけど、神戸女学院大学を卒業してはって、神戸はいわば、青春時代の故郷でおます。

ほんで、三島監督ネーさんは、女性監督らしいちゅうのもなんやけど、衣食住にこだわりを見せてはる、映画監督でおます。

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共に北海道ロケとなった、パンの「しあわせのパン」(2012年・弊ブログ分析済み)、

ワインの「ぶどうのなみだ」(2014年・分析済み)と、飲食系の人間ドラマのあとは、

“衣”のドラマ、それもヒロイン・ドラマをば、作ってきはりましたで。

そんな仕立て屋ヒロイン役には、中谷美紀のネーさんが、静々とした、たたずまいでヤラはりました。渋いねん。

ちゅうことで、ここで、美紀ネーさんの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたします。

●ベスト⇒①本作②嫌われ松子の一生(2006年)③壬生義士伝(2002年)

●カルト⇒①らせん(1998年)②約三十の嘘(2004年)③渇き。(2014年・分析済み)

●美紀ネーは、歌手業を含めて、アイドル的なノリで出てきはったけど、そんなヒロイン性が、カルトの①②③の順で、熟成されてきたかと思います。

でもって、最高傑作とも言えるベスト②の、バクレツ演技とは、真逆の静謐な演技で、魅せてくれはるんが、本作でおます。

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さてはて、美紀ネー以外の役者陣も、見てみまひょか。

美紀ネーに、ブランド作りを持ちかける、大手百貨店の営業マン役の三浦貴大クン。

親の七光りなんて関係なく、今や、いろんな映画でひっぱりだこの売れっ子や。

男優陣の21世紀俳優として、染谷将太、池松壮亮、福井蒼太らと共に、活躍中。

中でも、貴大クンは、本作はモチ、誠実な演技ぶりでは、イチバンヤーやと思います。

女優陣では、ベルリン国際映画祭女優賞ゲットの黒木華ちゃんの明るさ、いつも以上に個性を見せる、片桐はいりネーや余貴美子ネーさん。

脇もゆったりとした、前向きな演技で魅せてくれてはります。

坂の上からのロー・アングルのタイトさ、ガードレールから神戸の街が見える、奥行きあるカット、朝・昼・夜の神戸の街のロングショット、

静かで間合いの多い演出ぶり、スロー・テンポな映画リズムなど、テレビドラマではあんましない、映画的シーンが頻出すんのも、エエカンジやねん。

木琴、ピアノ、バイオリン、チェロなど、ナチュラルなサントラに加え、

ラストロールでは、平井堅の「切手のないおくりもの」が流れま。

ビッグ・バンドな明朗ナンバーに、元気をもらえて、劇場をあとにできまっせ。

ちゅうことで、静かにじわりと、ココロにくる逸品でおました。

2014年12月20日 (土)

「劇場版 神戸在住」⇒神戸ロケ映画の快作・週末日本映画劇場

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阪神大震災後の、神戸を捉えた映画どす

藤本泉ちゃんのアイドル性も顕著に出た映画やで~

http://www.is-field.com/kobe-zaiju/

2015年1月17日の土曜日から、アイエス・フィールドはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷やら、大阪・テアトル梅田、シネ・リーブル神戸やらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014 木村紺・講談社/サンテレビジョン

地方ロケ映画の神戸版。

ちゅうことで、ここで、阪神大震災以降の、神戸ロケ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたします。

●ベスト⇒①本作②繕い裁つ人(明日分析)③少年H(2013年・弊ブログ分析済み)

●カルト⇒①ISOLA・多重人格少女(2000年)②生きてる者はいないのか(2012年・分析済み)③ありがとう(2006年)

●ベストは神戸を生真面目に描き込んだ映画を、

カルトは①ホラー②近未来SF③スポ根ものどして、神戸を舞台に、エンターテインメント化した映画をば、チョイスしよりました。

震災後の神戸を、シリアスに撮った傑作映画でも、太平洋戦争中のベスト③は別にして、ベスト①②が際立った仕上がりになっとりました。

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奇しくも、この2作は、阪神大震災20周年に合わせて、製作され公開されま。

大震災に特化した映画としては、②より本作が濃厚に描かれますやろか。

神戸の地元のテレビ局サンテレビが、映画を製作。

しかも、本作のテレビ・ドラマ版も作られ、1月17日に同時公開・オンエアちゅうカタチで、映画史上初とも言える、劇場版・テレビ版の同日披露でおます。

震災20年後に、阪神大震災を体験してへん、神戸に移住してきた3人家族のドラマどして、

震災を知らないビジターとして、大学生の娘のヒロイン・ドラマをメインに、切り取られてまいります。

このビジター的センスで、大震災後を捉えた映画は、震災映画でも、史上初やないやろか。

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ヒロイン役は、藤本泉ちゃん。

大手の東宝映画「アオハライド」(2014年・分析済み)でも、その癒やしのアイドルチックは、絶妙どしたが、

本作は主演なだけに、そのキャラクターが、大いに発揮されとります。

震災の痛みもやわらいどるハズの、20年後の神戸で、震災の後遺症をカンジ、

師匠的な人物の死があり、それでも、自分のやりたいとこへと進んでゆく、前向きなヒロインのドラマが、爽快に描かれてゆくんだす。

2分以上にわたる、竹下景子ネーさんとのやり取り。

師匠役・菅原永二アニキとの、幻想や現実的シーンを含めたイロイロ。

ほんでもって、大学の同級生のオンナの子たちとの、イキイキした交流ぶり。

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のちにパリにまで行く、スタイリッシュなモデル系の女の子やのに、関西弁丸出しで、何やら親近感あふれる浦浜アリサちゃん。

ボケ役キャラの松永渚ちゃん、マジメ系の柳田小百合ちゃん。

みんな、次代のアイドル候補的に、好感を呼びますで。4人のフォー・ショットは、本作の見どころの一つやろか。

ほんで、本作の白羽弥仁監督とは、「能登の花ヨメ」(2008年)に続き、2度目となる、田中美里ネーさんも、

震災のトラウマもありつつも、好感度の高い演技で、魅せてくれはりまっせ。

藤本泉ちゃんのオカン役の、愛華みれネーさんの、元気印にもグーどしたえ。

ラストロールで流れる、フィメール・ピアノ・バラードも余韻を深めてくれはります。

ちゅうことで、神戸ロケ映画の会心作でおました。

2014年12月19日 (金)

「KANO~1931 海の向こうの甲子園~」⇒185分の台湾映画の傑作

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永瀬正敏アニキが率いる、台湾の高校野球チームが、感動的な活躍ぶり

早くも2015年の、ベストテン級映画の大作が出現や~

http://kano1931.com/

1月24日のサタデーから、ショウゲートの配給によりまして、東京・新宿バルト9、関西やったら、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーや。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ果子電影

台湾映画の野球映画。しかも高校野球映画やなんて、まあ、ボクは初めて見ました。

マイ今年の邦画ナンバーワン「バンクーバーの朝日」(モチ、弊ブログ分析済み)のページで、日本の野球映画の、マイ・ベスト&カルトをば、勝手に披露しましたが、

ここでは、高校野球映画(圧倒的に日本映画に多し)に特定して、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をやってみました。

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●ベスト⇒①本作②英霊たちの応援歌(1979年)③ルーキーズ(2008年)

●①本作②タッチ(2005年)③もしドラ(2010年・弊ブログ分析済み・すんまへん、タイトルは略しとりま)

●邦画に特化しとる、高校野球映画もんやけど、モチ、全ての映画が、甲子園を目指す、選手や先生たちのドラマになっとります。

高校野球をストレートに描いて、さわやかさを強調する。そういうテイストが主流ながら、

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実話ながらも、本作みたいな日本チームやない、台湾チームが、甲子園を目指す映画ちゅうのは、

甲子園目指し映画でもまずないし、その意味では、映画史上初の甲子園もの洋画やと言えるやろか。

さてはて、支配する側・支配される側の国を舞台に、描かれる野球映画やもしれまへん。

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でもしか、本作の素晴らしさは、「バンクーバーの朝日」と同様に、戦争下・支配下な、重苦しい時代性を抜きにして、

野球への情熱や夢を、ひたすら描き込んだ映画として、特筆すべきとこがありました。

野球に徹した映画として、突出してるだけやなく、その情熱が、観客にもビビッドに伝わってきよる映画どした。

2015年最初の、マイ・ベストテン級映画どしたえ

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見どころの試合シーンは約4試合。

降雨コールドとなる、泥だらけの試合。

甲子園で大差で、北海道チームに負けるところ。

代表に選ばれる試合。そして、クライマックスとなる、台湾チームと中京チームとの決勝戦だす。

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監督役の、永瀬正敏のアニキ。

永瀬アニの素晴らしい作品は、いっぱいありますが、

21世紀に限定すると、本作は、21世紀の彼のマイ最高作「ドライブイン蒲生」(2014年・弊ブログ分析済み)を抜いて、ベストワン級の演技やったと思います。

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監督役としてのヒロイズムが、こちらに、観客に、ググッとくるような役柄なんどす。

大沢たかおのアニキは、あんまし出番はないけど、いずれにしても、見ていて、元気のくれはる演技ぶりどした。

永瀬の妻役、久しぶりに映画で見た、坂井真紀のネーさんも、好感度は高かったどす。

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片言の日本語を話す、多彩なキャラの選手たちにも、

ムリヤリ日本語を喋らせられてるイメージより、率直さある好感度があって、エエカンジやったどす。

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ギター・サントラの、練習ダイジェスト・シーン、ブラスバンド入りの本格的オーケストラ・サウンド、中孝介(あたり・こうすけ)の感動的なナンバーなど、

感動・絆をポイントにした、サントラ使いにも、胸にきよりました。

ちゅうことで、甲子園もの野球映画の、かつてない傑作・大作になっとると、ボクはジャッジいたします。

2014年12月18日 (木)

アメリカ舞台のフランス映画「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」

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「レナードの朝」を思い出させる、感動的な作りや~

患者と医者の友情を描く、傑作ヒューマン・ドラマ映画どす

http://www.kokoronokakera.com

2015年1月10日のサタデーから、コピアポア・フィルムはんの配給によりまして、東京・シアターイメージフォーラムやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Why Not Productions France 2 Cinema Orange Studio

1948年のアメリカ・モンタナ州。

第2次世界大戦から帰還した男ベニチオ・デル・トロはんが、精神的なビョーキに罹らはります。

ほんで、NYにいてはる精神分析医、いわゆるセラピストのマチュー・アマルリックはんが、病院から呼び出されはって、ベニチオはんと向かい合わはりまんねん。

ストーリー的には、実にシンプルな作りで、2人の会話や一緒に行動するとこが、実に淡々と静かに紡がれてまいります。

対話で激昂したりするとこもなく、ずっとクールにして冷静。

じっくり見ていくうちに、やがてじわりと、ココロに来るタイプの作品なんやけど、

これはアメリカを舞台にしつつも、アメリカ映画にはない、渋~いとこの、医者と患者の友情映画やろかと思いました。

医者と患者の設定で、しかも実話とくれば、ボクが思い出したんは「レナードの朝」(1990年製作・アメリカ映画)どした。

医者役の故ロビン・ウィリアムズは、本作ではマチューに、患者役ロバート・デ・ニーロは、ベネチオになっとります。

でもしか、ドラマティックをキモにしてた「レナード…」の2役と、本作の2役を比べてみると、

本作の役柄は、映画的濾過を経ずに、あくまで自然体とゆうか、フツーの人たちの路線でいってはります。

ナンチューても、このあたりがスゴイわ。

感動的になるべき、ベニチオと娘の初対面シーンも、抑えた演出ぶり。逆に胸に染み入ります。

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みなはん、ベニチオはんやマチューはんを、知ってはるやろか。

アカデミー助演男優賞をゲットした「トラフィック」(2000年・アメリカ)では、麻薬捜査する熱血刑事役で、

革命家チェ・ゲバラもなり切り型の熱さで、演じはったベニチオはんにとって、

本作の、静かで悩み深くて複雑系の演技は、演技派ぶりを示すには、絶好の機会やったかと思います。

カットバックを多用した過去のシーンでも、病気になるプロセスを絶妙に演じてはります。

一方、フランスの演技派のマチューはんも、過去の作品で何度も見せた、抑制する演技ぶりの粋で、ベニチオはんと相対してはります。

不倫ラブ・ストーリー部も、好感ある演技ぶりどした。

演技派ぶり。そして、演技対決ちゅうのは、こういう静謐で微妙なココロの綾で演じられると、あとあとの余韻も深いハズやろな。

監督は、トリュフォーの再来と呼ばれて久しい、フランスのアルノー・デプレシャンどす。

アメリカを舞台にした英語セリフ映画で、アメリカン・ネイティブを描く映画ながら、ハリウッド資本の入ってへん、フランス映画でおます。

こおゆうアメリカを舞台にした、アメリカ以外の国の製作映画としては、アメリカ映画以上に、アメリカ映画らしさを出している点において、特筆すべきでおましょう。

何の予備知識もなく、本作を見れば、これがフランス映画やなんて、誰も思わないやろな。

でもしか、前述した、アメリカにない友情節やったりに、ビミョーにアメリカ映画にないとこが、見えてきよりました。

ゆったりとした癒やし系の、オーケストラ・サウンドも、大仰なハリウッド・サントラに、背を向けてはるようどした。

DVD化されとる「レナードの朝」と、ぜひとも見比べてもらいたい傑作どす。

2014年12月17日 (水)

韓国映画「タチャ-神の手-」⇒BIGBANGのT.O.P主演

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韓国映画では珍しい、ギャンブル映画の大娯楽作

ファンキーなインスト・サントラが、カッコイイ仕上がり

http://tazza2.jp/

2015年1月23日のフライデーから、エイベックス・ピクチャーズの配給によりまして、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

韓国映画でギャンブル・賭博映画。しかも日本製の花札やなんて、そんなんあり得へんやん!な映画でおます。

んなギャンブル映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・2がある場合は1を選択)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①麻雀放浪記(1984年製作・日本映画)②ハスラー(1961年・アメリカ)③シンシナティ・キッド(1965年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ラスベガスをぶっつぶせ(2008年・アメリカ)③秋深き(2008年・日本)

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●“飲む・打つ・買う”の“打つ”ジャンルの映画は、ギャンブルも多彩にあるんで、モチ多彩にあります。

でもしか、例えば、競馬は賭ける側より、賭けられる側の話が多く(カルト③などは、稀少な賭ける側)、

ラスベガスもの(カルト②など)、ポーカーもの(ベスト③など)、パチンコものなども、映画としては、室内劇に偏したりすることが多いゆえか、なんでかあんまし賭けの映画はありまへん。

賭ける側の人間性や執念、その心理を打ち出した人間ドラマとしては、やはりベストの3作、そして、本作でおましょうか。

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しかも本作は、ベスト3作が持つ、ギャンブルにのめり込む、人間の心理描写を、キチンと捉えた上で、

カー・アクション・シーンや、賭け場の緊張感あるサスペンス・シーンを、緻密に描いて、娯楽感あふれる作りになっとります。

緊張感ではベスト3作は超えられんでも、みんなで楽しめる娯楽度合いでは、上回っとるやもしれまへん。

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さてはて、賭博ジャンルは、日本で生まれた花札賭博でおます。

丁半賭博もの主流の、日本のヤクザ映画やらで、採り上げられたことはあるやろけど、こんなカタチでメインにして描かれるんは、おそらく映画史上初めてやないやろか。

さらに、花札のルールについて知らない人にも、分かりやすい作りになっとります。

ルールを検索してから、見るんもエエかもしれへんけども。

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イカサマ賭博の名手が主人公どす。

映画の冒頭では、主人公の子供時代が描かれるけども、大人になってヤバイことがあって、田舎からソウルに逃亡して、ほんで、そこで、彼はイカサマ花札賭博で、頭角を現してまいります。

主人公役には、韓国の音楽グループ「BIGBANG」のT.O.Pが演じはりました。とにかく、主人公にふさわしい、カッコエエ役柄でおます。

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彼は、女優陣では2人と絡まはります。

一目ボレするシン・セギョン(ポスターの上から2番目に写ってはる方)のネーさん。

最後の方では、セクシー・シーンもあるんでお楽しみや。

2人目は、ソウルに出てから出会う、イ・ハニのネーさん。

彼女がセクシーなポップ・ナンバーに乗って、スローモーションで登場するシーンなんかは、かなりとインパクトあるシーンになっとります。

さらに、「チェイサー」(2007年・韓国)でワイルドな役をやった、男優陣のベテラン、キム・ユンソクが、そんなワイルドな粗野感を維持して登場しはります。

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監督は、「サニー永遠の仲間たち」(2010年・韓国・弊ブログ分析済み)で、サントラ使いの上手さに、舌を巻いたカン・ヒョンチョルのアニキや。

今作でも、ファンキーでポップなブラス・バンドなどが、ドラマをノリノリの展開で魅せてまいります。

ほんでもって、クライマックスの命懸けのギャンブル・シーンの緊張感は、とにかく、タダならぬもんがありましたえ~。

ちゅうことで、韓国映画初とも言える、ギャンブル・サスペンス映画の快作どした。

2014年12月16日 (火)

韓国時代劇映画「王の涙-イ・サンの決断-」

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NHKの連続テレビドラマ以上に、シリアスでシビアな展開

刺客VS王のクライマックスが、圧巻の仕上がり

http://www.ounonamida.net

12月26日のフライデーから、ツインの配給によりまして、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらでロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

以前もやりましたが、改めて、韓国時代劇映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたします。

●ベスト⇒①本作②王の男(2005年製作)③神弓(2011年)

●カルト⇒①スキャンダル(2003年)②ファンジニ(2007年)③後宮の秘密(2011年)

●ヒロインものカルト②③や、男の三角関係ベスト②など、

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人間ドラマ系を約半分選択したけども、時代劇はヤッパ、血わき肉躍るアクションが、理屈抜きにオモロイやろか。

「ダイ・ハード」(1988年・アメリカ)的センスを見せた、弓矢アクションのベスト③、

ペ・ヨンジュンの、アクションが映えるカルト①、

ほんで、2派対決のアクションをば、クライマックスにもってきた本作でおます。

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2派の静かなる争いが、室内劇的心理的に、稠密に積み重ねられて、

ほんでもって、最後にドッカーンちゅう作りこそ、時代劇だけやなく、

いわゆるアクション映画の、映画らしい見せ方やないやろか。

最初から最後まで、アクションの連続もエエんやけど、人間関係の遺恨具合の心理状況を、胸に食い入るようなカンジで、

細かく見せてゆくんは、こおゆう映画のセオリーかもしれへんけど、静かなだけに、余計に胸にこたえてきよります。

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王イ・サン(ヒョンビン)と腹心の部下(チョン・ジェヨン)の、幼少時代の過去からの関係描写も入れて、ドラマティックに展開したり、

王の若き義理の祖母・王大妃役(ハン・ジミン)を、王の母が下女の少女を使って、毒殺しようとしたり、

その王大妃と王の、ピリピリした関係描写、

さらに、王を狙う暗殺者(チョ・ジョンソク)の行動ぶりなど、

敵対する2派の、水面下の心理的争いシーンが、サスペンスフルに進行してゆきよります。

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そのドラマ的設計としては、王と暗殺者の対決までの時間のタイムを、随時字幕で挿入し、

王側・暗殺者側・女たちの争い部を交互、もしくは混在させながら、理路整然と重厚に紡がれてゆきます。

そのため、刻々と緊張感が増してゆくような、進行具合になっとるんです。

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いわゆる韓流テレビドラマの、映画版ちゅう映画でおますが、

日本でも、テレビドラマの映画化が、恒常的に行われておますように、韓国でも、タイトル数は少ないけども、その例に漏れまへん。

けども、韓国では、視聴率が高かったからとゆうて、映画化するんやなく、やはり映画映えするような作品を、選んではるようにも思います。

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NHKで本作のドラマ版を、見はった方も多いやろとは思うけど、

本作はドラマ以上に、逼迫した作りになっとるやろか。

ドラマではロマンチックな、エエ人役やってはった、ハン・ジミンのネーさんが、全く違う冷酷な役をやったり、

暗殺者子役のかわいそうさ、王とハン・ジミンの、緊張感あふれる対話など、見どころがいっぱいどす。

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そして、ナンチューてもクライマックスの、「七人の侍」(1954年・日本)的な雨の日の、攻撃・応戦の一大決戦。

照明のない時代に合わせた画作り、スローと上からの撮影などを駆使し、畳み掛けるようなアクション画面作りなど、目が離せないようになっとります。

ちゅうことで、韓国アクション時代劇映画の最高傑作やと、ボクは断じます。

2014年12月15日 (月)

アイスランド映画「馬々と人間たち」

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世界で初めての、馬たちと人間たちの、群像ドラマ映画どすえ~

馬映画のかつてない作品の登場やでー

http://www.magichour.co.jp/umauma/

12月27日のサタデーから、マジックアワーはんの配給によりまして、テアトル梅田やらで、全国順繰りのロードショーだす。

本作は2013年製作の、アイスランド&ドイツ&ノルウェー合作の、アイスランド映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸHrossabrestur 2013

アイスランド映画ナンチューのんは、ボクはほとんど見たことがありまへん。

そやから、どんなんやろかな~と、胸を膨らませて見に行ったんやけど、何ともな意外性が、ヤッパありました。

馬の映画やねん。

タイトルは「馬々と人間たち」やけど、「人々と馬たち」にしてもエエかも。

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昨日もJRA競馬のGⅠで、今年のJRAキャラ竹野内豊になぞらえて、武の内側に入ってる馬たちで豊かになろうと、

武豊の乗ってる馬の、内側の馬(エリザベス女王杯では武豊の弟・武幸四郎も出てました)が、ケッコー馬券の対象になっとりましたが、

ちなみに、この秋のGⅠは全て、武の内側の馬が、馬連・3連単・3連複やらで、競馬ファンに貢献しとります。

そのヒントに、何人が気づいてはるんかは別にして、竹野内豊がキャラなんは、あと1カ月もありまへん。

朝日杯2才ステークス、有馬記念まで、ご注意あそばされませ。

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さてはて、本作の映画評とは、何の関係もないんやけど、イギリスはルーツ国なだけに、競馬が主体で、

ほな、アイスランドの馬映画も、そうかいなと思いきや、全然違いよりまんねん。

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本作のポイントは、馬はあくまで、人を運ぶ交通手段であり、ほんで、人と一緒に生活しとる生き物どして、賭けの対象になったりとかは、ありまへん。

そんな馬たちの、目を含めたアップやらで、強烈にかつてないくらいの、馬のキモチがビビッドに、描かれた映画でおました。

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かつて馬映画の、ベスト100ナンチューのを、やらはった雑誌媒体がありましたけども、

弊ブログでは、手短にマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①シービスケット(2003年製作・アメリカ映画)②戦火の馬(2012年・アメリカ)③優駿(1988年・日本)

●カルト⇒①本作②本命(1975年・イギリス)③モンタナの風に抱かれて(1998年・アメリカ)

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●サラブレッド関連の映画が多いけど、本作みたいなフツーの馬と人の交流ぶりを描いた映画は、実のところ、ほとんどありまへん。それだけに、本作の新鮮味が、際立つんやけど、

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その描き方も、これまでの馬と人間との関係における描写とは、チョイ異にしとりました。

馬を殺して、生き延びようとした男の話やら、馬に乗って海をゆくシーン、

ウオッカちゅう、サラブレッドの名牝馬もおったけど、そんな酒ウオッカになぞらえた逸話やったり、

馬を脇目に2人がセックスしたりと、いろんな不思議シーンが続きよります。

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教会的コーラス、アコーディオン、バンジョーなど、北欧の世界に似合ったサントラを流しながら、

不可思議な馬と人のエピソードが、紡がれてまいります。

しかも、自然体で。

群像劇ドラマとしても、異質の仕上がりやし、馬を一堂に集めてのラストシーンなど、アラマ・ポテチン(驚き)な方が強かったやろか。

馬と人を描く映画の新しさが、つまるところ、バリバリなんどす。こんな映画はかつてありまへん。

サラブレッド「シービスケット」や、軍馬「戦火の馬」たちが、丸くなって、人に対し、癒やしの馬になったような感覚やろか。

でもしか、ボク的には、このカンジは不思議どした。

いずれにしろ、不思議快感が味わえる、優しい映画やと思います。

2014年12月14日 (日)

前田敦子&染谷将太共演「さよなら歌舞伎町」⇒日曜邦画劇場

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ラブホテルを舞台に、ヤラシー・シーンも取り入れて…

前田アッチーも●〇な、群像劇映画の快作やねん

http://www.sayonara-kabukicho.com

2015年1月24日の土曜日から、東京テアトルの配給によりまして、テアトル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで上映どす。

本作は本編135分の「R-15+」指定映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014『さよなら歌舞伎町』製作委員会

高級ホテルに勤めてるねんと、ウソをついてる、歌舞伎町のラブホの店長役の染谷将太クン。

そんな染谷クンと同棲してはる、ミュージシャン志望の前田敦子アッチー。

この2人を始め、多彩な男女カップルが入り乱れる、ラブホをメイン舞台にした群像劇でおます。

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群像劇てゆうたら、「グランド・ホテル」(1932年製作・アメリカ映画)以来、イロイロ作られ、

アメリカでは、故・ロバート・アルトマン監督やらが、群像劇の巨匠になったりしてはります。

では、日本ではどないやろか。

モチ、日本でもいっぱい出とります。みなさんも、ケッコー見てはるんやないやろか。

但し、ラブホをポイントにした群像劇は、そないないかもしれまへんな。

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ヤラシー映画やけども、映画芸術的には、あなどれない作り。

そういう映画の脚本“監督作「身も心も」(1997年)もありま”を、書いてきはった、荒井晴彦はん。

ボクチンは大ファンどす。そんな荒井はんの映画脚本作品の、ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露さしてもらいます。

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●ベスト⇒①赫い髪の女(1979年)②ヴァイブレータ(2003年)③神様のくれた赤ん坊(1979年)

●カルト⇒①本作②海を感じる時(2014年・弊ブログ分析済み)③キャバレー日記(1982年)

●本作の廣木隆一監督とは、3度目のタッグなんやけど、寺島しのぶを丸ハダカにしたベスト②は、脱がせ演技の映画的質度の高さが、際立った快作やけど、

荒井はん脚本の持ち味は、女の性と映画性が、絶妙に絡み合った傑作が多うござります。

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共作となったベスト③は、桃井かおり主演の人情劇になっとるけど、やらしさはないけども、そういうとこでも才を発揮してはりま。

市川由衣のカルト②、宮下順子のベスト①など、

性にまつわる女優演技の、機微や稠密を魅せてゆく点において、やらしさを超越して、渋くココロにくる仕上げになっとりまんねんで。

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いやはや、そういうとこが、荒井作品の面白いとこでおまして、監督しはった「身も心も」はモチ、

2015年には、監督第2作「この国の空」が公開されるんで、チェックしてみておくんなはれ。

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大胆に脱ぐ女優は、おおむね2人どす。

キム・ギドク監督の新作「メビウス」(弊ブログ分析済み)で、息子のペニスを食べたイ・ウンウが、ここでも、デリヘリ嬢を、2度にわたるセックス・シーンで披露。

ヤラシー度は高いけど、でもしか、「5tion」のロイとの、ラブホの泡ブロで向かい合う、7分近い固定の長回し撮影シーンなど、

胸にクルシーンも、ケッコーありまんで。

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女刑事役・河井青葉ネーさんも、上司とのヤラシー・シーンがあります。

けども、刑事ドラマ部としてのスリリングが、南果歩ネーさんとの間で展開するんで、本作のお楽しみの1つではありまっせ。

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ラブホ・イメージの吹き溜まり的感覚や、染谷将太を始め、ワケあり人間の謎めき度が、バランス良く描かれとったかと思います。

前田アッチーの出演が、ちょっと少なかったやろか~な不満部もあるんやけど、そこが群像劇としてのバランス感やもしれまへん。

アッチーの「待っているから」の叫びには、唐突感があったけど、ココロにキマしたで~。

群像劇の難しさをカンジつつも、気になる1本でありました。

2014年12月13日 (土)

橋本愛ちゃん主演「ワンダフルワールドエンド」⇒週末日本映画劇場2

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21世紀の第2世代女優・橋本愛ちゃんの、カルトな最高傑作

21世紀生まれの、蒼波純ちゃんとの交流を描く

http://www.ww-end.com

2015年1月17日の土曜日から、SPOTTED PRODUCTIONSの配給によりまして、東京・新宿武蔵野館やらで、全国順繰りのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014 avex music creative inc.

平成初期生まれとなる、21世紀の日本映画の第2世代女優たち(能年玲奈・橋本愛・二階堂ふみ・ほか)の活躍が、かしましゅうなっておます。

第1世代、第2世代について、このところ、イロイロ手前勝手に、論じてきよりましたけども、今回は橋本愛ちゃんどす。

愛ちゃんの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・弊ブログで全作分析済み)をば、披露いたします。

2●ベスト⇒①告白(2010年製作)②桐島、部活やめるってよ(2012年)③リトル・フォレスト夏・秋編(2014年)

●カルト⇒①本作②寄生獣(2014年)③アバター(2011年)

●愛ちゃんは、ベスト①で初めて見て以来、ボク的には低血圧演技なクールさが、持ち味なんやと思てました。

能年玲奈ちゃんと初共演した、主演作カルト③もまた、非情で冷酷なホラーチックな、学園ヒロイン演技。

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そのクールさが、ベスト②でも尾を引いとったけど、でもしか、最近では、血の通った人間らしさを、見せ始めてはります。

クール・ビューティーなイメージを維持したままも、優しさや柔和なカンジを押し出してはります。

冬・春編も楽しみな、地域の人やオカンとの交流が、エエ感じのベスト③、

主人公・染谷将太(明日分析の「さよなら歌舞伎町」でも主演)と、麗しの(?)恋が展開する(!?)カルト②。

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ほんでもって、本作では、売れないアイドルをば、ヤラはりました。

いかにもな自然体演技で、メールや動画、スカイプを使って、自己ピーアールを、DJ的トークを織り交ぜて、続けていかはります。

スマホの動画を取り込んだカットが、枠取り的に展開し、映画を見てる感覚が、

やがて曖昧になってゆくような作りと流れは、21世紀的な感覚やと申せましょうか。

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愛ちゃんと、家出してきた女子中学生との交流が、本作のポイントどす。

その中学生役には、講談社「ミスiD2014」でグランプリをゲットした、蒼波純(あおなみ・じゅん/画像1枚目の右)ちゃんが、ヤッてはります。

ゴスロリのアミちゃんとゆう役柄に、メッチャはまってやんねん。

こおゆう中学生て、関東には、いっぱいいてんのとちゃうやろか。

そやから、親しみやすさや、同世代の感情移入度は格段やろな、多分。

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でもって、橋本愛ちゃん的には、最も素に近い自然体を、初めて演じた1作やったかと思います。

純ちゃんと2人で手をつないで、草原を走ってゆくシーンは、その流麗な美しさを含めて、本作イチバンヤーの見せ場でおました。

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菜の花のイエロー、桜、若葉など、スカイプなどのデジタル仕掛けと、対比させるような、自然シーンにも注目どすえ。

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そして、さらなる注目は、音楽監督もし、出演もしはった、大森靖子(せいこ)のネーさんや。

Charaやaikoに通じる、アンニュイな感覚ある、ポップ・ナンバーを、本編でライブしはり、ほんで、ラストロールでは、サントラ主題歌として流れます。

松居大悟監督的にも、音楽とのコラボ作品としては、ラブ・ストーリー「自分の事ばかりで情けなくなるよ」(2013年・弊ブログ分析済み)と、甲乙付けがたい傑作どした。

2014年12月12日 (金)

「滝を見にいく」⇒週末日本映画劇場1

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群像劇コメディの名手・沖田修一監督の会心作

大学群像劇「横道世之介」の、おばはんバージョン

http://www.takimini.jp

2015年1月中旬から、松竹ブロードキャスティングはんの配給によりまして、大阪・シネマート心斎橋やらで、全国順繰りのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「滝を見にいく」製作委員会

群像劇コメディ日本映画の、21世紀の名手、沖田修一監督が、お贈りする作品や。

今はなき、日本のプログラム・ピクチャー的喜劇への、柔和なオマージュも、カンジられる会心作どす。

さて、沖田監督作品を、振り返りますれば、堺雅人を料理人に据えた、南極観測隊の群像劇「南極料理人」(2009年製作)、

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役所広司と小栗旬が共演した、地方ロケのゾンビ映画の、メイキング群像劇「キツツキと雨」(2012年・弊ブログ分析済み)、

でもって、吉高由里子がお譲さん女子大生を演った、大学群像劇「横道世之介」(2013年・分析済み)と続きまして、

本作の、オーディションで選んだところの、無名のおばちゃん7名が、サバイバル・コメディをばやってくれはる、群像劇映画でおます。

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呆れました。だけやなく、はっきりゆうて、驚きよりました。

演技をするんは、初めての方も含まれておます。

ところがどっこい、これが全く素人感を感じさせへん、映画になっとるんどす。

演出の素晴らしさもあるやろけど、各人の自然体な演技こそが、目立たないながらも、大きなキモになっとるように思いました。

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黒澤明の「七人の侍」(1954年)以来、映画的に映える7人組なんやけど、これまでにも、そおゆう7人をポイントにした映画は、いっぱい作られてまいりました。

けども、本作はそんな7人がイキイキとして、しかも誰も死ぬことなく、最後まで7人をば、貫いていかはりまんねん。

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旅行のバスの添乗員はん、イコール山の案内人はんが、彼女ら7人の前から消えてまうとこから、本作の山中サバイバル劇の、始まり始まりとなります。

雪中行軍やった「八甲田山」(1977年)と、シンクロするナンチューことは、時代的にも難関度合いにおいても、ほとんどないっちゅうてエエんやけど、

あくまで、本作はケータイもある、現代の遭難話でおまして、しかも、そおゆうシリアスな遭難節を、おちょくるようなコミカル調がありまんねん。

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いやはや、これぞお気楽節の遭難映画でおます。

こんなん、これまでにはないんとちゃう?

みんな、遭難に乗じて、自分らの楽しみや自由を、謳歌してはんねんもん。

そのあたりの妙味は、存分に楽しめる作りになっとります。

いわゆる、安心して見られる、遭難映画とでも言いよりますか…。

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ロケ地は、妙高高原やったらしいですわ。

そうか、なるへそ、やっぱ、秋の紅葉の美しさといい、

出演の7人みなはんは、きっと映画出演にかこつけて、秋の紅葉散策ツアーを、楽しまはったはずどす。

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5分以上の長回し撮影など、ケッコー長回しが多いんやけど、退屈するようなとこは、一切なしやねん。

ちゅうか、見れば見るほど、彼女たちの話に、どないしても、のめり込んでゆくような作りになっとります。

バイオリンを流しての7人がゆく、ダイジェスト・シーンやら、映画的リズムも快調どす。

ちゅうことで、今年の邦画ベストテン級の仕上がりやと、ボクはジャッジしました。

2014年12月11日 (木)

ロシア映画「エレナの惑い」⇒ミステリアス家族映画2

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おばはんの完全犯罪を描く倒叙ミステリー

ヒッチコック監督も真っ青な、驚きのフツーさや~

http://www.ivc-tokyo.co.jp/elenavera/

12月20日のサタデーから、アイ・ヴィー・シーはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで、全国順繰りのロードショー。

本作は、2011年製作のロシア映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

昨日の続きで、いきなりやけど、ロシア・ソ連映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、やってみます。

誠に勝手やけど、ちゅうか、勝手すぎるんやけど、ベストは20世紀製作作品、カルトは21世紀作品にしました。

●ベスト⇒①惑星ソラリス(1972年製作・ソ連映画)②ヴェラの祈り③イワン・デニーソヴィチの一日(1971年・アメリカ&イギリスで、ソ連製やないけども…)③誓いの休暇(1959年・ソ連)

●カルト⇒①本作②不思議惑星キン・ザ・ザ(1983年・ソ連)③エルミタージュ幻想(2002年・ロシア&ドイツ&日本)

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●ロシア映画はハリウッド映画とは違い、意外性に満ちて、ボクチン、いつも驚かされてきよりました。

SF映画のベスト①カルト②は、アメリカの「2001年宇宙の旅」(1968年)と、比肩してもおかしくない作品どす。

ワンカット長回しの、世界最長不倒記録1時間30分の、アレクサンドル・ソクーロフ監督のカルト③、収容所ものの新鮮味なベスト③「イワン…」、

戦争ものでも、兵士の休日に焦点を当てた、ロードムービーのベスト③「誓い…」など、アンチ・商業主義ハリウッド的な作品が、目白押しやねん。

けども、大衆受けするような、ヤッパ、分かりやすさも必要やんか。

そこで、サスペンス・ミステリー映画としても、いける本作でおます。

ストーリーもミステリー的流れも、シンプルでメッチャ分かりやすいねん。

けども、その間合いやったり、犯罪を犯すヒロインの、冷静な自然体やったりに、ウーンと渋く、サスペンスを感じる作品になっとります。

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作家的にサスペンスをクリエイトし、名作がいっぱいある巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督から、本作を見はったら、きっと驚かはるハズどす。

話はメッチャ単純。子持ち妻帯者の息子がいるおばはんと、フラフラしてる1人娘がいとる、富豪のオジンが再婚し、

ほんで、死にかけのオジンの遺書が、ミステリー的には、大いなるポイントになる映画どす。

遺書を巡る、遺産争いの映画とゆうのんは、それなりにあります。

けども、本作はどこまでも静かに潜行し、犯罪が実行されてまいります。

悪女やないんやけど、悪女になりきれない、フツーの人たちの犯罪映画として、見たあとジワリと、胸にクル映画やろか。

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確かに、ヒッチコック監督的な、サスペンスフルなインスト・サントラやら、ハリウッド映画にありがちな、大仰で重厚なオーケストラ・サウンドを流したりはしてはります。

けども、静かな犯罪とゆうか、ヒロインおばはんのキモチになって、見れてハラハラちゅうカンジではあります。

ボク的には、ロシア映画が、こおゆうヒッチコック的でありながら、その動に対する静を示す映画、ちゅうとこを作り出した点において、ハッとウッとな驚きと衝撃がありました。

ヒッチ監督も、きっと驚いたハズやろかと思います。

基本は家族映画。でもしか、キズナを描く正統系の家族映画とは、真逆の仕上げや。

ラストの方の移動撮影を含む、長回しの撮影シーンなんか、目を凝らして見れば見るほど不気味で、キズナなんかどこ吹く風!、なとこが感じられたりしよりまっせ。

ヒッチコック的をば、人間のやらしい静謐さでくるんでみた作品。

なんやしらんけど、気色悪いわーっちゅう、そんなカンジの付きまとう作品でおました。

2014年12月10日 (水)

ロシア映画「ヴェラの祈り」⇒ミステリアス家族ドラマ映画1

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ロシア映画の、21世紀の大傑作かも

世界3大映画祭の2つで受賞した、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品

http://www.ivc-tokyo.co.jp/elenavera/

12月20日の土曜日から、アイ・ヴィー・シーの配給により、東京・ユーロスペースほか、全国順繰りのロードショー。

本作は、2007年製作。カンヌ国際映画祭で、主演男優賞をゲットした、本編157分のロシア映画。

明日は、同監督の「エレナの惑い」を紹介いたします。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ロシア映画(ソ連映画含む)と聞いて、みなさんは、どないなイメージを持たれるやろか。

また、若い人たちに聞きたいんやけど、ロシア(ソ連)映画を、見たことはあるやろか。

実は、ここ最近、とゆうより、だいぶと以前から、ちゅうか、昔から、ロシア映画が、恒常的に日本公開(全国拡大系はまず、ありまへん)されとりまへん。

東西冷戦時代には、我が国が西やったために、ソ連ではかなり作られとったんやろけど、文芸大作やらしか、日本には入ってきとりまへんどした。

監督的にゆうと、個人的には、映画の教科書にも出てくる、戦争映画「戦艦ポチョムキン」(1925年製作・ソ連映画・モノクロ)などの、セルゲイ・エイゼンシュタインを始めとして、

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かなり飛んで、SF映画「惑星ソラリス」(1972年・ソ連)のアンドレイ・タルコフスキー、

軍人粛清映画「太陽に灼かれて」(1994年・ロシア&フランス)のニキータ・ミハルコフ、

21世紀では、昭和天皇を大胆に描いた「太陽」(2005年・ロシア&イタリア&フランス&スイス)の、アレクサンドル・ソクーロフくらいどした。

ほんで、本作の監督である、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督です。

「父、帰る」(2003年・ロシア)など、家族ドラマなんやけど、

怪しきミステリアスなトーンを漂わすところで、異能の才能を発揮してはりました。

上に挙げた監督にもないところの、作品性でおましょうか。

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ミステリーな家族ドラマは、世界各国にイロイロあるかと思います。

けども、アンドレイ監督は、奇妙にも異質。

殺人事件があるわけでもなく、

但し、明日紹介する「エレナの惑い」は、完全殺人犯罪を描いてはるけども、派手な抗争があるわけでもなく、

じわーっと真綿を締めてくるような、息苦しさに遭うミステリアス度でおます。

帰ってきたオトンと息子2人との、緊張感ある関係を示した「父、帰る」。

そして、本作では、あなたの子供やないと告白し、妊娠した妻と、夫とのサスペンスあふれるシーンが、クリエイトされてまいります。

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冒頭では、どこかから逃げるように走る、カー・アクションがあります。

逃げて、弟である主人公のとこに来たのは、主人公の兄貴。

撃たれたんで銃弾を取ってくれやなんて…。

一方、主人公はヨメと2人のコドモを連れて、両親亡きあとの田舎の実家に、しばらく行かはります。

ほんで、そこで、ヨメから、他人の子を身ごもってしもた、なんて告白されはるんどす。当然、夫婦ゲンカが起こるんやけど…。

時々、うん?これは?なんて、引っかかるとこがあります。

まあ、ヨメの告白も、なんでそんなストレートにゆうのんやとか、イロイロ2人の間に関わってくる兄やんは、一体何者やねん?とか。

まあ、イロイロどす。

けども、それらのナゾは、最終的には決着するんやけど、それらが映画的な撮り方で繰り出されて、ウーンとうなってしまいまんねんで。

ロシアの壮大な風景もある、キレと美のあるロングショット、緊張感ある間合いの使い方、風などの効果音、そして、緊張感を持続させる長回し撮影やら。

ちゅうことで、明日、分析の「エレナの惑い」共々、ボクが久々に見ることができた、ロシア映画の傑作どした。

2014年12月 9日 (火)

「谷川さん、詩をひとつ作ってください。」

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詩人・谷川俊太郎を、ユニークな視点から描いたドキュメンタリー

日本のフツーの人々に、詩を贈るカタチで紡がれよります

http://tanikawa-movie.com/

12月20日の土曜日から、モンタージュはんの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順繰りのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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CopyrightⒸ 2014 Montage inc. All Rights Reserved.

現役の有名人、著名人、セレブリティーらを、ドキュメンタリー映画で描こうとしたら、

どないあっても、その方のインタビューをメインに、その方の人生やワークスに、焦点を当てたもんになりがちどす。

ほんで、半ばその有名人の、PRめいた映画になり、

ファンやったらまだしも、なんやおもろないやん、なんてことになってまいます。

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ちゅうのは、どないあっても、その方の意向に沿ったもんやないと、本人の映像化許可が得られへん、ちゅうあたりの問題がありまんねん。

でもしか、本作は、かなりと趣向や切り口をば、変えてきはりました。

詩人・谷川俊太郎はんを描くんやけど、その詩の世界観と、日本のフツーの人々の生活をリンクさせて、

言葉についての映像表現の在り方を、追求してみるちゅうようなことを、やらかさはったんでおます。

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本作の杉本信昭監督が、谷川はんに「詩を作ってください。ギャラは払います」と、交渉しはるシーンも、映されとるんやけど、

谷川はんは「(東日本大震災の)被災者のために、詩を書いてくれと言われれば、退いてしまうけど…」と前置きして、この話に乗らはりまんねん。

谷川はんが、その人に会わずに、実情だけを聞いて、日本の各地のフツーの人たちに対し、詩を作って贈るとゆう、つまるところ、ただそれだけのお話なんでおますが、

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でもしか、大震災に遭った女子高生、青森の怪しいイタコ、有機農業やってはる農民、九州・諫早湾の漁業夫婦、大阪・あいりん地区の日雇い労働者など、

地方のその土地に生きる、無名の人々を選んで、詩とゆう文学の可能性を見てゆく作りは、

かつてない新鮮味に、ジワリとくる仕上げになっとります。

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さてはて、みなはん、谷川はんについては、ご存知でっしゃろか。

「鉄腕アトム」の歌の歌詞、♪月月火水木金金♪と歌う「月火水木金土日の歌」、分かりやすいマザー・グースの翻訳など、

人口に膾炙する、大衆作品も多い、現代詩人の巨匠どす。

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詩文学に特化した、傑作著作も多いんで、谷川ファンだけやなく、本作でグッときた方は、そういう著作もご覧くだされ。

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さてはて、そんな「鉄腕アトム」のテーマ曲の、弦楽オーケストラな演奏から始まる本作どす。

谷川はんの書き下ろしの詩が、次から次へと、谷川はんのナレーションをメインに、贈られたいろんな人たちの朗読で、披露されてまいります。

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短カットの連続のダイジェスト・シーンで、フラッシュ的に大文字字幕を入れたり、

ラストシーンでは、メイン・テーマの詩が披露されて、あくまで谷川俊太郎の詩の世界観に、こだわりを見せる、谷川はんを描く映画でおました。

現代日本の、ある種の底辺な世界とリンクする、そんな谷川節は、誰にでも分かりやすい、大衆的かつ親しみ深い世界なんやと思えました。

詩を映像で見る映画。そんなユニークさを、お楽しみくだされ。

2014年12月 8日 (月)

ポーランド映画「幸せのありか」⇒本年度洋画マイ・ベストテン級の仕上がり

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久々にボクが見た、ポーランド映画の傑作でおます

タブーとも言える、重度の障害者を描いた映画どす

http://www.alcine-terran.com/shiawase/

12月13日のサタデーから、アルシネテランはんの配給によりまして、東京・岩波ホールやらで、全国順繰りのロードショー。

関西やったら、2015年1月3日から、シネ・リーブル梅田やらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸTrmway Sp.z.o.o Instytucja Filmowa “Silesia Film”, TVP S.A, Monternia. PL 2013

ポーランド映画てゆうたら、まずボク的には、アンジェイ・ワイダ監督作品を思い出すんやけど、

新作を発表し続けはる、巨匠ワイダ監督作品を除いて、

21世紀のポーランド映画には、どないな傑作があったやろかと思うと、ついウーンと、うなってまいまんねん。

まあ、あんまし、日本に上陸せえへんこともあるんやけど、「大阪ヨーロッパ映画祭」でユーロの新作を見て、それなりにオモロイ作品も、見つけられたんやけども…。

今年は、モノクロ映画「イーダ」(弊ブログ分析済み)に続き、本作をば拝見させて頂きました。

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さてはて、本作は、新しいポーランド映画とゆうより、映画史における新しさを、取り込んだ映画になっとりました。

ビョーキの人、障害者の人やらを描く映画は、それこそ映画史においては、モノゴッツーのタイトル数がありますやろか。

けども、重度の障害者を、主人公に据えるとゆうのんは、たとえ実話であっても、ほとんどありまへん。

本作の脳性マヒの知的障害者の場合は、ボクが見た範囲では、女優ムン・ソリが障害者役をやった、ラブ・ストーリー「オアシス」(2002年製作・韓国映画)くらいどすやろか。

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今年も障害者の映画には、「チョコレート・ドーナツ」(弊ブログ分析済み)などの、傑作が公開されとります。

感動や泣きを見せるための、わざとらしい演出ぶりで、見せてゆく作品もまま、あります。

けども、本作はあくまで、ナレーションを含め、障害者・主人公視点を貫き、かわいそうやとかを、極力抑制した上で、

主人公の行動や心理をば、ストレートに伝える作品になっとります。

「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年・フランス)や「ジョニーは戦場へ行った」(1971年・アメリカ)みたいに、元気だった過去を、追想カットバックすることもありまへん。

こおゆう直球の重度障害者映画は、かつてなかったとゆうてもええかもしれまへん。

また、障害者を、アカデミー賞作品賞作「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994年・アメリカ)的な、前向きノリで描いた意味においても、

本作は画期的にして斬新な、映画史に残ってもおかしくない、傑作やと言えましょうか。

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プロローグとエピローグを除いて、7章に分かれて、本作は紡がれてまいります。

1987年から2010年までどすが、それぞれのとこで、感動の逸話を、主人公視点で、さりげなく描かれよりまんねん。

オトン・オカンとの交流や、オトンの死。

白黒正方形のテレビで映される、ポーランド政界の状況やらの、時代性も織り込みつつ、

ナンチューても、メインにココロにくるんは、ボランティア女史とのラブ・ストーリー部どす。

ココが大いなる見どころに、なっとるやもしれまへん。

そして、その後の主人公の、オカンに泣きながら、感情を伝えようとするシーンやらに、ググッと泣きのポイントがあります。

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恋愛部やないけども、自分は植物人間じゃないと、関係者に伝えるシーンも、グッと胸にきましたがな。

車椅子以外は、床を這うシーンが多いんやけど、そのロー・アングルを始め、

カット切りを、最初の方では入れてはるけど、基本ラインは1~3分の長回し撮影を多投し、主人公の動きや心理を、じっくりと見せてゆかはりまんねん。

口笛とピアノとバイオリン…。特に、口笛サントラ使いが、独特やったです。

映画ファンが見る、お正月映画として、打ってつけの傑作どす。

2014年12月 7日 (日)

堤真一&尾野真千子&玉木宏共演「神様はバリにいる」⇒日曜邦画劇場

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バリ島舞台の、日本的人情コメディの、爽快な1本どす

明るいキャラ・明るい天然色が、終始貫かれた作品

http://kamibali.JP

来年2015年の1月17日の土曜日から、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「神様はバリにいる」フィルムパートナーズ

海外を舞台にしながらも、「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」的な、日本的人情コメディとなった1作でおます。

海外を舞台にしたら、どっちかとゆうたら、日本人を光らせる、お国柄アピール的、もしくは、その国の観光性を、織り交ぜての邦画が多かったように思いますが、

でもしか、かつては、鈴木清順監督「カポネ大いに泣く」(1985年)や、岡本喜八監督「EAST MEETS WEST」(1995年)、滝田洋二郎監督「僕らはみんな生きている」(1993年)など、

コミカルをベースに、日本的人情の、冴える作品がありました。

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久しぶりに、そおゆう海外舞台作品、本作ではバリ島やけど…見た気がしましたえ。

最近では、バリ島ロケの日本映画「欲動」(11月8日・17日付けで分析・インタビュー)がありますが、

それとは対照的に、メッチャ明るい、天然色の画面やメイン・キャラや人々が映され、演出されていきよります。

実話がベースやけど、モチ、明るい前向きなコメディに、メッチャ向いた撮り方であり、色使い、画面作りでおました。

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さてはて、演技陣は、さらに画面作り以上に、明るい、明るい、メッチャ明るいで~。

朝ドラの「カーネーション」のイメージが強い、尾野真千子ネーさんやけど、

映画的には本来は、トラウマがあったりの複雑系の人や、シリアス真面目系が、これまでは多かったんやけど、

本作は、近作「そして父になる」(2013年・弊ブログ分析済み)とは真逆の、コメディエンヌ役。

しかも、「カーネーション」のド根性ノリが、明白に演技作りされた役柄どす。

朝ドラで彼女にハマッた方は、間違いなくさらにハマルような、快演技をば見せてくれてはりまっせ。

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でもって、そんな真千子ネーさんと、ボケとツッコミを展開する、河内弁喋る堤真一のアニキや。

モノホンの「アニキ」役なんやけど、そんな堤真一アニの爽快コメディアンぶりを示した、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば申しますと、

①ALWAYS 三丁目の夕日(2005年)②地獄でなぜ悪い(2013年・弊ブログ分析済み)③本作

●初期のサブ監督との仕事で、異彩のコメディアン演技が磨かれたんでおましょうか、

①は、みんな知ってはるやろけど、トンデル・ヤクザ役②など、もはや彼にしか出せないような、オリジン演技どす。

ほんで、その延長線上で出たカンジなんが、本作やろかな。

庶民派の「寅さん」とは違う、ワル系ノリの人情コメディ節。

しかも、とことんハチキれて、トンではります。

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そんな堤アニキの部下役の、玉木宏のアニやん。

「のだめカンタービレ」(2010年・弊ブログ分析済み)で培われた、ツッコミ・コメディアンぶりが、冒頭からさっそく、尾野真千子ネー相手に披露しはります。

映画初出演となる、ミュージシャンのナオト・インティライミも、最初はぎこちなかったけど、

小野真千子ネーを追う男として、自然に笑える演技を、徐々に見せてくれはります。

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本作の、李闘士男監督チューたら、大がい前向きで明るい映画を作る監督はんどす。

共に大阪ロケ入りやった、父子のキズナを描く、プロレスラー映画「お父さんのバックドロップ」(2004年)、学園ボクシングもの「ボックス!」(2010年)など、

スポーツ・アクション的激しい演出も、キズナを描くしっとりの演出にも、才を魅せてくれはる方どす。

でもって、ポイントは何回もゆうけど、明るさやねん。

ニワトリ、イグアナ、犬などの動物たちの出演に加え、ブラバン・アコーディオン・ファンキーなどのサントラ使いなど、全てが明朗映画へとつながってゆきよります。

元気をもらいたい時には、ぜひとも見てもらいたいビタミン映画。そんな映画になっとります。

2014年12月 6日 (土)

「ベイマックス」⇒ディズニー・アニメの最新作

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「となりのトトロ」始め、日本文化にオマージュした作品

ロボットと主人公の、キズナを描く感動作どす

http://Disney.jp/BAYMAX/

12月20日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、日本語吹替版との同時公開で、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 Disney. All Rights Reserved.

ディズニー初の、Wヒロイン・アニメ「アナと雪の女王」(2013年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)に続く作品は、

ピクサーとの合作となった「ウォーリー」(2008年・アメリカ)に続き、ロボット・アニメに挑んできはりました。

さてはて、テレビ・映画の映像界では、ロボ・アニメは日本がルーツでおます。

でもって、本作はそんなジャパニメーションを、始めとした日本文化にトリビュートし、新たなディズニー作品を作らんと、お正月映画として登場するもんなんどすえ。

監督らスタッフは、宮崎駿「となりのトトロ」(1988年・日本)を、メイン・キャラのベイマックスの造形に、参考にしたりと、かなりとディープに、日本文化を意識しはりました。

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「鉄腕アトム」や東映系のロボ・アニメ、特撮系の戦隊もの、「ドラえもん」「ポケットモンスター」なんかのテイストも、入っとるやもしれまへん。

その大いなる見どころは、ロボットと主人公のキズナをば、大いなるポイントに、してはるとこからも分かります。

死んだアニキが、主人公・弟を守るために作った、ロボット・ベイマックスと主人公のキズナと、アニキの死の謎を追って爽快なアクションを繰り返し、そして、最後には感動的なシークエンスへと着地してまいります。

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「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年・アメリカ)や「アルマゲドン」(1998年・アメリカ)なんぞに通じる、感動ある犠牲精神も披露されよります。

そこへ持っていくまでの展開を言いますと、アクションはモチ、ミステリー色もありまんねん。

ただ、ミステリー的展開では、すぐに分かってもうて、次へと進むようなとこがあるんやけど、

でもしか、コレはコドモさんにも、分かりやすい展開を考えてのものやろかと思います。

しかも、二重にどんでん返しを用意するちゅう、手の込んだ作りなんどすえ。

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さて、アクション・シーンは、従来のディズニー・アニメを覆す、激しい壮絶なアクション・シーンの、オンパレードになっとります。

主人公が発明しはった、マイクロロボットの集合体ロボとのカーチェイス、

6人の戦隊対集合ロボと、それを操る謎の仮面男との、島の廃工場やクライマックスの1大決戦シーンは、メッチャ手に汗握る仕上げになっとりました。

舞台設定もSF的未来型どして、サンフランシスコと東京をミキシングした「サンフランソウキョウ」とゆう未来都市で、お話は展開しよります。

その絶妙な作りは、合体都市系舞台映画の、先駆的な1作になっとるんやないやろか。

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でもって、ディズニー・アニメには欠かせない、サントラ部はどないやろか。

こちらも、ディズニーの定番を外してはります。

確かにラストロールでは、しっとり壮大なバラードでシメはるけども、

本作でもイントロが流れるけど、「ロッキー3」(1982年・アメリカ)で使われた、サバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」みたいな攻撃的なロックが、使われとります。

アクション・アニメの新境地にも、挑んだとも取れる本作。

ボク的には、ディズニー・アニメの新世界が見えてきました。

お正月に家族一同、ディズニーの新しき世界へ、レッツラゴーどす。

2014年12月 5日 (金)

韓国映画「パパロッティ」

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ハン・ソッキュのアニキ初の、コミカル人情節演技や

若手イ・ジェフン君も、爽快なさわやか演技を披露や

http://www.paparotti.jp

12月23日のサタデーから、コンテンツセブンはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やらで、全国順繰りのロードショーでおます。

関西やったら、2015年1月10日の土曜日から、大阪のシネ・ヌーヴォやらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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COPYRIGHT Ⓒ 2013 KM CULTURE ALL RIGHTS RESERVED.

高校学園もの、先生と生徒の1対1的師弟もの、音楽映画、コミカル人情節、実話ものなど、

多彩な切り口で分析できる、韓国映画の登場や~。

まずは、主演・出演陣の分析から始めま。

先生役ハン・ソッキュ(写真上から3枚目)のアニキ。みんな、知っとるか~。

彼のマイ・ベスト&カルト映画(各順不同)をば、披露いたします。

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●ベスト⇒①シュリ(1999年製作・以下の引用映画は、指定国以外は全て韓国映画)②八月のクリスマス(1998年)③カル(1999年)

●カルト⇒①本作②ベルリンファイル(2013年・弊ブログ分析済み)③スカーレットレター(2004年)

●スパイ役ベスト①カルト②や、刑事役ベスト③カルト③に加え、病系のラブ・ストーリーのベスト②など、

ソッキュのアニは、20世紀も21世紀も、シリアス&誠実な演技をしてきはりました。

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ところがどっこい、本作みたいな、コミカルかつ人情節ある演技なんやけど、意外にも初めてとなりました。

音楽オペラに特化した教師役。

実に、飄々と滋味深く演じてはります。

ほんで、彼とメインに関わる、ディープなオペラ歌手の、才能を秘めた転校生役に、若手のイ・ジェフン(写真上から4枚目)君。

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兵士役やった戦争映画「高地戦」(2011年・分析済み)、さわやかな役やった「建築学概論」(2012年・分析済み)など、

はつらつとした爽快な演技が、メッチャな好感を呼んではります。

ほんで、本作でもモチ、見ていてキモチいい役柄や。

ヤクザやってる高校生ちゅう役も、邦画ではヤクザの組長の娘やらはあったけど、設定としては珍しいわ。

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校長役のチョ・ジヌン(写真上から5枚目)の、エエ加減な感じ。

本作では、「マルチュク青春通り」(2004年)などで披露した、名バイ・プレイヤーぶりに魅せられたし、

「サニー」(2012年・分析済み)でアイドルチックにデビューした、カン・ソラ(写真上から6枚目)ちゃんの、イ・ジェフンとの絡みなんか、この種の映画では欠かせまへん。

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さてはて、高校学園ものとして本作を見てみると、韓国の学園ものとしては、

「マルチュク青春通り」並みの、さわやか仕上げになっとりましたで。

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先生と生徒の関係性では、家庭教師系やけど「家族ゲーム」(1983年・日本)の、距離を置いてた関係性と、

ベタやった「奇跡の人」(1962年・アメリカ)なとこもあり、

そんな名作2作を、程よく調和さしたような仕上げぶりどしたやろか。

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でもって、音楽映画性。実話ものどすが、今年日本公開された「ザ・テノール 真実の物語」(分析済み)は、プロの音楽家の逸話どしたが、本作はアマチュアの話。

けども、共に、天才的才能を見出し磨いてゆく過程は、音楽映画としての、醍醐味にあふれておました。

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ポップ・ミュージックを流しての、声楽練習シーンのダイジェスト・シーン、

「誰も寝てはならぬ」など、世界3大テノールのパヴァロッテイを、パロッたタイトルへ、つながるコミカルなシーンなど、

ノリノリやったり、笑ったりのシーンが続きます。

そして、ナンチューても、ハイライト・シーンは、

ハン・ソッキュのアニキが、ヤクザんとこへ行って、高倉健さんとはゆかんけど、1発カマシてくれはる、シークエンスやがな~。ホンマかいや~。

ホンマどす。

とにもかくにも、心地よいカンジで、見終えられた快作どしたえ~。

2014年12月 4日 (木)

「細雪」⇒新・午前十時の映画祭

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アップ多めに贈る、日本映画史を飾る名女優の競演やで~

美しき日本の四季風景にも、グッとくる傑作やで~

http://www.asa10.eiga.com

12月13日~12月26日の間、東京・TOHOシネマズ日本橋、立川シネマシティやら、京都・TOHOシネマズ二条やらで、午前10時から1回上映どす。

本作は1983年製作映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

故・市川崑監督が撮った映画やけど、文豪・谷崎潤一郎原作映画としては、これまでのマイ最高傑作となった傑作どす。

谷崎が発表当時に言っていた「源氏物語」への意識は、主人公・光源氏よりも、女たちに焦点が当てられて、原作もそうやったけど、映画では、より華やかな女優共演映画とゆうスタイルでいってはります。

日本映画の4人以上の女優共演映画は、本作以前は、男優も取り込んだ、オールスター共演とゆうカタチで、披露されとったけども、

女優たちがメインで、男優が従とゆうのんは、女学校を描いたりする映画以外は、そんなになかったかと思います。

「四季・奈津子」(1980年)など、1980年代あたりから、女優競演群像劇スタイルが、出てきたように思います。

それが、姉妹親戚関係である点は、邦画的には強調した方がエエかもしれまへん。

女性たちがメインになっての群像劇スタイルは、女囚もの、チーム・スポーツもの、部活ものなど、多彩に出てきたんやけど、ヤッパ、日本的には、家族映画的が一番なんかもしれまへん。

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佐久間良子、岸恵子、今も活躍してはる吉永小百合など、戦後の昭和の日本映画を、系譜的に飾る女優はんが、主演・出演してはるのも、エエバランスを保ってはります。

でもって、一番下の妹役が、当時はアイドルとゆうてもエエ、古手川祐子(写真下)ちゃんが、アップ多めに出てはるんも、なるほど、市川崑監督的には、アイドル女優としての売りを、強調してはったんでしょうか。

その後の行方は分かっとる中においても、ボクは当時の角川事務所3娘(薬師丸ひろ子・原田知世・渡辺典子)以上の、かわいさとアイドル性・演技性をカンジましたがな。

みんな、関西弁で喋ってはんのも、ボク的にはメッチャ好感を覚えました。

「ほな、さいなら~」とか、「何しやはんの」「何さらしとんねん」「こいさん」「あんじょう」やら、関西弁・言葉のオンパレードやねん。

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傑作は10指をカンペキに超える、市川崑監督の、マイ・ベスト・スリーに入る作品どす。

あとの2本は「東京オリンピック」(1965年)と「犬神家の一族」(1976年)だす。

どっちも、本作よりも売れましたけども、売れ線のエンタ性を意識し、監督性も打ち出す姿勢は、日本の監督では、黒澤明に次ぐもんやないやろか。

日本映画の美にとって、かつては定番中の定番であったところの、四季折々のシーン描写を、そつなく取り込みつつ、

濃いセピアや、市川崑的レッドとも言える、赤色の原色系を、時おり配し、自然風景の単なる描写を超えた、色使いの妙味とコントラスト。

そして、そんな背景において、女優陣を始めとした、徐々にスリルを増してゆく、演技バトルの演出ぶり。

完全主義者・黒澤明に対する、寛容・柔軟性を示さはる市川崑演出ぶりは、剛の黒澤明・柔の市川崑やと言えますやろか。

いずれにしても、市川崑監督の持ち味が、遺憾なく発揮された傑作です。

2014年12月 3日 (水)

「パーソナル・ソング」⇒アメリカン・ドキュメンタリー

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アメリカには珍しいアルツハイマー映画で、しかもドキュや~

音楽療法の可能性を探る、治療ドキュメンタリーどす

http://www.personal-song.com

12月6日のサタデーから、アンプラグドはんの配給によりまして、東京・[シアター]イメージフォーラムやらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸALIVE INSIDE LLC 2014

いきなりやけど、記憶喪失を起こす記憶障害や、アルツハイマー病こと認知症やらを描いた映画の、洋画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたします。

かつて、その種の邦画のベスト&カルトもやりましたが、洋画・邦画合わせての分は、また後日やらせていただきま。

●ベスト⇒①心の旅路(1942年製作・アメリカ映画)②かくも長き不在(1960年・フランス)③きみに読む物語(2004年・アメリカ)

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●カルト⇒①私の頭の中の消しゴム(2004年・韓国)②バルフィ!(2013年・インド・弊ブログ分析済み)③本作

●戦争で記憶喪失となった主人公が、登場するベスト①などが、この種の記憶喪失もののルーツ作となるやろか。

ベスト②もそう。アルツハイマーものとなると、日本ではボケ老人の「恍惚の人」(1973年)などを思い出すけど、

ボクがその種の洋画を見てないからやろか、あんまし思い出せまへんどした。

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そやから、21世紀になってから登場した、ベスト③、カルト①、ベスト③などにオマージュした、カルト②なんかを選びました。

それらの基本ラインは、闘病ものやなく、ラブ・ストーリーでおます。

でもしか、本作はドキュなだけに、その具体的な治療法に言及し追求する仕上げとなっとります。

でもって、アメリカの介護ビジネスの在り方にも迫る、社会派ドキュメントなスタイルも、兼ね備えておるんどす。

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その画期的な療法とは音楽療法でおます。

認知症の人が思い出の曲に、どう反応するんか。

クラシックなどの癒やしの曲から、元気になれるポピュラー・ミュージックまで、単なるヒーリング・ミュージックやなく、その人の記憶を喚起するような、かつて聴き惚れた曲を聴いてもらうんだす。

いくつもの具体的事例が描かれます。

1970年代に思い入れが深い、8年間病院に入院していた老人が、ビリー・ジョエルの「ピアノマン」を聴くや、元気を取り戻し過去の記憶が蘇ったり、

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過去の名曲を聴いて、その歌を歌い始める男や、「スタンド・バイ・ミー」を聴いて、グッとのめり込む老夫婦やったりが、次々に出てきはります。

ミュージシャンのボビー・マクファーリンの話、モノクロで描かれる過去の介護の実態や、現在の老老介護の実態、抗精神薬の乱用、

老いについての考察を、ダイジェスト的に描いたり、多彩な分析カットも挿入しもって、音楽療法の可能性を見せていかはりまんねん。

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そして、ラストロールでは、フォークチックなギターの弾き語りナンバーが流れて、ジワーッとくる感動に包まれよります。

少しく宣伝っぽいとこも、ないとは言えへんけども、

サンダンス国際映画祭で、ドキュメンタリー部門の観客賞をゲットしたり、

スピルバーグやトム・ハンクスが、本作を映画館で鑑賞しはって、絶賛したエピソードなんかを聞くと、

そういう宣伝っぽいとこも、感動に付与しとるんかもしれまへん。

みなはんも劇場へ見に行って、ご確認しておくんなまし。

2014年12月 2日 (火)

菅原文太アニキの最高傑作「仁義なき戦い」

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高倉健さんに続き、菅原文太のアニキが逝く…嗚呼~

文太アニが主演した本作は、日本映画史に残る、ヤクザ映画の最高傑作や~

12月13日の土曜日から2週間、東京・楽天地シネマズ錦糸町、TOHOシネマズ府中、大阪・TOHOシネマズなんば、高槻アレックスシネマやらで、午前10時から1回上映。

http://www.asa10.eiga.com

文=映画分析評論家・宮城正樹

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12月1日、菅原文太のアニキが死んだニュースが流れた。

高倉健さんの死に続く、痛切のディープ・インパクトやったけど、ヤッパ、作品を振り返ることで、彼の演技に浸ることこそが重大やと思いまして、

ここに、文太アニ主演映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順位通り。シリーズものは第1弾を選んでおます。3位を同率にして各4作選びました)をば披露さしてもらいます。

健さんの場合は、遺作となってしもた「あなたへ」(弊ブログ分析済み)の項で披露し、「ブラック・レイン」(1989年・アメリカ)もこの「新・午前十時の映画祭」公開前で分析し、「幸福の黄色いハンカチ」デジタル・リマスターでも、分析いたしましたので、そちらをご覧くだされば幸いどす。

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●ベスト⇒①仁義なき戦い(1973年)②ボクサー(1977年)③ダイナマイトどんどん(1978年)③鉄拳(1990年)

●カルト⇒①太陽を盗んだ男(1979年)②トラック野郎・御意見無用(1975年)③わたしのグランパ(2003年)③網走番外地・吹雪の斗争(1967年)

●高倉健さん以上に、不器用で武骨で荒々しかった文太アニは、ヒロイズムある、なり切りの感情移入型というよりは、

より映画の中の主人公とゆうカタチで、観客から距離をおいて、見られるようなタイプやったかと思います。

やから、アニキ、ガンバレ!と、スポーツ選手を応援する、サポーターのようなキモチで、文太アニの演技を見られるんでおます。

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主に1970年代の作品を選んだんやけど、

寺山修司監督とのボクサー役のベスト②、

岡本喜八監督との、野球するヤクザ役のベスト③「ダイナマイト…」、

阪本順治監督とのベスト③「鉄拳」など、決して巨匠やないけど、気鋭の監督の作品に、出演してはったところ。

刑事役のカルト①、トラック運転手役のカルト②など、ベスト①の演技を、ベースにしたワイルド感。

でもしか、21世紀になると、新境地やと思うんやけど、「千と千尋の神隠し」(2001年)のカマタキ爺などで、声優役をやったり、

カルト③「わたしの…」で、ベスト①の主人公が老いを迎えたカンジで、孫(石原さとみ)を守る役をやったりしはりました。

高倉健さんと共演したカルト③「網走番外地…」も、1970年代の活躍へとつながった意味において、印象深い演技でおました。

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万人がゆうかもしれへんけど、マイ・ベストは、シリーズ化された本作第1弾どす。

本作の深作欣二監督とは、本作発表以前にも、ヤクザ映画を撮ってたんやけど、ヤクザ映画の最高峰とも言える仕上げを見せたんが、ナンチューても本作なんでおます。

クエンティン・タランティーノ監督やら、海外の名監督にも影響を与えた作品。

ナンチューても、葬式のラストシーンで、想いを込めて銃撃する文太アニの姿(写真上から4枚目)どすやろか。日本映画史に残る名シーンどした。

ちょうどまもなく映画館で上映されるんで、DVDでもエエんやけど、ぜひとも映画館で鑑賞して、文太アニの姿をば、脳裏に焼き付けてくだされませ。

2014年12月 1日 (月)

アメリカ映画「サベージ・キラー」⇒ヒロインのリベンジ映画

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「キル・ビル」並みに壮絶な、女リベンジ映画作品

ヒロイン・アクション映画としては、泥臭みある怪作やで~

http://www.savage-killer.com/

12月6日のサタデーから、AMGエンタテインメントはんの配給によりまして、東京・新宿武蔵野館やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Savaged The Movie LLC Ⓒ2013

ニューメキシコへ、オナゴ1人で車で行って、現地の不良男たちにつかまり、犯され、

ほんで拉致監禁後に、逃げようとしたら、見つかった見張りの男に、殺されてまうやなんて、

ナンチュー残酷極まりない話やねん!なんやけど、そんな女の死体が、

現地のネイティブ・アパッチ族の祈りにより、元酋長の魂が乗り移ってでんな、蘇らはりまんねん。

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ほんでもって、リベンジとして、彼女が、彼女を殺した男たちを、次々に血祭りに挙げてゆくっちゅうお話や。

単純すぎるかもしれまへん。けども、女が1人でアクションする映画としては、ある意味で出色の仕上げをば示してはります。

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そこで、女1人アクションのヒロイン映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、ゆうてみますと…。

●ベスト⇒①エイリアン・シリーズ(1979年~1997年製作・全4作・アメリカ映画)②キル・ビルVol.1(2003年・アメリカ)③ニキータ(1990年・フランス)

●カルト⇒①バイオ・ハザード(2002年・シリーズ第1弾・アメリカ&ドイツ&イギリス)②本作③ウィークエンド(1976年・カナダ)

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●たった1人のヒロイン・アクト映画の、系譜についてゆうてみますと、

やはりベスト①の、サバイバル映画ノリの中で、エイリアンと戦うとゆうインパクトで、この種の映画の嚆矢なんやないやろか。

ヒロイン暗殺者アクションの、嚆矢やと思うベスト③、

21世紀のヒロイン・アクト映画の、大ヒット・シリーズ第1弾のカルト①など。

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ほんでもって、リベンジ系アクションも、イロイロ進化してまいりました。

彼氏が殺されながらも、彼女は襲いかかる男たちを家内にいながら、全員殺してもうたカルト③。

女復讐劇のトレンドになったベスト②。

そして、本作は、彼氏はいるんやけど、彼氏とは関係ないとこで男たちに殺されたけど、その後蘇り、男たちをイロンナ武器を使いもって、復讐しはりまんねんで。

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死んでしもてから、再生してのリベンジちゅうのんは、ヒロインものとしては、映画史上初やないやろか。

ほんで、酋長の魂が入っとるだけに、女だてらに、物凄い泥臭~いアクションを、ヤラはりまんねんで。

しかも、ヒロインは聾唖者。このあたりも新しおます。

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格闘系アクトはそないないけど、弓矢攻撃を始め、

女ナイフ対男チェーンソーの対決アクションなど、手に汗握る仕上げどす。

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なんせ男たちに、メタメタにされてもうたヒロインの造形ぶりが、あまりにもエゲツナクてでんな、

ある意味でキモイ度合いも、かなりと高いカンジなんやけど、

でもしか、最後までとことんヒロインを、応援したくなる作りになっとります。

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ニューメキシコの酷暑感を示す、熱線を感じる薄色配色も、エエカンジやし、

呟き的女スロー・ナンバーや、壮大なピアノ・バラードなど、ヒロインのキモチに即した、サントラ使いも上手いと思います。

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スロー・モーションは、ほとんど使われてへんかったんやけど、ボク的には、サム・ペキンパー監督的なセンスを、終始カンジとりました。

例えば「わらの犬」(1971年・アメリカ)とかやろか。

ちゅうことで、アメリカン・インディペンデント映画ながら、インパクトある、怪作アクション映画どした。

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