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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2014年10月の記事

2014年10月31日 (金)

「ガンズ&ゴールド」⇒犯罪ものオーストラリア映画

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ユアン・マクレガーの、独壇場が見えるアクション快作

銃撃戦からカーチェイスまで、見どころいっぱいどす

http://www.guns-gold.jp

11月1日のサタデーから、KADOKAWAはんの配給によりまして、東京・シネマサンシャイン池袋やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、12月20日から、シネ・ヌーヴォで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 SOAG Holdings Ply Ltd, Screen Australia, ScreenWest Inc. and Screen NSW

ユアン・マクレガーのアニキの、主演映画でおます。

そんなユアン・アニの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①トレインスポッティング(1996年製作・イギリス映画)②ビッグ・フィッシュ(2003年・アメリカ)③ゴーストライター(2011年・ポーランド&イギリス)

●カルト⇒①本作②ムーラン・ルージュ(2001年・アメリカ)③スター・ウォーズ/エピソード・シリーズ(1999年・2002年・2005年・アメリカ)

●青春ものベスト①、ヒューマン・ドラマ映画の快作ベスト③、父子のキズナを描くベスト②、ミュージカルのカルト②、大ブレイク映画のカルト③などと、多彩な演技を披露してきはったユアン・アニ。

2
本作は、アクション映画・犯罪映画どして、ユアンのアクション映画でも、特筆すべきアクションぶりをば、披露してはります。

ユアン以外では、若手の主人公役ブレントン・スウェイツの、おぼこい初々しさ。

紅一点役のアリシア・ヴィキャンデルちゃんの、アクションぶりと、セックス・シーンでも魅せる、ヤラシーのセクシーぶりに、ウーンとうなりました。

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いろんな映画とのシンクロナイズは、ケッコー多彩どす。

最初のところは、刑務所ものになっとりまして、ムショを出てからが、メッチャ面白くなる「ショーシャンクの空に」(1994年・アメリカ)やらとシンクロ。

銀行強盗系の犯罪映画が、犯罪もののルーツやと思うんやけど、それを進化させた作りとゆう意味においては、「黄金の七人」(1965年・イタリア)や、「オーシャンズ11」(2001年・アメリカ)やらとシンクロ。

ほかには、「ランボー」(1982年・アメリカ)なんぞもあるかと思います。

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ユアン・アニとブレントン君が、ムショで知り合いになり、出所してから、金塊強奪作戦をやらかす、ちゅう映画なんやけど、

ブレントン君は正規で出所しやるんやけど、ユアンは脱獄系のスタイルで、塀の外に出てきはるんどす。

でもって、チームを組んで、金塊奪取作戦を、準備期間を経て実行しはりまんねん。

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アクション・シーンのビビッド感は、荒野な田舎を舞台にしてはるだけに、都会派のアクションよりも、よりソリッドなアクション・シーンを、クリエイトしはりました。

臨場感あふれる銃撃戦を始め、荒野のカーチェイス・シーンの、粗削りで粗野なとこの面白さ。都会のカーチェイスとは違う、シンプル・イズ・ベストなアクションを堪能してくだされ。

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ほんでもって、サプライズが次々にやってくるとこなんか、目が点になってまうような、ハラドキがありました。

サントラ使いにも注目やで~。ピアノ・フィメール・シンガーによる、スロー・ナンバーの、何とも言えない雰囲気は、特筆もんどした。

ブレントンとアリシアの、2人の電車内セックス・シーンで流れたり、サプライズあるラストシーンでも、使用されておます。ピアノとバイオリンによる、インスト・サントラも、ムードを高めよりました。

ちゅうことで、ワイルド感あるユアンの演技を始め、見逃せない逸品となっておます。

2014年10月30日 (木)

フランス映画「至高のエトワール」⇒バレリスト・ドキュメンタリー

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パリ・オペラ座関連のドキュメンタリー最新版どす

「白鳥の湖」から「椿姫」まで、多彩なバレエ・シーンにウットリ

http://www.alcine-terran.com/shiko

11月8日のサタデーから、アルシネテランはんの配給によりまして、Bunkamuraル・シネマやらで、全国漸次のロードショー。

関西やったら、11月15日からシネ・リーブル梅田、11月29日から京都シネマ、12月6日からシネ・リーブル神戸やらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Delange Productions all rights reserved.

名作「赤い靴」(1948年製作・イギリス映画)や「リトル・ダンサー」(2000年・イギリス)など、バレエのドラマ映画もエエんやけど、

演技やなく、ホンマモンのバレエの素晴らしさを、伝えるドキュメンタリーゆうのんもござります。

モチ、公演にゆくんもエエんやけど、映画的なバレエに魅了されたい方には、本作は打ってつけの作品でおます。

ちゅうことで、ここで、全部がフランス映画なんやけど、バレエ・ドキュメンタリーの、マイ・ベスト・スリー(順位通り)を披露いたします。

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①パリ・オペラ座のすべて(2009年・アメリカ&フランス)②エトワール(2000年・フランス)③本作

●バレエ・ドキュちゅうたら、ボクが見てるのでは、ほとんどがパリ・オペラ座関連のものでおます。

バレエ・ファンに遡求する、これらの作品群は、映画ファンにはどう映るんかが、心配なんやけど、ボク的には映画ファンにも充分通じる作品を選んでおます。

①のアメリカの、フレデリック・ワイズマン監督てゆうたら、ゴリゴリの映画ファンにはたまらへん、ドキュメンタリー映画の巨匠中の巨匠やけど、

バレエ・ドキュもあるけど、彼もオペラ座にまつわるドキュをば撮ってはります。

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いわゆる、PR的に撮るとゆうスタンスやなく、現実と公演を映画的撮り方で、そのままに映してゆくとゆうスタイルは、観客に何かココロに残るものがあります。

①は舞台のオペラ座の姿を、メインにしたもんやけど、②や本作みたいに、バレエ・ダンサーに焦点を当てたものは、一般的には分かりやすく、大衆的でありまして、

日本ではどうやらは別にして、フランスではケッコーヒットしとるんでおますよ。

でもって、本作はオペラ座のエトワール(最高のダンサー)を、選ぶ過程を描いた②とは違い、そんなエトワールをクローズアップした作品でおます。

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エトワールのアニエス・ルテステュのネーさんの、引退公演に合わせて、彼女の魅力を伝えるとゆうのんが本作どす。

絶賛・絶賛の、ある意味でPR的な視点が、チョイ気にはなりましたが、いろんな公演を見せて楽しめまっせ。

但し、それらの演目のほとんどが、桟敷席的観客視点から描かれるのんが、映画的と違うやんと、少しく気にはなったけど、

でもしか、アニエス・ネーさんの美しき踊りに、そんなことを忘れてもうて、ウットリなれるようになっとりまんねん。

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ソロよりも、男女コンビネーションによる、バレエ演目がメインどすやろか。

「白鳥の湖」「椿姫」「シンデレラ」「天井桟敷の人々」など、映画でも描かれた作品で、名作映画を思い出しながら、バレエを見れるっちゅうことになっとります。

アニエス・ネーを始め、関係者のインタビューは、ドキュらしく映されておますが、公演や彼女との絡みで、印象深い談話がいくつもありましたで。

また、ピアノ・ソロをポイントにした、サントラにウットリきよります。

彼女のプライベート部も映され、ほんで、引退公演が感動のクライマックスでおます。

ちゅうことで、最後の最後まで、ウットリのままに見れる映画どした。

2014年10月29日 (水)

「天才スピヴェット」⇒「アメリ」の監督の新作どす

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これがジャン=ピエール・ジュネ流の、変形家族&少年映画や

アメリカ・ロケをせずに、アメリカン・ロードムービーを紡ぐ面白さ

http://spivet.gaga.ne.jp

11月15日の土曜日から、ギャガはんの配給によりまして、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷やら、シネ・リーブル梅田、あべのアポロシネマやらで、3D/2D同時上映でおます。

本作は、フランス&カナダ合作映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸEPITHETE FILMS - TAPIOCA FILMS - FILMARTO - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA

本作は、マットーやない、変型家族ドラマどす。

けども、着地点は悲劇であれ、ハッピー・エンドであれ、家族のトラウマやキズナなど、正統派家族ドラマ映画から感じるものと、そう変わりはありまへん。

ちゅうことで、ここで、思いつくままに、変型家族映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば言いますと…。

①ホテル・ニューハンプシャー(1984年製作・アメリカ映画/トニー・リチャードソン監督)②木村家の人びと(1988年・日本/滝田洋二郎監督)③本作

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●かなりザックリとやけど、いずれも、ある意味破天荒で、定型を逸脱した両親に加え、その家のコドモたちが、抑圧もありつつ、自由奔放に活躍する映画でおますやろか。

ほんでもって、本作は、天才か異能かっちゅう少年が活躍する、少年映画としてのところが、家族映画以上に、クローズアップされておます。

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天才少年の物語も、これまでにケッコー出てきましたけども、ここで、少年系映画で、異能の作りを示してみせた映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば、披露しよりますと…。

①本作②ヒューゴの不思議な発明(2012年・アメリカ)③ブリキの太鼓(1978年・西ドイツ&ポーランド&フランス)

●戦争③や映画創世記②の時代を、狂言回し的な立場で、少年が躍動する作品に対し、本作はあくまで、天才発明家少年のとこに、焦点を当てておます。

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ほんで、アメリカ映画の少年もの。例えば、ハーレイ・ジョエル・オスメントが主演した「ペイ・フォワード/可能の王国」(2000年)のようなミラクル性よりも、より現実感ある作りで、少年の異彩ぶりを追求しはります。

「エイリアン4」(1997年)で、ハリウッド映画に進出しはった、フランスのジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作どすが、

その後、ハリウッドと作風が合わなかったとこを、イロイロ自作で示してはります。

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「アメリ」(2001年・フランス)は、正統派アメリカン・ヒロイン映画への、アイロニーもカンジたけど、本作でも、当然、家族映画や少年映画への、ピリリとしたとこがありました。

しかも、故郷のモンタナからワシントンまでの、少年のロードムービー・シークエンスが、アメリカ・ロケやなく、カナダで撮られとるとゆう驚きがありま。

でも、風景的には、全く違和感はありまへん。

かつて多数輩出された、アメリカン・ロードムービーのテイストが、貨物列車の忍び乗りから、ヒッチハイクまで紡がれてまいります。

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3Dでも見られるんで、図表などのCG部も含めて、むしろダイナミズムあるロードであり、ほんで、自然風景の雄大さもあります。

発明家として賞をもらった少年が、受賞式に出るために、オトンの名をかたって出るためのロードどして、コミカルやお気楽なカンジもあるけど、

実は、少年は双子の弟を死なせてしまったっちゅう、トラウマを持ってる設定になっとります。

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冒頭から死んだ弟との、過去の交流も描かれて、弟が死んだシーンも映されるんやけど、

でもしか、ハリウッド映画とは違い、それがコテコテのトラウマのように見えないとこが、ジュネ流なんやろか。

オトン始め、ヘレナ・ボナム=カーターらオカン役のユニークさ、女優を目指す姉の奇行ぶりなど、少年の心の痛みを、脇役陣がそれとなく癒やしてはる、演出ぶりが心憎いわ。

「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)や「普通の人々」(1980年・アメリカ)みたいな、兄弟の死んだトラウマが、ドラマに暗く反映されてへんとこも、ドラマティックな陰影はないけども、ボクは悪くないと見ました。

いずれにせよ、ハリウッドに背を向けたカンジが、濃厚に出た逸品どした。

2014年10月28日 (火)

「うまれる ずっと、いっしょ。」⇒家族ドキュメンタリーの第2弾

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3組の日本の家族を描いた、あったかドキュどす

よくあるパターンを、深刻に描くノリが逆に新鮮味や~

http://www.umareru.jp

11月22日の土曜日から、ミモザフィルムズはんの配給によりまして、東京・シネスイッチ銀座やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、11月29日の土曜日から、大阪・シネマート心斎橋やらで上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 IndigoFilms

前作のドキュメンタリー「うまれる」(2010年製作・弊ブログで分析済み)が、40万人が見たとゆう、この種のドキュでは、異例の大ヒットとなりました。

ほんで、第2弾の本作は、全国各地の映画館で、拡大ロードショーと相なります。

単館系劇場公開やったのに、その後自主上映で広がっていった、前作のキー・ポイントは、誰が見ても感情移入でき、そして、感動ある家族のドキュやったんで、

まあ、ヒットに結びついたんは、ある意味では、当然の結果やったかもしれまへん。

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3家族を描いてんねんけど、その中味は…。

妻に先立たれた老夫と、その血縁家族。老夫は妻を思い続ける毎日を送ってはります。

バツイチのシングルマザーと再婚し、血のつながりのない息子を、育てるオトンの話。

いつ死んでもおかしくない障害児を、育てる夫婦の話。

どのパターンもが、かつて家族映画で撮られてきた話の域を、出るもんやありまへん。

よくあるパターンゆうたらそうなんやけど、でもしか、ドキュやけど、劇的に深刻度合いを取り込んで、ハラハラドキドキを構築。

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その分かりやすさや普遍なところも含めて、みんなのココロを打つのんも、よう分かる作りやろかと思います。

例えば、松竹系の名作家族映画と、同じくらいのセンスとお涙ちょうだい節があります。

泣ける映画は日本映画の、お家芸にして伝統芸でもあることやし、それをドキュをポイントにして、打ち出す手法は、あんましなく、

ライン・プロデューサー的な観点からゆうても、莫大な俳優の出演料を、始末できる点において、画期的なんがあるやろか。

それで、大ヒットすれば、ゆうことはありまへん。まあ、本作もヒットするやろし、シリーズ化されることとも相なるでおましょうか。

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前作の、つるの剛士のナレーションは、今回では樹木希林はんに変わっておます。

剛士アニの率直ストレートな感じもええけど、希林はんの滋味な穏やかさも、こういう家族もんにメッチャ合います。

「生まれる命、旅立つ命…」などのセリフが、ドキュの中にグッと入れる調子を持っておます。

夫の妻への想いは、現状でどうなんか。

体外受精で、新しい子を得る予定の若い夫婦。オトンと血のつながらない、息子との関係はどないなるんか。

障害児の息子を、生きながらえさせるための、夫婦の必死のパッチの奮闘ぶり。

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全てのドラマに、ハラハラと感動があります。

死んだ妻へ宛てた手紙を読む、夫のナレーション。

幼い息子に、血のつながらないのを伝えるオトン。帝王切開の出産シーン。

障害児と夫婦の交流シーン。

弦楽四重奏の時おりの挿入。森や青空の鮮やかな自然カットの挿入。

家族みんなで見に行っても、全然OKなファミリー映画性も、兼ね備えてるやろかと、ボクは思います。

そやから、この次は、大手の映画会社の出資もあるかも。いや、ドラマ映画になるかも。そんな期待が膨らむ、第2弾でおました。

2014年10月27日 (月)

「スーパーローカルヒーロー」⇒CDショップ・ドキュメンタリー

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尾道のレコード店「れいこう堂」を、舞台にした音楽ドキュメンタリー

EGO-WRAPPIN'から二階堂和美まで、インタビュー談話あり

http://superlocalhero.com/

11月1日の土曜日から2週間、大阪・第七藝術劇場やら、京都・立誠シネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。以降、12月13日から1週間、神戸アートビレッジセンターやらで上映だす。

本作の配給は、映画「れいこう堂」製作委員会どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

かつてCDショップ、レコード店を描いたドラマ映画はありましたが、ドキュメンタリー映画として描かれるんは、おそらく映画史上初めてやないやろか。

しかも、描かれるんは、地方(尾道)の開店休業状態の、レコード店「れいこう堂」でおます。

一体どのあたりに、素材の面白さやドラマティックが、あるんやろかと申しますと、オーナー店主・信恵勝彦のキャラや行動ぶりなんどす。

採算度外視のイベント・ライブを開いたりして、音楽への情熱を示したり、東日本大震災の尾道への避難者支援やら、ボランティアに奔走。

一方で、月光仮面を気取って、バイクでイロイロ回ったりしはります。そんな主人公を、手持ちカメラで追いかけはるんが、本作でおます。

奇行的なとこも見せるけど、本質は人情味ある人間性であり、ミュージシャンたちへのサポートぶりから見える、音楽人間的なとこが、ジワリしみじみと、胸にクル作りになっとります。

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そんな信恵はんに心酔する、ミュージシャンたちの談話が、テンコ盛りになっとりまして、また、彼らのライブ・シーンも挿入されておます。

男女2人組で、ジャジーなサウンドとポップスを融合させた、「EGO-WRAPPIN'」(エゴラッピン)。

スタジオジブリの「かぐや姫の物語」(2013年・弊ブログ分析済み)で、癒やしのポップスを主題歌として歌った、岡山の現役女僧侶の「二階堂和美」。

リズム&ブルースの「モアリズム」。ファンキーな「オーサカ=モノレール」。

そのほか、UA、中川敬、畠山美由紀、アン・サリーなど、渋い音楽をやってる方々が登場しはります。

極め付けとしては、信恵さんを励ますことを主旨に、ミュージシャンたちが参集した、2009年の東京のイベント・コンサートの模様などが、ビビッドに感動的に撮られておます。

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インストのサントラも多彩どす。

アコースティック・ギター・ソロ、ギターとマラカスなどの、パーカッションとのコラボ、バンド・サウンドまで、シーンに合わせて流れよります。

さてはて、サウンドやらもエエんやけど、でもしか、本作の一番の見どころは、信恵はんの、人間ドキュメンタリーなとこでおましょうか。

彼のような、レコード店長の原点みたいな人間は、今やいてへん、化石的人間かもしれへんけど、そのいかにもなとこに、ボク的にはグッと魅了されました。

一方で、現代日本の、閉塞したレコード店の現状も、見え隠れして、ふと寂しくもなったりしよりました。

そして、ボランティア人間としての、在り様も見えてきました。

彼は原発反対の運動にも、参加してはるんやけど、でも、もっと現実的・具体的に、いろんな震災避難者を支援してゆかはります。

実際、避難者家族の女の子と、交流するシーンなど、ほのぼのときました。

さらに、尾道発の映画なだけに、地方映画としての味わいもありまっせ。

2014年10月26日 (日)

新垣結衣&大泉洋共演「トワイライト ささらさや」⇒日曜邦画劇場

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新垣結衣ガッキーが初のオカン役になったで!

大泉洋の初のゴースト役も、ユニークな設定で展開!

http://www.twilight-sasara.jp

霜月11月8日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「トワイライト ささらさや」製作委員会

本作は、死んだダンナがゴーストになって、ヨメはんと赤ん坊のとこに、別の人間の体に乗り移って、時々戻ってくるっちゅうお話どす。

まあ、この種の映画によくある、ある設定を設けた上での、期間限定なんやけど。

さてはて、ゴースト映画てゆうたら、アメリカン映画にケッコーありましたが、

「ゴースト ニューヨークの幻」(1990年製作)や「シックス・センス」(1999年)など、ラブ・ストーリーやサスペンスなどが、ベースにあるのに対し、

日本のゴーストもん(怪談・ホラーは除く)は、邦画らしい人情コメディになる場合が多おます。

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そんな邦画ゴーストもんの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたします。

●ベスト⇒①異人たちとの夏(1988年)②鉄道員(ぽっぽや)(1999年)③ふたり(1991年)

●カルト⇒①本作②居酒屋ゆうれい(1994年)③椿山課長の七日間(2006年)

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●大林宣彦監督作品ベスト①③、浅田次郎原作ものベスト②カルト③など、チョイ偏りぎみでスンマヘン。

でもしか、ゴーストとして戻ってくる人は、何でか多彩になっとりま。

主人公の両親のベスト①、主人公の娘のベスト②、ヒロインのお姉さんのベスト③、主人公の妻のカルト②、主人公そのものが戻るカルト③。

ほんで、本作はヒロインのダンナはんどす。

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しかも、戻りの設定が異彩やねん。

死んだ自分の姿が、見える人の体にだけ、乗り移れるという設定どして、オジン、オバン、若者からガキまで、老若男女を問わず、なんでおます。

ほんで、それほど長くは、乗り移ることができないちゅう感じ。

まあ、こおゆう設定はリアル感がなく、自在にできるんで、荒唐無稽やんてゆうたら、そうなんやけど…。

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でも、役者陣の演技ぶりが、荒唐無稽ぶりを感じさせまへん。

ゴースト役なのに、大泉洋のいつもながらの自然体。

最後に魅せる、センチメンタリズムな泣き。

大泉洋役をやるとゆう、乗り移られた小松政夫、富司純子、中村蒼らの怪演技。

そうどす。乗り移ったからとゆうて、大泉洋がその役をやるんやない、この設定もまた、ゴースト映画としては、新しいでおましょうか。

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そして、ナンチューても、ガッキーこと新垣結衣ちゃんの、初のオカン役が、メッチャ新鮮で魅力的どした。

でもって、夫やと分かった上で、ゴーストと接してゆくスタイルどして、

ラブ・ストーリーとしても、ホンマの別れのシーンなど、グッと泣ける演技をば、披露してくれはります。

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これまでに、蒼井優、宮崎あおいへの演出など、ヒロインをアイドルチックにかわいく見せる、演出ノリの巧みな深川栄洋監督やけど、

今回は、ガッキーをメッチャに、輝かせてくれはりましたで。

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ユニークなカメラ・レンズ使いも駆使してはりまして、実景を撮ってるんやけど、なぜかミニチュアのように見える、街や電車やら。

カメラにシフトレンズを付けて撮ると、そんな風になるんやそうどす。

そういうシーンを、タイトに織り込んで、ファンタジー感に、アクセントを加えてゆかはります。

ラストロールで流れる、コブクロの感動のミディアム・バラード「Twilight」の余韻も含め、細部の作りが、映画の感動に貢献している作品やったと思います。

2014年10月25日 (土)

「福福荘の福ちゃん」⇒週末日本映画劇場

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日本映画に伝統的な、人情節的喜劇の快作

「森三中」の大島美幸が、タカラヅカ的に男役主人公になったで~

http://www.fukuchan-movie.com

霜月11月8日の土曜日から、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「福福荘の福ちゃん」製作委員会

「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」など、往年の日本映画のプログラム・ピクチャーが、今や皆無な中、

それらでしつこいくらいに描かれ続けてきた、人情節入りの喜劇(コメディ)は、それでも時おり、輩出されてまいっとります。

日本映画に伝統的な、この人情コメは、アメリカ映画やらには決してない、日本オリジナルやと、ボクは思います。

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でもって、それらの映画に必ず出てくるんは、寅さんやハマちゃんみたいに、お気楽でみんなに元気をくれはる主人公。

本作では、その役を、「森三中」の大島美幸がやりました。

女が男役をやるっちゅう映画は、「トッツィー」(1982年製作・アメリカ映画)みたいに男が女みたいに、意図的にやるパターンが多いんやけど、

本作ではモロ、男役どして、タカラヅカまがいの演出どす。

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でもしか、はっきりゆうて、本作の大島美幸は、男としてしか見えまへんで。演技をやってへんでも、男やでー。

しかも、荒川良々(写真上から7枚目)と比較しても、兄弟かと見まがうくらいの男っぷりどす。

一緒に工事現場の仕事をし、住まいは、昭和時代を顕現するような古めかしきアパート。

そういう設定からして、昭和の喜劇映画へのオマージュが、濃厚にカンジられるんやけど…。

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ほんでもって、ここに、カメラマンを目指してはる、水川あさみ(写真上から3枚目)のネーさんがいてはりまして、

大島美幸・福ちゃんとは、同級生やったんやけど、福ちゃんをいじめてはった過去があるにも関わらず、

本編の半ばあたりで再会し、これまでにない斬新な写真を、被写体を福ちゃんにして、撮ろうとしやはりまして、

2人の過去をば、忘れたような交流が始まります。

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福ちゃんとあさみネーの関係性は、本作の最大の見どころなんやけど、

そこに絡んでくる、荒川良々の福ちゃんとの友情節やら、福ちゃんの「寅さん」的なキップの良さやらが、

物語を快調テンポで運んでまいります。

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あさみネーが福ちゃんを撮るダイジェスト・シーンやら、

かつての時代劇テレビドラマ「木枯らし紋次郎」などで流れた、六銭文の「出発(たびだち)の歌」が、

凧に福ちゃんが乗ってのシーンや、ラストロールで流されて、涼しく流れるような、テンポの良いシーンが、作られてゆきよります。

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そうか、なるほど。

喜劇はテンポが、命かもしれまへんな。

後半のテンポは、アレヨアレヨって感じで、スイスイのスムーズ。

ラストで明かされる、サプライズ・シーンまで、快調・快調どした。

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「さあ~、今。…」と、元気印な「出発の歌」以外にも、

1960年代にミリオンセラーとなった、城卓也の「骨まで愛して」などの、劇中での使い方が絶妙どした。

印象的なサントラ使いが、目立っとりました。

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夕景のセピアの雲混じりの空など自然シーン、

1分強の福ちゃん&あさみネーのツーショット、

福福荘の住人たちとの交流部など、細部にも印象に残るシーンが満載。

ちゅうことで、「男はつらいよ」と比べても、決してヒケを取ってはらへん、快作喜劇でおました。

2014年10月24日 (金)

ユニバーサル映画「ドラキュラZERO」⇒ドラキュラのルーツを描く時代劇

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変型ドラキュラ映画の、究極のカタチを提示

元祖ドラキュラの、戦争アクションを描いた娯楽作品

http://www.dracula-zero.jp

10月31日のフライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸUniversal Pictures

ドラキュラ映画は、これまでに多数出てきとりまして、かつて弊ブログでは、そんなドラキュラ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーなんかも披露いたしました。

さてはて、本作はドラキュラのルーツを辿り、「スター・ウォーズ」のように、いわゆる遡り系で描かれる、サプライズあふれる快作品でおます。

変型ドラキュラもんやから、マイ・カルトに入る作りやもしれへんけど、でもしか、ストレートなドラキュラもんを、作り続けても金太郎アメになってまうし、

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994年製作・アメリカ映画)以降に出てきた、変型ドラキュラもんの、本作は熟成型を示してはります。

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そもそもドラキュラ映画とゆうのは、クリストファー・リーが主演した「吸血鬼ドラキュラ」(1958年・イギリス)が、ドラキュラ映画のルーツのように、思われとるけど違います。

第2次世界大戦の戦前に、ハリウッドのユニバーサル映画が作った、3大モンスター映画(吸血鬼・狼男・フランケンシュタイン)が、映画としてのルーツとなっとります。

で、本作は、1897年に発表された、ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」が、そのモデルが誰やったんかを、深く追求し調べた結果、

15世紀半ばに実在した、ヴラド・ドラキュラ君主にたどり着いたんでおます。

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中世のヨーロッパに、そのルーツがあったとゆうのも、サプライズやけど、

当時ユーロを支配していた、オスマントルコ帝国と、小国トランシルヴァニアのドラキュラ王との戦闘を、時代劇として描くとゆう、一筋縄ではゆかない作りが、本作のサプライズ感を増しておます。

しかも、その戦争を描くのに、本来ならば、チャンバラや騎馬戦のハズやのに、ドラキュラ・スパイスを、ふんだんに盛り付けて、展開するとゆう、アクション映画になっとります。

しかも、ドラキュラチックなとこ以外は、時代考証もキチンとしとるし、

コウモリの大群に変身して、大軍を蹴散らすとゆうカンジを、VFXやCGやらで、実にスムーズに見せてゆかはります。

チャッチーに思うとこは、あんましありまへんどした。

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中世もの時代劇とドラキュラものが、ものの見事に融合しとります。

キリスト教の騎士団の存在なども、考証の結果やろけど、描かれとるんはスゴイ。

“十字軍”などが、描かれることはあったけど、こおゆうのんは映画的には、初めてやないやろか。

小説では、「フリッカー、あるいは映画の魔」(文春文庫)とゆう、映画史を俯瞰するミステリーで、採り上げられとったけども…。

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ワイルド感ある主人公役のルーク・エヴァンス、「デビルズ・ダブル」(2010年・イギリス&フランス・弊ブログ分析済み)並みの、悪役ぶりを演技するドミニク・クーパー。

ほんで、主人公の美人妻役やってはる、サラ・ガドンちゃんに魅せられましたがな。

でもって、21世紀の現代に移っての、ラスト・シークエンス。

シリーズ化されそうな、ミステリアスな終わり方が、意味深でおました。

ドラキュラ映画史上、最も活劇感ある1本やと思います。

2014年10月23日 (木)

スウェーデン映画「100歳の華麗なる冒険」

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シニアが大活躍する、トンデモ爽快作品の登場やで~

今年の洋画の、マイ・ベストテン級の作品どす

http://www.100sai-movie.jp

11月8日のサタデーから、ロングライドはんの配給によりまして、東京・新宿ピカデリーやら、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、TOHOシネマズ西宮OSやらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸNICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved

みなはん、スウェーデン映画って、見はったことはありますやろか。

最近では、毎年恒例のように、スウェーデン映画祭が東西の単館映画館(東京はユーロスペース、大阪はシネ・ヌーヴォやら)で、特集上映されとるんやけど、

そんなスウェディッシュ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、勝手に選んでみよりました。

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●ベスト⇒①野いちご(1957年製作)②叫びとささやき(1972年)③本作

●カルト⇒①マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年)②太陽の誘(いざな)い(1998年)③シンプル・シモン(2012年・弊ブログで分析済み)

●スウェディッシュ映画ちゅうたら、ゴリゴリの映画ファンやったら、ベスト①②に選んだけど、イングマール・ベルイマン監督作品が、全てや~とゆう時代がありました。

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本来やったら、ベルイマン作品のベスト・カルトを選ぶんが、つまりは、スウェーデン映画の本質やろ~、ナンチュー声が聞こえてきそうやけど、

まあ、ベルイマン以降にも、今週月曜に分析した「マダム・マロリー…」の、ラッセ・ハルストレム監督のカルト①や、ベスト③に選んだ本作などの、傑作が出ております。

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さてはて、本作は、ダークな芸術的映画の多かったベルイマン監督作品に対し、

いかにも大衆受けする、娯楽としての人間ドラマを、志向して作られておるカンジでおます。

老人の過去の追想を、鬱モードで描いたベスト①など、ベルイマンの過去の作品を手本にしつつも、

より明るく、より元気で、お気楽なコミカル・タッチで描いた本作は、

かつてのスウェディッシュ映画にはなかった、映画的エンターテインメント作品になっとります。

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本作はボク的には、老人が活躍するシニア映画の、映画史上マイ・ベスト・スリーに、入る仕上がりになったやろか。

ちなみに、あとの2本は、「老人と海」(1958年・アメリカ映画)と、「ハリーとトント」(1974年・アメリカ)でおます。

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「老人と海」のアクションや、「ハリーとトント」やデヴィッド・リンチ監督の「ストレイト・ストーリー」(1999年・アメリカ)やらの、老人ロードムービー色も取り込みつつ、

過去シーンでは、主人公が国家的二重スパイをやってたとゆう、トンデモホラ話チックが展開しとりまして、なんとも人を食ったお話どした。

オトンが息子に語った、トンデモ過去を描く、ティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」(2003年・アメリカ)的な作りどして、

また、時代的大河感を感じさせる点では、「フォレストガンプ/一期一会」(1994年・アメリカ)のセンスもありました。

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100歳の老人が老人ホームを脱走して、冒険への旅に出るちゅうスタイルからして、破天荒な作り。

スパイとしての過去を、カットバック的に振り返りつつ、最初は老人2人、やがては、途中に寄った家族を巻き込んで、破天荒なロードへ。

しかも、一緒に旅する「ハリーとトント」のネコは、何とゾウになっとりまんねん。アラマ・ポテチン(びっくり)やん。

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スペインのフランコ将軍を始め、原爆のマンハッタン計画、トルーマンとスターリン、ゴルビーとレーガンまで巻き込んだ、主人公の過去のスパイ活動は、

現代のロードムービー部と、絶妙にシンクロナイズして、これぞ映画的究極のホラ話やん!っちゅう痛快さに、胸ワク胸ドキになるハズでおますよ。

マーチやファンキー・サウンドなどの、攻撃的なサントラ使いで、最後までノリノリでいけるのんもグッディー。

スウェディッシュ映画のイメージを変える、大傑作の娯楽作品どした。

2014年10月22日 (水)

「シャトーブリアンからの手紙」⇒ドイツ・フランス合作の戦時下映画

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名作「ブリキの太鼓」の監督が描く、ク、ク、クラ(暗)~いナチス映画や

強制収容所ものながら…、実話ベースも、その作りは…

http://www.moviola.jp/tegami/

10月25日のサタデーから、ムヴィオラはんの配給によりまして、東京のシアター・イメージフォーラムやらで、全国漸次のロードショー。

関西やったら、11月15日からテアトル梅田、11月29日から京都シネマ、12月6日から神戸アートビレッジセンターやらで、上映だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸARTE France - 2011 - LES CANARDS SAVAGES - 7eme Apache Films - PROVOBIS FILM

強制収容所もの映画てゆうたら、これまでに多数輩出されておますけども、

あくまで、戦争の悲惨さよりも、群像劇としての前向き度合いや、感動度合いの高い作品が、ケッコーありました。

ところがどっこい、本作は皆殺しの作品どして、ナチス収容所ものとしても、実に暗~い作品になっとります。

巨匠アンジェイ・ワイダ監督の「カティンの森」(2009年製作・ポーランド映画・弊ブログ分析済み)とかも、皆殺しやったけど、

でもしか、「カティンの森」よりは、幾分かは明るいやもしれまへん。

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第二次世界大戦の時代。

ナチに占領されてしもた、フランスの一般市民たちが描かれます。

で、ドイツの将校が、フランスのテロリストたちに暗殺されてしもて、ヒトラーは、犯人たちが検挙されへん場合は、150人以上にわたる、フランスの政治犯やら犯罪者たちをば、無差別に処刑してまえてゆわはりまんねん。

メチャメチャなんやけど、ヒトラーの極悪人ぶりは、歴史的にも、かつてないトンデモないもんばかりなんで、今さらながらなんやけど、

改めてゆうこともないけども、史上最悪の、血も涙もない悪魔やと思います。

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結局、処刑されてまう捕虜たちの話でおまして、彼らが遺書や遺言を残すシーンも、あるにはあるんやけど、ボクの見方としては、あんまし映画的には機能してへんやろか。

その理由は、皆殺しとゆう視点があまりにも暗すぎて、どないしょーもないとこがあります。

ユダヤ人をメインにした、ナチスの収容所ものでも、コドモたちが殺されるシーンを取りあげた、ディズニー映画もあったし、ナチの冷酷非情ぶりを描く映画は、21世紀になっても出てきとります。

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そういう暗い映画は、もうエエんやないかとは思うんやけど、本作の処刑される人たちの潔さや、遺書を考えたりするシーンなんか、これまでにはあんましなく、新鮮やと思うんやけど、

とどのつまりは戦争の話なんで、暗かろうが暗くなかろうが関係なしに、こういう映画は、この世から戦争が絶滅するまでは、ずーっと作り続けてもらいたい素材ではおます。

また、暗すぎるから敬遠するんやなく、戦争を知らない若者たちも、中高年・後期高齢者の人たちも、どこまでも真摯に真剣に見ていただきたい。

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この世に戦争好きは、絶対いてまへん。

全人類が、戦争大嫌いやと思うけど、実話をベースにした、こういうのんを見せられると、ホンマ、いつもゾーッと、身の毛がよだちます。

けども、そういうのんを、嘘偽りなく描き続け撮り続けることは、永遠に止まることはないでおましょうや。

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太鼓叩きのコドモを狂言回しにし、ナチス史をメインに、戦争のエグサを描いた名作「ブリキの太鼓」(1978年・西ドイツ&ポーランド&フランス合作)の監督、フォルカー・シュレンドルフの、2012年製作の最新作でおます。

フォルカー監督は、戦争もの以外も撮ってはるんやけど、「ブリキの太鼓」のイメージが余りにも強すぎて、戦争ものが大得意の監督のように見られとりますが、

でもしか、「ブリキの太鼓」には及ばずとも、戦争の悲惨さ、ナチの冷酷さを描いた映画として、本作もまた、記憶に残るべき作品になったと思います。

2014年10月21日 (火)

イギリス映画「嗤う分身」(わらうぶんしん)

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シュールなドッペルゲンガーな話どすえ~

ドストエフスキー原作映画でも、過去最高の傑作になっとります

http://www.waraubunshin-espacesarou.com

11月8日のサタデーから、エスパース・サロウはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸChannel Four Television Corporation, The British Film Institute, Alcove Double Limited 2013

ドストエフスキーてゆうたら、ノーベル文学賞はもうてへんけど、そらモノゴッツーな文豪やん。

ともすると、そおゆう偉大な文豪の、原作映画ちゅうのんは、文字表現ではエエけど、映像表現はどないやねん? ナンチューとこがあったりしよります。

ちなみに、ドストエフスキーはん原作もん映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、見てみまひょか。

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●ベスト⇒①本作②白夜(1957年・イタリア)③白痴(1951年・日本)

●カルト⇒①ベルトルッチの分身(1968年・イタリア)②カラマーゾフの兄弟(1968年・ソ連)③悪霊(1935年・フランス)

●ルキノ・ヴィスコンティのベスト②、黒澤明のベスト③、ほかにも、ポーランドのアンジェイ・ワイダや、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督ら、各国の巨匠クラスが、ドストエフスキーに挑んではります。

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でもしか、決定的に素晴らしいとゆう作品は、個人的な感想もあるかもしれへんけど、ありまへんどした。

その文学が傑作過ぎてしもて、映像としてそれなりに面白くても、原作の出来を超えるには、ほど遠い作品に見えてしまうんどす。

ところがどっこい、本作は少しく違っておました。

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原作の雰囲気は残しつつも、映像としてのオリジンをば、追求しようとしてはる作品どした。

本作と同じ原作を採り上げた、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチのカルト①と、比べてみたら一目瞭然なんやけど、

残念ながら、カルト①はDVD化されとりません。

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ドストエフスキー作品としては、ドッペルゲンガー(分身)を採り上げた、リアル感のない、前衛的な作品なんやけど、

その作品の持つシュール感を活かしつつ、本作は、トンデモ破天荒な作品として、映像化しはりました。

カルト①が作られた時に世に出た、「2001年宇宙の旅」(1968年・アメリカ)的な衝撃も、カンジられる作品どす。

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「ソーシャル・ネットワーク」(2010年・アメリカ・弊ブログで分析済み)の、ジェシー・アイゼンバーグのアニキが、

攻撃的と内省的とゆう、性格違いの主人公とそのドッペルゲンガーの1人2役を、演技の段差・幅を見せるカンジで、絶妙に演じはります。

ほんで、そこに、ヒロイン役ミア・ワシコウスカちゃんが、主人公に何げに妖しく、絡んできやるねん。

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「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年・アメリカ)で、ジョニー・デップと共演し、アイドルチックで大ブレイクしそうやったけど、ミアちゃんはあくまで、自分を表現できる映画的演技性にこだわってはります。

ほんで、そういうとこが如実にパフォームされた作品が、本作でおましょうか。

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さてはて、自然光をあんまし使わずに、撮られた映画やそうどす。ダーク感も、映画的照明で、異能の光を感じさせる作りでおす。

デビッド・クローネンバーグや、デビッド・リンチ監督やらに通じる、不条理感覚ある世界観が、終始付きまとっておます。

ラストの意外な結末も、謎めきの尾を引かせるようになっとります。

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サントラ使いが、洋画にはかつてない異色ぶり。

主人公の歩くシーンに、坂本九の「上を向いて歩こう」を使い、

分身がミアちゃんとキスするのんを、主人公が見てるシーンで、哀愁感あるブルーコメッツの「ブルーシャトウ」を流したりして、意表を突かせまっせ。

ちゅうことで、本作はドストエフスキー原作に縛られずに作られて、映画的オリジナルを編み出した、快作やと申せましょう。

2014年10月20日 (月)

「マダム・マロリーと魔法のスパイス」⇒ディズニーが贈る料理映画

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フランスを舞台にした、アメリカ映画の快作品

スピルバーグのドリームワークスと、ディズニーのコラボレートどす

http://www.disney-studio.jp/spice

11月1日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

フランス舞台のハリウッド映画は、これまでに多数輩出されとります。

ちゅうことで、ここで、その種の映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたします。

●ベスト⇒①巴里のアメリカ人(1951年製作)②ヒューゴの不思議な発明(2011年)③雨の朝パリに死す(1954年)

●カルト⇒①本作②ムーラン・ルージュ(2001年)③パリの恋人(1957年)

●パリをポイントにした映画が、圧倒的な中で、本作は南フランスを舞台にしはりました。

しかも、インドとフレンチの料理対決とゆう、ユニークなとこをば、エンタ作品として提示してはります。

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さて、お次は、料理映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)でおます。

●ベスト⇒①めぐり逢わせのお弁当(2013年・インド映画)②かもめ食堂(2005年・日本)③食神(1996年・香港)

●カルト⇒①本作②シェフ!(2012年・フランス)③マーサの幸せレシピ(2001年・ドイツ)

●食系ドラマ映画は、料理をビビッドに魅せてゆくタイプも、エエんやけど、ヤッパ食対決バーサスものに、ハラハラドッキリがあるんどすえ。

ベスト③みたいな、スマスマ的対決もエエんやけど、本作みたいに、店対決の妙味もまた、渋いんでおますよ。

ミシュランの本場フランスを舞台に、インド料理VSフレンチ料理とゆう展開が、かつてない料理対決映画になっとりました。

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さてはて、お次は、本作監督のラッセ・ハルストレム作品の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)でおます。

●ベスト⇒①ギルバート・グレイプ(1993年)②マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年)③サイダーハウス・ルール(1999年)

●カルト⇒①本作②ショコラ(2000年)③アバ・ザ・ムービー(1977年)

●家族ドラマのベスト①、コドモたちが明るいベスト②、主人公のポジティブな生き方を描くベスト③、恋愛ものカルト②、音楽ムービーのカルト③など、

前向きな映画の多い、ハルストレム監督作品。

本作も、サプライズあるハッピーエンドが、グッとくる作品になっとります。

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役者陣について。ヒロインのヘレン・ミレンはん。

終始落ち着いた演技ぶりを、披露しはります。

アカデミー賞主演女優賞ゲットの「クィーン」(2006年)と、同様のスタイルやけど、イギリス女優としての品格も兼ね備えた演技どした。

インドのオトンとの、ダンス・シーンや花火シーンの、ゴージャスなカンジも、エエカンジでおました。

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ディズニーと、スピルバーグのドリームワークスとの、コラボレートどす。

ドリームワークス的には、フランス舞台とくると、サプライズなとこがありま。

料理の魂なんかを入れた、料理シーンの数々。

サントラは、本格的なオーケストラ・サウンドで、盛り上げてまいります。

ミシュラン三ツ星を取るんだとゆう、ラストの意気込み。

上へ上へとカメラが上がってゆく、ラストシーンの余韻深きシーン。

ちゅうことで、前向きなキモチをもらえる、快作でおました。

2014年10月19日 (日)

宮沢りえ主演「紙の月」⇒日曜邦画劇場

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ヒロインの心理を描き込んだ、銀行金使い込みヒロイン映画

堕ちてゆくヒロインの、ドッキリのサスペンス映画どす

http://www.kaminotsuki.jp

霜月11月15日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「紙の月」製作委員会

銀行員OLが金を使い込みして、パクられた事件ちゅうのんは、現実の事件としても、あってはいけないんやけど、ケッコーあります。

ヒロインが堕ちてゆく映画としては、ある意味では、オーソドックスな感じなんやけど、

でもしか、本作では、ヒロイン役の宮沢りえネーさんの、フレキシブルな快演技ぶりもありまして、

その種の映画の、ユニークな心理やら、ビミョーな心理が、人間ドラマとして採り上げられて、秀逸な仕上げになっとりました。

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堕ちてゆくヒロインのドラマてゆうたら、これまでにもケッコーありました。

堕ちる度合いも、イロイロあるんやけど、日本映画のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、チョイ思いつくままに言いますと…。

①本作②浪華悲歌(なにわえれじー)(1936年製作)③嫌われ松子の一生(2006年)④顔(1999年)⑤八日目の蝉(2011年・弊ブログで分析済み)

●いっぱいあるんで、もっとエエのんが、あるんとちゃうやろかとビビリつつも、本作はビビれずに、提示できた作品どした。

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落ち込み度のスゴイ作品が、この種の映画には多いし、でもしか最後には、明るい光も射してくるタイプも多いんやけど、

“逃げる”っちゅうタイプは、ケッコードラマティックでもあります。

本作や④⑤は、その種のタイプなんやけど、いちおうドラマ的には、逃げ切るとゆう点では、本作だけでおましょうか。

逃げ切った映画は、ほかにもあるんやけど、落ち込み度はさほど感じられずに、しかも逃げ切る点でも、スイスイなんてのんは、まあ、あらへんし、でも、そういうとこよりも、もっと違ったとこに、本作の魅了ポインツがあります。

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宮沢りえネーさんの、人間臭い演技てゆうたら、「たそがれ清兵衛」(2002年)なんかの、マットーマジメ系を思い出すかもしれまへんが、

本作では、100パーセント違うやろかと思います。

マジメ系の裏側で、いろんなジコチュウ(自己中心)を加味し、ほんで複雑系の演技へと昇華。

はっきりゆうて、彼女の過去最大の演技派ぶりを、披露してはります。

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クセ者の小林聡美との、クライマックスでの演技対決。

徹夜をしたことがない、とゆうところから始まる、スリリングなセリフの応酬。

池松壮亮(そうすけ)との、サラリと流されるような交遊ぶり。

大島優子との、新旧アイドル対決的な会話のやり取りなど、さりげなく流れるように点綴されて、ドラマはよどみなく流れてゆきます。

でも、ヤッパ、りえネーさんの演技は、ひと味違うケレンがありました。

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学園ドラマに新味を加えた「桐島、部活やめるってよ」(2012年)と同じく、本作のヒロイン・ドラマに、少しく違ったニュアンスを注入した、吉田大八監督のアニキ。

今年のベストテン級映画をば、今作でも披露しはりました。

サントラについても言いますと、シンセサイザーの単調かつリズミックなとこを、サスペンスチックに盛り上げて…。

ほんで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコによるナンバー「宿命の女」のシブミに、個人的には、グッときよりました。

ギター・サウンドに乗る、ジョン・レノンの「イマジン」的なメロディ展開に、ココロそそられる快曲。

この名曲をラストロールに持ってきたセンスに、ボクは感動いたしました。

いずれにしても、ヒロイン映画の新境地で、魅せてくれはる傑作どす。

2014年10月18日 (土)

「ベイブルース~25歳と364日~」⇒週末日本映画劇場

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男の友情映画で、ググッと泣ける作品やで~

お涙ちょうだい映画へ向かって、邁進するベタな作りが強烈やー

http://www.bayblues.jp

神無月10月31日の金曜日から、よしもとクリエイティブ・エージェンシーはんの配給によりまして、東京・角川シネマ新宿やら、大阪・TOHOシネマズなんば、京都・TOHOシネマズ二条やらで、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「ベイブルース~25歳と364日~」製作委員会

はっきり言います。泣ける映画でおます。

泣ける映画の素やけど、家族愛や恋愛やなく、友情もん。男の友情映画どす。

ちゅうことで、ここで、日本映画の男の友情映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思い付くままの気ままに披露してみますと…。

ちなみに、カルト・スリーは、21世紀の日本映画から、漫才ものを中心に、意図的に選択しとります。

●ベスト⇒①帰らざる日々(1978年製作)②ロックよ、静かに流れよ(1988年)③キッズ・リターン(1996年)

●カルト⇒①本作②ボクたちの交換日記(2013年・弊ブログ分析済み)③漫才ギャング(2012年・弊ブログ分析済み)

●男の友情もの映画は、ボク的には、アメリカン・ニューシネマの映画から、ゾッコンになったんやけど、

ベスト①は、ニューシネマにもなかった、邦画オリジナルな友情映画として、脳裏に刻まれとります。

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ジャニーズ系俳優主演映画の、友情もの最高傑作のベスト②や、

本作の監督の高山トモヒロもそうやけど、お笑い系から映画監督になった、ルーツ的監督の北野武のベスト③など、男の友情はぎこちなくも、グッと胸にきよります。

ニューシネマはポイント、ポイントで、友情節がピチッと発揮されとったけど、邦画はもっと素っ気ないカタチが、多かったように思います。

ほんで、説明やなく、描写によって魅せてゆくカンジ。

その代表がベスト①やと思うけど、本作は漫才コンビなだけやろうか、もっとベタで、もっと説明的に、友情に焦点が当たっておます。

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お笑い出身の映画監督は、洋画のコメディアン出身監督ほど多くはないけども、これまでにそれなりに輩出されとります。

けども、相方が若死にした実話を、映画化するちゅうのんは、しかも生き残った相方が、監督するちゅうのんも、初めてでおましょう。

しかも、お笑い系監督が描く、漫才・落語系映画が、最近ではカルト3作があるんやけど、なぜか少ないんやわ。

まあ、それは映画は夢やから、自らの恥部をさらすことにもなりかねへん、自叙伝映画やない方向性で、撮りたいやなんて、思わはるんかもしれへんけど、本作はそんなん関係なく、まさにストレートやったわ。

おのが全てをさらけ出して、ボケ役相方の故・河本栄得(えいとく)を、ツッコミ役高山トモヒロ(知浩)が、憚りのないセンチメンタリズムで、正攻法で描き抜かはりました。

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相方がビョーキ入院して以降から、ラストまでの展開なんか、かなり観客の泣きを、意識したかのような、ベタな作りになっとりまんねん。

21世紀は、例えば「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)みたいに、あっさり系の泣き描写が、なぜか多いんやけど、

邦画の原点回帰とも言える、お涙ちょうだい映画を作るような演出ぶりは、はっきりゆうて、ボク的には新鮮どした。

監督自身の実体験なだけに、自分のキモチを小細工を弄さずに、ぶつけてゆくカンジは、計算づくの職業映画監督にはない熱気がありました。

その熱気に、とことんあおられてくだされ。

ほんでもって、前向きに生きることの素晴らしさが、感得できるような作りになっとりまんねんで。

ちゅうことで、映画の出来は別にして、笑って、泣いて、ほんで、勇気がもらえる快作どしたえ。

2014年10月17日 (金)

アメリカ映画「ザ・ゲスト」⇒ビジター映画3

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このビジターは、正義の味方か悪の味方か、どっちやねん?

トンデモビジター映画って、こおゆう作品やろか?

http://www.the-guest.jp

11月8日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Adam David Productions

家族へのビジター映画第3弾。3日間3作を分析してきたけど、全て違ったパターンの映画を、分析してきよりました。

訪問の目的は、いずれも分かりやすいんやけど、本作は3作中、最も主人公の、謎めき度合いの高い作品どす。

戦争へ行って戦死した戦友の実家へ、戦友の想いを家族に伝えるべく訪れる、主人公・兵士とゆう、当初の設定から、ああ、よくあるパターンやんけ、と思いがちなんやけど、

それが、トンデモどっこい!でんねん。訪問の本当の目的が見えない点において、3作中、最もサスペンスある作品やと思います。

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戦死した戦友の元を、訪れた主人公。

そこには、オトンとオカンに加え、戦友の美しき妹はんと、小学生の弟はんがおりました。

オカンやオトンの好感を得た主人公は、戦友の家でしばらく宿泊することと相なりまんねん。

ほんで、オトン・オカンよりも、パーティーに一緒に出る妹はんや、いじめに学校まで出向く、弟はんとの関わりの方が、ケッコー多めに描かれてまいります。

最初は主人公は、戦友の家族を守る、正義の味方的キャラとして描かれまんねん。

けども、後半には、この正義の流れには、そぐわないことが次々に起こり…。

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さてはて、この主人公(ダン・スティーヴンス)の挙動・行動・セリフやらやけど、ネタバレは避けたいけど、いろんな意味で正義の味方っぽいのに、チョイ違っとりまして、

前半は、暗い性格かもしれんけど、でもエエやんなとこを披露しはるけど、

後半では、アラマ・ポテチンが、続くちゅうことと相なりまんねん。

見る方によっては、どないなっとんねんと、文句が言いたくなりそうな、この展開と流れは、

あえてオリジナリティーを意識して、作られておるもんでおましょうか。

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前半と後半で、主人公のいろんなとこが、真逆になっとるやん!な映画は、まあ、あるにはあるけど、

その場合は、最初はアウトローやったのに、いつの間にか、ヒーローになっとるやん、ちゅう映画スタイルが多かったやろか。

でもしか、本作は…。

最後のどんでん返しシーンも含めまして、この種の映画の新しどころを、示した作品でおます。

「ターミネーター」(第1弾は1984年製作・アメリカ映画)などの、ダーク・ヒーロー映画に、傾倒してはる方にとっては、納得のいかない映画かもしれまへん。

けども、ボクは、あんましないやん!だけやなく、あと味の悪い映画でも、新鮮味があるなら、OKなんやないかなと思います。

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さてはて、この種のサスペンス映画においては、特に襲われ系が加味しとったら、ポイントとなるんは、か弱き女でおます。

姉役ヒロインの、マイカ・モンローちゃん。

最初はそれほどでもないけど、クライマックスに向かうにつれ、カッコイイ存在感やら、アクションぶりを示してくるとこは、グーンと胸にきました。

主人公の正義の味方ぶりを、裏返すとゆうサプライズぶりを、堂々と演技してはるんは、ある意味で圧巻どしたえ。

「ターミネーター」を見てたのに、アレアレいつの間にか「エイリアン」(第1弾は1979年・アメリカ)になっとっるやん!な、そんな異能異種感覚をば、お楽しみくだされ。

2014年10月16日 (木)

メキシコ映画「マルタのことづけ」⇒ビジター映画2

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感動へのドキドキ感がある、ビジター映画どす

5人家族の中へ、天涯孤独のヒロインが入ったら…

http://www.bitters.co.jp/kotoduke

10月18日のサタデーから、ビターズ・エンドはんの配給によりまして、東京・シネスイッチ銀座やらで、全国順グリのロードショー。

関西やったら、10月25日の土曜日から、シネ・リーブル梅田やらで、ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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家族たちの中へ、ビジターが入ってドラマが展開する、作品分析の第2弾どす。

昨日の「トム・アット・ザ・ファーム」が、嘘をついて、主人公が強制的に入らされたのに対し、本作では、ヒロインが入る家族側の好意に、よりかかって入るパターン。

ほんでもって、入ったことによって、徐々に感動的なシーンを、期待したくなるような作りになっとりまんねん。

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ヒロインのクラウディア(ヒメナ・アヤラ)は、2歳の時にシングル・マザーを失くして、天涯孤独の身。オトンも知りまへん。

そんな彼女が盲腸手術で入院した時に、隣のベッドにいはったオバはん(リサ・オーウェン)と仲良くなりまして、

1人住まいやったら、家に来てよと言われて、行かはりまんねん。

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リサはんの家族には、オトンがいてはりまへん。

リサはんは、結婚は別にして、3人の男との間に、4人のコドモを儲けてはりまして、幼い姉弟に、

大人になってはる長女、次女とゆう、4人の我が子と共に生活してはりまして、

ほんで、リサはんは、病院を入退院する不治の病に、罹ってはるっちゅう設定どす。

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最初は次女とかが、ヒロインの家族への参入に、チョイ不満を漏らすけど、終始スムーズに、家族たちとヒロインの交流ぶりが、描かれてまいります。

そこはビックリするくらいの、全くの自然体。

ヒロインは、2人のコドモたちとの交流を始め、長女や次女とも、悩みを聞いたりして、打ち解けてまいります。

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そのあたりの交流ぶりが、ケンカもなく、スルスルとゆくんで、おいおい、なんて思たりしたんやけど、

でも、これは「寅さん」などに親しんだ日本人にとっては、人情節も含めて、徐々にグッときよるハズどす。

しかも、押しつけがましくないんで、ゆったりと、各人との関係描写シーンが見られます。

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メッチャ分かりやすい作りで、シンプル。

でもしか、シンプルで淡々とした作りであればあるほど、徐々に感動を呼ぶ作りになっとりまして、

話が進むにつれて、感動へのハラハラドキドキ感が、味わえるようになっとります。

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ヒロインの、家族のそれぞれとの、エピソードの一つ一つが、印象深いもんになっとりまして、

姉弟コドモたちとの、子守りに近い交流もエエんやけど、

ヤッパ、オカン役リサはんとの、会話のイロイロが、大いなる感動への布石となっとるやろか。

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メキシコのメキシコシティーに次ぐ、第2の都市のグアダラハラが舞台。

かつてのメキシコ映画では、あんまし描かれへんかった都市を舞台に、女性監督クラウディア・サント=リュスのネーさんが、メガフォンを執らはりました。

なるほど、女性監督らしい、優しさや癒やしが、全編に漂っておます映画どす。

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ドラマの中へと入りやすい、長回し撮影(写真上から3枚目の、ヒロインを迎えた食卓シーン)など、

家族とヒロインの交流やキズナを、さりげなく、分かりやすく、伝えてはりまして、そのあたりは芸術性を示すよりも、より大衆的なところへと持っていってはります。

吹奏楽サウンドの、ホワ~ンとした流し方など、人情映画っぽいとこらも、メッチャ楽しいねん。

いずれにしても、人間のキズナを描いた傑作どした。

2014年10月15日 (水)

カナダ映画「トム・アット・ザ・ファーム」⇒ビジター映画1

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とある家族のとこへ、とある訪問者が訪れて、とあるドラマが展開する作品

ヒッチコック的サスペンスチックさが、怪しい作り

http://www.uplink.co.jp/tom

10月25日のサタデーから、アップリンクはんの配給によりまして、東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクやら、大阪・テアトル梅田やらで、全国順グリのロードショーや~。

本作は、カナダを舞台にした、フランス&カナダ合作によるカナダ映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013-8290849 Canada INC.(une filiale de MIFILIFIMS Inc.)MK2 FILMS / ARTE France Cinema ⒸClara Palardy

本作の基本は、ある家族(会社・団体・仲間・コミュニティーなどイロイロあり)の元へ、ある者(主人公・ヒロイン)がやってきて、

一緒に交流する中で、ドラマが起承転結してゆくとゆう映画でおます。

本日より3日間にわたり、その種の作品をば分析してまいりますが、

こおゆうタイプの映画は、昔からモノゴッツーありまして、みなはんにも、何作か思い出される作品が、必ずあるやろかと思います。

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家族で言いますと、家庭教師が家族の中に入る「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年製作・アメリカ映画)などの名作があります。

ほんで、本作もタイプは家族どして、ゲイの恋人やった主人公が、恋人が死んでしもて、その家族のとこへ、葬式に出るために、やってくるところから始まります。

恋人の兄やんとオカンの2人家族どして、主人公を含めたこの3人が、サスペンスある関係性を作ってゆきまんねん。

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なんでサスペンスなんかと申しますと、

兄は弟がゲイやったことをオカンに知られたくないんで、来た早々の主人公に、

おまえは弟の友達で、オカンには、弟にはちゃんとした女の恋人が、いたちゅうことにしといてくれと、半ば脅し的強制的に、演技させようとしはります。

この兄やんと主人公の間の、心理的駆け引きが、本作を何やらサスペンスチックに、見せるポイントになっとりまんねん。

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変形サスペンスとでも申しましょうか。

冒頭。車で恋人の家族の元へ走らせる俯瞰カットと、運転する主人公の横顔クローズアップをモンタージュし、

さらに、アカペラのフィメール(女性)・ポップス・バラードを流して、いきなりスリルな雰囲気をば、構築しはります。

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そして、全編にわたり、サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックが、その作品でよく使っていた、スリリングな弦楽オーケストラなサントラを、流してゆかはります。

兄の弟を思う暴力的な行為が、1つの謎めきキーワードになっとるんやけど、

決してサスペンス・ミステリー映画に、ふさわしい素材やとはボクは思いまへん。

そやけど、サントラ使いによって、ドラマの様相が一変するんどす。その見本が本作どす。

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また、弟の葬式で流れるシャンソンや、兄と主人公が踊るタンゴなど、劇中で流す設定の曲も、ドラマの流れに即してあり、

ほんで、ラストロールの、アメリカを揶揄する、ルーファス・ウェインライトの、ピアノ・スロー・ナンバーやら、絶妙な余韻作りに貢献しておます。

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キモになるとこらへんの、クローズアップのやり取りは、メッチャサスペンスフルやし、

ロングショットやミディアム・ショットも、考え抜かれた構図で魅せてくれはります。

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ゲイの生き方を大胆に描いた「わたしはロランス」(2012年・フランス・弊ブログで分析済み)に続き、監督した本作では、

ゲイの主人公で主演も兼ねた、カナダ出身のグザヴィエ・ドランのアニキ。

本作で、ベネチア国際映画祭の国際批評家連盟賞をゲットや。

不気味さを感じさせる終わり方など、サスペンス映画に見合った作りが、ケッコー新鮮味どしたえ。

2014年10月14日 (火)

「聖者たちの食卓」⇒65分のベルギーのドキュメンタリー映画

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食にまつわる、聖なるドキュメンタリーの、神々しき作品

癒やしと夾雑さが、混然一体となった作りが、スゴイわ~

http://www.uplink.co.jp/seijya/

オクトーバー10月18日のサタデーから、アップリンクはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国漸次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸPolymorfilms

みなはん、ベルギー映画て、見はったことはありますやろか。

ダルデンヌ兄弟監督の作品とか、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品とか、ケッコー名作があるんやけど、

実はベルギーでの映画製作は、映画に割く予算の関係上、年間1ケタ台の数本しかなく、その意味では、名作輩出度合いの高い国やと言えます。

そんな中において、ベルギーのドキュメンタリー映画やなんて、稀少価値の高い作品でおましょう。

ボクとしても、初めて拝見する、ベルギー・ドキュでおました。

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ベルギー製作やから、ベルギーのことを描いてるんかと思たら、これが大違いのサプライズどした。

描かれるんは、何とインドの黄金寺院の話どす。

しかも、「大いなる沈黙へ」(弊ブログで分析済み)みたいに、聖者や教会の人たちの姿を、捉えた映画やありまへん。

寺院の人たちも出てくるけど、そこに集ういろんな人たちに、食事を無償で与えるところが、食の仕込みから、後片づけのシークエンスまで、淡々と描き込まれてゆくんでおます。

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ドキュメンタリーらしい手法が、バチバチに採用されておすえ。

シタールなど、インドの民族楽器の演奏シーンはあるけど、基本的にはサントラは流さず、

鳥の声から人々のざわめきなど、雑然とした雰囲気を効果音で示しつつ、

癒やしの美しき自然描写シーンの数々に、ウットリになれまんねん、これがね。

大河の川面に映える、陽の黄金のきらめきやら、風に揺れる自然、湖のさざなみなど、ウーン…エエわ~ときまっせ~。

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でもしか、映画のメイン・コースは、食系どす。

食い物系のドキュは、これまでにいっぱいあるんやけど、こういうカンジで、みんなに食するためのプロセスをば、詳細に描き込んだ映画ちゅうのは、マレやないやろか。

雑然とした雰囲気の中で、家族らみんなが食するシーンやら、食べ物をみんなに与えてはる、寺院関係者の淡々としたシーンやら、

事実をそのまま捉えてはるだけに、説得力にあふれておます。

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ボク的には、雑然としとるけど、そんなゆったりでおおらかなシーンのあとに、騒がしい片づけのシーンへと、移行するとこに、この映画の本質を見る思いがしました。

食器が次々に放り込まれて、皿洗いシーンへ。

アルミの食器のカチャカチャした音の、祭りのあとの空疎な響きみたいなカンジが、本作が最も見せたかったとこやないやろか。

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それはつまるところ、寺院とゆう神々しさの裏にある、人間の生の営みの生活感とでも申しますか。

神と人の関係性の在り様を、垣間見せられたような気がしよりました。

さてはて、今年の洋画ドキュメンタリーは、豊作の年どした。でもって、現時点でのマイ・ベスト・スリー(順不同)をば言いますと…。

①リヴァイアサン(弊ブログ分析済み)②ローマ環状線(分析済み)③本作でおます。

2014年10月13日 (月)

「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」⇒群像片想い映画の快作

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片想いな四人ラブ・ストーリーの、一方通行系かと思いきや、サプライズありや!

榮倉奈々⇒相葉雅紀⇒ハン・ヒョジュ⇒生田斗真の中でも、榮倉ちゃんに熱視線やろか

http://www.miracle-movie.com

霜月11月22日の土曜日から、東宝はんとアスミック・エースはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」製作委員会

Ⓒ2013 中村航/小学館

昨日分析した「クローバー」も、4人絡みの恋愛映画やったけど、

4角関係も、軸2人に絡む各1人とゆうパターンやなく、本作では、見出しにも書きましたけども、片想いの連チャンの4人とゆう構図どして、

それでいて、4人の関係が何やら、緊密につながっとるとゆう、偶然性もあるやろか~な、作りになっとりまんねん。

「クローバー」やらとの違いを、少し申しますと…。

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コミック原作の「クローバー」とは違い、本作は恋愛小説原作どす。

まあ、コミックと小説の違いは、ボクとしては、1つはリアリティーにあるんやないかと思います。

「クローバー」は強引な展開でアレアレと魅せられ、

ほんで、こちらでは、片想いとゆうとこをキーにした、セリフを含め、ビミョーな心理演技を取り込んだ、ハラハラドッキリが待っておます。

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確かに最初は、これが映画初主演となる、嵐の相葉雅紀クンと、

韓流テレビ時代劇ドラマ「トンイ」で有名で、出演映画も2作ほど弊ブログで分析した、ハン・ヒョジュちゃんの2人の、ラブ・ストーリーかとゆう図式が、続いてまいります。

そんな2人を結び付けようと、相葉の幼なじみで、ヒョジュちゃんとは、プロジェクトな仕事で付き合いがある、

榮倉奈々ちゃんが、恋のキューピッドをば、演じはりまんねん。

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相葉クンは漫画家志望で、相葉クンにしか見えない、彼が作ったキャラクター「デビクロくん」が、彼を励ますために、実写に合成CGアニメとして登場しはります。

声は「劇団ひとり」が発し、ほんで、デビクロくんを描いた漫画のセリフは、人生の含蓄あるセリフばかりで、しみじみと胸にクルようになっとります。

前向きになれるこれらの言葉は、本作のデッカイキーワードを逐一、示してゆかはりまんねん。

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相葉クンの「ごめんなさい」が口癖やけど、前向き系の好感度ある演技ぶりには、ボク的には、こんな男友達がおったらええやろな~と思えたし、

マットーなイントネーションの、日本語セリフもケッコー披露しやる、ハン・ヒョジュちゃんもかわいくて、アイドル映画としての粋や、演技のカルテットぶりに貢献してはります。

ヒョジュちゃんと、生田斗真アニキとのラブが、あんまし深めに描かれてへんのが、ちょっとアレやったけど、瑕瑾(かきん=かすりキズ)にすぎまへん。

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ほんでもって、本作の最大の主役は、榮倉奈々ちゃんやと思います。

男っぽくて、強がり演技が映える彼女。

ボク的にはこれまでは、「アントキノイノチ」(2011年・弊ブログ分析済み)が、彼女の最高演技やったと思うけど、本作はそれをば超えましたがな。

強がりの向こうを、いみじくも見せてくれはった奈々ちゃん。

あーっ、これぞアイドル映画の、単にかわいいだけやない、最もキモとなるとこでおます。

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本作の犬童一心監督的にも、「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)以来のラブ・ストーリーやと思うけど、

群像ラブ・ストーリーをいかに、誰にでも分かりやすく、親しみやすい点で描いたところにおいては、監督の過去最高の娯楽作になっとるやろか。

そやから、歴史的な大ヒットをカマス、可能性のある作品どす。

さてはて、音楽監修で、山下達郎が参加。

達郎の「クリスマス・イブ」が、クライマックスのエエとこで流れますが、

過去にも邦画やドラマで、主題歌として流れてたけど、本作は身内が震えるくらい、最も素晴らしい使い方やったでー。

ちゅうことで、公開はまだまだ先やけど、クリスマス・シーズンに、デートムービーとして、ぜひとも彼や彼女と、楽しみたい作品でおます。

2014年10月12日 (日)

アイドル映画の快作「クローバー」⇒日曜邦画劇場

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アイドル映画として、ジャニーズ大倉忠義以上に、武井咲(エミ)ちゃんのための映画になっとりま

四角関係ラブ・ストーリーで、魅せる爽快作品

http://www.clover-movie.jp

11月1日の土曜日から、東宝はんの配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「クローバー」製作委員会 Ⓒ稚野鳥子/集英社

武井咲ちゃんが、芸能界に出てきた時の衝撃は、忘れられまへん。

これぞ、正統派・清純派・女の子アイドルの決定版やん。

かつて女アイドルは、いっぱいいてはりました。

けども、容姿も整い、優しくかわいく、でもって前向き系に明るいやなんて、そんなアイドルは皆無でおまして、アイドルとして完璧やん。

はっきり言います。19世紀のアイドルにはいなかった、かわいい度100%のアイドル女優どす。

1980年代の薬師丸ひろ子や原田知世やら、1990年代前半の3M(宮沢りえ・牧瀬里穂・観月ありさ)やら、1980年代歌謡界の松田聖子・小泉今日子・中森明菜やらと比べてみると、

ボクとしては、ストレートにゆうと、美女度合い・かわいい度合いは、上回っておるかと思います。いやはや、かなーり上やと思うけどな。

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ジャニーズを中心とした男アイドルの世界は、いろんなとこで論述されとるんで、また、機会があれば、その系譜と現状と未来予想図のオリジン分析は、やらせてもらいますが、

AKB48関連やらは、ケッコーやられとるけど、女性アイドルでも女優系は、そない分析されとりまへん。

ちゅうことで、ここで、21世紀の、アイドル的女優のマイ・ベストテン(いちおう順不同やけど…、ボク的かわいい度合いでは、順位通りどす)をば、披露いたしますと…。

①武井咲②長澤まさみ③蒼井優④新垣結衣⑤瀧本美織⑥夏菜⑦沢尻えりか⑧宮崎あおい⑨能年玲奈⑩吉高由里子:次点⇒上野樹里:次次点⇒堀北真希

●演技のうまさなんかは、別にしとります。でもしか、かわいければかわいいほど、演技がヘタやねんなとこが、定着しとるようにも見えます。

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でもしか、武井咲ちゃんに限っては、そんなこと、言わせへんで~なとこがあります。

そこんとこの贔屓ぶりは、個人的には、あぶなかっしい演技が多くてエエ感じの、長澤まさみチャンを超えておまっせ。

ちゅうことで、咲ちゃんのマイ・ベスト・スリーを言いますと…。

①本作②るろうに剣心(2012年・2014年・弊ブログ分析済み)③愛と誠(2011年・弊ブログ分析済み)やろか。

時代劇的剣劇アクションやらを示す②や、ミュージカルで歌と踊りも披露する③など、映画的娯楽の人間性を示すとこやないとこで、時にシビアに、時にお気楽にやってはるんやけど、

本作は、松坂桃李とやった「今日、恋をはじめます」(2012年・弊ブログ分析済み)と、甲乙付けがたい、ラブ・ストーリーになっとりますが、こっちはもっと変形の、複雑系の演技どす。

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ドS彼氏とか、メガネ男子とか、ギャップ萌えとか、四角関係とか、いろんな言葉を作った、コミック「クローバー」が原作どす。

そして、そのノリが、メッチャ出たような映画になっとります。

四角関係のことを言えば、明日分析予定の、四角ストレート片想い関係の「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」は、コミック原作やなく、小説原作やけど、よく似たニュアンスがありました。

1分以上の長回し撮影シーンも、咲ちゃんと、永山絢斗クンや、大倉忠義クンとの間で展開。

さらに、マイ・ベスト・アイドル⑥位になった夏菜ちゃんの、拗ねたカワイサにも、グッときてしもたわ。

男も女もいけるアイドル映画やけど、でも、ボクが男やからかもしれへんけど、

武井咲ちゃんに、ググーンと魅せられてしもた作品でおました。

2014年10月11日 (土)

安藤サクラ主演「0.5ミリ」⇒196分の長尺日本映画

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姉・安藤桃子監督と妹・安藤サクラ主演による、親戚一同フル活躍の会心作

安藤サクラが直球勝負で挑んだ、ヒロイン映画の快作

http://www.05mm.ayapro.ne.jp

霜月11月8日の土曜日から、彩プロはんの配給によりまして、有楽町スバル座やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、11月22日土曜から、大阪・テアトル梅田やらで上映だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 ZERO PICTURES / REALPRODUCTS

本作は、名作の証明とも言えるくらい、多彩なポイントで分析できる映画でおます。

いちおう、4ポイントほどで、各ポイントのマイ・ベスト・スリー邦画(各順不同)をば、披露してみよりますと…。

☆まずは、3時間以上の長尺映画どす。傑作が目白押しなんで、ベスト・ファイブといたします。

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①本作②人間の條件(1959年~1961年)③戦争と人間(1970年~1973年)④君の名は(1953年~1954年)⑤化石(1975年)

●戦争もの②③や、1950年代邦画黄金時代の、ラブ・ストーリー④、老人の人間ドラマ⑤なんかがあるけど、ヒロインが活躍するドラマは、そないありまへん。

しかも本作は、21世紀を生きる現代的ヒロインどす。

ヒロインものの3時間以上映画は、稀なんやけど、中でも本作は、唯一現代ヒロインを見据えた、長尺映画でおましょう。

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☆本作は、21世紀にブレイクした地方ロケ映画どして、高知ロケ映画でおます。

ちゅうことで、高知ロケ映画のマイ・ベスト・スリーや。

①本作②鬼龍院花子の生涯(1982年)③陽暉楼(1983年)

●高知ロケ映画は、宮尾登美子原作・五社英雄監督作品の②③が、長らくマイ・ベストやったけど、久々に傑作の本作が出てきて、グッときました。

3作共、ヒロイン映画である点も、何やら意味深でおました。

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☆アルツハイマー映画としても、本作はその介護ぶりを、詳細に見せる点においても、異彩を放っとります。

①本作②恍惚の人(1973年)③明日の記憶(2006年)

●ベストセラーの映画化②や、老人やない、中高年のサラリーマンを捉えた③など、それまでにない新味を加えとるけど、

でもしか、介護の法律ができて以降の作品としては、本作は介護のハウツーを始め、出色の仕上げを示してはります。

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☆さてはて、主演の安藤サクラのネーさんちゅうたら、その異能ぶりを、遺憾なく発揮してきはったけど、本作はチョイ違います。

サクラのネーさんの、マイ・ベスト・スリーどす。

①本作②かぞくのくに(2012年・弊ブログ分析済み)③ケンタとジュンとカヨちゃんの国(2010年・弊ブログ分析済み)

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●③の汚れ役、②の家族ドラマで見せる、悩ましきやら、チョイ負のヒロイン演技が、多かったんやけど、

本作はたぶん、キャリア史上、最も自由ホンポーにして、大胆なるヒロイン像を、演じ抜いたんやないやろか。

確かに、親戚一同のサポート、特に、実の姉さんの安藤桃子監督による作品で、リラックスできたやろうけども…。

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けども、ラストの選択などを始め、「風と共に去りぬ」(1939年・アメリカ映画)の主演、ヴィヴィアン・リーと比較しても、

大げさかもしれへんけど、決して遜色のないヒロイン's演技をば、披露してはるんやないかなと思いました。

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介護的キズナ映画を装いつつも、基本ラインはヒロイン映画でおましょう。

ほんで、サクラのネーさんのための、映画バチバチやけど、でもしか、それに十二分に応えてはるんは、サスガやし、

おそらく今年の、主演女優賞級の演技をば、見せてくれてはると確信できました。

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イントロとアウトロで、「ウインナーワルツ」を、ゆったりとしたカンジで流して、本編に入りやすくなっとるし、

ロングショットとクローズアップのバランス感の、映画的妙味に加え、

長回し撮影も、ゆったり感をポイントにしてはります。

津川雅彦はんのアップの、長ゼリフ長回し撮影も、ドラマ効果があります。

なぜなら、本作のキモは、介護ドラマ的にいろんなとこを、漂流してゆくヒロインのドラマであり、それに即した演技やスパイスやフックが、随所に盛り込まれておるんでおますよ。

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ちゅうことで、イロイロ分析してきたけど、はっきり言いま。

今年の邦画の、ベストテン級の映画どす。

ボク的には、マイ・ベスト・スリーでおました。

そして、歴代邦画ヒロイン映画の、マイ・ベストテンにも入りまっせ。

ぜひ劇場で、ご体感あれ!

2014年10月10日 (金)

「6才のボクが、大人になるまで。」⇒アカデミー賞有力作品の第1弾か

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コドモを中心にした、アメリカン家族映画の大河ドラマ系

小学生「スタンド・バイ・ミー」から、高卒「アメリカン・グラフィティ」までのタッチが、一つになったで~

http://6sainoboku.jp/

ノウベンバー11月14日のフライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館やら、

関西やったら、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸、TOHOシネマズ西宮OSやらで、ロードショーでおます。

本作は、2時間45分にわたるアメリカン映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 boyhood inc. / ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

アメリカン家族映画に、新たな傑作が登場どす。

アカデミー賞作品賞でも、家族映画がケッコーある中において、ここで、その種の映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、勝手気ままに披露いたしますと…。

①本作②ホテル・ニューハンプシャー(1984年製作)③アメリカン・ビューティー(1999年)④普通の人々(1980年)⑤怒りの葡萄(1940年)

●悲劇系の③④とは違い、本作はあくまで前向き系でおます。

正統系のアメリカン家族映画の⑤と、変形型で描いた②の、本作は、その中間色のようなテイストで描かれてまいります。

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ほんで、コドモが主役となった家族ドラマどして、コドモが6才から、1人立ちする18才までを、大河ドラマ系のノリで描かはりました。

実際、リチャード・リンクレイター監督は、12年間にわたり、この家族のドラマを追わはったんでおますよ。

ドキュやありまへん。あくまでドラマどす。

こういうスタイルの家族ドラマは、おそらくアメリカ映画では、初めての試みでおましょうか。

コドモ時代をメインに描いた「スタンド・バイ・ミー」(1986年)と、高校卒業した日の24時間を、群像劇タッチで描いた「アメリカン・グラフィティ」(1973年)が、ゆうてみたら、1本にまとまっとる映画やとも申せますやろか。

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子役エラー・コルトレーン君の、成長してゆく姿が、ビビッドに捉えられとりますが、役者陣も12年にわたり、監督とお付き合いしはりました。

オカン役の、パトリシア・アークエットのネーさん。

最近、全然見かけへんな~て思たら、本作に集中してはったんやろな。

彼女の最高傑作とも言える演技ぶりどして、来年のアカデミー賞主演女優賞でも期待ができる、ものの見事な、アメリカン・オカンぶりでおました。

さらに、オトン役のイーサン・ホークの快演技ぶりや。

リンクレイター監督の3部作「恋人までの距離(ディスタンス)」(1995年)、「ビフォア・サンセット」(2004年)、「ビフォア・ミッドナイト」(2013年)で魅せた、喋りなカンジの演技が、随所に盛り込まれよりました。

さらに、監督の娘はんローレライ・リンクレイターちゃんの、ステキで爽やかな、主人公のネーさんぶりにも注目どす。

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また、監督的にも、その3部作のタッチを、本作のところどころで披露してはります。

ロックを中心とした、歌ものサントラの使い方もよろしおま。

ダイジェスト・シーンなんかで、流麗に流れるように、カッコヨク掛かりまんねん。

率直に言って、リンクレイター監督の最高傑作やと思いますで。

来年のアカデミー賞作品賞に、間違いなくノミネートされるでおましょう。

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さてはて、本作でボクが最も胸キュンになったんは、ラストシーンでおます。

“一瞬”に関する、主人公と女子大生の、セリフのやり取りが絶妙どしたえ~。

ちゅうことで、ボク的にも、今年の洋画の、マイ・ベスト作品の1作となった傑作どす。

2014年10月 9日 (木)

シュワちゃん主演「サボタージュ」

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「ディパーテッド」な麻薬潜入捜査にして、極秘チームのアクションや

西部劇的アクションな新味も見せる、シュワちゃんに注目

http://www.sabotage-movie.jp

11月7日のフライデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、関西やったら、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条やらで、全国ロードショー。

本作は2014年製作のアメリカ映画(本編109分)で、「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 DEA Productions, LLC All Rights Reserved.

昨日分析した「エクスペンダブルズ3」は、オールスターの1人として出演やったけど、

本作はシュワちゃんアーノルド・シュワルツェネッガーの、主演最新作でおます。

「ターミネーター」シリーズ(第1弾は1984年製作・最新作も進行中・以下の映画は指定以外は、全てアメリカ映画)やら、

これまでにいろんなアクションをば、展開してきはったように思われるんやけど、本作ではチョイと違いまっせ。

カーチェイスの銃撃戦やら、西部劇チックな銃撃戦など、これまではそうそう見せてけえへんかった、シチュエートでのアクションが、ケッコー見どころとしてありま。

さらに、トラウマを持つ刑事役を演るのも初めてなら、

ネタ部になるけど、チャールズ・ブロンソン主演の「狼よさらば」シリーズ(第1弾は1974年)のような、復讐もの映画も、初なんやないやろか。

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ただ、その復讐譚は、映画の最後までネタバレせえへんようにと、慎重なる作りをばやってはります。

とゆうのは、シュワちゃんがリーダー役の、麻薬捜査官たちのアクションから始まるんやけど、

麻薬組織の大金がなくなり、それを搾取したんは、チームの誰かやと想定されて、仲間内の争い、

もしくは、麻薬組織側からのものなんか分からへんけど、チームの1人、また1人と殺されてゆきよります。

一体、誰がやっとんねんと、その犯人追及のための、サスペンスなドラマが展開するんで、

シュワちゃんが、妻を誰かに殺されたビデオを見てるシーンが、伏線になっとるにしても、

チーム部事件とシュワちゃんのプライベート部が、分離してるような嫌いもないとは申せまへん。

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でもしか、その分離度合いが大きくカンジる方こそ、最後のサプライズに酔ってまうような、そんな仕上がりになっとるんどすえ。

いわゆる、昔からゆわれとる“2倍おいしい”仕上げなんでおます。

犯人探しから、ドトウのカーチェイスへ。

しかも、軽トラの荷台と、普通車のトランクの2台での、銃撃戦のカーチェイス。

シンプルやけど、このシンプルさが、ハデハデのチェイス戦の多い中でも、

「ブリット」(1968年)やら「フレンチ・コネクション」(1971年)なんかの、カーチェイスの名作の、

原点回帰的なノリがあって、ボクは凄く興奮して見られましたがな。

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犯人のサプライズ、ほんで、さらにその上をゆくサプライズと、分離感をカンジながらも、その巧妙な作りに魅せられました。

「オーシャンズ11」(2001年)や「黄金の七人」(1965年・イタリア)など、メンバーのキャラクター造形にも、印象深いもんがありまんねん。

特に異彩を放つんは、チームの紅一点ミレイル・イーノスのネーさんどす。次第にエキセントリックになってゆく演技ぶりは、モノゴッツー強烈やったわー。

「ターミネーター」シュワちゃんと同じく、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」(2009年)でブレイクしはった、サム・ワーシントンのアニキの、渋い助演ぶりにも注目や。

本作の監督はデヴィッド・エアー。

刑事相棒もんやった「エンド・オブ・ウォッチ」(2012年・アメリカ・弊ブログで分析済み)が「夜の大捜査線」(1967年)の現代版やと、ボクは見たんやけど、

本作は、「インファナル・アフェア」(2002年・香港)のハリウッド・リメイクにして、アカデミー賞作品賞をゲットした「ディパーテッド」(2006年)へ、オマージュしてんのとちゃうやろか。

さらに、西部劇=ウエスタンまで。

ちゅうことで、映画ファンも納得の、アクション映画になっとります。

2014年10月 8日 (水)

「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」⇒オールスター・アメリカン映画

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シリーズ3作中、最も危ないマックス・アクションを、披露しはった爽快作や

シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワちゃん、ハリソン(・フォード)君、メル・ギブソンらが大集結やで~

http://www.expendables-movie.jp

ノウベンバー11月1日のサタデーから、ポニーキャニオンはんと松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸEX3 Productions, Inc. All Rights Reserved.

ハリウッド映画の、オールスター揃い踏みっちゅう映画は、かつてはケッコーありました。

最近はご無沙汰やけど、このシリーズは、久々に見さしてもろたかと思います。

さてはて、ここで、ハリウッド・オールスター映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、チョイやってみまひょか。

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●ベスト⇒①史上最大の作戦(1962年製作)②プレタポルテ(1994年)③パリは燃えているか(1966年・アメリカ&フランス)

●カルト⇒①本作シリーズ②遠すぎた橋(1977年・アメリカ&イギリス)③オーシャンズ11(2001年)

●それまでは、2大男女優・男優・女優共演ものが、定番・定着しとったんやけど、

1960年代から1970年代頃にかけては、ハリウッドだけやなく、広く各国の人気男女優もキャスティングして、世界オールスターみたいなカタチでやってはりました。

そのジャンルは主に、戦争映画の大作でおましたやろか。

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戦争映画でも世界大戦(ベスト①③、カルト②)やったら、各国のスターが出ても、リアリティー的にも違和感がなく、すっきりしょりますが、

ただ、群像劇タッチであるとはいえ、各人のキャラ描写が浅く広くになりがちで、結局、寄せ集めにすぎないやん、ちゅうことになりかねないんやけど、

でもしか、ベスト①③は、各人のキャラが際立ち、なおかつ戦争映画としての大作感、さらに戦争の空しさもカンジさせる、戦争映画にしてオールスター映画の、お手本のような映画でおました。

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基本は、各人の演技のコラボレートやアクションが、どれだけ巧みにミキシングされて調和し、ほんでドラマの見どころや見ごたえに、つながっていくのんかが重要どす。

群像劇としての、各人のシンクロナイズを、巧みに取り入れた、ロバート・アルトマン監督のベスト②は、

作家性を鑑みた映画的には、完成度が高いんやけど、エンターテインメントとしての映画としては、どうなのかと、ボクは首をひねります。

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各人の個性のぶつかり合いに加え、映画的娯楽度の高さにおいては、本作シリーズと、続編までしか作られてへんかったけどカルト③は、

21世紀のオールスター映画、しかも娯楽大作の双璧を成すシリーズやないやろか。

サスペンス犯罪もの劇場に徹したカルト③に対し、こちらは、「ミッション:インポッシブル」シリーズ(第1弾は1996年)やらと同じく、

ミッション系の隠密ぶりを感じさせない、ド派手な大アクション劇場が、繰り広げられてまいります。

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1970年代以降の20世紀に一世風靡した、ハリウッド・アクション・スターらが揃い踏みしとります。

仕掛け人はモチ、シルベスター・スタローンのアニキでおます。

「ロッキー」、「ランボー」などのシリーズ作品により、ミスター・アメリカン・アクション・ヒーローぶりを、ズーッと披露してはりますし、今作も同様や。

しかも、70's~80'sを体現した、スタローンの呼び掛けで、同時期にブレイクしてた、ハリソン・フォードやメル・ギブソンらが、本作に初参加したんは、特注事項やろかと思います。

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前2作に参加しはった、シュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーも参戦やし、

ブルース・ウィリスは今回はパスしたけど、21世紀のアクション・スターも、レギュラー陣のジェイソン・ステイサムやジェット・リーやらに加え、

1990年代から活躍の、初参加の「デスペラード」や「マスク・オブ・ゾロ」の、アントニオ・バンデラスやら、「ブレイド」のウェズリー・スナイプスやら。

ほんで、格闘技界から参戦した、紅一点のアイドルチックなロンダ・ラウジーちゃんや、「ロッキー」よりスゴイで~な、元プロ・ボクサーのヴィクター・オルティス。

モーどうにもたまらへん、アクション・スターたちの競演に胸が震えてまいります。

ほんでもって、ほぼノンストップで展開する、スタローン率いる新旧チームと、1国家を味方に付けた、武器商人役メル・ギブソンとの、トンデモ果てしなき抗争が、大展開しよります。

胸ワク胸ドキで、終始イッテまう本作をば、みなはん、とことんご堪能あれ! でおまっせ!

2014年10月 7日 (火)

実写カラー版「美女と野獣」

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フランス発信のあの作品を、フランス映画界が豪華に映画化

ディズニー・アニメ版と、甲乙付けがたしの、エンタ度合いや~

http://beauty-beast.gaga.ne.jp

11月1日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、フランスとドイツの合作による、フランス映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTION ACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMS

フランス発のこのお話は、何度も映画化されとるけど、ボクは本作を含めて、3作品ほどを見ました。

でもって、結論的にゆうてみると、コドモを入れたファミリー向けの、ディズニー・アニメ「美女と野獣」(1991年製作・アメリカ映画)。大ヒットしましたわな。

クラシック映画として、オールド・ファン向けの、モノクロ実写版「美女と野獣」(1946年・フランス)。

ほんで、若者向けにして、デートムービーとしても、大いに活用したい本作でおます。モチ、ファミリー向けでもありま。

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名作として誉れの高い、ジャン・コクトー監督の1946年版は、当然、本作を製作する際には、視野に入っておます。

ただ、ベースとなる本質的なとこが、あまり深掘りされてへんかったんで、本作では、原作となる1740年に書かれたヴィルヌーヴ夫人の小説をば、徹底検証しはったそうどすえ。

イケメンの王子はなんで、野獣に変身させられたんか。

そこんところを、想像力も膨らませて、大胆にアレンジしはったんでおますよ。

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王子・野獣役は、ヴァンサン・カッセルのアニキがやってはります。

現代のフランス俳優の一線級の方だけに、演技派ぶりを示せる作品だけやなく、

どのような演技でも、器用にやらはるんで、息を飲んでまいます。

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さて、そのお相手の美女ベル役は、レア・セドゥのネーさんがやらはりました。

カンヌ国際映画祭の最高賞・パルム・ドールをゲットした「アデル、ブルーは熱い色」(2013年・フランス・弊ブログ分析済み)の、ヤラシー演技ぶりとは、完全に真逆の演技ぶりどす。

アイドルチックに、メッチャ美しくてかわいいんで、これがおんなじ女優が、ホンマにやってんのかっちゅう、驚きがありましたわ。

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そして、フランス映画として、ハリウッド映画やディズニーの実写版にも負けない、ゴージャスでウットリできる感覚が、全編に貫かれておます。

「美女と野獣」はモチ、フランスのオリジナルなおとぎ話なんで、自国でどれほどのエンタに昇華できるんかに、チャレンジするんは、当たり前やもしれまへん。

けども、ここまで、ハリウッド映画との差を感じさせへん作りは、これまでには、そうそうなかったようにも思いますで。

まあ、観客にしてみたら、楽しめたらいいんであって、それがどこの国が製作しとっても、別に関係ないんやろうけども。

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ちゅうことは、ハリウッド大作として勘違いして見ても、全然エエわけどして、まあ、娯楽大作映画として、見ておくんなましっちゅうとこやろか。

また、ディズニー・アニメやらにも、決してヒケを取らへん、サントラ使いにも、注目しておくんなはれ。

壮大なスコアによる、オーケストラ・サウンドしかり、ラストロールで掛かる壮大なピアノ・バラードなど、ゴージャスとウットリをググーンと、カンジさせてくれはります。

ちゅうことで、芸術度の高かった1946年版に対して、娯楽度の高い快作でおます。

2014年10月 6日 (月)

韓国映画「泣く男」⇒チャン・ドンゴン主演最新作

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チャン・ドンゴンのアニキが、暗殺者役になった!

イ・ビョンホン「甘い人生」を超えたで~

http://www.nakuotoko.jp

10月18日の土曜日から、CJ Entertainment Japanはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

本作は「R15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

暗殺者映画はこれまでに、多数出てきとりますが、韓国映画のマイ・ベスト・スリー(順不同)と、韓国映画以外の洋画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)とを、比較考察してみました。

●韓国⇒①本作②甘い人生(2005年製作)③アジョシ(2010年・弊ブログ分析済み)

●韓国以外⇒①ジャッカルの日(1973年・アメリカ映画)②ボーン・シリーズ(第1弾は1999年・アメリカ)③ニキータ(1990年・フランス)

●意外にも、正攻法による暗殺者映画が、韓国では多いようどす。韓国以外を見ると、女暗殺者③、記憶喪失を取り込んだ②、

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暗殺の失敗を描いた①などのように、暗殺者がフツーのように、ミッションをするっちゅうタイプやありまへん。

でもしか、韓国では、ミッションする暗殺者の心理に、食い込んだ作品が多いやろか。

しかも、暗殺の失敗は少ない。

まさに、クールに非情にミッションに徹する、イ・ビョンホンの②。

対して、人間的感情が入ってしもて、悩み深きやったりの本作や、少女を守ろうとしたりの、ウォンビンの③。

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この人間的感情ゆうんが、韓国暗殺者映画のキモ、orオリジン・ポイントに、なっとるんやないやろか。

でもって、リュック・ベッソン監督の、韓国以外の③やなく、「レオン」(1994年・フランス)やらに、メッチャ影響を受けてるんやないやろかと思いました。

女の子を守る、もしくは女の子を巻き添えで、殺してしまったトラウマやらが、デッカイキーになっとるんどすえ。

女の子をキーにした映画は、韓国では、「冬の小鳥」(2009年・フランス&韓国・弊ブログ分析済み)やら、今年日本公開された「ソウォン」(弊ブログ分析済み)など、傑作が多うござります。

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「アジョシ」でブレイクしはった、イ・ジョンボム監督の新作でおます。

「アジョシ」以上に、モノゴッツーなアクション・シーンをば、造形しはりました。

マンション、ビジネス・ビル内での、凄まじい銃撃戦やら肉弾戦やら、臨場感あふれるシーンの連続で、

韓国アクション・エンタの、ハリウッドにも負けない粋を、見せ付けはりまんねん。

トンデモスリリングなんで、ワクワクドキドキで見ておくんなまし。

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ほんでもって、ボクはチャン・ドンゴンのアニキの、キャリア最高傑作やと確信いたしました。

激演技を披露した「ブラザーフッド」(2004年)や「友へ、チング」(2001年)の、兄弟愛や友情をベースにした、感動の演技とは違い、

激情を胸の内に秘め、一方でギョロ目を利かせ、片やクールに暗殺し、かつ、最後には、オカンとのことを思い出してしもて、泣いてまう演技のシブミどす。

1作の中で示すとこの、演技の振り幅ぶりが素晴らしいわ。

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その一方で、ヒロイン役のキム・ミニのネーさんにとっても、キャリア最高傑作になったと思います。

ラブコメ「恋愛の温度」(2013年・弊ブログ分析済み)とは、真逆のシリアス演技をば、ドッカーンと披露しはりました。

ほんでもって、総体的に、説明シーンをできるだけ排し、描写に徹してはるとこが、スゴイんやないかな。

「ジャッカルの日」と同じく、描写で魅せる、アクション暗殺者映画の傑作です。

2014年10月 5日 (日)

向井理主演「小野寺の弟・小野寺の姉」⇒日曜邦画劇場

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弟・向井理アニキと、姉・片桐はいりネーさんの、キズナにグッときたで~

「おとうと」とは違った、さりげないやり取りが、胸にくるで~

http://www.onoderake.com

10月25日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、東京・新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、T・ジョイ京都やらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「小野寺の弟・小野寺の姉」製作委員会

兄弟姉妹のキズナ映画ちゅうたら、いっぱいあるし、みなはんにも、こだわりのある名作があるやろうけど、

ここで、ボクのその種の日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思い付くままに披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①おとうと(1960年製作)②祇園の姉妹(1936年)③にあんちゃん(1959年)

●カルト⇒①本作②ふたり(1991年)③間宮兄弟(2006年)

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●ベストは、市川崑監督の姉弟の①、溝口健二監督の姉妹の②、今村昌平監督の幼い兄弟の③など、シリアス系をポイントに選んだけど、

カルトは癒やしやコメディー・ノリを、ポイントにいたしました。

大林宣彦監督の姉妹の②、森田芳光監督の兄弟の③、ほんで、姉弟の本作どす。

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「おとうと」(2010年・弊ブログで分析済み)は、山田洋次監督作品にもあるけど、感動系のシリアスでいった、そんな「おとうと」とは違い、

両親も死に2人だけになった、本作の姉弟のキズナは、いかにもな悲愁系に行きそうなのに、それとは真逆の、コミカル・癒やしが盛り込まれとりました。

そやから、見たあとには、何となくポジティブになれる映画になっとりまんねん。

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弟役・向井理アニキと、姉役・片桐はいりネーさんの、キズナ描写は、さりげなく見せてゆかはります。

2人の食卓シーンの多さや、日常生活における、スーパーへ一緒に買い物などの、2人のダイジェスト・シーンやらで、

伝統的な日本映画の家族映画への、オマージュなんぞも見え隠れしておます。

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姉と弟の2人それぞれの、ラブ・コメ・ストーリーが、ほぼ交互に展開しよります。

ぼかした薄色で示される、向井理と麻生久美子との過去の恋愛部。

ほんで、現在進行形の、向井理と山本美月ちゃんとのラブ部。

片や、片桐ネーさんは、及川光博ミッチーとの間に、恋愛部を展開しはります。

ネタバレになるけど、実は2つの恋愛は、共に成就しまへん。

成就しないことによって、姉弟のキズナが、深まるとゆう作りをしてはるんどすえ。

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さてはて、コミカル・シーンのベスト・ファイブを言いますと…。

①一緒に遊園地へ行く、冒頭のシーン。

②誤配の手紙を2人で届けるシーン。特に、片桐ネーさんと犬との逸話は、オモロイ。

③高校時代の先生の、間違ったコトバの使い方。スパゲティからボラギノールまで、メッチャオモロイ。

④カタカナ日本英語を、使わない対決の、メッチャくだらない2人の逸話。

⑤弟を恋人にして、片桐ネーさんが同窓生に対し、ミエハル・シーン。

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でもしか、姉弟関係でも、過去のトラウマを取り込んだ、シリアスでシビアなとこも、実は披露されとるんやけど、それを全くカンジさせへん作りは、特筆もんやと思いました。

そして、サントラ部。

バンド・サウンドやギター・サウンドを、ベースにしてはりまして、ロックでポップなノリもありました。

ほんで、ラストロールで流れる、阿部真央ちゃんの、モータウン調のアップ・テンポ・ナンバー「それぞれ歩き出そう」が、キリリとドラマを締めはります。

ちゅうことで、姉弟のキズナに、笑いながらもしみじみと、酔ってほしい快作でおました。

2014年10月 4日 (土)

「竜宮、暁のきみ」⇒週末日本映画劇場

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浦島太郎と音姫のおとぎ話から、インスパイアーされた快作

美しき自然描写も映える、香川県ロケーション映画どす

http://ryugu-akatsuki.jp

11月8日の土曜日から、大阪・第七藝術劇場やらで、全国漸次のロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「竜宮」製作委員会

地方ロケーション映画とゆうのは、これまでに多数作られてきとるんやけど、その地方ロケやないと、あかんとゆう映画ちゅうのんは、それほど多くはありまへん。

21世紀の傑作「フラガール」(2006年製作)や「おくりびと」(2009年)やらにしても、その地方でなければいけないとゆう、映画やありまへんどした。

ところが、本作はそうやありまへん。

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さて、ここで、地方ロケ映画でも、エリアを限定し、かつても披露したんやけど、今回は21世紀製作映画に限定して、四国ロケ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露してみますと…。

●ベスト⇒①本作②UDON(2006年)③サマータイムマシン・ブルース(2005年)③祖谷物語~おくのひと~(2014年・弊ブログで分析済み)

●カルト⇒①百年の時計(2012年・弊ブログで分析済み)②眉山(2007年)③君が踊る、夏(2010年・弊ブログ分析済み)

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●ベストとカルトの差は、ほとんどありまへん。

また、全てがその地方ロケ映画であるべきとこが、キチンとしておます。

さてはて、四国ロケ映画においては、21世紀では、突出した傑作がないちゅうとこがあるんやけど、

でもしか、香川出身で「踊る大捜査線」シリーズ(第1弾は1998年)の本広克行監督が、熱血入りで、故郷を舞台にしたベスト②③を、輩出してはります。

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でもって、本作。

地方の伝説やおとぎ話を、モチーフにしもって、香川ロケを敢行しはりました。

いちおう「カナリア」(2004年)以来、朴訥・素朴演技が、冴えてはる石田法嗣クンが主演やけど、恋のお相手としての、谷内里早ちゃんに、ついつい目がいきよります。

アイドル映画としてのとこもありまして、ボクは彼女に魅せられました。

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地方ロケ映画では、ケッコーアイドル映画ちゅうんが、なんでか多いんやけど、今年もケッコー出てきとるけど、

この映画にこの女優やら男優とゆう、キャスティングの妙を得た映画は、さほど多くはありまへん。

けども、里早ちゃんは、ネタ部も含め、里早ちゃんやないと、あかんねんな演技ぶりを示さはりました。

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ネタに触れんように、女優を引用すると、「ふたり」(1991年)の石田ひかり、とかのファンタジック性が演出されておます。

海辺の彼女のダンス・シーンなんかも、フワッと胸にくるしな。エエ感じやねんで。

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主人公のオカン役の松本明子ネーさんの、元祖元気印な演技の今を見せられて、ウッとくるとこもありました。

ケッコーアイドル映画の、セオリーをいってはる映画どして、

浦島伝説やら、人形浄瑠璃的な物語付きなんぞは、2人のラブ・ストーリーを紡ぐための、どちらかちゅうたら、添え物にしか見えてきよりまへんどした。

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香川ロケらしい、海をメインにした、日本の美しき自然シーンの連続にも酔えるし、

また、写真にもある、ロングショットの冴えも、目に付きます。

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でもって、香川出身のアーティスト曽我部恵一の、アコースティック・ギターによるポップス・フォークが、胸にグッときたわ。

青木克齊監督のデビュー作やけど、サポート部も、巧みのワザを見せる快作でおました。

2014年10月 3日 (金)

韓国映画「レッド・ファミリー」⇒家族映画の新しいカタチ

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疑似家族がホンマもんの家族になる、スリリングな快作

韓国・北朝鮮の相克をポイントにした、久々の傑作や~

http://redfamily.gaga.ne.jp

10月4日(明日どす)の土曜日から、ギャガはんの配給によりまして、テアトル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで上映でおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013  KIM ki-duk Film. All Rights Reserved.

韓国・北朝鮮の相克ぶりを、描いた韓国映画は、これまでにイロイロ出てきよりました。

以前にもやったけど、改めてリセットし、そんな映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば披露いたします。

①本作②JSA(2000年製作・指定国以外は、全て韓国映画)③シュリ(1999年)④トンマッコルへようこそ(2006年)⑤シルミド(2003年)

●朝鮮の南北の相克もんは、③あたりの日本でのブレイクから始まっとるやろか。

でもって、②が続き、朝鮮戦争もの④や、実話もの⑤などと続いとるんやけど、

そんな中でも、家族映画をベースにしとる映画ちゅうのんは、そうそうありまへん。

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スパイもんでも、韓国に対し、北朝鮮の単独orチーム・スパイもんが、これまでは主流やったけど、

4人の疑似家族になってスパイ活動をやるっちゅうのは、まあ、初めてなんやないやろか。

疑似家族もんてゆうたら、日本では、宮部みゆき原作の「理由」(2004年)なんぞを思い出すんやけど、本作では、家族一同スパイもん。

さらに、主に脱北者の暗殺を、ポイントにした任務ちゅうことになっとりまして、異彩・異能ぶりを発揮してはります。

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しかも、隣の4人家族(写真上から4枚目)との、ご近所関係がディープに展開する中での、ミッションでおます。

4人のリーダーは、班長同志と呼ばれる、偽装妻役のキム・ユミのネーさん。

偽装夫はチョン・ウのアニキ、偽装娘役は、パク・ソヨンちゃん、偽装祖父オジン役はソン・ビョンホはんでおます。

でもって、各人が北朝鮮に家族があり、家族のために、任務遂行に、邁進してはるとゆう状況であります。

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そんな中で、お隣の息子と恋に落ちそうになる、パク・ソヨンちゃん、お隣のオバンと、老いらくの恋に落ちそうになる、ソン・ビョンホはん。

でもって、偽装夫婦やのに、ホンマに恋しそうになる、キム・ユミのネーとチョン・ウのアニ。

こういう交流部を取り込みつつ、スリリングかつ波乱に満ちたお話が、展開してまいるのでありま。

ホンマな家族ぶりを示す、冒頭のシーン(写真2枚目)と、家内での上下関係の、シビアな会話なんやらとの格差に、まずは驚きがあるやろかと思います。

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ホラー映画「ボイス」(2002年)で、怖がるヤワなオカン役をやった、キム・ユミのネーさんやけど、あの頃の繊細さを完全封印し、キリリとした3人の、上官役をば演じてはります。

ガンになるソン・ビョンホのシブミやら、チョン・ウののほほんな頼りなさ、パク・ソヨンちゃんのアイドルチック。

キャスティングの妙に酔える、演技カルテットぶりにも、注目しておくんなはれ。

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韓国の名曲「アリラン」を歌ったり、海辺へ一緒に遊びに行ったり、それぞれの家を訪問し合って、2家の交流が進むにつれ、ドラマはいよいよ緊張感を、増してゆきよります。

そして、遂に隣の家族全員を、殺すちゅう指令が、北朝鮮の上から発せられましたがな。

さてはて、4人が選択し実行したのは、一体、どんなんやったんやろかっちゅうのんが、本作のキモ・ポイントであり、クライマックスでおます。

ピアノやギター・ソロを流しつつ、感動、そして泣けるエピソードへとゆく流れは、秀逸でおました。

家族のキズナを超えて、人間のキズナへと昇華した傑作どした。

2014年10月 2日 (木)

ニコール・キッドマン主演「グレース・オブ・モナコ」⇒フランス映画の今3

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ニコール・キッドマンが、グレース・ケリー役をヤラはります

映画関係者実話もの映画の、系譜に入る傑作

http://grace-of-monaco.gaga.ne.jp

10月18日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、大阪やったら、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマやらで、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 STONE ANGELS SAS

フランス映画でも、英語セリフによる映画でおます。しかも、映画関係者ものの実話もんでおます。

ちゅうことで、ここで、映画関係者もの映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたします。

●ベスト⇒①本作②カポーティ(2006年製作・指定国以外は全てアメリカ映画)③バレンチノ(1977年)

●カルト⇒①ヒッチコック(2012年)②チャーリー(1992年)③ノーマ・ジーンとマリリン(1996年)

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●監督を描いたカルト①②、脚本家を描いたベスト②、男優を描いたベスト③、ほんでもって、女優を描いた本作とカルト③。

本作では、カルト①の、アルフレッド・ヒッチコック監督も出はります。

女優としての生き方を、センセーショナルに描いた、マリリン・モンローのカルト③に対し、本作のグレース・ケリーは、女優を超えたプリンセスとしての生き方を、メッチャドラマティックに描いてはります。

グレース・ケリー役は、ニコール・キッドマンのネーさんどす。

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さて、ここで、ニコール・ネーさんのマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①本作②めぐりあう時間たち(2002年)③アイズ・ワイド・シャット(1999年)

●カルト⇒①冷たい月を抱く女(1993年)②遥かなる大地へ(1992年)③ドッグヴィル(2003年・デンマーク)

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●ニコール・ネーの持ち味は多彩どす。

元ダンナのトム・クルーズと共演し、チャキチャキなカルト②と、ヌードを披露し、妖しげなベスト③の演技幅が、他の作品へも波及しておます。

カルト①のような、悪女系の演技があるかと思えば、本作みたいな、カッコイイヒロイン役があったりするし、

また、アカデミー賞主演女優賞をゲットしはった、ヴァージニア・ウルフ役のベスト②など、本作と同じく、実在系ヒロイン演技も、またモノゴッツーな役作りをばしはります。

そして、本作は、ラース・フォン・トリアー監督とのカルト③と同じく、ヨーロッパの監督とのコラボレートでおます。

ハリウッドだけやなく、他国作品においても、活躍するハリウッド女優ちゅうたら、ヤッパ、ニコール・ネーさんがイチバンヤーやと思いまっせ。

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監督は「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」(2007年・フランス)で、主演のマリオン・コティヤールのネーさんを、アカデミー賞主演女優賞に導いた、オリヴィエ・ダアン監督どす。

「エディット・ピアフ」みたいに、時制を自在に行き来するカンジやなく、1956年から1961年へ行き、1961年から2年間を描くとゆう、時制に合わせた作りでおます。

冒頭の、ニコールが撮影所から楽屋へと行く、流れるような1分強の長回し撮影から、胸ワクワクとした作り。

円柱レンズを使用したカメラの感性が、そのまま出とります。

遠近感ある奥行き感に加え、ソフトで柔かなタッチの画面が、1960年代舞台に合っとりました。

で、サントラはヒッチコック的な、スリリングなオーケストラ・サウンドや。

ほんでもって、クライマックスのニコールの、愛をキーにした感動的なトークに、完璧にヤラレましたがな。

ニコール・ネーさんの、最高傑作とも言える傑作です。

2014年10月 1日 (水)

ラブ・ストーリー「やさしい人」⇒フランス映画の今2

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「勝手にしやがれ」から丸くなった、フレンチ恋愛男映画の今

フラれ男の哀愁ぶりがケッコーきます

http://www.tonnerre-movie.com

10月25日のサタデーから、エタンチュはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE a CINEMA

フランス映画の恋愛映画やなんて、みなはんのイメージでは、どないなもんがあるやろか。

ハリウッド映画の、映画の中にいるみたいっちゅう、ウットリくるのんも、かつてはありました。

でもしか、あんましストレートちゅうのんも、そないないゆうんもあるやろか。

ああ、モチ、ストレートなんもケッコー作られてるんやけど、フレンチ的オリジンが希薄ちゅうか。

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明日も披露するけど、恋愛映画とは違う映画やし、ヒロインのキリリ系が披露されるんやけども、

本作は女やなく男がメインどして、しかも、ウットリとは格差ある、野郎の恋愛もんでおます。

元来、フランス映画の恋愛映画ちゅうのは、1950年代末に起こった「ヌーヴェルヴァーグ」とゆう大きな波の影響を受け、マットーな恋愛映画に、さほど傑作がないように思われます。

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そやから、ヒロインより、男・主人公をメインに描く場合の、恋愛映画とゆうのんは、男のエゴやブルージーが色濃く反映されておます。

多分に、ヌーヴェルヴァーグのゴダール監督作品「勝手にしやがれ」(1959年製作・フランス映画)や「気狂いピエロ」(1965年・フランス&イタリア)などが、潜在意識下に入ったような作りになっとるように、ボクは思いました。

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ラブコメやらでは、確かにフレンチでも、ハリウッド的なもんがあります。けども、マジメでシリアスな恋愛映画では、なぜかハリウッドとは違っておます。

いわば、ヌーヴェルヴァーグ的恋愛変局ぶりを、取り込んだような作りやねん。

故郷に帰ってきた、売れないミュージシャンの主人公に、取材してきた女記者と主人公とのラブなんやけど、

そこに、女記者の別のラブが入って三角関係となる、いわゆる、ありきたりな恋愛もののように見える恋愛映画なんやけど、主人公に感情移入してみると、違った様相を示してきよります。

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主人公の嫉妬心やらが、一つのポイントになっとりまして、女を取り戻すべく、三角になった男を、拳銃で脅そうとしたりするシーンなんぞは、なるほど、そういう映画かと思たりしました。

ダークな「タクシードライバー」(1976年・アメリカ)と、前向きな「卒業」(1967年・アメリカ)をミキシングしたような作りに見えたけど、

でもしか、フランス映画としてのオリジン・ラブなセンスは、さりげなく見え隠れしとりました。

自殺映画「鬼火」(1963年・フランス)のような、究極の暗さはないけど、でも、ハチキレルような、ハッピー・エンドでもありまへん。

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その間を、主人公とオトンとのエピソードで埋めてゆくとゆう展開どして、サブ的やけど、ここが本作のキモ的ポイント・シークエンスやろかと、ボクは見ました。

ヒロインが裸になるベッド・シーンなどの、扇情的なシーンや、緊張感あるシーンよりも、渋く際立っておます。

ブルーやグリーンのトーンを、画面に入れたり、ロングショットの巧みな挿入やらにグッときて、シンプルなピアノ・ソロの使い方などに、しんみりきよります。

ラストに流れる、ブルージーなフォーク・ギターな歌が、余韻を深めて…。

フレンチ・ラブ・ストーリーな、ナイーヴを味わってくだされ。

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