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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2014年6月の記事

2014年6月30日 (月)

「GODZILLA ゴジラ」⇒今夏の日本を熱くするでー

1
ゴジラ映画の、ハリウッド・リメイク第2弾が登場

シリーズ化されそうなほど、全米で大ヒットやで~

http://www.godzilla-movie.jp

7月25日のフライデーから、東宝はんの配給によりまして、2D&3D、日本語吹替え版共に、全国同時公開。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸTM & TOHO CO., LTD.

1998年に続く、ゴジラ・ハリウッド・リメイク版の第2弾。

今作は、21世紀の進化したゴジラを意識した、ド迫力に満ちた、チョー大作となりました。

元祖「ゴジラ」(1954年製作・日本映画)を、完全に凌駕したモノスゴサでおま。

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ちゅうことで、ここで、怪獣・モンスター映画の、これまでのマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたします。

①キング・コング(1933年と2005年製作版・アメリカ)②ジュラシック・パーク(1993年・アメリカ)③エイリアン(1979年・アメリカ)④ゴジラ(本作と1954年オリジナル版)⑤グエムル 漢江の怪物(2006年・韓国)

4
●このマイ・ベストの怪獣映画とゆうのんは、コドモたちだけやなく、大人たちをも怖がらせる映画を選んどります。

そやから、本作は夏休み公開やけど、決してコドモたちだけでは、見にいかせんようにした方がエエかも。できるだけ、ファミリーみんなで見に行っておくんなまし。

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ほんで、本作は日本も舞台にしてはるだけに、何やら東日本大震災を、意識した仕上げをやってるように見えました。

原子力発電所の壊滅、津波シーンなどが、それに当たるやろか。

地震的揺れやないけども、原発が次々に崩れてゆくシーンやら、ゴジラが来て、大津波に襲われるハワイやとか、パニック的シーンのスゴミにも、目が点になります。

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怪獣だけやなく、怪獣に怖がる演技陣の、演技にも注目や。

主人公役は「キック・アス」(2010年・アメリカ)で、ユニークなアクションを披露した、アーロン・テイラー=ジョンソン君(写真上から4枚目)。

危険な目に遭うシーンは、10シーン以上にわたるんやけど、そのつど、冷静に対処しやる彼の演技は、ハリウッド・アクション映画の王道やと申せましょう。

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怪物退治を画策する米軍に協力する、博士役の渡辺謙(写真5枚目)はん。

こちらも、落ち着き払った分析に徹するシブミで、魅せてくれはります。

また、主人公の妻役の、エリザベス・オルセン(写真6枚目)のネーさんの驚き表情は、本作一番の恐怖の表情になっとるんやないやろか。

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主人公のオトン・オカン役になった、ブライアン・クランストン(写真7枚目)はんと、ジュリエット・ビノシェ(写真8枚目)のネーさん。

ジュリエット・ネーは、冒頭部の放射能に、ヤラれるシーンまでしか出はらへんけど、夫妻の扉を挟んだ死に別れとゆう、いきなりのドラマティックな展開に、ググッとドラマの中へと入れましたがな。

2
でもしか、主役はモチ、ゴジラやし、放射能・原子力をエサにする、謎の鳥獣系のモンスターどす。

放射能から生まれたゴジラとゆうスタイルをば、本作でもキープするとこは、オリジナル・ゴジラへの、敬意と申せましょうや。

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個人的に、最も印象的やったシーンは、上空から、主人公たちが、スカイ・ダイビングするシーンどした。

このシーンのサントラ使いが、マイ・ベストワン映画「2001年宇宙の旅」(1968年・アメリカ・弊ブログで分析済み)の、クライマックス前のサントラとよく似とったんですわ。

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女コーラスを取り入れた、緊張感あるサウンド。

本作のクライマックスへの導入部としては、実にスリリングあるシークエンスどした。

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本作は既にアメリカで、大ヒットしておます。

そやから、今後、ハリウッドでシリーズ化されても、おかしゅうないかと思います。

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いずれにしても、本作はハリウッド大作の粋をば示さはる、超ド級の作品。

今夏の日本を席巻するんは、間違いなしやでー。

2014年6月29日 (日)

「るろうに剣心 京都大火編」⇒週末日本映画劇場2

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明治の時代剣劇第2弾は、2部作前後編でやりまっせー

コミック原作らしい、善悪に分かれたストレートさが爽快やー

http://www.rurouni-kenshin.jp

8月1日の金曜日から、ワーナー・ブラザース映画はんの配給により、全国ロードショー。後編の「伝説の最期編」(後日分析予定)は、9月13日の土曜日に公開どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ和月伸宏/集英社 Ⓒ2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会

本作には、公開前に、映画会社が絶対明かしてほしくないっちゅう、デッカイポイントがありまんねん。

ネタバレがどうたらちゅうんが、映画にはありがちなもんなんやけど、まあ、一般の人やったら、映画館で見て、お好きなように暴露しはるやろけど、

でもしか、マスコミ・プレス陣とゆうんは、ここでゆうのもなんやけど、ネタバレには厳しい規制がありまんねんで。

ヒットしそうな作品に対しては、特にそうやねん。

それをば調子よくやってもうて、マスコミ試写室出入り禁止になった方も、何人かは知っとります。

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ただ、ボクはストーリーを書かんでも、映画評論はできるっちゅうか、ストーリーとしては、映画も小説も演劇でもおんなじなんで、映評としてのオリジンがないやろから、

ストーリーを一切出さずに、例えば2000字で映評を展開したるでーを、ヤル方なんで、全くもって関係おまへんねん。

でもって、本作で箝口してはるとこやけど、実は、弊ブログの本作シリーズ第1弾分析のとこで、既にネタバレに近いカタチで、論評しとったんどすえ~。

アラマ・ポテチンや。まあ、見返してくれはって、どこがそのネタなんかも、探ってみておくんなはれ。

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主演の佐藤健アニキ始め、蒼井優ネーさん、伊勢谷友介らに加え、監督の大友啓史はん。これらの方を見たら、おのずと答えは出るんやけど、

でもしか、本作では、いわゆる新勢力の方々が、大いにドハデにやってはるんで、紛れやすうなっとります。

ナンチューても、藤原竜也アニキの、トンデモ悪役ぶりが、気色悪いわ。顔を焼かれたんで、顔を布やらで隠してはります。

その部下の神木隆之介クンもワルどして、いかにもな演技をば見せはりま。

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対して、正義の佐藤健サイドでは、小田原で出会う土屋太鳳(タオ)ちゃんやら、京都で出会う、そのオジンの田中泯はんやらが、シリーズ第2弾で登場や。

コミック原作らしい、シンプルかつストレートな作りが、目立っとります。正義と悪がキチンと分かれつつも、そこに第3陣営として、伊勢谷らが関わってまいります。

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佐藤健の剣戟アクション・シーンは、第1弾以上の迫力と進化はあるんやけど、対して、武井咲ちゃん。

相手が弱すぎるんかどうかは、わからへんねんけど、京都サイドでは、1人で何人もを斬り倒さはります。

同じコミック原作映画の「あずみ」(2003年)の、上戸彩ネーほどのインパクトはないけど、首をひねりつつも、いちおうガンバってはるかと、思いましたちゅうか、思うことにしときまひょか。

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さてはて、明治時代以降の剣戟時代劇は、これまでの邦画にはありまへん。

剣戟時代劇の新領域へと、踏み出しとる本作どす。

また、1950年代の日本映画黄金時代には、前後編に分けて公開するんがようあったんやけど、そういう方式が本作でも採用されておます。

21世紀になってから、大手の映画会社作品でケッコーやられとりまして、ヒットへとつなげてはります。まあ、前より後の方が売れるんが、エエことはエエんやろけど。

何はともあれ、まずはこの前編を見に行って、驚いておくんなまし。

2014年6月28日 (土)

「2つ目の窓」⇒週末日本映画劇場1

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青春ラブ・ストーリーと家族映画が融合した作りどす

美しき日本の風景を映す島もの映画の会心作や~

http://futatsume-no-mado.com

7月26日の土曜日から、アスミック・エースはんの配給によりまして、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、京都シネマ、イオンシネマ西大和やらで上映どす。

本作は、フランス・スペインとの合作となった日本映画。「R-15+」指定映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ「FUTATSUME NO MADO」JAPANESE FILM PARTNERS,COMME DES CINEMAS, ARTE FRANCE CINEMAS, LLUIS MINARRO

河瀬直美監督が、自らの最高傑作やとして、本作をもって、カンヌ国際映画祭のコンペティションに挑んだんやけど、

残念ながら、最高賞のパルム・ドールを、逃してしまわはりました。

カンヌてゆうたら、その年その年の審査委員長によって、賞の行方が左右されますんで、まあ、そない悲観するようなことでもありまへん。

落ちた原因を追究しとっても、ショーがないけど、一つには余りにも自らの作家性に固執した結果、ドラマ部の人間関係の演出部が、少し薄いとこがあったんかも…。

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但し、人間関係を象徴的に描く点では、過去の受賞作と比べても、なんら違和感はありまへんどした。

ただ、現在のカンヌは、芸術と分かりやすさが調和しとったり、演出の深みある作品が強いように思います。

昨年3等賞をゲットした、日本映画「そして父になる」(弊ブログで分析済み)は、アート映画やなかったし、

最高賞を獲った「アデル、ブルーは熱い色」(3月8日付けで分析)は、女2人の関係をディープに描いとりました。

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ただ、本作は日本の島もの映画で、青春ラブ・ストーリーに加え、

2人(村上虹郎クンと吉永淳ちゃん)のそれぞれの家族ドラマとしても、展開してゆくけども、それぞれのところで、今までの日本映画にないような、異彩なとこはありまへん。

加えて、淡くてナイーブな恋情を始め、家族のオカンが死期迫るとこや、離婚家族としてのオカンと息子の相克とか、これまでの邦画で、モノゴッツー作られてきた素材が散らばっておます。

でもしか、マニュアル通りでありながらも、それでも、ピュアなラブ・ストーリー部は、傑出した仕上がりぶりどした。

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そもそも島もの映画の、純愛節ちゅうのんは、邦画でも確かにチョコチョコあんねんけど、本作はセリフ少なめ。

最後は2人が丸裸になったり、チョイ長回しによるコクるシーンやらもあるんやけど、あくまで、間合いと2人の純情ぶりを魅せてゆく演出で、

これまでの青春ラブものと比べたら、あっさりしてるようなんやけど、但し、渋くココロにクルようなカンジには、なっとります。

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さてはて、そやけど、映画的な自然風景の美しさには、監督の奈良もの映画以上に見惚れましたがな。

海辺のマジック・アワーを狙うくらいに、海辺シーンが頻出。

雲が浮かぶ空のシーン、俯瞰や移動撮影による、森のシーンやら。さらに、台風シーンを始めとした、風やら潮騒の効果音の使い方に、妙味がありましたやろか。

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各演技陣も自然体を中心に、演技してはったように思います。

どんなビョーキかわからへんけど、淳ちゃんのオカン松田美由紀はんの、三線演奏の歌を歌わられながらの、臨終シーンとか、

淳ちゃんのオトンの杉本哲太はんの、死に関する文学的なセリフとか、フツーはありえへんようなシーンがあります。

ただ、今村昌平監督の「神々の深き欲望」(1968年)的な習俗性やらを、映画的に意図的に挿入してはるとこであり、ヤギの屠殺シーンなんかも、その種のもんになるやろか。

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村上虹郎クン側では、実のオトン村上淳との、東京での束の間の交流シーンが、東京とメイン舞台の奄美大島を、対比させる効果がありま。

さらに、映画でオールヌードを初めて見せはる、虹郎クンのオカン役・渡辺真紀子ネーさんの、チョイ蓮っ葉女なとこが、いつも通りでエエわ~。

また、そんなオカンに、突然のようにキレてわめく虹郎クンに加え、同じくわめく淳ちゃんの演技は、一種のサプライズがあったんやないやろか。

ボクは純な青春ラブ・ストーリーに対し、イロイロ盛り込んでみた挑戦心に、拍手を送りたいわ~。

2014年6月27日 (金)

「レッド・スカイ」⇒スカイ・アクションの快作

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正攻法のミッション系映画どす

「トップガン」を超えたアクションぶりやで~

http://www.nikkatsu.com/movie/otoko_heat/

7月19日から8月1日まで、アークエンタテインメントはんの配給によりまして、東京・新宿ミラノ3にて、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 SWANFLEET HOLDINGS LIMITED ALL RIGHTS RESERVED

今どきのテロ対策として、米軍のミッション系チームが、中東へ行って遂行する、スカイ・アクションの快作。

ちゅうことで、ここで、スカイ・アクション映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露しまんでー。

●ベスト⇒①超音ジェット機(1952年製作・イギリス映画)②エアポート'75(1974年・アメリカ)③ブルーサンダー(1982年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②トップガン(1986年・アメリカ)③ファイヤーフォックス(1982年・アメリカ)

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●ジェットの単走のベスト①、航空パニックのベスト②、軍の特訓系で展開したカルト②などでは、空のチェイス戦ではなかったわな。

ところが、やっぱ、空のアクションとしては、地上のカーチェイスばりの、臨場感とハラドキがほしいとこや。

しかも、基本は一騎打ちこそが、オモロおます。都会での一騎打ちヘリ・チェイス戦となったベスト③、空の本格的ヒコーキ対決を、映画史上初めて描いた、クリント・イーストウッド監督のカルト③。

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ほんでもって、本作では、スカイ・アクションをポイントにしながらも、それ以外の銃撃戦、爆撃戦、地対空対決など、

多彩な戦闘アクションを盛り付けはって、そりゃーモーえらいことになっとりまんねんで。

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かつてミスッたミッションと、その軍事裁判とゆう幕開けどす。そやから、「プラトーン」(1986年)とか「ア・フュー・グッドメン」(1992年)とかみたいに、軍事裁判がポイントかとゆうと、そうでもありまへん。

で、ミッションをした4人の若者が除隊処分となり、話は7年後へと場面転換しよるねん。

主人公(キャム・ギガンデッド君)は仲間2人と共に、飛行機関係の仕事に就いとったんやけど、

イランの反政府グループが手に入れた武器「レインメーカー」を、ブッつぶしてくれとの密命を受け、処分の汚名もそそぐために、仲間と共に、そのミッションに向かうとゆう流れ。

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でもしか、イラン側には、かつて処分を受けた1人が、大いに関わっとったもんやから、ここに主人公バーサス、かつての仲間とゆう図式ができよりま。

さらに、その仲間の元カノとの間に、三角関係的なとこも生じてでんな、ハラドキが最後の最後まで持続する内容になっとるんやな。

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ロシア・アメリカ・イランといった半ワールド・ワイドなスケールで展開する作りで、ハリウッド映画らしいスケールに加え、

ミッション・シーンで、次々にやってくるアクション・シーンの連続で、目の肥えたアクション映画ファンも、きっと納得できるやろかと思います。

戦闘ミッション系では、今年公開された「ローン・サバイバー」(弊ブログで分析済み)やらと、対を成すケッサクやろな。

モチ、クライマックスは空中戦やけど、その前の、敵に拘束されたチームが、見事な連携プレーで脱出するシークエンスなんか、メッチャおもろいねんで。ロシア女兵士のセクシーもOKやろな。

さらに、ロックなインストに乗っての、ノリノリの流れもええねん。

個人的には、若手のレイチェル・リー・クックちゃんに、魅せられましたやろか

また、大統領役やった「インデペンデンス・デイ」(1996年・アメリカ)の、ビル・プルマンのシブミも、エカッたで~。

2014年6月26日 (木)

「ダイバージェント」⇒サバイバル系SF映画の最新版

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5つに分かれた未来人種の中で、展開する覇権争い

若手ヒロイン・ムービーとしての、魅力もありや

http://www.divergent.jp

7月11日のフライデーから、KADOKAWAはんの配給によりまして、全国ロードショーやー

本作は、2014年製作のアメリカ映画(本編2時間19分)。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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TM & Ⓒ2014 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

差別化した人種やら、居住区やらに分けて、未来の人類の在り方をば展開する、SF映画ちゅうのんは、ケッコーあります。

それらのほとんどが、貧富の差、人間の能力の違いなどが、ポイントになっておます。

そして、そのポイントをどう展開するのかとゆうたら、最近の作品でゆうと、

ゲーム系のノリでやる「ハイアーゲーム」(2012年製作・アメリカ映画)とか、

格差を解消する「TIME/タイム」(2011年・アメリカ)なんぞがあります。

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宇宙やなく、地球で展開する、こうした設定SF映画の最高傑作の一つとしては、「マトリックス」シリーズ(第1弾は1999年)なんぞがあり、大ヒットしましたわな。

本作でも、「マトリックス」に影響を受けた、仮想現実、夢想シーンなどがあるんやけど、あくまでそれらは、サブ・ポイントとして機能しとります。

メインは、ヒロイン映画どす。ヒロインSF映画ゆうのんは、男が主役のSFに比して、さほど目立っておりまへん。

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そんな中でも、「エイリアン」シリーズ(第1弾は1979年)のシガニー・ウィーヴァーや、「バイオハザード」シリーズ(第1弾は2002年)のミラ・ジョヴォヴィッチは、その代表型やろけど、

本作では、若手のシャイリーン・ウッドリーちゃんが、主役を務めはりました。

美女系は、あんましこの種のSFアクションものでは、どうやろかと思うけど、アクションと容貌・格好のアンバランス感が、妙にシーン映えしとります。胸もでっかそうやし…。

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設定として、5タイプの人種に分けられた未来なんやけど、メインの主役陣は、勇気あるアクションを示す「勇敢」種どす。

ほかには、インテリ種「博学」、思いやり種「無欲」、優しい種「平和」、正直者「高潔」となっとりますが、「無欲」と「平和」の違いが少しビミョーなんやけど、政権争いをしとるんは、「博学」と「無欲」どす。

でもしか、「勇敢」以外の分け方の差別化が、微細で分かりにくいのんがあるようにも思いま。

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でもって、若年層はシミュレーション試験によって、どの層に向いてるかが考課されよりまして、ほんで、どの種として生きるかを、自分で決められるっちゅう設定になっとります。

ほんで、「無欲」の両親に生まれたヒロインは、どの種にも当てはまらへん「ダイバージェント」(異端者)になるんやけど、試験の結果は曖昧なままに、憧れの「勇敢」を選ばはりまんねん。

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ヒロインの「勇敢」としてのサバイバル劇の始まり、始まりっちゅうことになりまんねん。

この生き残りを懸けた、サバイバルが大きな見どころどして、ヒロインが幾多の試練を経て、立派になってゆくアクション映画と、一脈通じますやろか。

ヒロインのアクションは、クライマックスにあるんやけど、アクトぶりよりも、その生き残りぶりにこそ、本作のキモがあったようにボクは感じました。

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さてはて、「博学」種で出はる、ケイト・ウインスレットのネーさんに、目がいきよりました。「タイタニック」(1997年・アメリカ)の悲愁のヒロインは、本作では初の悪役ぶりを披露。

人類の平和のためとゆう点では、「トランセンデンス」(弊ブログ6月7日付けで分析)のジョニー・デップや「ノア 約束の舟」(6月1日付け)のラッセル・クロウにも似たキャラクターぶり。

主役やないんで目立たへんけども、妙演どした。

ちゅうことで、シリーズ化も楽しみな娯楽作でおます。

2014年6月25日 (水)

ディズニー映画「マレフィセント」⇒「眠れる森の美女」裏バージョン

Photo
「眠れる森の美女」の悪役マレフィセントが、善玉になるミラクルや~

主演アンジェリーナ・ジョリーの人生が、投影された作品

http://www.disney.jp/maleficent

7月5日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、2Dと3D、字幕版・日本語吹替え版同時公開で、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

グリム童話やらチャイコフスキーのバレエ組曲やらで、クラシカルに有名なあの「眠れる森の美女」。

ディズニーでは、1959年に、アニメ映画史上初の70ミリを使って、このアニメ版を製作したんやでー。

ほんでもって、あれから55年の時を経てでんな、オーロラ姫に眠りの呪いを掛けた、悪者・魔女マレフィセント側から描く、実写版を製作したんやがな。

「眠れる森の美女」の、そのまま実写版やなく、ワル側から見る裏版のノリやけど、でもしか、コレが悪玉映画にはならんところが、サスガのディズニー印なオリジナルでおます。

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グリム童話っちゅうたら、ホンマは怖いグリム童話っちゅうくらい、ホラーなんやけど、これがディズニー・マジックに掛かると、悪玉もアレアレ善玉に、なってまうようなとこがありま。

本作以外の代表例は、「白雪姫」(1938年製作・アメリカ映画)どす。

さてはて、ディズニー・ポイントとしては、昨日分析した非ディズニー作品「オズの魔法使」と同じく、ヒロイン映画である点が特徴的どして、

オーロラ姫とマレフィセントの2人を、主役とみるならば、ディズニー・アニメ初の、Wヒロインものとなった「アナと雪の女王」(弊ブログ3月1日付けで分析)とも、シンクロするもんどす。

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でも、こちとらでは、いちおう善悪に分かれとったんが、オリジナルな話なだけに、フツーの姉妹設定やなく、複雑味を帯びとるねん。

妖精の元カノと、裏切った人間の彼氏が、ほかの人間の女と、もうけた娘との関係や。

まあゆうてみたら、義母と養女の関係みたいなもんやろか。

マレフィセント役は、アンジェリーナ・ジョリーのネーさん。

自分の半生をマレフィセントに、投影しはったかのような、熱演ぶりどすやろか。

恋人に裏切られたとこは、離婚経験あり。恋人に復讐しよかっちゅうとこはないんやけど、

自分のコドモやないオーロラ姫を、愛しく思う過程は、まさにアンジーゴコロやねんで。

アンジーとブラピの間にできはった娘はん、ヴィヴィアンちゃんが、幼い頃のオーロラ姫役で、出てんのんも注目やな~。

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妖精界と人間界に分かれた作りやけど、どちらかとゆうたら、オーロラ姫の妖精界への憧れも含めて、妖精界メインの仕上げやから、ファンタジー色に満ちておます。

また、妖精と人間の対決シーンでは、CG、VFX使いのモンスターが仰山出ますけども、

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(2001年~2003年・全3作・アメリカ)や「ナルニア国物語」(第1弾は2005年・アメリカ)などや、最近やったら、「ノア 約束の舟」(6月1日付けで分析)やらと、シンクロするんやないかな。

モチ、3Dで見たら、メッチャ映えよりまっせー。

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サントラ担当はハリウッドの巨匠、ジェームズ・ニュートン・ハワード。フル・オーケストラなサントラ使いに、うっとり痺れよりま。

ラストには、ラナ・デル・レイによる、アンニュイなスロー・ナンバー「Once Upon a Dream」(チャイコフスキー・ナンバーのカヴァー)が流れますで。

日本語吹替え版では、大竹しのぶネーさんが、歌ってはります。

声の出演では、上戸彩ネーと福田彩乃ちゃんが参加や。

日本語吹替え版は、コドモ連れのファミリーみんなで、見にいこか版になっとりまっせ~。

2014年6月24日 (火)

「オズの魔法使」⇒「アナと雪の女王」のルーツ的作品や~

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ヘンな4人組のロードムービー・スタイルやけど、

メインはヤッパ、ジュディ・ガーランドちゃんやな~

http://asa10.eiga.com

8月9日~8月22日に、朝10時より1回、東京・楽天地シネマズ 錦糸町、TOHOシネマズ府中、大阪・TOHOシネマズなんば、高槻アレックスシネマやらで上映どす。

DVDは、ワーナーホームビデオから出とります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

「アナと雪の女王」(弊ブログで分析済み)の大ヒットで、提携してる「スタジオジブリ」アニメを凌駕しそうな勢いやけど、

そんなディズニーの長編アニメ第1弾は、ヒロインもの「白雪姫」(1938年製作)どした。

ほんで、長編アニメ、しかもカラーとしても、映画史上初の映画どした。

ところがどっこい、その翌年には、本作がエポックメイクな形で登場しはりました。

アニメやなく実写。ヒロイン映画のファンタジー。ジュディ・ガーランドちゃんは、メッチャかわいい。しかも、ミュージカル。ウォルト・ディズニーは、驚かはったはずどす。

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この「オズの魔法使」効果は、今なおディズニーやらに影響を与えてはりまして、大ヒット中の「アナと雪の女王」にも、顕著な影響ぶりが見えよります。

ロードムービー部は、「アナ雪」でも大いなる魅力やろけど、本作と比べてみたら、モロやん。

個性ある変な3人と、少女のロード。でもって、そのロードの先には、目指すものがいて、そして、対決や。

ファンタジー系、そして少女ヒロインの、みんなとロードしての、最終対決的構図ちゅうのんは、本作が映画史上初めて、構築したもんなんどすえ。

明日分析する、ディズニーの実写映画「マレフィセント」にも、影響がありまんねんで。

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もちろん、ミュージカルとしての面白さもありま。「オーバー・ザ・レインボー」とゆう名曲。

「アナ雪」や「タイタニック」(1997年)など、この種の映画では、壮大なバラードが定番になっとるけど、ちなみに、この3曲を聞いてみておくんなはれな。

なんや知らん、どれもよう似てるやんと、思わはるかも。

いや、アレンジは別にして、ベースとなる音楽は、みないっしょのように聞こえます。

そんな中でも、本作の主題歌は、映画セリフ的なコトバ使いになっとります。

ミュージカルとして作ろうと始めてはるんで、そんなんは当たり前なんやけど、ミュージカル歌ものの粋をば、魅せてくれはります。

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かつて「キネマ旬報」でボクは、本作のDVD評をば披露いたしましたけども、予約特典も披露しながら、分析したんやけど、

特典と映画分析が同時に進行するんは、あり得ないやなんてゆわれたんやけど、所詮、販売促進のための配慮でおました。

けども、そんなとこを一切抜いて、本作は「アナ雪」以上の傑作です。

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「アナ雪」におぼれてはるリピーターはんこそ、本作を見れば、きっとゾッコンになるんは、間違いなしやろな。たぶん、やけどな。

「アナ雪」はアニメやけど、こちとらは、もう死んではるけど、ジュディ・ガーランドちゃんが、アイドルチックにきてグッときますで。

オールド・ファンは、娘はんのライザ・ミネリが、どうちゃらなんてゆわはるけど、そんなん関係なしや。

ジュディちゃんに、とことん魅かれて、おぼれてみたい1本です。

2014年6月23日 (月)

「大いなる沈黙へ」⇒169分にわたる修道院ドキュメンタリー

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沈黙を維持すべくサントラなしも、何とも言えへん効果音の妙味ありや~

謎めいた修道院の実態が、暴露・披露されておます

http://www.ooinaru-chinmoku.jp

7月12日のサタデーから、ミモザフィルムズはんの配給によりまして、東京・岩波ホールで、全国順グリのロードショーや~。

本作は2005年製作の、フランス・スイス・ドイツ合作映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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先週の平日5日間のドキュ・シリーズの余韻として、ちゅうか、その真打ちとして、本作をば、週明け月曜日に分析いたしました。

ドキュメンタリーとは、そもそも何なんか。本作の映像と対峙しますれば、その答えはおのずから出てまいります。

映画にエンタを求める人には、はっきりゆうけど、用事のない映画やもしれまへん。

けども、タイトルの“大いなる沈黙”にある通り、静かなる映画時間が、169分にわたり展開しよるねん。

また、この静けさの作りが、ハンパやありまへん。

目的意識なしに、時間つぶしに見に行った場合は、間違いなく眠気を催すことでおましょう。

まさに、意図的に、もしくは芸術的に、この世ならぬ映画的静謐さは、作られておるんどす。

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まず、サントラはいっさい流れまへん。映像にだけ集中しておくんなはれ、っちゅうことやわな。

でもしか、効果音はありまんねん。自然や生き物の音や声、風の音、人の歩く靴の音。ほんで、ここぞっちゅう時に流れる鐘の音しかり。

モチ、セリフもありまっせ。まあ、ミサやら儀式やらでの、形式ばった文言。みんなで交流する野外シーン。でも、会話はフツーの会話やないけども…。

ほんで、クライマックスでは、荘厳なる祈りのシーンが、響き渡りよりまんねん。癒やしと呼ぶべきか、不気味な怪しさと呼ぶべきなんか、それは、人によって見方はちゃうやろけどな。

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フランスのアルプス山脈に建つ、グランド・シャルトルーズ修道院。

長らく謎めいとったらしいけど、その内実・実態に迫るべく、フィリップ・グレーニング監督はん自らが、修行するっちゅうことで、修道院に入らはって、撮り上げはりました。

モロ、狙ってはったんやろな。メッチャよう分かる、作家性バリバリの、ドキュになっとります。

映画的照明を入れないという、修道院側の制約はあったんやけど、自然光による撮影の持つ、瑞々しさやザラつき感やらが、メッチャ渋い仕上がりになっとるねん。

薄ブルーの雪山、時の流れの中で、タイトに撮ってゆく、修道院のロングショット・シーン、自然風景のクローズアップの多用などに加え、

メインの修道院の人々を囲む環境描写に、見事なフックとインスピレーション&イマジネーションが、あったかと思います。

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建物内の描写やけど、扉の隙間から見えるカットなど、のぞき好奇心をあおるようなカットを多用し、回廊あたりの遠近感あるショットを、タイトに挟みつつ、

いろんな修道僧のアップ・カットを、意味深な字幕のあとに、これまたタイトに披露しはります。

みんな、いっつも何やってのんかなーと思たら、どちらかとゆうたら、単調な動きやったり、フツーの作業に終始しとります。

正統系の聖書を読んだり、キーボード弾いたり、雪かきやったり、野良猫にエサやったり、放牧もやりーの、散髪シーン、のこぎりで木を切ったり、いろいろ映してゆかはりまんねん。

それらの総体として、浮かび上がってくるんは、神への愛なんやないやろか。彼らの動きの一つ一つに、その想いが垣間見えてくるんやないやろか。

神は大いなる沈黙をし続けてはるけど、それでもみんなは…。

世俗的にゆうたら、そんな神への片想い的な感覚が、しみじみと胸にクル作品でおました。

2014年6月22日 (日)

川口春奈&福士蒼汰共演「好きっていいなよ。」⇒日曜邦画劇場やー

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コミック原作の、高校学園ラブ・ストーリーやー

映画史上過去最大の、キス・シーンの多さにドッキリやねん

http://www.sukinayo.jp

7月12日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「好きっていいなよ。」製作委員会

学園一のプレイボーイ(福士蒼汰クン)と、友達のいてへんナイーブな女子高生(川口春奈ちゃん)が、

ピュアピュアの恋に落ちてまう、真っ向勝負の、ストレート・ラブ・ストーリーやねん。

こおゆうラブ・ストーリーは、ボクチン、久々に見た思いがありま。

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「セカチュウ」みたいに、とかく病系の多い学園純愛ものやけど、本作にはそういうとこは一切なし。

2人の恋の行方の中で、それぞれの微妙な心理を織り込んで展開する作りで、

これぞまさに、ラブ・ストーリーの王道やんか。

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ディープやないけど、キス・シーンが頻出しよります。

いわゆる、挨拶みたいなキス・シーンやけど、映画史上おそらく過去最多のキス・シーンやないやろか。

でもって、学園ものやのに、教師が一切出まへん。

また、各生徒の家族なんかも出まへん。

生徒間の話だけで、展開する学園ものは、かつてもあったんやけど、ここまで徹底されると、ツッコミもできまへんわ。

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蒼汰クンと春奈ちゃん、2人の魅力を見てみまひょか。

まずは、春奈ちゃん。

彼女は年齢に合わせてか、映画ではこれまでは、ほとんど学園ものにしか出てはりまへん。

ホラー「絶叫学級」や、ホラー・モキュメント「POV~呪われたフィルム~」とかの、怖がる役柄。「映画 桜蘭高校ホスト部」(上記3作は弊ブログで分析済み)なんかの男っぽい演技。

でもしか、本作では初めて、「だって女の子だもん」な純情系を、初披露したんやがな。メッチャエエンヤワ~、これが。

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でもって、次に、蒼汰クン。

学園三角関係もの「江ノ島プリズム」(弊ブログ分析済み)の好感ある感覚が、本作でも発揮されとったな。

ほんで、本編の後半では、三角関係へと陥りそうなとこがあるんやけど、その三角の一角を担う市川知宏クン。

彼もまた、学園もの映画に映えとるわ。「銀の匙」(弊ブログ分析済み)の好感ぶりが、蒼汰クンと同じくキープされとります。

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さてはて、監督は女性監督の日向朝子ネーさん。

学園ラブ・ストーリーを、女性監督らしい繊細さで、撮ってはるねん。

男監督が撮った雰囲気とは、チョイ違うテイストが、そこかしこに散見できよります。

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例えば、春奈・蒼汰2人のツー・ショット・シーンで、1分くらいの長回し撮影をケッコー使って、2人の物語へと集中できるように狙ったりやとか、

陽光のセピアを意識した画面造形など、女性監督ならではの細部の作りが、優しい癒やしをもたらしてくれよるで。

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そして、ラストロールで流れる、UKの5人組男性グループ「ワン・ダイレクション」の「ハッピリー」。

ダンサブルでキャッチーなカッコイイ曲で、締められるだけに、気持ちも爽快なまま、映画館を出られまっせー。

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さらに、浮気っぽいシーン、2人以外の恋愛シーンなど、多角的にラブが展開するんで、決して飽きさせまへんで。

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ちゅうことで、ヤング・ジェネレーションたちに、デート・ムービーとして、ドッカーンと、おすすめしたい作品やねん。

2014年6月21日 (土)

「ジゴロ・イン・ニューヨーク」⇒ヤラシー大人なラブコメやで~

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シャロン、ヴァネッサ、ソフィアの各ネーさんの、ヤラシー度合い対決か!?

ジゴロなジョンと、ポン引きウディの、ボケとツッコミにも妙味ありや~

http://gigolo.gaga.ne.jp/

7月11日のフライデーから、ギャガはんの配給によりまして、東京・TOHOシネマズ シャンテやら、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで、全国順次のロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 Zuzu Licensing, LLC. All rights reserved

あれま、主演のウディ・アレンはんてゆうたら、映画史に残ること間違いあれへん、映画監督やんけ。

なんやけども、もともとはコメディ畑のパフォーマーをやってはって、そのノリで、饒舌コミカル演技を、自身の監督作品を中心に、メッチャ披露してきはりました。

ほんで、監督兼だけやなく、俳優オンリーでも、オモシロおかしくやってはりまんねん。

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で、でんな、ここで、ウディ・アレンはんの演技の、マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)の披露や。

①マンハッタン(1979年製作・以下の引用映画は全てアメリカ映画)②アニー・ホール(1977年)③本作④ボギー!俺も男だ(1972年)⑤ヴァージン・ハンド(1999年)

●監督兼の①②④やけど、セリフ回しの饒舌ぶりにヤラレてまう②④よりも、人間臭さが一番出とる①がエエわ~。

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ほんで、ほかの監督作品に、主演しはった本作③と⑤。

アレンはんの持ち味が、共に遺憾なく発揮されとりまんねん。

共に、本作にも出てはる、シャロン・ストーンのネーさんとの、共演なんやけど、こっちの方がアレンはんにもシャロン・ネーにも、持ち味披露の演技的には、ふさわしい設定になっとります。

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ジゴロ業をば、アレンはんをポン引き・エージェント役にして、ジョン・タトゥーロ(監督兼)のアニキがでんな、ジゴロしはるんやけど、

リチャード・ギアはんが主演しはった、シリアス系の「アメリカン・ジゴロ」(1980年)と比べたら、メッチャ笑える仕上がりになっとります。

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でもしか、ラブコメとはいえ、ヤラシー度合いは「アメリカン・ジゴロ」より上だす。

3人の女優はんが出はりまんねんけど、それぞれの身もだえ演技には、甲乙付けがたしどしたえ。

但し、全員にスッポンポンなとこはないんやけど、「氷の微笑」(1992年)以来、セクシー女優の鑑になってきはった、シャロン・ストーンはんの、ヤラシサは円熟の極みどした。

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ほんで、ラテンアメリカ出身の、ソフィア・ベルガラのネーさん。

情熱に満ちたセクシー・シーンをば、熱くやってはります。

でもって、初の英語セリフ映画になったらしい、フランス女優のヴァネッサ・パラディのネーさん。

もだえるシーンもあるんやけど、イノセントな純情系の静かな演技に、ココロそそられよりましたでー。ジョニー・デップも改めて、ハッとしよるかもな。

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映画的には、ベスト①に似とるけど似てへん、アレンはんとタトゥーロはんの、ラスト・シークエンスのやり取りに、グッときよりましたやろか。

恋か、相棒ぶりか。

年齢によって変わる、ウディ・アレンの演技節に、酔わされましたっチューことかな。

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さてはて、肝心な監督・主演のジョン・タトゥーロはん。

みなはん、よう知らはらへんかもしれんけど、俳優はんからキャリアを始めてはりま。

ボク的には、コーエン兄弟監督の「バートン・フィンク」(1991年)の内省的演技が忘れられまへん。

本作でも、決してハデやない、控えめな演技ぶりやったかと思いますで。純情節も見えるとこらは、キモさもあるけど、それなりにエエ感じかもな。

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でもって、圧巻はサントラ部どす。

トランペットをリードにした、ジャズ・サウンドをば、メイン・テーマにしながら、哀愁の歌ものポップスを、シーンに合わせて流さはったりと、巧妙極まりない作りをばやってはります。

たぶんにアレンはんの、助言があったんかもしれまへんが、タトゥーロ監督作品の間違いなく、一般普及版映画になっとりまっせー。

みんなで見に行こうやー。

2014年6月20日 (金)

「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」⇒今週のドキュ・シリーズはシメの第5弾や

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レコーディング・スタジオを描いた、音楽ドキュメンタリー

ローリングストーンズからU2まで、名曲が生まれた背景とは?

http://www.muscleshoals-movie.com

7月12日のサタデーから、アンプラグドはんの配給によりまして、東京・新宿シネマカリテで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 EAR GOGGLES PRODUCTIONS LLC, ALL RIGHTS RESERVED.

音楽ドキュてゆうたら、大たいやね、ライヴやコンサートか、ミュージシャンを描くちゅうのんが定番やし、それが当たり前やねん、やったわな。

ところがどっこい、そんな定番路線をば、外したような音楽もんが、時おり出てきよったりしよります。

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でもって、本作ドキュは、レコーディング・スタジオのナゾを描いた逸品やねん。

アラバマの片田舎。

ライ麦畑やら、トウモロコシ畑やら、荒野が広がる、そのド真ん中に、何を思たんか知らんけど、地元のおやじ(写真上から9枚目)が、レコ・スタ(写真一番下)を作ったんやて。

まあ、遊びゴコロか、出来ゴコロか、知らんねんけど、この個人スタジオから、モノゴッツーな名曲の数々が、生まれたんやとさ。

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しかも、ほとんど無名なレコーディング・スタッフによる、スタジオやねん。

おいおい、そんなんやったら、ボクチンらにもスタジオ経営できるんと、ちゃうのんやなんて、つい思たりしてまいまんねん。

でもしか、こちらのスタジオは無名やけど、高レベルのスタッフ(写真8枚目)を、採用してはったんやろな。メッチャな名曲が、次々に生まれ落ちました。

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まずは、パーシー・スレッジ(写真2枚目・7枚目)の、ソウル・バラード「男が女を愛する時」。

洋楽バラードのマイ・ベストテンに入る、この快曲。

♪ウェン・マァーン・ラブズ・ウーマンッ♪が、耳にこびり付きよりま。

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この曲に代表されるようにでんな、ソウルチックなスロー・ナンバーを中心に名曲が、ドッカーンと作られ続けとります。

そのナゾについて、スタジオ利用経験者の、ローリングストーンズのギター担当、キース・リチャーズ(写真4枚目)が、熱く語ってくれとるで。

ローリングストーンズの、録音エピソードもモチ、挿入しとるよ。

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エポック・メイクなヒット曲を飛ばした、エタ・ジェイムス(写真3枚目)。

代表曲を吹き込んだ、アレサ・フランクリン(写真5枚目)ら。

女性ソウル系の最新型なら、ピアノの弾き語りでいく、アリシア・キーズ(写真6枚目)のネーさん。

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サザン・ソウルがポイントやけど、その流れで、オールマンブラザーズバンドによる、サザン・ロックが生まれたり、ロックの方でも、ボブ・シーガーらが録音。

アイルランドのU2までにも、波及しとります。

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さてはて、このスタジオ・サウンドは、イギリスはリバプールのマージービート・サウンド(ビートルズの曲などの、一部に見られま)ともリンクする、

町サウンドとも取れるような、オリジンをば見せよるねん。

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スタジオができる経緯の、ドキュらしい面白さ、録音風景などの詳細の妙味、黒人差別の時代を超越した、白人黒人のキズナぶりなど、

スタジオを軸にしながら、扇形に広がってゆくドラマぶりに、ウーンと、うなってしまうわ。

ちゅうことで、音楽映画に、これまでにあれへん新味を加えた、会心作やと思いますで。

2014年6月19日 (木)

「革命の子どもたち」⇒ドキュメンタリー映画、連日の第4弾や~

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2人の女革命家に、フォーカスした作品やけど…

娘はんからのオカンへの言葉が、グッとくる逸品や

http://u-picc.com/kakumeinokodomo

7月5日の土曜日から、太秦はんの配給によりまして、東京・テアトル新宿やらで、7月12日から、テアトル梅田、京都シネマやらで上映。

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ⒸTransmission Films 2011

女闘争家・革命家やった、日本赤軍の重信房子と、ドイツ赤軍のウルリケ・マインホフ。

重信は獄中の人で、マインホフは1976年に獄中自殺。

そんな2人の娘はんが、オカンのことをのべつまくなし、饒舌に喋りまくるちゅうのんが、本作のドキュメンタリーやねん。

2人のオカンを描くかつての映画は、それなりにあり、見る人によっては、傑作なんやけど、こういうカタチで見せられると、全く違った様相を呈してきよります。

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重信房子はんは、大阪で逮捕された時の、老けた映像も見せられてんねんけど、

「団塊の世代」の先輩方にとっては、もともと運動にゴリゴリ派やなく、

また、浅間山荘事件やらには関わらず、スケープゴードしたみたいやったけど、ある種のアイドルみたいなカンジやったらしいねん。

ボクも新聞を見て、髪型は五輪真弓や荒井(松任谷)由実チックやけど、その素顔がメッチャイケとって、

なんでこんな美人が、日本赤軍のリーダーやねんと、不思議に思とったんです。

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そんな重信はんが逮捕された時は、ディープ・インパクトやったわ。

そんなテロリストとしての彼女の、生き方については、ボクにはさっぱり分からへんかったんやけど、

本作でも、そんな冷酷なとこより、わが娘とのキズナが、メインに描かれとるんで、

重信はんって、ホンマに何か悪いことしたのんちゅう疑問も、わきあがってきよったんですわ。

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もしかして、周囲のテロ仲間やらから、まつり上げられたりして、本人は、よう分かってへんかったとかを、考えたけども、でも、

いろんな人が犠牲になってるとこを見ると、いつまでもアイドルやん、なんてゆうてられまへん。

ホンマに悪いことを、やってはったんやろなーと、少し残念にも思たりしました。

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重信はんとマインホフはんの各サイドが、交互に描かれてゆくようなカンジなんやけど、突出してるように見えるんは、2人の娘はんの、饒舌ぶりにあるんやないやろか。

特に、マインホフの娘はんは、かなり前にオカンが死んでることもあってか、より客観的に喋れるようになっとって、

機関銃トークともまがうべき話をば、披露し続けてゆかはりまんねん。

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とにもかくにも、2人の娘はんの話は、大いなる説得力をば有してはります。

特に、ボク的には、重信房子サイドが、印象的やったな~。

オカンの生涯を、モノクロを含むダイジェスト・シーンで披露し、やがては、娘はんの重信メイのネーさんの話に、ググッと集中していくことに、なるんやけど…。

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さてはて、娘はんの重信メイのネーさんの好感度は、抜群やったわ~。

オカンと直接対話するシーンがあったら、それが大きなクライマックスとして、機能しとったんやろけど、残念ながら…。

でも、メイちゃんの言動に、肩入れしたいと思う方は多いハズ。

母娘のキズナ以上に、期待したい再会シーン。

ドラマ映画としてやったら、きっと絶対的に、オモロイもんになるやろな~、と思いました。

2014年6月18日 (水)

「みつばちの大地」⇒みつばちドキュメンタリーどす

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みつばちのマクロ映像が、3D並みにスゴイどす

世界のミツバチたちが、臨場感をもって登場や~

http://www.cine.co.jp

6月28日のサタデーから、シグロはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国漸次のロードショー。東京やったら、岩波ホールで7月11日まで上映中。

本作は、ドイツ・オーストリア・スイス合作の、ドキュメンタリー91分どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 zero one film / allegro film / Thelma Film & Ormenis Film

みつばち映画やて、ボクチン、あんましーゆうか、ほとんど見てへんな。

まあ、昆虫もんに広げても、アニメとかパニック・ムービーとかまでやろか。

あ、そうや、いろんな昆虫もんドキュでは、「ミクロコスモス」(1996年製作・フランス映画)ゆうのんがありました。

その作品にも、本作のミツバチみたいに、マクロ撮影がありましてな、DVDでも出とるんで、本作と見比べてもろたら、オモロイやもしれまへんな。

3
でも、昆虫アレルギーの人はどないやろか。

特に、大群で出てきよるような場合はどやろ。

ボクチンも、本作のハチの群れには、気色悪いカンジもあったけど、まあ、怖いもんみたさみたいな、軽いノリでいかはったら、ノープロブレムやろかと思います。

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とにかく、3D並みにビビッドどす。

また、世界各国の養蜂家を始め、みつばちを商売にしてはる方々への、インタビューを織り交ぜもって、みつばちたちのシーンを挿入しはるんで、

「ミクロコスモス」みたいに終始、虫を映してるわけやないんで、きっと我慢できるはずどすえ。

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それに、バイオリンやら、環境音楽っぽいエレクトロなサントラが、バックで流れたりするんで、ベタなシーンは緩和されておます。

とゆうより、どこかファンタジー映画な世界のように見えたりするんで、ある意味で摩訶不思議どす。

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ほんで、この種の映画に付きものの、ナレーションどすが、本作のマークス・イムホーフ監督の、

日本語吹き替えナレーションなんで、その穏やかな声が、優しく(!?)耳に響いてくるハズや。

監督はかつて、ベルリン国際映画祭で銀熊賞をもうてはるらしく、その映像作家センスにも、注目しておくんなはれ。

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養蜂家の話やけど、刺されたりするんで継ぎたくなかったとか、アメリカにはかつて、みつばちはいなかったけど、今はどないやとか、

みつばち商売の実情、中国の実態、女王蜂の替え方や作り方、コロニー、殺人バチ、防護服などについて…。

ひと口にみつばちと申しましても、ケッコー多彩なお話が語られまんねんで。

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ボクチンは見てへんねんけど、サイレント映画「ミツバチのダンス」の引用とかが、興味深かったやろか。

ほんでもって、人間とみつばちの現実的な関係性から、ファンタジックなとこへと、着地させるあたりの妙は、「お見事!」の一語どしたえ~。

2014年6月17日 (火)

「おとなのかがく」⇒職人ドキュメンタリーどす

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雑誌の付録作りを、描いたドキュメンタリーどす

手作業職人の心意気を示す作品や~

http://otonano-kagaku.jp/

6月21日の土曜日から、Studio Q-Liの配給によりまして、大阪・テアトル梅田やらで、ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Studio Q-Li

ネットが圧倒的に幅を効かす、今の時代において、雑誌・新聞やらの紙媒体とゆわれるもんが、縮小・後退・廃刊の憂き目に遭って久しいんやけど、

そんな時流に抗するように、雑誌の、しかも付録にまつわるお話でおます。

いやはや、みなはん、雑誌をば、付録の魅力に魅かれて、買った経験てありますやろか。

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ボクチンなんか、幼少の時には、少年コミック雑誌「ぼくら」なんぞの、7大付録ナンチュー本誌以上に、充実しとる付録に魅かれて買ったりしとったけど、

また、ソノラマ・シート入りの音楽雑誌とかも、グーどしたやろか。チョイ高かったけどな。

今では、衣服をそのまま付録にした、ファッション雑誌なんぞがあるし、DVD付きの雑誌も、当たり前やんかのようにあるけども、

付録オンリーに、職人ワザを見せはる人が、いてはるとこらには、本作を見て、はたと気づきよりました。

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さてはて、「大人の科学マガジン」(学研・発行)では、科学キットが付録に付いておます。

雑誌が売れてるとか、売れてないとかは別にして、付録作りに懸ける男の執念ちゅうか、いわゆる、職人ドキュやけども、詳細に描いたんが本作でおます。

雑誌の編集長は、当然インタビューに出てきはるけど、主役は付録を作る方、永岡昌光はんでおます。

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でもって、永岡はんの製作ぶりと、インタビューをメインにした作品どす。

日本の手作り職人を描いたドキュメンタリー、ナンチューたら、メッチャあると思うんやけど、

ボクチンは、すんまへん、全部ちゅうか、ほとんど見れてへんやろな。

でも、細かい根気のいる手作業部を、アップを主に描き、後半の中国サイドでは、永岡はんへのインタを、メインにしはります。

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テオ・ヤンセンの動く巨大オブジェを、ミニチュアにしはるんやけど、そのプロセスを、50分とゆう中編の中で凝縮して展開しはります。

部品数の多さに加え、メッチャ細かい、根気のいる手作業どして、1ミリ幅のとこに、20本の線が引ける細密さが、必要やちゅうんやから、いやはや、ビックラこきます。

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最後には、そのミニチュア付録を見て、オリジナル製作者のテオ・ヤンセンはんが、感想を述べるところまで描かれておりま。

ただ、余りにも短めに、まとめてしもたようなとこがござります。

例えば、その作業の細かさを「抵抗」(1956年製作・フランス映画)みたいに、もっとネチッこく詳細に描いてでんな、

2時間くらいの映画にしはったら、もっとインパクトは、深かったやろかと思います。

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でも、本作が映画学校の、卒業制作作品とゆうとこがあります。

まあ、ほとんどそうした作品が、劇場公開されるちゅうのんは、そうそうないんやけど、

本作の女性監督・忠地裕子ネーさんの場合は、インスタレーションのアーティストとして、既にある程度の実績をば、持ってはる方なんどす。

そんなこんながあって、卒業制作作品でも、飛び抜けとったんやろな。取りあえず、鑑賞に堪え得る作品にはなっとります。

サントラとしての、ピアノの使い方にも、センスを感じさせる1本でおました。

2014年6月16日 (月)

「ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂」

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1953年のイギリス隊の、エベレスト世界初登頂を描いた作品

ドキュメンタリー「エベレスト征服」以来の映画化

http://www.tenku-itadaki.jp

6月28日のサタデーから、KADOKAWAはんの配給によりまして、3D/2D同時公開にて、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーだす。

本作は、2013年製作のニュージーランド映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 GFC (EVEREST) LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、1953年のイギリス・パーティーによる、世界ナンバーワンの高峰・エベレストへの初登頂のプロセスを、

当時を再現する役者も入れつつ、基本はドキュメンタリー映画として捉えた作品どす。

翌年の、イタリア部隊の世界ナンバーツーの高峰・K2への、初登頂を描いた、実話ドラマ映画「K2 初登頂の真実」(5月7日付けで分析済み)のとこで、山岳映画について分析しましたけども、

遭難系の方が、登頂系より多くて、ドラマティックやと申し述べましたけども、

但し、本作なんかを見せられますと、少しく考えが変わりましたやろか。

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登頂のプロセスを、緻密に稠密に見せてゆくことで、ハラハラドキドキのサスペンス性よりも、リアリズムの中にある、説得力あるビビッドちゅうもんがあり、胸にズシリとくる重みが、エンタになってるとこらやろか。

でもしか、このエベレスト初登頂の模様は、モノクロ・ドキュメンタリー「エベレスト征服」(1953年製作・イギリス映画)が、登頂の同じ年に製作されておます。

16ミリで撮影したものを、35ミリにブロー・アップしはったんやけど、残念ながら、現在はDVDやらでは見れへんようどす。

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ボクもかつてフィルムで見たけど、でもしか、その時の感動は、本作とほぼおんなじように思いよりました。

無論、こちらは、3Dでも上映しはるだけに、その作品よりグーンと進化しとかんといけまへん。

美しい風景や過酷なロードなど、モチ、3Dカラーなだけに、本作は当たり前のようには、「エベレスト征服」を凌駕してはるとは思うけど、

でも、初登頂と同じ年に作られとるだけに、当時の臨場感の再現は、どないあっても難しいわな。

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ところがどっこい、当時のヒラリーやハント隊長の肉声を、タイトに入れ込んで、当時の再現へと、執拗に肉迫してゆく作りには、モノゴッツーな情熱をカンジました。

自然光撮影による、雪山描写の厳しさと美しさ、わだかまる雲、効果音としての風の使い方。そして、壮大なオーケストラ・サウンド。

映画的感動への導きは、ほぼ完璧な作りをしてはります。

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登頂に選ばれた2人。ヒラリーとテンジン。

まあ、ヒラリーがニュージーランド出身なだけに、ニュージーランド製作になったんやろけど、

この2人のクライマックス部は、あっさりしてるんとちゃうかと、思わはる向きもあるやもわかりまへん。

さらに、山岳専門用語の頻出。アイスフォール、シェルパ、開放型と閉鎖型に分かれた呼吸器ほか。

でも、ドキュとしての在り方としては、こういう描き方がベストやと、ボクは思います。むしろ、再現するドキュ性を示したとこなんぞは、オリジンあるドキュでおました。

2014年6月15日 (日)

シリーズ最新作「呪怨 -終わりの始まり-」⇒久々の週末日本映画劇場3

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今回の怖がる人のメイン女優は、佐々木希ネーさんやで~

モチ、怖がらせ役は、伽椰子(かやこ)はんと俊雄クンどっせ~

http://www.juon-movie.jp

6月28日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、関西やったら、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014『呪怨 -終わりの始まり-』製作委員会

ジャパニーズ・ホラーを始め、世界のホラー映画については、これまでに弊ブログで、ケッコー分析してまいりました。

ほんで、毎度おなじみやったら、アレなんで、チョイと視点を変えてみよりますと…。

怨みの対象が、ちゃんとあるゆえの怪談・ホラー映画が、「リング」(1998年製作)以降、変わってきました。

ゆうたら、無差別殺人系のノリが出てきたとこが、目立つポイントどすやろか。

「リング」の貞子は、彼女を殺した人間への恨みだけやなく、呪いのビデオで、無差別に人を殺そうとしはりました。

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でもって、その方式は、本作の「呪怨」シリーズにも、引き継がれとります。

つまり、怨みの元の殺人が行われた家に、入った人間ちゅう限定付きではあるんやけど、オトンに殺された、オカンの伽椰子はんと息子の俊雄クンは、無差別に人を殺してゆかはります。

その真意が、「リング」ほどには、説得力をもってはりまへんけども、館ホラーの応用編としての、見方もできよります。

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家に取り憑いた霊たちが、家に入ってきた者に対し、恐怖の波状攻撃を仕掛けて、オトロシサをあおるタイプなんやけど、

本作では家を離れても、怖がらせ役は所構わず現れて、家に入っただけの、何の恨みもない人たちをば、死へと導いてまいります。

はっきりゆうて、論理性は皆無。けども、ホラー映画には基本的には、論理がどうたらはないんで、これはこれで良しとしときましょう。

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むしろ、ボク的な分析では、ホラー映画ちゅうのんは、怖がる側(写真上から3枚目~7枚目)と、怖がらせる側(7枚目~11枚目)に分けて、そのインパクトを競うようなとこらが、1つのポイントになるんやないかと思とります。

見ていて怖いとゆう、観客の怖がり度ポイントはモチ、あるんやけど、取りあえず2派に分けて、そのあたりを見てみまひょか。

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まずは、メインとなる現在形シーンで、怖がる女教師役の、佐々木希(のぞみ)のネーさん。

小学校の教師役なんで、「トイレの花子さん」(1995年)とか「学校の怪談」シリーズ(1995年~1999年・全4作)なんかを、思いださはるかもしれまへんが、

基本的に学校では、希ネーさんは、幻覚は見はるけど、ユーレイには襲われまへん。

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不登校の俊雄クンの自宅へ行って、ほんでエライ目に遭うっちゅう展開どして、

その怖がり演技は、スクリーム(叫び)系ちゅうよりも、叫びも出ないような逼迫系。

もっとキャーッて、ゆうてほしかったと、思うくらい淡泊どす。けども、そういう演技の方がホンマのとこは難しい。

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過去のシーンでは、家に入った女子高生らが、死へと至る災難に遭わはります。

中でも、トリンドル玲奈ちゃんの怖がり方は、怪談映画のオーソドックスなスタイルで、懐かしささえ覚えよりましたやろか。

また、希ネーの同棲相手役の、劇団EXILEの青柳翔アニキの、トンデモヤラレぶりには、ビックラこきましたがな。

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対して、怖がらせる側。

モノクロチックな造形は、いかにも生霊ユーレイってカンジやけど、

怖がらせポイントとしては、ただ、出てくるだけやなく、ユニークなパフォーマンスも入っとりますんで、エエカンジ。

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伽椰子と俊雄の母子ユーレイは、ヤッパ、館ホラー映画の歴史に残る、キャラクターぶりやないやろか。

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ハリウッドでリメイクされた、ジャパニーズ・ホラー映画シリーズの、「リング」と本作。

本作シリーズは、まだまだ続きそうなので、さらなる新展開が期待できるやも。

冷静に見ると怖くないんやけど、素の自然体で見たら、きっとオトロシイはずなんで、

個人的な感想やけど、決して安心して1人では、見にいかんといてくだされませ。

2014年6月14日 (土)

「あいときぼうのまち」⇒久々の週末日本映画劇場2

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東日本大震災を、5世代にわたる大河家族映画として俯瞰しはります

被災映画作りの難しさの向こうに、見えるものとは何ぞや?

http://www.u-picc.com/aitokibou/

6月21日の土曜日から、太秦はんの配給によりまして、東京・テアトル新宿やらで、全国順次のロードショーでおます。

関西やったら、6月28日から大阪・テアトル梅田、京都シネマやらで上映だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「あいときぼうのまち」映画製作プロジェクト

東日本大震災関連のドラマ映画は、ドキュメンタリーほどではないけども、これまでにそれなりに作られてまいりました。

ボクもそのドキュやドラマ映画について、マイ・ベストやカルトなんぞを披露してきたけども、

ようよう考えてみたらでんな、そもそも震災や津波やらは、娯楽映画としての側面ある映画として、これまではパニック・ムービーとして、機能してきたもんどす。

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現実の自然災害を描く場合どすが、被災者への配慮が足りないとか、逆に余りに配慮しすぎて、映画として示すべき作品性がないとかがあります。

ボクも被災した阪神大震災の場合も、おんなじどした。阪神大震災を背景にした映画で、今に残る傑作はあるやろか。

震災をチョイ引用した、阪本順治監督の「顔」(1999年製作)くらいしか思い出されへんわ。

でもしか、阪神大震災を取り込んだ映画以上に、東日本大震災関連のタイトル数は、余りにも多過ぎよります。

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一方において、日本の大手の映画会社が、東日本大震災ものには、大人の事情もあってかどないか分からんけども、アンタッチャブルどして、

マイナー系やインディーズ系の映画陣が、こういう素材を採り上げるっちゅうことになっとります。

言うまでもなく、被災者への配慮と共に、そのほかいろいろな社会的配慮をせないかんわけやけど、結局、鬱陶しいわけどして、触らぬ神に祟りなしみたいなカンジやねん。

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それでも、震災関連映画は、作られてまいるんどす。

福島の原発関連震災ものでゆうたら、本作は松山ケンイチ主演の「家路」(2014年・弊ブログで分析済み)と、同時期に作られたようやね。

但し、本作は現状をストレートに描くのやなく、福島の町と家族ドラマの関連を入れ込みつつ、歴史的大河ドラマのノリでいってはります。

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しかも、ラブ・ストーリーとしての伏線があり、ゴリゴリの原発追求型やないとこが、重たさを軽減しはるやろかな。

ウランの採掘で、新型爆弾を作ろうかとゆう戦中の、ダークな配色の1945年。

原発誘致で、反対派と賛成派の家の2人が、恋におちいる、薄色イエロー&セピアな配色の1966年。

そして、2011年3.11大震災前の家族の様子。

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ほんで、2012年の東京で、一族の末裔の女が、震災のトラウマに駆られた行動を取っていくサイド。

これらの時代が、カットバック的に映されてゆきよります。

大震災が起こった現実を、取り込んだ作りなんで、震災前の時代描写に、未来への希望が語られてるとこなんかには、少々辟易するようなとこも、あるにはあるんやけど、とにかく魅せてくれはります。

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若き頃に恋が成就せんかって、還暦になって、フェイスブックを通じて、夏樹陽子はんと勝野洋はんが、再会するっちゅうんが、

ラブ部のポイントになっとるんやけど、このあたりにヒネリはさほどありまへん。

そんなんもあるやろなーっちゅうノリ。

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けども、夏樹はんのお孫はん役・千葉美紅ちゃんが、夏樹・勝野2人の死に関わってくるとこで、ドラマ的サプライズ度は一気に急上昇しよります。

美紅ちゃん、オール・ヌードも披露してはるんで、いわば体当たり的演技やも。

それに、アップの泣きシーンに加え、ラストの方の、でっかい感動のエピソードにも、大いに関わらはるんで、本作のキー・パーソンでおます。

彼女が鎮魂曲を奏でる、トランペットの響きがグー。

イントロで流れる、ジャジーな坂本龍一はんの、ピアノ・ナンバー「千のナイフ」以上に、ココロにきよりましたがな。

どちらかとゆうたら、震災を意識せずに見た方が、より感動がくる作品のように思いましたえ。

2014年6月13日 (金)

黒川芽以主演「南風」(なんぷう)⇒久々の週末日本映画劇場1

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オバサンとブスの、女の友情を描いた、アイドル映画の快作や~

台湾ロケーションの美しき風景に、癒やしあり! どす

http://www.nanpu-taiwan.com

7月12日の土曜日から、ビターズ・エンドはんの配給によりまして、シネマート新宿やらで、全国順グリのロードショーだす。大阪やったら、7月19日から、シネマート心斎橋やらで上映。

本作は、台湾と日本の合作映画でおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 Dreamkid/好好看國際影藝

黒川芽以ネーさんの、マイ・ベスト&カルトにつきましては、ホラー・オムニバス映画「東京伝説」(5月31日付けで分析済み)のとこでヤッたんやけど、本作はネーさんの、ベストな代表作に入る演技ぶりどした。

これまで芽以ネーは、自然体とゆう演技は、あんましなかったんやないかな。

普段はこんなカンジなんやろな~、ちゅうとこがありまして、いかにも江戸っ子やんっちゅうノリが、メッチャステキやったどす。

対して、台湾のアイドル、テレサ・チーちゃん。美人やないけども、日本ではこういうアイドルは、かつていっぱいいてはりました。

その意味では、ボクチンなんかは、メッチャ親しみやすかったやろか。

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台湾を舞台にした、この2人のやり取りは、お互いに言葉が通じてへんにも関わらず、なんや知らん、通じとるんやな。

会話のやり取りや間合いが悪いんは、演出の手のうちに入っておます。

全然通じてへんノリにも関わらず、相手がゆう悪口には、ビビーンとお互いに反応しはります。

自称21歳で16歳設定のテレサちゃんは、20代後半の芽以ネーに対し「オバサン」と言い、

芽以ネーは、テレサちゃんに対し「ブス」と、応戦しはります。

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サイクリング・レースの取材に、台湾に来はった、日本の編集者役の芽以ネー。

テレサちゃんは、モデルになりたくて、レース場近くでやるモデル・コンテストに、親に内緒で出たいと思てはりま。

でもって、2人は出会い、テレサちゃんは目的を秘めてでんな、台湾の言葉が分からへん芽以ネーの、ガイド役をば、かって出はります。

ほんで、2人は、電車があるにも関わらず、2台のチャリンコで、目的地をば目指すとゆう、イントロでおます。

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このサイクル・ロード・ムービー部が、本作のメインの見どころだす。

いろんな名作ロードムービーを、思い出すとこはあるんやけど、本邦公開される、珍しい台湾のロードムービーちゅうとこで、ボク的には新鮮味がありましたえ。

台湾の観光映画的なとこも、ほとんど気になりまへん。

美しき自然シーンが、ストーリーの流れの中で、押しつけがましくなく、取りあげられとりまして、それらがメッチャエエんだす。

2人のアップ・シーンの中で、時おり披露される、ロングショットの数々は、目に優しおました。

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道中で男たちと出会うんで、恋愛ものへとスライドするかと思いきや…。

「宇宙人が(あたしを)迎えに来て、世界が変わる」ナンチュー、テレサちゃんのモノローグ・シーンから始まるんやけど、

その宇宙人とは芽以ネーのことどして、口ゲンカしたり、酒を飲んでいろいろ、ボヤいたりしはる芽以ネーやけど、

テレサちゃんとの間に、最終的には、女の友情が芽生えるんどす。

ほんでもって、クライマックスでは、感動的なシーンが現出しよります。

そして、ラスト5分の愛媛県・しまなみ街道ロケ・シークエンスが、その感動を余韻として、持続させはりまんねん。

芽以ネー主演映画の、マイ最高傑作「ドライブイン蒲生」(8月2日公開・後日分析予定)とも、おいおい見比べてみてくだされ。

2014年6月12日 (木)

韓国映画「怪しい彼女」⇒トンデルヒロイン映画どす

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若返り映画の、チョー・ユニークな快作どす

韓国映画らしいトンデモ感覚に、魅了される作品や~

http://www.ayakano-movie.com

7月11日のフライデーから、CJ Entertainment Japanはんの配給によりまして、TOHOシネマズみゆき座やら、関西やったら、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

翔(と)んでるorトンデモor常軌を逸したヒロインが、出てきやる韓国映画は、ケッコーあります。

チューことで、そんな韓国映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①猟奇的な彼女(2001年製作)②オアシス(2002年)③シークレット・サンシャイン(2010年)

●カルト⇒①本作②カンナさん、大成功です(2008年)③親切なクムジャさん(2005年)

●ドラマ「冬のソナタ」以来、韓国映画や韓流ドラマのヒロインは、ラブ・ストーリーをポイントにした、清純派or泣かせるヒロインが、主流となりました。

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けども、その隠し蔵や水面下では、ケッタイなヒロインが、マットウなるコメディエンヌは別にしてでんな、活躍する映画があるんでおますよ。

チェ・ジウ、ソン・イェジン、イ・ヨンエらが、清純派の代表型どしたけども、イ・ヨンエはカルト③で、ケッタイ系の演技派脱皮をば、果たさはりました。

酔っ払い演技と、フツーの演技の格差に驚いた、チョン・ジヒョンのベスト①。

身体障害者を、ラブ・ストーリーで演じる、離れワザを演じた、ムン・ソリのベスト②。

狂気じみた演技で、カンヌ国際映画祭で主演賞をゲットした、チョン・ドヨンのベスト③。

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カルトに目を向けてみよりますと、W演技による妙味が①②にありま。

②はダイエット前後で、ヒロインを分けた作りどしたが、本作①は、70歳の老女と、その若返った20歳の演技。

特に、若返り演技を、若返った老女のノリで演じ抜いた、シム・ウンギョンちゃんは、息を飲むくらいの、圧巻の演技ぶりでおました。

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この種の映画は、タイムスリップ系の作品が、主流やったんやけども、本作のように、同時代に若返りするようなタイプは珍しおす。

ジブリの「ハウルの動く城」(2004年・日本)みたいに、若返りやなく、老けさせられる演技にしても、時代は遡っておました。

ただ、その若返りシステムに、リアル感はないんやけど、でもしか、コレはリアリティーを問うような作品やないし、むしろファンタジーやゆうてもおかしくないんで、ほとんど気にはなりまへん。

とゆうよりも、ラブコメの新味を示す、アイデアの面白さに、終始ハラハラドキドキで見られる映画でおました。

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「歌は人生だ」とゆうセリフにあるように、音楽ムービーとしての側面も見逃せまへん。

お孫はんと若返ったオバンの、ライヴでのコラボレートなど、奇跡に近いシーンもあるんどすえ~。

ヒロインが雨の歌を歌うシーンは、感動的どす。

また、サントラとしてキャッチーなロック、ポップス、バラードを流してはりまして、

「プリティ・ウーマン」(1990年・アメリカ)ばりのサントラもまた、注目の作品でおますよ。

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若返って、オードリー・ヘプバーンに、自らなぞらえはるヒロイン。

対して、ラストのサプライズ・シーンでは、ジェームス・ディーンを名乗る人が現れたりと、往年のハリウッド映画ファンも、ニヤリのシーンがありまっせ。

ちゅうことで、韓国映画の新しどころが、楽しめる快作でおました。

2014年6月11日 (水)

「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」⇒クラシック音楽映画

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女たらしのクラシック偉人伝映画やなんて…

パガニーニ役は、プロ・アーティストのデイヴィッド・ギャレットや~

http://www.paganini-movie.com

ジュライ7月11日のフライデーから、アルバトロス・フィルムはんとクロックワークスはんの配給によりまして、東京・TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館やら、大阪・TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、京都・TOHOシネマズ二条、兵庫県・TOHOシネマズ西宮OSやらで、全国ロードショーだす。

本作はイギリスを主舞台にした、英語セリフによるドイツ映画どす。「PG-12」指定。

●デイヴィッド・ギャレット日本公演日程⇒●6月21日・6月22日午後6時開演/東京・六本木ブルーシアター●6月23日午後6時開演/大阪・IMPホール

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Summerstorm Entertainment / Dor Film / Construction Film / Bayerischer Rundfunk / Arte. All rights reserved

クラシック音楽畑の偉人を描いた映画は、これまでにそれなりに出てまいっとります。

ボクもいくつかは見たけれど、ベートヴェン、ラフマニノフ、滝廉太郎など、正攻法による気マジメなもんが、多いように思いよります。

でもしか、アカデミー賞作品賞までゲットした「アマデウス」(1984年製作・アメリカ映画)なんかは、毒入りのミステリー・タッチで終始ドキドキどしたが、

本作もまた、毒入りとゆうか、正統的な音楽家を描く点においては、かなり逸脱しておます。

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19世紀前半に活躍した、イタリア出身のヴァイオリニスト、パガニーニの生涯を描いとるんやけど、偉大な音楽家のイメージとは、ほど遠い描き込みが衝撃的どす。

「アマデウス」の、モーツァルトのようなインパクトがあります。

しかも、楽器を弾けば天才的やけど、それ以外は自堕落。酒に溺れ、ギャンブルに溺れ、女に溺れはります。「飲む・打つ・買う」を地でいった音楽家どした。

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そんな彼がパリで成功しているのを聞いた、イギリスの指揮者は、ロンドンに招聘しようとしはりまして、実現するんやけど、

パガニーニの女たらしぶりに、女たちが抗議行動してはりまして、また、ホテルにも泊めてもらえず、仕方なく指揮者の自宅に泊めてもろて、

そこで、指揮者の娘と出会うちゅう流れどす。ほんで、パガニーニの片想いの、始まり始まりでおます。

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さてはて、パガニーニ役はプロのヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレットのアニキがやってはるだけに、吹替えとかは一切なしやねん。

ストラディヴァリウスを自在に操り、見事な速弾き演奏を披露しはります。

でもしか、演技はどないやねんと、思わはるかもしれまへんけども、こちらも、容姿の似てるジョニー・デップと、重ね合わせて見ても、決して首をひねるようなとこはありまへん。

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そんな彼の恋のお相手役は、アンドレア・デックのネーさん。

映画デビュー作「レ・ミゼラブル」(2012年)での美しき歌唱ぶりが、本作でもアリアの歌いっぷりで、披露されとりまっせ。

ただ、お色気シーンがほとんどないんやけど、その清楚なたたずまいには、魅了されるハズどすえ。

また、クローズアップも、往年のハリウッド・ロマンス映画ばりに使われておます。

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ロンドン・サイドをメインにした作りで、その時代感描写も秀逸どす。

霧がかりのロンドンの描写。時代に合わせた、一部薄セピア・シーンもある、薄色配色ぶりやらで、雰囲気を作り、ほんで、クライマックスのコンサート・シーンへとなだれ込んでまいります。

本格的オーケストラ・サウンドが、バチバチでおますけども、酒場で弦が切れて、G線1本になっても弾き続ける、凄みなんぞにも注目どす。

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ラストロール後に、“ケン・ラッセルに捧げる”と出ますが、2011年に逝去した、イギリスの監督さんで、スキャンダラスティックで退廃的な作品性は、本作と似通っとるかもしれまへん。

サイレント映画時代の、実在のプレイボーイ俳優ルドルフ・バレンチノを描いた「バレンチノ」(1977年・アメリカ)なんかと、見比べてみてくだされ。

2014年6月10日 (火)

新・午前十時の映画祭「砂の器」⇒マイ・ナンバーワン日本映画

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松本清張ミステリー映画の最高傑作や~

泣ける映画の粋が詰まった、音楽映画でもありま

http://asa10.eiga.com

7月12日~7月25日の一週間、TOHOシネマズ 日本橋、TOHOシネマズ 二条、TOHOシネマズ 西宮OSやらで、午前10時から1回上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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さて、いきなりやけど、松本清張原作ミステリー映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)をば披露いたします。

①本作(1974年)②鬼畜(1977年)③張込み(1957年)④疑惑(1982年)⑤黒い画集・あるサラリーマンの証言(1960年)

●⑤位に「影の車」(1970年)か、「ゼロの焦点」(1961年)を挙げようかと思たら、そうしたら、野村芳太郎監督作品ばかりになるんで、はたとやめました。

清張・野村監督・松竹配給系こそ、清張原作映画の王道路線なんどす。ちなみに、⑤は東宝系。

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松本清張原作として、ボクが最高傑作やと思てる、東映系の「点と線」(1958年)なんかもあるけど、でもしか、この松竹路線は強力至極でおます。

松竹らしい泣ける系でゆうたら、父子のキズナ系で泣かせる①②が、ポイントやけど、

本作はそれをば、ストレートに描かない点において、秀逸極まりないもんがありました。

一言でゆうたら、決してベタやないんどす。

ソリストとして立派になった加藤剛はんと、彼のオトン役の加藤嘉はんのキズナ描写は、コドモ時代だけで、大人になっての今ではありまへん。

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むしろ、花形音楽家になっとる、今においては、貧しい時代の過去の暴露は、いろいろと困るんでおます。

オトンがハンセン氏病になってしもたあと、出雲の巡査役・緒形拳が、幼き加藤剛の養父にならはるんやけど、剛少年は拳はんの家から家出してまいます。

でもしか、定年後、拳はんが1人旅に出て、大人になった加藤剛に気づかはりまして、ほんで、東京まで行って会わはりまんねん。

そんな恩人の元養父を、剛はんは殺害しはりまんねん。その後の涙・涙のシーンと、この剛はんの冷酷度が、全く噛み合わへんちゅうのんが、公開当時も問題になっとりました。

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日本の美しき四季をバックにした、父子のロードムービー部と、捜査会議で弁舌をふるう、丹波哲郎はんのカットに加え、

剛はんのピアノ演奏シーンが、カットバック的に使われるクライマックスは、日本映画史に残る名シーンなんやけど、

松本清張が意図した、過去を隠蔽する動機と、それとは関係がない父子のキズナとゆう、対極のポイントが、よう考えたら違和感はあるんやけども、

そこんところを、あまりツッコまれへんような、仕上げをやってはったとこなんかは、日本映画史上最大のマジカルを、ボクはカンジよりました。

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この不思議さが本作の、最大の持ち味なんやないやろか、とさえ思います。

感動部と現実部が、乖離した作り。

大いなるサプライズとなる、オトンの生存。その加藤嘉の「そんな人、知らない!」の叫びに胸を打たれ、

マトモな捜査会議の報告で、「繰り返し、繰り返し、このように慰めています」と、ハンカチ片手に丹波はんが、泣くシーンなど、

フツーの捜査会議を、逸脱したシーンやらが、グッとくるようになっとります。

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そして、芥川也寸志(やすし)のオリジナル交響曲サントラは、ハンパやありまへんどした。

ボクは映画を見る前に、LPのサントラ盤を勝って何回も聴き、映画への思いを募らせとったんやけど、まさに、その通りのドラマティックな感動がありました。

音楽映画としても、本格的な傑作やったです。DVDもあるけど、みなさん、ぜひ映画館で見てくだされ。

2014年6月 9日 (月)

新・午前十時の映画祭「飢餓海峡」

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日本の社会派ミステリーの名作や~

故・三國連太郎はんの演技の最高傑作どす

http://asa10.eiga.com

6月14日~6月27日の一週間、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、大阪ステーションシティシネマやらで、午前10時より1回上映でおます。

本作は、1965年製作・モノクロ・3時間3分の大作どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

いきなりやけど、日本のミステリー映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同・製作年度・原作者・監督の順に表記)をば披露いたします。

①砂の器(1974年・松本清張・野村芳太郎・明日分析)

②本作(1965年・水上勉・内田吐夢)

③犬神家の一族(1976年・横溝正史・市川崑)

④告白(2010年・湊かなえ・中島哲也)

⑤天国と地獄(1963年・エドマクベイン・黒澤明)

●トリックもの③を除き、社会派ミステリーやとゆうてもエエやろか。

1976年から始まったテレビの二時間ドラマなどで、推理小説のドラマ化作品が、茶の間に大量に入ったこともあり、

映画で示すべきとことの差別化が、ビミョーになってきたんもありますが、

基本的に推理小説に特有の、ロジックちゅうのは、映像で示すんは難しいどすやろな。

セリフで説明されると、文章を読むのんとそない変わりまへんやろ。

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けども、社会派もんやったら、トリックやら論理よりも犯人像が主体となるんで、刑事役やらも含めて、演出的にも人間像を示す演技ぶりが、メッチャ映えるんでおますよ。

つまり、本格ミステリー以上に、映画的にはイケルんどす。

でもって、本作は犯人が最初から分かっとるタイプの、いわゆる倒叙もんどして、犯人側・被害者側・刑事側の描写をくっきりと分けはって、それぞれの演出・演技に集中してはります。

佐藤浩市のオトン・故・三國連太郎はんが、ナンチューてもスゴイわ~。

北海道のムショから出所して金がないんで、強盗殺人やってもうて、その死体を、船の転覆事故に乗じるように海にほかし、ほんでもって、北海道から本州・青森へと逃げた三國はん。

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三國はんは、青森の娼館で出会った娼婦(ベルリン国際映画祭で、1963年製作「にっぽん昆虫記」で、主演女優賞もらわはった左幸子はん)に盗んだ金の一部を渡し、ほんで、本州の奥の奥へと逃げはります。

そんな幸子はんやけど、そんな三國はんに深き恩を覚えはりまんねん。

ほんで、数年後、立派にならはった三國はんを新聞で見つけて、会いにいかはります。でもって、三國はんに殺されはりまんねん。

片や、捜査側は、北海道の強盗殺人事件にノメリ込んでゆかはる、ビンボー警察官・伴淳三郎。

その執念ぶりは、素朴で朴訥なだけに、ストレート系とは違うとこで、ドラマチックがありま。

また、刑事側では、高倉健さんが犯人を追い込むとこで、カッコよく男らしく登場してはります。

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さてはて、写真1枚目は、映画のラストシーンでおます。

三國はんと伴淳はんのツーショットやけど、このシーンの伴淳はんは、メッチャ渋かったわ~。

犯人が過去の暴露を恐れて、人を殺すとゆう形態は、社会派ミステリーの一つの特徴でおました。

明日分析の「砂の器」も、そういうカンジなんやけど、いずれにしても、映画としての重厚さが、強烈至極な作品でおました。

2014年6月 8日 (日)

トンデモ日本映画「渇き。」⇒日曜邦画劇場だす

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「このミス大賞」映画化作品の、第6弾でおます

「告白」の中島哲也監督が、またまたヤッてくれはりました

http://kawaki.gaga.ne.jp

6月27日の金曜日から、ギャガはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「渇き。」製作委員会

「このミステリーがすごい!大賞」を、みなはん、ご存知やろか。

宝島社が主催する、広義の推理小説の公募で、大賞には1200万円の賞金が、授与されるちゅうもんや。

今年の5月末日締切分が、第13回目の公募となっとります。ボクチンも賞金につられて、ついつい思わず送っとったりして…なんてね。

ほんで、それらの受賞作がこれまでに、6作が映画化されとります。

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そんなこのミス大賞原作映画の中で、6本しかないけども、マイ・ベスト・スリー(順位通り)を披露しま。

①本作②チーム・バチスタの栄光(2007年)③四日間の奇蹟(2005年)

●映画評論家受けするような作品は、そないないんやけど、第1回受賞作にして、佐々部清監督の山口3部作となった③、国民的人気を得た、医療ミステリーの②。

そして、本作は、マイ「このミス大賞」原作映画の、最高傑作となった作品どす。

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元刑事のオトンが、別れた妻と住んどった、わが娘をば探すとゆう、どちらかとゆうたら、シンプルな人探し映画どす。

でもしか、これまでの人探し映画のセオリーをば、大いにくつがえすタッチになっとるんどすえ。

今村昌平監督が、ドキュメンタリー・タッチで蒸発した夫を、探偵が妻と共に探す「人間蒸発」(1967年)とか、

それと同じテイストがあった、勅使河原宏監督の「燃えつきた地図」(1968年)とかの、

人探し正攻法ドラマをば、大いに逸脱した作りが、トンデモありまへんねん。

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さてはて、はっきり申し上げまして、メチャクチャな映画でおます。

キテレツ演技、暴力的にキレる演技の、オン・パレードどす。

そもそも元刑事やった役柄の、役所広司はんからして、最初からトンでもハイ。

脱法ハーブかマリファナでも吸うて、人に聞き回ってはるんかいや~、みたいなノリ。まあ、現実的にはあれへんやろけどな。

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娘を探す聞き役が、この調子なら、一方で合わせるようにでんな、聞かれる側も、メッチャな「おい、こら」な対応ぶりどす。

消えた娘のセンセー役やった、中谷美紀ネーさんに、いきなり胸グラつかんで、おい、こら。

でも、美紀ネーは、冷静な大人の対応ぶり。

娘と同級の生徒役の、橋本愛ちゃんや二階堂ふみチャン。ワメキをポイントに、役所はんに合わせて、おい、こらをば披露しはります。

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意味のないカー・アクションやらが、どおゆうわけか頻出しよります。

警察車両とのカー・アクトなんか、今の日本にはそうそうありまへん。

そんな中で、飴を舐めながら捜査する、妻夫木聡アニキやら、オダギリ ジョーと役所はんの1対1対決など、アリエネーとこが、当たり前のように披露されてまいります。

メッチャ変、メッチャおかしい。そういうとこが多発も、まあまあ、フィクションなんで、大目に見ときましょか。

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アカデミー賞外国語映画賞の日本代表となり、「アナと雪の女王」(弊ブログで分析済み)日本語吹替え版で、今をときめく松たか子ネーさんが、主演しはった「告白」(分析済み)の監督、中島哲也監督の、そんな傑作「告白」以来の新作でおます。

「告白」と同じく、学園ものも維持しもって、謎めいた生徒や先生をポイントにして、闇の世界へと誘ってくれはる映画作りが、巧妙でおました。

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冒頭の赤い血が、ドバッのアニメ・カット。

まずはファンキーな音を流して、その後はいろんな歌ものを、穏やかな曲を、ド派手なシーンで終始流して、ミスマッチ感をあおり…。

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バイオレンス・シーンも「告白」の「R-18」指定を避けるべく、殴ってすぐに別カットやらへと移行し、残虐シーンをそれとなく外してる作りなんやけど、

でもしか、エグイ感は終始、まとわりついとりました。

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結局、オトンに探される娘役の、小松菜奈ちゃんだけが、何やら清楚なイメージで、描かれてゆくんやけど、でもしか、最後は本性を…。

むしろ、オトンのキテレツぶりと、娘のしとやか犯罪者ぶりの対比に、驚かされる映画やもしれまへん。

知らずに近親相姦してもうた「オールド・ボーイ」(2003年・韓国・リメイク作は5月25日付けで分析)と比肩する、ベタなカンジもありましたやろか。

父娘のキズナナンチューのんを、ドッカーンと外した作品ぶりに、おい、こら、ナンジャ、こら~と、言いたいわ~。とどのつまりは、チョー怪作でおました。

2014年6月 7日 (土)

ジョニー・デップ主演最新作「トランセンデンス」

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SF映画のジョニデが、大満開どすえ~

サイバー関連SF映画の、21世紀的最高傑作やろか~

http://www.transcendence.jp

6月27日のフライデーから先行公開。6月28日から、全国超拡大ロードショーだす。配給は松竹はんとポニーキャニオンはんでおま。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

ジョニデことジョニー・デップの、最新作でおます。

「シザーハンズ」(1990年製作・以下の映画は、指定以外は全てアメリカ映画どす)以来、

ジョニデ印は、どちらかと申せば、SFというよりは、ファンタジックな作品で、みなはんを魅了してきはったかと、思うんやけど、本作は本格的なSF映画どす。

しかも、インターネット、サイバー系絡みやから、その種の映画への主演は、今作が初めてやないやろか。

ちゅうことで、ここで、インターネット・コンピ・AI絡みの仮想現実やらの映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(順不同)をば、思い付くまま気ままに、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①マトリックス(1999年)②A.I.(2001年)③ウォー・ゲーム(1983年)

●カルト⇒①本作②her(2013年・弊ブログで分析済み)③ザ・インターネット(1995年)

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●ベスト①は、この種の関連映画としては、突出した仕上げを示してはるけども、どちらかとゆうたら、フィクションとしての映画性がバリバリどした。

けども、本作はあくまでも、将来的にあり得るかもしれへんとこに、食い入ってはります。まあ、チョコットかもしれへんけど…。

AI系のベスト②に対応するカルト②やら、コンピ関連でもアナクロニズムなとこがある、ベスト③カルト③などとは違い、

やはり、21世紀的に進化したとこをば、盛大に示してくれはるんどす。

ほんで、ジョニデの役やけど、個人的には紀元前の話やけど、

「ノア 約束の舟」(6月1日付けで分析)の、ノア役ラッセル・クロウと、妙にシンクロナイズしとるように、見えましたがな。

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共に、人類の未来のためにと動きつつも、結局それは、マイナスにしかならへん行為やったちゅうことで、共通しております。

この2人の演技をば、見比べてみるんも、一興やろかと思いますで。

でもって、本作は撮影監督(ウォーリー・フィスター)やった方の、映画監督デビュー作でおます。ついでのようどすが、撮影監督出身監督作品の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば言いよりますと…。

①本作②クラッシュ(2005年)③剱岳 点の記(2009年・日本)てなカンジやろか。

撮影監督らしい撮り方の妙味とかが、あんましカンジられへんとこが、エエんやないやろか。あくまで、撮影と演出は違うやろから。

確かに③なんぞは、雪山描写において、美しきやったり厳しさやったりの撮影に、ハッとしよりましたけども、

アカデミー作品賞をゲットしはった②や、CGを思いきし使った本作は、撮影監督らしさを示すもんやありまへん。

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さてはて、ストーリー的に申しますと…。

夫婦が「人工知能(AI)はあります!」と開発したのんが、夫ジョニデのサイバー・テロによる死で、頓挫しそうになってもうた。

けども、夫はAI的仮想空間の中で蘇り、人類のためにやるべきことを、妻に指令するとゆう流れどすか。

妻役レベッカ・ホールのネーさんの出番が、ジョニデ以上に多うおます。

妻が作った、ソーラーパネルのハイテク地下施設の造形に、まずは驚きが…。

クライマックスのジョニデの行為を阻止するための、米軍とサイバー・テロたちのタッグ。

ほんで、そのアクションぶりの流れまで、少しゴタゴタしたりしとるけども、この流れも、映画的計算の中に入っとるかと思います。

夫妻ドラマとしての造形ぶりは、ハイテク時代の「ひまわり」(1970年・イタリア・分析済み)か、はたまた「ゴースト ニューヨークの幻」(1990年)かっちゅう、作品性をカンジてしもて、魅了されました。

いずれにしても、ジョニデの新生面が、見られる作品でおました。

2014年6月 6日 (金)

「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」⇒群像劇サスペンスの快作

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ケネディ暗殺もの映画に、まだまだスゴイのんがあったで~

群像劇として、暗殺後の詳細が描かれた作品どす

http://www.parkland-movie.jp

6月28日の土曜日から、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Exclesive Media Entertainment , LLC

JFK暗殺もの映画てゆうたら、これまでに名作があり、今さらどこを突つくのん、っちゅうとこがありますわな。

殺人計画の裏側を、サスペンスフルに描いた「ダラスの熱い日」(1973年)やら、裁判劇へと持ち込んで、検証系でいった「JFK」(1991年)など、傑作があります。

けども、本作は、JFK暗殺後4日間の、関係者の動きや心理をば、描き込んだ群像劇でおます。

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本作は、暗殺もの映画とゆうよりは、群像劇としての面白さや、緊張感のある映画どす。

まずは、狙撃されたJFKが、病院へ運び込まれて、どのように息の根が止まったんかを、病院側の視点をメインに描かれてまいります。

狙撃された時に、JFKは死んだわけやないんどす。病院内で必死のパッチで、処置が行われてゆきます。

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医者役ザック・エフロン君やら、ナース役マーシャ・ゲイ・ハーデンはんが、ビビリと緊張を混ぜたような、複雑演技をば披露しはります。

JFKの顔を見せない中での、救命処置ぶり。

そこに、大統領の側近も、いてるとゆう変則系。混乱ぶりを如実に描き込んではります。

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片や、ビリー・ボブ・ソーントンら側の、警備・警察陣営の逼迫した捜査ぶりも、描かれてまいります。

狙撃のシーンをば、8ミリ撮影してたちゅう、ポール・ジアマッティのエピソード。真相究明したい捜査側と、世間に目立ちたくない証人との、緻密なやり取り。

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そして、誤認逮捕かどうかは別にして、犯人側とその家族の描写が、デッカイキモとなります。

犯人役以上に、個性的な演技を見せはる、そのオカン役ジャッキー・ウィーバーはんやらが、ありきたりをくつがえす、演技ぶりを示さはります。

また、実の兄貴と、犯人とされたオズワルド弟とのやり取りも、波乱に満ちた展開があるんどす。

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それらは実話とは申せ、JFK絡みの事件で、これまでに描かれてけえへんかったとこを、敢えてのように、メインにしてはります。

冤罪かもしれへんけど、加害者側家族の描き込みしかり。

JFKの病院側処置と、その後の政府筋の、奇妙な死体搬送。

JFK夫人の振る舞いやら、近接撮影を駆使した、ビビッド感が、殺伐とした臨場感を表現してはります。

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役者としての方が有名やけど、製作者トム・ハンクスのセンスもカンジましたやろか。

アメリカン俳優としての演技派ぶりを、やってきはった彼としては、やはりJFKは先行作があるとは申せ、避けがたいテーマやったんでしょう。

映画には群像劇タッチで、新たにJFK暗殺に肉迫しようとゆう、ある種の熱気がありました。

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室内劇をメインにしながらも、緊張感が持続するんは、セリフや脚本の作りの、上手さでおましょうか。

耳鳴りめいた音楽やったり、不協和音的リズムを意図的に出すとこなど、天才ハワード・ニュートン・ジュニアのサントラは、目立たへんけど凄かったどす。

地味に見えながらも、暗殺事件を描く、新たな手法を見出した快作どした。

2014年6月 5日 (木)

「ザ・バッグマン 闇を運ぶ男」⇒ジョン・キューザック&ロバート・デ・ニーロ共演

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野郎2人が共演も、紅一点レベッカ・ダ・コスタのネーさんが、キーを握るアクション・ミステリーどす

かつての悪役ぶりが蘇った、デ・ニーロも強烈やで~

6月21日のサタデーから、アークエンタテインメントはんの配給によりまして、東京・新宿ミラノ3で、全国順グリのロードショーでおます。

本作は特集上映「復活!!男たちのヒート祭り!」の、第2弾として登場だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 MOTEL FILM, LLC. All Rights Reserved.

ジョン・キューザックとロバート・デ・ニーロ共演の、アクション・ミステリー映画やなんて、10年前くらいやったら、ニッポン全国拡大ロードショーになるくらいの、規模の映画でおます。

「アナと雪の女王」(弊ブログで分析済み)が好調とは申せ、あくまでアニメ映画。実写ハリウッド映画の、日本の映画興行界での苦戦は続いておます。

でもしか、本作はそんな状況に抗するように、モーテルを主舞台に、派手なアクションやない系の、ミステリー・サスペンス系で魅せてくれはります。

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アクション的には、ジョン・キューザックの、車内バトル・アクション。

でもって、クライマックスでは、キューザックとデ・ニーロの1対1対決へといくんやけど、

そんな中でも、本作をオモロうしとるんは、間違いなく、目立つアクション・ヒロインぶりを示さはる、レベッカ・ダ・コスタのネーさんの存在でおましょうか。

「男たちのヒート祭り」を標榜しながらも、コスタ・ネーがいてへんかったら、フツーのありきたりな、男対決映画になっとったやもしれまへん。

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ネタバレに近いかもしれへんけど、女が男を騙す映画なんやけど、

「氷の微笑」(1992年)のエロエロ度やら、「バウンド」(1996年)の女コンビ系やら、「白いドレスの女」(1981年)やらのけだるい雰囲気とかやなく、

あくまでアクション・ミッション系の中で、男を出し抜くとゆうとこに、スリリングかつ「おいおい、そないくるんかー」とゆう、サプライズがござるんでおますよ。

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とにかく、エロ度合いもそれなりにあるし、キューザックとの絡みが多いけど、足ワザ・胸ワザ(!?)・銃撃などで、トンデモワザをば、披露し続けはります。

彼女のことばっかし、ついついゆうてもうたけど、いつもながらにヒロイズムらしい演技を、見せはるキューザックに加え、デ・ニーロの怪演技ぶりには、個人的に震えよりました。

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ボク的には、かつての悪役ぶりが蘇った、デ・ニーロにきてまいましたがな。

ちゅうことで、ここで、デ・ニーロの特注悪役ぶりを示さはった、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたします。

①本作②アンタッチャブル(1987年)③ヒート(1995年)④ゴッドファーザーPARTⅡ(1974年)⑤ケープ・フィアー(1991年)

●モロ悪玉の②⑤、ギャングなどの③④。

善玉とも取れるアウトロー役も、やってはるけども、本作では、これまでにない詭弁ぶりで、煙に巻くような悪役ぶりをば披露しはって、

例えば、「第三の男」(1949年・今年5月29日付けで分析)の、オーソン・ウェルズのような雰囲気がありましたえ。

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とはいえでんな、やっぱ、正統派キューザックや、新・悪玉菌人間役デ・ニーロよりも、最後にスカッとしたとこを見せてくれはるコスタ・ネーさんに、やっぱし脱帽の映画でおました。

ラストに流れる、ソウルチックなポップ・ナンバーも、ネーさんの魅力を伝えてはるようでおます。

久々に見た、男騙し女がセクシーに、活躍してくれはる映画どした。

2014年6月 4日 (水)

「沈黙の処刑軍団」⇒スティーヴン・セガールのあのシリーズや~

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タイトルとしては、「沈黙シリーズ」第30弾どす

セガールが年齢に見合った、渋アクションを披露や~

6月21日のサタデーから、アークエンタテインメントはんの配給によりまして、東京・新宿ミラノ3で、全国漸次のロードショーだす。

本作は、特集上映「復活!!男たちのヒート祭り!」の第1弾でおます。PG-12指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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2013 Ⓒ FOE Productions, Inc.

スティーヴン・セガールはんの、人気シリーズ「沈黙シリーズ」の最新作でおます。

タイトルの「沈黙」としては、第30弾やけど、このシリーズの各作品の続編や、シリーズものも枝分かれしとりまして、

正式に言いますとでんな、セガールのこのシリーズとしては、本作が第39弾目となるみたいやねん。

そやから、日本の「ドラえもん」や、48弾続いた「男はつらいよ」なんかのシリーズに、匹敵する長寿シリーズやし、かの「007」よりも、長(なご)うおまんねんで。ビックラこきまっせー。

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しかも、シリーズは1992年製作の「沈黙の戦艦」を第1弾にしとって、短期間の間に、シリーズを積み重ねた点では、「男はつらいよ」のペースを、上回っておりま。

さらに最近になってはでんな、2010年3作、2011年6作、2012年4作、2013年3作と、大量生産ペースになっとりまして、そのうち、世界1のシリーズ「男はつらいよ」を、抜くやもしれまへん。

但し、本シリーズは、映画全体のキャラ設定が、48作持続した「男はつらいよ」とは違い、統一主演男優がセガールはんだけやけど、それでもスゴイと思うわ~。

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こんだけ長く続くと、アクション的に毎回おんなじやん、ナンチューことになりかねへんけども、

でもしか、セガール・ブランドのマーシャル・アクションは毎回健在やし、刑事役とそれ以外のアクションを使い分けたり、まあ、銃撃戦がポイントにはなっとるけど、

また、セガールはんが年を経るにつれ、年齢に見合ったアクション・シフトへと、ビミョーに変化しとるけど、

今作では、チョイと違ったとこを、出してはりまっせー。

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セガールはんは、暗黒街orギャングのボスちゅうか、「ゴッドファーザー」(1972年)のマーロン・ブランドはんみたいに、ドッシリしてはります。

けども、マーロン・ブランドとは違い、背広を着てのマーシャル・アーツをいきなり披露し、銃撃戦にも、銃の解説までして積極的に参戦し、

今どきのブラック&ヒスパニック系のギャングとの抗争に、関わっていかはりまんねん。

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しかも、かつてのミッションの失敗で、部下に手を潰させて引退さした若手の部下を、呼び戻すとゆうドラマティックな展開が、用意されとりまんねんで。

「燃えよ!ドラゴン」(1973年)のブルース・リーみたいに、カンフー・アクトを披露する、ブレン・フォスター(写真上から6枚目)のアニキ。

シリーズの1作「沈黙の監獄」(2013年)でも、アクション俳優ぶりを示さはった彼やけど、

今作では引退後は酒に溺れ、拳銃自殺もしようかいな~っちゅう、落ちぶれ演技ぶりを披露。アクションだけやない、演技派ぶりの片りんをば、見せてはりまんねんで。

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特に、「マチェーテ」(2013年・弊ブログで分析済み)の、傷だらけブ男の、奇天烈アクションぶりが強烈やった、ドニー・ダレホはんが、

フォスター・アニキの手を治すシーンは、本作イチバンヤーの、ユニーク極まるシーンや。

ダレホはん、それまでマットーな、食堂の主人やったのに、自称・呪術師やナンチューて、突然変異し、サソリ毒を使って死線をさまよわせ、

ほんで、毒をもって毒を制すっちゅうような、ウルトラ治療法を披露しやはりまんねん。アラマ・ポテチン。

フォスターの視点で、モノクロを使ったり、画面を揺らしたり、時に、画面設計もユニークやったやろか。

でもって、クライマックスは、ド派手な銃撃戦へ突入どす。ピンサロ・シーンなど、お色気シーンもケッコーありまっせー。

2014年6月 3日 (火)

ルーマニア映画「私の、息子」⇒母子映画のイメージをくつがえす1本

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「4ヶ月、3週と2日」と双璧を成す、ルーマニア映画の傑作

オカンの凄みが、モノゴッツーな勢いの映画どす

http://www.watashino-musuko.com

6月21日のサタデーから、マジックアワーはんの配給によりまして、東京・Bunkamura ル・シネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、7月上旬から、シネ・リーブル梅田。その後、京都シネマ、神戸・元町映画館やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸParada Film in co-production with Hai-Entertainment All rights reserved.

これまでに、ルーマニア映画やなんて、ボクはほとんど見とりまへん。まあ、5本もありまへんやろな。

でもしか、見たルーマニア映画は、全てが傑作どした。

カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルム・ドールに輝いた「4ヶ月、3週と2日」(2008年製作)。

ほんで、昨年のベルリン国際映画祭で、最高賞の金熊賞をば、ゲットしはった本作。

「4ヶ月…」は妊娠がテーマどしたが、本作は母子のドラマどす。

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でもしか、フツーの母子映画てゆうたら、幼いコドモとオカンやらの関係がメッチャ多いやろ。

ところがどっこい、こちとらはでんな、大のオトナになっとる息子を、熟女のオカンが、イロイロ面倒見るっチュー構図どす。

こおゆう映画とゆうんは、あんましありまへん。

コドモに依存するオカン、オカンに依存するコドモ。このケースで、大のオトナたちの場合は、緊張感ある波乱の展開が、待っとることでおましょう。

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冒頭から、いきなりオカンのぼやき節の、長回し撮影から始まりま。

オカンの妹に対し、息子はコブ付きの女と住んで、自分を無視しとるゆうことを、ネチネチ喋らはります。

ほんで、息子が交通事故を起こし、コドモをひき殺したことを知らはってからは、

自ら警察側・被害者側・証人らと、関わり交渉しはり、息子の罪を軽減すべく、必死のパッチで、やってゆかはるんどす。

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息子はんよりも、オカンの方が、かなりと目立っとります。

そして、この交通事故事件が、本作のメイン・ポイントでおます。

オカンのメッチャな出過ぎと干渉ぶりに、息子はんはエゲツナイ言葉を浴びせて、反発したりもしはります。

けども、結局は…ちゅうカンジになってゆくんやけど、このオカン・息子はんの関係性は、ケッコーありそうな話のようにも思えよりました。

日本でもあるはずやろな。目を背けたくなるとこもあるけど、移入したくないけど、ある種感情移入できてまうとこも、なきにしもあらずやもしれまへん。

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冒頭からあったんで、ケッコー長回しが多いかと思たら、そうでもありまへん。

ラストの方で、キモとなる2~3分の長回しがあるけど、そちらは、ネタ部にもなるんやけども…。

オカンが被害者家族に対し、息子をどんだけ大切にしてるかを、話す長回しなんか、ウーンとなるし、

モチ、車のサイドミラーを使った、ラストシーンの長回しの妙味などは、なるほど、そうかいな~な、映画作家性的作りになっとります。

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さてはて、1対1の対話シーンが、頻出しよります。

そういう場には、ほとんど、オカンがいてはります。

オトンもいるんやけど、オカンほどの出番はありまへん。

なんせオカンが、何もかもやったろかいやーっちゅう勢いなんで、

別にその熱気に、あおられはしまへんけども、その言動ぶりには、時々、鬼気が見え隠れしとります。

煙草スパスパ・シーンもいっぱいやし、まあ、オカン役主演ルミニツァ・ゲオルギウはんの、独壇場とも取れますやろか。

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「4ヶ月…」は、全くサントラは流れへんかったけど、本作も本編では流れまへん。

パーティー・シーンで、民族ダンス音楽が流れたり、オペラ・シーンなど、映画内設定で流れるけど、サントラなしは、セリフや演技に集中できるだけに、エエとこもあります。

また、サントラの代わりに、靴音などの効果音が文字通り、効果的に配されておます。

でもしか、ラストロールでは、フィーメイル・スロー・ポップス・ナンバーが、意表を突くように掛かります。それは、妙にラストシーンにマッチした歌どした。

ちゅうことで、ルーマニアのオカンもまた強し、っちゅうお話でおました。

2014年6月 2日 (月)

インド映画「マダム・イン・ニューヨーク」⇒ヒロイン映画の爽快作

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インドの国民的女優はん、シュリデヴィ主演の大快作どす

見たあとメッチャキモチよくなる、仕上げがエエねん

http://www.madame.ayapro.ne.jp

6月28日のサタデーから、彩プロはんの配給によりまして、東京・シネスイッチ銀座やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は、2012年製作のインド映画。インド映画らしい5分の途中休憩が入った、134分の映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸEros International Ltd.

インドのヒロイン映画は珍しいおす。しかも、インドの国民的人気女優はん、シュリデヴィ・ネーさんが主演しはりました。

日本ではさっぱり無名やけど、インド圏最大のテレビ局「CNN-IBN」が2012年にやらはった「インド映画史100周年・国民投票」で、女優部門のナンバーワンにならはったらしいんで、国民的は間違いおまへん。

1980年代のインド映画界で、キャリアのピーク的に活躍しはったんやけど、それらの作品はほとんどが、日本未公開となっとります。

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各国の国民的女優が、主演した映画ちゅうんは、これまでに多数出とるかと思います。

彼女のスゴミは、アラフィフとはとても思えへん、若々しさをば弾けさせはるし、

また、「風と共に去りぬ」(1939年製作・アメリカ映画)のヴィヴィアン・リーやらみたいに、攻撃的やなく、しっとり控えめ、癒やしの演技で魅せてくれはります。

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ヒロイン映画てゆうたら、これまでは、当然前向きに生きていく系が多いけど、マダム系では、少しネガティブなもんもありました。

ただ、本作では、前向き系も、インド映画やからか、少しテイストが、違っとるように思えます。そのあたりを分析してみますと…。

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本作の監督、ガウリ・シンデーは女性でおます。

インド映画の女性監督とゆうたら、ハリウッドにまで進出しはった、ミーラ・ナイールのネーさんがいてはります。

インド式結婚式を描いた「モンスーン・ウェディング」(2001年・インド)など、女性らしい繊細さに酔えました。

インドの女性監督は、ナイーブでメッチャ優しい。そんなノリが、本作でも、遺憾なく発揮されとるんどすえ。

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また、インド映画としては珍しい、海外ロケを敢行。

ニューヨーク・ロケが描かれたインド映画を、ボクは初めて見よりました。

ヒロインは、インドでは2人のコドモのオカンやけど、NYにいてる姪の結婚式のために、家族やらに先行してNYへ行かはり、

ほんで、英語がさっぱりやから、家族・親戚に内緒で、NYの英語教室に通わはりまんねん。

でもって、そこでいろんな出会いがありまして…っちゅうような展開どす。

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ストレンジャー映画や、カルチャー・ギャップ的なとこも、あるんやけど、それらを持ち前の性格で、のほほーんとクリアーしてゆかはる、ヒロイン像に好感がありました。

フランス人シェフの、ヒロインへの片想い部も、ベタやなくサラリと、好感良く描かれておます。

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さてはて、インド映画のパブリック・イメージは、総じてミュージカル映画どすけども、本作でもそんなセンスはありま。

ただ、踊って歌ってはありまへん。いろんなポップ・ミュージックを流して、ダイジェスト・シーンやらで、展開するっちゅうカンジどす。

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男スロー・ナンバーから、女ポップ・ナンバーまで、それらのシーンはノリノリのノリで、タイトに展開して、ヒロイン映画のリズムを形成してまいります。

こういうノリは、アメリカ映画的なとこやろけど、それでも、インド映画の新しどころをば、カンジさせてくれはりました。

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ジョニー・デップやら、エリザベス・テイラー主演のメロドラマ「雨の朝パリに死す」(1954年・アメリカ)などの引用も、ご愛嬌やろか。

ちゅうことで、「モンスーン・ウェデイング」に匹敵する、女性監督による、インド映画の快作どす。

2014年6月 1日 (日)

「ノア 約束の舟」⇒聖書系ハリウッド映画大作

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「天地創造」に続く、“ノアの方舟”大洪水パニック・ムービーどす

聖書原作映画として、21世紀の最高傑作や~

http://www.noah-movie.jp

6月13日のフライデーから、パラマウント ピクチャーズ ジャパンはんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

古代史もの映画のマイ・ベスト&カルトについては、「300 スリーハンドレッド 帝国の進撃」(5月19日付け)の項で披露いたしました。で、今回は、聖書もの原作映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をばやりまっさー。

①本作②十戒(1956年)③十誡(1923年・モノクロ・サイレント)④天地創造(1966年)⑤イントレランス(1916年・モノクロ・サイレント)

●②と③は、同じ監督セシル・B・デミルによる作品。元祖スペクタクル監督、D・W・グリフィスの⑤は、聖書ものとゆうより、キリスト処刑の話が含まれとる、とゆう意味で入れとります。

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全ての作品に共通するんは、フィクションとしての「聖書」の持ち味を活かした、モノゴッツーなスペクタクル大作ちゅうとこどす。

人類の進化の過程なんぞも、聖書的に描いてはるんやけど、論理的実証でいったダーウィンの「進化論」とは、全く正反対なノリで、しかも、大仰かつミラクルな展開が、ドカーンと次々にやってきて、目が点になりま。

また、「ノアの方舟」のエピソードが、チョー本格的に実写映画で、全編にわたり取りあげられたんは、本作が映画史上初めてでおましょう。

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確かに④では、「ノアの方舟」が取り上げられとるけど、あくまでオムニバスの1エピソードでおました。

そして、本作では、パニック・ムービー的と家族ドラマ性が、緊密に結び付いた仕上げになっとります。

オトンのノア役は、ラッセル・クロウはんがやってはります。

神に選ばれし男ナンチューたら、今では、狂気をはらんだ男としか、思われへんねんけど、実は本作では、そういう現代的人間性も、取り込んではるんどす。

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自主的に舟にやってくる動物たちは、大切にするのに、敵対するカイン率いる、人間たちに対しては攻撃的。

ほんで、洪水が唐突に自然発生的に起こって、箱舟で助かろうかとゆう時にも、家族以外の人は無視しはります。

人類は消失する運命なんや~ちゅうのんを、神の啓示で受けたとしてでんな、さらに、自らの家族に対しても、非情な行為に及ばはりまんねん。

むしろ、敵方のカインの方が、人間臭く見えました。

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他の演技陣は、どやろか。

アカデミー賞作品賞をゲットした「ビューティフル・マインド」(2001年)に続き、夫ラッセルの妻役となった、ジェニファー・コネリーはん。

狂気じみた夫を、いさめてゆく役としては、「ビューティフル・マインド」と、ほとんどおんなじようなカンジ。けども、ワメキの演技などは、ハッと胸にきよります。

また、「ハリー・ポッター」のエマ・ワトソンのネーさんが、出産時のワメキなど、「ハリー・ポッター」では決して見られへんかった、ヨゴレ役をやってはります。

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さてはて、人類創世記のフィクション的逸話として、アダムとイヴ、エデンの園などが、冒頭から、謎めいたフラッシュ映像で披露されます。

主人公ノアの回想シーンとゆうカタチで、それらは後半で、前へ前へのCG映像で魅せて圧巻。

見どころとなる洪水パニック・シーンや、ノア側の石造りモンスターと、カイン軍の戦闘シーンに比べて、地味かもしれんけど、シブミあり、どす。

ちゅうことで、21世紀の聖書原作映画としては、最高の仕上げの、金字塔でおました。

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