日本映画「サッドティー」⇒男女群像劇のシブミどす
12人の男女群像劇が、フワ~ンと展開しよるで~
皐月5月31日の土曜日から、SPOTTED PRODUCTIONSはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースほか、全国漸次のロードショーだす。
文=映画分析研究所 所長 宮城正樹
かつてATGとゆう名の、1000万低予算製作映画にして、邦画名作の宝庫があったとや。
ATG崩壊後は、かの「ぴあ」とかが、フィルム・フェスティバルやらで、日本のアングラ名作を牽引し、今も続いておます。
けども、現在、シブミある新興勢力が、台頭しとりま。その一つが、SPOTTED PRODUCTIONS配給映画どす。
弊ブログを始めて以降やけど、この配給会社映画へのアクセス数は、モノゴッツーなものがありまして、キネマ旬報なんぞでも、高い評価を得とります。
ちゅうことで、ここで、この会社のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば披露いたします。弊ブログでは本作を除き、全て分析済みどす。
①本作②フラッシュバックメモリーズ3D③劇場版神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ④自分のことばかりで情けなくなるよ⑤恋の渦
ポイントとしては、ライヴ②、某アーティストをメインにしもって、ユニークな恋愛ドラマやら、群像劇やらを展開しはる③④など、今までにない斬新な、音楽映画のスタイルをば構築してはります。
でもって、恋の群像劇の本作や⑤では、音楽を離れて、シブミある作品へと、昇華さしてはるんどす。
群像劇はこれまでに、「グランド・ホテル」(1932年製作・アメリカ映画)以来、多々あるんやけど、本作は男女群像劇どす。
フツーそおゆう群像劇は、各人の恋のハッピーをば描くもんが、これまでは通例どした。
映画の中にいるみたいな、うっとりラブをいくつも構築して、楽しんでや~ゆうカンジやろか。
21世紀例では、「ラブ・アクチュアリー」(2003年・アメリカ&イギリス)など。
また、群像劇に通例の、ホテル、市内、遊園地、裁判所、パニックの乗り物など、特定された場所におけるもんやありまへん。
人と人のつながりの中で、展開しはります。
いろんな人の視点を、交錯させるわけやけど、ミステリー的騙しがあったりとかはありまへん。
あくまで、自然な流れに身をまかせていこか、っちゅうようなスタイルなんどす。
さてはて、低予算の映画なだけに、知らないアクター、アクトレスばっかりやもしれまへん。
ところがどっこい、ここからブレイクへとゆく俳優はんもいてはりまんねん。
今をときめいてはる、③の“二階堂ふみ”チャンみたいな、女優はんやらが、本作をきっかけに、出てきはるやもしれまへんで。
アイドルチックでは、青柳文子(写真上から4、5枚目)ちゃん。本作では、分散した話をまとめる重要な役柄。
さらに、「捨てがたき人々」(5月10日付けで分析)ではヌードも披露する、体当たりぶりを示さはった演技派で、
③にも出てはった、内田慈(ちか・写真6枚目)ネーさんなんか、主演賞をいつもらっても、おかしくない好演技ぶりどす。
⑤にも出てはった、主人公の愛人役・國武綾(写真8枚目)ちゃんにも注目や。
その主人公と申せば、マイナー映画監督役の岡部成司(写真2枚目)どして、2人の女と付き合っとるとゆう、設定を核にして、いろんな人脈が、ウロウロするとゆう作品なんやけど…。
そのつながりの妙だけやなく、海辺のラストシークエンスに持っていくまでの、対話形式のイロイロと、時々の固定長回し撮影、そして、脚本の巧みで、最後まで引っ張らはります。
とゆうことで、キネ旬上位ランクが、期待できそうな快作どした。
« 「神宮希林 わたしの神様」⇒樹木希林主演ドキュメンタリー | トップページ | 「ニード・フォー・スピード」⇒最新型カー・アクション映画 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 本日公開「スオミの話をしよう」(2024.09.13)
- 「ヒットマン」⇒リチャード・リンクレイター監督の新作(2024.09.12)
- 「シサム」⇒スペクタクル時代劇(2024.09.11)
- 「たとえ嵐が来ないとしても」⇒フィリピンのアート映画(2024.09.10)
« 「神宮希林 わたしの神様」⇒樹木希林主演ドキュメンタリー | トップページ | 「ニード・フォー・スピード」⇒最新型カー・アクション映画 »
コメント