無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

2014年5月の記事

2014年5月31日 (土)

「劇場版 東京伝説 歪んだ異形都市」⇒シリーズ第3弾どす

1_2
ホラー・オムニバス映画の、粋で魅せる快作どす

黒川芽以ネーさんの魅力を、再認識しておくんなはれ

http://www.at-e.co.jp/2014/tokyodensetsu-yuganda

6月14日の土曜日から、アット エンタテインメントはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「東京伝説」製作委員会

昨日の分析に続く、ホラー・オムニバス「東京伝説」シリーズ。その第3弾が本作でおます。

5話オムニバスなんやけど、ボク的には、シメの第5話に出てきはる、黒川芽以(めい・写真上から1、2枚目どす)ネーさんに注目しとりました。

芽以ネーについては、みなはん、知ってはるやろか。

これまでは、どちらかとゆうたら、脇役、いわゆるバイ・プレーヤーで、やってきはったんやけど、ここ1年あたりは、主演映画にバリバリに出てきてはります。

そこで、芽以ネーのマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、唐突やけど、披露さしてもらいます。

2_2
●ベスト⇒①ドライブイン蒲生(後日、分析いたします)②自分の事ばかりで情けなくなるよ(2013年・弊ブログで分析済み)③ボーイズ・オン・ザ・ラン(2010年)

●カルト⇒①本作②僕たちの家族(2014年・4月27日付けで分析)③青空の行方(2005年)

●台湾と日本の合作となった「南風」(後日、分析いたしま)も、楽しみどすけども、とどのつまりは、芽以ネーの持ち味は“強気な女”やろか。

ベストもカルトも、そんな芽以ネー的作品が多いんやけど、本作については、少しく違(ちご)ておました。

強気やなく、正反対の弱気で、魅せてくれはる映画なんどすえ。

そこには、アイドル的なとこで、魅せてくれはったベスト③やカルト③のセンスも入っておます。

つまりは、守ってあげたいわーちゅうとこが、如実にある作品なんどす。

3_2
さてはて、芽以ネーを離れて、本作のホラー的ポイントについては、昨日分析の「劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄」でも披露いたしましたが、人間こそオトロシイとこをば、示さはった作品でおます。

人間の奇行ちゅうんが、各話のベースの、ホラー・ポインツになっとります。

また、そんな犯人を、顔の見えない犯人像として描かれとりまして、Jホラー映画の新味になっとりまっせー、どすえ~。

4
今どきの実話事件では、人形名義の死体やなく、ぬいぐるみそのもんが、宅配便で送られてきよる「ぬいぐるみ」。

宅配する運送人に、怖さをフィーチュアしてはります。

彼女が野外オシッコに行ってる間に、彼氏がエライ目に遭(お)うとった、っちゅう話「野外」。

AKB48の傷害事件をば、思い出させてくれはるような、冷酷な無差別なノリがござりました。

ヒロインの部屋で、殺意に満ちたバット振りを、しはる男の話「素振り」。自主映画メイキングに、まつわる話「廃墟」。

そして、シメは芽以ネー主演の「ホテル」でおます。

芽以ネーの恐怖の、叫びの美学が披露される、この「ホテル」がモチ、ボク的には、本作オムニバスの、マイ最高傑作なエピソードになりました。

ちゅうことで、ホラー・オムニバスの快作でおました。

2014年5月30日 (金)

「劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄」⇒ニッポン産ニュー・ホラー

2
ホラー5話オムニバスでお贈りしまっせーなシリーズ

人間こそが、ホラ話なホラーやで~な1本どすえ~

http://www.at-e.co.jp/2014/tokyodensetsu-kyoufu

6月7日の土曜日から、アット エンタテインメントはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「東京伝説」製作委員会

作家・平山夢明はんの、ホラー小説を原作にしはった、「東京伝説 蠢(うごめ)く街の狂気」(2004年製作)から、10年を経た第2弾どす。

“劇場版”となっとるんで、ついついテレビ版があるんかと思たらありまへん。

ああ、なるほど。テレビの映画版が当たり前のように、ボクチンらの頭ン中には、刷り込まれとるけども、小説の映画版があってもエエやんかとゆう点で、表題でハッとさせられてしもた作品どした。

さてはて、5話にわたる、ホラー・オムニバスどす。

ジャパニーズ・ホラーは、1950年代の怪談系をルーツにして、「リング」(1978年)を一大ポイントに、Jホラーはハリウッド映画にまで侵攻する、モノゴッツーなことになってきよりました。

3
そんな中で、ホラーを少し違った角度から、捉えるようなJホラーが、チビチビと出てきてはおます。

まあ、短編集でゆうたら、テレビもんも映画もんも、あることはあるけど、幽霊やら、死んだ人の怨念やら、超常的なものが主流になっとりますし、

画期的な「リング」にしても、ビデオを介してるとは申せ、結局死んどる貞子の呪いなんで、幽霊もんなんどすやろな。

けども、本作のシリーズは、生きてる人間こそが、恐怖の対象となるホラーなんでおます。

4
そんなホラーに、怖がれるか怖がれないかは、人それぞれやろけど、要は、演出やら、役者の演技次第でおましょうか。

特に本作は、怖がるヒロインをポイントに、観客を怖がらせるよりは、ヒロインの怖がり度を見て、楽しむような作りになっとるかと思います。

「黒い家」(1999年)のオバハンみたいに、キャラクターに見る怖さやけど、但し「黒い家」ほどには、徹底した人間のオトロシサをば、追求してはおりまへん。

まあ、短編やからは、一つの言い訳やろけど、でもしか、他人のもたらす怖さの毒素は、それぞれに含まれとって、ビミョーにゾーッとしたりしよります。

1
怖がらせる役は、男たちばかりや~。けども、女を怖がらせる男とゆうのんが、ベースにはあるんやけど、

幽霊・気狂い・無差別殺人とかやなくて、シチュエーション・ホラーでありつつも、あくまで、フツーの人間が突然変異的に、変になってまうとこにフォーカスして、話を転がしていかはります。

「リング」の電話が、人が掛ける無言電話になった「立ち読み」。

何もせえへんけど、怖いおっさん「エンスト」。

犯人が見えないタッチでいかはる「ネックレス」や「夜道」。

ほんで、人の体にまつわる細部を、恐怖とゆうより、嫌なカンジにしはった「食べてはいけない」。

ユニークな話と同時に、「立ち読み」に出てはる、NHKの朝ドラ「あまちゃん」に出てはった、足立梨花ちゃんを始めとした、

怖がるヒロインの、アイドル度合いをば、見比べるんも一興やろか。

怖くないけど、何やしらん怖い。怖がってみたいけど、怖くないけど、怖くなりたい。怖くなくても、何やオモロイやん。

そんないろんな怖くないから、生まれる怖さを、楽しんでみたい作品なんどすえ。

2014年5月29日 (木)

「第三の男」⇒新・午前十時の映画祭から

1
今さら「第三の男」の分析? なんてゆわないでー

光と影のあの名作は、永遠不滅の名作やで~

http://asa10.eiga.com

6月14日の土曜日から、6月27日の金曜日まで、大阪の「TOHOシネマズなんば」やらで、午前10時から1回上映でおます。

本作は1949年製作の、白黒のイギリス映画でおます。当時のアカデミー賞で撮影賞、カンヌ国際映画祭で最高賞をば、ゲットしてはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

5

ボクチン、同志社大学時代に映画学科のゼミで、本作のラストシーン(写真上から2枚目の、一番下のカット)やらについて、研究発表したことがありま。

これまでに、映画館で10回見て、NHKの地上派テレビ放送で1回。その後レンタル・VHSビデオで20回余。でもって、DVDビデオを購入して以降、見た回数は、今日で百回以上となっとります。

今さら「第三の男」~やなんて声が、聞こえてきそうやけど、若い世代にも伝えたい、永遠の名作なんで、今さらあえての分析をばいたします。

さてはて、ミステリー映画としての斬新さについて。

原作はグレアム・グリーンの中編なんやけど、映画が原作を超えた、ボクが見た最初の映画どした。

3
真犯人・第三の男としての、サプライズのディープ・インパクトは、その種のミステリー・サスペンス映画の、ルーツ的犯人像でおましょうか。

タバレやけど、既に死んでいたハズの者が、生きていたとなるミステリー展開は、アガサ・クリスティの小説「そして誰もいなくなった」を、思い出させてくれはりました。

モロなネタバレやけど、犯人役オーソン・ウェルズはん、

その友のジョセフ・コットンはん、オーソンはんの恋人役アリダ・ヴァリのネーさん。

この3人の恋愛映画的三角関係な、アンサンブル演技が、本作のキモにもなっておます。

特に、謎を秘めんがため、オーソンとアリダの絡みは、ほとんどないんやけど、ジョセフとアリダ、ジョセフとオーソンの絡みは印象深いんどすえ。

4
特に、ジョセフとオーソンが観覧車で再会するシーンは、インパクト大どした。

そこで、何を喋り合ったのか。それはでんな、かなり抽象的な早口セリフで、覚えにくく、分かりにくい。

ところがどっこい、犯人役オーソンの、人を煙(けむ)に巻く性格を、示さんがためのシーンなんで、実に考え抜かれたセリフ回しどした。

原作の小説にはないシーン多々なんやけど、このシーンもその一つどす。

クライマックスの、警察陣を入れはった、下水道での2人の追逃劇も、いつ見てもハラハラドッキリどす。

アントン・カラスはんが奏でる、チターとゆうユニークな弦楽器が、しょっちゅう流れとるんやけど、

どっちかとゆうたら、チャップリン映画やコメディ映画系に、似合いそうな音やのに、これがミスマッチを感じさせずに、作品に溶け込んどるとこなんか、不思議快感なカンジどした。

2
そして、ラストシーンの解析どす。

名脚本家・故・猪俣勝人は、1970年代に、このシーンを、マレーネ・ディートリッヒ主演「モロッコ」(1930年・アメリカ・モノクロ)のラストシーンと、映画史上双璧を成す映画やと分析してはりますが、

ポイントはキャラたちの心理やなく、遠近感ある構図的なとこをば、ゆうてはるかと思いました。

「モロッコ」では、ヒロインは愛する人を、スクリーンの観客の向こうへ向かって、追いかけはります。

対して、こちらは、アリダのネーさんは、観客の方へ向かって歩いてきはります。

45秒とゆう、固定撮影のワンカット。こちらで彼女を待ってはる、ジョセフはんをシカトして、彼女は無表情で歩いたまま、カメラから消えはります。

ストレートに愛するとかやない、ビミョーな心理が入っとります。

ボク的には、これから1人で生きてゆくでーとゆう、ヒロインの強さよりも、シカトされて煙草を一服吸わはる、ジョセフはんの哀愁に毎度、感情移入しとりまんねん。

この映画のあとも、こういう構図の映画シーンは、いくつも出てまいりましたが、本作のシブミを超える映画には、ボクは未だに出会っておまへん。ちゅうことで、そのあたりを再確認すべく、映画館へと今一度、見に行こうと思っております。

2014年5月28日 (水)

「ジャック・タチ映画祭」⇒日本劇場初公開の短編4作品

Photo

ジャック・タチ初出演作「乱暴者を求む」と、ロードムービー「陽気な日曜日」

タチの娘はんソフィーが監督しはった「家族の味見」と、父娘共同監督の「フォルツァ・バスティア'78/祝祭の島」

http://www.jacquestati.net/

5月31日土曜日から6月13日金曜日まで、日本コロムビアはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリの上映でおます。

デジタル復元されはった「ジャック・タチ映画祭」で、名作をご堪能あれ! どすえ。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸLes Film de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

ジャック・タチはんは、映画監督とゆうより、もともとは俳優はんから、映画キャリアをば始めてはる方どす。

その第1弾が、「乱暴者を求む」(1934年・25分・モノクロ・写真上から1枚目)どす。

「陽気な日曜日」(1935年・22分・モノクロ・写真2枚目)と共に、チャップリンやキートンやマルクス兄弟らの動作に、影響を受けたかのような芝居を演じてはります。

タチはんは、芝居に出るつもりやったのに、騙されてもうてプロレスの試合をヤル羽目に。

しかも、相手はモノゴッツー強いらしいわ。

プロレスとゆうパントマイムを、滑稽に演じ抜いたコメディ。プロレス映画の、原点的な作品やもしれまへん。

Photo_2
続いては「陽気な日曜日」。当時のフランス映画「自由を我等に」(1931年)などの、相棒映画のセンスが入った作品。

「乱暴者を求む」でも、騙されノリがあったけど、こちらは相棒と2人で、観光客たちを騙す側に、回らはった作品どす。

オープンカーによる、騙しのお城ツアーなんやけど、これが珍道中もエエとこの、ロードムービー仕様になっとります。

チキン・ライスのチキン、つまりニワトリが逃げたんを、みんなで追うシーンなど、サイレント映画的ドタバタ・スッタモンダが、次々にやってきよります。

ピアノとバイオリンなんぞを絡めた、チョコマカしたサントラが、チャップリンのあのサントラ的でもあって、面白おすえ。

Photo_3
さて、お次はジャック・タチの娘はん、ソフィー・タチシェフの撮った、アットホームな作品「家族の味見」(1976年・14分・カラー・写真3枚目)どす。

オトンは出てへんけど、オトンチックなユーモアがほんわかとありま。

男たちが集うお菓子屋とゆうユニークさや、マトモなお菓子が一つもあれへん、ケッタイさにも注目。女性らしい優しさも垣間見える佳品どした。

Photo_4
最後は、「フォルツァ・バスティア'78/祝祭の島」(1978年-2000年・28分・カラー・写真4枚目)。

オトンが撮ったサッカー・ドキュを、オトンの死後、娘はんが実家で発見して、再編集して、ほんで、完成させはった作品でおます。

フランスのサッカーチーム「SECパスティア」のサポーター・ドキュながら、タチ監督の作家性が、垣間見える作品どす。

「フェリーニのローマ」(1972年・イタリア)みたいな雑然としたイメージや、コルシカ島を映す、自然光撮影による1970年代的フィルム質感などが、渋いでおますよ。

風景描写に、ワールドミュージックな歌ものサントラを流すとこも、良かったどす。

2014年5月27日 (火)

「プレイタイム」⇒約1093億円をかけた超大作や~

1

映画史上過去最大の製作費を、投下したかもしれへんフランス映画どす

さてはて、どのへんに金がかかったんやろか?

http://www.jacquestati.net/

5月31日サタデーから、6月13日フライデーまで、日本コロムビアはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国漸次の上映でおます。

デジタル復元されはった「ジャック・タチ映画祭」で、名作をご堪能あれ! どすえ。

本作は1967年製作・1969年日本公開の124分のフランス映画だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸLes Film de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

ジャック・タチ作品分析の2日目どす。

当時の為替レートに換算して、総製作費約1093億円となった超大作。

でもしか、見たところ、一体どこに金が掛かったんかは、よう分かりまへんどしたが、チラシを見て、なるほどと納得しよりました。

半年以上も掛けて、パリの街にタチ・ビルとゆう大がかりなセットをば、建築したんでおます。

おそらく、前半の主舞台となった、国際見本市会場のある企業ビル。ほんで、後半の舞台・レストラン仕様のダンスホール「ロワイアル・ガーデン」なんぞを、大マジに建てはったんでおましょう。

しかも、70ミリフィルムで作ってはるんで、35ミリよりは金が掛かりますわな。場所を借りての撮影やなく、ジャック・タチ監督には、自分流とゆうこだわりがあったんやろかな。

結局、当時大コケしてしもて、タチ監督を破産に追い込んでしまいましたがな。アラマ・ポテチン。

なんでヒットしなかったんかも、分析しますと…。

サイレント・ノリと小ネタをチビチビ続けて、しかもアップ、クローズアップ一切なしで見せる作りが、

ハリウッド大作の分かりやすさやアクション的爽快さに比べて、大作なのに小粒な作品に、見えてしまったとこがまず1点。

そして、群像劇とゆうか、群集劇みたいなとこが、やや雑然とした作りになってしもたようなとこが、あったやもしれまへん。

2
でもしか、「ぼくの伯父さん」(1958年製作・フランス映画)で魅せた、俳優としてのタチはんのテイストが、そのまま引き継がれておます。

タチはんは就活で、企業を訪れたのにでんな、ビルの中をウロウロ右往左往し、結局、人事担当者とは、会えず仕舞いに終わってまいます。前半の、このパントマイム的パフォーマンスの数々は、痛快至極どした。

また、タチはんの戦友やと名乗る人たちが、約3名ほど現れて、その都度タチはんと、酒を飲んだりしはります。

各部屋内でテレビを見てる、隣り合った2部屋を、同時に映すシークエンスは、トリッキーどしたえ。

1~2分の動作を見せる、長回し撮影も軽快どして、ユルユルリズムな演出ぶりが冴えまくっとります。

そして、後半の建てつけの悪い、レストラン&クラブにも、タチはんは途中参加しはり、冒頭から出てはるアメリカ人観光客の女と、束の間の出会いと別れをばやらはります。

このレストランで、従業員を入れて、客たちの群集劇が展開するんやけど、やはり、サイレント的な小ネタも見せはるけど、ノリが悪いなと思とったら、

ノリノリのジャズに乗って、みんなが踊り出すと、徐々に快テンポになってまいります。でもって、そのあとには、しっとりのピアノ演奏もありまんねん。

ほんで、サントラ。ドラム・サウンド、エレクトーン、時にアコーディオン。さらに、バイオリン・オーケストラも加味しはった、メイン・テーマ曲は、この映画にメッチャ合っとりました。

ちゅうことで、「ぼくの伯父さん」と、ぜひ見比べてもらいたい快作どす。

2014年5月26日 (月)

「パラード」⇒ジャック・タチ監督の遺作どす

Photo
映画史に残る、フランスのジャック・タチ監督の、特集上映どす

本作は本邦未公開の、ショービズ映画のケッサク

http://www.jacquestati.net/

5月31日土曜日から6月13日金曜日まで、日本コロムビアはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリの上映でおます。

デジタル復元されはった「ジャック・タチ映画祭」で、名作をご堪能あれ! どすえ。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸLes Film de Mon Oncle - Specta Films C.E.P.E.C.

ジャック・タチ監督はんて、みんな、知っとるかー。

ゴリゴリの映画ファンなら、モチ知ってはるやろけど、ボク的には、フランスのチャールズ・チャップリンみたいなイメージで、作品を見続けてまいりました。

アドリブ系、サイレント・ノリやけど、とにかく、なんや知らんメッチャオモロイねん。

ぜひ、若いみなはんにも、見てもらいたいわー。ちゅうことで、本日より、3日間にわたり、ジャック・タチ監督作品or出演作やらをば、分析してまいります。

ちなみに、「ぼくの伯父さん」(1958年)が、タチの最高傑作と見られとりますが、各作品はそのテイストを含みつつも、新たな境地へと向かう挑戦心が感じられる、多彩な作品を発表しはりました。

ちゅうことで、1日目は、1974年度作品で、日本劇場未公開となった、バラードならぬ「パラード」どす。

本作は、その年の「フランス映画大賞」と「モスクワ映画祭金賞」をW受賞してはりまして、タチ監督の遺作となった、渾身の1本でおます。

ショービズ・ホール演目映画としての、粋をば魅せはりました。

この種の演目・アトラクション系ムービーとしては、例えば、共にアカデミー賞作品賞をゲットした、サーカスの「地上最大のショウ」(1952年・アメリカ)とか、いろんな世界各地でのエピソードを見せる「80日間世界一周」(1956年・アメリカ)なんかの、センスがあるんでおますよ。

スタンダップな1人パフォーマンスから、コンサートまで、多彩な出しものが、出てまいります。

そんな演目を見る観客側も描かれ、やがて観客参加型へとなっていく、サプライズもありーので、ホンマ、ゴキゲンさんなカンジで見れまっせー。

2人を想定した、1人ボクシング対決パントマイム、マジック・ショー、観客参加のラバ乗りの面白さ、

ほんでもって、ライヴ・シーン。

打楽器パフォーマンス、1970年代的なロック・バンド演奏、しっとりの歌もの、バイオリンやらトランペットやら。ほんで、最後はブラスバンドでシメはります。

「ウッドストック」(1970年・アメリカ)みたいな、コンサート映画とも、ビミョーにシンクロするようなとこもありまんねん。

演目後には、かわいいコドモたちが、ホールで遊ぶシーン(写真)なんかもフィーチュアしはって、鑑賞後の余韻も、映画的計算に入っておます。

ちゅうことで、芸人出身のタチ監督の、面目躍如たる会心作どしたえ~。

家族一同で、見に行ける映画でもありまんので、週末にみんなで、見に行っておくんなまし。モチ、デートムービーとしてもいけるで~。ちゅうことで…。

2014年5月25日 (日)

アメリカ映画「オールド・ボーイ」⇒あの韓国映画のリメイクどす

3_3
スパイク・リー監督が、オリジナルの結末を変えてリメイクや

かつてない復讐劇となった、オリジナルに迫る仕上がりどす

http://www.oldboymovie.jp

6月28日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2013 OB PRODUCTIONS, INC ALL RIGHTS RESERVED.

ハリウッド映画、あるいはアメリカ映画としての、他国作品のリメイク作はこれまでに、多数出てまいっとります。

そこで、日本を含めたアジア映画に限定して、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)の、洋画リメイク作をば、披露いたします。()にはオリジナル作を付記。

●ベスト⇒①ディパーテッド(2006年製作・以下指定以外はアメリカ映画・「インファナル・アフェア」・2002年・香港)②荒野の七人(1960年・「七人の侍」・1954年・日本)③荒野の用心棒(1964年・イタリア&西ドイツ&スペイン・「用心棒」・1961年・日本)

●カルト⇒①本作②ザ・リング(2002年・「リング」・1998年・日本)③シャル・ウィ・ダンス?(2004年・「Shall we ダンス?」・1996年・日本)

1
●黒澤明映画を始め、日本映画が多いんやけど、アカデミー作品賞までもらわはったベスト①など、日本に負けない映画製作の宝庫・香港もエエし、

ほんで、本作のオリジナル・韓国映画も21世紀には、ケッコーリメイクされとります。「猟奇的な彼女」(2001年・韓国)もリメイクされたらしいけど、スンマヘン、ボクは未見どす。

でもしか、本作のオリジナルは破天荒やけど、今までにない復讐劇の在り方を示さはった、ある意味怪作どす。

ちゅうことで、ここで、復讐劇映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)も、ついでにいっときましょか。

5
●ベスト⇒①ハムレット(1948年・イギリス)②キル・ビル Vol.1(2003年)③眼には眼を(1967年・フランス)

●カルト⇒①オールド・ボーイ(2003年・韓国)②本作③狼よさらば(1974年)

●ストレートな復讐ものベスト①②カルト③や、「眼には眼を、歯には歯を」を、泥臭く描いたベスト③など、分かりやすいもんが多いのんが、復讐もんの特徴なんやけど、

本作とオリジナルは、フツーの復讐もんとは、違うとこに新味があります。

但し、描かれとるんは、タブーなとこなんで、リアリティーがどないやねんと、問われるようなところがあります。

まあ、オリジナルはなんとか、初出でカンヌで賞ももらったんでアレやけど、そのリメイクとなれば、かなりのプレッシャーとハンデが、あるように思います。

6
1993年から2013年の20年間も、モーテルの一室みたいなとこに監禁されとった主人公。

監禁ビジネスがあって、そこに頼んだヤツは誰やねん。ほんで、2013年に突然解放されて…。なんでやねん。

主人公を監禁した犯人は、オリジナルより早い段階で特定されよります。ほんで、犯人からの提案により、ゲーム感覚的なとこへと流れてゆき、オリジナルを見はった方には分かるやろけど、

あの衝撃があって、主人公はどないするのんっちゅうカンジどすやろか。オリジナルと違う結末が、衝撃的かどうかは別にして、いくつかのとこで、ミステリー的にクエスチョンがありま。とゆうのは、ポイントの約半分が、偶然に頼ってはるからどす。

4

オリジナルではあんまし気にならんかったけど、主人公に娘を儲けられる可能性とか、真実を言いふらされて、恨むとゆうありきたりなとことか、主人公と女が、必ずしもセックスするとは限らないとことか、犯人が経営するモーテルに泊まるとは限らないとか、

ネタには驚きはあるけど、プロセスに疑問ありどす。

また、主人公が斧を片手に、何十人もブチ倒すとこも、ハリウッド・アクション的にはOKやろけど、オリジンとは違うとこどす。

でもしか、役者陣は、オリジナルには負けへんバクレツぶり。チェ・ミンシク以上にバタ臭さを披露しはるジョシュ・ブローリンのアニキ。さらに、カン・へジョンはせんかった、濡れ場シーンなどが鮮烈な、エリザベス・オルセンのネーさん。

「マーサ、あるいはマーシー・メイ」(2011年・)みたいに、病的やないけども、忘れがたい演技ぶりやったな~。

スパイク・リー監督のミステリー映画としては、「インサイド・マン」(2006年)と、肩を並べるサプライズ映画になっとりますで。

2014年5月24日 (土)

「ニード・フォー・スピード」⇒最新型カー・アクション映画

1_2

ハリウッド・カー・アクションの、粋を魅せはる娯楽作品や~

F1ものとは違う、不法レースものの、最高傑作かも

http://www.disney-studio.jp/nfs

6月7日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 Dream Works ll. Distribution Co. All Rights Reserved.

F1ものやない、不法なカー・レース、カー・アクション映画やけど、あくまで娯楽作品として作られた映画として、

本作は「ワイルド・スピード」シリーズ(第1弾は2001年製作・以下の引用映画は指定以外はアメリカ映画)を、抜いたかもしれへん快作になっとります。

ゲームソフトが原作やけど、その一大ポイントは、カー・アクト・シーンの、臨場感あふれる新しき造形ぶりどす。

さらに、カー・アクト・シーンの過去の名作映画を、参照にしながらも、それ以上のモノゴッツーさを出すとこに、力点を置いてはります。

そのへんを言いますと、まずは冒頭部から、主人公たちが、ドライブインシアターで見てはる映画が、

本作にも出てくるサンフランシスコを舞台に、クライマックスで、スティーヴ・マックィーン刑事が、犯人をカーチェイスする「ブリット」(1968年)どす。

3_2
本作では、大陸縦断のロードやシスコ・サイドで、主人公とヒロインの車が、警察車に逆に追われるシーンが多数出てきよりますが、

その点ではスピルバーグの「続・激突!カージャック」(1974年)を思い出すけども、

その作品や「ブリット」よりも、運転手視点、車内カメラ視点を多数取り込んで、スピード感やワイルド感だけでなく、臨場感・シミュレート感が圧巻の仕上がりになっとります。

また、不法レースを実況するラジオのDJ(マイケル・キートンはん)と、主人公・ヒロインの交信となれば、モロ「バニシング・ポイント」(1971年)やけど、そのへんはかなりと、フィーチュアされとります。

スピルバーグ「激突!」(1971年)的な岩場・採石場なとこでの、カーチェイスなんかもありま。

2_2
ところがどっこい、崖際から、主人公の乗る改造ムスタングが、仲間の軍用ヘリで引き揚げられて、チェイス逃れをするシーンなど、カー・アクト・シーンとしては、かつてない考えられへんようなシーンが、ケッコーありまんねん。

事故に遭って、主人公の相棒の車が、炎上するシーンなど、車内カメラによる、スロー・モーションを駆使して、リアル感あふれるシーンをクリエイト。

冒頭の市内レース、相棒が死んだ3車競走、シスコまでの大陸縦断カー・ロード。

ほんで、クライマックスの、相棒を殺した真犯人と、相棒殺しの冤罪でムショ入りし、仮釈放された主人公。そのリベンジを込めた、カー・レース・シーンへと、ドラマティックに続いてまいります。

4_2ちゅうことで、「カーアクション映画の歴史が変わる!」のコピーに、思わず納得できる、進化したアクション・シーンの数々が、堪能できよりま。

ストレート・アクション映画的に、若手を中心とした演技陣も、生一本な役柄で、通してはって爽快や。

主役のアーロン・ポール君。敵対するドミニク・クーパー君。2人の対決シーンも、エエんやけど、

個人的には、主人公のカーの助手役をやらはる、イギリス女優のイモージェン・プーツちゃんに、魅せられました。

カー・ロードのいろんな危険ポイントで、ホットなアクションを披露しはるし、主人公とのクローズアップの、やり取りでググッときたり…。ポスト・スカーレット・ヨハンソン、みたいなとこがありまっせ。注目しておくんなまし。

2014年5月23日 (金)

日本映画「サッドティー」⇒男女群像劇のシブミどす

Photo
「ラブ・アクチュアリー」より、絶対オモロイ快作や~

12人の男女群像劇が、フワ~ンと展開しよるで~

http://www.sad-tea.com

皐月5月31日の土曜日から、SPOTTED PRODUCTIONSはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースほか、全国漸次のロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2013 ENBUゼミナール

かつてATGとゆう名の、1000万低予算製作映画にして、邦画名作の宝庫があったとや。

ATG崩壊後は、かの「ぴあ」とかが、フィルム・フェスティバルやらで、日本のアングラ名作を牽引し、今も続いておます。

けども、現在、シブミある新興勢力が、台頭しとりま。その一つが、SPOTTED  PRODUCTIONS配給映画どす。

5

弊ブログを始めて以降やけど、この配給会社映画へのアクセス数は、モノゴッツーなものがありまして、キネマ旬報なんぞでも、高い評価を得とります。

ちゅうことで、ここで、この会社のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば披露いたします。弊ブログでは本作を除き、全て分析済みどす。

①本作②フラッシュバックメモリーズ3D③劇場版神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ④自分のことばかりで情けなくなるよ⑤恋の渦

3
②が初めて、昨年度のキネ旬年間ベストテンに入ったんやけど、

ポイントとしては、ライヴ②、某アーティストをメインにしもって、ユニークな恋愛ドラマやら、群像劇やらを展開しはる③④など、今までにない斬新な、音楽映画のスタイルをば構築してはります。

でもって、恋の群像劇の本作や⑤では、音楽を離れて、シブミある作品へと、昇華さしてはるんどす。

1
群像劇はこれまでに、「グランド・ホテル」(1932年製作・アメリカ映画)以来、多々あるんやけど、本作は男女群像劇どす。

フツーそおゆう群像劇は、各人の恋のハッピーをば描くもんが、これまでは通例どした。

映画の中にいるみたいな、うっとりラブをいくつも構築して、楽しんでや~ゆうカンジやろか。

21世紀例では、「ラブ・アクチュアリー」(2003年・アメリカ&イギリス)など。

4
また、群像劇に通例の、ホテル、市内、遊園地、裁判所、パニックの乗り物など、特定された場所におけるもんやありまへん。

人と人のつながりの中で、展開しはります。

いろんな人の視点を、交錯させるわけやけど、ミステリー的騙しがあったりとかはありまへん。

あくまで、自然な流れに身をまかせていこか、っちゅうようなスタイルなんどす。

6
さてはて、低予算の映画なだけに、知らないアクター、アクトレスばっかりやもしれまへん。

ところがどっこい、ここからブレイクへとゆく俳優はんもいてはりまんねん。

今をときめいてはる、③の“二階堂ふみ”チャンみたいな、女優はんやらが、本作をきっかけに、出てきはるやもしれまへんで。

7
アイドルチックでは、青柳文子(写真上から4、5枚目)ちゃん。本作では、分散した話をまとめる重要な役柄。

さらに、「捨てがたき人々」(5月10日付けで分析)ではヌードも披露する、体当たりぶりを示さはった演技派で、

③にも出てはった、内田慈(ちか・写真6枚目)ネーさんなんか、主演賞をいつもらっても、おかしくない好演技ぶりどす。

⑤にも出てはった、主人公の愛人役・國武綾(写真8枚目)ちゃんにも注目や。

8
その主人公と申せば、マイナー映画監督役の岡部成司(写真2枚目)どして、2人の女と付き合っとるとゆう、設定を核にして、いろんな人脈が、ウロウロするとゆう作品なんやけど…。

そのつながりの妙だけやなく、海辺のラストシークエンスに持っていくまでの、対話形式のイロイロと、時々の固定長回し撮影、そして、脚本の巧みで、最後まで引っ張らはります。

とゆうことで、キネ旬上位ランクが、期待できそうな快作どした。

2014年5月22日 (木)

「神宮希林 わたしの神様」⇒樹木希林主演ドキュメンタリー

Photo
パワー・スポット・ドキュの会心作どす

日本を代表する伊勢神宮周辺の、自然風景描写が素晴らしおすえ

http://www.jingukirin.com

5月31日の土曜日から、東海テレビ放送はんの配給によりまして、大阪・テアトル梅田、6月7日から神戸アートビレッジセンターやらで、全国順グリのロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ東海テレビ放送

今どきのパワー・スポット、伊勢神宮にまつわるナビゲーターとして、

チョーベテランの名バイ・プレイヤー女優はん、樹木希林はんが主演しはった、ドキュメンタリーでおます。

ちゅうことで、ここで、希林はんのマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①わが母の記(2012年製作・弊ブログで分析済み)②東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007年)③歩いても 歩いても(2008年)

●カルト⇒①本作②男はつらいよ・フーテンの寅(1970年)③悪人(2010年・分析済み)

1
●希林はんは、1966年の映画デビュー時から今まで、ほとんど助演・脇役バイ・プレーヤーに、徹してきはりました。

それだけに、あんまし目立ってはらへんかったんやけど、ベスト②のオカン役以来、富みにクローズアップされてまいりました。テレビドラマや歌で活躍しはった70年代が、復活したような具合どすやろか。

ベスト①③のオカン役に加え、オババ役カルト③など、控えめ大人しゅうて、しょんぼりボケ・オカンのイメージが、強うおました。

でもしか、どっこい、今までのイメージを、ガラリとくつがえさはったんが、ドキュメンタリーとはいえ、本作でおましょうか。

2
山田洋次監督が撮らへんかった、シリーズ2作中の1作、カルト②(監督は森崎東)など、

当時は悠木千帆名義やったけど、現在のパブリック・イメージをば、くつがえすような初々しい演技ぶりどした。

そして、本作では、キリリとした自然体の希林はん。

好感度ある、誠実にしてわかりやすいナビゲーターぶりを、終始披露してはります。

3
一方で、製作陣の狙いとしては、希林はんの私的なとこにも食い入りたいと、思わはったんでおましょう。

イントロから、希林はんの東京の自宅を紹介。

中盤では、夫・内田裕也とのエピソードも、写真入りで披露されます。

同じ滝田洋二郎監督による、夫主演の「コミック雑誌なんかいらない!」(1985年)、モックン主演「おくりびと」(2009年)など、

近親者作品へのチラチラホラホラが、見えたりしよりますが、でもしか、そこんとこを、希林的公私混同なしの、リンとしたとこで、魅せてくれはるんが、ある種の快感を呼んでおます。

4
伊勢神宮のある三重県は、「ウッジョブ」(分析済み)などで描かれとるように、林業が盛んやし、

テレビの「あまちゃん」以上に、老舗あまさんもいてはりますが、

伊勢神宮(写真一番下)を描きながら、神宮にまつわる周辺部のとこで、それらが描かれてまいります。

むしろ、メインとなるべき伊勢神宮は、さほど描かれてはおらんのどすえ。むしろ、お伊勢参りは、実際に行くんがベストやろか。

その意味では、スポットや建物を、ストレートに描く映画とは、ビミョーな違いがあると申せましょうや。

神宮周辺の美しき日本の自然描写シーンにも、癒やしがありまっせ。森、海、空、田園ほかイロイロや。

ちゅうことで、俯瞰撮影やロングショットで捉えられる、癒やしのシーンの数々に、魅せられてくだされませ。

2014年5月21日 (水)

ドキュメンタリー「トークバック 沈黙を破る女たち」⇒アメリカ舞台の日本映画どす

1
全編英語セリフによる、女性監督による、日本製ドキュメンタリーどす

女性群像人間ドキュの、新たな可能性が見えよりま

http://www.talkbackoutloud.com

5月24日のサタデーから、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ヤクチュウ・売春・盗癖やらで、御用になって、ムショ生活してはった女の人。

加えまするにでんな、そんな生活の中で、HIV陽性になり、エイズになってもうた、受刑女囚を含めた女の人たち。

ゆうてみたら、ニッポン人のボクチンらにしてみたら、かなり怪異な女たちに見えよるんやけど、

そんな女たちを、日本の女性監督・坂上香ネーさんが、ドキュメンタリー映画として監督しはったんが、本作でおます。

HIV陽性・エイズの人たちは、世界に数多くいてはります。

そんな陽性の方々、しかも前科あり、しかも女たち、しかも黒人の方が多い、まあ、レイプされて陽性になった白人の人もいてはる…そんな方々が所属してはる、

アメリカのサンフランシスコの、女性アマチュア劇団に仮託して、人間としての尊厳を描く映画。

しかも、ドキュメンタリーやなんて、まあ、映画史上、そないありまへんやろ。

4
但し、一般大衆的には、好き嫌いが分かれる映画かもしれまへん。

ただ、描かれとるんが、エイズ人間たちの、しかも女性たち限定の、偏見にもめげず、演劇の自己表現によって、希望と未来を描くんやとなってしもたら、

チョイ人道的を鑑みれば、しょーもないやんとは、ストレートに言い難いところもあるんやけど、

でもしか率直にゆうて、決して映画としては、仕上がりのエエものとは申しまへん。

また、アメリカの話なだけに、なんで日本人監督が、そんなんを積極的に撮らないかんのん、もっと日本に撮るべき素材があるんとちゃうのん、とかがあるやもしれまへん。

でもしか、アメリカでは「フィラデルフィア」(1993年製作・アメリカ映画)なんかの、エイズ患者のドラマチックな映画はあっても、

底辺に生きる人たちの、根本的な嘆きや愁いを取りあげた映画は、そないなかったんやないやろか。

3
モチ、ドキュで描かれるんも稀少やし、しかも女性どす。

本来ならアメリカの監督が、描かなあかんとこを、坂上香ネーさんが描かはったんどすえ。

映画の良し悪しは別にして、ボクはそこに敬意を払いとうおます。

8人の女たちの、自らを表現する、ポエトリー・リーディングやパフォーマンスや、コメンタリー・インタビューによって、構成されとる群像ドキュどす。

各人の境遇を想起させる、ドラマ映画もあるにはあるんやけど、

ドラマはドラマティークにすっきりしとるけど、こちとらは現実なだけに、そうそう映えるようなドラマチックはありまへん。

けども、随所にストレートやないけど、自然と泣けるエピソードをば、仕込んではりまっせ。

5
演劇シーンを絡めてゆうと、8人のキャラを引き出す点においては、「8人の女たち」(2002年・フランス)やらを、

各人が自己主張してパフォームする点においては、ミュージカル「コーラスライン」(1985年・アメリカ)やらを、思い出させてくれはりましたやろか。

また、演劇もの映画としても、マイ・カルトに入る作品かもしれまへんが、独特でオリジンなとこをば示してはります。

ちゅうことで、HIV陽性でも、前向きに生きてはる女たちの熱気に、夢を持って生きることの素晴らしさを、教えてもらえるような、そんな映画になっとります。

2014年5月20日 (火)

「her/世界でひとつの彼女」⇒スパイク・ジョーンズ監督の新作

H1

人工知能型OSとの愛を描く、トンデモ変形ラブ・ストーリー

今年のアカデミー賞で、脚本賞をゲッティングや~

http://her.asmik-ace.co.jp

6月28日のサタデーから、アスミック・エースはんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

H2

Copyright Ⓒ2013 Untitled Rick Howard Company LLC All Rights Reserved.

スパイク・ジョーンズのアニキてゆうたら、これまでケッタイな作品しか撮ってけえへんかった、監督はんでおます。

個性派俳優のジョン・マルコヴィッチになれる「マルコヴィッチの穴」(1999年製作・アメリカ映画・以下の引用は指定以外は全てアメリカ映画)を始め、

脚本家をシュールに描かはった「アダプテーション」(2002年・アメリカ)、ケッタイな怪獣たちと少年の交流「かいじゅうたちのいるところ」(2010年)。

でもって、ロボットの恋を描いた短編「アイム・ヒア」(2010年)を前触れに、本作の変形ラブ・ストーリーをば作ってきはりました。

H3

人工知能(AI)型OS(写真4枚目)と、大人の男との恋愛でおます。

この手の恋愛ものてゆうたら、モノや生き物を擬人化したりしますが、本作はそのモノとの恋愛どす。

例えば「ラースとその彼女」(2007年)など、人と人形そのモノなんてのんも、あったけど、そちらがより病的に見えたのに対し、

こちとらは、マットーで真剣な恋愛ものとして、大マジに展開しはるんで、異彩を放っておます。

ちなみに、1枚目の写真に写ってはるんは、OSの擬人化女やなく、主人公の別れた妻(ルーニー・マーラ)でおま。

さらに言いますと、スクリーンから出てきた、映画スターとの恋愛を描いた、ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」(1985年)的なセンスさえ感じよりました。

H7
“映画の中にいるみたい”の、オーソな普遍性があった「カイロの…」に対し、こちらは、近未来を舞台にしているとは申せ、21世紀的な現代的なとこへと食い入っておます。

そこから立ち現れてくるんは、人間の孤独か、それとも…。

現代の恋愛観を表現して、今年度アカデミー賞脚本賞をゲットや。

OSとのデート・シーンや対話シーンなんかに、違和感を覚えつつも、エイミー・アダムスのネーさんが語る「愛の狂気」やったり、

主人公役ホアキン・フェニックスのアニキとOSの、衝撃的な破局シーンやらに、背筋ピリピリがござります。

H4
さてはて、AIの声だけの出演となった、スカーレット・ヨハンソンのネーさんには、ドギモ抜かれましたがな。

なんせ主役のホアキンはんより、セリフの多い役どっせー。

セックス・シーンのあえぎ声などに加え、

ホアキンをアップにして、彼女のナレーションや声を聞かせる、長回し撮影なんぞも、ボクチン、聞き耳立ちっぱなしどした。

H5
妻役ルーニー・マーラちゃんのクール感も、作品性にマッチング。「ソーシャル・ネットワーク」(2011年)や「ドラゴン・タトゥーの女」(2012年)でも、

そのクールさが、魅力的やったかと思いますが、本作でもそれをば継承してはります。

また、エイミー・アダムスのネーさんも、演技派ぶりを遺憾なく発揮してはります。

H6
さらに、薄色配色を施し、陽光・自然光による撮影をメインにした撮り方で、柔らか味を出して、恍惚とした夢想感覚を、覚えさせてくれはります。

また、ピアノ・ソロやギター・ソロなど、オーケストレーションよりも、単一楽器による、癒やし的効果あるサントラを使って、映画の中へと、スムーズに入り込めますで。

変形ながらも、ラブ・ストーリーの醍醐味ある本作。不思議快感な作品でおました。

2014年5月19日 (月)

「300 スリーハンドレッド 帝国の進撃」⇒ハリウッド映画のシリーズどす

300
古代史ものアクション映画の、最新ケッサクどす

ギリシャとペルシャ帝国の、戦争映画どす

http://www.300-film.net

6月20日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、梅田ブルク7ほか、全国ロードショーだす。3D&2D、IMAX3D同時公開。本作は「R-15+」指定映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 WARNER BROS. ENTERTAIMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDI

3001
さてはて、唐突やけど最初に、古代史のアクション・スペクタクル映画の、マイ・ベスト&カルト・フォー(各順不同)をば、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①ベン・ハー(1959年製作・以下の映画は全てアメリカ映画)②グラディエーター(2000年)③十戒(1956年)④天地創造(1966年)

●カルト⇒①本作シリーズ(前作は弊ブログで分析済み)②クレオパトラ(1963年)③トロイ(2004年)④ポンペイ(5月8日付けで分析)

●奴隷としてコロシアムで、殺し合いをさせられたりした、ベスト①②は、その生き方を含め、かなりとドラマティックではありま。

聖書系のエピソードを、スペクタルティックに描いたベスト③④も、映画的醍醐味にあふれておます。

3006
でもって、カルトは、史実の戦争やらに、のっとった上で、ドハデ、豪快にイテこましてくれはった、作品を選んでおます。

ギリシャ神話系やらも、フィクションなだけに、ホンポーに遊べるとこがエエねんけど、嘘っぽさが気になって、つい外しました。

④はパニック入り、③トロイの木馬や④クレオパトラの実態などを、ゴージャスに描いた点。

そして、本作は、ギリシャVSペルシャ戦を、フィクションを大胆に織り交ぜつつ、古代の戦争の実態を、描かはったとこが新鮮どした。

アレキサンダーやシーザーやらの、有名どころの戦闘もんもエエんやけど、心持ちビミョーな気分なとこで、外しとります。

3004
本作の特注は、まずは戦闘シーンの造形ぶりどす。

CG使いやらはこの種の映画では、当たり前ではあるんやけど、グラフィックノベルが原作になっとるからか、いかにもなマンガチックなCG使いが、施されておます。

血の飛び具合なども、従来のようにエゲツナ感がありまへん。アニメチックなんで、ショック度控えめ。

さらに、スロー・モート、遅送りモードで、エグイ度を緩和。

血しぶき飛ぶ戦争シーンを、アニメ的に見せるスタイルは、アニメ映画以外には、かつてないもんどす。

3005
で、ヒロイン悪役を据えた作りも、あんまし聞きまへん。

ヒロイン・アクションものは今や定番化・ある意味マンネリ化しとりますが、ここに出はるエヴァ・グリーンのアネゴは、今までのヒロインとは、ダイブちごとりました。

なんせ敵の大将格を呼び寄せて、こっちにけえへんかと、カラダで迫らはりまんねん。アラマ・ポテチン。何やってはりまんのん! やでー。

しかも、上半身ポンどして、痩せてはるわりに、オッパイでっかいやん…。

まあ、それはそれどして、その真意はクエスチョンやけど、衝撃的にも見える、シークエンスどしたやろか。

3003
でもしか、大将格主人公役の、サリバン・ステイプルトンのアニキは、誘惑には乗りまへんどした。

クライマックスでは、そんな2人が1対1対決するんやけど、それゆえにこそ、メッチャな見どころとなっておます。

さてはて、シリーズ第1弾は地上戦やったけど、今回は海上戦になっとりまして、当時の海戦の模様が、リアル感満載で描かれてまいります。

奴隷たちが漕ぐ人力で、船が動いていたり、船を当てて敵船をブっ壊したり、船上での剣戟格闘・騎馬戦やらと、海戦らしさはなく、完全にアナログ。

3002

でもしか、空や海のダーク感を造形し、油を使っての大バクハツ・炎上シーンなど、今にも通じるアクション・パニック・シーンもあって、

そのリアル戦闘感は「プライベート・ライアン」(1998年)の、臨場感にも迫る作りどす。

敵方ペルシャの、神王になっとる王は生き残っとるんで、モチ、このシリーズは、続くことでおましょう。

目が離せへんシリーズに、なるのは確実。お楽しみくだされ。

2014年5月18日 (日)

「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」⇒日曜邦画劇場

Q
綾瀬はるかネーさんと、松坂桃李アニキ共演の、ミステリー映画どす

「ダ・ヴィンチ・コード」系の、ハットトリッキーがありますで~

http://www.q-kantei-movie.jp

皐月5月31日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Q7
Ⓒ2014映画「万能鑑定士Q」製作委員会

綾瀬はるかネーさんが、「リアル~完全なる首長竜の日~」(2013年・弊ブログで分析済み)に続き、ミステリー映画に主演どす。

しかも、探偵役主演は初どすえ。そんな国民的女優・綾瀬ネーの、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたしますと…。

①本作②雨鱒の川(2004年)③おっぱいバレー(2009年)④映画 ひみつのアッコちゃん(2012年)⑤映画 ホタルノヒカリ(2012年)

Q8
●テレビでもそやけど、映画でも、はるかネーの魅力は、多彩に花開いておます。

②は、玉木宏アニと絡む、純情カレンとゆうとこの、アイドル性で、私的べストワンなんやけど、

彼女の持ち味は、大河ドラマのシリアスよりも、あくまでコメディエンヌとしての、センスやないかと思います。

③センセー役④魔女役⑤ヒモノ女役などと、それぞれのとこで、③の初心(ウブ)系を除いて、トンデル演技を披露してはります。

Q1
ほんで、本作。そんなコメディエンヌぶりをば、鑑定士とゆう探偵役で、遺憾なく発揮しはりました。

しかも、シャーロック・ホームズばりの、見ただけで真相を言い当てる、凄みを発揮しはります。

でもしか、ツッコめるとこもあるんが、コメディエンヌらしきとこやろか。

物(モノ)を鑑定するだけに、いろんなモノから、それを所有する人物像に迫るっちゅうカンジなんやけど、

Q2
例えば、限定商品のカバンや時計を買った年が、分かったとしても、決してその鑑定される人物が、出版社に入社した時に買ったモノとは限りまへん。

冒頭部の音の違い(2つの音の高低)で、紛れやすい犯罪行為のやり方なんかも、決して論理的やとは思えまへん。

まあ、ゆうてみたら、論理よりも、感覚的なもんやないやろか。

その意味では、いろんな「そうくるかー」ちゅう、サプライズ・ポイントが、いっぱいござります。

Q3
でもって、本作はそんなはるかネーが、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画、“微笑”が有名な「モナ・リザ」の、所蔵ルーブル美術館がある、パリでの試験を経て、鑑定士になり、

ほんで、日本の軽井沢で、東京展覧に向けた追試を受けはって、で、イザ、「モナ・リザ」展覧に備える、とゆう流れなんどすが…。

Q4
多数の贋作の中にある、本物の「モナ・リザ」を見つけるための、試験の中にある騙しのトリックやとか、

名画を盗むスタイルの、新しい切り口など、ミステリー的に決まってるでーなとこもケッコーあって、

一筋縄では、いかへんような作りが施されておます。

Q5
はるかネーと共演の、松坂桃李アニキの、この事件への関わり具合も、ハラハラドキドキの、ドラマティックがござります。

「モナ・リザ」が、何と燃やされるシーンがあるんやけど、そこでの必死のパッチの、桃李アニの奮闘ぶりは、本作最大の、手に汗握るシーンでおました。

Q6

犯人のいる場所の特定での、はるかネーの推理には、強引なようでいて、みんなをねじ伏せるような、論理性がありました。

「モナ・リザ」についても、深く調べられとりまして、そのウンチクがキチンと、ドラマの伏線になっとるんも、アッパレどした。

Q9
ただ…。防犯カメラに写真を張り付けても、その画像が映されず、真っ黒になるんやけど、そういうとこがある、本作の東京国立美術館に対して、

「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年・アメリカ)のルーブル美術館の、警備・防犯具合との違いに、少しばかり差があるような気がしたけど、

でもしか、全体的には「ダ・ヴィンチ・コード」的な面白さも、感じられる仕上げの映画でおました。

とにもかくにも、ハラハラドッキリで見られる映画どした。

2014年5月17日 (土)

「ラストミッション」⇒ケヴィン・コスナー主演最新作

Photo
21世紀現代の家族思いの、「007」をば描かはりました

スパイ・ミッション・アクトと、父娘のキズナが合体や~

http://lastmission.jp

6月21日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、東京・新宿バルト9、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2013 3DTK INC.

ケヴィン・コスナーはんの新作どす。

さてはて、ここで21世紀のコスナーの、マイ・ベスト・カルト3をば披露いたします。

●ベスト⇒①本作②ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003年製作・以下の引用映画は指定以外はアメリカ映画)③エージェント・ライアン(2014年)

●カルト⇒①コーリング(2002年)②ママが泣いた日(2005年)③マン・オブ・スティール(2013年)

6
●みなはん、特に、若きみなはん、映画史に残るコスナーはんを知っとるかー。

前世期では、「アンタッチャブル」(1987年)、「フィールド・オブ・ドリームズ」(1989年)、監督・主演作「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990年)、「JFK」(1991年)などの傑作に主演しはりました。

これらの作品は、本作を見る前には、DVDチェックが必要どすえ。

8
さてはて、21世紀のコスナーは、前世期の傑作とは違う、どちらかとゆうたら、マニアッキーな作品に、出てはるように思います。

カルトは家族もの、ベストはアクションものを選択いたしましたけども、

その2ジャンルを融合させた、かつてない奇跡的な仕上がりを見せる本作は、21世紀コスナーの、最高傑作やないやろか。

2_2
かつての作品へのオマージュ・シーンやらもありま。

「アンタッチャブル」では、帳簿・会計係を追い込むとこがありましたけども、本作でも、そこんとこがポイントになっとります。

コスナーのイーサンという役柄からは、イーサン・ハント役トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル」シリーズ(1997年~2012年)を思い出させてくれはったり…。

ほんで、本作はリュック・ベッソン(脚本)ことヨーロッパコープとの、コラボレートでおます。

ベッソン的にも「レオン」(1994年)や、「TAXi」シリーズ(第1弾は1997年・フランス)やらを、想起させるシーンもありま。

父娘を描くとこでは、リーアム・ニーソンが主演したヨーロッパコープ作品「96時間」(2008年)と、その続編「96時間/リベンジ」(2012年)なんぞを、思い出させよりました。

3
ベッソン的妖艶アクション女優も、健在だす。

アンバー・ハードのネーさんの、謎めき度はピカイチどした。

さらに、コスナーの娘役の、ヘイリー・スタインフェルドちゃん。

「リトル・ミス・サンシャイン」(2007年)のアビゲイル・ブレスリンを、意識しはったような、引用なんかもOK。好感度あふれる演技ぶりを、披露してはります。

5
それゆえにでんな、父娘の交流シーンは、癒やしの仕上がりになっとります。

遊園地へ行ったり、自転車漕ぎ練習シーンやら、クラブ・シーンでコスナーが娘を助けたりと、イロイロありま。

対して、アクション・シーンのバクレツぶりにも、ドッカーンと目が点になりよります。

7_2
冒頭のビル爆破のテロに対し、銃撃戦含め、意識がなくなるまでとことん追いかけたり、

喫茶店での肉弾戦、硝煙で車をジャックする、ハットトリッキー。

でもって、パリでのカーチェイスのトンデモ感。

で、クライマックスの、パーティー会場でのアクションまで、テンコ盛り盛りでおまっせー。

コスナーが意識朦朧となる、ボカシ・カットの多用も、アクションとの対比効果を呼んでおます。

4

本作の監督マックGの、アクション演出ぶりも特筆もん。

彼の監督作「チャーリーズ・エンジェル」(2000年)や「ターミネーター4」(2009年)なんかの、スッキリさわやかな演出が、本作でも大いに反映されておます。

さらに、サントラ部もタイトで軽快。歌ものでは、ノリノリのキャッチーな、ダンス・ポップ・ナンバー揃い。

アクション・シーンに、叩き込むようなタイトなシンセ。ほんで、癒やしのシーンでは、しっとりのピアノ・ソロなど、シーンに合わせた使い分けが、絶妙どした。

ちゅうことで、家族一同で、安心して見に行ける、アクション娯楽作品でおます。

2014年5月16日 (金)

韓国映画「観相師-かんそうし-」⇒時代劇どす

1_2
ソン・ガンホVSイ・ジョンジェの、映画内初対決どす

韓国時代劇映画の、マイ・ベスト・スリーに入る傑作

http://www.kansoshi.net

6月28日の土曜日から、ツインはんの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート六本木、シネマート心斎橋やらで、全国漸次のロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2_2
Ⓒ2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND JUPITER FILM ALL RIGHTS RESERVED.

韓国映画界の重鎮、ソン・ガンホ初の時代劇どす。

かつてソン・ガンホの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露したことがありますが、改めてリセットしてやってみますで。各順不同だす。

●ベスト⇒①殺人の追憶(2003年・以下の引用は指定以外は全て韓国映画)②グエムル 漢江の怪物(2006年)③大統領の理髪師(2004年)

●カルト⇒①本作②渇き(2009年)③反則王(2000年)

●冴えないオッサン役が、ベストでもカルトでも披露されとるけど、カルトはユニークな役柄を選んでおます。プロレスラー③、吸血鬼②、そして、本作では、顔相を見て運勢を占う観相師役どす。

3_2
さて、次に、ガンホの敵役となるイ・ジョンジェ(写真には写ってはりまへん)の、マイ・ベスト&カルト(各順不同)披露しよりますと…。

●ベスト⇒①本作②新しき世界(2013年・弊ブログで分析済み)③タイフーン(2005年)

●カルト⇒①純愛譜(2000年・日本&韓国)②イルマーレ(2001年)③ラスト・プレゼント(2001年)

●キャリア初期のラブ・ストーリーで魅せる、誠実な役柄をカルトにし、クールで冷静沈着な演技を、見せはるのんをベストにしよりました。

特に、ベスト②と本作での悪役ぶりは、彼の最高演技ぶりをば示してはります。

とにかく、クールな冷酷ぶりが、共に「憎たらしい奴や」と、身に染みるように感じられる役作りをしてはります。

4_2
ほんで、本作は韓国時代劇映画の、マイ・ベスト・スリーに入る仕上げどした。

①本作②王の男(2005年)③スキャンダル(2003年)

●韓国四天王主演系の③や、戦乱ものなどに対し、

当時の時代のユニークかつオリジナルなキャラに、目を付けて展開する②と本作は、フツーの時代劇イメージを、超えてる点でも秀逸どした。

しかも、本作は時代考証も、キチンとしておます。

5_2
ストーリー的なとこを申しますと…。

芸妓館を経営する女(キム・ヘス)が、人里離れたとこにいてはる観相師(ソン・ガンホ)をスカウトしにきはり、ほんで、ガンホはマネージャー的義弟と共に、都へと行かはり、

やがて王朝の役人に、目を付けられて、顔相見として宮仕えしはるんどす。顔を見て、家来の善し悪しとかを見はるんどすわ。

でもって、ガンホの前に、イ・ジョンジェが初登場した時、ドラマツルギーは旋風を巻いてきよるっちゅうカンジどす。

ガンホのノホホンとしたカンジと、ジョンジェのキリッとクールの対比が強烈どす。

6_2
さらに、ここぞとゆう時のスローの使い方、ドラマティックに流れてくる弦楽オーケストラなど、ドラマ効果を随所で高めておます。

イ・ジョンジェの顔に、チームでホクロを付けに行くシークエンスのハラドキ。

イ・ジョンジェに付く、影武者始めとした、謎の家来たちを探るミステリー部。

ガンホと息子のキズナ部など、要所要所でドラマティックがありま。

そんでもって、クライマックスのガンホの泣きの演技で、映画はピークを迎えてでんな、そして、そのあとにもエピソードを、付け加えるちゅう展開どす。

ちゅうことで、ミステリー、サスペンスものとしても、見られる作品でおました。

2014年5月15日 (木)

「ハミングバード」⇒ジェイソン・ステイサム最新作どす

1
みんな、知っとるかー、イサムのアニヤンやー

8月9日から「バトルフロント」でも登場やで~

http://www.hummingbird-movie.jp

6月7日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2012 Hummingbird Film Investments LLC

ジェイソン・ステイサムのアニキ。

ボクチン、日本でもメッチャな人気のアクション・スターやと思て、当たり前やんかのように、これまで彼の主演作品を分析紹介しとったけど…。

改めて、みなはんに問いまっせ~。みんな、イサムのアニキ(彼の愛称・聞かへんな~)をば、知っとるかー? 

彼の主演・出演作品は、映画公開前、DVDリリース待機作を除き、ほぼDVDで見られるんで、見てみてくだされ。

ちゅうことで、ここで、イサムアニキのマイ・ベスト・ファイブ(順不同)を開チン。

7
①トランスポーター(2002年製作・フランス映画)②エクスペンダブルズ(2010年・アメリカ)③バンク・ジョブ(2008年・アメリカ)④リボルバー(2005年・イギリス&フランス)⑤本作

●写真にも写ってる容姿から、21世紀のブルース・ウィリスを期待したりもするんやけど、ウィリスに比べ、アクショナブルな作品でも、なんでかヒューマニズムある作品には、出てはりまへん。

主演①や出演②の無表情なクールさが、イサム兄の持ち味どして、このあたりのクールさが、大衆の好き嫌いの、分かれ目になっとるんやないやろか。

4
③や④のトリッキーな作品もエエし、本作の正義か悪か、ヒーローかアウトローか、その境界線を綱渡りするような作品もまた、よろしおます、やろか。

さてはて、イサム兄の魅力を知らん方には、①②のクール・イズ・ベストなアクションぶりよりも、言い方は変やけど、本作が最もベターかと思います。

3
アクションもハデやなく、ほんで、アニキには全くふさわしくない、ラブ・ストーリー部もあったりで、ある意味で、彼の演技ぶりに、集中できるような作品になっとるんどす。

ハリウッド・アクション俳優で、アメリカやなくイギリス出身俳優としての、ハデを強調しないとこもあって、ブルース・ウィリスとのビミョーな違いも、垣間見えたりしよります。

5
イサム兄は、イギリス軍としてアフガンへ派兵されて、現地で軍事裁判にかけられる問題を起こし、そこから逃亡し、妻子を見捨ててホームレスになり、

ほんで、路上で出会った人たちとの因縁で、ホームレス仲間の女の死を追求したり、ボランティアの修道女との間で、ビミョーな愛が、チラホラしたりしよります。

でもしか、かなりと偶然を取り込んだ、展開がどないやろか。

例えば冒頭で、主人公が追っ手に追われて逃げ込んだ家が、たまたま話にふさわしい設定で、その偶然のままに、ストーリーが転がってゆくとゆう流れからして、いかにも好き嫌いが、分かれるやもしれまへんな。

6
「堕天使のパスポート」(2002年)「イースタン・プロミス」(2007年)の脚本家、スティーヴン・ナイトの初映画監督作品やけど、主人公の無謀ぶりに加え、ヒロインの造形ぶりに、シブミがありま。

「堕天使…」のオドレイ・トトゥ、「イースタン…」のナオミ・ワッツ。そして、本作の、修道女役の、ポーランド出身アガタ・ブゼク。

全てに共通するんは、控えめながらも、静かに企みを胸にしとるような女役。

でも、3作の中でも、本作は、ヒロインが最も主人公と、恋愛映画しとるかもな~、な映画でおます。

これまでは、ラブ・ストーリーとは無縁やった、イサム兄との恋愛節なだけに、アクション以上に際立った作りになっとるかも。

イサム兄の、次なる日本公開作「バトルフロント」(8月9日公開)も、メッチャ楽しみになってくるような、本作でおました。

2014年5月14日 (水)

「人生はマラソンだ!」⇒オランダのマラソン映画どす

1
税金を払うために、みんなでマラソンへ出場や~なんて

オランダ映画とゆうサプライズに、ビックラコンなんやで~

http://www.zaziefilms.com/marathon

6月21日のサタデーから、ザジフィルムズはんの配給によりまして、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル梅田やらで、全国漸次のロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2012 Eyeworks Film & TV Drama B.V.

みなはん、オランダ映画て、見はったことはありまっかー。

日本で公開される機会も少なく、ビデオ以外ではなかなか見れまへん。

さてはて、ボクチンもあんまし見てへんねんけども、ここでビビリつつも、オランダ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)の披露どす。

●ベスト⇒①ブラックブック(2006年製作)②4番目の男(1983年)③キャラクター孤独な人の肖像(1996年)

●カルト⇒①本作②アムス→シベリア(1998年)③アンナとロッテ(2002年)

3
●オランダからハリウッドに進出しはって、SF「ロボコップ」(1987年)や「トータル・リコール」(1990年)やらが大ヒットした、ポール・バーホーベン監督の、

オランダでの作品ベスト①②など、サスペンスフルな娯楽作や、アカデミー外国語映画賞をゲットした、父子ドラマのベスト③などを、ベストに入れましたけども、

カルトはオランダの、パブリック・イメージをば覆す、異色の作品を選んでみよりました。

数奇な姉妹ドラマのカルト③、ノリノリのラブ・ストーリーのカルト②。

ほんで、カルト①の本作は、ボクが初めて見る、オランダ映画の人情コメディどす。

6
工場の経営者と、工場従業員の中高年3人プラス、エジプト移民の若者労働者。

工場の未払いの多額の税金を払うためにでんな、スポンサーを探した上で、4人全員がマラソンで完走したら、スポンサーに払ってもらい、

もし1人でも完走できへんかったら、工場を手放すちゅう賭けに出てでんな、

移民の若者の指導の元、練習を重ね、ほんでもっていざ、スタート!ちゅう話。

男の失業者たちが、男のヌードで生計を立てようとした「フル・モンティ」(1997年・イギリス)と同様に、労働者階級の話としては、アリエネーような話なんやけど、そこんところを、ごくフツーのように見せてゆかはります。

4
各メンバーのキャラ造形と生活描写、家族描写もユニーク仕上げどす。

ある種の群像劇タッチでもあるんやけど、自分の赤ん坊の前でセックスする妻とか、敬虔なクリスチャンの妻とか、脇役たちにも注目。

ほんで、主人公の工場主を、末期の食道ガンにして、マラソンに参加さしたら、どないなるんかなんかも、ポイントにしてはります。

全体の流れは、ユーモアある人情節のタッチ。最後には泣きもあり、本国では大ヒットしたらしいで。

5
また、ダイジェスト・シーンやらで流れる、歌ものサントラは、アメリカ映画的を思い出させてくれはるような、今どきにカッコエエ感じになっておます。

バンド・サウンドのポップロック、ラストロールの16ビートロック、メランコリーなスロー・ナンバーや、スタンダードなポップスまで多彩どす。

「長距離走者の孤独」(1962年・イギリス)「風が強く吹いている」(2010年・日本・弊ブログで分析済み)など、総じてシリアスなマジメ系の多い、マラソン入り映画の中でも、異彩を放っとる作品でおました。

2014年5月13日 (火)

「闇のあとの光」⇒マジカル・アートなメキシコ映画

1
前衛・実験的ながら、映画芸術の粋で魅せはります

計算された映像美で紡がれる、変形家族ドラマの怪作品や~

http://www.yaminoato.com/

MAY5月31日のサタデーから、フルモテルモとコピアポア・フィルムの配給により、東京・ユーロスペースやらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は、2012年製作の、フランス・ドイツ・オランダとの合作となったメキシコ映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
ⒸNo Dream Cinema, Mantarraya Productions, Fondo para la producci'on Cinematogr'afica de Calidad(Foprocine-Nexico), Le Pacte, Arte France Cinema

前衛芸術とか魔術的リアリズムとか、ワケ分からん系やけど、見れば妙にクセになってくるような作品どす。

そうした作品の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたしますと…。

①本作②自由の幻想(1974年製作・フランス映画)③去年マリエンバートで(1960年・フランス)④ウイークエンド(1967年・フランス&イタリア)⑤アンダルシアの犬(1928年・フランス)⑤カリガリ博士(1919年・ドイツ)

●かつてのフランス映画は、この種の映画のある種の宝庫でおました。

また、戦前のドイツ表現主義の⑤カリガリなど、前衛や魔術は、ユーロ映画のオハコどした。

4
そんな中で本作の監督、カルロス・レイガダスのアニキやけど、

ボク的分析では、②や⑤アンダルシアやらを撮った、スペイン出身のルイス・ブニュエル監督の、影響があるんやないやろか。

本作とは作品性は違うけども、ブニュエルの「忘れられた人々」(1950年・メキシコ)なんぞを、同じくカンヌで監督賞もゲットしはったんで、つい思い出したりしよりました。

5
実験的とはいえど、話のベースは、メキシコの夫妻と幼い兄妹の、4人家族(写真3枚目)の物語どす。

でもしか、冒頭の色使いを刻々と変える、夕方の空の下、牧場で犬や馬やらと戯れて歩く妹はんの、かわいらしい姿(写真2枚目)があるかと思たら、

妻が乱交の場に自ら行ってヤラレる、コドモには見せられないシークエンス(写真5枚目)があったりと、両極端どす。

少年少女ものと、オトナな映画が同居した、かつてないカンジや。家族一同では見にいかれへん、家族映画どす。

7
それでいて、セックスレスの夫婦の実態に加え、そんな乱交シーンなど、唐突に挟まれるエピソードが、話の流れを止めたり、観客の思考を停止させよります。

最初の方と最後の方に、各2回出てくる、ラグビーの試合シーンや、

赤いCGで作られた、角とシッポのある動物人間が、家を勝手に歩き回ったりするシーンも、象徴的なんやろけど、謎めいておます。

兄妹が成長した未来の姿が、突然挟まれるのんも、同様どす。

6
でもしか、夫が知人の銃撃で倒れたところから、話はドラマティックへと向かいます。でもって、ホンマ、衝撃的な結末へ。

サントラは流れまへんが、ゲリラ豪雨や雷鳴や潮騒などの、効果音の使い方が絶妙どして、まさに映画的絶対効果を呼んどります。

また、劇中では、妻がニール・ヤングの曲を、ピアノでもの悲しく弾き語ったり、メキシコチックなアップテンポの民族ナンバーが、バーで演奏されたりしておます。

3
スタンダード・サイズの周辺で、人物の姿が二重に見える、万華鏡的ビジュアル・エフェクトを施した画面作り。

この種の画面作りは、映画史上初やから、見てはって、映写の仕方の手違いやんと、抗議せんようにお願いいたします。

絵画的ロングショットの数々もありま。1~2分を中心に、3分、4分と繰り出される、長回し撮影シーンも、飽きさせまへん。

ちゅうことで、かつてない手法で捉えられた、トンデモ家族映画の芸術映画でおました。

2014年5月12日 (月)

台湾映画「GF*BF」⇒紅一点3人の三角関係ドラマどす

Gf1
「突然炎のごとく」らに、影響を受けたラブ・ストーリー

「天使の涙」らともシンクロする、三角関係ドラマの快作どすえ

http://www.pm-movie.com/gfbf

6月7日のサタデーから、太秦はんの配給によりまして、シネマート六本木、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Gf2
Ⓒ2012 Atom Cinema Co.,Ltd., Ocean Deep Films, Central Motion Picture Corporation, Huayi Brothers International Media All Rights Reserved

三角関係ドラマ映画チューのんは、これまでに無数に近いくらいに出てきておます。

そんな中で無理矢理にでも、その種の映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば披露いたします。

女2人男1人もんもあるけど、紅一点男2人をば核にしとります。

Gf7
●ベスト⇒①突然炎のごとく(1961年製作・フランス映画)②ソフィーの選択(1982年・アメリカ)③明日に向って撃て!(1969年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②天使の涙(1995年・香港)③ハッシュ!(2001年・日本)

●どちらかとゆうたら、マイ三角関係もんは、ケッタイ系が多うてスンマヘン。

ベスト③がおそらくこの6作では、一番マットーな、三角関係やろうかと思います。

Gf6
「タイタニック」(1997年)なんかの、三角関係などの王道系路線は、ある程度ハズしとります。

ベスト①②は、共にインテリゲンチャーたちの、微妙な過去を引きずりつつも、奥の深い三角をば、示してはりました。

でもって、カルトに目を向けると、よりケッタイなんが幅を利かす、ようなことに相なりました。

Gf3
犯罪者たちの三角の、これまたビミョーなとこを、示さはったカルト②。

女とゲイの2人の、かつてない三角のカルト③など。

ほんで、本作。ベスト①②の感覚と、カルト②の感覚が映画化学反応的に、ブレンドされたような感触を、ボクは得ました。

Gf5
紅一点3人の男女関係を、1985年、1990年、1997年と紡ぐスタイルやけど、

女は好きな男と結ばれず、その男の友達と結ばれ、ほんで、それが高校、大学、社会人生活へと続いていきます。

でもって、男の友情、女と2人の男の関係は、ズーッとそのままっちゅう関係。

この場合、映画的基本ラインは女にあり、ボク的には、その心理の推移を、見てゆくような映画どした。

Gf4
こおゆうのんは、いかにもありそうやし、しかも妊娠なんぞが関わってくると、ああ、その種のラインかいやと、思わはるかもしれまへん。

けども、見ていくにつれ、この3人の関係性は、時々ドラマ的緊張感を呼び、そして、心理的波乱と亀裂を呼んでゆきます。

ボク的には、主演女優グイ・ルンメイのネーさんの、変節もあったけど、さわやかストレート系のデビュー作「藍色夏恋」(2002年・台湾&フランス)の演技とは違う、

複雑なオンナコゴロな演技ぶりが、ココロに残りました。

Gf9
台湾の若者への、日本の影響具合も、取り上げられておます。

「背伸びして見る海峡に…」の森進一の演歌「函館ブルース」や、「月に代わってお仕置きよ」のアニメ「セーラームーン」など、

ああ、そういえば、背景となる1980~1990年代には、韓国や中国とは違い、香港・台湾へは、日本の大衆もんがよう流出しとりました。そのあたりもつい、思い出させてくれはります。

Gf8
サントラ的には、エレクトーンを流しての、ヒロインの回想シーンとか、リズムボックスとエレキが、タイトに鳴ったりとか、ドラマ効果をかなり意識した作り。

ラストロールで流れる、ロック・バンド・サウンドな歌も、冒頭とつながっとるんやけど、ラストのサプライズ・シーンと共に、胸にグッときよったなー。

ボクとしては、胸の奥に仕舞っときたい、愛しき作品となった作品どす。

2014年5月11日 (日)

「超高速! 参勤交代」⇒日曜邦画劇場

1_2
時代劇ロードムービーもんの、コミカルな会心作どす

佐々木蔵之介アニキと、フカキョン深田恭子ネーさんの、ラブ・ストーリーとしてもOKや!

http://www.cho-sankin.jp

6月21日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

5_2
Ⓒ2014「超高速! 参勤交代」製作委員会

最近は日本映画の時代劇は、あんまし出ておまへんけども、本作は三谷幸喜監督の「清須会議」(2013年製作・弊ブログで分析済み)などに続く、コミカル時代劇どす。

しかも、江戸時代の参勤交代とゆう、ロードムービー・スタイルで展開しよります。

時代劇ロードものとしては、シリアスな「血槍富士」(1955年)なんぞがありますが、

股旅ものとしては、市川崑監督の「股旅」(1973年)やらのコミカル・ロードと、匹敵する仕上げになっとります。

で、本作は、松竹主催から始まり、今は日本製作者連盟主催の脚本公募・城戸賞受賞作の、久々の映画化作品となっとります。

ちゅうことで、ここで、城戸賞受賞映画化作品の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

2_2
●ベスト⇒①帰らざる日々(1978年)②誘拐(1997年)③本作③もっとしなやかに もっとしたたかに(1979年)

●カルト⇒①オレンジロード急行(1978年)②連弾(2000年)③のぼうの城(2012年・分析済み)

●青春友情映画ベスト①、サスペンス②、変形家族ものベスト③カルト②、城戸賞受賞者・大森一樹監督による、ロードムービータッチの群像劇カルト①など、多彩な作品が花開いておます。

ほんで、時代劇では、本作とカルト③。共に、従来の時代劇にはない、新しどころにフォーカスしてはります。

秀吉時代の新味カルト③に対し、本作は徳川・吉宗時代の江戸時代の、あったかもしれへん、トンデモ・エピソードをば描かはりました。

モチ、共に、かつての日本の時代劇映画では、描かれへんかったとこへと、食い入ってはります。

3_2
時代劇やゆうても、チャンバラ・アクションだけやありまへんねん。

でもしか、本作では、クライマックスで、殺陣入りのチャンバラ・シーンもござります。

でもって、そこへ持っていくまでのロードムービー部は、波乱万丈のハラハラドッキリ。

参勤交代から帰ったばかりの、福島の藩。

なのにでんな、不正があるみたいなんで、イロイロ検証するから、江戸に戻って来いと、幕府に言われ、しかも、5日以内にやなんて、当時としてはトンデモありまへん、難行苦行でおま。

それをば了承し、「七人の侍」(1954年)やないけども、藩主をリーダーにして7人編成で、取るものも取りあえず、いざ江戸へと向かわはります。

4_2
その道中で起こるイロンナ波乱や危機が、デッカイ見どころになっとるんどすわ。

幕府側が関所みたいにチェックする、宿場町でのハラドキ、西村雅彦はんが、いろんな危機を回避して、ほんで近道をゆくために、案内人の伊原剛志アニキの、無頼派的存在など、イロイロ細部で工夫されとります。

奸計の奸計といった、サプライズまで用意されとるんで、モーゆうことがありまへん。

そんな中で、ラブ・ストーリー部も、キチンと大きな見どころとして紡がとるんは、ある種奇跡に近い、作品性やと思いました。

藩主役・佐々木蔵之介アニキと、娼婦役フカキョンこと深田恭子ネーさんとの、ラブ・ストーリー部は、

格差婚のない時代に、トンデモない一石をば、投じてはるかと思います。

本作を監督しはった、本木克英監督の、マイ最高傑作「鴨川ホルモー」(2009年)と、肩を並べる作品でおました。

2014年5月10日 (土)

「捨てがたき人々」⇒大森南朋&三輪ひとみ主演

1
性欲へのそのままの本能感が、ストレートに出た作品

ロマンポルノとは違う、泥臭きセクシー感ある怪作や~

http://www.sutegatakihitobito.com

6月7日の土曜日から、アークエンタテインメントはんの配給によりまして、テアトル新宿やらで、6月14日からテアトル梅田やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は「R-18+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

9
Ⓒ2012「捨てがたき人々」製作委員会

日活ロマンポルノとかの、セックスしたいねん度をキープしながらも、

かつてのATG映画のアート映画ノリを、大いにインサートした作品どした。

五島列島の地方ロケ映画ノリやら、21世紀的スパイスを入れつつも、

セックス・メインの、人間の本能系へとフォーカスした、ある意味ではヤラシー作品どす。

2
ナンチューても、そんな中でクローズド・アップされるんは、まあ、男の視点かもしれへんけど、ヤリマクリの男よりも、ヤラレる女優陣に目がいってしまいます。

そんな女優たちの、21世紀の邦画における、セックス演技女優のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、唐突ながら、披露してみよりますと…。

3
●ベスト⇒①池脇千鶴②寺島しのぶ③真木よう子

●カルト⇒①沢尻えりか②檀蜜③本作の三輪ひとみ

●ヤラシー・セックス演技でも、映画的セックス演技を見せる点においては、ベストの3人は突出しておます。

映画的セックス演技とは何ぞや、やけど、ケダル感やったり、ビミョーな感情表現入りの演技。

ただ単にあえいでるチューのんは、ストレート過ぎて全然オモロないやろ。映画は低俗なAVとは、格段に違うんどすさかい。

4
ほな、カルトを見てみまひょか。

3人共、異能どす。これまでハダカを見せたことのない、女優やアイドルが、大胆ホンポーにやってもうたタイプの①。

この種は20世紀にも多かったけど、沢尻えりかネーは衝撃的どした。尻をポイントにしたセックス・シーンなど、メッチャきとります。ウーン、これは映画的というよりも、チョイ違うかもな。

②の檀蜜ネーは、日活ロマンポルノやらの、ヤラシー映画の直系で、その進化ぶりを遺憾なく発揮してはります。

そして、③の三輪ちゃん。

8

生まれついて、顔におっきな染みがあり、それをトラウマにしながらも、笑顔で人と接する明るい女性役。

でもしか、大森南朋に強姦ぎみにヤラレて以降、その喜びに魅せられてしもたんか…。

セックスに魅せられた女を描いた映画は、それなりにはあるけど、本作の三輪ちゃんの行動ぶりには、少し首をひねるとこもあるんやけど、映画の流れ的には何とかOKやろか。

痩せ形なのに、デッカイオッパイは、映画とは関係ないんやけど、圧巻どしたやろか。

5
さてはて、大森南朋や。

故郷・五島列島に帰ってきて、無職のままに、生きてるのに飽きてもうた。俺は虫けら。女とはヤルだけやんちゅう、トンデモ本能のままに生きてる男や。

イントロとアウトロで、生死に関する呟きナレーションが、披露されとるけど、イマイチ入り込めないとこがあるような…。

7
まあ、それはボク的になんで、そうでもないんかもしれへんけど、最終的には、救いようのないとこへと着地してゆくんで、そのあたりに引っ掛かったんかも。

子供までできて、南朋と三輪は3人家族になったのに、お互いに不倫していて、どないショーもないやん。

南朋は三輪のオカンの妹・オバ役の美保純とヤリ、三輪は別の男とW不倫しとる。

救いようのない状況が、泥沼化しとるわけやないけども、最後まで続いてまいります。

6
日活ロマンポルノでも、オール・ヌードのセックス・シーンをば、披露しはった美保純ネーさん。

「サッドティー」(後日分析)では、フツーやったけど、田口トモロウとのヤラシー濡れ場を、惜しみなく披露しはる、内田慈のネーさん。

五島列島の人たちはショッチュー、セックスしとるんかチューようなイメージは、いかがなもんやろかとは思うけど、

泥臭感覚は「共喰い」(2013年・分析済み)に匹敵する作品どした。

大森南朋としても、寺島しのぶとの「ヴァイブレータ」(2003年)に迫る、三輪ちゃんとの絡み具合どしたえ~。

2014年5月 9日 (金)

「ポリス・ストーリー レジェンド」⇒ジャッキー・チェン最新作

1_2
ジャッキーの刑事もんシリーズの最新作や~

香港を出て中国・北京へと、スライドした会心作

http://www.policestory-legend.com

6月6日のフライデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらの、全国TOHOシネマズにて、ロードショーやー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Jackie & JJ Productions Limited, Wanda Media Company Limited and Starlit HK International Media Company Limited All rights reserved

ジャッキー・チェンのアニキには、長いキャリアの中で、シリーズもんがいくつもありま。

そんなシリーズで、マイ・ベストを順位づけしてまいりますとでんな、

①ポリス・ストーリー・シリーズ(第1弾は1985年製作)②ジャッキー・チェンの○拳・シリーズ(第1弾・1974年)③プロジェクトA(1984年・1987年)④ラッシュアワー(1998年・2001年)⑤ツインズ・エフェクト(2003年・2004年)

●③④⑤が、続編で終わったりしとりますが、①と②は、「燃えよドラゴン」(1973年)でデビューした1970年代から、1980年代にかけてシリーズ化された、長寿シリーズもんどす。

中でも本作を最新作とした①は、21世紀の今もシリーズが続いとる、ジャッキー最大の長寿シリーズどす。

2
ジャッキーの持ち味ちゅうたら、この①②が、如実に示しておます。

①は刑事役、②はコミカル・カンフー。①はシリアス。②はコミカル。

さてはて、みなはんはどっちが、お好みどすやろか。

ボクはシリアス・モードの本作シリーズこそ、ドラマティックでハラハラドッキリ。メッチャ好きやねん。

3
ほんでもって、このシリーズを見続けてきはった人にとっては、分かるかと思うねんけど、シリーズ初もんちゅうんが、約3ポインツほどござります。それをば言いよりますと…

①香港舞台を出て、初めて中国舞台へ。

②父(ジャッキー)娘(ジン・ティエンちゃん)のキズナが、初めて描かれた。

③人質ものミステリー。

4
●①は香港警察が中国本土で取り締まるっちゅうんは、基本的にはありまへん。でもしか、ジャッキーが人質に取られるチュー設定で、展開するんで、リアリティーは損なわれておまへん。

②従来の本シリーズは、警察の連携プレーに徹し、ほんで、クライマックスでジャッキーが、ハットトリッキーなアクションを見せる、ちゅうんが定石どしたけども、

親子のキズナが、大きな柱になったんは、かつてありまへん。

③は、このシリーズでは初の設定どす。

北京のナイトクラブを主舞台に、犯人グループが、娘に呼び出されたジャッキーを始め、お客はんが拉致監禁されるとゆう事件。

内と外。警察陣とナイトクラブ内の、丁々発止のやり取りが展開。

ほんで、クラブ内では、ジャッキーが敵に捕捉されながらも、「ダイハード」(1988年)のブルース・ウィリス的な醍醐味で、魅せてくれはります。

5_2
ジャッキーが拳銃自殺するようなシーン(写真上から2枚目)から、いきなり衝撃的にスタート。

このシーンと最後の方が、つながるチュー構成。

ジャッキーが犯人側に捕まるシーンの、薄ぼんやりとした意識朦朧カットやら、ここぞとゆう時に使われるスロー・モーションやら、急所要所で、映画的カットをば披露しはります。

爆破シーンやら、1対1対決シーンやら、アクション・シーンも満開どすえ。

娘役ジン・ティエンちゃんの、アイドルチックな美貌ぶり、犯人役リウ・イエの、いかにもアウトローな演技ぶりなど、ジャッキー以外の役者陣の演技にも、注目しておくんなまし。

チューことで、ジャッキー映画の、最新ケッサクでおます。

2014年5月 8日 (木)

「ポンペイ」⇒古代史アクション・パニック・ムービーや~

Photo
古代史アクションと、パニック・ムービーが合体や~、なんてな…

そこが効を奏したんか否か、みんなで確かめよーや!

http://pompeii.gaga.ne.jp

6月7日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、大阪やったら、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

2D・3D同時公開の本作は、アメリカ・カナダ・ドイツの合作映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2014 Constantin Film International GmbH and Impact Pictures(PONPEII)Inc

「ベン・ハー」(1959年製作・アメリカ映画・以下は指定以外はアメリカ映画)やら「グラディエーター」(2000年)やらの、古代史アクションには、みなはん、胸ワクで楽しめたやろかと思います。

あの胸ドキが、再び!なんやけど、それも、パニック・ムービーと引っ付けてやってまうとゆう、トンデモ荒ワザを披露しはったんが、本作でおます。

こんなん、はっきりゆうて、あんましありまへん。その融合ぶりがうまくいったかどうかは別にして、

2
映画的に傑作とか、大ヒットしたとかは別にして、カルティックでトンデモな、自然系パニック・ムービーの、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、思い出したままに披露いたします。

①本作②ノストラダムスの大予言(1974年・日本)③大地震(1974年)④パーフェクト・ストーム(2000年)⑤ライフ・オブ・パイ(2013年)

●フツーのパニック・ムービーやないとこの、作品を取り上げたつもりやけども、地震の③や海難事故の④などは、そのまんまやんか~かもしれへんけども、

その種のパニックもんでも、チョイ違ったとこがあるんで、注目しておくんなはれ。

で、②なんかは、メタメタ系で酔わしてくれはって…。

6
でもって、パニック映画の新機軸ナンチューたら、最新の海難もん⑤を始め、パニックもんと何か(⑤では動物パニック)を、組み合わせたもんが、ボクチンのココロを酔わせよります。

そして、本作は…。古代史のコロシアムで、観客に魅せるバトル・アクションと、火山パニックが融合した、エンタメ映画になっとります。

7
さてはて、パニック・ムービーは、パニックもんとして提示するんが基本でおます。

ポンペイてゆうたら、古代に火山の大噴火で、住民共々消滅した都市でおます。

今や影も形もない、アトランティス大陸なんかの事例と、シンクロするんやけど、本作では、その消滅ぶりのパニックだけやなく、

その火山噴火以前に展開した、コロシアム格闘アクションを引っ付けてしもたんどす。

3
バトル・アクトのスリリング。

そのあたりは、少しくハリウッド映画的な、そんなのありーなとこはあるけど、

火山噴火パニックと、それに誘発された津波パニックが、CG入りとは申せ、ドッカーンときよります。

4
生身のバトル・アクションと、自然系パニックが、ひとつの映画の中で描かれる映画は、ボクが見てきた映画の中では、あんましなかったやろか。

どっちかに集中するんが、基本でおましょう。

それゆえに、どっちのジャンルも、中途半端に終わってまうんやないかチュー、杞憂はあるんやけど、

本作はあくまで娯楽作としての立ち位置を、キチンと示してはる潔い作品でおました。

5
火山パニック「ダンテズ・ピーク」(1997年)なんぞを、遥かに凌駕したパニック・シーン。

「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年)と、勝るとも劣らへん、津波パニック・シーンの造形。

ほんで、少しストレートやけど、格差ある男女の三角関係の、サブ・ストーリー的描写なども、往年のハリウッド・パニック・ムービー的で良かったどす。

けども、かつてほとんどなかったネタが、披露されるだけに、映画を楽しみながらも、その結末の是非について、論議したくなってきよるような映画でもありま。

でもしか、理屈抜きに楽しめる作品やから、安心して映画館へ見に行ってくだされまし。

2014年5月 7日 (水)

「K2 初登頂の真実」⇒サプライズあるイタリア映画

K21
珍しいイタリアの山岳登攀映画、しかも実話どす

裏エピソードを描いた、インパクトある問題作や~

http://www.mtk2.net

5月10日のサタデーから、Republic-Aはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町やら、大阪のシネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 REDFILM, RAI Fiction & TERRA INTERNATIONALE FILMPRODUKTIONEN GmbH

1954年の、イタリアのK2世界初登頂アルピニスト・チームの実話を、描かはった山岳登攀映画どす。

登山登攀映画では珍しい、イタリア映画とゆうサプライズにまず、驚かされました。

ちゅうことで、ここで、登山を含め、広く山を舞台にした映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①八甲田山(1977年製作・日本映画)②チャップリンの黄金狂時代(1925年・アメリカ)③エベレスト征服(1953年・イギリス)

●カルト⇒①本作②クリフハンガー(1993年・アメリカ)③アイガー・サンクション(1975年・アメリカ)

●アルペンを舞台にした、スキー映画や恋愛映画もあるんやけど、チョイ思い出せまへんどした。遭難ものベスト①のインパクトが、強かったからやろか。

K22
山荘サバイバルの②なども、映画史に残る名作。

犯罪ものや逃亡ものに加え、ハリウッドの山岳アクション映画カルト②③やらが、娯楽作としてはエエんやけど、

登攀映画ならやはり、ベスト①もそうやけど、本作のような実話系が、個人的には渋~いと思います。

本作の世界2位の高さK2に対し、1位のエベレストのイギリス人たちの世界初登頂(1953年)を、ドラマやなくドキュメンタリーで捉えたベスト③は、この種の映画の最高峰やろうか。

でもしか、本作のように、やはり人間関係のドラマも入った、群像劇スタイルの方が、ドラマティックな感動が味わえます。

しかも、登頂時のナゾが最後に明かされるので、ミステリーチックでもありま。

さらに、ベスト③の翌年のエピソードを描いてはるんで、大いにベスト③を意識してはると申せましょうや。

K23
1954年にK2初登頂に、イタリアン・パーティが成功したんやけど、誰が登頂したんかは長い間、明かされへんかったらしいどす。

でも、やがて明かされると、隊員たちの間で訴訟沙汰になるっちゅう問題が、現実に発生しよりました。

登頂者は2名やったんやけど、その選択の問題とか、自分は当て馬にされたとか、イロイロあったようどす。そのあたりが、詳細に描かれておます。

アメリカがK2征服に失敗したのを受け、1953年、とある教授の提唱で、イタリアの凄腕アルピニストが集められ、

ほんで、選抜特訓を経て何人かに絞って、いざ、K2登頂へ挑むっちゅうことなんやけど、その過程描写も含めて、リアル感バチバチや。

K24
山頂を目指すロードムービー的やったり、隊員それぞれのサバイバル的なとこも、映画的仕様になっとります。

ロードムービー的には、現実の話やけど、突然のように、現地のコドモを同行者に入れて、ドラマ的フックを加えたりしてはるのが、エエ感じやったやろか。

また、各人の個人的な恋愛を含む、人間関係の亀裂やキズナや破局が、随所に盛り込まれて、ドラマ効果を呼んでおます。

ハリウッド映画に負けへんような、壮大なオーケストラ・サウンドも、みなはんのココロをあおってくれはるハズどす。

ちゅうことで、従来のイタリア映画にはなかったタイプの、サプライズ感ある作品やないやろか。

むしろイタリア映画を意識せずに見にいった方が、意外な感動が待ち受けとる作品かもしれまへん。

2014年5月 6日 (火)

「グランド・ブダペスト・ホテル」⇒ミステリー映画の快作洋画

1
アルフレッド・ヒッチコック的を、ウェス・アンダーソン監督節でいった、ミステリー・サスペンスや~

バスター・キートン映画「大列車強盗」やら、戦前の映画ともシンクロナイズ

http://www.gbh.jp

6月6日のフライデーから、20世紀フォックス映画はんの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、ベルリン国際映画祭で銀熊賞をゲットしはった、イギリス・ドイツ合作映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Twentieth Century Fox

ウェス・アンダーソン監督の新作。

変形家族映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001年製作・アメリカ映画)や「ムーンライズ・キングダム」(2012年・アメリカ)、

チーム・プレイの妙を示す「ライフ・アクアティック」(2005年・アメリカ)とか、兄弟たちのインド行「ダージリン急行」(2007年・アメリカ)とか、

家族やら団体はんやらを、ユニークな切り口で描き、カルティックなシブミある監督はんどす。

でもって、本作。タイトルからは、群像劇のルーツ作「グランド・ホテル」(1932年・アメリカ)を意識しはったような、団体・群像劇のように見えますが…。

2
「グランド・ホテル」のような、ホテルの宿泊客の室内劇やありまへん。

あくまで、入りはミステリー系。

ホテルのコンシェルジェ(レイフ・ファインズ)が、ベルボーイを相棒に、ホームズ&ワトソンチックに探偵捜査に乗り出すちゅうイントロ。

でもしか、犯人に間違えられてしもて、一時逃亡者しはるけど、結局捕まってしもてムショ入り。

ヒッチコック監督的な、間違えられた男たちの、サスペンスドラマが展開するかと思いきや、

脱獄アクションあり、殺人鬼とのスキーと橇のチェイス・シーンありと、アクション・サスペンスが、ケッコー出てまいります。

3
このあたりのアクト・シーンは、サイレント映画期のバスター・キートン主演アクション映画「大列車強盗」(1926年・アメリカ)やらの、ノリがありましたやろか。

構成もまた、ハットトリッキーでおました。

21世紀の現代から始まるんやけど、すぐに1985年へ飛び、さらに1968年へさかのぼり、さらにさらに1932年へと、バックしてゆきよります。

スクリーン・サイズを、時代に合わせて変えたりとゆう、監督の作品ではあんましなかった、映画作家性も示さはります。

4
目が回るほどの、出演陣の多彩さ。

チョイ役も多いけど、ある種のオールスター映画やと、ゆうてもエエくらいどす。

「グランド・ホテル」形式らしき、群像劇調にも見えよりますが、何はともあれ、メインは探偵役の2人でおます。

1968年のホテルでの、作家役ジュード・ロウと、「アマデウス」(1984年・アメリカ)の怪演技が有名な、ホテルのオーナー役F・マーレイ・エイブラハムの会食対話シーンから、謎めいた物語が紡がれてまいります。

ジュード・ロウの、思わせぶりなナレーションで、一気に物語の中へと引きずり込まれますで。

5
フランスのマチュー・アマルリック、殺人鬼役ウィレム・デフォー、殺された被害者の息子役、エイドリアン・ブロディなど、被疑者も多数出てきて、真犯人は一体誰や~とゆう興味もありま。

ほんで、シアーシャ・ローナンちゃんや、レア・セドゥのネーさんやら、旬の女優も出てはります。

でも、ナンチューてもヤッパ、レイフ・ファインズはんやろな。

アカデミー作品賞の「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年・アメリカ)のナイーブ・弱々しさとは違う、饒舌にして躍動的な演技ぶりに、熱視線を浴びせたってや! 

2014年5月 5日 (月)

「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」⇒GW以降公開のニッポン映画特選5

1
コドモ少女主役の、家族ドラマ映画の快作

小学生たちの話としては、絵にも描けない面白さや~

http://www.entaku-movie.jp

6月21日のサタデーから、東宝映像事業部はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「円卓」製作委員会

映画興行界から生まれた、黄金のコトバ「ゴールデン・ウイーク」真っ最中やけど、

先々の映画を分析する弊ブログにおいては、GW以降に公開される日本映画について、5日間にわたり分析いたしとります。

今すぐに見に行ける映画については、弊ブログのひと月ふた月前の、バックナンバーをば、ご覧くだされまし。

ちゅうことで、最終日は、「子供の日」にふさわしい作品でシメよりま。

関西出身子役・芦田愛菜チャン主演。「セカチュウ」の行定勲監督の新作・家族映画どす。

これまでのコドモ主演ムービーとしては、関西が舞台なだけに、異彩を放つ仕上げになっとります。

ちゅうことで、ここで、ガキンチョ・おチビちゃん主演の、日本映画(アニメ除く)のマイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思いつくままに披露いたします。

●ベスト⇒①生れてはみたけれど(1932年製作)②にあんちゃん(1959年)③キクとイサム(1959年・弊ブログで分析済み)

●カルト⇒①本作②村上海賊物語(4月20日付けで分析)③ズッコケ三人組 怪盗X物語(1998年)

●コドモ主演・出演映画はこれまでに、多数出てきておます。

それら全てをボクチン、見てるわけやないんやけど、ちょっと違うやんっちゅうもんには、それなりに反応しとります。

2_2
小津安二郎監督ベスト①や、今村昌平監督のベスト②などは、昭和の貧しくともワンパク小僧の生態(!?)が、描かれとりましたが、

コドモ少女もんとなれば、今井正のベスト③はディープ・インパクトどした。

カルト②③など、冒険もので活躍する少年・少女もんもええんやけど、ヤッパ本作みたいな、かつての日本映画では、描かれたことのあれへん少女もんには、グッときよりますわ。

しかも、これぞ関西の女の子やんっちゅうノリが、モノゴッツーエエねん。

主演の芦田愛菜チャン。かつての日本映画界では、名子役ちゅうのんは、それなりにいたけど、愛菜チャンは、子役過去最高の、オリジンと演技幅をば、示さはりま。

「告白」(2010年・分析済み)での、松たか子ネーさんとの絡みを始め、「阪急電車 片道15分の奇跡」(2011年・分析済み)の、宮本信子はんのマゴ役。

「うさぎドロップ」(2011年・分析済み)では、松山ケンイチに上手に甘え、ほんで、今作で演技開眼や~。「うっさい、ボケ~」などの関西弁も、快調やしな。

3_2

ジャポニカのノートに、CGで示されるいろんな知らない語句を書き込んで、マジに不思議がったり、

誰にもないような手前勝手に思うオリジンに、カッコヨサを見出してマネてみたり…。

例えば目バチコになった少女に憧れて、マネしたり(写真3枚目)、吃音の男友達をマネてみたり、わが道一直線なとこが、何やらメッチャかわいいんでおます。

夏休みの自由研究で、血を吸われた蚊のコレクションやて、おいおい、やろ。

でもしか、吃音の男友達(伊藤秀優クン)とは、メッチャ仲が良くて、2人のいろんなシーンには、思わずほっこりとしよりますで。

また、在日韓国人やボートピープル難民の、少年たちとの交流なども、社会性を超越した面白さがあります。

ガヤガヤとした家族団らんやら、ニュータウンな団地やら、家族一同で囲む円卓など、ボク的には懐かしき、大阪の昭和の雰囲気があって、ココロにきました。

「太陽の塔」が見える吹田の公園ロケとか、宝塚のいかにもなニュータウン、ほんで、大東市の廃校など、

大阪・兵庫ロケでは、珍しいとこでのロケにも、映画的背景へのこだわりが、感じられて良かったどす。

2014年5月 4日 (日)

「女子ーズ(ジョシーズ)」⇒GW以降公開のニッポン映画特選4

1
桐谷美玲ちゃんをメインに、ヒロイン・アイドル映画のメッチャな爽快作品

昭和の特撮ヒーロー映画への、メッチャなパロディーぶり

http://www.jyoshizu.com

6月7日の土曜日から、キングレコードはんの配給によりまして、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2014「女子ーズ」製作委員会

映画興行界から生まれた、黄金のゴールデン・ウイーク真っ最中やけど、

先々の映画を分析する弊ブログにおいては、GW以降に公開される日本映画について、5日間にわたり分析いたします。

今すぐに見に行ける映画については、弊ブログのひと月ふた月前の、バックナンバーをば、ご覧くだされまし。

ちゅうことで、本日は、その第4日目どす。

平成の今も人気やけど、「仮面ライダー」など、昭和の特撮ヒーローものへのオマージュちゅうか、パロディーをば捧げはった、メッチャな映画が本作でおます。

しかも、アドリブ感とゆうか、あえて脚本のないような、現場で適当にセリフみたいなカンジが、おいおい、な映画どした。

3
はっきりゆうて、モノゴッツー遊んではります。

でもしか、そんなおフザケ・遊びゴコロにこそ、新しき映画の芽があったりしよります。

タンチョク(単刀直入)に言いますと、ボク的には、「ケンタッキー・フライド・ムービー」(1977年製作・アメリカ映画)のような、オモロさをカンジた次第どす。

7
エイリアンの侵略から地球を守る戦隊たちが、高齢化により世代交代せなあかんようになりました。

そこで、祭り上げられたんが、そこらにいてる若き女子たち。

貧困女子から、お嬢さままで。なにゆえに選ばれたんか、そんなの関係ネーなノリが、メッチャ適当でエエ加減。

ほとんどCGノリの、佐藤二朗アニキの、チャンチャラおかしい指令に基づいてでんな、「チャーリーズ・エンジェル」みたいな作戦行動に、適当に選ばれし5人の女子が挑みまんねん。

8
はっきりゆうて、アホらしい話でおます。

思い付きと適当感で紡がれてゆくんやけど、ノレル人はノレル、ノレナイ人はノレナイ、メッチャ観客を選ぶような映画かもしれまへん。

でもしか、こおゆう映画はまず、今の日本には、そないありまへんねん。貴重かつ稀少でマニアッキー。

9
ほんで、チョー特筆事項は、女子アイドル映画としての、ノリノリのセンスどす。

5人の戦隊女子が登場。リーダーの桐谷美玲チャン。いやはや、トンデモなコメディエンヌぶり。ほんでもって、トンデルアイドルチックな、キテレツ演技ぶり。

大手建設会社のエリート営業レディーの、表のマジな顔(写真上から5枚目)と、赤レッド・コスチューム戦隊員になる裏の顔(写真6枚目)の、演じ分けの妙やチューよりも、

どっちもホンマ、理屈抜きにかわゆくて、意識的に繰り出されるヘタッピーなとこが、アイドルチックなキーやったやろか。

そこの若い君らは、テレビでは見れへん桐谷キャスターに、きっとスッポリハマるはずやで~。

10
そおゆうとこでは、ほかの4人もおんなじどす。

イエロー・コスプレの、高畑充希(たかはた・みつき・写真7枚目)チャン。

ツッコミ系の演技やけど、本作と同じ女子チーム系の「書道ガールズ!!わたしたちの甲子園」(2010年・弊ブログで分析済み)の、元気系演技の頃から、ボクは注目しとりました。

11
グリーンの有村架純ちゃん(ありむら・かすみ・写真8枚目)。

「ギャルバサラ」(2011年・弊ブログ分析済み)では、キリリな演技をばやらはったけど、本作では、のほほんな演技性で魅せはりま。

木になる演技を披露するシーンの、シラケ度加減は印象深かったどす。

12
明度だけが違う、ブルーと紺に扮しはった、藤井美菜ちゃん(写真10枚目)と山本美月ちゃん(写真9枚目)。

美菜・剛と美月・柔とゆう、正反対のアイドル性を示してはりまして、共に胸キュンどしたえ。

13
で、彼女たちの怪物との対決シーンは、大っぴらには披露されず、その対決前段階に趣向を凝らした作り。

モンスターがうんこ臭いと言ったり、ネバネバしてて気色悪いとか、ファブリーズとキンチョールでやっつけたとか、小ネタエピソードを積み重ねてはります。

6
笑いとしては、チョイ外しが多いかもしれへんけど、全体的には、そおゆうとこも、ついつい愛しくなるような作品でおます。

5
たるんでるような間合いもあります。

例えば、対決現場に来ない4人を、美玲ちゃんが呼びに行く、クライマックス部(写真11~13枚目)。1分、2分の無音の、美玲・充希の長回し撮影シーンがありますが、

このあたりのユルユル感は、映画的計算の中に入っとるんやろか。

ただ、キレてる映画的ロングショットの頻出は、エエかと思いました。

4
いずれにせよ、ボクの分析的には、桐谷美玲ちゃんのための、映画のように見えました。

そこに、他の4人へも目がいくように、計算されとるような作りやろか。

特撮ムービーへのパロをポイントにしつつも、アイドル映画としての面白さに、魅かれる映画でおます。

2014年5月 3日 (土)

「春を背負って」⇒GW以降公開のニッポン映画特選3

1_2
山岳映画の「男はつらいよ」的人情節映画どす

美しき日本の四季描写が、メッチャ映えた爽快な作品や~

http://www.haruseotte.jp

6月14日の土曜日から、東宝系で全国公開どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2014「春を背負って」製作委員会

映画興行界から生まれた、黄金のゴールデン・ウイーク真っ最中やけど、

先々の映画を分析する弊ブログにおいては、GW以降に公開される日本映画について、5日間にわたり分析いたします。

今すぐに見に行ける映画については、弊ブログのひと月ふた月前の、バックナンバーをば、ご覧くだされまし。

ちゅうことで、本日は、その第3日目どす。

日本映画界の巨匠カメラマン・木村大作はんが、初映画監督作「剱岳 点の記」(2009年)に続き、撮り上げはったんも、山岳映画でおました。

ただ、同じ山岳・登山もんでも、本作は前作より、登攀部のハラドキよりも、山荘部のアットホーム系ドラマ性へと、クローズアップした作品となっとります。

3
そやから、荒々しいシビアな山の描写よりも、日本の美しき自然描写を、旨としてはるようどして、

見ていて、人情味あるあったかな、人間関係描写と同時に、風景描写にココロ洗われるような、癒やしの逸品やったどす。

登山や山を舞台にした作品やなく、今回は日本の美しき自然・四季を織り込んだ、名作邦画のマイ・ベスト・ファイブ(順不同・ドキュは外しとります)をば、披露いたします。

6
①本作②八甲田山(1977年製作)③阿弥陀堂だより(2002年)④砂の器(1974年)⑤竹山ひとり旅(1977年)

●山の四季と海の四季では、①本作②⑤など、雪山の四季に軍配が上がるような、カンジになってもうたけど、海辺の四季をベースにした邦画も、ケッコーあります。

また、村の四季③や、ミステリー映画に四季を仕込む④など、美しき日本の自然描写は、恒常的に紡がれておます。

9
でもしか、本作は山岳の自然描写でも、そのドラマとの融合具合においては、邦画史上過去最高の仕上げを、示してはるかと思います。

7
そんな美風景カットの、ベスト・ファイブを言いよりますと、①山の日没・日の出②桜満開③紅葉④いろんな花々⑤山の絶景

●ナンチューても、本作はバックにある⑤どす。

室内シーンではないけども、写真にもありますが、ロングショットをメインに、絵画的構図で映され続けとりまして、

本編に何とも言われへん、フック効果を呼んでおます。

5
そして、そんな癒やしの風景に合わせるかのように、厳しい山の生活や危険度合いを、示す映画が多い中で、

「男はつらいよ」の山荘版とも取れそうな、ハートウォームな人情ドラマ映画になっとるんどすわ。

例えば、「男はつらいよ」の「寅屋」は、本作の山荘「菫(スミレ)小屋」ちゅう設定どすやろか。

遭難シーンや救助シーンなど、サスペンスあるべきシーンでさえ、危険度やハラドキは、あんましカンジさせはらしまへん。

8
登場人物みんながいい人とゆう、毒のなさは、山田洋次監督的な作りかもしれへんけども、家族一同で安心して見に行ける点は、強調しとうおます。

モチ、各出演陣も、映画キャリアにおいて、好感度ナンバーワン作品とも取れる、演技をば披露してはります。

10
「家路」(2014年・弊ブログで分析済み)に続き、家業を継ぐために、故郷へ帰る役柄をやらはった、松山ケンイチのアニキ。

そのマジメなんやけど、のほほんとした佇まいは、松ケン・アニキの専売特許とちゃうやろか。

松ケンの教育係サポーター役・豊川悦司トヨエツの、無頼漢ある好漢度もグーやで~。

4
でもって、ボクチン的には、蒼井優ちゃん、今やネーさんの、「フラガール」(2006年)に立ち返ったかのような、アイドルチック性に、モノゴッツー魅せられよりました。

アイドル演技やゆうても、多彩にあるけども、まさにみんなの好感を呼ぶ演技とゆう意味においては、彼女の存在は大きいかと思います。しかも、演技派やしね。

本作では、山田洋次監督の「東京家族」(2013年・分析済み)以上の、好感度があるハズどす。

彼女と松ケンとの、ラブ・ストーリーとしても、楽しめる作品でおますよ。

2014年5月 2日 (金)

「MONSTERZ」⇒GW以降公開のニッポン映画特選2

1
藤原竜也バーサス山田孝之の、トンデモガチ対決やー

アラマ! か弱き石原さとみネーちゃんにも注目!

http://www.monsterz-movie.jp

皐月5月30日の金曜日から、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「MONSTERZ」FILM PERTNERS

映画興行界から生まれた、黄金のゴールデン・ウイーク真っ最中やけど、

先々の映画を分析する弊ブログにおいては、GW以降に公開される日本映画について、5日間にわたり分析いたします。

今すぐに見に行ける映画については、弊ブログのひと月ふた月前の、バックナンバーをば、ご覧くだされまし。

ちゅうことで、本日は、その第2日目どす。

「悪魔ちゃん」(今年4月19日付けで分析)のとこで、ミステリー小説原作映画の、主観のミステリーについて論じましたけども、

本作は、そんな主観ミステリーの、映画オリジナル作品でおます。

しかも、「リング」(1998年製作)以来、主観ミス映画を撮り続けてきはった、中田秀夫監督作品どす。

そして、「DEATH NOTE デスノート」シリーズ(2006年・全2作)に続く、藤原竜也アニキとのコラボレートでおます。

目ヂカラによって、全ての人をコントロールできるやなんて…。

ほんで、唯一コントロールされへん山田孝之アニキを、対抗馬として設定し、丁々発止の戦いが、展開するっちゅうことでおます。

2
ほんでもって、過去のいろんな作品との、シンクロをば探りますれば、

男対男の1対1対決ちゅうのんは、限りないくらいあるんやけど、こういう特殊な設定でゆうたら、そないありまへん。

ここ数年では、「超能力者」(2010年・韓国・弊ブログで分析済み)なんぞを、思い出したりはするんやけど、稀少価値があるゆうたらありまっしゃろな。

ミラクル人間たちのドラマ的には、山田孝之アニキ主演の「鴨川ホルモー」(2009年)やら「GANTZ」(2011年)やら。

特殊能力設定の意味では、「SPEC」(2012~2013年・分析済み)なんぞも、その部類でおましょうか。

今やハリウッド映画のドル箱になっとる、アメコミ原作映画の影響も、見え隠れしとるかと思います。

4
2人が対決する、いくつかのCG入りシーンが、メインの見どころにはなっとりますが、

でもしか、男としてのボク的には、か弱き役をばやらはった、石原さとみネーさんに魅了されましたで。

中田監督の「インシテミル 7日間のデスゲーム」(2010年・分析済み)でも、殺人をやらはるけど、か弱さにグッときます。

男として守ってあげたいわ~、なんて思える演技ぶりなんどすわ。おそらく、それが彼女の持ち味の、一つなんでおましょうか。

さてはて、製作過程においては、CGシーンをできるだけ避けて、生身の体でぶつかるような作りを、見せたかったらしいけど、

でも、ラストのらせん階段シーンの、スロー・モーションを始め、ツボのところではどないしても、CGに頼らざるを得まへん。

3
CGで示せるリアル感については、3D時代においては、すんなりいくことは、そうそうないとは思うけど、でも、チャッチーなとこもそれほどなく、かなり健闘してはります。

CGを使わない、クライマックスの演劇ホール・シーンの、エキストラたちとの肉弾戦など、なかなかのもんどした。

縁の下の力持ち的なエキストラたちが、映画に有効的に作用しとる点においては、本作の好感度は高いやろか。

サントラ使いも、定番の主題歌で余韻を深めずに、あくまでチェロ・バイオリン・打楽器などのオーケストラ・サウンドで包み込んでゆくとこが、流行の邦画とは、一線を画してはりました。

いずれにしても、肩の力を抜いて、楽しめる作品どす。

2014年5月 1日 (木)

「オー!ファーザー」⇒GW以降公開のニッポン映画特選1

1
伊坂幸太郎原作映画の最新版でおます

オトンが4人いるチュー、アリエネー設定のミステリー映画

http://www.oh-father.com

皐月5月24日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2014吉本興業

映画興行界から生まれた、黄金のゴールデン・ウイーク真っ最中やけど、

先々の映画を分析する弊ブログにおいては、GW以降に公開される日本映画について、5日間にわたり分析いたします。

今すぐに見に行ける映画については、弊ブログのひと月ふた月前の、バックナンバーをば、ご覧くだされまし。

ちゅうことで、本日は、その第1日目どす。

本作は、21世紀のミステリー作家、伊坂幸太郎原作映画の、最新版でおます。

ちゅうことで、ここで、伊坂アニキ原作映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①アヒルと鴨のコインロッカー(2008年)②重力ピエロ(2010年)③ポテチ(2012年)

●カルト⇒①本作②ゴールデンスランバー(2010年)③陽気なギャングが地球を回す(2006年)

4
●「フィッシュストーリー」(2008年)や「ラッシュライフ」(2008年)も、どちらかに入れたいケッサクどしたけども、各3本なんで外しました。

また、伊坂原作ものは、どちらかとゆうたら、カルティックなカンジがあるんやけど、あえてベストとカルトに分けとります。

そやから、カルトとベストの違いは、そないありまへん。

従来のミステリー映画と違うところは、各作品を見ていただければ、よう分かるかと思いますが、

それらに共通するんは、主人公が否応ことなしに事件に、巻き込まれてゆくとゆうスタイルでおましょうか。

そういう意味では、ヒッチコック監督の巻き込まれ型サスペンス「北北西に進路を取れ」(1959年・アメリカ映画)とか、「間違えられた男」(1956年・アメリカ)なんぞと、リンクするもんやろかな。

6
ただ、伊坂ものは、ヒッチコックの時代には、考えもつかなかったような、意表を突いた設定が、常に用意されておます。

ほんで、本作では、主人公には4人のオトンがいる、とゆう設定どす。

まあ、現実的にもアリエネー設定なんやけど、でもしか、あっても別にリアリティーは、そこなわへんちゅうようなカンジ。

そして、本作でもアレヨアレヨ、チューうてる間に、ラストのサプライズまで、ハラハラドキドキで見れる、爽快な快作になっとります。

3
刑務所から電線を伝って脱出するとゆう、アリエネーシチュエートを裏ワザにして、

息子を拉致監禁された、オトン4人のトンデモ救出作戦が、ハットトリッキーに披露されてまいります。

さてはて、各役者陣の演技ぶりについて、見てみまひょか。

「春が空から降ってきた」から始まる、ベスト②に続き、伊坂作品に主演した岡田将生クン。巻き込まれ型にふさわしい役柄どした。

これまで以上に、アイドル系ノリの、さわやかな演技を披露する、忽那汐里(くつなしおり)チャン。

5
ほんでもって、4人のオトンをばやらはった、佐野史郎はん、河原雅彦はん、宮川大輔はん、村上淳はん。

各役者のキャリアに応じた、キャスティングぶりに、ウーンと唸れまっせ。

4人のオトンの共通オカンが、出ないとゆう設定もユニークどす。

「チームオクヤマ」の製作総指揮の奥山和由的には、ハードな「GONIN」(1995年)のソフト版とゆう、イメージやったやろか。

ラストロールで流れる、ミスチルで有名な小林武史が関わった、スガ シカオの主題歌「LIFE」にも注目どす。

彼のいつになくキャッチーな、ギター・ポップロックぶりが、映画の余韻を深めますで。

« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »