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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2014年4月の記事

2014年4月30日 (水)

「スチューデント・オブ・ザ・イヤー」⇒インド流青春映画

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同窓会的にプレイバックされる、青春回顧ムービーや~

ミュージカル・シーン始め、マサラ・ムービー的大仰さが全開どすえ~

http://www.student-no1.com

5月3日の憲法記念日から、アンプラグドはんの配給によりまして、東京・シネマライズやらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、5月31日からシネ・リーブル梅田やら、6月7日から神戸アートビレッジセンターやらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 EROS INTERNATIONAL MEDIA LIMITED

インド映画とゆうのんは、日本にはあんまし入ってきとりませんが、実は日本以上に、映画製作・映画産業が盛んな国でおます。

ザ・ハリウッド映画に迫る勢いを称して、“ザ・ボリウッド”なんてゆわれたりしておます。

でもって、その特長と申せば、ミュージカルを中心とした、ゴージャス感ある、長尺の娯楽大作でおます。

5分の休憩入りの長~い映画が、大がいなためにでんな、日本では1日に多く掛けることができへんがために、映画館から敬遠されとるような、状況下にあるやろかと思います。

でもしか、そのお気楽な娯楽映画ぶりは、沈みがちなブルーな時には、メッチャ重宝で欠かせへんもんどす。元気がもらえる映画。ゆうたら、そんな側面のあるインド映画でおます。

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ほんでもって、本作はインド映画でも、これまでのインド映画には、あんましないようなジャンルに、シフトしはりました。青春高校学園もんでおます。

しかも、同窓会のノリで、大人になった当時の男女生徒が、地元に集まって、学園生活を振り返るとゆうスタイルをば取ってはります。

そして、メインは、イケメン2人に、学園の女王が絡むとゆう、オーソドックスな人間関係構図。

そこには、「アメリカン・グラフィティ」(1973年製作)や「フットルース」(1984年)など、アメリカン学園映画たちへのオマージュを始め、

「花より男子」や「ビバリーヒルズ高校白書」ほかの、日米の高校学園ものテレビ・ドラマや、韓国・台湾やらのアジア系ドラマとも、シンクロナイズするような作りになっとります。

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ほんで、ナンチューても見どころは、インド映画らしさ全開のミュージカル・シーンの数々どす。

マサラ・ダンス・ポップ、熱いロック、ノリノリのポップ・ダンス・ミュージック、ダイジェスト・シーンで流れるギター・ポップ、今どきのヒップホップ、しっとりのスロー・ナンバー…。

ポップをキーワードに、3人のダンシング・シーンを絡めて、多彩なシーンが、繰り広げられてまいります。

また、突然ミュージカルへの入り方も、インド・ミュージカルらしさどす。

ボク的には、イケメン2人のシーンよりも、学園のマドンナのための、アイドルチックなダンス・シーンとか、彼女がいろんなコスチュームを、次々に替えていくシーンの鮮やかさなんぞに、目が点になっとりましたえ。

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けども、クライマックスは、学園の生徒ナンバーワンを懸けた、2人のイケメンの真っ向対決どす。

思わせぶりな、スロー・モーションの使い方など、ミュージカル部だけやない、インド映画らしい大仰さにも、魅了されま。

IQテスト、ダンス・コンテスト、トライアスロン対決と、ヒートアップしていくんやけど、

最終的には、イケメン2人の友情、そして、仲間とのキズナへと着地していくんは、お約束かもしれへんけど、泣けまっせー。

2014年4月29日 (火)

「美しい絵の崩壊」⇒究極の変形ラブ・ストーリー

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かつてないスキャンダラスな、トンデモWラブにドッキリやで~

ナオミ・ワッツとロビン・ライトの各ネーさんの、至高のラブ演技やろか

http://www.utsukushiienohokai.com

メイ5月31日のサタデーから、トランスフォーマーはんの配給によりまして、東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町やら、神奈川・横浜ブルク13やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、6月14日のサタデーから、梅田ブルク7、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都やらで上映だす。

本作は、オーストラリアとフランスの合作となった「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012  HOPSCOTCH FEATURES PTY LTD, THE GRANDMOTHERS PTY LTD, SCREEN AUSTRALIA, SCREEN NSW, CNE@, MON VOISIN PRODUCTIONS, GAUMONT, FRANCE 2 CINEMA.

年下の男の子との恋愛映画・不倫映画の、究極のカタチがココにあります。

ちゅうことで、ここで、女性の年下男との恋愛映画の、マイ・ベストやカルトやなく、その在り方なるもんをば考察してみます。

実は、この手の映画は、ボクはあんまし見てへんので、深き分析はできへんねんけども、「個人教授」(1968年・フランス映画)とか「おもいでの夏」(1971年・アメリカ)とか、

若い子と人妻か、ピチピチ・ネーさんやらの絡みとか、ありきたりーな関係が多かったんやないやろか。

でもしか、本作は、はっきりゆうて、ハンパやない関係なんでおます。

このスタイルと言うよりカタチは、かつて描かれたことのない変形ぶりどす。ちなみに、近親相姦やありまへん。

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オーストラリアの海辺の町で、幼なじみの親友やった2人の女の子が、大人になって(ロビン・ライト、ナオミ・ワッツの各ネーさん)共に結婚しても、近所同士で仲がエエとゆう関係が続きます。

ちなみに2人はレズやありまへん。

ほんで、2人が産んだ息子はん同士も、仲が良く、青年期を迎えて、共にイケメンにならはります。

で、オカン2人と息子2人は、毎晩のように、海辺から夜の会食まで、一緒に過ごしてはりまして、

ある日、何とまあ~、ロビン・ネーさんとナオミの息子が、ベッドイン。

それを見たロビンの息子は、あいつがヤルならオレもと、ナオミ・ネーさんに、夜這いをかけて寝はります。

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しかも、それは一時のあやまちにはならず、ずーっと続くんでおます。

しかもしかも、ロビンもナオミも共に、幸せいっぱいの胸いっぱいやなんて…。

まあ、ナオミ・ネーはダンナが死んではるからエエけど、ロビン・ネーには、れっきとしたダンナ、兼息子のオトンがいてはります。

にも関わらず、離婚してまで、ナオミの息子はんとの愛をば貫かはります。

ダンナが4人の関係を、ずーっと知らないままやったゆうのんも、首をひねったりはするけども、

まあ、フィクション内的特殊設定な愛だけに、これはこれで、よしとしときまひょか。

でもって、息子2人が結婚し、共に孫までできて、ようやく事の真相がみんなに、バレるっちゅう流れになっておます。

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ノーベル文学賞をゲットしはった、イギリスの女流作家ドリス・レッシングはんの小説「グランド・マザーズ」を原作に、

変形男女の関係を撮ることがお得意の、これまた女流監督アンヌ・フォンテーヌが、撮り上げはりました。

息子2人役のオーストラリアの、イケメン若手俳優も初々しいけど、ロビンとナオミの抑制の効いた、大人の演技ぶりに、魅せられよります。

ヤラシーカンジよりも、ビミョーな心理を演じるとこに、注目したい作品どす。

オーストラリアの海辺の家とゆう、リゾートチックなシチュエーション。そして、連続するキラキラした、海の描写シーン。

ラティーナな歌ものダンス・ナンバーも含めて、意外にさわやかな後味のある、恋愛映画どした。

2014年4月28日 (月)

「マンデラ 自由への長い道」⇒現代偉人伝映画の粋

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「インビクタス」でも描かれたマンデラ大統領が、

終身刑囚人から大統領になるまでの、実話ドラマどす

http://www.disney-studio.jp/mandela

MAY5月24日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

本作は、アメリカのディズニーはんが配給しはるけど、イギリスと南アフリカの合作となった作品どす。ほんで、2時間27分とゆう長尺ドラマ。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014 Long Walk To Freedom(Pty)Ltd

偉人伝の映画ナンチューたら、メッチャ多いどす。政治家系に絞っても、ケッコーあります。

でもしか、本作は偉人伝ちゅうよりも、むしろボク的には、黒人差別もの映画とゆう、感触の高い映画どした。

黒人差別が描かれるてゆうたら、ほとんどがアメリカ舞台のアメリカ映画やけど、本作は言うまでもなく、舞台は南アフリカどす。

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黒人と白人が住んでいて、かつて、黒人を差別する「アパルトヘイト」ナンチュー悪制度を敷いてた、南アフリカ。

いわゆる人種の、坩堝(るつぼ)のルーツ的な国・アメリカ(アメリカには、差別される原住民のインディアンもいてはります)と、よく似たお国柄。

でも、アフリカやから、圧倒的に黒人の一般市民が多いどす。

日本がもし支配されとったら、白人と違う黒人=黄色人種として、差別されとったはず。そやから、他国の事柄としては、決して見れまへん。

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さて、少しく、閑話休題。

無差別とゆうコトバがあるけど、コレは21世紀の今では、テロや殺人とつながり、決して心地よいコトバやありまへんが、もともとは、いわゆる平等と同意味どして…。

差別される人とゆうのんは、肌の色とか、ユダヤの民族の違いやらとか、表面的なとこばっかりで、人間の本質的なとことは、全く関係ありまへんとこで迫害されとりまして、それが悲しきや、虐待のつまらん理由にもなっとりまして、ホンマ情けない話でおます。

いじめもそうやねんで~。どうでもエエとこで、いじめられます。みんな、仲ようしようで~。

ホントの意味の無差別社会は、未だかつて100パーセント実現しておませんねん。

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本作を見てまず思たんは、映画的なとこではありまへん、そういうとこでおました。

政治家の実話映画はこれまでにも、多数作られてきとるんやけど、これほど差別を深く意識させるような、実話はありまへんどしたやろか。

無抵抗主義の「ガンジー」(1982年製作・イギリス&インド合作)以上に、過酷にカンジましたで。

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南アフリカに関する映画でゆうたら、本作は、「遠い夜明け」(1987年・イギリス)が、近づいた映画でもあるやろか。デンゼル・ワシントン主演「遠い夜明け」は、シビアな南アの状況を描いた、映画史に残る傑作どす。

ほんで、クリント・イーストウッド監督の「インビクタス」(2011年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)では、マンデラ大統領の、最高の時を描いたりして心地よかった。

けども、本作では、マンデラ大統領の島収容所生活が、かなりの分量をば割いて描き込まれておます。

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過酷ムショ・収容所生活もの映画とも、シンクロするんやけど、本作は脱獄とかの計算はありまへん。

石を削って土にする仕事をば、淡々とするシーンが、当たり前のように描かれ、看守やらにいじめられるシーンも、披露されとります。

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一方では、マンデラはんと、ヨメや大人になったムスメはんとの面会シーンなど、この種の映画では、泣きの感動となるシーンが、存分に仕込まれとるんどす。

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対して、夫婦の相克シーンも同等に描かれ、内戦シーンもダイジェスト・シーンながらも、冷徹にニュース報道チックに描かれておます。

そして、マンデラのテレビ放送での、大統領選の演説シーン。

ボクもテレビの報道番組で、かつて見た記憶がありますが、その時には「私は彼ら(黒人を迫害した白人たち)を許す」のコトバが、印象的やったんやけど、本作でも、それはおんなじどした。

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そして、ラストで流れる、現代ロックの最高峰・U2の「オーディナリー・ラヴ」は、この映画のために、ボノが作った曲どして、U2の最も得意なミディアム・スローの、キャッチーなロック・ナンバーになっとります。

映画のラストを、感動的に、見事に、シメてはりました。

2014年4月27日 (日)

「ぼくたちの家族」⇒週末日本映画劇場3・家族映画編

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新しき家族ドラマ映画を、提示する傑作どす

妻夫木聡アニキの「東京家族」以上の快演技ぶりや

http://www.bokutachi-kazoku.com

皐月5月24日の土曜日から、ファントムフィルムはんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「ぼくたちの家族」製作委員会

この3日間どすが、家族映画をポイントに分析してまいりました。

そこで、まずは、正統系・変形の、各家族映画・日本映画のマイ・ベスト・スリー(各順不同)をば、披露いたしますと…。

●正統系⇒①東京物語(1953年製作)②喜びも悲しみも幾歳月(1957年)③家族(1970年)

●変形⇒①本作②家族ゲーム(1983年)③木村家の人びと(1988年)

●まあ、見てみますれば、松竹製作・配給の正統系に対し、松竹系とは違うとこからの変形。

そのココロは、マットーやないところどすけども、でもしか、着地点は正統系とおんなじ、家族のキズナどす。

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長塚京三はんと原田美枝子はんの、オトンとオカン役。

ほんで、妻夫木聡アニキと、池松壮亮(そうすけ)オトウトの、兄弟の息子はんたち。

4人家族のドラマやけど、オカンが脳腫瘍になってもうて、そこから家族のスッタモンダが、始まるとゆう作りなんやけど、

でもしか、どっちかとゆうたら、松竹系のオーソドックスな家族もんと、表面的には、そない違いはありまへん。

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けども、例えば、妻夫木アニなんかの演技を見てみると、

小津安二郎正統系ベスト①の、現代版を目指さはった、山田洋次監督の「東京家族」(2013年・弊ブログ内検索で出ます)と比べてみると、

泣きに対し、本作では冷静さをキモにしてはるように見えます。

さらに、暗みを生かした演技性も示してはり、ヤッパ変形家族もんやとゆう印象がありましたえ。

おろおろの長塚はん、対して自然体の原田はん。

そんな中で、兄弟がオカンの回復のために、病院を奔走しはり、徐々に家族のキズナぶりが、表出してくるとこに、本作の妙味があります。

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原田美枝子はん的にも、久々の快演技ぶりとなっておます。

脇役たちも、名バイ・プレーヤーぶりをば披露しはります。

妻夫木のヨメ役の黒川芽以ネーさん。かつてアイドルチックやったけど、シリアス系へと徐々にシフトし、本作では独特な黒川節で魅せてくれはります。

板谷由夏ネーさんのリンとした女医ぶり。いつも通りの、いかにもな演技の、ユースケ・サンタマリアや、鶴見辰吾も軽快なノリやで~。

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アカデミー賞外国語映画賞の日本代表になった「舟を編む」(2013年・弊ブログ内検索)など、今をときめく、石井裕也監督の新作どす。

初の家族映画ながら、これまでの家族映画とは、一味違うテイストで描き、最後には感動もあるとこへと、持っていく作りが、まさに邦画家族映画の、新境地をば展いてはります。

モチ、今年の日本映画の、マイ・ベスト・スリー級の仕上げどした。

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ドラマを構成する細部も、キチンとしてはります。

例えば、サントラ部。重厚なオーケストラ・サウンドよりも、ピアノ・バイオリン・ギターを、軽快に心地よく流すカンジは、本作にメッチャ合っておました。

ぜひとも、家族一同で見てもらいたい、傑作でおます。

2014年4月26日 (土)

「青天の霹靂(へきれき)」⇒週末日本映画劇場2・家族映画編

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過去に戻るタイムスリップ系の、家族ドラマのケッサク

大泉洋・柴咲コウ・劇団ふたりの、アンサンブル・コラボレーション

http://www.seiten-movie.com

皐月5月24日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「青天の霹靂」製作委員会

まずは、タイムスリップ系映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思い付くままに披露さしてもらいま。

●ベスト⇒①バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作・アメリカ映画)②時をかける少女(1983年・日本)③ザ・フライ(1986年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②スローターハウス5(1972年・アメリカ)③デジャ・ヴ(2007年・アメリカ)

●近未来・近過去を行き来する、ベスト①②やカルト③。失敗系のベスト③。しかも、カルト③は、過去改ざん系も披露しはります。一方、遠い過去らしきを行き来するカルト②。

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そんな中でも、本作はある一定の年(1973年)へと、スリップしはった作品。

しかも、家族ドラマ性ある作品でおます。

ちゅうのんは、大人になった息子はん(大泉洋アニキ)が、自分が生まれた時代へとタイムスリップし、自分のオトン(劇団ひとり)オカン(柴咲コウのネーさん)と、ディープに関わるチュー作品どす。

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親子三人が、マジックショーを中心にして、親子共演で魅せはるシーン(写真上から3~5枚目)など、ケッコー喜劇映画的面白さがありま。

それをば演技しはる、大泉洋・柴咲コウ・劇団ひとりの、3人芝居の妙味。

まあ、スリップ系はいくらでも手前勝手に、できるかもしれへんけど、現代から、自分の生まれた時代へとスリップするタイプなんて、そないありまへん。

しかも、泣ける系へと持っていく作りは秀逸や。

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監督は、劇団ひとり。出演も兼ねはりました。

自分の書いた原作小説を、自分で監督するのは、村上龍、辻仁成やらとおんなじどす。

そして、映画作家性も示してはります。

オトンと息子の3分近い、移動撮影による長回しやら、クライマックスではスロー・モーションを使ったり、カットバックでダイジェスト的に魅せはったり…。

柴咲コウを中心とした、アップ・シーン、陽光射すシーンの、あったかセピア照明などにも、注目や~。

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ある意味では、本作は、大泉洋の映画どすやろか。

さて、ここで、大泉洋アニキの、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば披露いたしますと…。

①本作②アフタースクール(2008年)③探偵はBARにいる(2011年・弊ブログ内検索で出ます)

●大泉節とゆうのんは、のほほんにして、要所要所でキチッと決めはる演技。

騙しのミステリー②、ハードボイルド③、ほんで、本作の家族ドラマ。どんなタイプでも、大泉洋らしさが満開になっとります。

イントロの、トランプのキングとエースにまつわる、自嘲ぎみのモノローグなんぞは、映画の中へ入り込める、絶妙なシークエンスどした。

そして、ラストシーンの「ありがとう」の決めゼリフなど、カッコええやんか。

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さてはて、柴咲コウのネーについては、かつてマイ・ベスト&カルトをば披露したけど、本作はベストの方に入る演技ぶりでおましょうか。

大泉洋との絡みなど、印象深いシーンが、テンコ盛りや。

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で、サントラ使い。

主題歌は、ミスチルの「放たれる」や~とゆうサプライズ。

いつもながらの、スロー・ポップ・ナンバーに、しっとりしてもうた。

さらに、ピアノ・バイオリンなどの、厚きオーケストラ・サウンドが、ドラマティックに映えとります。

ちゅうわけで、新緑の初夏にふさわしき、さわやかな作品になっとりまっせー。

2014年4月25日 (金)

「祖谷(いや)物語-おくのひと-」⇒週末日本映画劇場1・家族映画編

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35ミリフィルムで撮った、フィルム映画へのオマージュある作品

21世紀における、四季の美しき自然入り地方映画の、最高傑作やろか~

http://iyamonogatari.jp/

5月17日の土曜日から、ニコニコフィルムはんの配給・製作によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 ニコニコフィルム All Rights Reserved.

若い映画監督(蔦哲一朗=つた・てついちろう)が、大手の映画会社を介さずに、撮り上げた作品どす。

しかも、大学時代の盟友と共に作った、自身の映画会社での製作や。

こおゆう自主映画ノリの作品は、これまでにもメッチャ多かったけど、そんな中でも、出色の作品性を示さはったんが、本作どす。

今や生産されてへんフィルムで、撮ってはります。なるほど、いかにも映画青年らしいこだわりかと思いきや、イロイロなとこで、映画的表現をば、カンジさせてくれはる作品どした。

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35ミリフィルムでの撮影どすが、これは、白いキズが入ったりする、フィルム的なノリやんかとゆうとこもなく、作られておまして、不思議な感がありましたえ。

ほんで、地方ロケ映画やけど、まずは、日本の美しき自然描写に、グッとくる作品でおました。ちゅうとこで、ここで閑話休題。

美しき日本の風景が映されとる、日本映画のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)を、思い付くままの手前勝手に、披露さしてもらいますと…。

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①本作②砂の器(1974年)③阿弥陀堂だより(2002年)④八甲田山(1977年)⑤青幻記 遠い日の母は美しく(1973年)

●ボク的には、邦画の自然シーンに魅せられたんは、思い出す限りでは、②が最初やったやろかと思います。回想シーンの四季の美しさが絶妙どした。

冬山の④、沖縄風景のルーツ的1作⑤、四季の巧みを描く③やら、イロイロあるけど、

本作は、そんな四季描写を、21世紀的な粋で示す、ケッサクになったんやないやろか。

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徳島県三好市祖谷の地方ロケ映画らしい、美しき自然描写の数々。地方ロケ映画らしさが満開どす。後半の東京シーンとの対比も鮮やか。

セピアやピンクも入った夕景・朝焼けシーン、緑深き山や水田シーンの癒やし系。加えて、自然の音、風の効果的な使い方などに、魅せられましたがな。

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ヒロイン映画としての新味にも、妙味ありどす。

両親を交通事故で亡くした、赤ん坊の時に、お爺に拾われて、一緒に暮らして大人になり、ほんでお爺が死んでしもて、やるかたなく東京へと、出てゆくヒロイン像。

いかにも、アイドルチックな作りにもなりそうなんやけど、そのスレスレのビミョーな心理をば、演技してみせた武田梨奈ちゃん。

これまでは、特撮のアクション系映画で活躍してはったけど、本作で初めて人間ドラマに挑み、アイドル映画ノリをファンタジー・モードで包み込んだ、絶妙な演技ぶり。

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セリフのない寡黙なお爺役・田中泯はんの、動作の緻密さで示す演技。

さらに、「さよなら渓谷」(2013年・弊ブログ内検索で出ます)で演じた、トラウマ男ぶりを、今作でも遺憾なく発揮した大西信満のアニキ。

そんな3人のアンサンブル演技にも、注目していただきたい作品どした。

また、オボカタ晴子ネーさんっぽい、リケジョ系の演技をやらはる、河瀬直美監督も要チェキやろか。

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映画的撮り方の頻出も、グーどした。

アップはほとんどなく、映画的ロングショットが次々に。

そして、1~2分の長回し撮影も、ヒロインとの関係性における、ドラマの流れに合わせて披露。

35ミリにこだわった映画的が、存分に仕込まれとります。

それでいて、東京シーンのイエロー・カットなど、CGシーンも巧みに織り込んではりまっせ。

池田高校のアノ蔦監督も、思い出される若き監督の、渾身の1本どした。

2014年4月24日 (木)

「ミスターGO!」⇒ユニークな韓国映画

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なんとまあー、野球映画と「キングコング」が合体やなんて…

VFXシーンは「グエムル 漢江の怪物」並みにダイレクトや

http://go.gaga.ne.jp

皐月5月24日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸やらで公開。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND DEXTER FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

最近は韓国映画の全国イッセー公開が、そんなにない中においても、食傷ぎみのラブ・ストーリーやらを、完璧に超えた作品も、日本国内公開されとります。

そこで、そんなトンデル・ユニークな韓国映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば言いますと…

①本作②カンナさん大成功です!(2006年製作・韓国映画)③国家代表!?(2009年・韓国・弊ブログ内検索で出ます)

●ゼェーンブ、キム・ヨンファ監督の作品どす。メッチャやり過ぎなとこもあるんやけど、ダイエット整形をかつてないノリで魅せた②、スキー・ジャンプの五輪ものの実話系③、ほんで、本作でおます。

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野球映画を、プロ野球選手に、サーカスのゴリラを入れるナンチュー、トンデモ感が強烈どす。

「キングコング」(1933年・1976年・2005年・アメリカ)との合体系もありま。そんなん、かつてありまへんで。

さてはて、スポーツ映画の、バクレツ・アリエネー系のマイ・ベストか、カルトかなスリー(順不同)をば、申し上げよりますと…。

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①本作②少林サッカー(2001年・香港)③ロンゲスト・ヤード(1974年・2006年・アメリカ)

●各スポーツ・ジャンルは、バラバラになっておますが、本作は野球やけど、②サッカー、③ラグビー(アメラグ)と同様に、未だかつてないとこをば、示さはった作品どした。

スポーツ映画を、フツーのように描かない点、それでいて、実に分かりやすい作りにおいては、本作は圧巻やったと思います。

でもって、家族一同で見に行ける、ファミリー性を兼ね備えてはるやなんて、かつてないもんやないでしょうか。

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CG・VFXのダイレクト感。韓国映画でゆうたら、「グエムル 漢江の怪物」(2006年・韓国)級の仕上げどす。

ピッチャー・ゴリラとバッター・ゴリラの、対決の造形なんか、ある意味で映画史に残っても、おかしゅうないシークエンスやったかと思います。

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サントラ部もノリノリや。

グラミー賞受賞アーティスト、ダイアー・ストレイツの、ギター・サウンドの8ビートロックに乗る、主演のゴリラが打つホームラン・ダイジェスト・シーンなど、

爽快かつ軽快なシーンには、音楽と同じく、ノリノリノリのタッチでおました。

で、壮大なオーケストラ・サウンドも使われて、ゴージャスどすえ。

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そんなゴリラ・バッターを、サーカスの世界で調教してきはった、ウェイウェイ役シュー・チャオちゃんの、アイドル映画的ノリにも注目やー。

本作において、最も好感度あふれるキャラやないかな。ゴリラにまつわる、悲喜こもごものシーンにも、魅了されよります。

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韓国プロ野球界に、ゴリラがバッターとして登場。そのインパクトは、映画でしか描けへんような、ダイナミズムがあります。

そして、そんなゴリラ選手を、スカウトしようかっちゅう、オダギリー ジョーが演じるオーナーの、日本の中日ドラゴンズとか、読売ジャイアンツのシーンなどに、

韓国映画の日本のファンに向けた、フックになっとるエピソードやったやろか。

最後はメタメタな展開もあるけど、いずれにしても、韓国映画のお遊びゴコロが、満開の作品どした。

ちゅうことで、ファミリー向け映画として、マイ・オススメしたい作品でおます。

2014年4月23日 (水)

「ブルージャスミン」⇒ウディ・アレンの最新作どす

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ケイト・ブランシェットのネーさんが、今アカデミー賞で主演女優賞をゲット!

「欲望という名の電車」ヴィヴィアン・リーより、複雑系が増しておます

http://www.blue-jasmine.jp

5月10日サタデーから、ロングライドはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸やらでロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Photograph by Jessica Miglio Ⓒ2013 Gravier Productions, Inc.

ウディ・アレン監督は、女優はんのトンデモ演技を引き出すのに、長けてはる監督はんどす。

ちゅうことで、ここで、監督のヒロイン映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を披露いたします。

①本作②インテリア(1978年製作)③ハンナとその姉妹(1986年)④誘惑のアフロディーテ(1995年)⑤アニー・ホール(1977年)

●②を除いて、全てアカデミー賞の女優賞ゲット女優が、主演・出演しはった映画どす。

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でもって、本作は主演のケイト・ブランシェットのネーさんが、助演賞をゲットした「アビエイター」(2004年)に続き、今度はアカデミー賞の主演女優賞をゲッティングや。

凛々しかった「エリザベス」(1998年)とは、正反対とゆうてもエエ、時にエキセントリック、時に内省的な、複雑系の演技を披露してはります。

近作の「8月の家族たち」(弊ブログ内検索で出ます)でも、複雑系を披露した名女優メリル・ストリープと、甲乙付けがたい演技やったけど、

内省と攻撃的を微妙に絡めた点において、本作の方がより難しい演技を、求められる役柄やと申せましょう。

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そして、マスコミ試写で一部話題になったんは、本作と「欲望という名の電車」(1951年)との相似ぶりどした。

でもしか、ボク的には、外形的に似てるとこは、姉が妹のとこに厄介になるとこくらい。しかも、実の姉妹やなく、里子としての義理の姉妹関係どす。

ただ、確かに、アレン監督の脳裏には、「欲望という…」があったやろかと思います。そこで、チョイ2作を比較してみると…。

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「欲望…」の舞台ニューオーリンズは、サンフランシスコへ。暑いイメージがあったのに対し、こちらはベタやなくカラッとしてます。

マーロン・ブランドの暴力的演技は、こちらでは妹と絡むボビー・カナヴェイルが、それらしき演技を披露。

シリアス系のキム・ハンターに対し、妹役サリー・ホーキンスは、アレン監督的お気楽「まあ、ええやん」風演技で魅せ、

ほんで、姉を狙うカール・マルデンは、ピーター・サースガードが押しではなく、退きの演技で披露。

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で、主役のブランシェットのネーさんや。

ヴィヴィアン・リーと比較すると、酔っ払い演技や、けだるい系やら嘘つきぶりは、似とるけど、

過去をベラベラ喋ったり、ワケの分からない呟き系など、過去のしがらみに囚われてるとこなど、ビミョーで内省的な心理演技が絶妙やったと思います。

それを実現するために、アレン監督は、現在のシスコと過去のNYを、カットバック的に見せはるけども、

その2界を、ヒロインの意識の中では、同時間軸にあるような作りを施してはるんどす。これは巧妙かつ緻密に、計算されとります。

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ヒロインが一文無しになるプロセスも、夫役アレック・ボールドウィンの行動と共に、ミステリー・タッチとは違うけども、最後までネタバレせんように、ヒロインの回想カットで、徐々に明らかにしていかはります。

ピアノによる、ブルージーなジャズ・スタンダード「ブルームーン」も、ボロボロになってゆくヒロインの、哀愁感に合っておました。

2014年4月22日 (火)

「チョコレートドーナツ」⇒実話ベースの、泣けるアメリカン映画

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1970年代的な映像感に、ググッときてまう作品やったわー

多彩に歌われるスロー・バラードにも、グググッ…どすえー

http://www.bitters.co.jp/choco

5月10日の土曜日から、ビターズ・エンドはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 FAMLEFILM, LLC

ホモのダンサーが、弁護士のホモだちと一緒に、ゲイ愛暮らしをしてはりまして、

そんなとこに、赤の他人のシングル・オカンが、ヤクチュウでパクられてしもて、ダウン症のムスコはんが、1人になってまうようなことになりました。

人情派のゲイ・ダンサー主人公は、見るに見かねてダウン少年と、一緒に暮らして、親代わりをやろうと思わはり、養育権の裁判までやってまで、一直線を貫かはります。

実話をベースにした本作。結末まで含めて、泣ける仕上がりなんやけど…。

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愛としての、レズとゲイ。そんな中で、ゲイ系のドラマ映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を披露や。

①本作②真夜中のパーティー(1970年製作・アメリカ映画)③ブエノスアイレス(1997年・香港・日本)④Mr.レディ Mr.マダム(1978年・フランス&イタリア)⑤ハッシュ!(2001年・日本)⑤ミルク(2008年・アメリカ)

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●他作品に比べて、本作は実話系の⑤「ミルク」と同じく、作ったとゆうより自然体であり、ドラマティック作りのための、ホモ・ゲイ設定やありまへん。

1970年代の実話なんやけど、偏見やらも描きつつも、普遍的な人間ドラマ、キズナ・ドラマへと通じる作りでおます。

ゲイと同じく偏見あるところの、ダウン症のコドモも描いてはります。

ダウン症患者を描く映画てゆうたら、大人の友情もの「八日目」(1996年・ベルギー&フランス)以来、見たように思います。

ただ、ネタ部にもなるんやけど、ダウン症の人間の末路の描き方は、共にややネガティブが入っておます。ドラマ映えするとは申せ、少し気になりましたやろか。

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さてはて、1970年代の実話からか、1970年代の映画的色使いを、ところどころでやってはります。

それはフィルム感的なとこやったりします。フィルム特有の、筋の入ったひび割れ的なとこはないけど、すんなりの色合いも、また、よろし、どすやろか。

ベスト②のような、アメリカン・ニューシネマ的なタッチもありました。

手持ちカメラによる、ダイジェスト・シーンも、リズミックに流れるようで、エエ・ショットになっとります。ピアノ・バラードを流しての、3人の交流シーンは、印象的だす。

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一時のダスティン・ホフマンはんを、思い出してくれはるような、主人公役のアラン・カミングのアニキ。

彼の演技は、ストレートで分かりやすく、そして、みなはんの好感を、きっと呼ぶハズどす。

ケッコー泣かしてくれはるんで、一緒に泣いときましょ。

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後半では、アラン・カミングのアニキが歌う、意味深な愛のスロー・ナンバーやバラードに、妙に酔わされます。

ピアノのしっとり系も忘れがたいわ。

後半の裁判シーンと噛み合わないような、それらのサントラ・シーンは、泣きを誘発する潤いに満ちておます。

一方で、ショー・シーン、ダンス・ミュージックなシーンとの、対比効果もありま。

泣ける映画チューより、理屈抜きに泣きたい映画。ハンカチ片手に、泣いてもらいたい1本どした。

2014年4月21日 (月)

ヒュー・ジャックマン主演「プリズナーズ」⇒誘拐映画のシビアなアメリカ映画どす

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ヒュー・ジャックマンのアニキの最高傑作どすえ~

2時間33分にわたり、静かに徐々に広がる緊張感に、胸が…

http://www.prisoners.jp

5月3日の憲法記念日の日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Aicon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

誘拐映画とゆうのは、倫理的なとこもあるんやろか、そないに多くはありまへん。

でもしか、サスペンス映画としての、核の一つとしては、重要やもしれまへん。

ボク的には、この種の映画は、日本映画にケッコー傑作があるように思えます。

まあ、全世界の誘拐映画を、見たわけやないんで、アレなんやけど、ここで、トビキリの誘拐映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば、披露さしてもらいましょか。

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①天国と地獄(1963年製作・日本映画)②チェンジリング(2009年・アメリカ)③本作

●シビアな「誘拐報道」(1982年)や、ユーモアある「大誘拐」(1991年)など、邦画には傑作はケッコーあるけども、やはり黒澤明監督の①は、圧倒的な存在感と名作度を、示してはるかとは思います。

でもしか、犯人側よりも、誘拐された被害者側の、人間ドラマを構築するとゆうのんは、やりやすそうでやりにくい、素材なんやないやろか。

メル・ギブソン主演「身代金」(1996年・アメリカ)なんかは、あの結末はヤッパ、アラマ、ポテチン…やしね。

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クリント・イーストウッドが監督し、アンジェリーナ・ジョリーのネーさんが主演した②は、被害者側のヒロインの力強さが、披露されて感動的どしたけども、

こちらは、被害者が娘誘拐容疑者を、拉致して監禁・拷問して、娘の居場所を探るとゆうカンジどす。

誘拐もので、殺された結果に対しての、リベンジ系はあるけど、こうした確実に犯人やない者に対して、被害者が、残虐な拷問を重ねてゆくとゆう映画は、まあ、そないありまへん。

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その拷問ぶりも、ハンパやありまへんねんで。それこそアラマ・ポテチンどす。

そんな主人公役に、ヒュー・ジャックマンのアニキが、扮しはりました。

「X-MEN」シリーズ(2000年~2014年)のヒロイズムやら、ミュージカル「レ・ミゼラブル」(2012年)のロマンティックとは無縁の、チョー厳しいシビアな役柄を、本作で示さはります。

でもって、そんなジャックマンに対する刑事役の、ジェイク・ギレンホールのアニキ。2人のやり取りは、スリリングかつ、緊張感にあふれておます。ドラマティックでもありま。

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冒頭は、ロングショットによる、父子の鹿狩りディア・ハンター・シーン。これから何が始まるんだ、っちゅうイントロだす。

そして、主人公一家と、仲良し一家の両家の、幼い娘2人が消えるまでの、静かな演出ぶりは、サスペンス・ドラマへの、引き込み度合い抜群の流れでおました。

それ以降、静かながらも、緊張感を徐々にあおってゆく演出で、ググッとハマッてしまいます。

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いくつかのサプライズが用意され、ほんで、究極の結末へとゆく、恐るべきドラマ展開。

ネタもモチ、1つだけやないんで、とにかくオモロイ。

ヒュー・ジャックマンのアニキは、最終的には一体、どないなるんやろか。メッチャ注目の1作なんやで~。

ボク的には、今年の洋画のベストテン級の作品やと思いますが、みなはんは、果たしてどないな結論やろか…。

2014年4月20日 (日)

「瀬戸内海賊物語」⇒週末日本映画劇場3

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財宝探しをコドモたちがヤッてまう、「宝島」的作品でおます

村上海賊へインスパイアーした、絶好の冒険映画どす

http://www.setokai.jp

5月24日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、香川・愛媛・徳島先行ロードショーでおます。

その後、5月31日土曜日から、全国ロードショーやー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「瀬戸内海賊物語」製作委員会

21世紀の地方ロケ映画は、1950年代の日本映画黄金時代と同じくらい、活気にあふれておます。

瀬戸内ロケーション映画も、今やいっぱい輩出されとるけども、ここで、瀬戸内ロケもの映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、披露してみよりますと…。

●ベスト⇒①二十四の瞳(1954年製作)②瀬戸内少年野球団(1984年)③故郷(1972年)③裸の島(1960年)

●カルト⇒①本作②船を降りたら彼女の島(2002年)③瀬戸内少年野球団・青春編/最後の楽園(1987年)

●労働系のベスト③の2作。教師と少年少女との交流・キズナを据えた、ベスト①②カルト③。ヒロイン・ドラマのカルト②。

瀬戸内ゆうたら、いかにも「宝島」(1950年・アメリカ映画)がありそうやし、そういうとこをポイントに、

本作は、コドモたちの財宝探しを描いた、瀬戸内ロケもの初の、コドモ冒険映画でおます。

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少年少女たちの冒険ものてゆうたら、最近の日本映画では「奇跡」(2011年・弊ブログ内検索で出ます)とかがあります。

モチ、死体探しに出かける、ロードムービー型の名作「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)は、その「奇跡」にも、多大な影響を与えはりました。

本作にも、コドモたちとオトナの若者たちとの、確執を描くとこなんぞに、影響が見え隠れしておます。

そして、ヤッパ、最もそれらしいのんは、「宝島」はモチ、

スティーヴン・スピルバーグ監督が製作・原作となった、7人のコドモたちが、洞窟から地底へと宝探しをする「グーニーズ」(1985年・アメリカ)でおましょうか。

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村上海賊がかつて瀬戸内の島に、隠した財宝を求めて、村上海賊の末裔の少女が、

2人の男の子と、最初は敵対してるみたいやった少女の、サポートを得て、探しに行かはるんやけど、

その理由が、島のフェリーが廃止されるんで、それをせんための、資金繰りの金のためっちゅうとこが、単なる宝目当てと違うとこでおます。

ボートに乗って渦潮を乗り切り、島へ行って、洞窟へ入るんやけど、

そのカラクリが超自然的に、スイスイと行われてまいります。

論理的なとこは、ほとんどないんやけど、不満に思わはる人もいてはるやろけど、これはこれで、オッケーどすやろか。

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ヒロインの少女役は、柴田杏花(きょうか)チャン。髪が横に一本立ってるカンジを含め、ボーイッシュな魅力がありま。

昨日分析した「悪魔ちゃん」の、木村真那月チャンと、比較して見るんもオモロイかも。

ほんで、彼女のオトン・オカン(内藤剛志はんと、石田えりネーさん)よりも、オバン役の中村玉緒はんとの絡みが、ケッコーありまして、どんでん返しにも、それは機能しておます。

ヒロインの姉役・早織チャンや、彼女に恋する、小泉孝太郎センセーのとこなども、ご愛嬌的なエピソードになっとります。

ちゅうことで、ファミリー・ムービーとして、おすすめの映画どす。

2014年4月19日 (土)

「悪夢ちゃん The 夢ovie」⇒週末日本映画劇場2

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あの日テレの連続テレビドラマの劇場版でおます

北川景子センセーと木村真那月チャンの、コンビネーションは快調や~

http://www.akumuchan-movie.jp

5月3日の憲法記念日の日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画・ミステリー分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2014「悪夢ちゃん The 夢ovie」製作委員会

本作の原案は、恩田陸ネーさんの「夢違」でおます。

日本のミステリー小説界では、現実的にリアルに着地する、客観のミステリーとは違う、

夢やらを駆使した主観のミステリーちゅうのんが、1990年代頃から出てまいりました。

映画化された分で言いますと、ホラー・ジャンルやけど、鈴木光司原作「リング」(1998年)、京極夏彦原作「魍魎の函」(2007年)「姑獲鳥の夏」(2008年)。

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21世紀になると、道尾秀介「向日葵の咲かない夏」(2008年)とか、綾辻行人「Another」(2012年・弊ブログ内検索で出ます)とかが、それに当たるでおましょうか。

ほんでもって、本作は他人の夢の中に入ることができる、北川景子小学教師と生徒役・木村真那月(まなつ)チャンの、夢をベースに、

転校生(マリウス葉)とそのオトン(佐藤隆太)の秘密を、明かしてゆくとゆうミステリー映画どす。

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で、今さらながらやけど、日本テレビの連続テレビドラマの劇場版、ちゅうことになっとります。

各テレビ局別に、映画版のマイ・ベスト・スリーを選んだ上に、対決させるナンチューのんも、いつかはやりたいと思とるけど、

日テレ系では、本作は間違いなく、ベスト・スリーに入る出来かと思います。

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異様な夢を描くだけに、CG・VFX使いが、モノゴッツー重大になってきよります。

悪夢シーンの造形の、悪魔的な仕上げぶりや、ラストシーンとなるファンタジックなシーン造形など、多彩に魅せてくれはります。

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また、ホンマにあるんかないんか、よう分からへん、夢研究所の設定なども、現実から浮遊したような、怪しさみたいなんがあります。

フロイトやユングの、夢心理学を分析・応用したとこもあり、一面的には心理学的タッチの、ユニークなドラマにもなっとります。

現実には存在しない、夢王子役のGACKTも、ファンタジー性を増しますわ。

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さてはて、ドラマの核となるんは、モチ、北川景子ネーさんと、銀色メッシュの真那月チャンの、やり取りでおます。

北川景子ネーと言えば、どちらかとゆうたら、カルティックな演技性に、魅力を発揮しはるネーさんどす。

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ちゅうことで、ここで、北川ネーのカルト・マイ・ベストスリーをば、挙げますと…。

①本作②謎解きはディナーのあとで(2013年・弊ブログ内検索)③花のあと(2010年・弊ブログ内)

●初の時代劇③の、シリアスがあるかと思えば、マジ・コメディエンヌな②。でもって、本作では、マジ小学校教師役。

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高峰秀子主演「二十四の瞳」(1954年)の、21世紀現代版といった趣きの役柄に、メッチャ魅了されよります。

生徒たちと教師のキズナ描写も、21世紀的に進化しとるかと思いますで。

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そして、ラストロールで流れよる、ももいろクローバーZの「泣いてもいいんだよ」。

北川景子ネーとのコラボレーションもある、ポップ・ナンバー。

しかも、これまではマイナー系を得意としてはった、中島みゆきネーさんが作詞・作曲どす。

登場人物たちへの、見事なサポート・ナンバーになっとりますんで、映画の最後に、酔いしれてくだされませ。

2014年4月18日 (金)

「友だちと歩こう」⇒週末日本映画劇場1

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ウォーキング映画のユニークな快作や~

歩くことで友情を紡ぐ、ほのぼのなカンジがエエねん

http://www.tomodachito.com

4月26日の土曜日から、マジックアワーはんの配給によりまして、大阪のシネ・リーブル梅田ほか、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ友だちと歩こうプロジェクト

緒方明監督の新作でおます。みなはん、知らへんてゆわはるかもしれまへん。

けども、監督デビュー作で、青春の痛みを描いた「独立少年合唱団」(2000年製作)、中年ヒロインの、渋いラブが描かれた「いつか読書する日」(2005年)などが、評論家筋で高い評価を得て、ベストテン級作品になりました。

そして、監督の作品でボクが一番スキな、「のんちゃんのり弁」(2009年)は、女・寅さんな小西真奈美ネーさんに、グッときよりました。

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でもしか、そんな順調な監督やったんやけど、ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」(1957年・フランス映画・弊ブログ内検索で出ます)の、同名リメイク作(2010年)で、

ガンバッたけど、無論、オリジナルを超えることはできず、少しく停滞しはったかと、ボクは分析しとります。

でもって、その作品のあとに、作らはったんが本作どす。

4作を見ても、統一した作家的作品性が、あるわけやありまへん。毎回、作品性を変えてきてはるようにも思います。

そして、本作では、老人、若者2組の話を、4話オムニバスで展開するとゆう、ユニークな友情ものをば作ってきはりました。

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しかも、これまでは名バイ・プレーヤーやった4人に対して、クローズアップしてはります。

まずは、老人役の2人。上田耕一はんと高橋長英はん。みなはん、思い出されへんやろうけど、映画を見たら、ああ、ああ、この人かいなチュー感じで分かるハズどす。

特に、ボク的には、いろんな映画でワルな存在感を示さはる、上田はんの演技に注目しました。一言でゆうたら、“渋い”やろけど、弱々しい老人役にしても、素晴らしい存在感。

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ツエを付いて歩みが遅い。で、腰とかもイワシてはって、たった1人の年金生活。でも、かわいそーなとこは、ほとんどなし。

第1話「煙草を買いに行く」では、長英はんと2人で、「わかば」や「新星」ナンチュー、今やない煙草を、買いに行かはりまんねん。

その道中で、マンションから投身自殺して、未遂に終わった女と公園で出会って、一緒に歩いたり(写真・上から3枚目)しはり、ほんで、1人になって、煙が出てきてでんな、モノクロっぽい幻想的シーンへと、入ってゆくとゆう流れ。

ワザトラなとこもあるけど、「アンダルシアの犬」(1928年・フランス)なんぞをつい思い出す、前衛的なとこもありで、渋かったでー、ナンチューことにしときまひょか。

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若者たちをヤルんは、斉藤陽一郎と松尾諭(さとる)の各アニキ。分からへんやろけど、写真4枚目の左が斉藤、右が松尾どす。

冒頭でこの2人が、行きつけの喫茶店で、音についてのナンセンスな話をば、まことしやかにやってはるシーンがあります。

このシーンが、ラストへとつながるんも、妙味ありなんやけど、第2話「赤い毛糸の犬」(写真4・5枚目)では、松尾アニキの元妻を斉藤と一緒に訪れて、ビミョーな話が繰り出され、

このあたりのビミョー系を、全体的にどないもっていくんかに興味と共に、不安感がありましたやろか。

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第3話「1900年代のリンゴ」では、老人2人の友情節が奏でられて、若者とのシンクロがチョイあり、

第4話「道を歩けば」で、2人の老人と斉藤アニキが、チョイ深めに関わるとゆうカンジどす。ビミョーとゆうのんが、本作のキーワードやもしれまへん。

2組の話をビビッドに展開し、ほんで2組がシンクロする時に、ドラマティックが生み出される。

そんなとこをば、狙ってはる友情映画なんやろけど、もっとハッとドッとの驚き系で作れたやろけど、あくまであっさりさっぱりでいってはります。

みなはんは、どない思わはるやろか。ボク的には癒やしを旨とするなら、この結末はOKやろかと思います。

そんでもって、アコーディオンのcobaが、繰り出すサントラ。アコーディオンだけやなく、元気の出るマーチングなブラス・サウンドが、本作とマッチしとりました。

2014年4月17日 (木)

3D「ネイチャー」⇒ネイチャー・ドキュメンタリー

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アフリカの自然と生き物を捉えた、ネイチャー・ドキュの真髄

3D映像の臨場感が、メッチャ生かされた作品どす

http://www.nature-movie.jp

ゴールデンウイークの5月2日のフライデーから、東宝東和はんの配給で、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸBBC Earth Productions(Africa)Limited and Reliance Prodco EK LLC 2014

ネイチャー・ドキュのブランド・イギリスのBBCが、ハリウッドの3D技術と提携して撮り上げはった、究極の映像集でおます。

ちゅうことで、かつてもやったけど、ここで、ネイチャー・ドキュのマイ・ベスト・ファイブをば、披露さしてもらいます。

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①本作②沈黙の世界(1956年製作・フランス映画)③WATARIDORI(2001年・フランス)④世界残酷物語(1962年・イタリア)⑤キタキツネ物語(1978年・日本・弊ブログ内検索で出ます)

●この種の映画は、ヨーロッパ産に名作が多くござります。

本作はアフリカ大陸だけにロケしながら、②から⑤までのスパイスが、全て盛り付けられておます。

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しかも、3Dだけに、俯瞰・空撮、前へ前への映像だけやなく、動物の動き、空から森中へ降りていくカットや、滝や津波のリアル感など、ビビッドに目に迫ってきよります。

また、これまでにない新しい撮り方や、見たことのないシーンを撮ろうとゆう意気込みが、感じられる作品になっとります。

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海中シーンを美しく捉えた②のセンスは、本作では、確実に進化しとります。

サンゴの鮮やかさと、陽の届かない海底の暗さを、対比させて映すとゆう、妙味も見せはります。

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④などで描かれとる弱肉強食シーンは、この種の映画では定番化しとるけど、砂漠のヘビや川のワニなどのシークエンスでは、

“間”(ま)を使った、緊張感あふれる撮り方をしてはって、ハラハラドキドキ感が強烈どした。

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渡り鳥の鳥類に特化した③や、キタキツネの⑤などの生態系やファミリー系ものも、過不足なく捉えられておます。

ディズニーのドキュでも取り上げられた、フラミンゴのダンスチック。

アフリカゾウ家族の、水を求めての移動。マウンテンゴリラ、ヒヒなども、多彩に取り上げられておます。

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パニック・ムービー的なとこも、見逃せまへん。

先の津波パニック以外に、火山シーンの映し方の、インパクトにヤラレますで。

また、フツーのスローも使ってるけど、スーパー・スローモーションの、効果的な使い方にも魅せられます。

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生き物たちのバックにある、空・海・山・砂漠など、自然描写の厳しさや癒やしなども、キチンと捉えられておます。

流れる雲や雨の描写とか、見事なフックになっとるんどす。

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そして、サントラはモチ、壮大さを打ち出しておます。

キャッチーなバンド・サウンドで、ノリの良さを作ったり、コーラス・ナンバーや、オペラチックでドラマティークを誘い、

弦楽オーケストラを始め、壮大なオーケストラ・サントラ展開などに、グッと胸にきます。

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イギリスの都会でも自然は感じられるとゆう、冒頭とラストは、ミュージック・ビデオ的に見せて、爽快どした。

さて、日本版のナレーターは、滝川クリステルのネーさん。爽やかな滝川ネーさんの声が、本作をさらに美しいものに変えてはります。

家族一同で見に行くのに、絶好の作品やと思います。

2014年4月16日 (水)

「スティング」⇒第二回新午前十時の映画祭

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ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォードの2度目の相棒共演作

「明日に向って撃て!」と、どっちが上やろか?

http://www.asa10.eiga.com

5月3日から5月16日まで、TOHOシネマズなんば、ほかで午前10時からモーニングショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

故ポール・ニューマンと、現役ロバート・レッドフォードが、アメリカン・ニューシネマの名作「明日に向って撃て!」(1969年・以下の引用は全てアメリカ映画)に続き、迷コンビぶりを示した、コンゲーム映画の傑作どす。

ちゅうことで、ここで、お二方主演の、各マイ・ベスト・スリー(順不同)をば披露いたします。

●ポール⇒①本作②明日に向って撃て!③ハスラー(1961年)

●ロバート⇒①本作②明日に向って撃て!③大統領の陰謀(1976年)

●とゆうことで、コンビ作として、2人が共演した2作は、ボク的には2人の、最高傑作の2作でありまして、共に、ジョージ・ロイ・ヒル監督作品でおます。

2人の相棒ぶりには、ボケとツッコミ的なとこがありましてな、それが漫才やなく、映画的なシャレたセリフのやり取りに、なっとるとこも渋いわ。

ほな、どっちが上かと申しますと、映画館で見た回数では②が多く、また、色合いや撮り方などの、映画芸術的な仕上げでは②が上やとは思いますが、プロットの面白さやサプライズ度は、本作の方が上やろか。

映画的総合力は②が上。けども、娯楽度は、本作が上みたいなカンジやろか。

まあ、共にDVD化されとりますんで、おヒマなら見比べてみてくだされ。

ちなみに、ヒル監督のマイ・ベスト・スリーも披露いたしますと、本作と②、③は「ガープの世界」(1982年)どす。

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さてはて、本作についてやけど、見返して思たんは、1936年のシカゴのギャング界が舞台どして、アル・カポネ逮捕後のシカゴの状況を、コミカルに描いてはる点において、「アンタッチャブル」(1987年)の後日談のようどした。

レッドフォードがニューマンを訪ねてゆき、本編で初めてニューマンが登場するシーンの、ダサクてユルイ、オモシロの人物描写シーン。

2人にカモられる、「ジョーズ」(1975年)に食われてもうた名バイ・プレーヤー、ロバート・ショーの、お気の毒キャラぶり。

ジャズ・ピアニスト、マービン・ハムリッシュの、ユーモアあふれる、ほのぼのなピアノ・サントラ。初めて見た時の、インパクト・ポインツはそのままに、何度も見返したくなる作品どした。

でもって、製作年のアカデミー賞では、作品賞・監督賞を含む7部門をゲッティングや。

最多ノミネートやった「エクソシスト」(1973年)を退けての、最多受賞どした。

ボク的には、オリジナル脚本賞をゲットした、その脚本の上手さに魅せられました。とにかく、ストーリーがモノゴッツーオモロイねん。

騙しの美学を披露するだけに、その騙しのテクニックは、実に練られておます。

コンゲーム映画としては、モチ最高傑作やろうし、今までにも、本作を超えるコンゲーム・ノリの、騙しの映画は出てへんかと思います。

共演コンビと監督などを変えて、続編「スティング2」(1983年・未公開)も製作されたけど、本作とはダンチの違い。比べもんになりまへん。

ちゅうわけで、歴史に残るアカデミー賞作品を、DVDやなく、ぜひ劇場でお楽しみくだされまし。

2014年4月15日 (火)

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」

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コーエン兄弟の新作は、渋~い音楽ムービーや~

ボブ・ディランに影響を与えた、実在のフォーク・ミュージシャンの、孤独な物語

http://www.insidellewyndavis.jp

5月30日のフライデーより、ロングライドはんの配給によりまして、TOHOシネマズ シャンテ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、ほかで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Photo by Alison Rosa Ⓒ2012 Long Strange Trip LLC

ジョエル&イーサンのコーエン兄弟監督が、アメリカ映画として2013年製作で監督しはって、カンヌ国際映画祭で準グランプリに当たる「グランプリ」をば、ゲットしはった作品どす。

いやはや、一言でゆうたら、メッチャ渋い。

ちゅうことで、ここで、コーエン兄弟監督の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を披露いたします。

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①本作②ノーカントリー(2007年)③ファーゴ(1996年)④ミラーズ・クロッシング(1990年)⑤バートン・フィンク(1991年)⑤ブラッド・シンプル(1984年)

●逃亡系の男を中心に、独特なサスペンス・タッチで、描かれることの多いコーエン印映画。

でもしか、本作は男の話なんやけど、⑤「バートン・フィンク」に近い、孤独な男節を奏ではりました。

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「バートン…」は、ハリウッドの脚本家の孤独やったけど、こちらはフォーク・ミュージシャンや。

しかも、モデルのデイヴ・ヴァン・ロンクてゆうたら、デビュー前のボブ・ディランに、多大な影響を与えた、シンガーソングライターらしいで。

「オー・ブラザー!」(2000年)では、音楽映画やないけど、そのオリジナル・サントラ・アルバムが、グラミー賞アルバム・オブ・ジ・イヤー(最優秀アルバム)に輝いたけど、

今作では、キャリア初の、音楽人間ドラマ映画でおます。

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これまでアメリカン・ミュージシャンを描いた、ポピュラー系歌手の実話映画てゆうたら、

アトランティック・レコード系の「Ray/レイ」(2004年)や、モータウン系の「ドリーム・ガールズ」(2007年)、ジャニス・ジョプリン「ローズ」(1979年)など、

ヒットした人たちが主流やったけど、本作は売れずに終わった人を、採り上げてはります。

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さらに、コーエン監督的には、ロードムービーの描き方を、ベスト②のように得意にしてはるけども、本作でも半ばにロードムービー・タッチがあります。

「ウディ・ガスリーわが心のふるさと」(1976年)みたいな、吟遊詩人の流れ者スタイルやないけど、

売れないミュージシャン・ドラマに、大きなアクセントを加えてはります。

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主人公(オスカー・アイザック)が売り込みを狙って、ニューヨーク・グリニッジ・ヴィレッジから、シカゴまでゆくんやけど、

その道中のジャズ・ミュージシャンとのやり取りや、シカゴに着いてからの売り込みで「金にはならない」音楽やなと、ジャッジされるなど、

ロクなことはありまへんねんけども…。

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アメリカン・フォークの源流は、先の「ウディ・ガスリー…」やけど、本作では、フォークがヒット・チャートをにぎわす前夜とも呼ぶべき、1961年のニューヨークを背景にしはりました。

ホームレスの主人公は、いろんな人たちのとこに泊めてもらいもって、カフェで演奏してはります。

ある時、飼い主が留守になってまう飼いネコを、片手に抱えて、町を右往左往しはります。

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この前半のネコの使い方は、絶妙どした。「ハリーとトント」(1974年)やら、

オードリー・ヘプバーンが最後にネコを見つける「ティファニーで朝食を」(1961年・弊ブログ内検索で出ます)への、ユニークなつながり方なんかも見出されます。

同じ1961年のNYやし、これは監督はかなり意識してはったかも。

また、「グリニッチ・ビレッジの青春」(1976年)やらとも、シンクロするやろか。

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演技陣では、キャリー・マリガンちゃんのセンスに感心しました。

これまでは、弱々しい演技が多かったと思うんやけど、主人公に妊娠させられてしもたマリガンと、主人公のトンデモなやり取りを始め、高圧的タメ口ケンカ調に驚かされよりました。

主人公がギターの弾き語りで、相棒の自殺の話を淡々と歌ったり、ミュージシャンでもあるジャスティン・ティンバーレイクの歌披露など、音楽ムービーとしてもキチンとした仕上がりどす。

ラストの方で流れる、ボブ・ディラン未発表の原質的フォーク「フェアウェル」のシブミにも、ググッときました。

ちゅうことで、これまでにない音楽ムービーのセンスが、感じられる傑作でおます。

2014年4月14日 (月)

フランス映画「ヴィオレッタ」⇒少女映画の妖艶さ

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メッチャかわいい少女とゆうキャラクターに、悪魔的に魅せられる怪作どす

しかも、その実在の少女が大人になった、エヴァ・イオネスコのネーさんが監督や~

http://violetta-movie.com/

5月10日の土曜日から、アンプラグドはんの配給によりまして、東京・【シアター】イメージフォーラムやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸLes Productions Bagheera, France 2 Cinema, Love Streams agnes b. productions

セクシーな少女が、ヒロインとゆう映画どす。

いきなりやけど、その種の映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を披露しま。

①本作②プリティ・ベビー(1978年・アメリカ)③愛人/ラマン(1992年・フランス&イギリス)④ラストタンゴ・イン・パリ(1972年・イタリア&フランス)⑤甘い鞭(2013年・日本)⑤ロリータ(1962年・イギリス)

●セクシー・シーンで魅せる③④⑤「甘い鞭」とは違い、本作はルイ・マル監督の②や、スタンリー・キューブリック監督の⑤「ロリータ」のように、

少女の妖艶さそのものを引き出した、映画らしい気品がござりました。

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1977年がメイン舞台。

オカン役イザベル・ユペールのネーさんが、娘役アナマリア・ヴァルトロメイちゃんを被写体に、写真を撮らはって、それが大いに話題を呼ぶ、ちゅうことになります。

「嘆きの天使」(1930年・ドイツ)を出したりして、娘はんは、イッチョ前に、マレーネ・ディートリッヒのネーさんに、なりたがってはります。

この少女に、大の男たち(ボクを含めた観客どす)は、ググーンと魅せられてまいます。

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本作は実話なんやけど、その衝撃は、女性監督(エヴァ・イオネスコのネーさん)の実話を、その監督自らが大人になってから、脚本を書き、監督してはるとこどすやろか。

しかも、メッチャかわいい少女(ほとんどの写真に写ってはります)役をキャスティングしはり、監督のかわいらしさを、いかにも強調してはりまんねん。

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でもしか、娘を撮り続けはるカメラマンの、少女のオカン役イザベル・ユペールのネーさんの、スゴミは、いつになく怖いくらいどした。

ユペールのネーさんそのものが、エキセントリックで、大いなるクセモンや~。

娘少女のカレンさと対比するように、このネーさんの狂気じみた演技は、一筋縄ではいきまへんどしたえ~。

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ちゅうことで、ここで、1955年生まれのユペールネーさんの、マイ・ベスト・スリー(順不同)を開陳や。

①ピアニスト(2001年・フランス&オーストリア)②沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇(1995年・フランス)③本作

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●①などでカンヌで2度、②などでヴェネチアで2度、主演女優賞をゲットしてはる、フランス映画界過去最高の、演技派女優やとゆうてもエエでおましょう。

①では複雑系の恋するピアニスト、②では胸にムカツキを秘めたハウスメイドなど、微妙な心理を不機嫌にシレーッと演じるワザは、まさに彼女にしかできへんものやとゆうても、エエかもしれまへんな。

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そして、今作では、ホンポー大胆なオカン役。

これまでのオカン役は、アンニュイ系のけだるい感があったけど、本作では、そこに攻撃的なニュアンスを付加。

少女を完全に支配し、凌駕する熱気ムンムン。観客にしてみたら、鬱陶しいオカンやなー度がモノゴッツー高くて、嫌われ度合いもスゴイやろな。

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モチ、それは監督の演出意図にも、入っとるもんでおましょう。それだけに、見たあとの余韻やインパクトも、高くなるんでおますよ。

文学的エロティシズムな雰囲気を加えつつ、「負」のイメージの、母娘の話を披露する、監督の巧みのワザは、脱帽級やったと思います。

2014年4月13日 (日)

「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん」⇒週末日本映画劇場3

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シリーズ第22弾にして、シリーズのベスト・スリーに入る1本どすえ

ロボット・アニメへの、オマージュとトリビュートがありま

http://www.shinchan-movie.com

4月19日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK2014

本作もそうなんやけど、日本のテレビ・アニメの映画版は、ドラマと同じくいっぱいあります。

シリーズ化されとる「ポケモン」「ドラえもん」「名探偵コナン」「ワンピース」「ナルト」など、ほとんど全てが、テレビでタダで見れます。

ほな、映画版を作るとなれば、どないあっても、テレビでは見れへんようなとこを期待して、見に行くようなことになるでおましょうか。

テレビでも見れるから、映画でも安心してちゅうのんは、はっきりゆうて偽りどして、映画でしか見れないとこをば、求めたいもんどす。

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8%の消費税を含めた、入場料を出す以上はっちゅうんは、でもしか、映画界においても、大いに問題となるやろけど、本作は映画館で見てこその、面白さがあるように思いました。

テレビでタダで見れんのに…を、超えた面白さとは?

90年代のファミリー世代には、映画館で見るファミリー映画として、「ドラえもん」以上のもんがあった、このシリーズ。

21世紀にも、ファミリー強度は変わらず、ほんでもって、本作では、シリーズ最高に近いと思えるくらいの、ドラマ映画・家族のキズナ映画ぶりを示してはります。

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「ワンピース」や「コナン」に比べたら、本作はどないあっても、大人の鑑賞にたえられるんか、とゆうとこが付きまとっておました。

モチ、ポイント的には、“おらが”のしんちゃんの、コドモっぽい映画に見えるんやけど、実は全体を見ると、そうやありまへんねん。

本作はオトンがロボットになり、父権復権のアイロニカルなドラマへと変転し、そして、家族と意外性ある悪グループとの、対決となるクライマックスで盛り上がり…。

でもって、そのあとには、定番やけども、感動あるシーンがあるでーっ、チュー展開になっとります。

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「ガンダム」をパロッた、合体ロボ・アニメ映画を、しんちゃん父子で見るシーンから始まり、

ロボ(ット)・アニメへの、パロディ&オマージュをベースに、オトンがロボットにされてまう、意外性ある流れに、まずは引き込まれました。

ロボットになったオトン視点で、描かれるとことかも、アニメ的には新しおます。

でもって、そのオトン・ロボの活躍を、前半では、コドモたちを助けるシーンで披露。

片や、ヒゲを付けたら、突然ゴリゴリの傲慢な関白人間になったりと、ロボ人間演技の面白さや巧みが、暴露されてまいります。

こういう変な変節ぶりは、マンネリ化しやすいドラマを、グッと解消しはりますし、本作でも強引に見えつつも、やがては納得できるようになっとります。

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さてはて、本作のオリジン・ポイントは続きます。さらなる魅力ポイント。

女刑事の声優を、やらはった武井咲(えみ)ちゃん。

特に、彼女の声を気にしもって見ると、彼女の声が、何やら最も自然であったかい。癒やしのポイントにもなっとります。

作品上、いろんなロボが出てくるけど、五木ひろし(声はコロッケ)のカラオケ巨人ロボは、インパクト大やー。なんじゃーこらーっ、ちゅうカンジやったやろか。

冒頭とラストロールで流れる、「きゃりーぱみゅぱみゅ」のテクノ・ポップ「ファミリーパーティー」(4月16日に9thシングルとして発売)やらは、絶妙に本作と合っておました。

「しんちゃん」と「ぱみゅ」、やて…おいおい、みなはん、メッチャなコラボやと思いまへんか。

ちゅうことで、家族一同で、楽しめる作品どすえ~。

2014年4月12日 (土)

辻仁成監督「醒めながら見る夢」⇒週末日本映画劇場2

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パリ在住の辻仁成監督が、何と京都を舞台に新作を発表!

映画初主演のデュオCHEMISTRYの、堂珍嘉邦アニキがメッチャカッコエエで~

http://www.sameyume-movie.com

皐月5月17日の土曜日から、キノフィルムズの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

関西やったら、テアトル梅田、京都シネマやらで上映どす。

本作は「R-15+」指定映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「醒めながら見る夢」製作委員会

ゴールデンウイーク明け公開映画とは、なんぞやを探る第2弾どす。

ヤッパ基本は、コドモには見せられへん“大人の映画”。

でも、本作はエロやらバイオレンス・モードはほとんどなし。R指定は多分、緊縛シーンなんぞが“危ない”とされたんやろか。

辻仁成監督が、演劇公演に続き、その映画版として作ってきはった作品でおます。

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ロック・バンド「エコーズ」のリーダー&リード・ボーカル、芥川賞作家、ほんで映画監督。

辻仁成アニキの多様な作家性に、終わりはありまへん。映画監督的には、村上龍を超えた作品性をば示してはります。

これまで恋愛映画を作ってきはったけど、本作では日本映画製作のルーツ地・京都ロケを敢行しはりました。

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さて、ここで21世紀の京都ロケ邦画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)を披露いたします。20世紀には名作がいっぱいあったけど、21世紀はどないなもんやろか。

①本作②パッチギ!(2004年)③京都太秦物語(2010年)

●文化省後援のフィルム・コミッションの充実で、21世紀には多様に地方ロケ映画が、花開いてまいっとります。

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その多様性ゆえか、有名な映画撮影所がある、京都ロケ映画は、21世紀ほどには、頻繁には作られてはおりまへん。

かつて撮りまくられとった、京都ロケ・イメージが、当たり前のように出てくるんもパターン化しとるんで、食傷ぎみなんやろか。

中立売など京都独特の地名を、ポイントにした映画とか、定番の祇園をポイントにした映画とか、21世紀にも作られておますが、ボク的にはイマイチ、ピンときておまへんどした。

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その意味では、マイ・ベスト・スリーは、新鮮味がありました。

日本フォーク・ムーブの夜明けと、日本・朝鮮の学園ものを合体させた②や、京都の大学生たちと共に製作し、今の京都の家族を捉えた山田洋次監督の③など、

これまでにない、京都ロケ映画ぶりを示す作品が、ココロにきました。そして、本作。

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祇園祭、鴨川など、京都ロケのパブリック・イメージを捉えつつも、純文学タッチを、ヒジョーに難しいんやけど、映画化することに挑戦した作品どす。

昼間の自然光での京都と、映画的照明をあえて入れない夜シーンの、対比なども効果的どした。

そして、幽霊もの映画てゆうたら、みなはんはそれなりに、思い出す映画があるやろけど、本作はまず、そこんとこをあからさまにした上で、

主人公と姉妹の関係性を、実に分かりやすく描いてゆかはります。

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辻監督がかつてミュージシャンやったからか、ミュージシャンやった人たちを起用してはります。

主演の堂珍嘉邦アニキ(単独写真は、上から7、8枚目)は、デュオ「CHEMISTRY」(ケミストリー)として、大ブレイクしはったイケメン。

堂珍を支える、助演の松岡充のアニキ(写真2枚目の左)は、ロック・バンド「SOPHIA」(ソフィア)のボーカル兼リーダー。

特に、辻監督の堂珍への投影演出ぶりには、かくやと言うもんがあったやろか。

主題歌となった、堂珍のスロー・ソウル・ナンバーにも、ウットリになれま。

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でもって、女優陣営どす。次世代のスター女優になれそうな逸材をば、キャスティングしはりました。

高梨臨ちゃん(写真、上から9枚目)。「ライク・サムワン・イン・ラブ」(弊ブログ内検索)で、ボク的にはすっかり、トリコになってもうたんやけど、アイドル性は抜群どっせー。演技的にも、複雑系を巧みに演じてはります。

でもって、臨ちゃんの妹役・石橋杏奈ちゃん。「不安の種」「百瀬、こっちを向いて。」なんかで、弊ブログで書いておますが、こちらも、アイドル性高しや~。

辻監督がなんで2人を起用しはったんか、何となく分かるようなカンジどした。

ちゅうことで、パリ在住の辻監督、久々の映画監督作品でおます。

2014年4月11日 (金)

「闇金ウシジマくん Part2」⇒週末日本映画劇場1

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前作より群像劇ドラマ性が、増した問題作や

山田孝之アニキの、冷徹なる非情性が、さらにアップ!

http://www.ymkn-ushijima-movie.com

皐月5月16日の土曜日から、東宝映像事業部はんとS・D・Pはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

関西やったら、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都やらで上映。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014 真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会

今の時期やったら、映画興行界から出た言葉「ゴールデンウイーク」に見るべき映画をば、分析すべきなんやろけど、

敢えて2日間続けて、ゴールデンウイーク明けの公開作品を、分析いたします。

ちゅうのは、家族一同で見に行った、GW作品のあとに、どのような傾向の作品が公開されとるんかを、いっぺん見てみようかと思たからどす。

で、その結論は、“大人の映画”が、主体になってるっちゅうとこどした。

本作はコミック原作の、テレビドラマの劇場版とゆう、ファミリー性を有しながらも、その種の家族一同で映画鑑賞ちゅう定番を、大いにハズしてはる作りになっとります。

同じコミック原作の「クローズEXPLODE」(弊ブログ内検索で出ます)も、本作と同じような、コドモの教育上良くない“危ない”テイストがありましたが、

そっちはGW前に公開されとりますが、それはそれで良しとしときまひょか。

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さてはて、そんな大人な危なさある本作を、他作品との絡みで見てみまするに、まず、見出されるんは、今どきの若者の危険な実相どすやろか。

ホストクラブにまつわる、若者の実態を描いた「東京難民」(弊ブログ内検索)と同じく、ホストたちと群がる彼女たちの関係性が、容赦なく描かれとります。

でもって、コミック原作にしても、テレビドラマ「ナニワ金融道」やらと同じく、サラ金・闇金の実態が、これもまたかなり誇張されたカタチやけども、ドラマ映えするように描かれておます。

実はサラ金絡みはモチ、闇金絡みの映画ちゅうのんは、「OUT」(2002年製作)みたいにサブで描かれることはあっても、これまではあんましメインで、描かれることはありまへなんだ。

まあ、“教育上”ナンチューのんが、ネックにあったんやろけど、本作はそれをば軽々と、クリアーしはったんどすえ~。

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さて、役者陣を分析してみまひょか。AKB48の大島優子ネーが出てた前作よりも、これからブレイクする役者らが、多数出てはります。

こおゆう映画は、のちにそんな若い役者たちが、ブレイクした時に、エポックメイクな作品になる可能性がござります。

ウシジマくん役の山田孝之アニキはモチ、有名やけど、彼の無表情かつクールな非情性演技と絡む、綾野剛のアニキ(写真上から4、5枚目)のチョイ出演に加え、

その綾野剛と絡んだ傑作「そこのみにて光輝く」(今年の邦画の、今のとこマイ・ナンバーワンな作品・弊ブログ内検索)のブッキラノリを、遺憾なく発揮しやる菅田将暉クン。

同じくホスト役を絶妙にこなす、窪田正孝クン。

窪田クンと絡む、アイドルチックな門脇麦ちゃん。

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さらに、アイドル性など関係あるかい、っちゅうようなノリで、テンション高いバクレツ系を演じはる、木南晴夏ネーさんや、モデル系の美人系・高橋メアリージュンさん。

2人共、この種の役柄のオファーが、この作品のあと、きっと多数舞い込むハズどす。それくらい、モノゴッツーなノリなんでおますよ。

彼ら・彼女らの、東京の底辺・裏社会を生き抜く、大胆かつリアル感あふれる演技ぶりを、ご堪能くだされませ。

さらに、ラストロールで流れる、Superflyの、ニューソウルの御大カーティス・メイフィールドもかくやとゆう、ファンキー・ソウルなミディアム・ナンバー「Live」に魅了されよりました。

ちゅうことで、前作よりパワーアップし、今後も楽しみなシリーズもんどしたえ。

2014年4月10日 (木)

「ファイ 悪魔に育てられた少年」⇒最新韓国映画どす

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韓国アクションの、真髄を示す1本や~

そのベタな作りが、クセになるでよ~

http://www.hwayi-movie.net

4月26日の土曜日から、ツインはんの配給によりまして、全国順次のロードショー。

関西やったら、5月3日の土曜日から、シネマート心斎橋やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND NOW FILM ALL RIGHTS RESERVED.

ハリウッド・アクションや、アジアなら香港アクションとは違う、韓国アクション映画の、粋が出た1本どす。

ちゅうことで、ここで、韓国映画のアクション映画の、サスペンス・ノリも入れた、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、思いつくままに披露してみまっさ。

①本作②チェイサー(2008年製作)③シュリ(1999年)④甘い人生(2005年)⑤グエムル 漢江の怪物(2006年)⑤友へ、チング2(2013年・弊ブログ内検索で出ます)

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●朝鮮戦争とか南北問題など、韓国の過去や現在の政治的しがらみを、取り込んだ③やらが、韓国アクションへの入門編に、なっとったかとは思います。

さらに、韓国映画のパブリック・イメージを見るとでんな、泣ける恋愛映画やラブコメやらが、韓流ドラマの定着で、日本では人気どして、日本人はどないあっても、映画にもそういうものを求めがちどした。

また、韓国四天王の1人、イ・ビョンホン主演の④やらが、主婦層を中心に人気どした。

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そんな感じで、2000年代前半の韓国映画のイメージが災いし、映画として成熟した現代の韓国映画が、日本全国的に展開されへん状況になっとります。

でもしか、本作を始め、1対1の追逃劇②や、怪物映画の新味⑤「グエムル…」、これから公開されるヤクザ映画⑤「友へ、…」などの傑作が、大ヒットしてない、あるいはしそうにない状況下にあります。

でもしか、韓国映画、特にアクション映画としての韓国映画こそ、ハリウッド・アクション以上に、今こそ見るべきとこが、開花しとるんでおます。で、その代表作の1本が、本作どす。

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犯罪をやってしもた時に、拉致した少年(ヨ・ジング君)を、犯罪集団のメンバー全員がオトンとなり、後継者として育てはるとゆう図式。

で、少年はホンマのオトンを、オトンとは知らずに銃殺したりと、立派なワル(!?)にならはります。でも、それを契機に、仮のオトンやらに反目しはるんやけど…。

「息もできない」(2009年・弊ブログ内検索)やらを含め、ワル映画はケッコー、現代韓国映画のトレンドのようにも見えます。

一方で、写真7枚目のように、女子高生との、淡~いひと時があったりと、憩いのシーンもありま。

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けども、本編の見どころのほとんどがアクションどして、そのマイ・ベスト・スリーを言いよりまするに…。

①カー・チェイス・アクション。名作「フレンチ・コネクション」(1971年・アメリカ)やらの、ストレートなカーチェイスとは違う、変則変形版を披露しはります。工事現場のクレーンの、使い方などがオモロイわ~。

②入院中の実のオカンを殺しにきた男と、主人公少年の格闘シーン。近接撮影ながら、どうワザが決まるかが、よう分かります。

ベスト②で犯人を追う役やった、キム・ユンソクのアニキとの、1対1対決も強烈至極や。

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③少年が、クライマックスのスポンサー側と実行部隊を呼び寄せて、2派を戦わせるクライマックス・シークエンス。

黒澤明監督「用心棒」(1961年・日本)などからの影響が、見え隠れしておます。

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「ジャッカルの日」(1973年・アメリカ)チックな、暗殺シーンに加え、ホッと和めるラストシーンなど、ラスト近くのエピソードは、硬軟両用のサプライズ。

でもって、オカンや疑似母とのキズナに、ついホロリや。

ラストロールで流れる、癒やしのフィメール・ギター・スロー・ナンバーも、余韻を深める作りどす。

アクション・シーンがハデハデなだけに、癒やしのシーンが、より印象深くなってきよる作品でおました。

2014年4月 9日 (水)

「シャドウハンター」⇒バンパイア映画どす

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「トワイライト」シリーズのような、吸血鬼入り映画どす

リリー・コリンズちゃんの、アイドル性でも魅せはりまっせ~

http://www.shadowhunter.jp

4月19日の土曜日から、プレシディオの配給によりまして、新宿ピカデリーやらで、全国ロードショーでおます。

本作は、アメリカとドイツとカナダの合作映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Constantin Film International GmbH and Unique Features (TMI) Inc.

本作は、「トワイライト」シリーズ(2008年~2012年製作・アメリカ映画・一部シリーズは、弊ブログ内検索で出ます)を、相当意識しはった作品どす。

狼男たちも出てくるけど、ヒロイン含めて、基本は吸血鬼映画。

ちゅうことで、ここで、過去にも披露いたしましたけども、吸血鬼映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同どす)をば、披露いたします。

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●ベスト⇒①吸血鬼ドラキュラ(1958年・イギリス)②インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年・アメリカ)③ビザンチウム(2012年・イギリス・弊ブログ内検索)

●カルト⇒①トワイライト・シリーズ②本作③渇き(2009年・韓国・弊ブログ内)

●戦前のハリウッド映画で披露された、ドラキュラもんは、DVD化(セル・オンリーがほとんど)されとりますが、ドラキュラもんのルーツ的な仕上げになっとります。

ユーロ系では、モノクロ「吸血鬼」(1931年・フランス&ドイツ)なんぞがありま。

でもって、その正統系スタイルを、ベスト①が継承し、その後、ロマン・ポランスキー監督「吸血鬼」(1967年・アメリカ&イギリス)やら、

邦画では、岸田森とゆう吸血鬼俳優主演作品などが、そのカルティックなorパロディティックな流れの中で、出てまいりました。

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ほんでもって、ニール・ジョーダン監督らが、ベスト②③のような快作へと、昇華させはったんどす。

ほんで、21世紀になると、各国でユニークな、吸血鬼入り映画が出てまいったんでおますよ。

ブレイクした意味では、カルト①が圧倒的な存在感を示してはるんやけど、それ以降もイロイロ出てきとります。

そんな流れの中で出てきたんが、本作なんどす。

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「トワイライト」シリーズのように、吸血鬼のラブ・ストーリーものへと、特化した作りなんやけど、ヤッパ魅力のメインとなるんは、その主演男女優でおましょうか。

「トワイライト」の女優ヘイデン・クリステンセンのネーさんと、本作のリリー・コリンズちゃんを比較しても、

甲乙付けがたいアイドル性で、魅了してはります。

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吸血鬼・人狼、モンスター妖魔やらを、クッキリと区分けした作りとか、家族がそんな戦いに関わるとことか、

モチ、VFX、クリーチャー造形など、その種の作りは、「トワイライト」を意識してはることは、意識してはるとは思います。

けども、二番煎じとは違うとこも、キチッと示してはるんどす。

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フラッシュ映像や薄ブルーの色使い。

現代のニューヨーク・マンハッタンを、果敢にもイメージした作り。

表とは違う裏世界の、二界を往来する造形ぶりやら、ファンタジー映画やSF映画の、一つのツボを押さえたとこなどに、「トワイライト」との違いがありましたえ~。

さらに、「バイオハザード」シリーズ(2002年~2013年・アメリカ)のような、ヒロイン・アクションを魅せてゆくとこが、エエカンジや~。

異世界に、理屈抜きに酔いたい作品どした。

2014年4月 8日 (火)

「オーバー・ザ・ブルースカイ」⇒泣けるベルギー映画の傑作

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音楽ムービーにして、夫妻映画とゆう作品

コドモの演技にも落涙してまう、泣ける映画どす

http://www.o-bluesky.com/

4月12日のサタデーから、エスパース・サロウはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は、オランダとの合作となったベルギー映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 Menuet/Topkapi Films

画像には、夫妻の白血病になる幼い娘はんは、写ってはりませんが、

いわゆる夫妻映画でも、コドモを亡くしたミュージシャン夫妻のドラマでおます。

それだけに、2人だけの夫妻映画とは違い、泣ける映画度合いは、2倍になっておます。

過去を振り返りますれば、コドモの死を乗り越えてゆくタイプが、多いんやけど…。

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長男の死で夫婦が、瓦解してゆく「普通の人々」(1980年製作・アメリカ映画)みたいな、悲劇性はあるんやけど、こちらはよりドラマティックで、泣ける作りになっておます。

その理由としては、3つほど挙げられるでおましょうか。

まずは、過去と現在を行き来する、構成の妙やろか。

それも時制に応じて、カットバックするんやなく、コドモが病気になるシーンよりあとに、プロポーズや妊娠告白シーンがあったり、意表を突いた回想カットを、混在させはります。

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そして、コドモの死のあとの、夫婦ゲンカやギクシャクする関係描写。

さらに、もう一つの泣きのポイントを点綴させて、過去と現在を再び往来させ、ラストの感動へと紡いでいかはります。

特に、薄赤と薄ブルーのフィルター入りで、フラッシュバックさせる妻の意識描写には、感心いたしました。

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でもって、音楽ムービーとしての側面どす。

アメリカのカントリー・ジャンルとなる、ロックの一種のルーツ・ミュージック「ブルーグラス」が、

夫妻の演奏・歌唱を含めて、全面的にフィーチャーされとります。

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本作のサウンドトラック・アルバムは、何と全米売り上げチャート「ビルボード」で、週間売り上げ最高位10位を記録しておます。

アメリカ発のカントリー・アルバムならいざ知らず、こうしたベルギー産のアルバムが、「ビルボード」ベストテンに入るんは、異例どす。

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しかも、劇中で、サントラのほぼ全曲が流れたり、披露されとるんどす。

共にプロやない夫妻役の歌・演奏披露。カウガールを歌う歌、ブルージーなスロー・ナンバーなど、妻役ヒロインのヴェルル・バーテンスが透明な歌声を披露し続け、

また、夫役ヨハン・ヘルデンベルグが、見事なギター・プレイで魅せはります。

特に、ラストシーンの渾身のプレイは、メッチャ感動的で、本作イチバンヤーの名シーンになっとります。

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音楽とドラマが一体となる作品をば、作らはった監督は、ベルギーのフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンのアニキ。

本邦では作品は公開されておらず、カンペキに無名やけど、

ボクが「大阪ヨーロッパ映画祭」で見た「あきれた日常」(2009年・ベルギー・弊ブログ内検索で出ます)には、ぶったまげよりました。

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そこでは、トンデモない家族ドラマが、あぶらぎった演出と演技で、描かれておったんであります。

そのトンデモ感は、本作では感動系へとすり替わっておます。

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まあ、ゆうてみたら、180度正反対の作品性を、示さはったと言えるでおましょうが、

デートムービーとしては、こちらの方が当然、断然、おススメどす。2人で一緒に泣いてくだされ。

2014年4月 7日 (月)

「アクト・オブ・キリング」⇒ユーロ・ドキュの問題作どす

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実在の殺人者たちを描く、手法としてのドキュの在り方

衝撃的人間ドキュの、ディープ・インパクトな1作どす

http://www.aok-movie.com

4月12日のサタデーから、東京・シアター・イメージフォーラムやら、新宿シネマカリテやらで上映でおます。

関西やったら、4月19日の土曜日から、大阪・シネマート心斎橋、京都シネマやらで上映どす。

本作はインドネシア語セリフ、デンマーク&ノルウェー&イギリス合作映画だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸFinal Cut for Real Aps, Piraya Film AS and Novaya Zemlya LTD, 2012

みなはん、映画ファンとして、いや、そうやなくても、ドキュメンタリー映画をば、見にいかはったことはありますやろか。

ボク的私的判断としては、ドキュはデート・ムービーにも、みんなで見に行ってお気楽にガヤガヤ、ナンチューのんとは、無縁のもんやろか。

つまり、ドキュだけに、重たい現実が待っとるちゅうことなんやけど、

でもしか、1人で見に行くよりは、みんなで行けば怖くない、ちゅう理屈もあってでんな、その重みをみんなで共有するとこにおいては、本作はうってつけの作品やもしれまへんな。

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さてはて、実在するトンデモ人間を描く、ドキュも含めて、衝撃度合いの高いドキュの、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、思い付くままに披露いたしますと…。

ちなみに、チラシに書かれとる、ルイス・ブニュエル監督「糧なき土地」(1933年製作・スペイン)などの、短編はハズしとります。

①本作②ゆきゆきて、神軍(1987年・日本)③ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年・カナダ)④全身小説家(1994年・日本)⑤世界残酷物語(1962年・イタリア)

●真相を追求していく告発系の②③、特異な人物像を捉えた④、恐るべきネイチャーを捉えた⑤。

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でもって、本作は、告発系と恐るべき殺人者像を、ミキシングしてはります。

1960年代のインドネシアで、共産主義者100万人を殺した、ヤクザな民兵集団がおりました。今も国民的ヒーローとしてあがめられとる、その殺人部隊のリーダーに焦点を当てはります。

直撃インタビューでは、キチンと答えてくれへんやろう。そこで、当時を再現する映画製作とゆう口実で、彼を主人公に仕立て、ドラマ映画を撮るちゅう体裁にしはるんどす。

映画スターになるんやから、そら、本人は嬉しゅうてたまりまへん。

マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジョン・ウェインなどの、お気に入りを口にしながら、ゴキゲンさんのノリで演技しよるんどすえ。

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家族との語らいなどの、あったかなプライベート部も映されよります。

でもしか、それらに反して、再現される残酷極まりない拷問・殺人シーンなどの、インパクトがディープどす。

また、映画内映画として、明るい空と風景の中で展開する、異様なダンス・シーンや、コーラス入りポップス・ナンバーに乗った、ミュージカルチックなシーンも、強烈でおました。

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それでいて、映画としてのサントラは流れず、再現ドラマを装飾なしにそのまま見せるとゆう、ドキュ性が保たれとります。

ほんで、映画メイキング映画とゆう体裁の、社会派ドキュメントちゅう作りも珍しおす。

そして、映画が最後の方へ向かうにつれ、アイロニカルな視点を加えたりして、主人公のキモチが変わってゆく作りになっとるんだす。本作1番のキモ。

でもって、ラストの1分強の長回し撮影が、ココロにクルことでおましょう。

ちゅうことで、衝撃の1作を、ぜひとも劇場で!

2014年4月 6日 (日)

「WOOD JOB!~神去(かむさり)なあなあ日常~」⇒週末日本映画劇場2

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林業ドラマ映画とゆう、矢口史靖監督のトンデル感の妙味

染谷将太・長澤まさみ・伊藤英明らが、キャリア初なキャラを披露

http://www.woodjob.jp

5月10日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」

矢口史靖(やぐち・しのぶ)監督作品てゆうたら、コメディなんやけど、これまでにないようなとこに、意図的に目を付けて展開しはるんが、スゴイんどす。

日本の喜劇のイメージをば、ガラリと変えるようなインパクトがござります。

ヒロイン・コメの、トンデモ感を出した「ひみつの花園」(1996年)。

男のシンクロ、女の吹奏楽とゆうサプライズで、学園ものに新風を吹き込んだ「ウォーターボーイズ」(2001年)「スウィングガールズ」(2004年)。

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会社企業ものコメの、航空会社「ハッピーフライト」(2008年)やら、ロボット製作会社「ロボジー」(2012年)など、企業ものでも、ユニークなとこに目を付けはります。

そして、今回は何と林業や~。

林業ものやなんて、ドキュメンタリーではいくつかあるけど、ドラマ的には、ボクとしては、林業をする村にロケしはった、映画メイキング映画「キツツキと雨」(弊ブログ内検索で出ます)以来やろか。

しかも、メインで林業ドラマを構築したんは、本作が邦画史上初やないやろか。

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ちゅうことで、ここで、農業・林業・漁業・酪農業などをポイントにしはった映画の、マイ・ベスト・ファイブ邦画(順不同)を、思いつくままに披露いたしますと…。

①本作②魚影の群れ(1983年)③米(1957年・弊ブログ内検索)④遠雷(1981年)⑤銀の匙(2014年・弊ブログ内検索)

●本作以外を見てみよりますと、漁業の夫婦映画②、農業・漁業の家族ドラマ③、農業の夫婦映画④、酪農業の学園もの⑤。

あくまで、ほとんど業種を媒介にして、人間ドラマを築くんやけど、本作はそおゆうキズナもあるけども、

林業に魅せられてしもた、主人公の青春ドラマで、よりその業種の実態を深く描いてはって、妙味をカンジよりました。

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役者陣もノリノリの演技ぶりや。

まずは、主人公役・染谷将太クン。

トラウマありつつの、青春節を演じた「ヒミズ」(2011年・弊ブログ内検索)とは違い、ストレートでさわやか青春系で演じてはるんが、メッチャ好感を呼びますで。

また、「海猿」シリーズ(2004年~2011年)で、ヒロイズムを遺憾なく発揮しはった、伊藤英明のアニキが、リアリズムあふれる泥臭い林業人を演じて、その段差に驚かされましたがな。

でもって、長澤まさみネーさんや~。ここで、まさみチャンのマイ・ベスト・ファイブ(順不同)を披露しま。

①本作②世界の中心で、愛をさけぶ(2004年)③ロボコン(2003年)④涙(なだ)そうそう(2006年)⑤モテキ(2011年)

●アイドルチックな演技性が、続いてはった、まさみチャンやけど、本作では、ベスト⑤に続き、アイドル脱皮をば示さはりました。

初の関西弁の披露も、スムーズやったかと思います。

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さてはて、三浦しをんネーさんの小説原作映画は、映画的質度はメッチャ高うおます。

「風が強く吹いている」(2009年)「まほろ駅前多田便利軒」(2011年・弊ブログ内検索)「舟を編む」(2013年・弊ブログ内検索)全てが、高い評価を得てはります。

本作を含めて共通するんは、男のドラマであるっちゅう点でおましょうか。さらに、男の友情節も入っておます。

男のキモチを絶妙に披露してくれはる、ネーさんの作品には、今後も注目しとうおます。

ほんで、林業の本場・三重県ロケーションを始め、林業の作業過程を、コミカルな中に、緻密に見せてゆくとこなんか、原作の取材力に見合うとこどした。

そして、クライマックスのスペクタクル・シーンのスゴミ。

途轍もなく、たまらない。そんな作品になっとります。

2014年4月 5日 (土)

「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」⇒週末日本映画劇場1

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東京スカイツリー的なとこで展開する、スナイパーズ・ミステリー・ドラマどす

コナン・ドラマも、ワールド・ワイド性を増して…

http://www.conan-movie.jp

4月19日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

名探偵コナン劇場版の、最新版どす。

アクションに、特化した時もありましたけども、どれほどアクション映画っぽさを、提示したとしても、あくまで本格ミステリー系をば貫いてはります。

その点は毎回、徹底しとりまして、本作でも、「ジャッカルの日」(1973年製作・アメリカ映画・弊ブログ内検索で出ます)みたいな、スナイパーものなんやけど、

それでもなお、本格ミステリー系が、ドラマの根幹にあるんでおます。

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スナイパーの狙撃場所で、毎度サイコロが見つかるとゆうナゾ。

ここなんか、被害者のダイイング・メッセージが定番化しとる中で、その逆の犯人の、マーダーズ・メッセージちゅうのんは、珍しいかと思います。

クリスティの「ABC殺人事件」やら、映像化されてへん「ホッグ殺人事件」などの、センスを感じよりました。

また、無差別殺人のような、パニック系に思わしといて、狙撃場所のつながりから、コナン君がある法則を、見出すとこのハットトリッキー。

本格ミステリー・ファンを、唸らせるとこでおます。

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本格系もエエけど、クライマックスを含め、アクション・シーンの充実ぶりも、大いなる見どころになっとります。

スナイパー・シーンはモチ、いつものコナン君の、スケボー・チェイスの、ハラハラドキドキもたまりまへん。

また、スカイツリーなビル・アクションも、「ダイ・ハード」(1988年・アメリカ)級の、アクロバットをば、披露しはりまんねん。

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超高層展望ビルに来てた、コナンや少年探偵団が、狙撃事件に遭遇しはります。

でもって、警視庁とFBIの、滅多にあれへん、合同捜査へと展開。ワールド・ワイドなとこもありま。

このあたりは、「ブラック・レイン」(1989年・アメリカ・弊ブログ内)ぽかったやろか。

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元ネイビー・シールズやった連中が、元アメリカン兵として、日本が舞台ながら、ケッコー出てまいります。

そんな彼らとの絡み具合が、本作ではとても重要どした。

「タイムマシンはドラム式」(2006年)的な、過去改ざん系ドラマへと、続いてゆくとこなんか、オオッときましたえ。

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過去シーンの、褪せたカンジの色使いを始め、柴咲コウのデジポップ・ナンバーな主題歌。

時おりハッとしてグーどした。そして、今回で初登場しはる3人の探偵役。原作には欠かせへんかった、その3人の活躍ぶり。ぜひとも楽しんでくだされまし。

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どんでん返しはモチやけど、ミステリー・アニメとして、サプライズの連続が待っとります。

トリック的な面白さも、毎回あるんで、こっちの方も、大いに楽しみたい作品どした。

いずれにいたしましても、ミステリー・アニメの快作でおますよ。

2014年4月 4日 (金)

「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」⇒週末ハリウッド映画劇場

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全米では、本日4月4日にロードショーしはります

マーベル・コミック原作の「アベンジャー」シリーズの1本どす

キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウが、ヒーロー&ヒロインに

http://www.cap2.jp

エイプリル4月19日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、2D/3D同時公開で、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014 Marvel. All Rights Reserved.

マーベルちゅうたら、アメコミの超ブランド。ほんで、アメコミ原作映画は、現代のハリウッドで、一大潮流を築いてはります。

かつては、「スーパーマン」(第1弾は1978年製作)「バットマン」(第1弾1989年)「スパイダーマン」(第1弾2002年)などと、アメコミ原作映画化作品はシリーズ化されて、ワールドワイドなヒットを飛ばしてきはりましたが、本作は、シリーズはシリーズでも、ソロ・ヒーローやなく、集団型でおます。

その意味では、このシリーズは、チーム・ヒーロー・ヒロインたちの、初のアメコミもんでおましょう。

確かに、最初は1人ヒーローの「インクレディブル・ハルク」(2008年)から始まったんやけど、結局はチーム・プレイで魅せはる「アベンジャーズ」(2011年)で、特大ブレイクしはりました。

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そんな中で、今回は、チーム・リーダーで「アベンジャーズ」を作った、ニック・フューリー役サミュエル・L.ジャクソンはん。

超合金の盾を使って、ミラクル・アクションをするキャプテン・アメリカ。

このリーダー役が当たり役となった、若手クリス・エヴァンスのアニキ。

そして、チームで紅一点のヒロインの、ブラック・ウィドウ役の、スカーレット・ヨハンソンのネーさん。

「ドン・ジョン」(3月10日付けで分析)のとこで、ネーさんのベスト演技を紹介しましたけども、本作は感情演技よりもモチ、アクション演技のトンデモ感で、魅せてくれはります。

まあ、スタントを使ったり、CG使いはあるやろけど、「ドン・ジョン」のお色気よりも、こちとらはヒロイン・アクション。

例えば、「バイオハザード」シリーズ(第1弾2002年)の、ミラ・ジョヴォヴィッチと比べても、決してヒケはとってはりまへん。

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アベンジャーズ・チームの3人が、所属する組織から狙われるとゆう、「ボーン」シリーズ(第1弾2002年)のような展開が待っておます。

 なんで狙われるんか。そのあたりはネタの1つどして、ゆくゆくは分かりますが、

 まずは本編開始の1時間以内にある、サミュエルはんの死のサプライズ。

 2人だけになってもうて、狙われ続けながらも、2人で逃げもって、対策を練り応戦してゆく、アクション・シーンの数々が、ナンチューても、本作のモノゴッツーな見どころでおます。

 ちゅうことで、本作のマイ・ベスト・スリーの、アクション・シークエンスをば、言いますと…。

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 ①サミュエルはんが致命的な痛手を受ける、クルマ蜂の巣銃撃、カー・チェイス・シーン。

 ②高速道路シーンでの、亡霊とのアクション。

 ③クライマックスの、一大アクション。衛星ミサイル発射・投下と、それを阻止せんとする、正義の味方たちアベンジャーズ側の死闘や。

 などと、軽くゆうてまいましたけども、全てのシーンはメッチャベタどす。

 で、ハリウッド映画らしいアクションの、オン・ザ・パレードでおます。

 空飛ぶ翼をキーにしはった、アンソニー・マッキーのアニキやら、キャプテン・アメリカの盟友にしてライバルの、蘇り系の亡霊役セバスチャン・スタンのアニキ。

 さらに、ゲストとして登場の、ロバート・レッドフォードはんの、ビミョーな役やら、ドラマ度合いを高める役者はんたちにも、メッチャな注目どすえ。

 さてはて、次の作品へのポイントも、ラストの方で3ポインツばかり示されます。それもまた、意味深で謎めいとって、メッチャな楽しみや。

 ちゅうことで、次なる新作が、胸ワクで待ち遠しいっちゅう、作品になっとりまっせ~。

 

2014年4月 3日 (木)

「ブラック・レイン」⇒第二回新・午前十時の映画祭どす

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高倉健、マイケル・ダグラス、松田優作ら主演・出演の、あのハリウッド名作のリバイバル上映や~

ハリウッド映画初にして唯一の、大阪ロケーション映画がスゴイでおます

http://www.asa10.eiga.com

4月5日サタデーから、4月18日フライデーまで、TOHOシネマズなんば、高槻アレックスシネマやらで、午前10時から1回上映でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

いきなりどすけども、日本ロケを行った歴代洋画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)を、披露させていただきます。

①本作(1989年製作・アメリカ映画)②ラスト・サムライ(2003年・アメリカ)③二十四時間の情事(1959年・フランス)④ロスト・イン・トランスレーション(2003年・アメリカ)⑤硫黄島からの手紙(2006年・アメリカ)

●幕末時代劇②や太平洋戦争もの⑤など、かつての日本の過去を捉えた映画が多い中で、

①③④は、ロケ当時を現代とした、現代日本の舞台映画に特化してはります。

それも、どちらかとゆうたら、東京舞台もんが多いんやけど、広島の③や大阪の本作は、特注ロケもんでおましょう。

中でも本作は、ハリウッド映画が大阪ロケをした、唯一の映画として、みんなの記憶に残るべき作品になっとりま。

発表当時の大阪のイメージよりも、よりSFチックにダークに未来化した、大阪を捉えてはりまして、

さらに、それまでの日本の外国人のイメージをば、ガラリと変えた1作でおました。

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その最たるところの「クラブみやこ」どすが、大阪・難波・戎(エビス)橋の「KPOキリンプラザ大阪」で撮影されました。

汚い道頓堀川を挟んで、そのビルの向かいあたりに、グリコの看板があるロケーションでおます。

パチンコ屋がある、京橋の京一会館やら、先頃火災に遭った、十三(じゅうそう)のサカエマチ商店街やら、福島区の中央卸売市場など、

現在の大阪ロケをしてはる日本映画の、観光的な大阪ロケ・イメージとは、全然違うとこに目を付けてはるんは、かなりと異彩を放っとります。

阿倍野区、西成区、大正区、住之江区に加え、堺市ロケ・シーンなどもそうどすやろか。

誇張もあります。けども、モノゴッツーある大阪ロケ日本映画とは、180度違う作りが、あんましにもスゴかったどす。

松田優作の遺作やったり、かつての主演映画以上に、高倉健さんのカッコヨサやったり、マイケル・ダグラスとの相棒ぶりやったり、イロイロ、エポック・メイクなとこもあります。

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さて、ここでもって、本作のリドリー・スコット監督の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同・全てアメリカ映画)を披露しよりますと…。

①本作②エイリアン(1979年)③テルマ&ルイーズ(1991年)④グラディエーター(2000年)⑤ブレードランナー(1982年)

●アカデミー作品賞をゲットしはった④よりも、コトバ1つが1人歩きした感がある②や、SF映画の金字塔の1作になっとる⑤など、映画史に残るケッサクもものしてはる、ハリウッド映画界の名監督、いわゆる巨匠。

「エイリアン2」(1986年)を監督した因縁からか、「タイタニック」(1997年)「アバター」(2009年)やらの、ジェームズ・キャメロン監督と、ライバルやろなて、ボクは勝手に思とります。

また、本作は、ベスト⑤的SF世界観やら、友情節としての③などと、リドリー監督自らの監督作品として、シンクロナイズするとこでおましょう。

本作はDVDやらでもモチ、見られるんやけど、ぜひとも、デッカイスクリーンでも、味わってもらいたい作品どす。

サントラにも魅了されがちの、ボク個人的には、健さんのマイケル・ダグラスへの、呼びかけの直後、

ラストロールで流れる、グレッグ・オールマンのメロディアス・バラード(「I'll be Holding On」)に、グッときよったで~。

モー、ホンマ、たまりまへんどした。カッコヨク締める映画の、見本でもありました。

2014年4月 2日 (水)

「ツイン・ドラゴン」⇒ジャッキー・チェン主演香港映画

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ジャッキー初の1人2役となった、1992年作品のリバイバルや

ジャッキー・ブランドの、アクション・コメディ調を、遺憾なく発揮

http://www.cinemart.co.jp/theater/special/hongkong-spring2014/

「春のプチ香港・中国エンターテイメントまつり」として、ツインはんの配給によりまして、4月5日のサタデーから、東京・シネマート六本木、4月12日~大阪・シネマート心斎橋やら、4月26日~京都みなみ会館やらで、全国順繰りのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ1991 Hong Kong Film Director's Guild Limited All Rights Reserved

1992年香港製作の、ジャッキー・チェン主演作品が、リバイバル上映だす。

ジャッキーてゆうたら、コミカル・カンフー・アクションの、ルーツ的俳優どす。

映画製作会社ショウブラザース製作や、ブルース・リー主演作など、1970年代以前の香港カンフー映画は、マジ・シリアスがメイン・ロードにあったんやけど、

1970年代後半頃から、コミカル・アクションものが出てまいります。

そして、ハリウッドまで進出したジャッキーは、そのトップ・リーダーであり、

「ライジング・ドラゴン」(2012年・香港映画)で、アクション俳優としての引退をば、表明しはったけども、現在もなお頂点の位置を、キープしてはります。

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そんなジャッキーの、アクション・コメディのマイ・ベスト・ファイブ(順不同)を、披露いたしますと…。

①本作②ドランク・モンキー酔拳(1978年・香港)③ライジング・ドラゴン④ラッシュアワー(1998年・アメリカ)⑤ヤング・マスター 師弟出馬(1980年・香港)

●インパクトある初期の②⑤、総決算的な③、ハリウッド主演作で一番オモロかった④。

でもって、本作は、日本の固定ファンのココロはつかんでいたけども、コミカル・アクトがマンネリズムに、陥りかけようとしていた頃に、出てきた快作や。

双子ツインもので先行したコメディ「ツインズ」(1988年・アメリカ)に、ヒントを得た作品やないやろかな。

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シュワちゃんとダニー・デヴィートとゆう、双子でも体型の違いで魅せた「ツインズ」に対して、

こちらは1人2役にして、繊細なピアニストと、ワイルドなチンピラぶりを動作で演じ分けるとゆう、アクション演技の緻密さを、披露しはるんどすえ。

しかも、みんなから間違えられて、役柄を入れ替えて披露するとこが、大きなキモになっとります。

カンフー・アクトな指揮者ぶり、ビビリもっての、護送車バス奪還アクション・パニックなど、

それまでのジャッキー・アクションに、新たな動き方を付加した、記念すべき1作やろと思います。

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でもって、ワザトラマンな展開やけども、それぞれの恋のお相手、マギー・チャンとニナ・リーに、最後の最後まで入れ替わりに気づかれないとこを、スレスレのコミカル・ラインで作られておます。

勘違いは、2人のお風呂シーン、ベッド・シーンにまで及んどるんどす。そんなアホな~なとこまで、笑かしてくれます。

このあたりのラブコメぶりは、アメリカン・ラブコメのセンスでおましょうか。

さらに、クライマックスのマフィア同士の抗争でも、その勘違いが、とことん続いてまいりまんねん。

港のドッグから自動車整備工場へと、なだれ流れるように続く、バトル・アクション・シークエンスは、ジャッキー・アクトでも、「酔拳」のインパクトが、蘇ったようでもありましたえ。

双子だけに、強い者のパワーが、弱い者に伝播する設定も、ユニークどした。

ちゅうことで、ラストロールで流れる、弦楽オーケストラにウットリしながら、満足感たっぷりに、映画館をあとにできることでおましょう。

2014年4月 1日 (火)

中国・香港映画「サイレント・ウォー」⇒スパイ映画の傑作どす

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トニー・レオンのアニキと、ジョウ・シュンのネーさんの、共演映画どす

時代感を終始示さはる、薄色配色が渋い作品やー

http://www.cinemart.co.jp/theater/special/hongkong-spring2014/

4月5日のサタデーから、ツインはんの配給によりまして、【春のプチ香港・中国エンターテイメントまつり】として、東京・シネマート六本木やらで上映どす。

関西やったら、4月12日からシネマート心斎橋、4月26日から京都みなみ会館やらで上映。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 Mei Ah Film Production Co., Ltd. All Rights Reserved.

中国の歴史の波の中で展開する、スパイ映画の渋い1本どす。

トニー・レオンのアニキと、ジョウ・シュンのネーさんが、共演しはりました。

2人のシブミある演技に、ボクは終始、魅了されとりました。

ちゅうことで、ここで、2人のマイ・ベスト・スリーをば披露いたします。

まずは、トニー・レオン。彼はキャリアがあるんで、ベスト・ファイブでいってみます。

①本作②花様年華(2000年製作・香港映画)③ブエノスアイレス(1997年・香港&日本)④HERO(2002年・中国)⑤インファナル・アフェア(2002年・香港)

●1983年に、映画界デビューした彼。2000年ミレニアム前後に、キャリア史上最高級の演技をば、披露してはったかと思いますが、

彼の持ち味は攻撃的よりも、受け身の抑えた演技の妙味どす。

攻撃的な④でさえも、その攻撃アクション性は、妙に緩和されとりました。

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そして、本作でも、その抑え演技の妙味が、披露されとります。

盲目ゆえか、聴覚が超先鋭化した主人公。暗号通信の微妙な音を、聞き分けるセンスを発揮。

室内で静かに音を聞き分ける演技が、音の行方を辿るような、想定映像のボカシ・ショットの、ユラユラ感を含めて、なんとも言えへんような雰囲気があります。

でもって、盟友ジョウ・シュンとの間で、展開する激情系の行動ぶりに、ググッときて、

そして、ラストの方では、クライマックスのスローモーをポイントにしはった、アクション・シーンを横目に、再び静謐系の演技へと転化。

アクションよりも、おとなしめの演技を、巧妙に演じるワザは、特筆とゆうか、まさにトニー節やと申せましょうや。

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さて、お次はスパイ役主演女優の、ジョウ・シュン・ネーさん。

中国4大美人の、1人に入ってはる彼女。

その冷静沈着な清楚なたたずまいは、本作の緊迫ある、アクション・サスペンス・シーンなんかでも、常に機能しとります。

マイ・ベスト・スリーは①本作②小さな中国のお針子(2002年・フランス)③クラウドアトラス(2013年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)

●ハリウッド出演作となった③などでも、冷静ぶりは健在どした。気品を保ちながらの、攻撃的な演技も素晴らしく、そのあたりは既に②から顕著どす。

本作では、そんなスタイルが、全面的に開花しとるように思えました。

スパイとしての冷静さを維持。感情は露わにはしはりまへん。で、潜入スパイとして、遂に…。

また、トニー・レオンとの絡みでは、感動できるキズナ・シーンが、いくつかござります。

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監督は「インファナル・アフェア」の共同監督アラン・マック。今作も共同監督になっとるけど、雰囲気を示す作品作りは好調。

例えば、1949年から数年の時代感を示すために、薄色の色褪せたシーンで、全編を押し通してはります。

ロングショットと、アップ・シーンのバランス感。

暗号解読のダイジェスト・シーンで、雄々しい管弦楽を流したり、

スローモーをポイントにした、クライマックス・シーンでは、壮大なオペラを流して、ドラマティックに、盛り上げたりしてはります。

中国・香港映画の、静なるスパイ映画として、記憶に残るべき快作どした。

台湾と中国の確執を描く点においては、

大河ドラマ「宗家の三姉妹」(1997年・香港&日本・弊ブログ内検索)とも、リンクする作品なんどすえ~。

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