無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月の記事

2014年3月31日 (月)

ニッポン映画「ゼウスの法廷」⇒法廷映画の新しどころ

Photo

自らのプライベート恋愛を、裁く裁判官とゆうスタイルの、裁判劇は史上初か

小島聖ネーと塩谷瞬アニキそれぞれの、最高傑作かも

http://www.movie-zeus.com

4月5日の土曜日から、グランカフェピクチャーズはんの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やら、4月12日から京都みなみ会館やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
ⒸGRAND KAFE PICTURES 2013

日本の裁判劇映画の中で、かつてないスパイスを取り込まはった作品どす。

ちゅうことで、ここで、裁判劇日本映画のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露いたします。

①本作②事件(1978年製作)③それでもボクはやってない(2007年)④真昼の暗黒(1956年)⑤12人の優しい日本人(1991年)⑤BOX 袴田事件 命とは(2010年弊ブログ内検索)

●全てが裁判の中身が、違うベストとなりました。殺人事件の裁判劇②、チカン裁判③、

冤罪もの④や、先頃再審が決定した⑤袴田事件(「名張毒ぶどう酒事件」として、別に映画化されてもいます)、日本の陪審員裁判を、先行して描いた⑤。

4
まあ、その種のアメリカン映画に触発された、カタチの作品がまま、あるんかもしれへんけど、

でも、本作は③と共に、日本のオリジナル・ポイントをば示さはった、作品やと言えるんやないやろか。

チカン裁判もそうやけど、本作のような、判事の個人的な恋愛にまつわる、その判事が裁く裁判劇とゆうのんは、映画史上、まず、あらへん設定なんどすえ~。

そして、裁判官主演男優の塩谷瞬アニキや、その裁かれる主人公の元婚約者役の、小島聖(ひじり)ネーさん共に、2人のキャリア最高の出来になっとります。

2
まずは、小島聖ネーさんのマイ・ベスト・スリーを申しますと、

①本作②完全なる飼育(1999年)③HYSTERIC(2000年)

●小島ネーのセクシャル系No.1の②、ロードムービーの犯罪もので、主人公と行を共にする役の③など、

どちらかとゆうたら、薄幸な女性の演技をやったら、そのたたずまいは聖ジルシゆうくらい、登録商標ができるくらいの凄みがありま。

本作では、その凄みを、裁判劇の中で、遺憾なく発揮しはりました。

3
対して、主演男優の塩谷瞬のアニキ。

これまでの彼のマイ最高傑作は、「パッチギ!」(2004年)どした。

実生活の恋愛模様が、話題になったりしとりましたけども、

沢尻えりかとの、ナイーブな恋愛を披露した「パッチギ!」の流れに即した、本作のラブ・ストーリー演技やったかと思います。

「パッチギ!」の学生的ナイーブは、本作では、裁判官的ナイーブへと変換されとります。

司法人として、恋愛へとどう向き合うのか、そのあたりを絶妙な抑えた演技で、見せてくれてはります。

6
主人公・裁判官の婚約者として、小島聖ネーがいてはります。

同棲してやるんやけど、2人の間は、セックスもするけども、クールな関係に終始してまいります。

裁判官の妻としてのクールさを、瞬のアニキが、強制しはるとこもありました。

でもって、聖ネーが同窓会に出席し、かつての恋人と仲が再燃しはり、

ほんで、いわゆる浮気へと走り、その彼氏との間で問題が発生し、彼氏を偶発的に、殺してまうっちゅうことに相なります。

5
このあたりの事件の流れは、日本の松本清張的3角関係的な、ミステリー・ドラマ性がありました。

そして、被告ヒロインと婚約を解消し、その事件を自らの意志で、裁くことになる瞬のアニキとゆう、実にドラマチックな方向へと進んでまいります。

ワザトラマンのように、感動的な展開を見せてはるようにも見えるけども、かつてない裁判劇的なドラマが、展開してゆきよります。

見ていて、ハラハラドキドキもありまっせ。

ラストのサプライズが唐突なんが、少し気になったけど、感動的な余韻は、損なってはおりまへん。

極上の法廷恋愛劇どした。

2014年3月30日 (日)

「テルマエ・ロマエⅡ」⇒日曜邦画劇場

1_2
あの大ヒット作品の続編でおます

阿部寛アニキと上戸彩ネーさんの、コンビぶりは快調どす

http://www.thermae-romae.jp

4月26日の「よい風呂の日」の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2_2
Ⓒ2014「テルマエ・ロマエⅡ」製作委員会

阿部寛のアニキてゆうたら、キャリア最初のイケメン、マジ演技の時は、泣かず飛ばずやったけど、

でもしか、コメディアン風味を入れて、ドカーンとブレイクしはりました。

イケメン俳優でこういうタイプは、日本では珍しおます。しかも、女優との漫才チックなコメディ調が似合うんも、珍しおすやろな。

「トリック」シリーズ(2002年~2013年製作)の仲間由紀恵、「チーム・バチスタの栄光」(2008年)の竹内結子。そして、本作の上戸彩ネーさん、しかりどす。

3_2
中でも、阿部アニキがローマ帝国から現代の日本へと、タイムスリップするところが、メッチャ面白く、前作は大ヒットしました。

そのスリップ・スタイルに加え、ユニークな阿部アニの呟きナレーションを、本編の前半から繰り出さはります。

「ベン・ハー」(1959年・アメリカ)やら「グラディエーター」(2000年・アメリカ)やらで描かれた、

コロシアム戦士たち向きの、テルマエ(湯)作りのためにスリップし、現代日本の相撲界のフロへ。

続いては、コドモ向けテルマエに、ユートピア湯なとこへ。

盗賊たちとのやり取りで、草津温泉へ行ったりと、そのバラエティーな、カルチャー・ギャップぶりがたまりまへん。

5_2
中でも、阿部アニがラーメンとギョーザに、感激するとこなどに加え、スシのワサビに、毒やないかとビビッたりと、

ギャップから発生するオモロイとこが、前作同様にテンコ盛りでおます。

竹で作られた外ブロなんぞは、ケッサクどした。

北島三郎の歌「与作」を、「ヘイヘイホ~」と歌いもって、湯に浸かる心地よさが、ローマ帝国の大浴場に反映されるとこなんかの、スーパー・ギャグぶりにもヤラレます。

でもしか、ナンセンスばっかりやありまへん。

時代考証は、コミック原作とはいえ、タイムスリップ系以外は、しっかりしてはります。

7_2
ローマ帝国の史実を変えることはなく、そんな中で、阿部アニと上戸彩ネーの、破天荒なやり取りと、キズナ描写は、本作のデッカイ見どころどす。

セピアの海辺の夕景をバックにした、2人の長回し撮影部は、胸に残るシーンやったかと思います。

4_2
マジな北村一輝アニキや、オトボケな笹野高史はんやらの、演技にも注目しておくんなまし。

また、ローマ帝国から現代日本へ行くために、太っちょ男がオペラを披露しはるシーンは、今回も健在どして、

しかも、今回はそんなオペラ男の、妻子との家族ドラマ仕立てになっとるんも、ご愛嬌でおます。

オペラの名曲「誰も寝てはならぬ」の壮大な流し方など、ドラマティックに胸にきよりました。

6_3
聖書ものや、紀元前戦争ものに付きものの、スペクタクル・シーンも、本作ではあります。

前作のローマのイタリア・ロケやなく、今回は、ブルガリア・ロケとゆうサプライズ。

コロシアム・シーンなど、いかにも古代ローマな造形が、ブルガリアで作られるとゆうのは驚きどした。

でもって、それらのシーンが、全く違和感なく伝わってきて、クライマックスのスペクタクル・シーンへと、続いてまいります。

阿部寛演じる主人公が、本作のまもなくあとに、死ぬとゆう史実があるんやけど、本作ではそこまでは描かれてへんので、第3弾はきっとあるハズどす。

ちゅうことで、楽しみにしときましょう。

2014年3月29日 (土)

「8月の家族たち」⇒週末ハリウッド映画劇場

8_2
オカンと娘役の、メリル・ストリープVSジュリア・ロバーツの演技戦が、強烈な1本

アメリカン家族ドラマの、新たな衝撃作が登場どす

http://august.asmik-ace.co.jp

4月18日のフライデーから、アスミック・エースはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

82
Copyright Ⓒ 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

アメリカン家族映画の、新味ある快作どす。

悲劇性もあるんやけど、まずは、その種のアメリカ映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば、披露しよりますと…。

●ベスト⇒①本作②アメリカン・ビューティー(1999年製作)③普通の人々(1980年)④欲望という名の電車(1951年)⑤怒りの葡萄(1940年)

●核家族系の悲劇ドラマ映画が、ほとんどやけど、本作は多数の親族が寄り集まって、群像劇的に丁々発止を展開する点では、アメリカン家族映画では、珍しおます。

83
でもって、共にアカデミー賞の主演女優賞をもろてはる、メリル・ストリープはんと、ジュリア・ロバーツのネーさんが、オカンと娘はん役で、ストレート・プレイをば魅せはりまんねん。

ちゅうことで、まずは、メリル・ストリープはんのマイ・ベスト・スリー(順不同)の披露どす。

①本作②ソフィーの選択(1982年)③プラダを着た悪魔(2006年)

●メリルはんの演技性は、神経質なビミョーなとこを、緻密に演じはるところだす。その意味では、本作は彼女の最高傑作やと思います。

81

さて、お次は、ジュリア・ロバーツのネーさんの場合どす。

①本作②エリン・ブロコビッチ(2000年)③クローサー(2004年)

●ジュリア・ネーさんは、攻撃的な演技性で、ベスト②あたりから、変わらはりました。

でもって、本作は助演ながらも、その攻撃性がキャリア最高の、演技ぶりになっとるかと思います。

本作は、ユアン・マクレガーやクリス・クーパーらの男優陣よりも、メリル、ジュリアを核に、女優陣の演技がキモになっとります。

84
脇でゆうと、二女役ジュリエット・ルイスのネーさんやら、伯母はん役マーゴ・マーティンデイルはん、三女役ジュリアン・ニコルソンのネーさん、

ネイティブ・アメリカン家政婦役の、ミスティ・アッパムのネーちゃん、ジュリアの娘役の、クールなアビゲイル・ブレスリンちゃんまで、

この家族群像劇の中で、キャリア最高とも言える、バイ・プレーヤーぶりをば示してはります。

つまり、演技の絡み合いにこそ、妙味がある作品なんどす。

86

ナンチューても、メリルVSジュリアが、大きな見どころどす。

鬼気迫るメリルの長ゼリフ、ロクでもない娘たちとクサすメリルと、ジュリアの大ゲンカ・シーンのインパクトしかり、

独壇場をゆくメリルに対し、必死の応戦ぶりを演じるジュリアとゆう構図に、女優演技の粋を見た思いどしたえ。

夫ユアン・マクレガーとの長回し撮影による、妻ジュリアの演技なんかも、ココロ震えよりました。

85
「オペラ座の怪人」(1925年)の、21世紀修復版がテレビでやってたりと、映画的引用も面白いどす。

さらに、舞台となるオクラホマの、暑い夏の描写が、イエロー・トーンで描かれていたり、サントラも絶品や。

アメリカン・フォークチックな歌を、冒頭とラストロールで流して、アメリカを意識させもって、アメリカン家族ドラマを、紡いでシメる点なども、渋~うおましたえ。

とゆうことで、女優たちの演技バーサスとしては、近年マレに見る傑作どした。

2014年3月28日 (金)

ポーランド映画「ワレサ 連帯の男」⇒ユーロ映画特選4

Photo
アンジェイ・ワイダ監督にしか、作れない作品どすえ~

ノーベル賞受賞の実在人間の、リアリティーあふれるヒューマン・ドラマや~

http://www.walesa-movie.com

4月5日の土曜日から、アルバトロス・フィルムはんの配給によりまして、岩波ホールほかで、全国漸次のロードショー。

関西やったら、4月26日からテアトル梅田、京都シネマやらで公開どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2013 AKSON SUDIO SP. ZOO, CANAL+CYROWY SP. ZOO, NAROOOWE CENTRUM KILTURY. TELEKOMUNIKACIA SA. ALL RIGHTS RESERVED

アンジェイ・ワイダ監督と、「連帯」のワレサ委員長。

いやはや、ポーランドの70年代~80年代を描くのに、これだけジャストフィットした映画は、映画史を俯瞰しても、かつてありまへんで。

ゅうのは、この2人は同じポーランド人でありまして、70~80'sに、映画監督的ピークを迎えた監督と、政治的社会的にクローズアップされ、ノーベル賞までもらった労働運動家の、いわゆる初コラボレートでおます。

2
同時代に同じ国で、活躍してはった方の、コラボっちゅうんは、それなりにはあるんやけど、本作はかなり衝撃的どした。

ボク的にはモチ、ワレサ委員長を映画化するんやったら、ハリウッドやらの監督より、ワイダ監督こそメッチャふさわしいやろと、夢見とったんやけど、

実際そんなん可能なんかと思とったりしとったんやけど、それが現実に可能になったんで、ビックラこきました。

4
ボクチンは頬をつねりながら、本作を上映する試写室へと出向きました。

いやはや、全編を見て驚きました。

サプライズが次から次へと、きよりましたがな。

従来のワイダ監督の、ネバネバした重厚感ある作品作りとは、全く正反対とも取れる、コンテンポラリーな作りに、驚いたんでおます。

今どきの若い方々にも、遡求するような作りやったんどす。

5
さて、ノーベル賞受賞者の、実話映画作品の、マイ・ベスト・スリー(順不同)をば言いますと…。

①本作②ガンジー(1982年製作・イギリス&インド合作)③ニクソンVSフロスト(2009年・アメリカ)やろか。

●実話がモチ、ベースやけど、本作は描かれる者の、詳細なとこまで踏み込んだ作品どす。

さらに、「アルジェの戦い」(1966年・イタリア&アルジェリア)みたいな、群衆的な抵抗描写も、キチンと捉えてはるんは良かったどす。

8
ワイダ監督のマイ・ベスト&カルト・スリーからも、本作は検証できます。ただ、DVD化されとる作品が少なくて、ホームで気軽に見れへんのやけど、取りあえずやってみますと…。全てポーランド映画どす。

●ベスト⇒①灰とダイヤモンド(1958年)②大理石の男(1977年)③鉄の男(1981年)

●カルト⇒①本作②カティンの森(2007年)③地下水道(1956年)

9
●ベスト②③やらの重厚さが、ワレサ委員長の台頭した時の作品で、当時の国情を反映した重みと、映画作家性が、シビアに反映されとります。

ベスト①やカルト③など、モノクロやからではないんやけど、暗みある描写に、ついハマルような作品どした。

カラーでもカルト②は、メッチャ暗いけど、でもしか、本作はそんなに暗くはありまへん。

6
むしろ、ワイダ監督作品の、誰にでも分かりやすい、普及版のような作りになっとります。

映画作家的には、モノクロ・ショットを絡めた、キズがフラッシュするような、フィルム的カットなどが頻出しよります。

映画フィルム作家としてのこだわりが、それとなく見え隠れして、映画ファンを魅了しはることでおましょう。

3
でも、いつ死期を迎えるか分からへん、晩年を迎えてはる監督とは申せ、本作では、監督のキャリアにない新しどころを、積極的に打ち出さはります。

そのあたりが、ボク的にはモノゴッツー、魅力キラキラでおましたえ。

7
現在と過去のカットバック・スタイルしかり、今まであまり描いてこなかった、家族ドラマとしてのところしかり、ウーンとうなれたり、感動があります。

でもって、昨日分析した「シンプル・シモン」のように、本国のロック・ナンバーを、歌ものサントラとして流さはりまんねん。

しかも、攻撃的なシーンでタイトに流されまんので、インパクトは大どした。

ロック・サントラ使いも、ハリウッド映画以上に練られておました。

ちゅうことで、ワイダ監督普及版の最高作どす。ココからワイダ作品へ入るんが、ベストどすえ~。

2014年3月27日 (木)

スウェディッシュ映画「シンプル・シモン」⇒ユーロ映画特選3

1

兄弟のキズナとラブ・ストーリーを、組み合わせた快作

ドラマを彩る、ポップ・ミュージックの数々が、カッコエエわー

http://www.simon-movie.jp

MAY5月3日の憲法記念日の日から、東京・渋谷のユーロスペースにて、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

5
Ⓒ2010 Naive AB, Sonet Film AB, Scenkonst Vasternorrland AB, Dagsljus AB, Ljud & Bildmedia AB, All Rights Reserved.

みなはん、昨日のアイルランド映画に続いて、アレやけど、スウェディッシュことスウェーデン映画を、これまでに見はったことはありますやろか。

まあ、あんましないやろなー。

実はどちらの国も、ポップ・ミュージックの方が映画より、日本や世界各国では有名どして、

本作では、ABBAやロクセットなど、世界的にブレイクしたアーティストの曲は、流れへんけども、キャッチーでカッコエエポップ・ミュージックが、多数流れてまいります。

3
ABBAやら女性ボーカルが、スウェディッシュ・ポップの要やとボクは思うんやけど、そんな心地いいポップやらが、グッときよるスロー・バラードのほか、

ギターとターンテーブルによる、ポップ・ロックなど、若者向けドラマ映画に似合った、歌ものサントラ使いが、まずは印象的どした。

「フラッシュダンス」(1983年製作)「愛と青春の旅だち」(1982年)「フットルース」(1984年)「トップガン」(1986年)など、1980年代に多数出た、ロック・サントラによる、

アメリカン青春・ラブ・ムービーのノリが、スウェーデンで蘇ったようでおました。

2
そのアメリカン・スタイルなノリは、作品性にも、反映しておますんどすえ。

自閉症の一種・アスペルガー症候群の主人公と、彼のアニキとの関係は、「レインマン」(1988年)なんぞを思い出すし、

主人公がよく見る映画が「2001年宇宙の旅」(1968年)やったり、

イギリス俳優やけど、ヒュー・グラントのハリウッド出演作をば、恋の手ほどきに利用したりと、アメリカ映画の作品への引用がされとります。

また、アメリカン・ラブコメからの影響も、垣間見えよります。

でもしか、アメリカナイズされとるように、見えつつもでんな、やはりユーロ映画らしい上質の、センスと香りがあるんどす。

6
病気のせいで、宇宙船想定のドラム缶に入って、8時間も籠もり、でもって、外のアニキやらと、宇宙の交信遊びをやって、自己アイデンティティーを確立してはる弟はん。

世界で初めて映画で取り上げられる、アスペルガー症候群だけに、いろんな設定で、主人公を癒やしの方向へと導く、自在性が作れます。

親の元を離れ、恋人と同棲中のダイスキなアニキのとこへ、居候しはる弟・主人公。

でもしか、彼のあまりな逸脱ぶりに、アニと同棲してた女は、出てゆかはります。

で、アニはそれを受け入れる。つまり、アニは恋人より、弟のことがスキなんどすわ。

4
恋人を失ったアニのために、弟は新しい彼女を、いろんな女にアンケートして、探し出そうとしはります。

このビョーキのベースにあるんは、自閉症なんで、ほかの人のことを思いやるなんてことは、現実的には不可能どす。

そやから、むしろ彼は、自分の快適な生活のために、アニの彼女を探すとゆうカンジ。

でもしか、見つけた彼女は、弟の意向に沿いつつも…。

奇妙な三角関係の中で、展開するラブ・ストーリーは、これまでにも多数作られてきよったけども、

ここまで、主人公が、自らの愛に対して、上の空ちゅう構図は、まあ、ありまへんやろな。

7
「カッコーの巣の上で」(1975年・アメリカ)なんかでも、自閉症の若いオトコんコの恋をば、取り上げてはったけど、こちらはもっと前向き。

ちゅうか、前向きにさせようとする、アニや彼女のサポート演技ぶりが、メッチャ好感を呼ぶんでおますよ。

正統系のハリウッドとは違う、変形ラブ・ストーリーやけど、意外にもさわやかな作りになっとります。

心地よいキモチで、映画館をあとにできる爽快作品。

デートムービーにも、おすすめどすえ~。

2014年3月26日 (水)

アイリッシュ映画「ダブリンの時計職人」⇒ユーロ映画特選2

1_2
ホームレス同士の、年の離れた男たちの友情節や~

アイルランドの今を捉えた、シブミある作品どす

http://www.uplink.co.jp/dublin/

3月29日のサタデーから、アップリンクはんの配給によりまして、東京・新宿K's Cinema、渋谷アップリンクやらで、全国順グリのロードショーだす。

関西やったら、4月26日の土曜日から、シネ・リーブル梅田やらで、ゴールデンウイーク・ロードショーどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2010 Ripple World Pictures Ltd・Helsinki Filmi Oy All Rights Reserve

みなはん、アイルランド映画、アイリッシュ・ムービーをば、見はったことはありますか。

すぐには思い出せへんかもしれへんけど、ニール・ジョーダン監督のサスペンス「クライング・ゲーム」(1992年製作・イギリス映画)とか、

ジム・シェリダン監督とダニエル・デイ・ルイスの「父の祈りを」(1993年・アメリカ)とかやろけど、

それらはアイルランドを舞台にしながらも、アイル映画ではありまへんどした。

アイル単独製作で映画を作れるほど、アイルは富裕国やなく、今はさらに、キツイ状況をば迎えてはります。

2_2
ちゅうことで、アイルの現況をば、シビアに捉えはったんが、本作でおます。

しかも、マイナー系映画とは申せ、アイルだけやなく、フィンランドからも、製作資金を出してもろてます。

そこでは、車上生活を強いられた、失業者の姿が描かれました。

ホームレスを描いた映画は、チャップリン映画をルーツとして、イロイロ作られてまいりましたが、チャップリンの頃のお気楽さは、今やいずこどして、この21世紀に入ると、重みや悲哀やシリアス度が増しておます。

そして、老いと若きという、年の離れた者同士の男の友情節が、押しつけがましくなく、さりげなく紡がれてもまいります。

4_2
その友情描写は、ベタなアメリカ映画やらとは違い、「イル・ポスティーノ」(1995年・イタリア)みたいに、ヨーロッパ映画らしい程よい距離感が、取られた作りになっとります。

海辺の駐車場のベンチで、2人が海を眺める背後からのツーショットや、森の中を車をブッ飛ばしたり、スイミング・ジムのプールで泳いだり…。

事件も起こるけど、マリファナ絡みで、若い方が身をさらに持ち崩していくんやけど、

アメリカン・ニューシネマ「真夜中のカーボーイ」(1969年・アメリカ)や「スケアクロウ」(1973年・アメリカ)みたいに、主人公が友を助けるとゆう、ドラマティックなとこは、控えめになっとるんで、

ともすると、友情がテーマなのに、あっさりしとるやんかーと、思わはる人もいてはるかもしれまへん。

3_2
でもしか、そんな「あっさり」にこそ、リアリティーがあるんだす。

みなはんの、身近なフツーの友との、付き合いを考えてみたら、実に分かりやすうなっとるかと思います。

その意味では、映画的なドラマ性よりも、現実味を重視してはると言えましょうか。

でも、主人公が若者のオトンのとこへ、ある物を届けに行くシークエンスなど、本作の最も感動的なところさえ、深みよりも渋み、動的な泣きよりも静的な沈着をば、カンジさせてくれはります。

花火のような都会の夜景、冷え冷えとしたり、セピアに穏やかやったりの、ダブリンの海のさまざまな表情描写なども、作品性に潤いをもたらしてまいります。

暗い森を過ぎたところには、夜空に星々が輝いているという、セリフにある通りどして、

前向きな希望あるラストが、待っとる映画でおます。

2014年3月25日 (火)

ドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」⇒ユーロ映画特選1

1

21世紀の今を生きる、1人の若者の1日を、モノクロームで捉えた作品や

多彩な名作へ、オマージュしながらの作りが、シブミありどす

http://www.cetera.co.jp/coffee

3月29日のサタデーから、セテラ・インターナショナルはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、上映でおます。その後、4月5日から京都シネマ、4月12日から神戸アートビレッジセンターやら、全国漸次のロードショーどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 Schiwago Film GmbH, Chromosom Filmproduktion, HR, arte All rights reserved

主人公のアンラッキーな1日を、モノクロームで描いたドイツ映画どす。

ドイツ映画で、モノクロームちゅうのんは、ボクが見たんでは、ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」(1987年製作・西ドイツ&フランス合作)以来、やったかと思います。

アメリカのジム・ジャームッシュ監督の、モノクロ作品などとも、大いにシンクロナイズするやもしれまへん。

さらに、フランス発のヌーヴェルバーグやら、本作の若者描写にも通じる、孤独映画へのオマージュやらが、さりげなく取り込まれておます。

2
ゴダール「勝手にしやがれ」(1959年・フランス)やら、トリュフォー「大人は判ってくれない」(1959年・フランス)やらの、ニュアンスを始め、

ルイ・マル「鬼火」(1963年・フランス)やら「タクシードライバー」(1976年・アメリカ)やらの、孤独映画に加え、

「スター・ウォーズ」(第1弾は1977年・アメリカ)の「R2D2」のセリフ引用など、多彩に過去の名作をば、思い出させてくれはります。

さらに、ドイツ・ベルリンの過去を、ドラマの中に滲ませてゆくとゆう、渋い作りになっとります。

3
さてはて、本作は、ドイツの2013年アカデミー賞で、作品・監督・主演男優・音楽を含む、6部門で受賞しはりました。

その主演男優は、ニコ・フィッシャー君。

コーヒーが飲めるまでの、悩ましき大仰な苦悩演技を、それこそ自然体のスムーズ感で演じて、魅了されよりました。

ニコ君は、最初から最後まで、悩ましいのでありました。

まあ、あんまし逼迫度は、高くはないんやけど、プチ・トラブルも、チリも積もれば山どして、ドラマティックにもなりまんねん。

5
ドイツの第2次世界大戦時代の、ドイツ人とユダヤ女とのラブを描く映画の、メイキングっぽいシーンがあったり…。

主人公と幼なじみの、小劇団の女優。元は太ってたらしいけど、ダイエットが成功し、凄くスリムな美女になった女との絡み。

そんな女優の、悶えるようなステージ演技なんぞも、披露されます。

主人公のクルマの免許を、返してもらうための、役人とのやり取りやら、バーで出会った元ナチらしい老人とのエピソードとか、オトンとのやり取りとか、

24時間の間に、いろんな体験をしはるんどす。

4
そんな1つ1つのエピソードが、印象的に紡がれ、綴られてまいります。

孤独な若者の肖像が、浮かんでくるかと思いきや、作りは至極あっさりしとるように見えよります。

でもしか、21世紀の今の若者を、過去の歴史的しがらみなどを入れつつも、小細工なしの正攻法で、描いてはるんやないかなと思います。

サントラ作りも、ジャームッシュ作品に通じる、カッコヨサがありましたえ。

軽快なピアノとトランペットやらに乗った、ジャズ・サントラ。

終始ノリノリなカンジやったし、ラストロールで流れる、フォーク・ロックな歌ナンバーにも、カッコヨサがありました。

ちゅうことで、ドイツ映画のニューウェイブをば、示さはったケッサクどした。

2014年3月24日 (月)

「60万回のトライ」⇒在日朝鮮高校生たちのスポ根ドキュどす

60
ドキュやけど、ラグビー・ドラマの新鮮味ある作品どす

在日入り韓国ドラマと、匹敵する作りのドキュでおました

http://www.komapress.net/

3月29日の土曜日から、浦安ドキュメンタリーオフィスはんの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで上映でおます。

東京では、オーディトリアム渋谷で公開中。今夏、韓国でも公開しはるそうどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

601
Ⓒコマプレス

東大阪市にある、大阪朝鮮高級学校のラグビー部が、全国高校大会で、2007年末開催の大会で、ベスト・フォーになりました。

高級学校てゆうても、いわゆる高校どす。

ほんで、在日韓国人の高校どす。とゆうか、韓国人よりも北朝鮮の在日の方が通てはる高校なんで、正確には、在日韓国は間違いやけど、

いずれにしても、朝鮮出身ちゅうことで、在日朝鮮人高校が、正しい表記になると、ある方から指摘を受けました。

ちなみに、モチ、日本人は入学・入部できまへん。

かつては、これらの純日本系やない高校は、エライ差別を受けてはりました。

とゆうか、2010年の高校無償化にも、日本人の高校やないからちゅうことで、外れてしもて、今もなお差別は続いておます。

603
でもしか、生徒たちはメッチャ元気やで~。

そんなラグビー部のスポ根・キズナを描いたドキュが本作どす。

本来やったら、ドラマ映画でこそ、映える素材やとは思うけど、ドラマティックに見ることも、十二分に可能どす。

韓国・日本の交流ものとなった「チルソクの夏」(2003年製作)やら、ラグビー限定のスポ根ものでも、日本のその種の映画よりも、ドラマティックかつ、リアルでおましたえ。

602
京都を舞台にした「パッチギ!」(2004年)やら、「血と骨」(2004年)などとも、それなりにシンクロするやろけど、

本作は、21世紀の現代の現状をば、描く点においては、最も新鮮味あふれる快作となっておましょうか。

ドキュ作品としては、「かぞくのくに」(2012年・弊ブログ内検索で出ます)がドラマの傑作となった、ヤン・ヨンヒのネーさんのドキュもあります。

まあ、それらは、キーワードは「家族」やったけど、本作はあくまで、「仲間」のキズナどす。タテの関係やなく、ヨコでおます。

607
高校野球の甲子園のように、高校ラグビーの殿堂は、大阪の花園ラグビー場でおます。

ほんでもって、彼らはすぐ近くにそこがあるちゅう、ロケーションでおます。その親しみある近所感にも、リラックスぶりが見えてよろしおます。

けども、ポイントはモチ、マジなとこどす。高校ラグビーニッポン1を目指す、いろんな練習ぶりや対策ぶりが、緻密に描かれてゆくとこに、本作の1つの大きな柱があります。

604
イングランドやオーストラリアとの対決やら、長野・菅平での合宿ぶりやら、当然、真剣モードの全国制覇への戦いが、シビアに描かれてまいります。

一方で、北朝鮮への修学旅行描写など、フツーなら緊張感あるとこを、ゆったりの癒やし感で捉えてはるとこなんかは、絶妙な味付けやったと思います。

605
ちゅうのは、橋下徹市長との絡みとか、社会問題やらを入れつつもでんな、

あくまで、ラグビー部のスポ根ものに、フォーカスするっちゅう作りなんで、クライマックスを含めてその後も、あと味さわやかな仕上がりになっとります。

「一心団結」やら「ノーサイド」の精神など、チーム・プレイとキズナを示す言葉の、イロイロにも魅せられました。

ナレーションを担当しはった、ボクのダイスキな名バイ・プレーヤー女優・根岸季衣(としえ)ネーさんの、

意外にも優しいコクある口調に、ついついシンミリやったり、ウットリやったり…。

ちゅうことで、スポーツ映画のさわやかさに、浸れる1本どす。

2014年3月23日 (日)

「クローズEXPLODE」⇒週末日本映画劇場2

Photo_2
あの大ヒットした2作に続く、新規バージョンの始まりどす

東出昌大クンと早乙女太一クンの、転校生組のバクレツ系が、本作の台風の目でおます

http://www.crows-movie.jp

エイプリル4月12日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2
Ⓒ2014高橋(はしごだか)ヒロシ/「クローズEXPLODE」製作委員会

学園もの不良・非行少年たちの日本映画も、かつての邦画の系譜を見ますれば、年を経るごとに、徐々にテンションが高くなり、遂には大バクレツ系の本作へと、たどり着いたところが見えたりしよります。

ちゅうことで、ここで、学園非行もの日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたします。

ちなみに、学園犯罪系ものは、「パズル」(3月11日付けで分析)のとこで披露しとります。

2_2
●ベスト⇒①パッチギ!(2004年)②嗚呼!!花の応援団(1976年)③けんかえれじい(1966年)

●カルト⇒①本作②ビーバップ・ハイスクール(1985年)③スケバン刑事(1987年)

●ベスト①の井筒和幸監督作品には、ほかにも「ガキ帝国」(1981年)や「岸和田少年愚連隊」(1996年)などのケッサクが目白押しやけど、

また、男女非行もののバイブルを作った、東映のカルト②③もありますが、

本作シリーズは、アクション映画としての凄味が、ハンパやありまへんねん。

3_2
そもそも「クローズZERO」(2007年)「クローズZEROⅡ」(2009年)は、

そのテッペン(学園の頂点)を目指すケンカ道が、かつての学園ものにはない、激バイオレント&アクトが繰り広げられておました。

教師を一切描かない、無法地帯的学園描写とゆうのんは、実は「クローズ」が出る前は、ほとんどなかったように思います。

センコーも描いてこその、学園もんやとは思うけど、その「仁義なき戦い」(1973年)チックな、無情で非情な闘いぶりには、鳥肌立つほどの凄みがあるんどすえ~。

4_2
「クローズ」で活躍した、永山絢斗、柳楽優弥、勝地涼らも出てくるけども、

シリーズ第3弾となる本作では、新たに仲間(!?)入りしはった、転校生や新入生たちに焦点が当たっとります。

転校生役の東出昌大(ひがしで・まさひろ)クン。

「桐島、部活やめるってよ」(2012年・弊ブログ内検索で出ます)の、大人しい生徒ぶりを最初は演じながら、やがては恐るべしケンカ魂を発揮する、そのギャップと凄み。

5_2
でもって、東出クンのケンカのお相手は、金髪の新1年生役の早乙女太一クンや。

この2人・2派の対決を、クライマックスにしながらも、要所要所で、アリエネーようなケンカ・シーンが、次々に出てまいります。

6
また、OB役の「やべきょうすけ」はんや、ヤクザのドン役・板尾創路との、大人の対決が、

メインの学園抗争ものに、ビミョーなアクセントをば、加えはります。

7
コミック原作らしい、縛りのないフリーキーでホンポーな作りが、ナンチューても、本作の最大の魅力やろな。

リアリティーなんか、関係ありまへん。

テッペン対決の、いろんなケンカの醍醐味を、理屈抜きに楽しみたい作品どす。

8
さてはて、非行少年たちの溜まり場として、ロックをプレイする、ライブハウスが出てまいります。

ライブで披露される、8ビート・ロックやら、タイトでアグレッシブなロック・ナンバーやら。

そして、ドラゴン・アッシュの、ハードなヒップホップなど、全ての曲がケンカ・シーンに、ピッタリフィットする歌ばっかりどすえ。

ちゅうことで、21世紀の進化した、不良学園もの娯楽アクションの、最高傑作でおまっせ~。

2014年3月22日 (土)

「サンブンノイチ」⇒週末日本映画劇場1

Photo
銀行強盗のあとさきを描いた、「レザボア・ドッグス」チックな1本どす

でもしか、その前準備段階も、稠密に描かはりました

http://www.sanbunnoichi.jp

4月1日の土曜日から、KADOKAWAはんと吉本興業はんの、配給によりまして、全国ロードショーでおます。

関西やったら、梅田ブルク7、大阪ステーションシティシネマやらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2014「サンブンノイチ」製作委員会

銀行強盗(現金輸送車襲撃も含む)もの映画てゆうたら、これまでにいっぱい出てきておます。

そんな中でも、日本映画としては、その種の名作洋画に迫る仕上げを示してはるんが、本作でおます。

ちゅうことで、日本映画のその種の映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(共に順不同)をば、披露してみよりますと…。

●ベスト⇒①本作②いつかギラギラする日(1992年製作)③TATOO<刺青>あり(1982年)

●カルト⇒①本作②陽気なギャングが地球を回す(2006年)③スペーストラベラーズ(2000年)

2
●本作は、ベストでもカルトでも、マイ・ベスト・スリーに入る快作でおました。

襲撃ものの快作ベスト②、実話をベースにしたベスト③、伊坂幸太郎原作の、ユニークなカルト②、銀行をメイン舞台にしたカルト③。

それらの作品では、描かれへんかった、銀行強盗襲撃後を、メインに描いてはります。

銀行強盗した3人(藤原竜也、田中聖、お笑いコンビのブラックマヨネーズの小杉竜一の各アニキ)が、逃亡中継地として、3人が勤めるキャバクラへと、逃れてくるとこから、物語は始まります。

3
銀行強盗して一時逃れた中継地で、仲間割れのドラマがスリリングに展開した、クェンティン・タランティーノ監督の、

「レザボア・ドッグス」(1991年・アメリカ映画)のノリが、濃厚に反映されとる作品どした。

しかも、銀行強盗部を、ストレートに描き切った名作「狼たちの午後」(1975年・アメリカ)や、アメリカン・ニューシネマの「俺たちに明日はない」(1967年)や「明日に向って撃て!」(1969年)とは違い、

あくまで実行部は、細かくは見せず、その前の準備段階や計画ぶりを、実行後から振り返るちゅう、凝った作りでいってはるんどす。

でもって、裏切り、裏切られの、どんでん返しのオン・パレードに、目が点になるっちゅう映画なんどす。

4
品川ヒロシ監督の第3作目やけど、本作がモチ、最高傑作どした。

ほんで、品川監督の映画的趣味が、そこかしこに散りばめられておます。

中島美嘉ネーさんの、セリフで出てくる「トゥルー・ロマンス」(1993年・アメリカ)やら、

藤原竜也のアニキが、作戦の今後に合わせて、映画を引用する「タイタニック」(1997年)「ゾンビ」(1978年・イタリア&アメリカ)「ボーン」シリーズ(2002年・2004年・2007年・アメリカ)、「ネゴシエーター」(1997年・アメリカ)など、

品川監督の映画への愛が、垣間見えるような作りでおました。

5
でもって、監督が意図したらしい、ジェット・コースターな群像劇が、多彩な役者陣によって、実現されとります。

終始冷静に思考するカンジでいってる、藤原竜也のアニキ。

対して、どこに与してるんか、最後までミステリアスに演技する、中島美嘉ネーさん。

藤原&中島2人の、思わせぶりなナレーションも、怪しさと謎々を深めてまいります。

窪塚洋介アニキの「GO」(2001年)を思い出す、トンデル演技ぶりや、ピーターこと池畑慎之介はんの、キャリア最高の悪役ぶりとかも、コンゲーム・ノリの映画に、見事なフックを刻んではります。

シリーズ化されそうな終わり方やったんで、次も期待できるやろと思います。

2014年3月21日 (金)

「リベンジ・マッチ」⇒週末ハリウッド映画劇場

Photo_2
「ロッキー」バーサス「レイジング・ブル」が、21世紀に実現や~

スタローンとデ・ニーロの、初共演にして初対決どす

http://www.revengematch.jp

エイプリル4月4日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2
Ⓒ2013 Warner Bros. Entertainment Inc.

シルベスター・スタローンはんとロバート・デ・ニーロはんの、初共演映画どす。

しかも、後期高齢者シニア映画にして、ボクシング映画とゆう、2人にとっては命懸け、トンデモ危ない感のある映画でおます。

とゆうことで、アメリカン映画のボクシング映画(女ボクシングもんは外します)の、マイ・ベスト&カルト・スリー(どちらも順不同)をば、ベスト&カルトとしては、久々に披露いたします。

●ベスト⇒①ロッキー(1976年製作のシリーズ第1弾)②レイジング・ブル(1980年)③シンデレラマン(2005年)

●カルト⇒①本作②チャンピオン(1949年)③チャンプ(1979年版)

3_2
●ボクシング映画の系譜で言うたら、イロイロあるけども、でもしか、ボクシング映画てゆうたら、「ロッキー」ちゅうくらい、ベスト①はシリーズ化されてもうて、ダントツの人気を誇っておます。

そんな①のスタローンに対し、ベスト②のデ・ニーロが、1984年に負けたリベンジ・マッチとして、2013年に挑むちゅう構図を持った作品が本作でおます。

不況期やった戦前の、実話や話となったベスト③カルト③とは違って、あくまで21世紀の今の話として展開しはります。

また、八百長なんかの話を入れて、ドラマ効果を狙ったカルト②とは違い、あくまでストレートに、1対1対決にこだわった作品どす。

4_3
今や引退してはる2人の因縁をば、冒頭でダイジェストで披露してはるんやけど、

作品的には、明らかにベスト①VSベスト②の今を描こうとする姿勢が、見え隠れしとりまして、

実はその裏テイストは、本編の最後の最後まで貫かれておます。

でもって、随所に、2人の現在形を盛り付けるとゆう手法どす。

2_3
例えば、「ロッキー」では、スタローンは練習で、食肉に対して打ち込んではったけど、本作では意味がないと、トレーナーから却下されます。

また、デ・ニーロが、ガッツ・ポーズを取るシーンは、「レイジング・ブル」のキメ動作へのオマージュをカンジたり…。

でもしか、「ロッキー」みたいに引き分け決着やなく、どちらかが勝つとゆうことにしてはるんは、メッチャ好感がありましたえ。

5_3
スタローン・サイドとデ・ニーロ・サイドの人間関係描写も、2人の映画キャリアを、考慮したカンジになっとりまして、そのあたりも、2人のオールド・ファンやらには、染みる仕掛けとなっておます。

キム・ベイシンガーを間に入れた、三角関係描写部、「ロッキー」を思い出させる、トレーナー役アラン・アーキンはんと、スタローンのキズナ描写部。

ほんで、デ・ニーロはんと息子とのキズナなど、誰にでも感動を、分かりやすく伝えるシーンも満載どす。

6_2
2人の試合をマネージメントする、ケビン・ハートのアニキの、タイトなトーク・シーンも、盛り上がる2人の対決への、見事なコメディ・リリーフの役をば、担ってはります。

でもって、歌ものサントラを、ほぼ全編に流しまくって、クライマックスの2人のシニア対決を、ググッと盛り上げてゆかはるんどす。

スローはなく、ハードロック、8ビートロック、キャッチーなポップロック、ラティーナ・ロックに加え、クライマックスでは、ダンサブルでノリノリのダンス・ナンバーや。

シニア映画らしからぬ、最後までスピーディーに展開する、快作どした。

2014年3月20日 (木)

ドイツ映画「ドストエフスキーと愛に生きる」⇒人間ドキュの快作

Photo
とある小説翻訳家の、人生を描かはった作品や

ナチス・ドイツやスターリン時代を、新側面から描いた1本どす

http://www.uplink.co.jp/dostoeuskii/

3月29日のサタデーから、シネ・リーブル梅田やら、4月5日~京都シネマ、4月12日~神戸アートビレッジセンターやらで、上映しはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
今も生きてはる、ロシア出身ドイツ現住の、ロシア文学女84歳翻訳家スヴェトラーナ・ガイヤーはんの、人生を描いたドキュメンタリー映画でおます。

一体、その方を捉えることで、どんな意味があるのんかと、不思議に思わはる方に、スタディしよりますと…。

ナンチューても、暗黒のロシア・スターリン時代と、ナチス・ドイツ時代を往来し、それでも尚かつ生き延びた、っちゅうとこに驚きがある映画なんどすえ。

2_2
ナチ関連の人間ドラマやドキュは、これまでに数多く輩出されておます。

そんな中において、本作がその種の映画の中で、一線を画するのんは、まずは、ナチを否定的に描いてへんとこにあります。

ナチの好意によって救われたとゆう、奇跡的な実話なんどす。

そんなナチ関係者に、救われたとゆう意味では、実話をベースにし、人口に膾炙した「戦場のピアニスト」(2002年製作・ポーランド&フランス合作)と、おんなじようなテイストのある作品でおましょうか。

3
ソ連のスターリンとナチス・ヒトラーてゆうたら、どっちも極悪エゲツナ政治家の、20世紀の2大悪党みたいなもんどすが、

そのどちらにも関わらはった、有名人とゆうのんは、そない多くはいてはりまへん。

それを体現しはったんが、本作ヒロインのガイヤーはんでおます。

4_2
彼女はロシア・ウクライナ・キエフ出身どした。

ところが、10代の頃、スターリンの悪政時代に、オトンが粛清に遭い、つまり収容所・強制労働・拷問に遭ってでんな、2700万人もが殺されたっちゅう中で、解放されたけど、結局エゲツナ拷問が尾を引いて、死んでしまわはります。

そこへ、第二次世界大戦の、ナチスの侵攻で、キエフが占領されます。

でもしか、彼女とオカンは、彼女が通訳者に起用されたことで、災難から免れます。

5
でもって、キエフがソ連に戻ってからも、母娘は、スターリン下に戻らず、ナチ軍と行を共にし、

本作のヒロイン・ガイヤーはんは、奇跡的にメッチャ優遇されはるんでおます。

そんな話が、モノクロ写真やらフィルムやらに加え、本人へのインタビューなどで綴られてまいります。

翻訳家の文学への情熱をば、描いてはいはるんやけど、

また、ドストエフスキー原作の「罪と罰」(1935年・フランス)やらの映画のシーンも挿入して、ドストエフスキー作品のドイツへの翻訳紹介も、熱心に描かれとるんやけど、

6
それらのシーンを媒介にして、巧妙に、ナチスやスターリンの問題を挿入してはるところにこそ、思わず膝を打ちたくなる作りどした。

ほんで、65年ぶりに祖国の故郷へと、大学での講義を兼ねて、孫娘と共に帰るシーンの数々が、ロードムービー的タッチで描かれておます。

本作の見どころの、メインとなるところだす。

7
電車や車の車窓から映される、街の風景や自然シーンの数々に、目が奪われてまいります。

美風景でもあり、ヒロインが見てる設定のこれらのシーンは、ボク的には、本作の一番の見どころやと思いました。

エゲツナイ話やら、文学翻訳の細かい話やら、気難しげな話もエエんやけど、

そんな中にも、ホッと和めるシーンの数々は、本作をより気品の香り高い作品に、してはるようにも思えました。

いつの間にやら、ガイヤーおばちゃんのファンになってるような、そんな作品でおました。

2014年3月19日 (水)

台湾ドキュメンタリー「戦酒」⇒大阪アジアン映画祭上映作品

Photo
希少価値の高い、酒をポシティブに描いた映画どす

また、中華圏の歴史入りドキュも珍しおます

http://www.oaff.jp

2014年3月7日~16日開催の「第9回大阪アジアン映画祭」の、特集企画「台湾:電影ルネッサンス2014」でスペシャル上映のあと、日本公開待機作となる作品でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

酒ドキュメンタリーやなんて、まあ、映画ドキュでは、あんましありまへんやろなあ~。

しかも、中国の戦中・戦後史と絡め、さらに、台湾・金門島の島ドキュメントも、織り交ぜて展開しはります。

さてはて、ドキュやないけど、酒にまつわるドラマ映画っちゅうのんは、映画史を振り返りますれば、総じて「負」のイメージの、高いもんが多うござりました。

「失われた週末」(1945年製作・アメリカ映画)しかり、「酒とバラの日々」(1962年・アメリカ)しかり、アル中で身を持ち崩してゆかはる人間のドラマが、ドラマ映えするゆうことが多かった。

けども、最近では、スコッチ・ウイスキーをばポイントにしはった、ケン・ローチ監督「天使の分け前」(弊ブログ内検索で出ます)など、アルコールを前向きなカンジで、巧妙に映画に取り入れた作品が出てきておます。

でもって、本作。

金門島の住民を救ったちゅう、ポシティブな捉え方で酒を採り上げはりました。

酒の銘柄は、コーリャン酒でおます。

チャン・イーモウ監督の「紅いコーリャン」(1987年・中国)なんかで、コーリャン栽培が描かれとりましたが、そのコーリャンを使って、酒を発酵し蒸留するんでおます。

日本でゆうたら、京都・伏見や兵庫県・灘の日本酒や、サントリーの山崎の、モルト・ウイスキーみたいなもんやろか。

酒造りには、水が大きなキーワードになるんやけど、そのあたりも描きつつでんな、酒造りの実際が映されとります。

でもって、それが金門島住民に「中国で一番幸せな人たち」の繁栄を、もたらしたっちゅうとこを、ドキュの手法を使って描いてゆかはります。

工場経営者の関係者へのインタビュー、モノクロ・カットによる、戦争シーンや過去のシーン、

そして、当時のフィルムが消失してしもうとるんで、当時の模様を、薄色配色部として、ドラマチックに再現しはったりを、モンタージュして、束ねて作られておます。

再現部が頻出するんで、どちらかとゆうたら、半分ドラマ半分ドキュちゅうような具合どすやろか。

でもしか、インタビューのリズムと撮り下ろし部(ラブ・ストーリーまでありま)が、妙にマッチングしとって、スムーズに流れに乗って、金門島の歴史が俯瞰できよります。

そんな金門島の俯瞰撮影を含めた、美しき風景のショットやら、長琴やら二胡やらの楽器演奏シーンなどが、癒やしの効果も高めておました。

本作品を手がけた、台湾のドキュメンタリー監督の旗手ピーター・タンのアニキは、本作のPRに来日・来阪しはったけど、

その真摯にして冷静沈着な語りぶりには、それだけでも魅せられるようなカンジやったどす。

中華圏ドキュの可能性をば示す、快作でおました。

2014年3月18日 (火)

韓国映画「友へ チング2」⇒アノ作品の続編どす

1_2
前作以上に、アクション・バイオレンス・シーンが、大増量やで~

歴代韓国映画のベスト・スリーに入る、大ケッサクどす

http://www.oaff.jp

「第9回大阪アジアン映画祭」(2014年3月7日~16日)で、サプライズ上映後、日本公開待機作となる作品どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

あの韓国映画の大ヒット作にして、ケッサク印の「友へ チング」(2001年製作・韓国映画)の、何と12年ぶりとなる、続編でおます。

現在、韓国本国で大ヒット中どす。

そんなケッサクをば、ボクチンは「第9回大阪アジアン映画祭」開催中の、大阪・九条の映画館シネ・ヌーヴォはんで、見させてもらいました。

でもって、前作を超えた仕上がりぶりに、胸キュンになってしもたんどすえ~。

ここで、歴代韓国映画のマイ・ベストテン(順不同)をば、披露さしてもらいま。

2_2
①本作(2013年)②オアシス(2002年)③シュリ(1999年)④オールド・ボーイ(2003年)⑤春夏秋冬そして春(2003年)

⑥グエムル 漢江の怪物(2006年)⑦猟奇的な彼女(2001年)⑧殺人の追憶(2003年)⑨JSA(2000年)⑩風の丘を越えて(1993年)⑩友へ チング⑩息もできない(2009年)

●韓国映画が日本で、次から次へと公開されとった、2000年代前半の作品が、主流になっとりますが、

最近は、韓国映画の公開が、少なくなってきとりまして、なかなかケッサクをば、見させてもらえへん時期が続いとりました。

3_2
でもしか、本作が韓国映画の閉塞した状況を、ドカーンと解消してくれはりました。

過去をば見てみよりますと、南北問題を入れた③⑨、ラブ・ストーリー②⑦、パニックもの⑥、ミステリー⑧、アート系⑤などと出とりましたが、

本作はおそらく、韓国映画史上初の、本格的ヤクザ映画になっとるんやないやろか。

前作でも確かに、ヤクザ映画なタッチはあったけど、本作ではさらに進化させはって、日本の「仁義なき戦い」(第1弾は1973年)と、肩を並べるようなケッサクになっとります。

4
前作で、チャン・ドンゴンが演じた友を、殺した罪で、ムショ入りしたジュンソク(ユ・オソンのアニキ=写真1番目の左・写真4枚目)が、17年のお勤めをやらはって、めでたく出所しはります。

この17年の時を示すために、たぶん長らく続編が、作られへんかったんでおましょう。

その前に、かつて付き合った女が面会に訪れ、自分の息子(チュ・ジンモ=写真3枚目の右・写真5枚目の真ん中)が暴れて、1年の刑期でムショ入りしてもうたんで、面倒見たってと、依頼されはります。

でもって、ジュンソクと、息子の付き合いが始まります。

ほんで、共に出所して、2派に分かれたヤクザ組織の抗争が、始まるっちゅう展開どす。

5
ジュンソクのオトンの、1960年代のヤクザ組織立ち上げをば、「ゴッドファーザーPARTⅡ」(1974年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)のように、プレイバックしもって、

いわゆる変形3世代の、ヤクザの系譜を示すとゆう、大河ドラマ風な味付けがなされておます。

ほんで、ナンチューても凄いのは、空中戦の銃撃戦を一切排し、バットやナイフや体一つで、対決するとゆう、ガチ・バトル・シーンの連続に、目が点になってまいます。

ベストテン抗争バトル・シーンを、出せるくらいのモノすさまじさどして、

こんだけ生身の激闘シーンを盛り付けはったんは、映画史上初めてなんやないやろかと、思えるくらいなんどすえ~。

そして、後半に明かされる、息子チュ・ジンモの出生の秘密。

それにまつわるサプライズなど、男たちのやる瀬なさが胸を打ちよります。

ちゅうことで、韓国映画久々の大ケッサクをお楽しみくだされ。

2014年3月17日 (月)

中国映画「So Young」⇒昨年中国本国で大ヒットした作品やー

1
「レッドクリフ」「少林サッカー」やらの女優ヴィッキー・チャオのネーさんの、初監督作品どすえ~

ヒロインの造形ぶりが、キョーレツ至極な作品になっとりまっせー

http://www.oaff.jp

3月7日~16日の「第9回大阪アジアン映画祭」でスペシャル上映後、日本公開待機作品でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

中国4大美人女優(チャン・ツィイー、ジョウ・シュン、シュー・ジンレイ)の1人、ヴィッキー・チャオのネーさんが、何と映画初監督をしはりました。

女優監督作品てゆうたら、ケッコーあります。

最近やったら、アンジェリーナ・ジョリー、ナタリー・ポートマン、フランスのジュリー・デルピーなども、作品を発表してはりますが、

男優監督が幅を利かせる中でも、女優らしい繊細なとこが紡がれておました。

そして、本作は、いかにもハチャメチャにも見えんこともない、ヒロイン'sドラマを、

チャオ・ネーさんの優しさで、とことんくるんでみせるとゆう、作りにはなっとるかと思います。

描かれるんは、大学時代どす。

フツーは学園ものてゆうたら、高校時代が圧倒的に多く、大学とゆうのんは、今の中国のキモにもなってるとこかもしれず、中国映画の現代性を示してはるとも言えます。

2
大学時代、そして後半は、卒業後10年を経た現代、とゆう作りになっとります。

フツーやったら、現代からあの頃を振り返るっちゅう、カットバック的手法を使うもんやけども、チャオ・ネーさんは、意表を突くことを旨にしてはるかのように、フツーのマニュアル的作りを、ワザトラマンのように、排してはります。

誰にでも分かりやすく、ストレートに、時代に合わせて、順番に作ってゆかはります。

でもって、中でも特注は、ヒロインの造形ぶりでおました。

こんな女いるんやろか~、っちゅうキャラ造形ぶりに、首をひねりつつも、思わず魅せられ、魅入らせてしまうのんは、スゴミがありました。

女の子が相手にケンカを売りながらも、スキになってゆく展開とゆうのんは、これまでのラブコメ、ラブ・ストーリー映画の展開にはまずなく、このあたりのオリジンは突出しとりまして、

ひょっとして、チャオ・ネーさんの特殊な実話なんぞが、反映されとるんかとも、思えるようなリアリティー感どした。

3
ラブコメ調が、中盤・後半に向かうにつれ、シリアス・モードになってゆく作りは、最近のラブコメでは、定番化しとるけど、

本作はその段差がかなり強烈で、印象に残ってきよります。

ヒロインの女友達3人に加え、男友達たちも断片的に描かれて、整理されてへん雑多なカンジになっとるんが、少々気にはなったけど、

さらに、ヒロインの美人女友達の、唐突な交通事故死なんぞは、かなりと首ひねりやったけど、

それでも、本作の素晴らしさや好感度は、ヒロインの生き方にありましたどすえ。

大好きになる男にケンカを売り、付き合ってる男をボートから蹴落とし、ヒロインの心理的な流れには、かなり違和感をカンジたんやけど、

それこそ力技ちゅうんやろか、強引にも納得させられてまうところへと、着地させるとこが、ある意味でトンデルような作りなんやろな~、たぶん。

大事マンブラザーズバンド「それが大事」の、中国語の歌を熱烈に歌い、「風と共に去りぬ」(1939年・アメリカ)の、スカーレット役ヴィヴィアン・リーみたいに、故郷へ帰ることを選択するヒロインの、

波瀾万丈的にも、見えんこともない姿が、奇妙奇天烈にも、胸にくる1本でおました。

変形かもしれへんけども、ヒロイン映画の、何とも新味ある快作どしたえ~。

2014年3月16日 (日)

「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」⇒日曜邦画劇場

Photo
テレビ・ドラマ・シリーズを受けて、映画版第3弾にして感動的フィナーレへ

仲村トオルと伊藤淳史のコンビぶりは、シメも快調どすえ~

http://www.batista-movie.jp

弥生3月29日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2014「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」製作委員会

医療ミステリーの、21世紀的な新境地をば、開かはった本作シリーズ。

病院もの映画については、「神様のカルテ2」(3月2日付けで分析)のとこで、総括しよったけど、

病院ミステリー映画としての、ポイントでゆうたら、本作シリーズは過去最大に、オモロイもんになっとるかと思います。

2
映画版は本作で、第3弾にしてファイナルなんやけど、第1弾・2弾のキャスティングとは違い、テレビ・シリーズでのキャスティングでいかはった、シメ・バージョンでおます。

阿部寛は仲村トオルに、竹内結子は伊藤淳史になっとります。

その意味では、本作こそがテレビドラマの、正統的劇場版ちゅうことになるんやろかな。

3
本作はファイナルを冠してはるだけに、ラスト・エピソードとなります。

その一つ前の事件が、テレビ・シリーズの第4弾で今、オンエアされとるんやけど、

本作はその事件とつながりも、少々あるもんどすさかい、決着したテレビドラマのネタも、セリフで出てまいります。

その結末部は、3月18日にオンエアされるんやけど、本作を見るポイントとしては、テレビ・シリーズを見ておくんは、必須の項目やもしれまへん。

4
さてはて、シリーズのラストでは、薬害にまつわる事件をば、描かはりました。

海辺の別荘の地下部屋で、10人中9人が死ぬっちゅう事件が発生しました。生き長らえた1人はモチ、入院治療中どす。

この10人の共通項は、全員が薬害となった薬に関わらはった、医療関係者どした。

そやから、その薬害で愛する人を亡くした者の、リベンジ的な殺人やとゆうのんは、当たり前のように出てはきよります。

9
但しでんな、ミステリー的ポイントとしては、いくつかの疑問点やらがあります。

ペットボトルを飲むやろうとゆう、可能性の犯罪である点。

一室に閉じ込められてしもても、ケータイやスマホは使えるやんかとか、

建築法を無視した建物の作り(エレベーター以外に、階段も設置しなければならない)とかが、どうなんかが首をひねるとこどした。

5
でもしか、それらは深く突っ込んでみて、分かることなんで、フツーに見ていったら、不思議には思えずに、緊張感を持続して楽しめまっせ。

テレビシリーズから続く、栗山千明ネーさん。その謎めき度は本作では、最高の人になってはりましたえ。

7
ほんで、いわゆるゲスト出演となる、女記者役の桐谷美玲チャンに、Aiシステム(解剖せんでも、死因などの詳細が分かるコンピ機械)導入の、カナメとならはる生瀬勝久はん。

共に、キーとなる役柄やけど、でも、美玲チャンは、どうなんやろかな…と思たりもするけど、伏線はモチ、キチッと敷かれとります。

8
西島秀俊、松坂桃李やら、寡黙な中でも、医者的ヒューマニズムを示す演技ぶりとか、

押しの仲村と控えの伊藤のコンビぶりの、いつもながらの面白さにも、安心して魅せられる作りになっとります。

6
タイムリミットなハラドキを、盛り付けた作り。

バイオリン・オーケストラを中心とした、サントラ使いの感動。

仲村トオル白鳥の、過去の汚点が、明らかになったりする意外性なんぞも、スゴイでっせー。

何はともあれ、フィナーレにふさわしい、1本になっとります。

2014年3月15日 (土)

「ファイアー・ブラスト 恋に落ちた消防士」⇒韓国映画特選4

6_3
「海猿」シリーズの、韓国映画バージョンとも取れます

「高地戦」のコ・スと、ドラマ「トンイ」のハン・ヒョジュのラブ・ストーリーどす

http://www.cinemart.co.jp

「韓国映画セレクション Vol.2」の1本として、ツインはんの配給によりまして、4月5日のサタデーから、東京・シネマート新宿、4月19日の土曜日から、大阪・シネマート心斎橋やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1_3
Ⓒ2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved

女医者と男消防士の、本格的なラブ・ストーリーでおます。

今回の「韓国映画セレクション」の3作の中では、最もポピュラリズムある作品どす。

韓国映画の恋愛映画は、弊ブログではこれまでにも、それなりに分析してまいりましたけども、本作はその種の作品の中でも、最高傑作のラインに入るような仕上がりでおます。

入りの面白さが絶品どした。

医療ミスを犯してもうた女医者が、患者側から訴えられるんやけど、

その時に関わった消防士に、自分により良い方向へと、証言してもらうように、接近しはります。

でもって、より良い返答がもらえないんで、友達と共に、消防隊の中へ、サポーター役として入ってまで、彼のとこへ。

2_4
女医者と男消防士の恋愛とゆうのんは、これまでの映画には、そない事例はありまへん。

でもって、こおゆう映画の場合は、今さらながらも、出てる主演2人が、日本で売れるかどうかをば、メッチャ左右しはります。

3_3
消防士役・主演男優はんは、コ・スのアニキでおます。

韓流にゾッコンの方々には、メッチャなイケメン俳優はんどすんで、どうにもたまりまへんハズや。

戦争映画「高地戦」(弊ブログ内検索で出ます)では、ワイルドかつナイーブな演技に、魅了されましたけども、

本作では、クールな好感度ある、イケメンぶりをば発揮してはります。

7_3

でもって、主演女優はんのハン・ヒョジュのネーさん。「王になった男」(弊ブログ内検索)にも出て、イ・ビョンホンと絡んではったけど、

NHKでの韓流テレビドラマ「トンイ」の主演は、メッチャ好感度あふれる演技で、魅せてくれてはりました。

ほんで、本作では「トンイ」の、シリアス真面目系も見せつつも、攻撃的に喋り散らし、

でもって、随所でカワユイ系の、コメディエンヌぶりをば披露しやるんどすえ。

4_3
ハングルのキャッチーなバンド・サウンド・バラードに乗ってのクライマックスで、2人が会うシーンの演出とか、

「海猿」シリーズ(第1弾は2004年・日本)でも披露された、レスキューしはる、自己犠牲精神のパニック・シーンやとか、

感動的なシーンが、イロイロとやってまいります。

5_3
でもしか、その感動の前には、チビチビと2人の絡み合いシーンが、披露されとります。

ラブ・ストーリーとしてのセオリーや定番が入りつつも、モノゴッツー分かりやすくて、感情移入しやすい作りが、大衆にアピールしはることでおましょう。

海辺の夕景シーンなどもウットリできるし、サントラ使いも巧妙や。

バイオリンなどの弦楽の使い方はモチ、キャッチーな歌ものナンバーを流して、カッコエエような、エエカンジを見せはります。

「バックドラフト」(1991年・アメリカ)や「タワーリング・インフェルノ」(1974年・アメリカ)やらの、シビアさとは違う、

ラブ・ストーリーとしての、柔軟性が渋い快作どす。

2人を核とした、人間関係ドラマの妙味も、味わってくだされまし。

2014年3月14日 (金)

芸能界映画「トップスター」⇒韓国映画特選3

1_2

芸能界の裏側を描く作品の、系譜に入ります

芸能界に人間的キズナは、果たしてあるんかを描いた1本どす

http://www.cinemart.co.jp

「韓国映画セレクション Vol.2」の1本として、ツインはんの配給によりまして、4月5日のサタデーから、東京・シネマート新宿、4月19日の土曜日から、大阪・シネマート心斎橋やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2_2
Ⓒ2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved

映画界・テレビ界の映像界の芸能界の、裏側を描いた韓国映画どす。

そんな芸能界の裏側を描いた映画は、これまでにいっぱい(ボク的には優に100本以上はありま)ござりますけども、

そんな中でも、本作の特異性は、パク・ジョンフンとゆう俳優をやってはる方の、監督作品とゆう点どす。

俳優とゆう視点から、芸能界の裏側を描いた映画としては、実は映画史を振り返りますれば、そないにありまへん。

3_2
クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォードらの巨匠級の監督作品など、俳優兼監督作品には、名作も多いんやけど、

「クイズ・ショウ」(1994年製作・アメリカ映画)など、特定マスコミ界の世界を描く作品はあるんやけど、なぜか芸能人の人間関係に、特化した作品はありまへん。

でもって、芸能界に人間的なキズナは、果たしてあり得るのか。そういう領域にまで踏み込んだケッサクが、本作やと思います。

4_2
スター男優(キム・ミンジュンのアニキ)のマネージャーやってた男(オム・テウンのアニキ)が、キムの不祥事を肩代わりして、キムからその代償として、主役級のドラマへの出演をもらわはります。

ほんで、それをきっかけに、テウンはスター街道を突っ走るとゆう、大まかなストーリー展開でおます。

そんな中で、2人の間やら、キムの恋人の、美人女プロデューサー(ソ・イヒョンのネーさん)などを加えた、人間関係図が繰り広げられてまいります。

5_2
オム・テウンが、控えめから徐々に傲慢になってゆくとことか、キム・ミンジュンが、心理の光と影を絶妙に演じたりと、この2人の関係と描写は、本作における最もキモとなるところでした。

フツーなら、女プロデューサーとの三角関係図の中で、男女の綾をビミョーに映すような、業界もんが多い中でも、この点はオリジンがありましたやろか。

7_2
芸能界で果たして、人間らしいキズナは築けるんか。

ボクは、そのあたりのとこを、本作は訴えかけるような作品になっとるかと思いました。

男女のラブよりも、男同士のキズナをメインに追求してはるとこなんぞが、エエカンジどした。

加瀬亮、浅野忠信、チャン・ドンゴンなどに加え、キム・ヨナなんぞまでもセリフに入れて、業界らしさを加えはります。

また、映画賞の受賞シーンも、芸能界らしさを付加。

6_2
背景・バックボーン作りの緻密さに加え、映画のメイキング・シーン、さらに、監督の俳優論やら、アン・ソンギはんの言葉など、映画やドラマへの渋いセリフとかも、時おり押しつけがましくなく、挿入されとります。

オム・テウン視点で、セピアとブルーを、フラッシュバックさせるとこなど、映画的表現も結構入れてはりまっせ。

アコースティックな男ポップス、エレキ・ギターによるバンド・ロック・サウンド、ゆったりのギターなど、多彩なサントラ使いも良かったどす。

2014年3月13日 (木)

超絶ラブコメ「恋愛の温度」⇒韓国映画特選2

4

別れてからの展開が、トンデモないことになっとる、ラブ・ストーリーや~

イ・ミンギとキム・ミニのフレッシュ男女コンビが、とことんじっくりと、やってくれはりました

http://www.cinemart.co.jp

「韓国映画セレクション Vol.2」の1本として、ツインはんの配給によりまして、4月5日のサタデーから、東京・シネマート新宿、4月19日の土曜日から、大阪・シネマート心斎橋やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved

ラブコメちゅうたら、お国柄によって、色合いちゅうもんがあったりしよります。

例えば、アメリカ、日本、ユーロ各国、そして本作の韓国などと、それぞれにビミョーな違いがあります。

けども、デートムービーとして重要な、前向きなラブ・ストーリーが、基本にはあるやろかと思います。そやから、悲しい結末とゆうのんは、滅多にありまへん。

3
つまりは、安心して見られるんやけど、そんなんやったらオモロないちゅう方も、いてはることでおましょう。

でもしか、時おりハッとさせる、冒険心をば発揮しはるような作品があります。本作もそんな1本となりました。

これまでにいっぱい出てきた、韓国ラブコメでも、少しく違ったとこが見受けられる作品どした。

ラブコメ・モードとシリアス・モードが合体し、

フランク・キャプラ監督のアカデミー賞作品賞ゲット作「或る夜の出来事」(1934年製作・アメリカ映画)が嚆矢(こうし=ルーツ)とされる、

「スクリューボール・コメディ」の応用編が展開されておます。

6
共に銀行員の社内恋愛で、付き合ってきた2人が別れてから、メタメタなケンカのやり合いをば展開しはります。

「イカレ女」「クズ野郎」などは、フツーや。

ちゅうことで、詳しくは見てのお楽しみどすが、考えられへんようなヤツを、繰り返さはりまりまんねん。

でも、彼女のセックス写真がネットで公開されて、それを彼がやりよった男に激しく攻撃し、

そんなこんなが効を奏して、2人はヨリを取り戻し、再び付き合い始め、彼からのプロポーズで、結婚直前までいきそうに…。

7
サブ的ポイントとして、お話は、銀行員の恋愛模様を、インタビューしたりするドキュメンタリーのタッチを、大胆に取り入れてはります。

こういう恋愛メイキングな、タッチも新鮮どす。そして、コレが最後の最後に効いてくる、っちゅうようなことになっとります。

8
画像では、そんな2人のいろんな時のツー・ショットが、映されておます。

写真だけを見たら、2人しか出てけえへんのかいなと、思われるやもしれへんけど、確かに、いろんな人が出てくるにも関わらず、

この2人の演技が、見終わっても、2人芝居やったと思うくらい、2人の粘着力ある、ネバネバ演技が光っとります。

5
男優はイ・ミンギのアニキ。女優はキム・ミニのネーさん。

日本では、2人共、ほとんど無名に近いけども、このトンデルラブコメにふさわしい、しつこさやら粘り気ある演技が、妙にクセになってもうて、ココロに粘ついてきよりました。

2
別れるシーンの割り切り感なんぞは、「追憶」(1973年製作・アメリカ映画)やらを思い出すし、

その恋愛のテイストは、「猟奇的な彼女」(2001年・韓国)なんかと、シンクロするやもしれまへん。

アコーディオン、トランペットを配し、ピアノやバイオリンと合わせて、耳にこびり付く、コミカルかつビビッドなサントラ使いは、印象に残りました。

ラブコメ新次元やとゆうても、エエはずの快作なんどすえ~。

2014年3月12日 (水)

サバイバル映画「チスル」⇒韓国映画特選1

Photo
現代韓国映画では、メッチャ稀少なモノクロ映画どっせー

韓国戦後史の隠れた悲劇を、初めて描いたチョー問題作やでー

http://www.u-picc.com/jiseul/

弥生3月29日の土曜日から、SUMOMOはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやら、関西やったら、シネマート心斎橋で、4月19日からシネ・ヌーヴォやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2012 Japari Film

歴史の中に埋もれてしもとる、民衆攻撃・虐待を捉えた作品どす。

1948年4月3日に、「冬のソナタ」ロケで有名な、世界遺産・済州島で、発生した事件でおます。

一部の武装した島民のせいで、全島民を抹殺しようとした、アメリカ・韓国の軍の、非情性が如実に出た作品どした。

政府が民衆を無差別に弾圧した、実話ベースの韓国映画では、「光州5.18」(2007年製作)に匹敵しよります。

また、軍の実話系では、「シルミド/SILMIDO」(2003年)などとも、リンクするやもしれまへん。いずれにいたしましても、メッチャ暗い映画ではあるんやけど…。

2
まあ、現代の韓国映画では珍しい、モノクロで描かれとるせいもあるやろけど、その種の日本映画でゆうたら、「ひめゆりの塔」(1952年)の暗みをば、思い出させますで。

逃げる島民たちの群像劇でもあり、サバイバル劇でもあるんやけど、いろんな人たちがモノクロで出てくるんで、

見る者の頭の中での、登場人物の整理具合をば、かなりと混乱させてくれはります。

映画的なキレる、ロングショット使いもエエんやけど、やはり、じっくりとスクリーンに向き合って、見もって人物図を、しっかりと押さえる必要がありそうどすえ。

3
少し狂ってしまうと、アレアレゆうてる間に、よう分からん間に、映画が終わってしもとったことにもなりかねまへん。

ところがどっこい、本作は何やら何度も見て、映画を解明したいようなリピーターを狙って、作らはったようにも思えますわ。

隠れる穴蔵、逃げるための狭い洞窟やらでの、キャメラ固定の長回し撮影ちゅうのんが、ケッコーありま。

また、崖上や写真4枚目なんぞの、ロングショットも頻出し、アート映画的な作りに徹してはるのんは、よう分かるんやけど、

モノクロは見ない若者が増えとる日本では、分かりにくい作りちゅうのんは、さらに大きなマイナスにもなりかねまへん。

4
でもしか、映画的雰囲気は、メッチャスゴイんどすえ。

「これ以上、人を殺さないで」のセリフやら、全てを闇にしての銃撃シーン。

さらに、分かりやすいとこでゆうと、山や空などのくっきりすっきりした、モノクロらしい自然描写シーンなどで、癒やしをカンジさせ、

ほんで、ラスト・シークエンスの、短冊が燃えていくとこのインパクトなど、妙にブルブルッと、鳥肌が立ちよりまっせー。

5
サントラ使いも、映画的どした。

弦楽オーケストラの妙味や感動は、悲劇ドラマの悲哀効果を高めておますし、

ラストロールで流れる、鎮魂歌的な男女のデュエット・ナンバーも、余韻を深めるのんに、打ってつけでおましょう。

アート性に比重はあるものの、映画らしい映画であるのんは、間違いござりまへん。

2014年3月11日 (火)

ニッポン映画「パズル」⇒ゲーム感覚の学園犯罪もん

Photo

「さあ、ゲームの始まりよ」ナンチューセリフ入りや~

夏帆と野村周平が、最後までドッカーンと、大暴れどっせ~

http://www.puzzle-movie.jp

弥生3月15日の土曜日から、KADOKAWAはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらでロードショーでおます。東京では公開中。

本作は「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2014『パズル』製作委員会

本作は、日本映画の学園もの犯罪映画の、最新バージョンでおます。

ちゅうことで、ここで、邦画の学園犯罪映画(不良もの・非行ものは、外しとります)の、マイ・ベスト・スリーをば披露いたします。

●ベスト⇒①バトル・ロワイアル(2000年製作)②告白(2010年・弊ブログ内検索で出ます)③本作③高校大パニック(1978年)

●思いついたままを並べましたけども、実は、学園犯罪ものちゅうのんは、あんましありまへん。

2
でもって、17歳の犯罪ちゅうのんが、社会的にクローズアップされた1990年代後半以降、それなりに出てまいりましたけども、ほとんどがR指定になっとります。

いわゆる、見てる10代の学生諸君が、そんな犯罪をマネするんやないかっちゅう、恐れや倫理の問題があるからどす。

元来、学園ものの邦画は、青春前向き系が圧倒的に多いんやけど、

3
非行性のあるのんは、まだ青春系が残っとるからエエとしても、社会的問題に鑑み、そういう規制が取られておます。

また、この種の映画は、ゲーム性を強調して、ベスト①のようなスタイルで、フィクション性を強調するようにもなっとります。

欧米なら、実話の銃乱射事件を扱った「エレファント」(2003年・アメリカ映画)なんぞも、若年層に対しては、公開に対して配慮されておました。

8
その意味では、日本で初めて、学園内での銃乱射事件を、虚構的に扱った(銃を持つことはあり得へんので、マネされる心配はありまへん)、本作と同率のベスト③「高校大パニック」なんぞは、

ある意味においては、画期的やったかもしれまへん。

で、本作。モチ、R指定が入っとるけど、「さあ、ゲームの始まりよ」というセリフ通りで、決してマネのできない虚構性が、キモになっとります。

4
フツーの高校生が爆弾セットを、街中に設置する形で、いくつも用意できるんかとか、何人もの大の大人を、簡単に拉致できるんかとか、

催眠剤やらの用意など、何カ所もリアリティーある、説得力あるとこが欠けておます。

まあ、あくまでフィクションやからと、スルーして見ることはできるんやけど、

同率ベスト③と同じく、この種の映画の宿命的なとこは、あるやもしれまへん。

9
でもしか、何日前とか何時間前とかを、タイトに画面字幕設定をして、サスペンスを盛り上げてゆく手法には、目を見張らせてくれはりました。

何が起こる前なんかが、分からないんやけど、まあ、一般的にゆうたら、何かの事件ですやろな。

それまでに、いくつもエライ事件が起こっとるんやけど、それ以上のドエライ事件なんやろかな~と、期待させてもくれはりますで。

6
キー・ポイントをば握ってはるんは、夏帆ちゃんどす。

冒頭では、高校の屋上から飛び降り自殺しはり(写真8枚目)、未遂に終わって入院しはります。

一方で、野村周平クンが、夏帆ちゃんに、肩入れするようなカタチで、関わってきはります。

7
夏帆ちゃんは、なんで自殺したんかは、本編の後半に明かされますが、でもしか、野村クンがなんでまた、こんなエグイ犯罪なんかしようと思たんかは、ビミョーに不明どす。

でも、その世をスネたような振る舞いから、フィーリング的には、それとなく分かるようにはなっとります。

5
いずれにしても、バイオレントな残酷シーンのオンパレードどす。

実話にして問題作「先生を流産させる会」(2011年・弊ブログ内検索)の、内藤瑛亮(えいすけ)監督作品だけに、流産させられシーンの、インパクトは強烈や。

ほんで、「リアル鬼ごっこ」(2007年)の原作者・山田悠介の原作だけに、トンデモ非情性はハンパやありまへん。

ほんでもって、夏帆の血しぶき浴びシーンの壮絶さや~。

「セーラー服と機関銃」(1981年)で、「かいかぁ~ん(快感)」と言った薬師丸ひろ子や、

ベスト②の松たか子のセリフ「ドッカア~ン、なんてね」やらのインパクトに、近いシークエンスどしたえ。

ちゅうことで、ココロして、見に行っておくんなまし。

2014年3月10日 (月)

「ドン・ジョン」⇒スカーレット・ヨハンソンのカルトな最高傑作や~

Photo
ピンク・ポルノなメッチャ・ヤラシー節の、オン・パレードどすえ~

「愛の狩人」「タクシードライバー」なんかの、テイストもありやで~

http://www.donjon-movie.jp

マーチ3月15日のサタデーから、KADOKAWAはんの配給によりまして、東京・角川シネマ有楽町、シネマライズやら、大阪・テアトル梅田、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2013 Don Jon Nevada, LLC. All Rights Reserved.

ジョセフ・ゴードン=レヴィットのアニキが、初めて映画監督をば、ヤラはった作品でおます。

彼のことを知らん方も、いてはるやろけど、「モテキ」(2011年製作・日本映画)に、影響を与えはった「(500)日のサマー」(2009年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)やら、

「インセプション」(2010年・アメリカ・弊ブログ内検索)での、遊泳アクトのインパクトやら、細身やけど、ギリギリのガンバ演技で魅せてくれはりました。

ほんでもって、そんな彼の作品に、何とまあー、ハリウッド女優のトップランナーの、スカーレット・ヨハンソンのネーさんやら、演技派ジュリアン・ムーアのネーやんらが、参加しはりました。

7
実は、今をときめく女優はんが、たかがてゆうたらスミマヘンけども、

あんまし有名やない(日本では、やけど…)ゴードンのアニの監督作に、出演するやなんチューのんは、そうそうありまへんねん。

いかに、ゴードンのアニの才能ぶりに、2大女優が信頼を寄せてはるかを、示してはります。

3
ちゅうことで、以前にもやったかもしれへんけど、ここで、スカーレット・ヨハンソンの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたします。

●ベスト⇒①ロスト・イン・トランスレーション(2003年・アメリカ)②マッチポイント(2005年・イギリス)③ゴーストワールド(2001年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ヒッチコック(2012年・アメリカ・弊ブログ内検索)③モンタナの風に抱かれて(1998年・アメリカ)

4
●全部の映画はDVD化されとるんで、見てもろたら分かるかとは思うけども、映画におけるエロエロさでゆうたら、本作はスカーレットのネーさんの、最高傑作やとゆうても、エエかと思います。

ベスト①でも、ヒップ・ラインを始め、セクシーなとこは見せてはったけど、本作ではかなりと、本格的な露出度を示してはります。

子役やコドモっぽさを示す、ベスト③カルト③は問題外やけど、それらと比較して見たら、格段の差に、よろめいてまいまっせー。

8
ほんで、ジュリアン・ムーアのネーさん(写真上から6枚目)。

この方は既に、50歳を過ぎてはるんやけど、エロエロ演技には定評ある方どして、ボクチンも、若かりし頃の「ブギーナイツ」(1997年・アメリカ)のポルノ女優役やら、

「ことの終わり」(1999年・アメリカ)やらの不倫ぶりに、すっかりヤラれてまいました。で、ココでも、脱いではらへんけどもエロイわ~。

2
監督兼ねての、主演のゴードンのアニキ。

メッチャ、エエ目してはるように見えまっせー。

そら、監督やもん。思いのままやん。

ハードコア・ポルノの絶大なるファンでおまして、スカーレットやジュリアンを手に入れても、動画のポルノ・サイトに入りびたりのゾッコンでおます。

まあ、そのへんが、別れの原因にもなるんやけど、ポルノにあって、セックスにないものとは何か、なんかを大マジに披露するとこなど、

男の本能がストレートにさらけ出されて、ボク的にはなるほどな、と思いましたがな。

5
ある意味において、ポルノ映画へのオマージュもあるんかもしれまへん。

「愛の狩人」(1971年・アメリカ)のセクシャルな関係性とか、

ポルノを当たり前のように、デート映画として見に行って、彼女にフラれた「タクシードライバー」(1976年・アメリカ)とかと、シンクロしよるとこに、シブミがあったやろかな。

6
歌ものダンス・ミュージックで、ピチッとシメはって、最後までカッコヨサがあるように見えるけど、総体的に見てみると、ヤッパ、ヤラシーさが香り立ってまいるんでおます。

ハードコアの「エマニエル夫人」(1974年・フランス)とまでは言いまへんが、とにもかくにも、男のセクシャル映画の会心作どしたえ~。

2014年3月 9日 (日)

「白ゆき姫殺人事件」⇒日曜邦画劇場

Photo

「羅生門」「事件」「桐島、部活やめるってよ」なんかとシンクロする、リフレイン多視点スタイルが展開する、ミステリー映画どす

井上真央ネーも綾野剛アニも、キャリア最高の演技かもな

http://www.shirayuki-movie.jp

弥生3月29日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2
Ⓒ2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会

Ⓒ湊かなえ/集英社

湊かなえネーさんの、原作映画でおます。

いろんな人の話を複雑化して束ねるちゅう、湊かなえスタイルが、今作でも絶好調でおます。

しかも、学園ドラマ入り。中学生の「告白」(2010年・弊ブログ内検索で出ます)、小学生の「北のカナリアたち」(2012年・弊ブログ内検索)と続きまして、

本作は、ヒロインの小・中・高・大のエピソードが、描かれとります。本格ミステリー度合いは、3作の中では、最も高い作りになっとるかと思いました。

2_2
本作の監督は、21世紀発表のミステリー小説原作映画の監督として、ブランドにもなってはる、中村義洋監督はんどすえ。

ちゅうことで、ここで、中村監督のマイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば披露いたしますと…。

①アヒルと鴨のコインロッカー(2007年)②ゴールデンスランバー(2010年・弊ブログ内検索)③チーム・バチスタの栄光(2008年)④みなさん、さようなら(2012年)⑤本作

●伊坂幸太郎原作映画①②など、中村監督は伊坂との映画化作品が有名やけど、本作や③など、ミステリー演出のキレは特筆もんどす。

④などはミステリーやないけど、でもしか、ミステリー色もある映画どした。

3_3
演技陣も過去最高の演技をば、示してはる人が、ケッコーいてはりますんえ。

まずは、井上真央ネーさん。「八日目の蝉」(2011年・弊ブログ内検索)のシリアス系を、さらに進化させはった、ビミョーな演技ぶりは圧巻どした。

対して、テレビ局の番組を作る役の、綾野剛アニキは、テレビ番組のメイキングも含めて、実にやる瀬ない演技を、示してくれはりました。

真央ネーと共に、映画キャリア最高の演技やないやろか。真央ネーと剛アニは、実はラスト・シークエンス(写真上から3枚目)で、初めて会わはるんやけども…。

5
真央ネーの小学校時代の幼なじみ役を、やらはった貫地谷しほりネーは、「赤毛のアン」を通じた関係しかり、共にNHK朝ドラ組として、実に好感度の高い演技どした。

でもって、蓮佛美沙子ネーのスゴミにも、注目しておくんなまし。

4_2

テレビ局が、化粧品会社の美人OL(菜々緒ネーさん・写真上から6枚目の右)の、斬殺死体にして燃やされ事件の真相を、いろんな関係者へのインタビューから、被害者と同僚の真央ネーが、犯人なんやともっていくような、報道ドキュメントをば、オンエアしはります。

取材しはったんは、綾野剛アニ。でもしか、真央ネーは雲隠れしてはるようでいて、実は犯人やおまへん。

そのあたりの描写が、ツイッターやらを使って、絶妙に披露されてまいります。ツイッターの映画への公式的引用は、世界初らしいどす。

6
さて、リフレインされるシーンや証言者の食い違いなど、見出しにも書きましたけども、

証言の食い違い「羅生門」(1950年)、証言を多様に展開する「事件」(1978年)、多視点の群像劇「桐島、部活やめるってよ」(2012年・弊ブログ内検索)なんかの、センスが濃厚に詰まっておました。

7
長野ロケ映画としても、エエカンジどした。

「神様のカルテ2」(弊ブログで、3月2日付けで分析)も長野ロケやったけど、本作はホーム系やなく、ビジター系の描写で、そのビミョーな違いも、2作を見て味わってくだされまし。

出演もしてる、「TSUKEMEN」3人の、ウットリなバイオリン・ピアノ・プレイもお楽しみあれ! どす。

いずれにしても、極上のミステリー映画が、構築されておます。必見どすえ。

2014年3月 8日 (土)

フランス映画「アデル、ブルーは熱い色」⇒週末ユーロ映画劇場2

1
長回しのスッポンポンのレズ・シーンなど、メッチャ・ヤラシー・シーンに、目が点やで~

審査委員長スピルバーグが選ばはった、カンヌ国際映画祭のパルムドール作品どす

http://www.adele-blue.com

エイプリル4月5日のサタデーから、コムストック・グループはんの配給によりまして、東京・新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町やら、

関西・梅田ブルク7、シネマート心斎橋、シネ・リーブル神戸やらで、全国順次のロードショーでおます。

本作は「R-18+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⒸWILD BUNCH-QUATSOUS FILMS-FRANCE 2 CINEMA-SCOPE PICTURES-RTBF-VERTIGO

レズ恋愛映画のかつてない、179分の大作や~。

しかも、ナイス・バディーでメッチャかわいい、女子大生役の20歳アデル・エグザルコプロスちゃん(写真上から3枚目)と、画家役レア・セドゥのネーさんが、ホンマ、メッチャーヤラシーカンジで、絡まはります。

10分近い長回し撮影による、エロエロ・ベタベタなレズ・セックス・シーンのスゴサは、チョー特筆もんどした。

カンヌ国際映画祭に出品されましてな、次々点の賞やった日本代表「そして父になる」(2013年製作・日本映画・弊ブログ内検索で出ます)に勝った、最高賞のパルムドール・ゲット作品どす。

審査委員長のスティーヴン・スピルバーグはんが、エライ気に入らはりました。

2
その選考ポイントとは、何やったんやろか。

男女関わらずの、ラブ・ストーリーとしての、切なさや痛みが、普遍的に描かれとるとこやったどすやろか。

確かに、その通りどして、女優2人の演技は、トンデモナイ領域に達してはったかと思います。

2人の意図的なアップ・クローズアップの応酬で、ググッとドラマの中へと、引き込まれてまいります。

ボク的には、アデル役アデルちゃんに、メッチャ魅了されてまいましたがな。

とにかく、男ゴコロをそそる、セクシーぶりには、確かにスピルバーグはんでさえ、ノック・アウトされてもうたことでおましょうや。

ほんで、レア・セドゥのネーさんも、なるほどなーちゅうカンジの、愛への渋い演技ぶりどした。

3_2
イロンナ映画との、シンクロナイズを見てみまするに、フランス映画のヒロインものとしては、同じアデルという名からやないけども、

フランソワ・トリュフォー監督作で、イザベル・アジャーニ主演「アデルの恋の物語」(1975年)に匹敵しよる1本やと思います。

また、何度も映画化されとる、変格系恋愛ものの、フランスのラクロ原作の「危険な関係」が、2人の会話の中で、象徴的に出てまいります。

教師と画家の恋愛とゆうのんも、ユニークで新しいポイントやろか。

レズであろうとも、ラブ・ストーリーの緻密な心理描写が、丁寧に描き込まれた傑作どす。

今年の洋画の、ベストスリー級の作品であるのんは、間違いありまへん。

4
2人が別れてからの描写や演技も、静かな中にも、それぞれがこれからも生きていくんや、ちゅうところが、しっかり描かれていて、感動的どした。

監督はアブデラティフ・ケシシュはん。日本では、あんましちゅうか、ほとんど有名やないけども、

カンヌと並ぶ、世界3大映画祭(もう一つはベルリン)ヴェネチア国際映画祭や、フランス最大の映画賞セザール賞なんかで、既に賞をもろてはりまして、過去の作品にも注目しておくんなまし。

さらに、本作はカンヌで最高賞を受賞しはった、初のコミック原作映画、ちゅうことになっとります。いやはや、こんなヤラシーのんがコミック原作やなんて、それだけでも驚きやん。

ラティーナな歌でシメはるとこなど、とことん意表を突いてきはる作品でおました。ぜひともじっくりと、見てもらいたい1本どす。

2014年3月 7日 (金)

イギリス映画「ワン チャンス」⇒週末ユーロ映画劇場1

Photo
ポール・ポッツの、サクセス・ストーリーを描く実話どす

でもしか、ラブ・ストーリー部こそ、本作のメイン・ソースやも

http://onechance.gaga.ne.jp

3月21日の「春分の日」から、ギャガはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

3_2
Ⓒ2013 ONE CHANCE, LLC. All Rights Reserved.

イギリスのオペラ歌手、ポール・ポッツの実話映画どす。

音楽家の実話映画とゆうのんは、みなはん、数限りなくあるように、思わはるかもしれませんが、

実は、夢を追いかけてデビューするまでの、サクセス・ストーリーをば、ストレートに描いた映画は、そないありまへん。

7
ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、グレン・ミラー、ビートルズ、レイ・チャールズ、エミネム、シュープリームス、ジャニス・ジョプリン、ジョニー・キャッシュらの話が映画化されとりますが、

それらは全て彼らの生涯、あるいは、あるエポックな時期や事件を描いた映画が、主でありまして、

音楽家を目指して純粋無垢に、夢を追いかける映画とゆうのんは、マレでおます。

4_3

ボクは本作と同じく、イギリス映画で実話ものでは、男の子がバレエを目指す「リトル・ダンサー」(2000年製作)などと、シンクロするんやないかなと思います。

しかも、大いにサプライズな演出が随所にあり、さらに、21世紀の最新の歌手の実話であるとこも、メッチャなフレッシュ感がありまんねん。

夢を追いかける人間の話は、見ていて凄く勇気や元気がもらえるけど、これはそんな作品の、お手本的な仕上げを示してはります。

8
夢追い人間を描く、ヒューマン映画性がモチ、第一ではあるんやけど、一方で、ネットを通じて知り合った男女の、ラブ・ストーリーの、新展開を見せるとこなどは、グッと感動的どした。

ネット恋愛はどっちかとゆうたら、何やしらん冷たいとこが、あるかと思うんやけど、

本作の主人公と彼女のカップルは、メッチャ自然でアットホームなつながりを、出会いの最初から示さはります。

1_2
2人(写真上から、2&3枚目)が初めて会う前に、ネットでは、女はキャメロン・ディアス似、男はブラッド・ピット似やなんて、相手に伝えてたんやけど、

会ってから以降の展開は、これまでのフィクションな恋愛映画とは、少々異にする、流れやサプライズが待っておます。

2人は会ってすぐに意気投合し、主人公のオカンと偶然会って、主人公の家へと、いきなり行く展開から始まりまんねん。

2_2
主人公がイタリア・ベニスのオペラ学校へ行ってる時も、同期のイタリアン美女の家族たちと会食(写真8枚目)しつつも、決して彼女を裏切らはりまへん。

憧れのパヴァロッティを前にしての、歌披露であがってしもて、パヴァロッティはんから、ダメ出しされてもうて、失意のどん底へ。で、彼女とも疎遠になってまうんやけど…。

5_2
でもしか、彼は彼女に再アタックしはります。

「トゥーランドット」のレコードを聴きながら、2人がキスする1分くらいの、長回し撮影シーンは印象的どした。

主人公の周辺にいてはる人たちとの、キズナもエエカンジや。

特に、主人公が勤めるケータイ・ショップの店長(写真9枚目の男)は、名脇役ぶりをば披露しはります。

6
モチ、主人公とオトン・オカン(写真10枚目)とのキズナも、オトンとの確執的な、負のシーンもあるけども、心地よい人間関係描写に終始してはりました。

ほんで、イギリス・ウェールズ地方の俯瞰シーンや、ベニス・ロケ・シーンの美しき麗しきシーンも、癒やし効果があったやろか。

9
オーディション番組で、主人公がオペラを披露するシーンがクライマックスやけど、サントラとして、ロック・ナンバーがケッコー掛かり続けとるんも、ドラマにグッと乗って見れるポイントやったかと思います。

ボク的には、パーティー・シーンで掛かってた、ディキシー・ミッドナイトランナーズの「カモン・アイリーン」(ビルボードNo.1)に、胸ワクになりました。

テイラー・スウィフトのグッド・バラードにも、ウットリやったな。

ちゅうことで、「プラダを着た悪魔」(2006年・アメリカ)のデヴィッド・フランケル監督の、同作と肩を並べる、ポジティブ映画の快作となっとりまっせー。

2014年3月 6日 (木)

「ローン・サバイバー」⇒今どきのハリウッド映画劇場4

Photo
21世紀輩出の戦争映画の、最高傑作かもな~

サバイバル映画の系譜としても、歴史的な1本や~

http://www.lonesurvivor.jp/

3月21日の「春分の日」フライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2013 GEORGIA FILM FUND SEVENTEEN HOLDINGS, LLC

ちゅうことで、まずは、湾岸戦争以降に発生した戦争を描く、21世紀発の戦争映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば披露いたします。

①本作②ハートロッカー(弊ブログ内検索で出ます)③ゼロ・ダーク・サーティ(弊ブログ内検索)④亀も空を飛ぶ(2004年製作・イラク&イラン合作)⑤ブラックホーク・ダウン(2001年・アメリカ)

●全ての描かれとる戦争は、今さらながらも、アメリカ軍絡みどす。アカデミー賞作品賞をゲットしはった、イラク戦絡みの②、1993年のソマリア戦を描いた⑤以外は、アフガン戦争関連の映画となってまいました。

2
ビンラディンを討った、報復もの③、「禁じられた遊び」(1952年・フランス)や「僕の村は戦場だった」(1962年・ソ連)みたいに、少年・少女の視点から戦争を捉えた④とは違い、

①の本作は、過酷な戦場を「プライベート・ライアン」(1998年・アメリカ)みたいに、ビビッドにリアリスティックに描いた戦争映画どした。

しかも、兵士視点からの近接撮影をメインに、本編2時間1分中の約半分が、戦闘シーンに割いてはるんどす。

観客がまるで、戦場体験してるかのような作りなんどす。

そやから、「プライベート・ライアン」に打ち震えた方々は、その続編みたいなカンジで、本作に没入できよりますで。

3
さてはて、本作は、サバイバル映画としてのポイントもあります。

ちゅうことで、歴代サバイバル映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)も、開陳させてもらいま。

①本作&プライベート・ライアン②エイリアン(1979年・アメリカ・弊ブログ内検索)③七人の侍(1954年・日本)④ポセイドン・アドベンチャー(1972年・アメリカ)⑤チャップリンの黄金狂時代(1925年・アメリカ)

●SF&ホラー映画からの②、時代劇からの③、パニック・ムービーからの④、サイレント映画からの⑤…と、ジャンルを分けて披露さしてもらいましたが、

本作は、戦争映画ジャンルからどす。「プライベート・ライアン」に匹敵するっちゅうことで、同格の①位にしました。

5
さて、ちゅうことで、本作の見どころをば、分析しまひょか。

アメリカ軍の「ネイビー・シールズ」(弊ブログ内検索)を採り上げてはるんやけど、成功した作戦行動を描いた、同名の映画とは、ちょうど180度の逆バージョンとなっとります。

ヨイヨイで行くよりも、試練がいくつもあった方が、ドラマティックであるんは、ゆうまでもありまへん。

軍事訓練のダイジェスト・シーンや、軍の人間関係描写から始まるんやけど、

「愛と青春の旅だち」(1982年・アメリカ)や「フルメタル・ジャケット」(1987年・アメリカ)や「トップガン」(1986年・アメリカ)なんぞの描写よりも、よりリアルに進化したタッチになっとります。

4_2
ナンチューても、1時間以上にわたる、4人の密命を受けた軍人の、サバイバル戦闘シーンの、モノ凄まじさでおます。

詳細は見てのお楽しみで、書きまへんけども、小便もチビりそうな、臨場感あふれる恐怖体験をば、存分に(!?)味わってくだされまし。

最後に、サントラについて。ギターをポイントにしたサントラ使いは、本作にメッチャ合っておました。

そして、ジャミロクワイの鎮魂歌的スロー・ナンバーなど、胸底に深く染み入りました。

ちゅうことで、21世紀の戦争映画の最高傑作やと、ジャッジいたします。

2014年3月 5日 (水)

「LIFE!」⇒今どきのハリウッド映画劇場3

1
日常生活の中へ突然、アクション・シーンのサクレツや~

ラブ・ストーリーとの絡みもエエ感じの、トンデル・ヒューマン・ストーリー

http://www.foxmovies.jp/life/

3月19日の水曜日から、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマやらで全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2013 Twentieth Century Fox

今年のアカデミー賞作品賞は「それでも夜は明ける」(弊ブログ内検索で出ます)に決まり、ボクが作品賞やらに予想した「ゼロ・グラビティ」(ブログ内検索)は、

映画史に残るSF映画の運命に、のっとったんかは分かりまへんが、最多受賞ながら、「2001年宇宙の旅」(1968年製作)「スター・ウォーズ」(第1弾は1977年)「ブレードランナー」(1982年)やらと、おんなじ運命になりました。

つまり、監督賞はいちおうゲットしたけど、メインどころの賞はゲットできまへんどした。さてはて、本作はどないか。

そうゆうオスカーとは無縁のとこに、存在しとる作品でおます。

実は、オスカー作品賞受賞作より、オスカーとは無縁やった作品の方が、後世に残る確率が、ビミョーに高いとゆうとこも、データ検索してもうたら分かるかと思います。

でもって、本作も、明日分析する「ローン・サバイバー」も、そんな作品になっとりまんねん。

3
基本的には、ヒューマン映画なんやけど、オスカー受賞に似合うような、これまでのマニュアル通りなもんやなく、あくまで変形スタイルどす。

オスカー作品賞をもらわはった「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994年)のリアリズムとは違って、空想系に近い、個性的主人公のドラマどす。

もともとは、スティーヴン・スピルバーグ監督が、撮るハズやったらしい映画なんやけど、イロイロあって、結局、主演を兼ねて、ベン・スティラーのアニキが監督しはることと相なりました。

4
ベン・スティラーてゆうたら、一時期ボクは、アダム・サンドラーやらと、ゴッチャになっとったんやけど、ここで整理する意味で、改めてベン・スティラー主演・出演映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順不同)をば披露いたします。

①本作②メリーに首ったけ(1998年)③スタスキー&ハッチ(2004年・未公開)④ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年)⑤ナイト・ミュージアム(第1弾は2006年)…てなカンジやけど、

監督もやらはるけど、出ている映画はコミカル・モードがメインどす。

ちゅうか、監督作も、作家性にこだわらへん、コミカル入り娯楽作を、目指してはるようどす。

5
そやから、とにかく、楽しくオモロイ、時間を忘れて浸れる作品になっとります。

フツーの男が、夢想的にアクション・シーンを繰り出し、ほんで、それがやがて、現実的になってゆきよります。

写真家を探すだけのロードムービーが、かつてないトンデモなさで魅せてくれはるんどす。

グリーンランドからアイスランドへ。さらに、アフガンやヒマラヤへと、大仰に続いてまいります。

新聞社勤めやけど、事務業務の日常の中に、トンデモ冒険系へと、強引に繰り広げてゆくとこに、映画の映画らしさがあると見ました。

日常生活における、アクション映画の描写とは何かを、示してくれはる映画でもおました。

6
スピルバーグに気を遣わはったんか、彼の監督作品「ジョーズ」(1975年)や「インディ・ジョーンズ」シリーズ(第1弾は1981年「レイダース」)やらへの、オマージュ・シーンをば、入れてはりますけども、

そんなんは、ほんのサブにすぎまへん。

フツーの内勤労働者が、空想も入れて、写真家(ショーン・ペンはん)を探す、トンデモ・アクション・ロードの冒険に出る映画どす。

その冒険ぶりは、平凡な日常と対比されて、デッカイ見どころになっとります。

また、風景描写シーン・歌ものサントラの使い方なども、美しく・カッコヨク的をば射ておましたえ。

ラブ・ストーリーとアクションの、21世紀的融合映画として、アカデミーやらの賞獲りとは関係なく、記憶に残るべき映画どした。

2014年3月 4日 (火)

「LEGO®ムービー」⇒今どきのハリウッド映画劇場2

Photo

おいおい、組み立て玩具の世界が、3Dアニメになってもうたでー

フィギュアたちのユニーク・キャラが、トンデモトンどりまっせー

http://www.legomovie.jp/

3月21日の「春分の日」ホリデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、3D&2D同時公開にて、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

Ⓒ2014 The LEGO Group.

「レゴ(R)ブロック」とゆうのんは、デンマーク発のレゴ社が世界発売している、組み立て玩具どす。

多彩なフィギュアたちと、街づくりのためのブロックを使って、レゴ世界を作って楽しむ、とゆうもんでおます。

世界的に大ヒットしとる、このオモチャ商品が、アニメになり、映画になり、3Dになったんが、本作なんどす。

でもしか、そのオモチャ界の方程式や図式・人間関係に、全く無知でも、よーく分かるようになっとります。

あのディズニーの「トイ・ストーリー」シリーズ(1995年・1999年・2010年各製作・アメリカ映画)の、フィギュア版・裏バージョンのようにも見えたりしよります。

1
フィギュア・キャラに表情があまりないとこなどは、「チキンラン」(2000年・イギリス)なんかの、クレイ・アニメ的なとこがカンジられたり、

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993年・アメリカ)のような、ストップ・モーション・アニメの、人形アニメ的な作りもされとるらしく、

また、動作がぎこちなさそうに見えたりするとこも、ご愛嬌でおます。

さらに、「バットマン」や「スーパーマン」などが、そのまま出てきたり、80'sSF映画スタイルをやるキャラや、「スター・ウォーズ」の引用ほか、ハリウッド映画のパロディーが盛り付けられております。

2
でもって、最大のサプライズは、実写シーンとの複合シークエンスでおましょう。

フィギュアたちが「上の人」と言う、オモチャを組み立てているコドモ息子が、後半で突然現れよるんどすわ。ほんで、息子はオトンとやり取りして、主人公フィギュアの、運命の行方をば左右しはります。

そんな主人公の名はエメット君。レゴ・ワールドで、ルールに従い暮らす土木作業員やけど、ひょんなることから、赤い奇跡のパーツをゲットして、「選ばれし者」に祭り上げられまんねん。ほんでもって…。

3
フツーのアニメには出てこない、個性的で楽しいキャラが、いっぱい出てきはります。

れは、一時のドリームワークス製作のアニメを、思い出させるような意表ぶりどす。

バットマンの恋人の「ワイルドガール」は、華やか系でマトモやけど、平凡であり過ぎて、逆にトンデル主人公。

善悪グループの対決構図という、正義の味方的アニメの基本ラインの中で、サイコでジキル&ハイドな、二重人格の刑事「ワイルドコップ」や、悪の支配者「おしごと大王」のワル側の造形ぶり。

最後は怒りを出すけど、いつも前向きでおっとりの、女猫キャラなど、ユニークで多彩でマジカルやねん。

4
宇宙空間から、世界を悪から守る戦いの攻略を、みんなで練り、それをば実行に移してゆかはります。

スッタモンダがイロイロあってでんな、最終的に「スパポンにパーツをハメれば」…なんのこっちゃ?…世界は破滅を逃れて自由になるやなんて、仕組み!? なんどすえ~。

説明すると変やけど、見れば、モノゴッツー分かりやすうなっとります。

アニメとは申せ、ハリウッド映画らしい、大仰なオーケストラ・サウンドでシメはるとこも、妙にステキやったわあ~。

2014年3月 3日 (月)

「アナと雪の女王」⇒今どきのハリウッド映画劇場1

Photo
日本時間「ひなまつり」に発表の、本年度アカデミー賞で、長編アニメ賞と主題歌賞をゲッティング!

女性監督による、ダブル・ヒロイン姉妹もの映画ちゅう、ディズニー・アニメの、ニュー・テイストや~

ロードムービー系の、オモロサもある快作どすえ~

http://www.disney.co.jp/movies/anayuki/

3月14日のフライデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、2D/3D同時公開で、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2014 Disney

愛についての映画やっちゅう、ディズニー・アニメのベース・ラインは、変わらないままに、「真実の愛」=「トゥルー・ラブ」が、ポイントとなった作品どす。

でもしか、ディズニー・アニメの新しどころ・初どころが、約2ポインツで実施されとります。

ダブル・ヒロインの姉妹ものが、まず1つどす。ダブルはこれまでないそうどす。

また、共同監督ながら、ジェニファー・リーのネーさんが、女性監督として初めて、ディズニー・アニメに参画しはったんどす。

ダブル・ヒロインやから、女性監督やから、ディズニーはどない変わったねんっちゅうような、大層なことやないんやけど、確かに、ビミョーに違うとこは、確実にありましたえ。

1
ざっと見ると、まずは、姉=女王を探しにゆく、ロードムービー部どす。

妹ヒロインと氷売りの青年、トナカイと雪だるまキャラの4人様や。

モロでゆうと、「オズの魔法使」(1939年製作・アメリカ映画)の、4人はんやらとカブるんやけど、あくまでミュージカルやないんで、そのあたりはキャラの面白さで、引っ張ってくれはります。

雪のモンスターや、雪だるまキャラやらには、ユニーク極まりないんで、この種の映画では、コドモたちの人気を、かなりと集めることでおましょう。

それ以上にグッとくるんは、サントラ部やろか。

アップ・テンポのポップ・ナンバー、壮大なスローに加え、壮大なオーケストラ・サウンドも流れて、ウットリ感がかなりときよりまっせ~。

2
氷の描写の薄ブルーを始めとした、多彩な作りに加え、ボクが驚いたんは、冬シーンを夏シーンに変える、ハットトリッキーなとこどした。

前へ前への映像はモチ、3Dらしく映えとりますし、時おりの衝撃をば、それなりに楽しみたいとこどすやろか。

3
いつもの通りどして、短編「ミッキーのミニー救出大作戦」が、本編の前に映されるんやけど、コレがひょっとしたら、本編よりも面白いもんになっとるかも…なんて。

ホンマかいな? 

ミッキーを映すアナログ・テレビの、角丸ショットのモノクロが、モノクロからカラーが出てとゆう、トリッキーを繰り返しながら、何とも言えへん未知なる世界へと、連れていってくれはりました。

ミッキーの声を、ウォルト・ディズニーはんがやってはるとこも、注目もんやろか。

何はともあれ、ディズニー・アニメの、新次元や新境地やらをば、示さはる1本でおましたえ。

2014年3月 2日 (日)

「神様のカルテ2」⇒週末日本映画劇場3・医療ドラマの良質作品どす

1
「嵐」の櫻井翔アニキと、藤原竜也アニキがポイントの第2弾

特に、柄本明・市毛良枝夫婦のキズナが、メッチャ泣かせてくれまっせー

http://www.kamisamanokarute-movie.jp

3月21日の「春分の日」から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「神様のカルテ2」製作委員会 Ⓒ2010 夏川草介/小学館

病院内ドラマ映画どす。みなはん、これまでに、どれくらい見はったやろか。

ボクはそない見てへんし、はっきりゆうて、あぶなっかしいことこの上ないんやけど、

取りあえず、久々に、その種の映画のマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①カッコーの巣の上で(1975年製作・アメリカ映画)②レナードの朝(1990年・アメリカ)③白い巨塔(1966年・日本)

●カルト⇒①神様のカルテ1&2(弊ブログ内検索で出ます)②チーム・バチスタの栄光(2008年・日本)③ホスピタル(1971年・アメリカ)

●医療ミスなどの社会性や、サスペンス性でいく作品もあるけど、ヤッパおおむねは、いろんなキズナを描く映画こそ、病院内の基本にあるように思います。

日本映画の「孤高のメス」(2010年・弊ブログ内検索)や「病院へ行こう」(1990年)なども、オモロイし素晴らしおます。

2
一概にキズナを描くとゆうても、イロイロあります。

本作の第1弾では、櫻井翔アニと宮崎あおいネーさん夫妻の、キズナがメインやったけど、今回はいろんなキズナが、多彩に描かれてまいります。

櫻井アニと、櫻井が勤める長野の病院へ、東京から来た大学時代の友人・藤原竜也の友情部。

で、本作で最もキモになっとるのは、柄本明はんと市毛良枝はんの夫婦どす。

みんなの計らいで、夜空の星々を見るシーン。さらに、その後の夫婦のやり取りなどは、鳥肌立つもんがありました。

櫻井の名セリフ「私たちは医者である前に、人間なんです」もグッときますで。

3
藤原の一方的な話に終始するけど、藤原の妻・吹石一恵とのケータイでのやり取り。

モチ、櫻井&あおいネー夫妻の調子。

でもって、同僚となる柄本明はんと、西岡徳馬はんのシブミあるキズナ部。イロイロ描かれるキズナの中でも、ボクはこの、さりげない柄本・西岡のキズナ描写に、最も感動を覚えよりました。

「そこのみにて光輝く」(2014年・弊ブログ内検索)の演技には、圧倒されるけど、好感度ある本作の演技も、池脇千鶴ネーさんの持ち味どす。

4
宮崎あおいネーは、今回は助演やけど、あおいネーにしか出せへん、癒やしのホンワカ演技が、堪まりまへんどした。

ラストロールでは、そんな癒やしを深めるべく、クラシック畑のサラ・ブライトマンのネーさんが、ウットリのナンバーを歌わはります。

序盤はそれほどでもなかったんやけど、後半に向かうにつれ、感動が次々にやってくる作りは、圧巻やとゆうても、エエでおましょう。

5
長野ロケーションらしい、地方都市の自然描写シーンも決まっておまして、エエ感じどす。

夕景のセピア、山の稜線をクッキリ見せる美風景、満月シーン、オレンジな空、雲がバランス良く浮かぶ、水色の空など、美しき自然描写シーンが、本作の隠れたポイントにもなっとります。

シリーズ化は当然やけど、次回はあおいネーさんに、焦点が当たるんやないやろか。とても楽しみにしたいとこどす。

2014年3月 1日 (土)

「始まりも終わりもない」⇒週末日本映画劇場2

Photo
前衛・実験・アート系映画の、ワケ分からん系がクセになってまいます

嗚呼(ああ)! これぞ! 映画表現の粋でおます

http://www.hajimarimo.com

弥生3月8日の土曜日から、マジックアワーはんの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2013 ITO PLANET CO.,LTD ⒸItaru Hirama

田中泯(みん)と伊藤俊也監督のコラボレートと聞いて、ボクは何とも言えへんような胸騒ぎをば、まず覚えよりました。

田中泯はんは、山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」(2002年)「武士の一分(いちぶん)」(2006年)などで、チョイ・ブレイクしはった方どすが、

本来は本作みたいなアート系の演技を、ずーっと志向してきはった方でおます。

片や、伊藤俊也監督はん。いやはや、監督作を見たんは、久々やったけど、ボクの大好きな監督はんでおます。

しかも、マイ勝手な思い出も、深いんでおます。そのあたりをチョイ語らせてもらいます。

2
ボクが大阪の夕刊紙・大阪日日新聞の記者時代に、伊藤監督の「誘拐報道」(1982年製作)を見させてもらいました。

読売新聞の新聞記者たちが、ポイントになっとったんで、メッチャ注目しとったんやけど、萩原健一ことショーケン主演・犯人役の、映画やったんやけど、

ショーケンのぶっきら棒節を生かしながら、ミステリー・エンタとしての面白さが、満開となった作品にホレました。

その後、ボケ老人映画「花いちもんめ。」(1985年)で、「恍惚の人」(1974年)の進化型を見ました。

さらに、さかのぼって、クエンティン・タランティーノ監督「キル・ビル」(2003年・アメリカ映画)で、オマージュされた「女囚さそり」シリーズ(第1弾は1972年)を見て、すっかりゾッコンになったんでおます。

3

伊藤監督の作品は、分かりやすくて、感動もキチッとある作品が多かったとは思うんやけど、今作では、キャリア初めてとゆうてもエエような、アート系・芸術系映画をば監督しはりました。

いやはや、何とも言えへん映画が作られてきておます。

大たいは若い頃に、こおゆう前衛・実験的映画を撮るんが、フツーなんやけど、そのあたりが、監督の若返りが見られる、余裕の作品になっとります。

4
戦前の芸術映画「カリガリ博士」(1919年・ドイツ)とか、「アンダルシアの犬」(1928年・フランス)とかの、前衛性が濃密に描き込まれておます。

また、寺山修司監督の「田園に死す」(1974年)みたいに、都会と田舎の対比描写が、強烈至極なもんになっとりました。

田舎チックな砂山の飯場シーンから、東京の夜景シーンへの鮮やかな場面転換など、ココロ震えましたがな。

5
主演の田中泯はんが、意味不明のパフォーマンスを、長回し撮影を含めて披露しはります。

ハダカを中心に、這いずり回るシーンの連続に、気色悪さも覚えたりするかもしれへんけど、妙にクセになったりしよりまんねん、コレがな。

7人の土木作業員やら、女や少年・少女との絡みシーンに加え、東京ラウンドでも、この這いずりが、メイン・ソースになっとるとこなんか、ある意味ではスゴイもんがありま。

戦争や地震などを、想起させる火災シーンなど、シンボライズっぽく描かれてまいります。

風・潮騒・瀬せらぎ・街の音・騒音などの効果音。

大島ミチルはんの、太鼓・拍子木・バイオリンなどのサントラ。

それらが渾然一体となり、映像に、独特な雰囲気をば付加しはります。

ワケの分からない映画の流れに乗って、不可思議な癒やしの世界へと、たどり着けるような、不思議・快感な映画なんどすえ~。

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »