無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 2013年11月 | トップページ | 2014年1月 »

2013年12月の記事

2013年12月31日 (火)

スパニッシュ映画「アイム・ソー・エキサイテッド!」どす

Photo
ペドロ・アルモドバル監督やて、みんな、知っとるか~

彼の持ち味はゲイ術系映画より、ゲイものスッタモン映画なんやで~

http://www.excited-movie.jp

2004年1月25日のサタデーより、ショウゲートはんの配給によりまして、テアトル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸やらで、全国ロードショーでおます。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

ⒸEL DESEO D.A.S.L.U M-39978-2012

スペイン映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の新作でおます。

航空パニックもののシリアス版やなく、コメディ・ユーモア版でおまして、監督が最もリラックスして作れるらしい、お得意のコメディもんどす。

ちゅうことで、ここで、航空もんのコミカル・ノリ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーの披露でおます。

2
●ベスト⇒①本作②フライング・ハイ(1980年製作・アメリカ映画)③ハッピーフライト(2008年・日本)

●カルト⇒①本作②プレーンズ(2013年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)③ハッピーフライト(2003年・アメリカ)

●航空パニック映画は多々ありますが、それがコメディ・ノリやと、緊張感が半減するかと思いきや、そないなことはありまへんどした。

カルトとベストの、共に①位にした本作が、そんな映画の、好例でおましょうか。

パニックやなくスッチーの恋愛映画として、手がたい仕上げのカルト③。

パニック映画をパロッたベスト②。

実在の航空会社の協力を得て展開する、地上と空中のやり取りのスッタモンダが、メッチャオモロイ、日本代表のベスト③。

4
さらに、ヒコーキを擬人化したアニメ作品のカルト②なんかもあるけど、

そんな中でも本作は、監督の趣味とも言える、ゲイ映画志向を大胆に取り入れた上で、航空パニック映画をパロるとゆう作りをしてはるんで、

映画的オリジンでは、一つ抜きん出とるんやないやろかな。

さてはて、お次は、そのアルモドバル監督の、得手勝手なマイ・ベスト&カルト・スリーをば、ザッと披露しま。

●ベスト⇒①オール・アバウト・マイ・マザー(1999年・スペイン)②トーク・トゥ・ハー(2002年・スペイン)③ボルベール/帰郷(2010年・スペイン)

●カルト⇒①本作②抱擁のかけら(2009年・スペイン・弊ブログ内検索)③バッド・エデュケーション(2004年・スペイン)③私が、生きる肌(2011年・スペイン・弊ブログ内検索)

6
映画史に残りそうな傑作=ベスト①~③の作品を紡ぎつつも、監督の真の持ち味は、コメディにあると思います。

その意味では、喜劇とシリアス・ドラマを渉猟する、山田洋次監督とも、シンクロするやもしれまへん。

しかも、ゲイ映画にある種特化しながらも、普遍的な群像劇コメディで魅せてくれるあたりは、監督のオリジナル・ポイントやと申せましょうや。

5
男のキャビン・アテンダントを始め、パイロットを含めて、航空会社側の社員の、ほとんど全員がゲイとゆう設定は、トンデモ・コメディ感を増してまいります。

ゲイ映画のベスト・カルトに加え、ゲイ映画コメにも今後は必ずや、噂の対象となる1作となるやろな。

「Mr.レディ Mr.マダム」シリーズ(1978年・1980年・1986年・フランス&イタリア)とも、大いにシンクロする作品でおましょうや。

3
ほんで、役者陣。

アントニオ・バンデラスとペネロペ・クルスの、冒頭における、チョイ役出演から、コメディの中へと埋没してまいます。

操縦席まで来て、イロイロヤラカシ、新婚はんの機内セックスにあおられて、アラフォー処女がエコノミー・クラスの若者とセックスしたり、

預言者、女優、銀行のスキャンダル男、殺人者など、多数の人間が、トンデモバカらしい話を繰り出してゆかはります。

個人的には、美人女優はん、ブランカ・スアレスちゃんに魅かれよりました。

サントラ部も多彩や。冒頭で流れる、ナイト・ムードあふれるスパニッシュな「エリーゼのために」から、

ラストロールの、タイトなダンス・ナンバーまで、ノリノリの展開どすえ~。

ちゅうことで、ユニーク・コメディ映画の、飛び切りの快作どした。

2013年12月30日 (月)

「さよなら、アドルフ」⇒オーストラリア&ドイツ&イギリス合作

Photo
ナチ映画も加害者家族映画の、秀作な1本でおます。

しかも、本作はロードムービー的を、グイグイ煽るエピソードを入れつつの、ユニークな作品や~

http://www.sayonara-adolf.com

ジャニュアリー1月11日のサタデーから、キノフィルムズはんの配給によりまして、東京・シネスイッチ銀座やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、1月18日の土曜日から、梅田ガーデンシネマで、でもって、その後、シネ・リーブル神戸、京都みなみ会館やらで上映しはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1_2
Ⓒ2012 Rohfilm GmbH, Lore Holdings Pry Limited, Screen Australia, Creative Scoland and Screen NSW.

ナチスにエライ目に、遭わされた映画ちゅうのんは、数限りないほどのタイトル数がござります。

でもしか、その反対バージョンはどないやろか。

つまり、ナチス側から描く映画でおます。

希少価値のあるカンジやけど、そんな映画のマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露さしてもらいますと…。

●ベスト⇒①チャップリンの独裁者(1940年製作・アメリカ映画)②ブリキの太鼓(1978年・西ドイツ&ポーランド&フランス)③ヒトラー/最期の12日間(2004年・ドイツ)

カルト⇒①本作②モレク神(1999年・ロシア&ドイツ&日本)③ヒトラー家の人々(2005年・ドイツ・日本未公開・ドキュメンタリー)

2

●ナチス側から視点の映画は、ヒトラーもん(ベスト①③カルト②③)が圧倒的に多いんやけど、

また、ベスト②なんかは、ナチ側ともナチにエライ目側とも、取れる映画どす。

でもしか、本作はヒトラー家やない、敗戦後のナチ側の家族を描いた、稀有なる1本やったどす。

ナチの幹部やったオトンに、オカンまでが、戦犯として罪を問われて、拘留されてまうんやけど、

保護者を失くした、長女を始めとしたコドモたちは、一体どないなるんかとゆうんが、本作のテーマでおます。

3
コドモたちは、遠くにある祖母の家を目指して、徒歩によるロードへと出はります。

そのロードムービーとしての面白さに加え、道中で、長女と知り合い、彼女らコドモたちをサポートする、ユダヤ人のアニキが登場しはります。

ボク的分析では、逼迫度合いにおいて、「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)やらとは真逆の、スリリングなロードが味わえます。

ほんで、男女の絡みは「禁じられた遊び」(1952年・フランス)の、10代バージョンのようにも見えました。

4
主演女優の20歳サスキア・ローゼンダールちゃん。

アイドルチックなとこもあるし、緊張感ある演技ぶりの妙など、渋く酔わせてもらいましたえ。

アップや近接撮影を束ねる、モンタージュ手法が、この種の緊迫ドラマには、モノゴッツー映えよります。

5
ヒロインとユダヤ青年との、ラブ・ストーリーになりそうでならへん、絡みややり取りなんかも、その駆け引きの面白さもあって、見どころの1つになっとります。

さらに、コドモたちも好演してはります。ボク的には、オカンが去る時に泣く、赤ちゃんの妙演ぶりに、グッときよりましたやろか。

6
美しかったり、暗雲的空など、風景描写の、ドラマに合わせた撮り方も巧妙やったし、サントラ使いも良かったどす。

こちらもドラマの流れに合わせて、はかなげに聴こえるチェロ、バイオリン、ピアノなどの、流し方が絶妙やったどす。

アンニュイでスタンダードな、女声スロー・ナンバーも、映画のもの悲しさを、表現してはりました。

とゆうことで、ナチ映画の新たな切り口を、示した傑作どした。

2013年12月29日 (日)

「抱きしめたい-真実の物語-」⇒週末日本映画劇場3

1

愛・恋する男女。男よりも女がビョーキの方が、なんでドラマテックになるんやろか~

泣かせる映画もエエんやけど、その向こうが見えてくる映画とは?

http://www.dakishimetai.jp

東宝はんの配給によりまして、2月1日の土曜日から、全国各地イッセーのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「抱きしめたい」製作委員会

恋人・夫妻・イロイロな愛&恋する人たちのドラマ映画。

映画で最も多いこのジャンル⇒ラブ・ストーリーにおいて、時に男女共にっちゅうのんもあるけども、

なぜか女の方がビョーキ、あるいは問題あり系の方が、ドラマ映えしたり感動系やら泣ける映画になったりしよるとゆう、傾向がござります。

男がおかしい「ビューティフル・マインド」(2001年製作・アメリカ映画)とか、男がアルツハイマーになる「明日の記憶」(2006年・日本)とか、男がビョーキ系にもエエ作品があるんやけど、

まあ、取りあえず、女がビョーキ系ものは、タイトル数があまりにも多いんで、21世紀の日本映画に限定してでんな、マイ・ベスト・スリーをば披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①ぐるりのこと。(2007年)②世界の中心で、愛をさけぶ(2004年)③本作

●夫妻のいろんなやり取りが、あとあとに効いてきよる①、「助けてください」が泣けるセリフとなった②。この2作品の泣きどころが、キチンと入ったんが本作でおます。

本作は一部、記憶喪失系のノリもあります。

21世紀の洋画でゆうたら、実話に基づいた「君への誓い」(弊ブログ内検索で出ます)、日本でも大ヒットした「私の頭の中の消しゴム」(2004年・韓国)やらがありますが、

それらにあった粘着性ある描写は、本作にはそれほどなく、あくまであっさりしてはります。

さわやかとまではいかんけど、あんまし逼迫節はありまへん。

さてはて、個人的なことを言いますと、この種の映画で、ボクが勝手に一番ダイスキなんは、チャップリンの「街の灯」(1931年・アメリカ)どす。

2
「街の灯」の素晴らしさは、モチ、ラストシーンなんやけど、男が女を守るシーンの、映画映えとゆう点では、これほど感動的なもんはありまへんやろ。

チャップリンがヤワな役柄だっただけに、胸にクルもんはグッと大きかったどす。

弱々しい頼りない男でも、女性を守れるんだとゆうインパクト。

そして、本作にも、そういうとこがありました。

無論、塩田明彦監督的には、そんなん意識してはらへんかったかもしれません。

けども、本作のラストシーンなんかは、注目してもらいたいシーンやろかと思います。

1分から3分近い長回しの撮影が、頻出しよります。

まあ、これは塩田監督のモチ、作劇法な撮り方でもあるやろけど、そのベスト・スリー・カットを言いますと…。

①彼(錦戸亮)のさりげない告白に、思わず彼の住まいへ行って、彼の帰りを外で待ってた彼女(北川景子)を、彼が部屋内に入れて介抱してゆくシーン。2人のキズナが最初に結ばれる、爽快シーンどす。

②主人公と彼女のオカン(風吹ジュン)のやり取り。演技派・風吹ジュンに食らいつくように、渋演を見せようとする錦戸クンに注目や。

③コドモが生まれた病院ロビーでの、主人公がみんなと抱き合う、近接撮影シークエンス

それらの深みある描写は、映画を引き立たせておました。印象に残るシーンとして、あとあと残ってきよります。

ほんで、錦戸クンと北川ネーが素晴らしい演技性よりも、好感度を重視してやってはるんも、良かったどす。

サイレント映画的に、字幕だけのシーンを、タイトに入れるとこなんか、監督の趣味なんやろな~、たぶん。

安室奈美恵(写真2枚目)の新曲「TSUKI」が、最後に流れますで。

アムロらしいキャッチーなナンバーに、映画の余韻は深まるしかありまへんな~。

2013年12月28日 (土)

山田洋次監督「小さいおうち」⇒週末日本映画劇場2

Photo_2
山田洋次監督第82作目にして、初の直木賞受賞作品の映画化でおます

主演・松たか子ネーさんの、最高傑作に近い、仕上がりどっせー

http://www.chiisai-ouchi.jp

2014年1月25日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2014「小さいおうち」製作委員会

意外な話やけど、山田洋次監督82作目にして、初の直木賞受賞作品を映画化しはりました。

ちゅうことで、ここで、直木賞原作映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①復讐するは我にあり(1979年製作)②蒲田行進曲(1982年)③津軽じょんがら節(1973年)

●カルト⇒①本作②江分利満氏の優雅な生活(1963年)③容疑者Xの献身(2008年)

●1970~1980年代の作品は、何度も映画館で見たこともあって、マイ・ベスト的には、どないしても選んでまいます。

でもしか、本作なんかは、これまでの山田洋次監督節とは、ビミョーに違うとこがあって新鮮やったし、ベストに入れてもエエ作品どした。

2
さてはて次に、主演の松たか子ネーさんの、マイ・ベスト&カルト・スリーでおます。

●ベスト⇒①本作②告白(2010年)③隠し剣 鬼の爪(2004年)

●カルト⇒①四月物語(1998年)②ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~(2009年)③夢売るふたり(2012年)

●彼女の凄さは、アイドル的な演技から、複雑な妻の演技まで、演技性が一つや二つに見えながら、それぞれの映画で、あまり目立たないけど、絶妙なフック演技を、披露しやるスゴサどす。

ベスト②の「ドッカーン、なんてね」は、あまりにもインパクトがスゴイけど、

本作では地味ながらも、これぞ松ネーさんにしかできない、滋味をば披露してはります。

3
さて、そのほかの役者陣は、どないなもんでしょうか。

まずは、女中役をやらはった黒木華ちゃん。

「舟を編む」(2013年・弊ブログ内検索で出ます)の地味演技をさらに、地味地味にしたおぼこい演技ぶり。

いやあ~、この種の演技は、かつての日本映画では、当たり前のように出てきとりました。

でも、最近はとんと、ご無沙汰やったかと思います。

映画黄金時代に映えた演技を、今に蘇らせてくれはった華ちゃんは、松ネーと決してヒケを取らない演技ぶりどした。

4
現代と過去が、カットバックされるような構成どすけども、

現代編の妻夫木聡アニキや倍賞千恵子はんが、それぞれの役柄やら個性に合った演技を、見ていて安心できるようなカンジで、披露してくれてはります。

1935年から1941年くらいまでの過去シーンで、松ネーさんと不倫関係になってまう吉岡秀隆のアニキ。

これまでになかった役柄やけど、「寅さん」の時から見せていた、あの頼りなげなカンジは健在どした。

弱さを演技するとゆうのは、強さをやるより難しいかと、ボクは思います。

5
山田洋次監督的にも、不倫ものとゆうのんは初めてやろうけど、脚本で参加しはった「砂の器」(1974年)的な、

“あの人は今も生きている”ちゅうサプライズを用意して、グッと泣かしてくれはりました。

6
劇中で使われる音楽や、サントラ的にも、これまでの山田監督作品では、最も作品性に即した内容やったどす。

久石譲はんが音楽監督でおます。

弦楽オーケストラを含め、バンドネオンの採用など、渋く時代感を示さはります。

当時大ヒットした「オーケストラの少女」(1937年・アメリカ映画)にまつわる、松ネーと吉岡アニの会話や、当時国民的流行歌手やった、藤山一郎の「丘を越えて」などが流れます。

ちゅうことで、山田洋次監督の新境地を示す傑作です。

2013年12月27日 (金)

ジャパニーズ・ドキュメンタリー「祭の馬」⇒週末日本映画劇場1

Photo_3

動物ドキュを、社会派ドキュに、絡めて描かれた問題作や

松林要樹監督の「相馬看花」シリーズ3部作の第2弾や

http://www.matsurinouma.com

1月11日の土曜日から、東風はんの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2
東日本大震災と福島原発との、いわゆる社会派ドキュメンタリー「相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶」(弊ブログ内検索で出ます)のシリーズ第2弾でおます。

その社会派性だけやなく、そこに福島原発でエライ目に遭った、お馬ちゃんの動物ドキュメンタリーとゆうスタイルでお贈りする1作。

社会派ドキュと動物ドキュを、絡めたドキュ映画は、おそらく映画史上初ものやないやろか。

2_2
ちゅうことで、ここで、動物ドキュの、マイ・ベスト&カルト・スリーなるものをば、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①沈黙の世界(1956年製作・フランス映画)②WATARIDORI(2001年・フランス)③キタキツネ物語(1978年・2013年・日本・弊ブログ内検索)

●カルト⇒①本作②世界残酷物語(1962年・イタリア)③子猫物語(1986年・日本)

●各映画が、どんな動物を描いとるのかを言いますと…。

クジラのベスト①、渡り鳥のベスト②、キツネのベスト③、馬の本作、牛から亀までのカルト②、猫のカルト③。

3_2
アメリカ映画の動物ドキュが少ないんは、おそらくディズニーの動物擬人化アニメ映画の、世界的認知で、わざわざドキュにしてまで作ろうとは、思わなかったからでおましょうか。

この種のドキュは、フランスや日本、あるいは、BBC製作ものの良質作の多いイギリスなどが、盛んやと言えましょう。

4
でもって、本作の凄さは、馬を描いたドキュは、今までにもあったけど、

こんなに不幸な道をたどった馬の半生を、徹底的に描いた映画は、まあ、ありまへんやろっちゅうとこやろか。

競走馬として生まれた、ミラーズクエスト号は、4戦したけど、最下位続き。

ほんで、競走馬としての資格を抹消されてしもて、福島の南相馬市へ売り飛ばされた。

そこで、祭り神事の行事馬として、生きてゆこうとしたんやけど、原発事故があって、

おそらくそのせいで、オチンチンが腫れ上がってしもて、痛いわーとなってまいます。

5
あそこが腫れ上がったまま、さらに馬は、数奇な運命をたどってゆきます。

その事実を、そのまま冷徹に映しとる、描き込みには、見たあとあと、みなはんのココロに、何らかのクサビが打ち込まれるやもしれまへん。

馬のアップ、目のアップなどが頻出。馬のキモチを引き出そうとゆう作りが、ある意味で素晴らしい。ディズニーには、できないとこやと思います。

6
サイレント映画のノリを思い出させる、タイトに繰り出される字幕カットが、リズミックどした。

さらにゆうと、雲が広がっていくシーンとか、自然描写シーンの、巧妙な挿入。

チェロ、バイオリンなどの弦楽や、ギターなどを流して、馬映画のリズムを作ってゆかはります。

ラストロールで流れる、沖縄民謡のような、福島ヤマトンチューな歌が、ココロにグッときます。

前作よりも、出来がアップした作品どしたえ。

2013年12月26日 (木)

中国映画「グォさんの仮装大賞」⇒中華映画の良心

Photo

老人映画のセオリーを、くつがえす快作でおます

前向きな老人パワーに、圧倒される1作や~

http://www.guoson.jp

2014年1月11日の土曜日から、コンテンツセブンはんの配給によりまして、東京・シネマート新宿やら、大阪・シネマート心斎橋やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 Desen International Media Co., Ltd

老人ホームもの、老人映画など、老人主人公・ヒロインもの映画を、みなはんは、どない思わはるでおましょうか。

まあ、取りあえず、老人映画のマイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくままに披露してみました。

●ベスト⇒①老人と海(1958年製作・アメリカ映画)②旅路の果て(1939年・フランス)③恍惚の人(1973年・日本)

●カルト⇒①本作②アバウト・シュミット(2002年・アメリカ)③ペコロスの母に会いにいく(2013年・日本・弊ブログ内検索で出ます)

●大たいが老人の黄昏イメージを、追求した作品が多いように思うけど、やっぱ老人も元気やで~なとこを、やってくれる映画は、出来はともかく、みんなに勇気や希望をくれはります。

老人が1人でガンバらはる、ベスト①やカルト②もあるけど、老人群像劇で、やってくれはる映画もあります。

1
特に、老人群像劇は稀少でおます。

ともすると、ジジむさくババむさくなってまい、そんなにあんまし積極的に、見に行きたくないわ~てな人も、いてはるやろけど、

本作はそういう人にこそ、見てもらいたい1本になっとります。

ベスト②なんかは、俳優専門の老人ホーム群像劇なんやけど、ポジティブな本作とは、真逆の作りどす。

でもしか、老人たちが前向きになって生きていくとゆうスタイルは、世代を別にしてパターン化した素材でおます。

ましてや、仲間の1人が死んでしまうとゆうパターンは、ある種の定番でもあり、その流れで都合よく描かれる、家族のキズナ部も、取って付けたようなとこが、ないとは申しまへん。

2
老人ホームにいてる老人たちが、主人公グォさんや、リーダー的存在の老人たちのススメで、「仮装大賞」のコンテストに出るとゆう話なんやけど、

本編のいくつかのところで、こりゃベタやな、どっかで見たなっちゅうようなとこが、いくつか散見できよるかと思います。

監督のチャン・ヤンはんは、お湯を通した父子のキズナ「こころの湯」(1999年・中国)とか、

孤独な散髪屋さんの老人を描いてるけど、最後はナンチュー「胡同(フートン)のひまわり」(2008年・中国)など、キズナを描くためのそれっぽさを、意図的に作ってゆくようなとこがあります。

ほんでもって、本作はその最たるものとなった感があるんやけど、でもしか、ありふれ系を入れつつも、魅せてくれはります。

3
老人同士の友情、祖父・父・孫や疑似夫婦のキズナなどが、定番のように、紡がれてまいるのですが、ありきたりやんかの感想コトバが、やがては変わってくるはずどす。

バスでのロードムービー部、海辺の日の出シーンや、雲が膨らむ空のシーンなどの、中国の美しき風景シーン、そして、ハープをポイントにしたオーケストラ・サウンドなどが、徐々にココロに染み入る何かを、感じるハズどす。

そんでもって、満点を取ったコンテストでの演目もエエけども、ラストで披露される演目には、さらにさらに、グッときよりました。

老若男女関係なしに、ココロにクルところの、シークエンスどしたえ。

ゅうことで、前向きな老人群像劇の、快作どす。

2013年12月25日 (水)

スペイン映画「地中海式 人生のレシピ」⇒料理人間ドラマ映画どす

Photo
「突然炎のごとく」の、レシピ版三角関係ドラマ映画でおます

オリビア・モリーナ姉さんの、脱ぎっぷりにも注目の逸品やで~

http://actioninc.luna.weblife.me/dieta

1月より、Action Inc.はんの配給により、梅田ガーデンシネマやらで、全国順グリのロードショーでおま。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

ⒸMessidor films Production

男女の三角関係ドラマ映画と、料理映画の融合を試みた、画期的な1本でおます。

料理ものを媒介とした、この種の三角関係映画は、これまでにはありまへんどした。ちゅうことで、取りあえず、まずは、料理レシピ系映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたしてみまひょか。

●ベスト⇒①大統領の料理人(2012年製作・フランス映画・弊ブログ内検索で出ます)②かもめ食堂(2005年・日本)③タンポポ(1985年・日本)

●カルト⇒①本作②武士の献立(2013年・日本・弊ブログ内検索)③食神(1996年・香港)

2
●従来の料理映画は、ベスト①②みたいに、その料理をする人間のドラマ映画として、機能することが多うござりました。

スマスマの料理対決とシンクロするような、対戦ドラマなカルト③とか、

麺類系のベスト③なども、ゲーム的感覚やら、料理へのこだわりとド根性で、魅せる映画やったり、

人間関係性(愛とか恋とかキズナとか)においては、そんなに感動系の映画は、なかったかと思いますが、

どうでっしゃろか。料理に疎いボクチンなんで、大したことは言えないんやけども…。

3
ただ、人間関係ドラマ性と料理ドラマを、融合させるとゆう試みは、最近になって活性化してきたような気がしよります。

今年出たのでは、夫婦のキズナを、料理と絡めたカルト②。

ベスト①も今年日本公開の作品やけど、料理関連ドラマのヒューマニズムは増しているように思われます。

でもって、本作は、男2人女1人の、オーソドックスな三角関係を描きつつも、そこにグググイッとクル説得力がありました。

それはナンチューても、オリビア・モリーナ・ネーさんの、強気かつ前向きな演技ぶりと、脱ぎっぷりの良さもあるでおましょうか。

4
三角関係ドラマ映画は数限りなくありまっけども、まあ、おそらく本作は「突然炎のごとく」(1961年・フランス)を、かなり意識してはるように見受けられました。

3人の関係性は、ユニークかつ驚きのあるつながり具合どした。

ほんで、「突然炎の…」のジャンヌ・モローより、攻撃的かつ積極的なオリビア・ネーさん。最後まで緩むことなく、そのテンションは貫かれておます。

5
そやから、トンデモ前向きなヒロイン・ドラマとしても、印象に残ってくる作品どしたえ。

コドモ時代から描かれ、南フランスでの料理修行シーンなども分かりやすく、でもって、料理シーンも具体的で緻密な作りをしてはります。

最後に分かるんやけど、ヒロインの娘はんのナレーションによって、物語は進行いたします。そういう流れからも、ラスト・シーンは、ある意味で鮮烈どした。

サントラ部は、パーカッションをポイントにした、ノリのいいインストを中心に、ジプシーなダンス・ナンバーに乗って踊るシーン、スペインの民族音楽的なサウンドの妙など、ドラマに合わせたノリの良さが、ポイントになっとります。

冒頭の日照り感ある、スペインなどの描写を始め、乾いた感覚の中で魅せられる、ウェルメイドな恋模様が、オモシロおかしく描かれて…。

「危険な関係」(昨日分析済み)と同じく、ヒロインが危なっかしい、無鉄砲な作りなんやけど、むしろ逆に、心理三角ドラマとしては、スムーズでわかりやすかったです。

ということで、ナンチューても、ヒロインの輝きに、魅了された1本どした。

2013年12月24日 (火)

中国映画「危険な関係」⇒チャン・ツィイー&チャン・ドンゴン共演の恋愛映画

Photo
トリプル「チャン」による、女2人男1人の三角関係を描いた、文学作品の映画化どす

「四月の雪」のホ・ジノ監督節が、冴え渡る会心の1作どすえ

http://www.kikennakankei.jp

2014年1月10日の金曜日より、キノフィルムズはんの配給によりまして、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、大阪ステーションシティシネマ、T・ジョイ京都やらで公開どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

Ⓒ2012 Zonbo Media

チャン・ツィイーネーさんの、マイ・ベスト&カルト・スリーは、以前にも披露さしてもろたんで、ここでのリセット披露は、やめときますが、本作はベストに入ってもおかしゅうない仕上げになっとります。

「初恋のきた道」(2000年製作・アメリカ&中国合作)のあのオボコサが、こんな逼迫系のドロドロ系の恋愛になるやなんて。

それは進化なんやろか、それとも退廃の美学なんやろか。

でもしか、クールと泣きの絶妙なバランス感や破綻感は、強烈至極どした。

4
さてはて、中国映画への韓国俳優の進出ぶりは、恒常となっとるけど、ここで、本作プレイボーイ役主演のチャン・ドンゴンのアニキのマイ・ベス&カルをやってみましょう。

以下、指定国以外は韓国映画どす。

●ベスト⇒①本作②ブラザーフッド(2004年)③友へ、チング(2001年)

●カルト⇒①マイウェイ 12.000キロの真実(2011年・韓国&日本)②PROMISE(2005年・中国)③タイフーン(2005年)

3
●韓国四天王の1人、ドンゴンのアニキやけど、意外や意外、ラブ・ストーリーには、そない目を奪われそうなんは、これまでにはありまへんどした。

兄弟やら男同士やらの、キズナを描く傑作が多く、うっとりしとるような間はありまへんどした。

時代劇のカルト②や、パニック・ムービーのカルト③でも、恋愛映画部は希薄どしたわな。

でもしか、今度は違いまっせ。純愛やら、泣ける恋愛もの路線やありまへん。

いきなりの、バリバリのプレイボーイ役や。見ていて、決して好感のある役柄やありまへん。

このあたりが、どないドンゴン・ファンに見られてまうのかを、心配するくらいどした。

でも、「アメリカン・ジゴロ」(1980年・アメリカ)のリチャード・ギアよりは、ヤワ(柔)やったと思います。

6
いろいろ言われるかもしれんけど、しかし、それでもボクは、彼の作品の最高傑作に、本作を推しまっせ。

アップ、クローズアップが多用される、2人の女(ツィイーとセシリア・チャンの各ネーさん)との絡みにおける、ベタさ加減など、ついついハマッて見てまいましたがな。

8
でもって、セシリア・チャンも、快演技ぶりどすえ。

みなはん、彼女のことは、よう知らはらへんかもしれへんけど、ヒット作「少林サッカー」(2001年・香港)では、あんまし出てへんかったけど、

主演した「忘れえぬ想い」(2003年・香港)などが、DVD化されとりまんので、本作を見て気にいったら、ぜひ見てみてくだされ。

はっきりゆうて、チィイーネーさんより、演技がうまい。ちゅうか、悪女的演技で、やけどな。

5
ラクロ原作のこの小説の映画化では、DVD化されとるのんでは、

グレン・クローズ主演で、アカデミー賞の脚色賞をゲットした、1988年のハリウッド版、

ロジェ・ヴァディム監督とジャンヌ・モロー主演の、1959年製フランス映画なんぞがありますけども、

どちらも傑作ではあるんやけど、本作の方がやや上の仕上がりかと、勝手にジャッジいたします。

7
韓国のホ・ジノ監督の作家性が、にじみ出た作品となっとります。

ペ・ヨンジュンとソン・イェジンの不倫劇「四月の雪」(2005年)や、イ・ヨンエとユ・ジテが絡んだ「春の日は過ぎゆく」(2001年・韓国&日本&香港)など、

微妙な恋愛の綾を織り成し、その深層心理の奥を突く演出ぶりには、毎回驚かされるけども、

今回の作品は、彼のそういう路線の最高傑作やと申せましょうか。

三角関係3人分の、心理描写演出ぶりに、注目してみなはれ。恋愛することのヒリヒリ感が、胸にクル作品どした。

2013年12月23日 (月)

「インシディアス[第2章]」⇒シリーズものアメリカン・ホラーどす

Photo

「サイコ」「シャイニング」など、名作ホラー・サスペンスの、エエとこ取りをした第2弾や~

一体、誰の霊がこの世に蘇ったのかが、ミステリー・タッチで展開や~

http://www.insidious2.jp

2004年1月10日のフライデーから、ソニー・ピクチャーズはんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

21世紀のホラー映画。みなはんは、かつての名作と比べてみはって、どないでっしゃろか。

ちゅうことで、前にもやったやもしれまへんけども、取りあえずはリセットしてでんな、ここで21世紀に作られたホラー映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくまま気ままに披露いたします。

●ベスト⇒①ドラキュラ(2012年製作・イタリア&フランス&スペイン合作・3月8日公開・後日分析いたします)②呪怨(2002年・日本)③パラノーマル・アクティビティ(2010年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)

●カルト⇒①本作②the EYE(2001年・香港&タイ)③エルム街の悪夢(2011年・弊ブログ内検索)③バイロケーション(12月20日付けで分析)

2
●ホラー映画の新しどころを、クリエイトするには、前世期にイロイロ出てきたところにおいては、今の時代には、非常に難解なジャンルになっとるんやないかと、ボクは思とります。

でもしか、そんな中でも、かつての名作の亜流と思われてもエエ。

けども、試行錯誤した暁には、21世紀的に進化したような作品が、提示できるならば…、それに勝るもんはないと思うんどすえ。

3
20世紀作品のリメイクとなった、カルト③「エルム街の悪夢」。

館ホラーを、それぞれ応用させたベスト②③。

ビデオやった「リング」(1998年・日本)を、瞳に転化したカルト②、

ホラー的騙しの美学を取り入れた、カルト③「バイロケーション」。

でもしか、カルト①ベスト①は、過去にもあった作品のようでありながらも、できるだけのオリジンをば、追求しはった作品どした。

4
今やカビが生えとるくらいの、ドラキュラ伝説に挑んだ、「サスペリア」(1977年・イタリア)の監督、ダリオ・アルジェントの、衝撃の一撃と言うべきベスト①。

そして、こちらは、霊的体験や憑依を、かつてない本格モードで取り上げはった1作となっておます。

まあ、騙されたと思て、見てみなはれや。きっと、アッと驚く恐怖体験が、できるハズどす。

5
確かに、見出しに書きましたようにでんな、名作「サイコ」(1960年・アメリカ)やら「シャイニング」(1980年・アメリカ)やらを、思い出させるようなシーンが、あるにはあります。

しかし、それらの引用は、オリジナルを超えるようなポイントでやってはるんが、凄いと思うとこなんどすえ。

オカンとの関わりで殺人鬼になった「サイコ」のセンスは、より多重人格性を帯びとるし、

徐々に狂って、遂には斧を振り回して、妻子を追う夫を描いた「シャイニング」のセンスは、霊的世界とのシンクロで、よりスリリングになっとります。

6
これまでのホラー映画とは違う、新味っちゅうもんについて、ゆうてみましょう。

どの霊が霊界から、現世に来よったんか。そこんとこは、大いなるポイントやけど、霊媒師たちやらが、そいつを特定していく過程の、ミステリー的面白さは特筆もん。

ショッカー的効果(効果音やらで、観客をビビらせる手法)もあるんやけど、意図的にやるよりは、自然な流れで取り込んではるんは、これまでのホラーのスタイルとは、ビミョーに異なっておます。

7
音的にも、サントラは不気味で、薄気味悪さをば、ポイントにしてはるような怖さどした。

撮り方も凝ってはりました。影や闇の使い方、室内の緊張感はらむ、ゆっくりの移動撮影やら、

イントロの聴取シーンの、徐々にカメラが寄ってくる長回し撮影やら、怖さをさらに怖くするため、みたいな撮り方に、チビリチビリヤラレますで。

第3弾へつなぐためのシーンも、最後に用意されとりまして、このシリーズが、どおゆう変遷をたどるんか、今後も注目しときたいと思います。

2013年12月22日 (日)

完結編「トリック劇場版 ラストステージ」⇒週末日本映画劇場3

1_2

「タイタニック」「地獄の黙示録」から「ライフ・オブ・パイ」まで、多彩な映画パロディも入れて、有終の美を飾らはりま

仲間由紀恵ネーさんと阿部寛アニキの、ラスト・シークエンスは、メッチャ感動的どすえ~

http://www.yamada-ueda.com

2014年睦月1月11日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「トリック劇場版 ラストステージ」製作委員会

これまでのテレビ・シリーズ(2000年の深夜放送枠から始まっとります)や、テレビ・スペシャル版や劇場版は、全てDVD化されておます。

また、シリーズ・ラストを飾る本作の、公開直後の1月12日やけど、午後9時からテレ朝系で、ホンマの真打ちとなるらしい、2時間スペシャル版が、オンエアされよります。

そういうディスコグラフィー的・日程的流れどすが、はっきり申し上げましょう。

本作は、シリーズ最高のケッサクやと、ボク的にはジャッジいたします。

さてはて、ここで、主演の2人についてどす。

まずは、仲間由紀恵ネーさん。彼女のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①ラブ&ポップ(1998年)②武士の家計簿(2010年)③溺れる魚(2001年)

●カルト⇒①本作シリーズ(2002年・2006年・2010年・2014年)②LOVE SONG(2001年)③ごくせん THE MOVIE(2009年)

2_2
●ベストの全てとカルト②は、シリアス系の演技やけど、仲間ネーさんの持ち味は、とゆうか、国民的人気になってる、好感度の高い演技は、コメディエンヌとしての演技が、ほとんどであります。

そして、テレビドラマの延長線でやってはる場合が多いんで、それらの映画は非常に親しみやすい演技で魅せてくれはります。

ボクチンは由紀恵ネーのシリアス演技も、ベスト①の、クールでタカビーな女子高生役などには、エライ魅せられたけど、

でもしか、ヤッパ、美女やのに、本作のようなコミカルが似合わはる、女優はんちゅうのは、日本にはそうそういてはらしまへんで。

日本のキャメロン・ディアスやとゆうても、エエかもしれまへん。

3_2
さてはて、お次は阿部寛アニキや~。

●ベスト⇒①歩いても 歩いても(2008年)②チーム・バチスタの栄光(2008年)③テルマエ・ロマエ(2012年・弊ブログ内検索で出ます)

●カルト⇒①本作シリーズ②血を吸う宇宙(2001年)③はいからさんが通る(1987年)

●阿部寛アニキのマイ・チョイスも、何やら由紀恵ネーと、似通っておるやもしれまへん。

シリアス演技よりも、コメディアンとしての演技に、魅力をカンジよります。

デビュー作のカルト③の系列が、よーく見たら、ベスト③とシンクロナイズしとったり、カルト②のシュールなコメディアン役とも、シンクロしよります。

でもって、ヤッパ本作シリーズが、阿部寛コメディアン演技の、完成型でおましょう。

4_2
そして、堤幸彦監督的のとこから、本作を見てみまひょか。

堤監督はテレビ畑の人やから、テレビと映画を結ぶ監督としては、「踊る大捜査線」(1998年)の本広克行監督と、双璧を成してはるかと思います。

ほんでもって、いろんな映画へのパロディやったり、映画的な特殊な映像やったりを追求してはります。

パロ的には、船に乗っての「タイタニック」(1997年・アメリカ)的ヘサキの手を広げシーン、川をさかのぼる「地獄の黙示録」(1979年・アメリカ)、

ヒロインの母(野際陽子はん)の過去を、手書きの紙芝居風に映す時の「ライフ・オブ・パイ」(2012年・弊ブログ内検索)とか。

ほんで、オモシロ映像の数々や。マイ・ベスト3を挙げると…。

①3Dメガネを掛けて、見てくれっちゅうシーン。なんじゃそらー。

②感動的なラスト・シーンにつながる、フーディーニに関する、セピアな手書きアニメ・シークエンス。

③北村一輝アニキが、殺されるシーンの、ブレブレ揺らぎカット。

ちゅうことで、シリーズの有終の美を、飾るにふさわしい作品どした。

2013年12月21日 (土)

「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」⇒週末日本映画劇場2

Photo
西島秀俊のアニキの最高傑作が、年頭から登場や~

記憶喪失系ミステリーの傑作どす

http://www.genomehazard.asmik-ace.co.jp

睦月1月24日の金曜日から、アスミック・エースはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

本作は、韓国との合作となった日本映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2
昨日は「日本ホラー小説大賞」の、映画化作品を取りあげましたけども、

本作は文藝春秋が主催した「サントリーミステリー大賞」(2003年で終了・今はありまへん)受賞作の、

初の映画化作品でおます(一部読者賞受賞作などが映画化されとりますが、大賞受賞作は初)。

記憶喪失とか、記憶改ざんとかを、モチーフにした作品どす。

ちゅうことで、ここで、記憶喪失系を取り入れはった、ミステリー&サスペンス映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、勝手に披露さしてもらいます。

2
●ベスト⇒①トータル・リコール(1990年製作・アメリカ映画)②ボーン・シリーズ(2002年・2004年・2007年・アメリカ)③エンゼル・ハート(1987年・アメリカ)

●カルト⇒①メメント(2000年・アメリカ)②トランス(弊ブログ内検索で出ます)③本作

●記憶喪失してもうた、探偵(ベスト③カルト①)やとか、スパイ(ベスト②)やとかが、何やら多いけど、

本作はベスト①やカルト②のように、ごく一般人に見える人を、主人公に据えた1本でおます。

しかも、従来の記憶喪失系を、破壊するような設定。

別の人間の記憶を、主人公に植え付けて、自分は何者なのか分からないままに、

5日間のタイム・リミット内に、主人公が真相を暴いてゆくとゆう、スタイルなんやけど、

これがモノゴッツーな、緊張感あふれるサスペンスものになっとりました。

4
主人公には西島秀俊のアニキが、キャスティングされはりました。

ちゅうことで、ここで、西島アニキのマイ・ベスト&カルト・スリーをも、披露さしてもらいま。

●ベスト⇒①本作②Dolls<ドールズ>(2002年)③蔵(1995年)

●カルト⇒①ストロベリー・ナイト()②ニンゲン合格(1998年)③大失恋。(1994年)

●西島アニはどっちかとゆうたら、ブッキラ棒演技に、妙に魅かれるとこがありました。

ベスト③やカルト③は、まだその種は見せてへんけど、無表情演技の綾とゆうか、ベスト②カルト②なんかは、その代表例でおましょう。

でもしか、最近は変わってきてはります。

3
感情を露わにする作品が、最近はなぜか、増えてきてはりまんねん。

刑事役でも人間臭いカルト①とか、

ほんでもって、本作では逼迫演技の最高級ラインを、示さはりまして、西島アニのキャリアの中でも、マイ・ベストワンでおます。

妻が殺されてる自室マンションに、西島アニが帰ってくるところから、このミステリーは始まります。

でもって、その真相を探るべく、彼を消さんとする謎の組織との、逃げつつの対戦をしはります。

彼をサポートする、テレビ局の美人記者役に、韓国女優キム・ヒョジンのネーさんが扮しはりました。

5
メッチャ日本語がうまい。日本映画に出た、これまでの韓国男優・女優の中で、過去最高に上手やと思います。

ほんで、AKB48の大島優子チャンに似た、容姿や仕草についハマッてまいますで。

西島アニとの、セリフのやり取りなんかにも、意味深かつ深みがござりました。

しかも、グッとステキなラストシーンでも、魅せてくれはります。

ラブ・ストーリーへと着地するこの展開は、殺伐としたサスペンスに、癒やしのアクセントをば加えはるんどすえ。

また、大きなキーを握る、真木よう子ネーの、騙しの演技ぶりなどにも要注目どす。

こいつぁ初春から、心地よく騙されたい1本でおます。

2013年12月20日 (金)

Jホラー映画「バイロケーション」⇒週末日本映画劇場1

Photo
「日本ホラー小説大賞」関連の作品では「バトル・ロワイアル」以来の映画化どす

水川あさみが活躍する、ヒロイン・ホラーの快作や~

http://www.bairoke.jp

2014年1月18日の土曜日から、KADOKAWAはんの配給によりまして、「表」バージョンが全国ロードショーや~。

結末の違う「裏」バージョンは、2月1日から公開どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2014「バイロケーション」製作委員会

角川書店が主催する「日本ホラー小説大賞」は、

鈴木光司「リング」が、ミステリーの賞「横溝正史賞」の最終選考で落選したことによって、ホラー系の小説賞を設けるべきやとのことで、始まった賞でおます。

そこで、受賞したりしそこなったりしたホラー小説が、これまでに本作までに、4作品が映画化されておます。

ちなみに、それらを申しますと、「パラサイト・イヴ」(1997年)、「ISOLA・多重人格少女」(2000年)、「黒い家」(1999年)、「バトル・ロワイアル」(2000年)どす。

2
さてはて、ここで、怪談を含む日本映画のホラー映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①怪談(1964年・弊ブログ内検索で出ます)②東海道四谷怪談(1959年)③リング(1998年)

●カルト⇒①本作②呪怨(2002年)③着信アリ(2003年)③リアル鬼ごっこ(2007年)

●上記のホラー大賞作やけど、全てが怖いちゅうよりは、映画としての作りに凝って、怖さよりも映画的娯楽性で一貫しとりました。

でもしか、マイ選択では、怖いもんを中心に選んでおます。

映画的にもスゴイベスト①や、日本映画黄金時代の、ホンマに怖いベスト②など、ボクらの世代をビビらせた作品は、

DVD化されとるんで、ぜひ若い方にも見てもろて、チビッてもらいたいわ。

3
でも、カルトでは、21世紀の若者受けする作品を選んでみよりました。

「リング」を応用させたとはいえ、AKB48を作った秋元康が、原作のカルト③「着信アリ」。

本作の女性監督・安里麻里ネーさんが、第3弾から第5弾を監督しはった、シリーズもんのカルト③「リアル鬼ごっこ」。

「リング」と共に、ハリウッドで映画化されたカルト②。

ほんでもって、本作どす。

本作以外は、シリーズ化されとるのんも、特徴的な傾向どすやろか。

本作がシリーズ化されるんかどうかは別にして、ホラー小説大賞の大賞受賞作の映画化としては、「パラサイト・イヴ」「黒い家」に続く、3度目となる本作。

ボク的ジャッジでは、3作の中では、本作が最も怖かったどすえ。

6
怖がらせる側・怖がる側を分けるのがフツーやけど、本作はその立場違いを同居させはった、ヒロイン・ホラーとなりました。

そのポイントとしては、ヒロインの分身がいて、ヒロインに対して、敵愾心を抱くとゆうスタイル。

タイトルの「バイロケーション」とゆう現象らしいんやけど、「ドッペルゲンガー」(2002年)で描かれた、大人しい分身でもなく、

また、「俺俺」(2013年・弊ブログ内検索)みたいな、多重人格映画でもない、ユニークな面白さを展開させはります。

5

しかも、そういう人たちが何人もいてはって、みんなで共闘戦線を張らはりまんねん。

互いに協力し合って、自分とゆう敵と対決しはります。

水川あさみネーさんが、怖がる側と怖がらせる側の1人2役を、誰にでもわかりやすいノリで、ほぼ自然体で演じ抜いてはります。

きっとみなはんが見ても、好ましいカンジを覚えるハズどす。

4
そして、最後には、トンデモないサプライズがござります。

これに対し、チラシやらでは「シックス・センス」(1999年・アメリカ映画)を超えるやなんて、コピーされとります。

「エンゼル・ハート」(1987年・アメリカ)や、「メメント」(2000年・アメリカ)なんぞも関連するんやけど、

その種の映画的のサプライズにおいては、確かに強烈な新味をば、加えてはるかと思います。

いずれにしても、Jホラーの新鮮味を、開拓した快作どすえ~。

2013年12月19日 (木)

「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」⇒サスペンス系イタリア映画どす

Photo_2

「ローマに散る」「黒い砂漠」「暗殺の森」など、重厚なるイタリアン社会派ミステリーが復活や~

室内劇中心ながら、グイグイと緊張感をあおってきよりまっせー

http://www.moviola.jp/fontana/

ムヴィオラはんの配給によりまして、東京は12月21日から全国漸次公開やけど、大阪は2004年1月から、大阪・梅田ガーデンシネマやらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 Cattleya S.r.l. - Babe Films S.A.S

イタリア映画でみなはんが、イメージするもんって何?  どないな映画が、好きやねん? なんてゆうても、どないですやろか。

ちゅうのんは、この21世紀において、イタリア映画が大手を振って、日本全国イッセー公開やなんてのんは、まあ、ほとんどござりまへんねん。

ああ、それなのに、それなのに、ねえ、こんな問いかけ皮肉やないのん、ねえ~、やろ?

でもしか、エエ映画はエエもんやとゆう、基本に帰って分析いたしま。

このイタリア映画は、実話をベースにしたサスペンス映画どす。スリリングな裁判を始め、室内劇がメインやけど、重厚かつ骨太なカンジが、エエ感じちゅうか…、渋うおます。

1_2
ちゅうことで、ここでイタリア映画に限定してでんな、さらにミステリー・サスペンスものに限定して、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露さしてもらいまっさ。

●ベスト⇒①刑事(1959年)②黒い砂漠(1972年)③ローマに散る(1977年)

●カルト⇒①本作②題名のない子守唄(2006年)③暗殺の森(1970年)

●ベルナルド・ベルトルッチ監督作品では、カルト③を選んだけど、この種の緊張感ある、サスペンスフルな映画としては、彼はある意味では、巨匠やと申せましょう。

また、庶民派ピエトロ・ジェルミ監督のベスト①の、感動的な穏やかな作りや、鋭い社会派ぶりを遺憾なく発揮しはった、フランチェスコ・ロージ監督のベスト②③などは、社会派バリバリの作り。

本作にも通じる、刑事の苦悩ぶりを描くベスト③なんかは、メッチャ必見なんやけど、残念ながらDVD化されておまへん。

2_2
「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989年・弊ブログ内検索で出ます)が有名な、ジュゼッペ・トルナトーレ監督も、カルト②や、公開中の「鑑定士と顔のない依頼人」(残念やけど、ボクチンは未見どす)など、ミステリーもお得意にしてはります。

でもって、本作や。

国家規模で、隠蔽工作したんとちゃうのんかいな~な、1969年のテロ事件の、捜査側をメインに描いた作品どす。

未解決事件を描いた映画としては、事件の知名度を横に置いとけば、「JFK」(1991年・アメリカ)にも迫る仕上がりやもしれまへん。

また、室内劇的テイストでは、「大統領の陰謀」(1976年・アメリカ)なんぞの、センスもカンジましたやろか。

3_2
映画的照明をワザトラマンのように排し、くすんだ薄グリーンの色合いに加え、影のダーク感を強調した作りは、当時の時代感を出すというよりは、サスペンスな作りに打ってつけやったと思います。

振り返る近過去シーンを、モノクロにしてるのも意味深。事件報道のテレビがモノクロなんも、リアル感ありどした。

主人公の刑事がメインやけど、被疑者たち、外相などの政府側、検事、記者など、過不足なく描き込んではるとこらに、ドラマ的気配りみたいなんをカンジたし、そのバランス感もOKどっせ。

実話とはいえ、メインの事件にまつわる被疑者の、聴取中の死亡事件などで、リーダビリティー(引き込む力)を増す作りなどにも、好感がありましたで~。

2013年12月18日 (水)

「キューティー&ボクサー」⇒トンデモ夫婦のアメリカン・ドキュメンタリーどす

Photo

NYへ進出しはった、前衛アート日本夫妻の、今を描く怪作やで~

来年のアカデミー賞のドキュ賞で、期待できそうな1本どす

http://www.cutieandboxer.com

ディセンバー12月21日のサタデーから、ザジフィルムズはんとパルコはんの配給によりまして、東京・シネマライズやら、大阪のシネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

6
Ⓒ2013 EX LION TAMER, INC. All rights reserved.

本作は芸術家夫婦を描いた、異様な熱気をはらんだ怪作でおました。

ちゅうことで、ここで、ドラマ映画・ドキュ映画に関わらず、夫婦映画・夫婦やなくても同棲映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくままに披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①道(1954年製作・イタリア映画・弊ブログ内検索で出ます)②夫婦善哉(1955年・日本)③アニー・ホール(1977年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②ラリー・フリント(1996年・アメリカ)③ひまわり(1970年・イタリア・弊ブログ内検索)

1

●日本映画には、恒常的に夫婦映画の傑作がありますが、夫婦の関係を描く、正統派的な作品が余りにも多く、

ベストテンを選ぶわけでもないし、選び切れへんので、あえてベスト②だけにしております。

日本の夫婦映画については、また機会があったら、思いきしやろうと思とりま。

また、ベスト①など、夫婦でも同棲でもないんやけど、フェリーニ監督が、妻をイメージして描いたっちゅうことで、あえて入れとります。

2
ベストもカルトも、いずれ劣らぬ傑作ではあるんやけど、夫婦のキズナを描くようなありきたり系やない、ユニークな関係やらを中心に選んでみよりました。

ドキュは本作だけになりましたけども、夫妻のトンデモ変な関係性は、ハリウッドでドラマ映画したいくらいの作品どす。

ゆうてみたら、ベスト②の、だらしない身勝手な夫と、しっかりしてはるけど自己主張はちゃんとしやはる妻、とゆうような関係でおまして、

またベスト①の見世物男女コンビが、芸術家夫婦に転化したような作りになっとります。

3

ボクシング・ペインティング(写真5枚目)なるもんを、やってはる夫・篠原有司男(しのはら・うしお=通称ギュウチャンやて)。

グローブに墨を付けて、白壁を移動しもって殴りつけて、ペインティングする、唯我独尊な前衛アートどす。

冒頭で、そのアートが披露されよるけど、1969年にペイント・アートの本場NYへ行き、

バスキアやウォホールやらと、張り合ったかどうかは別にしてでんな、それ以来ズーッとNYに居ついてはります。

4
片や、妻・篠原乃り子(しのはら・のりこ)の方はでんな、1972年にNYへ真面目に美術留学しとったのに、

この変なのにつかまってしもてですな、フォーリン・ラブしてしもた。

ほんで、親の反対を押し切って結婚。

昔の写真やら動画も映されとりますが、当時はメッチャアイドルチックにかわいいねん。

ほんでもって、今もなお、そんなアイドルチックな面影がありまんねんで。

5
彼女は自身を託さはったヒロイン「キューティー」を描く、手書きのドローイング・シリーズ(写真6枚目)で、有名にならはりました。

夫の助手のようなこともやりもって、このシリーズに打ち込んでゆく姿が、ある意味で感動的にも、描かれていっとります。

でもしか、モチ、ポイントは夫婦の関係や。そしてなんとも言えない、つながりとキズナ。ベタやないけど、普遍的な夫婦の在り方が、ここに描かれておます。

スロー・モーションで描かれる夫妻2人の、ボクシング・パフォーマンス・シーンなども、映画にユニークなアクセントを加えとります。

ちゅうことで、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞が、期待できるような作品どした。

2013年12月17日 (火)

「キリングゲーム」⇒2大スター共演のハリウッド映画どす

Photo

「タクシードライバー」ロバート・デ・ニーロと、「サタデー・ナイト・フィーバー」ジョン・トラボルタの、初共演作品どす

「ヒート」のデ・ニーロ、「フェイス/オフ」のトラボルタ。男と男のガチンコ対決が、今、始まりまっせー

http://www.killing-game.jp

1月11日の土曜日から、ショウゲートはんの配給により、新宿バルト9を皮切りに、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2013 PROMISED LAND PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

昨日のスタローン&シュワちゃんの「大脱出」に続きまして、2大スター共演ちゅう触れ込みの、ハリウッド映画でおます。

今度はロバート・デ・ニーロはんと、ジョン・トラボルタはんや。

スタローン・シュワとは違いまして、ゴリゴリの肉体派アクション・スターのイメージは、2人にはありまへん。

演技派のデニーロに対し、トラボルタは柔軟性のある演技。

共に1970年代に、頭角を現わさはりましたけども、デ・ニーロ「タクシードライバー」(1976年製作・以下の引用は、指定国以外は全てアメリカ映画どす・弊ブログ内検索でも出ます)と、トラボルタ「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977年)の違いは明白どした。

トラボルタは、そのプレーボーイ・ダンサーぶりを、かつてはひきずった形の演技が目立っとりました。

ところがどっこい、「パルプ・フィクション」(1994年)で業界復帰してからは、大いに変わりました。デ・ニーロにもヒケを取らない演技派ぶりを、示し始めはるんどすえ~。

2_2

ちゅうことでここで、トラボルタはんの、マイ・ベスト&カルト・スリーを披露してみましょう。

●ベスト⇒①フェイス/オフ(1997年)②サタデー・ナイト・フィーバー③パルプ・フィクション

●カルト⇒①本作②ミッドナイトクロス(1981年)③ソードフィッシュ(2001年)

●デ・ニーロもそうやけど、ハリウッド映画映えするようなアクション映画とは、およそ無縁の2人なんやけど、サスペンスやら、それなりのアクションで、ディープやないけど楽しませてくれはります。

3
ほんでもって、本作は男対男の1対1対決が、メイン・テーマになっとります。

デ・ニーロはんには、アル・パチーノとガチ対決した「ヒート」(1996年)が、トラボルタはんには、ニコラス・ケイジと対決した「フェイス/オフ」とゆう、共にケッサク印がありますが、そんな男対決の、マイ・ベスト&カルト・スリーを披露しますと…。

●ベスト⇒①イヤー・オブ・ザ・ドラゴン(1985年)②フェイス/オフ③ヒート

●カルト⇒①インファナル・アフェア(2002年・香港)②本作③太陽を盗んだ男(1979年・日本)③チェイサー(2010年・韓国)

●今回はハズしましたけども、男と男のガチ対決には、「眼には眼を」(1957年・フランス)とか「探偵スルース」(1972年・イギリス)みたいに、室内劇であれ野外劇であれ、ストレートなんが、ボクチンは個人的には好きでおます。

「ノーカントリー」(2007年)みたいな、追う者・追われる者ちゅう設定も、メッチャええんやけども…。

4
ボスニア紛争で、アメリカ人のデ・ニーロはんに拷問で痛い目に遭わされはった、ボスニア人のトラボルタはんが、

デ・ニーロに復讐すべく、今はアパラチア山脈の山荘で、悠々やないけど、自適生活してはる、デ・ニーロのとこへ行って、イロイロやらはりまんねん。

ヤラレたりヤリ返されたりの、痛いシーンが続いてまいります。

男対男のガチよりも、陰湿なカンジの拷問対決のやり取りが展開してまいります。

その種の拷問イズムに、魅せられたサゾマゾ男たちの、トンデモやり取りに、目が点になったり、クギになったりしよります。ヤバイわ~。

5
アパラチア山脈の美しき風景やとか、劇中で登場人物が聴いてる、アメリカン・カントリー歌手の、癒やしのスロー・ナンバーやとかが、

アイロニカルに、みなはんの、ココロにきよるかと思います。

これらは、意図的にやってはります。

ラストシーンの2人それぞれのシークエンスさえ、癒やしとゆうより浮き足だっておます。

それほど、2人のやり取りが強烈至極なんで、ぜひ目をそむけずに見ておくんなまし。

男2人対決の異色作どす。ボク的には、三船敏郎と個性派俳優リー・マーヴィンがやり合った「太平洋の地獄」(1968年・日米合作)的な、2人サバイバルなエゴイズムもあって、ケッコーオモロかったどすえ~。

2013年12月16日 (月)

「大脱出」⇒スタローン・シュワちゃん初共演作どすえ~

1

シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの初共演作品は、トンデモムショからの脱獄アクションや~

脱獄ものの新味も加えて、ドッカーンと披露されまっせ~

http://dassyutsu.gaga.ne.jp

1月10日のフライデーから、ギャガはんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2013 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

最近ハリウッド映画が、日本ではあんまし元気がありまへん。

かつてのスター映画の衰退に加え、若手の俳優たちの、世代交代を促すようなヒットがあんましなく、洋画全体においても、厳しい日本興行界の状況は、続いておるかと思います。

でもしか、かつて大ヒット作を放ってはるスタローン、

ほんでシュワちゃんの、本格的初共演作で、一気にドッカーンていこかっちゅうんが、本作の主旨やろかと思うねんけど、

でも、昔みたいな大ヒットは、見込めへんかもしれへんけど、ネタ切れかしましいハリウッド界で、よう頑張ってはりまんねんで~。

3
ムショや収容所からの、脱獄・脱出もの映画の、系譜に入る1本どして、その種の映画はいっぱいあり、玉石混交の様相を呈してるんやけど、

ここでは、エンタ系とアート系に分けて、マイ・ベスト・スリーをば、披露させてもらいます。

●エンタ系ベスト⇒①大脱走(1963年製作・アメリカ映画)②本作③アルカトラズからの脱出(1979年・アメリカ)③ザ・ロック(1996年・アメリカ)

●アート系ベスト⇒①大いなる幻影(1937年・フランス)②抵抗(1956年・フランス)③パピヨン(1973年・フランス&アメリカ)

●この種の映画は、脱出する時のスリリングが、映画映えするんで、イロイロ作られておます。

アート系よりも、脱出のスリリングやサスペンスを追うエンタ系映画が、圧倒的に多いのも特徴的どすやろか。

4
ベストに挙げた本作やけど、なんでベストに入れたんかは、腐るほどある脱獄・脱出もんに、新味をいくつか加えはったとこがあります。

①脱獄セキュリティ・マンとして、スタローンが意図的に、ムショ入りしはる設定。

②特異なとこに立地する、刑務所とゆう設定。

③脱出するまでの、詳細な手並みや方法。

5
①の設定は、刑事の潜入捜査みたいなタッチどして、これが脱獄ものに引用されるんは、映画史上初めてでおます。

現実的に例がないんで、リアリティーに問題ありやとゆわはる方も、いてはるかもしれまへんが、現実をそのまんま映しても、フィクションとしてのエンタに進化はありまへん。

そんなアホな~の多いハリウッド映画でも、説得力は十二分どす。

しかも、冒頭では、スタローンがその手並みをば、分かりやすく披露してくれはります。

②はネタにも関わることなんで、詳しくは言えないけど、その舞台設定は「タイタニック」(1997年・アメリカ)的なスリルを約束してくれますで~。

6
③は、ただ、ムショから脱出するだけやのに、細かくてビミョーにややこしい。

そこんとこを、見事なアクション・サスペンス・エンタとして、手に汗握るスリリングで展開してはります。

でもしか、一番の話題はスタローンとシュワちゃんの初共演なんやけど、そういうとこをスルーしても、大いに楽しめる作品どした。

確かに、「エクスペンダブルズ」(弊ブログ内検索で出ます)で、共演しはったけど、今回はガチガチどす。

「ロッキー」と「ランボー」やらで示した、スタローンらしさ、「ターミネーター」のシュワちゃんらしさなどが、さりげなく仕込まれとる作品どしたえ。

過去の名作をおさらいして、2人の新作を見に、いざ映画館へと馳せ参じましょうや~、どっこいしょ。なんてね。

2013年12月15日 (日)

妻夫木聡主演「ジャッジ!」⇒週末日本映画劇場3

Photo

歴代映画初の、広告コンテスト映画どすえ~

妻夫木アニキ、北川景子チャン、トヨエツ豊川悦司、鈴木京香ネー、リリー・フランキーなど、邦画オールスター・キャストでお贈りいたします

http://www.judge-movie.com/

1月11日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2014「ジャッジ!」製作委員会

広告をポイントやテーマにした映画やなんて、そんなにありまへんやろ~。

ボクチンが見たんでは、CMメイキング映画やった「CMタイム」(弊ブログ内検索で出ます)くらいしか思い出せず、

誠に情けないんやけど、でも、広告映画なんて、ホンマのとこ、ありまっかー。

ほれに、コンテストもんやなんて、限りなくありまへんやろ。

ちゅうことで、本作を映画史上初の、広告コンテスト映画に勝手に認定いたします。

6
さてはて、ここで、文化系のコンテストもん映画なるもんの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思い付くまんまに披露さしてもらいますと…。

●ベスト⇒①コーラスライン(1985年製作・アメリカ映画)②スウィングガールズ(2004年・日本)③トッツィー(1982年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②カンヌ映画祭殺人事件(1994年・フランス)③文学賞殺人事件 大いなる助走(1989年・日本)

●メイキング映画とコンテスト映画の違いは、どちらも逼迫度はあるんやけど、

コンテストの方が、対抗馬やライバルがいるとゆうとこで、映画内映画のボリュームが、多彩になるとこがあります。

ベスト③は、ちょい別格やけども。

2
でもしか、オーディションもののベスト①を始め、出品されとる作品の多彩性で魅せるとゆうのんは、あんましありまへん。

ともすると、それをやってまうと、バラバラなカンジになり、作品に統一感がなくなったりしてまいます。

本作もまた、そのあたりは心得てはりました。短いCMとはいえ、全出品作を流すようなことはしてはりまへん。

でも、部分的に見せても、ケッコーオモロそうどした。

もともとはキツネ人間が出てくるCMが、クライアントの意向でネコ人間に変えられてしもた、エースコックのキツネうどんカップ麺のCMとか、

モノクロっぽい色合いで魅せる、トヨタの自動車CMとかが、映されてまいります。

5
広告業界の方(永井聡)が、監督してはんのも、そのあたりの広告業界の真相を描く点においては、成功しとるかとは思います。

但し、コメディ路線でゆこうとしはったんやろけど、各演技陣とのチグハグなカンジが、随所にあったことは否めまへん。

ところがどっこい、演出(演技指導)はおそらく初の監督はんに対し、役者陣が作品性とは別にして、自由ホンポーにやってはるのんがようわかって、

作品の出来・不出来がどうのこうのよりも、各役者が考えたかもしれへん、飛び切りのアホぶり演技を、存分に楽しみたい作品どした。

4
主演の妻夫木聡クン的には、カルト作品になるやろけど、そんなカルトなマイ・セブン。

①本作②愛と誠③スマグラー④清須会議(②③④は弊ブログ内検索で出ます)⑤涙そうそう(2006年)⑥ドラゴンヘッド(2003年)⑦春の雪(2005年)

●妻夫木クンのバカやってる系は、マジ系でやってる③⑥や、ラブやキズナ系の⑤⑦より、個人的にはメッチャ好きやねん。

ほんで、本作は大ヒットの④に続いて、オチャラケ系やし、しかもマジ・モードもまぶされて、エエ感じなんやで~。

3
とはいえ、オールスターな日本映画どす。

豊川悦司アニキ、鈴木京香ネーさん、リリー・フランキーはんら。コメディアン、コメディエンヌぶりを、遺憾なく発揮してはりまして、とても楽しく見られまっせ。

競馬に入れ上げてはる北川景子ネーちゃんも、「謎解きはディナーのあとで」(弊ブログ内検索)以上の、マジ系なるコメディエンヌぶりをば披露しはります。

でもって、ボケとツッコミが緩急自在どす。ハズしたりや、つまらないとこも含めて、妙に好きくなってまう、オバカ映画ぶりが、ステキな1本どした。

2013年12月14日 (土)

「花火思想」⇒週末日本映画劇場2

Photo_2

若き迷える主人公の、正攻法の人間ドラマ映画どすえ~

岡林信康の名曲「私たちの望むものは」が、最後の最後に映えまっせ~

http://www.hanabishiso.jimdo.com/

2014年1月25日のサタデーから、「すかいふぃっしゅ」はんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1_2
若き女性監督・大木萠(もえ)ネーさんが、映画を愛してやまない無名の役者やスタッフたちと、作り上げたインディーズ映画でおます。

出来も熱気も過不足なく、仕込まれた快作どした。

かつてロック・バンドを目指して、仲間たちとやってたけど、ドラマーの失墜で解散。

でもしか、女の子と同棲して、コンビニでマジメに働いて、「よく分からないけど、夢はあります」とゆう、若い男の子が主人公になった映画でおます。

2_2
迷える主人公のドラマは、どちらかとゆうたら、迷えるヒロイン・ドラマより、映画映えするかもしれまへん。

どちらもこれまでにいっぱいあるんやけど、パッと思い付いたところでは、「勝手にしやがれ」(1959年製作・フランス映画)とか、「タクシードライバー」(1976年・アメリカ)なんかやろか。

モチ、ヒロインもんもあるけど、ヒロインはあくまでかわいい・美しき女優はんであってほしいわ~と、ボクは勝手に思とるから、ゆうのはやめま。

3
でもしか、迷う若き男の子や少年の話とゆうのんは、理屈っぽくないし、その手の破滅系でもないし、

作品によっては感動もあるんで、ボク的にはスッキやな~。

水谷豊主演の「青春の殺人者」(1976年・日本)なんか、何回も見たけど、本作も少なくとも、もう1回は見てみたいな~っちゅう作りをしてはります。

5
海辺のセピアな夕景をバックにした、主人公と彼女とのシーンなど、ラブ・ストーリーとしての面白さへと、特化しても良かったやろし、

また、モノクロっぽい脱色系で示す、過去のバンド・シーンのタイトな挿入など、バンド青春映画へと流れても、何らおかしくないんやけど、

この作品のオリジンは、そんな悩み深き主人公が、ホームレスらと交流して、癒やされてゆくところの、ユニーク節どしたやろか。

4
ホームレス(ルンペン、浮浪者と、イロイロ言われ方がありま)が主人公、もしくはホームレスとの交流ありな映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリーをば、突然、炎や嵐のように言いますとでんな…。

6
●ベスト⇒①街の灯(1931年・アメリカ)②チャップリンの黄金狂時代(1925年・アメリカ)③犬の生活(1918年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②荒川 アンダー ザ ブリッジ(弊ブログ内検索で出ます)③ダンボールハウスガール(2001年・日本)③ホームレス中学生(2007年・日本)

●チャーリーこと、チャールズ・チャップリンの主演・監督作品が、ベストの全部になってまいました。

ルンペン・浮浪者役が映画史に残る彼は、そのキャラぶりや優しさを含めて、永遠に不滅でおましょう。

7
でもって、カルトは日本映画ばっかり選んでしもたけど、それぞれチャップリンを視野に入れつつも、オリジナリティーを示してはる作品でおます。

家族がバラバラになってまう中学生、OL、ホームレスでコミュニティーを作る話とか、そらもー、イロイロ雑多やけど、

本作は、少年とホームレスの交流が、あくまでメインとして芯にあるようどした。

8
その共通交流言語とは、「ロックって何だ?」とゆう問いかけでおます。

一体全体、何がロックやねん? なんてゆうのんは、ボク的には余りにもありきたりで、クエスチョンやったし、強引な設定にも見えましたけども、

そこんとこがドラマを、半ば無理矢理のごとくに押し進めてまいります。

その調子や流れは、なぜかボク的には、不思議と心地よかったように思います。

9
ほんでもって、岡林信康はんの、ドーンと主張しメッセージするフォーク「私たちの望むものは」の引用には、驚きがありました。

ボブ・ディランと同様に、岡林はロックやなくて、フォークのイメージが強いんやけど、このドラマの流れの中で聴く彼のこの歌は、ロックそのものやったと思います。

「私たちの望むものは…、生きる喜びなのだ」でシメる歌が、ココロにきます。

終わり良ければ全て良しを、実践した快作どした。

2013年12月13日 (金)

「The Story of CNBLUE NEVER STOP」⇒週末日本映画劇場1

Cn

4人組CNBLUEは、韓国バンドでは珍しい、ロック・バンドでおます

韓国グループ初の、ワールド・ツアーの模様どすえ~

http://www.cnblue-movie.jp/

2014年1月17日のフライデーから、東宝映像事業部はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画・音楽分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013『NEVER STOP』製作委員会

韓国のバンド、グループを描かはったドキュメンタリー映画は、最近富みに出回っておます。

れまでは、ダンス・グループ「2AM/2PM」映画(弊ブログ内検索で出ます)など、韓国グループは、日本のエイベックスに影響を受けた、ダンス・グループが主流どした。

でもしか、このCNBLUEは、本格的なロック・バンドでおます。

韓国にも、いっぱいロック・バンドがいてるやろけど、日本に入ってくるのんは、ほとんどありまへんどした。

おそらく、日本で紹介された韓国ロック・バンドの最初やと思います。

ほんでもって、本作はそんなバンドの韓国初の、ワールド・ツアーの模様を描いた作品でおます。

ライヴが命とゆう、ライヴに生きるバンドどす。

そんな彼らは、2009年に日本に武者修行に来てでんな、ストリート・パフォーマーから、新宿のライヴハウス・箱バン(箱バンド=ライヴハウスを主体にライヴするバンド)へと展開。

ほんでもって、箱バンを超越して、ワールドワイドに展開するバンドへと進化しはったんでおますよ。

台湾⇒祖国・韓国⇒オーストラリア⇒日本の夏の恒例野外イベントの、「フジロック・フェスティバル」⇒さらに「サマー・ソニック」と続いてまいります。

ちゅうことで、ツアーの模様と並行して、メンバーそれぞれへのインタビューとプライベート部が、モンタージュされてゆくんどすえ~。

Cn1
さてはて、彼らのサウンドを分析してみまひょか。

オーソドックスな8ビート・ロックが、メインにあるようどす。さらに、タイトなミディアム・ナンバーから、ピアノ・バラードやスロー・ナンバーまで、多彩な音楽性で勝負してはります。

作曲シーンを始め、そのサウンドの在り方は、例えば「カノジョは嘘を愛しすぎてる」(明日公開・弊ブログ内検索)と、シンクロナイズいたしますやろか。

K-ポップよりも、Jポップにより近いサウンドをば、構築してはります。

「ビルボード(日本のオリコンみたいな、アメリカのチャート)で1位になりたい」とメンバーが言うように、アメリカ志向も顕著どす。

そんな中でも、各メンバーのプライベート描写も、ライヴ・シーンの合間に、タイトに披露されてまいります。

各メンバーの部屋の紹介やら、合宿ほかでの練習シーン、料理シーンに加え、各人のコドモ時代の逸話を辿る、インタビュー・シーンなど、興味深い内容になっとるかと思います。

但し、ヤッパ、彼らのファンやなければ、どないやろかとゆう、心配ポイントがありま。

ある意味で、モノゴッツー観客を選ぶ、映画やもしれまへん。

アーティストPRな視点なども、その種の映画観を思てしまうんやけど、

でもしか、メンバーたちのキズナ描写など、普遍的で感動的なシーンもチャンと用意されとります。

ドラマ映画やったけど「新大久保ものがたり」(弊ブログ内検索)に通じる、グッドで好感度の高い仕上がりでおました。

映画ファン、音楽ファンのどちらにも、訴求する作品どした。

2013年12月12日 (木)

「ルートヴィヒ」⇒ナチ以前のドイツのお話

Photo

ルキノ・ヴィスコンティ監督版と、見比べてみるんもよっしゃ!どっせー

音楽史に残るワーグナーとの、関係性はどないやねん?

http://www.ludwig-movie.com

12月21日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、東京・有楽町スバル座、大阪ステーションシティシネマ、京都・TOHOシネマズ二条やらでロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

ⒸGlobal Screen GmbH / Stefan Faike

さてはて、本作は国王・陛下やら、民衆を支配する立場に立つ方の、実話ドラマなんやけど、

その種の、実話に限らないドラマ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、まずは披露さしてもらいます。

2
●ベスト⇒①チャップリンの独裁者(1940年製作・アメリカ映画)②ルートヴィヒ 神々の黄昏(1972年・イタリア&西ドイツ&フランス)③ラストエンペラー(1987年・イタリア&イギリス&中国)

●カルト⇒①本作②イワン雷帝(1944~1946年・ソ連)③モレク神(1999年・ロシア&ドイツ&日本)

●ベスト①を除き、実話系がメインとなってまいましたが、そのベスト①も、カルト③で私生活が描かれるヒトラーの、シンボライズ描写と見れば、全てが実話ベースもんどす。

天皇をポイントにした映画もあるんどすが、天皇の人間としての苦悩を、描いた映画はあまりなく、はずしました。

選んだ全ての映画は、ヒューマン・ドラマ映画でおます。

3
そんな中でドイツもんが、4作もあるんやけど、ナチもんは数多くある中で、

この19世紀に実在した、ルートヴィヒ2世を主人公に描いた映画は、本作以外には、ルキノ・ヴィスコンティ監督が撮った、ベスト②しかありまへん。

本作との違いはどこにあるんやろか。

まずはザックリゆうと、ベタベタネットリなベスト②に対して、本作は、ベタ度合いは緩和されておます。

4
その一番の理由を挙げるとしたら、当たり前のようやけど、主演男優の違いでおましょうか。

ベスト②では、ヘルムート・バーガーはんが、メッチャエキセントリックな演技を披露してはったけど、

こちとらでは、ほぼ新人はんのザビン・タンブレア君が、ヒョロヒョロとした弱々しさで、王の苦悩を演じ、

どっちかとゆうたら、バーガーはんとは、真逆の演技やもしれまへん。

違いはベタか、ベタやないか。それだけかもしれへんけど、ザビン君の方が観客としては、入りやすいかもしれませんな。

5
ほんでもって、さらなる違いは、主人公とクラシック音楽家の関わり具合も、濃い味と薄味に分かれておます。

本作は薄味やけど、音楽的な癒やし効果で言えば、本作の方が上やと思います。

それに合わせて、「平和と幸せの中で生きる」とか「(ワーグナーのオペラを称して)芸術という皇帝」と言う主人公のセリフは、ケッコー利いておったかと思います。

6
でもしか、後半は、疲弊し転落し闇に落ちていく主人公が、描かれてゆきよります。

モチ、ワーグナーへの夢ある傾倒ぶりとの、対比効果を狙ってはりまして、それはいちおう成功しとるかと思います。

ただ、その点は、ベスト②と比べると、あっさりしとったかもしれまへん。

でも、あとあと残ってきよる粘り気も、確かにありました。「国王は永遠の謎であるべきだ」というセリフも、ココロに残ります。

7
戦争に敗れ、婚約を破棄してまい、弟は精神を病んでと、不幸続きで、何一つエエことのない主人公。

しかし、それほど暗みは感じられまへんどした。

別に、ワーグナーの音楽や風景描写なんぞが、暗みを緩和してるわけやありまへん。

たぶん、そのへんは演技陣たちに共通した、ベタやない演出ぶりに起因してるんやと思います。

2作を比較して、どっちがエエかは、みなはんそれぞれが、選択してくだされ。

2013年12月11日 (水)

ハリウッド・アニメ映画「くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密」

Photo
食いもんがアニメ・キャラになった、トンデモ感がオモロ過ぎやで~

ゴキゲンな歌とカラフルな色合いやらでも、ハデに年末年始を彩りまっせ~

http://www.ta-be-no-ko-si.jp/

12月28日の年末土曜日から、ソニー・ピクチャーズはんの配給によりまして、2D&3Dで、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
食べ物が動物化した上で、擬人化してしゃべくるとゆう、フード・アニマル・アニメな作品でおます。

ディズニーのオーソドックスな動物の擬人化アニメや、

それに対抗して擬人化を、よりユニークな方向へ転化してみせはった、ドリームワークスのアニメ群。

どちらも現代も現在進行形であり、イロイロ影響を及ぼしとりますが、

本作みたいに、それだけやない、トンデモ感を出したアニメは、いっぱいござります。

2
でもって、どっちかてゆうたら、正統系やないユニーク・アニメ。

それ自体がカルトやのに、無理を承知で、そんなアニメのマイ・ベスト&カルト・スリーをば、恐れながらも披露いたしますと…。

3
●ベスト⇒①忍者武芸帳(1967年製作・日本映画)②サウスパーク(1999年・アメリカ)③老人と海(2002年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②アイス・エイジ(2002年・アメリカ)③緑子(2011年・日本)

●ディズニー、ジブリ、ドリームワークスなど、人口に膾炙した作品が、大手を振って歩いとるんが、今のアニメ映画ヒット戦線であり、アニメ勢力図なわけやけど、

それ以外の図式では、それらの作品では描かれてへんとこやら、キャラやらが、大いなる見どころであり、お楽しみでもありま。

4
本作はマニアックやマイナーやなく、製作資金豊富なハリウッドの、大手映画会社が作ってきはったアニメでおます。

ベスト・カルトに挙げたのでゆうたら、ベスト②やカルト②が、その種の作品と相なります。

手書きをメインにして、時代劇(ベスト①)であったりや、シュール感あるSF(カルト③)やったりな日本映画。

文学に真摯に向き合ったベスト③。

そういうのんは、ワザトラマンのようにマニュアルを外すような作りをしてはりますが、本作やカルト②やらは、完璧にポスト・ディズニーやらを狙った、ディズニー系の、正攻法のアニメでいってはります。

5
違いがもしあるとするならば、動物かそうでないか、くらいどすやろか。

大手でも、ベスト②みたいな、R指定が入ったりするもんもござります。

下ネタを始め、微妙で殺伐な現代的世界情勢を入れた上での、コドモたちの話なんで、当然やろけど、

本作はそんな中でも、ディズニーに近い、良質印・家族みんなで安心して、見に行ける作品になっとります。

まあ、ゴリゴリの映画ファンには、向かへんかもしれんけど、コドモたちを癒やす点において、動物たちを抜きにした作りは、画期的やと申せましょう。

6
本作は第2弾でおます。第1弾はDVD化されとりますんで、ツタヤなんぞで見ておくんなまし。

第1弾の終(しま)いからつながるカタチで、この第2弾が始まりまんので、

第1弾を見てへんかったら、よう分からへんわ~、となりがちなんやけど、これがメッチャわかりやすくて、スムージングどしたえ。

8
いろんな食い物たちが擬人化するんは、一つ一つが大いなる見どころであり、魅せどころとなっておます。

イチゴやハンバーガーやらキュウリやら、いっぱいござります。

カワユイイチゴと、怪獣ハンバーガーなんぞがヤッパ、コドモたちの人気になるんやろな~。

9
モチ、主人公たちの活躍ぶりも、見逃せまへんし、好感度も高うおます。

ほんでもって、いろんな食ものに合わせて、色使いもカラフルどすし、

歌ものをメインにしはった、サントラ使いも、ディズニー以上に、ベリー・グッディどした。

10
イントロとアウトロで使われる、ポール・マッカートニーが21世紀に作った、極上のポップ・ナンバー。

2アンリミテッドやらの、ノリノリのダンス・ミュージック。

90年代のジュリアナ的なディスコ・インストや、

AKB48もビックリなタイトでキャッチーな、TEMPURA KIDSがパフォームする「たべちゃいたいの」(日本版主題歌)など、サントラへのリキの入り方もハンパやありまへんで。

お正月にぜひ、家族一同でご覧くだされまし。

2013年12月10日 (火)

「ファイア by ルブタン」⇒フランス産ポルノ・グラフィティなドキュどっせ~

Photo
ストリップがアートになる瞬間を、体現しておくんなまし

12演目の全てがエロチックで、男はめっちゃヤラレまっせ~

http://fire.gaga.ne.jp

12月21日の土曜日から、ギャガはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、2D・3Dの同時公開でおます。「R15+」指定どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1ⒸAntoine Poupel

1951年から営業してはる、老舗フランス・パリのストリップ・ショー劇場の、現在形をば示さはる、ドキュメンタリー映画でおます。

映画にもなった「ムーラン・ルージュ」(2001年製作・アメリカ映画)の後発やけど、

現代は残ってへん「ムーラン・ルージュ」に対し、こちとら「クレイジーホース」は、21世紀も現役バリバリやねんで。

さらに、アート的に進化型も示さはって、トンデモヤラシーことになっとりまんねんで~。

弊ブログでは、かつてこの店の、ドキュメンタリー映画「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」(弊ブログ内検索で出ます)を分析いたしましたが、

そっちはフランスのドキュ映画の巨匠、フレデリック・ワイズマンはんの作品どして、

ドキュそのもので、描き方によっては、単なるストリップ小屋まがいになりかねへんものを、素晴らしきアート芸術映像に、変えたスゴミがありました。

2
ちゅうことで、ここで、ドキュに限らず、ダンス・フィクション映画も加えてでんな、本格的ミュージカルを外した上で、変格系かもしれへんけど、

ボクチンめを、素直に打ちのめしてくれはった妖しのダンス映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーなるもんをば、披露さしてもらいまっさ。

●ベスト⇒①フラッシュダンス(1983年・アメリカ)②ムーランルージュ③クレイジーホース

●カルト⇒①本作②愛と誠(2012年・日本)③センターステージ(2000年・アメリカ)

●ダンスで魅せてゆく映画とゆうのんは、そのダンス・ポイントに、忘れられへんような、レベル4的な技術面やら、芸術面なるもんが存在しとるもんどす。

ダンス・エンタとしての面白さを、変格系で追求したベスト②カルト②。

4
ほんで、ダンサーとして夢見る女の、爽快なサクセス・ストーリーのベスト①やら、

バレエに命を懸ける青春群像劇の、熱情を示したカルト③など、

ネジレ系やない、まっとうなストレート夢追い系ドラマもまた、胸にクルもんがござります。

ほんでもって、ベスト③やカルト①の本作みたいに、店でのいわくつきパフォーマンスを、大いなる見どころとした作品のお楽しみや~。

ブランド靴で成功しはった、クリスチャン・ルブタンの演出とゆうサプライズ。

本人の創作意図を語るコメントは、随時挿入されとるけど、一方で、映画畑のデイヴィッド・リンチ監督が、サントラを担当するとゆうサプライズもありま。

3
けだるかったり、癒やしがあったりの、スローナンバー、タイトなダンス・ナンバーやミディアム・テンポのナンバー、ヒップホップでR&Bな、バックトラックに乗るナンバーなど、多彩感を示す、リンチはんのサントラに乗って、

これもまた多彩で、エロエロエッサエムなパフォーマンスが、めまいのようにめくるめく、次々に披露されてまいります。

「ウエスト・サイド物語」(1961年・アメリカ)に、オマージュを捧げたラスト・ナンバー。

煙漂う中で、けだるいスローに乗って披露される「懺悔」。

そして、宙吊りになって、苦しみのパフォームを見せる「ファイナル・ファンタジー」。

全12演目のどれもが、エロティックで素晴らしいけど、ボク的にはこの3演目が、マイ・ベスト・スリーでおました。

とにもかくにも、妖しのダンス・パフォーマンスに、魅了されておくんなまし。

2013年12月 9日 (月)

「楊家将~烈士七兄弟の伝説~」⇒中国・香港合作時代劇や~

Photo_2
サバイバル・アクションの、これでもか~っチュー作りがスゴおます

7人の兄弟で生き残るのんは、何とまあ~…!?

http://www.u-picc.com/yokasho.com

12月14日の土曜日から、東京・シネマート心斎橋、1月4日お正月から、シネマート心斎橋やらで、全国順繰りのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1_2
Ⓒ2013 Pegasus Motion Pictures(Hong Kong)Ltd. All Rights Reserved.

「フライング・ギロチン」(12月5日付けで分析)と同様、中国時代劇の渋味と新味が、味わえる1本でおます。

この種の時代劇は、中国・香港ではケッコーありまして、ワイヤー・アクションとかの創始の、映画界でもありました。

でもしか、キチンとした時代考証と時代背景の基に、描かれる作品はそないありまへん。

ワイヤー・アクトのルーツ「キョンシー」シリーズやらもまた、緻密やありまへん。

その種のマジ映画は、「三国志」を描いたりした映画が、日本人にしてみたら、マットーやったりしました。

2

でも、「三国志」の時代だけやなく、いろんな時代を描く、中国、ほんで香港映画とゆうのんは、日本未公開作品なんぞも含めたら、メッチャござります。

そして本作は、中国時代劇でも、そんなに描かれたことのない、宋の時代を背景にしはりました。

思い付くもんは、ボクは、残念ながらありまへん。

3
宋は遼とゆう国と対立しとって、遼との対決に、皇帝は忠臣の部下とその7人のムスコたち兄弟を、送るとゆうことになりましてな、

モノゴッツーな凄まじい対決が次々に、展開してまうとゆうことに相なります。

この戦闘シーンが、大いなる見どころではあるんやけど、7人はチビチビと死んでゆくことと相なりましてな、

生きて家族(本作の場合はオカンら)の元に帰れるんは、ホンマいてるんやろか~…ちゅうお話でおます。

4
西部劇的とも取れる騎馬戦や、剣戟戦アクションが、前半のほとんどを埋め尽くすくらいの、ハイライト・シーンになっとります。

これらのシーンは、本格的オーケストラ・サウンドをバックにした、壮大な作りを志向してはりまして、それがケッコー決まっとりました。

6
サバイバル映画としての緊張感も、最後まで持続しとりました。

7人編成は「七人の侍」(1954年製作・日本)以来の、キー・ワードになっとるけども、本作もそこんとこは重要だす。

でもしか、何人残るかとゆうとこに、フォーカスしてゆく点においては、より生き残り系ドラマ性は、高めになっとるやろかな。

壮絶なサバイバル戦のあと、生き残った者が家族と会うシーン。

ドラマティックかつ感動的になるところが、実はビミョーに違っておました。そのビミョーな具合を味わってくだされまし。

5
付け加えると、すすき野原での対決やらも注目やで~。

女性コーラス、ラストロールでの、オーケストラ・スコアのハリウッドばりにも、グッときたやろか。

7_2
ネタバレやないけども、ラストシーンは7人の兄弟が歩くカットどす。

ヴィック・チョウ、イーキン・チェンらのベテランも、これまでの演技を裏切らない演技で魅せ、ほんで、知らん人も素直に楽しめるっちゅう作り。

さわやかな鑑賞後感があります。

さらに、中国カンフー劇の1作「SPIRIT」(2006年・中国)の監督、ロニー・ユーのアニキの、渾身が入っとりました。

彼はホラー映画「フレディ&ジェイソン」(2003年・アメリカ)などの、ハリウッド映画も撮ってはるんで、仕上げはキチンとしとりました。

ハリウッド進出監督の作品比較として、「フライング・ギロチン」やらと、見比べてもらいたい作品なんどすえ~。何はともあれ、お楽しみくだされ。

2013年12月 8日 (日)

「ニシノユキヒコの恋と冒険」⇒週末日本映画劇場3

Photo

竹野内豊アニキの、癒やしのコメディアンぶりが示された、快作ラブ・ストーリーでおます

尾野真千子、麻生久美子、阿川佐和子、木村文乃、成海璃子の各ネーさんに加え、本田翼、中村ゆりかチャンらと関わって…

http://www.nishinoyukihiko.com/

2014年2月8日の、バレンタイン'sデー1週前の土曜日から、東宝映像事業部はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2014「ニシノユキヒコの恋と冒険」製作委員会

竹野内豊アニキのコメディアンぶりが、過去最大級に示された作品でおます。

やってくれはったなーとゆう思いが、ボクチンにはありました。

映画的には、「大木家の楽しい旅行」(弊ブログ内検索で出ます)に続くもんやけど、メッチャな自然体。

アドリブかと思えるくらいのリラックスぶりに、ああ、なるへそ、これが竹野内節なんやと、思わず納得してしまいましたがな。

例えば、太宰治の「人間失格」やらの、陰気なプレイボーイぶりとは、完全に真逆どして、このユルリズムや癒やしリズムは、何やらハンパやないんやないか、とさえ思いました。

ゆうならば、女性監督・井口奈己監督のゆったリズムが、全編に浸透しておまして、

各役者陣、女優陣の演技にも通底しておました。

尾野真千子ネーの、生活・夫婦系やった「そして父になる」(弊ブログ内検索)やらとは違う、ビミョーなマジ・カワイイぶりを示さはる、演技の巧緻にグッときたり…。

ユルユルで通す、成海璃子やら本田翼。ほんで、マジ・モードの木村文乃にさえ、ヤラレてまいます。

女性監督らしい動物、ペットたちのユニークでアラ・カワユイ挿入シーンの、タイト感などもまた、男のプレイボーイぶり感を緩和しておました。

こおゆうのんは、この種の映画では、そうそうありまへん。ちゅうか、あんまし見たことありまへん。

ペットやけど、イヌやネコが、ドラマにフックとして参加しとるんどす。

それだけで、元々ドロドロ感はないんやけど、男女関係のアレヤコレヤが、アラマ、不思議に癒やしへと流れてゆく不思議。

1
竹野内アニキと各女優陣の絡みが、大いなる見どころなんやけども、とにかく殺気立ちは、尾野真千子ネーと本田翼の三角でちょっぴり殴ったりがある程度どして、大したことはありまへん。

イントロの、麻生久美子と幼い娘と竹野内との、喫茶店でのやり取りからして、ルーズ志向でいってはります。

まあ、何やかんや、不思議快感な映画どした。

1分、2分、3分と続く、固定の長回し撮影がケッコーあるけど、そんなとこにも、ユルリズムが支配しとります。

重たい長回しに、キレを感じて喜んだりするボクにとっては、新味や滋味をそこらあたりにもカンジ取れました。エエわ~。

阿川佐和子ネーさんとの、長回し喫茶店会話やらにも、妙味ありや。

まあ、その前に、映画館へ入るシーンがあるんやけど、清水次郎長やら森の石松やら、「駅前」シリーズ(1958年~1969年・第1弾は1958年製作の「駅前旅館」)やら、そんな映画今、どこでやってんのんな~なシーンがあってでんな、ほんで会話や。

「カサブランカ」(1942年・アメリカ)が話題になるシーン。ハンフリー・ボガートの相手役が、思い出せなかったり(そんなアホな、イングリッド・バーグマンやんか)、その後のエピソードのチグハグ感など、本作のユルリズムをば、象徴しとったかと思います。

坂の上から海が、くっきりと見えるロケーションやら、中村ゆりかチャンの、ラスト近くで撮られる、唯一のクローズアップの、効果的な使い方やら、

「あァしィ~たァ~、浜~辺ェ~を、さまーあァよォえェ~ばァ…」と、竹野内が歌う童謡唱歌「浜辺の歌」(1913年作)の印象的な引用やったり、

随所でボク的に、グッとクルとこが、ケッコーあってでんな、個人的に、ダイスキな作品にもなりました。

ちゅうことで、家族一同で、安心して見て頂きたい1本どしたえ~。

2013年12月 7日 (土)

「赤々煉恋」(せきせきれんれん)⇒週末日本映画劇場2

Photo

高校学園少女ヒロインものに、新鮮味を加えた現代的な1本どす

ストレートな「時をかける少女」などを、ヒネリ系で進化させた作りや

http://www.ssrr.jp/

12月21日の土曜日から、アイエス・フィールドはんの配給・製作によりまして、東京・角川シネマ新宿やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

3

Ⓒ2013 朱川湊人・東京創元社/『赤々煉恋』製作委員会

ヒロインの土屋太鳳ちゃんのアイドル性が、メッチャ出た快作どした。

テレビドラマはモチ、「鈴木先生 劇場版」(弊ブログ内検索で出ます)でもヒロインを演じて、エエ感じやった彼女。

好感度は本作でさらに、高まるような仕上がりになっとります。

ちゅうことで、ここで、アイドル・ノリもありーのな、邦画学園ヒロイン(生徒以外に教師も含む)映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたします。

●ベスト⇒①時をかける少女(1983年)②青い山脈(1949年)③女の園(1954年)③櫻の園(1990年)

●カルト⇒①本作①がんばっていきまっしょい(1998年)①スウィングガールズ(2004年)

1
●何でカルトの3作が、みんな1位やねん、なんて思わはるかもしれまへんが、

いずれも素晴らしい仕上がりなんで、甲乙付けられまへんどした。すんまへん。

ベストは、20世紀の名作が中心やけど、実は、カルトとベストの差とか違いは、ほとんどないとゆうても、エエかもしれまへん。

ベストもカルトも、いずれ劣らぬ傑作。

ほんでもって、それらの作品に共通するキーワードは、ヒロインがすこぶる前向きであり、見ているこちらも、元気がもらえてまうとゆうとこでおましょうか。

5
特に、カルトの3作は元気印がトンデモ強烈どした。

でもしか本作は、ボートや吹奏楽などの部活な2作とは違い、自殺した少女が、現世をさまよっとるちゅう話でおます。

おいおい、そんなん見て、元気になれるんかいや~とゆう、お叱りの声もあるかとは思いますけども、まあ、見てくだされ。

そない大したことのない、三角関係があったり、ヒロインが急に不登校になり、ほんで衝動的にマンションのビルの屋上から、飛び降りて自殺するとゆうことなんやけど…。

今のファミリー・マンションは、住民が屋上へ出るのは、かなり難しいことになっとるんで、このあたりは、もう少しリアリティーがほしいとは思たけど(ベランダから墜死した方がリアルどす)、

まあ、そんな瑕瑾を除いて、本作を真摯に見たら、こんなに前向きなヒロインが、何で死んでしもたんかと、疑問に思たりもします。そんな首ひねりもありました。

4
でも、ヒロインのナレーション、ほんで、行動ぶりに感動があったりします。

現代的な自殺を取りあげながらも、それを逆手に取った作りなど、

朱川湊人の原作小説をベースにしながらも、小中和哉監督のこだわりが表現されておました。

監督には、「七瀬ふたたび」(弊ブログ内検索)などの、学園ヒロインものの王道編も監督してはります。

そして、本作ではさらなる進化系に、チャレンジしはったんどすえ。

2
ヒロインのオカン役の秋本奈緒美ネーさん、ヒロインにしか見えない、死を誘う虫の声を担当しはった大杉漣はん。

ほんで、本作の大きなドラマ・ポイントとなるとこで、有森也美ネーさんが出てきはります。

各人の、ヒロインとの絡みも、見ごたえがあるんで、お楽しみにしとってくだされ。

さてはて、監督の趣味かもしれへんけど、空を映す多彩なシーンの美しきに、妙にグッときてしもたり、

洋楽8ビート・ロックを流してのダイジェスト・シーンや、過去シーンのリフレイン効果など、ドラマ映えするシーンを随時作ってはりました。

小中監督の最高傑作にして、土屋太鳳ちゃんの、ターニング・ポイントとなる作品でおましょう。

彼女がブレイクした時には、好感度の源を探る意味でも、ドッカーンとヒットするような、そんな作品どしたえ~。

2013年12月 6日 (金)

「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」⇒週末日本映画劇場1

Photo
2009年のテレビに続く、映画版でおます

2派のファンを果たして、満足させる出来やったんやろか、どないやー

http://www.lupicona-movie.com

12月7日のサタデーから、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2013 モンキー・パンチ 青山剛昌/「ルパン三世 vs 名探偵コナン」製作委員会

「ルパン三世」と「名探偵コナン」の初顔合わせは、2009年日本テレビ系列の、2時間枠「金曜ロードショー」でどした。

その時の好評を受けての、映画化が本作でおます。

まあ、はっきり言いまして、映像化の権利を持ってはるからとゆうて、この種のタイプの映画がうまくまとまり、ヒットしたことはあんましありまへん。

4
なんでかとゆうと、2つの作品のそれぞれのファン向けの作品であり、ある種観客をマニアに限定して、まず一般的やない点。

ほんで、そんな2派においても、それぞれのゴリゴリのファンにおいては、そんなもん見たくないて敬遠するか、見ても、これまでのイメージがダウンしてもうたとか、イロイロ不平不満をゆうてきはりまんねん。

5
でもしか、本作はチョイと違っておました。

お互いを引き立てるとゆう点においては、引用がズレとるかもしれへんけど、

ゴジラ・シリーズの第3弾「キングコング対ゴジラ」(1962年製作)を、つい思い出したりしました。

6
とはいえ、はっきりゆうて、2つの作品のファンにはまず、世代の違いがござります。

世代間のズレが果たして、どう作品の見方に影響するんかとゆう、不安点があるんやけど、

たぶん2作シリーズのファンやない中立の方にこそ、ケッコー訴求するもんもあるんかもしれまへん。

但し各2作シリーズは、見てへんでも見ることは見れるやろけど、各作品の設定やキメゼリフやキモ・ポイントは、分からへんかもしれまへんな。

7
例えば、「ルパン三世」なら、「つまらないものを斬ってしまった」とか「女の裏切りはアクセサリー」とかのセリフが、

若い方にはチンプンカンプンなんてことに、なるかもなっちゅうとこらどすか。

でも、そうしたキメゼリフやらにこだわらなければ、本作は極上のミステリー&サスペンスフルな、快作アニメになっとります。

2
それぞれの世代を意識した声優の起用も、ツボにハマッとったかと思います。

夏菜ちゃんが、外タレ人気歌手の美人マネージャー役。ほんで、内野聖陽のアニやんが、犯罪者役。

アラン・スミシー(注が必要やろけど、あえて入れまへん)やなんて、まさに映画通にしか通用しない名前やんか。まあ、それはエエといたしまして…。

8
さてはて、2つの話のシンクロではどないやろか。

モチ主人公同士の掛け合いは、大いなる見どころやけど、ファンにしてみたら、細部もメッチャ重要どす。

「ルパン三世」のNo2の次元大介とコナンの、仮の父子的やりとり(画像・上から3枚目)の面白さ。

灰原哀と峰不二子の交流部(4枚目)とか、少年探偵団と石川五ェ門の対峙(5枚目)とか、イロイロあるんでお楽しみどす。

3
今どきの東京スカイツリーでのアクションやらも出てくるし、

一方で、コナンの推理部も冴えとってでんな、アクションとミステリーの融合が、ケッコー程よかったかと思いますえ。

ラストロールでは、「ルパン三世」のファンキーな主題歌が流れて、ノリノリで物語をシメはります。

2作品それぞれの、ファンの評価が楽しみやけど、ボクはむしろ映画ファンの評価が、どんな具合かが気になります。

各シリーズの出来を、超えたなんて申しまへんけども、各作品への入門編としては、絶好の作品どした。

2013年12月 5日 (木)

香港・中国合作「フライング・ギロチン」⇒中国時代劇の快作

Photo_2
ハリウッド映画並みの、中国アクションの神髄で魅せはりまっせー

「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウ監督のケッサク印

http://www.cinemart.co.jp/theater/special/hongkong-winter2013/

12月7日の土曜日から、ツインはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やらで、全国順繰りのロードショーや~。

関西やったら、12月28日土曜から、大阪・シネマート心斎橋ほかで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1_2

Ⓒ2012 We Pictures Ltd. Slellar Mega Films Ltd. Media Asia Film International Ltd., Polyface Films Company Ltd. All Rights Reserved.

中国時代劇のハリウッド級アクションが、示された作品でおます。

ちゅうことで、ここで、中国時代劇のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①グリーン・デスティニー(2000年・アメリカ&中国合作)②HERO(2002年・中国)③レッド・クリフ(2008年・日本&中国&台湾&韓国)

●カルト⇒①本作①楊家将~烈士七兄弟の伝説~(後日分析いたします)③始皇帝暗殺(1998年・日本&中国&フランス&アメリカ)

3_2
●清時代を描いた時代劇は、これまでにもそれなりに出てきとったけど、本作は中でも最高傑作なんやないやろか。

アカデミー賞作品賞をゲットした「ラストエンペラー」(1987年・イタリア&イギリス&中国)の時代なんやけど、

時代劇的アクトが、メッチャ示されとる点においても、本作はカルトにしたけど、ボク的にはベストに入れてもエエ仕上がりどした。

何しろ、「インファナル・アフェア」(2002年・香港)を契機に、ハリウッドにも進出しはった、アンドリュー・ラウ監督(本作では出演もしてはりま)の作品だけに、ハリウッド・アクションを意識した仕上げとなっておます。

2_2
皇帝(監督がやってはります)のミッションを受けた暗殺部隊が、政敵を倒すためにドッとターゲットに向かうんやけど、

その相手に逆にヤラレてしもて、さらに、部隊のエースが、相手と同調してまうような具合になってしまいます。

それを聞いた皇帝は、その暗殺部隊を抹殺するための暗殺部隊を、送るっちゅうことに相なりまして…。

チビチビ、アクション・シーンを繰り出しながら、クライマックスでは、殺戮シーンと応戦シーンを、緻密に編集してでんな、

大砲シーンの凄まじさや、銃撃戦に刀だけで向かう女ヒロイズムやら、モノゴッツーなアクション・シークエンスをば、創出しはりましたえ。

4_2
中でも、特徴的やったんは、スロー・モーションの、効果的な使い方どしたやろか。

ジョン・ウー監督やらのスローの使い方が、ある意味において、進化したようなとこがありました。

つまり、スローを頻出させずに、重要シーンでキメるような使い方やねん。

いずれにしても、壮絶なクライマックスは、目が点になるハズどす。

5_3
冒頭から、炎をポイントにしたセピア色メイン・シーンがあったり、グリーン・トーンなとこや、過去シーンでは脱色したりと、色使いも多彩感があります。

セピア主色調の、切り絵の影絵芝居なんか、ユニークでオモロかったでおます。

そこから出てくる「殴られたら倍にして殴り返せ」なんて、まるで「半沢直樹」の倍返しやん。

格差は不平等を呼ぶなど、時流や現代的なとこも取り込んだとこは、翻訳のうまさやろか。

ほんでもって、サントラ部も印象的どした。

女声コーラスやら、女スロー・ナンバー、ラストロールで流れる、オーケストラをバックにした、壮大な男バラードなど、グッときよりましたで~。

2013年12月 4日 (水)

「名探偵ゴッド・アイ」⇒アンディ・ラウ主演香港映画どす

Photo
ジョニー・トー監督の、ユニークなミステリー映画や~

盲目のアンディ・ラウ探偵と、女刑事サミー・チェンのネーさんの、迷相棒コンビもんやで~

http://www.cinemart.co.jp/theater/special/hongkong-winter2013/

12月7日のサタデーから、ツインはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木で、12月28日の土曜日から、大阪・シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーでおま。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
Ⓒ2013 Media Asia Film International Limited, Emperor Film Production Company Limited, Sil-Metropole Organization Limited, China Film Co., Ltd. All Rights Reserved.

2日連続の、アンディ・ラウのアニキ主演映画の、手前勝手な映画分析でおます。

昨日の「ゴールデンスパイ」のとこでヤリましたけども、本作はアンディ・ラウ映画の、カルティックなベスト作品でおます。

しかもでんな、ホンコン黒社会なヤクザ映画の、巨匠ジョニー・トー監督の作品でおま。

どんなエグくて真っ黒、ほんでドカーンなアクションが、出よるかと思いきや、そういうタイプとは違っておました。

基本ラインは、正統派の刑事ドラマどす。ほんで、コンビの組み合わせに、新味をば加えてはります。

2
男と女の捜査コンビ。

アンディ・ラウは、盲目の元刑事はん。

女サミー・チェンのネーさんは、現役の女刑事はんでおます。

男女コンビによる捜査もん映画としては、相当ヒネリまくりの異質なカンジなんやけど、盲目探偵を主人公にしたんは、大いなるサプライズ設定でおました。

なぜなら、盲目な人を警察捜査に加えるなんてことは、リアリティーな視点においてもかつてなく、

また、女刑事と組ませて迷宮入り事件を探るやなんて、絶対あり得まへん。

でもしか、ミステリー映画には、そんなに踏み込んで撮ったことのない、ジョニー・トー監督やけど、冒険心や挑戦心をカンジさせる、大胆な作品になりました。

3
シークエンスの部分部分において、これは「羊たちの沈黙」(1991年製作・アメリカ映画)やないかとか、

オモロイとこでは「助けてください」が印象的やった「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年・日本)とかの、エッセンスが仕込まれておったかと思います。

いやはや、決してミステリー的には、本格やなく、あくまで変格。

ほんで、そんなに論理的やなく、行き当たりばったりかもしれへんけども、

この男女コンビのイロイロなやり取りには、コメディ・ノリからラブ・ストーリー・ノリまで、いろんなカタチで見れる、ユニークな設定でおました。

4
最初の方はいろんな事件を、2人で中途半端にやってるちゅうカンジやけど、

やがて、10年間失踪してる女へフォーカスいたし、ほんで、連続婦女誘拐殺人事件へと発展し、本気モードバチバチで2人が事件を追うんやけど、

2人のボケ・ツッコミな捜査具合が、ある種のメイン・ソースになっとるかと思います。

でもしか、クライマックス・シーンは、2部にわたって強烈や。連続殺人鬼とのアクション、そして…、な展開が待っておます。

5
「迷宮入り事件を解決し、被害者の恨みを晴らすために、神は自分を盲目にした」なんて、アンディのセリフは、チョイとウ~ンやけど、

そんなセリフに見合った、アクション・シーンの数々には魅せられまっせ。

過去シーンを、水色を基調とした脱色シーンで見せたり、ワルツを基調とした、哀愁の男女デュエット・ナンバーを、適宜挿入して、ドラマ効果を狙ったりと、

ジョニー・トー監督チックな作家性が、見え隠れしておます。

サプライズはケッコーあるし、ラスト・シークエンスのトンデモ感は、驚きよりもほほえましいカンジのシーンどしたえ~。

2013年12月 3日 (火)

「ゴールデンスパイ」⇒香港・中国アクションの新味とは?

Photo
アンディ・ラウのアニキ&リン・チーリンのネーさんの、初共演映画でおます。

ハリウッド映画にも負けないような、スリリングがありまっせ!

http://www.cinemart.co.jp/theater/special/hongkong-winter2013/

12月7日のサタデーから、ツインはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木ほか、全国順グリのロードショー。

関西やったら、12月28日の土曜日から、シネマート心斎橋で上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

3

Ⓒ2013 China Film Co., Ltd., Pegasus Entertainment Inc., Media Asia International Limited All Rights Reserved.

さてはて、本作は、アンディ・ラウ主演の香港映画なんやけど、

ボクチン、アンディの映画はこれまでに、いっぱい見てきてて、ワケ分からんような、カオス状態になっとりますんで、

チョイと落ち着いてでんな、主演作品を整理いたしまして…。

ついダブってまう、トニー・レオンはんとの違いも見もって…。

でもって、彼の作品の、マイ・ベスト&カルト・スリーの披露でおます。

1_2
●ベスト⇒①インファナル・アフェア(2002年・以下の引用作品は、指定以外は全て香港映画どす)②欲望の翼(1990年)③桃さんのしあわせ(弊ブログ内検索で出ます)

●①LOVERS(2004年・中国)②本作③上海グランド(1996年)③名探偵ゴッド・アイ(明日分析)

●トニー・レオンと、敵対する関係にあったベスト①が、彼の最高傑作やとは思いますが、

多種多彩な作品に出てはるんで、ヤッパ混乱のカオス状態なんやけど、ナンチューたらええんやろか。

5
つまり一つの異彩は、女優はんとの絡みの中で魅せはる、スケベなとこやろか。

別にスケベでないとこもあるんやけど、チョイマニアックやけど、鼻の下デレ~で見れるポイントどすえ~。

チャン・ツィイーネーさんとの、鼻デレ~になりしカルト①。

ほんでもって、本作では、日本ではドラマでキムタクと共演しはった、台湾の国民的女優はん、リン・チーリンちゃんとの共演でおます。

2
ところがどっこい、フツーのラブ・ストーリー的共演とかやなく、アクション系でも、チョイ複雑化しはったような、ヒネリ系の映画になっとります。

でもって、クライマックスでは、これまでの香港アクションに、新味を加えはったとこもあって、なかなか一筋縄ではゆかんような、仕上げになっとりました。

カーチェイスの面白さに加え、コスプレ3人女とリン・チーリンも入った、トンデモおバカ系やったり、なんでフェンシング対決やねんってとこなんか、おいおい、マジかよ! どした。

7
色使いは原色系をメインに、多色感がありました。

過去シーンでは脱色・薄色系でやってはったけど、ブルー・トーン、紫、イエロー、ピンク、真っ赤など、

時おりハッとさせはるようなカンジで、挿入してはります。

6
ほんでもって、サントラ部や。

冒頭部では、バンド・ロック・ナンバー。

ラストロールでは、男女デュエットによる、ウットリのバラード・ナンバー。

この対比効果も、観客によっては、ココロの琴線やらに、クルやもしれまへんな。

4
「ミッション:インポッシブル」(1996年~2012年・アメリカ)ほどには、風呂敷は広げてはらへんかったけども、

ワールド・ワイドな作り(香港・東京・中国・ドバイ)には感心したし、それが作品性にもマッチしとったので、良かったどすやろか。

また、「マイノリティ・リポート」(2002年・アメリカ)とかを、思い出させるシーンがあったり、

点滅的映像による銃撃戦や、部分スロー・モーションの使い方など、目立たないけども、ハリウッド映画的な細部の作り込みに、グッときました。

香港アクション映画の今が、体感できる1本でおます。

2013年12月 2日 (月)

スペイン映画「ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル」

Photo_2
21世紀のモノクロ映画の、在り方を問う問題作や~

20世紀の戦時下の話は、果たしてモノクロニズムが似合うのやろか

http://www.alcine-terran.com/atorie/

12月7日の土曜日から、アルシネテランはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2_2

Ⓒ2012 Fernando Trueba PC,. All rights reserved.

映画フィルムの生産も停止し、デジタル・オンリーに移行する昨今。

そんな21世紀の今において、モノクロで映画を撮ることの意味とは一体、何でおましょうか。

それについては、過去にも掘り下げてきましたけども、

まあ、取りあえずは、ここで、21世紀のモノクロ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーなるもんをば、披露さしてもらいます。

過去にもやったけど、リセットして新たにどすやろか。

7_2
●ベスト⇒①ニーチェの馬(弊ブログ内検索で出ます)②アーティスト(弊ブログ内検索)③グッドナイト&グッドラック(2007年・アメリカ)

●カルト⇒①ブランカニエベス(弊ブログ内)②本作③日本の悲劇(弊ブログ内)

●実は、モノクロを意図的に志向して、映画を撮らはる方は、デジタルがどうしたとかとは関係なく、しょっちゅう出てはりまんねん。

どっちかとゆうたら、モノクロで撮った方が、色合いもごまかせて、ある意味アバウトなカンジでいけるんやけど、

それでいて映画作家性を、何やらそれなりに表せそうやんか。

6_2
でもしか、ボクはあんまし若い監督にはモノクロは、おすすめできまへん。

ナンチューたらええんやろか、メッチャわざとらしいし、別に色付きでもエエやん、っちゅうとこらどすやろか。

よっぽどやなければ、若い観客層が絶対的に敬遠しはるモノクロは、やらん方がエエかと思います。

でも、ベストとカルトに採り上げた6本は、まさにモノクロでやる意味ゆうもんがありました。

1_2
1作1作言いますと、

フィルムなき前に、フィルムで撮ったベスト①。

初期サイレント時代を、その時代の表現で作ってみせたベスト②。

新聞社描写が映画的に、モノクロが似合っていた時代を再現したベスト③。

日本映画は意図的に、モノクロ撮りする場合があるけども、その意図を包み隠さずに、潔く表現しはったカルト③。

そして、カルト①と本作は、共にスペイン映画でおます。

4_3
カルト①が寓話的なのに対し、本作は現実的どす。

しかも、第二次大戦下の話に、フォーカスしはりました。

スペインの内乱に加え、第二次大戦下の欧州戦線。

その系のモノクロ映画でゆうたら、すぐに思い出されるんが「シンドラーのリスト」(1993年・アメリカ)やらでおましょうか。

ほんで、「シンドラー…」と同じく、本作でも、守りたい人が、主人公には、いてるとゆう構図でおます。

5_2
スペイン紛争からフランス南部へ逃れてきた、若くてナイスバディーな女(アイーダ・フォルチちゃん)が、生きてゆくために、裕福な老画家の裸婦画のモデルにならはります。

老人と若い娘の交流映画としては、これまではケッコーヤラシー映画があったかと思うけど、

確かに本作でも、ヒロインはしょっちゅう、オール・ヌードを披露しはるんで、目が点になるとこもあるんやけど、

でも、モノクロにしてはるんで、そんなにヤラシー感はありまへん。モノクロにしたんは、そのへんにもあるんやないかな。

3_2
老人映画と若者映画の、ミキシング性もあったかと思います。

戦争シーンはないんやけど、戦時下映画の在り方として、暗みある映画としてのモノクロ手法は、確かに胸にグサリとくるとこがありますわ。

モノクロが決して負の映画に、機能するわけやないけども、一つの作り方ではありましょうか。

さて、個人的には、写真一番下に写ってはる、クラウディア・カルディナーレはんの、サプライズ出演でおました。映画史に残る名女優はんどす。

モノクロ映画「山猫」(1963年・イタリア&フランス)の美貌ぶりはモチ、期待できまへんけども、ホンマ、渋~うおました。

よう出てきはったと、驚きましたけども、重要な役柄でもありまんので、若い方も注目して見ておくんなまし。

2013年12月 1日 (日)

「楽隊のうさぎ」⇒週末日本映画劇場3

Photo
学園もんでも、中学の学園もんは、そないありまへんで~

高校の「スウィングガールズ」やらに迫る、元気系どすえ~

http://www.u-picc.com/gakutai/

師走12月14日の土曜日から、東京・ユーロスペース、新宿武蔵野館やらで、

また、関西やったら12月28日から、シネ・ヌーヴォ、第七藝術劇場やらで、お正月ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1
Ⓒ2013『楽隊のうさぎ』製作委員会

2

学園ものゆうのんは、ケッコーあるように見えますけども、中学もんちゅうのんは、実はそないありまへん。

圧倒的に多いのが高校学園もの。小学校もの、大学ものもそれなりにあるけど、中学生は中途半端なんやろか。

そやから、かなり偏屈系のもんが出回っておます。

ちゅうことで、ここで、中学生もん学園もの日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたします。

3
●ベスト⇒①告白(弊ブログ内検索で出ます)②バトル・ロワイアル(2000年製作)③まぶだち(2000年)

●カルト⇒①本作②③なし

●思いつくままの気ままやったんで、カルトの2位・3位は、思いつきまへんどした。すんまへん。

中学生もんは、何でかフツーの学園ものが、少ないと思いました。

殺人絡みのミステリー系のベスト①や、殺し合いのシチュエーションものベスト②など、キナ臭い系がなぜか多いわ。

5
でもしか、まあ、ベスト③みたいに、マットーな友情系もござります。

ほんで、本作。メッチャおぼこくて、メッチャ純粋。

これぞまさに、中学生やんっちゅう、作りになった快作どした。

イジメも殺し合いもない。吹奏楽に魅せられた少年が、その道をやってゆこうとする、まさに正統系の、夢追いバージョン青春系ドラマでおます。いや~あ、エエわ~。

ボクたち大人が、ああ、あの頃、そうゆう夢を追ってたな~とゆう、懐かしきキモチになれるし、

若い方々も、夢を追うことの素晴らしさが、認識できるようなカンジどす。

7
アヒルみたいにおとなしいて、先生からゆわれる主人公役・川崎航星クンが、メッチャハマリ役でおました。

彼の両親役をやらはった、井浦新のアニキと鈴木砂羽ネーさん。

共に、彼を盛り立てることを意図に、演技してはるんがよう分かりました。共に、好感度の高い演技どす。

8
少年は吹奏楽に魅せられ、ほんで、ティンパニをやることに相なります。

写真7枚目のように、彼にしか見えへん、うさぎのコスプレをした少女の、沈黙の励ましを糧に、彼の演奏技量はどんどん増してまいります。

練習シーンのダイジェスト・シーンも、タイトに繰り広げられまして、彼の音楽へののめり込みを、映画的に象徴的に示してゆかはります。

4
さてはて、個人的な述懐を申しますと、「ユリイカ」(2000年)で、妹役の宮崎あおいに対し、兄役をやらはった宮崎将が、エエ感じの部活顧問役をばやってはります。

宮崎あおいには大分、差を付けられたカンジやけど、でもしか、彼は映画映えする、印象深い演技を示してはります。まあ、見ておくんなはれ。

9
音楽学園もんとしては、動的な「スウィングガールズ」(2004年)に対し、本作は静的なノリでいってはるかと思います。

音楽を聴かせてゆく作りとしては、本作は「スウィングガールズ」より、上の仕上げになっとるやろか。

6
学園ドラマの純粋系。

原作は、中沢けいネーさんの小説どす。けいネーは女性心理の描き込みがスゴイんやけど、本作では少年の純粋無垢を、前向きに描かはり、

ほんで、鈴木卓爾(たくじ)監督も、その作品性を見事に映像化しはりました。

NHK「中学生日記」での演出経験が、見事に活かされておました。

監督としては、これまでの最高傑作の映画版「ゲゲゲの女房」(弊ブログ内検索)を超えた仕上がり。

ちゅうことは、監督の最高傑作どす。

みなはん、純なキモチを思い出させてくれはる本作を、ぜひ見に行ってくだされ。大人でも、人生が変わる映画かも。

« 2013年11月 | トップページ | 2014年1月 »