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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2013年11月の記事

2013年11月30日 (土)

岡田准一主演「永遠の0(ゼロ)」⇒週末日本映画劇場2

1

今年の日本映画の、マイ・ベストワンでおます

感動的なエピソードの連続で、お贈りしまっせ~

http://www.eienno-zero.jp

12月21日のサタデーから、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおま。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

2
Ⓒ2013「永遠の0」製作委員会

みんなの方がよう知ってはるやろけど、

ボクチンの母校・同志社大学(中退やけど)の後輩、百田尚樹のアニキの、文壇デビュー作品が原作でおます。

この原作は、2時間テレビドラマ化が、映画化前に先行してなされておまして、

そんな2作を、比較して見られるっちゅう作品になっとります。

でもしか、本作の映画の方が、圧倒的に仕上がりは素晴らしく、

誠に勝手ながらでんな、2013年の日本映画のマイ・ベストワンでおます。

3
ちゅうことで、ココで、本作にも通じる、戦争玉砕特攻もの映画(攻められて玉砕系も入れます)の、邦画マイベスト&カルト・スリーをば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①本作②ひめゆりの塔(1953年)③ホタル(2001年)

●カルト⇒①本作②ローレライ(2005年)③君を忘れない(1995年)

●本作はベストでもカルトでも、マイ・ナンバーワンになれるような作品どした。こおゆう作品は、ボク的には初めてどした。

7
現代から過去を振り返る、とゆう構成においては、ベスト③と相通じるかもしれへんけど、こちとらは、振り返る人間と振り返られる人間が違っておます。

今まで知らんかったオジンがいたとゆうことで、孫の姉弟(吹石一恵ネーさんと三浦春馬クン)が、その謎めいたオジンの過去を調べてゆくとゆう作りになっとります。

そのオジンの若い時分の役に、岡田准一のアニキが扮しはりました。

8
この岡田アニの役は、メッチャカッコええねん。

ゼロ戦闘機の操縦士役なんやけど、ヒューマニズムあふれる演技性が、ググッときよりました。

それだけやありまへん。出兵する前や一時帰宅の際に、妻子(妻役は井上真央ネーさん)に、絶対戻ってくるちゅうて戦場へ行かはりまんねん。

でもしか、岡田アニは死んでまいます。ほな、戻られへんやん。

ところがどっこい、ここに大いなるカラクリがございましてな、本作のキモともなる、感動的シーンになっとるんどすえ。

モチ、感動的なシーンは、イロイロ次々にやってまいりますんで、大いに泣いてくだされ。

6
さて、細部の仕込みについて見てみまひょか。

最初と最後が、つながる構成になっとりまして、岡田アニの特攻シーンがドラマティックを作ってはります。

バイオリンの単音弾きで盛り上げてゆく、緊張感あるシーンの連続の中でも、ヤッパ、ラストシーンが、最も印象的でおました。

5
モチ、サントラ的には、サザンオールスターズの書き下ろしナンバーとなった、極上のバラード・ナンバー「蛍」が、

ラストロールで流れて、余韻をグッと深めはります。

サザン・バラードでも「TSUNAMI」並みの傑作どしたえ。

4
R60の役者たち。本作が遺作となった、夏八木勲はんの渋演技とか、

宮崎駿ジブリアニメ「風立ちぬ」(弊ブログ内検索で出ます)とシンクロする、ゼロ戦にまつわる話とか、

「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)で示した、山崎貴監督の、見事なCG・VFXぶりやったりとか、特注項目は満載どす。

とゆうことで、クリスマス&お正月には、ぜひ本作をばご覧くだされまし。

2013年11月29日 (金)

堀北真希主演「麦子さんと」⇒週末日本映画劇場1

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国民的女優・堀北真希ちゃんの、映画の最高ケッサクがコレや~

アイドル映画へ、ある種のオマージュが捧げられた大快作

http://www.mugiko.jp

東京は、12月21日の土曜日から公開。

大阪は、1月4日のサタデーから公開どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

1

Ⓒ2013「麦子さんと」製作委員会

吉田恵輔監督の最初の発想から完成まで、10年を要した作品らしいどす。

それでいて、10年の熟成を感じさせるような作品とゆう、そんな重みもなく、飄々とした作品どした。エエわ~、メッチャエエで~。

とぼけたような味が、徐々に懐胎して、最後には感動があり、ほんで爽やかさがあるっちゅう、娯楽映画のお手本のような作品になっとります。

3
最初は家族の話やなかったらしいどす。ところが、いろいろいじったり、プレゼンを繰り返しとるうちにでんな、オカンと娘はんの話になりました。

しかも、ストレートにキズナを、描く系やありまへんねん。

オトンが死んでしもたあと、兄妹(松田龍平アニ&堀北真希ちゃん)だけでずーっと暮らしてたとこに、突然のように現れたオカン(余貴美子はん)とゆう設定どして、

兄やんは少しは、幼い頃に離婚したオカンのことは覚えとったけど、妹はんは初対面みたいなもんどした。

2
ほんで、3人の共同生活が始まります。やがて、恋人と同棲するちゅうんで家を出る兄やん。

てなわけで、オカンと娘の2人だけ、ちゅうことに相なりました。

娘はチビチビやらしいことを言い、それに対し、オカンは低姿勢でいかはります。

ほんで、オカンは末期ガンで、アッちゅうてる間に死んでまうんやけど、娘は最後までオカンに優しい言葉を掛けられまへんどした。

ほんでもって、49日の納骨のために、仕事で忙しい兄に代わり、娘はんは、オカンの故郷・山梨へと行かはるのです。

5
はっきりゆうてみましょか。

テレビの方はボクは全部見てへんので、何とも言えへんけど、いずれにしても、演技的に見て、堀北真希ちゃんの、映画作品としては、最高傑作やと言えるんやないやろか。

「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ(第1弾は2005年製作)。確かにオボコサがかわいらしく、自然体バチバチでありました。好感度も高かった。

クール感の出た「白夜行」(弊ブログ内検索で出ます)や、地方ロケ映画「県庁おもてなし課」(弊ブログ内検索)も、それなりに良かったかもしれません。

でもしか、号泣とか叫びの、大げさ演技とかもなく、ユルユルゆったりの堀北節が、本作でも健在やけども、

麻生祐未ネーさんとの絡みで魅せる、怒りやら泣きやらの演技は、特注どした。

真希ちゃんの主演・出演映画作品の中でも、映画的にも傑作どしたえ。

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彼女をサポートする側かもしれへんけど、気のいいオカン役が、ピッタリはまった余貴美子はんや、

妹をけなしながらも、ビミョーに妹思いな、アアッてカンジのアニ役の松田龍平アニ、

ほんで、山梨ロケ・サイドで見せる、温水洋一はんや麻生祐未はんの優しさなど、

グッと染みる演技が満載どした。

4
映画の中身とシンクロする、劇中アニメ・シーンが披露されたりします。お遊びシーンやありまへんので、ようく見ておいてくだされ。

また、アイドル映画への、ある種のオマージュ的なとこもありました。

松田聖子ネーさんの歌「赤いスイートピー」が、大いなるポイントになっとります。

かつてオカンが、アイドル歌手を目指して、聖子ちゃんの曲を歌い、地元でアイドルになっていた経緯があります。

で、真希ちゃんが、メッチャオカンの若い時にソックリやから、納骨に行った地元で、メッチャなことに相なりますねんで。

いわゆる、母娘二重性のアイドル感を、出した面白さちゅうか。

吉田監督の「純喫茶磯部」(2008年)や「さんかく」(弊ブログ内検索)にも、アイドル感はあったけど、本作はそれら2作以上に本格的どした。

とゆうことで、名作「オール・アバウト・マイ・マザー」(1999年・スペイン)にも迫るような、母子の話でおました。

2013年11月28日 (木)

「ある精肉店のはなし」⇒女性監督による日本ドキュメンタリー

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食もの系の店に携わる、家族ドキュのユニークな1本どす

キモかったりベタなナニワ節が、仕込まれた怪作や~

http://www.seinikuten-eiga.com/

11月29日のフライデーから、東京・ポレポレ東中野。

12月7日のサタデーから、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1
纐纈(はなぶさ)あやネーさんの、ドキュメンタリー映画監督作の第2弾でおます。

第1弾の前作「祝の島(ほうりのしま)」(弊ブログ内検索で出ます)は、原発誘致にまつわる地元民たちの、反対運動や悲喜こもごもを、描かはりましたけども、本作でも作品性は通じとりました。

彼女の作品は、今までのドキュメンタリーとは、ビミョーに違っておます。

「祝の島」やったら、社会派系の告発ドキュかと思いきや、島の住民たちにフォーカスした、群像ドキュ的なとこがあったり…。

4
でもって、本作ではどないやろか。

いろんな商売・営業店を描くドキュにして、家族のキズナを描く家族ドキュ系。

さらに、地域住民との関わりの中で紡がれる、地方ドキュの在り方やら。

いろんなドキュのエッセンスを、取り込みつつもでんな、

そこに生きる人々、家族をそのままのありのままに描いてみせる、ドキュの基本ラインやベースが、しっかりしておました。

2
描かれるのんの1つは、屠畜(この場合は牛を殺して…)。そして、牛の死体を解体バラして、いろんな売り物へと転化させてゆかはります。

その過程描写は、キモく思たり、なるほどこんな風に、商品化されてゆくんやと、納得のとこがあったりと、見た想いは、見る人によってさまざまでおましょうや。

個人的には、キモさから徐々に、浄化されてゆくような、不思議な作りにもなっとるかと思います。

3
主に描かれるんは、大阪・貝塚市にあるお店でおます。

大阪らしいベタなとこも、ないとは言えまへんけども、見ていったら、徐々にナニワ節な人情節に酔ったりしよります。

一方において、家族のオトンが、被部落差別に遭ったこともあり、部落差別の問題やら、水平社宣言やらの、その種の話も出てまいります。

でも、そこんところは、そないにベタやありまへん。

いや、むしろ家族が団結してゆくとこなんぞに、妙に魅せられたりしよります。

そのままを映してるとは申せ、このあたりの描写には、女性監督らしい優しさがありました。

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3日3晩寝ずに夜を明かす盆踊り。ほんで、盆踊りのあとは、だんじり祭りがあるとゆう、地元密着系のシーンなんぞに、妙に癒やしがあったりします。

部分的には、「木村家の人びと」(1988年)なんぞの、家族ドラマの変形種が、頭の中に散ら付いたりしよったけど、

これはこれで独特な、オリジンを主張してはります。

変形動物ドキュな一面、カルティックな作りなどに、最終的には、魅せられてしまいましたやろか。

柔かな女性ナレーション、ギターとバイオリンをメインにした、サントラ使いなど、

細部もユニークな怪作ぶりに、貢献しておました。

2013年11月27日 (水)

「劇場版SPEC~結~ 爻ノ篇」⇒ギリギリ間に合って見れましたがな

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コレでもかっチュー、日本映画にかつてないCG・VFXのオンパレードに、ヤラれてもうたわ

決着後に、癒やしの見どころがあるんで、お楽しみやでー

http://www.spec-movie.jp

11月29日のフライデーから、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Sp1
Ⓒ2013「劇場版SPEC ~結~ 爻の篇」製作委員会

前編(弊ブログ内検索で出ます)に続く後編。

こおゆう前後編にして、公開日取りをズラしてやる手法は、かつての1950年代日本映画黄金時代には、盛んに行われとりました。

でもしか、21世紀の最近になってでんな、「のだめカンタービレ」(弊ブログ内検索)などで、ケッコー使われるようになっとります。

おそらく、映画黄金期を意識したカンジなんやけど、当時と同じく、今もまた、邦画が洋画を興行収入で、圧倒する時代になっとります。

Sp2
この結末・着地映画は、公開ギリギリまで粘った上で作られておます。

そやから、さぞかしスゴイ映画になっとるやろな~、とゆう期待も膨らむんやけど、でもしか、どないやろか。

でも、老若男女さまざまに見られるような、エンタになっとることは、間違いないやろかと思います。

かつての邦画にはなかったくらいの、特撮系としての、CG・VFXを駆使してはります。

「メン・イン・ブラック」(1997年製作・アメリカ映画)を、思い出すくらいのボリュームどした。

Sp3
パニック・ムービー的な側面もあります。

かつての日本映画としては、「日本沈没」(1973年・2006年)「ノストラダムスの大予言」(1974年)以上にハデなんやないやろか。

でもって、欲望だらけの人類を、核爆発の連続によって破滅・粛清し、で、紀元前からいてる純粋無垢な前人類に、すり替えてゆくとゆう、途方もない壮大な作りをば、志向してしまわはりましたえ。

核爆発・人類の破滅系などは、今さらながらにも思えますけども、

大げさかもしれへんけど、「博士の異常な愛情」(1963年・イギリス)チックなとこも見えまんねんで~。

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一方においては、シリアスやない、このシリーズ独特のコメディ・ノリ&パロディ・ノリの、アホらしいけどオモロイ・シーンには、思わず笑ってまいます。

本作と同じ堤幸彦監督の「トリック」シリーズ(第1弾は2002年・シリーズ最新作は2014年1月11日公開・後日分析予定どす)の名セリフ、

仲間由紀恵ネーがゆうた「…何もかも全部、お見通しだ」を、ヒロイン戸田恵梨香ネーに、言わせてみたりして遊んではりま。

個人的には、松坂慶子はんの、核爆発シーンを、空気の流れと光で作った、チューとこなんかに、グッときました。

Sp5
遠藤憲一アニキの文字読みトリックなんか、堤幸彦節でおましょう。

そんな中で、死んだ者も含め、スペックホルダーたちの大集合に、向井理のアニキが「まるで仮面ライダー」なんてゆうシーン。

まあ、アクション映えしない向井アニやけど、手指だけで人を消滅させるやなんて、おいおい、メッチャ簡略系で、アクト的にはしんどないやん。

片や、恵梨香ネーや、最後をシメはる加瀬亮アニは、メッチャしんどいアクション披露やん。

ズッコイわ~なんて思いつつも、逆パターンやったら、全くドラマ映えせえへんので、この作りは大正解どした。

Sp6
さて、感動系ではどないやろか。

栗山千明ネーと大島優子ちゃんの、オカン娘はんのキズナも、それなりに感動はありました。

けども、ボクチンが感動とゆうより、最もシビレたシークエンスは、

恵梨香ネーのオトン役やった、ミュージシャンの佐野元春アニキの、自身のストリングス入りのピアノ・スロー・ナンバー「彼女」を流しながら、

恵梨香ネーの透明な空中浮遊を入れて、多彩な登場人物たちのその後を描く、絶妙なダイジェスト・シーンどした。

このシーンだけで本作は、ボク的にはケッサクとなりました。

今後があるんかどうかは分かりまへんけども、

またきっと、恵梨香・加瀬亮の刑事相棒コンビは、いつの日か、ボクたちワタシたちの前に、現れることでおましょう。

2013年11月26日 (火)

「ゼロ・グラビティ」⇒今年の洋画ベストワン級の映画どす

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サンドラ・ブロックのネーさんが「スピード」以来の、超絶逼迫演技をば披露しはります

シュールな「2001年宇宙の旅」に対し、現実的でリアル感ある仕上げや~

http://www.zerogravitymovie.jp

12月13日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、2D・3D同時公開で、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1

Ⓒ2013 Warner Bros Ent. All Rights Reserved

SF映画のフィクション系と、現実派的リアル系が、一体となった大ケッサクどす。

2013年今年のマイ・ナンバーワン級の、仕上げとゆうだけやなく、SF映画の生涯ベストテン級に入る、仕上がり具合の映画でおました。

ちゅうことで、まずはSF映画系で、マイ・ベスト・スリーをば、披露いたしますと…。

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●①2001年宇宙の旅(1968年製作・アメリカ映画)②本作③スター・ウォーズ(第1弾は1977年)

●SF映画的には、コドモのSF③、大人のSF①と、長らく言われとりましたけども、

そんな2大SF傑作に、もの申すの勢いを持ってはるんが、本作でおました。

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さてはて、次にでんな、NASA系の現実的ノリの、宇宙へ探索系ちゅうヤツの、マイ・ベスト・スリーでおます。

●①本作②アポロ13(1995年)③スペース・カウボーイ(2000年)

●中でも、本作は②みたいに実話やないけど、メッチャなリアリティーがありました。

しかも、宇宙遊泳シーンの描写が、過去のその種の映画の中で、最も長いものとなりましたで。

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ほんでもって、サンドラ・ブロックのネーさんや~。

女1人が生き延びる系とゆうのんは、「エイリアン」(第1弾は1979年)を始め、ケッコーあるんやけど、

最初はジョージ・クルーニーはんもいてはったんで、女1人だけイメージは柔らぐかと思いきや、そんなことはありまへん。「エイリアン」以上にスゴイでっせー。

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特に、後半はサンドラ・ネーさんの1人芝居が、凄まじいトラブルの連続の中で披露されとりまして、もうメッチャなカンジどす。

宇宙船の大爆発シーンを含めまして、3Dで見てこそのシーンは満載どした。

けども、ヤッパ、みんなのココロをくすぐるんは、演技でおましょうか。サンドラ・ネーが目いっぱいの極限演技をば、魅せてくれてはります。「スピード」(1994年)以来の、緊張感があふれておました。

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宇宙の漂流もんやけど、視点を変えれば“ロビンソン・クルーソー”もんやったり、その種の孤島系映画。

ほんで、1人が孤独にイロイロやって、サスペンスを作っていくような映画。

例えば、脱獄系の「抵抗」(1956年・フランス)とかと、ボク的には妙に、シンクロナイズしとるかと思いました。その緊張感は映画的にドラマティックでもありました。

今年のボクが見た洋画では、ベストワン級の仕上がりやったです。少しアレしても、ベスト・スリーまでどす。

7
何しろメイキング、製作過程の緻密さが、ハンパやなかったみたいどす。

単にCG・VFXやなく、照明効果であったり、サントラ使いであったりの、細部の作りが、巧妙かつ巧緻を極めておました。

冒頭の10分強の宇宙遊泳の、長回し撮影シーンなんか、はっきり言いまして、映画史的にも画期的やったかと思います。

まずは何はともあれ、見ていただきたい。

これまでにないような映画体験とゆうのんは、映画PRで使われたりするけども、これは正真正銘のホンマもんです。ぜひ映画館で体感してくだされ。

2013年11月25日 (月)

キアヌ・リーブス主演「47RONIN」(フォーティーセブン・ローニン)⇒日本が舞台のハリウッド映画

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「忠臣蔵」時代劇に初めて挑んだ、ハリウッド映画でおます

「マトリックス」とはまた違う、キアヌ・リーブスのアニキのアクションに注目や~

http://www.47ronin.jp

12月6日のフライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、2D・3D同時公開で、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸUniversal Pictures

日本を舞台(ロケしてへんのもあり)にしたハリウッド映画で、日本の時代劇にフォーカスしはった作品の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、まず披露をばさしてもらいます。

●ベスト⇒①ラスト・サムライ(2003年)②③なし

●カルト⇒①本作②黒船(1958年)③将軍(1980年)

●ベストの②③は、残念ながら思いつけまへんどした。みなはんが見たのんで、エエのんがあれば、教えてくだされ。

日本の時代劇でも、ハリウッド的には、鎖国時代・鎖国以降のポイントを、見てはるんが分かるかと思います。

472
さて、お次は、よりテーマが絞られた範囲でやってみます。

本作は“忠臣蔵”をテーマにした、初の洋画作品でおます。しかも、英語セリフで通すとゆうのも、初めてでおましょうか。

とゆうことで、忠臣蔵映画のマイ・ベスト&カルト・スリーをゆうてみます。

●ベスト⇒①忠臣蔵(1958年・大映版)②忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年)③四十七人の刺客(1994年)

●カルト⇒①本作②赤穂城断絶(1978年)③討入り前夜(1938年)

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●「忠臣蔵」映画は、1950年代の日本の映画黄金期におきましては、数多く作られておまして、ほんで、ヒットもしておます。

その代表型として、ベスト①を掲げましたが、いずれも当時の、オールスター映画をば標ぼうしてはります。

オールスターでこの話をやれば、ヒットするとゆう方程式があったんでしょうな。

でもしか、金太郎アメのように、毎回おんなじ話を紡いどったって、進化も何もありまへん。

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そこで、正統派忠臣蔵とは違うとこに、目を付けて映画化すると、ウ~ン、これはっちゅうもんが仕上がってまいります。

四谷怪談と引っ付けたベスト②とか、無名の赤穂浪士に焦点を当てはった、カルト③などでおます。

でもって、本作は鬼の子とゆう視点で、キアヌ・リーブスのアニキを、赤穂浪士のメンバーに配して、

メッチャ斬新な、オリジナルを換骨奪胎(新たな話に作り変えたような)した風の作りになっておます。

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ともすると、こんな忠臣蔵の話があるかいやーとゆう、お叱りの声もあるやもしれまへん。

でもしか、いつまでもおんなじ話を、映画で見せられるくらいやったら、

こういう変形でやってもうた方が、いろいろ楽しめてエエとは思うんやけど…。

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アクションとしてのキアヌは「マトリックス」(1999年・アメリカ)が有名やけど、それとはまた違った怪アクト演技や。

真田広之は「たそがれ清兵衛」(2002年)があるし、浅野忠信は「五条霊戦記」(2000年)やらがあって、アクション・シーンはそれなりに魅せてくれはります。

菊地凜子の妖術使いの妖しさは、「バベル」(2006年・メキシコ)の現代的ヒロインへも通じるかも(!?)な。ジャニーズの赤西仁アニも、カッコええし。

モンスターとのバーサスやらを始め、クライマックスのトンデモ“討ち入り”シーンに、ドッカーンと驚いておくんなまし。

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ほんでもって、ラブ・ストーリー部も、付け足しのように、あることはありまんねん。

柴咲コウのネーさんと、キアヌの恋愛部なんやけど、コウネーさんはアップ率は誰よりも高いし、キアヌとキス・シーンを披露したりして、メッチャ役得やんかと思うけども、

ヤッパ、武士のプライドとしての腹切りシーンが、オリジナル同様にチャンとある以上は、それほどロマンティックにヒートアップ!  とゆうわけにはまいりませぬ。

でも、魅せてくれはります。とゆうことで、ハリウッドの忠臣蔵映画に、恥じないエンタになっとります。

2013年11月24日 (日)

佐藤健主演「カノジョは嘘を愛しすぎてる」⇒週末日本映画劇場3

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音楽映画の多彩感が出た傑作どす

「バンデイジ」とは違う、深み感がココロくすぐるラブ・ストーリーや~

http://www.kanouso-movie.com

12月14日の土曜日から、東宝はんの配給により、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 青木琴美・小学館/「カノジョは嘘を愛しすぎてる」

本作とまつわる関連・シンクロ作品について言いますと、メッチャあります。

パッと思いついたハリウッドの洋画だけでも、「あの頃ペニー・レインと」(2000年)「ローズ」(1979年)「Ray」(2004年)「ドリームガールズ」(2008年)「キャデラックレコード」(2009年)「グレン・ミラー物語」(1954年)など、イロイロありました。

ちゅうところで、邦画ではどうなんか。洋画の傑作に迫れるもんは、果たしてあるんやろか。

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そないな疑問に対して、お答えいたします。とゆうか、その種の音楽映画の日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーでやってみましょか。

●ベスト⇒①ロックよ、静かに流れよ(1988年)②リンダ リンダ リンダ(2005年)③スウィングガールズ(2004年)③NaNa(2005年)

●カルト⇒①本作②バンデイジ(2009年・弊ブログ内検索で出ます)③ベック(2010年・弊ブログ内検索)③ビートキッズ(2005年)

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●素人バンドたちの話が多いけれど、本作はベスト③「NaNa」やカルト②と同じく、音楽業界のイロイロを描いてはります。

しかも、3作品の中では、最も本格的な業界の話になっておます。

さらに、他の作品が友情や団結力などが、メイン・テーマになっているのに対し、本作はラブ・ストーリーが核にあります。

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カルト③「ベック」で、見事な(!?)ボーカルを披露した、佐藤健のアニキが、今度は表に出ない、覆面音楽プロデューサー役をやらはります。

ぶっきら棒で不機嫌なカンジの、ナレーションから始まるように、それに見合った役柄やけど、徐々に前向きモードにならはりますで。

「彼女には、一生かなわない」で終わる、ラストのココロの呟きは、さわやかにココロに残ります。

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ほんでもって、その恋のお相手役は、全くの新人はん、大原櫻子(さくらこ)ちゃんどす。

劇中で見事な喉を披露せないかんので、5000倍やったとゆう、音楽オーディション並みのオーディションをば、突破してきてはります。

キモチを示す、アップの多さにも魅了されまんで~。

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カルト③「ビートキッズ」に続く、音楽映画の出演となった、相武紗季のネーさん。

今回は劇中でも歌わはりまんので、要チェキどすえ。

かつて歌手をやってはった反町隆史アニキは、歌わはりまへんけども、芸能プロの社長役で、音楽業界の裏話を披露したりしはります。

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でもって、音楽部門は、真剣モードの本格的でおます。

「バンデイジ」では小林武史が音楽監督どしたが、本作は亀田誠治はんどす。

共に名音楽プロデューサーどすんで、2作を比べても音楽的な出来は、甲乙付けがたいものになっとります。

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ミディアム・テンポのキャッチー・ナンバー「サヨナラの準備は、もうできていた」が、本作のネタでもあり、ポイント・ゲッターともなる曲や。

クリシエ(サビで、ベース音を1音ずつ下げて聴かせる手法。かつてはビーイング勢が多投した、ヒット方程式ナンバーの作曲法)を使った作りといい、

ラストでは愛する2人のコラボレートで魅せたりと、

音楽を媒介とした作りは、「バンデイジ」以上の仕上げとなっとります。

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YUIネーが主演した「タイヨウのうた」(2006年)の監督、小泉徳宏アニキの作品どすが、音楽へのひたむき感とゆう意味では、本作と共通しとりました。

従来の日本映画にありがちだった、友情シーンや恋愛シーンのベタベタ感の、控えめな演出ぶりにも、好感を呼びました。

若者受けする映画やと思うけど、映画や音楽のオールド・ファンにも、きっと訴求するハズどすえ~。

2013年11月23日 (土)

岩佐真悠子主演「受難」⇒週末日本映画劇場2

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キョンキョン的なとこもある、岩佐ネーさんに胸キュンやん!

トンデモヒロイン・ドラマにして、トンデモラブ・ストーリーどっせ~

http://www.junan-movie.com

12月7日の土曜日から、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、東京・シネマート新宿やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、1月4日から、大阪・シネマート心斎橋やらで上映どす。

本作は「R-15+」指定映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 姫野カオルコ・文藝春秋/「受難」製作委員会

岩佐真悠子(いわさ・まゆこ)ネーさんのためとも取れる、ヒロイン映画であり、変形ラブ・ストーリーの怪作品となりました。

岩佐ネーのことなんて、みなはん、知ってはる人は少ないんやないやろか。

ボクチンも本作を見るまでは、ウーン…てカンジどした。

すんまへん。ところがどっこいどす。変形ヒロインものを、スムーズかつすんなりとヤッテはったんで、そこだけでも驚きがありました。

2
姫野カオルコはんの小説が、原作でおます。

姫野ネーさんの作品てゆうたら、ヒロインもんがモチ多いんやけど、トンデモ設定を当たり前のようにやらはって、おいおい、そんなんアリカヨーなとこが多いんどすわ。

でもって、本作も、当然ながら、そおゆう作品となってしまいましたがな。

こんな設定なんて、ありえまへん。

もしか、それを媒介にして、やがては、ラブ・ストーリー的に、ドラマティックなとこへと、持っていくあたりの凄みこそ、本作のキモたるとこでおましょう。

3
ヒロインの岩佐ネーが、はっきりゆうて、メッチャ魅力的どした。

ヌードもそれなりに披露しはるけど、むしろそういうとこより、彼女に取りつき、彼女を指南する人との、やり取りにこそ、本作の主たる妙味があるんどすえ。

「バカもん」「ハッハハッ」「アホか」「傲慢でショーもない」「万年処女」「ダメ女」などと言われ続けても、

あっけらかんなとこが、ホンマ、エエ感じどしたえ。実に好感度の高い演技ぶりやったかと思います。

4
ネタ・ポイントは、あんましゆわれへんねんけど、チンチン、オマンコなどのコトバが、平気で出てまいります。

「R-15」指定になったんも、そのあたりが原因なんやろうけど、

あくまでドラマ的には、メインやなくて、サブ・ポイントやったんで、問題はさほどないかと思いまっせー。

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岩佐ネーが1人でいてる、海辺のロングショット・シーンなどが、しょっちゅう出てでんな、映画的キレを示さはります。

グッとくるけど、ヒロイン映画としてのとこへと、全ては集約してまいります。

「自分のオマンコがこんなことになっちゃうなんて…」とか、

「オマンコに、たった一個のチンチンが、入っただけなのに…」なんてセリフには、なるほどな~なとこがありましたやろか。

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ヒロインは、ある種のキューピッド役で、2人の男女を結び付けはるんやけど、あくまで意図的やありまへん。

また、クリスチャンな修道女としての、祈りや癒やしのポイントなんかは、ありきたりながらも、ケッコーオリジンなとこで、魅せてくれはったかと思います。

変形かもしれんけど、ラブ・ストーリー的に着地しとるし、ほんで、セックス・シーンでエンドなとこも、なるほどな~やし、

ブラス・サウンドをポイントにした、ラストロールでのサントラ使いなどにも、グッときよりました。

とゆうことで、ボクは岩佐ネーさんに、恋をしてまいました。あーあ、どないしょー、ホンマでっかー、ですわ。アラマ・ポテチン。

2013年11月22日 (金)

竹中直人主演「天心」⇒週末日本映画劇場1

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「写楽」「北斎漫画」などの系列にある、日本の画家のドラマどす

素晴らしき海辺シーンの数々が、まさに絵画的どすえ~

http://www.eiga-tenshin.com

師走12月7日の土曜日から、マジックアワーはんの配給によりまして、大阪・梅田ガーデンシネマなどで、全国順繰りのロードショーでおまっせ~。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013映画「天心」製作委員会

日本の画家ドラマ映画てゆうたら、みなはん、ピーンとくるとこはありまっしゃろか。

ボク的にもあんましピーンはないんやけど、取りあえずは、っちゅうことで、ここで、日本の画家ドラマの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。あえて製作年代を外しました。

ベスト⇒①写楽②北斎漫画③本作

●カルト⇒①竹久夢二もの②棟方志功ドキュ③いわさきちひろドキュ

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●思い出そうとしても、なかなか思い出せまへんどした。たぶん、ボクがそういう作品を見てへんのが、原因やと思いますんで、すんまへんと頭を下げるしかござりまへん。

ただ、日本絵画について描く映画は、明治時代以降はそんなになく、竹久夢二ものは多いかもしれへんけど、そないありまへん。

そやからこそ、本作のオリジンぶりが、見えてきよるんやけども…。

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日本美術の復興を願うフェノロサはんと、岡倉天心はんの心意気がまず、本作では示されます。

歴史上において確定しとる話やけど、それらをどう表現し映画化してゆくんか。ポイントはモチ、そこにあります。

はっきりゆうて淡泊どした。それはあくまで、のちのドラマティックや、クライマックスのための伏線的エピソードどす。

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岡倉天心役の竹中直人はん。

映画監督もやったりしてはるけど、最近は演技に集中してはるとこが、見受けられよります。

4人の画家たちを育てていく過程。ほんで、彼らとの絡みは、本作の大いなる見どころであります。

中でも、平山浩行とのやり取りは、シブミがずっと付きまとっておました。はっきりゆうて、泣けます。

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それだけやありまへんねん。

平山浩行アニキの嫁はん役の、キタキマユのネーさんの、癒やしのシブミやったりに、しみじみグッと胸にクルんどすえ、ホンマ。

マユ・ネーは最後の最後まで、感動編に関わってきはります。

この作品以降も、間違いなくブレイクできるような演技ぶりなんで、ぜひ注目しておきたいと、個人的には思いました。

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全体的には、その時代を反映した、照明控えめのダークな作りを施してはります。

一方で、海辺の夕景・朝焼け、紺青とゆうか、ラムネ色っぽいの海、茨城ロケによる美風景、窓ガラスを中に入れた描写シーンの、ビビッドなカンジなどに酔うてしまいまっせ。

ほんでもって、最後の最後には、米米クラブの石井竜也のアニキが、ソロ・ナンバーを披露しはります。

石井のアニキには、珍しい雅風な作りどして、何やらグッと魅了されてまいました。

天心はんの作った学校が、東京藝術大学のルーツとなったんも、いちおう描いてはるんやけど、そんな中で、写真の上から3枚目。

4人の芸術家が、新聞のカメラに収まるシーンなんやけど、このシーンこそ、実は本作のキモ・シーンでおます。

3度にわたり描かれるこのシーンの、意味深長ぶりを味わってくだされまし。感動的どっせー。

2013年11月21日 (木)

「リヴ&イングマール ある愛の風景」⇒映画監督&女優のドキュメンタリー

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イングマール・ベルイマン監督と、女優リヴ・ウルマンのネーさんの、愛の軌跡どすえ~

ラブ・ストーリーとしての粋が詰まった、会心のドキュでおます

http://www.livingmar.com

December12月7日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで全国順グリのロードショーでおま。

大阪やったら、12月14日から、シネ・ヌーヴォや、梅田ガーデンシネマで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸNORDIC STORIES 2012

スウェーデン出身。映画史に残る映画監督イングマール・ベルイマンはんが、くたばっちゃったで。

日本のゴリゴリの映画ファンは落涙いたし、ボクチンも亡くなった数日間は、気分がメッチャ重かったどす。

でもしか、ベルイマンてゆうたって、若い映画ファンにはどこまで浸透しとるんやろか。クエスチョンどすわな。

でもしか、本作を見るにはどないしても、ベルイマン監督作品の何作かを、見ないことにはお話になりまへん。

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ちゅうことで、ベルイマン作品の、ぜひとも見るべき5本を選んでみました。

①秋のソナタ(1978年製作・スウェーデン映画)②ある結婚の風景(1973年)③叫びとささやき(1972年)④野いちご(1957年)⑤第七の封印(1956年)⑤処女の泉(1960年)

●①②③はカラー作品なんで、モノクロ嫌いの若人にも、訴求できるハズやろなと思います。

遺作「サラバンド」(2003年)もチェキやろか。

さてはて、次にでんな、実在の映画監督を描いた、ドキュ&ドラマ映画の、

マイ・ベスト・スリーみたいなんを披露いたしてみると…。

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●ベスト⇒①本作②ある映画監督の生涯 溝口健二の記録(1975年・日本)③チャーリー(1992年・アメリカ)

●唯一のドラマであるベスト③は、「アベンジャーズ」(2012年・アメリカ)やらで今をときめいてはる、ロバート・ダウニーJr.の最高傑作なんで、要チェックどすえ。

まあ、それはともかく、本作のオリジンなポイントは、恋愛ドキュメンタリーとゆう、かつてないところへと、シフトした作りが画期的でおました。

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ベルイマンはん作品には欠かせへん、女優はんリヴ・ウルマンのネーさん。

彼女のナレーションやらインタビューやらクローズアップを、主ポイントにしながら、本作は紡がれてゆきよります。

フツーに監督のドキュを描くんやったら、その創作の秘密やらを描いたりするんが常套なんやけど、本作は全く違っておました。

描かれるとこの監督は、既に故人どす。でもしか、その作品で常連主演女優やった、リヴのネー抜きでは、監督を描くにも全然ドラマティークになり得まへん。

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監督のドキュを見せられるくらいやったら、その作品を見に行く方がエエでおましょう。

はっきりゆうて、監督の人柄とかは作品とは別もんやろから、どうでもええゆうたらそうなんどすわ。

でもしか、リヴのネーやんが主演級でこのドキュに出てきはるんやったら、どないあっても、2人の関係性を描くしかござりまへん。

でも、50年にわたる男女の友情物語やなんて、冒頭の方で字幕で説明されるけど、

本作がこの2人のラブ・ストーリーやと解釈したら、実にスムーズ、そして最後には感動もある作品になっとるんどすえ。

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そうどす。ラブ・ストーリー・ドキュとして、かつてない仕上げどした。そもそもラブ・ストーリーをドキュで描こうやなんて、誰も考えもしまへんやろ。

恋愛映画のノリで本作を見ると、グッとくるシーンが多々ござります。

でもって、美しきスウェーデンの海辺のシーンの、タイトな挿入ぶりに加え、赤い画面へフェイドアウトしたり、フェイドアウト後の黒場シーンの挿入など、ベルイマン監督チックなとこをば披露して、グッときます。

いずれにしても、監督の作品はイロイロ引用されとるけど、いくつかは見てから、本作に臨んでいただきたいっちゅうことかな。

でも、見ていなくても、女優視点なんで、それなりに楽しめる作りになっとるんもホンマどす。

ちゅうことで、ドキュ映画でも、恋愛映画として見られる逸品どした。

2013年11月20日 (水)

「プレーンズ」⇒ディズニー&ピクサーの新作アニメ

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あの「カーズ」の世界が、大空へと飛び立ったんやてえ~

多彩なヒコーキ・キャラクターがメッチャ楽しい仕上げどす

http://www.disney.jp/planes

12月21日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、2D・3D同時ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1Ⓒ2013 Disney

それまで動物擬人化ものが定番であった、ディズニー・アニメが、明らかに変身しはったんは、ピクサーとの提携でおました。擬人化ものの領域が、広がったんでおます。

オモチャの「トイ・ストーリー」(第1弾は1995年製作)しかり、車の「カーズ」(第1弾は2006年)しかり、モンスターの「モンスターズ・インク」(第1弾は2001年)しかりどす。

ほんでもって、本作ではヒコーキでおます。

まあ、乗り物系では「カーズ」に続くもんどすが、人はいてへん乗り物だけの世界を構築するとゆう点も、ディズ・ピクのオリジナル・ポイントでおましょう。

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高所恐怖症の農薬散布機が、主人公やなんて…。その主人公ヒコーキが、世界一周レースに出場しようやなんて…。

各国を回って、1位で最終ゴールを飛び抜けたヒコーキが、優勝するっちゅうもんなんやけど、そんなん現実の人間社会でもありまへんわな。

そこんとこを、擬人化ヒコーキや乗り物たちだけの世界で、展開するとゆう面白さは、痛快にして絶品どした。

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そもそも主人公ヒコーキの設定を、弱々しくカッコよくない設定にしとるとこから、なるほどな~、これがディズニー的な弱者が強者をやっつけよるタイプなんやろな~と思たら、

その通りの展開でお話が進むんで、おいおい、やったけど、まあ、それなりに障壁ポイントも作ってはりまして、特に太平洋で嵐のせいで水没してまうとゆうエピソードなんか、

メッチャな試練どころか、そんなんしまいやん、なんて思うとこでもでんな、強烈ハットラ・トリッキーなポテチンがありまんねん。そんなんありかよーってな。

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アメリカン・ヒロイズムな「ロッキー」(第1弾は1976年)のヒコーキ版やて、まあ、言い方はイロイロありまっけども、ディズニー的主人公の行方は、ディズニー的定番に沿って進みよります。

そやから、コドモを連れたファミリー向け映画としては、バチバチどして、でもって、デート・ムービーやらでも機能するのんは言うまでもありまへん。

でもしか、もっと突っ込んだもんが、あってもとは思うけど、これがディズニー節であり、ピクサー節でもありま。

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タージ・マハールなど、世界の名所が見事にアニメ化されとるとこもまた、ディズニー的サービス・カットには見えよるけども、

そのリアリティーには、思わずうなってしまいます。

車がヒコーキをサポートしたりしはるんで、「カーズ」シリーズとのシンクロナイズは、密着的にござります。

そやから、「カーズ」ファンには、その延長線で見れるっちゅう特質がありまんねん。見てへん方は「カーズ」をツタヤのレンタルとかで見て、劇場へとゆうんがエエやろかな。

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ディズニーらしい歌ものサントラの使い方も、的を射ておました。

産業ロック、ヒップホップ、ムードあるスロー、メキシカンなエキゾチック・ナンバーなど、登場キャラに合わせたサントラ使いは、巧みのワザでおました。

レース系映画、ヒコーキもの映画など、イロイロあるし、それぞれのマイ・ベスト・カルトも披露したいとこやけど、いずれにしても、アニメ部門では、ベストワンに支持したい作りにはなっとりました。

ボク的には、キャラクターの妙味と彼らの絡み具合の妙味が、メッチャ楽しめたやろか。お正月映画にふさわしい1本どすえ。

2013年11月19日 (火)

「おじいちゃんの里帰り」⇒ドイツ映画の快作どす

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ドイツとトルコの関係性を、庶民的家族ドラマ性に仮託して描いた逸品どす

家族ロードムービーの快作でおます

http://www.ojii-chan.com

東京では11月30日より、パンドラはんの配給によりまして公開。大阪は12月21日のサタデーより、テアトル梅田で上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

1Ⓒ2011 - Concorde Films

1960年代半ばのことでおます。

トルコ人のオトンが、ドイツに単身赴任で出稼ぎに出て、その法外なサラリーにビックラ仰天し、いったんトルコに戻ったけども、

長男の不登校にかこつけて、オトンオカン兄姉弟の5人家族一同で、ドイツへ移住しはります。

ほんでもって、ドイツに定住して、大所帯ファミリー(写真3枚目)をば築かはりました。

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でもしか、そんな先駆者たるオジンが、ドイツに帰化しとんのにも関わらず、21世紀の今になって、トルコの故郷に別荘を買わはりました。

でもって、長期休暇の時期に合わせて、血族のファミリー一同で、トルコへ帰らはりまんねん。

この現在のロードムービー部と、オジン家族の過去(写真7~9枚目)が交互に綴られて、

オジンの人生が紡がれるとゆうのんが、表層上のテーマでおます。

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でもしか、ポイントとなるんは、あくまで家族どす。

ドイツとトルコの生活や文化のギャップが、移住に合わせて、イロイロエピソードが披露されるけど、このあたりの描写は作品テーマに合わせて、大げさなとこもござりました。

三男の孫が、ボクはドイツ人なのかトルコ人なのかとゆう、問いかけをするように、ドイツとトルコの違いをワザとひけらかすように示してゆかはるけど、普遍的なテーマは、そこにはありません。

あくまで、作品を彩るサブ・テーマどす。

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家族のロードムービーとしては、大マジの「家族」(1970年製作・日本映画)やら、「リトル・ミス・サンシャイン」(2006年・アメリカ)などのスタイル・設定を継承した作りになっとります。

つまり、それはでんな、ロード中に、誰かが死ぬとゆうポイントも入っておるっちゅうことどす。

ボク的には「怒りの葡萄」(1940年・アメリカ)なんかの、これからもたくましく生きていきまっせー、なノリがスキではあるんやけど、それはそれ、コレはコレどす。

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孫娘が語るオジンの過去シーンが、本作のデッカイキモではあります。

ラブ・ストーリー部、夫妻のオモロイ関係描写、ほんで、家族ドラマとしてのイロイロが、往年の家族ドラマ映画的な粋をば見せてくれはります。

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そして、今どす。

当時の家族は、誰も死んでへんところから、現代バージョンが始まります。

孫の少年視点やオジン視点などが交錯し、ほんで家族を分かりやすく紹介しもって、家族群像劇をば紡いでまいります。

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モノクロ、ニュース映像やらを、冒頭と結末部で多用。

スロー・モーションの効果的な使い方など、映像描写にグッとくるとこも、多々ありますで。

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個人的には、トルコ・ロケによる、美しきシーンの数々に酔いました。

目も覚めるスッキリの青空、定番かもしれへんけど、夕景・朝焼けのセピア入りの美風景。

夢にまで出てきそうな、美ショットもあったやもしれまへん。

ちゅうことで、ぜひ家族一同で楽しんでもらいたい、お正月映画でおました。

2013年11月18日 (月)

「少女は自転車にのって」⇒本邦初上陸のサウジアラビア映画やー

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映画館のないサウジアラビアで、何と女性監督による作品が作られたでー

前向き元気系の少女ヒロインと、オカンとのキズナも含め、人間ドラマとして普遍的な傑作どす

http://www.shoujo-jitensha.com

12月14日のサタデーから、アルバトロス・フィルムはんの配給によりまして、東京・岩波ホールやらで全国順グリのロードショー。

関西やったら、1月4日の土曜日から、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸で、1月11日から、京都シネマやらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012, Razor Film Produktion GmbH. High Look Group. Rotana Studios All Rights Reserved.

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サウジアラビアでは、映画館がありまへん。

ちゅうか、表現の自由なるもんが、今どきの時代に規制されとるんですわ。

近隣には、ちょっとは映画も作ってはるイラン、イラク、シリアやらがいてはります。いずれも、問題を抱えた国ばっかしやん。

文化がどうのこうのよりも、人々の生活の貧困ぶりがあり、ほんで上に立っとる、自分のことしか考えへんドアホたちがいて、とゆう国柄で、何が芸術やねん! やわな。

確かにまずは、国民の生活やろけど、政府がキチッとしとったら、なんぼでもうまくいくハズやと、勝手に思うんやけど。国連やら富裕国にスガッたらええやん、国民のために。

でもしか、サウジは石油大国どして、そんなん頼らんでもいけまんねんで、たぶん。

そやから、おそらく権力者たちだけが、エエ目をしてでんな、国民をないがしろにしとる、とゆうことなんやろかな。

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それだけやありまへん。まずは、当たり前のように機能しとる一夫多妻制や。

そら、男にしてみたら、嬉しいかもしれへんけど、女性にしてみたら、そんなんボケナスのアホタレやわな。

しかも、女性蔑視が蔓延しとって、女はコドモでも、顔をさらしての外出不可。黒装束で顔を隠して外出。自動車の運転不可。ほかにもイロイロな、禁止事項があります。

一体、どんな国やねんなんやけど、そんなアホな国がケッコーありまんねん。

アフリカの貧しい国を始め、この中近東あたりは、特に宗教絡みの複雑系を呈してはって、

マホメットはんも、まさかこんな混沌を呼んどるとは!と、ビックリしてはるやろな、あの世でな。

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そんな国で、ドイツの協力を得て映画が作られ、しかも、オール・サウジアラビア・ロケーション。

でもって、男やなく女監督による作品やなんて、奇跡に近い事件どっせー、こりゃ。

ちゅうことで、そんなサウジの、少女映画の本道をゆくような映画となっとります。

オカンとのエピソード、「嫁さんにしたい」とゆう少年との交流など、フツーの国の少女映画チックに描かれとります。

でもしか、問題部もキチンと描かれとって、校長とのやり取りやらに、不快な問題部が見え隠れしとります。

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コーランの美しき暗唱が、学校でコンテストの対象になったりするんやけど、「綴り字のシーズン」(2005年製作・アメリカ映画)なんかとは違(ちご)て、

静かに女校長のワンマン采配で進んで、少女ヒロインは優勝はするんやけど、後味は決してようありまへん。

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「亀も空を飛ぶ」(2004年・イラク&イラン合作)とか「アフガン零年」(2003年・アフガニスタン&日本&アイルランド)とか

「運動靴と赤い金魚」(1997年・イラン)とか「友だちのうちはどこ?」(1987年・イラン)など、

中近東の映画には、少年少女主役の名作が、ケッコーあるんやけど、モチ本作も、そんな1本に入る作品どした。

編集力にやや難があるんやないか、とは思いましたけども、ロングショットをタイトに入れてゆく作りやったり、

写真1枚目のオカンと娘の、ツーショットのキレやったり、少女が自転車に乗るシーンの、爽快なカンジなど、映画的なとこも、随所におます。さらに…。

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初ものやから、決してケッサクとは言えへんかもしれへんけど、映画誕生記を思い出させるような、オボコイとこやったり、

母娘が見る花火シーンやらに加え、ヒロインの前向きが見えるラストシーンなど、印象的なシーンが、そこかしこにあって、ウーンときましたで~。

少女映画の、新味あふれる快作どした。

2013年11月17日 (日)

「あさ・ひる・ばん」⇒週末日本映画劇場3

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プログラム・ピクチャーの、ピクチャーらしいとこがいっぱいの、楽しいお気楽作品や~

「釣りバカ日誌」シリーズの、次の一手が見えてきよります

http://www.asahiruban.jp

霜月11月29日の金曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013 やまさき十三/「あさひるばん」製作委員会

プログラム・ピクチャーとゆうのんは、往年の日本映画の大いなるポイントでおました。

いわゆるシリーズもんなんやけど、映画的作品性よりも、あくまで家族一同で楽しめるとゆう、娯楽性に徹したもんどして、本作も、そおゆう流れを踏襲した作品になっとります。

ボク的には、なんやねん、そらー、なんてゆう、シラケ・ポイントがいくつもあるとここそ、本作のプログラぶりを示してはって、メッチャ怒り笑い致しました。

クエスチョンなとこも、実はいっぱいござります。まあ、ちょこっとゆうてみよりますと…。

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ネタ・ポイントにもなる、松平健と斎藤慶子の恋愛部。何一つ伏線はありまへん。

現在形で一部シーンはあるけども、そもそもこの2人が、コドモができるくらい、ディープに恋愛しとったら、高校野球のライバル校同士の、マネージャーと敵方の4番打者の恋愛になりましてな、

主演の3人との関係をわざとらしく描いとんのに、このあたりのビミョーな描き方が、徹底的に不足しておました。

でも、そこがプログラらしさとゆわれたら、それまでなんやけど、やはり細かい、かゆいとこにも、いちおうはワザとでも、かいてるような描写も、すべきやないやろかな~なんてな。

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桐谷美鈴ちゃんの、娘役としてのバッテキも、エエとは思うんやけど、その結婚相手の両親なんぞの描写が、全くありまへん。

何10年ぶりとゆう再会やったら、こおゆうスムーズな描き方はないやろし、そもそも10年以上も会ってへんのに、トンデモ・テンションの高さやらにも、首をひねったし、

こっちに帰ってきはった国村隼はんが、釣り道具やらをどう手配したんか、改めて買ったんか、などのとこが曖昧どした。

でもしか、そこがプログラらしいとこどして、クエスチョンが多ければ多いほど、この種の映画は、みんなのココロをつかむんどすえ~。ホンマかいな~。

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まあまあ、ややこしいとこは抜きにして、大目に見てやとか、杓子定規を排したこうゆう映画性は、日本のプログラのお得意やったんどす。

「社長」や「駅前」シリーズやら、「寅さん」シリーズ、ほんで「釣りバカ日誌」シリーズも、クエスチョンはありつつもの楽しさを、大衆に提供してまいりました。

本作もモチ、そおゆうタイプどして、1983年当時高校球児やった3人の男たちと、当時の女マネージャーや監督との、今における関係を描きつつ、

マネージャーの娘(桐谷美鈴ちゃん)の結婚とゆうとこを、大いなるポイントにしつつ、描かれた作品やけど、

その大味ぶりといい、適当な流れに乗った作りといい、まさにこれぞプログラの、鏡的な仕上げになっとったんで、ある意味では驚きどす。

いろんなキズナ描写も、ワザトラ的なとこが見どころなんどすえ~。

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1983年部をやや薄色で描いたり、国村隼の芸能プロの持ちネタを細かく示したり、

宮崎ロケ映画らしい、宮崎の風景描写の美しさやったり、

西田敏行はんの「釣りバカ」とは違う、気難し演技やったりなど、新しどころを硬軟加えて描かはって、妙味や珍味がありましたやろか。

ラストロールで流れる、米米CLUBの「どんまい」。

ファンキーでメッチャ明るいダンス・ノリが、本作とスゴー合っておました。

ちゅうことで、イロイロ、ツッコミを入れもって見られる、オモロイ作品どす。

2013年11月16日 (土)

「攻殻機動隊 ARISE GHOST IN THE SHELL border:2 Ghost Wispers」⇒週末日本映画劇場2

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新・攻殻シリーズの第2弾でおます

ヒロイン草薙素子の、遡り系のドラマでおます

http://www.kokaku-a.com

11月30日の土曜日から、東宝映像事業部はんの配給によりまして、2週間限定で全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ士郎正宗・Production I.G / 講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

遡り系の新シリーズの第1弾は、弊ブログ内検索で出ます。

でもって、本作もまた、「攻殻機動隊」シリーズのヒロイン・草薙素子のネーさんが、アイドルチックに、ヒロイン・アクション・ノリを、存分に披露しはった作品となりました。

アニメ映画のヒロインとしては、日本アニメ史に名を刻みそうなキャラぶりどす。

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ここで、お遊びコ~ナ~。日本のアクション系アニメ映画ヒロインの、マイ・ベスト&カルト・スリー、ナンチューのんを、思いつくまま気ままに、やってみよりますと…。

●ベスト⇒①風の谷のナウシカ(1984年製作)②もののけ姫(1997年)③本作

●カルト⇒①ルパン三世(峰不二子・1978年・シリーズ第1弾)②うる星やつら(ラムちゃん・1983年・シリーズ第1弾)③ベルセルク・シリーズ(弊ブログ内検索)

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現代的アクション・スターとしては、草薙素子ネーさんは、イチバンヤーでおましょう。

「マトリックス」(1999年・アメリカ・シリーズ第1弾)に、多大な影響を与えはったところの一部として、ヒロイン・アクション部のとこが、本作でも目立っておます。

ほんで、大いなる見どころにもなっとるんどすえ。言うまでもなく終始、素子ネーが、ドラマのキーをば握ってはります。

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薄色使いの中で、素子ネーのシーンでは、写真5枚目や7枚目など、癒やし的ポイントのある、シーンの色使いなど、メッチャ工夫されとったかと思います。

薄色は原色系よりも、緻密さが重要どすが、ハードルの高さを、難なくクリアーしてはるのんは、サスガどしたやろか。

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法廷で裁かれとる人間が、コントロールして交通マヒやらを起こしたり、過去の虐殺事件を思い返して、それが大きなポイントになったりと、少しく説明のほしいところとか、

アメリカの女スパイの、意外性などのサプライズ部やら、見せ方によっては映えるシーンやけど、

本作はあくまで、素子ネーのドラマなんで、そのあたりは、控えめやったかもしれまへん。

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さてはて、タイトルが長いのは困ったもんやけど、シリーズとしては、とても緊張感があってよろしおまして、

第3弾への予告編もキチッとありまして、お楽しみは増してきよります。

但し、途中から見るのんは、あんましおススメできまへんので、過去の作品はチェックしておくのんに、越したことはござりまへん。

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サントラ部も充実しておました。

作品性に合わせて的を射ていた、コーネリウスの、シンセをメインにした、無機的なサントラ使い。

でもしか、ラストロールでは、ささやきモードで淡々と歌われる、コーネリウスと青葉市子ネーさんとの、コラボレーションとなった「外は戦場だよ」は、音楽的にも、秀逸な仕上がりやったかと思います。

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写真はほとんどが、素子ネーさんが写ってはるけども、草薙チームが作られてゆく、プロセスを魅せる点でも、充実の1本でおました。

モチ、次の第3弾では、どないなるやらは分かりまへんけども、

でも、「攻殻機動隊」へとつないでゆく以上は、サプライズはあんましなく、スムーズに進行するかもしれんけど、

やっぱ素子ネーの魅力は、本作の圧倒的な見どころやろな。

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女性ヒロイン・アクション・アニメ映画として、

世界に誇れるジャパニメーションとして、

日本を代表できる1本に、間違いなくなっとるシリーズでおました。

2013年11月15日 (金)

「かぐや姫の物語」⇒週末日本映画劇場1

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スタジオジブリ高畑勲監督編の、少女アニメの最高作や~

水彩画的薄色と、自然風景シーンやらに、癒やされまっせー

http://www.kaguyahime-monogatari.jp/

11月23日の勤労感謝の日から,東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 畑事務所・CNDHDDTK

スタジオジブリとくれば、宮崎駿監督と高畑勲監督が、2大巨匠でおましょう。

そんな高畑監督が、何とまあー、14年ぶり、21世紀では初の作品をば、撮り上げはったんが本作でおます。

さてはて、高畑監督作には、ヒロイン・アニメ映画としては「おもひでぽろぽろ」(1991年製作)とゆう傑作があるけど、

現在と過去を、シンクロナイズしたその作品に対し、本作はあくまで時制に即した作りで勝負。

また、少女ヒロインものが圧倒的に多い宮崎作品とは、一線を画する時代性や抒情性を持つ作品性に、ウーンとうならせてくれはります。

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本作では、シブリ的には初とも言える、古典にフォーカスしはりました。

日本の古典物語としては、最も古い作品とされとる、作者不詳の「竹取物語」どす。

日本映画では、かつてこの物語の映画化を試みた作品は、いくつかござりました。

けども、原作に忠実にやった、沢口靖子が姫役をやらはった「竹取物語」(1987年)なんぞは、ヒロイン映画としての粋は、あんまし見えてきまへんどした。

むしろ、古典とゆう原作の縛りに、がんじがらめになってしもて、自由な発想で映画的オリジンが、紡げなかったかと思います。

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けども、本作はその高いハードルを超えて、ヒロイン・ドラマとしての自由奔放さを、遺憾なく発揮しはった1本となりました。

かぐや姫のドラマは、ある種定番となっとるけど、原作そのものにはいくつもの謎が、実は原作内で解き明かされることなく、そのままになっとります。

むしろ、大昔の話どすから、テレビやらの娯楽もなく、夜空を見て想像の翼を広げてゆくとゆうんが、1つのポイントやったんやろな。

月とゆうのは、不思議なものとして、みんなの目に映っておったことでおましょう。

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月をポイントにした映画は、イロイロござります。

月へ行ってイロイロやる映画やら、アポロ号が月へ行く実話的話など。

でもしか、本作は月への憧れを、月から来た姫とゆうワン・アイデアを活かして作られた、原作の良さが、見事に活かされておます。

なんでかぐや姫は、地球へ来たのか。ほんで、なんで成人したら、月へ帰らないかんのか。

原作では、月から来た姫とゆうアイデアが突出して、細部の描写は希薄やったけど、本作では、できるだけそういう謎の解明に挑んではります。

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いずれにしましても、最初から最後まで、癒やしのゆったリズムで、時間を気にすることもなく、2時間半近くを見続けられる映画どした。

その作りに貢献してはるんは、まずは水彩画的な薄色配色が挙げられるやろか。終始、目にメッチャ優しい仕上げどす。

で、お次は、本作のポイントにもなっとる、自然描写シーンの素晴らしさでおます。

夕景や海辺シーンやらに、チビチビグッとくるけど、クライマックスのかぐや姫の、愛する人との空飛ぶシーンで魅せる、自然シーンの美しさは圧巻どした。

ヒロインの声役の朝倉あきチャンの柔和感、子守唄的に機能する、二階堂和美ネーさんのピアノ・ポップス「いのちの記憶」なども、忘れがたい仕上げになっとりました。

劇中歌で何度も歌われる、高畑監督作詞・作曲の「わらべ唄」の、妙味にもヤラれましたがな。

個人的には、宮崎駿はんにはすみまへんけども、「風立ちぬ」(弊ブログ内検索で出ます)より、倍返しくらいに、オモロイ作品どしたえ~。

2013年11月14日 (木)

「ブリングリング」⇒アメリカ映画アラ・カルト3

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ソフィア・コッポラ監督の最高傑作やと、マイ・ジャッジ

「ハリポタ」のエマ・ワトソンちゃんも、ハスッパな役でイメチェンジどす

http://www.blingring.jp

師走12月14日のサタデーから、アークエンタテインメントはんと東北新社はんの配給によりまして、東京・渋谷シネクイント、大阪ステーションシティシネマ、シネマート心斎橋やらで、全国ロードショー。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Somewhere Else, LLC. All Rights Reserved

ソフィア・コッポラ監督の新作は、彼女にしか出せへん、オリジナリティーあふれる作品となりました。

ソフィア・ネーさんの持ち味は、あくまでヒロイン、あるいはヒロインたちのドラマどす。

その意味では、男っぽい映画の多い、オトンのフランシス・フォード・コッポラはんとは、オトンにもヒロイン映画はあるけども、一線を画してはるかと思います。

でもって、ネーさんの全5作品を入れてでんな、オトン・娘はんのマイ・ベスト5をば、まずはご開陳いたします。

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●ソフィア分⇒①本作②ロスト・イン・トランスレーション(2003年)③ヴァージン・スーサイズ(1999年)④SOMEWHERE(2010年・弊ブログ内検索で出ます)⑤マリー・アントワネット(2006年)

●オトン分⇒①ゴッドファーザー(1972年)②ゴッドファーザーPART2(1974年)③地獄の黙示録(1979年)④カンバセーション…盗聴…(1974年)⑤アウトサイダー(1983年)

●コッポラ・オトンは、一般的には1970年代が、絶頂期とゆうことになっとりますが、実は1980年代から今までにも、作品を撮り続けて、渋い作品を作り続けてはります。

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娘はん・ソフィア・ネーは、だって女の子やもん!やから、オトンみたいな男たちの荒波は描かれへんけど、女たちの静かなる荒波は、微細に描いて妙味がござります。

青春映画系では、本作やベスト③などは、オトンのベスト⑤などから、それとなく影響をば、受けてはるんやないやろか。

ボク的には本作は、ベスト②を僅かに抜いて、彼女の最高傑作やないかと思います。

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歴史もんでも、正統系のヒロイン・ドラマやったベスト⑤や、父と幼き娘の、サラリとしたキズナを描いたベスト④などとは違い、

女や女の子たちの、複雑にしてビミョーなとこを捉えた、ベスト・スリー作品こそ、ネーさんの真骨頂でおましょう。

集団自殺のベスト③。スカーレット・ヨハンソンのネーさんを主演に、異国(日本)でのヒロインの様子を、アンニュイに描いたベスト②。

そして、本作は静かなる盗みをポイントにした、静かなる犯罪映画でおます。こういう犯罪ものは、ボクの記憶によれば、かつてありまへんどした。

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実話とはいえ、犯罪集団の編成も変わっておます。

男1人に、女4人の5人(写真2枚目)とゆう、今までになかった男女構成や。

女たちに男が指令するような「チャーリーズ・エンジェル」(2000年)タイプではなく、男はあくまでメンバーの1人どす。

「ハリー・ポッター」女優のエマ・ワトソンちゃんの、ハリポタ脱皮のふて腐れ演技もエエけど、

5人たちの中で、裏に隠れたチーム・リーダーのレベッカ役の、ケイティ・チャンが、メッチャ曲者演技ぶりどした。ヤラレましたわ。

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的を射たスローの使い方、ドラマティックな判決シーンの長回し撮影部、固定カットのロングショットの、長回しで魅せる夜の盗みのシーンなど、印象深いシークエンスを散りばめつつ、

アンチ犯罪映画、アンチ青春映画を、そこはかとなく描くセンスは、特筆もんどしたえ。

ほんでもって、いつもながらに、歌ものサントラのキレ具合に、鳥肌立つナンチューとこもあります。

タイトでリズミックなナンバーの数々が、映画リズムをカッコよく作っていきまんねん。

オトンのベスト⑤の出来は超えたと、ボクはジャッジいたします。

2013年11月13日 (水)

「グリフィン家のウエディングノート」⇒アメリカ映画アラ・カルト2

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豪華なキャスティングによる、ウエディング映画の、新たなケッサクとなった群像劇どすえ~

湖のたもとの家を舞台にした、家族ドラマにしてシチュエーション・コメディーや~

http://www.weddingnote.jp

ノウベンバー11月29日のフライデーから、ポニーキャニオンはんの配給によりまして、東京・TOHOシネマズみゆき座ほか、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 WEDDING PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

ウエディング映画とゆうのんは、これまでに多数のタイトル数が出てまいりました。

そんなウエディング映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(弊ブログ内でウエディング映画で検索してもろたら出ます)をかつて、披露したんやけど、

そっちの方は忘れてもうて、改めましてリセットして、ヤッてみよりますと…。

●ベスト⇒①ウエディング(1978年製作・アメリカ映画)②花嫁の父(1950年・アメリカ)③モンスーン・ウェディング(2001年・インド)③ウェディング・バンケット(1993年・台湾&アメリカ)

●カルト⇒①本作②ハング・オーバー(2010年・アメリカ・弊ブログ内検索で出ます)③愛さえあれば(2012年・スウェーデン・弊ブログ内検索)③おいしい結婚(1991年・日本)

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●思い付いたままに、ザックラバランのテキトーにやったけど、もっとエエのんが、ひょっとしたら忘れとるか見てへんかして、漏れとる場合がござりますんで、みなはん、気づかれた方は、ぜひ教えておくんなまし。

さてはて、結婚式を全面フィーチャーした映画とゆうのんは、ある種の限られた空間で展開し、ほんでもって、群像劇とゆうスタイルが定番となっとります。

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そやからでんな、ベスト②みたいに、娘を嫁に出すオトンの行動やら心理を、メインに描くちゅうのんは、昔はいっぱいあったけど、今は貴重なもんとなっとります。

でもしか、本作でも、ロバート・デ・ニーロはんが、今どきの我がコドモを結婚させる心理をば、絶妙かつ多重人格的なノリで描かはりました。

どおゆうことかと申しますと、養子の次男をムコに出すとゆう、オリジナリティーな設定でおまして、

親のキモチよりも、周囲の人間関係にアクセクとする、デ・ニーロはんの妙演技が本作のキモになっとります。

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結婚式の群像劇としては、かつてない豪華キャスティングとなりました。

群像劇の巨匠である、故ロバート・アルトマン監督のベスト①を、取りあえずは、無難に①位にしたんやけど、

結婚式映画を楽しく面白く、ほんで、一般大衆的に分かりやすく、とゆう意味においてはですな、本作の方が上手(うわて)なんやないかなと思います。

モチ、ベスト①に対し、コミカルな調子が、際立っとるとゆう点もござります。

いろんな会話を、同時多発的に交錯させはったベスト①は、映画芸術的には、鋭くて挑発的やったけど、本作はあくまで柔和で、癒やし感さえありまんねん。

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そんな作りになった第1人者は、当事者たる離婚した夫妻役の、デ・ニーロやダイアン・キートンはんよりも、まずは、デ・ニーロの愛人役やらはった、スーザン・サランドンはんでおましょう。

さらに、ゆうならば、ナレーションもやってはる、神父役のロビン・ウィリアムズはんも、優しくてユニークな演技性で好感度抜群や。

このお二方は自身、映画史に残る傑作で、そおゆう演技を披露してはるけども、

助演とは申せ、こうした映画でも、自身の持ち味をば、遺憾なく発揮してはるんどすえ。

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さてはて、肝心の新郎新婦やけど、メインとしての出番は、そない多くはありまへん。けども、やっぱ、それなりに存在感を示しておかんといかんので、精一杯やってはったかと思います。

中でも、新婦役のアマンダ・セイフライドちゃん。

日本でも大ヒットした「レ・ミゼラブル」(2012年・アメリカ)で、日本でもファンが増殖中やけど、ここでは控えめでも、小悪魔的な役柄でも魅せはるんで、そういうとこも、ちょっと見えとりましたで。

ラブコメの新女王やとも、アメリカではゆわれてはる、キャサリン・ハイグルのネーさんにも、注目しとっておくんなはれ。

さて、最後に、ボク的ジャッジを勝手に言いますと、全てがハッピー・エンドへと流れるんは、ご愛嬌かもしれへんけど、

アメリカの今どきの家族映画としては、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001年・アメリカ)に、匹敵する快作やったと、ジャッジいたします。

2013年11月12日 (火)

「ビューティフル・ダイ」⇒アメリカ映画アラ・カルト1

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殺人鬼・シリアルキラーを描く、サディスティック・パラレル・スリラー

「サプライズ」の室内系が、ロードムービーな開放系へ

http://www.at-e.co.jp/2013/beautifuldie

11月30日のサタデーから、アット エンタテインメントはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷やらで、全国順グリのロードショー。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2011 AHWTD LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ミステリー、スリラー、サスペンスの3つは、ビミョーに違うんやけど、その最大公約数においては、ハラハラドキドキ(ハラドキ)のキーワードで一致しとります。

ザックリゆうたら、本作は、ミステリー的謎解きは稀薄で、スリラーであり、サスペンスなんやけど、スリラーのビビリつつの恐怖のハラドキと、サスペンスの緊張感あるハラドキが、絶妙にブレンドされておました。

「サプライズ」(11月14日公開・10月29日付けで分析)のアダム・ウィンガード監督の前作に当たるけど、共に技巧派ぶりが目に付く作品になっとります。

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かつてどこかで見たようなとゆう感覚は、確かにあるんやけど、何かしらの新ポイントを加えたり、チカラワザやったり、細かいとこでのリアル感やったりと、

硬軟両用多彩に仕込んでゆくスタイルが、細かいところ、かゆいところに手が届く作りをしてはります。

例えば、本作の場合、殺人鬼シリアルキラーを描く映画としては、殺人鬼側、あるいは襲われる側の、主に単一視点で、描いたりしはるけど、

本作では同等のカットバック的なノリで、サスペンス度を増してゆかはります。

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サディスティックなとこはあるけど、そこんとこがメインにはなっとりまへん。

追う者・追われる者を、パラレル(平行)的に描いて、最後にドッカ~ンと、なるんかならへんのか。

でも、スリラー、サスペンス共に迫りきよりました。

刑務所を脱獄した男が、愛した女の元へと向かう、とゆうシンプルな流れが、まずありました。決して意図的やありまへん。

片や、ヒロイン側もそんなには、逼迫しとりまへん。それでも緊張感があるんは、2人をビビッドに描くようなところがあるからどす。

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共に傑作の「サイコ」(1960年・アメリカ)や「復讐するは我にあり」(1979年・日本)などのタッチが、それとなく仕込まれとります。

近接撮影による撮影シーン。短カットのフラッシュで示される、主人公の近過去。怪しい風の音は続き…。

車のフロントガラスに映る、木々の影。黒い影絵的カット。怪しきネオンやら、天地逆転のカット。グラグラした、手持ちカメラ。

でもって、不安感をあおるような撮り方としての、アップのやり取りシーンなども、

わざとらしくはあるけど、ワザトラはやがて、そない気にならんくらいに、自然なカンジになってきよりましたやろか。

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ミズーリー州の田舎での撮影も、冷え冷えとしたとこもあって、本当の意味で、メッチャサムーなカンジででんな、手首もシビレましたやろか。

ダイジェスト・シーンで流れる女の歌なんぞも、それなりに軽快どしたえ。

そして、トンデモ・サプライズ・エンディングで、ググッとヤラレてまいましたがな。

三角関係なラブ・ストーリーが、アレアレいつの間にやら…、ナンチューとこも、大いに楽しめますで。

シリアル・キラー映画とか、サディスティック・スリラーとか、本作をゆう言葉は、イロイロあるけども、

とにもかくにも、ビビってもうたし、殺人鬼はどこまでも、オトロシーわーなとこも、臨場体感できよります。

「サイコ」の21世紀的新次元が、ここにあるかもしれへんな~な、作品どした。

2013年11月11日 (月)

「ネイキッド・ソルジャー 亜州(アジア)大捜査線」⇒香港アクション映画の粋

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「キックアス」なカンフー・アクションやけど、燃えよ!父娘な、オールド・タッチも充実や~

サモ・ハンとアンソニー・ウォンの、シビれる1対1対決なんかキマっせ~

http://nakedsoldier.ayapro.ne.jp/

ノーベンバー11月23日のサタデーから、彩プロはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やらで、全国順グリのロードショーどす。

関西やったら、12月7日から、大阪・シネマート心斎橋やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 See Movie Limited. All Rights Reserved.

香港アクション映画やて、みなはん、どないなイメージがありますやろか。

ハリウッドやらユーロやら、日本はモチ、アジア全体を見渡しても、香港アクトは、オリジンなとこをば示してはります。

1997年のイギリスの香港の中国返還以降も、中国との合作映画やらは、多々出ておますが、香港独自のスタイルは未だに健在どす。

でもって、本作もまた、香港アクトの独自性を、遺憾なく発揮しはった作品となりました。

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香港アクトの特異性は、

①香港アクションの原点とも言える、ショウブラザース作品など、以前にもあったけど、「燃えよドラゴン」(1973年製作・アメリカ&香港合作)以降、

カンフー・アクションなとこを取り入れてはるところ。見出しの「燃えよ!父娘」のルーツどすえ。

②ジョン・ウー監督作品以来、スロー・モーションを多用しはるケースが多い。

③一方で、クイック・モーションとも思える、素早いアクトでも魅せてくれはります。

④時に、「霊幻道士」シリーズ(1985年~1992年・香港)など、香港映画がルーツとなる、ワイヤー・アクションを披露。

⑤俳優陣にプロの格闘家たちが多い。⇒あたりやけど、ほかにもあるかと思います。

ちなみに、見出しの「キックアス」(2010年・アメリカ)は、香港アクトに影響を受けたアメリカ映画どす。

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でもって、本作主演のサモ・ハンはんは、ブルース・リー以降の激アクションをば、継承しはる1人でおまして、

1970年代末から1980年代にかけて、「燃えよデブゴン」(1980年・香港・1970年代にも、このシリーズはあり)やら「霊幻道士」やらで気を吐き、

21世紀でも、「SPL/狼よ静かに死ね」(2005年・香港)やら「イップマン 序章」(2008年・香港)やらで、

トンデモ・スピードフルな、生身のアクションをば、披露してはります。そして、本作でも、そこんとこは大健在どした。

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一方で、女優たちのアクション・バリバリ・モードもまた、香港映画の特質やもしれまへん。

本作でそれに、メインで対応しはるんは、ニコラス・ツェーの妹はん、ジェニファー・ツェーのネーさんどすえ。

写真の3枚目から5枚目に、写ってはります。

さて、彼女のオトン役は、サモ・ハンはんどす。

ところがどっこい、サモ・ハンは香港の麻薬組織を摘発して、現住のアメリカに帰ったんやけど、

そんな麻薬組織の報復に遭い、家族が銃殺され、娘は組織に拉致され、ほんでサモ・ハンは、命からがら生き延びはります。

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以降、オトンは誘拐された娘を、探してはったんやけど、娘は洗脳されて記憶喪失となり、暗殺者として育てられよります。

ほんで、オトンは殺人者になった娘と、再会ちゅうことに相なりましてな、娘のバックにいとる、女がボスの麻薬組織との、凄まじいアクションの大波へと、巻き込まれてまいります。

でも、最後にはオトンと娘は、キズナを思い出し、ほんで、協力して敵へと向かうとゆう、流れになっとります。

痛快にして爽快な、アクション・シーンのオン・パレードどす。

親子のキズナに、酔うてる間もないくらい、このあたりの正統系や破天荒なアクトを、お楽しみくだされ。

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ほんでもって、多彩なアクション女優陣にも、酔えますで~。

ドイツ出身のアンキー・バイルケちゃんや、台湾出身のレナ・リンちゃんやらのアクションは、キレてるだけやなく、アイドル的な魅力やったり、役に合った非情感やったりで、イロイロと楽しめますわ。

クライマックスとなる、二手に分かれてのアクション・シーンは、デッカイ見どころや。

中でも、サモ・ハンと、香港映画の名脇役にして顔でもある、アンソニー・ウォンはんとの1対1の格闘シーン(写真2枚目)は、シビレました。

ちゅうことで、香港アクションの粋が、詰まった快作なんどすえ~。

2013年11月10日 (日)

「すべては君に逢えたから」⇒週末日本映画劇場3

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群像劇とオムニバス映画を、ミキシングした会心作やで~

玉木宏アニキから倍賞千恵子はんまで、老若男女多彩なラブ・ストーリーが展開

http://www.kiminiaeta-movie.jp

霜月11月22日の金曜日から、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「すべては君に逢えたから」製作委員会

群像劇ドラマとオムニバス映画を、合体させるとゆう、難易度の高いドラマ映画に、チャレンジした作品どす。

群像劇は「グランド・ホテル」(1932年製作・アメリカ映画)以来、多彩に花開いてまいりましたけども、

一方で、1話完結の話を何本か続ける、オムニバス・ムービーもイロイロござります。

けども、6話を、1つの群像劇スタイルの中で、時間軸に合わせて、カットバック的に展開する映画とゆうのんは、そうそうありまへん。

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さてはて、ここで、群像劇&オムニバス映画の日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①怪談(1964年・弊ブログ内検索で出ます)②にごりえ(1953年・弊ブログ内検索)③怖がる人々(1994年)

●カルト⇒①本作②大停電の夜に(2005年)③いぬのえいが(2004年)

●ベストは20世紀、カルトは21世紀となってしもたけど、前述した2ジャンルのミキシングを、やった点において、本作はカルトでも、一頭抜きん出た仕上げでおました。

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監督・プロデューサーのスタッフ陣は、ラブ・ストーリーものの群像劇「ラブ・アクチュアリー」(2003年・アメリカ&イギリス)を、意識したとゆうてはります。

でもしか、本作は日本的なスタイリッシュを、強調した作品となっておます。

1990年代の日本の、トレンディー・テレビドラマのセンスを始め、一方で、子役もの入り映画のキモとか、家族ドラマ的なとこや、

「君の名は」(1953年~1954年)以来、綿々と続く、すれ違い恋愛など、日本的情緒のある快作なんどすえ~。

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6話が展開するけども、それぞれの話での演技陣とストーリーについて、分析してまいりますと…。

①「イヴの恋人」⇒玉木宏演じはる社長はんと、レンタルビデオの因縁によって、小劇団の彼女(高梨臨ちゃん)と、恋人へと展開しはります。

いつも通りのダンディーぶりを示す、玉木のアニキと、「ライク・サムワン・イン・ラブ」(弊ブログ内検索)で示した、アイドル性の高い臨ちゃんの魅力が、見事にマッチング。

「カサブランカ」(1942年・アメリカ)を、2人が映画館で見るシーンも、何やらキューティーやん。

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②「遠距離恋愛」⇒東京と宮城とゆう、そんなに離れてへんやん!なとこで展開する、遠距離恋愛もの。

木村文乃ちゃんと、学園群像劇「桐島、部活やめるってよ」(弊ブログ内検索)の東出昌広クンの、いかにもトレンディー映えする、ラブ・ストーリーどっせー。

③「クリスマスの勇気」⇒「江ノ島プリズム」(弊ブログ内)でも注目の、本田翼ちゃんのアイドルチックが、グーどす。

④「クリスマスプレゼント」⇒オカンに想いを馳せる少女と、養護施設職員役の市川美和子ネーさんの、感動的なお話。

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⑤「二分の一成人式」⇒家族ドラマの傑作。

余命3カ月の時任三郎アニキと、大塚寧々ネーのオトン・オカン。ほんで、その10歳の息子はんとのキズナが、お涙チョーダイ的に紡がれるけど、でもしか、ホンマ、泣けますで。

⑥「遅れてきたプレゼント」⇒倍賞千恵子はんの、すれ違いラブ。小林稔侍はんも渋い。

●そのほかの見どころやけど、邦画初の、本格的東京駅ロケ映画でもありま。

さらに、挿入歌・主題歌。共にダイジェスト・シーンで流れる、JUJU(ジュジュ)ネーやんの、ピアノ・バラード「守ってあげたい」に加え、

「ゆず」のアニキたちの、これぞ彼ら2人の最高傑作とも言える、メロディアス・バラードや。

NHKのアテネ五輪テーマの「栄光への架け橋」の出来を、ひょっとして超えたかも~。そんなJUJUの歌と同名異曲の「守ってあげたい」に、シビレましたがな~。

デート・ムービー&ファミリー・ムービーとして、メッチャ楽しめる作品どす。

2013年11月 9日 (土)

「りんごのうかの少女」⇒週末日本映画劇場2

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「ミステリー・トレイン」以来、永瀬正敏アニキと工藤夕貴ネーさんの共演映画どす

「奇跡のリンゴ」とは一味違う、青森ロケーション映画やで~

http://www.littlemore.co.jp/ringo/

師走12月7日の土曜日から、リトルモアはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013弘前市

ジム・ジャームッシュ監督の名作「ミステリー・トレイン」(1989年製作・アメリカ映画)以来となる、永瀬正敏アニキと工藤夕貴ネーさんの共演映画どす。

2人をよう知らはらへん若い方に、2人それぞれのマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたします。

♠まずは永瀬のアニキ⇒●ベスト⇒①誘拐(1997年)②息子(1991年)③紙屋悦子の青春(2006年)

●カルト⇒①本作②我が人生最悪の時(1993年)③ミステリー・トレイン

❤続いて、夕貴ネー⇒●ベスト⇒①台風クラブ(1984年)②戦争と青春(1991年)③佐賀のがばいばあちゃん(2006年)

●カルト⇒①本作②ヒマラヤ杉に降る雪(1999年・アメリカ)③ミステリー・トレイン

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●永瀬のアニキは、カルト②のシリーズ、私立探偵濱マイクものを大衆的代表作にして、ベストでは映画評論家筋の、評価の高い作品に出はりました。

一方、夕貴ネーもまた、評価の高いのんをベストに、カルト②ではハリウッド映画にも出はりました。

ほんでもって、2人の演技性についてや。

永瀬アニは何やしらん、憎み切れない、エエ人役が多うござります。

片や、夕貴ネーもまた、年を取っても、ピュアなカンジが心地エエ、好感度の高い演技ぶり。

ほんで、本作でも、2人のそんな演技ぶりが絡み合った、快作となっておます。

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リンゴ農園を青森・弘前市で、夫妻役で営んではるちゅう役柄。今年の大手配給作品「奇跡のリンゴ」(弊ブログ内検索で出ます)でも、青森を舞台にリンゴを作る夫妻の、実話をベースにしたお話が、紡がれてヒットしましたけども、

本作の方が、42分とゆう短いお話ながら、どっちかてゆうたら、よりリアルなとこがあるように、ボクは思いました。

2人の娘はん役の「とき」ちゃんも、いかにもなリアリティーある演技。

出演者たち全員がベタな東北弁なんで、何をゆうてんのか、よう分からへんとこもあるんやけど、雰囲気で魅せてはるんで、大たいのとこは、分かるようになっとります。

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さてはて、津軽三味線の、本編での弾き語りシーンもありま。

三味線のシリアスな使い方やった「津軽じょんがら節」(1973年)とは違(ちご)て、本作では軽快にして、剽軽(ヒョウキン)な使い方をばしてはります。

映画全体を見渡してみまするにでんな、女性監督・横浜聡子ネーさんの、女性らしい細部の描写が、ココロをくすぐらはるし、癒やしもあります。

薄セピアを、ベタやなく、ほんのりと配した夕景の山やら、上から写真2枚目のリンゴの描写などにも、癒やしは反映しておます。

黒い場面のタイトな使い方なども、ドラマ・リズムを作ってまいります。

前半の突然の永瀬の死から、やがてオカンと娘はんの確執とキズナへと、短時間でもっていく演出ぶりは、聡子ネーさんの真骨頂でおましょう。

彼女の最高傑作「ウルトラミラクルラブストーリー」(2008年)で示した、何とも言えないキズナ演出が渋いわ。

日本映画の女性監督の、マイ・ベスト&カルト・スリーも、いつかはやってみようと思とりますが、彼女はどないなカンジになるんやろか。

ちゅうことで、今後の監督作品にも、注目したい1人どす。

2013年11月 8日 (金)

「ラブクラフト・ガール」⇒週末日本映画劇場1・標準語バージョン

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セックス産業に勤める、女デザイナーのポジティブ・ドラマ

安藤聖ちゃんのための、ヒロイン映画の趣きだ

http://www.lovecraftgirl.com

11月22日のフライデーから、CURIOSCOPEの配給により、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷やらで、全国順次のロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ映画「ラブクラフト・ガール」

いやあー、すごく爽快極まりない作品だったよなー。いわゆる、OLドラマ映画の心地よさが、遺憾なく発揮された作品だ。

日本映画にも、この種の映画はありましたけども、洋画にそのスタイルを見てみるとどうなるか。

女上司との軋轢を描いた「プラダを着た悪魔」(2006年製作・アメリカ映画)とか「ワーキング・ガール」(1988年・アメリカ)など。

でもしか、本作は軋轢はあるものの、女上司との間ではないんだな。むしろ仕事上の軋轢というのが、際立っているんだな、これが。

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デザイナー求人の言葉に魅かれてヒロインは、バイブを製作する会社に求職して、就職してしまった。

つまり、そのう…、あのう…、バイブレーターのデザインを、担当するということなんです。

こんなはずじゃあ…が、イロイロ出てくるという流れになって…。で、そういう特殊なものの製作に、やがてはノメリ込み、サクセスしていくというドラマ展開だ。

日本映画的には、この種のタイプは、テレビドラマなら映えるものの、あまり深く追求されることはなかったかと思う。

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セックス産業なら、ストレートに供給側のサービス業としての、裸一貫で勝負な作品が主流やし、または、女性労働者の苦難を描くタイプが多かったのでは。

もちろん、本作も苦難ぶりは描かれるけども、もっと現代的に明るい作りになっているんだよな。

「ああ野麦峠」(1979年)とかの、女性酷使・女性蔑視な視点は一切なし。

かといって、「Keiko」(1979年)のように、淡々とOLの日常を描くということでもない。

こんな仕事というサプライズはあるけど、基本はOLが活躍するドラマであります。

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女にふさわしい職業を、描く映画とも当然、一線を画しているわけだが、サクセス・ストーリーの本道は別にして、

そういうのは、ともすると暗く重くなったり、もしくはコメディ調に陥りがちだ。

でもしか、本作はコメディ・スパイスを控えめに、あくまで登場人物たちのキャラクターで、魅せてゆくタイプの映画になっている。

それを一番に具現化しているのが、ヒロイン役の安藤聖ちゃんだ。

「自分の事ばかりで情けなくなるよ」(弊ブログ内検索で出ます)では、少しブルージーな水商売の女役だったけど、今度はそれとは正反対。

明るい。明るい。見ているこちらも、元気がもらえるような演技ぶりだ。

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そして、彼女を取り巻く人々も、誰1人としてマイナス・イメージなキャラはいない。

中村倫也(ともや)クンが演じる先輩との、定番とも言えるラブ・ストーリー部も、作ったというイメージよりも、自然体の流れで、スムーズに物語の中に溶け込んでいる。

アップテンポでモータウン調の、ノリノリの歌ものサントラも流れて、明朗度合いを助長していく。

明るい夫妻映画の在り方を示した「ペンギン夫婦の作りかた」(弊ブログ内検索)に続く、平林克理(ひらばやし・かつひこ)監督作品。

コメディ・スタイルでは描かない、明るさの創出は、これまでの邦画にはなかったセンスかも。そのセンスを、ぜひお試しあれ!

2013年11月 7日 (木)

スペイン映画「ブランカニエベス」⇒年間マイ・ベストテン級作品どす

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「アーティスト」の成功に続き、モノクロ・スタンダードで描かれた会心作

グリムとディズニーの「白雪姫」への、渋きオマージュ作や~

http://www.blancanieves-espacesarou.com

12月7日のサタデーから、エスパース・サロウはんの配給によりまして、東京・新宿武蔵野館で、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、12月21日の土曜日から、梅田ガーデンシネマやら京都シネマやらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2011 Arcadia Motion Pictures SL, Nix Films AIE, Sisifo Films AIE, The Kraken Films AIE, Noodles Production. Are France Cinema

モノクロ映画は21世紀になっても、それなりに出てまいっとりますけども、単にモノクロやなく、意図的に、作家的にでんな、計略的に、作ってきてはる場合があったりしよります。

映画フィルムがなくなることを、受けて作られた「ニーチェの馬」(弊ブログ内検索で出ます)など、

前世紀のカラー時代に、モノクロで作った時代とは違う、21世紀的なアプローチの仕方をやってはる、モノクロ映画の在り方ちゅうもんが、本作でも顕著でありました。

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その流れの1つとして、モノクロ・サイレントの映画時代(映画創生記の19世紀末の1895年あたりから、20世紀の前半1930年頃まで)へ、オマージュを捧げるみたいなカンジで、

同時代を背景にして、映画を撮ってはるようなパターンがあります。

その先鞭を付けたのが、アカデミー賞作品賞まで獲ってしもた「アーティスト」(弊ブログ内検索)でありました。

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「アーティスト」は、サイレント時代のハリウッド映画界を舞台に、2人の役者のラブ・ストーリーを紡いで、ラブ・ストーリーのルーツ的なとこに食い込んで、

当時の映画を、21世紀的に進化させた作りが凄かったけど、本作もまた、強烈な進化型を披露しやはります。

確かに、「アーティスト」に、触発されたとこはありまっしゃろ。見方によっては、二番煎じのそしりもあるやもしれまへん。

でもしか、よーく見てみると、「アーティスト」以上に、オリジナルな進化型をば、示してはるんが分かるハズどす。

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サイレント映画の時代映えする話を、ある種マニュアルチックに撮り上げるのんは、いかにも映画ファンをそそるやもしれまへんけども、

本作はあくまで、庶民の話として紡ごうとしてはります。

簡単にゆうたら、いわゆる、これまでにもモノゴッツーなタイトル数が、出てきておますヒロイン映画どす。

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サイレント映画時代に発表された、ヒロイン映画とゆうのんは、実は皆無に近い。

そこんとこに目を付けはったんかどうかは、分からへんけど、大胆に無謀にヤッてくれはりました。

さらに、ヒロイン・ドラマの原点とも言うべき、グリム童話の“白雪姫”を、

裏ワザで引用したところがでんな、フツーのヒロイン映画とは一線を画するとこでおます。

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もちろん、アニメの「白雪姫」(1938年製作・アメリカ映画)なら、戦前にディズニーが映画化しておりましたけども、

その当時は既にハリウッド映画界は、サイレント時代を過ぎて、トーキーの時代に入っておました。

無論、製作者側の頭の中には、このディズニーの作品が入っとったやろけど、

「スノーホワイト」(1997年・2011年・共にアメリカ)やら、今までに白雪姫を引用した作品は、ケッコー出てるけど、

ボクは本作が、引用度の超絶オリジナルを示した点において、白雪姫引用映画の最高傑作やと断じます。

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さらに、本作はフランスとの合作となった、スペイン映画なんやけど、

スペインらしい闘牛を絡めはった、父娘のキズナ部であるやとか、今風に記憶喪失(娘が)系を取り入れてみたり、幼少時代と成人時代を分けた作りやったり、

ドラマ映えするスタイルや構成を、意識した作りになっとります。

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キレるロングショットと人物アップ・シーンの、映画的なモンタージュ具合しかり、

カルメンチック・ジプシーチックなサントラと、フル・オーケストラを絶妙に使い分けた、サントラ使いといい、

細部の描写も、メッチャ行き届いとったで~。

今年の洋画マイ・ベストテン級作品として、みなはんに、堂々と推薦いたします。

2013年11月 6日 (水)

トム・ハンクス主演「キャプテン・フィリップス」⇒ハリウッド映画最前線Ⅲ

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トム・ハンクスはんの、本領発揮のドラマ映画でおます

海賊に襲われて、一体どないなるのん? な、実話映画どすえ~

http://www.captainphillips.jp/

11月29日のフライデーから、ソニー・ピクチャーズはんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

海賊に襲われて、アラマ・ポテチン(ビックリ)な実話映画でおます。

2009年の実話どして、アメリカの大型コンテナ船が、アフリカのソマリアの海賊に襲われてまいました。

襲う者・襲われる者のいろんな駆け引きの末に、トム・ハンクスはん演じる船長1人だけが、海賊の人質になってしまわはります。

ちゅうことで、お話はシンプルながらも、ハラハラドッキリなサスペンスが、最後の最後まで続く映画となりました。

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さてはて、ここで、本作を3パターンほどに分けて、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしますと…。

ストレート系を中心に、海もんの緊張系を選ぶと、いっぱいあるんやけど…。

●ベスト⇒①タイタニック(1997年製作・以下の引用映画は指定国以外、全てアメリカ映画どす)②ポセイドン・アドベンチャー(1972年)③本作

●カルト⇒①パイレーツ・オブ・カリビアン(第1弾は2003年)②ジョーズ(第1弾は1975年)③U・ボート(1981年・西ドイツ)

●てな具合やろか。ベストとカルトの線引きは、ほとんどありまへん。

この種の映画には、総じてパニックもんが多うござります。

ベスト①沈没、ベスト②転覆、カルト②サメ、カルト③潜水艦やらやけど、海賊が正義の味方で活躍するカルト①に対し、本作は海賊が本質的な悪に回っての物語どす。

まあ、誘拐拉致もパニックもんと、捉えられんこともないけど、海賊拉致ものとゆうのんは、あんましないんやないやろか。

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次に誘拐・拉致・人質ものサスペンス系に限定すると、これも仰山(ぎょうさん=いっぱい)あるんで、日米に限定して、少し視点の変わったところの有名作に目を付けてみると…。

●ベスト⇒①ダイ・ハード(1988年)②天国と地獄(1963年・日本)③本作

●カルト⇒①新幹線大爆破(1975年・日本)②スピード(1994年)③ユナイテッド93(2006年)

●なんてカンジやろか。乗り物系のカルト①②③を含め、シージャック系の作品も、タイトル数はケッコーあるんやけど、なんでかそれほど目立った作品はなく、映画史の中で埋もれて、揉まれて消えていっとります。

でもしか、本作はちょっと違うと思いまっせ。その一番の理由は、トム・ハンクスはんの渾身の演技ぶりでおます。

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さてはて、ここで、トム・ハンクスはんやけど、20世紀には2度も、アカデミー賞主演男優賞に輝いてはるんやけど、ほな、ミレニアム以降の21世紀作品に限ってでんな、やってみましょか。

●ベスト⇒①本作②ロード・トゥ・パーディション(2002年)③ターミナル(2004年)

●カルト⇒①キャスト・アウェイ(2000年)②ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(弊ブログ内検索で出ます)③ダ・ヴィンチ・コード(2006年)

●渋いオトン役のベスト②カルト②、孤独演技の妙演技ベスト③カルト①、そして、真実を追求する熱血演技カルト③など、彼の演技には、1本筋のように見えて、作品ごとに微妙に緻密に変えてはります。

ほんで、本作は「プライベート・ライアン」(1998年)「アポロ13」(1995年)などで示さはった、犠牲精神もある好感度の高い、好漢なヒーローをば演じはりました。

そやから、なりきり型で見られるんで、よっしゃーなカンジで、映画館をあとにできまんねんで。

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でもって本作は、人質系カルト③で、実話系ドラマの問題作を撮った、ポール・グリーングラス監督作品でおます。

アクション系の「ボーン」シリーズ(2004年・2007年の第2弾と3弾を監督)でも魅せた、ビビッドな演出ぶりは、室内劇的なとこでも、近接撮影を中心に威力を発揮してはります。

ちゅうことで、見にいかな損やで~な、作品なんどすえ~。

2013年11月 5日 (火)

「REDリターンズ」⇒ハリウッド映画最前線Ⅱ

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オールスター映画のエンタ性と粋を、見せはる快作や~

7人チームやないけど、7人を意識しとるかもなー

http://www.disney-studio.jp/red/

11月30日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給で、全国ロードショーどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

「RED」(弊ブログ内検索で出ます)の第2弾どす。

スパイ映画は「007」から「ミッション:インポッシブル」や「ボーン」シリーズなど、イロイロあるけど、

本作のキモは、スパイ業から引退しとるブルース・ウィリスらが、再びミッションに戻るとゆう図式どして、スパイ映画としては、一線を画する映画になっとります。

ほんで、本作ではアメリカ、ユーロ、モスクワなどと、前作以上にロケーション場所は、ゆうてみたら、いわゆるワールド・ワイドになっとります。

でもしか、ミッションの中身やアクション度合いよりも、ボク的には、各キャラクターの造形ぶりが、メッチャ楽しい仕上がりの映画やったです。

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冒頭の方では、ブルース・ウィリスはんが「ダイ・ハード」(1988年製作・アメリカ映画)的に1人だけで、何人もを倒すシーンが披露されとります。

こちらは生身の体1つで、向こうは拳銃持ってんのに、やっつけてまうんやな、これが。

最初はウィリスの敵となる、韓国俳優のイ・ビョンホンのアニキ。「甘い人生」(2005年・韓国)チックに拳銃、マシンガンなどの打ちまくりやら、

スパイ系なら「アイリス 劇場版」(2011年・韓国)にも出てはったし、本作は当たり役やもな。

いつになく早口でシャベらはる、アンソニー・ホプキンスはん。

「博士の異常な愛情」(1963年・イギリス)のピーター・セラーズを思い出させる、核爆弾に執着する役柄や。ほんで、セピア・イエローな爆発シーンは印象的どした。

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「クィーン」(2007年・イギリス)のエリザベス女王みたいな、おしとやかが似おてはる(?)ヘレン・ミレンはんやら、

ラブコメ御用達みたいな、メアリー=ルイーズ・パーカーのネーさんが、共に過激な銃撃アクションを披露しやはります。

その一方で、キャサリン・ゼタ=ジョーンズのアネゴは、ロシアの諜報員役どして、シリアスでいて、妙に笑える演技をばやってはります。

1度は死んでまう(?)ジョン・マルコヴィッチはんを加えると、いちおうは、映画映えする7人組にはなるんやけど、

あくまで変形7人組とゆうスタイルでおます。こういう流れにおいては、面白く機能する設定やと思います。

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さてはて、ウィリスとメアリーのラブ・ストーリー部は、1930年代のスクリューボール・コメディっぽくなっとるらしいどす。

 例えば、アカデミー作品賞をゲットした「或る夜の出来事」(1934年・アメリカ)とかやけど、でも、あくまで現代の都会派ラブコメのセンスで、いってはるかと思います。

 サントラはヘヴィロックから、ペリー・コモのマンボ・ポップスまで多彩どして、インストでは、シンセでタイトに盛り上げるカンジで流れてまいります。

 シリアスとコミカルをつなげるような、そんなサントラ使いにも酔えましたで。

ほんでもって、本作は肩の凝らない、アクション映画にもなっとりますんで、デートムービーやらにも、ふさわしい作品やろな。

スパイものは、シリーズ化されることが多いんで、今後も本作シリーズは、作られてゆくやろなと思います。ご期待くだされまし。

2013年11月 4日 (月)

「悪の法則」⇒ハリウッド映画最前線Ⅰ

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ポスターに表記の5大スターが、演じる冷酷無比なお話や~

よくある麻薬絡みの映画でも、かつてない非情とリアルにヤラれてまうで~

http://www.foxmovies.jp/akuno-housoku/

11月15日のフライデーから、20世紀フォックス映画はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

大阪市内やったら、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、あべのアポロシネマやらで上映どす。

本作は「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Twentieth Century Fox.

麻薬絡みの映画とゆうのんは、アメリカ映画的には、ある種タブーなようなとこがござります。国内的にはエエかもしれへんけど、海外へも配給する場合はそら、慎重になったりしてまいます。

かつては、メキシコからの麻薬密売ルートを描いた「トラフィック」(2000年製作・アメリカ映画)で、スティーヴン・ソダーバーグ監督が、アカデミー賞監督賞をゲットしたりしてはったけど、

実は、このメキシコの麻薬密売組織ちゅうんは、ホンマのとこ、ハンパやないんどすわ。そのあたりの実態も含めて描かれたんが本作でおます。

アカデミー作品賞ゲットの「ノーカントリー」(2007年・アメリカ)も大がい非情やったけど、

本作ではその原作者の作家、コーマック・マッカーシーはんがオリジナル脚本をば書かはりました。

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非情で冷酷なカンジが、最後の最後まで貫かれておまして、ドンデン返しみたいなんもあるにはあるんやけど、決して後味はようありまへん。

ハッピー・エンドを排した映画なんやけど、フランスのヌーヴェル・ヴァーグやアメリカン・ニューシネマの名作にありますように、爽快にも思える暗めな終わり方やったら、ココロに残ったりするやろけど、

でもしか、本作の場合は、後味の悪さがキモになっとるような映画なんで、さわやかとか、あーあ悲しやとか、そんなんとは別もんになっとります。

まあ、ゆうて見たら、ポスターにある男優・女優の内で、誰が一番ヤラシくてエゲツナイ人間かとゆうのんが、ポイントになっとる映画やろか。

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ハリウッドのオール・スター映画というのが、かつての日本映画界では胸ワクワクやったけど、今はどうなんやろか。

ポスターの5人の名前を見て、おそらく大がいの人は、ブラピとキャメロン・ディアスのネーさんくらいやん、有名なんは、と思わはるやもしれまへんな。

ボクなんか、ペネロペ・クルスのネーさんなんて、メッチャエエやんとは思うねんけど、日本の一般大衆的にはどうなんやろか。

でも、冒頭では、ペネロペのネーさんが、また、カーセックスならぬ、カーとのセックスを披露しはる、キャメロン・ディアスが共に、男性ファンにとってはたまらない、あえぎ声をば上げはります。

まあ、ペネロペはマトモなセックスやけど、ああ、対してキャメロンは…。

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いやはや、セックスのやり方による性格描写も、本作のネタの伏線になっとるかと思います。

弁護士ファスベンダーとペネロペが、バルデムとディアスが、おのおのひっついてる(あえて愛し合ってるとは申しまへん)状況でおまして、

でもって、ファスベンダーとバルデムがつるんどって、そこにブラピも一枚かむとゆう、大ざっぱな人間関係やけど、

前半は会話のやり取りが、奥の深いもんになっとりまして、じっくりと吟味していただきたいとこどすな。ともすると、意味不明なとこもないとは言えず、このあたりは、ひょっとしたら翻訳者も、迷ったとこやもしれまへん。

でもしか、やがて追いつめられてゆくファスベンダー、バルデムらの逼迫演技は、不安感をあおる音楽に乗りましてな、緊張感とスリリングに満ちとって、圧倒的な見ごたえを見せてくれはります。

ブラピの死に方なんか、メッチャ衝撃的やしね。背筋がサムーなりまっせ。

名作・傑作の多いリドリー・スコット監督が、またまたやってくれよったがなー、ちゅうケッサクなんどすえ~。

2013年11月 3日 (日)

上戸彩主演「武士の献立」⇒週末日本映画劇場3

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日本映画史上初の、チャンバラのない料理時代劇やー

上戸彩ネーさんが「あずみ」とは、正反対の演技ぶりどすえ

http://www.bushikon.jp

師走12月14日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショー。

ロケ先の石川県では、12月7日・土曜日から公開どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「武士の献立」製作委員会

「隠し剣 鬼の爪」(2004年製作)とか「武士の家計簿」(弊ブログ内検索で出ます)とか「清須会議」(弊ブログ内検索)とか、チャンバラのない時代劇はこれまでにも、ありましたけども、

料理時代劇なんてのんは、おそらく日本映画では初めてどすやろか。

洋画では「宮廷料理人ヴァーテル」(2000年・フランス&イギリス合作)とか、韓流テレビドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」なんぞがあるけど、

いずれにしても、貴重な映画やと思います。

江戸時代当時、武士の料理を調理するんも武士どした。でもって、今の石川県・加賀藩でも、いっしょどす。

で、西田敏行はんが、料理人をやってはったんやけど、後継者も代々作らなあきまへん。

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でもしか、息子の高良健吾のアニキは、細部を無視して大ざっぱな料理センスしかなく、これをば、何とかせにゃとオトンは思ておました。

そんな時に西田はんは江戸で、料理センスの見事な上戸彩ネーさんを見出さはります。彼女を何としても息子のヨメはんに来てもろて、息子を仕込んでほしいて思わはりまんねん。

ほんで、親がアプローチや。上戸彩ネーてゆうたら、時代劇「あずみ」シリーズ(2003年・2005年)で、メッチャなオナゴ剣士をやってはったけど、ここでは、それとは真逆や。

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思わずウ~ンとうなる、妙演技にして快演技。しかも、レシピに対する徹底的な仕込み具合は、ハンパやありまへん。

料理映画は確かに多いけど、イモの切り方やらカツオダシの調合やら、細かいとこの描写がリアル感を増しますで。

フランスの現代映画「大統領の料理人」(弊ブログ内検索で出ます)に、勝るとも劣らない緻密ぶりどした。

夫妻映画としてのシブミもござります。

武士のプライド的なとこで、夫がテロ(加賀騒動)をやろうかとゆう時にも、死を賭した行為に出たり、

夫に「古ダヌキ」と言われケンカしもっても、夫を料理指南してゆくとこなど、見たあとあとも思い出してまうシーンが、満載でおました。

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逼迫シーンは加賀騒動のとこらあたりで、全体的には、スローでゆったりした癒やしの流れと展開どして、役者陣もそういう流れに即した、演技を見せはります。

西田敏行はんと余貴美子はん夫妻からして、エエ人ぶりを披露。そうゆうたら、こいつはワルもんやなーっちゅう、役者はんはあんまし出てはりまへん。

かつて「料理の鉄人」やった、鹿賀丈史はんくらいやろけど、そんな鹿賀はんさえ、最後はエエ人っぽくなるしな。

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さてはて、クライマックスは、武士たちをもてなす、饗応料理シーンどす。

そこへ行くまでには、上戸彩ネーの家出とか、ヨメはん探して地方を回る、高良健吾アニの姿とか、レシピ探しに夫妻で能登へロードしたりとか、イロイロござります。

そして、それらのシーンは夫妻映画、ラブ・ストーリーとして、見ごたえあるシーンにもなっとるんどすえ。

ほんでもって、Charaの主題歌に加え、岩代太郎のピアノ・バイオリン・弦楽オーケストラも、癒やしに満ちたサントラ使いどした。

2013年11月 2日 (土)

「晴れのち晴れ、ときどき晴れ」⇒週末日本映画劇場2

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地域のキズナを描く、岡山県瀬戸内市の地方ロケ映画どす

EXILEのMATSUこと松本利夫アニキが、寅さん的演技を披露や~

http://www.harenochihare.com

11月16日の土曜日から、ネイキッドはんの配給によりまして、岡山先行ロードショーでおます。

でもって、11月23日から、全国ロードショーやで~。

関西やったら、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、TOHOシネマズ西宮OSやらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013『晴れのち晴れ、ときどき晴れ』製作委員会

地方ロケーション映画は今もなお、恒常的に作られておます。

ほんで、本作は中国地方ものどして、ロケ地方としては、深みある熟成の作品を多く輩出してはります。

大林宣彦監督の尾道3部作、佐々部清監督の山口3部作、錦織良成監督の島根3部作など。

そして、本作もシリーズ化されてもおかしゅうない、ポピュラリズムをば持ってはります。

その1つの因として、EXILEの松本利夫アニキの「寅さん」を意識した演技ぶりどした。

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EXILEのメンバーが主演する映画は、何でか地方ロケ映画が多うござります。そんな中でも、MATSUは最も庶民に近い、親しみある演技を披露してはります。

借金に追われて東京から故郷・岡山へUターンしてでんな、故郷でブラブラしはります。

そこへ、かつて愛し合い長崎へと去った彼女との間に、できとったらしい娘はん(宮崎香蓮)が、オカンが死んでしもて、見知らぬオトンことMATSUを頼って、岡山へ。

このオトンと娘はんのキズナ描写は、妙に、寅さん・さくらの兄妹的な造形ぶりどした。

モチ、寅さんが振られるようなマドンナ的存在として、白石美帆ネーさんをキャスティングしてはります。

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さてはて、ここで、突然ながら、地方映画でも、ご当地独特のポイントを取り入れた、21世紀の日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーを披露さしてもらいまっさ。

●ベスト⇒①フラガール(2006年)②カーテンコール(2004年)③雪に願うこと(2005年)

●カルト⇒①本作②綱引いちゃった!(弊ブログ内検索で出ます)③眉山(2007年)

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●各ポイントを言いよりますと、ベスト①町興しとしてのフラダンス②地方映画館③ばんえい競馬/カルト①うらじゃ②綱引き③阿波踊り

●てなカンジやけど、カルト③の阿波踊りほど有名やないけど、本作は岡山古来の音頭「うらじゃ」を、みんなで踊って歌うとゆうのんが、クライマックスになっとります。

で、ダンス・チームとしてのEXILEのMATSUの、本領発揮ちゅうことにもなりまんねん。

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でもしか、首をややひねるとこもないとは申せまへん。

借金取りとのやり取りをする、冒頭とラストなど、妙に本筋のドラマとかみ合っとりまへん。

ブルース・リー的アクション・スターを目指すとゆうとこも、しっくりきよりまへん。

オカンの死がどんな具合やったんかも、さっぱり描かれてへんし…。

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でもでんな、それらの瑕瑾は、父娘のキズナやら、家族のキズナ、ほんでもって、地域のキズナとゆう感動的テーマによって、解消されとるんやないかなと思います。

田んぼ、海の夕景のセピアなど、地方ロケ映画にふさわしい美風景を、見せるシーンの数々にも、うっとりできよるしな。

土曜ワイド劇場の監督(内片輝=うちかた・あきら)とか、「半沢直樹」の脚本家(八津弘幸=やつ・ひろゆき)など、テレビドラマの仕事をしてはる方が多いけど、しっかり映画的になってたんはグーどしたえ。

でもって、家族みんなで見に行ける映画にもなっておました。

2013年11月 1日 (金)

K-POPドラマ「新大久保物語」⇒週末日本映画劇場1

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「夢をあきらめない!」をキーワードにした、スター誕生物語や

藤本泉チャンのヒロイン・ドラマとしての側面もありま

http://shinokubo-movie.com/

霜月11月16日の土曜日から、ユナイテッドエンタテインメントはんの配給によりまして、東京・新宿ミラノやらで、全国順次のロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「新大久保物語」製作委員会

K-POPを取り込んだドラマ映画とゆうのんは、日本でのK-POP市場は好調ながらも、これまではドキュメンタリーとかはあったけど、あんましとゆうか、皆無でおました。

ところがどっこい、実在のK-POPアーティストを主演に、スター誕生的なドラマ展開を、やってみはった映画が本作でおます。

主演は週間オリコン・チャートで、いきなりアルバム・チャートでベスト・スリー入りを果たした、5人組MYNAMEどす。

彼らのパフォーマンスをクライマックスに、ビビッドでノリのいいドラマが展開してまいります。

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さてはて、ここで、タイトル数は少ないんやけど、K-POPグループに焦点を当てた映画の、マイ・ベスト・スリーを言いよりますと…。

①本作②Beyond the OMEDAY~Story of 2PM/2AM③ホワイト(②③共に弊ブログ内検索で出ます)

●②はドキュメンタリー。③はT-ARAのハム・ウンジョンちゃんが主演した、音楽映画的ホラー映画どすけども、本作は真っ向勝負のストレート系や。

スター誕生をポイントに、ドラマ映画としてのリズムが絶妙な快作となっとります。

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MYNAMEが歌って踊る、クライマックスのライヴやダイジェスト・シーンで流れる、ノリのいいアップテンポのダンス・ナンバーや、ラストロールでかかる、メロウなスロー・ナンバーなど、確かに彼らの魅力が全開しとるんやけど、

でもしか、今一つの側面は、本作のもう一つの、デッカイ柱になっとります。それは藤本泉(写真2枚目の右端の女のコ)チャンが演じやる、前向きヒロイン・ドラマとしてのとこでおます。

アイドル映画的なとこもあるんで、アップ・シーンはモチ多いんやけど、それ以上に、見ていてポジティブなキモチになれる、さわやかな演技ぶりが爽快やったです。

まあ、ネタ的にはああゆうことになってまうんやけど、でも、鑑賞後感は、あくまで心地ええんやな、これが。

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バイ・プレーヤーたちの演技も、泉チャンやMYNAMEたちの、さわやか演技をサポートする方向性でやってはります。

こんなにシブかったやろか~なIZAMアニキ、いつも通りの豪放磊落な六平(むさか)直政はん、

ハングルを操る岡本麗はん、接骨院の名医役の池乃めだかチャン、その息子のカンニング竹山アニキ、ヒロインと同じくらいさわやかな波瑠チャン…。

そんな中でも、芸能プロの女社長役をやらはった国生さゆりのネーさんが、彼女のキャリア史上最高の演技ぶりを見せはりました。

ボクは彼女の演技をイロイロ見てきたけど、これほど好感度の高い演技は、初めて見さしてもらいましたえ。

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ここぞとゆう時の、スロー・モーションの使い方、脱色モノクロ・シーンをカットバックさせる、近過去振り返りシーン、クレーンを使ったネタ・ポイントとなるシーン、「夢をあきらめない!」をキーワードにした作り込み。

ほんでもって、ピアノ・ソロをさりげなく流して、哀愁感あるシーンを創出したりと、藤原健一監督も、作家性をばバリバリに注入してはりまっせー。

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