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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2013年9月の記事

2013年9月30日 (月)

「危険なプロット」⇒フランス映画傑作選1

1
フランソワ・オゾン監督の、新作ミステリー・サスペンスや~

小説メイキング映画の、地平を切り拓いた画期的な1本どす

http://www.dangerousplot.com

10月19日のサタデーから、キノフィルムズはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、大阪・テアトル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
Ⓒ2012 Mandarin Cinema-Mars Films-France 2 Cinema-Foz

フランソワ・オゾン監督やて、みなはん、知っとるか~。知らん人も含めて、取りあえず、監督のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①まぼろし(2001年・以下の映画は指定以外はフランス映画)②8人の女たち(2002年)③ふたりの5つの分かれ路(2004年)

●カルト⇒①本作②スイミング・プール(2003年)③焼け石に水(2000年)

3
●彼の作品で日本で一番売れたんは、変形ミュージカル・サスペンスの、ベスト②でおましょう。

多彩なとこも見られよりますが、基本的には、変形系を旨としてはります。

ラブ・ストーリーでも、ベスト③みたいに遡り系やったり、変な三角関係ミュージカルなカルト③やったりしはります。

でもしか、基本ラインは、どっちかてゆうたら、サスペンスなとこをば、見どころとしてはるかと思います。

ベスト①など、蒸発してもうた夫の行方はナンチューとこを謎にしたり、カルト②の女優陣の妖しきとこで魅せたりと、やってはります。

6
ほんでもって、本作は、カルトの①位にしたけども、ベストワンにしてもエエような、サスペンス映画の傑作どした。

イキング映画ちゅうのんは、映画・演劇・音楽などと、芸術系ではケッコーござりますが、小説ちゅうのんは、さほどありまへん。

「オン・ザ・ロード」(弊ブログ内検索で出ます)「スタンド・バイ・ミー」(1986年・アメリカ)あたりやろか。

しかも、主人公の高校教師が小説を書くんやなく、その生徒が書いたもんに魅かれて、指導しもって、小説を作り上げてゆくちゅうもんどす。

4
ところがどっこい、生徒の実話からの連続ものどして、それゆえに、小説の話と現実がシンクロナイズしてまいりまして、遂には、主人公教師までが、エライ目に遭うとゆうお話どす。

オゾン監督は、小説か現実か分からん世界に、主人公が出てくるとこ(写真3~5枚目)やらに、ウディ・アレン監督的な作りやら、

人妻と少年の不倫部(写真6枚目)に「おもいでの夏」(1971年・アメリカ)なんぞを、参考にしたんやとゆうてはります。

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メイキングの現実の話と、男教師夫妻(ファブリス・ルキーニはんと、クリスティン・スコット・トーマスはん=写真一番下)が、作品評を話し合うシーンが、カットバック的に披露されてまいります。

オトンオカン同級生3人家族の中に、入っていく少年が、3人と交流してゆく中で、教師の小説指南を経て、遂にはオカンと不倫関係になってゆくプロセスが、ビビッドに映されてゆくんどす。

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一体、どないな結末になってゆくんか、ハラハラドッキリが後半以降、続いてまいります。

現実とフィクションが、イッショクタとなり、ほんで、遂には主人公夫妻のとこまで、亀裂がやってくるっちゅう展開や。

ちゅうことで、夢想が現実を脅かす映画としては、コーエン兄弟監督の「バートン・フィンク」(1991年・アメリカ)などに、通じる傑作やったどす。

5

◇11月4日付けでコメントしていただいた方へ⇒戯曲を原作にしているという意味ではなく、映画そのものが小説メイキング映画になっているという意味です。教師の指導の元、映画本編で登場する高校生は、小説を書いていきます。そのメイキングが、どんどんエスカレートして、教師やその妻にまで、波紋と破局を呼んでゆく。その面白さについて言及しております。

2013年9月29日 (日)

「くじけないで」⇒週末日本映画劇場3

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シニア・ヒロインの、大河ドラマ映画どす

オカン役・八千草薫はんと、息子役・武田鉄矢はんのやり取りが、メッチャオモロイ1本や~

http://www.kujikenaide.jp

11月16日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「くじけないで」製作委員会

母子のキズナ、夫婦のキズナを、大河ドラマのノリで描かれた快作。

ほんでもって、老女ヒロインの生涯を描いた、感動作になっとります。

家族ドラマ映画の宝庫・松竹はんからの新作やけど、これまでの松竹系とは違う、ニュー・スタイルでいかはりました。

ヒロインが作る詩に合わせて、過去を思い出してゆくとゆう、老人が過去を振り返る、イングマール・ベルイマン監督の「野いちご」(1957年製作・スウェーデン映画)のような展開どす。

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そして、現代のシーンに、過去をさかのぼり順に、挿入カットバックするとゆう、構成に工夫が凝らされとります。

平成元年、1970年、1952~3年、1940年、1918年と、さかのぼります。

ほんで、それぞれの時代において、過去の名作家族映画との、シンクロナイズが見られよるんどすえ。

例えば、1970年は山田洋次監督の「家族」(1970年)。1952~3年は「君の名は」(1953年~1954年)。

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ヒロインが檀れいネーさん編では、「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)も思い出されよりました。

1940年は戦中なんで、山田洋次監督の「母べえ」(2008年)なんぞを、

芦田愛菜ちゃんがヒロインの、1918年はNHKの朝ドラ「おしん」や「ああ野麦峠」(1979年)なんかも、想起させてくれはりました。

まさに、家族映画の変遷を見るような作りになっとります。さてはて、癒やしの映画にもなっとりました。

詩がみんなのココロを、和ませてゆくとゆうスタイルどした。

現代のヒロイン役は、八千草薫はんどす。10数年ぶりの主演らしいどす。

でもしか、八千草はんの優しい癒やしの演技は、今も尚健在どした。演技を魅せる長回し撮影部も、スロー・テンポ演技の、八千草はんのシーンが中心になっとります。

彼女の息子役は、武田鉄矢はん。無職のバクチ好き。妻役・伊藤蘭ネーさんに、食わせてもろてるナンチュー構図。

シンクロ的には、オカンと息子の関係・キズナでは、「鉄矢、こら~、なんばしちょっとね」で有名な、武田鉄矢はん率いた、音楽グループ海援隊で、オカンに捧げる「母に捧げるバラード」を歌っとりました。

また、キャンディーズ伊藤蘭ネーとは、同時期に活躍してはったとゆう、キー・ワードもござります。

でもって、その後、山田洋次監督「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)に出て、プー太郎節を披露。

その進化型として、本作を演じ抜いてはります。

医者役・上地雄輔アニキと患者の関係や、ピエール瀧アニキと娘の関係などにおいて、親子揃って、彼らを癒やしてゆくとゆうカンジになっとります。

サントラ部も、癒やしを促進しやはります。

ピアノや弦楽オーケストラ部だけやありまへん。由紀さおりの「夜明けのスキャット」に勝るとも劣らない、子守唄的なポップス「わたしのうた」も鮮烈どした。

ちゅうことで、家族一同で見に行ってもらいたい傑作なんどすえ~。

2013年9月28日 (土)

三谷幸喜監督「清須会議」⇒週末日本映画劇場2

1
邦画コメディ時代劇の大ケッサクどすえ~

歴史的傑作「幕末太陽傳」に迫る作品や~

http://www.kiyosukaigi.com

11月9日の土曜日から、東宝さんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

5
Ⓒ2013 フジテレビ 東宝

昨日の「蠢動」に続く、時代劇分析どすが、本作は「蠢動」の徳川・江戸時代もんやなく、その前の信長・秀吉もんでおます。

実は時代劇的には、この2つの時代が、映画化される2大勢力でおます。

もって、古来より、日本の時代劇は、シリアス・モードが主力を形成しておました。さらに、剣戟のチャンバラが、腐るほど作られておったんどす。

でもしか、採り上げる素材からして、本作はシビアな時代劇になるハズやのに、オチャラケなコメディ部を、大胆に導入した作りでおま。

6
さてはて、こうした邦画コメディ時代劇の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくままに披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①幕末太陽傳(1957年製作)②本作③股旅(1973年)

●カルト⇒①ジャズ大名(1986年)②タイムスリップハンター(弊ブログ内検索で出ます)③四月物語(1998年)

●時代考証を旨とする時代劇に、あるまじきとこを押し出した作品ばかりでおます。

ジャズをやる黒人たちが、大名を癒やすカルト①、タイムワープで「本能寺の変」の時代に、さかのぼるカルト②、信長は生きていたなる映画を、現代劇の中に入れたカルト③など、いわゆる変形ものをカルトにしましたが、

8
時代考証バッチリやったベスト3作は、お遊びを完全に超越した大ケッサク揃いどした。

股旅ものを裏返しで描いた、市川崑監督のベスト③。歴史的傑作の川島雄三監督のベスト①。

ほんでもって、本作は時代の周辺部をつつくんやなく、堂々と時代の本道を描くことで勝負した、かつてないワン・アンド・オンリーな時代劇となりました。

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しかも、腐るほど時代劇は出とるのに、これまでの時代劇では取り上げられへんかったとこに、アプローチしはる凄みどしたえ。

ほんで、三谷幸喜監督節とも言うべき、時代劇には珍しおます、群像劇スタイルが、マイ・ペースで披露されてまいります。

さらに、演劇畑出身の三谷監督やけど、作品そのものは会議を描く室内劇なんやけど、それをカンジさせない映画的な作りには、舌を巻きましたで。

3
これまでの三谷監督作に出た方が、いっぱい出てはるんやけど、

でもしか、画像のほとんどに写ってはる、新参者となる大泉洋(豊臣秀吉役)のアニキが、主演を張らはりました。

本能寺の変、天王山の決戦を経たあとの、共に織田信長の家来、秀吉側・柴田側(役所広司)の2つの勢力が、織田家の後継を選ぶとゆう構図なんやけど、

ともすると複雑化して、分かりにくい人間関係部やけども、時代感や関係図が分からずとも、

分かりやすく描いてはるとこなんぞは、まさに脚本の巧みのワザやと申せましょう。

4
しかも、後継者選びとゆうテーマを、一種のスクリューボールにして描いてみせるとゆう、高等ワザを披露しはりまんねん。

ビリー・ワイルダー監督やらがやった、スクリューボール・コメディを、まさに転移して傑作にしてみせたとこも、巧みの凄みどした。

ビリー・ワイルドはんも、天国で舌巻いてはるかもな。

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ボクチンらには、時代の趨勢は分かっておます。その後、秀吉が天下を取るのんも、誰もが知っておます。秀吉が天下を取る経緯としての映画としては、かつてない細部にこだわった作品やったかと思います。

信長・秀吉時代のシリアス時代劇に、どでかい波紋を投げかける映画やと思います。

時代劇を見たことのない若い映画ファンやら、往年の時代劇ファンまでも、意表を突いて、舌を巻かせる作品になってると、ボクは確信いたします。

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2013年9月27日 (金)

「蠢動-しゅんどう-」⇒週末日本映画劇場1

1
かつての時代劇に、新鮮味を加えた快作どす

追いつ追われつの追逃時代劇に、ハラハラドキドキの展開や~

http://www.shundou.jp

10月19日の土曜日から、太秦はんの配給によりまして、東京・有楽町スバル座やら、大阪・TOHOシネマズなんば、などで全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013  株式会社 三上康雄事務所

監督の三上康雄はんは、かつて1970年代の若き時代に、八ミリの自主映画をば撮ってはりました。

しかも、当時の八ミリ青年たちでは、ほとんど見向きもされへんかった、何と時代劇に目を向けてはります。

大森一樹や石井聰互や大林宣彦やらとは違う、ジャンルを指向してはったわけどした。

当時の日本の時代劇は、東映時代劇やらが健闘していたものの、決して将来的に、ヒットが見込めるジャンルやありまへんどした。

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でもしか、三上はんは、いったん長き雌伏に入らはったけども、31年ぶりにメガホンをばとらはりました。

しかも、初の劇場映画の監督作品なんでおます。

最近では三上はんより若い方々が当たり前のように、長編劇場映画監督デビューを飾ってはりますが、本作みたいに無名の方が、老年を迎えて商業映画監督デビューするとゆうのんは、今やほとんどござりまへん。

それにでんな、製作費も本人がほとんど出してはります。

本来なら、東宝はんとかの大手の会社に企画を持ち込んで、映画化の検討をするちゅうルートもあるんやけど、それをしはったのかどうかは、ボクらには分かりまへん。

けども、作品を見ると、大手の映画会社で映画化されても、おかしくない内容になっとりました。

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江戸時代の時代劇やけど、これまでにはあまり取り上げられなかったとこに、アプローチしてはるのが、まず、好感を覚えました。

江戸・徳川の時代劇てゆうたら、「忠臣蔵」を始め、モノゴッツーのタイトル数があるかと思います。

けども、本作の新味てゆうたら、「忠臣蔵」のお膝元・赤穂城近くの、山陰の因幡(いなば)藩を舞台にした点どすやろか。

時代劇的には初舞台とちゃうやろか。東北舞台の「たそがれ清兵衛」(2002年)やらも初々しかったけど、本作はそれに近いもんがあります。

6
クレーンを使った撮影は一切なし。サントラは和太鼓のみで、音楽なしのシーンが続き、馬なしっちゅうのんも、製作費の問題かとは思ったりするけども、

でも、それはそれとして、それでも巧妙な作りを意図してはりましたそれが見ていくにつれ、ようよう分かってまいります。

最初の方では室内劇を中心に展開し、後半では追逃劇とチャンバラへと進む流れは、静と動を生かした構成ぶりどした。

4
前半と後半の境目的なポイントとなる、雪舞う中で目黒祐樹はんが、何者かにやられるシーンの造形は秀逸どした。

目黒の手を離れて落ちたチョウチンなど、小道具もまたイキイキしとったかと思います。

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リアリスティックあふれる殺陣シーンは、さらに印象的どした。

スロー・モーションでごまかしたりやら、様式化された一発勝負やらのシーンはありまへん。

あくまでガチで、息ぜえぜえの必死のパッチのアクトや。

原で展開される、殺陣シーンの、マニュアルに堕さないリアル感こそ、本作のキモやと申せましょう。

そして、最後の1対1対決シーン(写真上から2枚目)は、一発勝負の「椿三十郎」(1962年)やらとは違う、微に入り細にうがった作りが、巧緻やったと思います。

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試写室にPRに来てはった、三上監督はんは、「入り込んでみてほしい」とゆうてはったけど、まさにその通りどした。

個人的には、久々にスクリーンで見た、さとう珠緒(写真4枚目)ネーさんの、アラフォー純潔演技ぶりにグッときよりました。

黒澤時代劇や東映時代劇に加え、監督が心酔する「切腹」(弊ブログ内検索で出ます)とも、ビミョーに異なるタッチに酔えました。

ボクが思うに、かつての時代劇ファンこそ、深酔いできるんやないかなと見ました。でも、時代劇初心者にも、分かりやすい作品なんどすえ~。

2013年9月26日 (木)

「天使の処刑人 バイオレット&デイジー」⇒最新アメリカ映画特選4

1

2人のティーン・エイジャーの、アイドル系女暗殺者を描いた作品

シアーシャ・ローナンちゃんか、アレクシス・ブレデルちゃんか、君やったらどっち?

http://www.angel-vd.com

10月12日の土曜日から、コムストック・グループはんの配給によりまして、東京・新シネマカリテで。ほんで関西やったら、10月19日から、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのローショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸMV Nepenthes LLC MMXII ALL RIGHTSRESERVED

女暗殺者を描いた映画ちゅうのんは、これまでは、特訓を経て孤独に、1人でやるんが基本どした。

ところがどっこい、本作は、2人のティーンエイジャーなアイドルの女の子が、チョチョイノチョイでヤッテまうとゆう、新鮮味を加えた1本でおます。

とゆうことで、ここで、女暗殺者登場の映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①ニキータ(1990年製作・フランス映画)②クライング・ゲーム(1992年・イギリス)③レオン(1994年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②アサシン 暗・殺・者(1993年・アメリカ)③ハンナ(弊ブログ内検索で出ます)

●女暗殺者ものてゆうたら、そんな女を作り上げてゆくプロセスやったりに、面白みが1つとしてあります。

ベスト③などは、今やネーさんやけど、子役のナタリー・ポートマンちゃんのかわいさが、暗殺者役ジャン・レノを食うてはりました。

ベスト①とカルト②は、元ネタとリメイクの関係どすが、ベスト①が提示した女暗殺者の造形ぶりには、秀逸極まりないもんがありました。

また、ベスト②はこのジャンルに入れるべきかどうかやけど、でも、ベスト①への対抗意識も考慮して入れてみました。

Photo
さてはて、本作やけど、女暗殺者たちを描くにしても、ストレートやなく、お遊びを兼ねたり、若ーい女暗殺者2人のシチュエートは、これまでには皆無な設定どす。

宣伝的には、「テルマ&ルイーズ」(1991年・アメリカ)の現代版やなんてゆうてはるけども、コンビが女同士だけで、ディープな共通点は、はっきりゆうてありまへん。

そして、ある程度、女2人もんは、リアリティーに沿ったカタチが多いんやけど、本作の話は全くもって、荒唐無稽に近いもんや。

そやから、何で彼女たちが暗殺者になったんかの、説明シーンはありまへん。

2
但し彼女たちは、カッコよく、スタイリッシュに、殺しをキメてゆかはります。

イントロで2人の手際が、まず披露されまして、ほんで、2人の演技が対比されてまいります。

はっきりゆうて、アイドル・ノリどす。

シアーシャ・ローナンちゃんは、カルト③で暗殺者にふさわしき、残酷なるクール感を、体現してはるけども、

対するアレクシス・ブレデルちゃんは、シアーシャちゃんより明るめの暗殺者役どす。

そして、ニューヨークを舞台にしながらも、室内劇をメインにしてはるとこも特殊やろか。

さらに、2人は本作が遺作となった、ジェームズ・ガンドルフィーニはんと、関わらはります。彼とのやり取りは、地味ながらも、本作の大いなるキー・ポイントになっとります。

アレクシスちゃんが披露する、5人の患者とやった獣医の話やら、いわゆるシャレたとゆうか、イカレた会話なども、時おり挿入されておます。

ほんでもって、ヒコーキがいっぱい空を飛んでるシーンやらの、幻想的カットも挿入されておます。そやから、どないやねん? なんやけど、ヤッパ、これは…監督の趣味ゆうことにしときましょか。

とにかくも、シアーシャちゃんとアレクシスちゃんの、どっちが好きやねん? みたいなんが、観客側のポイントとなる作品でおましょう。

クールな美女系のシアーシャちゃん。対して、アレクシスちゃんはチョイどっちつかずの中途半端やけど、人情味ある好感系や。

どっちの子もボク的には、好みやないけど、みなはんはいががやろかな。

アイドル映画にして、女暗殺者映画。ミスマッチ感が、妙に楽しめる1本どしたえ。

2013年9月25日 (水)

「ブロークンシティ」⇒最新アメリカ映画特選3

1
マーク・ウォールバーグとラッセル・クロウの、各アニキの初共演作品や~

アクションよりも、2人の駆け引きがオモロイ逸品

http://brokencity.jp/

10月19日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、関西やったら、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、OSシネマズ神戸ハーバーランドやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 Georgia Film Fund Seven LLC and Monarchy Enterprises S.a.r.l.

アメリカ映画特選といたしまして、天国警察もの、地上警察ものに続きましては、私立探偵ものでおます。

ところがどっこい、この私立探偵ものやけど、本作はNYが舞台になっとります。

実は、アメリカの私立探偵もの映画ちゅうんは、ロス舞台ものが圧倒的に多うござります。

NYものは、どちらかとゆうたら、警察もんが多いんどす。でもしか、本作は私立探偵でゆかはりました。

4
この種の映画は、ハードボイルド小説からの原作映画が多いんやけど、何と本作は、オリジナル脚本でおます。

ブラックリストとゆう、ハリウッド映画界の、脚本の宝庫からの作品どす。

フツー、ブラック、ナンチューたら、悪いイメージがあるんやけど、ハリウッドでは、オリジナル脚本で素晴らしいのんは、このリストに登録しはります。

ブラックは、負のイメージやなく、隠れた傑作とゆうことなんでおましょう。

2
ほんで、描かれる事件は、政治汚職ものっちゅうか、NY市長選挙にまつわる、アレヤコレヤでおます。

現職市長と対立候補の戦いの構図の中で、私立探偵が関わるとゆうのんは、まあ、そないありまへん。もしあるならば、私立探偵は悪役でしょうな。

ところがどっこい、こちらは依頼者がワルと見なせば、正義を通そうとしはり、依頼者を追いつめようとまでしはります。

このパターンは、私立探偵小説でも、まま見られるパターンやけど、でもしか、依頼者を無視してまでやるからには、それなりの説得力が、必要になってきよるでおましょう。

過去シーンとの絡みがあるにしても、本作はそのあたりが希薄で曖昧やったけど、力技で魅せてくれはるとこもありました。

6
市長選を前に、探偵役マーク・ウォールバーグに、妻(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)の浮気調査を依頼する、市長役のラッセル・クロウ。

特に、マークとラッセルの映画初共演にして、初対決の構図が、室内劇を中心としながらも、魅せてくれはりました。

5
また、本編とは関係ないように見えつつも、重要になっとる、マークの恋人役ナタリー・マルティネスのエロエロさに、目が行ってしまいました。

女優として彼女が出てる「キス・オブ・ハート」ナンチュー映画内映画を、一緒に見て、エロさに衝撃を受けたマークが、

怒り出して彼女と別れ、夜の町をヤケ酒飲んでさまようシークエンスなど、なるほどな~ナンチューて、ボクチンは納得。

その後、ナタリーの出番がないにも関わらず、ナタリーが忘れられなくなりました。

主人公の行為には、彼女の存在がキー・ポイントなのに、もっと多めにイロイロ出番を工夫しても、よかったんやないかなと思たけど、これくらいがちょうど、エエんかもしれまへんな。

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一方で、マークの助手役のアロナ・タルの、好感度ある妙演技ぶりにも魅かれよりました。

パターン化してもうてるキャサリン・ゼタの演技より、新鮮味やったかと思います。

それをゆうなら、マークとラッセルも、いつも通りな演技で、新鮮味はないかもしれまへん。

けども、私立探偵もの、ポリティカルものの、新たな地平を切り拓かんとする、意気込みみたいなんは、モノゴッツー感じられましたやろか。その意気を感じてくだされ。

2013年9月24日 (火)

「フローズン・グラウンド」⇒最新アメリカ映画特選2

1
ニコラス・ケイジのアニキVSジョン・キューザックのアニキ

刑事対被疑者の、息詰まる事情聴取対決が展開や~

http://www.frozenground.jp

10月5日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、京都・TOHOシネマズ二条、兵庫県・TOHOシネマズ西宮OSやらで、全国ロードショーでおます。

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Ⓒ2012 GEORGIA FILM FUND FIVE, LLC

か弱い娼婦ばっかしを狙い殺しする、ホンマ、えげつない実在の殺人鬼を描いた映画でおます。

「フロム・ヘル」(2001年・以下は指定国以外はアメリカ映画どす)などで描かれた“切り裂きジャック事件”とおんなじやけど、

でもしか、こちらは迷宮入りやなく、解決しとります。

でもって、刑事役の似合うニコラス・ケイジ(上から、画像1・4・5枚目に写ってはりま)のアニキと、

犯人役ジョン・キューザック(画像2枚目)のアニキの、室内ガチ対決。

加えて、唯一犯人の魔手から逃げてきはった、ヴァネッサ・ハジェンズ(画像3枚目)ちゃんが、大たいにおいて暗い話に、明るめの光を放ってはります。

4
ちゅうことで、ジョン・キューザックのアニキについては、今年6月11日付けの分析(「殺しのナンバー」・バックナンバーでご確認くだされ)でやったけど、

ほな、ここで、ニコラス・ケイジのマイ・ベスト&カルト・スリーも、披露さしてもらいます。

●ベスト⇒①リービング・ラスベガス(1995年)②月の輝く夜に(1987年)③フェイス/オフ(1997年)

●カルト⇒①本作②コン・エアー(1997年)③バッド・ルーテナント(弊ブログ内検索で出ます)

3
●ケッサクは20世紀に集中しとりますけども、でも、21世紀になってからもマイペースに、ひょうひょうと演じてはりまして、

刑事ものとしては、カルト③に続くもんどすが、カルト③が麻薬吸ってハイになっとる刑事の、変形捜査もんやったのに対し、

本作では本格的かつストレートな、熱き刑事魂をば演じてはります。

そらもー、かつてないくらいの熱気。

まあ、ゆうてみたら、ベスト③の激烈アクション系の、室内劇バージョンやろか。

ほんでもって、キューザックとはカルト②やらで共演してはるんで、和やかな現場やったんやないやろか。

でも、キューザックはんは冷静系どして、ケイジはんとは対照的どした。

6
さてはて、実在の殺人鬼を描いたもんやけど、かつてそういう映画は多数あり、本作のパンフレットにも記載されるやろけど、

1983年の話とゆう点やったら、1970年代に発生し、未解決事件となってしもた「ゾディアック」(2007年)なんぞも、思い出しました。

さらに、画像6枚目など、監禁殺人事件的な捜査シーンなどにも、なるほどな~ちゅうとこもありました。

5
監禁系では、「コレクター」(1965年・1997年)なんぞがありますが、

ネタ部についてヒントを言いまするに、「模倣犯」(2002年・日本)やないかな。

思わずポロッと言ってしまったコトバが、命取りになるっちゅうカンジ。

そういう意味においては、事情聴取シーンがキモになっとる映画どす。

この種のタイプはこれまでは、日本映画に多かったけど、まさにそういう映画こそが、ピーンとクルような仕上げぶりどした。

アラスカ州の州都アンカレッジが、舞台の映画とゆうのんも、「インソムニア」(2002年)などがあったけど、珍しい舞台設定やと思いました。

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2013年9月23日 (月)

「ゴースト・エージェント R.I.P.D.」⇒最新アメリカ映画特選1

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「MIB」プラス「ゴーストバスターズ」プラス「ゴースト ニューヨークの幻」やんか

天国から帰ってきた刑事コンビが、大活躍するアクション映画やで~

http://www.ghostagent-ripd.com

10月18日のフライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

いったん死んでしもて、天国か天国の中継地へ行き(まあ、地獄もあるけど)、

ほんでイロイロあって、地上へと舞い戻ってきはる(ほとんどの設定は期間限定)映画とゆうんは、

みなはんも、ケッコー見てはるやろかと思います。

天国へ行かんと、地上でさまよってはる、バージョンも入れまして、

その種の映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくまま気ままに、披露さしてもらいます。

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●ベスト⇒①天国から来たチャンピオン(1978年製作・以下は指定国以外は、全てアメリカ映画)②ゴースト ニューヨークの幻(1990年)③ワンダフルライフ(1998年・日本)

●カルト⇒①本作②天国は待ってくれる(1943年)③椿山課長の7日間(2006年・日本)

●天国と地上を意識した映画では、コメディ系、もしくは妙にシリアス系が多かったと思うけど、

本作の特質は、アクション・エンタとして、刑事コンビ・ドラマとして、バクレツ系のトンデモドラマをば、披露しやはる点どした。

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要するに、理屈なんて関係なしやねん。

まあ、ポイントとしては、ベスト②みたいに、殺したヤツが分かっとって、

ほんで、そいつと対決する、みたいなとこはありましてな、1つの見せどころになっとります。

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主人公役は、ライアン・レイノルズ君。

妻との愛も深めてはったんやけど、とある事件で見つけた金塊を巡り、自分のものにするやしないやで、先輩相棒役のケヴィン・ベーコンはんと揉めて、

ほんで、新たな事件を契機に、現場で裏切られてしもて、射殺されてまいます。

でもって、天国へ。でもしか、その中継地みたいなとこには、天国警察がありましてな、

ライアン君は天国警察に配属されて、大昔の西部開拓時代に死なはった、元カウボーイのジェフ・ブリッジスはんとコンビを組まされ、

ほんで、地上にいとる悪霊、エイリアンやらを退治すべく、出動っちゅうことになります。

メッチャ分かりやすい設定と展開どすんで、スクリーンに目を向けとけばでんな、アッちゅうてる間に、引きずりこまれまっせ。

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エイリアン退治するコンビとしては、「MIB」こと「メン・イン・ブラック」(1997年)やらを、

さらに、ゴーストを退治する「ゴーストバスターズ」(1984年)なんぞを、濃厚に、楽しく思い出させてくれますで。

そんな中でも、ジェフ・ブリッジスはんの、ずーっと喋り続けてはるキャラ設定が特注。

加えて、悪役となるベーコンはんの、怪演技ぶりも、ヤケクソぎみな感じで凄いッス。

そして、2人の刑事コンビが地上では、アバターになっとる(画像7枚目)とゆう設定も面白い。

ブリッジスはんが、スーパー・モデル。ほんで、ライアン君が中国老人とゆう、ハチャメチャぶりや。

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さてはて、アクション・シーンの新味について見ていきまっせ。

①竜巻ではない巨大渦巻きが、ビルを次々に壊していく中で、カー・アクションまで披露や~。

「ワイルド・スピード」の最新版(弊ブログ内検索で出ます)の、クライマックスと比肩できるシークエンスどした。

②ビルの屋上での「ダイ・ハード」的アクション。

死者をよみがえらせるちゅう、金の塔を阻止するちゅうとこで、魅せてくれはりまっせ。

③ケヴィン・ベーコンはんが、悪霊やと分かるシーンで、自宅が腐ってゆくような、地震的カット。

CGやVFX使いやろけど、ユニークな設定どした。

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④ビルの壁面を走り、ビル内エレベーター・アクション。遂にエレベーター本体もろとも、ビルから飛び出してくるシーン。

まあ、エレベーターが、飛び出るちゅうんは、今まではそないありまへん。

⑤超音波でストップ・モーション。天国へ向かう、ファンタスティックなシーンの造形も、秀逸どした。

2013年9月22日 (日)

「人類資金」⇒週末日本映画劇場3

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「日輪の遺産」よりも、ワールドワイドにバージョンアップ

佐藤浩市、香取慎吾、森山未來らが渾身の演技を披露

http://www.jinrui-shikin.jp

10月19日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「人類資金」製作委員会

マッカーサー資金について採り上げられるんは、ボクの記憶では、映画原作小説においては、2度目となります。

そもそもマッカーサー資金とは、何ぞやねんやけど、太平洋戦争時に、日本がマッカーサーが指揮を執っとったフィリピンを襲った際に、手に入れたらしい黄金の大金(約10兆円らしいわ~)のことでおます。

でもしか、それらの大金は、未だにどこに消えたんかは分かっておまへん。

でもって、その金の行方を推理するっちゅう作品が、出てきよったちゅうことなんどす。

で、それを採り上げた小説として、浅田次郎はんが書いた「日輪の遺産」があり、ほんでもって、映画化(弊ブログ内検索で出ます)もされました。

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「日輪の遺産」では、それらの金が消えた理由を、本作とは違ったカタチで描いてはりましたけども、

本作では、その金が現実に存在し、隠され、21世紀の現代に引き継がれたとゆう想定で描かれておます。

江戸川乱歩賞作家の福井晴敏はんが、現在進行形で書いてはる小説が原作になっとります。

ほんで、福井はんは本作の脚本にも関わらはって、本気モード・バリバリでおま。

ほんでほんで、監督は阪本順治はんや。福井はんとのコラボでは、「亡国のイージス」(2005年製作)に続くもんどす。

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北朝鮮的にも思える、アジアの仮想国家カペラ共和国を設定して、物語は日本、ロシア、アメリカへと、ワールドワイドな展開で進みよります。

アクション・シーンなどは、少々タルかったりするけど、日本映画の外国を舞台にした映画としては、上々の仕上げぶりどした。

邦画としてロシア・ロケをした点でも久々やし、時代は違うけど「モスクワわが愛」(1974年製作・日本&ソ連合作)的な風土感もあって、鮮烈やったで~。

でもって、「M資金」のMって何の略称やねん、ナンチューのんも、謎解きの1つとして持ってきてはります。

ちなみに、Mはマッカーサーの略やありまへんので、みなはん、見もって推理しておくんなはれ。

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各役者陣が、役者のキャリアをかんがみながらも、絶妙に近いキャスティングぶりどしたえ。

実はボクチン、試写室では「許されざる者」(8月25日付けで分析済み)と本作の2本立てで見たんやけど、共に出てはる佐藤浩市アニキの演技の、振り幅にゾッコンになりよりました。

森山未來アニキ。ヤマ場の国連での熱き演説ぶりなど、「助けてくださーい」てゆうてはった「セカチュウ」の頃より、随分レベル・アップしてはります。

森山アニの演技的には、バカやってた「モテキ」「苦役列車」(共に弊ブログ内検索)と、真逆の同レベル・ラインとも思えましたがな。

また、SMAPの香取慎吾ちゃんや、観月ありさネーさんも、過去最高の演技ぶりやし、

演技派オダギリ ジョー、御大・仲代達矢はんの熟成の演技やらに、胸キュンになりまっせー。

さらに、韓国からはユ・ジテ、アメリカからはヴィンセント・ギャロが参加しはりました。

共に、ネタ部に関わる重要な演技を、マイペースで披露してはります。

ちゅうことで、DVD化されとる「日輪の遺産」を予習として、本作を見に行くんが、ベスト鑑賞法やと思います。

2013年9月21日 (土)

長澤まさみ&岡田将生「潔く柔く きよくやわく」⇒週末日本映画劇場2

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まさみチャン・ファンも岡田マサキ・ファンも、どっちゃも大満足の、ラブ・ストーリーでおます

高校学園ものから、現代のオトナな恋愛へと紡ぐスタイルが、素晴らしおまっせー

http://www.kiyoku-yawaku.com

10月26日のサタデーから、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーやらかしまっせ。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「潔く柔く」製作委員会Ⓒいくえみ綾/集英社

東宝のシンデレラ女優、長澤まさみチャンが、久々に東宝作品でスクリーンに帰ってまいりましたで。

まさみチャン・ファンには、メッチャこたえられへん作品となりました。

そんなまさみチャンの、マイ・ベスト&カルトスリーをば披露いたします。

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●ベスト⇒①本作②世界の中心で、愛をさけぶ(2004年製作)③モテキ(弊ブログ内検索で出ます)

●カルト⇒①タッチ(2005年)②ロボコン(2003年)③涙(なだ)そうそう(2006年)

●まさみチャンは、今やネーさんになってはるけど、学園ものとしてのセーラー服姿が、いつまでも似合いそうなキャラを持ってはります。

こういうキャラは、かつての邦画では、吉永小百合くらいで、今やありまへんやろな。

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ベスト②を始め、カルト①②③。ほんで、本作でも過去シーンとして、セーラー服姿で魅せはります。

でもしか、最近では、ベスト③のように、大人な世界でラブ・ストーリーの綾を見せる映画でも、魅了してくれてはります。

ベスト③の男をもてあそぶ系やなく、本作では、トラウマのある複雑系をやってはります。

いわゆる、演技力が試される作品でおます。ほんで、それに見事に応えてはりました。

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片や、大人になってのお相手役となる、岡田将生(マサキ)アニキ。

彼のマイ・ベスト&カルト・スリーも、やってみよりました。

●ベスト⇒①天然コケッコー(2007年)②アントキノイノチ③悪人③告白(②位以下は、全て弊ブログ内検索)

●カルト⇒①本作②雷桜③宇宙兄弟(②位以下、弊ブログ内検索)

●ベスト①を除き、ほとんどが全国イッセー系の映画どして、本作を除き、全てDVD化されておます。

中でも、本作はカルトにしたけど、彼の作品としては、ベスト②と並び、最も好感度の高い演技ぶりどした。

本作を見て岡田ファンになる人も、いっぱいいてはることでおましょう。

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さてはて、2人共にトラウマを持ってはる設定どす。

まさみチャンの場合は、高校時代に男女2人組4人でつるんで、よう遊んではりました。

高良健吾と中村蒼の各アニキと波瑠ちゃん。みんな、学園もんに似合う演技ぶりどす。

しかも、地方ロケ映画どして、福山やら愛媛のあたりにロケしはりました。

このあたりのノリは、大林宣彦監督の「時をかける少女」(1983年)とかを、思い出させてくれはります。

でもしか、まさみチャンのせいで(ホンマのとこはそうやないし、本人の単なる不注意なんやけど)、高良クンが交通事故で死んだナンチューことになり、

それ以来、4人の関係は破局し、バラバラになります。

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片や、岡田将生サイド。

小学校の時代に、慕われとったけど本人は迷惑しとった少女が、彼のせいで交通事故に遭って、死んでしまいました。

ほんで、少女の家族たちから、非難されるんやなく、少女が愛した男として、いつまでもしつこく関わってきはります。

共に、大したトラウマとちゃうやん!なとこもあるかもしれへんけど、現実的には、そういうもんがトラウマになるんやろな、たぶん。

そんな2人が社会人になってでんな、バーで出会うちゅうことに相なりまんねん。

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まさみチャンは映画宣伝会社に勤めてはって、「ハニー・アンド・ミー」ナンチュー映画の、宣伝をやってはるところ。

片や、岡田アニキは、バリバリのマンガ雑誌編集者や。

メッチャ酔っ払ってはる岡田アニと、まさみチャンの出会いシーンは、ユニークでオモロかったで。

でもって、2人は徐々にココロを通い合わせて、お互いのトラウマに向かい合い、でもって…チュウ展開や。

ちなみに、写真の1枚目が、ラストシーンのカットどす。つまり、2人は…。

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日本のラブ・ストーリーとして、出色の仕上がりやと思いました。

今秋公開の「陽だまりの彼女」(9月7日付けで分析)と肩を並べるような、見ごたえある恋愛映画どした。

各人の親たちは一切描かないとゆう、かつて一世風靡したテレビのトレンディー・ドラマなとこも、ボク的にはウーン…、こりゃ恋愛に集中しとんなと思って、好感どしたやろか。

さわやかな感動が待ってる、娯楽恋愛映画なんどすえ~。

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2013年9月20日 (金)

福山雅治主演「そして父になる」⇒週末日本映画劇場1

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福山クン・尾野真千子ネー&リリー・フランキーのアニキ&真木よう子ネー

4人のアンサンブルと、コドモたちの演技が、絶妙なハーモニーと感動を奏でまっせー

http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp

9月24日~27日に先行上映。ほんで、9月28日の土曜日から、全国ロードショー。

関西やったら、大阪ステーションシティシネマ、梅田ブルク7やらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「そして父になる」製作委員会

世界3大映画祭(2月のベルリン・5月のカンヌ・9月のヴェネチア)の1つ、カンヌ国際映画祭で「審査員賞」を、めでたく受賞しはった作品どす。

 

えらい話題になりましたわな。

 

ボクチン的には、え~なんで~、カンヌの3等賞受賞で、1等賞のパルム・ドールやないのに…。

 

いやはや、そんなん決まってますやん。福山クン主演やもん。

 

福山雅治主演やなかったら、本作はほとんど話題になっていなかったことやろと、ボクは断言します。

 

でもしか、本作は、是枝裕和監督のファンやった福山クンからの、監督へのアプローチから始まったらしいどす。

 

さてはて、カンヌでの審査の具合やけど、審査委員長のスピルバーグ監督は、受賞レベルやと判断しはりました。

 

審査委員でもあるニコール・キッドマンは、最後の1時間は涙が止まらなかったらしいどす。

 

ほんで、今回の審査委員には、日本から河瀬直美監督が入ってはりました。

 

何らかの賞をもらえる下地、あるいは前評判はあったんやろうけど、ボクの不満は、何で本作は、1等賞やなかったんかにありました。

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みなはん、カンヌやゆうても、一般大衆的には、よう分からへんかもしれまへん。

 

そこで、日本映画の過去のカンヌでの受賞作(1等賞から部門賞まで含む)の、マイ・ベスト&カルト・ファイブを披露してみました。どんなんがあるんか、興味深いやろ。

 

●ベスト⇒①うなぎ(1997年製作)②影武者(1980年)③切腹(1962年)④本作⑤ユリイカ(2000年)⑤死の棘(1990年)

 

●カルト⇒①怪談(1964年)②地獄門(1953年)③砂の女(1964年)④マザー(1999年)⑤萌の朱雀(1997年)

 

●是枝監督の「誰も知らない」(2004年)や、カルト⑤の河瀬直美監督の「殯(もが)りの森」(2007年)、

 

市川崑監督の「おとうと」(1960年)「東京オリンピック」(1965年)「鍵」(1959年)なんぞも、ハズしがたかったけども、

 

芸術映画のカンヌのイメージは強いけども、邦画歴代興収1位とも言えなくはない「東京オリンピック」など、売れる作品もありました。

 

そして、家族ドラマの意外な健闘ぶりが、目に付いてきよります。

 

最高賞をゲットした、今村昌平監督の「楢山節考」(1983年)や、部門賞受賞の「黒い雨」(1989年)は外しましたが、

 

家族ドラマ映画としては、本作は万国に通じる、出色の仕上がりになっておるんやないかと思います。

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小津安二郎監督的家族ドラマちゅう、海外評がござります。

 

でもしか、小津安や山田洋次らの松竹系家族ドラマとは、一線を画した家族映画やと思います。いわゆる変形ものどすか。

 

生まれた赤ん坊の取り違え事件なんて、今の世の中ではありえへんけど、これが人為的になされた場合は、そうもいきまへん。

 

伊坂幸太郎原作映画「ポテチ」(2012年・弊ブログ内検索)やらでこの素材はあったし、変形ものとしては、同じく伊坂の「重力ピエロ」(2009年)なんぞも、その範疇に入るもんどした。

 

さてはて、演技陣に目を振り向けますと、やはりNHKの大河や朝ドラで、注目を浴びた3人に目がいったりします。

 

福山クンは「真夏の方程式」(弊ブログ内検索で出ます)に続く、コドモ、しかも我が子との交流やけど、イロイロ細かくステップを踏んで、ラストの感動へと持っていってはります。

 

ガリレオ探偵とは全然違う、ヒューマンな福山クンがここにいてはります。

 

ほんで、尾野真千子のネーさん。河瀬監督の受賞2作品にも出てはったんで、ある意味でカンヌ女優とも、言えなくはありまへん。

 

朝ドラ「カーネーション」のイメージとは違って、ソフィスケート。でも、福山クンとの夫婦ゲンカでは、強烈なセリフを言わはります。「クライマーズ・ハイ」(2008年)で魅せた女記者役の、攻撃的演技に近いやろか。

 

一方において、真木よう子ネー(大河「龍馬伝」では、龍馬・福山クンのヨメはん役どした)と、リリー・フランキーの夫婦役のやり取りや発言は、本作にはなくてはならない、シニカルチックやけど、コメディ・リリーフな会話やセリフになっとりました。

 

この2人でなかったら、どないな深刻な映画になっとったか、分かりまへんで。

 

バイ・プレーヤーたちの層も、メッチャ厚い。

来年のアカデミー賞外国語映画賞の、日本代表に選ばれるのは、確定に近いやろな。

 

期待されていなかった「おくりびと」(2009年)に対して、本作は…大いに期待されそうやんか、どう見てもな。

 

プレッシャーはあるやろけど、スピルバーグはんはモチ、泣いたニコール・キッドマンはんも、一票入れたってや。頼んまっせ~。

 

(でもしか、今年の代表作は、弊ブログ内検索で出ます「舟を編む」に決まりました。となると、さ来年の対象作になるんやろか。ウーン…)

 

とゆうことで、是枝監督の、過去最大のヒットになるんは、間違いありまへん傑作どした。

 

ちゅうことで、ほな、サイ、ナラ~。

 

 

2013年9月19日 (木)

「ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅」⇒中華映画の傑作

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紅一点3人組と、シルヴィア・チャンのキズナやらを描く

若手のファン・ビンビンちゃんや、チェン・ボーリン君の好感あふれる演技に注目!

http://www.buddha-mountain.com/

9月28日のサタデーから、オリオフィルムズとキノ・キネマの共同配給にて、ユーロスペース、K's cinemaやらで、全国漸次のロードショー。

関西やったら、11月9日からシネ・ヌーヴォ、第七藝術劇場やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸLAUREL FILMS

若手の紅一点3人組と、息子を地震で亡くしたおばはんの、交流を描く映画。

ナンチューたら、若手と年寄りのキズナっちゅう、ありきたりな展開になりそうやけど、でもしか、本作はポイントは少々違っておました。

ベタには交流はしはりまへんし、若手3人の話をメインに、タイトに進行しはります。

さらに、終始手持ちカメラによる撮影で、3D体験なくらいに、臨場感は秀逸どす。

その種の臨場ものに慣れない方へも、分かりやすく訴求する出来やと思います。

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出てはる役者はんについて…。

みなはん、中華圏の役者はんには、興味はありまっしゃろか。

本作は日本では有名な方やないけども、中華圏ではそれなりに有名な、若手の演技者たちを主演に、バッテキしてはります。

男女俳優2人について、分析してみよりますと…。

まずは、女優。ファン・ビンビンちゃん。ビンビンと、どこかを刺激するような名前やけど、メッチャ正統派どす。

弊ブログでは、彼女出演の何作かについて、分析しとりますんで、彼女の名前を入れて、ブログ内検索してもろたら、出てまいります。

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ついつい長澤まさみチャンやらと、ボク的には比較してみたりしよるんやけど、ビンビンちゃんの方が、演技幅は広いけど、

でも、まさみチャンより上とゆうような気は、ボクはしまへんどした。

ただ、自然体をどのように演技に、活かせるのかとゆう点においては、上かもしれまへん。

これは凄いな~ちゅうような、舌を巻く演技ぶりやないけども、好感は呼びます。

彼氏とのラブ・ストーリー部の掘り下げが、今一つのような気はしたけれども、キス・シーンでは、大いに嫉妬を覚えるような、作りではあったやろか。

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そんな彼氏役のチェン・ボーリン君。

台湾出身なんで、金城武アニキと比較考察できるんやけど、演技としては、さほど突出はしてへんけど、

ビンビンちゃんのサポート役に甘んじるんやなく、わがオリジンなとこで、魅せてくれはりましたやろか。

太っちょと言われる仲間を、間に入れた3人組とゆう造形は、少しわざとらしさがあったけど、

でも、それが名優シルヴィア・チャンを、大家おばはん役で、彼らと絡ませることによって、微妙な効果がありました。

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紅一点もの3人以上グループものについて、いつかは論じてみたいとは思うものの、

本作は、決して3人組でないといかんとゆうとこは、ありまへんどした。

3人組ドラマ映画の、セオリー・ラインにある点もあるけども、

但し、孤独なヒロイン・ドラマとのかみ合いによって、新味をにじませるあたりには、ウーンとうなずけましたやろか。

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タバコ、スパスパのシーンなど、「風立ちぬ」(弊ブログ内検索で出ます)などで、今どきアホらしく問題化されとる、タバコ吸いシーンが頻出するんは、ある種痛快やったかな。

現実的に、受動喫煙もないのに、何をゆうてはんのやろかな。タバコ吸いシーンは、映画の隠し味でもあります。タバコを吸うシーンが出てきよる映画は、映画全体の半分近くありまっしゃろ。

さてはて、京劇とパソコンとゆう、アナログとデジタルの会話なども、現代と過去を、セリフでシンクロさせはって面白い。

サントラとしての、鍵盤楽器の持ち味を生かした、3人のデート・ダイジェスト・シーンの流暢なカットなどに痺れるし、

緑の自然シーンをバックにした、ラストのエピソードの創出など、リフレインして見たくなるような仕上げぶりどした。

ナニワともあれ、必見どすえ~。

2013年9月18日 (水)

「ティファニーで朝食を」⇒「スクリーン・ビューティーズVol.1 オードリー・ヘプバーン」

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高画質デジタル・リマスター版で、リバイバルされまっせー

オードリーが最もおバカやってもうた、ラブコメの最高傑作や~

http://www.screenbeauties.com

9月28日のサタデーから3週間限定で、マーメイドフィルムはんの配給によりまして、新宿ピカデリー、大阪・なんばパークスシネマ、MOVIX京都やらで上映でおます。

本作は、1961年製作のアメリカ映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸCopyrightⒸ1961 by Paramount Pictures Corporation and Jurow-Shephend Productions. All Rights Reserved.

昨日の「麗しのサブリナ」(1954年製作・アメリカ映画)に続き、オードリー・ヘプバーンのネーさんは、なんぼのもんやねんを、探ってみよりました。

いやはや、この本作はヤッパ、ウルトラ級におバカやってるなーと思いまっせ。

同時代の、マリリン・モンローのネーさんとはモチ、十二分に張り合える出来やし、最近のキャメロン・ディアスやらと比べても、下ネタがないくらいで、同等、いや、それ以上のトンデル節どすえ。

のべつまくなしに、何やら喋ってはります。何ゆうてんのかなと、耳をスマしてリッスン・トゥーしてみますと、なんのことはない。アホな話どした。

金持ちのベストテンとか、脱税で捕まった富豪に、シンシン刑務所まで面会に行ってヨイショしたり、それでいて、ティファニー好きやけど、アパートメントでは、野良猫のドラネコを飼ってて…。

ほんで、同じアパートに住んではる、若手の作家のとこへ行って、無防備にベッド近くまで押し入って、ダベリング。

常に酒に酔ってはるような喋り方やし、寄せ集めのアパート・パーティーでは、ハチャメチャぶりを披露。しょっちゅうタバコ、スパスパ、あたし、NYがスキやねんやなんて、おいおい、何ゆうてんのんやで~。

素晴らしきおバカぶり。コレはどのような女優にも超えられない、ワン・アンド・オンリーな演技ぶりどすえ~。

でもしか、本作はオードリーのための映画どした。コレがオードリーの、真骨頂なんどすえ~。

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さてはて、話題のサントラ部を見てみまひょか。

アカデミー賞の作曲賞・主題歌賞に輝いてはる、ヘンリー・マンシーニのアニキの「ムーン・リバー」やけど、

グラミー賞でもレコード・オブ・ジ・イヤー(最優秀レコード賞)をゲットした、シングルのフル・オーケストラ・バージョンは、本編では流れまへん。

ホンマに弾いてへんような、ギター・バージョンでのオードリーの歌とか、スルーするような感じで、一部が流れたりしよりますが、

この映画は音楽映画やないんで、この種の使い方は、別に悪いっちゅうことやありまへん。

音楽はアイポッドやCDで聴くべしの向きには、2枚目のジャケット写真のサントラを、お買い上げくだされませ~。

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さて、お次の標的は、原作者と監督どすやろか。

「カポーティ」(2007年・アメリカ)のタイトルで、自身映画にもなった原作者の、トルーマン・カポーティてゆうたら、ノンフィクション・タッチの小説「冷血」の映画化(1967年・アメリカ)やらや、映画の脚本で有名なんやけど、本作の原作小説は、メッチャ軽いノリで、作家の多彩感を示さはります。

ほんで、本作のブレイク・エドワーズ監督や。

刑事コメディもの「ピンク・パンサー」シリーズ(1964年~1993年・全7作・アメリカ)で、一世を風靡しはった監督やけど、

本作と、夫妻揃ってアル中生活をする「酒とバラの日々」(1962年・アメリカ)が、ボク的には2大ケッサクどす。

でもって、本作は、ラブコメ映画の史上ベストテンには、必ず入るハズの名作やと、ジャッジいたします。

オードリーのファンの方も、今一度、ご覧くだされまし!

2013年9月17日 (火)

「麗しのサブリナ」⇒「スクリーン・ビューティーズVol.1 オードリー・ヘプバーン」

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デジタル・リマスター版で、オードリーの作品がビビッドに

「ローマの休日」と比肩する、コメディエンヌぶりが嬉しいお茶目な傑作や

http://www.screenbeauties.com

9月28日のサタデーから、マーメイドフィルムはんの配給によりまして、関西やったら、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、MOVIXココエあまんがさき、MOVIX橿原やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸCopyrightⒸ1961 by Paramount Pictures Corporation and Jurow-Shepherd Productions. All Rights Reserved.

ちゅうことで、オードリー・ヘプバーンのネーさんの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露さしてもらいます。

ちなみに、ネーさんの作品の全てを見てまへんので、ご了解くだされまし。

●ベスト⇒①ローマの休日(1953年製作・アメリカ映画・以下の引用は、指定以外は全てアメリカ映画)②本作(1954年)③暗くなるまで待って(1967年)

●カルト⇒①ティファニーで朝食を(1961年)②マイ・フェア・レディ(1964年)③シャレード(1963年)

●ベスト①のように、コメディエンヌなお茶目ぶりと、ラブ・ストーリーの大マジ部が、見事に融合したような作品。それが、オードリーネーさんの真骨頂やないやろか。

モチ、サスペンスフルな作品ベスト③や、ファッショナブルなサスペンスのカルト③や「おしゃれ泥棒」(1966年)など、サスペンス映画でも、ハラハラドッキドッキをやってはるし、

ミュージカルのカルト②から、「昼下りの情事」(1957年)などの不倫ものまで、多彩なカンジはあります。

シリアスもん「噂の二人」(1961年)なんぞに加え、ロシア舞台の「戦争と平和」(1956年)など、海外を舞台にしたアメリカ映画でも異彩を放ってはります。

彼女はベルギー出身なんやけど、ベルギー出身ヒロインを演じた「尼僧物語」(1959年)なんぞもエエ感じどした。

でもヤッパ、オードリーネーさんのベース・ラインは、コメディエンヌなんやないやろか、ちゅうボク的結論でおます。

ベスト①は今回の特集上映では上映されへんけども、本作とカルト①がリマスター上映されるんは、特注もんやと思います。

明日はカルト①について論じますが、今日は本作でおます。

兄役ハンフリー・ボガートのアニキと弟役ウィリアム・ホールデンに、富豪の彼らに仕えた運転手の娘役でオードリーネーが出て、いわゆる往年のハリウッド恋愛映画に多いところの、三角関係ラブなるもんが形成され、醸成されてまいります。

パリ舞台もんにも出演してはる彼女は、パリの料理学校で学んでるシーンもあるし、「私は死にます」なんて平静な感じで遺書を綴ったり、車内でガス自殺を試みるシーンでさえも、お茶目開眼っちゅう感じどした。

一方で「私の人生はバラ色」なんて公言し、「バナナはありません」ナンチュー変な歌を聞きもって、クルージングしたり、魅力的なアップ・シーンを含め、ネーさんの魅力が全開しとります。

ハンフリー・ボガートとの共演では、イングリッド・バーグマンに「君の瞳に乾杯!」なんてやった、アノ「カサブランカ」(1942年)みたいなカットにも見えんこともない、写真などのシーンにもご期待あれでおます。

巨匠ビリー・ワイルダー監督作としては、コメディエンヌとしての、マリリン・モンローを押し出した「七年目の浮気」(1955年)と、肩を並べる傑作やと、ボクはジャッジいたします。

2013年9月16日 (月)

「ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区」⇒ユーロ映画の傑作

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ポルトガル映画の集大成的な傑作どす

4人の巨匠監督による、渾身のオムニバス映画

http://www.guimaraes-movie.jp

9月21日の土曜日から、ロングライドはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国順次のロードショーでおます。

東京は9月14日から上映中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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さてはて、オムニバス映画ちゅうのんは、監督の競演、もしくは1監督の、バラエティー感を示す点において、多彩なとこも見えたりしよるけど、

生涯ベストテンとかの、選抜名作とゆうポイントでは、あんましチョイスされることは少のうおます。

けども、ボクチンは、マイ・ベストを、恐れ多いながらも手前勝手に、披露してみますで。

でもって、20世紀と21世紀に分けて、ベスト・スリーを披露いたします。

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●20世紀ベスト⇒①ボッカチオ'70(1962年製作・イタリア&フランス合作)②ベトナムから遠く離れて(1968年・フランス)③夢(1990年・日本)

●21世紀ベスト⇒①本作②10ミニッツ・オールダー(2002年・ドイツ&イギリス)③いぬのえいが(2004年・日本)

●この種の短編オムニバスちゅうのんは、社会派とゆうのんが、それなりに多いように思われます。

ベトナム戦争の20ベスト②や、9.11の21ベスト②やらどすけども、1つのテーマに沿って描かれる映画でも、面白きもんがケッコーござります。

夢やら犬などに加え、町とゆうもんもあります。

一方においては、監督の腕比べをやってみるっちゅうタイプ。例えば、20のベスト①は、そのものズバリどす。

3
でもって、本作も、そんな監督同士が競い合う、コラボレートとなった1本やと申せましょう。

スペインの町ギマランイスを舞台に、4人の監督が撮らはったオムニバスどす。

4
まず、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督は、従来の作品にも多かった、セリフのない寡黙な主人公を描きつつも、

音楽映画としての粋を奏でる傑作どす。

スパニッシュな歌ものをメインにして、孤独なバーテンダーの話を、実に渋いもんにしてはりました。

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続いては、ポルトガル出身のペドロ・コスタ監督。「ヴァンダの部屋」(2000年・ポルトガル&スペイン&フランス)などが、評価の高い監督はん。

エレベーター内での密室劇・会話劇をクリエイト。

さらに続く、「ミツバチのささやき」(1973年・スペイン)が代表傑作の、ビクトル・エリセ監督も、インタビューを中心にした、ドキュメンタリーなお話劇を展開しはります。

会話劇は退屈になったりするけど、本作では、さほどそういうのんは気になりまへん。

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そして、最後のエピソードは、104歳となるマノエル・ド・オリヴェイラ監督がシメはります。

ポルトガルの歴史をナレートしながら、バスの移動撮影で映し、青空やロングショットを絡めつつ、サプライズへ持っていくあたりに、映画ゴコロがありました。

ラストロールで流れてくる、速弾きのピアノ・ソロも、ココロをそそってきよりました。20ベスト②に迫る傑作やと思います。

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2013年9月15日 (日)

松本人志監督作品「R100」⇒週末日本映画劇場3

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松本人志監督マッちゃんいわく、メチャクチャな映画でおます

でも、「2001年宇宙の旅」に勝るとも劣らない、意味不明ぶりが鮮烈な仕上げどす

http://www.r-100.com

10月5日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、梅田ブルク7ほかで全国ロードショーやー。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ吉本興業株式会社

松本人志アニキ監督の第4弾やけど、監督がゆうてるらしいけど、メチャクチャな映画を目指さはったらしいどす。

ほんでもって、その意図は100パーセントに近いくらい、達成されておました。アラマ・ポテチン(ビックリ)や~。

そのベースにあるんは、SM映画どす。

サラリーマンがいろんなSMを楽しむためにでんな、穴場のとこを探して行って、1年間限定の会員にならはりまんねん。

ところがどっこい、向こうの規定では、いつなんどき、SM嬢が現れるか分からへんシチュエートでおま。

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この多彩なSM嬢たちの、トンデモ・プレイが、本作の大いなる、密かな愉しみになっとります。

冒頭から、さっそく冨永愛ネーさんが、喫茶店で主人公役・大森南朋アニキに、キレある蹴りを、一発披露しはります。

ほんで、SMてゆうても、多彩なカンジでやってくれはるんで、それぞれがアクション・エンタの面白さを、見せる展開となっとるんどす。

正統系SMプレイの大地真央ネー。主人公の会社のトイレにいきなり現れて、ムチ・プレイで大暴れしはる、寺島しのぶネー。

大森アニとは映画では、「ヴァイブレータ」(2003年製作)に続く絡み合いどした。

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スシ店に現れた佐藤江梨子ネーは、主人公の食うスシを次々に手で、ぶっ潰してゆかはります。

飲み込み系の片桐はいりネー。さらに特注は、唾吐きの名手・渡辺直美アネの、トンデモ・コミカルあふれるシーンどす。

本人が死んでまうとこまでいくんやけど、SMプレイ・シーンのハイライトとゆうても、エエくらいのオモロイ・シークエンスどしたえ。

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さてはて、ボクが最もスゴイと思ったとこは、まずは、SMものと家族ドラマ部を、融合調和は別にして、混成しはったところ。

ほんで、「花と蛇」や「肉体の門」などの、シリアスなSM系入りの作品を、コミカル・モードでヤッテはるとこどした。

共に、かつての作品にはないテイストでおます。

そして、マッちゃんの映画作家性なところが、過去3作品以上に表現された作品になっとりました。

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少し脱色したような色使いで、最初から最後まで貫かれておます。この色使いは、シュールな作りの作品には打ってつけどす。

ネタ部となるところでは、3分近い長回し撮影で。ちゅうか、こういう入れ子細工な作りとゆうのんは、最近ではあんましありまへん。

主人公と女たちが対決する、クライマックスの造形ぶり。

そして、その後のフラッシュを多用した、印象深い着地ぶり。

ストップ・モーションやスロー・モーションの使い方も、妙味がありましたやろか。

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サントラ使いも多彩どした。ベートーベンのクラシックから、往年のカヨー曲まで、変幻自在。

ギター・ソロ、ファンキーなタッチ、ピアノ、弦楽など、シーンに合わせた使い方にはグッときました。

中でも、ボクが最もココロに残ったんは、カーチェイス・シーンで流れた、ダウンタウンブギウギバンドの16ビート・ポップ「サクセス」どしたやろか。

マッちゃんの趣味も反映しとるやろけど、絶妙なサントラ使いにも、ココロ躍る仕上がりぶりどしたえ~。

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2013年9月14日 (土)

壇蜜主演「甘い鞭」⇒週末日本映画劇場2

1
壇蜜ネーさん主演映画の第2弾や~

「私の奴隷になりなさい」よりも、シリアス&ヤラシー度がアップしました

http://www.amai-muchi.jp

9月21日の土曜日から、角川書店はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。本作は「R-18」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「甘い鞭」製作委員会

今はない日活ロマンポルノやらの、ヤラシー系の映画は今もなお、現在進行形でおます。

ヤラシー系に加え、映画作家性を示す映画とゆうのんは、恒常的に出てきてるかと思います。

壇蜜ネーさんが主演どす。

今年、突然炎のごとくのように、ブレイクしはったけども、「私の奴隷になりなさい」(弊ブログ内検索で出ます)以上に、複雑系を増してはります。

モチ、ヤラシー度はアップ。ヒップ・ラインの素晴らしさは、今回も健在で、ウーンときましたで。

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でもしか、本作では、過去のエピソードと現在を、カットバックするとゆう構成どして、過去シーンは壇蜜ネーとは、別の人がヤッてはります。

拉致・監禁されてもうた一時期が、ヒロインにはありました。

そのトラウマがあってやろか、女医として立派にやってはるのに、サド・マゾの世界に入らはりまんねん。

明日分析の「R100」も、SMがメイン・ソースになっとるんやけど、本作は、日活ロマンポルノや、「花と蛇」(弊ブログ内検索)や「肉体の門」(第1弾は1948年)やらとは違う、ヤラシー感がありました。

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その一番のポイント・ゲッターは、モチ、壇蜜ネーさんやろな。

ヌード・シーンのイロイロは、目が点になるシーンもしばしば。

けども、過去の監禁シーンもまた、ドラマ効果を増さはります(写真5~6枚目)。

監禁の10代少女時代と、現代のシンクロナイズが、絶妙にブレンドしてまいります。

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壇蜜ネーの現在は、女医としてバリバリやってはるけど、でも、オカンは不治の病の中にあり、夜には、サドマゾのバイトをやってはります。

なんで女医なんかも、示されるけど、セクシー複雑系のこの演技をば、壇蜜ネーはまことしやかにヤラはり、

ほんで、記憶に残るような演技ぶりやったと、ボクは思います。

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監禁系映画は「飼育の部屋」シリーズ(第1弾は2002年)やら、「コレクター」(1965年・アメリカ)「模倣犯」(2002年)など、

イロイロあるけど、本作では、それが過去になっとるとゆうとこがあります。

でも、そんな過去と現在をつなぐ映画としては、絶品の仕上がりやったどす。

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タンゴ調、オーケストラなサントラ使いなどにも、シーンに合わせて流れて、ボクはホレました。

石井隆監督作品どす。

彼のヌードなポルノ作品には、定評がありますけども、本作は、芸術性は控えめにして、ポピュラリズムのある作品になっとったかと思います。

石井作品の傑作「ヌードの夜」(1993年)に迫る傑作どした。近作の流れとも呼応しとります。

ちゅうことで、映画館でヤラシー感を味わってみましょうや。

2013年9月13日 (金)

「男子高校生の日常」⇒週末日本映画劇場1

1
草食系の非モテ男子たちを描く、高校学園ものでおます

コミック原作系の映画としても、なるほどな~ちゅう仕上げ

http://www.dannichi-movie.com

10月12日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田やらで、全国ロードショーでおます。

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Ⓒ2013 山内泰延/スクウェアエニックス・映画『男子高校生の日常』製作委員会

コミック原作の実写ものでいくか、ストレートに高校学園もの映画でゆくか、

それが問題やーっちゅう、ハムレットなこともないんやけど、

高校ものの邦画の、マイ・ベスト&カルト・ファイブをば披露さしてもらいます。

タイトル数があまりにも多いんで、いつもの3本指やなく、5本指といたしました。

●ベスト⇒①青い山脈(1949年製作)②台風クラブ(1984年)③時をかける少女(1983年)④桐島、部活やめるってよ(弊ブログ内検索で出ます)⑤リンダ リンダ リンダ(2005年)⑤スウィングガールズ(2004年)⑤がんばっていきまっしょい(1998年)

●カルト⇒①本作②桜蘭高校ホストクラブ(弊ブログ内検索)③嗚呼、花の応援団(1976年)④ビー・バップ・ハイスクール(1985年)⑤スケバン刑事(1987年)

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小中高大の中で、学生映画で最も多い邦画は、高校学園もんやろかと思います。

ベスト⑤に3作も同率で入れてしもて、スンマセンやけど、それだけ邦画を代表するような傑作が、メッチャ多いジャンルなんでおますよ。

ほんでもって、本作の位置づけとなるとでんな、ヤッパ、カルトやろっちゅう、自己判断でおます。

ストレートで正統派な、学園群像劇を示すところのベスト作品に対して、カルト作品は、ユニークなとこを捉えて楽しませるとゆう、共通項がござります。

応援団、不良、スケバンなどの、その時々の時代テイストを、大胆に取り入れたカルト③④⑤。

ほんで、現代の草食男子系を、取り込んだカルト①②でおます。

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そんなヤワな男子たちだけを描くんやなく、それと対比するように、女子たちの今どきぶりも、男子と同等に近いカタチで描かれてまいります。

その対比ぶりの面白さが、本作のキモ・ポイントにもなっとります。

とりわけ注目の役者はんは、主人公役の菅田将暉(すだ・まさき)クンや。

草食系に似合った演技ぶりが特注どして、「王様とボク」(弊ブログ内検索)では、その代表型演技を披露しはりました。

「陽だまりの彼女」(9月7日付けで分析)では、松本潤の弟役でフリーター役やったけど、本作とも通じる役柄やったかと思います。

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ユニークな傑作「アフロ田中」(弊ブログ内検索)の、松居大悟のアニキの監督作品どす。

ダラダラ・フワフワ、でもしか、ポイント・ポイントでは、映画的なとこを示すとゆう、「アフロ田中」と同じようなスタイルで、本作を撮ってはったかと思います。

アップ・シーンを控えめにして、映画的ロングショットがキレておました。

ギター・バンド・サウンドをバックにしながらも、ポストAKB48を狙ってる「チームしゃちほこ」を、クライマックスで大胆にフィーチュアするとこなんぞは、冒険かもしれへんけど良かったどす。

「ももいろクローバーZ」も、こうゆう映画から出てきたことを考えると、なるほどな、なカンジやろか。

打ち込み系の8ビート・ダンス・ポップ「マジ感謝」とゆう曲。

AKB48の曲と比べても、キャッチー度はおんなじくらいなんどすえ。

でもしか、映画もキャッチーなんで、みんなで見に行ってみまひょか。

2013年9月12日 (木)

「パッション」⇒ブライアン・デ・パルマ監督のサスペンス・ミステリー

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レイチェル・マクアダムス、ノオミ・ラパス、プラス、カロリーネ・ヘルフルトの演技バーサスが、強烈な映画どす

デ・パルマ作品でも、21世紀の最高傑作や~

http://www.passion-movie.jp

10月4日のフライデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんばやらで、ロードショーでおます。

フランス&ドイツ合作の本作は、「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 SBS PRODUCTIONS-INTEGRAL FILM-FRANCE 2 CINEMAで

ブライアン・デ・パルマ監督の本作は、「ブラック・ダリア」(2006年製作・アメリカ映画・以下は指定以外はアメリカ)を超越して、

監督の21世紀の私的最高ケッサクに、なったかと思いよります。

さて、ここでいつもの、監督のマイ・ベスト&カルト・ファイブをば披露いたします。

●ベスト⇒①アンタッチャブル(1987年・アメリカ)②殺しのドレス(1980年)③本作④キャリー(1976年)⑤スカーフェイス(1983年)⑤ブラック・ダリア(2006年)

●カルト⇒①ファントム・オブ・パラダイス(1974年)②リダクテッド 真実の瞬間(2007年)③ファム・ファタール(2002年)④ミッション:インポッシブル(1996年)⑤フューリー(1978年)⑤ミッドナイトクロス(1981年)

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●アルフレッド・ヒッチコック(愛称ヒッチと呼ばれとりま)監督作品ちゅうのんは、サスペンス映画のブランドやけど、

デ・パルマはんてゆうたら、モロにヒッチ直系の影響を受けてはります。

上記作品のほぼ全てに、ヒッチ作品からの影響が、見え隠れしておます。

本作をベスト③にしたんは、モチ、21世紀的には監督のベストワンやけど、

その作り込みとハラハラドキドキぶりには、驚き桃の木(←古いで~)どしたやろか。

「ワーキング・ガール」(1988年)やら、「プラダを着た悪魔」(2007年)やらのノリで、展開してゆく前半部。

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でもしか、後半からは、本格ミステリーのノリで、どんでん返しを、トリプルでやってまうとゆう、技巧派ぶりをば示さはりまんねん。

ベスト②④と勝るとも劣らない、トンデモ・サプライズが披露されてまいるんどす。

いやはや、久々にデ・パルマの強烈な一発を見た思いどした。

1970年代頃には結構、披露していた長回し撮影は、すっかり影をひそめてはったけども、

バレエ・コンサート・シーンと、殺人事件に関わるシーンの、2分割同時進行カットを使って、後半はホンマ、犯人当てミステリーの粋で魅せる、シーンの連続でおました。

迷宮をポイントにしたような、女優陣の、煙に巻く演技ぶりに、心地よく騙されるような、具合にもなっとります。

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みなはん、よう知らん人もいてはるやろけど、まずはレイチェル・マクアダムスのネーさん(写真4・5枚目)。

フツーやったら、好感度の高そうな表情ぶりで、悪女ぶりを示すとゆうのんは、相当難易度の高い演技やと思うんやけど、

レイチェルはんは当たり前のように、自然体でクリアーしてはります。ある意味ではオトロシー演技どす。

ほんで、ヤラレて仕返しする側のノオミ・ラパスのネーさん(写真3枚目)。

「ドラゴン・タトゥーの女」(弊ブログ内検索で出ます)の基となった「ミレニアム」シリーズ(2009年・スウェーデン・弊ブログ内検索)での、演技の延長線上やけども、

無表情・不機嫌な演技を、終始キープしはり、ほんで、重要シーンでは、不気味な作り笑いの演技を、やるっちゅうやらの、スゴミがござりました。

好感あるドイツ女優のカロリーネ・ヘルフルトちゃん(写真6枚目の右)も、しまいの方では……ナンチュー流れでおましょうか。

ちゅうことで、伏線もあるし、ミステリー部はメッチャ本格派なんで、みなはん、犯人当てに挑戦しておくんなまし。

2013年9月11日 (水)

「ムード・インディゴ うたかたの日々」⇒トンデモ・フレンチ映画

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こんなビョーキ系の、シュールなラブ・ストーリーやなんて、信じられへんわ~

空想科学なワケ分からん設定・エピソードが満載や~

http://www.moodindigo-movie.com

10月12日のサタデーから、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、関西やったら、梅田ブルク7、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 BRIO FILMS-STUDIOCANAL-SCOPE PICTURES-FRANCE 2 CINEMA-HERODIADE

昨日に続くヨーロッパ映画は、フランスから登場どす

1947年に書かれた、SFラブ・ストーリー小説が原作やけど、フランス映画らしい恋愛映画を期待したら、エライ目に遭いますで。

SFはサイエンス・フィクションこと、空想科学でおます。

ほんで、本作は科学な論理性をほとんど排し、空想部がメッチャ突出した作品になっとります。

空想に見合った、シュールでワケ分からんシチュエーションや、小道具やらエピソードやらが、

いっぱいコッテリ、ぎゅう詰め状態になっておます。

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原作と同じ「うたかたの日々」(1968年製作・フランス映画)のタイトルで、1度映画化されておますが、その時の設定以上に、21世紀的バージョン・アップを遂げてはります。

弾けばカクテルが作れるピアノ、作った料理が勝手に動いたり、足の伸びる変なダンス、モルモットを中に置いた、薬のヘンな調合ぶり、心臓えぐり出し棒など、

小道具的なとこにしてからが、目まぐるしく出てまいります。

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基本は2組のラブ・ストーリーを、メインとサブに配置した作りなんやけど、これがどっちも、メッチャな変種でおます。

メイン部は病系の恋愛どす。

肺に睡蓮(スイレン)が咲く病気に、罹ってしもたヨメはんの、治療代を稼ぐために、主人公は銃を栽培する仕事に出はります。

なんて書いたら、ワケ分からんとこが、2つほどありますわな。

そういうなんが、次から次へと、降って湧いたように描かれてまいるんですわ。

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「タイピスト!」(弊ブログ内検索で出ます)の正統系に対し、本作の主人公役では、異能系で魅せてくれはる、ロマン・デュリスのアニキ。

ビョーキにも関わらず、病を感じさせない「アメリ」(2001年・フランス)のような、お茶目感を匂わせる、オドレイ・トトゥのネーさん。スッキやわ~。

フランス映画界で歴史的ヒットをかました「最強のふたり」(弊ブログ内検索)の主演、オマール・シーのアニキも、かの作品での友情節をば、披露したりしはります。

ちゅうことで、フランスの旬な俳優を、キャスティングしてはりますで。

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さてはて、本作はフランス映画らしからぬ映画をば、作り続けてきはったミシェル・ゴンドリー監督作品どす。

本編を紡ぐ、タイプライターを打つ人たちのシーンが、本編の外枠となっとる構成も、挑戦的や。

雨と晴れの境目を、2分割にして描くシーンの面白さ。

火災と水難が同居したような、考えられへんようなエピソード。

ほんで、最後の方では、薄色配色から、徐々にモノクロへと変換しはり、ゴンドリー監督の映画作家性も、遺憾なく発揮してはります。

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監督のこれまでの最高傑作やと、ボクが思とりました、人口に膾炙した、脳内ラブ・ストーリーの「エターナル・サンシャイン」(2004年・アメリカ)を超えたと、ジャッジしたい作品どす。

理屈抜きに、ワケ分からんでも、カンジる映画としての面白さを、味わってみてくだされ。

2013年9月10日 (火)

「ビザンチウム」⇒バンパイア・吸血鬼もん映画のニュー・タイプ

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オンナたちバンパイアの話が、クールに、セクシーに、サクレツや~

「トワイライト」シリーズを超えた、ケッサクどすえ~

http://www.byzantium.jp

9月20日のフライデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給で、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条やらで、全国ロードショー。

本作はイギリス&アイルランド合作による、「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸParallel Films (Byzantium) Limited / Number 9 Films (Byzantium) Limited 2012, All Rights Reserved

食わず嫌いやないんやけど、ボクチンは吸血鬼映画(ゾンビやら狼人間やらも含む)とゆうもんが苦手でおました。

結局、パターン化したモンスター・キャラで見せるだけで、ドラマ的起伏やキャラの斬新さが、期待できへんとこがあります。

まあ、けども、それなりに、見てることは見てるんやけど、コレゾ傑作とゆうのんに、出会わないこともあって、ますますウ~ンな顔しかめ状態やったんやけど、

でもしか、最近は吸血鬼も進化してまいりまして、エエもんが出回り始めておます。

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そこででんな、苦手な吸血鬼映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、大丈夫かいや~と、思いつつ披露いたします。

●ベスト⇒①本作②ぼくのエリ 200歳の少女(スウェーデン映画・弊ブログ内検索で出ます)③渇き(韓国映画・弊ブログ内検索)

●カルト⇒①インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年・アメリカ)②吸血鬼ドラキュラ(1958年・アメリカ)③吸血鬼(1931年・フランス&ドイツ・モノクロ)

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●本作は、ニール・ジョーダン監督の21世紀発表作品の、最高傑作やとジャッジいたします。

20世紀に発表しはった、「ニキータ」(1990年・フランス)に裏アンサーした「クライング・ゲーム」(1992年・イギリス)やら、社会派ヒューマン・ドラマの傑作「マイケル・コリンズ」(1996年・アメリカ)などの傑作と比べても、決して遜色はござりまへん。

しかも、吸血鬼もんの監督作に限定しても、マイ・ベスト&カルトの①位になっとります。

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吸血鬼映画はカルト②や③など、ヨーロッパ映画にルーツがあるっちゅうんは、定説になっとりますが、

でもしか、本作はそのヨーロピアンな、妖しのスタイルを継承しつつも、カブッてなんぼの吸血鬼イメージを、進化さしたテイストでヤッてはります。

大ヒットした「トワイライト」シリーズ(2008年~2012年・アメリカ)の、ラブ・ストーリー部とは違い、よりリアリティーがありまして、

ピュアさで勝負したベスト②より、ヒューマニティーがあるかもしれまへん。

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カルト①のトム・クルーズ主演など、男社会な吸血鬼の世界において、男たちに背を向けた、女バンパイアたちを創出。

しかも、「トワイライト」シリーズの完結編でもあったけど、本格的な母娘設定とゆうのんは、吸血鬼映画史上初やないやろか。

ほんで、野郎吸血鬼どもの追及を逃れて、イギリスのさびれた港町で、ひっそりと2人は生きてゆかはりまんねん。

静と動の演出ぶりが、クッキリはっきりのメリハリ感が強烈や。

アクロバティック、かつセクシャルな演技で魅せる、ボンド・ガールも経験済みの、ヒロインのオカン役ジェマ・アータートンのネーさん。

「アリス・クリードの失踪」(弊ブログ内検索)でも示した、強気でヤラシー感が凄いッス。弱きを助け強きをくじく、吸血鬼にはあるまじき、スーパー・ウーマンぶりにもヤラれます。

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対して、ヒロイン役・娘はん役のシアーシャ・ローナンちゃん。

死にゆく者からしか血を吸わない主義で、弱々しきクールな演技ぶりは「つぐない」(2007年・イギリス)やらの延長線上にあると申せましょう。

シューベルトのオペラチックな「夜と夢」を掛けてのスロー・シーンや、

血が滝のように流れるカットの妖しさなども、目に焼き付くシークエンスどした。

ハリウッドには表現できない、ヨーロピアン吸血鬼最新モードを感じておくんなまし。

2013年9月 9日 (月)

「ロード・オブ・セイラム」⇒ロブ・ゾンビ監督作

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マニアックかB級か、それが問題や~

ワケ分からなさがクセになってまう、ホラー映画どすえ~

http://www.salem.jp/

9月28日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

アメリカ映画の本作は、「R-15」指定映画になっとります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 Alliance Films(UK)Limited, All Rights Reserved.

「ハロウィン」(第1弾は1978年製作・アメリカ映画)を、2007年にリメイクしはった、ロブ・ゾンビ監督による新作でおます。

ホラー映画はホラー映画でも、マニアッキーな1本どす。

マニアックなホラー映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーなんて、マニアックそのもんがカルティックやけど、

恐れつつも思いつくまま気ままに、チョイとやってみよりました。

●ベスト⇒①ジキル博士とハイド氏(1932年・アメリカ)②東海道四谷怪談(1959年・日本)③吸血鬼ドラキュラ(1958年・イギリス)

●カルト⇒①本作②ドラキュリア(2000年・アメリカ)③ウルフ(1994年・アメリカ)

●カルトのカルトとゆうてもエエくらい、本作は狂ってイカレておました。

その意味では、見たら、夢にまで出てきそうな異様なカンジに満ちておます。夜には決して見んといてくだされ、みたいな。

マニアックの源について解説しよりまするに…。

「サイコ」(1960年・アメリカ)以前に発表された、二重人格もんルーツのベスト①。

日本の怪談もんホラーの、最高傑作ベスト②。吸血鬼映画のルーツ的1本のベスト③。

ほんで、カルトに目を向けますと…。

吸血鬼ドラキュラを、ヨーロッパ系で描いたカルト②やら、狼人間の新味を出したカルト③。

ほんでもって、本作は、魔女狩り伝説を、ワケ分からんタッチで、現代に蘇らせる、あるいは、スライドさせるワザにおいて、特注のトンデモ感でおました。

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魔女狩りに関わる映画は、ケッコーあるんやけど、

当時の時代感で描く映画が多く、それを21世紀の現代へと、シフトするんはマレでおましょう。

さてはて、現代において、「リング」(1998年・日本)の呪いのビデオにも似た、

お経のように単調で不気味な音が繰り返される、呪いの歌ナンチューのんが出てまいります。

この音のリフレインは、気色悪かったどすわ。

ほんでもって、それをベースに、占いシーンなどが、クライマックスへの誘導シーンとして、紡がれてまいります。

そして、ヒロインは、過去の火刑の魔女裁判を、夜の夢や夢想で見たりしはります。で、曜日ごとに、徐々にひどくなるとこを示すような作りどす。

つまり、コレはヒロインが、1692年の魔女火刑にかけられた女と、時代を超えてシンクロしてゆくっちゅう、タイムスリップ系のトンデモ・ホラーでおます。

「エクソシスト」(1973年・アメリカ)的な、シンセサイザーによる、不穏なサントラ使いに加え

赤色照明を始めとした、多色の照明使いに、モノクロっぽいとこも入れて、観客の不安感をあおらはります。

ほんでもって、クライマックスでは、大音量によるクラシカル・オペラを、ドッカーンと流さはりましてな…、

もうメッチャやられましたがな。ナンジャコラーや~。

なにゆえに、こんな風になりよるのんかは、全く分かりまへん。

ヤマ場のトリップ感ある、大仰なシークエンスなんか、モー、意味不明やけど、身を任すしか術はござりまへん。

でも、このマニアックなカンジが、クセになりそな、ホラーに似合った、怪しき作品であるんは、間違いおまへん。

2013年9月 8日 (日)

「劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL」⇒週末日本映画劇場3

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日本のテレビ・シリーズ映画版の、最新バージョンでおます

日本映画ヒット方程式の、ナウ・トレンドがいっぱいやー

http://www.ataru-eiga.com

9月14日の土曜日から、全国東宝系劇場でロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013劇場版「ATARU」製作委員会

邦画テレビ・シリーズの映画版については、かつて弊ブログで、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしました。

金太郎アメのような、パターン化を避けるために、今回は全米・全英テレビ・ドラマ劇場版を、入れてやってみま。

しかも、ミステリーもの・捜査もの・刑事ものやらに、ジャンル指定いたしました。

●ベスト⇒①アンタッチャブル(1987年製作・アメリカ映画)②踊る大捜査線(1998年・日本)③ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間(1992年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②刑事コロンボ(1975年・イギリス)③Xファイル ザ・ムービー(1998年・アメリカ)

●フツーの刑事捜査ものベスト②や、検事を含めたストレートものベスト①やらとは違い、

これまでのスタイルに、新スタイルを取り入れた本作は、カルト・ベストにしたけども、かなり斬新どした。

刑事の単独捜査のルーツとも言えるカルト②、その種に加え、ホラーイズムや超常現象を取り込んだ、ベスト③やらカルト③。

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ほんでもって、本作の新味は、精神障害者を捜査主人公にするっちゅう、あり得ない感でおます。

さらに、現代の日本映画のトレンドが、凝縮されとる映画なんどすえ。

ジャニーズ所属俳優主演映画(中居正広)、NHKの朝ドラ主演の、国民的女優(堀北真希)のゲスト起用。

今やテレビ・ドラマの劇場版が、日本ではヒット方程式の定石となっとります。

そんな中で、役者陣も大健闘してはります。

主人公・身障者アタル役の、もはやSMAPの名を出さずともの、中居正広のアニキ。

ダスティン・ホフマン主演の、あの「レインマン」(1988年・アメリカ)を、参考にしたような演技ぶりや。

また、身障者ものでも、映画史上初めて描かれるビョーキ・サヴァン症候群でおます。

で、堀北真希ちゃんが、アタルを愛する犯罪者として登場や。

真希ちゃん初の犯罪者・悪役やけど、悪になりきれへんカワイサには、ヤラレましたやろか。

アタルとのラブ・ストーリー部は、特にロマンティックどした。

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でもって、写真に写ってはる、刑事役の北村一輝アニキや、私立探偵役の栗山千明ネーさんが、

しょっちゅうコメディアン&コメディエンヌぶりで魅せはります。

共に、そういうイメージとは、これまではほど遠かったと思うんやけど、メッチャな冒険演技どす。

基本はシリアスなドラマなのに、コメディ・リリーフがいっぱい出てまいります。いやはや、モー、コメディ刑事もんやとゆうても、エエかもしれまへん。

字で示されるオモシロ・ポインツもあります。例えば、事件が起こるたびに、捜査本部の内容が次々に、毛筆で書き加えられてゆくとこなんぞには、大いに笑えましたどす。

鑑識課のオトボケ役の、田中哲司のアニキまで加えたら、コメディ部はカンペキでおましょうか。

でもしか、松雪泰子ネーさんらの、シリアス演技も特注どす。

さてはて、パソコンの遠隔操作やら、トリック部の現代的スタイルにも驚きました。

ミステリー映画としても、一筋縄やありまへん。

でもって、最後には、椎名林檎ネーさんの、16ビート・ロックでシメはります。

若者向け映画として、デート・ムービーに、最適な1本でおましょう。

2013年9月 7日 (土)

「陽だまりの彼女」⇒週末日本映画劇場2

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上野樹里ネーさんと松本潤アニキの、翔んでるラブ・ストーリーどすえ~

こんなタイムリミット系ラブなんて、ちょっと考えられへんわー

http://www.hidamari-movie.com

10月12日の土曜日から、東宝はんとアスミック・エースはんの、共同配給によりまして、全国東宝系ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013『陽だまりの彼女』製作委員会

上野樹里ネーさん。ちょっとご無沙汰どしたやろか。

映画での出世作となった「スウィングガールズ」(2004年製作)、さらにテレビ・映画混成系の「のだめカンタビーレ」などの、コメディエンヌぶりやら、

NHK大河「豪」などの元気ヤンチャ系で、ある種定着する役者イメージがござりましたけども、

本作では、新たなイメージで魅せてくれはりました。

ところどころにおいて、「のだめ」やんか、とか、ああ、ここは「豪」やんか、なんて思うとこもあるんやけど、

ナイーブにして優しいイメージは、特注どした。

中学の時に運命の人と出会い、その後離れ離れになったけど、

広告会社と、そのスポンサー会社に、それぞれ勤める社員として再会しはり、

ほんで、そのグループ「嵐」の松本潤アニキ・主人公役と、結婚まで進むんやけど、

このヒロインのナゾを、種明かしのシークエンスまで、キープしながら、演技してゆくとこはホンマ、大変やったんやないかなと、ボクは思います。

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一方の松本潤アニも、ナイーブな演技を披露して、メッチャ好感度の高い演技をば披露してはります。

まあ、考えてみたら、いじめのシーンを除いては、出演してはる、ほとんどの人が善人モードなんで、安心して見られます。

でもしか、樹里ネーさんが13歳までの記憶がないとゆう、最初のサプライズ・シーン以降は、

物語はそれまでの、心地よいラブ・ストーリーの流れが一変して、ビミョーな謎めきを付加してまいります。

ほんでもって、えらい展開が待っておるっちゅう流れでおます。

記憶喪失ラブがスクリーンに映された時には、「私の頭の中の消しゴム」(2004年・韓国映画)みたいな、病系恋愛へとゆくんかなと思たら、そこは大いに想定外でおました。

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裏ベース・ラインは、タイムリミット系のラブ・ストーリーなんどすわ。2人の愛は期間限定なんどす。

ほんで、関連作品をゆうたら、その一番は、大林宣彦監督の尾道3部作や新・尾道3部作やろか。

例えば、「時をかける少女」(1983年)などとは、濃厚にシンクロするやもしれまへん。

その意味では「江ノ島プリズム」(今年7月20日付けで分析)やらともつながるかと思います。

そして、シメは「天国から来たチャンピオン」(1978年・アメリカ)などが取り上げた、2人に記憶はないけど、みなはん観客は鳥肌もんの、感動的な再会シーンどす。

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ある程度は、予想できるかもしれまへん。けども、どのようにキメてくれるんかと、ハラハラドキドキは後半以降、ズーッと続いておました。

樹里ネーが、マンションから転落する少年を助けるシーンは、ああっと思うけど、また、雨のシーンがあった方が、ホンマは良かったんやないかとは思うけど、

でも、最後までファンタスティックな心地よさは、持続しておました。

陽だまりを象徴的に、取り込んだシーンの数々にも、デッカイ伏線があります。

でもって、最後には、山下達郎の、ドリーミーでスターダストなポップス「光と君へのレクイエム」が流れます。

ラスト・シーンと共に、胸にグッときよりましたがな。

ちゅうことで、本作は、ボクチンのダイスキな作品の1つになりました。

2013年9月 6日 (金)

「今日子と修一の場合」⇒週末日本映画劇場1

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奥田瑛二・安藤サクラ・柄本佑とゆう、実の父娘&夫妻による絶妙コラボレーションどす

東日本大震災ドラマ映画でも、出色の仕上がり具合や~

http://www.kyokoandshuichi.ayapro.ne.jp

10月5日の土曜日から、彩プロはんの配給によりまして、新宿ピカデリー、なんばパークスシネマ、MOVIX京都やらで、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸZERO PICTURES

東日本大震災関連のドラマ映画とゆうんは、ドキュメンタリーほどのタイトル数はないけども、

震災より2年半近く経った今、それなりに出てまいっておます。

さてはて、そんな中で、勝手にマイ・ベスト&カルト・スリーをば、選んでみよりました。

●ベスト⇒①本作②希望の国(2012年製作)③おだやかな日常(弊ブログ内検索で出ます)③遺体(弊ブログ内検索)

●カルト⇒①ヒミズ②ギリギリの女たち③RIVER(全て弊ブログ内検索)

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●震災地ロケをした映画がケッコーあるんやけど、

本作は震災地より少し離れたとゆう視点が、ベスト③以上に素晴らしく、

ほんで、男ドラマとヒロイン・ドラマをシンクロさせるっちゅうとこが、ココロにくる仕上がりになっとりました。

奥田瑛二監督が被災地へ行って、映画によってコレを表現したいと思わはりました。

そして、わが娘・安藤サクラちゃんと、娘と結婚した柄本佑クンをキャスティングして、

東日本大震災ドラマ映画の、ボク的最高傑作を紡がはったんどすえ。

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2人は共に、被災地の南三陸出身とゆうことなんやけど、

震災時には東京にいて、被災をモロに被らんかったとゆう設定が、まず、ボクのココロを刺激してきよりました。

フツーやったら、被災地をメインにドラマ展開するもんやけど、このあたりの設定には妙味がありました。

でもしか、2人はラストの方では、故郷・被災地へとゆかはります。

そこが、何ともドラマティックやねん。ボクは舌を巻きましたがな。

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ヒロイン・サイドと主人公サイドが、それぞれの過去シーンを絡めながら、並行的に描かれてまいります。

交互に描くとゆうタイプやなく、それぞれのエピソードを、ざっくばらんに編集してゆくとゆうスタイル。

2つの話を構成的に描かない点においては、各一的に描かれた今までの映画とは、一線を画しとるかと思います。

ほんでもって、2人の各エピソードやけど、非常に興味深く描かれてまいります。

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まずは、サクラちゃんのヒロイン・サイド。

結婚してコドモもいてるヒロインやけど、生保レディーとして外へ出て、成績を上げるための不倫が発覚。

でもって、家族から追われるように、家を出はって東京へ。

この転落の流れの中で、東京では、「アーバンコーディネーター」と称する和田聰宏アニキと関わり、早い話、娼婦になってしまいはります。

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嗚呼(ああ)、哀れやけど、「嫌われ松子の一生」(2006年)みたいな落ちぶれ感覚もあって、魅せてくれはります。

ほんで、震災の時に、同棲してた和田アニキやけど、包丁持っての料理時に重なり、思わず寄ってきた和田アニを、誤って刺し殺すちゅうようなことになりまして…。

ぶっきら・感情の起伏が少ない、無表情演技の持続に、これぞサクラ節どしたけども、

ラストの涙を流すシーンは、さすがにムネにきよりました。

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で、柄本クン・サイドや。

オカン(オカン役者として、板に付いてはる、宮崎美子ネー)をいじめるオトン(平田満はん)を殺して、少年刑務所に入ってたんやけど、出所した日に、東京で地震に遭わはります。

1人故郷に残してきたオカンやけど、もう絶望的やと分かり…。

町工場で働きながら、ストイックな演技を魅せる柄本佑クン。ホレました。

「トルコ行進曲」をピアノで弾く、同僚の少年やら、柄本クンを好きになる、小篠恵奈ちゃんのカワイサなど、

震災の悲惨さと対比するような、ピュアな作りに、あとあとグッときますで。

それでいて、泣ける映画的感動性を、あえてハズさはった、奥田監督のシブミにもホレましたがな。

モチ、今年の邦画のベストテン級の仕上がりやと、ボクはジャッジいたします。

2013年9月 5日 (木)

「あの頃、君を追いかけた」⇒本国・台湾で大ブレイクした作品や

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男女7人物語から2人の恋愛へと、フォーカスされる作品

学園ラブ・ストーリーの定番を、外した作りが不思議快感どす

http://u-picc.com/anokoro/

9月14日の土曜日から、新宿武蔵野館やらで、ほんで、9月21日から梅田ガーデンシネマ、9月28日から神戸アートビレッジセンター、京都シネマやらで、全国漸次のロードショーでおます。

本作・中国語・台湾映画は、ザジフィルムズ、マクザム、Mirovisionの共同配給でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸSony Music Entertainment Taiwan Ltd.

本作は、台湾で公開された中国語映画で、それまでナンバーワン興行収入やった「カンフーハッスル」(2004年製作・中国&アメリカ合作)を超えた作品どす。

本国でも有名な俳優はんは、ほとんど誰も出てはりまへん。

台湾1国でアレやけど、なんで大ヒットになったんか、ボクは分析してみました。

けども、分析すればするほど、不思議なカンジが、付きまとってまいりました。なんでなんやろか。

モノゴッツーある、学園ラブ・ストーリーでおます。中学から社会人になるまで、1994年から2005年までを描いておます。

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でもしか、無邪気で幼稚でストレートなラブ展開から、ナイーブに入り、

ほんでもって、チョイ古っぽい展開に何やねん、その単純さは…なんて思とるうちに、

アレヨアレヨとゆうてる間に、かつての学園ラブにはあり得なかった、サプライズ・エンディングにいってまうっちゅうお話であります。

シンプルでイチズな、おまえがスキやねんな感覚が、なんでこうゆう風になってまうんか。少しく首をひねってみたり…。

憧れのマドンナやとは申せ、主人公と彼女マドンナが、別れたからてゆうて、主人公の友達の約2名が即刻、彼女にアタッカーするやなんて展開は、

おいおいこいつら、友情もキズナもヘッタクソもあれへん、軽薄7人かいやと思てみたり…。

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かつて見て感動した、学園ドラマ映画のノリで本作を見ると、大いに裏切られたりしまっせ。

男女7人とゆう構図は、日本のとあるテレビドラマをば、想起させたりしますけども、こちらは女2人野郎5人とゆう、カタチンバな構成でおます。

ヒロインを除くもう1人の女子は、付け足しのように描かれとるんは、少々気にはなりましたが、メインは写真1枚目・5枚目に映っとる2人のラブでおます。

ギターの弾き語りによる、フィメール・ポップスを流して、2人の本編で唯一のデート・ダイジェスト・シーンは、ケッコーええ雰囲気どした。

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でもしか、男のナイーブさがリアルを欠いて目立つし、女の強気もビミョーなズレがあって、

ホンマやったら、キス・シーンやらベッド・シーンを、大胆に披露しても、良かったんやないかなとは思いました。

モチ、純愛的、プラトニック・ラブ(語源は、哲学者プラトンの愛からきておます)な映画も、当然エエ映画はいっぱいあるにはあるんやけど、

そこをワザトラマンのようにやってるとこに、個人的にはウーンやったけど、

プラトン・ラブの古典的な作りとしては、コレでよろしいんやないでおましょうか。

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10年にわたるラブ・ストーリーとなれば、どちらかとゆうたら、感動的なクライマックスが、

用意されとるもんどすけども、こちらはそうゆう定番をば外さはりました。

「無駄な努力も人生のうち」とか「(ヒロインは)ちょっとかわいいだけ」とかのセリフも、定番にはありまへん。

ブルース・リー、キョンシーなどの映画俳優・キャラ、飯島愛などの日本のAVほかの使い方も、ミニ・サプライズがありました。

オーソドックスな作りに見せておいて、新しい何かを探りつつ描かれた映画やと思います。

ラストに驚きがあるんかないんか、それは、本作を見る、みなはん次第でおますよ。

2013年9月 4日 (水)

「ランナウェイ/逃亡者」⇒ロバート・レッドフォード主演・監督の新作

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逃亡者もん映画やけど、チョイと今までとは、ビミョーに違っておまっせ

サプライズありの、ミステリー・スパイス感が、エエ感じどすえ~

http://runnaway.jp/

10月5日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸やらで上映でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 TCYK. LCC. ALL RIGHTS RESERVED.

21世紀になってからのロバート・レッドフォード監督作品には、

同じく俳優先行出身の、クリント・イーストウッド監督と比べて、

少しくビミョーに、差をあけられてしもたようなとこがござりました。

レッドフォードVSイーストウッドは、いつかやらないかんテーマやけども、取りあえずは、本作に集中してみよりますと…。

ベース・ラインは逃亡者もんどす。

ハリソン・フォード主演の「逃亡者」(1993年製作・アメリカ映画)なんぞは、ソコソコ有名やけども、

逃げもって真犯人を追求するスタイルやないけども、それとは違ったテイストをば、本作は提示してはります。

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監督作もそれなりにあるんやけど、主演作はもっと多いレッドフォードの、出演系譜作品の中で、“逃亡系”について見てまいりますと、

代表傑作の「明日に向って撃て!」(1969年・アメリカ)を始め、「夕陽に向って走れ」(1969年・アメリカ)とか、逃亡する意図はないけども、「コンドル」(1975年・アメリカ)やとか、

それなりに逃げるもんに、出てはることが分かります。

でもしか、本作は最も本格的に、“逃げて真実を明かす”方向性を打ち出して、メッチャ真剣モードにてヤラはりました。

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1970年代には、ボクチンは嫉妬に駆られて、このヤローめ!  なんて思いつつも、イロイロ見に行ったイケメン・レッドフォード作品やったけども、

本作ではメッチャ、老けはったなーとゆうとこがあって、時の流れをば感じた次第なんやけども、

それでも、ミステリーチック的にも、ここまで魅せてくれはる演技と演出のワザには、恐れ入りやしたに、近いもんがござりましたがな。

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でもしか、恐れ入りましたとは、素直に言えないとこもありましてな、

会話劇によるスローな展開が、ともすると、現代的やないと見られるやもしれまへん。

けども、若い人に言いたいのは、決して眠らずに最後まで見てほしい、っちゅうことどすやろか。

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1970年代に実際にあったと、想定されそうなエピソードが、過去シーンのベースになっとります。

ほんでもって、逃げていた犯罪者たちが、21世紀の今になって分かり、追いつめられてゆくとゆうお話どすが、

逃亡者・追う警察・調べもって追う新聞記者とゆう、3方向性で、1つの流れを形成するとゆう、サスペンス・ドラマでおまして、

後半以降は決して、目が離されへん展開へと進んでまいります。

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ケータイ、盗聴、インターネット、防犯・監視ビデオなどを駆使した、21世紀の現代的捜査は、カンペキどして、

アナログ的逃亡との頭脳戦に、ハラハラドキドキと、行くか行かんかは別にして、それなりに見ごたえがありました。

ミステリー・タッチでサプライズは2つほどあり、1つは本編半ばで分かるけど、衝撃の真相ってタイプのヤツは、しまいかけに明かされまんねん。

ハリウッド男優として、レッドフォードが人気のピークを迎えてはった1970年代の、知られざる実話エピソードへと、肉迫しはるカンジは、

彼の過去を振り返りつつも、その今を描くとゆう点では、個人的には、なるほど、そうでっかーと納得できた次第どす。

サイレント映画のタッチで、父娘が去っていく遠近感あるラスト・シーンなど、レッドフォードはこだわりのシーンを、大マジに披露しはります。

面白いけど、でも、現代的装飾があるにも関わらず、現代的に見えへん。

そのあたりの、アナログ感あるサスペンス部が、若い人にはどない映るもんなんやろか。

でも、本作は正統派の、逃亡系サスペンス&ミステリーどす。

「逃亡者」と比べても、決してヒケは取らへん1本やと、ボクはジャッジいたしました。

2013年9月 3日 (火)

「マリリン・モンロー 瞳の中の秘密」⇒セレブ・ドキュの新味あり

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マリリンを演じる女優たちが、大集結しはりました

既に逝去してはるセレブに、新たな光を当てる映画的手法とは?

http://www.marilyn-movie.jp/

10月5日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、東京・新宿ピカデリー、シネ・リーブル梅田やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Photo
Ⓒ2012 Butterfly Media LLC

何が今さらマリリン・モンローやねんて、ゆわはる方もいてはることでおましょう。

さてはて、そんなマリリン・ネーさんに関する本は、2000冊以上も出とるらしいわ。

マリリン世代とは違うボクチンでさえ、コメディエンヌとしてのマリリンを、映画辞典「ぴあシネマクラブ」で披露もいたしました。

ここで、マリリン主演・出演のマイ・ベスト&カルト・スリーをばやってみよりますと…。

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●ベスト⇒①七年目の浮気(1955年製作・以下の映画は全てアメリカ映画)②ナイアガラ(1953年)③お熱いのがお好き(1959年)

●カルト⇒①ショウほど素敵な商売はない(1954年)②帰らざる河(1954年)③荒馬と女(1961年)

●マリリンはミュージカルやコメディの演技は、演技派がやるべきもんやないと、思てはったみたいどす。

マリリンのこの固定観念は、失礼やけど、間違っとります。

マリリンはシリアスな演技派の演技を、しはったことはありません。けども、マリリンの持ち味は、スタースターしてへん、身近にも見える好感度の、高みみたいなとこもあったかと思います。

セクシー・シンボル。けども、みんなに愛されんことには、シンボルにもなり得まへん。

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スキャンダラスなところを、ドキュらしくイロイロ採り上げてはります。

ベスト・カルトに選んだ作品のいくつかの、撮影エピソードを含めて、マリリンのイロイロが披露されてまいります。

ハリウッド・スキャンダルのルーツ的女優はんやし、そのハランバンジョーぶりは、若い人にも遡及するカンジで伝えられとります。

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けども…。故人を捉えたセレブ・ドキュなんで、過去のインタビューや会見、モノクロ映像や写真などを取り込みつつも、

映画的新味を加えようとする試みは斬新どした。

つまり、既に逝去された方の過去のコトバ=セリフを、いろんな役者たちが語り、

また、マリリンのコトバやメモを、何人もの現役女優に喋らさせてるっちゅう、仕掛けを施さはりました。

既に故人のセレブ・ドキュで、こうした作りは、かつてなかったんやないやろか。

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いわば、それらは単刀直入、タンチョクにゆうたら、ドキュやなく、ドラマ映画部的新鮮味となるでおましょうか。

マリリンのドラマ映画としては、「ノーマ・ジーンとマリリン」(1996年・アメリカ)や、

最近の「マリリン 七日間の恋」(弊ブログ内検索で出ます)なんぞがありますが、

それらで描かれたとこも、ちゃんと採り上げてはります。

NG集も最後にあるとゆう、ドキュにはない遊びゴゴロにも、そそられた1本でおました。

2013年9月 2日 (月)

「キタキツネ物語【35周年リニューアル版】」

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日本テレビ史上、最高の映画視聴率を挙げた、あの作品が、戻ってきやはるんどすえ~

1978年オリジナル版以上に、さらにポピュラリズムを増した仕上がりやで~

http://kitakitsune.jp

10月19日の土曜日から、アスミック・エースはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ1978, 2013 SANRIO CO., LTD.TOKYO, JAPAN

1978年の学生時代やった当時、ボクチンはこの映画を映画館で、5度くらい見た記憶がござります。

2番館の2本立てやらがポイントで、見てない1本を見るための、2本立てやったけども…。

2本立てのメインを見るための、おまけの1本やから、あの時の記憶はすっかり色あせておりました。

ところがどっこい、改めてリニューアル版で見させてもらうとでんな、あの頃の記憶が、鮮やかに蘇ってまいりました。

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今もそうやけど、ドキュメンタリーの全国公開が、至難の時代において、動物ドキュメンタリーとして、全国の劇場に回って大ヒットしました。

その後、テレビでオンエアされたら、視聴率44.7パーセントを刻まはって、未だ破られない映画視聴率記録でおます。

そんな作品のリニューアル版どす。

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今回は、ディズニー映画に多い、動物擬人化を取り入れて、セリフをば入れてはります。

四季を通じて、キタキツネ家族を見守るとゆう、柏の木のナレーションは、西田敏行はんが担当しはりました。

その篤実感ある声調ぶりには、ウーンときたりします。

声優もやってはる平野綾ちゃんの、女キツネの優しい、好感度の高い声ぶり。

ほんで、佐藤隆太のアニキ。声優ぶりが素晴らしいというよりは、その声の自然体は、演技する声とは違う新味がありました。

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ネイチャー&動物ドキュ。北海道ロケ入り映画。

そういう視点でゆくと、本作はマイ・ベスト・スリー入りできる作品になっとるかと思います。

さらに、1動物に関わった映画としては、かつてない長編もんになっとるかと思います。

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北海道の自然描写やらが、時に胸をあおります。

日の出・日の入りの様子。海辺の夕景シーンを狙う、マジックアワーなカットに加えて、

オレンジのでっかい太陽を描くシーンも、ゴージャスなとこが見え隠れしとります。

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何はともあれ、北海道の自然描写の数々には、偽りなく酔えました。

空の描写。地の描写。太陽を取り込んだ、ハイライト・シーン。四季描写。冬のブリザードやら。

厳しい自然と対峙しながらも、そんなとこを一切カンジさせずに、

動物が風景と溶け込みながら、ゆったりと流れてゆくとこには、癒やしやらがありました。

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とゆうことで、北海道ロケ映画の粋をも見せてくれはった、格別の作品でおました。

100パーセントの、ファミリー映画のケッサクどす。

2013年9月 1日 (日)

「地獄でなぜ悪い」⇒ウルトラ級の映画メイキング映画や~

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ヤクザ映画へのオマージュや~、ナンチュー範疇を超えた1本やー

売れてる日本映画への、アイロニカル感が強烈どした

http://play-in-hell.com/

9月28日の土曜日から、キングレコードとティ・ジョイの配給によりまして、東京・新宿バルト9、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、神戸国際松竹やらで全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012「地獄でなぜ悪い」製作委員会

ヤクザ映画のメイキング映画なんやけど、コレがドッコイ、一筋縄やありまへん。

映画メイキング映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーを披露いたしますと…。

カルトは21世紀の日本映画に、目を付けてみよりました。

●ベスト⇒①映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作・フランス&イタリア合作)②8/2/1(はっかにぶんのいち)(1963年・イタリア)③キネマの天地(1986年・日本)

●カルト⇒①本作②ザ・マジックアワー(2008年・日本)③キツツキと雨(弊ブログ内検索で出ます)

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●映画撮影シーンを映すメイキング映画は、かなりのタイトル数があるけども、

本作はかつてないくらいに、メイキング映画のマニュアルを、ドバーッちゅうカンジで超えてはりました。

八ミリ自主映画の世界と、ヤクザ映画の合体やなんて、そんなんフツーやったら、考えつきませんやろ。

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でもしか、園子温監督は、そのハードルの高さを、トンデモ映画的遊びゴコロで、すんなりと超えて見せはりました。

遊びゴゴロが、役者へも浸透しておました。

國村隼は渋くてベタやったし、

その娘役の二階堂ふみチャンの、ハンパやない演技ぶりには、モノゴッツー驚きました。

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「キル・ビル Vol.1」(2003年・アメリカ)の栗山千明ネーさんと比べても、甲乙付けがたい、トンデモな暴れぶりやがな。

役者陣を見てまいりますと、作品性に合わせて、トンデモ演技をしてる方が多うござります。

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テレビの「家政婦のミタ」でブレイクしはった、長谷川博己アニキが、理屈っぽい自主映画・命の男をば、やり抜いてはります。

いやはや、この方の映画演技では、過去最高級のオトボケ・トンデモぶりやろか。「鈴木先生」(弊ブログ内検索)以上や。

ほんで、堤真一アニのトンデモ系演技は、かつての堤演技をつい思い出させる…、

例えばコミカル「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)と、シリアス「39-刑法第三十九条-」(1999年)やらを、絶妙にミキシングしはった、怪演技ぶりどしたやろか。

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園子温監督のディスコグラフィーを見てみると、本作はやはり、最も遊びゴコロにあふれた1本でおましょう。

「仁義なき戦い」(第1弾は1973年)から「バトル・ロワイアル」(2000年)まで、深作欣二監督作品への、オマージュ的シーンはあるんやけど、

それらはあくまで、表層的に引用されておます。

引用がオリジナルを凌駕するとゆう点においては、クライマックスの、かつてのヤクザ映画のノリにインスパイアーしながらも、そのノリを超越した仕上がりは、圧巻どした。

売れてる日本映画への、アイロニーな視点もあるんやけど、本作こそホンマは、売れるべき作品でおましょう。ボクは確信いたします。

みなはん、ぜひ見に行っておくんなまし。

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