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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2013年6月の記事

2013年6月30日 (日)

宮崎駿の新作「風立ちぬ」

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病気系の泣ける映画へと進化した、スタジオジブリの新作どす

一方で、男のロマンテックな、夢追い人の素晴らしさを、捉えはりました

http://www.kazetachinu.jp/

ジュライ7月20日サタデーから、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013 二馬力・GNDHDDTK

スタジオジブリ宮崎駿はんの、「崖の上のポニョ」(2008年製作)以来、5年ぶりとなる監督作品でおます。

宮崎駿作品てゆうたら、女の子がヒロインとなる映画が、多かったかと思います。

でもしか、本作は主人公もの。

しかも、少年時代も描かれるけど、男の半生をば描かはります。

さらに、これまでのジブリ作品としては、「火垂るの墓」(1988年)などの、太平洋戦時ものもありましたけども、

1920年代から1940年代までを描く、ジブリ映画史上、最も古い過去を描く、日本歴史もんとなりました。

ヒコーキもんでもあるんで、かの「紅の豚」(1992年)的なとこもござります。

ほんで、描かれるんは、ゼロ戦を考案した実在の人物、堀越二郎。

そして、その人物になぞらえるように、堀辰雄の私小説「風立ちぬ」で描かれた、堀辰雄自身を投影させはったんどす。

よって2人物の2つの話が、絶妙にミキシングされて、展開してゆくとゆうお話になりました。

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堀の「風立ちぬ」は、1976年に山口百恵・三浦友和の現夫婦主演・共演で映画化されとります。

そこでも顕著やったテーマは、ビョーキ系の女性と健常者の男性による、ラブ・ストーリーでおました。

夫婦・カップルとイロイロあれど、この種のビョーキ系は、女性がビョーキであればあるほど、泣ける感動的な作品になっとります。

「野菊の如き君なりき」(1955年)、同じ素材の「野菊の墓」(1981年)、「智恵子抄」(1957年・1967年)、吉永小百合主演「愛と死をみつめて」(1964年)「愛と死の記録」(1966年)など。

ほんで、21世紀では「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)、「いま、会いにゆきます」(2004年)やら、最近では「100回泣くこと」(6月1日付けで分析済み)もそうでおました。

男性がビョーキよりも、女性がビョーキの方が、なんでやろか、グッと感動を呼びます。アラマ・不思議や。

さてはて、泣ける系のジブリでは、「火垂るの墓」がボク的最高傑作やったけど、本作は「火垂る…」と甲乙付けがたいくらいの、泣きを誘発しはります。

一方においては、ヒコーキを作るとゆう夢を、追いかける主人公の話が、前向きかつビビッドに描かれてまいります。

時代的にもそうやけど、ヒコーキ的には、レオナルド・ディカプリオ主演「アビエイター」(2004年・アメリカ映画)ともシンクロするし、

戦中の話としては、「少年H」(8月10日全国公開・後日分析いたします)などとも通じますやろか。

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意図的やなくて、自然な感動が、静かにやってまいります。

その感動をサポートする部分としての、リアル感あるシーンの創出、色使いやらサントラ使い、

そして、「新世紀エヴァンゲリオン」の監督・庵野秀明の初声優ぶりやとか、瀧本美織やら、声優陣の自然体などが、極上の心地良さを示してはります。

津波より火災がもの凄かったらしい、関東大震災の描き込みやら、適宜な風シーンの取り込み方なんぞは、渋いとしか言いようがありまへん。

薄ブルー、セピア、グレー、ピンク、パープルやらを絶妙に配した、夕空シーンの巧みのワザやったり…。

バンドネオンやアコーディオンなどを配しもって、ツボでは弦楽オーケストラを決める、久石譲はんのサントラ。

ラストクレジットで流れる、ユーミンの癒やしのニュー・ミュージック「ひこうき雲」。

でもって、主人公の夢シーンとして綴られる、空飛ぶファンタジックなシーンの数々に、酔いしれまっせ~。

妻の「あなた、生きて」に対して、

夫が「ありがとう」と答える、

ラスト・シーンのエピソードは、

胸にこみ上げてくる、圧倒的な感動がありました。

21世紀の宮崎駿監督の、最高傑作どす。

2013年6月29日 (土)

「モンスターズ・ユニバーシティ」⇒ディズニー&ピクサーの最新作

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「モンスターズ・インク」の、あのモンスターたちの、若き頃の青春映画どすえ~

ビギニング・サーガな、さかのぼり系映画の、オモロサとは?

http://www.disney.jp/monsters

7月6日のサタデーから、ディズニーはんの配給によりまして、2D・3D同時公開で、全国各地イッセーのロードショーや~

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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あのディズニー&ピクサーの名作「モンスターズ・インク」(2001年製作・アメリカ映画)の続編でおます。

「モンスターズ・インク」とは、モンスターズ株式会社の意味どしたな。

写真1枚目に写っておます、あの2人のモンスター(ゲゲゲの鬼太郎の、1つ目オトンみたいなんがマイク・毛むくじゃらの、クマちゃんみたいなんがサリー)の、

モンスターズ社に就職するまでの、エピソードを採り上げたんが、本作でおます。

つまりは、遡(さかのぼ)り系の、ビギニング・サーガ編として作られました。

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そこででんな、遡り系映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、唐突ながら披露いたします。全てアメリカ映画どす。

●ベスト⇒①ゴッドファーザーPARTⅡ(1974年)②スター・ウォーズのエピソード3部作(1999年・2002年・2005年)③レッド・ドラゴン(2002年・「羊たちの沈黙」から始まった、ハンニバル博士3部作の第3弾)

●カルト⇒①本作②ホビット(弊ブログ内検索で出ます・「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの遡り系)③エクソシスト・ビギニング(2004年)

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●ディズニー・アニメ初の、遡り系の本作。

ディズニー・アニメの歴史は深いけども、ディズニーはピクサーとの提携により、それまでのディズニー・スタイルが、ガラリと変わるとこがありました。

いわゆる、動物系擬人化アニメだけやなく、オモチャからクルマまで、モノにまで擬人化して、展開する発想が生まれました。

ほんで、本作はモンスターでおます。

ホンマなら恐ろしいハズの、モンスター界を逆手に取りもって、何ともキャワイイ・キャラクターを作り得たんでおます。

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しかも、「ハリー・ポッター」シリーズの魔法学校に、ヒントを得たんでおましょうか、人を怖がらせるためのモンスター学校を設定。

2人のモンスターの、トンデモ学園ものとして展開させはりました。

マイク君は人を怖がらせるよりも、笑いを誘いがちなキャラどす。

そんな彼が人をマジに怖がらせるべく、必死のパッチで、学校で学んでゆく姿は、感動を呼びます。

ほんで、学内チーム対決で、チームを組んだ6人(写真3枚目&7枚目)が、怖がらせ度を競い合わはりまんねん。

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さてはて、強力チームの多い中、彼らは果たして優勝できるんやろか。

いやはや、面白いわ。

それに、彼らのキズナ部、チームプレイなとこも、昔から伝統的なディズニー的感動を呼び込んではります。

明るいカラフルさと、ダークな闇部の対比描写なんかも、エエ感じや~。

ほんでもって、本編の前には、いつものように、短編「ブルー・アンブレラ」が披露されます。

青傘と赤傘のラブ・ストーリーとゆう、モノ擬人化の新しどころを示して痛快や。

ちゅうことで、家族一同にて、見に行っておくんなまし。

2013年6月28日 (金)

「25年目の弦楽四重奏」⇒渋い音楽映画どす

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バイオリン2器・ビオラ・チェロが奏でる、ベートーヴェン・メロディの美しさどすえ~

そんな4人プレイヤーの、人間関係ドラマも生々しく展開

http://www.25years-gengaku.jp

7月6日のサタデーから、角川書店はんの配給によりまして、大阪・梅田ガーデンシネマやら、東京・角川シネマ有楽町やらで、全国順グリのロードショーどす。

MOVIX京都や神戸国際松竹やらは、7月13日に公開しはります。

本作のアメリカ映画は「R-15+」指定映画でおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸA Late Quartet LLC 2012

クラシック音楽映画はこれまでに、多数にわたり出てまいりました。

偉人の話やら、楽器をプレイしたり、歌を歌いコーラスを披露したり…。

ここ最近でも、「カルテット!」や「アンコール!!」(共に弊ブログ内検索で出ます)などの合唱ものやら…。

日本映画的には合唱ものが多いけど、演奏ものとしては、音楽監督の久石譲監督が撮った、四重奏もの「カルテット」(2000年)やら、

剛力彩芽チャンが無名の時、娘役で演奏しはった家族映画「カルテット」(弊ブログ内検索)なんぞがありました。

本作は、室内楽としても鑑賞できる、弦楽カルテットを聴かせ、

4人各人がマジで楽器を、弾いてはるかどうかは別にして、感動的な作品になっとりました。

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その4人はんとは…。

第2バイオリン担当のフイリップ・シーモア・ホフマン、第1バイオリン担当マーク・イヴァニール、ビオラ担当の紅一点キャサリン・キーナー、ほんで、チェロのクリストファー・ウォーケン(写真・上から2枚目)。

この4人の方のそれぞれに、モチ、ファンがいてはるやろし、4人各人の出演作品分析をやってもええんやけど、取りあえずは、4人の中で一番の大御所、クリストファー・ウォーケンはんについて…。

男女関係の絡まない、シブミある演技ぶりどした。

ちゅうか、ラブ・ストーリーやらとは、全く似合わない役者はんちゅうのは、いっぱいいてはるけど、中でもウォーケンはんは、一線を画してはります。

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ウォーケンはんの、ボクチンのマイ・ベスト&カルト・スリーを、勝手に披露しますと…。

●ベスト⇒①ディア・ハンター(1978年製作・アメリカ映画)②クローネンバーグのデッドゾーン(1983年・アメリカ&カナダ)③天国の門(1981年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②フューネラル 流血の街(1996年・アメリカ)③キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年・アメリカ)

ベスト②やカルト②などでは、主演をやってはりますが、

ベスト①でアカデミー賞の、助演男優賞をもらわはっただけに、基本的には名バイ・プレーヤーとして、起用されることが多いみたいやな。

ほんで、演技の核もまた、ベスト①がベースとしてあります。

つまり、狂気に満ちた、病的な、そして冷酷な演技でおます。

でもしか、晩年期の今は、その狂気もホコをおさめて、眉しかめ度は相変わらずやけど、落ち着いたシブミへと脱皮してはります。

その完成度合いで魅せてくれはるんが、本作やと申せましょう。

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人間ドラマ部のヤンチャぶりは、他の3人はんが発揮してはります。

ホフマンとキーナーが夫婦どして、ホフマンの浮気をきっかけに、夫婦仲に亀裂が走ります。

2人の娘はん役の、イモージェン・プーツちゃんと、イヴァニールは恋に落ちはります。

ほんで、それが発覚して、オトン・ホフマンがイヴァニールを殴り倒し…。

4人のキズナに、ウォーケンはんを除いて、大きなヒビが入ります。しかし…。

和解シーンは、1つの見どころになるハズやけど、そのあたりがアイマイなのが少し気になったけど、

クライマックスはモチ、4人のコンサート・シークエンスでおます。

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そこはナンチューても、音楽映画としてのキモやけど、

そこに到るまでには、4人の練習シーン、ジプシーな女ダンス・シーンやら、プロの方が歌ったりしはるんで、音楽映画としての道筋も、チャンと付いておます。

また、各人の音楽人間としての、苦悩の部分もしっかり描かれとるんで、説得力あるクライマックスになっておました。

そして、ベートーヴェンのメロディが、いつまでも耳に残る快作です。

2013年6月27日 (木)

「ダークスカイズ」⇒最新アメリカン・ホラー

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「パラノーマル・アクティビティ」シリーズと、勝るとも劣らない怖さやで~

エイリアンと悪魔を、引っ付けはった新しさ

http://ds-movie.jp/

ジュライ7月6日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、大阪・梅田ブルク7、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸やらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 ALLIANCE FILMS (UK) DARK SKIES LIMITED All right reserved.

有名な俳優はん、スタッフが関わってへんアメリカン映画は、実はアメリカ映画でDVD化されとる映画タイトル数の、約5分の1くらいあります。

それらは、日本未公開のままで、DVD化されとるのんもあって、相当な数に及んでおると、考えてもよろしいでおましょうか。

まあ、近所のツタヤなんぞに行ってみたら、大たいの状況は、分かるようになっとるみたいやけど。

但し、本作はめでたくも日本の劇場で、ロードショー公開となります。

つまりは、ストーリーが面白いし、集客も見込めるちゅうことなんでおましょう。

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ホラー映画については、ボクチンはこれまでにいっぱい、イロイロゆうてきたけども、

オーソドックスとは申せ、本作はホラー映画の基本やツボを押さえた上で、

みんなをもてなす方向で、分かりやすく作り上げてはるとこに、好感がありました。

そやから、誰にでも、ちゅうか、10歳前後のコドモはんにも、よう分かる1本やと思います。

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これまでに、多彩なホラー映画が出てまいりました。

本作を分析しまするに、少年ホラー、館ホラーやらの、オーソドックスなとこをば押さえはった上で、

エイリアンものに回帰するとゆう、作りがなされておます。

「インデペンデンス・デイ」(1996年・アメリカ映画以下の引用映画は全てアメリカ映画)「宇宙戦争」(1953年・2005年)「アフター・アース」(6月17日付けで分析)やらの、

地球を襲うエイリアンものの緊張感はモチ、

特に「サイン」(2002年)など、1家族を襲う、謎めいたエイリアンとしては、不気味な後味のある映画でおました。

それでも、少年ホラーの「オーメン」(1976年・2006年)や、「ポルターガイスト」(1982年)「シックス・センス」(1999年)などのセンスはあるし、

最近でゆうたら「パラノーマル・アクティビティ」(弊ブログ内検索で出ます)などの、家(館)ホラーとしても、それなりの体裁を整えてはりました。

ほんで、「悪魔の棲む家」(1979年・2005年)よりは、本作は上の仕上がりでしょうや。

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さらに、ヒッチコック監督の、鳥が人を襲う「鳥」(1963年)やらのタッチもあります。

エイリアンと悪魔を引っ付ける映画となれば、融合させるんが難しく、駄作がケッコーあるように思うんやけど、

本作はギリギリのとこで、踏ん張ってはったかもしれまへん。

家族部ホラーのとこは、そんなに目立たへんねんけど、鳥が窓にぶつかる音や、クライマックスの大仰な効果音など、ショッカー(観客を怖がらせる音使い)やら、

アップ・クローズアップの、ここぞのとこでの使い方なんぞに、目がいきました。

ボク的には、チープやったかもしれんけど、未だにふと思い出したりしよる「マニトウ」(1978年)な感じの映画やったです。

数年後にフッと夢に現れて、冷や汗を書いてもうたりするような…。そんな映画どしたえ。

2013年6月26日 (水)

「選挙2」⇒参議院選を前に、選挙ドキュなんてどおよ~

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チョー低予算の選挙活動を描いた、トンデモ選挙ドキュや~

主人公の人柄がメッチャ、ユニークで楽しそうやんか~

http://www.senkyo2.com

7月6日の土曜日から、東風はんの配給によりまして、大阪・十三(じゅうそう)の第七藝術劇場やら、東京のシアター・イメージフォーラムやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2013 Laboratory X, Inc.

選挙を描いた映画やなんて、みなはん、見はったことってありますか~。

おそらく、ドラマ映画やったらあるやろな~。パッと思いつくとこでは、ロバート・レッドフォードが主演した「候補者ビル・マッケイ」(1972年製作・アメリカ映画)とか、

21世紀にリメイクされ、アカデミーの作品賞もゲットしはった「オール・ザ・キングスメン」(1949年・アメリカ)とか。

それらはアメリカの選挙情勢を、反映したものどした。特に、注目の高い大統領選挙が、ポイントとしてありま。

一方、日本はどないやろか。

「国会へ行こう!」(1993年)などの、コメディ・ノリの作品やらがあります。

選挙絡みの映画やなんて、コミカルにやってもらわんと、シビアになって胃に重たそう。

でもしか、そんな方こそ、ぜひ見てもらいたいんが本作でおましょうか。

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しかし、本作はドラマやなく、ドキュメンタリーでおます。

さらに重たくなるんやないかと、危惧は増しますけども、

監督の想田和弘のアニキは、“観察映画”やなんてゆうてはりまして、つまりは、観察したもの見たものそのままを映すとゆう姿勢でいってはります。

そやから、どないなハプニングがあっても、しょーがないとゆうことなんでおますよ。

前作「選挙」(2007年)の作りも、今作とおんなじテイストでいってはるけども、哀愁感をゆうたら、今度の方が渋いし、

家族部やペーソス度合いなどについては、グーンと増して、キズナ部で感動する映画としての完成度は、前作より高くなっとるように思います。

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ちゅうことで、選挙戦のノウハウやら、対立候補の様子、金をかけない選挙の実態などが、

字幕やナレーションで説明されずに、実に分かりやすく描写されてまいります。

ポスターの張り方具合を見て回るシーン(写真3、5枚目)とか、主人公・山内和彦の対立候補とのフランクなやりとり。

対して、カメラで映したら、イロイロ丁寧に文句をゆうてくる有力候補の様子とか、ピリピリなとこもあります。

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硬軟両用。ほんで、人情っぽいとことか、ユーモラスなエピソードなど、本編2時間半の間には、さまざまなとこがあって、決して退屈しよりまへんで。

ヤッパ、それはドキュとは申せ、主人公の造形ぶりやら、人柄でおましょうか。

そのままを映すんやから、より身近に親近感と好感を持って、みなはんに伝わることでおましょう。

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イロイロ言葉を弄しても、誰もチラシを取らへん。

挨拶しても演説しても、誰もが素通り、知らんぷりの馬耳東風。誰も聞いてはりまへん。

サラリーマンの通勤の様子の無機的なシーンなど、久々に映画の中で見ました。

政治への無関心が、ビビッドに寒々しくも、乾いて伝わってきよりました。

そんな中でも、唯一の明るい兆しは、家族3人の、自然体にしてフツーの家族の情景を、カンジさせてくれはる、シークエンスでおましょうか。

夫婦2人の、長時間にわたる、郵便局での郵送分の書き込みに、グズつくコドモ。

防護服を着た街頭演説に、誰も関心を示さない中、コドモが無邪気にはしゃいでいるシーンなど。

ロングショットから、ラストのカメラが徐々に退いていくシーンの、余韻ある撮り方など最高どしたえ。

2013年6月25日 (火)

「スタンリーのお弁当箱」⇒貧しき少年の、明朗快活インド映画

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ミュージカル主体なマサラ・ムービーの、常識をくつがえす、

メッチャ明るい少年ムービーでおます

みなはん、きっと、前向きでポジティブになれまっせ~

http://www.stanley-cinema.com/

6月29日の土曜日から、アンプラグドはんの配給によりまして、シネスイッチ銀座やら、梅田ガーデンシネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2011 FOX Star Studios India Private Limited.

少年少女ムービーが、意外と少なかったインド映画界から、メッチャベリーマッチでワンダフルな、少年映画がやってまいりましたがな。

ンド映画で日本に上陸するんは、かつては巨匠サタジット・レイ監督の、インドの家族ドラマ大作であったりとかがありました。

ほんで、1990年代に入りますと、半ば頃より、インド流儀のマサラ・ミュージカル・ムービーが入ってまいります。

そして、そのほとんどが途中休憩を入れた、3時間以上の大作どして、大概がラブ・ストーリーを主体としておました。

今のインドもそうなんやけど、どういうわけか当時から、インドは映画大国でおまして、アメリカのハリウッドに対して、ボリウッドなどと呼称されて、今に到っとるんどす。

今や、インド映画てゆうたら、大作ミュージカルが日本では定番になっとります。

そないなると、どないしても、その種のタイプしか日本では売れへんと判断されてしもて、そういうもんしか入ってきまへんねん。

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ところがどっこい、本作は100パーセントに近い新種でおましょう。

まあ、イギリス映画やったけど、インドを舞台にした「スラムドッグ$ミリオネア」(2010年製作)が、アカデミー賞で作品賞をゲットしはりました。

かの作品は、ミュージカル・シーンもあったけど、少年・少女映画的センスもあったように思います。

本作は小学校設定やろか。でも、少年コドモしかいてへん学校どす。

しかも大たいが、貧しい家庭の少年たちが主流や~。

主人公の少年は特にそうなんやけど、それを最後の方まで明かさずに、少年の言動をば、メッチャ明るい方向性で描いてゆかはります。

硬軟対比する女教師2人に、食い意地の張ったユニークな男教師など、授業シーン多めに、

主人公や、主人公を取り巻く周りの少年たちの、元気快活なお話が展開してまいるのどすえ。

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かつて弊ブログで、開発途上国の少年映画マイ・ベスト&カルト・スリー、なんぞを披露いたしましたが、

それらにあった暗みやら、翳りちゅうもんが、本作には全くござりまへん。

「運動靴と赤い金魚」(1997年・イラン映画)やら「亀も空を飛ぶ」(2004年・イラン&イラク)やら「友だちのうちはどこ?」(1987年・イラン)やら「汚れなき悪戯」(1955年・スペイン)やらの、

チョイ・クラ(暗)センスやなく、暗いけど少年だけは明るい「鉄道員」(1956年・イタリア)に加え、

イロイロあっても、明るくいってまおーなセンスある「ぼくのバラ色の人生」(1997年・ベルギー&フランス&イギリス)やらの、雰囲気に魅せられよりました。

インド映画らしくない、ポップ・ミュージックが、しょっちゅう流れたり…。

弁当のことを歌う、キャッチーなナンバーにも、ビックリやったけど、そんな学校に持ってくる弁当の、グルメ映画的なノリもあって、メッチャ楽しいおすえ。

弁当の仕上がりを、クローズアップで映しもって、ポップ・ナンバーを流すとゆう、ダイジェスト・カットも充実しておました。

脚本なしのアドリブ演出部は、イタリアン・ネオリアリスムをカンジたし、

オスカーでドキュメンタリー賞をゲットしはった、インドの貧しいコドモたちの成長を捉えた「未来を写した子どもたち」(2004年・アメリカ)とも、

大いにシンクロする作品やないやろか。

2013年6月24日 (月)

「コンプライアンス -服従の心理-」⇒アメリカのオレオレ愉快犯罪やん

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殺人のない軽犯罪が、えらい大金賠償訴訟になってしもた実話映画どすえ~

「グラン・トリノ」のドリーマ・ウォーカーちゃんが、エライ目に遭わはりました

http://www.fukuju-shinri.com

6月29日のサタデーから、アット エンタテインメントはんの配給によりまして、東京・新宿シネマカリテやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 Bad Cop Bad Cop Film Productions, LLC

簡単にゆうたら、実話がベースとなる、いわゆる犯罪映画であり、冤罪者映画でおます。

でも、銃乱射事件とか、無差別殺人鬼の話とか、9.11やら政治系、自然災害などの、残酷さや重大事件性のない、

ゆうてみたら軽犯罪の、実話もんアメリカ・インディペンデント映画どす。

そこに、周りから疑われる、ある種の冤罪ものの視点を加えれば、本作の芯は見えてまいります。

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2004年に発覚したアメリカの事件が、本作の元ネタなんやけど、その頃の日本では、オレオレサギが悪流行しておました。

まあ、共に、携帯もあるけど、固定電話への電話のやり取りによって、決定づけられるとゆう点においては、共通しとるかもしれまへん。

但し、オレオレサギが金目当てなのに対し、こちらの場合はワケが分からへん。

ゆうてみたら、愉快犯ですわ。

無差別殺人みたいな、残酷さがない代わりに、意味のないお遊び感覚。

最近日本であった、パソコンの遠隔操作犯罪なんかとも、通じるものでおましょうか。

他人をもてあそびたい。結局、それだけやん。アホか、おまえらは! ってカンジ。

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でもしか、そういうバカチンな軽犯罪とは申せ、大マジで映画で取り上げられますと、凄くスリリングに見えてまいります。

そして、本作は、女性が被害に遭い続けながらも、それを自力で防御してゆくタイプの映画と、呼応する映画やと見ました。

ピンでゆうたら、弱々しき女ヒロイン(ブレンダ・バッカロのネーさん)が男たちに襲われながらも、結局1人で全部やっつけてしもた、

「ウィークエンド/デッドエンド・ホリデイ」(1976年製作・カナダ映画)の、攻撃しない受け身オンリーな、バージョンでおましょうか。

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ストーリー的には、現実の犯罪に合わせるように単純どす。

大手ファストフード店の1支店に、警察から女店長(写真3枚目)に電話が掛かり、

おたくの女店員(ドリーマ・ウォーカーちゃん)が、お客の金銭をネコババしたらしいと伝え、その被害者からの駆け込みに対し、電話してると言います。

ほんで、警察が店へ行くまでに、店側で彼女をイロイロ調べろと指示しはります。

こちとらは別の捜査で、忙しいのでとか…。

警察と聞いただけで、ビビッてまう。全て真実やと思ってまう。

そやから、店長はドリーマちゃんを呼び、電話の指示に従って、彼女の身体検査を始めとした、モロモロイロイロをやらはりまんねん。

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しかし、そもそも思うに、なんで電話してきてる相手の、名前と所属を聞き、所属先の警察署に電話して、そんな刑事がいるんかどうかを、聞かなかったのか。

別の捜査をしてるのに、なんでずっと電話で指示できるんか。

警察と聞くだけで、全てに従ってしまうのか。

警察をかたる者だけやなく、警察官自体にも不祥事の多い昨今において、どうしたことかと、ボクは思ってしまいました。

アメリカは日本と、事情が違うんやろか。

いや、そうやないでしょう。この事例は、たまたまなんやないやろか。

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写真3枚目以降は、この映画のストーリー的流れに合わせて、画像を入れておます。

そうどすえ。遂には、身体検査の名目のもと、

彼女はスッポンポンに、されてしまわはるんでおます。

さらに、エスカレーションは続き…。

クリント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」(2008年・アメリカ)で、イーストウッドの娘役を演じはった、ドリーマ・ウォーカーちゃんが、

追い詰められつつも終始、冷静かつ、好感度の高い演技をば、披露し続けてはりました。

ボク的には、そのあたりにも、よろめいた1本でありましたえ。

2013年6月23日 (日)

「タリウム少女の毒殺日記」どす

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見た後味の悪い映画のベストに、選出されたりしてる大怪作や~

「告白」でも取り上げられた、実話エピソードを、深堀りしてはります

http://www.uplink.co.jp/thallium

7月6日の土曜日から、アップリンクはんの配給によりまして、東京・渋谷アップリンクやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸW-TV OFFICE

松たかこが主演し「ドッカーン、なんてね」なんてゆうてはった、あの「告白」(弊ブログ内検索で出ます)の、

エピソードにも出てきた、一女子高生のオカンへのタリウム投下事件が、大風呂敷を広げて描かれたんが、本作でおます。

ベースとなる事件は実在の事件どして、オカンに毒薬をチビチビ入れてみたら、一体どないなるんやろな~っちゅう娘・女子高生のお話が、

彼女の日常行動や、イジメられた学園での実態を含めまして、より緻密に描かれておます。

しかも、土屋豊監督がインタビュアーとして声で登場するとゆう、

半ドキュメンタリーなカンジで、物語は展開してまいるんどすえ。

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ドキュメントのように見せかけた、モキュメントやなく、モキュメントのように見せかけたドキュ・ドラマなんどす。

こういうタイプは、そないにはありまへん。

女子高生ヒロイン役の倉持由香チャンの、ナレーション部やら挙動部が、

いじめられてる女子高生の孤独な心理が、リアル感をもって深く痛く、描かれてゆくんでおます。

「整形やめますか、人間やめますか」とか、「人間離れしたいことってないですか」とか、

ブログの書き込み文章が、ナレートしてまいります。

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生き物たちとの関係性が、ヒロインの心理の、大きなポイントになっとるかと思いました。

イジメられの反動としての、生き物たちへの虐待ぶりやありまへん。

監督の「動物殺しは、イジメへの代替行為か」の質疑に対し、彼女は明確に「違います」と答えはります。

むしろ癒やしを、求めようとするとこがありましたやろか。

カエルの解剖シーン、ハムスター、ホルマリン漬けされたハトの内臓、1分以上の長回しで捉えられる、金魚が毒で死んでゆくシーン、アリたちなど、ほとんどが弱き生き物たちどす。

そんな生き物たちとのシーンは、ヒロインの阻害度合いを増してゆきます。

でも、殺すんはアカンで~、やけど、まあ、このあたりも後味の悪さを、助長しとったんやろかな。

iPS細胞がどうちゃらの、今どきのシーンもあるけど、決してエエ感じやありまへん。

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ほんでもって、そういう心理や行動が、母子家庭のオカンへの毒殺へと、向かうとゆうとこの一因として、描いてはります。

ヒロイン心理はそれなりに深堀りしてるけど、ほな、オカン役の渡辺真起子ネーさんはどないやったやろか。

出番は少のうおましたけども、これぞ真起子節なブッキラ節やら、平然節をヤラはりました。

まあ、教師役の古館寛治はんも、CMでも披露された、ブッキラ節はお得意やけど、真起子ネーは筋金がメッチャ入っておます。

しかも、インディーズ系の日本映画にしか、絶対出ないとゆうとこも、ボク的には感動しておまんねん。

大手から依頼があるんかないんかは別にして、真起子ネーが出てるだけで映画が、少しでもエエ感じになってゆくような、そんなとこがあるようにも思います。

ちゅうことで、つながらへんけども、ドキュ・ドラマの新しさも、見える作品でおました。

唐突やけど、アラマ・ポテチン(ビックリ)や~!

2013年6月22日 (土)

「桜姫」⇒日南響子チャン主演やで~

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チョイ・エロ・アイドル系映画の快作でおます

エロティック時代劇ながら、スタイリッシュでエエ感じや~

http://www.sakurahime-movie.com

JUNE6月29日の土曜日から、SDPはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は「R-15+」指定の映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「桜姫」製作委員会

スッポンポンを披露するとかしないとか、エロエロ・シーンはどないな具合やとか、

この種の映画については、映画の仕上がり具合よりも、主演女優のアレヤコレヤに視線が集まりがちどす。

日南響子チャン。みんな、知っとるか~。ウーン…かもしれへんけど、

こういうエロ作品の常套としては、約2パターンのブレイク・ポインツがござります。

それなりに有名女優(歌手などの他業種もあり)が落ち目になったんで、思いきって出てみて脱皮してみようかいや~ナンチュー作品か、

無名に近いんで、それなりに有名になるべく出てみはった作品の、

いずれかに、インパクトある作品があるようでおます。

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かつては日活ロマンポルノやらで、この種の映画は、大っぴらに披露されておましたけども、今やいろんな多彩なパターンが出てきておます。

そんな中で、チョイ・エロチックな邦画作品に限ってみてでんな、

順不同で、マイ・ベスト・ファイヴを、この1年間に限った上で披露してみますと…。

全ての作品は、弊ブログ内検索で出ます。

①本作②モンスター③ヘルタースケルター④私の奴隷になりなさい⑤R-18文学賞vol1 自縄自縛の私

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●「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(1994年製作)に続き、パターンを2度にわたり披露しはった、高岡早紀ネーさんの②。

加えて、沢尻エリカ様がポンしはった③とは違い、本作はの、出演当時全国区やない女優はんが、主演しはったパターンでおます。

④の壇蜜ネーさん、⑤の平田薫ちゃんも同様でおましょうか。

でもしか、①②共に、その時代に通用してなんぼのもんが、ほとんどでおまして、未来に伝えたいと思わせるようなもんは、まあ、そないありまへんどした。

しかし、本作は違っておましたえ。

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角川映画を持ち出すまでもなく、より前向きなアイドル映画性がある場合は、後世に残る普遍性があるやろと申せましょう。

但し、角川映画の壇蜜主演作品④などは、異例中の異例でおます。

ほんでもって、物語性どすか。

江戸時代の歌舞伎役者、四代目鶴屋南北が作った戯曲が原作どして、これまでに映画化されたことはござりまへん。

鶴屋南北てゆうたら、歌舞伎編「東海道四谷怪談」にも出てはったそうどす。

その意味では、本作は高岡早紀の名作「忠臣蔵外伝…」とシンクロナイズする、エロティック時代劇やと申せますやろか。

ヒロインの男への、1度のセックスを通したイチズな思いを、堕ちる女のイメージとは、真逆のノリで描かれた本作は、

余りにもストレート過ぎるとは申せ、かつて描かれたことのない、ヒロイン・イメージでおました。

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なるほど、こういう素材は、男尊女卑が当たり前やった江戸時代の話としては、オリジンの高いもんやったんでしょう。

「嫌われ松子の一生」(2006年)やらの、堕ちる女イメージが、全くないところなんか、それをば裏付けはります。

そんな流れに乗って、いい子ぶっちゃってる日南響子ちゃんの、ブリッ子アイドル娼婦ぶりが、遺憾なく描かれてまいります。

冒頭とラストの桜吹雪シーンに合わせるように、ピンク色をメイン配色した、

響子ちゃんと青木崇高アニキとの、再会エッチ・シークエンスは、メッチャエロかったどすえ~。

映画館のデッカイ画面でぜひ見てみたいと、思わせてくれはった1本やったです。

ちゅうことで、みなはん、映画館で会いましょうや。

2013年6月21日 (金)

「21オーバー 最初の二日酔い」どす

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ハチャメチャおバカ映画の、コレは決定打でおまっせー

「ハングオーバー」を意識しつつも、でもしか…スゴイわ!

http://www.earthstar.jp/movie/21over.html

ジューン6月22日のサタデーから、アース・スターエンターテイメントはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷やらで、全国順グリのロードショーでおま。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸRelativity Media

今週火曜日に分析いたしました「ハングオーバー!!! 最後の反省会」を、モノゴッツー意識しはった、おバカ・コメディ映画でおます。

「ハングオーバー」シリーズそのものが、日本では売れない状況の中で、

そのパロディ映画が日本上陸するっちゅうんは、マレでおましょう。

でもしか、本作はオリジナルをドカーンと超えた、ハチャハチャ・インパクトが強烈至極でおました。

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てなとこで、日本未公開になりがちな、おバカ・ハチャメチャ・アメリカン・コメディの、21世紀における、マイ・ベスト・スリーを披露してみまっさ。

①本作②ハングオーバー1(弊ブログ内検索で出ます)③クリスティーナの好きなコト(2002年製作・以下の引用は、全てアメリカ映画)

●本作は、ベスト②のシリーズを意識しながらも、

酒を飲んでハチャハチャな一夜を、ストレートに描いた点において、その間に何が? ナンチュー論理的な、ミステリアス解析を入れたベスト②以上に、

理屈抜きリアリティー抜きの、楽しみ度を増してはりました。

ほんで、ハチャメチャ度においては、ベスト②を超えた仕上がりやと、ボクチンは思います。

加えればでんな、キャメロン・ディアスのネーさんが主演して、女側からのエロエロ度を遺憾なく発揮したベスト③に対して、

男側のエロを、学園もの「アメリカン・パイ」(1999年)のようなノリで出した点に、

本作の隠し味的なオモロサがありました。

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ほかにも、引用すべき作品はイロイロござります。

ストーリーとセリフ的な流れの中で、そのあたりを分析してみまひょか。

アメリカでは、酒がせいだい飲める21歳になった、2人のアメリカン青年A&Bが、

翌日に大学の医学部を受けはる予定の、高校の同窓やった中国系学生C(全ての画像に写ってはる青年)を、

一夜の酒飲みハシゴに誘わはりまんのが、イントロでおます。

でも、Cの医者であるオトンは反対しはるけど、3人は強引に飲みに外出して…。

「(500)日のサマー」(弊ブログ内検索)がセリフで登場。

ところが、誘った2人よりも早く、Cは酔いつぶれてしまいよります。

Cがフルチンでゲロを吐くスロー・シーンなど、トンデモ・シーンが頻出してまいります。

でもって、AB2人が、Cを家まで送ってゆくハズが、Cの自宅が分からへん。

そこで、Cをお家まで送り届けるための、アレヤコレヤが、アホみたいに展開するっちゅうお話どす。

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Cの女友達D(写真3枚目に写ってるオンナ)の女子寮へ行って、住所を聞こうとして、トンデモバカチン行為をやってもうて。

この女子寮に住んでんのが、「シュレック」(2001年)で声を担当した、キャメロン・ディアスなラテン系の女子たちとゆうのんが、セリフに出ます。

でも、そこにはDはおらず、女子寮の女子たちから、ワルどもと見なされた3人は追われながら、Dの彼氏の元へと行って、スッタモンダがあり、

セルビア系の彼らとのバーサスに、「ロッキー」(1976年)が引用されて…。

とにかく、最後までハチャメチャのノリを、忘れずに展開してまいります。

この流れに乗って見てゆくと、バカ騒ぎの連続やのに、何やら心地がよろしおます。

それはおそらく、いろんな歌が流れる、サントラ・サイドのカッコよさが、1つとして挙げられるやろか。

現在、全米を席巻しとるヒップホップを中心に、ダンス・ナンバー、ハードロック、スロー、16ビート・ロック・インストまで多彩や。

さてはて、パロッてんのは、鑑賞後には、「ハングオーバー」だけやないかもと見ましたで。

ボク的ジャッジでは、ジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」(1972年)やないかなと…。

何はともあれ、「バカだらけだ。サイコー!」のセリフに似合った、爽快な1本どしたえ。

2013年6月20日 (木)

「コン・ティキ」⇒北欧製作の海洋冒険映画どす

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ノルウェー映画としてサプライズ感ある、海洋アドベンチャー大作や~

海のロードムービーとしても、ケッサクとなったか

http://www.kontiki.jp

6月29日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、大阪・梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸ほかで、ロードショーでおます。

本作は、イギリス&ノルウェー&デンマーク&ドイツ合作による、ノルウェー映画でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 NORDISK FILM PRODUCTION AS

北欧映画をちょっとでも、見はった方には分かるでしょうが、本作みたいな大作と呼べる映画は、ほとんどありまへんどした。

しかも、北欧イメージとしては少しハズスような、熱き海洋のアドベンチャー映画どす。

他国の出資もありましたけども、ノルウェー映画史上、過去最大の製作費を投下しはりました。

モチ、2012年のノルウェーの映画興行界では、最高のヒットとなり、世界へも出てゆけるベースをば作ってはります。

アメリカのアカデミー賞で、ドキュメンタリー賞を、1951年に受賞したドキュ作品「Kon-Tiki」(アメリカ映画)の、ドラマ映画であるとこも、注目ポイントやと申せましょう。

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航海ものロードムービー、海洋冒険ものやら。

いつものマイ・ベスト&カルトやないけど、そんないっぱいあるジャンル映画の、マイ・ベスト・セブンを、思いつくままに、勝手に披露いたしますと…。

①冒険者たち(1967年製作・フランス)②タイタニック(1997年・アメリカ)③ライフ・オブ・パイ(2012年・弊ブログ内検索で出ます)

④本作⑤パイレーツ・オブ・カリビアン(第1作は2003年・アメリカ)⑥ワンピース(第1作は2003年・日本)⑦U・ボート(1981年・西ドイツ)

●何日も悩んだ末に、緻密にベストを選んだわけやないけども、大ヒットしてる⑤⑥よりも、海洋冒険映画の原点的なところが、本作にはありました。

作家ジュール・ヴェルヌもんや、スティーヴンソンの「宝島」など、その原作映画やらは、ベストに挙げませんどしたけども、その流れを汲む作品どすえ。

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ドキュ原作やから、当然、実話どす。

歴史的実証を証明すべく、写真に写っておます自前の、ポンコツ・イカダ「コン・ティキ」号に乗って、主人公らが1947年に船出しはります。

コロンブス、マゼランなど、歴史的な航海も映画で採り上げられたけど、

こういう歴史の闇に埋もれそうなエピソードこそ、実はドラマティックであったりします。

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1947年当時に1500年前と同じ装備で、かつて辿った人々の海路を探らはりますねん。

いろんな、冒険シーンが出てまいります。そら、サメの「ジョーズ」(1975年・アメリカ)はモチ、

各種の海もの映画に付きものの、嵐のシーンも当然出てまいります。

そうした苦難の末に、感動があるとゆうスタイルは、この種の映画の、お約束事項かもしれへんけど、エエ感じどした。

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ガラパゴスの大ウズマキ、薄グリーンな生き物たち、定番とはいえ、海辺の夕景シーンの美しさなど、

航海映画のお楽しみシーンは、随所に用意されておます。

さらに、サントラとのコラボも見逃せまへん。

モノクロな正方形映像にピアノ、ポリネシアの自然に抱かれたような、癒やしのシーンに、

胸にくるオーケストラ・サウンドを流したりと、細かいところの作りが冴えておました。

とゆうことで、ノルウェー映画を全て見たわけやないけども、ノルウェー映画としては、過去最高のケッサクになったと、ボクは断じます。

2013年6月19日 (水)

「欲望のバージニア」⇒禁酒法時代の快作どす

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1920年~1933年のアメリカの悪法「禁酒法」の時代を捉えた1本どす

「アンタッチャブル」とは、正反対の立場から描かれておます

http://yokubou.gaga.ne.jp

ジューン6月29日のサタデーから、ギャガはんの配給によりまして、東京・丸の内TOEI、新宿バルト9、梅田ブルク7、T・ジョイ京都やらで全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸMMXI by BOOTLEG MOVIE LLC All Rights Reserved

禁酒法(アメリカ・オンリーの法律で、1920年から1933年まで)施行時代を描いた1本どす。

さてはて、ここで、唐突ながら、この13年を背景にしたアメリカン映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、勝手に披露しま。

●ベスト⇒①アンタッチャブル(1987年・以下の引用は全てアメリカ映画)②シカゴ(2002年)③ロード・トゥ・パーディション(2002年)③華麗なるギャツビー(今年6月12日付けで分析済み)

●カルト⇒①シンデレラマン(2005年)②本作③チェンジリング(2009年)

●ベタな禁酒法絡みのアクションは、そないに多くはありまへん。

けども、この時代を背景にした映画は、モノゴッツーあります。やはり、現実的には、見て見ぬ振りはできしまへん。

1
実は、この禁酒法の時代をバックにした映画は、イロイロあるとは申せ、ストレートに、メインに、その悪法に関わらはる作品は、ごく稀でおます。

本作は酒にまつわる映画に限定しても、ベスト①と双璧をなしても、なんらおかしくない作品どした。

取り締まる側がメインやなく、酒の密売をする側を、忌憚なく押し出した作り。

それこそが本作のキモでおましょう。その意味では、「アンタッチャブル」とは対をなす作品やと言えます。

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でもしか、本作。ハリウッド映画にしても、日本人の知る有名俳優はんが、まあ、出てへんとこが、昨日分析の「ハングオーバー!!!」に続いて、恒常的にありましてな、そのあたりが微妙とゆうたら、微妙なんやろな~。

ジェシカ・チャスティン、ミア・ワシコウスカらの女優陣。

対して、ケビン・コスナーみたいなトム・ハーディや、おっとりな三兄弟の末っ子役の、シャイア・ラブーフらの男優陣。

失礼かもしれんけど、みなはん、よう分からへんでしょう。

非情な演技を見せるガイ・ピアースはんや、ベテランのゲイリー・オールドマンはんなんかは、何とか分かるにしても…。

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ただし、1931年を舞台にしてはるんやけど、その時代の雰囲気がよう出ておました。

「チャイナ・タウン」(1974年)やら、銀行強盗もの「ニュートン・ボーイズ」(1998年)、「明日に向って撃て!」(1969年)なんかのカンジ。

つまり、時代感描写や雰囲気描写が、優れとると思いました。

長男と末っ子の各ラブ・ストーリー部も、往年のハリウッド映画的ラブ・センスがあって見逃せまへん。

ニック・ケイヴの渋い、ギターの弾き語りナンバーを始め、それ以外のポップス・ナンバーも、シーンに映える作りでおました。

新しい役者たちによる、新しいハリウッド映画の世界を、お楽しみくだされ。

2013年6月18日 (火)

「ハングオーバー!!! 最後の反省会」⇒シリーズ3弾にして完結や~

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3作中、最もアクション・シーンが派手になったで~

犯罪映画のコメディ系へと、シフトした怪作どすえ~

http://www.hangover-japan.jp

6月28日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマやらで、全国ロードショーだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LAGENDARY PICTURES

全米で大ヒットしたシリーズの、第3弾にして完結編でおます。

アメリカで大ヒットしてんのに、日本に上陸したら、さっぱりの結果やったとゆう映画が、21世紀になってから頻出しておます。

かのアメコミ映画化最終形とも言える「アベンジャーズ」(2012年製作・以下の引用は指定以外は、全てアメリカ映画どす)でさえ、

日本では、目が覚めるほどの、大ヒットとはいきまへんどした。

本作より先に完結した「トワイライト」シリーズ(2007年~2012年)なんかもそうなんやけど、

日本でもチョー有名な俳優が、主演してへんとゆう共通項がござります。

ましてや、本作では日本では通じない、アメリカン・ジョーク(特に下ネタ)が多発するんも、ヒットせえへん度を高めとります。

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そんな現状は別にして、大人のおバカ・コメディ映画について…。

戦前のチャップリンやら、キートン、マルクス3兄弟やらは別にして、

1970年代以降の洋画で、手前勝手な大人おバカもん、マイ・ベストな、とにかくオモロかった、ランキング・ベスト5をば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①ブルース・ブラザース(1980年)②ヤング・フランケンシュタイン(1975年)③ハングオーバー1(弊ブログ内検索で出ます)④スター・クレイジー(1980年)⑤ビーン(1997年・イギリス)

●そのほかいっぱいあるんは、あるんやけど、本作はグループものとしてはでんな、チョー・トンデて、傑出したコメディやと思います。

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前2作は、弊ブログ内検索で出ます。

酒が災いの元たる映画は、いっぱいあるけど、こちトラは、アル中なんのその…。

で、第3弾にして完結編は、物語が剛直に進行してまいります。

カー・アクションやら、「ダイ・ハード」(1988年)をメッチャ意識しはった、ビル・アクト・シーンなんぞを絡めて、カッコよく展開しとります。

酒を飲んで正体不明になって、翌日は、全く知らない設定の中で演技してる、ナンチュー前2作の状況なんやけど…。

本作では酒をやめはって、クライム・ムービー・ノリのセンスが、濃密にして快感どした。

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一方においては、サウンドトラックが冴えとりました。

問題児役の中年独身男が好きな、ノリノリのビリー・ジョエル・ナンバー(「マイ・ライフ」)を始め、

「真夜中のカーボーイ」(1969年)でも流れた、ニルソンのフォーキー・ナンバー「うわさの男」とか、

フィル・コリンズのダーク・ポップなナンバー(「心の扉」)などが、登場人物たちが聴いてる設定で流れてきよります。

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そして、ホテル内点滅カット後の、パラシュート逃走シーン、ホテル・ビルの屋上から降りてくるシーンやら、チョイとズレまくりのコメディ・アクションが、ケッコーあります。

さらには、「アーティスト」「アルゴ」(共に弊ブログ内検索)と、2年連続でオスカー作品賞に出はった、ジョン・グッドマンはんの出演。

取って付けたような、第1弾に続くラスベガス・ロケ部とか、ラブ・ストーリー部が、ぎこちないなりの面白さを助長しはります。

まとまっていない迷彩な、サイケデリックなとここそが、この映画らしさどす。

ラストのサプライズも、はっきりゆうて、メチャメチャで唐突やったしな~。

作品性に合わせて、ハイでトンで見て、楽しみたい作品どした。

2013年6月17日 (月)

「アフター・アース」⇒父子共演映画⇒今度はSF映画や~

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「幸せのちから」以来の、ウィル・スミス&ジェイデン・スミス親子共演映画どす

今から1000年後の地球を、M・ナイト・シャマラン監督は、どないクリエイトしたか?

http://afterearth.jp

JUNE6月21日のフライデーから、ソニー・ピクチャーズはんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

関西やったら、大阪ステーションシティシネマ、梅田ブルク7、TOHOシネマズ梅田、MOVIX京都、神戸国際松竹やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ウィル・スミスのアニキのことを、みんな、知っとるか~? 

1989年にヒップホップの「DJジャジー・ジェフ&フレッシュ・プリンス」として音楽界デビューし、ビルボードNo1を獲得。

当時のヒップホップのトップ・リーダーやった、ランDMCを脅かした。

1992年に映画界デビューしても、ヒット作を連発。

黒人俳優として、演技派の先輩デンゼル・ワシントンを脅かした。

そんなウィルの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①幸せのちから(2006年製作・以下の引用作は全てアメリカ映画)②ALI アリ(2001年)③最後の恋のはじめ方(2005年)

●カルト⇒①本作②メン・イン・ブラック(1997年)③インデペンデンス・デイ(1996年)

●人間ドラマ映画をベストに、SF映画をカルトに持ってきましたが、彼の誠実な演技ぶりは、シリアスもんでも娯楽大作でもおんなじどす。

まあ、カルト②やらは、少々コミカル・モードがあったやもしれまへん。

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ベストを見てまいりますと、ハリウッド・ラブ・ストーリーの、王道を披露したベスト③。

モハメド・アリに扮し、ボクシング・スポ根実話映画の、ビビッド感を出したベスト②。

そして、父子共演で、親子のキズナが、感動的に描かれたベスト①。

本作は、ウィルと息子はんのジェイデン・スミス君が共演しはった、ベスト①に続く第2弾でおます。

ただ、ベスト①が現代ものやったのに対して、本作はSF映画スタイルや。

でもしか、父子のキズナ部は、キチンと描かれておます。

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ストーリー的なことを申しますと…。

環境的な問題で、とても住めなくなった地球を去り、人類は別の星へと移住しはりました。

しかし、そこには、トンデモネー人食いエイリアンがおりましたがな。

でも、オトンのウィル・スミスはんは、危険に対し恐怖を感じない、冷静沈着な応戦ぶりで、エイリアンを倒します。

以来、軍の大将格となったオトンは、他の星へのエイリアン狩りに、息子はんも連れて宇宙船で出兵。

しかし、宇宙の嵐に巻き込まれてしまい、かつての地球へと不時着。

宇宙船は分断し、前部と後部が遠く離れて着地。

しかも、生存者は前部にいた、オトンと息子のみ。

しかも、オトンは両足を骨折。自由に動けるんは息子だけや。

SOSを送るための通信機器は、後部にあった。それに、後部には、捕獲されたエイリアンもおった。

そこで、息子はオトンの指令(動画と声)の元、その後部へとたどり着くための、ロードへと、旅立ってゆかはりまんねん。

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最初はSF映画のノリが、地球に不時着してからは、地上のジャングル・ロードムービーにして、サバイバル・ムービーとなり、

最後は、モンスター映画へと流れてゆきよります。

うーん、なるほど。コレぞM・ナイト・シャマラン流儀の、タマラン変格系SF流儀なんやろな~。

サスペンス映画「シックス・センス」(1999年)はモチ、彼の最高傑作やろけど、そのセンスがSF映画にも、遺憾なく発揮されとります。

「猿の惑星」(1967年)とか「エイリアン」(1979年)とか「A.I.」(2001年)の話を、脳裏に入れつつも、

メイン・ソースを、少年と地上の動物たちとがバーサスしてゆく、原点回帰な冒険ものへとスライドさせるワザは、まさにハットトリッキーやったと思います

「ライフ・オブ・パイ」(弊ブログ内検索で出ます)にも似た、インパクトある作品どした。

2013年6月16日 (日)

「ベルリンファイル」⇒韓国映画スパイ・アクション大作や~

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ハリウッド映画に負けない、韓国映画の底力を見た1本どす

ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、リュ・スンボンの各アニキに、チョン・ジヒョンのネーさんが絡みまっせー

http://www.berlinfile.jp

7月13日の土曜日から、CJ Entertainment Japanはんの配給によりまして、新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーやら、梅田ブルク7、なんばパークスシネマやら、MOVIX京都、神戸国際松竹やら、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 CJ E&M CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED

日本では「シュリ」(1999年製作)が、韓国映画ヒットの第1弾でおました。

韓流ドラマ「冬のソナタ」が、大ブレイクするより前の話どす。

でもしか、韓流ブームが「冬のソナタ」以降、日本に押し寄せたとは申せ、韓国映画がメチャメチャヒットしたわけやおまへん。

せいぜいなんてゆうたら、失礼かもしれへんけど、「私の頭の中の消しゴム」(2004年)の興行収入27億円が最大どして、

それ以降は、下り坂とゆうカンジになっとるんどす。

韓流の呼称はあくまで、テレビドラマから生まれた言葉どして、韓国映画界とはほとんど関係ありまへんねん。

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映画とテレビドラマのヒットが、シンクロしない点においては、ちょうど日本とは反対の状況やと申せましょうや。

ただ、本国の韓国では、それほどでもありません。

あくまで韓国ものの、日本での状況とゆうことどす。

さてはて、現状では、韓国で大ヒットした映画でさえ、日本では公開されへんとゆう状況がござります。

そうした流れに抗したわけやないやろうけど、決定的な一発を作ろうと、ヤッてきはったんが、おそらく本作でおましょう。

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北朝鮮と韓国にまつわるスパイ映画を、韓国本国で展開した「シュリ」を、世界レベルでやってみたらどないなるんか。

それに挑戦したんが、本作でおましょうか。

なんとかつて、東西冷戦時代にポイントになっとった、ベルリンを舞台に、北と南の諜報戦が繰り広げられるっチュー、お話を構築しはりました。

海外を舞台にした韓国映画は、それなりにはあるけど、コレはモノゴッツー肩の力が入りまくりどした。

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いやはや、ベタで長めにひっぱるような演出ぶりしかり、スタイリッシュやなく少々荒っぽく作られたアクション・シーンなど、

整然としてミラクルなアクションな、ハリウッド映画のノリとは違っておます。

銃撃戦なら銃撃戦で最後までが、往年のハリウッド映画の基本やったけど、

本作では、銃撃・格闘・そのほかのモロモロが、ミキシングされた、いかにもなケンカ系の、歪みの必死系でゆかはります。

そういうのんが、たぶんフツーで、リアリズムあるアクションなんやろけど、

むしろそんな荒っぽさこそが、新鮮に映るやもしれません。

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マンション部屋内の銃撃戦から、窓外に出て綱渡り的に、アクトを繰り返すシーン。

逃走車を必死に追いかけてゆくシーン。

クライマックスの銃撃戦、大バクハツシーン。

野原の追う・追われるのシーン。

「シュリ」以上のアクト・シーンがこれでもかと、続きます。

そして、それらのシーンで、必死のパッチの演技を見せてくれはる、出演陣の演技ぶりに、胸が熱くなってもうて、

ほんで、血わき肉がダンスする、なんてことになっとります。

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「チェイサー」(2008年)のエキセント・エキスを、チョイと抜いて、ヒロイズムらしさを出してくれはったハ・ジョンウ。

「シュリ」よりも、ぶっきら棒節を示さはるハン・ソッキュ。

役柄的には、最も難しいエキセントリックで、酷薄な悪役ぶりを演じたリュ・スンボム。

紅一点として、アクション的にミラクルもなく、自然体モードで演じ抜かはったチョン・ジヒョン。

韓国俳優の最前線を見せてくれはる、好カルテットな演技ぶりやったです。

いずれにしても、ハリウッド・アクションに負けないとゆう、心意気のある韓国映画どした。

2013年6月15日 (土)

インパルス主演「樹海のふたり」

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樹海の自殺者を追う、テレビ番組リポーターたちの実話ベース映画どす

2人それぞれの、人間ドラマ部も見逃せまへん

http://www.jukai-futari.com

7月6日の土曜日から、アーク・フィルムズはんの配給によりまして、東京・渋谷のユーロスペースにて、全国順次のロードショーでおます。

関西やったら、7月13日から、梅田ガーデンシネマやらで公開どすえ。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013『樹海のふたり』製作委員会

富士山の麓にある樹海に入って、死にたい自殺者たちは、未だにあとを断たんそうでおます。

近年の日本では、自殺者が年々増加傾向にあったんやけど、昨年は減ったらしいどす。

今年はどうかはまだ分かりまへんけども、いずれにしても、自殺者の話とゆうのんは、あくまで負(マイナス)イメージなんで、

どんなにマジでシリアスであっても、観客の共感は呼べないやろうし、みなはんも積極的には、見に行こうとは思わんでおましょう。

確かに、どこまでも暗く描いた自殺者の映画「鬼火」(1963年製作・フランス映画)とか、

集団自殺の「ヴァージン・スーサイズ」(1999年・アメリカ)など、

1人でシコシコ見に行くんやったらまだしも、家族や仲間や恋人たちの、団体で見に行ったら、決して後味のエエもんやないでおましょう。

とゆうか、全くおすすめできへんでー、てなことになってまいます。

でもしか、本作は少しく違っておました。そのあたりを、チビチビと見ていきまひょか。

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奥深く入ってしもたら出てこられへん、富士山麓の樹海が、本作のメイン・ステージどす。

自殺者も当然出てこれへんし、死んでも、発見されへんことも多いそうや。

この富士樹海ものとしては、これまでには、自殺者のオムニバス視点で描かれた「樹(き)の海」(2004年・日本)とか、

樹海調査側視点と自殺者側視点が、ほぼ均等に描かれた「青木ケ原」(弊ブログ内検索で出ます)とかが出ておます。

でもって、本作は、視聴率がさっぱりわやで、戦力外通告をされた、テレビ番組制作会社のフリーランスの2人が、

起死回生の一発を放つべく、樹海に入って死ぬ人たちを、生々しくレポートしようとする番組を企画し、それを実行しやはります。

お笑いコンビのインパルス(板倉俊之と堤下敦の各アニキ)が、そんな2人に扮して、

映画初出演とは思われへん、実に落ち着いたシブミある演技をば、披露しはりました。

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最近では、お笑いの方の主演映画としては、ジャルジャルの「ヒーローショー」(弊ブログ内検索)やとか、

「劇団ひとり」の「ゴッドタン」(6月8日付けで分析)なんぞがあります。

そんな中でも、本作のインパルスの演技ぶりは、ジャルジャルよりも上やとジャッジいたします。

ドラマ効果がメッチャある、堤下のマジ・モードなナレーションに乗って、ストーリーは展開しよります。

インターミッション的なところでは、2人の私生活部が披露されるんやけど、

それぞれの親子ドラマやら恋愛ドラマ、ほんで、家族ドラマ部なんぞが、本筋とは違うところで、劇的なドラマ性をはらんでおました。

トホホンな自殺者役の「きたろう」アニキや、

堤下が淡い恋ゴコロを抱く、懐かしや~の烏丸せつこネーさん、

板倉のヨメはん役の、エンクミこと遠藤久美子ネーさんやらの、

決して暗みに走らない、好感度ある演技ぶりが、見事なアクセントになっとります。

でもって、ナンチューても、インパルスの2人の演技ぶりどす。

お笑いとは、完全無欠に離れた演技。

そして、ある意味では、ヒロイズムある演技に、グッとくることでおましょう。

ラストロールで流れる、男女デュエットのカズン(かつてミリオンセラー・シングルも出してはります)の、

癒やしのスロー・ナンバー「IBUKI」にも、グッとしてホッとなるハズどす。

自然体による自殺防止映画として、後世に語られてもおかしゅうない、そんな映画になったと、ボクは確信いたします。

2013年6月14日 (金)

イギリス映画らしい音楽ムービー「アンコール!!」

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イギリスのベテラン男女名優(テレンス・スタンプ&ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が夫妻役で、渋くも共演しはりました

「人生を楽しむ」とゆうテーマが、全人類に普遍的に遡及しよりまっせー

http://www.encore.asmik-ace.co.jp

ジューン6月28日のフライデーから、アスミック・エースはんの配給によりまして、TOHOシネマズ シャンテで、全国順グリのロードショー。

関西やったら、ジュライ7月5日の金曜日から、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、シネ・リーブル神戸やらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸSteel Mill(Marion Distribution)Limited 2012 All Rights Reserved.

人生は素晴らしいとか、人生を楽しもうナンチュー映画は、これまでにもいっぱいありましたわな。

主人公・ヒロインたちの世代も、千差万別やし、描かれるテーマや素材もイロイロどす。

でもしか、マジに人生へ向かう勇気や、前向きなキモチがもらえる映画は、それほど多くはありまへん。

ほんで、本作は老夫婦が主人公・ヒロインで、歌を歌うことによって、人生を謳歌するとゆうタイプの映画でおます。2人にはモチ残り寿命も、カウントダウンに入っとるような状態どす。

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それにも関わらず、夫は最初の方はネガが入っとったけど、2人のポジティブ志向は胸を打つし、

明るいシニア映画の代表型にも、なれる逸品やと思いました。

また、口パクありきの「カルテット」(弊ブログ内検索で出ます)とは違って、みんな精一杯歌ってはります。

さて、ここで、2人の夫妻役役者を見てみましょうや。

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テレンス・スタンプはんと、ヴァネッサ・レッドグレイヴはん。

そんな2人の、マイ・ベスト・スリーをば披露さしてもらいます。

★テレンスはん⇒①コレクター(1965年製作・アメリカ映画)②イギリスから来た男(1999年・アメリカ)③本作

★ヴァネッサはん⇒①ジュリア(1977年・アメリカ)②アガサ 愛の失踪事件(1979年・アメリカ)③本作

●実は2人共に、暗い役が当たり役になっとるみたいやけど、本作は2人のイメージをくつがえす、明朗演技を見せてはります。

テレンスはんは無表情演技が、妙に板についてはるけども、

本作では暗みを時おり残しつつも、キャリア史上最高の明るさ(!?)を示したかもな。

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披露される歌にも、引きつけられよりました。

SMAPの「世界に一つだけの花」に影響を与えたハズの、ヴァネッサはんが歌う、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」。

ここでは、世界に一つの花は、あなただけが持つ色になっておます。

夫役スタンプはんが歌い上げる、ビリー・ジョエルのピアノ・スロー・バラードなどが、

メッチャ感動的やったと思います。

また、ジェマ・アータートンちゃんの、老人たちを支える、好感度の高い演技も特注もんでおましょうか。

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ヒップホップやらハードロックやらロボット・ダンスも、披露されとります。

そして、冒頭では男性ポップスやら、中盤ではキャッチーなポップ・ナンバーが流れ…。

ほんでもって、ラストロールでは、セリーヌ・ディオンのタイトなミディアム・ポップスで、カチッと締めはりまんねん。

「タイタニック」(1997年・アメリカ)の歌いっぷりにも魅せられたけど、

観客をもてなすような、セリーヌ・ディオンの、ソフトなポピュラリズムは貴重でおます。

家族としてのキズナ描写も、見どころどす。

老夫婦のキズナはモチ、老夫婦と息子と孫娘のキズナ部も、息子のヨメが出てけえへんのが気になったけど、泣けるとこがちゃんと作られておます。

家族一同で、安心して見に行ける1本やと思います。

2013年6月13日 (木)

福山雅治主演「真夏の方程式」

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テレビでもお馴染みの、あの「ガリレオ」シリーズが、地方ロケを敢行したでよ~

福山雅治のアニキと、吉高由里子ネーの掛け合いも、絶好調や~

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http://www.galileo-movie.jp

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6月29日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

 文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 フジテレビジョン アミューズ 文藝春秋 FNS27社

「ガリレオ」シリーズと申せば、いわずと知れた、東野圭吾はんの原作映像化シリーズどす。

かつて東野圭吾原作映画の、独断と偏見に満ちた、マイ・ベスト&カルト・スリーを「夜明けの街で」(弊ブログ内検索で出ます)で披露しましたし、

東野ミステリーの凄さについて書いた、「日経エンタテインメント!」のミステリー・ベスト100のことも、「白夜行」(弊ブログ内検索)のとこで書きました。

そして本作は、ある種の熟成化したシリーズものどす。

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映画化されとる東野ミステリーには、約2つくらいのシリーズもんがあります。

阿部寛主演もの①と、本作の福山雅治主演もの②どす。

①が刑事役なのに対して、②は物理学者役。

ミステリーに定番型の刑事が主役とゆう①に対し、科学捜査が目立つ現在においては、

②の福山クンが探偵役になるというスタイルは、まさにコンテンポラリー(現代的)やと思います。

「容疑者Xの献身」(2008年製作)に続く、映画としての第2弾どす。

テレビ・シリーズも現在オンエアされとりますが、フジテレビ・ドラマからの劇場版としては、

「踊る大捜査線」シリーズ(1998年~2012年・全4作)的な、大ブレイクのシリーズものになる可能性がござります。

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さてはて、今回は、テレビシリーズでもなかった、地方ロケーションをば敢行しはりました。

ラストロールを見てみるに、伊豆ロケなどとなっとりますが、

伊豆だけやなく、いろんな地方の美しい日本の風景を求めて、地方ロケをやってはります。

ブルーの美しい海中シーン、ウットリなれるセピアな海辺の夕景シーンなどが、随時挿入されとります。

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役者陣へと目を転じてみますと…。

モチ、福山雅治こと福山クンこと「ガリレオ探偵」の、クールな演技がピカイチなんやけど、

今回はひと夏のコドモ少年との交流が、メインになっとります。

コドモとオトナの交流映画は、これまでにも多数出回っておますが、

福山クンにコドモ・アレルギーが、ある中での演出どす。

しかし、少年とベタに接することなく、そのクール感を最後まで維持する、演技ぶりには脱帽もんどした。

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前作「容疑者Xの献身」の女刑事役は、柴咲コウから、吉高由里子ネーさんになっとります。

放送中の連続テレビドラマでも、福山クンと由里子ネーの掛け合いは、まるで漫才のボケとツッコミのようやけど、

今作もその期待は裏切られまへんで。

但し、事件解決へと向かう後半では、マジ・モードにはなってまいります。

そして、事件の核となる、家族ドラマ部でおます。

父母役の前田吟(写真9枚目)と、風吹ジュン(写真8枚目)。

2人の娘役の杏(写真4枚目)ちゃん。

過去の事件を探っとった元刑事殺し事件なんやけど、

この3人家族の中に、真犯人がいとるかもな…。

「容疑者Xの献身」的なとこもあるんやけど、でも、最後の最後まで真相は分かりまへん。

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日本では今やアニメ以外はないので、ぜひ実写映画のプログラム・ピクチャー化を、検討してほしい1本やと思います。

2013年6月12日 (水)

「華麗なるギャツビー」は大ケッサク!

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1970年代映画のリメイク作品としては、過去最高の作品とちゃうやろか

オリジナルのロバート・レッドフォードより、レオナルド・ディカプリオの方が、作品性に似合ってはりまっせー

http://www.gatsbymovie.jp

ジューン6月14日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、2D、3D同時公開で、全国各地イッセーのロードショーでおます。

大阪やったら、大阪ステーションシティシネマやらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

1970年代映画のリメイク作品は、21世紀になってからも、ケッコー出てまいりました。

そこででんな、70年代リメイク作品の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露させてもらいまっさ。

●ベスト⇒①本作②ゲッタウェイ(1994年製作・以下の引用は指定以外は、全てアメリカ映画)③スルース(2007年・イギリス)

●カルト⇒①ポセイドン(2006年)②サブウェイ・パニック(2009年)③テキサス・チェーンソー(2003年)

●元ネタ映画については、各作品検索で出てまいるやろかと思いますが、

犯罪系映画ベスト②やミステリー系ベスト③、70年代ハリウッド映画のシンボライズとされとる、パニック・ムービー系のカルト①②、ほんでホラーのカルト③。

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エンタメ系作品が集中的に、リメイクされておますけども、

でもしか、本作は人間ドラマ映画としては、初やないやろか。

ほんでもって、オリジナルを超えた稀有な1本なんどすえ。

さてはて、オリジナルとの違いを見てみまひょか。

ギャツビーとは一体誰なんか。

オリジンではすぐに分かってまうとこがありましたけど、かなり引っ張らはります。

ほんで、いわゆる三角関係のラブ・ストーリーなんやけど、

ギャツビーと元恋人が再会するシーンも、オリジナルとは違って、新たなユニークなタッチを加えてはります。

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そして、サントラを含む、パーティー演奏シーンなんぞは、オリジナル以上に派手にして華麗どした。

ジャズ・ナンバーだけやなく、サントラ的にはヒップホップ、R&B、多彩に聴かせるスロー・ナンバーなどで、魅せてくれてはります。

演技陣の違いにも、目がゆきよりました。

オリジン主演のスマート感ある、ロバート・レッドフォードよりも、ワイルド感あるレオ様(レオナルド・ディカプリオ)の方が、本作の作品性に合っておったかと思います。

お相手役はミア・ファローから、キャリー・マリガンちゃんへ。

弱々しいカンジでゆうたら、キャリーちゃんの方が、ちょっと上の雰囲気を持ってはります。

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さらに、語り部となる、トビー・マグワイアのアニキ。

冒頭の「酒におぼれて、身を滅ぼしていった」とゆうナレーションぶりからして、“ロスト・ジェネレーション”とゆわれた原作者フィッツジェラルドの、アンニュイなイメージにマッチしとりました。

バズ・ラーマン監督的にも、「ロミオ&ジュリエット」(1996年)やら「ムーラン・ルージュ」(2001年)やらで示した、

オリジナルの換骨奪胎(かんこつだったい・新しい作品として提示)ぶりは、ディープ・インパクトがござりました。

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加えるにでんな、70年代映画的な色彩感(明るい感覚)が、新鮮どしたやろか。

過去シーンでは、ソフト・タッチなセンスで魅せてくれはったし、色使いにも注目しときたい作品や。

さらにゆうと、往年のハリウッドのラブ・ストーリーにあった、クローズアップによるキス・シーンなどが、グッときよりました。

ボク的には三角関係部では、「ジャイアンツ」(1956年)を、ギャツビーの人間ドラマ的には、「市民ケーン」(1941年)なんぞを、濃厚に思い出させてくれはりました。

ちゅうことで、今年の洋画のベストテン級の、仕上がりになっとるやもしれまへんで~。

2013年6月11日 (火)

イギリスのCIAものスパイ映画「殺しのナンバー」

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ジョン・キューザックのアニキ主演のスパイ映画どす

スウェーデン生まれのお色気美女、マリン・アッカーマンのネーさんもよろしおま

http://www.satsujin-movie.jp

6月22日のサタデーより、日活はんの配給によりまして、アポロシネマ8ほかでロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 MMXII Numbers Station Films Ltd. All Rights Reserved.

作の主演は、ジョン・キューザックのアニキや~。みんな、彼のことを知っとるか~。

ボク的には一時期、エドワード・ノートンはんと紛らわしかったりして、間違えたりしとったんやけど、今は大丈夫だす。

改めて、キューザックはんを再認識して、彼のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①ブロードウェイと銃弾(1994年製作・以下の引用は指定国以外は全てアメリカ映画)②マルコヴィッチの穴(1999年)③ハイ・フィデリティ(2000年)

●カルト⇒①本作②アイデンティティー(2003年)③セレンディピティ(2001年)

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●1960年代生まれのハリウッド男優はんてゆうたら、

それ以前の過去の名作はモチやけど、1970年代から1980年代の映画に洗脳されて、

1980年代から1990年代頃にデビューして、有名になるっちゅうパターンが多いようどす。

その代表型は、トム・クルーズ(1962年生まれ)やったり、ブラッド・ピット(1964年)、ニコラス・ケイジ(1964年)、ジョニー・デップ(1963年)あたりやろか。

キューザックはんは、彼らの後輩となる、1966年生まれどす。

代表傑作や大ヒット作がある諸先輩方に対して、後輩の、先輩への敬意を表するサポート感で、その後塵を配したりして、

なかなかヒット作や当たり役には、恵まれへんような具合があったようにも思います。

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大ブレイク・スターの直後生まれの世代は、なんやかんやあって、ポストを狙うにも、厳しい環境にあるんやもしれまへん。

それでも、渋~い作品には出続けてはります。

ある意味で室内劇な、群像サスペンスになったカルト②。

本作も、限られた狭いスペース内における、アクションやらサスペンスやらが頻出してまいります。

ダークで狭い中での銃撃シーンや、2人芝居やないけど、男女2人コンビによる室内劇タッチは、

ジュリア・ロバーツ主演「ペリカン文書」(1993年)らよりスリリングに、

元祖コンピューター・ゲーム映画「ウォー・ゲーム」(1983年)らより、

アクロバティックに展開してまいります。

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また、CIAものスパイ映画てゆうたら、従来はハリウッド映画の十八番(おはこ)ラインやったけど、

UKに「007」があるとは申せ、本作はイギリス映画にしてCIAもの、しかもその裏側もんちゅうことになっとります。

CIAにまつわる舞台の新しどころも、設定してはってユニークやし、

かつての冷戦時代のソ連みたいに、敵対国を特定しない作りも、曖昧やけど、得体の知れない不気味さがあります。

「ボーン」シリーズ(2002年・2004年・2007年)を、意識してはるとこもあったけど、決して二番煎じ感はありまへんどしたえ。

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キューザックはんのお相手役ガールは、スウェーデン生まれのマリン・アッカーマンのネーさん。

スウェーデン出身の女優はんてゆうたら、グレタ・ガルボやらイングリッド・バーグマンがいてるけど、

そんな名女優たちのセンスも、チラリと見え隠れしとります。

セクシーさもあるんで、今後はいろんな方向性でのキャスティングが期待できる、女優はんでおましょう。

とにもかくにも、男女コンビ・サスペンス・アクションとして、楽しめる作品どした。

2013年6月10日 (月)

サーフィン映画「マーヴェリックス/波に魅せられた男たち」

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子弟コンビの絆映画と、若者ラブ・ストーリーがミキシング

ジェラルド・バトラーのアニキは果たして、若き2人を恋の成就へと導かはんねんやろか~

http://www.disney-studio.jp/movies/marvericks/

ジューン6月15日のサタデーから、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋やら、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸やらで、全国ロードショーや~。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 Twentieth Century Fox Film Corporation and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.

本作は、まがうことなきサーフィン映画どす。しかも、実話をベースにしてはります。

まあ、それはエエといたしまして、全くの個人的な感想を述べまするに、サーフィン映画には「ビッグ・ウェンズデー」(1978年製作・アメリカ映画)以外には、傑作と呼ぶべき映画はなかった。本作を見るまでは…。

「エンドレス・サマー」(1966年・アメリカ・DVDタイトルは「終りなき夏」)。悪くはありまへん。

サーフィン映画ドキュとしては、その後にも出た作品に手本を示したかもしれんけど、画質の海辺のサマーなカンジはエエけど、そこまでの感。

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サーフィン・ドキュはすべからく、サーフィン技術や波乗りの美しさ、難易度に挑戦などを見せたりするとこに、重点が置かれ、ヒューマン部が希薄どした。

日本映画なら、「稲村ジェーン」(1990年)やらがありますが、音楽ムービーとしての面白さはあっても、人間ドラマ性や恋愛映画なとこに、今一つのもの足りなさがあったかと思います。

ただ、しかし、21世紀になって、サーフィンものにも、少し違った視点が加わりました。つまり、それは実話系どす。

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実話の生身の人間の話やから、スポ根オンリーやそのワザだけやなく、ヒューマンな微妙な感情が出てくるような映画に、なるんやないかとゆうことなんやろか。

不治の病で死んだ、プロ・サーファー家族を採り上げた、東宝配給作品の「Life  天国で君に逢えたら」(2007年・日本)とか、

本作と同じくディズニー配給の、片腕女の子サーファーを描く「ソウル・サーファー」(弊ブログ内検索で出ます)やらが出てきておます。

但し、サーフィンに絡めて、実話をより映画的にドラマティックに見せる点においては、本作は先の2作品よりも、上の仕上がりになっとるやもしれまへん。

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サーフィンを教える、疑似父子とも言うべき師弟の物語をベースに、弟子の幼き頃からのラブ・ストーリー部が、絡み合ってくるとゆうお話でおます。

ヒット中の「エンド・オブ・ホワイトハウス」(今年5月27日付けで分析)で、アクション映画俳優ぶりを見せはったジェラルド・バトラーのアニキが、サーフィンの先生役どす。

彼の人間臭い演技は、泥臭いスマート感みたいなんがあって、ブルース・ウィリスより観客の好感度は、少々上やとボクは思とるんやけど…。

さてはて、どうやろか。

若手俳優のジョニー・ウェストン君と、アビゲイル・スペンサーちゃんの、仲を取り持つわけやないけど、

サーフィンを通してつながってゆく、この3人の関係やキズナは、本作のヒューマン映画部の、ハイライトでおましょうか。

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カーティス・ハンソンはんとマイケル・アプテッドはんとゆう、ハリウッド・ヒット作品を手がけた巨匠級の監督の、W監督とゆうのんも、スゴイですわ。

例えば、実話系では、ハンソンはんは大ヒットした、エミネムを描いた「8 Mile」(2002年・アメリカ)なんぞを、

アップテッドはんは、シガニー・ウィーヴァーを、アカデミー賞主演女優賞に導かはった「愛は霧のかなたに」(1988年・アメリカ)なんぞを撮ってはります。

そんな2人が組んだ効果は、絶大なもんがござります。

特に、クライマックスのロングショットや近接撮影で捉えられる、サーフィン・シーン(写真6枚目)のダイナミズムが爽快どすえ~。

家族一同モチ、OK。2人デート・ムービーなら、もっとOKとも、ジャッジできる快作どした。

2013年6月 9日 (日)

日本・モンゴル合作の野球映画「モンゴル野球青春記 バクシャー」

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実話をベースにした、感動の野球映画がコレどす

野球を通じてのキズナが、ググーンと胸にきますで

http://mongolyakyu.com/

ジューン6月15日のサタデーから、アールグレイフィルムはんの配給によりまして、東京・新宿K's cinemaやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 モンゴル野球青春記

感動的な野球映画とゆうもんを、久々に見させてもらいました。

「もしドラ」(弊ブログ内検索で出ます)やら「ROOKIES-卒業-」(2009年製作)やらの、

高校野球もん日本映画には、ボクは泣きまへんどした。

家族のキズナも描いた、大リーグもの「甦る熱球」(1949年・アメリカ映画)、「オールド・ルーキー」(2002年・アメリカ)やらにも、涙腺は潤みまへんどした。

傑作と呼ばれる「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年・アメリカ)、「ナチュラル」(1984年・アメリカ)にも、

泣きそうになるとこもあったけど、涙は滲んどりまへん。

昨年公開された、スカウトもの「人生の特等席」(2012年・アメリカ)。

クリント・イーストウッド、渋かったわ~。でも、泣くまでには至っておりまへん。

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本作には、野球を楽しもう系の「私を野球につれてって」(1949年・アメリカ・日本未公開もDVDは発売中)や、

トンデモ殺人野球映画の「ダイナマイトどんどん」(1978年・日本)やらのセンスもあります。

1995年から4年間の間に、実際にあった話が、ベースになっとります。

まあ、「オールド・ルーキー」や「打撃王」(1942年・アメリカ)なんぞも実話やけど、

いずれにしても、それらの諸作には、本作みたいに、嗚咽から号泣へといく、泣きの感動はありまへんどした。

野球映画のマイ・ベスト&カルト・スリーを、披露しても良かったんやけど、

本作はそういう括りには入れない方が、エエ作品やと思いました。

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何でかとゆうと、高校野球やら大リーグやらプロ野球のお話は、ある種の整然と整えられた、セオリーとゆうもんがあります。

それをベース・ラインにして、キズナを描いていったりしますけども、

本作は、野球とゆうものを全く知らない国・モンゴルへ行って、1人の日本人野球青年が、野球をイチから教えるとゆう、お話なんでおます。

その意味では、ネイティヴの中に、異人種人が入っていって、交流を結ぶタイプの映画。例えば、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990年・アメリカ)なんかと、本作は通じるやもしれまへん。

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そんなバクシャー(先生)役を、「リアル鬼ごっこ」(2008年・日本)でも示した、正統系の演技で魅せはるんが、石田卓也のアニキどす。

しかも、本作はホラーやないんで、好感度もグーンとアップしてはります。

清純・さわやか・ひたむき・優しい…。

好感を呼ぶ全てのテイストが、入ったような演技ぶりや。

国旗を背負うモンゴル・チームのコーチに加え、少年たちへも指導しはります。みんなからメッチャ慕われます。

でもしか、上の人との摩擦があって、彼は次第に阻害されていかはります。

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さて、松坂大輔がいてる日本チームと、モンゴル・チームの大阪での、試合前のエピソードに、胸を打たれました。

上からの圧力で、石田のアニキは、ベンチ入りできないことになっとったんやけど、メンバーみんなのある行動により…。

ストレートでベタかもしれまへん。試合もボロ負けするし…。

しかし、その後のメンバーたちや、監督夫婦とのキズナ具合は、ホンマ、泣くしかないような、演出ぶりをば施してはるんどすえ。

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モンゴルのストリート・キッズたちの、現実も映されるけど、石田アニは、そんな貧しいコドモたちにも、優しい手を差し伸べはります。

写真のいくつかは、そういう感動的なシーンを捉えてます。

ちゅうことで、野球を通じてのキズナが、メッチャ熱い、泣ける映画どした。

2013年6月 8日 (土)

お色気バラエティー番組が映画になった「ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE」

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「劇団ひとり」こと川島省吾アニキが、アドリブ主演や~

テレビのバラエティー番組初の、映画化かもしれまへん

http://www.god-tongue.com

6月28日の金曜日から、東宝映像事業部はんの配給によりまして、TOHOシネマズ六本木ヒルズやら、TOHOシネマズ梅田やらで全国ロードショーどす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「キス我慢選手権 THE MOVIE」製作委員会

テレビのドラマやなく、バラエティー番組の映画化とゆうのんは、かつてあったやろか。

例えば「クイズ・ミリオネア」(ちなみにコレは英国発のゲーム番組でおます)を、

ドラマ映画の中に取り込んだ「スラムドッグ$ミリオネア」(2009年製作・イギリス映画)くらいしか思い付かへんねんけど、

バラエティー番組のノリを、そのまま映画に持ってくるとゆうのんは、おそらく映画史上初めてやないやろか。

しかも、テレビ東京の土曜の深夜番組とゆうサプライズやし。

それに、ゲーマー映画感覚のスタイルでいかはります。

実況ナマ中継でドラマを見る、司会役となる4人(バナナマンや、おぎやはぎ等)プラス女子アナが、裏にいてはるんどすわ。

ほんで、ドラマの中でナレーションっぽく、みんなで演技やらの、感想をば述べるっちゅうことになっとります。

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賭けに興じる人が、裏にいてる「カイジ」シリーズ(2009年・2010年)やらのノリに加え、

主演の「劇団ひとり」こと川島省吾はんだけが、台本が渡されておらず、いわゆる1人だけアドリブで、演技を続けるんでおます

まるでバラエティー番組版「トゥルーマン・ショー」(1998年・アメリカ)やな~。

加えて、イロイロ登場してきはる、お色気美女たちの誘惑を避けて、主人公はラストシーンまでいかなあかんとゆう、番組オリジナル設定がござります。

そやから、主人公が女とキスをした時点で、ドラマはジ・エンドなんどす。

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ストーリーを簡単にゆうと、記憶喪失した川島省吾のアニキが、岩井秀人と、みひろチャンの3人(写真1枚目)で、

3人を育てたボス(竹内力)がいる闇組織へと潜入し、一大決戦をするとゆうカンジ。

一方、抗争事件を追う、渡辺いっけいと斎藤工の相棒刑事たちの、捜査シーンが随時挿入されよります。

主人公・川島アニキのアドリブ演技が、映画の流れに合わせて適宜披露されますが、

その対応ぶりは、そのつど舌を巻きます。それを5人の司会者たちが、思いっきしシャベらはります。

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ベタな誘惑シーン(写真3枚目・4枚目)に加え(クローズアップのやり取りで魅せる、みひろの誘惑シーンは絶品や~)、

アドリブ感でグイグイきて、アジトに潜入してからは、次々にベタな感動シーンがあるんやけど、

それらのシーンにかぶさる彼らのナレーションが、ドラマをベタとチャッチーの混成系で見せて、何とも言えへん、ドラマ化学反応を起こしてはります。

なんじゃこりゃーと、人によっては、ノレへん方もいてるかもしれへんけど、

こうゆう遊びコゴロこそ、今の映画界に必要なもんなんかもしれまへん。

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付け加えますと、記憶喪失系主人公が活躍する「ボーン」シリーズ(2002年・2004年・2007年・アメリカ)やら、

「ゾンビ」(1978年・イタリア&アメリカ)に、

ラストの方で京本政樹アニキが演じはる「博士の異常な愛情」(1963年・イギリス)の、博士的演技ぶりなど、

いろんな名作映画のスパイシーが効いておました。

そして、ラストロールでは、サンボマスターの、キャッチーな8ビート・ロックが流れますで。

キモチ良く、映画館をあとにできる作品やと思います。

2013年6月 7日 (金)

長崎原爆映画の新しさ「爆心 長崎の空」

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原爆後遺症もの映画の、21世紀的新しいカタチをば、打ち出したケッサクや~

広島原爆もん「夕凪の街 桜の国」を、さらに進化させはりました

http://www.bakusin-movie.com

ジュライ7月20日のサタデーから、パル企画はんの配給によりまして、東劇、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田、なんばパークスシネマやらで、全国ロードショーでおます。

7月13日~7月19日の間、岩波ホールでプレミア特別上映を、ヤラはります。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「爆心 長崎の空」パートナーズ

まずは、原爆後遺症日本映画の、マイ・ベスト・スリーをば披露いたします。

●ベスト⇒①黒い雨(1989年製作)②TOMORROW 明日(1988年)③本作③夕凪の街 桜の国(2007年)

●原爆トラウマもんてゆうたら、長崎・広島原爆の当時の非情なるとこが、キモになっとりました。

でもしか、本作は被ばくをポイントにしながらも、21世紀の長崎を舞台に、いろんな人々の死が、長崎原爆になぞらえて展開してまいります。

まあ、同率ベスト3位の「夕凪の街 桜の国」と較べますと、本作は全く21世紀のコンテンポラリー(現代)系やと申せましょうや。

長崎原爆がそうやったように、突然の人の死、

ほんで、その死を知らされた者の、痛みとトラウマを、テーマにするとゆう新しさどす。

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さてはて、次に、本作は地方ロケ映画でも、長崎ロケーション映画どすえ。

ちゅうことで、ココで長崎ロケ映画のマイ・ベスト・スリーは、どないやろかな。

●ベスト⇒①TOMORROW 明日②本作③解夏(2003年)てなカンジやろかな。

どの作品においても、坂の多い長崎ロケの、面白さも映さはるけど、

特に、本作は、坂の上から見る長崎の街の、ロングショットを何度も映して、異彩を放ってはりました。

ほんでもって、本作は群像劇スタイルどす。

イロンな役者陣の渾身の演技ぶりが、披露されてまいります。

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まずは、北乃きいチャンの、NHKの朝ドラ的な、好感度あふれる国民的演技性や~。

オカン(渡辺美奈代)を自分のせいで死なせてしまったとゆう、トラウマに悩む演技をば、緻密に披露しはります。

一方において、稲森いずみネーさんや~。

ネーさんはあんまし映画には出てはらへんけど、こちとらも、朝ドラ的好感度ある演技ぶりやで~。

娘はんを死なせてしもたことに、トラウマを持ってはる役どす。

でも、そのトラウマを乗り越えてゆく演技ぶりを、感動的にヤラはりましたで。

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名バイ・プレーヤー陣の、層の厚さにも酔いしれましたがな。

それこそ、まるで日本俳優陣の系譜なるものをば、見るようなカンジどしたえ。

1970年代からいてはる、宮下順子はんと石橋蓮司はん。

1990年代に一世風靡しはった、佐野史郎はんや杉本哲太はん。

そんでもって、前世紀から21世紀にかけて、映画界を牽引した2人。

「誰も知らない」(2004年)で、カンヌ国際映画祭で主演男優賞に輝いた、柳楽優弥のアニキ。

久々に見たけど、初期のおぼこさが、ワイルド感を増して進化してはります。

ほんで、池脇千鶴ネーさんや。

彼女は一貫してテレビやなく、映画にこだわる演技ぶりどして、そのたたずまいは、まさに千鶴節とも言える世界を構築してはるんどす。

そして、静かな流れで粛々と胸に迫ってまいります。

静かとは申せ、サントラ部も渋いわ~。

ジャズ界の小曽根真はんの、ピアノの静かなる響き。

小柳ゆきネーの聖歌的タッチのバラードなど、余韻を増す快作どした。

ゆうまでもありまへんが、今年の邦画ベストテン級の、ケッサクなんどすえ~。

2013年6月 6日 (木)

変形ラブ・ストーリーの傑作「さよなら渓谷」

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原作者・吉田修一&監督・大森立嗣&主演・真木よう子ネーさんのシブミどす

犯した者と犯された者の、初の恋愛映画は、コレどっせー

http://www.sayonarakeikoku.com

6月22日の土曜日から、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸やらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013「さよなら渓谷」製作委員会

かつて体育会系のサークルに入っていた主人公が、大学時代にサークル仲間と共に、1人の女の子サポーターを、酔いに任せてマワしてしもた。

数年前からイロイロ問題になっとる、大学生集団強姦事件をヒントに、書かれたんが本作の原作小説でおます。

まあ、ボクの母校・同志社大学学生も入っておったんが、非常に残念なんやけど、

でもしか、本作は犯した者と犯された者が、疑似夫婦になって一緒に住むようになったとしたら…

そういう異種ラブ・ストーリーとゆうラインに、挑戦しはりました。

モノゴッツー大変な素材どす。

現実的には、そんなんあり得へんやん。

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そんな2人が仲睦まじい夫婦のように、関東の田舎に住み、当たり前のように、泥臭いセックス・シーンを見せるところから、本作は始まります。

2人が事件の数年後に再会し、恋とか愛とか呼べるかどうかは別にして、一緒に暮らすようなことになったんか。

この描写は、活字にしろ映像にしろ演技にしろ、最上級の説得力ちゅうもんが必要になってまいります。

ともすると、頭の中だけの荒唐無稽な話になるところを、まさにピリピリ張りつめた、

ある種ギリギリの描写・演出ラインで、各人がヤッてはりまんのが、手に取るように分かりまんねん。

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まずはナンチューても、真木よう子ネーさんの、彼女のキャリア史上最高の、演技ぶりについて語ってみまひょか。

「ベロニカは死ぬことにした」(2005年製作)以来の、濡れ場、ヌード・シーンを披露してはりますが、

やらしいとゆうよりも、あくまでイワクあるヒロイン像に合わせた、泥臭い演出ぶり。

攻撃的な「SP」(弊ブログ内検索で出ます)や、攻撃的コメディエンヌな「モテキ」(弊ブログ内検索)やらとは違います。

彼女の最大の持ち味、無表情で示す感情表現。

これは役者としては、最も最難関の演技なんやと思うけど、アップも含めた、その微細な演技ぶりに注目しておくんなはれ。

今年の邦画の、主演女優賞級の演技やと思います。

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堕ちるヒロインを描く日本映画の、マイ・ベスト・スリーに入る出来どした。

ちなみにそのランキングを披露いたしますと…。

①赫(あか)い髪の女(1979年)②にっぽん昆虫記(1963年)③本作③嫌われ松子の一生(2006年)…なカンジやけど、

堕ちる度合いをベタに展開する①②とは違い、あくまで冷静な視点で慎重に描いてはります。

同率の③も、派手めの演出ぶりどしたが、本作のような静謐なスタイルは珍しいかと見ました。

真木よう子の過去を調べてゆく記者役の、本作の大森立嗣監督の弟はん大森南朋のアニキ。迷いを持ちつつも、取材へ突き進む演技に好感があります。

その助手役をタイトに演じた、鈴木杏ネーさんも快演技や。

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吉田修一原作映画としては、「悪人」(弊ブログ内検索)みたいに、徐々に増してゆく逼迫感がありまっしゃろか。

「死ねと言われれば死ぬ」「幸せになるために一緒にいるのではない」などの、ネガティブなセリフが胸をチクリと刺すし、

長回し撮影部のポイントを押さえた挿入などが、ドラマ・リズムを作ってまいります。

2人が同棲する経緯となる、過去シーンは最大の見せ場。

ラストロールで流れる、椎名林檎ネー提供のアンニュイなスロー・ナンバー「幸先坂」を、主演の真木よう子が歌ってはります。

梶芽衣子の「怨み節」的なトピック・ナンバーになるんか、チョイ注目してもエエかと思いました。

2013年6月 5日 (水)

香川県高松市ロケーション映画「紲 きずな~庵治石(あじいし)の味~」

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地方ロケ映画の、美しき日本の自然風景に、ウットリとなれる1本どす

職人もの青春映画としての、粋がある快作や~

http://www.ajimovie.com

6月15日の土曜日から、トラヴィスはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、大阪・十三(じゅうそう)のシアターセブンで、7月6日から上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012  庵治石映画製作委員会 株式会社ダイテツ

地方ロケーション映画については、これまでに多数の作品にわたり、論じてまいりました。

これからも綿々とヤル予定どすが、本作は香川県ロケ映画どす。

最近でゆうたら、「百年の時計」(弊ブログ内検索で出ます)などが、香川ロケどしたが、

それらに共通するのは、ある種の観光誘致系、もしくはその土地にゆかりある独特なもんを、採り上げるとこに、スポットが当てられておました。

「百年…」は地方の電鉄やったし、例えば全国イッセー公開された「UDON」の讃岐うどんなど、ポピュラリズムの高いもんが主流をなしておます。

でも、本作は高松市で作られる「庵治石(あじいし)」作りの、世界へフォーカスや~。

その職人ドラマ性を、1つのポイントにした作品になっとります。

まあ、同じ地方の職人映画でも、信楽焼きとか京都の西陣織とか、

メジャー系でゆうたら、「奇跡のリンゴ」(弊ブログ内検索)の、青森のリンゴとかやったら、人口に膾炙(かいしゃ=人気を得ること)しとるんで、全国津々浦々の人にも、分かりやすいんやろうけども…。

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でもしか、描かれる世界観を含めて、本作はマイナーと呼べる、インディーズ映画でおます。全国区な有名な俳優はんは、出てはりません。

この種の地方ロケ映画は、新旧に関わらず有名俳優はんを、それなりにキャスティングして、それなりの体裁を整えようとするんがフツーです。

ところがどっこい、実は本作のようなタイプの映画は、いっぱい作られておりまして、かなりのタイトル数が、お蔵入りするっちゅう憂き目に遭ってはります。

しかも、それなりに有名な俳優が出ておましても、いっしょなんどすわ。

そやから、本作みたいに東京の有名映画館をはじめ、劇場公開されるんは、マレやとゆうてもエエでしょう。

つまりは、いかに、作品の出来が、エエかっちゅうことなんどすえ~。

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1人の若者が、イロイロあっても、1つのことに打ちこんでゆくとゆう普遍性あるドラマが、共感を呼ぶ作りになっとることは確かどす。

ほんで、彼を取り巻く人たちの、あったかさやろか。

家族のキズナやったり仲間の想いなど、ありふれてるかもしれへんけど、誰にでも分かる感動ポイントが、要所要所に仕込まれておます。

また、地方ロケ映画の見どころでもある、美しい日本の自然描写にも、ウットリなれますねん。

ピアノに乗って繰り返し出てくる、海辺の美風景やらに酔いしれ、

濃いセピアを配色した、いかにも地方の真夏の様子らしい情景シーン、灰色・ダークブルー・セピアを配した空模様など、風景をそのまま映しているにしても、

印象に残る癒やしのカットが、次々にやってまいりますで。

効果音としての蝉しぐれ。さらに、夏祭りな太鼓サウンド。

アコースティック・ギター・サウンドの清涼感。

しっとりするピアノ・スロー・ポップス、一ノ宮頼子の「さよならのうた」なんかが、余韻を深めます。

ジャパニーズ・インディーズ映画の良心に、ホッとできる1本どす。

ベッタリ濃厚系の「奇跡のリンゴ」を見たあとには、ぜひ本作で、静かに癒やされておくんなまし。

2013年6月 4日 (火)

「攻殻機動隊ARISE GHOST IN THE SHELL border:1 Ghost Pain」

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7人の精鋭部隊が活躍する、あのアニメ・シリーズ「攻殻機動隊」の誕生秘話でおます

本作新シリーズは、ヒロイン'sドラマとして、見ごたえ充分どすえ~

http://www.kokaku-a.com

6月22日のサタデーから、東宝映像事業部はんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田などで、2週間限定にて、全国イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

「攻殻機動隊」シリーズって、みなはん、知ってはりますやろか。

その電脳部とアクション部においては、かの「マトリックス」シリーズ(1999年~2003年製作・アメリカ映画)に、多大な影響をば与えはったらしいどすわ。

銃撃戦よりも格闘アクトの方が、際立つアクション・シーンやけど、電脳の中に入るアクトとゆうのんは、リアリティーはなくとも、新しいもんを提示してはります。

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「攻殻」シリーズを知らん方に、単刀直入にゆうたら、本作はヒロイン・ドラマなんやけど…。

シャワー・シーンやスッパダカなとこなんぞ、いわゆるお色気シーンも挿入されつつも、

草薙素子(くさなぎ・もとこ)とゆうヒロインの活躍が、誰にでも分かりやすいノリで描かれてまいります。

「スター・ウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」やらの、過去遡り系の映画は、それなりにありますが、

ヒロイン・アニメ・アクションとしては、稀少かつノリやすい作りになっとるやもしれまへん。

まあ、ヒロインがサイボーグやとゆうのんも、今や設定としてはありきたりかもしれへんけど、ココロそそるとこもござります。

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サイボーグもんてゆうたら、テレビアニメの「サイボーグ009」も名作どすわな。

本作の第1弾となる原作コミックが、大衆に提示されたんは、1989年どした。

当時実写では「ロボコップ」(1987年・アメリカ)なんぞが、大衆の人気を得ておまして、

本作にしても、その影響を受けてはるかと思います。

但し、本作は女性サイボーグもんやし、

オカンの体内にいた頃の頭脳などが、ポイントになっとる点やらは、オリジナリティーの高いユニークな設定でおました。

「サイボーグ007」などの男サイボーグものを、ある種進化させたもんやとも取れます。

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しかも、本作はいわゆるサーガ篇なんで、1人で孤軍奮闘してはるけど、

ホンチャンでは、写真1枚目にありますように、司令塔の1人を除いた7人体制で、事件捜査や処理に当たらはります。

7人キーワードは「七人の侍」(1954年・日本)から始まった、お馴染みの編成やけど、紅一点とゆうとこは、チョコッと珍しいやろか。

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明るめ画像がキーとなっとる、従来のジャパニメーションを踏襲しつつも、

薄目の色合いにダーク感など、多彩で渋い配色具合が、そこかしこに見受けられよります。

過去シーンのボカシ・カットは定番も、向かい合うシーンなどでの陽光の使い方・配色具合に加え、

摩天楼なビルが林立する未来都市の、夕景・夜景シーンのタイトな挿入、電脳入りシーンのグリーンな映像感覚など、ひと味違う色使いにも魅せられたい作品やと思います。

ほんで、サントラは、かつてオシャレな渋谷系と言われた、元フリッパーズ・ギターのコーネリウスが担当や。

シンセとギターをメインにしたサントラ使いで、サスペンス感をあおらはります。

ちゅうことで、シリーズ第4弾の4部作の第1弾。

59分とゆう短さやけど、続く3作がぜひ見てみたいと思わせる、ソソらせてくれはる1本になっとりましたでよ。

2013年6月 3日 (月)

学園ホラー日本映画「絶叫学級」

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怖がるヒロインたちの、アイドル映画のノリどすえ~

川口春奈ちゃん・命の男ん子らは、絶対見に行かなアカンで~

http://www.zekkyo-movie.com

http://youtu.be/_ovByYIgoXM

ジューン6月14日のフライデーから、東宝映像事業部はんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらで、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 いしかわえみ/集英社・『絶叫学級』製作委員会

学園ホラーでおます。

学園ゆうても、小中高大とイロイロあるけど、コレは高校で、しかも男女共学やなく、女子高もんでおます。

テイスト的には、1950年代頃から現れた、日本古来の怪談ものに、よく見られた幽霊ものが、下敷きとしてござります。

そやから、小学校ものやった「トイレの花子さん」(1995年製作)やら

「学校の怪談」シリーズ(1995年~1999年・全4作)のタッチもあるけど、

それらの諸作より、より怖がらせ度合いが、都市伝説というセリフも出てきよるけど、21世紀的に増しておます。

恐怖の素となる、理科室とゆう部屋ものホラーとしては、怖がらせ度は本作よりは低いけど、

大林宣彦監督の館ホラー「HOUSE ハウス」(1977年)へも、通じるやもしれまへん。

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さて、洋画の方へと目を転じてみよりますと、

女子バレエ学校で展開した「サスペリア」(1977年・イタリア映画)なんぞに、本作はかなり影響を受けてるやもしれまへん。

さらに、いじめをポイントにしてる点においては、

ヒロインがいじめられて、反撃パワーを見せる「キャリー」(1976年・アメリカ)やらがござります。

でもって、火災爆発が1つの原因になっとる点は、「エルム街の悪夢」シリーズ(1984年~1991年・全6作・アメリカ・リメイク版は弊ブログ内検索で出ます)も想起させはります。

全てアメリカ映画の、学園ホラー「ラストサマー」(第1弾は1997年)「スクリーム」(第1弾は1996年)「ファイナル・デスティネーション」(第1弾は2000年)やらの各シリーズとも、

比較対照分析をばしてみたい1本なんやけど、本作みたいな怨みを持つ幽霊とゆう設定は、「エルム街の悪夢」などもあるけど、日本映画独特の設定やと思います。

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さてはて、ホラー映画のお楽しみと申せば、怖がらせる側もポイントやけど、

怖がるヒロインたちの姿も、今一つの見どころでおます。

主役は川口春奈ちゃん。

絶叫シーンや怖がる姿もあるけど、アップ、クローズアップ、顔の局部アップの多さで、ある種のアイドル映画性があります。

いじめ側悪役の広瀬アリスちゃんの、ワルぶり演技も特注で、善としてのヒロインを光らせるための、対照的演技が印象的や。

また、過去にいじめに遭った先生役の波瑠ネーさんの、ストーリーの流れに逆らわない自然体演技にも、好感を覚えよりました。

キモを握る、画家を目指すメガネ少女(松岡茉優)の、ぎこちない演技ぶりやら、

幽霊役の山本美月ちゃんの、無表情演技なども注目どす。

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さて、陰湿ないじめシーンは、怖いホラー部とは違う意味で、キモイ・シーンになっとります。

さらに、今の邦画界のトレンドの一つを形成する、コミック原作もの実写映画とゆうのも、本作の強みやもしれまへん。

加えて、ラストロールで流れる主題歌。

かつての相川七瀬的なポップ・ロック・タッチ、新山詩織の「Don't Cry」が流れます。

本作のサプライズ・エンディングを際立たせる、キャッチーな使い方やったやろか。

ちゅうことで、怖い映画が苦手な方もいてはるでしょうが、学園青春映画としてとらえて見に行くんも、エエかと思います。

2013年6月 2日 (日)

絆深きドキュメンタリー「異国に生きる 日本の中のビルマ人」

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政治・社会派なとこより、人間ドキュ・夫妻映画としての感動に、酔いしれるドキュどすえ~

アウンサン・スーチーはんの、実話くらいにココロにきました

http://www.doi-toshikuni.net

6月15日の土曜日から、浦安ドキュメンタリーオフィスの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、上映しはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ土井敏邦

土井敏邦監督の新作「飯館村…」(5月29日付けで分析)より前に完成させた、20年以上を費やした労作どす。

ドキュメンタリーてゆうたら、あんましWEBには似合いまへん。

なんせドキュ映画を、コアに論じられるんは、WEBのサラリ系やなく、論文的な文の重厚感の中でこそ、似合いそうなもんどすさかい。

でも、ドキュをそれほど難しく重たく論じたって、分からへん人には、全く分かりまへんし通じまへん。馬耳東風に近いやもな。

本作にしても、基本的には社会派の、骨太なドキュメンタリーなハズなんやけど…。

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ビルマの民主化運動で政府から追われて、母国ビルマ・ミャンマーを逃れて、政治難民として日本に逃れてきはった男。

でも、祖国には家族がいて、妻がいてはります。

でも、ビルマの自由化を志して、日本から運動活動をやってゆかはります。

写真4枚目のように、レストランの厨房でアルバイトしもって、同じく政治難民の仲間と共にでんな、日本で運動をやり続けてゆかはるんやけども…。

彼へのインタビュー・シーンは、かなり頻出しよります。

この流れでいったら、1人の政治活動家の、小難しい人間ドキュなんかなと、思われてしまうかもしれへんけど、

そんな予想や事前想定は、ほとんど裏切られることとなるでおましょう。

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字幕によって説明されるシーンが多いにも関わらず、感動のある社会派ドキュになってたんで、そこんところは大いなる驚きどした。

いやはや、社会派なんて点は、ある意味で抜いて、見た方がエエかもしれまへん。

それは、夫妻のキズナであったり、家族のキズナであったりします。

長らく会えなかった夫妻のキズナ部は、本作のデッカイ見どころであり、泣けるところどす。

感動的な夫妻ドラマ映画は、多々あるけど、それらと勝るとも劣らないキズナがござりました。

主人公とオトンやおネーはんとの再会部も、ココに、胸に、きよります。

さらに、東日本大震災の震災ボランティアへ、主人公夫妻が、当然至極のごとく行くシークエンスなんぞにも、胸に響きました。

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重たいビルマの現実を映すドキュ部よりも、ボクは、次々に繰り出される家族の泣けるキズナ・シーンに、目を奪われてしもた次第どす。

いろんな人の泣くシーンの多さも、見る側の泣きを促進しはります。

そやから、どないあっても、一般の人に好感をもって、迎えられそうな作品やと思いました。

アウンサン・スーチーさんの映画も出てきたし、DVD化もされて身近になっとります。

そやから、本作とそういう作品と見比べてみたら、ビルマの現実は、より分かりやすくなることでおましょう。

しかし、ボク的にはスーチー映画よりも、本作の方が涙腺の弾けた作品でおました。

重たい社会派部よりキズナ部が際立った、稀有なるドキュどした。

「飯館村…」と甲乙つけがたい、傑作ドキュでおましたえ。

2013年6月 1日 (土)

ジャニーズ俳優主演映画「100回泣くこと」

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関ジャニ∞の大倉忠義クンが、主演どすえ~

彼の恋のお相手は、桐谷美玲チャンやで~

http://www.100kai-movie.com/

JUNE6月22日の土曜日から、ショウゲートはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013中村航・小学館/「100回泣くこと」製作委員会

率直に言いまするに、本作は「セカチュウ」こと「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年製作)に対し、対抗意識をば燃やした1本でおます。

本作の原作が、「セカチュウ」の原作小説(片山恭一)と同じく、小学館から出版されとったり、

本作原作の中村航のアニキが、片山恭一と同じく、純文学系から文壇デビューしてはったりと、

イロイロ、シンクロナイズするとこがありますねん。

その作品性における相似性を、見てまいりますと、

共に女性の方が病系なんやけど、「セカチュウ」の白血病は、こちらでは卵巣ガン。

そこへもってきて、原作にはない、主人公の記憶喪失系を入れることで、映画オリジナル性をば強調してはります。

ほんで、「セカチュウ」の「世界の中心」たるオーストラリアが、こちらではハワイになっとります。

そして、「セカチュウ」のキモたる“泣ける映画”としての、感動的な演出ぶりにも目が行きました。

大倉忠義クンの「1回だけ、泣いていいかな」のセリフで、感動は最高潮を迎える、っちゅうことになっとります。

さてはて、演技陣に目を向けてみましょうや。

ここ最近の邦画のトレンド傾向として、ジャニーズ所属俳優の主演映画とゆうのんがござります。

本作では関ジャニ∞(かんじゃにえいと)の、大倉忠義クンが主演どす。

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加えて、ラストロールで流れる、主題歌のバラード・ナンバー「涙の答え」(写真2枚目・ジャケット写真)も、関ジャニ∞の曲でおます。

ちなみに、邦楽ポピュラー界においても、今やジャニーズは、AKB48と2大勢力を築いておます。

こういう映画での主題歌獲得なんぞも、大ヒットへのポイントにもなっとります。

さて、元へと戻りますと、大倉クンのお相手役の、桐谷美玲(写真1枚目)チャン。

この種の映画のキモとなるべき、泣きの演技も見せてはるけど、

「降らない雨はない」ナンチューセリフなど、お茶目なとこもあって、エエかと思いました。

長回し撮影シーンも多い、ともさかりえネーさん。

昨日分析した「蒼白者」的な、クール感でゆく忍成修吾のアニキ。

オカン役が板についてきてはる、宮崎美子はん。

ギネス級の助演出演回数の、大杉漣はん。そろそろギネス申請しても、エエんやないやろか。

加えて、ブックとゆう名の小型犬が、イヌ映画やないけど、フックとしての感動を作ってましたやろか。

監督は廣木隆一はん。

今年、3作目となる量産ぶりなんやけど、商業的な制約があるとは申せ、彼の作品性は、それなりに発揮してはりました。

長回し撮影部しかり、スロー・テンポな静謐感を、大事に演出してはるとことか、渋くココロにきよりました。

ちゅうことで、「セカチュウ」に勝るとも劣らない、ヒット性の高い、大衆性ある1本どした。

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