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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2013年5月の記事

2013年5月31日 (金)

大阪舞台の日本映画「蒼白者」どす

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韓国女優キム・コッビちゃん主演映画の、連日分析どすえ~

本作はコッビちゃんの、アイドル性をば打ち出してはるやろか

http://www.sohakusha.com

6月8日の土曜日から、カプリコン・フィルムはんの配給によりまして、東京・ユーロスペースやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ⒸZEBKEN TSUNEMOTO-KE

かつて「大阪アジアン映画祭」で、特別上映された作品でおます。

その時はボクチンは残念ながら見逃してしもたんやけど、今回初めて見させていただいて、ウーンと唸りました。

韓国俳優が主演もしくは出演する、邦画や日本のテレビ・ドラマっちゅうのんは、

2000年代前半の韓流ドラマの日本ブームに伴い、これまでに数多く輩出されてまいりました。

チェ・ジウやイ・ビョンホンやらチョン・ジヒョンやら、日本でも人気を得た役者はんが、登場するとゆうパターンが多かったんやけど、

チビチビやけど、日本ではあんまし知られへん方も、出はるようになりました。

インディーズ系が多いんやけど、そのルーツ的作品はと申せば、ペ・ドゥナが出た「リンダ リンダ リンダ」(2005年製作)やないやろか。

2
確かに、それまでにも例はあったんやけど、誠に勝手ながら、映画的に高い評価を得た作品ちゅうとこで判断しとります。

ほんで、本作や。

多分みなはんのほとんどが、知らないやろかと思うけど、

キム・コッビちゃん主演や。

ペ・ドゥナは確かに、演技の上手い女優はんやけど、対して彼女は演技の方向性よりも、無色透明なとこがござります。

アイドル性で魅せたり、そうやなかったりと、多彩なサイケな方向性で魅せてくれはります。

但し、本作に限っては、どちらかと申せば、アイドル性へとシフトしてはるようにも見えました。

しかも、それを泥臭い大阪のイメージで、ヤッテまうとゆう面白さ。

ここに、これまでの韓国俳優主演邦画にはない、新味がござりました。

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作品性を率直に申し上げよりまするに、

「極道の妻(おんな)たち」シリーズ(1986年~1998年・全10作)の、若年層バージョンでおましょうか。

幼い頃にイチズな愛に目覚めた少女が、いったん韓国に帰国し、ほんでその男を救いに来阪しよります。

実のオカンやらその夫に対する、決着(けじめ)を付けんがために……。

そんなヒロイン役のコッビちゃん。

昨日分析した「クソすばらしいこの世界」でもそうやったんやけど、日本語が喋れない役柄どす。

まあ、ちょっとは、ぎこちなく口ずさむけど、そのあたりが妙にカワユイねん。

冷静沈着で激昂するとこもあんましなく、クールなんか、単に大人しいだけなんか、分からへんとこも、妙にココロをばくすぐってきはります。

作品的には「セーラー服と機関銃」(1981年)の薬師丸ひろ子やらと、カブるようなとこもあったやろか。

さらに、銃撃シーンやらには、かつての日活アクションのセンスもあったかと思います。

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救われる対象となる、幼なじみのピアニスト役に、忍成修吾のアニキ。

冷酷ぶりを示した「リリィ・シュシュのすべて」(2001年)や、複雑な人間を演じた「ヘヴンズ ストーリー」(弊ブログ内検索で出ます)など、

ベタに泣くことなく、対象に対してクールな距離感を置く演技性は、本作でもキマッとりました。

明日分析予定の「100回泣くこと」でも、その演技性で名バイプレーヤーぶりを示してはります。

久々に映画で見た中川安奈はんの、変わらぬイケズぶり演技ぶりにも痺れました。

海遊館、淀川河川敷など、大阪ロケーションのオモロさが、個人的には特注やったしな。

大阪ロケ映画の泥臭感も、濃厚にカンジられる快作なんどすえ~。

2013年5月30日 (木)

アメリカを舞台にした日本映画「クソすばらしいこの世界」やー

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エグくてヤバいで~な、シリアル・キラー映画どっせー

2日続けての、韓国女優キム・コッビちゃん主演邦画どす

http://www.facebook.com/kusosuba

http://www.youtube.com/watch?v=-m-UngGOHHA

6月8日の土曜日から、ブラウニーはんの配給によりまして、東京・ポレポレ東中野で、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 KINGRECORDS

キム・コッビちゃん(写真1枚目・3枚目右)。

1985年生まれの韓国女優はんどす。

整形・ダイエットが韓国芸能界の裏側で、当たり前になっとる昨今において、

あくまで容姿・体型を変えずに、演技で勝負するタイプの女優はんどす。

演技の善し悪しは別にして、まずはそこに魅かれよります。

強気の「息もできない」、癒やしの「マジック&ロス」(共に弊ブログ内検索で出ます)などと、演技の幅を図りつつ、演じてきはりました。そして…。

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ちゅうことで、ここにきて日本映画へのアプローチが、インディーズ映画ながらも、2作続けて主演しはって、めでたく日本公開されます。

その2作を、連日にて分析いたします。その第1日目が本作でおます。

アメリカへ留学中の、英語を話す韓国学生役。

しかも、本人を除いて、英語を話せない日本人留学生たちとの、ツアー・ムービーどす。

この設定からして、おいおいなんやけど、本作のキモてゆうたら、シリアル・キラー・ムービーなんどすわ。

そんな彼らが次々に、無差別殺人鬼のシリアル・キラーの手にかかってもうて、ヤラれてまうとゆうタイプの映画なんどす。

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明日分析の、日本を舞台にした「蒼白者」もインディーズもんなんやけど、

コッビちゃんのインディーズ映画へのこだわりは、「マジック&ロス」で共演しはった杉野希紀ネーさんに、触発されはったとこが大なんやろうけど、

あくまで気張ることなく、自然体の演技ぶりをば見せてくれてはります。

ツアー仲間とは孤立しても、マイペースな演技ぶり。

ほんで、最後には…。ヤラれましたがな。

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但し、作品そのものはバイオレントでハデハデ。

ほんで、エゲツナイシーンも続出しよります。

“スラッシャー・ムービー”なる殺人鬼映画どすけども、

この種のタイプに多い、殺人そのものを楽しむ異常性とゆうのんが、R指定になりそうな映画かもしれへんけど、そこが見どころになるやろかな。

さらに、そんな殺人鬼性が伝染するとゆう、新しめどころにもチャレンジしてはります。

ホラー・ジャンル的には、「悪魔のいけにえ」(1974年製作・アメリカ映画)あたりから出たもんやろけど、それまでにも殺人鬼を描く映画はありました。

ただ、モラルの問題はあるにしても、その非情性をR指定部を横目に、どこまで打ち出せるんかが、ポイントなんやろかな。

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監督は朝倉加葉子のネーさん。

女性監督がこの種の映画を撮るんは、珍しおますけども、

むしろ女性らしさなんかが、微塵もカンジられへんとここそが、逆に良かったどすやろか。

サバイバル・ムービーとしては、もの足りなくとも、理由なき殺人鬼ものとしてのエグサは、良かったやろかと思います。

「サイコ」(1960年・アメリカ)的シャワー・シーンの、応用シーンなんぞも納得やし、

この種の映画のリアル感のなさを、逆手に取ったような演出ぶりにも、好感を覚えよりました。

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作品タイトルは、殺人鬼が聴いとる歌から取られておます。

その歌の替え歌ぶりに加え、冒頭ではヒップホップを流し、サントラ部では、不協和音的にピアノ・ソロやら、バンド・サウンドを流さはります。

アメリカの風景のロングショットな編集ぶりなど、メイン・ドラマを支えるフックなとこもまた、注目してもらいたいとこやと思います。

2013年5月29日 (水)

東日本大震災後の、シビアなドキュメンタリー「飯館村 放射能と帰村」

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センチメンタリズムと社会派問題部が、絶妙にミキシングや~

そのままを映す、ドキュメンタリズムのキモがある1本どす

http://www.doi-toshikuni.net

6月15日の土曜日から、浦安ドキュメンタリーフィルムの配給で、大阪・第七藝術劇場で上映どす。

の後、京都シネマ、神戸アートビレッジセンターやらでもヤラはります。

本作より数日間にわたり、メジャー&インディーズに関わらず、今の日本映画について分析してまいります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

東日本大震災のドキュメンタリー映画てゆうたら、これまでに50本以上のタイトル数が、出てきておるかと思います。

ドキュに加え、ドラマ映画もそれなりにあるんやけど、ドキュでの決定的な1本とかはどないなんやろか。

ボクも分析するたんびに、傑作や問題作やてゆうておったんやけど、

いやはや、でも、オベンチャラでも、ホンマのホンマの傑作登場やなんて、言いまへん。

けども、本作は、これまでに出たドキュ作品とは、ビミョーに違うとこがござりました。

それがエエか悪いか、モチ、みなはんが映画館で体感して、決めてもらうべき筋のもんなんやけど、

一言でゆうたら、震災より時を経て、ある種“熟成のドキュ”やと申せますやろか。

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その作りの特徴は⇒

①東北弁が分かりにくいけど、そのままを映して、雰囲気で見せてゆくスゴミ。

②家族部と問題部を、クッキリと分けた二部構成。

③サントラを使わないスタイル。

●①については、そのままを映してゆくとゆう、ドキュメンタリズムの原点に基づいたもんどす。

汚染されているんかもしれんけど、今も美しき自然風景をタイトに映しながら、編集していくとこなんか、

見たあとあとに、胸にこたえてきよるとこやもしれまへん。

ほんで、②について。

故郷を追われて、家族がバラバラになり、

それでも家族のキズナをありのままに描く、第1部「家族」。

フォーク・コンサートや、本作より先行した震災ドキュメンタリーを、見て泣くシーンなどを絡めつつ、

家族の想いが、感傷的に綴られてまいります。

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一方、第2部「除染」では、感傷シーンは控えめに、

放射能汚染の社会問題へと食い入らはります。

各人へのインタビューを束ねつつ、泣きのシーンもあるにはありますが、

被災者と東京電力とのやり取りなどを、スリリングに見せていかはります。

つまり、感情に訴えかける感動部と、ドキュの使命とも呼ぶべき社会的告発部が、

絶妙にミキシングされとるとゆうことなんですわ。

どちらかに偏向するのんが、フツーなんやろけど、

こういうタイプのドキュは、まあ、変わっとるてゆうたら、変わっとるでしょうな。

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そして、③。

サントラなしのドキュは、ケッコーありまして、サントラ経費を始末しとるとこもあるんやけど、

本作ではそういう感想は、全くもってありまへん。

アカペラの歌なんかを入れてはるけど、ドキュをありのままに見せてゆくスタイルにおいては、

余計な装飾物は、必要ないっちゅうことなんです。

それによって、鑑賞後のカンジも余韻を深めておます。

ボク的ジャッジでは、今年一番の邦画ドキュメンタリーどした。

じっくりスクリーンと、向き合って見てくださいまし。

2013年5月28日 (火)

映画監督ドキュメンタリー「ロマン・ポランスキー 初めての告白」

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監督の生涯最悪の、スキャンダル事件をば激白するの巻か~?

身振り手振りを交えて、自身を饒舌に語らはります

http://mermaidfilms.co.jp/rp

ジューン6月1日のサタデーから、マーメイドフィルムはんの配給によりまして、東京【シアター】イメージフォーラムやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2011 ANAGRAM FILMS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

ロマン・ポランスキーはん。みなはん、知っとるか~? 

監督よりも俳優・スターはん、ほんで作品で見るゆうのんが、今は主流とはなっとるけども、そんな中でも、いくつもの傑作を輩出してきはりました。

美しき女優の嫁はんが惨殺され…。

ポーランド出身で、ハリウッドまで進出したんやけど、魔が射してもうたんか、児童わいせつ事件を起こしてしもて…。

第2次世界大戦での家族の受難を始めとして、数々の苦難を乗り越えて…、

映画を撮り続けてきはりました。

そんな彼のマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①戦場のピアニスト(2002年製作・ポーランド&フランス合作)②ローズマリーの赤ちゃん(1968年・アメリカ)③ゴーストライター(2010年・フランス&ドイツ&イギリス)③テス(1979年・イギリス&フランス)

●カルト⇒①マクベス(1971年・アメリカ)②水の中のナイフ(1962年・ポーランド)③反撥(1964年・イギリス)③チャイナタウン(1974年・アメリカ)

●1969年に、美人妻のシャロン・テイト(上から写真4枚目)が惨殺され、

1978年には、自身が少女わいせつ事件を起こして、ハリウッド映画界から逃亡してから、彼自身の人生は、大きく揺らいだことやろかと思います。

でもしか、ハリウッドから逃げて、ハリウッドの資金提供がなかった以降の作品の方が、巧拙の差はあるにしても、なんやしらん、名作が多いのんも事実や。

逃亡後の作品では、作品性においては、なんらスキャンダルそのほかの影はなく、むしろ監督キャリア史上最高傑作とも言える、ベスト①まで撮り上げてはります。

自身が自分の墓に入れたい作品として、このベスト①を選んではるくらいなんどす。

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昔のわいせつ事件につき、スイスで拘束されとる彼へのインタビューをメインに、ドキュは構築されておます。

彼の長年の盟友が、インタビュアーとして関わってはるんで、彼としては口は滑らかになり、イロンなことをベラベラと喋ってくれてはるんやけど、

スキャンダル的なとこは口調は重くなり、妻惨殺事件やら、自ら起こしたわいせつ事件については、軽めの論調どす。

そこがディープであれば、本作そのものも、スキャンダリズムを獲得したとは思うんやけど、メインはあくまで、彼の作品性を探るとこにござりました。

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映画監督ドキュは、イロイロ出回ってはおります。

既に故人となった監督の、人間性を出そうと試みた「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」(1975年・日本)なんぞは、

監督を描くのんをドキュで芸術的に示すとゆう、ある種映画的な計略があったんやけど、本作なんかはメッチャ、ストレート。

過去の作品シーンを挿入したり、本人インタビューやらで、監督の人柄と作品性を示すことは示さはりますが、イロイロ嫌なことがあっても、本人はメッチャ元気や。

ウディ・アレン監督のドキュ(弊ブログ内検索で出ます)も分析いたしましたけども、その活気ある作りと、ほとんど同等とも言える、仕上がり具合なんどすえ~。

スキャンダルをのぞきたい、みなはんかもしれへんけど、まあ、いっぺん、彼の作品ものぞいてみたら、スキャンダルよりおもろいもんが、見えてきよるかもしれまへん。

彼の作品のいくつかが公開されとるし、一部はDVDでも見れますんで、まあ、いっぺん、見てみなはれな。

エエ映画体験ができるんは、間違いありまへんで!

2013年5月27日 (月)

アメリカVS北朝鮮の「エンド・オブ・ホワイトハウス」どす

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テロ・パニック・戦闘映画の最新型を、オリジナル脚本で示さはりました

ハリウッド的アクション・ムービーの、復権を目指すスゴミがありまっせ~

http://www.end-of-whitehouse.com

ジューン6月8日のサタデーから、アスミック・エースはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹やらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸOLYMPUS PRODUCTIONS, INC

テロ・パニック映画で、みなはんが思い出す映画って、どんなんがありますやろか。

唐突やけど、ボクチンのテロ系映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしますと…。

●ベスト⇒①ダイ・ハード(第1弾は1988年製作・以降の引用作は、全てアメリカ映画)②ブラック・サンデー(1977年)③ゼロ・ダーク・サーティ(2012年・弊ブログ内検索で出ます)

●カルト⇒①本作②トータル・フィアーズ(2002年)③パニック・イン・スタジアム(1976年)

●本作をカルトに回したけども、これまでにない新味のあるんが、カルト・サイドなんで、ボクチンのジャッジは、それなりに正しいかと思とります。

誰がやってたんか分からへん、無差別犯罪のカルト③を除いて、本作は採り上げた作品と、それなりにシンクロしよります。

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ベスト①はシリーズにわたって、まさに名作化したヒット・エンタやけど、

本作では、生き残った者が、たったひとりでテロの張本人を、追いつめてゆくとゆう「ダイ・ハード」流が、物語の根幹にござります。

そして、オサマ・ビンラディンを仕留めた、実話系のベスト③のような、21世紀の現代を採り上げたセンスもあります。

但し、こちらは実話やなく、イロイロある北朝鮮を、

ハリウッド・アクション映画で初めて本格的に採り上げて、オリジナルなフィクション・ドラマとして展開してはります。

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ベスト②はイロイロあって、日本公開はされまへんどしたが、DVDでは見られますけども、本作のベース・ラインとはメッチャ、シンクロしとります。

実在の組織や国家がテロに走るとゆうのんを、フィクションとして構築する場合、どないあっても、たとえ虚構の世界とは申せ、そのモデルとなった組織からの圧力とゆうもんが、ある場合があるでしょうや。

いわゆる、火中のクリを拾うような、タブーで危険なとこがありまんねん。

後日分析予定の、韓国映画「ベルリンファイル」(7月13日公開)でも、そういう危なっかしいとこがありました。

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でもしか、本作はハリウッド・アクション映画の、復権を狙ったかのようにでんな、銃撃戦・肉弾戦・爆破シーンなど、凄まじい臨場感に満ちたカンジでやってはります。

3Dでの上映はないんやけど、3Dにしたら、おそらく強烈至極なんてことになるんやないやろか。

主演のジェラルド・バトラーのアニキ。

ブルース・ウィリスほどには、アクションバリバリってカンジはせえへんけど、思いっきりの体当たり演技で、グングンきはります。

かつて「ディープ・インパクト」(1998年)やカルト②やらで、USA大統領役をやらはった、モーガン・フリーマンはんの、大統領役やないけど、

厳しい情勢下で英断を下す、演技ぶりのシブミもありましたやろか。

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あのホワイトハウスが、北朝鮮のテロリストたちによって、占拠されるとゆう展開。

時流を安直に取り入れたように、見えるかもしれまへんけども、実は緻密な調査と取材を繰り返した上で、構築されたドラマ映画どす。

何はともあれ、ネタギレがいわれて久しい、ハリウッド映画界において、

映画オリジナル脚本である点は、かなりと映画評価を高める要素となりまっしゃろな。

アクション・シーンでも、そんなんないやろーってなとこが、かつての映画より少なくなり、さらにリアル感も増幅してはります。

日本映画興行界では、ハリウッド映画の不振が長らくゆわれとりますが、

その巻き返しが期待できるような、そんな1本になったと思います。

2013年5月26日 (日)

新・午前十時の映画祭「アラビアのロレンス」

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DVDも出とるけど、70ミリの大画面でこそ、映える映画どす

DVDで感動した方も、ぜひとも映画館で再体験しておくんなまし!

http://asa10.eiga.com

6月15日から6月18日まで、TOHOシネマズ六本木ヒルズやら、大阪ステーションシティシネマやらで、全国リバイバル・ロードショーでおます。

1枚目の写真は、1963年日本公開当時のポスターどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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「アラビアのロレンス」(1962年製作・イギリス映画)ちゅうたら、第一次世界大戦を背景にした戦争映画どす。

これまでに仰山(いっぱい)映画評が出てまいりましたし、ボクも数度にわたり、いろんな雑誌に書きました。

パターン化するのもアレなんで、取りあえず、違った括りを考えて、映評なるもんを展開してまいりましょうか。

まずは、独断と偏見に満ちた、マイ・ベスト&カルト・スリーの括りでやってみまひょか。

2_2
戦争映画の洋画マイ・スリーは?

●ベスト⇒①本作②プライベート・ライアン(1998年・アメリカ)③硫黄島からの手紙(2006年・アメリカ)

●カルト⇒①トラ・トラ・トラ!(1970年・アメリカ)②遠すぎた橋(1977年・イギリス&アメリカ)③史上最大の作戦(1962年・アメリカ)

●太平洋戦争のベスト③カルト①や、第二次世界大戦のユーロ戦線のベスト②カルト②③など、第二次大戦ものが、質的にも量的にも圧倒的に多いやろとは思う。

まあ、特定戦争に限定にしたら、ベトナム戦争などにも名作はござります。

そんな中で、第一次大戦ものとしては、本作はそれまでのマイ・ベスト「西部戦線異状なし」(1930年・アメリカ)を、凌駕した傑作どした。

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さてはて、本作はアカデミー賞の、作品賞をばゲットしてはります。

オスカー作品賞受賞の、戦争映画マイ・ベスト&カルト・スリーは、どないなもんやろか。

●ベスト⇒①本作②ディア・ハンター(1978年・アメリカ・以下全てアメリカ映画)③戦場にかける橋(1957年)

●カルト⇒①地上(ここ)より永遠(とわ)に(1953年)②ブレイブハート(1995年)③パットン大戦車軍団(1970年)

●ほかに「シンドラーのリスト」(1993年)「プラトーン」(1986年)「西部戦線異状なし」「ハートロッカー」(2009年)やらがありますが、もちろん、差は僅差でおます。

イラク戦争を背景にした「ハートロッカー」なんか、21世紀的な作品やしね。

作品性でも本作と、被らんとこもないとは言えません。でも、映画映えするヒロイズム性においては、本作は圧巻の仕上がりどして、これぞ映画のダイナミズムを体感できるんですわ。

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本作のデヴィッド・リーン監督てゆうたら、キャリアの後期になればなるほど、傑作を作らはった監督はんどす。そんな監督のベスト&カルトもヤッてみましょか。

●ベスト⇒①本作②戦場にかける橋③ドクトル・ジバゴ(1965年・イタリア&アメリカ)

●カルト⇒①旅情(1955年・アメリカ)②ライアンの娘(1970年・イギリス)③逢びき(1945年・イギリス)

●ベストは大作もん。カルトは不倫もんラブ・ストーリー。となってまいましたが、大した意味はござりまへん。

むしろリーン監督には、完全なる駄作とゆうもんが全くなく、ベス&カルを選ぶのにもひと苦労しまんねん。

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ちゅうことで、いろんな括りでやっても、本作はベストワンになってまいます。

但し、マイ生涯映画ベストテン、もしくは洋画ベストテンでは、ベストテンには入っても、残念ながら1位やありまへん。

けど、映画史上においても間違いなく、歴代ベストテンに入る作品でおます。

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再々度の耳タコやもしれんけど、名シーンについてプレイバックしてみると…

淀川長治先生が日曜洋画劇場で解説していた、“アラビアやのにロンドンの都会から始まるサプライズ”やら、

夢破れたラストシーンの、ロレンスのクローズアップ後エンドを迎えて、マスコミ試写にも関わらず、拍手が鳴りやまなかったとかの逸話は、

なるほど、そうやろな~とは思わせます。

しかし、メインに頭に残るのは、ゆうまでもなく、砂漠シーンでおましょう。

準主役級のオマー・シャリフが、砂漠の向こうから、かげろうのように、こっちのロレンスの方へと来るシーンやとか、

壮大なアラビアン・オーケストラを流して、砂漠のロングショットで捉えられる、ドラマティックな再会シーン、

砂漠の日の出と共に、ロレンスが拳を固めて決意するシーンやとか…。

ぜひとも映画館で、味わってほしい1本でおます。

2013年5月25日 (土)

監督で見る映画:ウディ・アレン監督作「ローマでアモーレ」どす

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「ローマの休日」と比べても、決して遜色はない? やなんてホンマですか~

監督のカルティックな裏バージョン・タイプなんやけど、いちおうヤッテくれはりました

http://www.romadeamore.jp

ジューン6月8日のサタデーから、ロングライドはんの配給によりまして、東京・新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマやら、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸やらで、公開しまっせー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

ウディ・アレン監督の最新作でおます。

ウディ監督てゆうたら、ニューヨーク映画を離れてからは…、

イギリス、スペイン、パリ、本作のイタリアと巡ってきはりました。

かつて彼を描いたドキュ映画に合わせて、彼の作品のマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露したことがござります。

監督は簡単にゆうたら、マジ(表ベスト)系とオチャラケ系(裏ベスト=ある種カルト)を行き来してはるように見えます。

ほんでもって、本作は、ボク的にはカルト系に当たるもんやと、ジャッジいたしました。

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イタリア舞台映画でイタリア映画以外の作品として、最もポピュラーな作品てゆうたら、

「ローマの休日」(1953年製作・アメリカ映画)が、イの一番に思い出させるんやけど、

「ローマの休日」にしても、ラブコメ・モードがあったと思うねんけど、どないやろか。

ほんでもって、本作はオムニバス系にしたラブコメどす。

4つの恋愛模様をローマを舞台に展開するちゅうことなんやけど、

でもしか、それらの話に緊密なるシンクロナイズなんて、はっきりゆうてありまへん。

バラバラに進行してゆくとゆうスタイルなんどす。

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しかし、監督が目指したもんは、ローマを舞台にした恋愛映画やけど、

ローマ観光系をわざとらしく取り込みつつも、あえてローマのイメージとは違う、異種なとこをやってはるとこがありました。

4つほどあるラブ・ストーリーは、全てコミカルなとこもあるけども、異能系のお話でまとめてはるんどす。

さらに、突然・唐突系のお話が、当たり前のように出てまいります。

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突然ビジターとアウェイの2人が、恋に落ちる話やとか、

突然現れた娼婦のペネロペ・クルスのネーさんとの、絡みを含む男のお話。

フツー人やのに、突然取材攻勢を受け、突然変異的に有名人になってまう、夫婦の話とか。

夫役のロベルト・ベニーニはん。「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年・イタリア)で監督・主演をし、オスカー主演男優賞ももらわはった彼をば、久々に見ました。

こういう位置に甘んじてるような、彼やないとは思いますけども、ウディ監督の作品性に合わせた、コミカルな演技性を披露してはります。

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「ソーシャル・ネットワーク」(2010年・アメリカ)で有名にならはった、ジェシー・アイゼンバーグと、アレック・ボールドウィンはんが突然偶然出会って、

ほんで、ジェシーの彼女とエレン・ペイジちゃんとの三角関係が発生して…とゆう展開。

唐突系ドラマがある種サプライズとなり、スクリューボール的なとこにもなっとります。

スクリューボール・ドラマ的には当然、ビリー・ワイルダー監督的なとこも、あるっちゅうことなんどすえ。

イタリアンなカンツォーネやらイタリアン・ポップスやらの、サントラとしての使い方にも魅せられましたやろか。

とゆうことで、ウディ監督が肩の力を抜かはって、余裕と遊びゴコロある1本にした、作品やとゆうことでおましょう。

2013年5月24日 (金)

韓国映画特選/韓国では珍しい法廷映画「折れた矢」やー

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いやはやコレって、「評決」の韓国版やもな~

ベテランのアン・ソンギはんに加え、弁護士役パク・ウォンサンのトンデル弁護ぶりが、大注目どすえ~

http://www.oretaya-movie.com

6月15日の土曜日から、イレブンアーツ・ジャパンはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やら、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 AURA PICTURES. All rights reserved.

韓国映画で裁判ものは、メッチャ珍しいんやないやろか。

裁判映画ナンチューたら、リーガル・サスペンスもんも含めたら、モノゴッツーなタイトル数になるでおましょう。

ちゅうことで、ココで裁判・リーガルもんの、マイ・ベスト&カルト・スリーを披露いたしますが、裁判映画の全部を見てへんので、中途半端かもしれへんけど、ご容赦くだされ。

●ベスト⇒①十二人の怒れる男(1957年製作・アメリカ映画)②評決(1982年・アメリカ)③情婦(1957年・アメリカ)

●カルト⇒①事件(1978年・日本)②本作③レインメーカー(1997年・アメリカ)

●ベストはマットー系が多いけど、カルトはヒネリ系をメインに選びました。

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最初から最後まで法廷シーンを、メインに展開しはったカルト①。

弁護士資格のない弁護士が、法廷で弁論して活躍するカルト③。

でもって、本作は、アル中の弁護士。

ほんで、法廷でも飲んでまうとゆう、あり得ないキャラ。

弁護される側を見てみたら、法治側にキバを剥いた男の、それについての裁判劇なんどす。

つまり、折れた矢のその矢は、クロスボウによる矢なんやけど、被告が裁判官を撃ってもうたんどす。

でも、その裁判官が被告に対し、納得でけへん判定を下したことによる、被告の反逆行為どした。

裁判官の違法ジャッジに対する、反抗行為として、裁かれるタイプの映画は、実はこれまでには、そんなにありまへんねん。

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韓国の裁判制度が、どないな風になっとるんかは、分かりまへんけども、その裁定の流れには、サスペンスが結構あって楽しめました。

被告の妻役(写真5枚目)やら、女事件記者役(写真4枚目)、弁護士の助手役の女やらが、脇役として、そこかしこでピリッやキリッやムムーンやらの、演技を披露してはりまして…。

も、最大の決めポイント演技としては、被告役主演男優のアン・ソンギはんが、筆頭的にありますわな。

ほんで、難しい弁護をしはる、弁護士役のパク・ウォンサンやー。

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アン・ソンギはんやけど、今まで通りのフツーな演技ながら、ムショ内でイロイロ虐待されながらも、クールで冷静な演技をば、とことん見せてはります。

裁判でも、被告ながら冷静沈着。片や、彼の弁護を引き受けるアル中の弁護士が、本作のキモを完全に、握ってはるようにも見えました。

ポール・ニューマンが弁護士役主演を演じた「評決」以上に、弁護士のアル中度を強調してはります。

但し、酒飲みにしても、理路整然とした弁護ぶりをば続けはります。

法廷弁論ドラマとしても、いくつものサプライズやらがござりました。

繰り返される、クロスボウについての「ランボー」(1982年・アメリカ)の引用なんぞも、オモロかったやろか。

実話らしいけど、韓国映画で法廷もの、リーガルものは、これまでほとんどなかったんで、メッチャ新鮮どした。

アン・ソンギとパク・ウォンサンの、対比演技ぶりが光っておました。特にパクちゃんやろか。

笑えるセリフから、説得力ある長ゼリフまで、飄々とゆうてはって、爽快やな。

ちゅうことで、記憶に残るコリアン・リーガルもんどした。

2013年5月23日 (木)

韓国映画特選/いわゆる犯罪映画「共謀者」どす

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広い意味のミステリー・タッチの、韓国映画でおます

ある種タブーな、臓器売買に関わる犯罪映画どす

http://www.kyoubousha-movie.com

ジューン6月1日のサタデーから、イレブンアーツ・ジャパンはんの配給によりまして、東京・シネマート六本木やらで、全国順グリのロードショーでおます。

その後、横浜・ブリリア ショート シアター(6月22日~)や、大阪・シネマート心斎橋(7月公開)やらで上映どすえ。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 TIMESTORY & CHE UM. All Rights Reserved.

犯罪映画やなんて、そんなんメッチャいっぱいあるやん…なんやけど…。

本作は臓器売買にまつわるちゅう、犯罪映画でおます。

R指定になりそうなバイオレンス、あるいは犯罪もんとしては、この種の映画は、過去にそれほどの例がなく、異彩を放っとるてゆうたらそうなんやけど…。

いろんな意味で、巧緻巧妙をそれなりに極めとったかな。

ワル・グループのリーダーと、正義の仮面をかぶったワルの対決とゆう、

ワルVSワル対決のワイルド感が、善悪対決を超えたオモロサやったかな。

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ハリウッド映画やらを持ち出すまでもなく、当たり前のように繰り出される、クライマックスでの1対1対決シークエンスや。

でも、本作はそのガチ対決する2人が、最後のギリギリまで特定されへんタイプや。

フツーやったら、どの2人がガチでやりよるねん、ナンチューのんは、ある程度見ていったら出てくるもんやけどな。

そのあたりも新味かもしれまへんな。

ほな、最後は1対1対決でシメられる、最高傑作はなんやねんと、ゆわれてしまいそうやけど、

モチ、いっぱいあるんで、みなはんなりに、やってみてお楽しみくだされ。ホンマにいっぱい、ありまっせー。

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ちゅうことで、ココでは、1対1ガチ対決がオモロイ、韓国映画限定のマイ・ベスト&カルト・スリーをばやってみました。

●ベスト⇒①チェイサー(2008年)②シュリ(1999年)③甘い人生(2005年)

●カルト⇒①本作②映画は映画だ(2009年)③殺人の告白(弊ブログ内検索で出ます)

●思いつくままの手前勝手にやっとるんで、ハズしとるとこもあるんで、教えてくだされば幸いどす。

ベスト②③やらには、ガチもんやとは、それほど限定できないやもしれまへん。

その意味では、ベスト①は画期的な作りやったけど、本作も決して見劣るとこはござりまへんねんで。

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臓器密売グループ。そして、韓国の病院やなく、中国の大型病院で、臓器移送による手術をせんとする流れ。

オトンを臓器移植で救いたい娘はん(写真1枚目&6枚目)。その1枚目を見てもうたら分かるやろけど、彼女には愛しきメガネイケメンがおった。

一方で、メインの筋でポイントとなる、車椅子の妻と、介護する夫の夫妻が出てきよります。

ハラハラドッキリなとこがありま。

密売グループのリーダーが、イロイロやってくれはるところも、本作のメイン・ソースになっとるやも…。

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基本は犯罪ミステリーっちゅうカンジで、物語は進行してまいります。

一体、裏切りもんは誰やとか、ラストのサプライズも含め、見たあとの感触は、犯罪ものよりも、ミステリーチックなサスペンス映画の、ノリやないやろかな。

シンセからピアノ、ギター、バイオリン、オーケストラ・サウンドまで披露する、サントラ使いのコンテンポラリーなセンスにも、注目しておくんなまし。

2013年5月22日 (水)

韓国映画特選/2012年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞「嘆きのピエタ」

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リベンジ映画の、かつてない新しき作り方どすえ~

最後の最後まで真相は分からへん、ミステリー・タッチが妙味やで~

http://www.nagekinopieta.com

6月から、東京Bunkamura ル・シネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、6月22日から梅田ガーデンシネマ、その後、京都シネマ、シーネ・リーブル神戸やらで公開どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved

韓国映画界の鬼才監督、キム・ギドク監督(写真2枚目)の作品どす。

一般の方にしても、韓流ドラマ・ファンにしても、マニアックてゆうたら、マニアックな1本やもしれまへん。本来やったら、弊ブログの“監督で見る映画”シリーズやったりで、採り上げるべき筋のもんなんかもしれまへん。

しかし、本作は世界3大国際映画祭のヴェネチア映画祭において、最高賞の金獅子賞をゲットやったり、年間ベストテン級の仕上がりやったり、

また、キドク監督的にも過去最高の傑作になっとるんやけど、そんなことゆうたって、一般大衆的には、よう分かりまへんわな。

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そこで、今回は、より普遍的に(誰にでも)分かりやすいようなカタチで、映画評論なるもんを展開してみよりました。

まずは、韓流ドラマにも脇役でよう出てはる、チョ・ミンス(写真4枚目)の、オバはんやけど、ネーさんあたりから、掘り出してみまひょか。

韓流ドラマでは、ごく自然体のオカンの役とか、やってはったらしいけど、オカン役とは申せ、本作はメッチャスゴイもんがありました。

フツーのように優しいようなオカン役を、ほぼ全編にわたり通してはるんやけど、それがナンチューたらええんやろか、

全てを見てから振り返ると、実に鬼気迫る演技やった、とゆうことが分かりまんねん。

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リベンジを胸にしたオカン役やけど、そのリベンジのやり方からして、フツーやありまへんねん。

アップでも見せる、ある種異様な表情演技が、夢にまで出てきそうな、インパクトがありました。

片や、リベンジされる側の、イ・ジョンジン(写真3枚目)のアニキ。

体で借金を返せと迫る、非情な借金取り立て屋の演技が強烈どした。

まあ、女やったらアレやろうけど、男やったらケガして身障者になって、保険金でまかなうってカンジやろか。

まあ、そんなんやったら、死んでまう場合もありますわな。

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そんな極悪人をヤラされとる彼は、天涯孤独の身やったんやけど、

ある日、若気の至りでほかしてもうたけど、スマンなっちゅうてでんな、オカン役のチョ・ミンスはんが、彼の前に現れはりまんねん(写真3枚目&6枚目)。

この前半の流れは、親子のキズナを結ぶための、ある種人情節的な流れになっとります。

そやから、感動的なとこもあるんやけど、ところがどっこい…。

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その流れを180度反転させる、後半部にサプライズがござります。

親子のキズナ映画のように見せかけて、トンでもないリベンジ部へと突入してゆく流れは、もはや圧巻としか申せまへん。

かつてないリベンジ映画ちゅうのんは、そこにありま。

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ミステリー・タッチの映画としても、一般の方には機能するやろかと思います。

一方的やもしれんけど、2人の駆け引き演技は、2人ミステリーの「探偵スルース」(1972年製作・イギリス映画)や、「監禁探偵」(弊ブログ内検索で出ます)なんぞに通じる、ポピュラリズムな大衆性がありまっせ。

静かなピアノ・サントラ、ソウル市の裏街・町工場街をロケしたところ、

ほんで、ラストシーンの衝撃度合いなど、硬軟両用で攻めてきはる映画性に、最終的にはヤラれてまう。そんな傑作映画なんどすえ~。

2013年5月21日 (火)

スリラーかサスペンスか、ミステリーかの「ファインド・アウト」やー

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アマンダ・セイフライドちゃんのための映画やろかー

SF映画「TIME/タイム」やら、悪女映画「クロエ」やらの演技センスを発揮やー

http://www.findout-movie.jp

ジューン6月15日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、梅田ブルク7やら、T・ジョイ京都やらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC All Rights Reserved.

アマンダ・セイフライドちゃんやて、みんな、知っとるかー。

ハリウッドの新星スターの、21世紀的なとこでゆうたら、女優陣の新人はんどす。

日本では無名に近いかもしれへんけど、ハリウッドでは超期待の女優はん。

ここ最近の日本の洋画市場の、凋落に合わせたように、ハリウッドの次代のスター候補たちが、日本での認知度を、なかなか獲得できてはりまへん。

そのへんのとこは、これまでにもイロイロ語ってきましたが、取りあえずは、初級・中級・上級の3段階にわたり、彼女のことを分析してみましょうか。

まずは、初級。

日本でもヒットしたミュージカル「レ・ミゼラブル」(2012年製作・以降の引用は全てアメリカ映画)の、日本キャンペーンにきはって、

「スマスマ」の「ビストロスマップ」に、主演ヒュー・ジャックマンのアニキと出はりました。

キムタクもゆうとったけど、その時の好印象ぶりは、みんなのココロにも焼き付いとるハズや。

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さて、次なる中級編は、彼女の演技ぶりどす。

はっきり言って、多彩や。

いろんな演技性の迷彩感に、ある種の迷いがあるようにも見えたりもするけど、各作品には、ビミョーな違いがあります。

ミュージカルやロマンチックやらもエエんやけど、サスペンス&スリラーなタッチで魅せる役も、ソツがありまへん。

いや、むしろ最も彼女の演技的持ち味にしっくりくるんが、このジャンルなんやないやろか。

悪女役やった「クロエ」(弊ブログ内検索で出ます)、逃亡者のスリル感を演じた「TIME/タイム」(ブログ内検索)など、

かつてニコール・キッドマンが辿ってきたような、演技の系譜にも通じるもんがあるようどしたえ。

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そして、上級編分析やー。

本作は1970年代のスリラーに影響を受けたもんやと、本作の監督やらはゆうてはります。

ほな、具体的にはどんな作品なんやろか? 

なんやけど、彼女の演技はギョロ目にインパクトがあるけど、ボク的には、ギョロ目やないけども、フェイ・ダナウェイのイロンな作品と、カブッて見えたりしました。

「TIME…」は「俺たちに明日はない」(1967年)やったけど、本作ではピタッときたんは「アイズ」(1978年)どした。

「コンドル」(1975年)や「チャイナタウン」(1974年)な雰囲気もあるし…。

ほんで、さらに、ヒッチコック監督作品にあった男の災難系が、女へとスライドしたような感覚があります。

彼女は災難にも遭い、調査側にも否応なく回るっちゅう感じどして、まるで逃げながら真犯人を追う「逃亡者」(1993年)のタッチもありまんねん。

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さてはて、ヒロインの妹の拉致・誘拐から始まる物語やけど、ミソはヒロインもかつて拉致されて、エライ目に遭わはりましたとこにありま。

それが、ヒロインのウソやと見なされてしもて、精神病院に一時入れられとったゆう経緯があるんやけど、あの時の犯人が再び現れて、妹を拉致しよったちゅうような展開どす。

ウソこきと見なした警察が相手にしてくれへんので、ヒロインのアマンダちゃんは、たった1人で妹を救い出そうとしはります。

その調査のプロセスに加え、犯人にたどり着くまで、ミステリー的でスリリングな展開が続きます。

さて、サスペンス、スリラー、ミステリーの違いなんて、みなはん、分かりますやろか。

簡潔にゆうたら、ハラハラドキドキのサスペンス、怖いとこがありそうなスリラー、謎を追うミステリーやろか。

本作には、実はその全てが、バランス良く配置されとりました。

アマンダちゃんのことを知らずとも、十分に楽しめる娯楽作品どしたえ~。

2013年5月20日 (月)

セクシャル・ガールズ・ムービー「スプリング・ブレイカーズ」どす

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春休みに女子高生たち4人が、ハメ外しでリゾート地へ

ほんでもって、トンデモないとこまで行ってまうチュー、刺激的な1本やで~

http://www.springbreakers.jp

ジューン6月15日のサタデーから、トランスフォーマーはんの配給によりまして、梅田ブルク7やら、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は「R15+」指定のアメリカン映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸSpring Breakers. LLC

こんな女子高生らなんて、見たことあれへんでみたいな、かなり刺激的な女子高生たちが登場や。

前世紀末的にゆうたら、コギャルたちのガールズ・ムービーでおます。

高校ギャルズもんてゆうたら、確かに、これまでにもアメリカン映画としては出ておますけども、こんなみだらで、犯罪系ナンチューのんは、あんましありまへんどした。

ちゅうか、そんなんをボクチンが、見てへんのかもしれんけど…、

例えば「チアーズ!」(2000年製作・アメリカ映画)や、日本映画の「リンダ リンダ リンダ」(2005年)なんぞと見比べてみたら、明らかでおます。

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高校生4人が寮を抜け出して、ハメをハズす映画的には、夏休みもん、冬休みもんが多いかと思うんやけど、本作ではスプリング・ブレイク(春休み)もんなんどす。

その日本では、珍しぶりに合わせたように、破天荒に近い4人の、バカンス・ドラマが展開しよりまんねん。

バカンスに出る費用を、4人のダイナー襲撃ちゅう強盗犯罪でまかない、ほんで、ビーチへ出かけ、男たちとアレヤコレヤとヤッテしまうとゆう、トンデモなさ。

ジェームズ・フランコ演じる、地元のバッド・ボーイとつるんで、犯罪へも走ってまうとゆう過激さや。

そやから、2名の仲間が、その苛烈さに脱落してもうて、バスで家路をたどらはります。

女4人のセクシー度比べは、本作の大いなるお楽しみなんやけど…。

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女子高生ものが、アレアレいつの間にか、犯罪系映画へと変わってゆく、強引な流れが、ハッとしてグーなカンジやろか。

アメリカン・ニューシネマなタッチもあるし、サントラ使いのノリノリなとこも見逃せまへん。

電子エレクトロな打ち込み系シンセが中心も、イントロから示されるシーンのインパクトや~。

いかにもプロモーション・ビデオチックな展開に見えながらも、このシークエンスのトリップ感から、本作へとドップリと、ハマれる効果がありますで。

オーケストラ・サウンドもあるし、ヒップホップ、キャッチーなダンス・ナンバー、

ブリトニー・スピアーズのピアノ・バラードなど、シーンに合わせた多彩な使い方がうまかったわ。

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スロー・モーションの多用、セリフのリフレインの多さ、短カットを束ねてゆくダイジェスト・シーンなど、

映画的流れは硬軟両様を配して、リズミックなハイ・テンポで、繰り広げられてまいります。

配色的には、海辺などの自然光による明るいシーンと、朱色照明などの人工光のビミョーな色使いが、

微細なとこで、アクセント効果がありましたやろか。

但し、そんなこんなは、全ては4人のセクシー度を、際立たせるための装置なんやもしれまへん。

当然エッチ・シーンも仰山(ぎょうさん=たくさん)あるし、「テルマ&ルイーズ」(1991年・アメリカ)の女子高生版的なタッチで、仮面を付けての銃撃シーンやらにも、ハッとしよりまっせ。

それにしても、こんな女子高校生らなんて、まあ、現実にはいてへんやろけど、

でも、オトコ的には一時のセクシャルな夢を、味わえるような1本どした。

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2013年5月19日 (日)

日曜はファミリー向け映画「奇跡のリンゴ」どす

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ストレートなお涙チョーダイ映画となって、何度も泣けてしまう1本やろな~

http://www.kisekinoringo.com

6月8日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

毎週金曜は大人向け・土曜は若者向け・日曜はファミリー向けを、意識しとるんやけど、今週は取りあえずは、ハマッたかと思いますが、どないやろかな~。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「奇跡のリンゴ」製作委員会

ドキュメンタリー「いのちの林檎」(2012年6月7日付けで分析・ブログ内検索で出ます)を、かつて弊ブログで紹介分析いたしました。

本作の主人公・木村秋則はんが出てきはります。

さらに、それ以前には、NHKのドキュメンタリー番組でも採り上げられて、木村秋則は全国区的に有名にならはりました。

泣きと感動と深き絆がある実話どす。

コレを映画化しなければ、一体、何を映画化するんや~、な素材なんやけど…。

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さてはて、ココで、チョイとしたお遊びをやってみまひょか。

独断と偏見に満ちた、マイ・ベスト&カルト・スリーにお付き合いくださいまし。

いっつもアホみたいにやってんねんけど、みなはんもハタ迷惑かもしれへんけど、今回は限定バージョンといたします。

その限定ポイントは、まずは、地方ロケーション映画。本作は青森・弘前どす。

次に、昭和映画。一時は邦画界では、静かなブームになりよりました。

ほんで、実話ベースもんどす。

この3ポインツが入った映画に限定いたしました。

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●ベスト⇒①復讐するは我にあり(1979年)②サンダカン八番娼館・望郷(1974年)③ひめゆりの塔(1953年)

●カルト⇒①フラガール(2006年)②本作③氷雪の門(1973年・弊ブログ内検索)

●戦争関連もんベスト③カルト③、ノンフィクションが原作となったベスト①②。21世紀には、地方のフィルムコミッションの充実で、カルト①やらの快作が出てるけど、実話系のファクターを入れると、意外に選ぶ範囲が狭くなったりします。そんな稀少な中でも、本作は稀有な作品どした。

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かつてのプログラム・ピクチャーな、コミカルなノリで楽しませてくれはった、前半部。

主人公の試行錯誤を、取り入れたマジ部を入れても、ストーリーとしての流れ的には良かったやろか。

寅さんやハマちゃんやらを、思い出すようなとこもありました。

でも、後半以降の流れは、ある種突発的に前半と違っておました。

ベタに泣かせるシーンが、次々に襲いかかってくるんどすわ。

いろんなクエスチョンはありながらも、全ては実話どすんで、その真実の流れに乗って、自然に素直に見てゆくんが、本作のベスト鑑賞法やもしれまへんな。

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無農薬リンゴを作る、11年間にわたる戦いが描かれておます。

リンゴの歴史を手書きイラストと、主人公・阿部サダヲの妻役・管野美穂の、ナレーションで語られるイントロ。

夫婦・家族映画とは申せ、アベサダ的には「夢見るふたり」(2012年・弊ブログ内検索)的な変化球演技やなく、ストレートな直球系。

しかも、かなりの剛速球系やと思います。

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対して、管野美穂ネーさんが、忍ぶ系の演技なんやろけど、その忍びをほとんどカンジさせへん、夫を前向きにサポートしはる演技を、ビビッドに演じはりました。

美穂ネーのシークエンスでの感動シーンが、多いのんも、特長的な作りやろかと見ました。

特に、後半部で何度か出てくる、アベサダとのツーショットなやりとりシーンは、お涙チョーダイ系のキモにもなっとります。

みなはん、映画館で涙を流した経験はありまっしゃろか。

お涙チョーダイも、今や死語になりかけとるけど、流した人も流さへんかった人も、本作では、間違いなく流せるもんになっとります。

涙を流したからとゆうても、エエ作品やとは、決して言えまへんけども…、

本作はかつてのお涙チョーダイ映画が、久々に復活したようで、ボク的には新鮮どした。

モチ、試写室内で泣いとります。

往年の日本映画の、家族ドラマの泣きが、ココにあるんかも。

たまには、みんなで、せいだい泣いてみても、ええんやないやろか~。

2013年5月18日 (土)

サスペンス・スリラーの新次元「イノセント・ガーデン」でおます

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オカン役ニコール・キッドマン&娘はん役ミア・ワシコウスカ&叔父はん役マシュー・グード

その静かで凄まじきアンサンブル演技に、サスペンスがあとからついてくるような強烈さや~

http://www.innocent-garden.jp

メイ5月31日のフライデーから、20世紀フォックスはんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

東京やったら、TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテやらで公開。

ほんで、関西やったら、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条やら、TOHOシネマズ西宮OS、OSシネマズミント神戸やらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

21世紀型のサスペンス映画とは何ぞや、スリラー映画とは何ぞやを、ググッとカンジさせてくれはった1本どす。

但し、違和感もないとは申しまへん。

しかし、その違和感さえもが、21世紀の現代的なタッチに見えてくるんが、不思議な作品やったやろか。

サスペンス映画てゆうたら、今も昔もヒッチコック監督作品になぞらえて、ボクチンは試写室へ見に行ったりするような、アホタレなんやけど、確かにヒッチのタッチもあるにはありました。

叔父と姪の関係性でゆうたら、「疑惑の影」(1943年製作・アメリカ映画)やろと思いながら見ておったんやけど…。見事に裏切られましたがな。

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韓国のパク・チャヌク監督が、ハリウッドのプロデューサーからの依頼により、このハリウッド映画のメガホンをば執らはりました。

パク監督てゆうたら、異能系変格系のサスペンス映画を撮る方どす。

その代表作てゆうたら、トンでもサプライズで魅せはった「オールド・ボーイ」(2003年・韓国)どすけども、

韓国映画のマイ・ベスト・スリーに入る「JSA」(2000年・韓国)やら、リベンジ・サスペンスや変形吸血鬼ものやらで、スリリング紡ぎには定評がござります。

ほんで、そんな作品性が遺憾なく、本作に発揮されたんやないかなと思います。

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撮り方がまず斬新どした。冒頭では少女ヒロインのナレーションに、ストップ・モーションやスロー・モーションを効果的に使い…。

室内シーンがメインながら、全く飽きさせないサスペンスフルな、モンタージュぶりに徹してはりました。

ロングショット、アップ、カメラの動きなど、多彩な撮り込みによって、ある種室内劇映画への新しき撮り方みたいなんを、提示してはるようどした。

室内劇だと、いかにも長回し撮影によるセリフのやりとりを、やってしまいがちなんやけど、

ラスト近くで、警察とのやりとりを含めた、室内移動撮影の2分強くらいがあるだけで、

まあ、ほとんど固定撮影はなく、短カットの積み重ねによる、スピード感やらスリル感やらで、サスペンス度を高めてまいります。

特に、局部アップや物のアップの使い方が、メッチャ巧妙どした。

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さてはて、演技陣へと、目を転じてみますと…。

まずは、ニコール・キッドマンのネーさんへと、目がいってまうでおましょう。

ただ、ドラマ的にはニコールはんの娘役の、ミア・ワシコウスカちゃんが主演どして、そのヒロイン・ドラマ的なとこが、メイン・ソースとなっとります。

ミアちゃんてゆうたら、大ヒットした「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年・アメリカ弊ブログ内検索で出ます)が有名やけど、本作では静かで地味なようでいて、抑制の効いたストイックな演技を見せての快演ぶりや。

サプライズ・エンディングなど、意外性ある演技ぶりにも注目どすえ~。

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オトンが車の炎上事故で死に、その葬式の日に、母娘(ニコールはんとミアちゃん)の前に、オトンの弟・叔父さん役の、マシュー・グードのアニキが現れよりまして、2人と家政婦が住む大邸宅に、しばらく住むようなことに相なります。

ところがどっこい、このクールな叔父さんは、実は…恐るべき…。

「疑惑の影」を思い出したんはそこなんやけど、しかし、「疑惑の影」の着地以降が、実は大きな見どころになっとったので、

ああ、これこそがヒッチ監督の、未来構図的な映画なんやないかなと思たんですわ。

「サイコ」(1960年・アメリカ)的なシャワー・シーンも、本作では、違った意図で使われとりました。

ヒッチのスタイルを進化させた傑作やと、ボクはジャッジいたします。

2013年5月17日 (金)

主演俳優で見る映画★トム・クルーズ主演「オブリビオン」

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地球・人類の終末映画の、向こうを捉えた傑作SF映画どす

特に、ラストシーンの感動てゆうたら、鳥肌もんかもしれんな

http://www.oblivion-movie.jp

メイ5月31日のフライデーから、東宝東和はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショー。

関西やったら、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、京都・TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OSやらで上映。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

ハリウッド映画の今を見る…とゆう意味では、本作は格好のサンプルであり、エンターテインメントになっとります。

トム・クルーズ主演映画どすが、ハリウッド映画の日本市場的には、苦戦を強いられてる現状やけど、でも、本作。10億以上の興収は間違いないと、ボクは確信いたします。

10億やなんて、昔は当たりキやったかもしれへんけど、アニメ含め邦画隆盛の今においては、かなりの健闘数値どす。

シュワちゃん、スタローン主演新作やら、スピルバーグ監督新作など、ミスター・ハリウッドたちの作品も、この10億が今の時代においては、1つのハードル・ラインでおましょうか。

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さてはて、ここで、数多いトム・クルーズ作品のベスト・カルトやなく、変格ヒネリ系の分の、マイ・ベスト・カルト・スリーでいったらどないなるやろか。

つまり、マットーなアクション系とか、ストレートな人間ドラマ系とかは外しました。

●ベスト⇒①アイズ・ワイド・シャット(1999年製作・以降の引用映画は、指定以外は全てアメリカ映画)②ラスト・サムライ(2003年)③マグノリア(1999年)

●カルト⇒①本作②マイノリティ・リポート(2002年)③宇宙戦争(2005年)③バニラ・スカイ(2001年)

●1981年に映画デビューした彼やけど、1980~1990年代にかけては、アカデミー賞を狙えそうな演技性に、少なくとも、こだわってはるように見えました。

一方で、この時期には、彼のアクション映画の最高作「ミッション:インポッシブル」(1996年~)シリーズも生まれておます。

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そやけど、ハリウッドのネタギレが叫ばれるようになった、1990年代後半あたりからは、出演作を慎重に選んではるようなとこが見えます。

これまでにないようなオリジナルなとこがあって、変格系の傑作てゆうたら、1990年代後半から2000年代の前半に、集中しとるんやないかなと思います。

まだ公開前の本作以外は、ほぼ全てが、10億以上をクリアーしてはるかと思います。

さてと、そろそろ本作について語らんとあきまへんけども、本作はSF映画のワン・ポイントでもある、人類の終末映画へ、トムクルが初めて挑んだ作品、ちゅうことになるんやないやろか。

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でもしか、その作りは2人の女優と、トムクルがイロイロ絡むとこがあるとはいえ、

また、トムの過去の作品を思い出させはる、アクト・シーンがあるとは申せ、

現代的なSF映画てゆうたらあれやけど、つまり、21世紀に考えられるSF映画にして、しかも映画オリジナル作品なんどすえ。

オリジナルやからエエちゅうもんやないけど、「渚にて」(1959年)やら「博士の異常な愛情」(1963年・イギリス)やらで示された、人類の終末映画どすが、後半には人類の復活・再生へと転換していく流れが、圧巻の作りになっとります。

終末・再興の映画はそれなりにはあるけど、ドラマ的にうまく仕組まれたんは、実はそうそうありまへん。

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記憶喪失・消去、クローン人間、放射能汚染などの、今どきのキーワードを駆使しもって、侵略者とそれを阻止するチームの戦いが、フツーのようには描かれてゆかないとこに、筋を含めて、本作を斬新なものにしてはります。

また、「猿の惑星」(1967年)や「A.I.」(2001年)やらで描かれた、壊れたNYシーンのインパクトもあるんやけど、それに対する、郊外の美しい自然シーンなんぞにも、グッときます。

そして、感動のラストシーン。

終わり良ければ全て良し、なんてコトバがあるけど、そこまでの道筋も良かったけども、このシーンだけでも、見て良かったと思えるような作りになっとります。

「あの人、誰?」とゆう、少女のセリフの直後に見せる、トム・クルーズのアニキのクローズアップが、実に見事にキマッておました。

2013年5月16日 (木)

シャルロット・ゲンズブールのネーさん主演「パパの木」やー

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オトンの死後の、オカンと幼な娘を並行的に描く作品や~

大人のヒロイン映画と、少女もの映画の融合やけど…

http://www.papanoki.com

6月1日のサタデーから、エスパース・サロウはんの配給によりまして、東京・シネ・スイッチ銀座やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、6月15日から梅田ガーデンシネマ。ほんで、その後、夏休みやらに、京都シネマやら元町映画館やらで上映しはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸLes Films du Poisson/Taylor Media-Photo:Baruch Rafic 2010

本作は英語セリフで紡がれる、オーストラリアの田舎を舞台にした、フランス映画とゆう設定になっとります。

フランスの女優はんの、シャルロット・ゲンズブールのネーさんが、主役をやらはりました。

セルジュ・ゲンズブールはんと、ジェーン・バーキンはんの娘はんやけども、その種の世襲制度(?)みたいなんは、映画界においてもメッチャありますねんで。

親子俳優映画の、どうちゃらこうちゃらの系譜をやったら、メッチャ面白いもんに、なるやろとは思うんやけど…。

まあ、そのうち挑戦しようとは思とりますけども、まずは、シャルロットネーさんのお話どす。

彼女の出演・主演作品に対しては、ボクはあんまし見てへんねんけど、取りあえずは、気を立て直してでんな、ネーさんのマイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくままにゆうてみよりますと…。

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●ベスト⇒①アンチクライスト(弊ブログ内検索で出ます)②本作③21グラム(2003年・アメリカ)

●カルト⇒①なまいきシャルロット(1985年・フランス&スペイン)②僕の妻はシャルロット・ゲンズブール(2001年・フランス)③アンナ・オズ(1996年・フランス&スイス&イタリア)

●親の七光りによる、フツーのアイドル系のノリやけど、どこか違う流れのようにも思えるのんを、カルト作品にしてみよりました。

但し、親の威光とかとは全く関係なしに、演技の可能性を追求しはったんが、ベストの方になったとゆうようなカンジでおましょうか。

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フランスのアイドル女優でゆうたら、同時代に活躍した点でゆうたら、ソフィー・マルソーのネーさんやらと比較してみたら、どないかなんて思たりもしたんやけど、ビミョーに違うようにも見えました。

本作は、家族ドラマとゆうか、コドモはんとの関わりの中で、ドラマを紡ぎ、オカン役を始め、女優として演技をやるとゆう点においては、好感度と自然体度のある演技をば、披露してはるんやないかなと思います。

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母娘を核としはった作品で、女性監督ジュリー・ベルトゥチェリの、ネーさんによるものである点も、女性視点をキチッと踏まえた、説得力ある演出具合を示さはります。

オトンのいない家族ドラマの在り方をば、イロイロとカンジさせはって、さらにそれ以上のサムシングを、描いてゆかはるんどす。

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ある意味において、大いなるポイント・ゲッターとなるんは、シャルロットはんやなく、幼い娘役のモルガナ・デイヴィスちゃんでおましょうか。

オトンが車を運転中に、ビョーキになって死んでしもた。死ぬ前には、自宅の一戸建ての家の前で、成長を続けるイチジクの木に突っ込まはります。

そやから、娘はんはこの木にこだわり、死んだオトンの声を聞き、オカンもその流れに合わせて、大マジに娘に付き合わはりまんねん。

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夫の突然死後の、家族の姿を描く手法としたらでんな、失意を乗り越えて再生へナンチューのが多いんやけど、こちらはビミョーに、そんなオーソドックスな筋道を外してはります。

家の下まで根が張って、家を脅かすイチジクの木(写真6枚目)とゆう存在が、イチジクがそんなに根を張るもんなんか! の驚きもあるけど、そこに死んだオトンの魂をカンジさせたりなとこも、見え隠れしとるようどした。

ボク的には、そんなオトン・ダンナがやってた仕事に、オモロサをカンジました。

冒頭から示されるんやけど、新築の家をトラックの荷台に載せて運ぶやなんて…。

しかも、ロードムービーに似合いそうな、フォーク・ロックを流してのシーンどした。

妙に懐かしさを覚えた、このシーンに加え、オーストラリアの美しき自然シーンやら、サイクロンな天候シーンは、一種パニック・ムービー的やったけど、自然シーンの挿入にも魅せられる作品どしたえ~。

2013年5月15日 (水)

「新・午前十時の映画祭」のニュー・プリント版「2001年宇宙の旅」

20012
交響曲「美しき青きドナウ」にウットリしてまう冒頭部

ラスト近くの異世界へと向かう、極彩色の前へ前への映像

ジャンキーなトリップ感覚に満ち満ちた、SF映画の大ケッサクどす

http://asa10.eiga.com

5月18日のサタデー・モーニングから、5月31日のフライデー・モーニングまで、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ府中やらで、午前10時からのリバイバル・ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

20014
ⒸKobal/MGM/The Kobal Collection/Wire Image.com

さてはて、故スタンリー・キューブリック監督による、このSF映画(1968年製作・アメリカ映画)てゆうたら、これまでにも無数に近い、映画評論がなされてきよりました。

その時代時代に応じて、「スター・ウォーズ」(1977年・アメリカ)やらと比較して、論じられたりしておます。

ボクチンもそうした批評やら、哲学的な難しい分析批評なんぞを読ませてもらいました。

しかし、それらの文章を読んでいつも思ったのは、映画は描写であり、説明やないとゆうとこでした。

この映画を文章的に説明しても、ほとんど意味がないんやないやろかってことなんどす。

流れてくる映像とサントラに身を任せて、映画館を夢見ゴコチで浮遊する。

そんな鑑賞法が、この映画にとっては、最もふさわしいんやないやろか。

20015
個人的なことをば申しますと、学生時代に何度もリバイバル上映された本作を、そのたんびに見に行きましてでんな、当時入れ替え制がなかったんで、土曜日のオールナイトで何度も繰り返し見とりました。

まあ、100回以上は映画館で見とるかもしれまへん。

その後DVDも買って、毎日とは言いまへんが、繰り返し見続けとるから、見た回数は、モノゴッツーなもんになっとるやろかと思います。

何はともあれでんな、クセになってまう映画なんどすわ。

クセになるんはなんでか? そのあたりを探ってみまひょか。

20013
イントロ部でまずかかる音楽が、「ツァラトゥストラかく語りき」ちゅう、大仰なファンファーレチックなサウンドどす。

いきなりドギモ抜かれま。

で、その次のシーンにも、ビックリ。

エテ公たちがハバをきかしとる、紀元前の時代へとスライドやがな。

トンデモサプライズから、サルが放り投げた牛骨が、牛丼やなくて宇宙船になるっちゅう、ワザトラな展開から、宇宙シーンが始まります。

ここでは、ワルツ調のシンフォニー「美しき青きドナウ」が流れよりまして、ウットリとなるハズでおます。

学生当時のボクの友達なんかは、このシークエンスを見るだけのために、何度も映画館へ足を運んだんや、なんてゆうとりました。

20011
まあ、この音楽はその後も流れるし、ラストロールでは盛大にやってくれてはります。

ほんでもって、宇宙の謎を探るために、宇宙船ディスカバリー号が、木星へと旅立ちよります。

主演男優のケア・ダレーやなんて、ダレーやねんやけど、彼1人が生き残ってでんな、その未知なる世界へと1人で入ってゆくとゆう流れなんどすわ。

SF作家アーサー・C・クラークの同名の原作小説を、かなり映画的に換骨奪胎(違ったものへと変換)してはりますが、ストーリー的にはそない変えてはいてはりまへん。

しかし、映像で魅せゆく見どころが、まさに映画でしか伝えられへんし、カンジられへんもんなんどす。

異世界へのルートとなる、前へ前へと流れゆく極彩色な色使いなど、どうにもたまりまへん。

初期CG使いの妙味を示さはるんやけど、今以上に斬新やと確信いたします。

この映画の最大の見せ場やと、ボクは勝手に思とります。

癒やしがあり、トリップ感がある。

なんとも言えへん、極上の映画体験が味わえます。

そやから、ぜひとも、シネラマ70ミリのスクリーン体験で、本作を体感しておくんなはれ。

2013年5月14日 (火)

ハコものアメリカン悪魔ホラー「ポゼッション」どす

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「エクソシスト」と同じく、実話をヒントに作られたホラーどす

呪いの箱を開けたら、悪魔に取り憑かれるちゅうカンジ

http://www.possession.jp

メイ5月25日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、6月1日の土曜日から、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸やらで公開どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 Box Productions, LLC. All Rights Reserved.

リメイク版「死霊のはらわた」(ブログ内検索で出ます)のとこでも、分析しよりましたけども…、

人の怨み節の多いJホラーに対して、アメリカン・ホラーは、悪魔の呪い系が主流をなしとります。

オカルト映画「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年製作)や「エクソシスト」(1973年)以前は、モンスター系(狼男・フランケンシュタイン・吸血鬼・ゾンビなど)が多かったんやけど、

「エクソシスト」の大ヒットで、その後、悪霊系はドトウのごとく、出現していくことと相なりました。

ほんで、本作やけど、まさにその「エクソシスト」をお手本に、その21世紀進化型に挑戦しようと、作ってきはったもんなんどすえ。

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そやから「エクソシスト」との相似が、それなりにござります。

外装的には、実話をヒントにしている点。

悪魔祓い師を意味する「エクソシスト」と同じく、除霊師が出てきて、人に取り憑いた悪魔と対決しよります。

また、取り憑かれるんは、いたいけな少女やとゆうとこもいっしょどす。

リンダ・ブレアーに対して、こちらはナターシャ・カリスちゃん。

リンダがシンプルな怖がらせ演技やったのに対し、VFX、メーキャップを使いつつも、彼女はイロイロ変形型を見せる、多様な演技で魅せてくれはります。

一方、オリジナル・ポイントとしては、呪いの装置がある点やろか。

パンドラの箱なんて昔あったけど、フリーマーケットで買ってきた、呪いの箱(写真2枚目・4枚目)でおます。

ビデオやマンションそのものなど、呪われ装置は多彩に出てきましたけども、箱とゆう装置なんて、ある種の原点回帰とも言える、シンプルさやと思いますで。

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着地後のサプライズも、用意されておます。

「キャリー」(1976年)あたりから始まっとる、サプライズ・エンディングやけど、呪いはまだまだ続くみたいなところが不気味どした。

さてはて、観客を怖がらせるための、映像的作りについても見てみまひょか。

昼間のシーンは、1970年代的ホラーなフィルム質感的な、明るさを示す一方で、夜の描写はその対比的に暗くしてはります。

効果音などでショッカー(ビックリさせるための音)も使ってはるけど、むしろ何かが起こりそうな時に、サントラなしに静かに進行してゆくと、これからどないなるねんちゅう、不安感が募ってきよりますわな。

家の俯瞰カットなども、総じて不安感をあおる方向で、編集してはります。

この種のホラーは、結末が定番やとしても、途中経過シーンの怖がらせ方によって、あとに、こびりつくように残るインパクトは違ってきよります。

「エクソシスト」と比較したら、そらアレかもしれへんけど、怖がり度は高いと思いますんで、

ぜひ、カノやカレと一緒に見に行く、デート・ムービーとしてご活用くだされ。

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2013年5月13日 (月)

監督で見る映画☆ワン・ビン監督「三姉妹~雲南の子」

Photoドキュメンタリーとはいえ、少女ヒロイン映画の質度の高い1本どすえ~

今年のドキュではモチ、マイ・ナンバーワンでおます

http://www.moviola.jp/sanshimai

5月25日の土曜日から、東京・シアター・イメージフォーラムにて、ほんで6月1日のサタデーから、共にムヴィオラはんの配給によりまして、大阪・梅田ガーデンシネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸALBUM Productions, Chinese Shadows

153分とゆう、長尺のドキュメンタリー映画どす。

中国出身のワン・ビン監督のアニキは、中国の現状を捉えたドキュメンタリー映画に、作家性をモノゴッツー発揮しはります。

ドラマ映画やけど、ドキュ的苛烈さ・無常感を取り込んだ「無言歌」(2010年・弊ブログ内検索で出ます)は、強烈至極な作品どした。

ほんでもって、本作もディープなインパクトある、少女ヒロインものの傑作となりました。

少女もの映画としても、歴代ベストテン級の仕上がりになっとるだけやなく、ドキュとゆう視点では、過去最高級の傑作やろと断言いたします。

ぜひ、見に行っていただきたいし、できれば家族一同で見にゆくんが、ナンチューてもベスト鑑賞法やろかと思います。

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描写に徹してはるんが、まずは凄いんどすえ。

セリフやナレーションで過剰に、説明したりはしやはりまへん。

1人の少女ヒロインを描いてゆく視点が、メインになっとります。そんな中でカンジるんは、少女の孤独ぶりどす。

学校でも浮いてるし、両親のいない家で、妹たち2人が都会へ出てから、メッチャ寂しい生活をば送り続けてはります。

ほんでもって、オジンの仕事を手伝ったり、男の友達との束の間の交流やらもあるんやけど、少女の孤独なカンジは、見ていけばいくほどに、実はますます募ってまいります。

時々、かわいそうになってきたりするけども、彼女はいたって自然体のフツーなカンジ。見てるボクチンらの方が、嗚呼ーッて思わず唸ってまう、ゆうとこがありよります。

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少女ヒロインの自然体にして、ココロにクル映画としての中国(香港・台湾含む)映画(但し、本作は中国は製作には全く関係なく、フランス&香港合作となっとります)としては、

「初恋のきた道」(2000年・アメリカ&中国)、「冬冬の夏休み」(1984年・台湾)やらと、並ぶくらいの仕上がりとなっとります。

いや、ひょっとしたら、最高傑作やもしれまへん。それくらいココロの琴線を、刺激してきよる作品どした。

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前述通りで、ドキュに当たり前のようにある、ナレーションやら関係者インタビューやらはありまへん。さらに、サントラもかかりまへんねん。

その代わりとゆうてはなんやけど、風やらヒロインの咳き込みやら、イロンな音が効果音として、適宜挿入されておまして、アート感ある作品性をば増してはります。

人物の背後からのカットやら、1、2分の長回し撮影なんぞも、作品の絶妙なフック・ポインツとして効いておました。

今年のドキュとしては最高傑作やと思うし、洋画全体としても、仕上がり具合の素晴らしい傑作どした。

2013年5月12日 (日)

不器用ラブ・ストーリーの快作「箱入り息子の恋」どす

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ナイーヴな青年と盲目の女性の、感動的な恋愛映画や~

チャップリンの「街の灯」的な、鳥肌立ちシーンもありまっせ~

http://www.hakoiri-movie.com

ジューン6月8日のサタデーから、キノフィルムズはんの配給によりまして、東京・テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町やら、大阪・テアトル梅田などで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「箱入り息子の恋」製作委員会

日本映画のラブ・ストーリーとして、久々にナイーブな傑作をば、見させていただきましたで。

市役所に勤める公務員ながらも、恋愛には全く興味がなく、ゲーム・オタクな主人公の息子はん。一方、彼のお相手は盲目の娘はん。

この2人が親が決めてきた見合いによって出会い、ほんで愛をはぐくんでゆく姿が、最初はギクシャクしながらも、最後には感動的な着地になるとゆう作品どす。

コミカルなノリはあるんやけど、でも、かつての日本映画の若者恋愛のポイントにあった、まさに“純と愛”が本作にはありました。

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大げさかもしれへんけど、チャップリンの「街の灯」(1931年製作・アメリカ映画)で、鳥肌もんやったラスト・シーンの感動が、本作にはあると思いよります。

2人のココロが普遍的なカタチで、結ばれる時の凄味。そういうもんが本作にはあります。

特に、それをカンジたんは、吉野家の牛丼屋デート・シーン(写真1枚目)のことを思い出しながら、ヒロインが店へ1人で行くシーン。

そして、食べながら泣くシーンのせつな系どした。

親が勝手に決めた見合い(写真3&4枚目)やけど、その前に、雨の日のシーンで2人が出会う、絶妙な恋愛伏線シーンが紡がれよります。

このシーンは、メッチャ印象深いシーンになっとります。

2人の見合いシーンでの、主人公のセリフもまた、ドラマ映えしとります。

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そんな2人に、ミュージシャンの星野源クンと、夏帆ちゃんが、ホンマナイーブ極まりないカンジで演じてはります。

星野クンは「聖おにいさん」(今年5月5日付けで分析)の、ブッダの声を優しくやってはったけど、それ以上に柔和やし、ほんでメッチャ好感度の高い演技性を披露しはりました。

また、夏帆ちゃんもホンマ、守ってあげたいと思わせる演技ぶりや。

伏せ目がちの盲目的な目線での演技も、うまいやんと思いましたで~。

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夏帆のオトン・オカン役の、大杉漣はんと黒木瞳はん。

さらに、主人公のオトン・オカン役の平泉成はんと、映画出演は珍しい歌手の森山良子はん。

この4人共に、誰にでも分かりやすい演技で普遍性を出してはりました。

名サポーターぶりどす。この2組の夫婦の描き方も、サブ・ポイントとしてはお楽しみでおます。

家族ドラマとラブ・ストーリーにまつわる、ファミリー映画の在り方なんぞも、考えさせてくれはるような作りになっとりましたえ。

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映画的には傑作とは、必ずしも言えへんかもしれへんけども、みんなのココロになんらかのカタチで残るような、愛しき作品になってるんやないやろか。

こういう映画こそ、永くみんなのココロに残る作品なんやないやろか。そんな風に思います。

2度にわたる大ケガにもめげずに、夏帆との恋をまっとうしてゆく、主人公・星野源の不器用さが、ホンマ愛しくなってきよりまっせ。

ちゅうことで、「セカチュウ」(2004年・日本)とはまた違った、純愛映画の傑作でおました。

2013年5月11日 (土)

監督で見る映画☆ウォン・カーウァイのアクション映画「グランド・マスター」

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チャン・ツィイーとの監督初のコラボレートは、今年の洋画ベストテン級の仕上がりとなりました

ブルース・リー主演作と同等、もしくは超える仕上がりに、震えがきてもうたりして…

http://grandmaster.gaga.ne.jp

皐月5月31日の金曜日から、ギャガはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.

本作は監督で見るべき映画やと思いました。ウォン・カーウァイ監督作品どす。

彼のマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露させていただきます。

●ベスト⇒①本作②花様年華(2000年製作・香港映画)③恋する惑星(1994年・香港)

●カルト⇒①2046(2004年・香港)②ブエノスアイレス(1997年・香港&日本)③欲望の翼(1990年・香港)

●多様で一筋縄ではゆかへんような恋愛映画を、発表し続けてきはった監督。

そんな中において本作は、彼のキャリア史上最もポピュラリズムがある作品に、なったやろかと思います。

何しろ、彼の初のカンフー・アクション映画。しかも、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」(1973年・アメリカ&香港)へ、深きオマージュを捧げた作品でおます。

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ブルース・リーの師匠イップ・マンの、人生を描かはりました。

イップ・マンを描いた映画は香港映画として、これまでにも出とりまして、香港では大ヒットとなっとります。

でも、本作はそんなイップ・マンの、ヒューマン・ドラマとゆう視点から描かれておます。

さて、ここで、カンフー・アクト入り映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーも披露いたします。

●ベスト⇒①燃えよドラゴン②本作③グリーン・デスティニー(2000年・アメリカ&中国)

●カルト⇒①ドランク・モンキー 酔拳(1978年・香港)②LOVERS(2004年・中国)③カンフーハッスル(2004年・中国&アメリカ)

●ジャッキー・チェンのカルト①など、シリアスなブルース・リーとは真逆の、コミカルなんもメッチャオモロイんやけど…。

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カーウァイ作品の常連はん、トニー・レオンのアニキの、カンフー・アクトも注目やけど、意外や意外、チャン・ツィイーのネーさんと監督が、初コラボレートやなんて、グーンときましたえ。

なんせ、ツィイーてゆうたら、ベスト③カルト②など、カンフー・アクトものヒロイン映画の、まさに顔やてゆうてもエエでおましょう。

トニー・レオンとの1対1対決に加え、最大の見どころとも言うべき、オトンのカタキとの対決シークエンスのもの凄さは、映画史に残ってもおかしゅうないような、アクションやったんやないかなと、個人的には思とります。

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そんなアクト・シーンとは別に、ツィイーの人間ドラマ的演技性にも、唸りまっせー。

アップ・シーンは当然多いんやけど、伏し目がちの演技でありながらも、切ない心情を見事に演じてはります。

特に、トニー・レオンとの最後のシーンのインパクトは、強烈やったです。

演技的にも、「初恋のきた道」(2000年・アメリカ&中国)と双璧をなす、ツィイーの代表作になったと確信いたします。

「後悔のない人生なんて味気ない」「夢と愛は同じ」なんてゆう名セリフが、次々に出てくるんやからな。

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1936年から始まり、過去を行き来しもって、1952年までへとゆく大河ドラマ性的な作りに加え、カーウァイ監督的にはアクション・シーンの創出は、ほぼ初めてやのに、臨場感あふれるシーンが続々と登場しまんねんで。

冒頭の雨の日のアクションから、アップとスローを適度に入れて、近接撮影を主体とした、分かりやすいアクション・シーンが続きよります。

トニー・レオンの意味深なナレーション部やらも、本作の中へと入り込める、絶妙なとこになっとりました。

陽光の部屋への取り込み方など、印象的な撮影シーンにもグッときますで。

21世紀のカンフー・アクション映画の、大傑作どす。

2013年5月10日 (金)

監督で見る映画:スサンネ・ビア監督「愛さえあれば」

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女性監督が贈る、イタリア舞台の北欧デンマーク映画とはいえ…

結婚式をメイン・フィーチャーしはったけど、大人の恋愛映画とは、まさにコレどす

http://www.aisaeareba.jp

皐月5月17日のフライデーから、ロングライドはんの配給によりまして、東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館やら、TOHOシネマズ梅田、京都・TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OSやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸZentropa Entertainment29 ApS 2012

本作は監督で見る映画やと、ボクは勝手にジャッジいたしました。

いろんな方向性で見られる、娯楽と芸術が微妙に合わさった映画どす。

デンマーク出身のスサンネ・ビア監督やて、ゴリゴリの映画ファン以外は、聞いたことないな~て思うのは、まあ、アタリキかもしれへんけど…。

デンマーク出身の女性監督はんどして、「未来を生きる君たちへ」(2010年・弊ブログ内検索で出ます)では、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞しはりました。

そのポイントは、これまでにないような家族映画を構築する点。

ほんで、メインの家族的前向きよりも、サブ・ポイント的なとこから、意外な感動のキズナ映画を作らはります。

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4ポイントほどで、本作のジャンル映画マイ・ベスト・スリーを、思いつくまま手前勝手に、チェックいたしますと…。

まずは、イタリアを舞台にした、イタリア以外の外国映画とゆう視点で見ると…。

①ローマの休日(1953年製作・アメリカ映画)②世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年・アメリカ)③本作

●かなり大げさかもしれへんけど、イタリア舞台の外国映画ラインは、いかにもな観光系が入っとったりするけど、本作はスムーズ。

南イタリアの美しい自然を取り込みつつも、リゾート系をストレートに取り込みつつ、ロマンある大人のラブ・ストーリーを紡いでいかはります。

しかも、群像劇的な結婚式映画の中で、展開してゆく面白さがエカったで。

ベスト②のウディ・アレン監督の新作「ローマでアモーレ」(後日、分析します)も、ユニークな快作やったどす。

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結婚式映画でゆうたら、①ウェディング(1978年・アメリカ)②モンスーン・ウェディング(2001年・インド)③本作

●監督も「アフター・ウェディング」(2006年・デンマーク)を作ってはるけど、結婚式はあくまでサブ・ポイントである点が、これまでのウェディング映画とは違っておました。

結婚する者同士の親たちの、ラブ・ストーリーとゆう在り方が、異色やけど斬新。

息子や娘たちのラブが、見どころのようでいて、結局は見どころにはなれへんサプライズが、ああ、この監督の映画作家的作戦なんやろなと見ました。

ベスト②も女性監督によるもんどすが、結婚式の取り込み方の違いが、180度違うやろかと思います。

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北欧映画のベスト作品としてもOKや。

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000年・デンマーク)や「奇跡の海」(1996年・デンマーク)のラース・フォン・トリアー監督と、対等に張り合えるような、そんな作品群となっとります。

ヒロイン映画としての妙味が、本作と共に張り合える仕上がりや。むしろ、女性監督が描く女性映画としての説得力は、トリアー監督以上のもんがあるようにも見えましたやろか。

ほんで、本作で起用しはった、007ボンド役でも有名なピアース・ブロスナンはん。

彼のマイ・ベスト・スリーを挙げるならば…。

①本作②テイラー・オブ・パナマ(2001年・アメリカ)③トーマス・クラウン・アフェアー(1999年・アメリカ)やろか。

でも、007のイメージある②③とは違い、その呪縛から完全に逃れ出て、熟成の人間性を披露する本作こそ、ブロスナンはんの、ブロスナンはんらしさの出た傑作でおましょう。

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結婚する息子・娘の2人の親同士が、恋愛するとゆう不倫的流れとなれば、泥沼的な濁流をイメージするやもしれんけど、それが真逆とゆうてもエエような、ある種さわやかなカンジどすねん。

末期ガンなどのポイントを入れつつも、イタリアの美風系、ムードある歌などのアクセント・フック部が、2人の恋愛をロマンティック・ラブ・ストーリーへと、昇華してはりますやろか。

とゆうことで、大人たちが見て納得できるような、大人の恋愛映画どしたえ~。

2013年5月 9日 (木)

イームズ・チェアを作った夫妻を描くドキュ「ふたりのイームズ」どす

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そのメイキングぶり以外に、2人は多彩な芸術に挑戦してはります

特に、映画も撮ってはったとこに、グッときましたで!

http://www.uplink.co.jp/eames/

MAY5月11日SATURDAYから、アップリンクはんの配給によりまして、東京・渋谷アップリンクやら、シネマート六本木やらで、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、JUNE6月8日から、シネ・リーブル梅田。ほんで、その後、神戸アートビレッジセンターやら、京都みなみ会館やらでヤラはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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CourtesyⒸ2013 Eames Office, LLC(eamesoffice.com).

ⒸQuest Productions/Bread and Butter Films.

ⒸFirst Run Features.

イームズ・チェアてゆうたら、メッチャ有名やし、日本でも1家に1脚あるようなブランドでおましょう。

そんなチェアを作らはった、チャールズ&レイのイームズ夫妻の、ドキュメンタリーが本作でおます。

いわゆる、有名人を描くドキュなんやけど、2人共に既に故人であらはる点やら、実話ドラマ映画も入れて、セレブ・ドキュ映画として、初めて映画で描かれる方々でおます。

イームズ・チェアは有名でも、2人のことはどうでもいーむずなんてゆわずに、まあ、見に行ってみなはれな。

この種の故人セレブ映画ちゅうのんは、本人はんらが生きてはらへんので、どないしても、過去の映像を頼ったりすることになるし、関係者へのインタも今、生きてはる人へのインタが撮り下ろしゆうことになります。

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2人のお孫はんの、イームズ・デミトリオスはん(写真5枚目)へのインタビューなど、現在形のインタも、短めのカットでつなげて飽きを作らず、ほんで、過去の2人の映像や写真、いろんな作品を束ねて、分かりやすく見やすい作りにしてはるんが、エエかと思います。

ヘンリー・フォンダみたいとゆわれはった、夫チャールズ・イームズはんやけど、ウィリアム・ホールデンがやった、モデルになった映画として「重役室」(1954年・アメリカ)なんぞが映されよりますけども、ボクは残念ながら見ておまへん。

建築家の夫を支えて、テレビ出演やら表に出ても、ほとんど喋らない画家を名乗る、妻レイ・イームズはん。

この2人の夫婦のキズナの何たるかは、実はあんまし描かれてはおりまへん。

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彼らの人間性もそれなりに描かれるんやけど、人間ドキュとしてよりも、彼らの作ったもんが珍しいだけに、どないしても、そっちの奇抜な作品の方へと、目がいきよるような作りに、なっとるかと思うんですわ。

中でも個人的には、プロパガンダやらプロモーション・フィルムなノリがあったんやけど、いくつも映画を発表してはるとこにグッときました。そんな映像のいくつかが流れてまいります。

東西冷戦時代に、ソ連に対しアメリカの良さを示す、7分割の映像の、実験的やけどポピュラリズムある映像とか。

ほんで、「タクシードライバー」(1976年製作・アメリカ映画)の脚本家として映画史に残る、ポール・シュレイダーはんは、彼らのフィルム作品に魅せられはった1人でおます。

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それは「パワーズ・オブ・テン」(1977年・アメリカ)とゆう映画や。

地面から地球の外、宇宙まで上がる俯瞰移動撮影の凄味など、その種の撮り方の、ルーツ的なもんでおましょうか。

さらに、回る駒を描く「コマ」とか、コンピューターのことが分からないままに作らはった、IBMやらポラロイドのPRフィルムなどが、斬新どした。

夫妻のキズナを感動的に描くんやったら、どないあってもドラマ映画とゆう選択になるんやろけど、本作はあくまで2人の偉業を追うとゆう、スタイルやったと思います。

ドキュらしいといえばそうやけど、ないものねだりも意外性もほしかったとは思うけど、でも、2人のことを知ってもらうには絶好の機会やったと思います。

とゆうことで、意外な掘り出しもんかもしれまへん。

2013年5月 8日 (水)

変形ジャパニーズ・アニメ「燃える仏像人間」どす

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前衛的アニメ映画の怪・怪・怪作品でおます

切り絵細工な手書き調から繰り出される、ヒロイン映画のチャッチー感がグーどすえ

http://moebutsu.net

皐月5月18日の土曜日から、インターフィルムはんの配給によりまして、東京・シネ・リーブル池袋、下北沢トリウッドやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ「燃える仏像人間」製作委員会

世界的に有名になった、世界のジャパニメーションなるものとは違ったとこで、オリジナリティーなとこを示さはる作品てゆうたら、実は、それなりにかなりのタイトル数があります。

スタジオジブリを始め、大手の映画会社から出てくるアニメ映画に加え、ドラエもんやらワンピースやらのテレビドラマの劇場版やら、日本のアニメ映画界は今や、ヒット・トレンドのトップ・リーダーをば、呈してはる現状でおます。

アニメがニッポン興行チャートの、ベストテンの半分以上を占めるっちゅう活況が、ここしばらく続いておます。

そんな中で、大手映画配給会社やらテレビ系とは違う、ユニークかつオリジナリティーあるアニメ映画も日々、作られておますんどす。

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実は、そういう、いわゆるマイナー系となるアニメ映画には、ショート・ショート系を含めまして、実験性・前衛性もあるんやけど、アニメ映画でしか出せない独特なアート感をカンジたりして、時おり胸がピリッときたりしよります。

ボクがこのブログを始めて、分析した作品に限ってでんな、そんなアニメのベスト・スリーを言いますと…。

①アーチー&シバック②本作③緑子(全て弊ブログ内検索で出ます)

●①は韓国アニメどす。

韓国とゆう珍しさもあるんやけど、下ネタ・ポイントに加え、怪作は怪作やったけど、ヤッパ③と同じく、ヒロイン映画としての普遍的な作りは、それなりに圧倒的やったかな。

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ジブリ作品に顕著なヒロイン・アニメへの意識が、ジブリの世界的評価以降、若手のアニメ作家たちにも蔓延しておます。

けども、モチ、本作もそういう風に見えるけども、作りは全然違っておます。

「この世には不思議なことなど何もないのだ」ナンチューセリフによる、不思議な世界の造形において、ヒロインの数奇な運命が、「千と千尋の神隠し」(2001年製作)のジブリのマットウ系とは、異にするスタイルで話は紡がれてまいります。

両親が惨殺されてしもたヒロイン・紅子が、ストレートにゆうたらリベンジするとゆうことなんやけど、オバンの協力やら仏像と融合したりして、遂には首謀者と向かい合い、ほんで対決やー。

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お話はシンプル・イズ・ベストなんやけど、アニメのルーツとも言える、手書きの切り絵細工調に加え、固定アニメ主体系が、今どきのアニメ映画ファンにはどない映るんやろか。

少し心配なとこもあるんやけど、サントラとのコラボレートやらで、飽きさせない作りになっとりますし、実写シーンも出てきて、アニメ部をサポートしはります。

サントラ的には、吹奏楽、ピアノ、キーボード、笛、ハーモニカ、フルート、シンセや打ちこみなど、多彩に細部を盛り立てますで。

ラストで流れるアニメチック・ソングなポップ・ナンバーなど、ノリノリのとこもケッコーありました。

トモなアニメとは違うかもしれへんけど、ケッタイなアニメとして、ナンチューか、とにかく、おすすめどすえ~。

2013年5月 7日 (火)

韓国のアクション・ミステリー映画「殺人の告白」どす

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「殺人の追憶」の続編的作品は、ウルトラ級のアクション・シーンが続出や~

それでいて、どんでん返し含むミステリー部も充実どすえ~

http://www.satsujin-kokuhaku.net

ジューン6月1日のサタデーから、ツインはんの配給によりまして、東京・シネマート新宿、シネマート六本木ほか、全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、6月29日から、大阪ステーションシティシネマやら、TOHOシネマズなんばで上映どすえ。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 DASEPO CLUB AND SHOWBOX/MEDIAPLEX ALL RIGHTS RESERVED.

韓国映画の名作「殺人の追憶」(2003年製作・韓国映画)は、1980年代末に実際に韓国で起こった連続女性殺人事件を、ベースにした映画どした。

しかも、事件は迷宮入りとなり、2006年に15年の時効を迎えてしまいよりました。

その「殺人の追憶」は、捜査陣の心の葛藤を静かに描き込んで、胸に染みる作品やったと思います。

片や、本作どすが、時効後に、自分が犯人だと名乗り出た者が、いたとしたらとゆう視点から、「殺人の追憶」の続編的なカンジで、描かれたもんでおます。

しかも、その真犯人やけど、その経緯を実話本にしてベストセラーになる、なんてことにもなる流れでおます。

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さらに、「殺人の追憶」とは真逆のようにでんな、アクション・シーンがテンコ盛りどして、それだけやなく、本格ミステリー的な展開としても、実によう練られた作品どした。

まずは、アクション・シーンの3大見どころをば、チョイスしてみました。

①冒頭からさっそく、犯人と刑事の雨中の、凄まじい追いつ追われつが展開しよります。

「チェイサー」(2007年・韓国)をモロ意識しはったこのシーンは、生身の体1つでどこまで追逃劇アクションが、できるんかを試してはるようどした。

それだけに、ハンパやありまへん。いきなりのドキドキ・アクションに酔わされます。

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②ハリウッド映画ラインを目指した感がある、カーチェイス&銃撃&生身のアクト・シークエンスや~。

名乗り出た真犯人を、被害者遺族たちが拉致したニセ救急車。犯人側の警備陣営の車。ほんで、警察車。

この3車が、リアリティーギリギリのラインで、追逃劇を繰り広げはります。

各車の屋根にまで乗っての、格闘アクション・シーンには、目が点になるやもしれまへんで。

③クライマックスもトラック、バイクを駆使した、トンデモ高速道路チェイス・アクションどす。

ちゅうことで、「チェイサー」と「殺人の追憶」を足して2で割り、そこにアクション増量分を加えたんが、本作やと申せましょうや。

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演技陣に目を向けよりますと…。

韓流テレビドラマで人気を得てでんな、初の映画出演となったパク・シフのアニキが、どこまでも貴公子的にクールな、真犯人役をばやらはりました。

パク・シフについては、ボクチンはほとんど知らへんねんけど、おそらく彼のファン的パブリック・イメージを、汚さないカタチで演じてはるかと思います。

そのクールビズな演技に対して、刑事役のチョン・ジェヨンは、ワイルド感際立つエキセントリック系の演技で魅せはります。

この対比演技ぶりやけど、本作のネタ部やらドンデン返しやらにも、強烈な効果を与えてはると思いますで。

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アクションとミステリーを融合するんは、なかなか難しいもんがあるやろな。

ところがどっこい、本作はその難しいとこを、なんとかクリアーした作品なんやないやろか。

伏線シーンとして、刑事の過去部の出し方が、少し遅いような気もしよったけど、まあ、許容範囲やろかな。

いろんな人間たちを入り乱れさせつつも、3人テレビ生放送対決を含む大ネタ部を、最後まで伏せるようなカタチで描かれる本作は、伏線バチバチの真っ向勝負の本格ミステリーとは、少しズレとるかもしれへんけど、いずれにせよ、サプライズはディープやったですわ。

てなわけどして、アクション・ミステリーとして、上々の仕上がり具合いどした。

2013年5月 6日 (月)

三浦貴大クンと夏菜ちゃん共演の「監禁探偵」でおます

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「探偵スルース」タッチの2人ミステリーの、妙味が展開しよります

しかも、これぞ本格ミステリーちゅう、驚きの仕上がりどすえ~

http://www.kankintantei.com

6月1日の土曜日から、ファントム・フィルムはんの配給によりまして、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿やら、大阪・テアトル梅田、シネ・リーブル神戸やらで上映どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013『監禁探偵』製作委員会

いやはや、実に練り上げられた、本格ミステリーの傑作どした。

しかも、主に主演2人による、密室推理劇スタイルで、展開するミステリーどす。

主に2人だけでなんてゆうたら、「探偵スルース」(1972年製作・イギリス映画)なんかが、まず思い出されますわ。

また、室内劇集団推理系やったら、「十二人の怒れる男」(1957年・アメリカ)なんぞがあるし、

ノゾキが前振りになっとる点やったら、ヒッチコック監督の「裏窓」(1954年・アメリカ)なんぞを、ストレートに思い出させよるやろかと思います。

でもしか、本作はそれらの名作をば踏まえた上で、21世紀的な新次元へと推理を展開し、どんでん返し・サプライズも、キチンと作られた快作でおましたえ。

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被害者の女モデルの、部屋をのぞいとった三浦クン。

ところが、彼女が殺されるようなシーンを目撃してしもて、部屋へ、ベランダ側から押し入らはります。

案の定、彼女は刺殺されとりました。そこへ何気に、夏菜ちゃんが現れはって…。

三浦クンが殺したような感じに、三浦クンはあわてふためき、被害者の友人やとゆう夏菜ちゃんを、自分の部屋に拉致監禁した上で、真犯人を探そうとしはるんどすえ。

このイントロから波乱含みどすけども、この2人の演技ぶりが、さらに輪をかけるようにでんな、話をややこしい方向へと、導いてまいるんどっせ。

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まずは、手錠拘束されてでんな、その種の定番シーンへ行きそうやったり、一部シャワー・シーンやらではお色気シーンも見せはる、夏菜ちゃんやけど、映画初主演ながら、キップのエエ感じがメッチャ良かったどすえ。

NHKの朝ドラ「純と愛」のチャキチャキ系はそのままなんで、朝ドラ好感度にブレはありまへん。

ほんで、彼女を拘束するお相手役の三浦クン。

ボクチンはイロイロ彼の演技をば見てきたけど、オレ流=自分流の演技ができつつあるように見ました。

オトンの三浦友和はんの、彼と同じ年頃の時を思えば、ある意味では、オトンを超えてはる演技ぶりなんかもしれまへん。

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ほんでもって、本作の最大の凄みは、台本の見事な出来ばえどした。

原作は我孫子武丸のアニキ。幼児連続殺人犯・宮崎勤事件をヒントにした「殺戮に到る病」が、彼の最高傑作やと思うけど、トリッキー・ポイントな本格ミステリーとしては、本作は、一部のご都合主義的なとこを除けば、完璧な仕上げを見せてはります。

パソコン、スマホだけで、真犯人を特定してゆく手法を含め、驚くべき21世紀型の調査方法が、次々に披露されてまいります。

三浦クンと夏菜ちゃんの、やり取りや駆け引きの連続は、刻々と情勢が変化する本作において、大いなる見せ場にもなっとりました。

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そして、事件解決後に明かされる、さらなる真相のドッキリ・サプライズ。

1~2分の、ロングショットやミディアムショットによる、長回し撮影によって、2人の会話から、畳み掛けるようなどんでん返しが、紡がれていきよります。

とにかく、ヤラレました。伏線もバチバチに張られとりまんので、みなはんも推理しもって見ておくんなまし。

しかし、いずれにいたしましても、これぞ本格ミステリー、これぞチョー騙しの、ミステリー映画どした。

その騙しの美学にも酔ってくだされまし。

2013年5月 5日 (日)

大ヒット・コミックの初のアニメ映画「聖(セイント)おにいさん」どす

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キリスト教イエスと仏教ブッダの、トンデモ・バディ・ムービーどすえ~

日本の東京・立川への、天界からのバカンス旅行やなんて…

http://www.saint023.com

皐月5月10日の金曜日から、東宝映像事業部はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ中村 光・講談社/SYM製作委員会

トンデモない相棒映画、バディー・アニメ・ムービーの登場なんどすえ~。

1000万部突破の大ヒット人気コミックの、初のアニメ映画化でおます。

実写映画化された「荒川アンダー・ザ・ブリッジ」(弊ブログ内検索で出ます)でも有名な、漫画家・中村光アニキの、トンデモ・ユニーキーなカンジが、ドッカァーンと弾けてまいります。

キリスト教のイエス(写真3枚目)と、仏教のブッダ(写真4枚目)とゆう、まさに相反するような2人が、天界から地上へとバカンスに来たとゆう、何ともチョーオトボケな展開どす。

しかも、そのバカンス先は、東京・立川市やなんて、おいおい、一体、どないなことになっとりまんねん! なんどすわ。

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古来より、相棒映画と申せば、仲のエエ2人がエエ感じでやっていきよるんもんやけど、相反系でゆうたら、「バレット」(今年5月2日付けで分析)でも言いましたけども、フツーはイガミ合ったりしもって、最後にお互いのココロを結び合うナンチュー、感動系でいくもんなんやけど、本作は全く違っておます。

宗教的には相反しながらも、最初から2人は仲良し子よしなんどすわ。

このアラマ・ポテチンなサプライズから、飄々と当たり前のように始まる物語展開が、オーッときました。モチ、作品性はギャグ&コメディでおます。

その流れに沿いもって、いろんな映画や映画俳優へのパロディを入れつつ、かつてない相棒映画が描かれていきよります。

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立川のとある安下宿に、2人が賃貸して住まわはります。

近所の人たちには、ヘンな2人の外国人ゆうことになっとります。

バカンスを超えた、スーパーのバーゲンセールにもゆく、生活密着型ノリの作りにも魅せられますが、そんなイエス・キリストがジョニデ(ジョニー・デップ)に似てるやなんて言われたり…、

ブッダの動作に「マトリックス」(1999年製作・アメリカ映画)な所作があったり、イエスの「十戒」(1956年・アメリカ)的な、海水(本作ではプール)を開くシーンがあったり…。

さらに、ブッダが手塚治虫の漫画「ブッダ」を読んでいたりと、細かいとこで笑かしてくれはります。

ボクチン的には、本作はタイムスリップ系やないけども、古代ローマと現代を行き来しはった「テルマエ・ロマエ」(弊ブログ内検索)な、破天荒なるユーモア精神をカンジよりました。

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さてはて、そんなイエスの声は、主演作「モテキ」(弊ブログ内検索)までセリフに出てきよる、森山未來のアニキや。

実写映画で時おり見せはる、泥臭いエキセントリッキーな感覚よりも、スマートで柔らかな感じの声調が、好感度高しどす。

ほんで、みなはん、よう知らはらへんかもしれへんけど、星野源のアニキが、ブッダの声優を担当しはりました。

実写映画「箱入り息子の恋」(後日、分析いたします)では、本作の声に勝るおとぼけ&感動系を演じてはるけど、本作では、やはりボケとツッコミにおける、ボケ演技声の自在感で魅せてくれはるんどす。

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それだけやありまへんで。サントラ部でも大貢献や~。

彼はもともとソロ・ミュージシャンどして、ラストロールでは、「ギャグ」(5月8日発売)とゆう、一時の大江千里を思い出させるような、キャッチーなJ-ポップを披露してはりまんねん。

ほんでもって、映画としてのサントラとしては、J-ポップ史に残るようなシブミを、披露し続けてきはった、ムーンライダースの、鈴木慶一はんと白井良明(りょうめい)はんが、ギター・サウンドを核とした、実に、微にいり細にうがった音使いがなされておました。

中でも特注は、秋の紅葉を見に温泉へ行って、立川市から消えた2人のことを、街の人々の様子で、ダイジェスト的に見せるシーンで流れる、鈴木・白井の両名によるフォーキー・ポップスが、何とも言われへん味を出してはります。

加えて、東京の郊外ながらも、写真6枚目の桜の夕景シーンなど、日本の四季シーンを、絶妙に抒情的にとらえてはるシーンの、数々に酔いしれますで。

単なるギャグ・シーンの、オンパレードやないとこにこそ、本作の隠し味とキモがあるんやないかと、ボクは思いました。

2013年5月 4日 (土)

ホンマ、メッチャ、ヤラシー韓国映画「後宮の秘密」どすえ~

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男にとってやろか…、ヤラシー・シーンいっぱい、ムネいっぱいの1本どす

どうゆうたらええのんか、ウ~ン…悩ましき1本どしたえ~

http://www.koukyu-movie.com

5月18日の土曜日から、ツインはんの配給によりまして、東京・シネマート新宿やらで全国順グリのロードショーでおます。

関西やったら、6月22日からシネマート心斎橋やらで上映どす。

18歳未満の方は、本作を見ることはできしまへん。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2012 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

いやはや、ナンチューたら、ええんやろか。

性欲なる欲望について、ストレートやないんやけど、イロイロ人間性を描きもって、ほんでヤッパこれしかないやん! なノリでやってくれはった作品どす。

ほんでもって、そこに、サプライズを用意し、さらにどんでん返しまで披露してはります。

エロエロ映画でも、エロ部をなくしてもうたら、ミステリー部やら男女の駆け引き部もなくなってまいます。エロとドラマとサスペンスやらが、融合した稀有な1本どした。

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ところで、ここで、ヤラシー映画のマイ・ベスト&カルト・スリー(ハードコアやらロマンポルノは除く)を、恐る恐るながら思いつくままの気ままに、披露させてもらいます。

●ベスト⇒①愛の嵐(1973年製作・イタリア映画)②愛のコリーダ(1976年・日本&フランス)③ラストタンゴ・イン・パリ(1972年・イタリア&フランス)

●カルト⇒①ラスト、コーション(2007年・香港&台湾&中国)②本作③キリング・ミー・ソフトリー(2001年・アメリカ)

●ヤラシーとこを入れつつも、芸術性を見出したりするような、タイプの映画がほとんどどす。

でも、性描写にハンパやないとこをば、設定してやってもうた作品は、そない数多くはありまへん。

奇しくもベストは前世紀、カルトは21世紀の作品を並べるカタチとなりよりました。

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本作はベスト・カルトのほかの作品に比べまして、セックス・シーンは最も少ないかと思います。

でもしか、ヒロインの妄想系を含む、3度にわたるセックス・シーンの密度の濃さが、本作のヤラシー度を大いに増してはります。

例えば、アン・リー監督作品のカルト①なんぞは、スパイ・ミッション系の流れの中で、ホンマヤラシーセックス・シーンが頻出しよるけど、映画的作りとは全く関係ないんやけど、そういうシーンが頻出すればするほど、ヤラシー度は薄くなっていったりしよります。

しかし、本作は濃厚度合いを含めましてでんな、息子はんの●●度の高さは、ゆうてみたら、ハードコアやらにも勝るとも劣らない作りを、見せてはるんどすえ。

いやはや、ひょっとしたら、映画史上最高の●●度かもしれまへん。

ナンチューても、韓流テレビドラマで、メッチャ清純系アイドルチックなとこをやらはった、チョ・ヨジョンちゃんが180度の豹変ぶりや~。

若き頃のイ・ヨンエはん的なとこもある彼女の、セクシー・ダイナマイトな演技ぶりこそ、本作のディープ・インパクトな見どころなんどすえ。

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スリムな体に見えながらも、バスト90以上とも思える巨乳にして、豊満にして軟らか系。

スタイル抜群。エエ体に思わず、ウウーッとため息もん。

でもって、ヒップも大きめにして、ソソル系や。完璧やんか。たまりまへんがな。

おいおい、一体、ボクチン、何ゆうてんねんやろか。

いやはや、とにかくでんな、すっかりヒロインの爆裂セクシーに、ヤラれてしもたっちゅうことなんやろか。

そんなんやったら、冷静にでんな、映画分析なんぞができるわけがありまへんがな。

でも、それこそが、欲望をテーマにしたらしい本作の、狙い通りなんやろなと思いました。

クライマックスのシークエンスなんぞは、ネタバレせんようにゆうと、セックス映画としては、モノゴッツーなとこがありました。さらに、サプライズ・エンディングもあって、どないショーもありまへん。

ラストロールで流れる、ゴージャスな弦楽オーケストラ・サントラなんぞも、メッチャシニカルに満ちておました。

でもでんな、デート・ムービーとして2人で見にいったら、意外なサプライズと新発見がある、作品なんやないやろかと思います。

韓国の時代劇ながら、「ファンジニ」(2007年・韓国)なんかより、過激にして感謝感激。

見に行ったら、2人の仲はきっと深まるやろと、ボクチン、確信いたしまっせー。

ホンマかいや~!

2013年5月 3日 (金)

監督で見る映画:ベルナルド・ベルトルッチの新作「孤独な天使たち」

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写真の義姉弟の2人のキズナが、大いなる見どころとなる室内劇どすえ~

監督デビュー50周年を迎えはる、イタリアの巨匠の久々のイタリアン映画でおます

http://www.kodoku-tenshi.com

メイ5月18日のサタデーから、ブロードメディア・スタジオはんの配給によりまして、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸やらで、全国漸次のロードショーや~。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 Fiction-Wildside

ベルナルド・ベルトルッチ監督やて、みなはん、知ってはりますかー。

本作は今や稀少なフィルムでの発表となりました。

まあ、それだけでもボク的にはグッときたんやけど、彼はイタリアの巨匠監督どして、「監督で作品を見たいと思わせる監督」の1人でおます。

コレはシリーズでチビチビやろうかと思とりますが、それはアート系・エンタ系を問いまへん。

ちゅうことで、作品数が多く、名作も多い監督作品の中から、マイ・ベスト&カルト・スリーをやってみました。

●ベスト⇒①1900年(1976年製作・イタリア&フランス&西ドイツ合作)②ラストエンペラー(1987年・イタリア&イギリス&中国)③シェルタリング・スカイ(1990年・イギリス)

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●カルト⇒①ラストタンゴ・イン・パリ(1972年・イタリア&フランス)②本作(2012年・イタリア)③シャンドライの恋(1998年・イタリア)

●今のイタリア映画については、これまでに真摯に語ってきました。日本におけるイタリア映画の位置は、決して商業的にはエエもんやとは申せまへん。

素晴らしい映画はいっぱいあるんやけど、どないしても、知名度やったりイロイロあって日本では、全国各地で上映されるような機会は、今やほとんどありまへん。

おそらく、かつての巨匠監督が今も生きていて作品を発表し、日本に上陸したとしても、結果は同じやったかもしれまへん。

アート映画が日本で売れるなんてのは、今も昔もまあ、ないとゆうてもエエでしょう。

それでも、巨匠と呼ばれるベルトルッチ監督は、新作を作り、日本へ送り込んできはりました。

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オスカー作品賞ゲッツの②やら「暗殺の森」(1970年・イタリア&フランス&西ドイツ)など、孤独な人間ドラマ性はあるにはあるんやけど、より監督を理解する点においては、陳腐やけど“2人ぼっち”あるいは“2人の仲”ゆうのんが、裏の隠れ作品性として、チョイと見出しよりました。

大河ドラマやけど、2人の男の関係性を描いたベスト①。

夫妻のベスト③や、本能的な男と女の、せつな系を捉えたカルト①(ベストに回しても十分な1作)。

ほんでもって、義理の姉と弟の、2人ぼっちイズムを描いた本作でおます。

これまでの彼の作品にないような、いわゆるポピュラリズム=大衆性なるもんが顕著でおます。

カルトの③にもある、珍しいヒロイン・ドラマの前向きな生き方なんぞに呼応するように、ポジティブ・モードが本作にはあります。

2時間半以上の大作が多いけど、1時間半前後とゆうのんも、カルト③と同様に、すっきりタイトに見られまんねん。

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それはマンションの地下室で、2人ぼっちの数日の暮らしを送った義姉弟が、心を通わせる映画とゆう、いかにもこれまでにもありそうな話ながらも、地下室での2人のやり取りの数々で、大感動とはいかんけども、ココロにジワリとくるとこを魅せてくれてはります。

1人がエエとゆう14歳の、義弟主人公。いかにもな自閉症。

片や、コカイン中毒の似非(えせ)イラストレーターの、義理のネーさん。

いかにもな、はみだし自堕落系のネーさん。

ところがどっこい、監督の演出により、そのいかにもが、共に大きな演技のキモになっとります。

個人的には、ネーさん役のテア・ファルコちゃんの、汚れ演技に魅せられたやろか。

ジーン・セバーグ、ブリジッド・バルドー、クラウディア・カルディナーレらみたいな、ナンチューたら、メッチャ大げさやもしれんけど、彼女らのセンスを、少しでもカンジないこともありまへんねんで。

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さらに、ザ・キュアーを始め、ブリティッシュなポップ・ナンバーの、カッコエエ使い方や。

特に、主人公がヘッドホンで聴く設定の流れやったり、ヒロインが歌ったりとゆう、デヴィッド・ボウイのキャッチーな「スペース・オデティ」なんぞが、作品における2人のドラマ性にマッチしとりました。

21世紀においては、巨匠ベルトルッチ監督の最高傑作になったと、ジャッジいたします。

2013年5月 2日 (木)

シルベスター・スタローン主演「バレット」どっせー

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シルベスター・スタローンのアニキと、ウォルター・ヒル監督の初コラボレーションにドッキリコン!や~

敵対する相棒同士の「48時間」の、現代バージョンやで~

http://www.bullet-movie.jp

ジューン6月1日サタデーから、松竹はんの配給によりまして、「R-15」指定映画やけど、大阪ステーションシティシネマやらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 The Estate of Redmond Barry LLC. All right reserved.

シルベスター・スタローンやったら、若いコらやらもよう知っとるやろな~。

本作は基本的には、そんなスタローンの最新主演作、ちゅうことになるんやけど、今までのスタローン作を踏襲しながらもでんな、微妙に違うイントネーションやらが加えられとりまっせー。

その一番のポイントは、ウォルター・ヒル監督との初コラボレート作品になった点やろかな。

ただ、若い方は彼のことは、あんまし知らへんやろから、作品についてチョイとスタデイしよります。

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1970年代から1980年代にかけて、ケッコー活躍。続編も作られた、刑事と犯罪者(ニック・ノルティとエディ・マーフィ)が相棒となって事件を追う「48時間」(1982年)。この作品はヒル監督のキャリア史上、最高ヒットとなった作品どす。

ほんで、評論家筋で評価の高かった「ストリート・オブ・ファイヤー」(1984年)なんぞがありま。

「48時間」はテレビで何度もオンエアされとるし、レンタルDVDでも見られるから、もし未見の場合は、本作鑑賞前に何らかの形で、鑑賞しとった方がエエかとは思うわ。

なんせ、本作はその「48時間」をば、モノゴッツー意識した作品でおますんや。

スタローンは相棒を殺された上にでんな、依頼者に裏切られた暗殺者役でおます。相棒を殺した者へのリベンジやら、依頼者への落とし前をつけるために、張り切ってはります。

一方、韓国出身の在米刑事は、元相棒やった刑事が殺された事件に首を突っ込み、スタローンらに殺されたことを知らはります。

但し、裏にいとる影男を追い込むためにはでんな、この2人がにわか相棒同士になって、犯人を追いつめてゆかな、あかんようになってもうて…。

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「48時間」の変形相棒映画のスタイルが、ストレートに移植されたんが、つまるところ、本作なんでおますよ。

「48時間」を見てる人は、ニヤニヤもしくはニタニタしもって、見ていない人は、初めて見るユニークな、相棒映画として見られるはずやねん。

さらに、スタローンだけにでんな、ヒロイズム映画としての造形は万全やったかと思いまっせ。

「ストリート・オブ・ファイヤー」で造形された、主演マイケル・パレ的なヒロイズムも、そこはかとなく注入されておます。

愛する女(本作は娘)のために格好よくアクトを行い、それでいてできるだけクールに、最後までいってまう。

ほんで、クライマックスの1対1対決は、この「ストリート・オブ…」の対決シーンと、完全無欠にオーバーラップしよります。

フツーのようにようある、銃撃戦で済むところが、あえて鈍器(斧)を持っての対決やねん(写真5枚目)。

男と男の意地がぶつかりまんねん、アホみたいやけどな。

リアル感はないねんけども、こうしたとこが、男と男の映画的アクションの面白さやと思いまっせ。

さてはて、「ストリート…」の場面転換で使われた、斬新なシャッター・カットみたいなんは、本作ではサーモスタットなカットで採用されとって、エエカンジやったかな。

ボクチン的には、スタローンの活躍ぶり以上に、個人的にはヒル監督色の打ち出し方に、ググッと魅了された1本やったです。

2013年5月 1日 (水)

和歌山出身・在住のソロ・ミュージシャン藪下将人インタビューどす

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全国発売中の5曲入りミニ・アルバム『コタツにみかん』について

ライブやらについても聞いてみましたで~

http://yabushitamasato.com

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アルバム『コタツにみかん』(写真2枚目)収録曲①コタツにみかん②大きな背中③盲目のランナー④repent⑤咲くまで

●コンサート日程⇒◆5月3日大阪「西九条ブランニュー」◆5月19日「神戸まつり」ポートタワー西かもめりあ東側広場◆5月19日・兵庫三田「珈琲専門店 BELL」

●和歌山を中心に活動してはる、藪下将人のアニキ。関西のほかのとこへと、グローバル化をはかってはるんやけど、全国的にも十二分に通用する、Jポップな仕上がり具合に、ボクチンは魅せられよりまして、今回のインタビューをやらせてもらいました。

◆(質問ポイント)まずは、最新アルバムについて聞かせてもらいますわ。5曲入りの1曲目についてやけど…。

●(本人の談話)ほっこりとしたポップ・ナンバーです。“コタツにみかん”ってゆう身近で覚えやすいフレーズが、似合うナンバーなんで、そこが残ってほしいかな…と。

▲(ボク的ジャッジ)“温暖化”などの今どきの歌詞を入れもって、一時の佐野元春ナンバーにあったような、温かさがカンジられた1曲どした。

◆2曲目は、バンド・サウンドになっとるね。

●ギターとエレキは生やけど、アレンジャーに頼んでロックっぽい作りにしてもらいました。大きな夢を忘れないとゆう、前向きな気持ちを歌詞にしました。

▲「忘れぬように」のフレーズが印象的な、ミディアム・ナンバーや~。

●3曲目は、実話をベースにしました。テレビのドキュメンタリー番組で見たんやけど、盲目のランナーが、トライアスロンに挑戦する実話です。その人のテーマ・ソングを作る、とゆうコンセプトで仕上げた曲です。

▲爆風スランプの「ランナー」を思い出させてくれはる、16ビートのポップ・ロックが爽快やったどす。

●あの時ああやっとったらとゆう、後悔(repent)がテーマやけど、明日は後悔せんように、とゆうとこを盛り込みました。サビの明るい曲ですよ。

▲タイトルが歌詞に出ないパターン。その意味では、スピッツの「スカーレット」や「ロビンソン」なんぞに通じるかも。スローからミディアムへの転調に加え、前半と後半で“君”が“あなた”に変わる歌詞の妙味も、オモロイ1曲どした。

●5曲目のラスト・ナンバーは、フツーのようなサクラウタやなく、卒業直前ソングみたいなカンジで、微妙に時期を外すようなところを意識して作りました。

▲サクラウタに顕著な、スロー・ナンバーと言いながらも、ある種の定番を外す作りには、冒険心が垣間見えよりました。

◆ほんで、ライブはどんなカンジなんやろか?

●ソロとしての僕はギターの弾き語りなんやけど、マンドリンの今1人のメンバーとのユニット「ヤブシン」としてのライブでは、また、違ったイロを出してるかと思います。

フラット・マンドリンとアコギ(アコースティック・ギター)は、カントリー・ミュージックでもそうなんですが、すごく自然なマッチングで合うんですよ。

ぜひ、ライブでそのあたりをお楽しみください。

◆ちゅうことで、インタビュアーはボクチン、宮城正樹でおました。

キャメロン・ディアスのネーさん主演「モネ・ゲーム」やー

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イギリス・ロンドンを舞台にした、コン・ゲーム・ノリのアメリカ映画どす

一筋縄を外すコーエン兄弟の2人が、台本をばやらはりました

http://monetgame.gaga.ne.jp

5月17日のフライデーから、ギャガはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、京都・TOHOシネマズ二条やらでロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 GAMBIT PICTURES LIMITED

みなはんが見に行かはるところの、本作の第一ポイントは、ヤッパ、キャメロン・ディアスのネーさんが、主演ちゅう点でおましょうか。

共演のイギリスのコリン・ファースのアニキで、見に行く人もモチ、いてはるかとは思いますし、コーエン兄弟はんが本作に関わってはる点においても、渋通の映画ファンを刺激するもんでもおましょう。

ちゅうことで、初級・中級・上級編の3パターンで、本作を見てみまひょか。

まずは初級編として、キャメロン・ネーさんのマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露さしてもらいます。全てアメリカ映画どす。

●ベスト⇒①メリーに首ったけ(1998年製作)②イン・ハー・シューズ(2005年)③マルコヴィッチの穴(1999年)

●カルト⇒①本作②クリスティーナの好きなコト(2002年)③チャーリーズ・エンジェル(2000年)

●今やラブコメの女王とも、言えへんこともない彼女。ただ、ラブコメもしくは、コミカル入りの人間ドラマのストレート系ではなく、あくまで変化球の中で、持ち味を発揮するタイプや。

そやから、これまでの正統系ラブコメやらロマコメ(ロマンティック・コメディ)の演技とは、ビミョーに違(ちご)とります。

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下ネタ・コメの2パターン(受動系と能動系)を、示さはったベスト①カルト②。

アクションや姉妹のキズナ・ドラマの中で、お茶目なコメ演技を垣間見せはる、カルト③やらベスト②。

そして、さらなる変革系が、ベスト③や本作でおます。

実験的なベスト③に対し、本作はコン・ゲーム・ノリのサスペンス・タッチ。

しかも、ラブコメのようでいて、実はラブ展開が、見せ場にはなっていない1本でおます。

つまり、お相手の主演男優はんの、コリン・ファースのアニとは、あくまでビジネスライクなドライな関係どす。

ほんで、コリン・アニは、半裸のヘンな恰好も見せてはるけど、あくまで「英国王のスピーチ」(2011年・イギリス)でオスカーもろたところの、延長戦みたいな、シリアスチックなクールな演技ぶり。このあたりが中級編となるやろか。

彼に寄り添って見はったら…。名画(モネ)にまつわる映画としては、かの「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年・アメリカ)なんぞを思い出しもって、鑑賞できよるかと思います。

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でも、映画ファンを常に刺激続けはる、ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン兄弟の脚本だけに、一筋縄ではいきよりまへん。

そのあたりの企みを探る鑑賞法が、まあ、上級編やろかな。

「泥棒貴族」(1966年・アメリカ)をベースに、オリジナル・アレンジを施さはったそうどすが、すんまへん、ボクはその「泥棒貴族」は未見どす。

「スティング」(1973年・アメリカ)ほどの、コン・ゲームノリはなくとも、少なくとも、「華麗なる賭け」(1968年)と、そのリメイク版「トーマス・クラウン・アフェア」(1999年)の、ストーリー展開と比べますと、そんなに遜色あれへん出来具合いやと思いました。

カモル側とカモラレル側に加え、日本人の買い付けグループまで登場させたり、最後にトンデモないもんが、セキュリティ・システムに登場したりと、サプライズ感が上ずるようなとこもあったけど、でも、上々の仕上がりどした。

監督作やけど、コーエン節としては、「ディボース・ショウ」(2003年)や「バーン・アフター・リーディング」(2008年)みたいなタッチどした。

ちゅうことで、肩の力を抜いて、見に行っておくんなまし。

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