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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2013年4月の記事

2013年4月30日 (火)

前田敦子アッチー主演のヒロイン・ホラー「クロユリ団地」でおます

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Jホラーの巨匠・中田秀夫監督のニュー・タイプのホラーどす

場所に憑くのやなく、ココロに取り憑き系の、ホラーの新しさとは?

http://www.kuroyuri-danchi.jp

皐月5月18日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「クロユリ団地」製作委員会

本作は日本のホラーに多い、人の怨みやら呪い系ではない、タイプのホラーでおます。

まあ、取り憑き系ではあるんやけど…。

ちゅうことで、ここで、怪談を含むJホラー映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露させていただきます。

●ベスト⇒①リング(1998年)②東海道四谷怪談(1959年)③怪談(1964年)③CURE  キュア(1997年)

●カルト⇒①呪怨(2002年)②本作③HOUSE ハウス(1977年)③着信アリ(2003年)

●本作はベスト①の監督である、中田秀夫はんの新作でおます。

でもって、カルト③「着信アリ」の原作者・秋元康はんが、本作の企画で関わってはります。

さらに、ベスト&カルトのテイストが全て、網羅されとるんが本作でおました。

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まずは、ヒロイン・ホラーとしてのポイントでおましょうか。

ベストの①②やカルト③は、ヒロイン・ホラーやと思いますが、怖がらせる側にウエイトがあるベスト①②とは違って、コチラは怖がる側でおます。

それも、「キャー」やらのスクリーム系やなく、「やめて!」などのマニュアルチックを超えた、叫び声で魅せてはります。

前田敦子ちゃんが、彼女のキャリア史上最高の演技をば、見せてはるかとジャッジいたしました。

サントラを掛けずに、彼女の動作の一つ一つを静かに見せつつも、キモのとこでは、弦楽メインの不安感あるサントラを、大きく響かせるとゆう作りをやってはります。

オーソドックスかもしれへんけど、ビビらせてくれはるんどすえ。

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アイドルチックな映画としてもいけるんやけど、アッチーのアップ・クローズアップの多さに魅了されます。

でも、キレルロングショットも随所に配置しはって、また、照明を使った色使いにも魅せられよります。

暖色系のセピアと寒色系のグリーンを、対比的あるいは、同時共存的に配色する手法は、ホラー映画でこそ映えるもんやと申せましょう。

そんなこんなで、中盤のサプライズを経てでんな、ラストシーンのアッチーの呟きには、背筋が寒うなりよりまっせー。

また、ダークな作りも施してはりまして、隣室の孤独死老人を見つけるまでのとことか、緊張感にあふれておました。

さらに、最後はえらい目に遭わはる、成宮寛貴アニキの演技ぶりにも、注目しておくんなはれ。

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イントロはオトン・オカンと弟の3人と、団地に引っ越してきたアッチーなんやけど、実は…とゆうのんがあります。

まあ、このあたりは、1999年製作のとあるアメリカ映画から、大いに使われる設定となりましたけども、でも、その設定はある種お約束のように見えました。

一方で、少年ホラー部としての妙味もありま。

アッチーの弟だけやなく、思いがけず知り合うこととなった、少年とのエピソードなども、本作のキーになっとります。

「場所に憑くのではなく、ココロの中に取り憑く」とゆう、除霊師役の手塚理美はんのセリフが、本作のテーマにもなっとるやろか。

クロユリ団地の、血の色をした赤いユリの、不気味なカンジなども忘れられまへんどした。

ちゅうことで、中田監督の渾身の1本やったです。

2013年4月29日 (月)

佐藤健&綾瀬はるか共演「リアル~完全なる首長竜の日~」どす

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「ザ・セル」や「インセプション」みたいに、主人公がほかの人の頭の中に入る、メタ・ミステリーでおます

黒沢清監督演出始め、騙しの美学に酔いしれてまう作りどすえ~

http://www.real-kubinagaryu.jp

6月1日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「リアル~完全なる首長竜の日~」製作委員会

日本のミステリー小説界のとこらから、本作について語らせてもらいます。

トリック・メインの本格ミステリーが、トリックの行き詰まりと共に、ネタ切れがかしましゅうなっとりました。

でも、本作みたいな、リアル感のないメタ・ミステリーなんぞは、実はいくらでも作れて、ほんで楽しめるようなカンジなんで、決してミステリーの未来は、明るくないわけやおまへんで。

メタ・ミステリーとは、いわゆる超常現象的なとこや、リアリティーのないとこをば、ミステリー的に巧みに、取り込んでゆかはる手法どす。

ほんでもって、本作はそんなメタ・ミスの究極系を示してはります。

意識不明の病気の彼女・恋人の頭の中に、主人公が入るとゆう話ながら、ラストの方では、強烈なサプライズがござります。

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他人の頭の中に入る設定ものとしては、過去には、ジェニファー・ロペスが犯罪者の頭の中に入った「ザ・セル」(2000年製作・アメリカ映画)やとか、多人数の意識の構造を何層にもした「インセプション」(弊ブログ内検索で出ます)などがありました。

他人の体内に入る「ミクロの決死圏」(1966年・アメリカ)やらの、精神バージョンやと申せましょう。

中でも本作は、愛し合う2人の間で展開するとゆう意味においては、斬新やと思いました。

脳の中で展開するラブ・ストーリーとしては、ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットが体現した「エターナル・サンシャイン」(2004年・アメリカ)と、相通じるとこがあるやもしれまへん。

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さてはて、演技陣に目を向けてみまひょか。

自殺未遂で意識不明の重体となってはる、綾瀬はるかネーさん。

そんな彼女の意識の中に入って、彼女の真意を探ろうとしはる佐藤健アニキ。

この2人は、幼なじみの恋人同士とゆう設定でおます。

幼い頃に2人が過ごした、八丈島ロケとなった島でのエピソードが、本作の大きなネタ・ポイントになっとります。

2人の謎めいた関係性は、次第に明らかになってゆくんやけど、15年前のある事件がポイント。

でも、それがなぜ、今になってとゆうとこもあるんやけど、ずっと気にしていたとゆう意味においては、あり得る話やと思わせる、説得力はありました。

でも、2人の演技は、あくまで観客を騙すとゆうところから始まっておます。

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助演陣の、主人公のオカン役の、小泉今日子キョンキョンのネーさんやら、「舟を編む」(弊ブログ内検索)に続く、出版社人間を演じはったオダギリ ジョーのアニキ、獣医を含め医者役が板に付いてきはった、中谷美紀ネーさんの、患者を思いやる、渋きサポート演技ぶりも見どころでおましょう。

ほんでモチ、ナンチューても、それらをコントロールしてはるんは、言うまでもなく黒沢清監督どす。

1分くらいの長めの撮影シーンなどが、伏線シーンになっとりました。

こういうとこは、さすが黒沢節でおましょうか。

ほんでもって、モンスター恐竜が出てくる、クライマックス部の作りや~。

ビックリどした。

こんなモンスター映画系で、ラブ・ストーリー的ラストへと持っていくあたりには、大いなるチカラワザをカンジました。

ちゅうことで、21世紀のミステリー映画として、代表作になりそうなケッサクになっとりましたえ。

2013年4月28日 (日)

木下惠介監督が主人公となった実話「はじまりのみち」でおます

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加瀬亮のアニキが木下監督役を、絶妙に披露しはりました

宮崎あおいネーやらの助演ぶりも、メッチャお楽しみやで~

http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/

6月1日の土曜日から、松竹はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「はじまりのみち」製作委員会

木下惠介監督へ、オマージュを捧げたケッサクどす。

ちゅうことで、まずは木下監督作品のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露させていただきます。

●ベスト⇒①二十四の瞳(1954年)②野菊の如き君なりき(1955年)③喜びも悲しみも幾年月(1957年)

●カルト⇒①カルメン故郷に帰る(1951年)②新・喜びも悲しみも幾年月(1986年)③破れ太鼓(1949年)

●本作の中で、ベスト&カルト作品のシーンが出てまいります。

さらに、ボクチン未見の国策映画「陸軍」(1944年)の、ラスト・シークエンスをば、披露してくれはりました。

でもって本作は、木下監督の戦中の実話がベースになっとります。監督とオカンのキズナ深きエピソードが、披露されとりま。

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それはまるで監督の「楢山節考」(1958年)的なカンジで描かれとります。

さらに、監督作品のヒントになったみたいなイロンなとこをば、披露しはります。

例えば、ベスト①のとことか。

さてはて、木下監督役になった加瀬亮のアニキ。

オカンをおもんぱかるとこは感動的や。

特に、過去を思い出してオカンと息子が泣く、長回しシークエンスの素晴らしさどす。

オカン役の田中裕子はん。

ほとんど喋らない演技性のシブミ。

ロードムービーの中で見事なカタチで、加瀬亮や監督の兄役ユースケ・サンタマリアとキズナを結んでゆく、濱田岳の印象深い演技ぶり(カルト③のヒント部)やらに酔いよりました。

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ほんでもって、一部ナレーションも担当しはった、宮崎あおいネーや。

故・高峰秀子が演じた、ベスト①の女教師役を、ワンカットの中で披露してはります。

加えて、弦楽オーケストラやらギター、笛、女コーラス入りなど、感動的なとこでサントラが流れよります。

木下作品の音楽監督でもあった木下忠司は、ユースケ・サンタマリアなんやろか。

ほんで、ロードムービーとしての自然シーンを含む、多彩な撮り方にも魅せられよったし、静岡の地方ロケ映画としての妙味もござりました。

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そして、「ヒッチコック」(今年4月1日付けで分析)のとこで、映画監督始めスタッフ陣を主役にした、映画について論じましたけども、本作もベストの方に入れられるような仕上がりになっとります。

そこで最後に、邦画の映画業界映画のマイ・ベスト&カルト・スリー、なんぞを披露させていただきます。

●ベスト⇒①本作②キネマの天地(1986年)③ある映画監督の生涯 溝口健二の記録(1975年)

●カルト⇒①蒲田行進曲(1982年)②光の雨(2001年)③市川崑物語(2006年)

●本作は映画監督を描いた邦画の、これまでのところ、マイ・ナンバーワンとなりました。

ぜひとも、映画館でご堪能あれ! でおますよ。よろしゅうに!

2013年4月27日 (土)

連日の沖縄(石垣島)ロケ映画分析「サンゴレンジャー」どす

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プログラム・ピクチャーなノリのマジ・コメディぶりが、メッチャ楽しいわ~

劇団EXILEの青柳翔と田中圭の各アニキと、佐々木希ちゃんの、楽しきコラボレートやー

http://www.sangoranger.jp

6月8日の土曜日から、マーブルフィルムはんの配給によりまして、沖縄・スターシアターズ先行ロードショーやー。

その後、東京・渋谷HUMAXシネマ、お台場シネマメディアージュ、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OSやらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013  サンゴレンジャー製作委員会

昨日は沖縄ロケ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたしました。

ここ10年っちゅう制約やったけど、本作はカルトのナンバーワンにしました。

本作にも出てる佐々木希(のぞみ)ちゃん出演の「ぱいかじ南海作戦」(弊ブログ内検索で出ます)を、カルトの2位にしたんやけど、ビミョーな差でおました。

カルトの3位は「てぃだかんかん」やけど、本作とは沖縄のサンゴをば、守るとゆう点で共通しておます。

ただ、本作の方が、情熱に満ちてとゆうカンジが、ストレートに強うおました。むしろ、そのあたりが、押しつけがましさやらもあって、鬱陶しく思たりするとこもないとは、言えへんねんけど…。

でもしか、憎めないっちゅうか、好感度の問題になるんやけど、主人公役のEXILE劇団の青柳翔のアニキの、ハイテンションな前向きポジティブ演技には、賛否を別にして親しみを覚えました。

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無論、親しみがあるから、っちゅうても、演技が素晴らしいかどうかは、別の問題どす。決して、演技賞級の演技やありまへん。

れでも、寅さん(「男はつらいよ」)やハマちゃん(「釣りバカ日誌」)にも、決してヒケを取らへん(ナンチューたら、大げさかもしれへんけど)、ガンバぶりやろか。

青柳アニが相撲で示さはった「渾身」(弊ブログ内検索で出ます)の、演技ぶり以上に、トンデはりましたけども、でも、こちらの演技も彼にとっては、自然体なんやもしれまへん。

一方においては、今はなきプログラム・ピクチャーへの、トリビュートっぽいとこも濃厚にカンジよりました。

寅・ハマやらのキャラクターと、部分的にシンクロナイズする主人公像の在り方は、笑える中にもグッときたりします。

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主人公に対し、佐々木希ちゃんが言う「バカになれるってステキなことですよ」とか、主人公が言う「生き物は助け合って生きてるんだ」とか、当たり前のようでいてそうでないセリフの幾つかが、コメディ的にもオモロイどす。

時おりのチープ感やら、笑えない外しコメ・ポイントの頻出が、本作をむしろ、楽しいもんにしてはります。

地球の未来を守るナンチュー、大げさ感とシラケ感が合体混合して、ファミリー層にも遡及できるケッサクになっとりました。

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映画はいろんな切り口での評論があるけど、本作は撮り方以上に、演技性に目がいきよりました。

青柳アニと希ちゃんの、ポピュラリズムある関係性に加え、特筆もんちゅうか、物語の語り部的な役柄の、田中圭クンの助演ぶりは、「図書館戦争」(弊ブログ内検索)と同様の、サポーターなカンジ。

決して名演やないけど、フツーのようでいて、逆にシブミがありましたやろか。

また、夏八木勲はんや高畑淳子はんやらの、彼らにしか出せへんような渋演技ぶりが、かなり光っておました。

10年後シーンの作り方にも魅せられたし、ラストで流れる、ソウル・バラードもグーどした。

アニメ映えする、サンゴレンジャーたちの動作シーン。特撮ロボ系を含めて、OKでおました。アニメチックな、特撮ヒーローもんの快作やけど…。

美しき自然シーンやカットに、ウットリしもってでんな、最後のドッカーン(があるか、ないか?)に、打たれてみまひょ。

ちゅうことで、特撮ヒロイズムがパロパロになってしもたけど、心配無用どして、正義の味方な映画なんどすえ~。

2013年4月26日 (金)

沖縄ロケ映画の良心を示す「旅立ちの島唄~十五の春~」どす

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三吉彩花ちゃんのアイドル性で見るか、

地方ロケの家族ドラマ性で見るか、それが問題やー

http://www.bitters.co.jp/shimauta

エイプリル4月27日の土曜日から、ビターズ・エンドはんの配給によりまして、沖縄・桜坂劇場やらで先行公開どす。

ほんでもって、その後、5月18日から東京・シネスイッチ銀座、5月25日から大阪・梅田ガーデンシネマやら、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2012「旅立ちの島唄~十五の春~」製作委員会

本作は沖縄県ロケでも、これまでの沖縄ロケ映画で、採り上げられへんかった島(南大東島=みなみだいとうじま)をば、クローズド・アップしてはります。

歴代沖縄ロケ映画の、マイ・ベスト・カルト・スリーをかつて披露しましたけども、1990年代末頃から活性化したとは申せ、取りあえず、ここ10年間に絞ってやってみたら、どないなるやろか。

思いつくまま気ままに、羅列いたしました。

●ベスト⇒①本作②涙(なだ)そうそう(2006年製作)③ニライカナイからの手紙(2005年)

●カルト⇒①サンゴレンジャー(明日分析いたします)②ぱいかじ南海作戦(2012年・弊ブログ内検索で出ます)③てぃだかんかん(2010年・弊ブログ内検索)

●沖縄ロケ映画だけやないんやけど、日本の地方ロケ映画は古今にわたり、家族ドラマとゆうのんが核をなしとります。

あるいは、観光誘致系やら、ビジター・ドラマ系どすか。

そんな地方映画を見渡してまいりますと、一方においては、一つの隠された傾向が見受けられよりました。いや、別に隠れてるゆうほどのもんやないんやけど…。

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それは、ヒロイン・ドラマ映画とゆうとこどすか。

沖縄分で採り上げたんを見ると、妻夫木聡アニの方が主役かもしれへんけど、長澤まさみのベスト②、蒼井優のベスト③など。

モチ、カルト①~③のように、野郎の主人公もんもあるにはあるんやけど、なぜかヒロインものの方が、映画的出来も含めて、妙に目立っとるんどすわ。

特に全国ネットのNHKの朝ドラに、出てきそうな若い子が、ポイントになっとるんは、地方各地まで浸透するとゆう意味においては、なるほどな~と思わせてくれました。

ほんで、ここで、地方ロケもの日本映画で、U-20女がガンバる映画系の、マイ・ベスト&カルト・スリーも、ついでにやってみまひょか。

●ベスト⇒①時をかける少女(初代版1983年)②キューポラのある街(1962年)③フラガール(2006年)③がんばっていきまっしょい(1998年)③スウィングガールズ(2004年)

●カルト⇒①本作②チルソクの夏(2003年)③祇園の姉妹(弊ブログ内検索で出ます)

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●日本のロケーション・サービス、フィルム・コミッション制が確立した今の作品以上に加え、邦画創世記からの分まで範囲を広げてしまうと、トンデモ限りがありまへん。

それでも、まあ、若かりし頃の吉永小百合はんの傑作ベスト②やら、戦前の作品としてカルト③やらを挙げましたけども…。

それを語ると1冊の本になってまうんで、以下省略…どす。

さてはて、2010年代の代表傑作としては、やはり本作は欠かせないでおましょう。

原田知世主演ベスト①の角川映画のアイドル性を、より地方色でくるんだ上に、小さな恋ではよりナイーブに、そしてモチかわいい系をプラスし、21世紀的現代的なトンデルアイドル系とは違う、昔風にゆうたら「息子の嫁に」と思わず言いたくなるような、好感度あるヒロイン像を作り上げてきはりました。

三吉彩花(みよし・あやか)ちゃん。

「グッモーエビアン」(弊ブログ内検索)では、麻生久美子オカンらのロック演奏を見る観客側やったけど、今度は演奏側に回らはりました。しかも、琉球楽器の弦楽器・三線(さんしん)の弾き語りどすえ~。しかもしかも、代演やなく、ホンチャンやねん。

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ほんで、彼女のオトン・オカン役にならはる、小林薫はん&大竹しのぶネーやんが、彼女を際立たせる、名演サポートぶりをば披露してはります。

彼女の姉役の早織ネーの「家族は離れれば駄目になる」とゆうセリフなどに、象徴されるように、ビミョーにココロが、揺れ動く家族ドラマとして見ることもできよります。

ファミリーで見に行く場合は、そちらの路線で…。

そして、デートムービーとして見にゆく場合も、3つの恋と愛(初恋から大人の恋まで)が映されるんで、仲が深まったり、そうでもなかったり…。

でも、BEGINのさわやかなラスト・ナンバー「春にゴンドラ」と共にクル、前向きなラスト・シークエンスで、全ては丸く収まりますで。

ホロリと感動。満足できる仕上がりになっとると思います。

2013年4月25日 (木)

スペイン・アルゼンチン合作映画「朝食、昼食、そして夕食」でおます

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食卓群像劇やなんて、これまでにあったやろか?

 

18の食卓にわたり、会食しもって人間関係ドラマが展開や~

http://www.action-inc.co.jp/comidas

エイプリル4月27日の土曜日から、「Action Inc.」はんの配給によりまして、東京・新宿K's cinemaで、全国順繰りのロードショーでおます。

関西やったら、メイ5月25日サタデーから、梅田ガーデンシネマやらで上映どす。

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本作は朝昼晩のスペインの食卓を舞台に、18の多彩な会食映画にして、人間関係ドラマにして群像劇をば伝えてはります。

衣食住をポイントにしはった、こういう群像映画は、みなはんにとっても分かりやすいけど、それでいて稀少価値の高いもんなんどすえ。

写真1枚目から5枚目までは、各組の会食シーンどして、グルメ映画としても、写真6枚目から8枚目までのように、その会食のメニューをば、一部映してはります。

ちゅうことで、ここで、群像劇映画のマイ・ベスト&カルト・スリーを披露いたします。

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弊ブログのファンの方から、ちょっと質問があったんで言いよりまするに、今さらながらやけど、カルトとは、作品の出来の悪いワーストの意味やなく、これまでになかったような新しいとこやらマニアックなとこを、採り上げはった作品を意味しておますんで、よろしゅうに。

●ベスト⇒①ナッシュビル(1975年製作・アメリカ映画)②クラッシュ(2005年・アメリカ)③ポセイドン・アドベンチャー(1972年・アメリカ)③グランド・ホテル(1932年・アメリカ)

●カルト⇒①バベル(2006年・アメリカ&メキシコ)②パルプ・フィクション(1994年・アメリカ)③本作

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思いつくままに気ままにやりよりましたが、アメリカ映画が多くなってしもて…。

ほかにも仰山(いっぱい)名作はあるかと思います。

群像劇の巨匠・故・ロバート・アルトマンのベスト①、アカデミー作品賞をゲットしはったベスト②ベスト③「グランド・ホテル」。

パニック・ムービーには、群像ものが不可欠の要素になっとるけど、その代表作として、ベスト③「ポセイドン…」を挙げよりました。

ワールド・ワイドなカンジのカルト①。連携オムニバスチックなカルト②。

そして、本作は朝食から夕食の三食を採り上げた上で、人間ドラマとゆう特異性が光っとります。そんなん、あんましありまへん。

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さらに言いまするに、サントラ使いやらにも新しどころがありました。

静かなギターの弾き語りや、かしましいバグパイプ演奏に加えまして、何やら古き懐かしき雰囲気にグッときました。

カットバックの使い方やら、ストレートやけど、ラスト・シークエンスの造形ぶりには、心に胸騒ぎが…。

それでいてワケもなく、笑えるようなとこらもござります。

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古来から食卓映画は、日本の家族ドラマの食卓シーンやらを、思い出すまでもなく、室内劇のポイント・シーンでもありま。

ほんで、監督やらは、そのあたりの舞台設営をば、緻密に設計してはります。

でもって、群像家族ものとしての、面白さがござりました。老若男女を配する演出ぶりやけど、各登場人物にすーっと感情移入できよる、普遍性やらを纏(まと)っておました。

さらに、室内劇メインやのに、スペイン・ロケの雰囲気も、存分に味わえる快作どす。

ほんでもって、いろんな多彩な料理を見つつ、グルメ映画の楽しさも味わえる快作どしたえ。

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2013年4月24日 (水)

イタリア映画「ブルーノのしあわせガイド」どす

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基本は父子やけど、年の離れた者同士のキズナを描く映画どす

ヒップホップを中心に、今どきの歌ものサントラで盛り上げはりまっせー

http://www.alcine-terran.com/bruno/

関西では5月4日の「みどりの日」から、アルシネテランはんの配給によりまして、梅田ガーデンシネマで、全国順グリのロードショーでおます。その後、6月15日サタデーから、神戸元町映画館やらでも上映しはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2011 I.B.C. Movie

イタリア映画については、この3年半の間にイロイロ語ってまいりました。

何度も繰り返しゆうて恐縮なんやけど、イタリア映画は21世紀以降(正確にゆうと、2001年製作の「息子の部屋」以来)、全国公開される作品はモチ、順次公開作も減り、特別上映会で、マニアックなファンをチョイ刺激するだけっちゅう、日本では決して芳しくない状況が続いております。

それでも、しつこくやってみます。今回は、誰にでも分かりやすくて感動できるイタリア映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーでおます。

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●ベスト⇒①ニュー・シネマ・パラダイス(1989年・弊ブログ内検索で出ます)②ライフ・イズ・ビューティフル(1998年)③自転車泥棒(1948年)③イル・ポスティーノ(1995年)

●カルト⇒①海と大陸(今年4月10日付けで分析)②本作③ゴモラ(弊ブログ内検索)

●ある種のアート系とも言える作家の作品や、新作も待機中の巨匠ベルトルッチ監督作品などは、あえて外しました。

ベストは、劇場やらDVDを含めまして、日本人にも親しみ深いもんを選んだけど、カルトは21世紀の新作をば採り上げとります。

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ベスト作品にある感動を、引き継ぐような作品としての、ポイントで選んどります。

ノワールな暗黒系のノリになったカルト③やけど、イタリアではなくアメリカ映画として撮られた「ゴッド・ファーザー」シリーズへの、濃厚なイタリア的アンサーがあって強烈至極どした。

また、カルト①も、イタリア庶民派映画の良質な部分が、浮き彫りになっとりました。

ほんでもって、肝心な本作のことやけど…。ナンチューても父子のキズナを描くとこが、ありきたりなカンジやないとこに、まず目がいきよりました。

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父の方だけがわが子やと認めてはって、息子はそれを知らないっちゅうタイプのキズナなんやけど、わざとらしさはなく、スムーズに話は進行してまいります。

年の差のある2人のキズナを描いた、ベスト①やベスト③「イル・ポスティーノ」のノリやとか、父子のキズナも感動的なベスト②などもあるんやけど…。

「自転車泥棒」やら「息子の部屋」やらと決定的に違うとこは、悲観的なとこはほとんどなく、父子とは限らず自然体の流れで、2人のキズナを描いてはるとこでおましょう。

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オトンは有名人の自叙伝ゴーストライターをやって、生活費を稼いではるんやけど、その1人となるポルノ女優はんの生き様ちゅうのんが、本作の2人のキズナ部をビミョーに、ドラマティックなカタチで左右しはります。

写真5枚目から7枚目に映っておます、このポルノ女優はんのキャラてゆうたら、本作を暗い映画にしない、イタリア的な明るさを付加してはりました。

とはいえ、アート系でも、トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」(1959年・フランス)やら、ビスコンティ監督の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1942年・イタリア)やら、セリフ的にアンニュイなパゾリーニ作品への言及もあるんやけど、でもしか、あくまで明るく、前向きが、本作のキーになっとります。

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さらに、歌ものサントラ部が、イタリア映画やのに目立っとりました。

それも、往年のイタリアン・ポップスなんかは流さはりまへん。

バンド・サウンド、ピコピコのエレクトリック、リズムボックス使いのサウンドに加え、メイン・ソースはヒップホップでおますよ。

冒頭やらラストロールやら、ダイジェスト・シーンのタイトさやらで、これまでのイタリア映画にはあまりなかった、サントラ歌ものでノリノリ感演出をば施さはりました。

ちゅうわけででんな、現代的にも、カッコイイ作品になった1本なんどすえ~。

2013年4月23日 (火)

2PMのニックンも出演したタイ映画「セブン・サムシング」でおます

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3話オムニバス・ラブ・ストーリーが展開しよります

タイ映画としては、全くの新種やと申せましょうか

http://www.oaff.jp

今年の「第8回大阪アジアン映画祭」で特別上映のあと、日本公開待機作品となっとる1本でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

タイ映画やなんて、みなはん、見はったことはありまっしゃろか。

まあ、思い出していただく前に、ボクチンのタイ映画のマイ・ベスト・スリーをば披露いたします。

ボクチンもカルト・ベストを、披露できるくらい見ておまへんので、カルトはヤンペどす。

●ベスト⇒①チョコレート・ファイター(2007年製作)②the EYE(2001年)③本作

●ジージャーとゆう、若きアイドル系の容姿の女優はんが、生身の体を使って、トンデモ・カンフー・アクションを披露する①、ハリウッドでもリメイクされた、視覚をポイントにしはったホラー映画②など、タイとはいえ意外にも、娯楽作品の王道路線を作ってはります。

一方で、人間ドラマや家族ドラマ、恋愛映画についても、ボクの見てへん中にも、いっぱいあるんやないかと思います。

本作は3話オムニバスやけど、恋愛映画を3パターンで見せるっちゅう、快作品になりました。

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その3話もモチ、全てバージョン違いの恋愛もんどっせ。

①(写真1枚目)は高校生のラブ・ストーリーや。ネット動画の投稿によって、2人の仲が左右されるなど、現代的なエッセンスが散りばめられておます。

ダンス・ポップなナンバーに乗っての、ノリノリの2人のダイジェスト・シーンなんか、見ていて軽快。

ウクレレによるラブ・バラードにも、胸キュンどした。

②(写真2枚目)は映画共演をきっかけに、恋に発展した男女優のお話。

いったん別れたんやけど、彼女の方からのモーションで、2人の仲が再燃するかしないかとゆう流れ。

しかも、恋仲になった映画の続編製作に合わせて、2人が再会しはります。

映画を恋のキーにしたとことかは、ハリウッドの恋愛映画にもあったスタイルやけど、説得力はありました。

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そして、③(写真3枚目)は年の差のある、未亡人と若者の恋愛どす。

バンコクのマラソンが、キー・ポイントになっとります。

マラソンに参加することによって、人生が変わり再出発するナンチュー、ストレートで、よくあるとこのありきたり系ながらも、前向きなカタチで魅せてくれはります。

3話にほとんどシンクロはないけども、ハリウッドの群像劇、例えば「バレンタイン・デイ」(弊ブログ内検索で出ます)よりは、もっと感情移入できるような作りに、なっとるんやないでしょうか。

韓流ドラマ「フルハウス」にたとえた話とか、韓国の音楽グループ、2PM(ツーピーエム)のニックン(さてはて、3枚の写真のどこかに写ってはるけど、どの人やろか? みなはん、分かりまっか?)の出演とか、韓国を意識してはるんは、今のアジア映画の1つの時流なんやろかな。

ほんでもって、サントラやら劇中で披露される歌ものやらにも、ノレる作品どした。

ダンス・ポップ・ナンバーなどのキャッチーな歌の数々に加え、感動的な弦楽オーケストラやら。

ほんで、最後の最後に示される、シークレット・ミュージカル・シーンやー。インド映画にはケッコーあるけど、ハリウッド映画にはないこうしたサービス精神は、イキでオツな!  をカンジよりました。

タイ映画のパブリック・イメージを超えた、カッコいいコンテンポラリーな作品なんどすえ~。

2013年4月22日 (月)

ラブ・ストーリーの香港映画「メモリー -First Time-」どす

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韓国映画「アメノナカノ青空」の、香港映画リメイクでおます

構成に工夫が凝らされた、ミステリーチックな1本どすえ~

http://www.oaff.jp

今年の「第8回大阪アジアン映画祭」で特別上映のあと、日本公開待機作となっとります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

アイドル映画性をモデル&女優はんの、アンジェラベイビーちゃんが担当し、現役ミュージシャンのマーク・チャオ君が、音楽ムービーとしてのとこをばクリエイトしはった1本どす。

ほんで、2人のラブ・ストーリーをポイントに、父子や母娘のキズナも描かはった感動作でおます。

さてはて、本作は韓国映画「アメノナカノ青空」(2003年製作)をリメイクしはりました。

韓国映画をアジアの各国がリメイクする映画は、それなりに出てまいっとります。中でも本作は、オリジナルを超えた1本になったんやないやろかな。

オリジナルのイム・スジョンちゃんはアンジェラに、ほんで、キム・レウォンのアニキはマークになっとります。

ナンチューても、アンジェラちゃんのカワユサが、まずは際立っとりました。

ダンサーを目指してはるんやけど、筋無力症ちゅう不治の病に罹ってる設定の彼女。

かつての高校の同級生と再会し、恋愛へと発展してゆくスタイルの映画は、コレまでにもそれなりにあったかと思います。

けども、それは仕組まれたものであり、その仕組み・企みを超えて、愛を結ぶとゆう作りが、本作の大いなる見どころやと申せましょうや。それだけやありまへん。

主人公とオトンに加え、ヒロインとオカンの各キズナ部の描写が、泣かせる作りになっとるんどすわ。

それをば2人は、好感度あふれる方向性で、見事に演じ抜いてはります。

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ナンチューても、オリジナルとは違う構成の妙に、ググッと魅かれましたがな。

ヒロイン、主人公のナレーションを本編の前後に配しながら、Aサイド(問題編)とBサイド(解決編)に分けた、ミステリーチックな作りが、本作をオリジナルを超えたもんに、しはったとこやろと思います。

伏線を慎重に絡めつつ、いろんなサプライズを小出しにして、最後の着地部では、念入りにいろんな場面の、解決部へと結んでゆく作りは、そのへんにあるミステリー映画とは、大いに違う威厳ぶりをば示してはります。

ほんでもって、サントラやら劇中演奏部やらも充実し、映画を弾ませはりましたえ。

ボーカル担当の主人公が、バンドで披露する、8ビート・ロック、スロー・バラード、そして「スタンド・バイ・ミー」のカヴァーなどが、ココロにくるシーンになっとります。

スロー・モーションも使われた、ヒロインのダンス・シーンなんぞも、ウットリなシーンやろか。

大いなるどんでん返しを意図して作られた本作は、韓国や香港にもなかったような、ラブ・ストーリーを構築しはったかと思います。

劇場公開、ストレートDVD化に関わらず、みなはんに、ぜひとも見てもらいたい1本どした。

2013年4月21日 (日)

渋通のためのアメリカ映画特選③21世紀的リメイク・ホラー「死霊のはらわた」

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スプラッター・ホラーの、ルーツ的作品のリメイクどす

多彩なアメリカン・ホラーの要素をば、取り入れはった1本でおます

http://www.harawata.jp

5月3日の憲法記念日のフライデーから、ソニー・ピクチャーズはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやら、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹やらで、全国ロードショーでおます。

本作は「R-18+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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まずは、ホラー映画についてどす。日本の人の怨み節系とは違い、アメリカン・ホラーは悪魔の取り憑き系が、主流を占めとります。

ちゅうことで、ここで、アメ・ホラーのマイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露させていただきます。

●ベスト⇒①エクソシスト(1973年製作)②ローズマリーの赤ちゃん(1968年)③シャイニング(1980年)③悪魔のいけにえ(1974年)

●カルト⇒①キャリー(弊ブログ内検索で出ます)②オーメン(1976年)③死霊のはらわた(1983年)

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●21世紀以降、アメ・ホラー映画は、1970年代から1980年代に公開されたホラー映画のリメイク・バージョンを、盛んに作ってきてはります。

「オーメン」(2006年)を始め、「悪魔のいけにえ」のリメイク「テキサス・チェーンソー」(2003年)、「ジェイソンX・13日の金曜日」(2001年)、「エルム街の悪夢」(弊ブログ内検索)やら。「キャリー」もリメイクされて、今秋日本公開されよりま。

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ほんで、本作もスプラッター(血しぶき)・ホラーのルーツ作の、カルト③のリメイクどす。

当時の監督やったサム・ライミはんは、セルフ・リメイクやなく、プロデューサーに回らはり、若手の有望株監督にゆだねはりました。

そして、かつてのホラー名作への、トリビュート・シーンを含めまして、本作は21世紀的にバージョン・アップした、リアル感ある生々しい作りになっとります。

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まずは、ベスト③「シャイニング」で使われた、観客に不安感をあおらせはる、クルマの俯瞰カットから始まります。

本作は悪魔の取り憑き系なんやけど、女が取り憑かれ系としては、ベスト①②に加え、カルト①の名作があります。

取り憑かれ対象としては、大人オトコのベスト③、少年のカルト②やらもあるんやけど、Jホラー「リング」(1998年・日本)やJ怪談「東海道四谷怪談」(1959年・日本)やらでも、顕著やったようにでんな、いわゆるヒロイン・ホラー映画が、主流になっとるかと思いよります。

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ほんで、館ホラーとしてのシブミもござります。本作は山小屋やけど、つまりは「家」(1976年)やら「HOUSE ハウス」(1977年・日本)やら、家の中でホラー・ドラマが、巻き起こるちゅうタイプどすやろか。

さらに、5人のサバイバル映画としてのノリも濃厚どす。ホラー・ジャンルとしては、「サスペリア」(1977年・イタリア)などの学園ホラー系がないだけで、ほぼ全てのホラー要素を網羅してはりますで。

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ほんでもって、本編が始まって30分くらいから、1時間ばかりが、ノンストップ的に5人の、凄まじきホラー・サバイバル模様が映されてまいりまんねん。

加えてでんな、ショッカー(観客をビビらせよる、突然の効果音)を含めて、サントラやらも強烈至極でおます。打楽器入りのオーケストラ・サウンドをメインにしもって、警戒警報的なサイレンが、鳴り響くようなサントラ使いなど、巧妙どしたえ。

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アメリカン・ホラーの進化ぶりを、誇示してはるケッサクどした。

2013年4月20日 (土)

渋通のためのアメリカ映画特選②ミシェル・ゴンドリー監督の新作「ウィ・アンド・アイ」どす

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高校生もんにして、NYバス・ロードムービーどすえ~

学生群像劇「アメリカン・グラフィティ」を意識した作品やろか

http://www.weandi.jp

4月27日のサタデーから、熱帯美術館はんの配給によりまして、東京・[シアター]イメージフォーラムやら、シネ・リーブル梅田やらで上映どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 Next Stop Productions. LLC

アメリカ映画てゆうたら、ハリウッド映画とゆうのんが、当たり前のように思わはるかもしれへんけど、ハリウッドで製作されてへん、いわゆるインディペンデント系の映画は、実は…なんてゆわんでも、いっぱいありまんねん。

ほんで、本作はその種の映画となりました。フランス出身のミシェル・ゴンドリー監督の新作でおます。

ジム・キャリー主演のシリアス系「エターナル・サンシャイン」(2004年製作・アメリカ映画)やらが、ボクチンを迷わせてくれはりました。

単純にゆうたら、変な主人公が変なことをする映画を、ケッコー作ってはります。

でも、本作は違っておました。また、新たなとこをば見せてはりまんねん。

ニューヨーク舞台映画なんやけど、従来のNY映画にはあれへんような、高校生モン、ほんで、ユニークなロードムービー映画を構築しはりましたえ。

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高校生の学園もんはケッコーあるんやけど、それを通学バス内をメインにした、室内劇調のロードムービーとなれば、これまでにはそない披露されとりまへん。

監督的には、学園ものとゆうより、学生ものの新たな地平を、切り拓かんとするかのような姿勢に、ボクは好感を覚えました。

バス内で話される各人の話は、時に大仰なんもあっても嘘っぽく、実は凄く単純。

ほんで、1人1人がバスを降りてゆくとゆう、トンデモありきたりなとこなんやけど、コレをば絶妙な群像劇に、監督はすり替えはりましたがな。

「パリ20区、僕たちのクラス」(弊ブログ内検索)は中学生もんやったけど、本作は高校生もんで、教室・学内の室内劇をバス内に置き換えてはります。

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回想シーンもあるけど、正統派のロードムービーとして、十二分に大人の鑑賞に耐えうる、ちゅうか、大人でなければ分からへんとこもありまんねん。

卒業後の24時間を描いた「アメリカン・グラフィティ」(1973年・アメリカ)を、かなり意識してはるんやないかなと思いました。

まあ、そのあたりは、ミシェル・ゴンドリー監督に聞いたらエエんやろけども。

イタリアン・ネオリアリスモ作品にもあった、素人俳優を起用するスタイルを採用し、素人にしか出せない味みたいなんが、そこかしこに散りばめられておました。

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NY映画の在り方とか、学園もの、ロードムービー映画、群像劇など、イロンな括りで本作を総括できるんやけど、本作のオリジンの1つとしては、サントラ使いにもあったかと思います。

今のアメリカでヒット・トレンドの、主流を形成するヒップホップはモチ、スローモー・シーンも入れた、スロー・ナンバーのウットリ系。ファンキー・ナンバーやらのダンス・ミュージック系やらにも魅せられました。

「桐島、部活やめるってよ」(弊ブログ内検索)やらとも、濃厚にシンクロする作品どした。

2013年4月19日 (金)

渋通のためのアメリカ映画特選①「L.A.ギャングストーリー」どす

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ギャングと警察のガチ対決をば、剛速球系で見せはります

「アンタッチャブル」を、メッチャ意識しはった仕上がりやー

http://www.lagangstory.jp

メイ5月3日のホリデー・フライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED

ギャング映画のみなはんのイメージは、どんなものやろか。

ルーツ的なことをいえば、アル・カポネをほぼ同時期の、現在形で捉えた「暗黒街」(1927年製作・以下の映画は全てアメリカ映画)「暗黒街の顔役」(1932年)や、「俺たちに明日はない」(1967年)が有名な、ボニーとクライドを最初に描いた「暗黒街の弾痕」(1937年)など…。

全てモノクロ映画やけど、アメリカのギャング映画の基本ラインは、ほぼこの3作で作られたとゆうても、エエんやないやろか。

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そして、本作やけど、都市名のポイントになっている天使の町・ロサンゼルスを舞台に、1949年に実際にあった、ギャング団と警察の精鋭部隊6名による、仁義なき戦いを描いてはります。

しかし、本作は「アンタッチャブル」(1987年)を大いに意識した1本やとジャッジいたしました。

つまり、アル・カポネ映画で、ベース・ラインが作られたところを規範としとるんどすわ。

その一方で、ミステリー作家のジェームズ・エルロイ作品にも、多大な影響が見受けられるんどすえ。

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エルロイのLA暗黒4部作などだが、「LAコンフィデンシャル」(1997年・アメリカ)やら「ブラック・ダリア」(2007年・アメリカ)などが映画化されたので、原作は読まずとも、みなはんにもその作品性については分かるでおましょう。

さらに、LAものとして、ハリウッドも出てくるが、「チャイナタウン」(1974年)なんか、かつての映画でキモになった場所も出てきよるんで、要注意どすやろか。

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さて、「アンタッチャブル」と比較して、少し見てみまひょか。

ショーン・コネリーの銃殺やら、ロバート・デ・ニーロのバット殺人のエグサよりも、子供の爆死を非難された「アンタッチャブル」に対して、本作では悪役ショーン・ペン(写真2枚目&3枚目)の暴虐ぶりをいろいろと見せてゆくのんが、1つの見どころでおます。

もちろん、6人組の警察チームによる、ギャングへの摘発シーンやアクション・シーンこそが、本作の大きな見どころやでー。

「アンタッチャブル」の監督ブライアン・デ・パルマはんの特性、スロー・モーションの多用など、少々気にはなったけど、6人のキャラクター造形ぶりが「アンタッチャブル」より、多彩でユニークやったと思いまっせ。

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カー・チェイス銃撃戦、大爆破シーン、マシンガン銃撃戦、1対1のガチ殴り合い対決など、アクション・シーンの充実ぶりには、目を見張るやろな、たぶん。

けども、ラブ・ストーリー部にも注目してもらいたいわー。

恋する若手の2人、ライアン・ゴズリング君とエマ・ストーンちゃん(写真4枚目)。

ハードボイルドな往年の、ハリウッド映画によう見られた、お洒落な男女会話シーンもあるんで、お見逃しなきよう、よろしゅうに。

久々の本格ギャング映画なんで、みなはんにとっても、血沸き肉躍る作品になっとるんは間違いおまへんで。

2013年4月18日 (木)

シリーズ第17弾「名探偵コナン 絶海(ゼッカイ)の探偵(プライベート・アイ)」

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初のスパイもんやけど、本格ミステリー・スタイルは健在どす

今回は関西のサポート部が、名サポーターぶりを示さはりまっせー

http://www.conan-movie.jp

4月20日の土曜日から、東宝はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 青山剛昌 名探偵コナン製作委員会

日本映画界のアニメ映画のプログラム・ピクチャーとして、毎年ゴールデンウイークを視野に入れて、やってきはるシリーズどす。

実写のプログラム・ピクチャーはなくなってしもとるけど、アニメ映画はメッチャ元気や。ちゅうことで、邦画アニメ・シリーズの、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、披露させていただきます。

●ベスト⇒①本作②ドラえもん③ワンピース

●カルト⇒①ポケットモンスター②ドラゴンボール(最新作がヒット中)③クレヨンしんちゃん(最新作は未見やけど、4月20日公開どす)

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●基本的には、まずはテレビ・ドラマが先行し、ほんで映画劇場版へと進化するとゆうのんが、この種の映画のセオリーになっとります。

映画オリジナルでシリーズ化するのんは、ビミョーに厳しいもんがあります。

分析するに、やはり、アニメはテレビ映えするもんやとゆうのんが、日本のテレビ創世記から固定観念的にあったように思います。

そやから、映画版はテレビ版から昇格したみたいなノリで、上映されてまいりました。

まあ、画面が大きくなるっちゅう点が、単純にレベル・アップとゆうことなんやろうけども…。

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そんな中において、国民的な人気のベスト②やカルト①②の、コミック原作らしいアリエネーSFノリのタッチやら、家族もんでもある、ベスト②カルト③やら、原点回帰とも言える、主人公キャラがヒーローとして魅力的なベスト③など、アニメで描けばより親近感あるようなものやらが、総じて多かったどす。

でも、マジ系のベスト③やカルト②もあるけども、ほとんどがコメディ・スパイスがまぶされとります。でも、本作シリーズの特異性は、あくまでシリアス系。

ほんで、本格ミステリーのノリが、邦画アニメ史上初めて採り上げられ(洋画アニメにもまずないんで、世界初とも言えるやろか)、ミステリー・アニメとして、毎回斬新なとこをば見せてくれはりまんねんで。

フツーのサスペンス映画を見るくらいやったら、本作を見た方が絶対ええかと思いよります。

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京都の舞鶴湾で、異国の謎の船が見つかるちゅうとこから、本作は始まります。

スパイが潜入したんやないか。近くにある日本のイージス艦に潜入し、日本の自衛に関するデータを、盗もうとしとるんやないか。

ほんで、切り取られた乗務員の1人の腕が見つかります。メイン・ポイントの事件として、それらがまず描かれます。

けども、二転三転する、後半の展開は、いつも以上にハラハラドッキリもん。シメにも伏線を入れた、見どころシーンがあります。

ちゅうことで、ミステリー部の充実度は、最後まで見たらスゴイもんがありましたえ。

毎度、インパクトある推理部とサプライズが披露されますけども、本作の推理部は、シリーズのベスト・スリーに入るもんやないやろか。

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防犯カメラ、盗聴音の解析など、21世紀の現代捜査の手法が、滞りなく取り入れられているだけやなく、新しい最新型探偵グッズなどもあって、面白いカンジどすえ。

でもって、ゲスト声優の柴咲コウのネーさんや。時おり彼女の声のように聞こえてこないとこがあるけど、それは当然、彼女なりに考えて声優をやってはるんどす。

でも、彼女らしい凛々しさは、しみじみとカンジられました。さらに、コナンの関西サポートたちの活躍ぶりが、本作が関西を舞台にしてはるだけに、特筆すべきとこがありました。

京阪電鉄の祇園四条駅から、京阪の終点・起点駅・淀屋橋まで乗る容疑者やとか、まさにピンの私情系。

ボクチンは京阪に乗って、毎日試写室に通ておるもんどすさかい、どうでもエエねんけど、このあたりに鳥肌立ちのビビッがありました。

さらに、ラストロールで流れる、斉藤和義アニキの、ニューミュージックなキャッチーなナンバー「ワンモアタイム」に痺れまっせ。

そして、「あなたは何者?」と問う声・柴咲コウに対し、高山みなみが声を担当のコナンはどう答えたか? 

いつも以上に、余韻のある1本やったです。

2013年4月17日 (水)

日本のセレブ・ドキュメンタリー「長嶺ヤス子 裸足のフラメンコ」どす

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セレブ・ドキュは多々ありも、人物のユニークなとこに迫らはって…

意外性のあるところの見せ方が、オモロイことはオモロイんやけど…

http://www.hadashinoflamenco.com

皐月5月4日の土曜日から、ナナゲイこと大阪・第七藝術劇場やらで、東風はんの配給によりまして、全国順グリのロードショーでおます。

初日の5月4日には、本作・主演の長嶺ヤス子ネーさんが、ナナゲイやらで舞台挨拶をば予定してはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ大宮映像製作所

セレブやら有名人はんのドキュメンタリーとゆうのんは、モノゴッツーのタイトル数がござります。

但し、その有名度合いに比例して、出来の巧拙が決まるわけやないんで、この種のドキュには、ケッコー面白いサプライズがありまんので見逃せまへん。

まあ、セレブ・ドキュそのもんは、あんまし売れ線やないんやけど、売れたらええてなもんでもありまへん。

知名度によって売れゆきが変わるとゆうのんは、当たり前なんやけど、問題はその方を、映画的にどう捉えたんかが、ポイントとなるでおましょう。

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今の10代や20代の若い方が見はったら、さてはて、この映画はどんな風に映るんやろか。

日本のドキュで、知る人ぞ知るセレブ・ドキュでゆうたら、ボクが若かりし頃に鑑賞した、有名な画家を描いたドキュ「彫る、棟方志功の世界」(1975年製作)なんぞは、その人生のベタな描写と生真面目さに、圧倒されよりました。

この種の映画は、文化映画として括られておますけども、今ではテレビのドキュメンタリーの方が、先鋭にしてかつポピュラリティーな出来があるんやないかと、ボクは分析しておます。

でも、本作はもっと大衆よりに、親しみ感のある作りにはなっとるかとは思いました。

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映画作家として映画ドキュを、テレビやらとは違うテイストで描くとゆうのんは、今や難しい時代に入っていると申せましょうか。

本作にしても、テレビのドキュとしてタダでオンエアされても、不思議やないし、しかもその場合は、テレビ局側はボツにせん代わりに百歩譲って、深夜の時間帯に流して終わってまうとゆうカンジやろか。

ナンチューか、多くの日本の映画ドキュは現在、行き場を失っているような状況なんやないやろか。

それでも、ホンマはドラマ映画を作りたいんやけど、予算の関係もあってドキュを撮って、映画作家性を示したい監督たちは、あとを絶ちまへん。

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ほな、ドキュ映画としてのオリジナリティーな存在感を、どないなカタチで示してみせるのか。これがモチ肝要なんやけど、少なくとも本作は、その点においては踏ん張って、ガンバって見せてくれてはりました。

無論、それが、みんなを映画館へ引き寄せる、吸引力になるとは決して申せまへん。でも、テレビの「情熱大陸」よりは、間違いなく面白いハズや。

セレブでも、表層やない人間像を描くのんは、至難のワザどす。それをばどう捉えるのか。

現役のセレブ本人を映す以上は、本人の了承が要るやろし、それでいてオリジン・スクープ・特異なとこを出すとなれば、実はメッチャハードルが高いんどすわ。

なあなあやキレイ事で終わってしもて、なんや、本人のPR映画の域を出てへんやんかとゆう、代モンがケッコーあります。

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さてはて、本作で描かれるんは、長嶺ヤス子のネーさんや。日本のフラメンコらしき唯一無二を、クリエイトしはった有名な方どす。

演目シーンはモチ、あります。「フラメンコ フラメンコ」(弊ブログ内検索で出ます)みたいに、熱気あるタイトなカタチやったら別やけど、ダラダラPR的に映すんやったら、どないショーもないんやけど、本作ではそれをばできるだけ外す方向で撮ってはりました。

捨てられたイヌ・ネコの介護に熱意を込めはる、ヒロイン・ヤス子ネーさん像には、ココに、胸に、きました。特に、ハチとゆう名の犬との交流部は、しつこいくらいに追われておます。

また、彼女の東日本大震災へのクールな思いなど、納得できる発言になっとりました。

彼女の過去を追わず、現在進行形に徹した作りが、共感を呼ぶことでおましょう。フラメンコ、イヌやネコたち。大衆性ある要素も散りばめられて、売れてもおかしゅうない作品になっとります。

ちゅうことで、取りあえずは、映画館へ行ってみまひょか。

2013年4月16日 (火)

香川・高松地方ロケ日本映画「百年の時計」どす

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地方ロケ映画の熟成ぶりは、今やシブミを増しておます

木南晴夏チャンのマジ・アイドル系と、ミッキー・カーチスはんのマジ・おっさん系が、心地よくミックスしとりまっせ~

http://100watch.net

5月25日の土曜日から、東京・テアトル新宿を皮切りに、6月にはテアトル梅田やら、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013 さぬき地産映画製作委員会

地方ロケ日本映画については、この3年間の間においても、弊ブログではこれまでに、100本以上にわたり論述してきよったかと思います。

映画の巧拙はイロイロあるんやけど、地方ロケ映画が渋く日本映画を支えている構図は、21世紀も10年以上を経過した今も、変わってへんかと思います。

ボクチン的には、47都道府県ロケ映画の、夏の甲子園高校野球のノリで対決をばやってみたら、メッチャオモロイんとちゃあうん、ちゅう企画をイロンな東京の出版社に提案しとったんやけど、出版化はなりまへんどした。

でもしか、そんなんと関係なく、地方映画にはイロイロと楽しい作りを提供してもうて、ヨリドリミドリの面白さを呈してはりまっせ~。

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ちゅうとこで、地方ロケ映画の総括は、その種の映画が出るたびにやっとったけど、本作では2パターンで見てみまひょか。

まずは地方ロケ映画でやってまうと、かなりのタイトル数になるんで、本作の香川県だけやなく、いちおう四国ロケ映画に広げて、マイ・ベスト&カルト・スリーをやってみましょう。

●ベスト⇒愛媛県①がんばっていきまっしょい(1998年)/高知県②四万十川(1991年)/高知県③鬼龍院花子の生涯(1982年)

●カルト⇒香川県①本作/高知県②県庁おもてなし課(今年3月23日付けで分析)/香川県③サマータイムマシン・ブルース(2005年)

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●徳島県を入れられへんかったんが少々気になりましたが、本作は「高松琴平電気鉄道開設100周年記念」ナンチューのんを、冠に入れはった映画なんやけど、観光誘致・地元PRなとこと、映画的な感動がある人間ドラマやらキズナ部を、合体させはったように見えます。

そのあたり、ホンマに融合して映画的感動があるんかーと申せば、実はビミョーなとこがあるやもしれまへん。つまり、電鉄のPRのために、映画が作られたんやないかとゆうとこどすが…。ビミョーなとこがあるやもしれまへん。

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PRかどうかを見るためにでんな、琴平電鉄を取り入れた映画とのことで、電鉄もしくは電鉄主人公たちの映画ドラマとしての、マイ・ヘスト&カルト・スリーもやってみました。

●ベスト⇒①鉄道員(ぽっぽや)(1999年・日本)②鉄道員(1956年・イタリア)③暴走機関車(1985年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②阪急電車(2010年・日本)③喜劇・列車シリーズ(1967年~1968年・全3作)

●電鉄ドラマと人間ドラマの融合スタイルとしては、本作はカルト②の群像劇性を、超えてはったかと思います。

また、ココには入れへんかったけど、「RAILWAY」シリーズなども、本作とは甲乙付けがたいドラマ性を示してはります。

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しかし、琴平電鉄100周年を記念して、その車両内の乗客100年の流れを、ダイジェストで見せてゆこうやなんてゆう作りは、フツーやなくモチ、マレでおます。

全国公開された「君が踊る、夏」(弊ブログ内検索で出ます)でも魅せはった、木南晴夏(きなみ・はるか)ちゃんの新鮮さ。一時の木村佳乃ネーさんの才気をば思い出させはります。

「ロボジー」(弊ブログ内検索)を思い出させてくれはる、ミッキー・カーチスはんのユニーク。ほんで、脇としては、晴夏ちゃんのオトン役の、井上順はんらが出てはりました。

特にいくつかのシーンで、記憶に残るとこがござりました。老いと若きの2パターン恋愛も描くんやけど、人を探すとゆうスタイルとしては、「カーテンコール」(2004年)やらの面白さもあるかと思います。

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ナンチューても、時代の流れを俯瞰するその系譜描写が、本作の大いなるキモどす。

イングマル・ベルイマン監督の言葉の、引用やらの薀蓄部。井上順のギターと、ミッキー・カーチスのハーモニカによるコラボ・シーンのシブミに、ヒップホップ系やけどD51の、和風スロー・ナンバーの、ヒップホップ方程式にはない癒やし系など。

ピアノ・ソロもしょっちゅう流れて、ウットリとくるシーンもありましたで。

地方ロケ映画については、今後も続けて論じてまいりますで。

映画の出来とは別にして、地方各地の美風景やら、人のココロの親近感やらにも酔ってくだされ。

2013年4月15日 (月)

感動的な実話系韓国映画「ハナ~奇跡の46日間~」どす

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ハ・ジウォンとペ・ドゥナの各ネーさんの、演技合戦が素晴らしい1本でおます

朝鮮南北もの映画としても、かつてないユニークな仕上がりどす

http://www.hana46.jp

エイプリル4月20日のサタデーから、sumomo(スモモ)はんの配給によりまして、東京・オーディトリウム渋谷にて、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

韓国と北朝鮮。南北の確執を描いた映画どす。

でも、そんな中でも南北の人間たちが、スポーツ(卓球)を通してキズナを結ぶとゆう、感動的な1本となりました。

ここで、南北問題を取り入れた韓国映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露させていただきます。

●ベスト⇒①JSA(2000年)②シュリ(1999年)③本作

●カルト⇒①トンマッコルへようこそ(2005年)②ブラザーフッド(2004年)③高地戦(2010年)

●カルト作品の朝鮮戦争をバックにした作品群とか、現代の南北の確執を、ストレートに描いたベスト①②やらとは違い、本作は実話をベースにしてはるけど、南北が協力し合って、一つの目標へと向かう稀有なる映画としては、珍しいんやけど、珍しさだけやなく、泣ける感動的な作品となりましたで。

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1991年の実話どす。

卓球の世界選手権が、日本の千葉県で開催されました。

今や日本は五輪で銀メダルを獲得するくらい、実力国となっとるけど、当時はそれほどやありまへんどした。

ただ、今もそうやけど、中国チームが圧倒的に強かったんでおます。

そんな中で、銀や銅などのメダルをそれなりに獲得してた、北朝鮮と南朝鮮・韓国が、朝鮮国の合同チームとなれば、そら、中国と互角に戦い、金メダルも狙えるでおましょう。

そこで、南北に分かれた2国が統一チームとして、世界選手権に参加し、モノゴッツーなミラクルをば見せはるとゆうのんが、本作でおます。

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本作の感動は、南北の人間たちが交流し、それぞれいろんなキズナを結んでゆくところにあります。

選手同士の恋愛部、選手同士のキズナやら。そんな中で、韓国側のスター選手役のハ・ジウォン(写真2枚目&4枚目)と、北朝鮮側のペ・ドゥナ(写真3枚目)の交流部が、本作のキモになっておます。

付かず離れず。そやけど、お互い心配し合い、それとなく寄り添ってゆかはります。

でもって、ナンチューても、2人の別れのシーンの創出ぶりには、ホンマ、泣くしかドナイショーもない感動がありました。

1つ年上設定のペ・ドゥナに対し、初めて「ネーさん」と熱烈に語りかけるハ・ジウォンには、グッときよりました。

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どこまでもクールなペ・ドゥナに対し、正統系ヒロインなカンジで、接してゆくハ・ジウォンとゆう構図が、まさにクセになり、ほんで、最後の最後まで、ドラマティックをつないでゆかはります。

「ファイティング」と、気合いを入れるハ・ジウォン。表情演技で応えるペ・ドゥナ。

そのいろんなココロの交信ぶりが、最後の感動へとチビチビ効いてまいります。

女の友情もの映画、スポ根ドラマ、「ピンポン」(2002年・日本)の、女たち韓国版とも言える作りなど、いずれの場合も、出色の仕上がり具合を見せてはります。

男性Kポップスやら、アップ・テンポな女ポップ・ダンス・ナンバーなど、歌ものサントラを適度に配した作りも、ノリは良かったどす。

ここ最近の韓国映画としては、「容疑者X」(今年4月6日付けで分析)と、甲乙付けがたい1本でおました。

2013年4月14日 (日)

大沢たかお&松嶋菜々子&藤原竜也共演の「藁の楯」(わらのたて)

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犯人を護送する5人の刑事たちの、丁々発止のサスペンス映画でおます

三池崇史監督の、エネルギッシュ演出も見ものどすえ~

http://www.waranotate.jp

4月26日のフライデーから、ワーナー・ブラザース映画はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013「藁の楯」製作委員会

精力的に作品を連発しはる、三池崇史(タカシ)監督の新作でおます。

日本では今や、最も映画を監督してはる方どす。

ほんな三池作品の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、まずは披露させていただきま。

●ベスト⇒①十三人の刺客(2010年)②中国の鳥人(1998年)③DEAD OR ALIVE・犯罪者(1999年)

●カルト⇒①本作②愛と誠(2012年・弊ブログ内検索で出ます)③殺し屋1(2001年)

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●かつての深作欣二監督やらの、エネルギッシュな演出ぶりで魅せてくれはる三池監督。

ともすると、そのエナジーが空回りするようなとこがあるんやけど、ベスト&カルトに選んだ作品は、剛速球のストレートさで、観客のココロをば撃ち抜かはります。

まあ、ベスト②やらは人間ドラマ性に比重があり、三池作品的には大人しめの作品やけど…。

ほんでもって、本作。

熱っぽい流れの中、時おり各人の心理に、ウム? なとこがありながらも、最後の最後まで見せ尽くす演出ぶりは、つい舌を巻いてまうような怪作品でおました。

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山崎努はんが、わが孫娘を殺した犯人をば殺してくれた者に、10億円の懸賞金を懸けはりましてな、犯人役藤原竜也のアニキは、命の危険をカンジはって福岡警察に自首しはります。

そんな彼を、東京の警視庁まで安全に護送するために、5人のチームが結成されよります。

そのメンバー構成は、SP役の大沢たかおアニキに、松嶋菜々子ネーさん。

警視庁の捜査一課の刑事たち、岸谷五朗アニキと永山絢斗(けんと)クン。ほんで、地元福岡の刑事の伊武雅刀はんでおます。

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いろんな人たちが、藤原竜也アニの命を狙うんやけど、むしろ一般人よりも、懸賞金欲しさに、警察関係者やらの方が、彼を殺そうとしはるんどす。

そやから、SPに当たる5人にしても、所詮は人間やー。それらに応戦しながらも、それぞれ個々人には、イロイロ思惑がありまんねん。

この種の護送・警護系映画のタイプでゆうと、「さらば冬のかもめ」(1973年・アメリカ映画)やら、「ボディガード」(1992年・アメリカ)やら、「マルタイの女」(1997年・日本)などを思い出させはりますが、でも、それらの作品と決定的に違うんは、ロードムービー的なとこを、サバイバル系のドラマで、プラスアルファしてはるとるとこどした。

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ネタバレは避けたいとこやけど、犯人の生死は別にして、5人のうち生き残るんは、実は2人だけどす。

トンデモない懸賞金に群がる人々の、ギラギラした熱情シーンも、いろんなアクション・シーンで、突発的に描かれてまいります。

5人プラス犯人の6名の、キャラ造形について見てまいりますと…。

大沢たかおのストレートさに対し、松島菜々子ネーは、テレビドラマ「家政婦のミタ」のブレイクもあったからか、謎めいた演技をばやってはります。

何やら一貫性のない演技ぶりには、演技的な迷いさえも見え隠れしよります。

さらに、藤原竜也アニもまた、ギクシャクした演技を見せてまいります。

菜々子ネーにおばさんの臭いがしたから、殺したかったなんてセリフは、説得力がありまへん。

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タイトな押しの演技で魅せる永山絢斗クン、岸谷の怪しさ、伊武はんの昔の刑事らしき実直系など、多彩なキャラもあり、迷路型の人間関係構図が、物語を複雑化してはると申せましょうか。

菜々子ネーや竜也アニの演技も、この流れに即した演技ぶりなんやろかなー。

銃撃戦からカーチェイスまで、アクション・シーンも豊富。

でもって、5人の中に1人、裏切り者がいてるんやけど、みなはんは果たしてそいつを、当てられるでおましょうか。ちなみに、ボクはハズしました。

そんなミステリー的なとこも、ケッコー楽しめる1本どしたえ~。

2013年4月13日 (土)

高岡早紀主演「モンスター」でおます

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コンプレックス女のヒロイン・ドラマ映画どすえ~

彼女の初恋は、果たして成就するんでおましょうか?

http://www.monster-movie.jp

4月27日のサタデーから、アークエンタテインメントはんの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2013「モンスター」製作委員会

ヒロイン映画で、ある種のトラウマやらコンプレックスやらが、作品のキモになっとる作品なんて、みなはん、そんなことを意識せずにもでんな、ケッコー見てはるんやないやろか。

ちゅうことで、そんな日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば、思いつくままに披露させてもらいます。

●ベスト⇒①嫌われ松子の一生(2005年製作)②リング(1998年)③本作

●カルト⇒①ヘルタースケルター(弊ブログ内検索で出ます)②妖怪人間ベム(弊ブログ内検索)③バカヤロー!私、怒ってます(1988年)

●ダイエットやら整形やら、外形をポイントにしたコンプレックス映画が、ストレートで分かりやすいやろかと思います。

が、ベスト①やらカルト③やらは、そういう外形をばポイントにせず、ヒロインのココロがキモ。

でも、外形の修正に、ドラマティックさやサスペンスをカンジさせるのには、この種の映画がメインにあると申せましょう。

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「カンナさん、大成功です」(2008年・韓国映画)とか「体脂肪計 タニタの社員食堂」(5月25日全国公開・弊ブログ内検索)やら、ダイエットが入った作品に加え、整形系もんは、女性の2大トラウマ修正系もんでおましょうか。

男バージョンなら、ケロイドに侵された男の「他人の顔」(1966年・日本)、カルト②の3人で、エエ顔の人間に早くなりたいバージョンなど、ユニークなとこを押し出した作品がケッコーありまんねん。

ほんで、本作は整形系映画としては、かつてないくらいにドラマティックかつバイオレント、加えて、ラブ・ストーリー部でのオモロサをば呈してはります。

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「探偵!ナイトスクープ」の台本を書いてはった、関西出身の作家・百田尚樹のアニキの作品が原作どす。

ボクシング学園もの「ボックス!」(弊ブログ内検索)やら、テレビ化に続き映画化もされる戦争もん「永遠の0(ゼロ)」など、いろんな引き出しを持ってはる作家はんでおます。

そして、トンデモ・ヒロイン役に、高岡早紀のネーさんが挑まはりました。

ーキャップによる醜い顔をば披露してはりますが、早紀ネーさんの顔との対比としては、チョイ大げさかなとも思たけど、「ブスだからですか」とか「チクショー」やら「揺らぎですね」とかのセリフで、フワーンと匂ってくる作品性が、本作の隠し味やないやろか。

高校の同級生の加藤雅也との、濃厚なセックス・シーンなども、ハラハラドキドキ、ヤラしくてイヤハヤどないしょーなとこがあって、ムムムーンときよりました。

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でもって本作は、女性監督の大九(だいく)明子ネーさんが撮らはったんで、いわゆる女性監督による女性映画でおます。

ロマンポルノのヤラシサとはビミョーに違う、女性らしさある演出ぶりが光っておました。

教会音楽やバイオリンを流しての、整形手術シーンのダイジェスト・カットなど、男の監督にはそうそう出せへんシーンやないやろか。

それに、キレる映画的ロングショット・シーンも、長回し撮影部も含めて決まっておました。

ラフマニノフのピアノ曲などを流して、ロマンチックなとこも見せてゆかはります。

ラストロールで流れる、高岡早紀ネーの歌にもグッと癒やし効果がありました。

もともと早紀ネーは、歌手から芸能界キャリアを始めてはるんで、コレは一つのサプライズやとも申せましょうか。

ピアノに乗ったジャジーなノリの、子守唄的なナンバー。

イロイロ嫌なことも言われてきはったけど、本作はそういうことを払拭しはるような、早紀ネーさんの最高傑作でおましょう。

深作欣二監督の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(1994年)を超える、コンテンポラリーな演技ぶりやったです。

2013年4月12日 (金)

ユーロ映画特選④ダスティン・ホフマンの初監督作品「カルテット! 人生のオペラハウス」どす

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引退した音楽家たちの、老人ホームもんどす

ホフマン監督の、滋味あふれるココロが見える1本やー

http://quartet.gaga.ne.jp/

4月19日の金曜日から、ギャガはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで上映でおます。

本作はイギリスを舞台にしたイギリス映画どす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⒸHeadline Pictures(Quartet)Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

いきなり個人的なお話で申しワケありまへんけども、ダスティン・ホフマンはんは、ボクのダイスキな映画俳優の、生涯ベスト・スリーに入る役者はんどす。

ちなみに、あとの2人はロバート・デ・ニーロはんと、ジョニー・デップのアニキやけど、全て映画監督もしてはります。

でも、クリント・イーストウッドはんとか、ベン・アフレックのアニキとかみたいに、そうそうブレイクするもんはありまへん。まあ、昔やったら、チャーリー・チャップリンとか、映画史に残る人もいてはるけども…。

俳優兼監督のデビュー監督作品の、マイ・ランキング披露も、いつかはヤリたいと思とります。

でもって、ホフマンはんの何と初監督作品やけど、本人は出ずに監督に徹しはりました。彼のキャリアとは違うような内容なんやけど、彼の違う一面が見れて、ボクとしては良かったどす。

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ハリウッド俳優のホフマンやから、アメリカ映画かと思たら、イギリス映画なんどすえ~。

イギリスを舞台にしてはるからもあるけど、イギリスの素晴らしき俳優を使ってはるんも、そうゆうことなんでおましょうか。さてはて、本作は引退した音楽家たちが入る、老人ホームが主舞台になっとります。

それで、映画ファン的にすぐ思い出されるんは、俳優たち専門の老人ホームを描いた「旅路の果て」(1939年製作・フランス映画)どすやろか。

でも、そちらがブルージー系やったのに対し、こちらはブルーやないけども、少なくとも明るめのパープル系やセピア系で、シメてはったかと思います。

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「マリー・ゴールド・ホテルで会いましょう」(弊ブログ内検索で出ます)でも、メインの主要キャラをやらはった、マギー・スミスはんの演技ぶりにグッときました。音楽家専門やゆうても老人ホームどす。

それでも、音楽家としての威厳を示す、演技ぶりに魅かれましたで。口パクかもしれへんけど、4人のカルテットぶりを示さはるラスト・シークエンスには、さらに魅せられました。

かつてのハリウッド・ミュージカルにおいて、例えば、オードリー・ヘプバーンが「マイ・フェア・レディ」(1964年・アメリカ)なんかでやったシーンとは、チョイ違っておました。口パクを前提にしながらも、そこまでのプロセス描写には、説得力ある作りどしたえ。

そして、オペラやジャズの実際のプロの、ミュージシャンの音楽をサントラとして適時流すカンジで、4人のカルテットぶりが披露されてまいります。

4人のカルテット演技も、お楽しみくだされ。

ともかくも、ホフマン監督の俳優人生とは別の一面が、見えた逸品どした。

2013年4月11日 (木)

ユーロ映画特選③デイヴィッド・クローネンバーグ監督の新作「コズモポリス」どす

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クローネンバーグ監督が、名作「タクシー・ドライバー」を潜在下で意識しはった作品やろか~

不条理系ロードムービーとは何ぞや? を追求する映画でもありま

http://cosmopolis.jp/

エイプリル4月13日のサタデーから、ショウゲートはんの配給によりまして、大阪・テアトル梅田、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸やらで、全国順グリのロードショーでおます。

本作は「R-15+」指定映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012-COSMOPOLIS PRODUCTIONS INC. / ALFAMA FILMS PRODUCTION / FRANCE 2 CINEMA

カナダ出身やけど、クローネンバーグ監督てゆうたら、アメリカ映画を撮ってはるイメージが強いんやけど、本作みたいに、ヨーロッパの国(フランス)の資本が入った、作品ちゅうのんも撮ってはるんどす。

ちゅうことで、いきなり、クローネンバーグ監督作品のマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露いたします。

●ベスト⇒①ザ・フライ(1986年製作・アメリカ映画)②ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年・アメリカ)③クラッシュ(1996年・カナダ)

●カルト⇒①クローネンバーグのデッドゾーン(1983年・アメリカ&カナダ)②裸のランチ(1991年・イギリス&カナダ)③本作③イグジステンズ(1999年・アメリカ&カナダ)

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●変な男をば、変形映画ノリ(決してアート系のゴリゴリやない)で描かせたら、まさにクローネンバーグ節としか言われへん、なんともワケの分からへんな映画が作られよります。

まあ、ベスト③のようにでんな、変な女もたまには描かはるけども、メインは男の変態系主人公でおましょうか。

ハードボイルド系でいかにも正統系やったベスト②、リメイクやけどハエ男の恋愛も、哀愁味を入れて描いたベスト①などは、大衆受けしそうな映画的ポピュラリズムがありました。

でも、本作なんかは、カルトに偏ってしもたけど、理解不能・ワケ分からん系の男をば、平然と描いてはります。それが妙にクセになったりしよりまんねん、コレがね。

作品性やら設定は凄く似てんのに、「マトリックス」(1999年・アメリカ)と同時期に出た、もう一つのカルト③なんか、コレゾ、クローネンバーグの何もんでもござりまへん。

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でもって、本作やけど…。

ニューヨークを舞台に、主人公の若きIT富豪(「トワイライト」シリーズで吸血鬼やらはった、ロバート・パティンソン君)がリムジンに乗って、散髪に向かうとゆう設定だけやのに、思いっきし、おいおい!なとこを見せてくれはりまんねん。

ほんで、その間に命を狙うヤツが、おるらしいとゆう作りどす。ビックラこきました。その不条理のベスト・スリーを申しますと…。

①今どきの政略結婚らしいけど、主人公と結婚してはるヨメはん(出てきた当時のナオミ・ワッツを思い出させたりする、アイドルチックにカワイイ、サラ・ガドンちゃん)と、カフェやらレストランでは会うんやけど、家庭内生活が一切描かれへんところ。

②散髪屋に向かうリムジン内の主人公に、いろんな会社の担当に分かれた、スパイめいた5人の女がイチイチ報告しにきはるとこ。

絵画を買うかどうかもあるんやけど、セックス担当めいたジュリエット・ビノシェのネーさんから、抽象的に投機戦略を語らはる、サマンサ・モートンのネーまで。

③フランス映画の「ホーリー・モーターズ」(弊ブログ内検索で出ます)もそうやったけど、不条理型ロードムービーの魅せ方。

映画上級者向けかもしれんけど、ワケ分からんなりに、見ていけば何やらクセになりそなカンジやねんで。

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そんな中において、ボクが最もココロ撃ち抜かれたんは、洋画マイ・ベスト・スリーに入る「タクシードライバー」(1976年・アメリカ)との、相似具合やら意識度合いやったどす。

ある種孤独がテーマやし、主人公が道中で拳銃を得て、クライマックスでは、解雇した元社員と1対1のビル内対決をばやらはります。

ロバート・デ・ニーロは弾切れで自分を撃たれへんかったけど、本作の主人公は、迷いなくかどうかは別にして、撃たはります。2分くらいの長回し撮影を3連投しはって、主人公のゆがんだココロを映して…。

主人公と最後に対決する、ポール・ジアマッティも怪演技ぶりをば、披露しやはります。

終始、不安感ある作りにグラグラ。監督らしい、挑発的な映画やったです。

2013年4月10日 (水)

ユーロ映画特選②ベネチア映画祭3冠のイタリア映画「海と大陸」どす

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イタリア映画の自然体な新次元をば、カンジさせてくれはる1本でおます

アート系とは違う、ポピュラリズムある大衆性をお楽しみくだされ

http://www.umitotairiku.jp

エイプリル4月13日のサタデーから、クレストインターナショナルはんの配給によりまして、大阪のシネ・リーブル梅田やらで、全国漸次のロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2011 CATTLEYA SPL-BABE FILMS SAS-FRANCE 2 CINEMA  photos:Angelo Turetta

21世紀のイタリア映画は確実に進化し、より大衆にアピールして、遡及できるような作りになっとります。

それについては、21世紀以降、新作を紹介するイタリア映画祭などの上映作を見てもろたら、一目瞭然。場合によっては、イタリア映画のトリコになりそな作品が、いっぱい上映されとります。

まあ、今年も4月から5月にかけて、東阪を中心に公開されまっけども…。イタリア映画の日本での現状については、「ニュー・シネマ・パラダイス」(弊ブログ内検索で出ます)のとこでヤッてみました。

21世紀以降のイタリア映画についてやけど、みなはんにおかれましては、どれだけ見るような機会がありましたやろか。

そうどす。実は、地方の方には、観料より多い交通費を使(つこ)て遠出せなあかんくらい、なかなかそういう機会があれへんのどす。

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おいおい、地方にも回したってや~なんやけど、営業上の問題において、なかなかうまくいかんようなとこがありましてな、こういう渋い映画は、残念ながら地方にはそない回ってきよりまへん。

ほな、DVD化を待つっちゅうても、こういう映画の場合、DVD化もままならへん現状があるんどすえ~。

それでも、ボクチンはやりまっせー。いつものごとく、21世紀以降に製作されたイタリア映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば…。

●ベスト⇒①息子の部屋(2001年製作・イタリア映画)②本作③塀の中のジュリアス・シーザー(弊ブログ内検索)

●カルト⇒①ブルーノのしあわせガイド(後日、分析いたします)②月曜日に乾杯!(2002年・イタリア&フランス合作)③輝ける青春(2003年・イタリア)

●イタリア映画てゆうたら、かつては、アート系の映画を牽引するような、素晴らしい名作がたくさんありました。

フランスのヌーヴェル・バーグに対抗して、フェリーニやヴィスコンティらの巨匠監督が、映画史に刻印されるような映画性をば示してくれてはります。

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しかし、今の時代においては、どうあっても“分かりやすさ”こそが、大いなるポイントになってきておるでおましょう。

シュールレアリズムやらの時代は、ボク的には納得はできへんねんけど、“今は昔”みたいな時代になっとります。ワケ分からへんのは、今はタブーなんやろか。

まあ、それはエエといたしまして、かつてのイタリア映画にあったアート感は、今はそれほど顕著やありまへん。

むしろ、みんなに分かりやすいとこを描くことを、心がけてはるように見受けられます。

モノクロで描いたベスト③なんかもエエんやけども、ペーソスやけどコミカルなタッチで、癒やし感あるカルト②やら、6時間以上にわたる家族・親族映画の、大河ドラマ映画のカルト③なども、大衆性のある娯楽作品どした。

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ほんでもって、本作についてや~。

イタリアでも地中海の漁村の島を、舞台にした映画どす。ローマやらを舞台にしたイタリアの本土都市もんが、映画的には圧倒的に作られとるんやけど、まあ、観光地として有名なシチリア島ロケもんもあるけど、本作は映画で初めて描かれた島どす。

アフリカからの難民たちを、その国的には非合法やけど、助ける人たちのドラマが、感動的に描かれておます。

助ける者と助けられる者のキズナ描写も、ドラマティックに紡がれます。

こおゆう映画って、わざとらしいかもしれへんし、日本ではそおゆうタイプはあんましないからアレやけど、しかし、なんでかココロにきよりまんねんで。

逼迫したところにおける、人と人のキズナは、何があっても泣かせるってことなんやろな。

モチ、そういうとこを意識して、映画を作ってはるんやろけども…。

いずれにしても、ラストシーンの俯瞰カットは特筆もんどした。

さて、本作鑑賞をより深める作品として、難民を擁護する、アキ・カウリスマキ監督の「ル・アーヴルの靴みがき」(弊ブログ内検索)を挙げときますわ。

とゆうことで、イタリア映画の明るい曙光が、見えてくるような1本どした。

2013年4月 9日 (火)

ユーロ映画特選①ケン・ローチ監督の新作「天使の分け前」どす

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カンヌ国際映画祭では常連監督どして、本作でも賞をゲットやー

酒をポジティブに描いた映画の、ナンバーワンやで!

http://www.tenshi-wakemae.jp

エイプリル4月13日のサタデーから、ロングライドはんの配給によりまして、東京・銀座テアトルシネマ、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、京都シネマ(4月20日から)やらで、全国漸次のロードショーでおます。

本作は2012年製作の、イギリス&フランス&ベルギー&イタリア合作のイギリス映画どす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ⒸSixteen Films, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve, Urania Pictures, France 2 Cinema, British Film Institute MMXII

ユーロ映画なんて呼称はないんやけど、本日より4日間にわたりまして、ヨーロッパ映画のイキのええとこをば分析してまいります。

さてはて、イギリスのケン・ローチ監督やて、みなはん、知ってはるやろか。ゴリゴリの映画ファンなら無論、よう分かってはるやろけど…。

世界3大国際映画祭(2月のドイツ・ベルリン、5月のフランス・カンヌ、9月のイタリア・ベネチア)では、受賞の常連はんどして、本作もカンヌで賞をもろてはります。

そういうタイプの監督とゆうのんは、もちろん、賞がヨーロッパの国で開催されとることもあるやろけど、実はヨーロッパには、そうゆう監督はんがケッコーいてはりまして、それでいて、アメリカのオスカー・アカデミー賞では、ピリッとしないとゆう方が多いようどす。

このケン・ローチも、オスカーとは縁がござりまへん。まあ、そんなユーロ監督のベスト・カルトも、いつかやろうとは思とるんやけど、取りあえずは、ケン・ローチのマイ・ベスト&カルト・スリーをば披露さしてもらいます。

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●ベスト⇒①マイ・ネーム・イズ・ジョー(1998年製作・イギリス映画)②本作③SWEET SIXTEEN(2002年・イギリス&ドイツ&スペイン)

●カルト⇒①大地と自由(1995年・イギリス&スペイン&ドイツ)②麦の穂をゆらす風(2006年・アイルランド&イギリス&ドイツ&イタリア&スペイン)③ルート・アイリッシュ(2010年・弊ブログ内検索で出ます)

●映画関係者の間で高い評価を得てるんは、戦争・紛争を描いたカルト①やら②なんやけど、戦争映画の定番系を、資金の潤沢なハリウッドとは違う方程式で描くカンジがあって、ケッサクやとは思うけど、ボク的にはベスト作品には入れまへんどした。

むしろ、戦争より人間ドラマに焦点を当てた作品の方が、ボクは個人的にも好きやし、観客の好感度も高いんやないかなと思います。

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酒に溺れるブルーカラー労働者を描いたベスト①、17歳の少年を現代的な問題性で描いたベスト③など、主人公のココロの痛みが、痛切に伝わってまいります。

しかし、一方で、シリアス系続きやと、しんどくなってきよりますわな。ほんで、フッと肩の力を抜いたような、本作みたいなんを見ると、オッ、ケン・ローチ、たまには映画で遊んでくれるやんかと、嬉しくなってきたりしよるんどすわ。

ほんでもって、本作やけど、酒をメイン・ソースに取り入れた作品としては、かつてないもんになっとりまんねん。

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さてココででんな、酒にまつわる映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをばやってみまひょか。

●ベスト⇒①本作②ウィスキー(2004年・ウルグアイ&アルゼンチン&ドイツ&スペイン)③昼間から呑む(韓国・弊ブログ内検索)

●カルト⇒①失われた週末(1945年・アメリカ)②酒とバラの日々(1962年・アメリカ)③マイ・ネーム・イズ・ジョー

●古来より、酒についての映画は、アル中やらの人間ドラマが、カルトの3本のように、メイン・ソースになっとるとこがありました。

つまり、そういう人間を描いた方が、キャラも含めてドラマ映えするんやろけど、一方で、前向きな方向性で酒を描く映画とゆうのんは、マレやったかと思います。

そこで、ヤッパ、ベストには酒は決して悪いもんやないとこを、少しでも取り上げた作品をボクは選びよりました。

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酔っ払って犯罪を犯してしもた人たちが、ムショに入る代わりに社会奉仕なボランティアをして、ウイスキーのディスティラー(調合師)の講習会をきっかけに、スコッチにまつわる酒のオークションで、ひと儲けカモろやないかと、写真に写ってはる4人が、1人のオッサンのアドバイスの元、ヤラはりまんねん。

コン・ゲームのノリの映画なんやけど、画面のそこかしこから、歴史あるプレミア級のスコッチに対する、敬意のキモチが、そこはかとなく伝わってきよります。

これまでのケン・ローチ作品にはない、コミカルなテイストに加え、痛快なラストまでスリリングで、目が離せまへんどした。

ブリット・ロックな歌ものサントラ使いにも、ノリがあって魅せられました。

ちゅうことで、ケン・ローチの一般普及版として、大いにおすすめいたしたい映画なんどすえ~。

2013年4月 8日 (月)

音楽ドキュメンタリー「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー」

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エチオピア、コロンビア、トリニダード・ドバコを巡る、音楽ロードムービーにして、現地実況スタイルの快作どす

最後には、かつてないような快曲をば、モノにするとゆう着地でおます

http://www.naoto-tabiuta.com

4月13日の土曜日から、東宝映像事業部はんの配給によりまして、全国各地イッセーのロードショーやらかします。

文=映画&音楽分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会

これまでの日本のミュージシャンとしては、特異なキャリアでのメジャー進出となった、ナオト・インティライミのアニキ。

世界、特に第三世界の各国を巡りもって、音楽ライブの可能性をば追求するとこなんぞは、あんましありまへん。

アメリカのポップ市場やったり、アメリカでのクラブ・サーキットなどを目指す、これまでのタイプとは、ある種真逆でおましょうか。

オルケスタ・デラ・ルスやら由紀さおりやらさえも、アメリカでのブレイクがポイントになっとりました。

そんなナオトの、ロードムービー&現地実況撮影やらの作りが、ライブやらがメインの音楽ドキュに、一石を投じるような仕上がりになりよりました。

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さてはて、ここで音楽ドキュのマイ・ベスト&カルト・スリーをば、勝手に披露させていただきます。

●ベスト⇒①ラスト・ワルツ(1978年製作・アメリカ映画)②ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年・ドイツ&アメリカ&フランス&キューバ合作)③ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間(1970年・アメリカ)

●カルト⇒①ボブ・ディランの頭のなか(2003年・アメリカ)②本作③【es】Mr.Children in FILM(1996年・日本)

●ローリングストーンズやビートルズにも名作はあるんやけど、ビミョーなとこでハズすようなことになりました。

ベストはコンサートもんが中心どすけども、カルトはユニークなんを選んどります。

ドキュやなくドラマ映画なんやけど、カルト①なんかは、クセになりそうな仕上がりぶりどした。

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日本もんは、やはり音楽もんは、相変わらず再販制に支えられた、セル・オンリーの状況が続いておますが、それでも、映画としての打ち出し方は進化しておます。

ミスチルのカルト③などは、プロモーション・ビデオの域を超えてはらへんかったと思うけど、本作は映画としてのスタイルが、キチンとしたドキュになっとりました。

エチオピアの世界最古とゆわれる、原住民とナオトの交流(写真5枚目&6枚目)。

コロンビアやトリニダード・ドバコ(写真3枚目&4枚目)では、本国の巨匠級シンガーとのコラボ・コンサートを、あくまで追求してゆくとゆう、ミュージシャンとしての向上心やら、スキル・アップをば見せてまいります。

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コロンビア・サイドでは、移動撮影と本人の述懐するアップで見せる、2分強の長回し撮影シーンが、トリニダードでは、多彩に繰り広げられる、お祭りダンス・シーンのイロイロが印象に残りましたやろか。

そして、そうした武者修行みたいな世界旅行を通じて、自らの音楽に磨きをかけるようなとこが、エエ感じどした。

東京に帰ってのスタジオ・レコーディング・シーンもまた、カットバック的に描かれてまいります。

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そうして、出来上がったアルバムのリード・シングル「Catch the moment」を、本編の最後の最後に披露しはります。

ハワイアンに映えるウクレレを、メイン楽器として使ってでんな、ジャマイカのレゲエ・タッチをフィーチュアした、ミディアム・ナンバーが、映画の主題歌として歌われよります。

レゲエとハワイアンを融合した、ジャワイアンなる音楽もあるんやけど、この楽曲はそのイメージを超えて、ポピュラリズムを獲得した、稀有なる快曲やと分析いたします。

ナオトのニュー・アルバムを、ぜひ買って聴いてみたいと思わせるような、ほんな作品でもありました。

2013年4月 7日 (日)

「映画はなかっぱ 花さけ!パッカ~ん♪ 蝶の国の大冒険/同時上映 ザッツはなかっぱミュージカル パンとごはん、どっちなの!?」

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テレビ・アニメからの昇格系による、映画劇場版でおます

短編と長編の2本立て、っちゅう楽しさどす

http://www.eiga-hanakappa.com

エイプリル4月12日のフライデーから、東宝映像事業部はんの配給によりまして、全国ロードショーでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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Ⓒ2013 あきやまただし/映画はなかっぱプロジェクト

テレビ・アニメの映画版・劇場版とゆうのんは、日本では1960年代の後半あたりから出てまいりました。

これまでにソラ恐ろしい数のタイトル数が、DVD化もされとるんやけど、中でも本作は、NHKのかつての教育テレビのEテレからの劇場版でおます。

かつては「忍たま乱太郎」なんぞが、ビデオ化されとりますが、NHKアニメとゆうのんは、珍しおますもんがあるかと思います。

しかもでんな、お子チャマを退屈させへんような、ファミリー映画の在り方をば、緻密に追求してはるとこに、隠し味的な驚きポイントがありましたえ。

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お子チャマてゆうたら、大たいがウズウズグズッて、映画館でじっと見てるシーンなんぞは、あんまし思いつけまへん。けども、本作はそういう心配があんましないような、仕上げをばしてはります。

つまり、メッチャ分かりやすい点。

ほんで、短編と長編に分けて展開する、2本立て編成。理屈抜きに楽しめるミュージカル編(写真2枚目&3枚目)と、仲間たちのキズナを描く「ドラえもん」的な作りの、長編の本編(それ以外の写真)。

この2つが、話の連関性もなく、それぞれで楽しめる作りになっとります。

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まずはミュージカルな音楽で、コドモらを楽しませようとヤッテはります。

ブタとパンダ、パンとごはんとゆう、反意性のもんをしつらえもって、コドモにも分かりやすいスタイルでスムーズに展開しよります。

まあ、映画的には「ウエスト・サイド物語」(1961年・アメリカ)なんぞを思い出させてくれはる、ミュージカル・シーンなど、親御さん世代の映画ファンにも、遡及するとこがござりまっせ。

でも、あくまで、ポイントは幼児にもノレるお話でおます。

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コドモのオカンたちが、声・江角マキコ女王が率いる、チョウチョ軍団にラチされてしまいまして、いろんなコドモ・キャラたちが、オカンを探しにいくちゅうロードムービー。

ほんで、その後のスリリングな流れを、見せてゆかはります。

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズみたいな、複雑系のロードやなく、分かりやすくて楽しいとこをば基本にしてはります。

江角マキコのネーさんのツッパリ系やら、なんでか関西弁の松嶋尚美ネーさんの声やらが、オモロイリズムを奏ではります。

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ラストロールでキャッチーな曲「Lien」が流れる、Every Little Thingのボーカリスト持田香織ネーと、ギタリストのイックンこと伊藤一朗アニキも、ワンカットで声優として参加しはりまして、オモロイとこをば披露してはります。

ほんで、「ドラえもん」より薄い色合いで、和みやら柔和なカンジを出さはって、さらに、手書きによる動きの少ないシンプルさが、コドモはんの動体視力にも、十二分に応えられるカタチとなっておます。

「ドラえもん」並みにヒットしてもおかしゅうない、キャラクターも豊富どすえ。

ちゅうワケで、シリーズ化されても、おかしゅうない1本でおました。

2013年4月 6日 (土)

韓国映画の今④「容疑者X 天才数学者のアリバイ」でおます

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日本映画「容疑者Xの献身」の、韓国映画バージョンでおます

福山雅治クンの主人公役を、ハズした大胆な作りが、功を奏した作りや~

http://www.yougisha-x.net

4月20日サタデーから、ツインはんの配給によりまして、シネマート六本木、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 CJE&M CORPORATION, All Rights Reserved.

さてはて、いきなりやけど、韓国映画のミステリー・サスペンス映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露させていただきます。

●ベスト⇒①JSA(2000年製作)②シュリ(1999年)③殺人の追憶(2003年)

●カルト⇒①本作②オールド・ボーイ(2003年)③グエムル 漢江の怪物(2006年)

●本作をカルトの1位にしましたけども、はっきりゆうて、ベストの方とすり替えても、なんら違和感のないケッサクどした。

カルト②の日本の漫画を原作にした作品と同様、モチみなはんの方がよう分かってはるやろけど、本作は日本の東野圭吾アニキのミステリーが原作でおます。

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とはいえ、日本版の映画化として「容疑者Xの献身」(2008年・日本)が作られておます。

ボクもこの作品については、「キネマ旬報」などで評論させてもらいましたけども、結論から申しますとでんな、本作の方が映画的に上の仕上がりになっとるかと、ジャッジいたしました。

本作では、原作や日本版映画でキモになっとるところの、ガリレオ探偵こと福山雅治が扮した主人公を、思いきってハズすスタイルで、物語をば紡がはりました。

柴咲コウもいてはりまへん。大きな冒険どす。

原作者の東野はんも、少々不服に思たとこらしいどすけども、コレが大いに功を奏するカタチとなりました。

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刑事側と犯人側の両極が際立ち、さらに、その両者の駆け引きやらが、サスペンス度合いを高めるような作りになっとるからです。

また、原作の汚点てゆうたらアレやけど、被害者のDNA鑑定のあり方を、指紋を削るとゆうカタチで対応してはるとこどした。

原作では、被害者の血液型が分からないとゆうとこから、話を進めてはったからどす。防犯カメラ部やら、筆跡鑑定部なども、原作を超えるような説得力を持たせてはりました。

いやはや、原作の瑕瑾を補う作りは、それだけでも原作を超えたと、言えるんやないでおましょうか。

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数学より美しいとゆう、愛に目覚めた主人公役のリュ・スンボムのアニキ。

不器用な男の片思いラブ・ストーリーとしてのとこが、ミステリー部に対する一方のメイン・テーマになっとりまして、そこんとこが、感動と泣きを呼ぶ作品になっとります。日本版にはなかったとこでおましょうや。

堤真一がやった役も良かったけど、リュ・スンボンの方は出番も多く、その内省的・内向的な性格演技をば、堤はん以上にやってくれはりました。

加えて、松雪泰子はんがヤラはった役を、イ・ヨウォンのネーさんがヤラはりましたけども、しゅくしゅくとした冷静ぶりは松雪ネーと、甲乙つけがたい演技ぶりやったやろか。

スロー・モーションのカットなど、グッとくる印象深いシーンもありましたえ。

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ほんでもって、特筆すべきは作品性に合わせて、薄暗いカンジで画面を統一してはるとこどした。

ここに載せた全ての画像は、総じて薄暗いでおましょう? この暗みが本作の作品性をば支配しとります。

ほんで、静かなシーンをチビチビ束ねてゆく編集力やら、いろんな推理部の伏線部を、切り返しカットの積み重ねで束ねてゆくとこらなどが、見たあとにグッと、なるほどな~とクルとこやろかと思います。

ラストの映画的感動のためにあるような、ミステリー・スパイスが際立つ、ミステリー映画の王道映画どす。

ぜひ日本版と見比べてもろて、ボク的には、個々人の意見や感想がメッチャ聞きたい1本でおました。

ちゅうことで、久々に見た韓国映画のケッサクどしたえ。

2013年4月 5日 (金)

韓国映画の今③新テイストのラブコメ「恋は命がけ」でおます

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ソン・イェジンのネーさんの最新作やて? みなはん、分っかりまっかー

ホラー・ラブ・コメディちゅう新たなジャンルやて? ホンマでっかー

http://www.cinemart.co.jp

エイプリル6日の土曜日から、ツインはんの配給によりまして、大阪・シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーをヤラかしまっせー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2011 CJE&M CORPORATION, All Rights Reserved.

ソン・イェジンのネーさん。みなはん、知ってはりまっかー。

知らん人にスタデイしよりますと、韓国映画として日本の映画興行界において、最高興収を刻んだ「私の頭の中の消しゴム」(2004年製作・韓国映画)で、アルツハイマーのヒロイン役をやってはった方どして、韓流俳優のカリスマのペ・ヨンジュンと共演した「四月の雪」(2005年・韓国)でも、日本では有名な女優はんでおます。

ああ、思い出したわ、ナンチュー方もいてはるやろかと思いますが、韓国四天王ナンチューカンジで、男優はんが主流になっとるけども、ココで、唐突ながら、韓国映画女優のマイ・ベスト&カルト・ファイブをば、披露させていただきます。

●マイ・ベスト⇒①イ・ヨンエ②ペ・ドゥナ③チョン・ドヨン④ムン・ソリ⑤キム・ユンジン

●マイ・カルト⇒①チェ・ジウ②ソン・イェジン③チョン・ジヒョン④ハ・ジウォン⑤イム・スジョン

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●いちおうは挙げてみたけど、みなはん、何人が顔と共に分かりましたやろか。

カルト①やらベスト①で止まってはる方は、失礼ながら、現在の韓国映画・韓流ドラマから、相当遠ざかってはる方でおましょう。

現在形をスタデイしたいとこやけど、このあとの韓国映画特集でもやってまいりますんで、全部をご覧くださって、イロイロ考えてくだされば幸いどす。

でも、今はかつての女優はんより、新しどころがケッコー活躍してはるんやけど…。

いちおう、演技派をベストに、アイドル系をカルトの方に、並べるカタチにはなったんやけど、本作主演のソン・イェジン・ネーはやっぱし、コッチ系のうるわしきアイドルやと自己判定いたしました。

むしろ演技派よりも、この種の、主演女優のための映画となると、やはり主演女優の好感度具合が、最も重要視されるでおましょうか。

演技を見せるんやなく、好感度を見せるとゆう映画どす。ほんで、彼女はそれにでんな、ものの見事に応えはりました。

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本作は、本邦公開映画での彼女初の、コメディエンヌぶりを見せはります。

ホラー映画ノリを幻想シーンで見せつつも、基本ラインはラブコメどす。

でも、彼女がみんなを、笑わせたろかいや~なシーンはありまへん。

それでも、彼女の立たずまいには、ある種の威厳めいたもんがあったと思います。

その意味では、本作を見る前には、彼女の代表作を、DVDのレンタルででも、見ておいた方がエエかと思います。

ホラー・コメディ…ナンチュー領域をやったてゆうてはるけど、怖がるホラー度合いは、ほとんどありまへん。

むしろラブ・ストーリーとしての道行に、少しオリジンがあるようなタイプの映画どした。

“ホラー映画のヒロインは恋をしない”ナンチュー、ストレートなセリフが少々耳ざわりやったけど、基本ラインは韓国映画の王道のラブ・ストーリーでおました。

かつての恋愛もの韓国映画にハマッた方には、ピッタリの作品やと思います。

トンデモなサプライズ・シーンにもビックリやけど、もっとロマンティックが欲しかったナンチューボクの思いは別にして、韓国の恋愛映画の、現在形を示す1作でおます。

2013年4月 4日 (木)

韓国映画の今②トンデモ夫妻映画「僕の妻のすべて」でおます

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メチャクチャなヨメが「猟奇的な彼女」みたいに、イロイロヤッてまう映画どす

イム・スジョンのネーさんの1人舞台やで~

http://www.cinemart.co.jp

4月6日のサタデーから、ツインはんの配給によりまして、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーやー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 UNITED PICTURES & SOVIK VENTURE CAPICTAL, ALL RIGHTS RESERVED

韓国映画のラブ・ストーリーは、イロンなカタチやらテイストをもって、進化してまいりました。

ほんで、本作は夫妻映画の、トンデモな1本となりよりました。

欧米やら日本の恋愛映画にはないとこがあります。韓国映画においては、ハリウッド映画としてもリメイクされた「猟奇的な彼女」(2001年製作・韓国映画)など、サプライズも含めて、ユニークでハットトリックな作品が多いどす。

まあ、ストレートなんも多いんやけど、本作は夫妻映画の、かつてないようなラブコメぶりをば披露してはります。

そのキモになるとこは、ヨメはんのハチャメチャなとこでおます。

震災(東日本大震災時か)があった、日本の名古屋で出会った、2人の男女韓国人。この2人が結婚しての、その後が描かれてまいります。

ヨメ役のイム・スジョンのネーさんの、トンデモ・コメディエンヌぶりに、まずは驚かされましたがな。のべつまくなしに喋ってはるだけやなく、トンデモ寄行ぶりが披露されてまいりまんねん。

例えば、トイレにいてる夫に朝食を持っていったり、冷蔵庫にタバコを入れて、冷や冷や感がエエねんなんて、おいおい、なんやねん、この女は!感が、本編の前半において、メッチャ披露されてきよります。

ところで、イム・スジョンやて、みなはん、知ってはりまっかー。スリムでタイトでかわいい系どして、「猟奇的な彼女」で有名にならはった、チョン・ジヒョンのネーさんの外形・容貌ぶりをば思い起こさせはります。

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でも、チョンネーさんより、演技における振り幅は大胆にして怪奇。時に、おいおいと、ツッコミを入れとうなるような演技ぶりどす。

まさに前半は、スジョンネーさんの独壇場やー。時に、そんなリアリティーのない、アホな~ナンチューシーンが、ままあるんやけど、このあたりが本作のメイン・ソースの一つやろか。

ほんで、そんなヨメと離婚したいがためにでんな、なうてのプレイボーイに夫が、ヨメと不倫のフォール・イン・ラブしてもうて、その末に別れる口実を作るナンチュー、アホな作戦をばオオマジにやらはりまんねん。

ラブコメの定番をそこかしこで、ハズしてゆかはる展開が、妙に心地よい仕上がりになっとります。

夫役のイ・ソンギュンのアニキやら、ヨメの不倫相手役とならはる、リュ・スンリョンのアニキ。どっちも、韓国もんにハマッてないと、よう分からへん男優はんやけど、そのどちらのマジ・モードでゆく、コメディアンな演技ぶりにも魅せられました。

ソンギュンがツッコミで、ボケがスンリョン、てな按配どすか。

マリリン・モンロー・ネーさん主演の「七年目の浮気」(1955年・アメリカ)やとか、モチ「猟奇的な彼女」なんぞを濃厚に、思い出させてくれはる映画どした。

後半は、グッとキマジメ・モードで展開しよります。着地部は、この種の映画の定番的なカンジやけど、偶然と運命をポイントにした、新しさで魅せてくれはります。

韓国映画のラブコメの独特なカンジに酔ってくだされ。

2013年4月 3日 (水)

韓国映画の今①パニック・ムービー「ヨンガシ 変種増殖」でおます

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新種の疫病の蔓延ぶりを描かはった、韓国発パニック映画どすえ~

「グエムル~漢江(ハンガン)の怪物」と比較してはるけども…

http://www.cinemart.co.jp

4月6日のサタデーから、ツインはんの配給によりまして、シネマート心斎橋やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2012 CJE&M CORPORATION, All Rights Reserved.

韓流ドラマは今もそれなりに、日本でもやっとりますが、韓国映画の方はどないでおましょうか。

“韓国映画の今とはどないやねん?”とのことで、4日連続で韓国映画を分析してまいります。

韓国映画は本国では、年間100本以上にわたり作られて公開されとるんやけど、DVD直もあるんやけど、劇場・映画館では日本未公開のままに終わってまう作品が、最近では多々ござります。

「シュリ」(1999年製作・韓国映画)やら、「私の頭の中の消しゴム」(2004年・韓国)などが、日本興収10億円以上を稼いではりましたけども、最近の韓国映画は日本では大ヒットに結びついてはおりまへん。

なんでやねん? やけど、もともと韓国映画は、韓国テレビドラマの日本での大ヒットの嵐をば受けて、それなりに売れとっただけ、っちゅうとこがあるんですわ。

ピークがあったんかどうかも、分からへんままにでんな、今は流れてるようなとこがあり、素晴らしき韓国映画が、日本では正当に評価されるような、環境にないように思います。それでも、エエ感じの映画は、ケッコーありまんねんで。それをば一緒に探してみまひょ。

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本作は韓国では珍しおます、パニック・ムービーどす。

ウイルス型のモンスター・パニック映画の「グエムル~漢江の怪物~」(2008年・韓国)などが、日本でも評価は高おしたけども、本作は、モンスターは残念ながら出よりまへん。

新種の疫病やらインフルエンザなどで、ワクチンのない中、人々が群衆的にパニックに陥ってゆくとゆうのんが、本作のキモになっとります。

ちゅうことで、唐突に、この系列のパニクル映画の、マイ・ベスト・ファイブをば披露さしてもらいます。

●①ホスピタル(1971年・アメリカ)②アウトブレイク(1995年・アメリカ)③復活の日(1980年・日本)④本作⑤パンデミック(2011年・アメリカ)⑤感染列島(2008年・日本)

●いつものような、ベスト・カルト・スリーにせえへんかったんは、この種の映画で映画化されたんは、カルト(今までにないようなもん)をテーマにするんは、ほとんどなかったからでおます。

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ところがどっこい、本作はこれまでに描かれたことがない、未知の疫病へと侵攻してまいりましたがな。

ハリガネムシやなんて、おいおい、なんやけど、バッタやカマキリに寄生する、そのミミズみたいなんがやね、突然変異体として、人間に寄生しよったらどないなるねん? が本作のポイントでおます。

寄生しとるヤツが欲しがるんで食欲旺盛になり、ほんで、渇きを覚えて水が欲しくなって、海やら川やら浴槽やら水槽やらへと入りこんで、一気に飢餓状態になって死んでまう。ナンチュー恐ろしい病気やねん。

道尾秀介のミステリー小説「ラットマン」(2006年)で、そのハリガネムシについて描かれとったけど、こうゆうカタチで大胆にヤラレると、寒気が増してまいりまっせ、ホンマ。

製薬会社の営業マンとその家族、弟、弟の彼女を絡めた、治療薬争奪の流れはサスペンス度合いが高かったやろか。

この種の映画では、定番やもしれへんけど、ラストのサプライズ・エンディングにも、驚いてくだされ。

2013年4月 2日 (火)

東日本大震災後の被災者を捉えはった、人間ドキュメンタリー「先祖になる」

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「老人と海」の執念が静かに感じられる、邦画ドキュの傑作どす

何ゆうてんのか分からなくても、そのココロは分かる、談話シーンに痺れまっせ~

http://senzoninaru.com

4月6日の土曜日から、蓮ユニバースはんの配給によりまして、大阪・第七藝術劇場、京都シネマやらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸRen Univese,Inc.

2013年今年の邦画ドキュメンタリーの、ベストワン級の仕上がりを示さはった傑作です。

東日本大震災関連のドキュメンタリーやら、ドラマ映画は、発生してから2年余りの間やけど、50本以上のタイトル数が出ておます。

震災をそのままストレートに、あるいは硬軟両様を入れて、そして被災者側視点、関係者視点やらで、2年ちょっとやけど、ソラ、びっくりするくらい、イロンな映画が作られてまいりました。

そんな中でも、本作は特異な位置づけができよります。

1人の被災者の、どこまでも前向きな視点による生き方を描き、とことんさわやかにしてでんな、勇気さえもらえるような作品になっとります。

まあ、被災者映画の定番をば、大きくハズさはる映画でおますやろかな。

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息子は津波に呑まれてもうて、死んでしもた。でも、息子のヨメはいてはりますし、老人主人公の妻も健在どす。そやけど、主人公はヨメや妻が行っても、仮設住宅には行かず、瓦礫の荒野と化した、陸前高田の生家・地元で、ズーッと住む決意をばしはり、それを実行しはりまんねん。

そして、住み慣れた古い家を壊して、新しい家を建てようとしはります。

田畑を耕して自供自足のカタチを整えもって、森林伐採して建築資材を確保しはります。

先祖代々を守る執念と言いますか、その執念には「老人と海」(1958年製作・アメリカ映画)も、かくやと言うべきようなとこが、あったようにも思いました。

ふるさと再生の物語とゆうような態のエエ言葉では、彼の行動は説明できまへん。まあ、執念なんやけど、「老人と海」ほどには、逼迫した何かはありまへん。

けども、チェーンソーで木を切る音のクセになりそうなとことか、瓦礫の町になってしもたけど、それでも頻出する夕景やらの美しきシーンに、うっとり魅せられたりとか、反比例するかもしれへんけど、執念と癒やしがまぶされた独特な感覚が、本作のオリジナル・ポイントでおましょうか。

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主人公へのインタビューは、かなりと出ます。何をゆうてはるんか、よう分からへんとこも、あるにはあります。

けども、分からなくても、雰囲気で何となく分かるようになっとりまして、意味も分からへんのに、つい意味もなく泣けてきたり…なんてとこもあるんどす。

「ローマの休日」(1953年・アメリカ)を、もう1回見てみたいとゆう主人公。ほんで、冒頭から、「おはよう! 今日も頑張りましょう!」と、明るく叫ぶ主人公の姿に、とことん魅せられる作りになっとります。

被災人間の域を超越した生き方に、間違いなく元気がもらえる一本どした。

2013年4月 1日 (月)

ハリウッド映画の今③「ヒッチコック」どす

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アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」を巡る、メイキング映画でおます

スカーレット・ヨハンソンのネーさんやらが、イキイキの演技を披露しはりました

http://www.hitchcock.jp

エイプリル4月5日のフライデーから、20世紀フォックスはんの配給によりまして、TOHOシネマズ梅田やらで、全国ロードショーでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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Ⓒ2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved

ネタ切れがかしましい、ハリウッド映画の現状やけど、ネタ切れのないような、映画関係者の実話ノリの映画が、ケッコー出てまいっとります。

ほんで、本作はサスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督の、最高傑作にして最大ヒットとなった「サイコ」(1960年製作・アメリカ映画)の、製作過程を見せてゆく作品どす。

ちゅうことで、ココで俳優を除いた、映画関係者を描いた実話映画の、マイ・ベスト&カルト・スリーをば披露させていただきます。

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●ベスト⇒①本作②エド・ウッド(1994年・アメリカ)③ある映画監督の生涯 溝口健二の記録(1975年・日本)

●カルト⇒①チャーリー(1992年・アメリカ)②カポーティ(2007年・アメリカ)③真実の瞬間(とき)(1991年・アメリカ)

●映画監督を描いた映画とゆうのんは、それなりにあるんやけど、本作はベスト②③を抜いた、ドラマ映画的の快作やったです。

カルト①の監督・主演のチャーリー・チャップリン、原作者にして脚本家のカルト②、ハリウッド映画界の大事件・赤狩りレッド・パージを描いた、カルト③やらもスゴイんやけど、本作はかつての巨匠監督を描いた点においては、傑出した1本となっとります。

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ヒッチコック監督ことヒッチの、薀蓄にあふれた作品でおます。

「北北西に進路を取れ」(1959年)やら「めまい」(1958年)やら「間違えられた男」(1956年)やら「バルカン超特急」(1938年)「見知らぬ乗客」(1951年)「鳥」(1963年)やらが、メッチャ出てまいります。

さらに、オファーを蹴った「アンネの日記」(1959年)やら、「007カジノ・ロワイヤル」(1967年・イギリス)なども、映画ゴコロをばそそります。

「サイコ」のメイキングを見せる映画ながらも、ヒッチ夫妻を描く夫妻映画としての、打ち出し方とかなんぞにも、サプライズ感がありましたやろか。

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役者陣の熱気もまた、モチ本作のキモでおます。

「サイコ」のヒロイン役ジャネット・リー役をやらはった、スカーレット・ヨハンソンのネーさんの、思いっきしのなり切り演技やら、アンソニー・パーキンス役、トニ・コレット、ジェシカ・ビールの各ネーさんの、サポート演技ぶりなどに、魅せられましたで。

ヨハンソン・ネーの、「サイコ」のシャワー・シーンの造形ぶりなど、キューンときましたで。モチ、ヒッチコック監督役のアンソニー・ホプキンスはんやけど、「羊たちの沈黙」(1991年)「ハンニバル」(2000年)やらを、超えるような快演技ぶりどしたえ~。

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ヒッチのヒッチ作品らしさを示すシーンなどにも、グッときよりました。

サイコの元ネタのエド・ゲインと、監督の幻想シーン。

大仰なオーケストラ・サントラの使い方にも、魅せられました。

ヒッチ映画は弊ブログでも、「鳥」「レベッカ」(弊ブログ内検索で出ます)やらを分析しとります。

後日には、DVD化されとる「サイコ」についても、分析いたしまっせー。

ちゅうことで、ハリウッド映画の実話新次元をば、体感できるケッサクどした。

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