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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2012年4月26日 (木)

シリーズ第3弾「SR3 サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」やー

Sr3
ジャパニーズ・ヒップホップ系ムービーでも、音楽に合わせた映画性でやらはりました

ヤケクソ感ある主人公の生き方は、「勝手にしやがれ」なんぞへとつながりよります

http://sr-movie.com/

5月5日のジャパニーズ・チャイルド・ホリデー・サタデーから、SPOTTED PRODUCTIONSはんのディストリビュートによりまして、大阪・第七藝術劇場やらで、全国順グリのロードショーでおます。

文=映画・音楽分析評論家=宮城正樹

Ⓒ2012「SR3」製作委員会

ヒップホップちゅうのんは、かつては日本にはない音楽ジャンルでおました。1980年代頃に、アメリカの黒人たちのココロの暴発的衝動から、コトバ(ライム)を紡ぎ出すラップとゆうスタイルから始まっとります。ランDMCなんぞはビルボードの1位になって、そのジャンルをメイン・ストリームへと押し上げはりました。

でも、日本では、黒人ほどの内的衝動がなく、どちらかとゆうたら、メロディの限界を感じたポピュラー音楽界で、リズムとラップで適当にやってまうとゆうカンジやったんやけど、キングコングやDragon Ashの登場でガラリと変わったように思います。

いわゆるライムの持つ不良性を打ち出し、日本の若者たちの心情を伝える表現音楽として、日本にも定着することと相なりました。その後、ケツメイシが大ヒットで続き、最近ではキマグレンなんぞがヒットしておます。

そんな中で、本作で主演格として登場しはるメイン・チームは、埼玉県のヒップホップ・ラッパー・チームの「SHO-GUNG」(ショウグン)どす。

Sr31
今やヒップホップ・チームはアマチュアまでゆうたら、そら、日本にはウジャウジャおります。

いわゆる音楽の3大要素(メロディ・リズム・ハーモニー)でゆうたらでんな、ヒップホップはリズムだけ。しかも、楽器が弾けなくても、歌唱力がなくても、自己流の踊りと歌詞内容で、誰にでもできそうなカンジがあるからやけど、でも、やはり、ポイントとなるんはライムどす。

何を伝えたいのか。でもって、伝えたいことの勢いやらパワーやらでおましょう。ほんで、本作はなんやしらんワケ分からへんけども、その熱気がビビーンと、伝わってきよる作品でおました。

埼玉の3人チームやったんやけど、メイン・ラッパーの奥野瑛太クンが1人出てひと旗あげようかと上京。けども、ヒップホップ争いで先輩ラッパーをボコボコにし、恋人と共に栃木へと逃げはります。ほんでもって、そこでもエライことになるっちゅう展開でおます。

Sr32
この主人公のヤケクソ感は特注もんどすえ。まあ、大げさかもしれへんけど、ヌーヴェル・ヴァーグの名作「勝手にしやがれ」(1959年製作・フランス映画)のジャン・ポール・ベルモンドか、日本なら「青春の殺人者」(1976年・日本)の水谷豊かっちゅうカンジを出してはります。

2分、3分の長回しを皮切りに、クライマックスは15分のワンカット、ラストの拘置所面会シーンも9分ワンカットなど、シリーズ3作をずーっと監督してはる入江悠監督のアニキの、映画撮影的こだわりにも注目ポイントがありまっせー。

これらの長回しの多用は、ヒップホップ的なリズムを、構築するためやろかと思います。ヒップホップのある種ルーズな感覚を映画に移植するのは、かなり難しいワザやろけど、それを達成しはった稀有なシリーズでおましょう。

アメリカにも傑作はそれなりにあるんやけども、本作は日本のヒップホップ音楽ドラマ映画の、金字塔とも言える傑作どすえ~。

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