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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2010年3月の記事

2010年3月31日 (水)

ドキュメンタリー映画「ただいま それぞれの居場所」

介護ドキュメンタリーを装いつつ

人と人のキズナへと着地する群像劇映画でおます

http://www.tadaima2010.com

4月17日(土曜日)から、東京・ポレポレ東中野やら、5月1日(メーデー)から、大阪・第七藝術劇場やらで、全国各地順グリのロードショーやらかしはります。配給は安岡フィルムはんでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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介護ドキュメンタリーでおますが、ただのドキュメンタリーやおまへんでした。

介護する者たち、介護される者たちの、それぞれの人生と現在の生活描写に加え、人と人の絆、そして、家族の絆へと着地する、感動できよるドキュメンタリーでおます。

見ていくと時々、ああ、介護事業所の変哲もない話かいな、と思う時もあるんやけども、そのフツーっぽい描写が、のちのちに、見たあとに、じんわり効いてきよるんですわ、コレがね。

介護される人たちは、ほとんどが後期高齢者でおます。一番若い人で58歳のおとーちゃんでおます。時おり、かつてございました、老人ホームを舞台にした群像映画の「旅路の果て」(1946年製作・フランス映画)とか、老人たちが犯罪に手を染める「死に花」(2004年・日本)とかを、不意に思い出させてくれるとこもござります。

しかし、当たり前でおますが、あくまで、ドキュメンタリーでおますんで、現実をそのまま映しとらはります。ところが、その現実にいてはる介護され老人キャラが、いろいろいてはって、多彩ちゅうたら語弊があるやも分かりまへんけど、個性的で楽しくてオモロイんでおます。

しかも、それぞれの老人たちが、実は介護される側やのに、介護する人よりイキイキしてはるので、ビックラこきましたで。また、試写室を出た時に、こんなやりとりもありました。「あなたはどのタイプの老人や」とか「どのタイプの老人になりたいか」とか、そういう会話がなされるなんて、おもろうおますでしょ? 

今いてる居場所が分からなくなってしもて、「うちの家(介護施設)をこんなにしやがって」と、突然のようにわめきたて、介護者をドヅキ始めるおばあちゃん、タイトルのポイントにもなっておます、脳梗塞にかかって脳に傷害が残った夫と妻の逸話なんか、心にビビッときよります。

施設を訪ねてくる家族たちとの絆描写もいいのでおますけども、介護する側の話も映さはります。夫妻と赤ん坊で施設をキリモリしてはる、写真の3人家族とか、父母が既に亡く、祖父と介護施設に勤めてはる孫の、2人暮らしの家庭の様子とか、ちょっと変わってる家庭の様子なんぞも捉えはるんだす。

介護保険制度導入より10年とゆう、介護ドキュメンタリーの体裁を装いつつ、若者たちと老人たち、でもって家族のココロの触れ合いを、何げに描いた心地よい作品でおました。

Ⓒ大宮映像製作所

2010年3月30日 (火)

音楽映画「オーケストラ!」

オーケストラ楽団の夢をば見せる、音楽情熱ドラマ映画やー

しかも、母と娘のキズナまで紡がれよります

http://www.orchestra.gaga.ne.jp/

4月17日(サタデー)から、東京・Bunkamuraル・シネマやらで先行上映で、関西では、5月1日(メーデー・サタデー)から、梅田ガーデンシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹やらで、クラシックは素晴らしおまんな、ロードショーでおます。全国各地、順グリに回ります。映画の配給会社はんは、ギャガ GAGAはんどすえー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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かつて達成でけへんかったことに、再チャレンジしやはる人間たちの、ドラマ群像劇フレンチ映画でおます。加えよりまして、母がイロイロあってできへんかったことを、娘がチャレンジしていくとゆう、母と娘のキズナを描く感動性もござるのでおますよ。

クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(2009年製作・アメリカ映画)で、映画史に残りそうな女リベンジャー役を演じはりました、フランス女優はんのメラニー・ロランちゃんが、アップ多めに、その魅力をば全開しやはりました。

冒頭は、オーケストラの各プレイヤーはんたちが、弾いてはる手のアップやら、指揮者のアップやらで、このドラマの音楽映画的な方向性を示さはるんどす。

で、今や楽団の中でも、そうじ係に身をばやつしてはる主人公が、登場しはります。かつてロシアのボリショイ交響楽団のエース指揮者やってはったんですが、1980年のブレジネフの時代に、コンサート中にえらい目にあわはりまして、結局、演奏は中止となり、その時に指揮してたチャイコフスキーの「協奏曲」は中途ハンパのまま終わりました。

コレを何としても、最後まで演奏・指揮したいとゆうのんが、主人公の積年の願いでおます。そんなところへ、フランスはパリの有名劇場から、ボリショイへFAXされた演奏依頼状をば、主人公がそうじがてら、盗まはって、で、ボリショイになりすまして、かつて演奏できなかったメンバーたちを招集し、自らが指揮者となって、いざパリへ行ったろやないかいなと、計画しやはるのでおます。

かつて上の命令とはいえ、演奏中止させた元KGBの男との、何ともいえへん友情ぶりであるとか、メラニー・ロランちゃんをバイオリン客演に迎える話とか、主人公とロランちゃんとの話し合いとか、楽団として何人も集めんといかん、その一部、「七人の侍」(1954年・日本)もどきのスカウトぶりであるとか、随所に、胸にきよるシーンが挿入されておます。

でもって、クライマックスの感動的で壮大な演奏シーンがやってまいります。

観客視点はなく、演奏者・指揮者のアップ、バストアップなんかをスピードフルにモンタージュ、つまり編集していき、過去のシーンを脱色・モノクロでつなげはって、ラスト15分で一気に過去の真相を見せていくシークエンスに、ボクチンはアゼン・ボーゼンとなりよりました。

クラシック音楽映画のケッサクが、また1つ誕生した瞬間でおました。

Ⓒ2009-Les Productions du Tresor

2010年3月29日 (月)

レオナルド・ディカプリオ主演映画「シャッター アイランド」

レオ様がトンデモネー複雑系の演技を披露しはりました

マーティン・スコセッシ監督のミステリー映画のケッサク

http://www.S-island.jp/

4月9日(フライデー)から、TOHOシネマズ スカラ座ほか、全国ロードショーでおまして、映画の配給会社は「パラマウント ピクチャーズ ジャパン」はんでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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原作はデニス・ルヘインのミステリー小説でおます。デニス・ルヘインと申せばでんな、クリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」(2003年製作・アメリカ映画)なんかが有名だす。でもって、本作もミステリー色コッテリの映画となりよりました。

マーティン・スコセッシ監督が、レオ様ことレオナルド・ディカプリオとコラボレートしはって、またまたキョーレツなんを撮らはったんでおますよ。

まあ、本作は、過去のいろんな作品とシンクロナイズするのでおますが、1作でも例をば出した時点で、何もかもオジャンになってしまうとゆう、取り扱いご注意のカンジの作品となりよりました。

1954年の、今から半世紀以上も前の話です。イントロはアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」みたいな、孤島ミステリー系のノリで始まるんでおますが、それが、いつの間にやら、全く違ったものへと変貌してしまうとゆう映画なんでおます。

でもって、この孤島では、えらい犯罪を犯した人たちが集まってはりまして、収容所といいよりますか、そんな人たちを治療する精神病院とゆう趣きだす。さっそうと捜査で登場しはったレオ様でおますけども、さまざまなる難関やら、トンデモないことが待ち受けておますのでした。

密室状況から逃げて失踪しはった女患者はんを、探すとゆう捜査なんでおます。しかし、コレが単純なようでいて、複雑系になっとります。

ちなみに、刑事役のレオ様ですけども、夜の夢を含めまして、いろんな幻覚を見はります。従軍してはった第二次大戦中の、ナチスのユダヤ人収容所でのトラウマとか、帰還してからアル中になり、家族(妻と3人のコドモたち)との逸話とか、かなり計略的に、ストーリーを展開していかはります。

もちろん、真相はスゴイことになりよるのですが、イギリス俳優のベン・キングズレーはじめ、ドイツ俳優のマックス・フォン・シドーやら、このカラクリのために、緻密な演技を披露してはります。

また、ユニークな撮り方も多々ござります。雷鳴の白色カット、焚き火の火が燃える中で、主人公と重要人物とのやり取りなど、いろんな迷宮めいたシークエンスが続きよります。

「怪物として生きるか、人間として今死ぬか」のレオ様のセリフもまた、イミシンでおました。ミステリー、ある種サイコ・ミステリーとも言える、この映画にボクチンは深くハマッたことを告白しまして、シメといたします。

Ⓒ2009 by PARAMOUNT PICTURES.  All Rights Reserved.

2010年3月28日 (日)

法廷劇映画「密約 外務省機密漏洩事件」

「事件」やら「砂の器」やら、1970年代を思い出させてくれよる昭和映画やでー

ニッポンとアメリカでは、いっぱい密約があったらしい、今に通じるコワイお話でおます

http://www.密約.jp/

4月10日(サタデー)から東京・銀座シネパトス、新宿武蔵野館で、4月24日(同じくサタデー)から、大阪・第七藝術劇場やらでロードショーやらはります。その後、全国各地順グリに回ります。配給はアニープラネットはんでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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長くてややこしそうで、ムズカシそうなタイトルでおますが、実を申せば、1978年に35ミリのフィルムで撮られた、テレビの二時間ドラマでおます。

テレビの二時間ドラマの歴史を申しますれば、1976年にテレビ朝日が「土ワイ」こと、ミステリーを中心とした「土曜ワイド劇場」をスタートしはり、その後、日本テレビ「火曜サスペンス劇場」やら、木曜の二時間ものやらが次々に出てきよりました。

今もあるのは、そのルーツとなります「土ワイ」ですが、その「土ワイ」枠で放送されたのが、本作だす。1978年にボクチンもテレビで見ておりました。それが、10年後の1988年に、映画版として公開されましたが、みんな、そんなん、覚えてはるワケないわなー。

で、最近、話題になっとる日本とアメリカの密約、どうやら、いっぱいあるらしいのでおますわ。それを今、1例はこんなんやー、と見てみると、えらい驚きがあるよってにとゆうことで、劇場上映されよりまんねん。

さてさて、本作のお話は、1971年の沖縄返還にまつわる日米協議と、その取材に関し、記者の男(既に故人の北村和夫が演じてはります)と外務省の女(吉行和子はんです)が、色恋にかこつけて、女から機密資料をもろてスクープして、で、それが裁判沙汰になってもうて、ああ、えらいことになりよりましたとゆうお話でおます。

1971年~1978年までの裁判沙汰なんでおますけども、裁判劇では、男女の三角関係がポイントやった「事件」(1978年製作)やら、でもって、「事件」と同じ野村芳太郎監督による、「砂の器」(1974年)もかなり思い出させてくれはります。その「砂の器」に出てはった俳優はんが2人も、本作に出てはる上に、主演の2人が会う夜のクラブで流れる音楽もおんなじなんですわ。こら、もう、「砂の器」を意識してはるとしか思えまへんで。「冬の華」(1978年)で哀愁のギターを披露しはった、クロード・チアリはんのギターもよう聴いてくだされ。

北村和夫→吉行和子→大空眞弓(この方は、この事件をノンフィクションで書こうとしてはる女でおます)と続く、各人の心中の思いをナレーションにして、物語が紡がれよります。吉行はんの2面性演技やら、セピアの雲の下に黒雲がある、沖縄の空の特異な様子やら、いろいろある昭和映画としてのノリやらにも、チョイしびれよりました。

テレビドラマで22年も前に、こんな作品がタダで見れたなんて、信じられまへん。

2010年3月27日 (土)

オオカミ男のバイオレンス映画「ウルフマン」

「狼男」の21世紀版リメイクやけど、ものごっつーヤバイ映画になりよったわー

スリリングやし、グロテスクやし、ホンマ、チョーコワイ!

http://www.WOLFMAN-MOVIE.JP

4月23日(フライデー)から、大阪やったらTOHOシネマズ梅田やらで、全国イッセーのロードショーでおまして、「R15+」指定映画でおます。この映画を配給しやはるのは、東宝東和はんどす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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狼男の話でおます。そのルーツは「狼男」(1941年製作・アメリカ映画)でおまして、本作はそのリメイクでおます。

戦前のハリウッドのホラー映画と申しますれば、サイコ映画のルーツ作となる「ジキル博士とハイド氏」(1931年・アメリカ)やら、「フランケンシュタイン」(1931年・アメリカ)シリーズやら、バンパイアものやらがござりました。

で、狼人間ものとしては、戦後では「狼男アメリカン」(1981年・アメリカ)とか「ウルフ」(1994年・アメリカ)なんぞがござります。

でも、本作でおますけど、ボクチン的には、2005年にリメイクされた「キング・コング」(1933年・アメリカ)と、比較して見ました。で、何とその「キング・コング」以上に、この狼人間は人間にチョー敵対的なんでおます。人と会ったら、問答無用に殺し続けはります。恐るべき殺人鬼でおます。

冒頭からいきなり現れまして、惨殺殺人しやはります。犬のいきなりの吠え声、惨殺された主人公の兄の死体などで、ショッカー(観客をビビらせる音楽をかけて驚かさはるシーンだす)を繰り出すんやわー。薄いモヤがかりの夜のシーンやら、風雲急を告げるがごとくの黒雲シーンやらで、恐怖感をばあおらはります。

ハイスピードで動いて全く見えない狼男が、次々に人々を噛み殺していくシークエンスやら、皆殺しシークエンスの連続に、背筋が凍りつきよりますで。

主人公の幻覚シーンも、随時挿入されよります。狼化妄想の幻覚にまつわる拷問やら、ヒロイン役・美人のエミリー・ブラントおネーさまとの「これは現実じゃないのよ」のやり取りなど、このバイオレンス映画に、何ともいえへん効果を呼んでおるんだす。

でもって、父子のキズナなんてもんやおまへんで。いかにもピッタリな役柄とちゃあうん、な主人公ベニチオ・デル・トロのアニキが、久々のアクションやろな、父役アンソニー・ホプキンスはんとの、ソーゼツな対決シーンは、ハラハラドキドキ。ハリウッドのアクション映画ファンには、どうにもこうにもたまらへんシーンになっておます。

娼婦を殺し続けて、今もってその犯人が分からない「切り裂きジャック」事件より、3年後の1891年のイギリスが舞台でおます。その当時の雰囲気を示す、室内の描写も含め自然光的な薄イロ配色の撮影も、ドラマ効果を呼んでおますよ。見逃せまへん。

Ⓒ2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

2010年3月26日 (金)

井上真央主演映画「ダーリンは外国人」

ニッポン映画界の若手エース女優・真央ちゃんの、ラブ・ストーリーでおます

アメリカン・ヒゲヅラ・イケメンとの、ウエディングまでのイロイロやー

http://www.darling-movie.com

4月10日(サタデー)から、全国各地イッセーのロードショーやらかします。配給は東宝はんでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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前半はラブ・コメディ・スパイスがふり掛けられよりまして、真央ちゃんの父役・國村隼が娘に「2人の仲は認めない」と話すシーン以降の後半部は、シリアス・モードへと変換しよります、ラブ・ストーリーでおます。

ニッポン人、アメリカ人として日本で知り合った男女が、付き合い始めて、同棲して、真央ちゃんの実家へ行って、で、今度はNYの彼氏の実家へ行って、で、ああ、めでたしめでたし、結婚します。なんて、カンジの映画やのに、これが、何とも面白い恋愛映画になっておます。

国際結婚カップルたちのインタビュー・カットの挿入やら、彼氏をメインに描く手書きアニメとゆうか、イラスト・カットの挿入やらが、出てまいりますが、それらはこの2人のカルチャー・ギャップを描くための、見事なフックとなっておます。

特にスゴイんは、外国人が話す日本語のトンデモない面白さでおました。これまでは、「どもありがとう」とか、カタ言の日本語なんかが多かったのでおますけど、人に道を尋ねる時に、唐突に関西弁を披露したりします。

日本語を巡るカルチャー・ギャップが満載なんだす。四字熟語「時期尚早」、これなんかエエなー、なんて言ったり、「鶴の恩返し」「ここで会ったが百年目」とか、ズレまくりの言葉遣いのオンパレードに、打ちのめされてしまいよりましたわー。全くもって「ドギモ抜かれました」でおます。

モチ、真央ちゃんの魅力は満開しておます。いろんな表情を魅せていくアップが、アイドルチックに心をハッとさせよります。そして、母役に扮しはった大竹しのぶはん。泣かせるセリフがござります。真央ちゃんを励ます言葉なのですが、ボクチンは、ココに、胸に、きよりました。

サウンドトラックの使い方もうまかったでおます。冒頭から、シュープリームスのキャッチーな名曲「恋はあせらず」のピアノ・バージョンに続き、そのオリジナル盤が流れます。ドラマの中へ、テンポ良く入れるとゆう仕掛けでおます。

映画劇中歌ではほかに、アメリカン女性ポップス、ジャパニーズ・ヒップホップなんかが流れまして、日本とアメリカのカルチャーのミキシングをはかるみたいな、使い方をしてはるんだす。でもって、最後はaikoのポジティブ・ポップ「向かいあわせ」がかかります。これらのサントラの流れは、この映画にピッタリ合っておました。

Ⓒ2010『ダーリンは外国人』フィルムパートナーズ

2010年3月25日 (木)

韓国映画「ビバ!ラブ」

「冬のソナタ」にチェ・ジウのママ役で出てはった

キム・ヘスクはんが、みんなの願望を実現しはりました

http://cinemakorea.org/rkcf/

4月3日(サタデー)から、「真!韓国映画祭」の1本として、大阪・第七藝術劇場でロードショーしはったあと、全国各地へ回る予定でおます。キノアイ・シネマスコーレ・シネマコリア3社共同の配給作品だす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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ニッポンの40代から60代くらいまでのオンナの方々を、今もなお夢中にしてはる韓流テレビドラマ界でおますが、ココに究極の、みなさんの願望実現映画がやってまいりましたでー。

おっきな娘がいてはる50歳のおばはんが、その娘の元フィアンセ、若い年下のイケメンと恋をしやはり、共に両思いのハッピー、ハッピーとなります、なんともいわれへんようなラブ・ストーリーだす。

コレが長編映画デビューとなるオ・ジョムギュン監督はんでおますが、おそらく日本の女性ファン向けに、この作品を意図的に計略的に、作らはったんやと、ボクチンは思いました。

韓流ドラマのファンであれば、じゅうじゅうに分かってはることやと思いますが、ドラマの出演男優のファン・イベント、ファン・ミーティングとも申します、やらで韓国でのいろんなイベントに、ニッポンの方々がいっぱいきやはるのを、この監督は目の当たりにしてはったのでしょう。

ならば、ニッポン女性のその年齢に合わせて、ヒロインを設定し、しかも若いイケメンとの恋を成就するような映画を作ったら、そら、ものすごいことになるんとちゃあうんと、思わはったのでおましょう。

それはある種、勘違いなのかもしれまへんが、本作はそういう50歳前後のアラフィフ世代の女性の、ヒロイン・ドラマとしては、ユニーク極まりない快作になっておりました。

「冬のソナタ」でチェ・ジウ姫のオカン役をやってはりました、ベテラン女優のキム・ヘスクはんが、微妙で繊細な好演技を見せてくれはります。パク・チャヌク監督の新作「渇き」(2月17日付けで分析済みでおます)では、異能とゆうか、これまで見たことがないようなオカン役をやってはりました。その時の演技とは、まあ、180度正反対の演技でおましょうか。

夫も、もちろんいてはって、夫も愛人がいてはるんでおますが、娘の婚約者とのコドモを妊娠するとゆう、この異質極まりない設定やのに、どこまでもアッケラカンとした明るい作りが、この映画の魅力でおましょう。

街の人たちが集まって、この妊娠と恋愛を祝福するシーンなど、まあ、日本映画では、まずないシークエンスでしょうな。

冒頭の手書きアニメや、イタリアンっぽい陽気なギター・サントラなんかも、ドラマ効果を呼んでおます。

Ⓒ2008 IB Pictures Co. Ltd.

2010年3月24日 (水)

ロマンポルノRETURNS映画「後ろから前から」

あの「後ろから前からどうぞ」が21世紀版で登場やー

セクシャル・ヒロイン・コメディ映画の隠れ名作やー

http://www.roman-returns.com

4月10日(サタデー)から、シネ・リーブル梅田でレイトショーしはって、その後の展開は、上記公式ホームページまで。ただし、18歳未満の方は入れまへんし、見れまへん。配給会社はモチ、日活はんでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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シリアス・モードでお色気を魅せていく日活ロマンポルノ映画が、1971年から始まった初期には多かったのでおますけども、70年代後半になるにつれ、コメディ・タッチの作品も作られてきよりました。

神代辰巳監督の「悶絶!!どんでん返し」(1977年製作)なんか、トンデモネー作品でおましたわな。そんなトンデモ系列のセクシー・コメディとなるのが、本作でおます。

本作のオリジナル版(1980年)では、当時アイドル歌手の畑中葉子が主演してはりましたが、五月みどりとか黛ジュンとか、その種の系列を受け継ぐようなチョー快作となっておますよ。

女タクシー運ちゃんが、お客はんにセックスされもって運転するやなんて、ホンマあぶなっかしいシーンに加え、バストとヒップの触れ合いUPが、キモチいいレズ・シーンであるとか、室内で突然の発作のように、クラシック流してのクイック・モーション入りの、セックス・シーンへと移行したりと、セクシャル・シーンを効果的に入れていかはります。「性交無線」なんてタクシー会社名もおもろいやん。

かつてのロマンポルノよりは、ソフト・タッチになってるかもしれまへんが、それだけに、女性観客層にもアプローチできそうな、仕上がりになっておるんだす。

でもって、当時も評判を呼んだ主題歌でおます。「後ろから前からどうぞ、いつも抱きしめてもいいの」とくる、マイナー系哀愁入りのカヨー曲のインパクトでおます。松坂慶子はんが歌わはった映画主題歌「愛の水中花」に、優るとも劣らないナンバーやと、ボクは思いよりました。

でもって、クライマックスやー。工藤静香と早見優をブレンドしたみたいな、写真の宮内知美ちゃんも、エロエロで嬉しいのでおますが、乗車した男が待ってる妻の元へと向かうとゆう「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)へのオマージュでおますか、パロディでおますか、なシーンが入っておます。

待っていたことを示すハンカチは、フラッグ(旗)になるんやけど、それが勘違いされよって、えらいもんが竿に吊るされよります。このあたりのジョークは、かなりおもろかったです。

ポルノ・コメディ、ポル・コメなるジャンルのユニークな1本でおました。

Ⓒ2010 ロマンポルノ・リターンズ製作委員会

2010年3月23日 (火)

映画「団地妻 昼下がりの情事」

日活ロマンポルノが戻ってきましたでー

1970年代の雰囲気がホワーンと漂いますでー

http://www.roman-returns.com

4月10日(サタデー)から、シネ・リーブル梅田やらでレイトショーでおますが、18歳未満の若人、コドモは入場不可でおます。配給はもちろん、日活はんどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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日活ロマンポルノが再生しよります。日活ロマンポルノと聞けば、ある世代の方々にとっては、もう何ともたまらへん響きと香りがござりますわね。まあ、男の方々が中心にはなるんでおますけども。

吉永小百合を核にした青春映画路線、石原裕次郎をメインにしたムード・アクション路線(そのままでおますけども、ラブリーなムードの中でアクションが披露されていきよります路線だす)などを輩出してきた日活も、大映の倒産など、1970年代に入ると、映画界のチョー逆風によりよりまして、何とかせんならんようになり、低予算の方向性を探った結果が、ロマンポルノでおました。

始めた当初は、裁判沙汰などいろいろあったのでおますけど、女性の欲望を描いた映画やら、時代劇になぞらえて描いたもの、けだるいセックス描写の中に人間心理をビミョーに織り込んだもの、そして、ちょっと明るいコメディ調まで、ポルノの一言では全く括れへん、多彩なケッサク映画が次々に出てきたのでおますよ。

本作は、ボクチンがかつてインタビューしよりまして、凄くええ人やな~と、胸が震えた西村昭五郎さんの、監督作品のリメイクでおます。1971年の製作当時は、白川和子はんがヒロインを演じてはりまして、本作にも特別出演してはります。

また、日活ロマンポルノからキャリアを始めてはります「櫻の園」(1990年製作)やら「12人の優しい日本人」(1991年)やらで有名な中原俊監督が、メガホンをばとらはりました。

人妻の不倫ものですが、1960年代後半から1970年代~1980年代にかけての衛星都市的団地ブーム、「ニュータウン」ブームを巧妙にやったかは分かりませんけども、少々遊びゴコロも入っておましょうが、ドラマの中に取り入れてはります。もちろん、タイトル遊びやらも当時もかなりやってはりまして、本作はオードリー・ヘプバーンの「昼下りの情事」(1957年・アメリカ映画)でおます。

訪問販売の営業マンと不倫するとゆう、日本不倫ものの原点とも取れる作りなんかが、ボクチン的には好きでおます。ボクチンは日活ロマンポルノでは、「人妻集団暴行致死事件」(1978年)なんかが好きでおまして、人妻ものは、ある意味でこの種のジャンル映画では、トレンドなんでおますよ。クライマックスで見せる、赤ん坊にたとえたヤラシイ描写はオモロイでおます。

さらに、人妻も含むヒロインの、人間ドラマとしての側面もござります。当時よりはヤラシーところは控えめで、つまり、ソフト・タッチにはなっておますけど、ヒロインを描くとゆう視点は変わりまへん。まずは再生第1弾。楽しく見られる仕上がりでおます。

Ⓒ2010 ロマンポルノ・リターンズ製作委員会

2010年3月22日 (月)

「龍馬伝」と同時代の時代劇映画「獄(ひとや)に咲く花」

坂本龍馬と同じくチョー・ポジティブやった、生誕180年の吉田松陰のお話やー

ヒロイン役・近衛はなチャンの、イチズな思いに胸がキュンと鳴りよります

http://www.hitoya.com

4月10日(サタデー)から、大阪・シネマート心斎橋で、限定ロードショー公開されよりまして、その後順次、全国各地へと回ります。映画の配給会社は、「Thanks Lab.」はんでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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坂本龍馬と同じく、前向き志向で幕末を生きはった、長州藩の吉田松陰こと吉田寅次郎を捉えた時代劇でおます。彼の29歳とゆう短い生涯の中であった、唯一の恋らしい恋をメインに捉えてはります。

でもって、寅次郎からイメージされよります通りで、江戸末期の「寅さん」といったカンジのポジティブさなんですわ。

また、彼が監獄に入ってた時期の話なんやけど、従来からござりますムショもの映画とは違いよりまして、建物内を自由に行き来できよりますし、牢屋に入ってはるいろんな人たちとの交流が、群像劇タッチで繰り広げられるんで、ある意味、長屋の人情もの時代劇なノリがあるのでおます。

そして、同じく牢屋に入ってはるヒロイン「近衛はな」おネーさまと、寅次郎との、ラブ・ストーリーとまではいかないけれど、キズナが描かれよります。

ヒロインの片思い的な展開なんでおますが、そのキモチを、多彩な撮り方で魅せていかはって、ええカンジの女性映画にもなっておるんだす。

監獄建物の屋根に2人がのぼって海を眺めるシーンなど、キレるロング・ショットが多数取り揃えられているかと思えば、表情を魅せる魅力的なアップ、クローズアップが交錯していくんでおます。

さらに、自然描写の取り込みが素晴らしくも巧みなんでおます。フツーは、監獄ものとなれば、室内撮影がメインになるもんなんでおますけど、朝の薄モヤをふんわりと入れた冒頭のシーンや、海辺のセピアな夕景をはじめ鮮烈で、特に四季描写のうまさには舌を巻きました。

春のサクラ、夏祭り、萩の花、スロー・モーションで描かれる写真の雪シーンなど、心に残るシーンが満載でおますよ。

加えまして、ヒロインの「大好き」のセリフがココロにきよりますし、また、最近の日本映画はセリフが聞き取りにくいなんてことが、多く見受けられるんでおますけど、寅次郎に扮した前田倫良のアニキは、舞台俳優出身だけに、声が大きくて通ってはって、何ゆうてはるんか、ものごっつう分かります。

もう一つの「龍馬伝」としても見られる会心作でおました。

Ⓒ2010「獄に咲く花」製作委員会

2010年3月21日 (日)

トンデモネーSF映画「第9地区」

こんなSF映画、見たことおまへん

SF映画の究極・最終型を示す大ケッサクやー

http://d-9.gaga.ne.jp/

サタデー4月10日から、東京・丸の内ピカデリーやらで、全国イッセーのロードショーでおまして、関西やったら、梅田ピカデリー、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹などで、公開されよります。映画の配給会社は、ギャガはんとワーナー・ブラザース映画はんの共同配給作品でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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これまでのSF映画のイメージを、強烈に変えた映画の登場でおます。

SF映画が好きやねん! な人たちは、この世に相当いてはるはずやから、どこがどう変わったんやーのツッコミが、もちろんあるやろと思いますけども、まあ、そのあたりをドカーンとお話しよりますと、以下のようなカンジでおます。

宇宙をさまよい系の巨大円盤が空に、「インデペンデンス・デイ」(1996年製作・アメリカ映画)みたいなカンジで、地球の南アフリカに停滞してはります。それが、なんとまあー、20年間ずーっとでおますよ。何やねん、いきなり、そりゃー、でおます。

宇宙人の弱者の難民はん180万人が、地球にドッと訪れはったのでおます。地球に救いや希望を託してかどないやらは分かりまへんねんけども、おおー、そんなん、どないすんねんなー、でおますわな。

そんな宇宙人難民が、南アフリカの隔離政策のアパルトヘイトみたいに、差別受けはってでんな、「第9地区」ちゅうスラム街に隔離されはりまんねん。

その地区から、さらに違う地区へと移さはるのですが、人間とは違うとはいえ、エイリアン居住人に承認印をもらわなあきまへんと、政府筋で決まります。でもって、主人公に扮しはりますシャルト・コプリーはんが、テレビのビデオ撮影をするクルーを連れて、エイリアンたちにハンコ押してくれへんかいなと、回らはるんだす。

このあたりを、ドキュメンタリーのタッチで撮影しやはるのですが、本編の最初からいろんな人への、この後どえらい災難に遭わはる主人公にまつわる、インタビューをば展開してはりまして、なんと申しましょうか、ドキュメンタリーの感覚をSF映画に注入するやなんて、とんでもないことをやってはるんでおますわ。

だって、サイエンス・フィクションとノンフィクションは水と油でおましょう。そやろ?

そして、でおます。その主人公が「第9地区」で、とあるエイリアンの研究者が開発した、ナゾの液体をかぶってしまわはりまして、血が黒くなったり、手の爪がはがれたりしはって、ゆっくりエイリアンになってゆくっちゅうカンジになるんでおますよ。

ハエ男になってしもた「ザ・フライ」(1986年・アメリカ)やら、一度死んで再生しはる「ロボコップ」(1987年・アメリカ)とか、災難が次々に降りかかってきて、主人公が難儀しはる「未来世紀ブラジル」(1985年・イギリス&アメリカ)やら、いろいろSF系の災難系映画はござります。

本作の見どころはいっぱいあるんやけど、ヤッパ、主人公が自己のエイリアン化を食い止めんがため、銃撃戦からカー・アクションまで、壮絶な戦いをしやはるところが、なんとゆうてもハイライトでおます。

アクション、アクションだけやおまへん。主人公とエイリアンの男の友情とか、キズナ系で感動できよるシーンもしっかり作ってはります。

シリーズ化されるらしいんで、楽しみなのでおますが、本作の第1弾は、いずれにしましても、SF映画の21世紀的快作にして、チョー怪作になったと、断言いたします。

Ⓒ2009 District 9 Ltd All Rights Reserved.

2010年3月20日 (土)

サスペンス映画「誘拐ラプソディー」

高橋克典が誘拐劇・逃亡劇・人情劇をタイトに披露しやはりました

黒澤明監督「天国と地獄」へのオマージュもありやでー

http://www.yuukai.jp

4月3日(サタデー)から、全国各地イッセーのロードショーでおまして、関西では、梅田ブルク7、109シネマズHAT神戸、京都シネマやらで、上映します。映画の配給会社は、角川映画はんどす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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富豪のコドモはんを誘拐して、でも身代金を手に入れたんやけど、その富豪がヤクザの親分はんやと知って、こら、エライコッチャデーっちゅうことで、犯人役・高橋克典アニキが、コドモ連れたまま、逃亡を続けてゆくっちゅうサスペンス映画でおます。

誘拐サスペンス、逃亡サスペンス、しかもコメディノリで、人情ものもあるとゆう、いろいろゼイタクに欲張って入れはったのですけども、コレがなかなかの仕上がりでおました。

誘拐した者と誘拐された者の立場が逆転した「大誘拐 Rainbow Kids」(1991年製作)とか、モロ、シリアスな誘拐ものの「誘拐」(1997年)とか、身代金奪取シーンの「天国と地獄」(1963年)とのオマージュ的な相似形とか、逃げて逃げて逃げまくる「ゴールデンスランバー」(公開中)とのシンクロナイズとか、いろいろとシンクロする映画が多いんやないかな、と思いよります。

サクラ満開の日の「自殺にはいい日だ」から始まり、同じくサクラ舞う日の「やり直すにはいい日だ」で終わる、高橋アニキの呟きナレーションが、素晴らしくもドラマ効果を呼んでおます。

ある意味、高橋アニキの独壇場ともいえる、人間ドラマ映画となっているんだす。

特に、誘拐したコドモとの、いくつものやり取りはオモシロおますし、2人で冒険やらいろいろあって、犯人役主人公とコドモのキズナが紡がれていく、いろんなシーンが、最後の感動に効いてきよります。

でもって、バイプレイヤーの多彩な演技ぶりも見逃せないんでおますよ。

高橋アニキに誘拐心得を、関西弁でつぶやき系で説く笹野高史やら、YOUや哀川翔(誘拐されたコドモの両親役)の、誘拐されたヒッパク感がカンジられない、いわゆるわざと演技してるような演技性のオモロサとか、刑事役・船越英一郎のテレビの2時間ドラマにチョイもの申すみたいな、刑事コメディアンぶりとか、随所に渋い演技サポートぶりが、このドラマに緊迫感を増していきよる仕掛けになっておます。

誘拐犯と人質のコドモとの、最後の別れのシークエンスは、くどいくらいのノリなんやけど、間違いなく、泣けます。せいだい泣いてくだされ。

Ⓒ2010「誘拐ラプソディー」製作委員会

2010年3月19日 (金)

宮崎あおい主演映画「ソラニン」

あおいちゃんが「NANA」や「少年メリケンサック」でも、ようせんかった、バンドでの弾き語りやりま!

しかも、16ビートの激ロックのギター&リード・ボーカルやー

http://www.solanin-movie.jp

4月3日(サタデー)から、関西やったら、梅田ピカデリー、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹やらで、あおいちゃんの真骨頂は現代劇やでー、な全国各地イッセーのロードショーでおます。映画の配給会社はアスミック・エースはんで、エースは切り札でおます。

文=映画分析研究評論家・宮城正樹

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ああ、宮崎あおいちゃんのための映画でおます。

モチ、あおいちゃんだけが光ってるワケやおまへんけども、アップ、クローズアップの多さとか、「あの頃は良かった」とか「私たちは現実の厳しさを忘れて」とかの、ココロの呟きを伝えるナレーションの、名セリフぶりとか、まあ、いろいろやね。

でも、ボクが最も魅了されてしもたのは、音楽ドラマ映画でも、実際に歌手でおます中島美嘉のサポーターとなった「NANA」(2005年製作・日本映画)、バンドを発掘するレコード会社のマネージャー役となった「少年メリケンサック」(2009年・日本)に続きまして、遂にとゆうか、ようやくとゆうか、バンド・デビューでおますわ。

しかも、バンドのリード・ボーカルですわ。でも、これだけやったら、カラオケを練習しまくったら何とかなりまっしゃろ。違いまんねん。エレキ・ギターも弾かなあきまへんねん。弱りました。でも、あおいちゃんは、自分で密かに猛特訓しやはったのでおましょう、クライマックスのライブ・シーンでは、熱唱・熱演しやはります。感動です。

しかもでんな、その曲が、何と16ビートのロック・ナンバーでおまして、ギターの速弾きに加え、ボーカルも早口言葉で叫ばないけまへん。でも、スムーズに聴こえましたし、音楽マインドも伝わってまいりました。奇跡に近い。

この曲「ソラニン」でおますが、あおいちゃんの、高良健吾扮する同棲相手で彼氏が作った曲でおます。失恋の歌、ちゅうか、ショパンチックな別れの曲なんですわ。でも、あおいちゃんは、この曲を「過去の自分との別れの曲」だと、前向きに捉えはるのです。このセリフを呟く時の、伊藤歩ちゃんとの1分強の長回しの、ツーショット撮影シーンは印象深いシーンだす。

その伊藤歩ちゃんは、現実では既にバンドで歌手デビューした実績がござります。「スワロウテイル」(1996年・日本)の演技に加え、最新作では「BANDAGE  バンデイジ」で、バンドのマネージャー役をタイトに演じてはりました。で、本作では、あおいちゃんと大学の軽音部で一緒やったという役柄です。また、高良クンも、同じく「BANDAGE」に出てはって、その時はプロのバンドのベーシスト役やったんやけど、本作ではアマチュアとは申せ、ギター&リード・ボーカルに昇格してはります。

ニューミュージックのエース・バンドだった元チューリップの財津和夫はん、Jポップ・バンドの21世紀の新星、サンボマスターの顔・近藤洋一クンもシブかったり、心地よい演技をば披露しやはります。

この種の音楽映画に欠かせへんのは、ラブ・ストーリー部です。部屋内のショットでは、ほとんど映画撮影用の照明を入れずに、窓からの陽光を自然に取り込むとゆう作りなんでおますが、この撮影方法が、2人の恋愛によーく似合っています。

いかにも、今の若者的なポジティブなやり取りがあるのですが、ボクのココロに深く突き刺さったのは、夢を追うことの人生的な意味合いへと、さりげなく踏み込んだやり取りの数々でおました。

夢を持って、夢を忘れずに、夢を追い続けていくことの意味です。ああ、ボクはすっかりやられてしまいよりました。

Ⓒ2010 浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会

2010年3月18日 (木)

ハートウォームな日本映画「育子からの手紙」

原日出子、有森也実、特別出演・渡瀬恒彦らの強力サポートによりまして

宮崎香蓮ちゃんがカレンに映画初主演でおます

http://www.film-crescent.com/ikuko

4月17日(サタデー)から東京・角川シネマ新宿やら、大阪・梅田ガーデンシネマやらで、全国順グリのロードショーでおまして、映画の配給は、「育子からの手紙」製作委員会はんでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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かつてありました文部省推薦っちゅう映画が、僕は苦手でおました。つまり、なんちゅうの、教育映画ってゆうか、なんか、学校の体育館やらで全校生徒と一緒に見てやね、それで、大変いい授業ができました、なんてノリがスゴク嫌やったんやなー。

でもって、本作も、なんか文部科学省推薦作みたいな、実話やけど、なんちゅうの、善意映画コテコテのカンジで展開しよるので、ああ、こらー、また、ボクチンの映画的アキレス腱ができよったがなー、と思たんですけども、でも、見てから、三カ月近く経った今、じっくり思い出してみたら、これがしみじみ、いい思い出の映画やんと、思い返せたんでおますよ。

一体、その変わりようはどういうことやのん? を、ボクチンの個人的なりに分析してみますに、やっぱり、それは、主演の女の子、13歳から15歳までを描いておます。その少女ヒロインのストレートな魅力であることに、気づいたんでおますよ。

「痛いよー、痛いよー」って、病院に連れてこられて、叫ぶシーンのインパクトが、いきなり強烈でおました。写真に写ってはる女の子、宮崎香蓮ちゃんです。で、その時、大部屋で入院中やった原日出子はんが、彼女を励まさはるんだす。

彼女のオカン役をやってはるのは、テレビの2時間ドラマでお茶の間のファンが多い、有森也実おネーやんです。

突然でおますけど、実は、ボクチンは有森ネーさんの大ファンでおまして、山田洋次監督作品「キネマの天地」(1986年製作・日本映画)以来、もうゾッコンなんでおまして、映画でその魅力的な雰囲気を、なかなか見せてくれはらへんかったのですが、本作では、その片鱗が少しでも見えて良かったでおます。全く個人的な話でスンマセン。

で、「モトイ」、元へ戻りまして、この原日出子はんと少女のココロの交流が、しつこいくらいに出てきよりまして、もうそれがホンマに頭の中に、こびり付いてきよるんでおますよ。

日出子はんは先に退院しやはるんですが、その後2人の間で、文通のやり取りがございます。兄弟が手紙を通じて交流した「手紙」(2006年・日本)などのセンスも、ここにあります。

また、セカチュウこと「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年・日本)的な感動も味わえますでー。

イントロの日出子はんが快晴の青空を見るカット、日出子はんは家庭の事情で仙台へ引っ越さはるんですが、その仙台に、彼女が日出子はんに会いたくて来はって、祭りの夜にツーショットで向き合っての長回し撮影。それに、リフレイン撮影が映画のフックとして重要やと僕は思とるんやけど、日出子はんの、階段のぼりチャレンジ・シーンのリフレインなんか、映画に大いなる効果を呼んでおますよ。

渡瀬恒彦はんも医者役で出てはります。

そして、最も感動したんは、シンプルな「ありがとう」のセリフや、「あなたを忘れない」とゆう日出子はんのシーンでおました。見たあと、ゆっくりココロになんや染みてきよる作品だす。

Ⓒ「育子からの手紙」製作委員会 2010

2010年3月17日 (水)

韓国映画「空を歩く少年」

自称イエス少年と、願望的自称ジャンヌ・ダルク女の物語

しかもロードムービー・スタイルで展開しよります

http://cinemakorea.org/rkcf/

4月3日(サタデー)から、「真!韓国映画祭」の1本として、ナナゲイこと大阪・第七藝術劇場でロードショーのあと、全国各地へ回る予定でおます。キノアイはん、シネマスコーレはん、シネマコリアはんの3社が、この映画を共同配給してはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ロードムービーだす。バイク便のバイトやってはるオネーさん(ホ・イジェ)が、請け負わはったのは、何と写真の男ん子の配達でおます。でも、その配達がロードになるんやおまへん。

何や知らん愛人みたいな女の人が、少年と2人で住んではるんでおますけど、その少年を、ある人のとこへ配達してくれっちゅう依頼でおまして、しかも、その父親らしき人物はんは、結婚式の最中とゆうイントロの設定でおます。

でも、父・愛人・愛人の子とゆうこの設定は、実は、勘違いなんです。それは、最後まで見はったら明らかになるのでおますけど、結局、その父らしき人は受け取りを拒否し、女のとこへ返送してくれと言わはります。

でもって、少年はオネーさんに、どこかここじゃないところへ連れて行ってと言い、オネーとの、ロードムービーの始まり、始まりとなりよります。

でもって、見出しにも書きました通りでおまして、片や自称イエス・キリスト、片や消極的なジャンヌ・ダルクとゆうことなんですよ。

ロードムービーとゆうのは、これまで数限りなく出てきておまして、100作以上は優に越えておますでしょう。ロードムービーにすれば、ドラマ性も高まり、終盤に近づくにつれて、ハラハラドキドキ度が増していくような仕掛けになっておますが、まあ、本作もそんな1本ではおます。

そんな中で、ヤッパ重要なんは、そのロードするところの人の組み合わせでおましょう。みなさんは、いかがでおますか。家族一同やら、父子、母子、兄弟、姉妹なんぞの家族から2人選択版とか、まあ、1人で旅する場合もありますし、友達同士、いろんなグループやら、いろいろございます。

家族とゆうのは、ある意味で感動的な着地へと持っていけそうなカンジでおますけど、こういうひょんなることで、出会ったばかりの2人のロードムービーとゆうのもまた、オツなもんでおます。

ボク的には、男同士の「スケアクロウ」(1973年製作・アメリカ映画)とか、サギ師と少女の「ペーパー・ムーン」(1973年・アメリカ)とかが凄くスキでおます。

本作の、若いオネーさんと少年とゆう組み合わせもまた、ある意味ではそう快な関係でおました。若いから母性を発揮したりもせえへんし、山やら海やらで自由ホンポーに遊ばはるし、擬似イエス少年は聖書を暗記してて、みんなを前に演説するっちゅうシーンもありまんねん。

ロードムービーの先、到着点にもサプライズがあり、また、到着して以降もサプライズが続くとゆう展開が待っておます。少しでもロードムービーの、新味を打ち出そうやないかいな、とゆう意欲の感じられよる作品でおました。

Ⓒ2008 KINOEYE DMC Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

2010年3月16日 (火)

アメリカ映画「やさしい嘘と贈り物」

エレン・バースティンはんとマーティン・ランドーはんが

奇跡的なカンジで 往年の、ハリウッド・ラブストーリーを演じはりました

でもって、スゲエー、サプライズにビックラコンでおます

http://www.avex-pix.co.jp/okurimono/

3月27日(サタデー)から東京・シネスイッチ銀座やら、4月3日(同じくサタデー)から梅田ガーデンシネマやら、4月上旬から京都シネマやらにて、全国ゆったり順番のロードショーでおます。映画を配給しやはるのは、ピックスはんでおます。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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この作品との関連作とか、シンクロナイズする作品なんかを、1つでも出してしもたら、その時点で何もかもおジャンになってしもたり、台無しやんかーになってしもたりしよるタイプの、そんな取り扱いご注意の1作になってしまいよりました。

後期高齢者の恋愛映画でおます。それを、往年のハリウッドのラブストーリー映画のノリで、かなり大げさなカンジで展開しやはるんでおます。人生2度目の恋愛なんて映画はケッコーあるんでおますけれども、かなりそれが誇張するくらいに派手めに出さはるんです。

なんか、こりゃ、映画的に計画された何ぞがあるんとちゃうん? なキモチにフツフツとなってきよります。そうでおます。間違いなく、観客のみなさんに挑戦状を突きつけてはるんだす。

この真相が、果たしておまえらに分かるかどないやでおます。これは、そやなー、ミステリー映画としても、秀逸な出来になっとるんやないかなと思いました。

エレン・バースティンはん、この方は「アリスの恋」(1974年製作・アメリカ映画)で、アカデミー賞の主演女優賞をゲットしはった方です。その時も母と幼い息子の設定で母役を演じてはりましたが、本作も、母と息子はんやないけど、成人しはった娘はんとの、ええカンジのキズナ演技を披露しはりますよ。

で、エレンはんのお相手役のマーティン・ランドーはん。ジョニー・デップのアニキと共演しはった「エド・ウッド」(1994年・アメリカ)で、怪演技を披露しはって、アカデミーの助演男優賞をもろてはります。こんな2人の恋が描かれます。

本来なら、若い俳優たちのアップやクローズアップが多い映画が多いのですけども、このチョー・ベテランの2人のアップを次々に見せていかはるのですが、これこそまさに、往年のハリウッド恋愛映画を後期高齢者の恋愛で、描いてみたらどないなるのかを、ある意味挑戦的に見せてはるように、ボクは思いました。

「夢はあきらめない」とか「今を楽しむ」とか「自然は美しい」とか、メッチャ、ポジティブなセリフが2人の間、特にエレンはんのセリフに頻出してきよります。

一番上の写真にありますが、イタリアン・レストランでの2人の会食シーンなど、壁絵を画像の中心に据えて捉えたり、ファースト・キス・シーン直前に、セピア照明がイッセーに点灯したり、イントロの家へと入る移動撮影なんか、いろいろ考えて撮ってはりますよ。

また、「アベ・マリア」を流す2人の雪滑りシーン、歌ものとなるラブ・バラードやスロー・ナンバー、「ジングルベル」に加え、ラストに流れるアニマルズやビートルズを思い出す、UK系タッチの哀愁ナンバーにシビレよりました。

ネタが分かっても、驚きよりも、さわやかな感動に包まれる快作でおました。

Ⓒ2009 Overture Street Films, LLC

2010年3月15日 (月)

ホラー・サスペンス映画「シェルター」

ジュリアン・ムーアおネーさまが心理分析官役でおます

サイコものと悪魔ものが、ブレンディーされよったでー

http://www.shelter-movie.jp

3月27日(サタデー)から、全国各地イッセーのロードーショーやー。ブロードメディア・スタジオはんが、この映画を配給しやはります。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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みなさん、超絶ホラー映画と聞いて、どんなもんを想像しはりますやろか。キャアーって叫んだり、恐ろしすぎて目をそむけたり、下向いたり、上向いたり、横向いたり、隣のカノやカレとキスし合って、災難を避けたり、いろいろでおましょうか。

そんなホラー映画にも、もちろん、いろんなタイプがござります。ただ、本作のようなタイプは、映画としての出来とか、怖がり度合いやらは別にいたしよりまして、これまでのホラーにはない新しい作品をと、奮闘しはった作品なんでおます。

スウェーデン出身の2人監督、マンス・マーリンドはんとビョルン・ステインはんの共同監督作品でおますけども、新ネタ不足のハリウッドでは、これが何とオリジナル脚本でござります。でも、その脚本を書かはったのは、この2人やおまへん。「アイデンティティー」(2003年製作・アメリカ映画)で「キャリー」(1976年・アメリカ)的なラスト・シーンをクリエイトしはった、マイケル・クーニーはんです。みなさんには、聞いたことない名前を持ち出してしもて、誠に申し訳ないとは思いますが、この方々の、何としても新しいものを創ったるんやー、ちゅう心意気は、いろんな人生を生きとるボクらにも、勇気を与えてくれはるのです。

多重人格系含む二重人格以上のサイコもの、例えば、アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」(1960年・アメリカ)なんかが、映画史的には重要作品となっておますが、そんな多重人格な人格を次々に出さはり、一体、こりゃ、どないな人間なんやー、っちゅうミステリー感を徐々にあおっていかはるんだす。でもってでんな、少年・少女系ホラーの「エクソシスト」(1973年・アメリカ)やら、「オーメン」(1976年・アメリカ)やら、「ポルターガイスト」(1982年・アメリカ)やらで、幾度も出てきておます、悪魔系のノリ、幽霊系の怨み節なノリを、そのサイコ系へと注入しはって、トンデモナイ映画的化学反応を、起こそうとしやはるんでおます。ある意味において、危ない実験だす。

そんなん、あんまし、やらん方がええんとちゃあうんと、心配してしもたりもするんやけど、これが、何と言いますか、駄作のひと言では終われない、賛否両論ある、問題作ホラー映画になっておます。

心理分析官役にならはった、主演のジュリアン・ムーアのおネーさまが、いい味出してはります。実を申せば、このジュリアンさんは、ボクと同じ年齢なんですわ。ずっと注目しとりました。

リメイク版「サイコ」(1998年・アメリカ)にも出てはったし、有名なんは「ハンニバル」(2001年・アメリカ)での、正統派の女刑事役でおます。その時と同じく、冷静沈着、トンデモネー悪魔との対決を、ハラハラドキドキのサスペンス・モードで演技していかはります。ジュリアンさん、やっぱ、好っきやでー、でおました。

ⒸCOPYRIGHT 2009 SHELTER DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

2010年3月14日 (日)

裕木奈江、渡辺広、デイヴ・ボイル監督インタビュー

「ホワイト・オン・ライス」の3人に、インタビューしてきよりましたでー

来年のアカデミー賞ノミニーも期待大の、コメディ映画やー

3月20日(サタデー)、4月5日(マンデー)に、東京・渋谷のマイクロ・カフェシアターで、午後9時から1夜だけのレイトショーやらはります。3月20日には、この3人の舞台挨拶がござりますので、レッツラゴーでおます。

取材・文=映画分析評論家・宮城正樹

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写真左から、裕木奈江ナエリンおネーさま、渡辺広(ひろし)ヒロやんアニキ、デイヴ・ボイル監督はんでおます。

「何やら『男はつらいよ』シリーズ(1969年~1995年製作・日本映画)を意識したみたいな、オモロサでんなー」

監督「おっしゃる通り、アメリカン・テイストの寅さんを作ろうとしたんですよ。最初は主人公を日本人にしようとは思ってなくて、自分の家族のことを撮ろうと思っていたんですけど、渡辺広さんと出会って、素晴らしいコメディアンでして、渡辺さんをイメージして、作ろうとしたんです。で、裕木さんは、渡辺さんに紹介してもらいました」

「寅さんと同じく、山田洋次監督の『学校』(1993年・日本)では、裕木奈江さんが出演してはるのですけども、そのあたりもキャスティングで参考にされはったですか」

監督「すみません。『学校』は見ていませんでした」

奈江さん、ガックリのアクション。

「奈江さんは、前2作では、クリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』(2008年・アメリカ)では、嵐の二宮和也ニノの妻役を演じはり、デヴィッド・リンチ監督『インランド・エンパイア』(2006年・アメリカ)では、ホームレス役でおましたが、本作の役作りなどはいかがでおましたでしょうか」

奈江ネーさん「前2作は脚本から現場まで、何から何まで英語で、緊張の連続だったのですが、今回は日本語ペラペラの監督さん始め、日本人俳優さんがいっぱい出てるので、リラックスして自然体で演じられましたし、最後までみんなと仲良くやれましたよ」

「渡辺さんはどないやったでおましょうか」

渡辺アニキ「アメリカのコメディでも見たことがないような、シチュエーション・コメディなので、やはり、アメリカン・コメディと日本喜劇が、ほどよく優しくミックスされてるんですね。だから、それに合わせたような演技を心掛けました。英語セリフの時はオーバー・アクションで、日本語セリフの時は抑えぎみの演技で、という具合でしょうか」

「冒頭の英語セリフのニッポン時代劇にはビックラこきましたけども」

監督「本編のロケはユタ州のソルトレイク・シティなのですが、この時代劇はロサンゼルスの公園で撮りました。コスチュームは『ラスト・サムライ』(2003年・アメリカ)の分を借りました。アメリカの観客を意識して作った冒頭のシーンなんですよ。この映画には、いろいろトーンが変わっていく仕上がりになっているのですが、一番変なところから始めようとしたんです。B級映画ノリからね」

奈江ネーさん「この時代劇を見て、渡辺さんと一緒に大笑いするんだけど、こんな時代劇なんてないじゃん、あり得ないということで、ゲラゲラ笑っているという設定なんですね」

「恋愛部もユニークな作りやねー」

渡辺アニキ「ボクの性格に合ってない人を追って、フラれちゃう。隣にいる人を追いかけずにね」

奈江ネーさん「監督と渡辺さんの恋愛の感覚が、似ているんですよ」

監督「恋愛的にバカなところがあるってことです」

「奈江さんの俳優名ですけど、ナエになってはりますね」

奈江ネーさん「アメリカには日本と違って、俳優の労働環境を規定してる俳優組合がありまして、『インランド・エンパイア』の役名・ナエのままで登録して、そのままいってるんだけど、今後はフレキシブルにいこうと思っています」

●本作は既に3月3日付けで分析批評しておます。アメリカでは3月12日から、12館での公開中でおまして、ハワイでは6週間のロングラン中だす。来年のアカデミー賞の対象作品でおますんで、期待しとってくだされ。

犯罪映画「アーマード 武装地帯」

犯罪映画の革命的な1作が創られましたわー、でおます

銀行強盗なんかもう古うおまっせー、なカンジやわー

http://www.buso-movie.jp

3月27日(サタデー)から、全国各地イッセーの、みんな、ダマサレンナヨー、なロードショーでおまして、大阪やったら、梅田ブルク7やら、敷島シネポップやらで上映しよります。映画の配給は、(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントはんでおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ネタ不足が叫ばれて久しいハリウッド映画界でおますが、コレにはドギモを抜かれよりました。原作のない、映画オリジナル脚本だす。しかも、全く無名の方の脚本応募作が原作となっておます。いかにも映画マニアが、少しの思いつきとかがあれば考えられそうな内容のように思われるようであって、実はそうではないのです。

たぶん、この脚本家は、かなりの犯罪映画やらミステリー、サスペンスを見てきてはる方でおましょう。そして、それらを咀嚼して、つまり、ココロに飲み込んでインプットされてはります。おそらく「黄金の七人」(1965年製作・イタリア映画)とか、タランティーノ監督の「レザボア・ドックス」(1991年・アメリカ)とかを、何度も見て頭の中に入れてはることでおましょう。

「オーシャンズ11」(2001年・アメリカ)なんかの、ストレートな犯罪やりましょか、で、どないするねんとゆう、その方法論を考えるような映画ではおませんで。

ビックリしたんは、つまりはストレートな銀行強盗スタイルやなく、銀行の大金を輸送車で輸送する人間たちが、その大金を盗むとゆうカンジでおます。これだと、メッチャ、スムーズに大金は得られるはずでおますが、この簡単系を複雑系にしてまうストーリー展開、つまり、脚本のうまさが映画に反映された作品なんですわ。

金をゲットしてからが、この映画が始まるみたいなんでおまして、犯罪に関わる6人が、どういう事態にどう対処し、どう狂ってゆき、どうグチョグチョになってゆくんかっちゅう後半部が、チョーハイライトでおます。

前半はみんな穏やかで、ああ、こんなノリでスリリングな犯罪映画を進行できよるんかいな、と心配しとりますと、それが、えらいどんでん返しの3乗、4乗の波がきよるんでおますよ。たまりまへん。

主人公の、車内に閉じ込められて展開しよります、1人「ダイハード」(1988年・アメリカ)な展開やら、「フレンチ・コネクション」(1971年・アメリカ)ばりのカーチェイス、多彩な方向から映される、クルマと運転手やらの印象的な短いカットに、ココロがビビリますで。つまり、今までの映画にはなかったようなカットが、サラッと入ってる驚きだす。

「マトリックス」(1999年・アメリカ)はそうでもなかったけど、元から悪役が似合うローレンス・フィッシュバーンはんや、最初は穏やかなマット・ディロンはんやらジャン・レノはんやらが、狂気を帯びてゆくシーンは、背筋も凍るオトロシサでおます。

で、みなさんはそいつは誰やねんかもしれまへんが、主人公役のコロンバス・ショート君が、サプライズを2重3重に重ねていかはり、おいおい、そら、大丈夫かいな、なアクションを披露しやはります。いや~あ、ボクチンはまいりました。

とにもかくにも、脚本がいかに映画にとって大事かを、思い知らされた作品でおました。

2010年3月13日 (土)

映画「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」のジョニー・トー監督

本作でリベンジ3部作を完結しはった、ジョニー・トー監督

「仁義」とは何ぞやを語らはりました

http://judan-movie.com/

5月より、全国順グリのロードショーでおまして、配給会社はファントム・フィルムはんどす。

取材・文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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「この映画の主演男優はんのフランス俳優はん、ジョニー・アリディはんをキャスティングしはったのは、何ぞ理由がおますのやろか」

「出演依頼のために、パリへ行ったのですが、パリのレストランで出会いました。そのレストランへと孤独に歩いてくるところを、窓越しに見たのですが、この映画のイメージにピッタリ、ハマリました。その時、着てた服装なども、採用しています」

「アリディはんの香港・マカオでの撮影は、どないなもんでしたやろか」

「実は、彼が出演した映画のフィルモグラフィーとか、彼のキャリアの背景などは、全く知らなかったんですよ。主役として、役をまっとうしてくれればと思っていたのですが、2カ月間におよぶ撮影に加え、雑踏の香港ロケなど、彼は凄く協力的で、ホントに彼には感謝しています」

「フランス語とのギャップはなかったでおましょうか」

「私ども香港映画へ、外国人の俳優さんに来ていただいて、香港俳優はじめ、映画の出資者ら、とても喜んでおりまして、しかも、アリディ含めて、私の映画を撮る方向性をよく理解してくれてたんです。だから、とても仲良く、お互いに尊重し合って、彼がフランス人でも全く困難なく、順調に撮影を進められました。言葉の障害があろうとも、お互い映画人なので、目で指示したりとか、分かり合えるところがあるんですよ」

「さて、本作のことでおますが、仁義的な世界観を表現する意図っちゅうのは、どのようなとこにおますんでしょうか」

「私たちの中国・香港でも、日本と同じく、仁義を重んじる考え方が、伝統的にあります。情をもって付き合っていく、ある種ロマンティックなところ。剣客と言いますか、私は黒澤明映画に大変、影響を受けています。見返りとか報酬とか考えずに、やっていくような義の世界ですね」

「黒澤明監督には、それほど影響されてはるんですか」

「私は黒澤監督を崇拝しています。撮影スタイルなども、黒澤スタイルをマネしてるくらいです。本作に殺人者役で出てるアンソニー・ウォンなんか、私に黒澤さんになってほしいなんて、思ってるんじゃないかな」

「日本と香港の映画交流や刺激なんかも、あるんでおましょう」

「ええ。今後も、香港と日本がお互いに、影響をし合って、学び合って、より多くの観客へ、広く映画を伝えていきたいと思っています」

「さて、最後に、この映画の、メッチャとっておきの、PR言葉を披露してくだされ」

「これからも、映画を撮っていくつもりですが、『ザ・ミッション 非情の掟』(1999年製作・香港映画)、『エグザイル/絆』(2006年・香港)、そして、本作と続く復讐もの3部作ですが、本作をもって、復讐映画は終わりです。渾身の1作としたつもりですので、ぜひ、みなさんに支持していただければ幸いです」

◆3月1日付けで、既に本作の批評分析をしておますんで、ご覧くだされ。

ジョニー・トー'sプロファイリング→香港を代表する世界的な映画監督はんだす。イギリス統治下の1955年の香港に生まれはりました。

1980年に、日本未公開フィルムで映画監督デビューしはって、その後、マギー・チャン、チョウ・ユンファ、アンディ・ラウ、レオン・ライら香港を代表する映画俳優を、主演にした作品を次々に発表。

上記に出てくる復讐3部作のほか、「PTU」(2003年)、「ブレイキング・ニュース」(2004年)、「エレクション」(2005年)などアクション映画のケッサクが多いでおます。

3部作の第2弾「エグザイル/絆」は、ハリウッド映画としてのリメイクが決定しておます。2008年の「ヴェネチア国際映画祭」では審査員も務めはり、「レスラー」を最高賞の金獅子賞に導かはりました。さらに、2009年には、フランスから芸術文化勲章を授与されはりました。

今後の待機作に、リーアム・ニーソン、オーランド・ブルーム出演のハリウッド映画「The Red Circle(原題)」(2011年)がござります。

映画「ウディ・アレンの夢と犯罪」

ユアン・マクレガーとコリン・ファレル扮しはる兄弟が

殺人依頼受けて、実行して、

でもって、えらいことになるわーな、ミステリーやー

http://www.yume-hanzai-movie.com

3月20日(サタデー)から、東京・恵比寿ガーデンシネマやら、サタデー4月3日から、梅田ガーデンシネマやらで、全国順グリのロードショー道でおます。配給はアルバトロス・フィルムはんどすえー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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これまでウディ・アレン監督が描いてきはった、ミステリー映画やらサスペンス映画は、実を申せば数多くありました。「マンハッタン殺人ミステリー」(1993年製作・アメリカ映画)なんかのニューヨークもの、ケッサク「ブロードウェイと銃弾」(1994年・アメリカ)もあるし、イギリスを舞台に、スカーレット・ヨハンソンちゃんを起用しはった「マッチ・ポイント」(2005年)、「タロットカード殺人事件」(2006年)やらがござります。

でもって、本作は、そのイギリス・ミステリーの3部作完結編となりよります1作でおます。「シャーロック・ホームズ」のとこでも書きましたけども、イギリスと申せば、アメリカと並び、2大ミステリー小説大国でおます。

そんな中において、トリッキーな作品をクリエイトし続けるとゆうのは、ある意味において、プレッシャーでおますよ。でも、ウディ・アレン監督は、涼しい顔やったかどうやらは分かりまへんけども、スイスイとこういうオモロイミステリー映画を撮らはるんで、ボクはもうまいっておます。ギブアップです。

実は、ボクチンは、ミステリーには、いろいろあって、こだわりがあるのですけども、本作はヒジョーにようく練られた、倒叙ミステリーでしたわ。倒叙、つまり、犯人側から描くミステリーでおます。

「マッチ・ポイント」では、偶然がもたらすトリッキー性を打ち出し、「タロットカード殺人事件」では、ウソが大きなキーワードになっておました。で、今回はどないやねん、なのですが、文豪ドストエフスキーの文学小説「カラマーゾフの兄弟」(未完の遺作)やら「罪と罰」やらに加え、シェークスピアの悲劇やらギリシャ悲劇、さらにアメリカン・ニューシネマの「俺たちに明日はない」(1967年・アメリカ)などを、意識した仕上がりなんですわ。

でも、そんなややこしいカンジは、一つも感じられまへんで。理屈っぽく言いよりますと、まあ、そんな風になるんやけど、オリジナル脚本が巧妙でおました。

アニキ役のユアン・マクレガーはんは、美人女優とリッチな生活をしたいがため、ドッグレースやらポーカーやらのギャンブルの借金で、どないしょーもない状態になってしもてはる弟役コリン・ファレルはんは、もちろん借金清算をした上に、新規事業を立ち上げられる資金を調達したいがため。

2人のオトンはまあ、そんなにリッチやないんやけど、オトンのアニキ役のトム・ウィルキンソンはんが、何とまあー、えらい大富豪なんでおまして、そこででんな、2人はこのおじはんから、大金を貸してもらおうとしやはるのでおますが、そのおじはんが、逆提案しはり、オレを破滅させようとしとる男を、2人で殺してくれへんか、殺してくれたら、殺人報酬として、貸すんやなく、全部やるやん。

まあ、「次元が違う」とユアン・マクレガーはんは、最初は驚かはるんですが、結局、弟を何とか説得して、殺人を実行しようとしはるんだす。このユアンはんのウディ・アレン節とも言える、饒舌演技の連投はサスペンス感を増します。それに対し、コリンはんの悩み深きウツ演技は、大きなドラマ対比効果を呼んでおります。

ウディ・アレン・ミステリーの快作が、また1つ、生まれ落ちました。

2010年3月12日 (金)

格闘アクション映画「TEKKEN」

ゲーム原作映画の、チョーゼツ・バトル映画が誕生やー

「バイオハザード」や「ファイナル・ファンタジー」やらのファン必見の出来でおます

http://www.tekken.movie.jp

3月20日(サタデー)から、全国イッセーのロードショーでおます。大阪やったら、梅田ピカデリーやらで上映だす。映画を配給しやはるのは、ワーナー・ブラザース映画はんどすえー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Tekken

ゲームソフトそのものを原作としたバトル・アクション映画でおまして、見出しにも書きましたように「バイオハザード」シリーズや、「ファイナル・ファンタジー」やらにハマッてはる方には、こたえられへん仕上がりになったんやないかいな、と思います。

この手の映画で重要なのは、ゲームソフトの世界観を、どう映画的映画へとシフトさせていくのかが、最も大きなポイントになると、ボクは思とります。ゲームじゃなく、映画としての面白さでおます。

10秒以内の短いカットの連続シュートで、スピード感を出してみやはったり、スラム街のセピアとブルーを対比させたりした描写、タテの線なんかも入ってるんやけど、薄セピアをフワッと取り入れた、主人公と母の過去の修行シーンやら、モノクロ・カットなんかをフラッシュ映像的に挿入して、主人公が闘ういくつかの場面をビビッドに見せていかはります。

オーケストラによる交響曲と、リズムボックス系の電子曲をブレンドしたサントラなんかも、ココロにきました。

さらに、アップ、クローズアップをたくさん盛り込んで、分かりやすいノリにしてはります。美人アメリカン女優のケリー・オーバートンのアップは、主人公と同じくらい多く出よります。バトル・シーンやセクシャル・シーンも含めまして、男性観客はんをとことん魅了しやはります。

もちろん、主人公に扮しますタイ出身の、写真のイケメン俳優ジョン・フーは、女性観客はんをトキメキ・ええやん! なキモチにさせはるはずでおます。

いろいろと繰り出されよります、バトル・シーンはモチ、大きな見どころなんですけども、ボク的には、親子の相克やら絆やらの人間的な描写シーンに目がいきました。

父役にならはりましたケイリー=ヒロユキ・タガワはんを、久々に見て懐かしくカンジました。「ラストエンペラー」(1987年製作/イタリア・イギリス・中国合作)やらで、渋~いバイプレイヤーぶりを発揮しはった方でおます。

本作がシリーズ化されそうな、ラストのタイトルロール後の、ホンマのラスト・シークエンスもお見逃しなく。

とにもかくにも、ゲーム原作映画に、新たなブランドが誕生いたしました。アラマ、ポテチンでおます。

ちなみに、「アラマ、ポテチン」とは、「アア、ビックリした」とゆうような意味でおます

Ⓒ CST PRODUCTIONS, LLC 2009

2010年3月11日 (木)

3D映画「スパイアニマル Gフォース」

ディズニー初の3D実写映画が日本語吹替え版で登場やー

「トムとジェリー」のジェリーならぬ製作者・ジェリー・ブラッカイマー印なアクションがコッテリ!

http://GFORCE-MOVIE.JP

3月20日(サタデー)から、全国各地イッセーのロードショーでおまして、大阪やったら、梅田ブルク7(セブン)やらで、3D、2D、同時公開されよります。「ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ・ジャパン」はんが、この映画を配給しやはります。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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みなはん、お馴染みの「007」やら、全米テレビ・ドラマの「スパイ大作戦」の映画版「ミッション:インポッシブル」シリーズ(1996年・2000年・2006年製作・アメリカ映画)やら、最近やったら「ボーン・アイデンティティー」シリーズ(2002年・2004年・2008年・アメリカ)やら、「Mr. & Mrs. スミス」(2005年・アメリカ)やら、まあ、いろんなスパイたちが活躍する映画は多いんやけど、それをやね、ホリネズミやモグラやらでやってみたら、一体、どんなことになるんかいなと作らはったんが、本作でおます。

良質のあったかーいディズニー印と、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ(2003年・2006年・2007年・アメリカ)など、アクション大作の製作なんかで、有名なジェリー・ブラッカイマーはんとの、コラボレートやなんて、そんなん「水と油」「バーボンとコーラ」もええとこやん、なカンジでおましょう?

ところが、どっこい、なかなかのもんなんですよ。これまでのディズニー映画の、実写版「ライヴ・アクション」で、ディズニーの伝統的なハートフル・アニマルものを、アクション映画に違和感なく、溶け込ませることに成功しはった1作やと見ました。

ディズニー映画史では、これまでにも成功した例はあるやも分かりませんけども、アクション・シーンの盛り上がりようは、過去最高の仕上げになったんやないかな。

さらに、ディズニー映画には絶対に欠かせない、家族愛やら兄弟愛、仲間同士のキズナが、アクション・シーンと相反することなく、劇中で描かれているのでおますよ。これは、一つのサプライズかもしれまへん。

電化製品が人類に反乱し、それを阻止する動物スパイ・チームとゆう構図は、まさに21世紀的な設定やと思うし、「スパイキッズ」(2001年・2002年・2003年・アメリカ)みたいに、フツーのスパイものをコドモたちにやらせるノリでもないし、そのプロセスを含めまして、よう考えてはる作りなんでおます。

監督は本作が監督デビュー作とならはります、ホイト・H・イェットマン,JR.はんです。誰やねん、そいつはー、かもしれまへんけど、スティーヴン・スピルバーグ監督の「未知との遭遇」(1977年・アメリカ)からキャリアを始めはった、視覚効果技師はんです。「アバター」(公開中)のジェームズ・キャメロン監督作の「アビス」(1989年・アメリカ)で、チームの一員として、アカデミー賞の視覚効果賞をゲットしやはりました。

CG、VFXはもちろん冴えておますが、何といいましても、色使いに魅せられます。グリーン、レッド、ブルーの細かい配置に加えまして、ユニークなカーチェイスの中に挿入しはった、花火大会での多彩な花火のカラフル感には、ドッキリしよりました。

クライマックスが強烈です。こういうアクションは、これまでの優しいディズニー系にはなかったところでおます。ぜひお楽しみあれ! でおますよ。

ⒸDisney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckeimer, Inc. All Rights Reserved.

2010年3月10日 (水)

韓国映画「飛べ、ペンギン」

演技派女優ムン・ソリ、哀愁演技ソン・ビョンホが渋いわー

コレって、昭和末期のニッポンとかぶりまへんか?

http://cinemakorea.org/rkcf/

「真!韓国映画祭」の1本として、4月3日(サタデー)より、大阪の十三(じゅうそう)の第七藝術劇場にて上映後、全国各地へ回る予定でおます。キノアイ・シネマスコーレ・シネマコリアの共同配給だす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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教育ママゴン、毎夜のようにやってはる会社の飲み会、家に帰りたくない課長とのお付き合い、老夫婦のどうでもええことやのに、それが大ゲンカに発展する展開やら…。これって、1970年代から1980年代の昭和時代のニッポンに、モロにかぶってるようにボクは思たんやけど、どないかなー。

しかも、10代ははずしてるけど、世代別にドラマをオムニバス風に展開し、さらに群像劇スタイルも構築しはるのでおますよ。今でゆうアラフォー世代の夫婦とコドモ、アメリカ留学の2人のコドモに付いていってはる妻と離れ、逆単身赴任ジョータイになってはる夫役ソン・ビョンホはんの、アラフィフ50歳前後世代、でもって、後期高齢者な老夫婦。

いろんなドラマの継ぎ目みたいなカンジで、公務員たちの、ある課の群像ドラマがあり、ランチタイムの会食をはじめ、ある意味で飲み会映画かいなと、思えるくらいの夜の付き合いシーン、カラオケ・シーンなどが、続きよるのです。ここでは、20代、30代の人たちのお話がメインで展開しよります。

このあたりのノリは、まさにニッポンのサラリーマン映画、例えば、「釣りバカ日誌」シリーズ(1988年~2009年製作・日本映画)の宴会シーンなんかを想起させよります。

最初のお話は、息子を教育する教育ママゴンのドラマでおます。このママゴンに、韓国映画界の金メダル級の演技派女優ムン・ソリが演じはりました。身障者やら肝っ玉かーさんやら、インパクトある演技で有名なのでおますが、今作では、ホンマにコレまでと違いよりまして、メッチャ自然体やと思います。ああ、ムン・ソリのネーさんは、いつもはこんなん、なんやろなーってカンジでおますか。

そのママゴンは市役所に勤めてはりまして、チーフやってはります。で、ドラマ視点はチェンジし、市役所のとある一課の群像ドラマへとなります。そして、そこにいてはる課長はんを脇にして、新人はんやら中堅クラスの人たちのドラマが、繰り広げられるっちゅうほどではないけど、あります。

で、課長サイドへと話は流れ、課長一家の話から、課長の両親・老夫婦の話へとチェンジ、チェンジしていきよります。

巧妙でおます。こういうさまざまな人たちのドラマを、よどみなく見せていく群像劇とゆうのんは、映画を作る側としては、最も難解なものの1つなんでおます。ともすると、バラバラなカンジになってしもたり、映画としてのトータル感が薄かったりしよるのです。

ところが、本作は、同じくムン・ソリはんが出てはった「家族の誕生」(2006年・韓国)並みに、見たあとの統合感・着地感が、フィギュアスケートでゆうたら「レベル・フォー」のラインでおました。

セピア照明のもと、いろんな出演者たちがシャル・ウィー・ダンスする、ラストのタイトル・ロールが、トータル感に拍車をかけはります。いろんな世代の人間ドラマが、一体となる瞬間でおました。五輪語録では、チョイ古いやもしれまへんが、あー、チョー、キモチイイー、でおました。

Ⓒ2009 INDIESTORY Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

2010年3月 9日 (火)

ジム・キャリー主演映画「フィリップ、きみを愛してる!」

ジム・キャリーはんのナントモ言えへんホモ・ゲイ演技やー

ユアン・マクレガーはんが、その愛にこたえはります

http://iloveyou.asmik-ace.co.jp

3月13日(土)から、梅田ピカデリー、シネマート心斎橋、京都シネマ、OSシネマズミント神戸やらで、東京から北海道、沖縄まで、全国各地ドドーンとイッセーのロードショーでおまして、配給会社はアスミック・エースはんどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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みなはん、フランスのリュック・ベッソン監督はんって知ってはりますやろか。「レオン」(1994年製作・アメリカ映画)なんかで、ここニッポンでもコアなファンの多い監督はんでおます。

その監督はんが、アメリカのハリウッド映画にも負けへんような、娯楽大作を目指して作らはった映画製作会社が「ヨーロッパコープ」でおます。カーチェイス・アクションの「TAXi」シリーズ(1997年製作・2000年・2003年・2007年・フランス映画)とか、これまでいろいろと刺激的な作品を届けてくれはりました。

そして、本作はコメディにして、いわゆるラブコメとして定着してるハリウッド作品に対しまして、アンチ・ラブコメなる視点も入れはった、ユニークな作品となりました。

何と言ってもコメディアンとして、映画史に残る演技を示し続けはるジム・キャリーはんが主演でおます。「スター・ウォーズ」新三部作(1999年・2002年・2005年・アメリカ映画)のアクション演技やら「トレインスポッティング」(1996年・イギリス映画)のトンガッた演技なんかで、いわゆる直球の演技を披露し続けてきはった、ユアン・マクレガーはんが、そんなジム・キャリーはんと恋愛しやはる、女っぽいツヤある演技を披露しやはります。驚きました。

スティーブン・スビルバーグはんが撮らはった、サギ男のコンゲーム映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年)ノリで、男同士の愛を追究したみたいなカンジかな。その時のサギ男役レオナルド・ディカプリオみたいなんを、ジム・キャリーはんがやってみやはったカンジでおますか。

脱走シーンやら、エイズ仕掛けネタやら、ニセ弁護士、ニセ財務担当になる、ほとんどリアリティーのなさそうなハチャメチャ系など、ついつい、ウーンと、うなりそうなとこもあるんやけど、まあまあ、よしとしてくだされ。

それに、「メリーに首ったけ」(1998年)なんかの、ファレリー兄弟監督のセンスもございまして、男同士の愛がコメディ調で描かれていきよります。

僕が思ったのは、ハリウッド・ラブ・ストーリーへの、コミカルなアンサーとゆう視点でした。映画そのものはフランス映画なのです。でも、ハリウッドのラブコメ映画として見たら、ジム・キャリーはんが出ている点はあるにしても、いかにもハリウッド映画のように見えていて、実は違うんだす。

ゲイの話でこういうのんは、ハリウッドではあんましないんでおますよ。個人的には特に、スタンダード・ポップスを流して、人影にしての2人がムショで、シャル・ウィー・ダンスするシークエンスが良かったでおます。

Ⓒ2009 EUROPACORP.

2010年3月 8日 (月)

シブーイ韓国映画のケッサク「息もできない」

北野武の原点作「その男、凶暴につき」の韓国版やでー

しかも、何とも言われへんキズナが描きこまれておます

http://www.bitters.co.jp/ikimodekinai

3月20日(サタデー)から東京・シネマライズやら、4月10日(サタデー)から大阪・シネマート心斎橋やら、次々にこの韓国映画のケッサクが出てきよるでー、あー、もーたまらんでー、な全国順グリのロードショーでおます。ビターズ・エンドはんと、スターサンズはんの共同配給でおます。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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韓国映画の底力を示すケッサクでおます。

韓国映画の在り方について語りまするに、いろいろニッポン人を夢中にさせてくれはった、韓流のテレビ・ドラマの路線とは、ビミョーに違うんでおますよ。

韓流、韓流なんて、21世紀になって、ここニッポンではいろいろ、かしましくなっておましたけども、韓国映画のホンマのホンマに、映画の第七藝術たるところを示さはる映画といいますのは、そんなにかしましくはなかったのでおます。

「冬のソナタ」チックな映画作品とかが、ニッポンではヒットしておったのでおます。でも、こういう何とも言えへん、映画史にもの申すみたいな作品が、実はいくつも作られているのでおますよ。「映画は映画だ」(2008年製作・韓国映画)なんて映画も韓国から出てきましたけども、この映画は、ホンマに映画は映画なんでおます。

「波止場」(1954年・アメリカ映画)のマーロン・ブランドやら、「理由なき反抗」(1955年・アメリカ)のジェームス・ディーンやらとは違いよりまして、主人公にして監督のヤン・イクチュンのアニキは、グレてどいつもこいつも殴ったるぞーな理由がはっきりしておます。北野武監督のデビュー作のバイオレンス映画「その男、凶暴につき」(1989年・日本)も思い出させよります。

でも、「その男、凶暴につき」のひたすらバイオレンスやなく、暴力をテーマにしながらも、それでもいろんな人たちのキズナを描き込むとゆう、ある意味でアクロバティックな絆映画を構築してはるんでおます。このあたりが、もー、何とも言えへんのでおますよ。

家庭内暴力やら家庭外暴力やらが原因で、共にオカンを亡くしてしもた、暴力的な主人公と女子高生役のキム・コッピの、キズナ部が、これまでの映画にはなかったような作りになっておます。このあたりに、この映画のシブミがあるんですわ。

北野武がよく映画に出てセリフとしてしゃべらはる、「バカ野郎」「このヤロー」みたいなセリフ、「クソ野郎」とか「クソアマ」「アバズレ」なんて、きたないコトバが出てきよります。そんなセリフのやり取りで、2人がココロを通わせていくなんてゆう演出スタイルは、まあ、そうそうありまへんやろ。

僕が見たあとあとで、ゆっくりとシビレてしもたんは、写真の2分くらいの酒場での長回し撮影シーンに加え、漢江(ハンガン・川でおます)の岸部での2人のやり取りなどでおました。

殴ったろか、おう、おまえも殴ったるわ、なんてタッチのセリフで、どう見ても心の交流なんてできまへんやろ。ところが、この2人にはできるんでおますよ。けなし合いつつココロを通わせていく、そのやり取りに新しさをカンジました。

クライマックスでは血だらけの顔のクローズアップが、1分くらいも続いたりしまんのに、それでもなぜか心地よいあと味なんですわ。

「その男、凶暴…」のように、暴力は受け継がれてゆくみたいな視点もあるのですが、ホッとするような見ごたえとある種の感動は、やはり、2人の交流部のうまさやと思います。

こういう韓国映画が、「冬ソナ」みたいにニッポンでブレイクしたら、どないやろかー。映画の映画らしきところへと、ハマル人たちが急増するやろね。とにかく、「息もできない」ならぬ、ある意味「息もつけない」会心作でおます。

Ⓒ2008 MOLE FILM All Rights Reserved

2010年3月 7日 (日)

映画「ダレン・シャン」

一体あいつは「ダレン・シャン」なんチュー、ジョークも出てくるかなー

バンパイアはじめ明るいフリークたちが大活躍するでー

http://www.darren-shan.com

3月19日(フライデーでおます)から、全国イッセーのロードショーでおまして、大阪やったらTOHOシネマズ梅田、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんばやらで上映されよります。配給は東宝東和はんどす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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アメリカ製作でおますが、イギリス原作もののファンタジーが出てまいりました。

「ハリー・ポッター」シリーズ(2001年~2009年製作・アメリカ映画)よりチョイ、ダーク。「ロード・オブ・ザ・リング」3部作(2001年~2003年・アメリカ)よりチョイ、ストレートやねー。

「トワイライト」シリーズ(2008年・2009年・アメリカ)やら「ブレイド」3部作(1998年~2004年・アメリカ)やらの要素も、そこかしこに散りばめつつ、また、バンパイアをはじめとしたフリークたち、つまり、変形人間・奇形人間たちの連帯、友情、恋を描く点では、「エレファント・マン」(1980年・アメリカ&イギリス)よりは当然明るく、「ビッグ・フィッシュ」(2003年・アメリカ)とか並みに、楽しい作りになっておます。

写真の2枚目に写っておます主人公、ピカピカの新人さん、クリス・マッソグリア君です。彼のナレーションによる、彼の葬式シーンから始まりよります。いきなり、おい、どないなっとんねー、でおますが、友人を救うために、バンパイアの助手になる約束をしてしもて、ほんで、「ブレイド」みたいに半分人間・半分バンパイアなんでおますけど、ならはりました。

で、そんな状況ではフツーのように、人間界にはおるわけにはまいらんようでおまして、とりあえずは、死ぬんでおますよ。

一方で、主人公が助けた、写真の3枚目に写っておます友人が、これが何とバンパイアになりたい夢を持ってはりまして、バンパイア・ファンのおっさんにそそのかされはりまして、バンパイアにならはるんだす。

で、そのバンパイア界では、2派に分かれて戦争をしてはるのですけども、ここ100年は休戦中やったのですが、主人公と友達が敵対する2派に分かれたことで、新たな抗争がボッパツしそうな雲行きになるんでおます。で、本作はシリーズ第1弾のノリでおまして、2派の戦いはまだ始まったばっかりやー、っちゅうカンジなんでおます。

主人公と友達の2人が、奇形人間たちのサーカスに行ったことから問題が起こるんでおます。そのサーカスの司会者役は、ケン・ワタナベ(渡辺謙)でおまして、作られた広い額がオモロイ感じです。

そのサーカスに出てきはる、いろんな個性的な人たちに、2人はアゼン・ボーゼンとならはります。楽器を弾く大ヘビとギター弾くけったいなアニキのスネーク・バンドやら、ヒゲはえたり消えたりの人間のサルマ・ハエックのおネーさま、毒グモあやつるジョン・C・ライリーのおっさんらが、こんなに素敵な商売はないとばかりに、ステージ・ショーをば披露しはります。このサーカス・ショーから、異世界のファンタジーへと連れ込まれよります。

カトリーナの後遺症がまだ残るルイジアナ・ロケでおますが、このルイジアナにはこの映画にふさわしいロケーションがいっぱいあるんでおます。薄ブルー入りの光の帯に映えるオークの木やら、サーカスの劇場、サーカスのキャンプ地なんか、ほおー、そうかいな、ええ雰囲気やんか、と驚きがござります。

戦いは始まったばかりやから、シリーズ化は当然でおまして、これからどんどん盛り上がっていくはずでおます。主人公は、「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフや、「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッドみたいに、今後どんどん成長し、好感度が増すことでおましょう。期待大でおます。

Ⓒ2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2010年3月 6日 (土)

山田洋次監督新作「京都太秦物語」主演の海老瀬はな

海老瀬はなチャンが、山田洋次監督や寺島しのぶオネーやんやらのことを語らはりました。

ベルリン国際映画祭の逸話も披露でおます。

http://www.ritsumei.ac.jp/eizo/kyotostory

5月22日(サタデー)から、MOVIX京都でロードショーしはったあと、全国各地順グリ、やがてドカーンとなるロードショー1本道でおます。映画の配給は松竹はんどすえー。

取材・文=映画分析評論家・宮城正樹

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山田洋次監督が阿部勉監督と共同監督をしはりまして、しかも、山田監督が映画のキモを教えてはる、京都の立命館大学映像学部の生徒たちと共に、撮らはった「おとうと」に続く新作が「京都太秦物語」でおます。

でもって、そんなフレッシュな作品に主演しはった、名優・高岡早紀ネーさんにも似ておます「海老瀬はな」ちゃんに、いろいろ聞いてきよりました。

「山田監督ゆうたら、キビシーおまっしゃろ」

「厳しい厳しいといろんな方から聞いていたのですが、演技指導はお芝居の基本しか言われないんですよ」

「もうチョイ詳しめにゆうたら、どうなんの?」

「まっすぐ立てとか、ちゃんと立てとか、芝居をするなとか、表情を作るなとか、役を作ろうとしなくてもいいよとか」

「要するに、自然体でやってくれってことやね。で、ドイツ・ベルリン国際映画祭(仏カンヌ、伊ベネチアと並んで世界3大映画祭の1つ)で、フォーラム部門招待ちゅうことで、ベルリンへ行かはりました。向こうのお客はんの反応はどないなもんでした?」

「2回上映されたんですけど、前もって聞いてた話では、気に入らなかったら、向こうのお客さんはすぐに出て行くってことでしたが、思った以上にあたたかく、で、爆笑に近い笑いが起こって、ほとんど笑ってはる状態でした」

「観客とのQ&Aもあったんやね」

「感想に近いQ&Aでしたけど、私たちは観光地としての京都は知ってるけど、京都の人たちの日常生活が見られて良かったとか、今の日本の若い人は(この若者役は、はなちゃんの恋のお相手役・EXILEのUSAでおます)お笑い芸人を目指す人が多いのかとか」

「印象に残ったこととかは、どないやのん」

「レッドカーペットを歩けて幸せでした。立命館の学生さんたちと一緒に歩いたんやけど、こういうことって、もう2度とないんじゃないかって思いました」

「『キャタピラー』(若松孝二監督作品・今夏公開)で最優秀主演女優賞をもらわはった、寺島しのぶはんとは現地で会われましたか」

「受賞式は最後までいましたし、感動しました。『ハッピーフライト』(2008年製作)で寺島さんと共演させていただきまして、同じくスッチー役に扮しましたけど、芝居に向かう姿勢とか、学ぶべきことが多かったです」

「ほんでもって、カンジンな映画のことでおますけども、お好みのシーンとかはありますか」

「私の好きなシーンは、幼なじみの康太(コウタ=前述のUSAクンがやっておます)の豆腐屋さんでお手伝いするところです。生まれも育ちも私は京都なんやけど、生まれ育ったところには商店街がなく、商店街のイメージを知らなかったんやけど、体験というか、そこで生活させてもらったことは大きかったですね。本当に京都の地元の方が出てますし、クリーニング屋さんの家を借りてロケして、深く関わることができて、ホントの親子になれたように思います」

「そうですか。あと、もっと、この映画のプッシュのコトバをゆうてくだされ」

「映画で現場のスタッフさんが、エキストラとして出てはるのですが、山田監督も一瞬だけやけど出演してはるんです。私は3度見ましたけど、その一瞬のシーンを確認できませんでした。みなさん、ぜひ何度もチャレンジしてみてください」

「いやあー、そら、あの、アルフレッド・ヒッチコック監督的やんか、ああ、そら、ボクチンも知らんかったわ。もう1回見せてもらわなあかんな」

とゆうことで、再見させていただきまして、後日、この映画の批評分析をやらせてもらいまっさー。ドーゾよろしくだす。

海老瀬はな・プロファイリング→阪神タイガースがリーグ優勝しニッポン1にもなった、1985年の12月9日に京都で生まれはりました。大学は京女こと京都女子大学でおます。

2005年に、松竹はんが創業110年を記念しはってやらはった、女優オーディション「STARGATE」で、一等賞に輝かはりましたんでおます。そんでもって、「釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ」(2006年)で、映画女優デビューしはりました。

上で言いよりました「ハッピーフライト」のほか、「犬と私の10の約束」(2008年)では好感度の高い助演を演じ、「築城せよ!」(2008年)では初主演だす。現代の城造りのメイキングものやけど、ステキなラブストーリーを演じてはりますよ。

日本映画「トルソ」

渡辺真起子おネーさまって、みんな、知っとるかー?

「幻の光」の江角マキコにも似た、ビミョーな巧演技

http://www.oaff.jp

「大阪アジアン映画祭2010」(3月10日~14日)の1本としてでんな、大阪・福島・「ほたるまち」にござりますABCホールで、ニッポン初上映でおます。配給会社はトランスフォーマーはんでっせ。

文=映画分析研究所・所長・宮城正樹

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写真を見ておくんなはれ。見出しの真起子おネーさまが、トルソてゆうてもでんな、彫刻やなく空気入れて膨らませはった、いわゆる空気人形でおまして、一緒にベッドインしてはります。

クビなし手足なしの男の人形がトルソでおまして、ある意味、気色(きしょく)悪いでおますわな。ところがでんな、そんなんとマジメにセックスしはったり、レンタカーでドライブして海へ行かはって、一緒に泳いだりしてはるんだす。なんじゃ、そらー、変態女の話かいなー、と思わはる方もおられるやもしれまへん。

でも、これはイロイロ事情やらトラウマやらが、込み合った結果なんでおますよ。そのあたりのとこは、本編でチビチビ明かされることになりよります。

マキコネーさんといえば、三浦友和はんの妻役で、ネチネチジクジクチクチクやらの、難解な演技を披露しはった「M/OTHER(マザー)」(1999年製作)が、映画業界では大変有名です。この作品は、カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞、五輪でゆうたら、銅メダル級の賞をゲットしはりました。

ところで、ネーさんには妹がいてはりまして、異父で同母の姉妹なんですわ。オカンが結婚してネーさんを生んだんやけど、オトンが家出してしもて、ほんで、次の男と結婚して妹が生まれたとゆうことですわ。

こういうカンジで展開する映画では、既に紹介し分析いたしましたロードムービー韓国映画「今、このままがいい」(2月26日付け)の、異父姉妹ドラマとおんなじ設定でおます。ただ、本作ではこの姉妹が、日常生活の延長線のように展開するドラマを淡々と綴っていかはります。

なるほどな。「幻の光」(1995年)は違うけど、カンヌで主演男優賞をゲットした「誰も知らない」(2004年)など、是枝裕和監督の作品で撮影監督をやってきはった、山崎裕(ゆたか)はんの初映画監督作品でおます。撮影監督らしい挑戦とこだわりが、いろんなとこで見られよるんでおます。是枝監督の「空気人形」(2009年)にも、アンサーしやはります。

同一画面での、衣服を含むブルーとセピアの、寒色と暖色の配置対比構図はもちろんのこと、室内シーンで照明を入れないシーンを次々に披露していかはり、昼間もカーテンを閉めて暗い部屋を演出します。

室内撮影で映画としての照明を入れないシーンが、どのようなカンジになるのか、よく分かった上で、作ってはります。そのあたりがよーく分かりました。今のニッポン映画には、余り使われておりまへん手法で、ドラマにどうゆう効果をもたらすのかは、みなさんの判断やけど、ボクとしては、チョイ変わってて新鮮やったかな。

渡辺ネーさん、真起子マッキーは、黙々とした行為の連続の中で、変態ぶりをチクチクッと示さはる妙演技だす。一方で、ブッキラ節演技をヒョウヒョウと続けはる、妹役・安藤サクラちゃんも、怪妙演技フツフツでおます。

ケッタイな姉妹ドラマなんやけど、姉妹の何ともいえへんキズナぶりが、ココロにフワ~ンと残るような映画でおます。

Ⓒ2009 “Torso” Film Partners

2010年3月 5日 (金)

アニメ映画「イヴの時間 劇場版」

ロボットと人間のココロの交流が泣かせよります

原色を排した、薄イロの配色が何ともたまりまへん

http://timeofeve.com/

3月6日(サタデー)から東京・池袋テアトルダイヤ、コドモたちの春休み中の4月3日(同じくサタデー)から、大阪・テアトル梅田やらで、胸キュンのロードショーでおます。配給会社はアスミック・エースはんどす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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2008年の8月から2009年の9月まで、配信されとったアニメ・ドラマ映画が、

<1st.シーズン完全版>としての登場でおます。

写真を見てもろたら分かりますように、シロッぽいイントロはじめ、原色を全く使わない、薄味の色でストーリーを展開しはります。さらに、モノクロ、脱色、ダ円映像など、随所に配置しはりました。渋いでおますよ。

また、写真にもあります通り、室内への陽光の取り込み具合やら、照明を使ったようなアニメとしての描き方、また、人の影の使い方などに加え、うすムラサキな色合いや薄い赤色使いなんか、光と影の配置が緻密すぎてビックリですわ。

従来のイメージのロボットや人間型ロボットと、人間との、ココロの交流を感動的に描いたアニメでおます。

交流の場として、タイトルの喫茶店を設定しはり、さまざまな交流エピソードが映されていくんだす。

マスターである主人公リクオが、自分の女性アンドロイドがその喫茶店へ行ってるのんを察知しはり、リクオの友人マサキと共に、喫茶店へ行かはるんだす。

すると、そこには、女性マスターがいてはり、常連がいてはり、アンドロイドたちがいてはるとゆうことなんです。でもって、アンドロイドと人との、いくつかのエピソードが展開していきよります。

ロボットとロボットの恋、祖父と8歳未満の孫娘に加え、マサキとロボと父の逸話なんか、ある意味においてサプライズ感がござります。

そのサプライズは、女性ポップス・バラードが流れるラストの、タイトルロール後にもあるんでおますよ。

SF作家のアイザック・アシモフが提示した「ロボット3原則」に、のっとった作りにも驚きがありました。

シリーズ化は当然でおます。今後、このアニメがどうゆう展開を繰り広げていくのか、大注目でおますよ。期待いたしましょうや。

Ⓒ2009/2010 Yasuhiro YOSHIURA/DIRECTIONS,Inc.

2010年3月 4日 (木)

Rain主演映画「ニンジャ・アサシン」

韓国のアノ「Rain」が、ハリウッド映画初主演でおます

ニッポンの時代劇にもなかった、とんでもないニンジャ・アクトが展開しよりますでー

http://www.ninja-film.jp

3月6日(サタデー)から、東京・新宿ミラノ3やら、3月20日(同じくサタデー)から、シネマート心斎橋やらで、全国各地順番のロードショーをやらかします。配給会社は、ワーナー・ブラザース映画はんどす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Photo

21世紀における現代の、忍者=ニンジャ・アクションの、時代劇のニッポン映画にもない、スタイリッシュ・ニンジャ・アクトを作らはった娯楽作品でおます。

製作してはりますジョエル・シルバーはんに加え、「マトリックス」(1999年製作・アメリカ映画)で映画の歴史的なアクションを作らはった、あのウォシャウスキー兄弟監督が関わってはります。

まさに、「マトリックス」的な、これまでにはないアクション・シーンを作ってはるんでおます。銃撃アクションを上回る剣撃アクト、さらにチェーン付きのマサカリ・アクトやら、モロ、刀のストレートな対決やら、いきなり大阪舞台設定の冒頭のシーンから、示さはります。

血しぶき散らかり舞うシーン、ある意味において、スプラッター・ホラーみたいなシーン作りやら、現在の車道での、ニンジャ・アクション、しかも追いつ追われつのチェイス系なんか、これまでのこの種の映画にはなかったシークエンスを作ってはるんでおますよ。

クライマックスなんか、「燃えよドラゴン」(1973年・アメリカ&香港合作)的な1対1のバーサス・シーンが、いくつかのシーンにわたり、やってきよるんでおます。格闘技系映画のファンには、とってもたまらへんでーなカンジなんでおますよ。

燃える炎が障子に映える、セピア・シーンの中での影の対決、炎上するシーンをバックにした師弟対決シーンなど、バトル映画としての印象深きシーンが、いくつもあるんでおます。白い空間から赤い照明シーンへと移り、ニンジャVS警察隊との、光と影の一大決戦シークエンスは、本作のハイライト・シーンの一つでもおます。

そんなアクション・シーンのテンコ盛りの中におきまして、ボクチンが最もココロ魅かれたシーンは、修業時代の主人公と女の子の、何ともいえへんココロの交流シーンでおました。

いわば、単純にゆうたら、ラブストーリー部っちゅうことになるんやけども、主人公が「カムイ外伝」(2009年・日本)みたいに、抜けニンジャになってしもた、ポイントとなりよる描写でおます。

このラブストーリー部が、この映画のキモにもなっておるのです。殺されてしもた少女のピュアなココロが、深~く胸に染みます。

Ⓒ2009 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES AND DARK CASTLE HOLDINGS, LLC

2010年3月 3日 (水)

映画「ホワイト・オン・ライス」

久々の裕木奈江が、母・妻・妹役を自然体で快演技やー

インディペンデントなアメリカン映画魂と、ニッポンの家族映画がミキシングされたみたいやー

http://www.oaff.jp

「大阪アジアン映画祭2010」(3月10日~14日)の1本として、大阪・福島・ほたるまちのABCホールで、アジア初上映されよります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Photo

さっそく写真を見ておくんなはれ。渡辺広扮する40歳バツイチの兄貴と、裕木奈江演じる既婚者で一児の母の妹の、ツー・ショットでおます。

冒頭シーンで、2人仲良くテレビをば、見てはるんでおますが、それが日本を舞台にしたサムライ・ムービー、つまり、時代劇で、英語セリフなんです。血がほとばしる切腹シーンでは、2人が大笑いしはります。おい、なんやねん、この始まり具合は! なんて驚かせてくれはります。

日系人の夫妻とコドモ1人の3人家族の中へ、兄貴が転がりこんできはりまして、会社勤めはしてはるんでおますが、毎日愉快にお気楽に暮らしてはるんだす。

この兄妹の造形は、「男はつらいよ」シリーズ(1969年~1995年製作・全48作)の「寅さんとさくら」にチョロッと似ておます。兄妹ものとなれば、ニッポン映画だけを見ても、シビアな関係から平和な関係まで、数々ござるのですけども、まあ、これは喜劇寄りでおまして、しかも、アメリカナイズなユーモアも見せる兄妹関係なんですわ。

つまり、アメリカン・コメディとニッポン映画的喜劇がミキシングされとるんでおますよ。それに合わせて、夫婦映画、家族映画としての側面でも、同じテイストをカンジさせよります。

「寅さん」を例にしますと、兄と妹の息子の関係は、寅さんと吉岡秀隆の関係やし、兄がいずらくなってしもて家出するところなんかも、寅さんの行動原理にかぶります。さらに、兄の婚カツもまた、寅さん的失恋モードがござります。

一方で、ブラバン流してのカー疾走シーンや、ラストロールの弾きがたりフォーク・ナンバーなど、アメリカのインディーズ映画のタッチもしっかり入っておるんだす。

セピアとブルーの2分割カット、シャッター・カットで場面転換したり、部屋内のセピア照明シーンと、野外の天然光シーンのさりげない対比描写に加え、ここぞとゆう時のスロー・モーション使いなんかの、細部も計算されておます。

中でも、やっぱ、特筆事項は、デヴィッド・リンチ監督「インランド・エンパイア」(2007年・アメリカ映画)の最後の方で、チョロッと出て以来なんとちゃうかなー、裕木奈江おネーさまの登場でおます。

なんもしてへんのに、いつのまにやら日本でバッシング受けてしもて、どこかへ消えはった、オモロナイ過去があるにも関わらず、今なお変わらぬピュアピュアな自然体の、そう快演技がキモチいいでおますよ。本作がさわやかな仕上がりを見せる、おそらく1番のポイントでおましょう。好感度の高い快演です。

Ⓒ2009 Tiger Industry Films Releasing LLC

2010年3月 2日 (火)

日本・韓国合作映画「東京タクシー ディレクターズ・カット版」

東京から韓国・ソウルまでタクシーでいってまうお話やー

珍道中のロードムービー・コメディが展開しよります

http://www.m-on.jp/dramaproject/

「大阪アジアン映画祭2010」(3月10日~14日)のクロージング作品として、3月14日(サンデー・ホワイトデー)に、夜7時15分より、大阪・福島・ほたるまちのABCホールにて、関西初上映でおまして、ミュージック・オン・ティーヴィはんがSPEEDSTAR RECORDSと共に、製作に関わらはりました。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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いやあー、これまでロードムービーやなんて、数限りなく作られてきよったのでおますけども、タクシーで東京から韓国・ソウルまで行くやなんて、「ドッジGO!GO!」(2002年製作・日本映画)以来でおます。

その「ドッジ…」では、数シークエンスでしか使われておりませんけど、本作は全面フィーチャーでおます。しかも、そのロードムービー・スタイルは、これぞまさに珍道中やんかー、な仕上がりなんでおます。

日本での韓国人タクシーの運ちゃんやらとの、かみ合わない絡み。韓国サイドでは、戦争ボッパツかいなーっちゅう軍隊演習シーン。ずっと運転してきたけど、エンコしてしもて、運ちゃんはガソリン買いに1人スタンドへといかはります。お客はん、Jポップ・バンドのニュー・スター「THE BACK HORN」のリード・ボーカル山田将司クンが、車内で待ってたんやけど、目を付けられてしもて軍隊に拘束されはるんでおます。で、その間に、タクシーがレッカー車に引かれてしもて…。

運ちゃんと山田クンが、いろいろあって再会するシーンはチョイ感動。でも、その後、2人でラーメン食ったり、月とソウルタワーのあるところでの、運ちゃんのケータイやり取り、でもって、「アイム・ファイン・サンキュー」やら「キャン・ユー・スピーク・イングリッシュ?」やら、日本人・韓国人のコミュニケートに英語が介在するとゆうカンジなど、2国間交流のユニークなカンジを出したりと、ボクチンはもとより、観客みなさんを惹き付けはるシーンの連続シュートがおます。

でもって、山田クンがバイトしてはる東京のラーメン屋で、みそラーメン食わはる韓国の美女スッチーとビビッときて、その美女とのラブ・ストーリー部も展開するとゆう作りなんでおます。ボク的には、ポジティブでアッケラカンな運ちゃんキャラに好感を覚えよりました。

サントラにも妙味ありでおますよ。ギターの弾きがたりを始め、韓国のソウルへの語呂合わせとも取れるソウル・ナンバー、サビから音量と声量が厚く・熱くなるキャッチーなJポップ・ナンバーなんかが、キュ~ンとくる聴きごたえでおます。「THE END」の文字と共に、女性DJが語る「この季節にふさわしい、オフコースの『秋の気配』です」のセリフの余韻は、良かったでおます。

何はともあれ、ロードムービーの新味を打ち出さはった作品でおました。

2010年3月 1日 (月)

映画「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」

ジョニー・トー監督の、銃撃大アクション映画が登場やー

「エグザイル/絆」以上にフィルム・ノワール色を増した作りやでー

http://judan-movie.com/

http://www.oaff.jp

「大阪アジアン映画祭2010」(3月10日~14日)のオープニング作品として、3月10日(ウェンズデー)の午後6時40分から、大阪・福島・ほたるまちのABCホールで、ニッポン初上映(チケットはソールド・アウトやー)でおます。ジョニー・トー監督も来日しはります。ロードショーは5月から、東京を皮切りに全国順グリでおます。配給会社はファントム・フィルムはんだす。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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ジャッキー・チェンやらのアクション作品やらで、これまでイメージ定着されとった香港アクション映画のイロを脱色しはった、全く違いよります銃撃アクション映画でおます。

また、スロー・モーション・アクションを多投しやはる、中国出身のジョン・ウー監督節とも違います。スロー・モーションは部分的に使うとこはあるんやけども。

いわば、「マトリックス」(1999年製作・アメリカ映画)で有名な、ウォシャウスキー兄弟監督の、あの「ワイヤー・アクション」の革命的アクションに匹敵する作りなんでおますよ。フランスの犯罪映画「フィルム・ノワール」のノリを、香港アクションに注入しはった、ちーますか。

ジョニー・トー監督印となった、本作の前作「エグザイル/絆」(2006年・香港映画)以上に、フィルム・ノワール色は濃くなっておるんだす。

ありきたりな銃撃戦が1つとしてない、斬新な設定の銃撃アクションが次々にやってまいります。

照明を入れずに、薄グリーンと影を配置しての銃撃アクト、月光が雲に見え隠れする中での夜の銃撃戦、そうココは闇の中なんで、誰が誰を撃ってるやら分かりにくいんでおますが、あえてそれを貫いて、オリジナリティーあふれる銃撃シークエンスをクリエイトしてはります。

狭い階段を生かしてのアクション、でもって、ゴミが舞う風吹く野原での、ゴミのかたまりを「トロイの木馬」みたいに見立てて、突撃していくシーンのスゴサ。3人がタバコを吸いながらいさぎよくヤラれていくシーンは、鳥肌もんでおます。

ストーリーをお話しときますと、夫妻とコドモたちの一家が何者かに惨殺されるんやけど、フランス妻=娘はんは奇跡的に助かりはるんやけど、フランスから写真のオトンが来まして、娘一家をやった奴らを探してリベンジしようとしはるんどす。でもって、ひょんなるとこで知り合った殺人請負3人チームに、オトンがそいつらを殺してくれと依頼しはってでんな、でもって、オトンも加わって4人チームでやったるでー、と相なりよります。

オトンも実はかつて殺人請負稼業やってはったのですけども、その過去の任務でオトンは頭の中に銃弾が入ったままでおまして、このままやったら、やがて記憶喪失になるっちゅう、トンデモネー設定でおます。そんなん、脳みそに弾が入っておって、生きてられるハズないやんか。

で、予定通り、依頼のことも当然忘れてしもて、オトンは記憶喪失にならはります。それでも、3人組は依頼を遂行しようとするんだす。ああ、このあたりのところはオトコギにシビれます。

そして、迎えるクライマックス。記憶喪失のままのオトンが、余りにも強烈極まりない銃撃戦を戦わはるんですわ。もう、何ともいえへん展開が、めまいのように繰り出されてきよります。もう、ホンマに、どうにもこうにも、スゴイッす。

本年度最高のアクション映画の誕生でおます。

Ⓒ2009 ARP _ MEDIA ASIA ALL RIGHTS RESERVED.

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