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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年キネマ旬報ベストテン予想&マイ・ベストテン

キネマ旬報2019年


年間ベストテン予想

と結果報告

☆予想


●日本映画

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①天気の子

②宮本から君へ

③新聞記者

④長いお別れ

 

⑤町田くんの世界

⑥愛がなんだ

⑦蜜蜂と遠雷

⑧タロウのバカ

⑨ひとよ

⑩半世界

次点:火口のふたり

 

●外国映画

 

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①ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(アメリカ)

②運び屋(アメリカ)

③女王陛下のお気にいり(イギリス)

 

④ジョーカー(アメリカ)

⑤グリーンブック(アメリカ)

⑥バーニング 劇場版(韓国)

⑦存在のない子供たち(レバノン)

⑧ROMA/ローマ(アメリカ)

⑨私のちいさなお葬式(ロシア)

 

⑩希望の灯り(ドイツ)

次点:真実(フランス)

●試写室での試写といえば、2019年の分は大がい終わっとりますんで、


ほな、毎年恒例なのか悪評なのかよう分かりまへんけど、


キネ旬ベストテンを予想してみましょか。


ちゅうことで、とりあえず、選んでみました。


いろいろ講釈垂れるよりは、そのまま提示いたします。


あと、試写室での試写のないNetflix作品には、注意が必要かも。


2020年アカデミー賞で、注目される「アイリッシュマン」などは、


2019年公開作品なので、ボクの予想からは外してるけど、


キネ旬に応募される方は、入れておいた方がよろしいかも。



●2020年2月5日付け

 

キネマ旬報2019年年間ベストテン


☆結果と分析

 

●日本映画

 

①火口のふたり

 

②半世界

 

③宮本から君へ

 

④よこがお

 

⑤蜜蜂と遠雷

 

⑥さよならくちびる

 

⑦ひとよ

 

⑧愛がなんだ

 

⑨嵐電

 

⑩旅のおわり世界のはじまり

 

●外国映画

 

①ジョーカー

 

②ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

 

③アイリッシュマン

 

④運び屋

 

⑤グリーンブック

 

⑥家族を想うとき

 

⑦COLD WAR  あの歌、2つの心

 

⑧ROMA/ローマ

 

⑨象は静かに座っている

 

⑩バーニング 劇場版

 

●講評・分析

 

順位は別にして、


邦画5本・洋画6本を当てた
とゆう


的中率約50パーセントとゆう結果。


まあ、大たいこんなもんでしょ。


新人クラスの監督作品の、


邦画⑤洋画⑨は別にして、


従来通りと言えばそうだけど、


洋画でもそうだけど、


かつてベストテンに入った


ことのある監督の作品が、


主流で選択される結果となった。


監督で選ぶとゆうとこもあるんだけど、

 

洋画①や邦画⑧⑨の監督作品は、


キネ旬初ランクインとなった。


もちろん作品勝負ではある。


邦画では、


作品賞全5作中


⑤しかノミネートされなかった、


日本アカデミー賞との大いなる違い、


洋画では、試写の少ない映画への投票が、


今年は、やけに少なかったのが気になった。


試写回数の多いハリウッド映画、


一方でハリウッド映画でも、


試写のない、Netflix作品が2作も入るなど、


ベストテン選択の複雑系を感じた。


すべての作品は、絶対に見られない。


試写の少ない傑作が


投票者の全員に見られることはない。

 


そこに、ベストテンの難しさがあるように、


ボクは思った。

 

 

2019年日本映画・外国映


マイ年間ベストテン

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●日本映画

①宮本から君へ

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②男はつらいよ50 お帰り寅さん

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③長いお別れ

④町田くんの世界

 

⑤半世界

⑥愛がなんだ

⑦盆唄

⑧解放区

⑨ひとよ

⑩よこがお

次点:火口のふたり

 

●外国映画

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①イエスタデイ(アメリカ)

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②運び屋(アメリカ)

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③バーニング 劇場版(韓国)

 

④女王陛下のお気に入り(イギリス)

⑤存在のない子供たち(レバノン)

⑥アマンダと僕(フランス)

⑦幸福路のチー(台湾)

⑧ハッピー・デス・デイ(アメリカ)

⑨希望の灯り(ドイツ)

 

⑩ジョーカー(アメリカ)

次点:エセルとアーネスト(イギリス)

●邦画・洋画に分けた、2019年のマイ年間ベストテンです。


キネ旬のベストテン予想とは、ちょいというか、かなり違います。


むしろキネ旬ベストテンと全く同じような、


ベストテンなんかを出す映画評論家や映画ライターは、


皆無といってよろしいかと思います。


もしキネ旬ベストテン予想に応募される場合は、


いろんな評論家の意見を総合した上で、


自らのこだわりを入れてみれば、当たる確率は高いかと。


とゆうことで、マイ・ベストの詳細は、各作品のマイ・ブログ分析をご参照ください。


さて、2020年のベスト候補


については

マイ・ベストとは関係なく


随時報告いたします。


●年間ベストテン級作品(3月5日時点)

★邦画

○ラストレター

○海辺の映画館

 

★洋画

○パラサイト 半地下の家族

○ロングデイズ・ジャーニー この世の涯てへ

○リチャード・ジュエル

○レ・ミゼラブル

 

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

 

 

2020年3月27日 (金)

「もみの家」

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ヒロイン南沙良ちゃんが

メッチャいいね~
 
富山県・地方ロケ映画の

粋も魅せる
 
 
4月3日の金曜日より、テアトル梅田ほか全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2020「もみの家」製作委員会

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東京に住む一家。

引き籠もり不登校の

16歳の娘ヒロイン(南沙良)を、

両親(二階堂智・渡辺真起子)が、

富山県の施設に預けて、

更生を促す。

農作業をみんなで

やることを旨とする

その施設「もみの家」の

管理人夫妻(緒形直人・田中美里)。

そして、仲間たち(中村蒼ら)。

彼らとの交流で

ヒロインはどう変わっていくのか。

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施設に入って、共同生活の中で、

主人公・ヒロインが、

更生してゆく物語となれば、

よくある話なんと、

ちゃあうんと、

思われがちだが、

実は、そおゆうよくあった

良質の映画が、

最近はあんまし、

見かけなくなったのも事実だ。

しかし、本作は、そこんとこに、

ストレートに踏み込んだ作品である。

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緒形直人と南沙良ちゃんの、

今の親と子のひな型を、

見るようなやり取り。

ツーショットで

美しき夕景を見ながら、

お互いのことを話し合う

中村蒼と沙良ちゃん。

昨年逝去した佐々木すみ江と

沙良ちゃんの関わり。

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人と人のつながりの中で、

ゆっくりヒロイン沙良ちゃんが、

人生に目覚めて

前向きになり自立していく。

時に、うん?こんな流れで

どうして元気に!?

なんてとこもあるけども、

それでも、更生映画の

お手本的ではあるかもしれないが、

心地よく見せてゆく流れは、

ディズニー映画並みだった。

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ヒロインが、

死と出産に立ち会う、

この両極端から、

ヒロインを劇的に

生き方を覚醒させる手法は、

一面的にはわざとらしく映る。

但し、重要なのは、

ヒロインの演技ぶりだろう。

伏し目がちの前半から、

徐々にまっすぐ人を見る方向へなど、

演出意図が明確に見える。

彼女はきっちり

それに応えていた。

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加えて、富山県・

地方ロケ映画の粋がある。

田園風景、

イロイロ変わる空模様、

夕景、桜シーンなど、

四季の風景描写が、

みんなのココロを

ホッとさせるに違いない。

アコースティック・ギターによる

ポップス・ナンバーなど、

サントラ使いにも

癒やしがあった。

地方ロケ映画の快作にして、

富山県ロケ映画の中では、

最も好感度ある映画に

ボクはなったと思う。
 

2020年3月26日 (木)

「東京不穏詩」(とうきょうふおんし)

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ヒロインの堕ちてゆく物語
 
東京と長野ロケの格差に驚く
 
 
3月28日の土曜日から、シネ・ヌーヴォほか、全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2018 KOWATANDA FILMS. ALL RIGHTS RESERVED

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ザックリストーリーを言えば、

夢を持って上京したヒロインが、

クラブで働いて恋人に裏切られ、

故郷に帰って居場所が分からず、

いたたまれなくなってゆく

とゆうお話だ。

さらに、三角関係のもつれも描かれる。

ヒロインが堕ちてゆく日本映画は、

これまでにもイロイロあった。

「嫌われ松子の一生」(2006年製作)とか、

「にっぽん昆虫記」(1963年・モノクロ)とか。
 
本作もそうした系列に並べてもいい、

不幸なヒロインの物語では
ある。

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但し、本作は外国人監督、

インドのアンシュル・チョウハン監督が

撮った日本映画だ。

振り返れば、

日本女性のヒロインを描いた、

外国人監督の作品となれば、

カナダのクロード・ガニオン監督の

「Keiko」(1979年)などがある。

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2作に共通するのは、

ヒロインの行動が

ストレートであること。

さらに、感情は伴うけど、

いきあたりばったりの、

衝動的な行為が

出演者たちにある点だ。

衝動的親殺しを描いた

「青春の殺人者」(1976年)の

主演・水谷豊のような

やけくそなキモチが、

ヒロインの中にはある。

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堕ちてゆくヒロインを

体現したのは、

飯島珠奈(しゅな)。

暴力に遭い、

働いて貯めた金を奪われ、

恋人にも裏切られ、

故郷に帰れば、母は亡くなり、

嫌いな父一人が

資産を食う悠々自適。

そんな中でも、

かつての男友達との間に、

安らぎの一瞬があり…。

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その堕ちてゆく演技度合いは、

ぶっきら棒でけだるく、

そして、やけくそ気味の

ヤケのヤンパチだ。

アドリブっぽい演出の中で、

自然体でいったともいえるけど、

この演技作りには、

ある種鬼気迫るものがあった。

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東京がタイトルに

冠せられているが、

本作の後半はヒロインの故郷・

長野ロケだ。

この流れで、

地方ロケ映画の

自然の美しさを持ち出すのも、

奇異だと思われるかもしれないが、

先に紹介した「山中静夫氏の尊厳死」の

長野の美しさと何ら変わらない。

いわば、東京と長野の自然の美格差も、
 
垣間見える作品だった。

2020年3月25日 (水)

インド映画「サーホー」

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「バーフバリ」のプラバース主演

アクション大作
 
突然ミュージカル・シーンも多彩
 
 
3月27日のフライデーから、ツインの配給により、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマほか、全国ロードショー。

本作は、2019年製作のインド映画169分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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インド映画の歴史的ヒット作

「バーフバリ」

(2015年・2017年製作)に続き、

その主演のプラバースが主演。

「バーフバリ」の時代劇アクションが、

今度は、現代的
アクションへ。

ハリウッド映画級の、

大作感ある娯楽作品になった。

さらに、インド映画の

パブリック・イメージとなる、

突然ミュージカル・シーンが、

ラブストーリー・タッチをメインに、

お遊び的かつ幻想的に、

久々に多種多彩に盛り込まれた。

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プラバースの役は、覆面捜査官。

窃盗グループの事件や

犯罪組織を追って、

女刑事(シュラッダー・カプール)たちを、

ワンチームで束ねる

捜査主任の役だ。

そして、すさまじい銃撃戦、

カーチェイスが展開する。

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特に、モノゴッツーな

アクション・シーンは、

最後の方にある。

「ターミネーター」をTVで流し、

フィメール・ポップを掛けての、

ホテルの部屋の内と外に、

分かれた銃撃戦。

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クライマックスの

トラック、リフト、

ブルドーザー、バイクを

巻き込んでの

カーチェイス・アクションは、

「ワイルドスピード」並みの

メガトン級の

アクション・シーンだった。

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さてはて、アクション・シーンも

ディープ・インパクトなのだが、

ボクがイチバン魅了されたのは、

女刑事役シュラッダー・カプールの

セクシーぶりだ。

初めて見たけど、

キリリとした女刑事ぶりを

見せるかと思えば、

突然ミュージカルでは一転、

華麗に踊りまくり、

また、プラバースの

妄想ミュージカルでも、

仮想ラブストーリーを設定しつつ、

イメージ豊かなセンスある

シークエンスになっている。

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ブラックボックスを巡る、

スリリングな争奪戦。

前半の最後に分かる、

サプライズある、

プラバースの正体。

サスペンスかつミステリーなとこも

超ド級だし、

プラバースが

「イッツショウタイム」なんて言って、

映画の大きな見どころへと入る、

ユニークさなど、

エンタのサービス精神に

満ちたとこなども、

面白かった。

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世界的なヒットを経由しての

日本上陸。

「バーフバリ」以上の

ヒットが期待できそうな作品だ。
 

2020年3月21日 (土)

「山中静夫氏の尊厳死」


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「レナードの朝」に迫る

医療映画

医者と患者の

ヒューマニズム映画の傑作
 
 
3月20日の金曜日から、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸などで、全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019 映画「山中静夫氏の尊厳死」製作委員会

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患者(中村梅雀)は、末期の肺がん。

患者の最期を

看取り続けてきた医者(津田寛治)。

こんな2人が出会って、

シリアスな終末医療がスタートする。

病院を舞台にした映画とか

医療映画とかは多数ある。

しかし、患者と医者が

向かい合うことを

メインにした映画はさほどない。

本作は「レナードの朝」

(1990年・アメリカ)に迫る

医療映画になったとボクは見る。

今年のマイ・ベストテン級作品だ。

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患者と医者の、

各ヒューマン映画性を、

キチンと描いた上で、

ドラマを展開させるのだ。

「レナードの朝」の

医者役ロビン・ウィリアムズは、

本作では津田寛治に当たる。

ロビンのゆったり系とは違い、

津田は悩み深い。

医療に悩んで

うつ病にまでなってしまう。

家では、作家志望の息子にいじられ、

でも、妻(田中美里)は献身的。

家族映画としてのところでも、

シブミを見せる。

ボクは津田寛治主演映画を

初めて見たけど、

悩みあるヒューマニズムで、

緻密な演技を施していた。

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対して、患者役の中村梅雀。

彼の主演映画は多数あるけど、

静岡から故郷・信州の病院へ移って、

自分の墓を作りながら、

死んでいきたいとゆう、

その終末演技ぶりは、

「レナードの朝」の

昏睡から覚めた

患者役ロバート・デ・ニーロの、

謎めきよりも分かりやすく、

みんなの共感を呼ぶことは必至。

妻役・高畑淳子や、

「釣りバカ日誌」を思い出させる、

同級生役・浅田美代子も、

彼の演技を

名バイプレーヤーとして

極立たせていた。

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信州の空、夕景や月、秋の紅葉など、

美しい自然描写があるけど、

中村梅雀が

この故郷の風景を見て

死にたいとゆう、

気持ちに準じた描写である。

だから、その美しさが、

この映画を見る者の、

ココロに残るような、

作りになっているのだ。

最後に流れる、小椋佳の、

オーケストラをバックにした、

フォーク・ナンバー「老いの願い」。

泣ける。

とゆうことで、

死をテーマにしながらも、

感動ある映画だった。
 

2020年3月20日 (金)

韓国映画「人間の時間」⇒究極のサバイバル映画

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キム・ギドク監督の驚きの新作

チャン・グンソク初の汚れ役
 
3月20日のフライデーより、太秦の配給により、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか、全国順次のロードショー。

本作は、2018年製作の、韓国映画122分。

「R-18」指定映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2018 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

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アカデミー作品賞・監督賞を得た、

ポン・ジュノ監督だけじゃない。

韓国映画界には、

世界の国際映画祭で受賞する

映画監督が何人かいる。

中でも、

本作のキム・ギドク監督は、

世界三大映画祭の

カンヌ・ベルリン・ベネチアの全てで、

最高賞ではないけども、

監督賞などを受賞している。

その作品性には、

「R」指定をものともしない、

おのが道をゆくところがある。

そして、容赦のない過激さが

一つの特徴だ。

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シチュエーション・

サバイバル映画に挑んだ本作は、

「R-18」指定が示す通り、

監督の作品の中でも、

コドモには絶対見せられない、

最も激烈な作品となった。

豪華客船

「ダイヤモンド・プリンセス」とか

「タイタニック」じゃない、

軍艦でクルージングする人々の、

サバイバルなんだけど、

軍艦なんてところが、

監督のセンスなんだろうな。

しかも、その軍艦が

宇宙戦艦ヤマトみたいに

空中に浮き、

異界をさすらうのである。

あらまポテチンな驚きやん。

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その船には、ギャングたちや

悪徳政治家らが乗っていて、

のっけから、娼婦とやりまくり、

フツーの女たちを

強姦しまくるのだ。

犠牲になる1人は、

彼氏(オダギリジョー)と

旅行に来た女(藤井美菜)。

オダギリジョーは早々に、

ギャングに殺されてしまう。

政治家の息子役、

チャン・グンソクも

やってしまった。

控えめなとこを見せつつも、

グンソク初の汚れ役だ。

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船が空中をさまよい始めてから、

備蓄食料を巡って、

ギャングたちが支配を始める。

次々に人が、1人2人と死んでいく。

喋らないアン・ソンギの滋味。

エゲツナイ、アウトローぶりを示す、

リュ・スンボム。

強姦されまくって、

誰の子か分からない子を宿した、

藤井美菜の不安感演技。

サバイバルを誘発する各役者の、

演技ぶりには注目。

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クローズド・サークル

(閉じられた場所)での、

サバイバルものとしては、

「バトル・ロワイアル」(2000年・日本)

的非情性があった。

また、

「エイリアン」(1979年)や

「タイタニック」(1997年)など、

主にハリウッドの、

サバイバル映画の

セオリーのように、

生き残る人間は1人であり、

性別は…分かるよね。

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結末を含め、衝撃と驚きの連続。

まさかこんなことが…が続く。

何はともあれ、

恐るべき映画が出現した!
 

2020年3月19日 (木)

「ドクター・ドリトル」

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あのドリトル先生の冒険映画
 
動物キャラクターが躍動する
 
 
東宝東和の配給により、近日全国ロードショー。

本作は、2019年製作の、アメリカ・イギリス合作映画101分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019 Universal Studios

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100年以上にわたり、

親しまれている

普及の児童文学小説、

ヒュー・ロフティングの

「ドリトル先生物語」が

原作の映画。

動物と話せて、

彼らの病気を診る

ドリトル先生のお話は、

いかにもディズニーが、

好みそうな素材だが、

本作シリーズも

前作シリーズも、

ディズニーじゃない、

ハリウッド大手が、

ポスト・ディズニーを目指して、

実写版として

製作してきたのである。

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さて、その前作シリーズ

(1998年~2009年・全5作)は、

エディ・マーフィが

ドリトル役主演だったが、

本作の新シリーズは、

今をときめく

ロバート・ダウニーJr.主演だ。

未公開があったので、

本作はシリーズの

何作目かに当たる。

だから、先生の妻が死んだあと、

失意の中にある

ドリトル先生とゆう始まり方は、

チョイよく分からないけれど、

でも、見ていくうちに、

そんなのはすっかり、

解消してしまい、

胸ワクワクドキドキで、

見られるようになっている。

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ロバート・ダウニーJr.が、

アメリカン・ヒロイズムを

絶妙に演技していた。

それは、「アベンジャーズ」や

「アイアンマン」、

さらに「シャーロック・ホームズ」

などで示した、

チョイ万能じゃないけど、

最終的には結果オーライとなる、

あの独特のセンスで魅せる

ヒロイズムは健在だ。

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そして、動物たちの

個性あふれる躍動ぶりに加え、

今回から人間の少年が、

先生の助手として参加。

オウム、ゴリラ、アヒル、犬、

リス、シロクマ、ダチョウ、

キリン、キツネ、トラなど、

その多彩なキャラクターぶりには、

擬人化ディズニーの

1作品キャラを上回る、

オールスターな

アニマル・キャラだと言える。

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動物しか診療しない先生の元へ、

陛下の病気を治してほしい

とゆう依頼がきて、

逡巡の末に、

先生は依頼を受けるが、

陛下を治すには、

未開の地のある物が必須となり、

それを探しに、

動物たちや助手と共に、

船出する。

アクション・シークエンスが

次々にやってくる。

これぞ、アドベンチャー・

アクションのお手本

といっていい作りだ。

コロナ禍で

大変な時期だけど、

春休みに見る、

ファミリー映画として

一番におすすめしたい作品だ。
 

2020年3月18日 (水)

「キュアード CURED」⇒パンデミック映画

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パンデミックを

フィクションで描く
 
変型ゾンビもの

パニック・ムービーだ
 
 
3月20日のフライデーから、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次のロードショー。

本作は2017年製作の、アイルランド・フランス合作のアイルランド映画95分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⒸTilted Pictures Limited 2017

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新型ウイルス感染パンデミックの、

その後を描いた、

タイムリーな映画ながら、

あくまで映画としての、

娯楽に徹した作品だ。

ウイルス感染映画の、

マイ・ベストやカルトは
別にして、

その種の映画の、

映画として見るべき映画を、

独断と偏見で、

5本選んでみた。

①感染列島(2009年製作・日本)

②ワールド・ウォーZ(2012年・アメリカ・弊ブログ分析済み)

③アウトブレイク(1995年・アメリカ)

④コンテイジョン(2011年・アメリカ・ブログ分析済み)

⑤本作

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今回のコロナ・ウイルスのように、

中国や香港から起こった、

新型ウイルスの猛威を描いた①④。

特に④は、コロナのような、

濃厚接触感染なウイルスなので、

映画で示されるその収束ぶりは、

今回の一大事の

参考になるかもしれない。

アフリカからの③。

一方で、発生源を特定せずに、

謎めいたウイルスの

パンデミックを描いた②。

そして、本作は、5作の中では、

最も参考にはならないだろうけれど、

しかし、最も映画的フィクション

としての面白さを、

追求した作品になったかと思う。

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なぜなら

映画オリジナル・キャラクター、

ゾンビを、

感染パンデミックに

設定したからだ。

変型ゾンビものとなれば、

最近では

クローズド・サークル・ミステリーに、

ゾンビを使った「屍人荘の殺人」

(2019年・日本・ブログ分析済み)などがあるが、

本作もまた、

感染映画に新味をもたらしたのだ。

しかも、パンデミック終息後の

世界をメインに描いている。

退院した元感染者・

主人公(サム・キーリー)を、

義理の姉・ヒロイン

(エレン・ペイジ)が引き取り、

彼は感染者病院で働き始める。

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しかし、回復者たちを嫌う

市民グループと回復者グループが、

争うような事態が起こり、

入院してるゾンビたちを、

アイルランド市中に

放つような事件へと発展。

再び悪夢のパンデミック状態へ。

ゾンビが画面の横から

素早く襲い掛かったりと、

恐怖をあおる

演出ぶりもタイトで、

ホラー映画としても

楽しめる作品だった。
 

2020年3月14日 (土)

広瀬すず主演「一度死んでみた」

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広瀬すず過去最高の

コメディエンヌぶり
 
タイムリミット系

蘇えりコメディだ
 
 
3月20日の春分の日から、松竹の配給により、全国ロードショー。

本作は、
2020年製作の日本映画93分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2020 松竹 フジテレビジョン

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広瀬すずの役柄は、

アマチュア4人組デスメタル・

バンドのリード・ボーカル。

そんなことやらずに、

マジに後継者になってくれとゆう、

製薬会社の社長である

オトン(堤真一)が、

死ぬほど嫌いだ。

オカン(木村多江)が、

天国へ行って以降は、

2人暮らしだけど、

オトンの加齢臭に

「臭い」と言っては、

ファブリーズを掛けまくるのだ。

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そんなオトンが急死した。

広瀬すずは知らないけど、

オトンは社内の裏切り者を

特定するため、

松田翔太が開発した、

一度死んで2日後に

蘇える新薬を飲んで、

あの世から社内事情を

観察しようとしたのだ。

あの世への案内人

(リリー・フランキー)と共に。

しかし、裏切り者は、

蘇えるまでに火葬して、

灰と骨にしてしまえば、

蘇えりはないと目論んで、

イロイロ画策する。

しかし、広瀬すずは真相を知って、

娘の偵察役とゆうか、

お守り役に近い吉沢亮と共に、

それを阻止しようとする。

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いわゆる、タイムリミット系の、

生き返るか死ぬかのコメディだけど、

本作は全く新しい設定だ。

なぜなら、これまでのタイムリミットは、

死んだ者があの世へ行くまでに、

一時生き返れる時間制限があるのが、

主流であったように思う。

生き返るのに制限がある

パターンは珍しい。

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死んだ者が生き返る場合でも、

生前の記憶をなくしていたり、

全く新しい人間として蘇えったり、

蘇えりを謎にしたりしていた。

この映画ははっきり言って、

コメディであることは別にして、

生死の騙しを使った

「シックス・センス」

(1999年製作・アメリカ映画)ほど、

衝撃的ではないけど、

斬新さはあると思った。

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「ゴースト ニューヨークの幻」

(1990年・アメリカ)の主題歌

「アンチェインド・メロディー」が流れたり、

蘇えりポイントで

「2001年宇宙の旅」(1968年・アメリカ)

で使われた「ツァラトゥストラかく語りき」が

掛かったりと、

ツボを得た曲使いにも妙味があった。

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タイムリミット系のスリリングに加え、

コメディとしての面白・おかしさは、

最後の最後まで持続する。

死を取り込んだ映画で、

これほど笑える映画が

かつてあっただろうか。

デート・ムービーとしても、

ファミリー映画としても、

おすすめです。
 

2020年3月13日 (金)

「貴族降臨 PRINCE OF LEGEND」⇒週末日本映画劇場

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EXILEグループの


学園青春ドラマ

 

貴族VS王子の第2弾

http://prince-of-legend.jp

 

3月13日の金曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。


本作は2020年製作の、日本映画96分。


文=映画分析研究所 所長 宮城正樹


Ⓒ2020「PRINCE OF LEGEND」製作委員会

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音楽界から映画界へ、


進出した人たちについて、


みなさんの方が


よくご存じかもしれない。


日本映画ヒットの


キーワードになっている、


ジャニーズはもちろんだけど、


ジャニーズ俳優だけが


男性アイドルじゃないんだ。


近年は、EXILEグループも、


映画を作り出してきているぞ。


本作は、ダンス・パフォーマンス


音楽グループ


「GENERATIONS from EXILE TRIBE」


のリーダー(白濱亜嵐)が貴族役になり、


ボーカル(片寄涼太)が王子役となって、


2派に分かれて対抗し


対決するとゆうお話だ。

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EXILE映画には、


同じく男たちが対決する


「HIGH & LOW」シリーズがあるが、


本作と共通するのは、


学園青春ドラマである点だ。


但し、本作はホストクラブが、


高校に関わってくるとゆう、


ミスマッチなユニークさがある。


山本耕史の思惑で、


ホストクラブから


聖ブリリアント学園を、


乗っ取りにやってきた貴族は、


学園のシンボルでもある


伝説の王子と、


覇権を懸けて対決する。

 

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いろんないがみ合いや


小競り合いがあるけれど、


貴族と王子は最終的には


フェンシングで


決着を付けることになる。


そんな中で、


男たちのキズナや友情も描かれて、


チョイストレートすぎるけど、


感動的なところがいくつかある。


兄(DAIGO)と貴族・弟の


冒頭10分のキズナぶりとか、


2派に分かれた生徒たちの、


裏切りある中での


思いやりや友情とか。


さらに、最終対決から、


貴族・王子2人のその後まで、


見逃せない作りになっている。


また、第3弾への期待感もある、


含みある終わり方だ。

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個人的にスキなシーンは、


片寄涼太・王子が


ピアノの弾き語りで、


ビリー・ジョエルの


「オネスティ」を歌うところ。


さすがリード・ボーカルらしさを、


聴かせて圧巻だった。

 

 

2020年3月12日 (木)

「レ・ミゼラブル」⇒ミュージカルじゃない!

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フランスの郊外映画の問題作だ


今年のマイ・ベストテン級
 
 
3月13日のフライデーから、テアトル梅田ほか、全国順次のロードショー。

東京では、新宿武蔵野館ほかで上映中。

本作は、2019年製作の、フランス映画104分。

文=映画分析評論家・宮城正樹
 
SRAB FILMS LYLY FILMS RECTANGLE PRODUCTIONS

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タイトルから、

あのミュージカルの、

フランス版かと思いきや、

とんでもない勘違いだった。

一番上の画像をご覧ください。

凱旋門前の大通りを、

大衆が踊ってるシーンじゃない。

サッカーのW杯でフランスが

優勝したことに、

みんなで大騒ぎしてる冒頭のシーンだ。

その中には、本作で描かれる、

パリ郊外モンフェルメイユの、

若者たちもいた。

「レ・ミゼラブル」の

舞台となった街だが、

本作では、そんな街の

“今”を描くのである。

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フランス・パリの郊外を

舞台にしているとのことで、

郊外映画と呼ばれているが、

例えば、NYや東京でも

街を描く映画は多くあり、

郊外映画は

パリに限ったものではないんだけれど、

「レ・ミゼラブル」を輩出した街が、

今、どんな風になっているのか。

その段差ぶりに、

唖然とな
る映画になった。

昨年のカンヌ国際映画祭で、

今アカデミー賞をゲットした

「パラサイト 半地下の家族」

(2019年・韓国)と、

パルム・ドールを

最後まで争って負けたが、

どちらの作品も、

驚くべき「格差」が、

ポイントになっている。

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フランスの郊外映画の括りで言えば、

古くは戦時下の「まぼろしの市街戦」

(1967年製作・フランス映画)や、

カンヌでパルム・ドールを得た近作

「ディーパンの闘い」

(2015年・フランス・

弊ブログ分析済み)などがあるが、

ヒリヒリピリピリ度合いにおいては、

本作はその2作を凌駕している。

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一面的には、刑事映画である。

3人の刑事が、街をパトロールする中で、

さまざまな問題が発生するとゆう話なのだ。

いわゆるミニ・ロードムービーのノリだが、

警戒される若者たちの

異様な行為が際立っている。

ライオンの子をサーカス一団から、

盗んできた男の子とか、

ドローンを飛ばして、刑事の動きを始め、

いろいろ監視している少年とか、

変なのがケッコーいて、

やがては刑事と小競り合いがあって、

刑事の一人が、ある少年を撃ってしまう。

そして、クライマックスの、

コドモたちと刑事らのバーサスは、

すさまじいことになっております。

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刑事ドラマへのアンチな視点もあり、

また、スリリングな作りで目を見張らせる。

本作は、スパイク・リー監督と同じく、

黒人監督ラジ・リの、長編映画デビュー作。

故郷の地の今を、

スパイク・リーのように、

アイロニカルにとらえて、

デビュー作とは思えない、

強烈至極な作品に仕立ててみせた。

今年の洋画マイ・ベストテン級作品にして、

名作「まぼろしの市街戦」を超えた傑作だ。

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